JP7070851B2 - 配管施工方法 - Google Patents
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Description
サイホン排水システムでは、水廻り器具から排水が排出されると、最初に横引き管が満流となり、次いで竪管内が満流状態となり、竪管内で満流となった排水が落下することでサイホン力を発生し、効率的な排水が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
固定工程において、落し込み管の鉛直部、または竪管を、住戸の居室外に設けたメーターボックス内の床面に形成した孔に挿通し、落し込み管の水平部を浮遊手段を用いてメーターボックス内の床面に固定する。
固形剤固化工程では、落し込み管の鉛直部、または竪管と床面の孔との間の隙間を固形剤で埋めて固形剤を固める。
また、表面仕上げ工程では、固定工程の後、メーターボックス内の床面の上にセメントを流し込んで表面仕上げを行なうため、メーターボックス内の床面を綺麗にすることができる。
さらに、請求項1に記載の配管施工方法では、横引き管を床面から浮かせることができるため、横引き管を他の配管の上に通すこともできる。
図1、及び図2に示すように、居室15下の床スラブ14において、水廻り器具16の配置されている下方の領域は、種々の配管を通すために一段下がった凹状の段差スラブ14Aとなっている。なお、一例として、床スラブ14の上面から床材17の上面までの高さ寸法H1は130mm前後、段差スラブ14Aの上から床材17の上面までの高さ寸法H2は240mm前後、床材17の厚さtは30mm前後である。
このメーターボックス24内には、サイホン排水管21の一部を構成するL字状に曲げられた落し込み管26が配置されている。落し込み管26は、段差スラブ14Aの上に配置されて水平方向に延びる水平部26A、鉛直方向に延びる鉛直部26B、及び水平部26Aと鉛直部26Bとを繋ぐ湾曲部26Cを含んで構成されている。落し込み管26は、一例として硬質塩化ビニール樹脂等の合成樹脂で形成された市販品(例えば、エルボとも呼ばれる)を用いることができる。
横引き管22は、上流側の端部が、継手28を介してL字配管部材20の水平部20Bに接続されており、下流側の端部が、継手30を介して落し込み管26の水平部26Aに接続されている。
次に、図2、及び図3にしたがって、浮遊手段の一例としての支持部材32を説明する。
支持部材32は、脚部の一例としてのアンカー46及び軸部材48、配管保持具の一例としての六角ナット50及び配管保持具52を含んで構成されている。
このように、本実施形態の支持部材32は、配管保持具52を上下方向に開閉することで横引き管22を挟持し易い構造となっており、また、軸部材48を垂直方向に延在させることができるため、挟持した横引き管22の高さを調整し易い構造となっている。
以下に、本実施形態のサイホン排水システム10の施工工程を説明する。
(1) 段差スラブ14Aに予め形成されている貫通孔62から、水廻り器具16の下流側のL字配管部材20に至る排水ルート(言い換えれば、横引き管22の配置ルート)に沿って、複数の支持部材32を段差スラブ14Aの上面に間隔を開けて配置する。ここでは、一例として、先ず、段差スラブ14Aに孔64を穿孔し、その孔64にアンカー46を挿入してアンカー46を段差スラブ14Aに固定し、アンカー46の雌螺子46Aに軸部材48の一端側の雄螺子48Aを捩じ込んで螺合する。一つ目の六角ナット50を軸部材48の雄螺子48Aに螺合し、六角ナット50の上側の軸部材48を、配管保持具52の挟持片56Aに形成された挿通孔60、及び挟持片58Aに形成された挿通孔60に挿入し、配管保持具52を軸部材48に仮支持する。なお、一つ目の六角ナット50は、予め軸部材48に螺合させておいてもよい。
(3) 落し込み管26を固定した後、貫通孔62と落し込み管26の鉛直部26Bとの間の隙間に固形剤66を埋めて固形剤を固める(図1参照。固形剤固化工程の一例)。なお、固形剤は、モルタル、セメント等であってもよい。
また、落し込み管26を固定するための支持部材32は、壁貫通部分から離れた、落し込んでいる付近に取り付けるのが好ましい。これは、壁貫通部分より離間している箇所の高さ調整が必要となるため、壁貫通部分から離間した部分を支持することで調整がし易くなるからである。なお、落とし込んでいる付近とは、落し込み管26が水平から垂直に変化している箇所の、水平側の部分のことを指している。
なお、本実施形態では、メーターボックス24の床面14Bが、居室15下の段差スラブ14Aと水平方向に連続して繋がっているが、この床面14Bは、居室15の床スラブ14(段差スラブ14Aでは無い部分)のように、段差スラブ14Aよりも高く形成されていてもよい。
以上により、本実施形態のサイホン排水システム10の施工が終了する。
間取りや、床スラブ14の構造、他の配管の配置等によっては、横引き管22を壁際や、段差スラブ14Aの段部の側面近傍に配置せざるを得ない場合がある。壁際の床スラブ14、段差スラブ14Aの段部の側面近傍においては、表面の凹凸が大きい場合がある。
なお、床スラブ14と段差スラブ14Aとの段差部分は、施工の困難性から、一般的に不陸になりやすい。このような場所に、配管を通さなければならない場合、隆起した段差との位置関係で、従来の支持部材では取り付けが困難な場合があるが、本実施形態の支持部材32では、このような場合であっても容易に施工することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
Claims (4)
- 水廻り器具からの排水を流し床面に沿って配置される横引き管と、前記横引き管の排水方向下流側に接続され、下方に向けて屈曲した落し込み管と、前記落し込み管の下流側に接続され、下方に向けて延びる竪管と、備えるサイホン排水システムの配管施工方法であって、
前記横引き管、及び前記落し込み管の少なくとも一方を、前記床面から浮かせるための浮遊手段を用いて支持することで、前記横引き管を水平に保つ工程と、
前記落し込み管の鉛直部、または前記竪管を、住戸の居室外に設けたメーターボックス内の前記床面に形成した孔に挿通し、前記落し込み管の水平部を前記浮遊手段を用いて前記メーターボックス内の前記床面に固定する固定工程と、
前記落し込み管の鉛直部、または前記竪管と前記孔との間の隙間を固形剤で埋めて前記固形剤を固める固形剤固化工程と、
前記固定工程の後、前記メーターボックス内の前記床面の上にセメントを流し込んで表面仕上げを行なう表面仕上げ工程と、
を有するサイホン排水システムの配管施工方法。 - 前記浮遊手段は、前記床面に設けられた少なくとも1本の脚部と、前記脚部の一方側の側部に設けられ前記横引き管を保持する配管保持部とを含んで構成される保持機構を用いて前記横引き管を前記床面から浮かせている、請求項1に記載のサイホン排水システムの配管施工方法。
- 前記脚部に対する前記配管保持部の接続部位を変更することにより前記床面からの前記配管保持部の高さを調整できる、請求項2に記載のサイホン排水システムの配管施工方法。
- 前記脚部は、前記床面に埋め込まれて固定されるアンカーと、前記アンカーの雌ねじ部に捩じ込む雄ねじ部を備えた軸部材と、を有する、請求項2または請求項3に記載のサイホン排水システムの配管施工方法。
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