本明細書は、次のような遊技機に係る発明と発明が解決しようとする課題についても開示している。
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出手段と、払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段とを備える遊技機がある。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、遊技者は、収容手段に収容された遊技媒体を収容手段から取り出して、取り出した遊技媒体を収容手段以外の場所、例えば遊技機の下部に配置される玉箱などに移す作業を行うことがある。この作業の際に、遊技者は、誤って遊技媒体を収容手段以外の場所に落とすことがある。収容手段以外の場所に落下した遊技媒体は、落下したときの勢いに応じて、隣の遊技機の近辺にまで転がっていく場合がある。
遊技者は、収容手段以外の場所に落下した遊技媒体を落とした場合、落下した遊技媒体を拾うなどで遊技が中断されるため、遊技に集中できなくなる、という問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収容手段以外の場所に遊技媒体が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
下記(0)に関する発明はこのような目的を達成するために、次のような構成をとる。
(0)所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
前記収容手段よりも外側に落下する遊技媒体を受け止めて、その受け止めた遊技媒体を溜めることができる受止め手段と、を備える
ことを特徴とする。
前記(0)に記載の発明によれば、払出手段によって払い出される遊技媒体は、収容手段に収容される。収容手段に収容された遊技媒体は、遊技者によって取り出される場合があり、取り出された遊技媒体は、遊技者が誤って落とすなどして、収容手段以外の場所に落下する場合がある。このような場合であっても、収容手段よりも外側に落下する遊技媒体は、受止め手段によって受け止められて、受止め手段に貯まっていく。これにより、遊技者は、受止め手段に溜められた遊技媒体を拾うだけで、収容手段以外の場所に落下した遊技媒体を回収することができる。したがって、収容手段以外の場所に遊技媒体が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる。
なお、以下の実施例において特に断りのない限り、上下左右及び前後(あるいは奥、手前)の方向は、遊技盤を正面から見た状態、すなわち遊技盤の正面視を基準にして説明する。
<第1課題>
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出装置のような払出手段と、払出装置によって払い出される遊技媒体を収容する受け皿などを有する収容装置のような収容手段を備えるパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機がある。(例えば、特開2004-305490号公報(第12頁、図1,2))
また、遊技機が設置される遊技場では、遊技媒体の数に応じて異なる飲み物や軽食に交換するような、所定数の遊技媒体を遊技場が提供する飲食物などに交換できる遊技場があることも知られている。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、遊技者は、所定数の遊技媒体を飲食物などに交換しようとする場合に、遊技媒体を店員に渡すために、収容装置に収容されている遊技媒体を手で掴んで容器に移したり、収容装置に収容されている遊技媒体を容器で掬い取ったりする作業が発生する。
このような作業を経て容器を遊技場の店員に渡すが、容器に移された遊技媒体が所定数に対して過不足が発生することがあり、不足分の遊技媒体を再び収容装置から取り出して店員に渡したり、逆に、多過ぎた分の遊技媒体を店員から受け取って収容装置に戻したりするなど、遊技媒体の数を調節する作業が必要となることがある。このような調節作業が発生すると、遊技者は、遊技の進行を妨げられるために、イライラして遊技に集中し難い、という問題がある。
また、このような調節作業を減らすために、容器におおまかに遊技媒体を入れた後に、容器に入る遊技媒体の数を増やしたり、容器に入った遊技媒体の数を減らしたりする、別の調節作業が発生することがある。このような別の調節作業をしている間も、遊技者は遊技を中断し続けなければならないので、遊技の進行が妨げられることに変わりない。
下記(A0)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
下記(A0)に係る発明はこのような目的を達成するために次のような構成をとる。
(A0) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
を備える遊技機において、
前記払出手段によって前記収容手段に払い出される遊技媒体のうち任意の数の遊技媒体が取り出される第1取出し手段と、
前記払出手段によって前記収容手段に払い出される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体が取り出される第2取出し手段とを備える
ことを特徴とする遊技機。
(A0)に記載の発明によれば、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体のうち任意の数の遊技媒体を取り出したい場合は、第1取出し手段を用いて取り出すことによって、任意の数の遊技媒体を取り出すことができるが、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体を取り出したい場合は、第2取出し手段を用いて取り出すことによって、所定数の遊技媒体を取り出すことができる。このように、第2取出し手段を用いて遊技媒体を取り出すことによって、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる。
また、下記(A1)発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、遊技媒体を収容している収容手段から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
(A1) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
を備える遊技機において、
前記収容手段は、
前記収容手段に収容される遊技媒体を外部に排出する第1排出手段と、
前記収容手段に収容される遊技媒体を外部に排出する第2排出手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
(A1)に記載の発明によれば、収容手段には第1排出手段と第2排出手段の2つの排出手段が備えられているので、収容手段に収容される遊技媒体に対して2通りの排出を実現できる。すなわち、収容手段に収容される遊技媒体をドル箱などと呼ばれる貯留用容器に排出するための排出と、その他の用途での排出と、である。これにより、ドル箱などの貯留用容器に遊技球を移す場合のような第1排出手段を使用する場合以外の場合では遊技者は収容手段から遊技媒体を手で掴んで取り出していたが、第2排出手段を使用することにより、第1排出手段を使用する場合以外の場合にも、収容手段から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる。
したがって、(A1)に係る遊技機によれば、遊技媒体を収容している収容手段から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる遊技機を提供することができる。
なお、前記(A0)との関係では、前記第1排出手段は、前記収容手段に収容される遊技媒体のうち任意の数の遊技媒体を外部に排出する前記第1取出し手段として備えられており、前記第2排出手段は、前記収容手段に収容される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体を外部に排出する前記第2取出し手段として備えられている。
このように構成されることで、収容手段に備えられる第1排出手段と第2排出手段のうち、第1排出手段を用いることによって収容手段に収容される遊技媒体のうち任意の数の遊技媒体が外部に排出されるが、第2排出手段を用いることによって収容手段に収容される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体が外部に排出される。これにより、収容手段に収容される遊技媒体に対して2通りの排出を実現できる。すなわち、収容手段に収容される任意の数の遊技媒体をドル箱などと呼ばれる貯留用容器に排出する第1排出と、収容手段に収容される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を飲食物等との交換など第1排出以外の目的で排出する第2排出と、である。このように、第2排出手段を用いれば所定数の遊技媒体を外部に排出できるので、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる。
(A2) (A1)に記載の遊技機において、
前記第1排出手段は、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態中においてまたは遊技者が遊技を終了する際に、前記収容手段に収容される遊技媒体を外部容器に排出する場合に使用されるものである
ことを特徴とする遊技機。
(A2)に記載の発明によれば、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態中や遊技者が遊技を終了する際のような第1排出手段を使用する場合以外の場合にも、遊技媒体を収容手段から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる。
(A3) (A1)または(A2)に記載の遊技機において、
前記第2排出手段は、遊技機を正面視した場合に、収容手段の中心部よりも外側に配設される
ことを特徴とする遊技機。
(A3)に記載の発明によれば、第2排出手段は、遊技機を正面視した場合に、収容手段の中心部よりも外側に位置するので、遊技機正面の椅子に座る遊技者は、空いている手を自然に前方に伸ばすことによって、第2排出手段から排出される遊技媒体を容易に受け取ることができる。
(A4) (A3)に記載の遊技機において、
前記第2排出手段は、遊技機を正面視した場合に、前記第1排出手段が配設される位置よりも前記収容手段の中心部に対して外側に配設される
ことを特徴とする遊技機。
(A4)に記載の発明によれば、第2排出手段は、遊技機を正面視した場合に、第1排出手段が配設される位置よりも収容手段の中心部に対して外側に位置するので、第1排出手段の外部に第1排出手段から排出される遊技媒体を収容する貯留用容器が配置されている場合であっても、この貯留用容器が、第2排出手段から排出される遊技媒体を受け取る際の邪魔になり難い。よって、第2排出手段から排出される遊技媒体を容易に受け取ることができる。
(A5) (A1)から(A4)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2排出手段は、前記第1排出手段によって排出される遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体を排出するものである
ことを特徴とする遊技機。
(A5)に記載の発明によれば、第2排出手段によって排出される遊技媒体の数は、第1排出手段によって排出される遊技媒体の数よりも少ないので、収容手段に収容されている遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出す場合に、第1排出手段よりも排出数の少ない第2排出手段を使用すれば、所定数の遊技媒体を取り出す作業が第1排出手段を使用するよりも容易となる。
また、遊技媒体を貯留用容器に排出するための第1排出手段は、一度に大量の遊技媒体を排出できるように構成されていることが多い。そのため、このような排出手段を使用して、収容手段から排出される遊技媒体の数を細かく調整することは難しい。そこで、遊技媒体を貯留用容器に排出する場合以外の、例えば飲食物と交換するための容器に遊技媒体を排出するような場合は第1排出手段よりも排出数の少ない第2排出手段を使用すれば、決められた量の遊技媒体を正確に取り出すことが容易になる。
(A6) (A1)から(A5)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1排出手段は、前記収容手段に収容される遊技媒体を外部に排出する第1排出部を備え、
前記第2排出手段は、前記収容手段に収容される遊技媒体を外部に排出し且つ前記第1排出部よりも、単位時間あたりに排出される遊技媒体の数が少なくなるように構成される第2排出部を備える
ことを特徴とする遊技機。
(A6)に記載の発明によれば、単位時間あたりに第1排出部から排出される遊技媒体の数よりも、同じ単位時間あたりに第2排出部から排出される遊技媒体の数の方が少なくなるように構成されるので、第1排出部から遊技媒体を排出するよりも、第2排出部から遊技媒体を排出する方が、決められた数の遊技媒体を取り出す作業が容易になり、且つ、決められた数の遊技媒体を正確に取り出すことができる。
(A7) (A6)に記載の遊技機において、
前記第2排出手段は、前記第2排出部から排出される遊技媒体の数を検出する排出検出手段を備える
こと特徴とする遊技機。
(A7)に記載の発明によれば、第2排出部から排出される遊技媒体の数が排出検出手段によって内部的に把握されるので、第2排出部から排出される遊技媒体の数が所望の数に到達する時点を容易に検出することができる。これにより、内部的に把握された、第2排出部から排出される遊技媒体の数を活かした構成を実現できる。
(A8) (A7)に記載の遊技機において、
前記排出検出手段によって検出される、前記第2排出部から排出される遊技媒体の数を遊技者に認識させることが可能な報知を行う排出報知手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(A8)に記載の発明によれば、第2排出部から排出される遊技球の数を遊技中に確認することが容易になる。
(A9) (A6)に記載の遊技機において、
前記第2排出部から排出される遊技媒体の数を検出する排出検出手段を用いることなく、前記第2排出部から排出される遊技媒体の数を遊技者に直感的に認識させるように、前記第2排出部からの遊技媒体の排出を制御する直感的排出制御手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(A9)に記載の発明によれば、第2排出部から排出される遊技媒体の数を検出する排出検出手段を用いることなく、第2排出部から排出される遊技媒体の数を遊技者に直感的に認識させるように、第2排出部から遊技媒体を排出する制御が直感的排出制御手段によって行われるので、第2排出部から排出される遊技媒体の数を検出することで第2排出部から排出される遊技媒体の数を報知するための付加的な構成を必要とすることなく、遊技者に遊技を行わせながらでも、第2排出部から排出される遊技媒体の数を直感的に遊技者に認識させることができる。
(A10) (A9)に記載の遊技機において、
前記直感的排出制御手段は、遊技球発射装置からの遊技球の発射と同期して、前記第2排出部から遊技球が排出されるように制御する
ことを特徴とする遊技機。
(A10)に記載の発明によれば、遊技球発射装置からの遊技球の発射と同期して、第2排出部から遊技球が排出される制御を直感的排出制御手段が行うので、遊技者は、遊技球発射装置から発射される遊技球を数えることで、第2排出部から排出される遊技球の数を直感的に認識することができる。
(A11) (A10)に記載の遊技機において、
前記直感的排出制御手段は、遊技球発射装置からの遊技球の発射と同期して、遊技球発射のために遊技者に操作される遊技球発射操作手段を振動させる
ことを特徴とする遊技機。
(A11)に記載の発明によれば、遊技球発射装置からの遊技球の発射と同期して、遊技球発射のために遊技者に操作される遊技球発射操作手段が振動する制御を直感的排出制御手段が行うので、遊技者は、遊技球発射のために操作している遊技球発射操作手段の振動回数を数えることで、第2排出部から排出される遊技球の数を直感的に認識することができる。
(A12) (A1)から(A8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2排出手段は、前記第1排出手段によって排出される遊技媒体の数よりも少ない数の遊技媒体であって予め定められた数の遊技媒体を外部に排出する
ことを特徴とする遊技機。
(A12)に記載の発明によれば、第2排出手段が収容手段に収容される遊技媒体のうちの一部を外部に排出する場合、予め定められた数の遊技媒体が外部に排出される。したがって、収容手段から遊技媒体を外部に排出した後で、排出された遊技媒体の多寡に応じて遊技媒体の数を調整する作業手間が低減されるので、払出手段から払い出されて収容手段に収容されている遊技媒体の中から、決められた量の遊技媒体を遊技者が取り出す作業がさらに楽になる。
(A13) (A12)に記載の遊技機において、
前記第2排出部から排出される遊技媒体の数が予め定められた数に達することが前記排出検出手段によって検出される場合に、前記第2排出部からの遊技球の排出が停止される
ことを特徴とする遊技機。
(A13)に記載の発明によれば、第2排出部から排出される遊技媒体の数が予め定められた数に達した時点で、第2排出部からの遊技球の排出が停止されるので、予め定められた数の遊技媒体を正確に排出することができる。
(A14) (A1)から(A13)のいずれかに記載の遊技機において、
前記収容手段に収容される遊技媒体を排出する場合に、遊技者の操作を受ける排出操作手段と、
前記第2排出手段が前記収容手段に収容される遊技媒体の排出を開始する契機となる排出条件の成立の有無を判定する排出条件判定手段と、を備え、
前記第2排出手段は、前記排出操作手段が遊技者の操作を受け且つ前記排出条件判定手段によって前記排出条件が成立していないと判定される場合には、前記収容手段に収容される遊技媒体を排出せず、前記排出操作手段が遊技者の操作を受け且つ前記排出条件判定手段によって前記排出条件が成立していると判定される場合には、前記収容手段に収容される遊技媒体の排出を開始する
ことを特徴とする遊技機。
(A14)に記載の発明によれば、遊技者は、排出操作手段を操作することによって収容手段に収容される遊技媒体を第2排出部から排出することを予め決めておけば、遊技者は、特定排出条件が成立していると判定されるタイミングでは、何らの操作を要せずに、第2排出部から遊技媒体の排出を受けることができる。
上述の「前記第2排出手段が前記収容手段に収容される遊技媒体の排出を第2払出部が開始する契機となる排出条件」は、例えば、遊技者にとって有利な特別遊技状態の成立中に払出手段から払い出される遊技媒体の数が所定数に達することや、収容手段に収容される遊技媒体の数が所定数に達することや、複数種類の特別遊技状態が設けられている場合に所定種類の特別遊技状態が発生すること(例えば、特別遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大の有価価値が異なる場合に、一定以上の有価価値を得られる特別遊技状態が発生すること)など、何らかの遊技に関連する条件であればよい。
(A15) (A1)から(A14)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記収容手段に収容される遊技媒体を排出する場合に、遊技者の操作を受ける排出操作手段を備え、
前記排出操作手段は、遊技者の操作に応じて、前記第2排出手段が排出する前記収容手段に収容される遊技媒体の数を変更可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
(A15)に記載の発明によれば、遊技者の操作に応じて任意に第2排出手段が排出する遊技媒体の数が変更可能となるので、遊技場が提供する飲食物と遊技媒体との交換数が飲食物の種類に応じて複数設定されている場合にも対応できる。
(A16) (A1)から(A15)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記収容手段は、
遊技球を収容可能な第1収容領域と、
遊技球を収容可能な第2収容領域と、を備え、
前記第1排出手段は、前記第1収容領域に収容される遊技球を外部に排出し、
前記第2排出手段は、前記第2収容領域に収容される遊技球を外部に排出する
ことを特徴とする遊技機。
(A16)に記載の発明によれば、第2収容領域に遊技球が収容されている状態で、第1排出手段によって第1収容領域に収容される遊技球が排出されたり、遊技に使用されたりするなどしても、第2収容領域に収容される遊技球の数はそのままである。したがって、第2収容領域に遊技球が収容された後、遊技を続行しても、第2収容領域に収容される遊技球の数が減ることはないので、遊技者は、第2収容領域に遊技球が収容された後、手の空いたときに第2収容領域から遊技球を取り出すことができる。
<第2の課題>
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出装置と、払出装置によって払い出される遊技媒体を収容する受け皿などを有する収容装置と、収容装置に収容される遊技媒体を外部に排出する排出手段とを備えるパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機がある。(例えば、特開2004-305490号公報(第12頁、図1,2))
また、遊技機が設置される遊技場では、遊技媒体の数に応じて異なる飲み物や軽食に交換するような、所定数の遊技媒体を遊技場が提供する飲食物などに交換できる遊技場があることも知られている。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、遊技者は、所定数の遊技媒体を飲食物などに交換しようとする場合に、遊技媒体を店員に渡すために、収容装置に収容されている遊技媒体を手で掴んで容器に移したり、収容装置に収容されている遊技媒体を容器で掬い取ったりする作業が発生する。
このような作業をしている間、遊技を中断しなければならないので、遊技者は、遊技媒体を遊技場が提供する飲食物に交換して飲食したい場合にも、遊技の進行が妨げられることを避けるため、飲食を我慢する状況を強いられることがある。
下記(B1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技中に遊技媒体を収容している収容手段から一部の遊技媒体を取り出す作業を行う場合でも、遊技の進行を妨げられにくい遊技機を提供することを目的とする。
下記(B1)に係る発明はこのような目的を達成するために次のような構成をとる。
(B1) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する第1収容手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する第2収容手段と、
通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち一部の遊技媒体を前記第2収容手段に誘導し、当該特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち残り遊技媒体を前記第1収容手段に誘導する誘導手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
(B1)に記載の発明によれば、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち一部の遊技媒体は、第2収容手段に誘導されるが、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち残りの遊技媒体は、第1収容手段に誘導される。したがって、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のなかから一部の遊技球を取り出したい場合に、第1収容手段に収容される遊技媒体の中から一部の遊技媒体を分けて取り出すような必要はなく、第2収容手段に払い出される遊技媒体を取り出すだけでよい。その結果、遊技中に遊技媒体を収容している収容手段から一部の遊技媒体を取り出す作業が遊技の進行を妨げにくいので、遊技者は、我慢すること無く遊技場が提供する飲食物と遊技媒体とを交換して飲食できる。
第1収容手段および第2収容手段は、それぞれまたはいずれか一方が複数の収容部で構成されていてもよいし、それぞれまたはいずれか一方が単数の収容部で構成されていてもよい。
なお、(A0)に記載の遊技機との関係では、前記誘導手段は、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態中に前記払出手段によって払い出される遊技媒体のうち前記所定数の遊技媒体を所定方向に誘導し、当該特別遊技状態中に前記払出手段によって払い出される遊技媒体のうち前記所定数の遊技媒体を除く残りの遊技媒体を前記所定方向とは異なる方向に誘導する手段として備えられており、前記収容手段は、前記誘導手段によって前記異なる方向に誘導される前記残りの遊技媒体を収容する第1収容手段を前記第1取出し手段として備え、前記誘導手段によって前記所定方向に誘導される前記所定数の遊技媒体を収容する第2収容手段を前記第2取出し手段として備えられている。
このように構成されることで、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体を除く残りの遊技媒体は、第1収容手段に誘導されて、第1収容手段に収容されるが、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体は、第2収容手段に誘導されて、第2収容手段に収容される。したがって、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出したい場合に、第1収容手段に収容される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を分けて取り出すような必要はなく、第2収容手段に払い出される所定数の遊技媒体を取り出すだけでよい。このように、第2収容手段から遊技媒体を取り出せば所定数の遊技媒体を取り出すことができるので、払出手段によって収容手段に払い出される遊技媒体の中から所定数の遊技媒体を取り出し易くすることができる。
また、誘導手段によって所定数の遊技媒体が第2収容手段に誘導された後、第2収容手段には所定数の遊技媒体が収容されているので、所定数の遊技媒体を短時間で取り出すことができる。そのため、所定数の遊技媒体を取り出す作業が遊技の進行の妨げになりにくい。
(B2) (B1)に記載の遊技機において、
前記払出手段を含む各種の遊技手段を有する遊技機本体を備え、
前記第1収容手段は、前記遊技機本体の前面に配設される第1収容装置に備えられ、
前記第2収容手段は、前記遊技機本体の前面のうち前記第1収容装置が配設される位置から水平方向に異なる位置に配設される第2収容装置に備えられる
ことを特徴とする遊技機。
(B2)に記載の発明によれば、第1収容手段と第2収容手段は、遊技機本体の前面において水平方向に異なる位置に配設されるので、遊技の進行中に、第1収容装置にて何らかの手作業が必要となる期間であっても、第1収容装置から第2収容装置へ円滑に手を移動させて、第2収容手段から遊技球を取り出す作業を行い易くなっている。
(B3) (B1)に記載の遊技機において、
前記払出手段を含む各種の遊技手段を有する遊技機本体を備え、
前記第1収容手段と前記第2収容手段は、それぞれが区分された状態で、前記遊技機本体の前面に配設される1の収容装置内に隣り合わせで備えられる
ことを特徴とする遊技機。
(B3)に記載の発明によれば、第1収容手段と第2収容手段がそれぞれ区分された状態で隣り合わせで1の収容装置に備えられるので、第1収容手段と第2収容手段との2つの収容手段を設ける場合でも、省スペースで遊技機本体の前面に配設することができる。
(B4) (B1)から(B3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記誘導手段は、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合に、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち前記所定数の遊技媒体を前記第2収容手段に誘導する
ことを特徴とする遊技機。
(B4)に記載の発明によれば、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合には、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち所定数の遊技媒体が第2収容手段に誘導される。したがって、遊技者は、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合には、自ら操作をしなくても、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体の払い出し先を切り換えることができる。その結果、遊技媒体の払い出し先を切り換えられるために必要な操作手間を減らすことができる。なお、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件とは、遊技者の操作がなくても所定の条件が成立すれば自動的に誘導先を切り換えることができる条件である。
(B5) (B4)に記載の遊技機において、
前記誘導手段は、前記所定の誘導先切換条件が成立した後に所定の誘導先戻し条件が成立する場合に、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち残りの遊技媒体を前記第1収容手段に誘導する
ことを特徴とする遊技機。
(B5)に記載の発明によれば、所定の誘導先切換条件が成立した後に所定の誘導先戻し条件が成立する場合には、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち残りの遊技媒体が第1収容手段に誘導される。したがって、遊技者は、所定の誘導先戻し条件が成立する場合には、特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち残り遊技媒体の誘導先を第1収容手段に戻すことができる。なお、所定の誘導先戻し条件が成立する場合とは、遊技者の操作であってもよいし、遊技者の操作以外のものであってもよい。
(B6) (B1)から(B3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2収容手段に遊技媒体を誘導するための遊技者の操作を受ける誘導操作手段を備え、
前記誘導手段は、前記誘導操作手段が遊技者の操作を受けない場合は、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体を前記第1収容手段に誘導し、前記誘導操作手段が遊技者の操作を受ける場合は、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち前記所定数の遊技媒体を前記第2収容手段に誘導するとともに、当該特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち前記残りの遊技媒体を前記第1収容手段に誘導する
ことを特徴とする遊技機。
(B6)に記載の発明によれば、遊技者が特別遊技状態中に払い出される遊技媒体を溜めておきたい場合は、遊技者は、第1収容手段に遊技媒体を誘導させることができる。また、遊技者が特別遊技状態中に払い出される遊技媒体を遊技場が提供する飲食物に交換して飲食したい場合は、遊技者は、誘導操作手段を操作するだけで、第2収容手段に遊技媒体を誘導させることができる。したがって、遊技者は自らが好むタイミングで第2収容手段に遊技媒体を誘導させることができる。
(B7) (B6)に記載の遊技機において、
前記誘導手段が前記第2収容手段に遊技媒体を誘導する契機となる誘導条件の成立の有無を判定する誘導条件判定手段を備え、
前記誘導手段は、前記誘導操作手段が遊技者の操作を受け且つ前記誘導条件判定手段によって前記誘導条件が成立していないと判定される場合には、前記第1収容手段に遊技媒体を誘導せず、前記誘導操作手段が遊技者の操作を受け且つ前記誘導条件判定手段によって前記払出条件が成立していると判定される場合には、前記第2収容手段に遊技媒体を誘導する
ことを特徴とする遊技機。
(B7)に記載の発明によれば、遊技者は、誘導操作手段を操作することによって誘導手段が第2収容手段に遊技媒体を誘導することを予め決めておけば、遊技者は、誘導条件が成立していると判定されるタイミングでは、何らの操作を要せずに、第2払出手段に遊技媒体を誘導させることができる。
上述の「前記誘導手段が前記第2収容手段に遊技媒体を誘導する契機となる誘導条件」は、例えば、遊技者にとって有利な特別遊技状態の成立中に払出手段が第1収容手段に払い出す遊技媒体の数が所定数に達することや、第1収容手段に収容される遊技媒体の数が所定数に達することや、複数種類の特別遊技状態が設けられている場合に所定種類の特別遊技状態が発生すること(例えば、特別遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大の有価価値が異なる場合に、一定以上の有価価値を得られる特別遊技状態が発生すること)や、遊技者が設定する種類の特別遊技状態が発生することなど、何らかの遊技に関連する条件であればよい。
(B8) (B4)または(B5)に記載の遊技機において、
前記誘導操作手段は、遊技者の操作に応じて、前記誘導手段が前記特別遊技状態中に前記第2収容手段に誘導する前記所定数の遊技媒体の数を変更可能に構成されている
ことを特徴とする遊技機。
(B8)に記載の発明によれば、遊技者の操作に応じて任意に第2収容手段に誘導される遊技媒体の数を変更可能となるので、遊技場が提供する飲食物と遊技媒体との交換数が飲食物の種類に応じて複数設定されている場合にも対応できる。
(B9) (B1)から(B8)のいずれかに記載の遊技機において、
前記誘導手段は、
前記払出手段から払い出される遊技媒体を前記第1収容手段へ誘導する第1誘導通路と、
前記払出手段から払い出される遊技媒体を前記第2収容手段へ誘導する第2誘導通路と、
前記払出手段から払い出される遊技媒体の誘導先を前記第1誘導部と前記第2誘導部との間で切り換える切換部と、を備え、
前記誘導手段は、前記切換部が遊技媒体の誘導先を前記第2誘導部に切り換えている場合に、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち前記所定数の遊技媒体を前記第2収容手段に誘導し、前記切換部が遊技媒体の誘導先を前記第1誘導部に切り換えている場合に、前記特別遊技状態中に払い出される遊技媒体のうち前記残りの遊技媒体を前記第1収容手段に誘導する
ことを特徴とする遊技機。
(B9)に記載の発明によれば、払出手段から払い出される遊技媒体の誘導先を第1収容手段または第2収容手段に切り換えることができるので、上述した発明を好適に実現できる。
<第3課題>
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出装置と、払出装置によって払い出される遊技媒体を収容する受け皿などを有する収容装置とを備える遊技機がある。(例えば、特開2004-305490号公報(第12頁、図1,2))
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機は、遊技の途中に遊技者が収容装置に収容されている遊技媒体を数えようとする場合や、遊技の途中に遊技機本体が収容装置に収容されている遊技媒体の数を把握しようとする場合などに、収容装置に何個の遊技媒体が収容されているのか正確に分かり辛いという問題がある。
下記(C1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技の途中でも、収容装置に収容されている遊技媒体の数を正確に把握することを容易にできる遊技機を提供することを目的とする。
下記(C1)に係る発明はこのような目的を達成するために次のような構成をとる。
(C1) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
を備える遊技機において、
前記収容手段に収容される遊技媒体の重量を測定する測定手段と、
前記払出手段によって払い出され且つ前記収容手段によって収容される遊技媒体を利用して、1の遊技媒体の重量に対応する重量情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得される前記重量情報に基づいて、前記収容手段に収容される遊技媒体の重量を、前記収容手段に収容される遊技媒体の数に変換する変換手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
(C1)に記載の発明によれば、1の遊技媒体の重量に対応する重量情報の取得にあたって、払出手段によって払い出され且つ収容手段に収容される遊技媒体が利用されるので、遊技媒体の重量から遊技媒体の数への変換に用いられる重量情報が容易に取得される。この取得された重量情報に基づいて、収容手段に収容される遊技媒体の重量が収容手段に収容される遊技媒体の数に変換されるので、収容装置に収容されている遊技媒体の数が正確に求められる。したがって、遊技の途中でも、収容装置に収容されている遊技媒体の数を正確に把握することが容易になる。
また仮に、遊技機が設置されている期間内に1の遊技媒体の重量が変わったとしても、
遊技媒体の重量から遊技媒体の数への変換に用いられる重量情報には、実際に払出装置から払い出され且つ収容手段に収容される遊技媒体についての1の遊技媒体の重量が反映されるので、正確な遊技媒体の数を把握し続けることができる。
(C2) (C1)に記載の遊技機において、
前記取得手段は、前記払出手段によって払い出される遊技媒体を前記測定手段で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技媒体の平均的な重量を示す平均重量を前記重量情報として取得するものであって、
前記変換手段は、前記取得手段によって取得される前記平均重量に基づいて、前記収容手段に収容される遊技媒体の重量を、前記収容手段に収容される遊技媒体の数に変換する
ことを特徴とする遊技機。
(C2)に記載の発明によれば、1の遊技媒体の重量に対応する重量情報は、払出手段によって払い出される遊技媒体を測定手段で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技媒体の平均的な重量を示す平均重量として取得される。この平均重量に基づいて、収容手段に収容される遊技媒体の重量が、収容手段に収容される遊技媒体の数に変換される。したがって、払出手段によって払い出される一部の遊技媒体の重量と他の遊技媒体の重量との間で重量のばらつきがあるとしても、正確な遊技媒体の数を把握し続けることができる。
(C3) (C1)または(C2)に記載の遊技機において、
前記取得手段は、通常の遊技状態よりも遊技媒体が払い出される機会を多く得られる特別遊技状態において、前記払出手段によって払い出され且つ前記収容手段に収容される遊技媒体を利用して、前記重量情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
(C3)に記載の発明によれば、一度に大量の遊技媒体が払い出される特別遊技状態において、1の遊技媒体の重量に対応する重量情報が取得されるので、多数の遊技媒体の中から重量情報を取得できる分だけ、重量情報の正確性を向上させることができる。
(C4) (C1)に記載の遊技機において、
前記収容手段は、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する第1収容手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する第2収容手段と、で構成され、
前記測定手段は、
前記第1収容手段に収容される遊技媒体の重量を測定する第1測定手段と、
前記第2収容手段に収容される遊技媒体の重量を測定する第2測定手段と、で構成され、
前記取得手段は、前記払出手段によって前記第2収容手段に払い出される遊技媒体を利用して、前記重量情報を取得するのであって、
前記変換手段は、前記取得手段によって取得される前記重量情報に基づいて、前記第1収容手段に収容される遊技媒体の重量を、前記第1収容手段に収容される遊技媒体の数に変換するものである
ことを特徴とする遊技機。
(C4)に記載の発明によれば、変換手段が第1収容手段に収容される遊技媒体の重量を遊技媒体の数に変換する際に用いる重量情報は、第1収容手段とは別の収容手段(第2収容手段)に払い出される遊技媒体を利用して取得されるので、第1収容手段に払い出される遊技媒体を利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、第2収容手段を重量情報の取得のために利用できる。したがって、第1収容手段に払い出される遊技媒体を利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、第1収容手段に払い出される遊技媒体の数を正確に求めることができる。
(C5) (C4)に記載の遊技機において、
前記取得手段は、前記払出手段によって払い出される遊技媒体を前記第2測定手段で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技媒体の平均的な重量を示す平均重量を、前記重量情報として取得するものであって、
前記変換手段は、前記取得手段によって取得される前記平均重量に基づいて、前記第1収容手段に収容されている遊技媒体の重量を、前記第1収容手段に収容される遊技媒体の数に変換する
ことを特徴とする遊技機。
(C5)に記載の発明によれば、1の遊技媒体の重量に対応する重量情報は、第2測定手段で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技媒体の平均的な重量を示す平均重量として取得される。この平均重量に基づいて、第1収容手段に収容される遊技媒体の重量が、第1収容手段に収容される遊技媒体の数に変換される。したがって、払出手段によって払い出される一部の遊技媒体の重量と他の遊技媒体の重量との間で重量のばらつきがあるにも関わらず、第1収容手段に払い出される遊技媒体を利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、正確な遊技媒体の数を把握し続けることができる。
(C6) (C4)または(C5)に記載の遊技機において
前記取得手段は、通常の遊技状態よりも遊技媒体が払い出される機会を多く得られる特別遊技状態において、前記払出手段によって払い出され且つ前記第2収容手段に収容される遊技媒体を利用して、前記重量情報を取得する
ことを特徴とする遊技機。
(C6)に記載の発明によれば、第1収容手段に払い出される遊技媒体を利用して重量情報の取得することが難い場合に、第2収容手段に払い出される遊技媒体を利用して重量情報を取得する場合であっても、一度に大量の遊技媒体が払い出される特別遊技状態において、多数の遊技媒体の中から重量情報を取得できるので、重量情報の正確性を向上させることができる。
(C7) (C1)から(C6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記変換手段によって変換された遊技媒体の数を表示する表示手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(C7)に記載の発明によれば、変換手段によって変換された遊技媒体の数が表示手段に表示されるので、遊技者は、収容装置に収容されている遊技媒体を確認しなくとも、表示手段に表示される遊技媒体の数を見るだけで、遊技の途中でも、収容装置に収容されている遊技媒体の数を正確に把握することが容易になる。
(C8) (C1)から(C6)のいずれかに記載の遊技機において、
前記変換手段によって変換された遊技媒体の数に応じた演出を実行する演出実行手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(C8)に記載の発明によれば、収容装置に収容されている遊技媒体の数が正確に求められているので、収容装置に収容されている遊技媒体の数を正確に反映させた演出を実行することができる。
<第4課題>
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出装置と、払出装置によって払い出される遊技媒体を収容する受け皿などを有する収容装置とを備える遊技機がある。(例えば、特開2004-305490号公報(第12頁、図1,2))
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機は、液晶表示装置に表示される表示演出や役物ランプを点灯させる点灯演出など遊技者に認知される態様で実行される所定の演出を実行するものがある。これらの所定の演出の態様が実際に当該所定の演出を認知している遊技者にとって適しているかどうかは判別し難い。そのため、遊技者に認知される態様で実行される演出の興趣性をこれ以上向上させ難いという問題がある。
下記(D1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
下記(D1)に係る発明はこのような目的を達成するために次のような構成をとる。
(D1) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
所定の演出を遊技者に認知される態様で実行する演出実行手段と、
前記所定の演出を実行させる制御を含む遊技に関する制御を行う制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記収容手段に外的に付加される荷重を検出する荷重検出手段を備え、
前記制御手段は、前記荷重検出手段によって検出される荷重に基づく荷重情報と、前記荷重情報と対比する際の基準となる基準情報とに基づいて、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を決定する演出態様決定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(D1)に記載の発明によれば、収容手段に外的に付加される荷重が荷重検出手段によって検出され、荷重検出手段によって検出される荷重に基づく荷重情報と、荷重情報と対比する際の基準となる基準情報とに基づいて、演出実行手段で実行される所定の演出の態様が演出態様決定手段によって決定される。収容手段に外的に付加される荷重は、例えば、収容手段に収容される遊技媒体の荷重や、収容手段に載せられる遊技者の手の荷重などである。例えば、収容手段に収容される遊技媒体の荷重を検出することによって、収容手段に遊技媒体を溜める傾向がある遊技者であるか、収容手段に遊技媒体を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど遊技者の傾向に関する情報を荷重情報として得ることができる。また、例えば、収容手段に載せられる遊技者の手の荷重を検出することによって、所定の演出に対する遊技者の関心の程度に関する情報を荷重情報として得ることができる。これにより、荷重情報と対比する際の基準となる基準情報を適切に設定することによって、荷重情報と基準情報とに基づいて、演出実行手段で実行される所定の演出の態様が遊技者に適した態様となるように決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D2) (D1)に記載の遊技機において、
前記荷重情報は、前記収容手段に収容される遊技媒体の荷重を示す遊技媒体荷重情報であって、
前記基準情報は、前記遊技媒体荷重情報に対比される際の基準となる遊技媒体の荷重を示す遊技媒体基準荷重情報であって、
前記遊技態様決定手段は、前記遊技媒体荷重情報と前記遊技媒体基準荷重情報とに基づいて、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D2)に記載の発明によれば、上述した荷重情報は、収容手段に収容される遊技媒体の荷重を示す遊技媒体荷重情報である。上述した基準情報は、この遊技媒体荷重情報に対比される際の基準となる遊技媒体の荷重を示す遊技媒体基準荷重情報である。演出実行手段で実行される所定の演出の態様は、この遊技媒体荷重情報と遊技媒体基準荷重情報とに基づいて決定される。これにより、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、収容手段に遊技媒体を溜める傾向がある遊技者であるか、収容手段に遊技媒体を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど、遊技者が収容手段へ遊技媒体を収容する際の傾向から把握される遊技者の遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D3) (D2)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態において前記所定の演出を実行するものであり、
前記収容手段は、前記収容手段の外部に遊技媒体を排出するための遊技者の操作を受ける排出操作部を備え、
前記遊技媒体基準荷重情報は、前記特別遊技状態において前記収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に、前記排出操作部が遊技者の操作を受けて、前記収容手段が遊技媒体を外部に排出し易い排出状態となっているか否かを示す排出状態判別基準を表す情報であり、
前記演出態様決定手段は、前記荷重情報が前記排出状態判別基準を上回る場合と、前記荷重情報が前記排出状態判別基準と等しい場合かあるいは前記荷重情報が前記排出状態判別基準を下回る場合とで、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を異ならせる
ことを特徴とする遊技機。
(D3)に記載の発明によれば、上述の基準荷重情報は、特別遊技状態において収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に、排出操作部が遊技者の操作を受けて、収容手段が遊技媒体を外部に排出し易い排出状態となっているか否かを示す排出状態判別基準を表す遊技媒体基準荷重情報である。演出態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、荷重情報が排出状態判別基準を上回る場合と、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいはこれを下回る場合とで、異なる。これにより、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、特別遊技状態において収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に排出操作部を操作することによって収容手段が遊技媒体を外部に排出し易い排出状態を作りやすい遊技者であるか否かという、収容手段へ収容した遊技媒体を排出する際の傾向から把握される遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D4) (D3)に記載の遊技機において、
前記演出態様決定手段は、前記荷重情報が前記排出状態判別基準を上回ることによって前記排出状態ではないと判別される場合よりも、前記荷重情報が前記排出状態判別基準と等しいかあるいは前記荷重情報が前記排出状態判別基準を下回ることによって前記排出状態であると判別される場合の方が、前記所定の演出の開始から終了までの時間の短い前記所定の演出を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D4)に記載の発明によれば、荷重情報が排出状態判別基準を上回ることによって排出状態ではないと判別される場合よりも、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいは荷重情報が排出状態判別基準を下回ることによって排出状態であると判別される場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が演出態様決定手段によって決定される。前者の場合、収容手段に遊技媒体を溜める傾向がある遊技者であると判別できる。後者の場合、収容手段に遊技媒体を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であると判別できる。後者の場合の遊技者は、前者の場合の遊技者よりも、大当たり状態中に収容手段の収容状況を気にしながら排出操作部を操作するというような余分な時間を費やしたくないと考える傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出を遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D5) (D3)に記載の遊技機において、
前記所定の演出が実行される場合に遊技者の操作を受ける操作手段を備え、
前記演出態様決定手段は、前記荷重情報が前記排出状態判別基準を上回ることによって前記排出状態ではないと判別される場合よりも、前記荷重情報が前記排出状態判別基準と等しいかあるいは前記荷重情報が前記排出状態判別基準を下回ることによって前記排出状態であると判別される場合の方が、前記操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の少ない前記所定の演出を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D5)に記載の発明によれば、荷重情報が排出状態判別基準を上回ることによって排出状態ではないと判別される場合よりも、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいは荷重情報が排出状態判別基準を下回ることによって排出状態であると判別される場合の方が、操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が演出態様決定手段によって決定される。後者の場合の遊技者は、前者の場合の遊技者よりも、大当たり状態中に収容手段の収容状況を気にしながら排出操作部を操作するというような余分な時間を費やしたくないと考える傾向がある。そのため、後者の場合の遊技者は、操作手段の操作を求める操作要求の出現回数が多過ぎる演出を好まない場合もある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出を遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D6) (D2)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技媒体の払い出し機会を得ることが可能な特別遊技状態において前記所定の演出を実行するものであり、
前記収容手段は、前記収容手段の外部に遊技媒体を排出するための遊技者の操作を受ける排出操作部を備え、
前記遊技媒体基準荷重情報は、前記特別遊技状態において前記収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に、前記収容手段に収容される遊技媒体が前記収容手段の満杯に近い満杯注意状態となっていることを示す満杯注意基準を表す情報であり、
前記演出態様決定手段は、前記荷重情報が前記満杯注意基準を上回る場合と、前記荷重情報が前記満杯注意基準と等しい場合かあるいは前記荷重情報が前記満杯注意基準を下回る場合とで、前記所定の演出の態様を異ならせる
ことを特徴とする遊技機。
(D6)に記載の発明によれば、上述した遊技媒体基準荷重情報は、特別遊技状態において収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に、収容手段に収容される遊技媒体が収容手段の満杯に近い満杯注意状態となっていることを示す満杯注意基準を表す情報である。演出態様決定手段によって決定される所定の演出は、荷重情報が満杯注意基準を上回る場合と、荷重情報が満杯注意基準と等しい場合かあるいは荷重情報が満杯注意基準を下回る場合とで、異なる。これにより、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、特別遊技状態において収容手段に遊技媒体が払い出される期間中に、収容手段に収容される遊技媒体が収容手段の満杯に近い満杯注意状態を作りやすい遊技者であるか否かという、収容手段へ遊技媒体を収容する際の傾向から把握される遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D7) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
所定の演出を遊技者に認知される態様で実行する演出実行手段と、
前記所定の演出を実行させる制御を含む遊技に関する制御を行う制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記収容手段に外的に付加される荷重を検出する荷重検出手段と、
前記所定の演出が実行される場合に遊技者の操作を受ける操作手段と、
前記操作手段に対する遊技者の操作を検出する操作検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記荷重検出手段によって検出される荷重に基づく荷重情報と、前記操作検出手段によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を決定する演出態様決定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(D7)に記載の発明によれば、収容手段に外的に付加される荷重が荷重検出手段によって検出され、荷重検出手段によって検出される荷重に基づく荷重情報と、操作検出手段によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて、演出実行手段で実行される所定の演出の態様が演出態様決定手段によって決定される。収容手段に外的に付加される荷重は、例えば、収容手段に収容される遊技媒体の荷重や、収容手段に載せられる遊技者の手の荷重などである。例えば、収容手段に収容される遊技媒体の荷重を検出することによって、収容手段に遊技媒体を溜める傾向がある遊技者であるか、収容手段に遊技媒体を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど遊技者の傾向に関する情報を荷重情報として得ることができる。また、例えば、収容手段に載せられる遊技者の手の荷重を検出することによって、所定の演出に対する遊技者の関心の程度に関する情報を荷重情報として得ることができる。このようにして得られる荷重情報と、操作検出手段によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて演出実行手段で実行される所定の演出の態様を決定すれば、遊技者に適した態様の所定の演出が演出実行手段によって決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D8) (D7)に記載の遊技機において、
前記荷重情報は、前記収容手段に載せられる遊技者の手の荷重を示す手の荷重情報であって、
前記基準情報は、前記操作検出手段によって遊技者の操作が検出されたか否かを示す操作検出情報であって、
前記遊技態様決定手段は、前記手の荷重情報と前記操作検出情報とに基づいて、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D8)に記載の発明によれば、上述した基準情報は、操作検出手段によって遊技者の操作が検出されたか否かを示す操作検出情報である。遊技態様決定手段によって決定される所定の演出は、手の荷重情報と操作検出情報とに基づいて決定される。これにより、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、遊技に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映するので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D9) (D8)に記載の遊技機において、
前記遊技態様決定手段は、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がある場合と、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がない場合とで、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を異ならせる
ことを特徴とする遊技機。
(D9)に記載の発明によれば、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出は、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合と、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合とで異なる。手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合は、収容手段に手を載せた状態で操作手段を操作するタイミングを待つような、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合は、前者の場合に比べて、所定の演出に対する関心の低い遊技者であるという傾向がある。これにより、所定の演出に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D10) (D9)に記載の遊技機において、
前記遊技態様決定手段は、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がない場合よりも、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がある場合の方が、前記所定の演出の開始から終了までの時間の長い前記所定の演出を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D10)に記載の発明によれば、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合よりも、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の長い所定の演出が前記遊技態様決定手段によって決定される。前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D11) (D10)に記載の遊技機において、
前記遊技態様決定手段は、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がない場合よりも、前記手の荷重情報があり且つ前記操作検出情報がある場合の方が、前記操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の多い前記所定の演出を決定する
ことを特徴とする遊技機。
(D11)に記載の発明によれば、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合よりも、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合の方が、操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の多い所定の演出が遊技態様決定手段によって決定される。前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、操作手段の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出に対する遊技者の関心を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
(D12) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
所定の演出を遊技者に認知される態様で実行する演出実行手段と、
前記所定の演出を実行させる制御を含む遊技に関する制御を行う制御手段と、
を備える遊技機であって、
前記収容手段は、遊技者の操作によって、遊技球を収容し易い収容状態と、遊技球を外部に排出し易い排出状態とに変化するものであって、
前記制御手段は、
前記収容手段が前記収容状態または前記排出状態のいずれの状態であるかに基づいて、前記演出実行手段で実行される前記所定の演出の態様を決定する演出態様決定手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
(D12)に記載の発明によれば、収容手段は、遊技者の操作によって、遊技球を収容し易い収容状態と、遊技球を外部に排出し易い排出状態とに変化する。演出態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、収容手段が収容状態または排出状態のいずれの状態であるかに基づいて決定される。収容手段が遊技者の操作によって遊技球を収容し易い収容状態とされている場合、その遊技者は収容手段に遊技媒体を溜める傾向があることが分かる。収容手段が遊技者の操作によって遊技球を排出し易い排出状態とされている場合、その遊技者は収容手段に遊技媒体を溜めないですぐに排出し易い傾向があることが分かる。このように収容手段が収容状態か排出状態のいずれの状態であるかに基づくことで、演出実行手段で実行される所定の演出の態様が遊技者に適した態様となるように決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
<第5課題>
従来、この種の遊技機として、例えば、所定の価値を有する遊技球やメダルなどの遊技媒体を払い出す払出手段と、払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段とを備える遊技機がある(例えば、特開2004-305490号公報(第12頁、図1,2))。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の遊技機では、遊技者は、収容手段に収容された遊技媒体を収容手段から取り出して、取り出した遊技媒体を収容手段以外の場所、例えば遊技機の下部に配置される玉箱などに移す作業を行うことがある。この作業の際に、遊技者は、誤って遊技媒体を収容手段以外の場所に落とすことがある。収容手段以外の場所に落下した遊技媒体は、落下したときの勢いに応じて、隣の遊技機の近辺にまで転がっていく場合がある。
遊技者は、収容手段以外の場所に落下した遊技媒体を落とした場合、落下した遊技媒体を拾うなどで遊技が中断されるため、遊技に集中できなくなる、という問題がある。
下記(E1)に係る発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収容手段以外の場所に遊技媒体が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる遊技機を提供することを目的とする。
下記(E1)に係る発明はこのような目的を達成するために、次のような構成をとる。
(E1) 所定の価値を有する遊技媒体を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する収容手段と、
少なくとも一部が前記収容手段よりも外側に位置しており、落下する遊技媒体を受け止めて、その受け止めた遊技媒体を溜めることができる受止め手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E1)に記載の発明によれば、払出手段によって払い出される遊技媒体は、収容手段に収容される。収容手段に収容された遊技媒体は、遊技者によって取り出される場合があり、取り出された遊技媒体は、遊技者が誤って落とすなどして、収容手段以外の場所に落下する場合がある。このような場合であっても、落下する遊技媒体は、少なくとも一部が収容手段よりも外側に位置する受止め手段によって受け止められて、受止め手段に貯まっていく。これにより、遊技者は、受止め手段に溜められた遊技媒体を拾うだけで、収容手段以外の場所に落下した遊技媒体を回収することができる。したがって、収容手段以外の場所に遊技媒体が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる。
(E2) 前記(E1)に記載の遊技機において、
前記受止め手段は、遊技媒体を受け止める受止め部と、前記受止め部によって受け止められた遊技媒体を溜める溜め部と、前記溜め部によって溜められた遊技媒体を所定の箇所から外部に排出することが可能な排出部と、を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E2)に記載の発明によれば、収容手段以外の場所に落下した遊技媒体は、受止め部によって受け止められる。受止め部によって受け止められた遊技媒体は、溜め部によって溜められる。溜め部によって溜められた遊技媒体は、排出部によって受止め手段の所定箇所から排出される。したがって、遊技者は、受止め手段に落下した遊技媒体を取り出す際に、遊技媒体を1つずつ手で掴んで取り出す必要がないので、受止め手段に落下した遊技媒体を取り出す作業が容易になる。
(E3) 前記(E2)に記載の遊技機において、
前記受止め部は、前記溜め部に向かって下り傾斜しており、
前記溜め部は、前記排出部に向かって下り傾斜している下り傾斜部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E3)に記載の発明によれば、受止め部に受け止められた遊技媒体は、溜め部に向かい易くなり、溜め部に溜められた遊技媒体は、排出部に向かって下り傾斜する下り傾斜部に沿って排出部に向かい易くなる。したがって、遊技者は、受止め手段に落下した遊技媒体を取り出す際に、受止め手段に落下した遊技媒体を手で集める作業の必要性が少なくなるので、このような作業で遊技が中断されることが低減される。
(E4) 前記(E3)に記載の遊技機において、
前記受止め手段は、遊技者の操作を受ける排出操作部を備え、
前記排出部は、前記排出操作部が遊技者の操作を受けることで、遊技媒体が外部に排出される状態となる
ことを特徴とする遊技機。
前記(E4)に記載の発明によれば、排出操作部が遊技者に操作されることによって、受止め手段に受け止められた遊技媒体は、受止め手段の外部に排出される。したがって、遊技者は、受止め手段に落下した遊技媒体を取り出す際に、手で遊技媒体を掻き出す作業が必要なくなるので、受止め手段に落下した遊技媒体を取り出す作業が容易且つ迅速になる。
(E5) 前記(E1)から(E4)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記収容手段は、記払出手段によって払い出される遊技媒体を受ける受け皿部と、前記受け皿部を内側に有する外殻部と、を備え、
前記受止め手段は、前記外殻部の底面よりも下方に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E5)に記載の発明によれば、遊技者が収容手段の受け皿部から取り出した遊技媒体を収容手段の外殻部の底面よりも下方に位置する他の場所に移す作業を行う際に、受け皿部以外の場所に遊技媒体を落とす場合であっても、落下する遊技媒体を外殻部の底面よりも下方に配置される受止め手段で受け止めて、溜めることができる。これにより、上述のように遊技を中断させ難くすることができる。
(E6) 前記(E5)に記載の遊技機において、
前記収容手段は、記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する上側収容手段と、前記上側収容手段よりも下方に配置されており、記払出手段によって払い出される遊技媒体を収容する下側収容手段と、を備え、
前記受止め手段は、前記下側収容手段を構成する前記外殻部の底面よりも下方に配置されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、遊技者が下側収容手段の受け皿部から遊技媒体を手で掴んで上側収容手段の受け皿部に移す作業を行う際などに、上側収容手段及び下側収容手段の受け皿部以外の場所に遊技媒体を落とす場合であっても、落下する遊技媒体を下側収容手段の外殻部の底面よりも下方で受け止めて、溜めることができる。これにより、上述のように遊技を中断させ難くすることができる。
(E7) 前記(E1)に記載の遊技機において、
前記受止め手段は、前記収容手段の底面に対向して配置されており、前記収容手段の底面との間に、前記収容手段から外部に排出される遊技媒体を収容可能である遊技媒体箱を載置可能な空間が形成されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E7)に記載の発明によれば、遊技者が例えば収容手段から遊技媒体を手で掴んで遊技媒体箱に移す作業を行う際に、遊技媒体箱以外の場所に遊技媒体を落とす場合に、落下する遊技媒体を受止め手段で受け止めて、溜めることができる。これにより、遊技者が例えば収容手段から遊技媒体を手で掴んで遊技媒体箱に移す作業を行う際に遊技媒体を落とした場合でも、遊技を中断させ難くすることができる。
(E8) 前記(E7)に記載の遊技機において、
前記受止め手段と前記収容手段の底面との間に形成される空間に前記遊技媒体箱を載置可能な第1高さと、該第1高さよりも高く且つ前記受止め手段と前記収容手段の底面との間に形成される空間に前記遊技媒体箱を載置不可能な第2高さとに、前記受止め手段を変位することが可能な変位機構を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E8)に記載の発明によれば、受止め手段が第1高さから第2高さに変位される場合に、受止め手段は第1高さより第2高さの方が少なくとも遊技媒体箱の高さ分、収容手段の底面に近付くので、受止め手段が第1高さに変位される場合よりも受止め手段が第2高さに変位される場合の方が受止め手段と収容手段とがコンパクトにまとまる。これにより、遊技機をホールに設置する際など遊技機を動かすような場合には、受止め手段を第2高さに変位して受止め手段と収容手段とをコンパクトにまとめることによって、受止め手段が他の物に衝突して破損することを低減できる。また、遊技機がホールに設置されて遊技に供される場合には、受止め手段を第2高さから第1高さに変位することによって、受止め手段に遊技媒体箱を載置できる状態にすることができる。
(E9) 前記(E8)に記載の遊技機において、
前記変位機構は、前記受止め手段と前記収容手段の底面との間に形成される空間に前記遊技媒体箱を載置可能な高さを複数の高さに調節する調節部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E9)に記載の発明によれば、遊技媒体箱の高さが変わる場合であっても、受止め手段と収容手段の底面との間に形成される空間に遊技媒体箱を載置可能な高さを複数の高さに調節することができるので、遊技媒体箱の高さが変わる場合であっても収容手段から遊技媒体箱までの高さをほぼ一定に保つことができる。例えば遊技媒体箱の高さが低くなる場合には、受止め手段に載置される遊技媒体箱から遊技媒体を取り出して収容手段に移す作業や収容手段から遊技媒体を取り出して遊技媒体箱に移す作業などを行う遊技者にとっては、遊技媒体箱から収容手段まで手を動かす距離が長くなるが、受止め手段の高さを上方に調節して、今までの遊技媒体箱から収容手段までの高さと同じようにすることで、遊技者の手や腕への負担を低減することができる。また、例えば、遊技媒体箱の高さが高くなる場合には、当該遊技者にとっては、遊技媒体箱から収容手段まで手を動かす距離が短くなるが、かえって遊技媒体箱から収容手段の底面までのスペースが詰まってしまって、遊技媒体箱に手を出し入れし難くなる場合もある。このような場合には、受止め手段の高さを下方に調節して、今までの遊技媒体箱から収容手段の底面までのスペースと同じようにすることで、遊技媒体箱に手を出し入れし易くすることができる。
(E10) 前記(E7)から(E9)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記受止め手段は、前記受止め部の手前側に、前記受止め部に載置された前記遊技媒体箱を取り出す方向に沿って前記遊技媒体箱を上向きに案内する取出し案内部を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E10)に記載の発明によれば、受止め部に載置された遊技媒体箱は、受止め部の手前側に備えられる取出し案内部によって、遊技媒体箱を取り出す方向に沿って上向きに案内される。これにより、遊技者は、遊技媒体が満たされて遊技媒体箱の重量が重たくなった場合であっても、受止め部に載置された遊技媒体箱を容易に取り出すことができる。
(E11) 前記(E7)から(E10)までのいずれかに記載の遊技機において、
遊技機正面視での下部側に左右幅方向に亘って設けられる幅方向部材を備える第1手段と、
前記幅方向部材よりも上方で前記第1手段に対して開閉可能であるとともに、その前面側に前記収容手段が設けられている第2手段と、
前記受止め手段を支持する支持手段と、を備え、
前記支持手段は、前記幅方向部材に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E11)に記載の発明によれば、第1手段の幅方向部材が有する遊技機正面視での下部側に設けられる左右幅を有効に活用することができる。
(E12) 前記(E11)に記載の遊技機において、
前記幅方向部材は、遊技に関連した音声を出力する音声出力部を備え、
前記支持手段は、前記受止め手段の左右両端を支持する支持壁部を備え、
前記支持壁部は、前記音声出力部を挟んで左右両側に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E12)に記載の発明によれば、音声出力部が幅方向部材に備えられており、支持壁部が受止め手段の左右両端を支持しており、支持壁部が音声出力部を挟んで左右両側に設けられている。これにより、音声出力部から出力される遊技に関連した音声は、上側を収容手段の底面に、下側を受止め手段に、左右両側を支持壁部に囲まれた空間から出力されるので、音声出力部から出力される音の指向性が向上する。したがって、音声出力部から出力される音を遊技者に聞き取りやすくすることができる。また、音声出力部から同じ音声が出力される場合であっても、支持壁部の間に位置する遊技媒体箱の位置や遊技媒体箱に収容される遊技媒体の量などに応じて、音質の異なる音声を遊技者に聞かせることができる。
(E13) 前記(E7)から(E10)までのいずれかに記載の遊技機において、
遊技機正面視での下部側に左右幅方向に亘って設けられる幅方向部材を備える第1手段と、
前記幅方向部材よりも上方で前記第1手段に対して開閉可能であるとともに、その前面側に前記収容手段が設けられている第2手段と、
前記受止め手段を支持する支持手段と、を備え、
前記支持手段は、前記第2手段の前面側であって前記収容手段の下方に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
前記(E13)に記載の発明によれば、受止め手段を支持する支持手段は、幅方向部材を備える第1手段に対して開閉可能な第2手段の前面側であって第2手段に設けられる収容手段の下方に設けられている。これにより、支持手段は、第1手段の下部側に設けられる幅方向部材に備えられるのではなく、幅方向部材よりも上方に位置する第2手段の前面側に設けられるので、支持手段が設けられる位置が収容手段に近付く。そのため、支持手段に支持される受止め手段も収容手段に近付くので、支持手段が幅方向部材に備えられる構成よりも受止め手段と支持手段と収容手段とがコンパクトにまとまる。したがって、遊技機をホールに設置する際など遊技機を動かすような場合に、支持手段が幅方向部材に備えられる構成よりも受止め手段が他の物に衝突して破損することを低減できる。
(E14) 前記(E7)から(E13)までのいずれかに記載の遊技機において、
前記受止め手段に載置されている前記遊技媒体箱及び当該遊技媒体箱に収容される遊技媒体の重量を測定することが可能な重量測定手段と、
予め取得された1の遊技媒体の重量と予め取得された1の前記遊技媒体箱の重量とに基づいて、前記受止め手段に載置される前記遊技媒体箱に収容される遊技媒体及び前記遊技媒体箱の重量を、前記受止め手段に載置される前記遊技媒体箱に収容される遊技媒体の数に変換する重量・数変換手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(E14)に記載の発明によれば、測定手段が、受止め手段に載置されている遊技媒体箱及びこの遊技媒体箱に収容される遊技媒体の重量を測定する。重量・数変換手段が、予め取得されている1の遊技媒体の重量と1の遊技媒体箱の重量に基づいて、測定された重量を、受止め手段に載置される遊技媒体箱に収容される遊技媒体の数に変換する。これにより、遊技者やホール従業者は、遊技の途中でも、受止め手段に載置される遊技媒体箱に収容される遊技媒体の数を正確に把握できる。
(E15) 前記(E14)に記載の遊技機において、
前記重量・数変換手段によって変換される遊技媒体の数と、予め取得される前記遊技媒体箱に収容可能な遊技媒体の上限数と、を比較して、前記遊技媒体の数が前記遊技媒体の上限数に達するか否かを判定する上限数到達判定手段と、
前記上限数到達判定手段によって前記上限数に達したと判定される場合に、前記上限数に達したことを示す所定の報知を実行する上限数到達報知手段と、を備える
ことを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、上限数到達判定手段は、重量・数変換手段によって変換された遊技媒体の数が遊技媒体箱に収容可能な遊技媒体の上限数に達した否かを判定する。上限数到達報知手段は、変換された遊技媒体の数が上限数に達したと判定される場合に、上限数に達したことを示す所定の報知を実行する。これにより、遊技者やホール従業者は、遊技媒体箱に収容される遊技媒体がの上限数を超える前に、遊技媒体箱に収容される遊技媒体が上限数に達したことを把握できるので、満杯になった遊技媒体箱から遊技媒体が溢れ出してしまうことを低減できる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施例1のパチンコ機10Jの正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1に示すように、パチンコ機10Jは、当該パチンコ機10Jの外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。外枠11の下端部の上方箇所には、当該箇所を前方から塞ぐように取り付けられた幕板802が配備されている。幕板802には、遊技者が誤って落下した遊技球などを受け止めて回収することができる構成(後述する受止めユニット801)が備えられている。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10Jの正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10Jの左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10Jの右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣りのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10Jから前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図6参照)などで構成されている。音出力口24は、下皿ユニット13の背面に設けられたスピーカ25からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10Jの正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10Jの下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10Jの下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10Jでは30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10Jの下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10Jでは261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本第1実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本第1実施例では25mmとした。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、作動口スイッチ224等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置42と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41とを備えている。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用の表示部43と保留ランプ44とを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部43による表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に第1の始動口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。なお、表示部43は、複数のランプの点灯を切り換えることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であっても良い。保留ランプ44も同様に、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったことを必要条件に特別遊技状態が発生する。そして、可変入賞装置32の大入賞口が例えば扉部材のような開閉部材32aの開放に伴って所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数繰り返し開放される。各ラウンド間には、開閉部材32aの閉鎖に伴って閉鎖状態となるインターバル期間が設定されている。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この第1実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10Jにおける有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10Jの正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10Jの外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10J全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10J全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の両側に位置する第2の始動口34は、該第2の始動口34を通過した遊技球が中央の方へ寄せられるような案内機構を有している。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央の第1の始動口33や可変入賞装置32の方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、第2の始動口34、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、第2の始動口34、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10Jの場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10Jにおいて、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10J外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm~95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10Jの正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10Jの正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10Jの正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10Jの最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10Jでは、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10Jの側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10Jの左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131~134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131~134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131~134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131~134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10Jでは遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10J正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
次に、パチンコ機10Jの背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10Jの背面図であり、図7はパチンコ機10Jの背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10Jの背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10Jにはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201~203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201~203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図10の概略図に示すように各ユニット201~203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10Jのほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10Jの背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10Jの背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10Jの背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201~203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10Jの背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9~図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図4参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第1図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10J外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10J外部に排出される。なお、アウト口36(図4参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10J外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10Jでは、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32には、特定領域スイッチ222とカウントスイッチ223とが設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で可変入賞装置32に入賞した遊技球が特定領域(大当たり状態継続を判定するための領域)に入ったことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチ225が設けられている。
入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域に導くための入賞球振分板ソレノイドが設けられ、第1の始動口33には、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10Jでは、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10Jでは入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図680に示すように、遊技球分配部245は、その上方位置に位置する後述の払出機構部352とは別体としている。図12に示すように、遊技球分配部245は、内枠12にネジで締結固定されており、パチンコ機10Jの上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を挿入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿ユニット13の背面に設けられたスピーカ25の背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図13~図18を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10J裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203を軸線Cを軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線Aを軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を、図17~図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。但し、図18では便宜上、カードユニット接続基板314が取付台301から取り外された状態を示している。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。排出制御装置441は、基板ボックス315に払出制御装置311とともに収容されているが、別の基板ボックスに個別に収容されても構わない。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10Jはバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、裏パックユニット203の正面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。裏パック351が本発明における支持部材に相当する。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図23に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。このバイブレータ356は、回転駆動するモータと、このモータの回転駆動によって偏心回転するアンバランスウェイトと(いずれも図示を省略)によって構成されており、タンクレール356を上下に振動させるようにモータの回転軸はタンクレール356に沿って設けられている。このバイブレータ360が本発明における応力発生手段に相当する。
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有している。レール本体361は、遊技球が流下する方向に対して上流側と下流側とに分割形成されている。タンクレール356において符号361Aは、分割形成された上流側のレール本体である上流側レールで、符号361Bは、分割形成された下流側のレール本体である下流側レールである。上流側レール361Aにおいて、遊技球が流下する方向に対する長さは、下流側レール361Bよりも短く形成されている。バイブレータ360は、その長さが短い方である上流側レール361Aを振動させるように上流側レール361Aに取り付けられている(図22参照)。
上流側レール361Aの始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑に上流側レール361A内に取り込まれる。また、下流側レール361Bには長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、下流側レール361Bには、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、上流側レール361A,下流側レール361Bを含めてレール本体361が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
下流側レール361Bは、例えばネジ等で裏パック351に締結されて取り付けられている。また、バイブレータ360によって上流側レール361Aが上下に振動するが、上流側レール361Aを上下に振動させ易くすべく、図22に示すように上流側レール361Aおよび裏パック351を構成する。すなわち、裏パック351は上流側レール361Aの下流側および上流側の両端部を2本のピン369で支持する。より具体的に説明すれば、下流側の端部で上下に変位可能にピン369で支持し、上流側の端部で固定してピン369で支持する。すなわち、固定して支持した上流側の端部を支点にして揺動可能に支持する。このピン369が本発明における挿通部材に相当する。
ピン369をそれぞれ挿通させる部分に相当する各箇所において、裏パック351に挿通孔370,371を設けるとともに、上流側レール361Aにも挿通孔372,373を設ける。裏パック351に設けられた挿通孔370,371のうち、上流側の挿通孔370は丸穴であって、下流側の挿通孔371は略楕円穴である。したがって、下流側の挿通孔371では、水平方向の幅よりも上下方向の幅が長い形状となる。一方、上流側レール361Aに設けられた挿通孔372,373は、ともに丸穴である。ピン369の頭部は略円状に形成されているとともに、挿通孔370,372,373の丸穴よりも大きめに形成されている。
上流側の端部では、ピン369の頭部は、裏パック351に設けられた挿通孔370、および上流側レール361Aに設けられた挿通孔372よりも水平方向および上下方向ともに広く形成されることになる。下流側の端部では、ピン369の頭部は、上流側レール361Aに設けられた挿通孔373よりも水平方向および上下方向ともに広く形成されることになる。そして、ピン369の頭部は、図22に示すように、裏パック351に設けられた略楕円穴である挿通孔371の水平方向の幅よりも広く形成されることになるとともに、上下方向の幅よりも狭く形成されることになる。
図20,図21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
なお、図6,図20に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
なお、図9,図20に示すように、裏パックユニット203は、被締結孔240及びナイラッチ386と、固定具241,242とによって、内枠12の裏面に着脱自在に取り付けられている。このように固定具241,242も用いているので、タンク355に供給される遊技球の重みで裏パックユニット203が内枠12から外れてしまうことを防止している。
次に、本パチンコ機10Jの電気的構成について、図23を用いて説明する。図23は、本パチンコ機10Jの電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10Jは、主制御装置261と、払出制御装置311と、排出制御装置441と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10Jの主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10Jの電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10Jの状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10Jの電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10Jの状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
ROM444及びRAM445を内蔵したCPU443には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。入出力ポートには、払出制御装置311などが接続されている。
ROM444には、CPU443によって実行される後述する排出制御処理などのプログラムが記憶されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には第2図柄表示装置41(表示部43)や、音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42及び第2図柄表示装置41の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10Jの各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMl端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10Jの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、左・中・右の3つの図柄列L,M,Rが設定されており、図柄列L,M,R毎に上図柄、中図柄、下図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」~「9」の数字を各々付した主図柄と、菱形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されており、数字の昇順又は降順に主図柄が表示されると共に各主図柄の間に副図柄が配されて一連の図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主図柄と副図柄が上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左図柄列Lにおいては、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄の番号が減る順)に表示され、中図柄列M及び右図柄列Rにおいては、同じく上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄の番号が増える順)に表示される。そして、左図柄列L→右図柄列R→中図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第1図柄表示襲置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄が大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10Jの動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第1図柄表示装置42の抽選(大当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第1図柄表示装置42の大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、第1図柄表示装置42の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、第1図柄表示装置42が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、左列、中列及び右列の各外れ図柄の設定に使用する左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。上述した各カウンタは、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。
このうち、カウンタC1~C3,CINI,CS1,CS2は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。また、外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU501内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1~第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」~「676」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「676」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0~676)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は2で、その値は「337,673」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は10で、その値は 「67,131,199,289,337,401,463,523,601,661」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、第1図柄表示装置42の変動停止時の図柄を決定するものであり、本実施の形態では、第1図柄表示装置42において有効ラインが5ラインであり、特定図柄(主図柄)が10通り設定されていることから、50個(0~49)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり図柄カウンタC2は、0~49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2~21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22~238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽通は、第1図柄表示装置42の抽選確率の状態や変動開始時の作動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであっても良い。リーチ乱数カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0~240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、第1図柄表示装置42の大当たり抽選が外れとなった時に左列第1図柄、中列第1図柄、右列第1図柄の停止図柄(外れ図柄)を決定するためのものであり、各列では主図柄及び副図柄の合わせて20の第1図柄の何れかが表示されることから、各々に20個(0~19)のカウンタ値が用意されている。外れ図柄カウンタCLにより左図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCMにより中図柄列の上・中・下段の各図柄が決定され、外れ図柄カウンタCRにより右図柄列の上・中・下段の各図柄が決定される。
本実施の形態では、CPU501に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算給果が最大値を超えた場合に20減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして通常処理内で更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。そして、第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際し、リーチ乱数カウンタC3の値に応じて前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかのバッファ値が取得される。
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また図示は省略するが、第2図柄表示装置41の抽選には第2図柄乱数カウンタC4が用いられる。第2図柄乱数カウンタC4は、例えば0~250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2の始動口34を通過した時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5~153」である。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図26~図37のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMl端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を税明する。
図31は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図31において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。また、続くステップS603では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、676,49,238)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1~C3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1の始動口33への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図32のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33に入賞したか否かを作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であることを条件にステップS703に進み、作動保留球数Nを1インクリメントする。
また、続くステップS704では、第1図柄の当落に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図33は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10Jの電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10Jの電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図33のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図33のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10Jの電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMl端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図35のNMI割込み処理を開始する。その内容は図35で説明した通りである(但し、この払出制御装置311のNMI割込み処理ではステップS804の電源断通知コマンドの送信はない)。
次に、メイン処理について説明する。
図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10Jでは、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻り、それから後述する通常処理(図27参照)に移行する。例えば、通常処理のステップS202まで実行されて電源断となった場合には、電源断前の番地へ戻り、通常処理のステップS203から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201~S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。なお、第1図柄の変動開始後において、変動パ夕ーンコマンド→左図柄列の停止図柄コマンド→右図柄列の停止図柄コマンド→中図柄列の停止図柄コマンドの順で通常処理の都度1つずつ(すなわち、4msec毎に1つずつ)コマンドが送出され、変動時間経過のタイミングで確定コマンドが送出されるようになっている。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。続くステップS203では、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新を実行する。
各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明すると、図28に示すように、ステップS301では、左図柄列の外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS302では、中図柄列の外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。そして、左図柄列の更新時期(ステップS301がYES)であればステップS303に進み、左図柄列の外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中図柄列の更新時期(ステップS302がYES)であればステップS304に進み、中図柄列の外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、右図柄列の更新時期(ステップS301,S302が共にNO)であればステップS305に進み、右図柄例の外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS303~S305の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が最大値を超えた場合に20を減算し、その演算結果を外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、左図柄列、中図柄列及び右図柄列の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の通常処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、通常処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS306では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせがリーチ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、リーチ図柄の組み合わせである場合、さらにステップS307では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチの組み合わせである場合、ステップS306に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カタンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチの組み合わせである場合には、ステップS309に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組み合わせである場合、ステップS310では、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせが外れ図柄の組み合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄の組み合わせになっていれば、ステップS311に進み、その時の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組み合わせをRAM503の外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS306,S310が共にNOの場合は、左・中・右で図柄が揃っている、すなわち大当たりの状態に相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
外れ図柄カウンタの更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する。この特別図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、特別図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS206では、大当たり状態である場合において可変入賞装置35の大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、遊技球が特定領域を通過したことを条件に大入賞口の連続開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、ステップS207では、第2図柄表示装置41による第2図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口34を通過したことを条件に、その都度の第2図柄乱数カウンタC4が取得されると共に第2図柄表示装置41の表示部43にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2図柄乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると第1の始動口33が所定時間開放される。なお説明は省略したが、第2図柄乱数カウンタC4も、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3と同様に、図31に示すタイマ割込処理にて更新されるようになっている。
その後、ステップS208では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS209,S210)。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では676)に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS210では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201~S207の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS205の特別図柄変動処理を図29のフローチャートを参照して説明する。
図29において、ステップS401では、今現在大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たりの際に第1図柄表示装置42で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。続くステップS402では、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示中であるか否かを判別する。そして、大当たり中でなくさらに第1図柄の変動表示中でもない場合、ステップS403に進み、第1図柄表示装置42の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は作動保留球数Nが0である場合、そのまま本処理を終了する。
また、大当たり中、第1図柄の変動表示中の何れでもなく且つ作動保留球数N>0であれば、ステップS404に進む。ステップS404では、作動保留球数Nを1減算する。ステップS405では、保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1~第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS406では、変動開始処理を実行する。ここで、図30のフローチャートを用いて変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0~676のうち「337,673」が当たり値であり、高確率時には「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS502では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、すなわち大当たり図柄を図示しないテーブル(大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表すテーブル)に基づいて求め、その図柄を停止図柄コマンドに設定する。このとき、大当たり図柄カウンタC2の数値0~49は、全5つの有効ライン上における50通りの大当たり図柄の何れかに対応しており、停止図柄コマンドには50通りの大当たり図柄の何れかが設定される。これらの大当たり図柄のうち予め定められた特定図柄で揃った場合には以後確変状態に移行するが、特定図柄でない図柄(非特定図柄〉で揃った場合には確変状態に移行しない。
次に、ステップS503では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄〉が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と停止図柄時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。
一方、ステップS501で大当たりではないと判別された場合には、ステップS504で、保留球格納エリアの実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値に基づいてリーチ発生か否かを判別し、リーチ発生の場合、さらにステップS505で、同じくリーチ乱数カウンタC3の値に基づいて前後外れリーチであるか否かを判別する。本実施の形態では、リーチ乱数カウンタC3の値は0~238の何れかであり、そのうち「0,1」が前後外れリーチに該当し、「2~21」が前後外れ以外リーチに該当し、「22~238」がリーチなし(完全外れ)に該当する。
前後外れリーチ発生の場合、ステップS506に進み、RAM503の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS507では、前後外れリーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、前記ステップS503と同様に、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、第1図柄のリーチ種別やその他大まかな図柄変動態様を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様を決定する。
また、前後外れ以外リーチ発生の場合、ステップS508に進み、RAM503の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS509では、前後外れ以外リーチ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS503等と同様である。
大当たりでなくリーチでもない場合、ステップS510に進み、RAM503の完全外れ図柄バッファに格納されている左・中・右の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの各値を停止図柄コマンドに設定する。また、ステップS611では、完全外れ時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、リーチ発生しないことで、遊技者の興味は薄れ、多様な図柄変動態様は要求されない。そこで本実施の形態では、ステップS511において、第1変動種別カウンタCS1だけを用いて(すなわち第2変動種別カウンタCS2を使わずに)図柄変動種別を決定する。上記の通り大当たり時、リーチ発生時、リーチ非発生時のそれぞれで図柄停止コマンド及び変動パターンコマンドの設定が完了すると、本処理を終了する。
図29の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS407に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、第1図柄の変動パターンに応じて当該第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS407が肯定判別される。そして、ステップS408では、変動の停止命令を確定コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図34は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ523がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図35のフローチャートを参照しながら説明する。
図35において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007~S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図36)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010~S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図39)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球技き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球技き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図36に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、図37に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図35の払出制御処理に戻る。
ここで、パチンコ機10Jの前面側の構成について、再び説明する。
図1に示すように、幕板802には、遊技者が誤って落下した遊技球などを受け止めて回収することができる受止めユニット801が備えられている。以下、受止めユニット801の構成を図38~45を用いて説明する。図38は、受止めユニット801の一使用形態を示す斜視図である。図39は、受止めユニット801の他の使用形態を示す斜視図である。図40は、受止めユニット801の分解斜視図である。図41は、受止めユニット801の一使用形態を示す平面図である。図42は、受止めユニット801の他の使用形態を示す平面図である。図43は、受止めユニット801の一使用形態を示す正面図である。図44は、受止めユニット801の他の使用形態を示す正面図である。図45は、受止めユニット801の一使用形態を示す縦断側面図である。
上皿19は、払出装置358より払い出される遊技球を貯留する上皿本体19aと、この上皿本体19aの外殻を構成する外壁部19bとで構成されている。外壁19bの前面右側には、自動閉じ復帰式の球抜きレバー19cが備えられており、これを横スライド操作することで、上皿本体19aに貯留した遊技球が下方の下皿15に流下排出される。
下皿15は、球抜きレバー19aが操作された場合に上皿本体19aから排出される遊技球や、払出装置358より払い出される遊技球が上皿本体19aに入りきらない場合に払出装置358より払い出される遊技球が貯留される下皿貯留部としての下皿本体15uと、この下皿本体15uの外殻を構成する外壁部15pとで構成されている。外壁部15pの前面下部にも、自動閉じ復帰式の球抜きレバー17が備えられており、これを横スライドすることで、下皿15に貯留した遊技球が下皿底部の排出口15q(図45参照)から排出される。
遊技者は、上皿19に貯留した遊技球が少なくなると、下皿15に貯留した遊技球や、下皿15の下方に配置される球箱829(ドル箱)に収容される遊技球を掴み取って、上皿19に移す作業を行ったり、下皿15に貯留した遊技球がいっぱいになると、下皿15に貯留した遊技球を掴み取って、球箱829に移す作業を行ったりすることがある。この際、掴み損ねた遊技球を上皿19や球箱829以外の場所に落とすことがある。本発明では、このように誤って上皿19や球箱829以外の場所に落とした遊技球を受け止めて回収することができる受止めユニット801が備えられている。以下に受止めユニット801の詳細な構造を説明する。
受止めユニット801は、平面視で下皿15よりも左右横方及び前方にはみ出す大きさに形成される受止めトレー803を備えている。ここで、図41に二点鎖線で示す下皿15は、図43,44に示す下皿15の外壁を構成する外壁部15pを指している。受止めトレー803は、矩形に形成されているが、矩形以外の形状であっても構わず、少なくとも一部が下皿15よりも外側に位置していればよい。このように構成することで、下皿15から取り出した遊技球を遊技者が誤って落として、下皿15以外の場所に遊技球が落下する場合であっても、この落下する遊技球は、受止めトレー803に受け止められて、受止めトレー803に溜まっていく。遊技者は、受止めトレー803に溜められた遊技球を拾うだけで、下皿15,上皿19以外の場所に落下した遊技球を回収することができる。したがって、下皿15,上皿19以外の場所に遊技球が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる。
受止めトレー803は、概ね、図38,図39に示すように、遊技球を受け止める受止めトレー底面803dと、受止めトレー底面803dによって受け止められた遊技球を溜める遊技球溜め部811(図40参照)と、遊技球溜め部811によって溜められた遊技球を所定の箇所から外部に排出することが可能な排出口814と、によって構成されている。このように構成することで、下皿15以外の場所に落下した遊技球は、受止めトレー底面803dによって受け止められ、遊技球溜め部811に溜まり、排出口814から排出されるので、遊技者は、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す際に、落下した遊技球を1つずつ手で掴んで取り出すことなく、排出口814からまとめて落下した遊技球を取り出すことができる。
受止めトレー803の詳細な構造について説明する。受止めトレー803は、図40に示すように、前端と左右端に前周壁803bと横周壁803cを備えた浅いパレット状に形成されており、その底面(上述した受止めトレー底面803d)が少し前下がりに傾斜されている。また、受止めトレー底面803dの前端に沿って、遊技球が転動可能な幅と深さを有する上述した遊技球溜め部811を構成する回収溝812が左右に長く形成されており、左から右に向かって下り傾斜されている。また、図41,図42に示すように、前周壁803bの左端には回収溝812の左端に連通する排出口814が形成されている。
このように構成することで、受止めトレー底面803dに受け止められた遊技球は、回収溝812に向かい易くなり、回収溝812に溜められた遊技球は、排出口814に向かい易くなっている。したがって、遊技者は、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す際に、落下した遊技球を手で寄せ集める必要はなく、回収溝812に自然に集まってきた遊技球を排出口814から取り出すだけで済む。
また、受止めトレー803は、図41に示すように、この排出口814を開閉する操作ノブ付きのシャッタ815が前面から横スライド操作可能に装備されている。なお、図41では、シャッタ815の開状態を二点鎖線で示しており、閉状態を実線で示している。排出口814は、シャッタ815が遊技者の操作を受けることで、図42に示すように、遊技球が外部に排出される開状態となる。このように構成することで、シャッタ815が遊技者に操作されることによって、受止めトレー803に受け止められた遊技球は、受止めトレー803の外部に排出される状態となるので、受止めユニット801に落下した遊技球を取り出す作業が容易且つ迅速になる。なお、実施例のシャッタ815は、手動で開閉操作するものとしているが、自動閉じ復帰式に構成しておくと、排出口814の閉じ忘れがなくなり、回収溝812に溜まった遊技球が不用意に流れ出てしまうことがなくなり、一層使い勝手の良いものとなる。
ここで、受止めトレー803と他の部材との位置関係について説明する。
受止めトレー803は、外壁部15pの底面よりも下方に配置されている部材である。具体的には、受止めトレー803は、下皿15の外壁部15pの底面に対向して配置されており、受止めトレー803と下皿15の外壁部15pの底面との間には、下皿15の排出口15qから外部に排出される遊技球を収容可能である球箱829を載置可能な空間が形成されている。
また、受止めトレー底面803dは、球箱829が載置された状態でも遊技球を受け止めることができる形状及び大きさに形成されており、回収溝812と排出口814は、受止めトレー底面803dに球箱829が載置された状態でも受止めトレー底面803dに受け止められた遊技球を集めて排出する。具体的には、平面視では図41,42に示すように、受止めトレー803の下皿15の前端よりも前方に突出しており、正面視では図43,44に示すように、受止めトレー803の横周壁803cが下皿15の左右両端よりも左右両側に突出している。なお、下皿15は、上述のように、二点鎖線で示すような下皿本体15u及びその外壁を構成する外壁部15pを指している。
このような位置関係となっているので、遊技者が下皿15の下皿本体15uから取り出した遊技球を下皿15の外壁部15pの底面よりも下方に位置する球箱829に移す作業などを行う際に、下皿本体15u以外の場所に遊技球を落とす場合であっても、落下する遊技球を外壁部15pの底面よりも下方に配置される受止めトレー803で受け止めて容易に回収することができる。
受止めトレー803は、高さを変えることができるように構成されている。そこで、以下では受止めトレー803の高さを変えるための機構について説明する。
受止めユニット801は、図43,図44に示すように、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な下限高さH1と、該下限高さH1よりも高く且つ受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置不可能な上限高さH2とに、受止めトレー803を変位することが可能な受止めトレー変位機構816を備えている。受止めトレー803を下限高さH1に下げて使用する場合、受止めトレー803に球箱829を載置することができる。受止めトレー803に載置された球箱829は、図45に示すように、下皿15の底部に備えられた排出口15qに臨むように配置される。この状態で球抜きレバー17が操作されると、下皿15に貯留された遊技球が球箱829に排出される。
受止めトレー803を下限高さH1に下げて使用する場合は、受止めトレー803が下皿15よりも外方にはみ出ているので、下皿15や上皿19や球箱829に入り損なった遊技球を受止めトレー803で受け止めて、回収溝812に溜めることができる。受止めトレー803を上限高さH2に上げて使用する場合も、受止めトレー803が下皿15よりも外方にはみ出ているので、下皿15や上皿19や球箱829に入り損なった遊技球を受止めトレー803で受け止めて、回収溝812に溜めることができる。
なお、受止めトレー803を上限高さH2に上げて使用する場合、下皿15の排出口15vが受止めトレー803で隠されることになるが、排出口15vを開けて遊技球を一旦受止めトレー803に落として回収溝812に導き、開放操作した排出口814から、カウンター831に載置した球箱829に排出することで、下皿15に溜めた遊技球を球箱829に排出することが可能である。
受止めトレー底面803dは、受止めトレー803が下限高さH1に変位された場合に、図41,図43に示すように、下皿15の外壁部pよりも手前側に大きく突出するように構成されているので、球箱829の手前側を平面視で下皿15の外壁部pよりも手前側に大きく引き出すことが可能である。球箱829をこのように引き出せば、下皿15から直に遊技球を掴んで遊技球を球箱829に移し替えたり、球箱829から遊技球を掴んで上皿19に補充したりする作業が楽になる。他方、従来のように遊技島のカウンターに球箱829を載置するような遊技機の場合は、球箱829をそれほど手前側に引き出すことができないので、球箱829の手前側が平面視で下皿15の外壁部15pに隠れたり、球箱829の手前側が下皿15の外壁部15pからわずかに出るに留まるので、上述した球箱829に遊技球を入れたり球箱829から遊技球を出したりする作業をスムーズに行い難い場合がある。
受止めトレー変位機構816は、下限高さH1,上限高さH2だけでなく、球箱829を載置可能な高さとして複数の高さに受止めトレー803を固定できるように構成されている。以下、複数の高さに受止めトレー803を固定する構成について説明する。
受止めトレー変位機構816の詳細な構成について説明する。受止めトレー変位機構816は、図41,図42,図45に示すように、受止めトレー803の左右両端に左右揺動可能に枢支連結される側板805,806と、各側板805,806の上端に後述する支点y回りに枢支連結された角軸状の操作ロッド807,808と、これら操作ロッド807,808を左右にスライド移動可能に支持する支持ブラケット809と、から構成されている。
支持ブラケット809は、操作ロッド807,808を挟み込んだ状態で挿通できるように上下2分割構造に構成されており、幕板802の前面にネジ連結等の適宜連結手段で前向き片持ち状に連結固定される。
受止めトレー803の左右両端部にはボス部803eが一体形成されており、各ボス部803eに、側板805,806の一端が前後方向に向かう支点x周りに揺動可能に枢支連結されている。
また、支持ブラケット809に左右にスライド移動可能に支持された各操作ロッド807,808は前後に一定間隔をもって対向配備されるとともに、その対向部位にラック817,818がそれぞれ形成されている。そして、これらラック817,818に咬合するピニオンギヤ819が支持ブラケット809に回動可能に組み込まれ、これらラック817,818とピニオンギヤ819との咬合によって、両操作ロッド807,808が互いに背反する方向に同調して、横方向(すなわち進入方向と退出方向)にスライドするよう構成されている。
また、各操作ロッド807,808の露出部位から下向きに突出形成した連結ボス807a,808aが、側板805,806の他端に形成された連結凹部805a,806aに係入されて、前後方向に向かう支点y周りに相対揺動可能に枢支連結されている。
左側の側板805に連係された奥側の操作ロッド807の外端部には操作つまみ821が備えられている。後述する操作ロッド807にロックがかかっていない場合は、この操作つまみ821をつまんで、操作ロッド807を左側に引き出すように操作することで、両操作ロッド807,808が同時に退出方向に(支持ブラケット809から離れる方向に)スライドする。また、同様に、操作ロッド807を右側に押し込むように操作することで、両操作ロッド807,808を同時に進入方向に(支持ブラケット809に向かう方向に)スライドする。
従って、図38,図41,図43に示すように、両操作ロッド807,808を同時に退出方向にスライドさせることで、左右の側板805,806を起立させるとともに、受止めトレー803を下限高さH1まで大きく下げることができる。また、図39,図42,図44に示すように、両操作ロッド807,808を同時に進出方向にスライドさせることで、左右の側板805,806を外開きに倒伏させるとともに、受止めトレー803を支持ブラケット809の下面近くの上限高さH2まで大きく持上げることができる。
このように構成されることで、受止めトレー803が下限高さH1から上限高さH2に変位される場合に、受止めトレー803は下限高さH1より上限高さH2の方が少なくとも球箱829の高さ分、下皿15の底面に近付くので、受止めトレー803が下限高さH1に変位される場合よりも受止めトレー803が上限高さH2に変位される場合の方が受止めトレー803と下皿15とがコンパクトにまとまる。これにより、遊技機をホールに設置する際など遊技機を動かすような場合には、受止めトレー803を上限高さH2に変位して受止めトレー803と下皿15とをコンパクトにまとめることによって、受止めトレー803が他の物に衝突して破損することを低減できる。また、遊技機がホールに設置されて遊技に供される場合には、受止めトレー803を上限高さH2から下限高さH1に変位することによって、受止めトレー803に球箱829を載置できる状態にすることができる。
受止めトレー変位機構816は、下限高さH1,上限高さH2だけでなく、球箱829を載置可能な高さとして複数の高さに受止めトレー803を固定することができるように構成されている。そのために、受止めトレー変位機構816は、図41,図42に示すように、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な高さを複数の高さに調節する高さ調節部822を備えている。以下では、図40~図45を参照して、高さ調整部822の詳細な構造を説明する。
高さ調節部822は、支持ブラケット809の奥側に支持された操作ロッド807の背面にロッド長手方向に沿って形成される複数のロック孔823と、支持ブラケット809の背面に形成された装着孔825から挿通されて、ロック孔823のいずれかに挿入されるロックピン827とで構成されている。図42に示すように、ロックピン827が操作ロッド807の最も先端側(正面視で右端側)に設けられたロック孔823に挿入されれば、受止めトレー803が上限高さH2に固定される。図41に示すように、操作ロッド807の最も基端側(正面視で左端側)に設けられたロック孔823に挿入されれば、受止めトレー803が下限高さH1に固定される。
ここで、操作ロッド807には、上述の左右両端のロック孔823の間に、4つのロック孔823が設けられている。ロックピン827は、この左右両端のロック孔823の間に位置する4つのロック孔823にも挿入することができる。そのため、受止めトレー803は、下限高さH1,上限高さH2,下限高さH1と上限高さH2との間の高さの合計6段階の高さに調整することができる。なお、ロックピン827は幕板802に挿通してネジ固定されるものであり、遊技場の係員が遊技台本体の背後からロックを解除して受止めトレー803を所望の高さに調節した後、再びロック操作するものとなる。
なお、ロック孔823を操作ロッド808の前面側に設け、ロックピン827を支持ブラケット809の前面側からロック孔823に挿入できるように構成すれば、遊技者がロック操作することも可能である。
このように構成されることで、球箱829の高さが変わる場合であっても、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な高さを複数の高さに調節することができるので、球箱829の高さが変わる場合であっても下皿15や上皿19から球箱829までの高さをほぼ一定に保つことができる。例えば球箱829の高さが低くなる場合には、受止めトレー803に載置される球箱829から遊技媒体を取り出して上皿19に移す作業や下皿15から遊技媒体を取り出して球箱829に移す作業などを行う遊技者にとっては、球箱829から下皿15や上皿19まで手を動かす距離が長くなるが、受止めトレー803の高さを上方に調節して、今までの球箱829から下皿15や上皿19までの高さと同じようにすることで、遊技者の手や腕への負担を低減することができる。また、例えば、球箱829の高さが高くなる場合には、当該遊技者にとっては、球箱829から下皿15や上皿19まで手を動かす距離が短くなるが、かえって球箱829から下皿15の底面までのスペースが詰まってしまって、球箱829に手を出し入れし難くなる場合もある。このような場合には、受止めトレー803の高さを下方に調節して、今までの球箱829から下皿15の底面までのスペースと同じようにすることで、球箱829に手を出し入れし易くすることができる。
再び、受止めトレー803の説明に戻る。受止めトレー803は、受止めトレー底面803dの手前側に、受止めトレー底面803dに載置された球箱829を取り出す方向に沿って球箱829を上向きに案内する傾斜ガイド813を備えている。詳細には、傾斜ガイド813は、受止めトレー803の前部における左右方向の複数箇所に、回収溝812を跨ぐように前周壁803bと底面803dとを繋いでいる。受止めトレー底面803dに載置された球箱829は、受止めトレー底面803dの手前側に備えられる傾斜ガイド813によって、球箱829を取り出す方向に沿って上向きに案内される。これにより、遊技者は、遊技球が満たされて球箱829の重量が重たくなった場合であっても、受止めトレー底面803dに載置された球箱829を容易に取り出すことができる。
なお、上述した払出装置358は本発明の払出手段に相当し、下皿15は本発明の収容手段に相当し、受止めトレー803は本発明の受止め手段に相当する。上述した受止めトレー底面803dは本発明の受止め部に相当し、遊技球溜め部811は本発明の溜め部に相当し、排出口814は本発明の排出部に相当する。上述した回収溝812は本発明の下り傾斜部に相当する。上述したシャッタ815は本発明の排出操作部に相当する。上述した下皿本体15uは本発明の受け皿部に相当し、外壁部15pは本発明の外殻部に相当する。上述した上皿19は本発明の上側収容手段に相当し、下皿15は本発明の下側収容手段に相当する。上述した遊技球は本発明の遊技媒体に相当し、球箱829は本発明の遊技媒体箱に相当する。上述した下限高さH1は本発明の第1位置に相当し、上限高さH2は本発明の第2位置に相当し、受止めトレー変位機構816は本発明の変位機構に相当する。上述した高さ調整部822は本発明の調整部に相当する。上述した前周壁803b,横周壁803cは本発明の周壁部に相当し、傾斜ガイド813は本発明の取出し案内部に相当する。
上述したように実施例1のパチンコ機10Jによれば、所定の価値を有する遊技球を払い出す払出装置358と、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する下皿15,上皿19と、正面側・右側面側・左側面側・平面側・底面側の少なくともいずれかの側からパチンコ機10Jを見る場合に、少なくとも一部が下皿15,上皿19よりも外側に位置しており、落下する遊技球を受け止めて、その受け止めた遊技球を溜めることができる受止めトレー803と、を備える(例えば、上述したE1に記載の遊技機に対応する)。ここで、少なくとも一部が下皿15,上皿19よりも外側に位置しているとは、正面側・右側面側・左側面側・平面側・底面側の少なくともいずれかの側からパチンコ機10Jを見る場合に、受止めトレー803の少なくとも一部が下皿15,上皿19よりも外側にはみ出している状態をいう。払出装置358によって払い出される遊技球は、下皿15,上皿19に収容される。下皿15に収容された遊技球は、遊技者によって取り出される場合があり、取り出された遊技球は、遊技者が誤って落とすなどして、下皿15,上皿19以外の場所に落下する場合がある。このような場合であっても、落下する遊技球は、少なくとも一部が下皿15,上皿19よりも外側に位置する受止めトレー803によって受け止められて、受止めトレー803に溜まっていく。これにより、遊技者は、受止めトレー803に溜められた遊技球を拾うだけで、下皿15,上皿19以外の場所に落下した遊技球を回収することができる。したがって、下皿15,上皿19以外の場所に遊技球が落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる。
また、受止めトレー803は、遊技球を受け止める受止めトレー底面803dと、受止めトレー803によって受け止められた遊技球を溜める遊技球溜め部811(例えば回収溝812)と、遊技球溜め部811によって溜められた遊技球を所定の箇所から外部に排出することが可能な排出口814と、を備えている(例えば、上述したE2に記載の遊技機に対応する)。下皿15,上皿19以外の場所に落下した遊技球は、受止めトレー底面803dによって受け止められる。受止めトレー底面803dによって受け止められた遊技球は、遊技球溜め部811によって溜められる。遊技球溜め部811によって溜められた遊技球は、排出口814によって受止めユニット801の所定箇所から排出される。したがって、遊技者は、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す際に、遊技球を1つずつ手で掴んで取り出す必要がないので、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す作業が容易になる。
また、受止めトレー底面803dは、遊技球溜め部811に向かって下り傾斜しており、遊技球溜め部811は、排出口814に向かって下り傾斜している回収溝812を備える(例えば、上述したE3に記載の遊技機に対応する)。受止めトレー底面803dに受け止められた遊技球は、遊技球溜め部811に向かい易くなり、遊技球溜め部811に溜められた遊技球は、排出口814に向かって下り傾斜している回収溝812に沿って排出口814に向かい易くなる。したがって、遊技者は、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す際に、受止めユニット801に落下した遊技球を手で集める作業の必要性が少なくなるので、このような作業で遊技が中断されることが低減される。
また、受止めトレー803は、遊技者の操作を受けるシャッタ815を備え、排出口814は、シャッタ815が遊技者の操作を受けることで、遊技球が外部に排出される状態となる(例えば、上述したE4に記載の遊技機に対応する)。シャッタ815が遊技者に操作されることによって、受止めトレー803に受け止められた遊技球は、受止めトレー803の外部に排出される。したがって、遊技者は、受止めトレー803に落下した遊技球を取り出す際に、手で遊技球を掻き出す作業が必要なくなるので、受止めユニット801に落下した遊技球を取り出す作業が容易且つ迅速になる。
また、下皿15は、払出装置358によって払い出される遊技球を受ける下皿本体15uと、下皿本体15uを内側に有する外壁部15pと、を備え、受止めトレー803は、外壁部15pの底面よりも下方に配置されている(例えば、上述したE5に記載の遊技機に対応する)。遊技者が下皿15の下皿本体15uから取り出した遊技球を下皿15の外壁部15pの底面よりも下方に位置する他の場所に移す作業を行う際に、下皿本体15u以外の場所に遊技球を落とす場合であっても、落下する遊技球を外壁部15pの底面よりも下方に配置される受止めトレー803で受け止めて、溜めることができる。これにより、上述のように遊技を中断させ難くすることができる。
また、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する上皿19と、上皿19よりも下方に配置されており、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する下皿15と、を備え、受止めトレー803は、下皿15を構成する外壁部15pの底面よりも下方に配置されている(例えば、上述したE6に記載の遊技機に対応する)。遊技者が下皿15の下皿本体15uから遊技球を手で掴んで上皿19の上皿本体19aに移す作業を行う際などに、上皿19及び下皿15の下皿本体15u以外の場所に遊技球を落とす場合であっても、落下する遊技球を下皿15の外殻部15pの底面よりも下方で受け止めて、溜めることができる。これにより、上述のように遊技を中断させ難くすることができる。
また、受止めトレー803は、下皿15の底面に対向して配置されており、下皿15の底面との間に、下皿15から外部に排出される遊技球を収容可能である球箱829を載置可能な空間が形成されている(例えば、上述したE7に記載の遊技機に対応する)。遊技者が例えば下皿15から遊技球を手で掴んで球箱829に移す作業を行う際に、球箱829以外の場所に遊技球を落とす場合に、落下する遊技球を受止めトレー803で受け止めて、溜めることができる。これにより、遊技者が例えば下皿15から遊技球を手で掴んで球箱829に移す作業を行う際に遊技球を落とした場合でも、遊技を中断させ難くすることができる。
また、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な下限高さH1と、該下限高さH1よりも高く且つ受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置不可能な上限高さH2とに、受止めトレー803を変位することが可能な受止めトレー変位機構816を備えている(例えば、上述のE8に記載の遊技機に対応する)。受止めトレー803が下限高さH1から上限高さH2に変位される場合に、受止めトレー803は下限高さH1より上限高さH2の方が少なくとも球箱829の高さ分、下皿15の底面に近付くので、受止めトレー803が下限高さH1に変位される場合よりも受止めトレー803が上限高さH2に変位される場合の方が受止めトレー803と下皿15とがコンパクトにまとまる。これにより、遊技機をホールに設置する際など遊技機を動かすような場合には、受止めトレー803を上限高さH2に変位して受止めトレー803と下皿15とをコンパクトにまとめることによって、受止めトレー803が他の物に衝突して破損することを低減できる。また、遊技機がホールに設置されて遊技に供される場合には、受止めトレー803を上限高さH2から下限高さH1に変位することによって、受止めトレー803に球箱829を載置できる状態にすることができる。
近年、遊技機は、前面枠セット14の下皿15や上皿17の周りに、大型の立体装飾大型の演出用ボタンなどが付されたり、種々の形を模した装飾部品や大型の電飾部品が増えたりするなどして、前面枠セット14の重量が重たくなる傾向がある。そのため、遊技機をホールに設置するなど遊技機を動かす際に、これらの演出用ボタンや装飾部品や電飾部品が配置される前面側に遊技機が転倒し易くなっている。この点、本実施例では、図41,42,45に示す遊技機平面視または側面視において、受止めトレー803は下皿15よりも手前側に大きく張り出している(且つ図示されないが上皿17よりも手前側に大きく張り出している)。また、受止めトレー803が下限高さH1に変位される場合には、受止めトレー803が遊技機の下部近くに位置しており、遊技機は外枠11の底面だけでなく、受止めトレー803の底面によっても前面側に倒れないように支えられている。また、受止めトレー803が上限高さH2に変位される場合には、受止めトレー803と下皿15とがコンパクトにまとまる一方で、仮に遊技機が前面側に倒れる場合であっても、前面枠セット14を構成する部品が床に衝突する前に、受止めトレー803が床に接触して遊技機を支えるので、前面枠セット14を構成する部品が破損することを低減できる。
また、受止めトレー変位機構816は、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な高さを複数の高さに調節する高さ調節部822を備える(例えば、上述のE9に記載の遊技機に対応する)。球箱829の高さが変わる場合であっても、受止めトレー803と下皿15の底面との間に形成される空間に球箱829を載置可能な高さを複数の高さに調節することができるので、球箱829の高さが変わる場合であっても下皿15や上皿19から球箱829までの高さをほぼ一定に保つことができる。例えば球箱829の高さが低くなる場合には、受止めトレー803に載置される球箱829から遊技媒体を取り出して上皿19に移す作業や下皿15から遊技媒体を取り出して球箱829に移す作業などを行う遊技者にとっては、球箱829から下皿15や上皿19まで手を動かす距離が長くなるが、受止めトレー803の高さを上方に調節して、今までの球箱829から下皿15や上皿19までの高さと同じようにすることで、遊技者の手や腕への負担を低減することができる。また、例えば、球箱829の高さが高くなる場合には、当該遊技者にとっては、球箱829から下皿15や上皿19まで手を動かす距離が短くなるが、かえって球箱829から下皿15の底面までのスペースが詰まってしまって、球箱829に手を出し入れし難くなる場合もある。このような場合には、受止めトレー803の高さを下方に調節して、今までの球箱829から下皿15の底面までのスペースと同じようにすることで、球箱829に手を出し入れし易くすることができる。
また、受止めトレー803は、受止めトレー底面803dの手前側に、受止めトレー底面803dに載置された球箱829を取り出す方向に沿って球箱829を上向きに案内する傾斜ガイド813を備える(例えば、上述のE10に記載の遊技機に対応する)。受止めトレー底面803dに載置された球箱829は、受止めトレー底面803dの手前側に備えられる傾斜ガイド813によって、球箱829を取り出す方向に沿って上向きに案内される。これにより、遊技者は、遊技球が満たされて球箱829の重量が重たくなった場合であっても、受止めトレー底面803dに載置された球箱829を容易に取り出すことができる。
また、遊技機正面視での下部側に左右幅方向に亘って設けられる幕板802を備える外枠11と、幕板802よりも上方で外枠11に対して開閉可能であるとともに、その前面側に収容手段が設けられている前面枠セット14と、受止めトレー803を支持する側板805,806,操作ロッド807,808,支持ブラケット809と、を備え、支持ブラケット809は、幕板802に設けられている(例えば、上述したE11に記載の遊技機に対応する)。外枠11の幕板802が有する遊技機正面視での下部側に設けられる左右幅を有効に活用することができる。
次に、本発明の実施例2のパチンコ機10Kについて図46,図47を用いて説明する。図46は、実施例2のパチンコ機10Kの正面図である。図47は、受止めトレー803に受け止められている遊技球の重量測定ユニット840を説明する断面図である。
実施例2のパチンコ機10Kは、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数を求めることができる点と、球箱829に収容される遊技球の数が当該球箱829に収容可能な遊技球の上限数に達する場合に上限数に達したことを報知することができる点とが、上述した実施例1のパチンコ機10Jと異なる。なお、本実施例では、球箱829に収容される遊技球の数を表示する機能と上限数に達したことを報知する機能とを併せ持つ遊技機について説明するが、いずれか一方の機能のみを持つ遊技機であっても構わない。以下、実施例1のパチンコ機10Jと異なる点について説明する。
本実施例の受止めトレー803には、受止めトレー803に載置されている球箱829及び当該球箱829に収容される遊技球の重量を測定することが可能な重量測定ユニット840を備えている。具体的には、受止めトレー803には、下向きに窪んだ凹部803eが形成されており、この凹部803eの途中箇所には、金属で形成された柱状の起歪体841が配設されており、この起歪体841の上面には球箱829を載置する天板803gが配設されている。球箱829が載置された天板803gは、球箱829の重みで下向きに押し下げられて、起歪体841を下向きに押すように構成されている。
起歪体841は、一端側(基端側)が受止めトレー803に固定され、他端側(先端側)が天板803gに固定されている。また、起歪体841は、一端側の固定箇所と他端側の固定箇所との間に、ストレインゲージと呼ばれる薄板状の抵抗体を有する歪みセンサ842が設けられている。なお、歪みセンサ842は、この抵抗体と、後述する回路と、歪み量を求める式(プログラム)との総称として用いている。
起歪体841は、天板803gに球箱829が載置されることによって、先端側が押下されて、凹部803eの中で変形される。抵抗体は、起歪体841の変形に応じて伸縮し、抵抗体の抵抗値は、この伸縮に応じて増減する。歪みセンサ842は、この抵抗値の変化を測定し、電圧の変化として出力するものである。
すなわち、抵抗体の抵抗値の変化は微小であるので、抵抗値の変化は、周知のホーイーストンブリッジ回路によって変換された電圧の変化として出力される。この回路は、後述する図49(b)に示すように、出力電圧をEout,入力電圧をEin,歪みセンサ842の本来の抵抗値をR1,他の抵抗の抵抗値をR2,R3,R4とし、R1=R2=R3=R4とする回路である。この回路において、出力電圧の変化分dEは、dE=Ein・K・ε/4として表せることが知られている。なお、Kは、歪みセンサ842のケージ率であり、εは、歪み量である。歪み量εは、計測によって求められる出力電圧の変化分dEから求められる。歪みセンサ842によって検出される歪み量は、後述するように、天板803gに載置される球箱829に収容される遊技球の総重量に換算される。
なお、歪みセンサ842は、受止めトレー803に載置される球箱829及び当該球箱829に収容される遊技球の重量を検出する重量測定ユニット840の一例である。当該重量は、天板803gに加えられる力を電圧に変換する圧電素子などの重量センサによって求めることができる。
また、受止めトレー803の凹部803fには、球箱829が天板803gに載置されたことを検出するためのマイクロスイッチのような球箱載置センサ854が備えられている。
次に、本パチンコ機10Kの電気的構成について、図48,図49を用いて説明する。図48は、実施例2のパチンコ機10Kの電気的構成を示したブロック図である。図49は、(a)は実施例2の電気的構成の要部を示したブロック図であり、(b)は歪みセンサ852を説明するための回路図である。
以下では、実施例2に特有の構成のみを説明し、その他実施例1と共通する構成は実施例1の記載を参照する。
本実施例は、音声ランプ制御装置262が、球箱829に収容される遊技球の数を算出する機能や算出された遊技球の数が当該球箱829に収容可能な遊技球の上限数に達する場合に上限数に達したことを報知する機能を備える。当該機能を実現するためのプログラムは、音声ランプ制御装置262のROM552に記憶される。当該プログラムは、音声ランプ制御装置262のCPU551及びRAM553を用いて実行される。本実施例では、CPU551が当該プログラムを実行する機能を球箱収容数算出制御部845,報知制御部851と呼ぶ。音声ランプ制御装置262の入出力ポート555には、歪みセンサ842や球箱載置センサ854などがそれぞれ接続されている。
球箱収容数算出制御部845は、以下に詳述する、歪み量・重量変換部846と、重量情報取得部847と、重量・数変換部848とを備えている。歪み量・重量変換部846と重量情報取得部847と重量・数変換部848とは、CPU551によって実行されるプログラムとしてROM552に記憶されている。
歪み量・重量変換部846は、歪みセンサ842から出力される歪み量の検出値を入力し、その歪み量の検出値に対応する下皿15に収容される遊技球の総重量に変換して出力する。なお、歪みセンサ842と歪み量・重量変換部846とは、本実施例の重量測定ユニット840を構成する。
重量情報取得部847は、1の遊技球の重量と1の球箱829の重量とを取得する。1の遊技球の重量と1の球箱829の重量は、音声ランプ制御装置262に付属されるテンキーなどの入力手段によって予め入力されるものであってもよいし、重量測定ユニット840で予め測定することによって取得されるものであってもよい。また、重量情報取得部847は、取得された1の遊技球の重量や1の球箱829の重量を、遊技機の電源オン時にリセットされるように構成されてもよい。
重量・数変換部848は、重量情報取得部847によって取得される1の遊技球の重量と1の球箱829の重量とに基づいて、重量測定ユニット840によって測定される球箱829の重量及び球箱829に収容される遊技球の重量を、球箱829に収容される遊技球の数に変換する。重量・数変換部848は、この変換された遊技球の数を球箱収容数表示部849に出力する。球箱収容数表示部849は、重量・数変換部848から出力される球箱829に収容される遊技球の数を表示する。
報知制御部851は、以下に詳述する、上限数到達判定部852と上限数取得部852aと上限数到達報知部853とを備えている。上限数到達判定部852と上限数到達報知部853とは、CPU551によって実行されるプログラムとしてROM552に記憶されている。
上限数取得部852aは、音声ランプ制御装置262に付属されるテンキーなどの入力手段によって予め入力される球箱829に収容可能な遊技球の上限数を読み出して取得するものである。上限数到達判定部852は、重量・数変換部848によって変換して得られた受止めトレー底面803dに載置される球箱829に収容される遊技球の数と、上限数取得部852aによって取得された球箱829に収容可能な遊技球の上限数と、を比較して、遊技球の数が遊技球の上限数に達するか否かを判定する。なお、1の球箱829の重量や、球箱829に収容可能な遊技球の上限数を入力するための入力手段は、音声ランプ制御装置262に設けられた受信部に対してこれらの情報を送信する携帯端末であってもよい。上限数の一例は、球箱829から遊技球が溢れ出すよりもやや少ない程度の数であるが、球箱829の容量に応じて変わるものである。
上限数到達報知部853は、上限数到達判定部852によって上限数に達したと判定される場合に、上限数に達したことを示す所定の報知を実行する。所定の報知は、例えば、音声出力口833,834の背後に配置されるスピーカ855,856から出力される「球箱を交換して下さい」などの音声や、上限数到達ランプ858の点灯である。所定の報知は、音声やランプの点灯に限らず、他の内容であっても上限数に達したことを示すことができればよい。
このような報知によって、遊技者やホール従業者に対して、球箱829に収容される遊技球がの上限数を超える前に、球箱829に収容される遊技球がの上限数を超えそうであることを気付かせて、球箱829を交換させることができる。
次に、球箱収容数算出処理,球箱上限数到達報知処理について図50~図52を参照して説明する。図50は、CPU551によるタイマー割込み処理を示すフローチャートである。図51は、球箱収容数算出処理を示すフローチャートである。図52は球箱上限数到達報知処理を説明するフローチャートである。
図50において、CPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS2501では、CPU551は、受止めトレー803の天板803gに球箱829が載置されたか否かを判定する。球箱829の底面が球箱載置センサ854を押下することで、球箱載置センサ854はCPU551に球箱829が載置されたことを示す信号を出力する。球箱載置センサ854がONの場合は、ステップS2502に進み、球箱収容数算出処理を実行する。
球箱載置センサ854がOFFの場合は、ステップS2503に進み、上限数到達報知が実行中であることを示す報知中フラグがONしているかどうかを判定する。つまり、ステップS2501での球箱載置センサ854のOFFの出力が、上限数到達報知の実行中に遊技者またはホール従業者によって受止めトレー803から球箱829が取り出されたことに起因するものか否かを判定する。報知中フラグがONの場合は、ステップS2504に進み、上限数到達報知を終了するとともに報知中フラグをOFFにして、本処理を終了する。報知中フラグがOFFの場合は、そもそも受止めトレー底面803dに球箱829が載置されていないので、このまま本処理を終了する。
次に、CPU551が行う球収容数算出処理の流れを説明する。
図51において、ステップS2601では、CPU551の歪み量・重量変換部846は、歪みセンサ842の検出値(歪み量)を読み取る。ステップS2602では、CPU551の歪み量・重量変換部846は、読み取った歪み量を、当該歪み量を読み取った時点での受止めトレー底面803dに載置された球箱829と球箱829に収容される遊技球との合計重量に変換する。
ステップS2603では、CPU551は、ステップS2602で取得された球箱829と球箱829に収容される遊技球との合計重量をRAM553の記憶領域wに記憶する。ステップS2604では、予め測定または入力された1の遊技球の重量をRAM553の記憶領域xに記憶し、予め測定または入力された1の球箱829の重量をRAM553の記憶領域yに記憶する。
ステップS2605では、CPU551の重量・数変換部848は、上述した記憶領域w,yの値を用いて、球箱829と遊技球との合計重量から球箱829の重量を引いて(w-y)、受止めトレー803に載置された球箱829に収容される遊技球の総重量を算出する。算出された球箱829に収容される遊技球の総重量をRAM553の記憶領域zに記憶する。
ステップS2606では、上述した記憶領域x,zの値を用いて、球箱829に収容される遊技球の総重量を1の遊技球の重量で割って(z÷x)、受止めトレー803に載置された球箱829に収容される遊技球の数に変換する。ステップS2607では、CPU551の重量・数変換部848は、表示用メモリに球箱829に収容される遊技球の数を記憶する。
ステップS2608では、球箱収容数表示部849は、表示用メモリに記憶されている、球箱829に収容される遊技球の数を表示する。このように球収容数算出処理が行われることによって、遊技者やホール従業者は、遊技の途中でも、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数を正確に把握できる。
次に、CPU551が行う球箱上限数到達判定処理の流れを説明する。
図52において、ステップS2701では、CPU551は、ステップS2606で求められた、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数をRAM553の記憶領域z1に記憶する。ステップS2702では、CPU551は、予め入力された球箱829に収容可能な遊技球の上限数をRAM553の記憶領域z2に記憶する。
ステップS2703では、CPU551は、上述した記憶領域z1,z2の値を用いて、受止めトレー底面803dに載置される球箱829に収容される遊技球の数が、球箱829に収容可能な遊技球の上限数を超えているか否か(z1≧z2)について判定する。判定の結果、球箱829に収容される遊技球の数が上限数を超えている(ステップS2703:Yes)場合は、ステップS2704に進む。
ステップS2704では、CPU551は、上限数到達報知を実行するとともに、上限到達報知の実行中であることを示す報知中フラグをONにして、本処理を終了する。具体的には、スピーカ855,856から上限数到達を知らせる「球箱を交換して下さい」などの音声を出力したり、上限数到達ランプ858を点灯したりする。
ここで、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球が増加する場合だけでなく、受止めトレー803または球箱829に遊技者が手を載せている場合に、当該手の重さが球箱829に収容される遊技球の数として変換されるおそれがある。そこで、CPU551は、球箱上限数到達判定処理において、RAM553の記憶領域z1に記憶される遊技球の数の増加の仕方に基づいて、RAM553の記憶領域z1に記憶される遊技球の数の増加が、球箱829に収容される遊技球の数の増加によるものなのか、受止めトレー803または球箱829に載せられた遊技者の手の重量が変換されたことによるものなのかを判別できるように構成されていてもよい。具体的には、CPU551は、例えば、単位時間あたりに増加する遊技球の数が所定数を超える場合には、受止めトレー803または球箱829に遊技者の手が載置されたことによるものと判断し、単位時間あたりに増加する遊技球の数が所定数を超えない場合には、球箱829に収容される遊技球の数が増加したことによるもの判断する。これにより、遊技者が手を受止めトレー803や球箱829に載置したことによって、誤って上限到達報知が実行されることを低減できる。
ステップS2703にて球箱829に収容される遊技球の数が上限値を超えてないと判定される(ステップS2703:No)場合は、ステップS2705に進む。球箱829に収容される遊技球の数が上限値を超えてないと判定される場合には、当初から上限数を超えていない場合だけでなく、上述したステップS2704にて上限数到達報知を実行したが、その後、球箱829が交換されたり、球箱829に収容されている遊技球の一部が取り出されて上皿19に移されたりする場合もある。そこで、ステップS2705では、CPU551は、報知中フラグがONしているか否かを判定する。報知中フラグがONである場合は、ステップS2706に進み、上限数到達報知を終了するとともに報知中フラグをOFFにして、本処理を終了する。報知中フラグがOFFである場合は、このまま本処理を終了する。
このように球箱上限数到達判定処理が行われることによって、遊技者やホール従業者は、球箱829に収容される遊技球がの上限数を超える前に、球箱829に収容される遊技球が上限数に達したことを把握できるので、満杯になった球箱829から遊技球が溢れ出してしまうことを低減できる。
なお、上述の重量測定ユニット840は本発明の重量測定手段に相当し、重量・数変換部848は本発明の重量・変換手段に相当する。上述した上限数到達判定部852は本発明の上限数到達判定手段に相当し、上述した上限数到達報知部853は本発明の上限数到達報知手段に相当する。
上述したように実施例2のパチンコ機10Kによれば、受止めトレー803に載置されている球箱829及び当該球箱829に収容される遊技球の重量を測定することが可能な重量測定ユニット840と、予め取得された1の遊技球の重量と予め取得された1の球箱829の重量とに基づいて、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球及び球箱829の重量を、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数に変換する重量・数変換部848と、を備える(例えば、上述のE14に記載の遊技機に対応する)。重量測定ユニット840が、受止めトレー803に載置されている球箱829及びこの球箱829に収容される遊技球の重量を測定する。重量・数変換部848が、予め取得されている1の遊技球の重量と1の球箱829の重量に基づいて、測定された重量を、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数に変換する。これにより、遊技者やホール従業者は、遊技の途中でも、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数を正確に把握できる。
また、重量・数変換部848によって変換される遊技球の数と、予め取得される球箱829に収容可能な遊技球の上限数と、を比較して、遊技球の数が遊技球の上限数に達するか否かを判定する上限数到達判定部852と、上限数到達判定部852によって上限数に達したと判定される場合に、上限数に達したことを示す所定の報知を実行する上限数到達報知部853と、を備える(例えば、上述したE15に記載の遊技機に対応する)。上限数到達判定部852は、重量・数変換部848によって変換された遊技球の数が球箱829に収容可能な遊技球の上限数に達した否かを判定する。上限数到達報知部853は、変換された遊技球の数が上限数に達したと判定される場合に、上限数に達したことを示す所定の報知を実行する。これにより、遊技者やホール従業者は、球箱829に収容される遊技球がの上限数を超える前に、球箱829に収容される遊技球が上限数に達したことを把握できるので、満杯になった球箱829から遊技球が溢れ出してしまうことを低減できる。
また、本実施例では、ステップS2501において、CPU551は、受止めトレー803の天板803gに配設される球箱載置センサ854を球箱829の底面が押下したか否かによって、受止めトレー803に球箱829が載置されたか否かを判定していたが、球箱載置センサ854を用いなくても、RAM553の記憶領域z1に記憶される遊技球の数の増加の仕方に基づいて、受止めトレー803に球箱829が載置されたか否かを判定することも可能である。具体的には、CPU551は、例えば、RAM553の記憶領域z1に記憶される遊技球の数の単位時間あたりの増加数が所定数を超える場合は、受止めトレー803に球箱829が載置されたことによるものと判断して、当該増加分をRAM553の記憶領域z1に記憶される遊技球の数から減らすことが可能である。このように構成すれば、球箱載置センサ854を用いない場合でも、また仮に球箱載置センサ854を用いるとしても球箱載置センサ854の不具合等により球箱829が載置されたことを検知できない場合でも、受止めトレー803に載置された球箱829の重量を誤って受止めトレー803に載置される遊技球の数として数えられることを低減できる。
また、例えば、ホールでの営業開始時などに、ホール従業者が遊技台ごとに、受止めトレー803に所定数の遊技球を載せるとともに、載せられた遊技球の数を入力手段で入力することによって、遊技球1球あたりの重量を取得させる構成も考えられる。このような構成において、仮にホールでの営業開始時に受止めトレー803に球箱829が載置されている場合には、球箱829の重量が誤って遊技球の重量と見なされて、遊技球1球あたりの重量に変換される恐れがある。これに対して、上述した構成を採用すれば、球箱829の重量が誤って遊技球の重量と見なされることを低減できる。また反対に、上述した構成を利用すれば、ホールでの営業開始時に受止めトレー803に球箱829を載置した状態で所定数の遊技球を球箱829に収容させたとしても、当該球箱829分の重量を除いた所定数の遊技球の重量に基づき、遊技球1球あたりの重量を取得することも可能である。
上述した実施例1では、音出力口24は下皿ユニット13に設けられていたが、音出力口は幕板802に設けられても構わない。音出力口は幕板802に設けられる例について、図53を参照して説明する。図53は、変形例に係るパチンコ機10Lの正面図である。
実施例3に係るパチンコ機10Lは、音声出力口833,834が幕板802に備えられており、側板805,806が受止めトレー803の左右両端を支持しており、側板805,806が音声出力口833,834を挟んで左右両側に設けられている(例えば、上述したE12に記載の遊技機に対応する)。これにより、音声出力口833,834から出力される遊技に関連した音声は、上側を下皿15の底面に、下側を受止めトレー底面803dに、左右両側を側板805,806に囲まれた空間から出力されるので、音声出力口855,856から出力される音の指向性が向上する。したがって、音声出力口833,834から出力される音を遊技者に聞き取りやすくできる。また、音声出力口833,834から同じ音声が出力される場合であっても、側板805,806の間に位置する球箱829の位置や球箱829に収容される遊技球の量などに応じて、音質の異なる音声を遊技者に聞かせることができる。
上述した実施例1では、支持ブラケット809が幕板802に取り付けられていたが、図54,図55に示すように、支持ブラケット809は幕板802以外の部材に取り付けられてもよい。図54は、実施例4に係るパチンコ機10Mの正面図であって受止めユニット801の一使用形態を示す。図55は、実施例4に係るパチンコ機10Mの正面図であって受止めユニット801の他の使用形態を示す。
支持ブラケット809は、側板805,806及び操作ロッド807,808とともに受止めトレー803を指示しており、内枠12(本例では下皿ユニット13)の前面にネジ等の連結手段で固定されることによって下皿15の下方に設けられている(例えば上述のE13に記載の遊技機に対応する)。支持ブラケット809は、幕板802に備えられるのではなく、下皿ユニット13の前面側に設けられるので、支持ブラケット809が設けられる位置が下皿15に近付く。そのため、支持ブラケット809によって支持される受止めトレー803も下皿15に近付くので、支持ブラケット809が幕板802に備えられる構成よりも受止めトレー803と支持ブラケット809と下皿15とがコンパクトにまとまる。したがって、遊技機をホールに設置する際など遊技機を動かすような場合に、支持ブラケット809が幕板802に備えられる構成よりも受止めトレー803が他の物に衝突して破損することを低減できる。なお、下皿ユニット13と前面枠セット14とが一体に構成される場合は、受止めユニット801は、一体に構成された前面枠セット14の下部に固定されてもよい。
また、本実施例では、受止めトレー803の左右両端に配設される横周壁803c,803cによって画される受止めトレー803の横幅は、下皿本体15u及び上皿本体19aのそれぞれの横幅よりも大きくなるように形成されている。そのため、下皿本体15u及び上皿本体19aの左右両端、とくに左手で下皿15から遊技球を掴んで上皿19に移そうとする遊技者にとっては上皿19の左端の側面からこぼれ落ちた遊技球も受止めトレー803で受け止めることができる。また、左手で球箱829から遊技球を掴んで上皿19に移そうとする遊技者にとっては下皿15の左の側面からこぼれ落ちた遊技球も受止めトレー803に受け止めることができる。
上述した実施例1では、本発明の受止め手段は受止めトレー803であって、下皿15の底面に対向して配置されてるものであったが、受止め手段は、少なくとも一部が下皿15よりも外側に位置しており、落下する遊技球を受け止めて、その受け止めた遊技球を溜めることができるものであれば、異なる構成であっても構わない。受止め手段の異なる構成である受止めユニット860について、図56,図57を参照して説明する。なお、図56は、実施例5に係る受止めユニット860を示す概略平面図である。図57は、図56における受止めユニット860のZ1-Z1断面図である。
受止めユニット860は、下皿15の外側に設けられた、遊技球を受け止める回収溝861が備えられた張出し部862である。張出し部862は、下皿15から遊技球を掴み出す際にこぼれた遊技球を回収溝861に溜めることができる。回収溝861には、排出口863が設けられており、排出口863にはシャター864が取り付けられており、排出口863に向けて溝底が傾斜されている。これにより、下皿15に入らずにこぼれ落ちた遊技球を受け止めて、受け止めた遊技球を溜めて、必要に応じて回収することができる。なお、一層簡易な受止めユニット860を構成するために、排出口863やシャッター864を備えずに、回収溝861のみを設けたものとすることもできる。
また、受止めユニット860は、下皿15だけでなく、上皿19に設けてもよい。上皿19に受止めユニット860を備えることで、下皿15や球箱829から取り出した遊技球を上皿19に移し入れる際などに、上皿19からこぼれ落ちた遊技球を回収溝861に溜めて、回収することができる。
上述した実施例1では、受止めトレー803が下皿15の底面に対向して配置されており、下皿15の底面との間に球箱829を載置可能な空間を形成する例に挙げて説明したが、図58,59に示すように、受止めトレー803と下皿15の底面との間に球箱829を載置可能な空間が形成されていない受止めユニット870であっても構わない。なお、図58は、実施例6に係る受止めユニット870を示す概略平面図である。図59は、図59における受止めユニット870のZ2-Z2断面図である。
受止めユニット870は、平面視で下皿15よりも外側に広がっている受止めトレー871を備え、受止めトレー871は落下した遊技球を受け止めることができる。しかし、受止めトレー871は、球箱829を載置するものではなく、球箱829は受止めトレー871の下に配置される。受止めトレー871は、中央に位置する排出口873に向かって傾斜しており、排出口873は遊技者の操作を受けるシャッター875によって開閉される。遊技者が落下した遊技球は、受止めトレー871で受け止められてから、閉鎖状態にある排出口873に向かって集められ、遊技者がシャッター875を開放することによって、球箱829に回収される。
また、受止めトレー871の前面側には、横長に形成された傾斜ガイド877が設けられているので、球箱829を取り出す際に球箱829が傾斜ガイド877で案内されて易くなっている。
実施例7に係るパチンコ機10Aについて図60を参照して説明する。図60は、実施例7のパチンコ機の概略正面図である。パチンコ機10Aの下皿15は、下皿15に収容される遊技球の中から一部の遊技球を分けて取り出せる機能を備える点で、上述の実施例1から実施例6までの遊技機と異なる。
本実施例においても、下皿15の下方には受止めトレー803が配置されているが、本実施例の受止めトレー803は、排出口814が設けられていない点と、受止めトレー803の右側(上流側)よりも左側(下流側)の方が大きく手前側に突き出ている点とが、実施例1,2の受止めトレー803と異なる。
図61を参照して下皿15についてもう少し詳細に説明する。図61は、下皿15の三面図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
下皿15は、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第1排出ユニット411と、下皿15に収容される遊技球のうち、第1排出ユニット411によって排出される遊技球の数よりも少ない数の遊技球を外部に排出する第2排出ユニット421と、を備える。つまり、下皿15は、下皿15に収容されている遊技球を外部に排出する際に、第2排出ユニット421を使用すれば、第1排出ユニット411を使用するよりも、下皿15から排出される遊技球の数が少なくなるように構成されている。
ここで、一般的なパチンコ機の場合、下皿に収容される遊技球をドル箱などと呼ばれる貯留用容器に排出するための排出口やその排出口を開閉操作する球抜きレバーなどを含む排出ユニットが1つだけ設けられることが多い。このような排出ユニットは、一度に大量の遊技球を排出する。そのため、このような排出ユニットを使用して、下皿から排出される遊技球の数を細かく調整することは難しい。この点、第1排出ユニット411と第2排出ユニット421とを備え、それぞれが排出する遊技球の数に差をつけるように構成すれば、遊技球を貯留用容器に一度に排出したい場合は第1排出ユニット411を使用し、排出される遊技球の数を細かく調整したい場合、例えば、飲食物と交換するための容器に遊技球を排出する場合は、第1排出ユニット411よりも排出数の少ない第2排出ユニット421を使用できる。第2排出ユニット421を使用すれば、手で遊技球を掴むよりも決められた量の遊技球を取り出す作業が容易になり、且つ、第1排出ユニット411を使用するよりも決められた量の遊技球を正確に取り出すことができる。
第1排出ユニット411は、下皿15の底面に穿設され、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第1排出口412a,412b(以下、総称する場合は第1排出口412と呼ぶ)と、第1排出口412を開放または閉鎖させる第1開閉機構413とで構成されている。第2排出ユニット421は、下皿15の底面のうち左端寄りの位置に穿設され、下皿15に収容される遊技球を外部に排出し且つ第1排出口412よりも、単位時間あたりに排出される遊技球の数が少なくなるように構成される第2排出口422a,422b(以下、総称する場合は第2排出口422と呼ぶ)と、第2排出口422を開放または閉鎖させる第2開閉機構423とで構成されている。また、下皿15には、その外壁部において、第2排出口422bの付近を外側から内側に向けて窪むように形成されている窪み部426が設けられている。
このように構成されることで、遊技者は、右手で遊技球発射ハンドル18を操作している最中に空いている左手を窪み部426に寄せる場合に、第2排出ユニット421から遊技球を取り出すことになるので、遊技発射の操作中でもスムーズに遊技球を取り出すことができる。単位時間あたりに第1排出口412から排出される遊技球の数よりも、同じ単位時間あたりに第2排出口422から排出される遊技球の数の方が少なくなるので、第1排出口412から遊技球を排出するよりも、第2排出口422から遊技球を排出する方が、決められた数の遊技球を取り出す作業が容易になり、且つ、決められた数の遊技球を正確に取り出すことができる。また、第2排出口422b付近の外壁部の窪み部426によって、遊技者は、遊技球を受ける取るための手や容器を第2排出口422bの近くまで寄せ易くなり、容易に遊技球を取り出すことができる。
また、受止めトレー803は、上流側に位置する受止めトレー底面803dの上流部と、下流側に位置する受止めトレー底面803dとで、下皿15の前縁からの突出量が異なっており、上流側よりも下流側の方がより多く手前側に突き出ている。受止めトレー803の下流側には排出口814が設けられていないが、下流側の受止めトレー803が上流側の受止めトレー803よりも手前側に突き出ており、手前側に突き出た箇所に沿って回収溝812も手前側に突き出しているため、排出口814が設けられておらずとも、手前側に突き出た箇所に位置する回収溝812から遊技球を取り出し易い。
図62を参照して、下皿15の内部構成についてする。図62は、下皿15のAA断面図であり、(a)は第2排出ユニット421の非排出、(b)は排出を示す。
まず、下皿15の内部構成について説明する。下皿15は、大きく分けると、下皿15に払い出された遊技球を収容する球収容層401と、球収容層401の下方に位置し、球収容層401から流入した遊技球を外部に排出する排出層403との2層で構成されている。
第1排出口412及び第2排出口422は、球収容層401と排出層403の底面にそれぞれ穿設されている。球収容層401と排出層403とに穿設されている第1排出口412を、上から順に、第1排出口412a,412bと呼ぶ。また、球収容層401と排出層403とに穿設されている第2排出口422を、上から順に、第2排出口422a,422bと呼ぶ。第1排出口412a,412bの間と第2排出口422a,422bの間は、それぞれ遊技球を流下させるための通路が形成されている。
次に、第1開閉機構413の内部構成について説明する。第1開閉機構413は、遊技球が通過可能な開口部が平面部に穿設される薄板状の第1開閉部材414と、第1開閉部材414に取り付けられた状態で下皿15の外壁面の前面側に露出する部位を有する球抜きレバー17と、一端が第1開閉部材414に固定されるコイルバネ415とを備える。コイルバネ415は、第1開閉部材414に第1排出口412aを閉鎖させる方向(本実施例では右方向)に第1開閉部材414を付勢している。球抜きレバー17は、第1開閉部材414に第1排出口412aを開放させる方向(本実施例では左方向)にスライドされると、第1開閉部材414の開口部が第1排出口412aに連通する開状態を発生させる。
次に、第2開閉機構423の内部構成について説明する。第2開閉機構423は、平板状の第2開閉部材424と、第2排出口422aを閉じる閉位置と第2排出口422aを開く開位置とに第2開閉部材424を移動させるソレノイド425とで構成されている。ソレノイド425は、第2開閉部材424と接続されているプランジャを有し、収容層401の底面に固定されている。ソレノイド425は、通常の(消磁した)状態では第2開閉部材424を閉位置に位置させ、励磁された状態ではプランジャが飛び出して、第2開閉部材424を開位置に移動させる。
下皿15のその他の内部構成について説明する。排出層403は、第1排出口412aから第1排出口412bへ遊技球を案内する第1排出レール428と、第2排出口422aから第2排出口422bへ遊技球を案内する第2排出レール429とが設けられている。第1排出レール428は、第1排出口412aから第1排出口412bへほぼ直線的に遊技球を案内している。このように第1排出レール428を構成することで、第1排出口412aが開放されるときに、一度に大量の遊技球が第1排出レール428を介して外部に排出できる。第1排出レール428の直径は、第2排出レール429の直径よりも太くなるように構成されている。第2排出レール429は、第2排出口422aに近い側に、第2排出レール429内を流下する遊技球を整流しながら下流側に送り出す排出カム430が回転軸を介して設けられる。また、第2排出レール429の外側には、回転軸を介して排出カム430を駆動する排出モータ432と、排出モータ432の回転を検出する回転検出センサ433(図63参照)とが設けられる。
排出モータ432は、パルス信号を受信するごとに1ステップずつ所定の角度(本実施例では3度)に回転駆動するステッピングモータである。つまり、排出モータ432は、30ステップ分のパルスが入力されると、90度回転駆動する。
回転検出センサ433は、排出モータ432が90度分回転すること、すなわち排出モータ432が30ステップ分のパルス入力を検出する。そして、回転検出センサ433が排出モータ432の90度分の回転を検出すると、後述する遊技者の操作によって入力される排出個数の値が1ずつ減算される。つまり、回転検出センサ433は、第2排出口422aから排出される遊技球の数を検出する機能を有するものである。このように、第1排出ユニット411には備えられていない回転検出センサ433を第2排出ユニット421に備えることで、第2排出ユニット421では、第2排出口422aから排出される遊技球の数を内部的に把握ことができる。これにより、第2排出ユニット421は、第2排出口422aから排出される遊技球の数が内部的に把握されるので、予め定められた数の遊技球を外部に排出できる。その結果、下皿15から遊技球を外部に排出した後で、排出された遊技球の多寡に応じて遊技球の数を調整する作業手間が低減される。これに対して、一般的なパチンコ機の場合、下皿に球抜きレバー17のような部材が設けられているだけなので、球抜きレバー17を開閉するタイミング次第で排出される遊技球の数が変わり易く、下皿に収容された遊技球のなかから予め定められた数の遊技球を排出することは難しい。
排出カム430は、180度回転するたびに、第2排出レール429を流下する遊技球を1球ずつ下流側に送り出す。排出カム430は、回転軸を介して排出モータ432に連結されているので、排出モータ432が90度分回転すると、180度回転して遊技球を1球下流側に送り出す。下流側に送り出された遊技球は、第2排出レール429に案内されて、第2排出口422bから外部に排出される。
排出カム430の下流には、排出カム430によって送り出された遊技球の数をカウントする排出球カウントスイッチ434が設けられている。これにより、排出カム430が駆動しているにも関わらず遊技球が送り出されていないような排出エラーが発生している場合に、排出エラーの発生を判別することができる。すなわち、回転検出センサ433によって検出される排出モータ432の回転角度から、排出カム430によって送り出されたと推定される遊技球の数(推定排出数)が分かる。排出球カウントスイッチ434によって検出されるカウント数から、実際に第2排出口422bを通過する遊技球の数(実排出数)が分かる。推定排出数と実排出数とを比較した結果、推定排出数が実排出数よりも多い場合は、排出エラーが発生していると判別することができ、推定排出数と実排出数とが等しい場合は、排出エラーが発生していないと判別することができる。なお、排出エラーの原因としては、後述する排出操作部435に入力される排出個数が実際に下皿15に収容されている遊技球の数よりも多いために、排出すべき遊技球が存在しない状態で排出モータ432が回転していることが考えられる。このように、第2排出ユニット421では、第2排出口422bから排出される遊技球の数が予め定められた数に達することが排出球カウントスイッチ434によって検出されるように構成されているので、予め定められた遊技球の数を正確に排出することができる。
また、下皿15の外壁面の左寄りの位置には、第2排出ユニット421を使用して下皿15に収容されている遊技球を外部に排出する際に、遊技者の操作を受ける排出操作部435が備えられている。排出操作部435は、排出設定する遊技球の数を例えば10球ずつ増やすための入力操作を受ける設定ボタン435aと、排出設定する遊技球の数を例えば10球ずつ減らすための入力操作を受ける設定ボタン435bと、排出動作を開始するための入力操作を受ける開始ボタン435cと、排出動作を停止するための入力操作を受ける停止ボタン435dとで構成されている。
このように、排出操作部435は、遊技者の操作に応じて、第2排出ユニット421が排出する下皿15に収容される遊技球の数を変更可能に構成されている。一般的なパチンコ機の場合、下皿に収容されている遊技球の排出する際に、球抜きレバー17のような部材を遊技者がスライド操作すると、下皿に収容する遊技球がすべて外部に排出されてしまうので、下皿に収容されている遊技球のうち一部の遊技球を予め定められた数だけ排出することは難しい。これに対して、第2排出ユニット421では、排出操作部435の操作によって下皿15から排出される遊技球の数を所定数に設定できるので、所望する数の遊技球を容易に排出できる。また、排出操作部435を下皿15の外壁面の左寄りの位置に設けることによって、遊技者は、右手で遊技球発射ハンドル18を操作している最中であっても、空いている左手に近い位置で排出操作部435を容易に操作できる。
排出操作部435の右側には、設定ボタン435a,435bで設定される遊技球の数を表示する排出表示器436が設けられている。排出表示器436は、開始ボタン435cが押下されると、設定された遊技球の数から、排出が検出された遊技球の数が減らされていくカウントダウン表示が実行される。また、排出表示器436は、後述する排出エラー報知を実行するために、表示画面の色を変更可能に構成されている。通常、排出表示器436は、表示画面の色が緑色に表示されているが、第2排出ユニット421において後述する排出エラーが発生する場合には、表示画面の色が緑色からオレンジ色に変更される。これにより、遊技者やホール従業員が後述する排出エラーに気付き易くなる。
次に、第2開閉機構423の動作について説明する。第2排出ユニット421は、排出操作部435の操作を受ける場合に、下皿15に収容されている遊技球の排出を開始する。排出操作部435が遊技者の操作を受けると、ソレノイド425が励磁され、プランジャが第2排出口422aを開く方向に飛び出して、第2開閉部材424が開位置に移動する。第2排出口422aが開放されると、下皿15に収容される遊技球が第2排出口422aを通過する。第2排出口422aを通過した遊技球は、排出カム430が180度回転するたびに、1球ずつ下流側に送り出される。排出カム430によって払い出された遊技球が、遊技者による排出操作部435の操作によって設定された数に到達すると、排出モータ432は回転駆動を停止する。排出モータ432が回転駆動を停止すると、ソレノイド425が消磁され、プランジャが元の位置、すなわち第2排出口422aを閉じる方向に戻って、第2開閉部材424が閉位置に移動する。
次に、実施例7のパチンコ機10Aの電気的構成について図63を参照して説明する。排出制御装置441は、第2排出ユニット421により、下皿15に収容されている遊技球を下皿15の外部に払い出す排出制御を行うものである。排出制御装置441は、演算装置であるCPU443と、CPU443により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM444と、ワークメモリ等として使用されるRAM445と、を備えている。
ROM444及びRAM445を内蔵したCPU443には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。入出力ポートには、ソレノイド425,排出操作部435、排出モータ432、回転検出センサ433、排出球カウントスイッチ434,払出制御装置311などがそれぞれ接続されている。
ROM444には、CPU443によって実行される後述する排出制御処理などのプログラムが記憶されている。RAM445には、排出操作部435の操作に基づいて入力される排出個数や、回転検出センサ433及び排出球カウントスイッチ434によって検出される排出個数などが記憶されている。
排出制御装置441にも、状態復帰スイッチ321と同様に構成された状態復帰スイッチ442が設けられている。これにより、排出モータ432の球詰まり等、排出エラーの発生時において状態復帰スイッチ442が押下されると、排出モータ432が正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、排出制御装置441のCPU443により実行される排出制御処理の流れについて図64~46のフローチャートを参照しながら説明する。図64は、排出制御装置441によるメイン処理を示すフローチャートである。図65は、排出制御装置441によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図66は、排出数設定処理を示すフローチャートである。図67は、排出モータ駆動処理を示すフローチャートである。図68は、排出制御装置441によるエラー報知処理を示すフローチャートであり、図69は、排出制御装置441による状態復帰処理を示すフローチャートである。図70は、排出停止割込み処理を示すフローチャートである。
図64において、排出制御装置441内のCPU443により実行されるメイン処理は、電源投入時のリセットに伴い機動される。
ステップS1311では、電源投入に伴う初期化処理を実行する。また、ステップS1312では、割込み許可を設定する。
図65において、排出制御装置441内のCPU443は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1321では、CPU443は、設定ボタン435a,435bの押下が検出されたか否かを判定する。設定ボタン435a,435bの押下が検出されたと判断される場合は、ステップS1322に進む。ステップS1322では、CPU443は、後述する排出数設定処理を行う。設定ボタン435a、435bの押下が検出されない場合は、ステップS1323に進む。
ステップS1323では、CPU443は、開始ボタン435cの押下が検出されたか否かを判定する。開始ボタン435cの押下が検出されたと判定される場合は、ステップS1324に進む。ステップS1324では、CPU443は、後述する排出モータ駆動処理を行う。開始ボタン435cの押下が検出されない場合は、ステップS1325に進む。
ステップS1325では、CPU443は、後述する排出エラー報知処理を行う。次に、ステップS1326では、CPU443は、状態復帰スイッチ442の押下が検出されたか否かを判定する。状態復帰スイッチ442の押下が検出される場合は、ステップS1327に進む。ステップS1327では、CPU443は、後述する状態復帰処理を行う。状態復帰スイッチ442の押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
図66を参照して、CPU443が行う排出数設定処理について説明する。
ステップS1331では、CPU443は、排出フラグが1であるか否かを判定する。CPU443は、後述する排出モータ駆動処理において、排出モータ432を駆動する場合に排出フラグを1として、排出モータ432を停止する場合に排出フラグを0とする。排出フラグが1であると判定される場合は、本処理を終了する。排出フラグが0であると判定される場合は、ステップS1332に進む。
ステップS1332では、CPU443は、設定ボタン435a(本処理では+ボタン435aと呼ぶ)の押下が検出されたか否かを判定する。本実施例では、後述するように+ボタン435aを1回押下するごとに例えば+10球の排出設定数が入力される。なお、+ボタン435aを押下し続けると連続的に排出設定数を入力できるようにしてもよい。+ボタン435aの押下が検出される場合は、ステップS1333に進む。+ボタン435aの押下が検出されない場合は、後述するステップS1336に進む。
ステップS1333では、CPU443は、+ボタン435aの押下により入力された設定数が上限値を超えているか否かを判定する。設定数の上限値は、例えば、100球である。なお、ホール(パチンコ店)が飲食物との交換数に応じて上限数を任意に設定できるように構成されていてもよい。設定数が上限値を超えていないと判定される場合は、ステップS1334において設定数を+10して、ステップS1335に進む。設定数が上限値を超えると判定される場合は、ステップS1334を飛ばして、ステップS1335に進む。ステップS1335では、CPU443は、現在の設定数を排出表示器436に表示する。
上述したステップS1332において、+ボタン435aの押下が検出されない場合は、ステップS1336において、設定ボタン435b(本処理では-ボタン435bと呼ぶ)の押下が検出されたか否かを判定する。本実施例では、後述するように、+ボタン435aに対応して、-ボタン435bを1回押下するごとに-10球の排出設定数が入力される。-ボタン435bの押下が検出される場合は、ステップS1337に進む。-ボタン435bの押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
ステップS1337では、-ボタン435bの押下によりマイナス入力された設定数が下限値つまり0を下回っているか否かを判定する。設定数が下限値を下回っていないと判定される場合は、排出設定数を-10して、ステップS1338に進む。設定数が下限値を下回っていると判定される場合は、ステップS1338を飛ばして、ステップS1335に進み、現在の排出設定数を表示する。
図67を参照して、CPU443が行う排出モータ駆動処理を説明する。
ステップS1341では、下皿球フラグが1であるか否かを判定する。下皿球フラグは、1が下皿15に遊技球が貯留されていることを示し、0が下皿15に遊技球が貯留されていないことを示す。下皿15に遊技球が貯留されているか否かは、例えば、第2排出口422aの近くに遊技球を検出するセンサを備え、該センサに遊技球が検出されるか否かによって判定することが考えられる。下皿球フラグが1である場合は、ステップS1342に進み、第2開閉部材424を開放する。下皿球フラグが0である場合は、下皿15に遊技球がほとんど貯留されていないので、本処理を終了する。
ステップS1343では、後述するリトライ回数が3回を超えているか否かを判定する。リトライ回数が3回を超えていないと判断される場合は、ステップS1344に進み、排出モータ432を駆動する。CPU443は、排出モータ432を駆動するとき、排出フラグを1にする。次に、ステップS1345では、CPU443は、後述するリトライフラグが1であるか否かを判断する。リトライフラグが1でない場合は、CPU443は、排出操作部435から入力された設定数をRAM445の記憶領域aに記憶し(ステップS1346)、回転検出センサ433の検出値から導き出される推定排出数をRAM445の記憶領域bに記憶し(ステップS1347)、排出球カウントスイッチ434の検出値から導き出される実排出数をRAM445の記憶領域cに記憶する(ステップS1348)。
ここで、CPU443は、排出カウントスイッチ434から遊技球の排出が検出される毎に、RAM445に記憶される設定数を1ずつ減算して、当該減算された数を排出表示器436に表示させる排出報知を行う。つまり、排出表示器436では、第2排出ユニット421から遊技球の排出が開始されると、排出表示器436に表示されている設定数が1ずつ減っていくカウントダウン報知が行われる。これにより、遊技者は、下皿15の中を確認しなくても、排出表示器436を見るだけで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を容易に把握することができる。なお、排出報知は、設定数を1ずつ減算するカウントダウン方式に限らず、排出数を1ずつカウントアップする方式や、排出数の増加または減少を表すグラフを用いた報知であっても構わない。
次に、ステップS1349では、CPU443は、上述した記憶領域a,bの値を用いてa-bの演算を行い、この演算結果が0であるか否かを判定する。すなわち、CPU443は、設定数から推定排出数を引いた数が0であるか否かを判定する。0でないという判定の場合は、設定数の遊技球を排出し終えていないことを示す。この場合は、ステップS1350に進み、排出モータ432が駆動を開始してから所定時間(例えば30秒間)を経過しているか否かを判定する。0であるという判定の場合は、ステップS1350を飛ばして、ステップS1351にすすむ。
次に、ステップS1350では、CPU443は、排出モータ432の駆動を開始してから所定時間を経過しているか否かを判定する。所定時間を経過していると判定される場合は、CPU443は、排出モータ432を停止して、排出フラグを1から0に戻す。所定時間を経過していないという判定である場合は、ステップS1347に戻り、ステップS1347からステップS1350までの処理を繰り返す。
次に、ステップS1352では、CPU443は、b-cの演算を行い、この演算結果をRAM445の記憶領域dに記憶し、記憶領域dに記憶された値が0であるか否かを判定する。つまり、CPU443は、推定排出数から実排出数を引いた値(すなわち排出不足数)が0であるか否かを判定する。排出不足数が0でない(排出不足である)と判定される場合は、ステップS1353に進み、排出不足数が0である(すべて排出した)と判定される場合はステップS1357に進む。
ステップS1353では、リトライ処理を行うために、CPU443は、リトライフラグを1とするとともに、bの値とcの値をクリアする。次に、ステップS1354では、CPU443は、第2排出レール429に振動を与えるバイブレーション処理を行う。これは、第2排出レール429での球詰まりを解消するためである。次に、CPU443は、上述したステップS1341からステップS1352までの処理を繰り返す。ただし、ステップS1345では、リトライフラグが1の場合(ステップS1345:Yes)は、aの値(設定数)をdの値(排出不足数)に置き換える。ステップS1349では、「a-b=0」を「d-b=0」として判定する。また、ステップS1343でリトライ回数が3回を超える(ステップS1343:Yes)場合は、ステップS1356に進み、エラーフラグを1にして本処理を終了する。エラーフラグは、後述するエラー報知処理の契機となる。
ステップS1357では、ステップS1352で「b-c」が0である(すべて排出した)と判定される場合、CPU443は、エラーフラグが1であるか否かを判定する。エラーフラグが1でないと判定される場合は、ステップS1359に進む。エラーフラグが1であると判定される場合は、ステップS1358に進み、エラーフラグを0にして、ステップS1359に進む。なお、ステップS1343及びS1356で上述の通り、リトライ回数が3回を超える場合、エラーフラグが1とされて、本処理が終了されるが、後述する状態復帰処理によりリトライ回数がクリアされる場合がある。リトライ回数がクリアされると、再度、ステップS1343からステップS1352までの排出モータ駆動処理を実行できる。ステップS1357においてエラーフラグが1であると判定される場合は、このような場合である。
次に、ステップS1359では、CPU443は、リトライフラグが1であるか否かを判定する。上述したステップS1353及びS1354のステップを経ずに、ステップS1357に進んでいる場合は、リトライフラグが0であると判定されて、ステップS1361に進む。上述したステップS1353及びS1354のステップを経て、ステップS1357に進んでいる場合は、リトライフラグが1と判定されるので、ステップS1360に進み、リトライフラグを0に戻して、ステップS1361に進む。ステップS1361では、第2開閉部材424を閉鎖して、本処理を終了する。
図68を参照して、CPU443が行うエラー報知処理を説明する。
ステップS1371では、CPU443は、エラーフラグが1であるか否かを判定する。エラーフラグが1であると判定される場合は、ステップS1372に進む。ステップS1372では、CPU443は、エラー報知フラグが1であるか否かを判定する。エラー報知フラグが1でない場合は、CPU443は、エラー報知フラグを1にして、エラー報知を実行する。エラー報知は、上述したように、排出表示器436の表示画面の色を緑色からオレンジ色に変更することである。エラー報知フラグが1である場合は、エラー報知中であるので、本処理を終了する。
ステップS1371にて、エラーフラグが1でないと判定される場合は、ステップS1374に進む。ステップS1374では、CPU443は、エラー報知フラグが1であるか否かを判定する。エラー報知フラグが1である場合は、CPU443は、すでにエラーが解消されているので、エラー報知フラグを0にして、エラー報知を終了する。すなわち、排出表示器436の表示画面の色をオレンジ色から緑色に変更することによって、排出エラーが直ったことを報知する。エラー報知フラグが1でない場合は、CPU443は、そのまま本処理を終了する。
図69を参照して、CPU443が行う状態復帰処理を説明する。
ステップS1381では、CPU443は、すでに状態復帰スイッチ442の押下が検出されたとの信号を受けているので、球詰まりを解消させるために、排出モータ432を正逆方向に回転させる。ステップS1382では、CPU443は、球詰まりを解消させた後に排出モータ駆動処理を行うために、リトライ回数をクリアして、本処理を終了する。
図70を参照して、CPU443が行う排出停止割込み処理について説明する。
排出停止割込み処理は、遊技者が排出動作を停止するために、停止ボタン435dを押下した場合に、発生する処理である。遊技者が停止ボタン435dを押下すると、CPU443に対して本処理を行うための割込み信号が出力される。
ステップS1391では、CPU443は、停止ボタン435dの押下が検出されたか否かを判定する。具体的には、CPU443が上述の割込み信号を受け取っているか否かを判定する。停止ボタン435dの押下が検出される場合は、ステップS1392に進む。停止ボタン435dの押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
ステップS1392では、CPU443は、排出フラグが1であるか否かを判定する。排出フラグが1であると判定される場合は、ステップS1393に進み、排出フラグが1でないと判定される場合は、本処理を終了する。ステップS1393では、CPU443は、停止ボタン435dの押下が検出された時点から遊技球が10球排出された否かを検出して、10球の遊技球が検出されるまで本処理を繰り返す。本実施例では、10球単位で遊技球の排出が設定され、10球単位で遊技球が排出されるからである。なお、設定数と排出数の単位が変われば、これに合わせて、ステップS1393で判定される遊技球の数も変更される。停止ボタン435dの押下が検出された時点から遊技球が10球排出されたと検出される場合は、ステップS1394に進む。ステップS1394では、排出フラグを0にして、排出モータ432を停止する。これにより、本処理が終了する。なお、排出フラグが0になると、上述した排出数設定処理が可能となる。
なお、上述の遊技球は、本発明の遊技媒体に相当する。また、上述の払出装置358は、本発明の払出手段に相当し、下皿15は、本発明の収容手段に相当し、第1排出ユニット411は、本発明の第1取出し手段または第1排出手段に相当し、第2排出ユニット421は、本発明の第2取出し手段または第2排出手段に相当する。また、第1排出口412a、412bは、本発明の第1排出部に相当し、第2排出口422a,422bは、本発明の第2排出部に相当する。また、回転検出センサ433及び排出カウントスイッチ434は、本発明の排出検出手段に相当する。また、排出操作部435は、本発明の排出操作手段に相当する。また、CPU443が排出表示器436にカウントダウン報知を行わせる機能は、排出報知手段に相当する。
上述したように実施例7のパチンコ機10Aによれば、所定の価値を有する遊技球を払い出す払出装置358と、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する下皿15と、を備え、下皿15は、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第1排出ユニット411と、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第2排出ユニット421と、を備える(例えば、上述したA1に記載の遊技機に対応する)。下皿15には第1排出ユニット411と第2排出ユニット421の2つの排出ユニットが備えられているので、下皿15に収容される遊技球に対して2通りの排出を実現できる。すなわち、下皿15に収容される遊技球をドル箱などと呼ばれる貯留用容器に排出するための排出と、その他の用途での排出と、である。これにより、ドル箱に遊技球を移す場合のような第1排出ユニット411を使用する場合以外の場合では遊技者は下皿15から遊技球を手で掴んで取り出していたが、第2排出ユニット421を使用することにより、第1排出ユニット411を使用する場合以外の場合にも、下皿15から所定数の遊技球を取り出し易くすることができる。
また、第1排出ユニット411は、下皿15に収容される遊技球のうち任意の数の遊技球を外部に排出し、第2排出ユニット421は、下皿15に収容される遊技球のうち所定数の遊技球を外部に排出する。これにより、下皿15に収容される任意の数の遊技球をドル箱に排出する第1排出と、下皿15に収容される遊技球の中から所定数の遊技球を飲食物等との交換の目的で排出する第2排出とを実現できる。このように、第2排出ユニット421を用いれば所定数の遊技球を外部に排出できるので、払出装置358によって下皿15に払い出される遊技球の中から所定数の遊技球を取り出し易くすることができる。
また、第1排出ユニット411は、通常の遊技状態よりも遊技者が多数の遊技球の払い出し機会を得ることが可能な例えば大当たり状態中においてまたは遊技者が遊技を終了する際に、下皿15に収容される遊技球をドル箱に排出する場合に使用されるものである(上述したA2に記載の遊技機に対応する)。例えば大当たり状態や遊技者が遊技を終了する際のような第1排出ユニット411を使用する場合以外の場合にも、下皿15から所定数の遊技球を取り出し易くすることができる。
また、第2排出ユニット421は、パチンコ機10Aを正面視した場合に、下皿15の中心部よりも外側に配設される(上述したA3に記載の遊技機に対応する)。これにより、パチンコ機10Aの椅子に座る遊技者は、空いている手を自然に前方に伸ばすことによって、第2排出ユニット421から排出される遊技球を容易に受け取ることができる。
また、第2排出ユニット421は、パチンコ機10Aを正面視した場合に、第1排出ユニット411が配設される位置よりも下皿15の中心部に対して外側に配設される(上述したA4に記載の遊技機に対応する)。これにより、第1排出ユニット411の下方に第1排出ユニット411から排出される遊技球を収容するドル箱が配置されている場合であっても、このドル箱が、第2排出ユニット421から排出される遊技球を受け取る際の邪魔になり難い。よって、第2排出ユニット421から排出される遊技球を容易に受け取ることができる。
また、第2排出ユニット421は、第1排出ユニット411によって排出される遊技球の数よりも少ない数の遊技球を排出するものである(上述したA5に記載の遊技機に対応する)。これにより、下皿15に収容されている遊技球の中から所定数の遊技球を取り出す場合に、第1排出ユニット411よりも排出数の少ない第2排出ユニット421を使用すれば、所定数の遊技球を取り出す作業が第1排出ユニット411を使用するよりも容易となり、決められた量の遊技媒体を正確に取り出すことが容易になる。
また、第1排出ユニット411は、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第1排出口412を備え、第2排出ユニット421は、下皿15に収容される遊技球を外部に排出し且つ第1排出口412よりも、単位時間あたりに排出される遊技球の数が少なくなるように構成される第2排出口422を備える(例えば、上述したA6に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、単位時間あたりに第1排出口412から排出される遊技球の数よりも、同じ単位時間あたりに第2排出口422から排出される遊技球の数の方が少なくなるように構成されるので、第1排出口412から遊技球を排出するよりも、第2排出口422から遊技球を排出する方が、決められた数の遊技球を取り出す作業が容易になり、且つ、決められた数の遊技球を正確に取り出すことができる。
また、第2排出ユニット421は、第2排出口422から排出される遊技球の数を検出する回転検出センサ433及び排出球カウントスイッチ434を備える(例えば、上述したA7に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、第2排出口422から排出される遊技球の数が回転検出センサ433及び排出球カウントスイッチ434によって内部的に把握されるので、第2排出口422から排出される遊技球の数が所望の数に到達する時点を容易に検出することができる。
また、排出制御装置441のCPU443は、回転検出センサ433及び排出カウントスイッチ434によって検出される、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技者に認識させることが可能な報知として、排出表示器436に表示されている設定数を1ずつ減らすカウントダウン報知を排出表示器436に表示させる(例えば、上述したA8に記載の遊技機に対応する)。これにより、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技中に確認することが容易になる。
また、第2排出ユニット421は、第1排出口412によって排出される遊技球の数よりも少ない数の遊技球であって予め定められた数の遊技球を外部に排出する(例えば、上述したA12に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、第2排出ユニット421が下皿15に収容される遊技球のうちの一部を外部に排出する場合、予め定められた数の遊技球が外部に排出される。したがって、下皿15から遊技球を外部に排出した後で、排出された遊技球の多寡に応じて遊技球の数を調整する作業手間が低減されるので、払出制御装置311から払い出されて下皿15に収容されている遊技球の中から、決められた量の遊技球を遊技者が取り出す作業がさらに楽になる。
また、第2排出口422から排出される遊技球の数が予め定められた数に達することが排出球カウントスイッチ434によって検出される場合に、第2排出口422からの遊技球の排出が停止される(例えば、上述したA13に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、第2排出口422から排出される遊技球の数が予め定められた数に達した時点で、第2排出口422からの遊技球の排出が停止されるので、予め定められた数の遊技媒体を正確に排出することができる。
また、排出操作部435は、遊技者の操作に応じて、第2排出ユニット421が排出する下皿15に収容される遊技球の数を変更可能に構成されている(例えば、上述したA15に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、遊技者の操作に応じて任意に第2排出ユニット421が排出する遊技球の数が変更可能となるので、遊技場が提供する飲食物と遊技媒体との交換数が飲食物の種類に応じて複数設定されている場合にも対応できる。
次に、本発明の実施例8のパチンコ機10Bについて図71を用いて説明する。図71は、実施例8のパチンコ機10Bの電気的構成を示すブロック図である。
実施例8のパチンコ機10Bは、実施例7のパチンコ機10Aとは異なる電気的構成を有する。すなわち、実施例7では、排出制御装置441が排出数設定処理や排出モータ駆動処理や排出エラー報知処理を行っていたが、本実施例では、音声ランプ制御装置262がこれらの処理を行う。また、実施例7では、排出表示器436に設定数が表示されていたが、本実施例では第1図柄表示装置42に設定数が表示される。なお、音声ランプ制御装置262は、サブ制御装置とも呼ばれるものである。
具体的には、音声ランプ制御装置262は、スピーカ25や、第1図柄表示装置42などが接続される表示制御装置45や、環状電飾部102,中央電飾部103,上皿電飾部104などの電飾部や、賞球ランプ105,エラー表示ランプ106などのランプや、排出モータ432,回転検出センサ433,排出カウントスイッチ434,排出操作部435などが接続される。
音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261からの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含む音声ランプ制御基板を具備している。
音声ランプ制御装置262のCPU551は、排出数設定処理や排出モータ駆動処理や排出エラー報知処理を実行する機能を備えている。具体的には、ROM552には、CPU551に実行される排出数設定処理や排出モータ駆動処理や排出エラー報知処理のプログラムが記憶される。RAM553には、排出操作部435の操作に基づいて入力される設定個数や、回転検出センサ433及び排出カウントスイッチ434によって検出される排出個数などデータ等が一時的に記憶されている。また、RAM553には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア553aが設けられている。
入出力ポート555には、ソレノイド425,排出操作部435、排出モータ432、回転検出センサ433、排出カウントスイッチ434などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置262が排出数設定処理や排出モータ駆動処理や排出エラー報知処理を実行する機能を備えているので、排出制御装置441を別個に設ける必要がない。そのため、払出制御装置311とともに排出制御装置441を収容していた基板ボックス315の大きさを小さくすることができる。また、排出御装置441を別の基板ボックスに個別に収容する場合には、排出制御装置441を収容する基板ボックスを配置する際の取付台301の配置スペースを減らすことができる。また、排出制御装置441を構成するCPU443,ROM444,RAM455などの電子部品が不要なので、遊技機製作にかかるコストを抑えることができる。
次に、音声ランプ制御装置262のCPU551により実行される排出制御処理の流れについて図72~図74のフローチャートを参照しながら説明する。図72は、音声ランプ制御装置262のCPU551により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図73は、音声ランプ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。図74は、音声ランプ制御装置262によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
図72において、メイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
ステップS1401では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、ポートの設定(ポートI/O切り替えおよび初期値出力)と、タイマの設定(1ミリ秒インターバルタイマ、液晶コマンドストローブ出力タイマ)と、割込み設定(サブコマンドストローブ割込み)とを行う。
また、ステップS1402では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、電源断処理が未完了か否かを判別する。具体的には、パチンコ機10Bの前面枠セット14の各種ランプ(環状電飾部102や中央電飾部103等)が全消灯しており、かつ、スピーカ25が消音状態となっているか否かを判別する。そして、電源断処理が未完了であればステップS1404に進み、そうでなければステップS1403に進む。
続いて、ステップS1403では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音声ランプ制御装置262のRAM553が破壊されているか否かを判別し、破壊されていればステップS1404に進み、そうでなければステップS1407に進む。ステップS1404では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音声ランプ制御装置262のRAM領域読み書きチェックを行う。そして、ステップS1405では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音声ランプ制御装置262のRAM553は正常か否かを判別する。音声ランプ制御装置262のRAM553が正常であればステップS1406に進み、異常であればステップS1412に進む。ステップS1406では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、RAM553のエリア毎にRAM破壊チェック用のデータを書き込み、その読み出し異常があれば破壊されていると判別するためのRAM破壊チェックデータの設定を行う。
そして、ステップS1407では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、電源断後の電源投入であるのか否かを判別する。電源断後の電源投入であればステップS1408に進み、そうでなければステップS1409に進む。
ステップS1408では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。具体的には、未処理化RAM領域は、データをクリアするとシステム上問題となる情報を保存する領域であり、RAM領域破壊時以外は残したい情報のエリアのことである。例えば、サブコマンド受信バッファや電源投入情報などが挙げられる。主制御装置261が電源断して、音声ランプ制御装置262がリセットした場合(主制御装置261から電源断通知コマンドを受信した場合)に、未処理化RAM領域以外のRAM領域をクリアする。
ステップS1409では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、割込み許可を設定する。ステップS1410では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音声ランプ制御装置262のRAM553の初期値設定を行う。ステップS1411では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、演出用初期化フラグを「1」に設定し、図73に示す通常処理に移行する。
なお、ステップS1412では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、RAM異常報知を行い、無限ループに入る。例えば、所定のランプを無条件で点灯させるなどの報知を行うことが挙げられる。
図73を参照して、音声ランプ制御装置262のCPU551が実行する通常処理を説明する。
ステップS1421では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、通常処理開始時から1ms以上経過したか否かを判別する。1ms以上経過していれば、ステップS1422に進み、経過していなければステップS1428に進む。
ステップS1422では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、ランプ出力処理を行う。具体的には、第1図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に合わせたランプ出力を行う。
ステップS1423では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、電源投入報知を行う。具体的には、電源投入コマンドによる30秒間の報知を行う。
ステップS1424では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、客待ち演出を行う。具体的には、タイトル/静止画の切り替えを行う。つまり、いわゆるデモ画面表示を行う。
ステップS1425では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、ランプ編集処理を行う。具体的には、第1図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)したランプ点灯パターンを編集する処理を行う。
ステップS1426では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音編集・出力処理を行う。具体的には、第1図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出に対応(同期)した音を鳴らす(音声、音楽、効果音などを音声出力する)処理を行う。
ステップS1427では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、液晶演出実行管理処理を行う。具体的には、ランプと音声と液晶演出(第1図柄表示装置42での装飾図柄の変動パターン演出)とを同期させる時間管理等を行う。
ステップS1428では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、第1図柄表示装置42で行うべき装飾図柄の変動パターンおよび音声ランプの演出を決定するための乱数の値を更新する処理を行う。具体的には、この乱数は例えば「0」~「32767」の値をとるものであって、上限値「37268」に達すると「0」に戻るものが挙げられる。
ステップS1429では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からコマンドを受信した場合に、各コマンドに対応した処理を行う。
具体的には、音声ランプ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドを受信した場合に、この変動パターン指定コマンドを、表示制御装置45に送信するための表示コマンドにコマンド変換する。なお、変動パターン指定コマンドをそのままスルー出力するようにしてもよい。また、音声ランプ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの装飾図柄指定コマンドを受信した場合に、この装飾図柄指定コマンドを、表示制御装置45に送信するための停止表示コマンドにコマンド変換する。また、音声ランプ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの全停止コマンド(確定コマンド)を受信した場合に、この全停止コマンドをそのまま表示制御装置45に送信する。また、音声ランプ制御装置262のCPU551は、主制御装置261からの大当たり開始コマンドを受信した場合に、この大当たり開始コマンドを、表示制御装置45に送信するための大当たり表示コマンドにコマンド変換する。
ステップS1430では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、表示制御装置45などにコマンドを出力するコマンド出力処理を行う。音声ランプ制御装置262のCPU551は、例えば、前述の表示コマンドや停止表示コマンドや大当たり表示コマンドなど各種のコマンドを表示制御装置45に送信する。
ステップS1431では、音声ランプ制御装置262のCPU551は、音声ランプ制御装置262のRAM553が破壊されているか否かを判別する。RAM553が破壊されていなければステップS1421に戻り、破壊されていれば無限ループに入る。
図74において、音声ランプ制御装置262のCPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1431では、CPU551は、設定ボタン435a,435bの押下が検出されたか否かを判定する。設定ボタン435a,435bの押下が検出されたと判断される場合は、ステップS1432に進む。ステップS1432では、CPU551は、実施例7で上述した排出数設定処理と同じ処理を行う。設定ボタン435a、435bの押下が検出されない場合は、ステップS1433に進む。
本実施例では、音声ランプ制御装置262のCPU551が排出数設定処理を行うので、当該処理によって設定された排出数などの表示を第1図柄表示装置42に表示させることが可能である。これにより、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技中に常に注視している領域にて確認することが可能となり、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技中に確認することがさらに容易になる。
ステップS1433では、CPU551は、開始ボタン435cの押下が検出されたか否かを判定する。開始ボタン435cの押下が検出されたと判定される場合は、ステップS1434に進む。ステップS1434では、CPU551は、実施例7で上述した排出モータ駆動処理と同じ処理を行う。開始ボタン435cの押下が検出されない場合は、ステップS1435に進む。
ステップS1435では、CPU551は、実施例7で上述した排出エラー報知処理を行う。本実施例では、音声ランプ制御装置262のCPU551が排出エラー報知処理を行うので、排出エラーを示す画像を第1図柄表示装置42に表示させることができる。これにより、遊技中に常に注視している領域にて排出エラーを確認することが可能となり、遊技中に排出エラーの発生を確認することも容易になる。なお、CPU551は、排出エラーを示す音声をスピーカ25から出力したり、排出エラーを示す点灯をエラー表示ランプ106で行ったりすることが可能である。
次に、ステップS1436では、CPU551は、状態復帰スイッチ442の押下が検出されたか否かを判定する。状態復帰スイッチ432の押下が検出される場合は、ステップS1437に進む。ステップS1437では、CPU551は、実施例7で上述した状態復帰処理を行う。状態復帰スイッチ442の押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
また、CPU551は、遊技者が停止ボタン435dを押下した場合に、実施例7で上述した排出停止割込み処理と同じ処理を実行する。
本実施例での排出数設定及び排出エラー報知について、図75を参照して説明する。図75は、第1図柄表示装置42の表示画面を説明する図であり、(a)~(c)は、排出数設定表示を経時的に説明する図であり、(d)は、排出エラー報知を説明する図である。
第2排出ユニット421での遊技球の排出状況は、第1図柄表示装置42に表示される情報によって遊技者に報知される。第1図柄表示装置42には、第2排出ユニット421での遊技球の排出状況を表示する場合に、第2排出ユニット421での遊技球の排出状況を報知する排出状況情報が表示される排出状況表示領域438aと、設定された遊技球の数を報知する設定数情報が表示される設定数表示領域438bと、排出されている遊技球の数を報知する排出数情報が表示される排出数表示領域438cが設けられる。
遊技者が設定ボタン435a,435bを操作して排出したい遊技球の数(例えば40個)を設定すると、図75(a)に示すように、第1図柄表示装置42には、排出状況表示領域438aに設定中であることを示す文字(「排出数設定中」)が表示され、設定数表示領域438bに設定された数(例えば「40」)が表示される。遊技者が開始ボタン435cを操作すると、図75(b)に示すように、第2開閉部材424が開位置に移動されるとともに排出モータ432が駆動して、遊技球の排出が開始されるので、第1図柄表示装置42には、排出状況表示領域438aに遊技球が排出されていることを示す文字(「排出中」)が表示される。設定数表示領域438bには「40」が表示される。排出数表示領域438cには、排出カウントスイッチ434によって1球目の遊技球の通過が検出された時点で排出数「1」が表示され、その後、排出カウントスイッチ434によって遊技球が検出される毎に、設定数に達するまで、排出数の表示が1ずつ増えていく。
設定された数の遊技球が排出されると、図75(c)に示すように、排出状況表示領域438aに排出が終わったことを示す文字(「排出完了」)が表示される。設定数表示領域438b及び排出数表示領域438cには、それぞれ「40」の数字が表示される。これにより、遊技の最中であっても、遊技球の排出が完了したことを示す情報が遊技者の目に入り易い位置に表示されているので、第2排出ユニット421による排出が完了したかどうかを確認するために下皿15に視線を落とす必要がなく、遊技に集中することができる。
また、第2排出ユニット421による排出の途中(例えば10球の排出が検出された時点)で排出エラーが生じた場合は、図75(d)に示すように、排出状況表示領域438aに排出エラーの発生を示す例えば「排出エラー発生」などの文字が表示される。設定数表示領域438bには「40」の数字が表示され、排出数表示領域438cには、排出の途中であることを示す「10」の数字が表示される。これにより、遊技中に常に注視している領域にて、第2排出ユニット421による排出の途中で排出エラーが発生したことが容易に確認可能となる。
上述したように実施例8のパチンコ機10Bによれば、音声ランプ制御装置262のCPU551は、回転検出センサ433及び排出カウントスイッチ434によって検出される第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を、遊技者に認識させることが可能な報知として、第1図柄表示装置42の排出数表示領域438cに表示されている排出数を1ずつ増やすカウントアップ報知を第1図柄表示装置42に表示させる(例えば、上述したA8に記載の遊技機に対応する)。これにより、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技中に常に注視している第1図柄表示装置42の表示領域にて確認することができるので、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技中に確認することがさらに容易になる。
次に、実施例9のパチンコ機10Cについて図76~図79を用いて説明する。図76(a)は実施例9でのパチンコ機10Cの概略正面図であり、(b)は実施例9での受止めトレー803の一の使用態様を示す平面図である。図77は、実施例9のパチンコ機10Cの電気的構成を示すブロック図である。図78は、音声ランプ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。図79は、遊技球発射・排出切換処理を示すフローチャートである。
本実施例の下皿15は、下皿15に収容される遊技球の中から一部の遊技球を分けて取り出せる機能を備える点で、上述の実施例7の下皿15と同じである。また、本実施例においても、下皿15の下方には受止めトレー803が配設されており、受止めトレー803の右側(上流側)よりも左側(下流側)の方が大きく手前側に突き出ている点は、実施例7の受止めトレー803と同じである。ただし、本実施例では、受止めトレー803の下流側に排出口814及びシャッター815が設けられている点と、回収溝812の下流側に回収溝812の溝幅よりも幅広く形成された溜まり部812aが形成されている点とが、実施例7の受止めトレー803と異なる。
回収溝812の下流側に溜まり部812aが形成されることによって、実施例7の回収溝812よりも多くの遊技球を回収溝812の下流側に溜めることができる。これにより、例えば、第2排出口422bから遊技球を排出する場合などに、第2排出口422bの下方に容器を設置しなくても、排出された遊技球が溜まり部812aに溜まるので、遊技の途中で容器を用意するような手間を低減することができる。また、右手で遊技球発射ハンドル18を操作する遊技者は、左手で下皿15から遊技球を掴んで球箱829や上皿19に移す作業を行うので、受止めトレー803の左側が右側よりも大きく前方に突出するさせれば、落下する遊技球をより多く受け止めることができる。また、遊技球発射ハンドル18が操作される右側では、受止めトレー803の右側が左側よりも奥まっているので、受止めトレー803が操作の邪魔になりにくくなっている。
また、上述した実施例8において、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技者に認識させる排出報知は、第2図柄表示装置41にて行っていたが、本実施例では、このような付加的な構成を必要とする排出報知を行わないで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に遊技者に認識させる排出報知を行う。
本実施例では、例えば、遊技者が遊技球を発射するタイミングと、第2排出ユニット421から遊技球が排出されるタイミングとを同期させることによって、発射される遊技球の数を遊技者に視覚的に認識させる。また、本実施例では、第2排出ユニット421から遊技球が排出されるタイミングに同期させて、遊技球発射ハンドル18を振動させる。これらにより、遊技者は、発射される遊技球の数を視覚的に数える、または、振動回数を触覚的に数えることで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に遊技者に認識させる。
遊技球発射ハンドル18について、もう少し詳細に説明する。遊技球発射ハンドル18は、その表面に金属メッキ加工が施され且つ遊技者の操作によって回動されるハンドル部18aと、この金属メッキ加工部分と電気的に接続されるタッチセンサ18bと、を備えている。また、遊技球発射ハンドル18は、発射操作中に遊技球の発射を停止させるために操作される発射停止スイッチ18cと、第2排出ユニット421から遊技球を排出するか否かを切り換えるために操作される排出切換スイッチ435eとが設けられている。さらに、遊技球発射ハンドル18の内部には、遊技球発射ハンドル18を操作する遊技者の手に振動を与えるバイブレータ18dが配設されている。
次に、電気的構成について説明する。音声ランプ制御装置262の入出力ポート555には、遊技球発射ハンドル18のタッチセンサ18cや、排出切換スイッチ435eや、払出制御装置311の入出力ポート515や、第2排出ユニット421を構成する排出モータ432が接続されている。
遊技者が遊技球発射ハンドル18の操作のためにハンドル部18aに接触すると、タッチセンサ18bからタッチ信号が音声ランプ制御装置262の入出力ポート555に出力される。遊技者が発射停止スイッチ18cを操作すると、発射停止信号が入出力ポート555に出力される。音声ランプ制御装置262のCPU551は、これらのタッチ信号や発射停止信号を払出制御装置311の入出力ポート515に出力する。払出制御装置311のCPU511は、タッチ信号が入力されると、発射停止信号が入力されない限り、発射制御装置312に対して、発射モータ229を駆動する発射モータ駆動信号を出力する。これにより、遊技球発射装置38によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれる。
つまり、音声ランプ制御装置262のCPU551は、タッチ信号に基づいて、発射モータ229の駆動を制御することが可能であるとともに、排出モータ432の駆動を制御することが可能である。
音声ランプ制御装置262のCPU551が行う制御フローについて説明する。上述したようにCPU551は、実施例8及び図73で説明するような通常処理を行う。本実施例のCPU551は、これらに加えて、発射モータ229を駆動させるタイミングに合わせて、排出モータ432を駆動させるために、ステップS1427Aとして、遊技球発射・排出切換処理を実行する。
遊技球発射・排出切換処理について説明する。ステップS1451では、CPU551は、タッチセンサ18bから出力されるタッチ信号の入力があったか否かを判定する。遊技者が遊技球発射ハンドル18の操作のためにハンドル部18aに接触することによってタッチ信号の入力がある場合は、ステップS1452に進み、タッチ信号の入力がない場合は、後述するステップS1456に進む。
ステップS1452では、CPU551は、排出切換スイッチ435eの押下が検出されたか否かを判定する。遊技者が排出切換スイッチ435eを押下してからハンドル部18aに接触したり、遊技者がハンドル部18aに接触している状態で排出切換スイッチ435eを押下したりすることによって、排出切換スイッチ435eの押下が検出される場合は、後述するステップS1454に進む。排出切換スイッチ435eの押下が検出されていない場合は、ステップS1453に進む。ステップS1453では、CPU551は、タッチ信号を払出制御装置311に出力する。ステップS1453の後、CPU551は通常処理に戻る。
ステップS1454では、CPU551は、タッチ信号を払出制御装置311に出力すして、ステップS1454に進む。ステップS1454では、CPU551は、第2排出ユニット421からの遊技球の排出を開始するための信号を出力する。具体的には、ステップS1454では、CPU551は、ソレノイド425に第2開閉部材424を開放するための信号を出力し、排出モータ432を駆動するための信号を出力する。つまり、ステップS1454及びステップS1455において、CPU551は、排出切換スイッチ435eが押下された状態でハンドル部450に手が接触されることによって、遊技球発射装置38からの遊技球の発射と、第2排出ユニット421からの遊技球の排出とを同時に開始させる機能を実現している。ステップS1455の後、CPU551は通常処理に戻る。
ステップS1456では、ステップS1451でタッチ信号の入力がないと判定された場合に、排出モータ432が駆動しているか否かを判定する。排出モータ432が駆動されていない場合は、そのまま本処理を終了する。排出モータ432が駆動されている場合は、ステップS1457に進み、排出モータ432の駆動を停止する。つまり、ステップS1456及びステップS1457において、CPU551は、遊技者がハンドル部450から手を離すことによって、遊技球発射装置38からの遊技球の発射と、第2排出ユニット421からの遊技球の排出とを同時に停止させる機能を実現している。
このように、CPU551は、排出切換スイッチ435eが第2排出ユニット421から遊技球を排出する側に切り換えられるとともにハンドル部18aが握られる場合に、発射モータ229を駆動させるタイミングに合わせて、排出モータ432を駆動させることが可能となる。つまり、CPU551は、遊技球発射装置38が遊技球を1球発射するごとに第2排出ユニット421から遊技球を1球排出する、というような制御が可能となる。これにより、遊技者は、発射される遊技球の数を数えることで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に認識することが可能となる。
また、遊技球発射ハンドル18の内部にバイブレータdを備えてもよい。上述した第2排出ユニット421から遊技球が排出されるタイミングに同期させて、遊技球発射ハンドル18の内部に備えられたバイブレータdを振動させることによって、遊技者は、発射される遊技球の数を遊技球発射ハンドル18の振動回数によって触覚的に数えることができる。このようにしても、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に遊技者に認識させることができる。
なお、上述した制御に用いられるハンドル部18aとタッチセンサ18bとバイブレータdと排出切換スイッチ435eと音声ランプ制御装置262とは、本発明の直感的排出制御手段に相当する。
上述したように実施例9のパチンコ機10Cによれば、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を検出する排出検出手段を用いることなく、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を遊技者に直感的に認識させるように、第2排出ユニット421から遊技球を排出する制御がハンドル部18aとタッチセンサ18bと排出切換スイッチ435eと音声ランプ制御装置262によって行われる(例えば上述の(A9)に記載の遊技機に対応)。これにより、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を検出することで第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を報知するための付加的な構成を必要とすることなく、遊技者に遊技を行わせながらでも、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に遊技者に認識させることができる。
また、遊技球発射装置38からの遊技球の発射と同期して、第2排出ユニット421から遊技球が排出される制御をハンドル部18aとタッチセンサ18bと排出切換スイッチ435eと音声ランプ制御装置262とが行う(例えば上述した(A10)に記載の遊技機に対応)。これにより、遊技者は、遊技球発射装置38から発射される遊技球を数えることで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に認識することができる。
また、遊技球発射装置38からの遊技球の発射と同期して、遊技球発射のために遊技者に操作される遊技球発射ハンドル18が振動する制御をハンドル部18aとタッチセンサ18bとバイブレータ18dと排出切換スイッチ435eと音声ランプ制御装置262とが行う(例えば上述した(A11)に記載の遊技機に対応)。遊技者は、遊技球発射のために操作している遊技球発射ハンドルの振動回数を数えることで、第2排出ユニット421から排出される遊技球の数を直感的に認識することができる。
次に、本発明の実施例10のパチンコ機10Dについて図80~図83を用いて説明する。図80(a)は実施例10でのパチンコ機10Dの概略正面図であり、(b)は実施例10での受止めトレー803の一の使用態様を示す平面図である。図81は、実施例10の下皿15の図であり、(a)は前面パネル437Aを取り付けた図であり、(b)は、前面パネル437Aを取り外した図である。図82は、下皿15の内部構成を示す図であり、(a)は図62(a)と同じ位置のAA断面図であり、(b)は第2排出ユニット421Aの収容状態、(c)は排出状態を示す。なお、図82(b)及び(c)は、図82(a)に示す下皿15の左半分を拡大した図である。図83は、排出球収容空間437Bでの遊技球の収容状況を報知する図であり、(a)~(e)は、第1図柄表示装置42での報知を経時的に説明する図である。
本実施例の下皿15は、下皿15に収容される遊技球の中から一部の遊技球を分けて取り出せる機能を備える点で、上述の実施例7,実施例9の下皿15と同じである。また、本実施例においても、下皿15の下方には受止めトレー803が配設されており、受止めトレー803の右側(上流側)よりも左側(下流側)の方が大きく手前側に突き出ている点は実施例7,実施例9の受止めトレー803と同じであり、溜まり部812aが形成されている点は実施例9の受止めトレー803と同じである。ただし、実施例7,実施例9では、受止めトレー803は、平面視で下皿15の貯留部に相当する下皿本体15uよりも左右横方向及び前方向にはみ出す大きさに形成された受止めトレー底面803dを備えていたが、本実施例では、受止めトレー803は、平面視で下皿15の外殻に相当する外壁部15Pよりも左右横方向及び前方向にはみ出す大きさに形成された受止めトレー底面803dを備える点で実施例7,実施例9と異なる。
受止めトレー底面803dがこのような大きさに形成されることで、より広い範囲で落下する遊技球を受け止めて受止めトレー803に溜めることができる。また、受止めトレー底面803dに載置される球箱829を左右横方向にずらせる範囲が大きくなるので、例えば右手で遊技球発射ハンドル18を操作し、左手で下皿15から遊技球を掴む遊技者は、下皿15に収容された遊技球を左手で掴んで上皿19や球箱829に移す作業をし易い、球箱829の中心が第1排出口712bよりも左側にくる位置に球箱829を載置することができる。受止めトレー底面803dを左側に拡張することで、下皿15の左寄りの位置で遊技球を移す作業が行うことができるとともに、当該位置で落下した遊技球を受け止めて受止めトレー803に溜めることができる。また、溜まり部812aが形成される領域が大きくなる分だけ、第2排出口722bから排出される遊技球をより多く溜めることが可能である。
実施例7の第2排出ユニット421は、第2開閉部材424とソレノイド425とを有する第2開閉機構423と、排出カム430と排出モータ432と回転検出センサ433とを有する第2排出レール429とを備えていたが、実施例10では異なる構成を有する第2排出ユニット421Aを採用している。また、実施例7では、排出表示器436に設定数が表示されていたが、本実施例では、実施例8と同様に、第1図柄表示装置42に設定数が表示される。以下、第2排出ユニット421Aについて説明するとともに、その他の実施例7のパチンコ機10Aと異なる構成について説明する。
図80及び図81(a)に示すように、第2排出ユニット421Aは、パチンコ機の正面側から見たときに、内部が視認可能となるように構成されている。具体的には、下皿15の外壁部のうち第2排出ユニット421Aの位置する領域の一部が、透過性を有するアクリル樹脂などで形成される。前面壁パネル437Aの裏面側には、図81(b)に示すように、遊技球を収容可能な内部空間である排出球収容空間437Bが形成されている。排出球収容空間437Bは、後述するように、下皿15の球収容層401に貯留される遊技球のうち所定数の遊技球を、球収容層401に貯留される遊技球のうち他の遊技球から分けて貯留するものである。
このように構成することで、排出球収容空間437Bに所定数の遊技球が収容された後は、収容された状態のまま保持しておくことが可能となり、遊技者は、手の空いたときなど任意のタイミングで排出球収容空間437Bから遊技球を容易に取り出すことができる。また、排出球収容空間437Bの内部に遊技球が残っている状態で遊技者が遊技を終えて席を立とうとする場合に、前面壁パネル437Aを通して、排出球収容空間437Bに遊技球が残っていることを遊技者に気付かせ易くなる。なお、本実施例では、第2排出ユニット421Aの前面の一部領域のみを透過性を有する前面壁パネル437Aで構成しているが、第2排出ユニット421Aの側面や上面なども透過性を有する前面壁パネル437Aで構成してもよい。
図82(a)~(c)に示す様に、第2排出ユニット421Aは、実施例7の第2開閉機構423とは異なる構成を有する第2開閉機構423Aを備えている。すなわち、第2開閉機構423Aは、第2排出口422aの下方に配設される薄板状の第2開閉部材424Aと、第2開閉部材424Aを第2排出口422aを閉じる閉位置と第2排出口42aを開く閉位置とに移動させるソレノイド425Aと、第2排出口422bの上方に配設される開口部を有する平板状の第2開閉部材424Bと、第2開閉部材424Bに第2排出口422bを閉鎖させる方向(本実施例では右方向)に第2開閉部材424Bを付勢するコイルバネとを備えている。
第2排出口422bの直径は、第2排出口422aの直径よりも大きい。このように構成すれば、第2排出ユニット421Aの内部空間から短時間で多くの遊技球が排出することができる。なお、第2排出口422bの直径を第2排出口422aの直径と同程度の大きさに構成する場合は、第2排出口422bを通過する遊技球を検出する検出センサを配設し易くなり、第2排出ユニット421Aの内部空間から遊技球を排出する際に、実際に第2排出口422bを通過する遊技球の数を把握することができる。
第2開閉部材424Bは、一部が下皿15の外壁部から露出される球抜きレバー17Aに固定されている。第2開閉部材424Bは、球抜きレバー17Aが左方向にスライド操作されると、開口部と第2排出口422bとが一致するように構成されている。
また、第2排出ユニット421Aは、実施例7の第2排出レール429を備える替わりに、第2排出口422aに入球する遊技球を一旦収容するための内部空間として上述した排出球収容空間437Bを備えている。排出球収容空間437Bは、排出球収容空間437Bに収容可能な遊技球の最大数が、下皿15の球収容層401に収容可能な遊技球の最大数よりも少なくなるように構成されている。第2排出口422aと排出球収容空間437Bとの間には、排出球カウントスイッチ434が配設されている。そのため、第2排出口422aを介して排出球収容空間437Bに収容される遊技球は、排出球カウントスイッチ434によって検出される。
開始ボタン435cが遊技者の操作を受けると、図82(b)に示す様に、ソレノイド425Aが励磁され、プランジャが第2排出口422aを開く方向に動き、第2開閉部材423Aが開位置に移動する。このとき、第2排出口422bは閉鎖されたままであるので、第2排出口422aから下方に落下する遊技球は、排出球収容空間437Bに収容される。排出球カウントスイッチ434が設定ボタン435a,435bによって設定された数の遊技球の通過を検出すると、ソレノイド425Aは消磁されて、プランジャが元の位置、すなわち第2排出口422aを閉じる方向に戻って、第2開閉部材424Aが閉位置に移動する。これにより、遊技者が排出操作部435を操作して排出したい遊技球の数を設定した後は、設定された数の遊技球が排出球収容空間437Bに自動的に収容される。
その後、遊技者が球抜きレバー17Aを左方向にスライド操作すると、図82(c)に示す様に、第2排出口422bが開放されて、排出球収容空間437Bに収容されている遊技球が下皿15の外部に落下する。遊技者は、球抜きレバー17Aを操作する前に、飲食物との交換のために用意された容器を第2排出口422bの下方に配置することで、飲食物との交換のために必要とされる数(この数は、遊技者の操作回数に応じた数に対応する)の遊技球を簡単に外部に取り出すことができる。
第2排出口422bの直径は、第2排出口422aの直径よりも大きいので、球抜きレバー17Aをスライド操作したときに、排出球収容空間437Bに収容される遊技球を短い操作時間で多く落下させることができる。これにより、球抜きレバー17Aの操作のために遊技を中断する時間をより短くすることができる。
このように、設定された数の遊技球が排出球収容空間437Bに収容された後は、球抜きレバー17を操作して第1排出ユニット411によって球収容層401に収容される遊技球を排出したり、球収容層401に収容される遊技球を遊技に使用したりしても、排出球収容空間437Bに収容される遊技球の数はそのままである。つまり、排出球収容空間437Bに遊技球が収容された後は、遊技を続行しても、排出球収容空間437Bに収容される遊技球の数が減ることはない。したがって、遊技者は、排出球収容空間437Bに遊技球が収容された後は、手の空いたときに排出球収容空間437Bから遊技球を容易に取り出すことができる。
次に、図83を参照して、排出球収容空間437Bでの遊技球の収容状況を報知する構成について説明する。図83は、排出球収容空間437Bでの遊技球の収容状況を報知する図であり、(a)~(e)は、第1図柄表示装置42での報知を経時的に説明する図である。
排出球収容空間437Bへの遊技球の収容状況は、第1図柄表示装置42に表示される情報によって遊技者に報知される。第1図柄表示装置42には、排出球収容空間437Bへの遊技球の収容状況を表示する場合に、排出球収容空間437Bへの遊技球の収容状況を報知する収容状況情報が表示される収容状況表示領域439aと、設定された遊技球の数を報知する設定数情報が表示される設定数表示領域439bと、収容されている遊技球の数を報知する収容数情報が表示される収容数表示領域439cが設けられる。
遊技者が設定ボタン435a,435bを操作して排出したい遊技球の数(例えば40個)を設定すると、図83(a)に示すように、第1図柄表示装置42には、収容状況表示領域439aに、設定中であることを示す文字(「収容数設定中」)が表示され、設定数表示領域439bに、設定された数(「40」)が表示される。遊技者が開始ボタン435cを操作すると、図83(b)に示すように、第2開閉部材423Aが開位置に移動されて、遊技球が排出球収容空間437Bに収容可能な状態となるので、第1図柄表示装置42には、収容状況表示領域439aに遊技球が排出球収容空間437Bに収容可能であることを示す文字(「収容中」)が表示され、設定数表示領域439bに「40」が表示され、収容数表示領域439cに、排出カウントスイッチ434によって1球目の遊技球の通過が検出された時点で収容数「1」が表示される。
設定された数の遊技球が収容されると、図83(c)に示すように、収容状況表示領域439aに収容作業が終わったことを示す文字(「収容完了」)が表示され、設定数表示領域439b及び収容数表示領域439cにそれぞれ「40」の数字が表示される。これらの情報は、遊技者によって球抜きレバー17Aがスライド操作されるまで、第1図柄表示装置42の画面上に表示される。なお、球抜きレバー17Aが操作されるまで、収容状況表示領域439aのみを表示する構成でもよいし、設定数表示領域439b及び収容数表示領域439cのみを表示する構成でもよい。これにより、排出球収容空間437Bへの遊技球の収容が完了した後、そのままの状態で遊技を行うことができる。また、遊技の最中であっても、排出球収容空間437Bへの遊技球の収容が完了したことを示す情報が遊技者の目に入り易い位置に表示されているので、排出球収容空間437Bに収容された遊技球の存在を忘れてしまうことを低減できる。遊技者が球抜きレバー17Aをスライド操作すると、図83(d)に示すように、収容状況表示領域439a,設定数表示領域439b,収容数表示領域439cは第1図柄表示装置42の画面上から消える。
排出球収容空間437Bに遊技球が残っている場合、図83(e)に示す様に、収容状況表示領域439aに、排出球収容空間437Bに遊技球が残っていることを示す情報(「球が残っています」)が表示される。排出球収容空間437Bに遊技球が残っているか否かは、排出球収容空間437Bの底面に圧電センサのように圧力を電気に変換できるセンサを配置することで検出可能となる。収容完了時点から所定時間を経過した後や、球抜きレバー17Aがスライド操作された時点から所定時間を経過した後に、排出球収容空間437Bに遊技球が残っていると検出される場合に、このような表示をするとよい。これにより、排出球収容空間437Bに収容される遊技球の取り忘れが低減される。
なお、上述の第1排出ユニット411は、本発明の第1排出手段に相当し、第2排出ユニット421Aは、本発明の第2排出手段に相当する。
上述したように実施例10のパチンコ機10Dによれば、下皿15は、下皿15に収容される遊技球を外部に排出する第1排出ユニット411と、下皿15に収容される遊技球のうち、第1排出ユニット411によって排出される遊技球の数よりも少ない数の遊技球を外部に排出する第2排出ユニット421Aと、を備える(例えば、上述したA1に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、実施例7と同様に、下皿15には第1排出ユニット411と第2排出ユニット421Aの2種類の排出ユニットが備えられており、第2排出ユニット421Aを使用すれば、第1排出ユニット411を使用するよりも、下皿15から排出される遊技球の数が少なくなるように構成されている。したがって、下皿15に収容されている遊技球の中から所定数の遊技球を取り出す場合に、第1排出ユニット411よりも排出数の少ない第2排出ユニット421Aを使用すれば、所定数の遊技球を取り出す作業が第1排出ユニット411を使用するよりも容易となる。
また、下皿15は、遊技球を収容可能な球収容層401と、遊技球を収容可能な排出球収容空間437Bと、を備え、第1排出ユニット411は、球収容層401に収容される遊技球を外部に排出し、第2排出ユニット421Aは、排出球収容空間437Bに収容される遊技球を外部に排出する(例えば、上述したA16に記載の遊技機に対応する)。したがって、排出球収容空間437Bに遊技球が収容されている状態で、第1排出ユニット411によって球収容層401に収容される遊技球が排出されたり、球収容層401に収容される遊技球が遊技に使用されたりしても、排出球収容空間437Bに収容される遊技球の数はそのままである。その結果、排出球収容空間437Bに遊技球が収容された後、遊技を続行しても、排出球収容空間437Bに収容される遊技球の数が減ることはないので、遊技者は、排出球収容空間437Bに遊技球が収容された後、手の空いたときに排出球収容空間437Bから遊技球を取り出すことができる。
次に、本発明の実施例11のパチンコ機10Eについて図84~図87を用いて説明する。図84(a)は実施例11のパチンコ機10Eの概略正面図であり、(b)は実施例11での受止めトレー803の使用態様を示す平面図である。図85は、誘導通路ユニット450を説明するための内枠12の裏面側斜視図である。図86は、誘導通路ユニット450を説明するための裏パックユニット203の分解斜視図である。図87は、通路切換機構457の動作を説明する図であり、(a)は補助皿誘導通路456の閉鎖を示す図であり、(b)は補助皿誘導通路456の開放を示す。
本実施例においても、下皿15の下方には受止めトレー803が配設されており、受止めトレー803の右側(上流側)よりも左側(下流側)の方が大きく手前側に突き出ているが、本実施例の受止めユニット801は、支持ブラケット809には受止めトレー803を下限高さH1や上限高さH2に変位するための受止めトレー変位機構816が設けられていない点がいままでの実施例の受止めユニット801と異なる。そのため、本実施例では、受止めトレー803は下限高さH1に相当する高さに固定されて使用される。
このような構成であっても、下皿15や後述する補助皿41から遊技球を取り出す際に、取り出された遊技球が落下しても、当該遊技球を受け止めて受止めトレー803に溜めることができる。
実施例7,8のパチンコ機10A,10Bは、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する手段として、上皿19と下皿15との2つの収容手段を備える構成であったが、実施例11のパチンコ機10Eは、第1下皿としての下皿15の他に第2下皿としての補助皿451を備える点で実施例7,8と異なる。以下、実施例7,8のパチンコ機10A,10Bと異なる構成について説明し、実施例7,8と共通する構成は実施例7,8の説明を参照する。
補助皿451は、下皿15の左側壁から左側に所定の間隔を隔てた位置に設けられている。補助皿451は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球が誘導される。上皿19と下皿15は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち、補助皿451に払い出される上述の所定数の遊技球を除く残りの遊技球が払い出される。上皿19と下皿15は、大当たり状態中に払い出される遊技球を収容する主要な収容手段となり、補助皿451は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を収容する補助的な収容手段となる。
一般的なパチンコ機の場合、大当たり状態中に払い出される遊技球は、上皿に誘導され、当該払い出された遊技球によって上皿があふれると、下皿に払い出される。遊技者は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を取りだそうとするときは、下皿に誘導される多数の遊技球のなかから所定数の遊技球を分けて下皿から取り出すことが多い。しかし、下皿には、遊技者が取り出したい所定数の遊技球の他にも、遊技球が収容されていることが多いので、下皿から所定数の遊技球を取り出す作業は遊技者にとって面倒な作業となる。この点、本実施例では、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球は、補助皿451に誘導されるので、所定数の遊技球を取り出したいときは、補助皿451に払い出される遊技球をすべて取り出すだけでよい。よって、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を取りだす作業が遊技の進行を妨げにくい。
下皿15は、パチンコ機本体10E1の前面に配設される下皿装置15Aに備えられている。また、補助皿451は、パチンコ機本体10E1の前面で下皿装置15Aとは異なる位置に配設される補助皿装置451Aに備えられている。すなわち、下皿ユニット13には、右から順番に、遊技球発射ハンドル18と下皿15と補助皿451とが水平方向に所定の間隔を空けて配設されている。また、補助皿451には、その内部に貯留された遊技球を外部に排出する補助皿排出口452aと、補助皿排出口452aを開閉する部材を操作するための補助皿排出レバー452bとで構成されるを有する補助皿排出機構が備えられている。補助皿451に遊技球が溜まった状態で、補助皿排出レバー452bを開放方向に操作することで、補助皿451に溜まった遊技球を受止めトレー803の溜まり部812aに迅速に溜めることができる。そのため、遊技球発射ハンドル18の操作中に、下皿15から遊技球を排出する作業も、補助皿451から遊技球を取り出す作業も、いずれも行い易くなっている。また、補助皿451に必要な数の遊技球が溜まった後、補助皿451を満杯状態のまま放置しないで、補助皿451の満杯状態を解消して、再び補助皿451に遊技球を貯留できる状態とすることができる。
補助皿451の外周縁には、補助皿451に遊技球が収容される際に、遊技者によって押下される誘導操作部453が備えられている。誘導操作部453が遊技者の操作を受けない場合は、大当たり状態中に払い出される遊技球が下皿15に誘導される。また、誘導操作部453が遊技者の操作を受ける場合は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球が補助皿451に誘導されるとともに、当該大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球が上皿19または下皿15に誘導される。
このように本実施例では、誘導操作部453を備えることによって、遊技者が好むタイミングで、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を補助皿451に誘導される。これにより、遊技者が大当たり状態中に払い出される遊技球を下皿15や貯留用容器(ドル箱)に溜めておきたい場合は、遊技者は、誘導操作部453を操作しなければ、下皿15への遊技球の払い出しを受け続けることができる。他方、遊技者が大当たり状態中に払い出される遊技球を遊技場が提供する飲食物に交換して飲食したい場合は、遊技者は、誘導操作部453を操作するだけで、補助皿451への遊技球の払い出しを受けることができる。
誘導操作部453は、補助皿451へ誘導する遊技球の数を増やすための入力操作を受ける設定ボタン453aと、誘導設定する遊技球の数を減らすための入力操作を受ける設定ボタン453bと、補助皿451への誘導を開始するための入力操作を受ける開始ボタン453cと、補助皿451への誘導を停止して下皿15への誘導に戻すための入力操作を受ける停止ボタン453dとで構成されている。誘導操作部453を下皿15の左側壁から左側に所定の間隔を隔てた位置に設けることによって、遊技者は、右手で遊技球発射ハンドル18を操作している最中であっても、空いている左手に近い位置で誘導操作部453を容易に操作できる。
誘導操作部453は、遊技者の操作に応じて、補助皿451へ誘導する遊技球の数を変更可能に構成されている。具体的には、操作ボタン453aを遊技者が押下するたびに、補助皿451へ誘導する遊技球の数が例えば10球ずつ増えるように構成されている。また、操作ボタン453bを遊技者が押下するたびに、補助皿451へ誘導する数が例えば10球ずつ減るように構成されている。
設定ボタン453a,453bで設定された遊技球の数は、実施例7及び実施例8と同様に、第1図柄表示装置42に表示されるように構成されている。なお、実施例13と同様に、誘導数設定用の表示器を設けてもよい。
誘導操作部453は、設定ボタン453a,453bのように遊技者の押下に応じて補助皿451へ誘導する遊技球の数を増減するもの以外にも、遊技者が1回押下すれば例えば50球,80,100球など予め定められた数の遊技球を補助皿451へ誘導することができるようなメモリスイッチであってもよい。このようにすれば、遊技者に要求される誘導操作が簡易になる。
次に、遊技球の誘導先を切り換える構成について説明する。
本実施例の遊技球分配部245は、上皿19に通じる開口部245aと、下皿15に通じる開口部245bとに加えて、補助皿451に通じる開口部245cを備えている。開口部245aは、上皿誘導通路454に連通しており、開口部245bは、下皿誘導通路455に連通しており、開口部245cは、補助皿誘導通路456に連通している。これにより、上皿誘導通路454または下皿誘導通路455に誘導される遊技球は、上皿19または下皿15に収容され、補助皿誘導通路456に誘導される遊技球は、補助皿451に収容される。
大当たり状態中に払い出される遊技球の誘導先の切り換えは、誘導通路ユニット450によって行われている。具体的には、誘導通路ユニット450は、払出装置358から払い出される遊技球を上皿19が位置する方向に誘導する上皿誘導通路454と、払出装置358から払い出される遊技球を下皿15が位置する方向へ誘導する下皿誘導通路455と、払出装置358から払い出される遊技球を補助皿451が位置する方向へ誘導する補助皿誘導通路456と、払出装置358から払い出される遊技球の誘導先を上皿誘導通路454または下皿誘導通路455と補助皿誘導通路456との間で切り換える通路切換機構457と、を備えている。なお、補助皿451が位置する方向は、本発明の所定方向に相当し、上皿19が位置する方向及び下皿15が位置する方向は、本発明の所定方向とは異なる方向に相当する。
補助皿誘導通路456は、補助皿誘導通路456を通過する遊技球を検出する補助皿誘導数カウントスイッチ460Aを備えている。
また、下皿誘導通路455は、下皿15に遊技球が満杯まで貯留された後、下皿誘導通路455にあふれる遊技球を検出する下皿満杯センサ460Bを備えている。下皿満杯センサ460Bが下皿誘導通路455にあふれる遊技球を検出すると、払出装置358からの遊技球の払い出しが一旦停止される。そして、遊技者が球抜きレバー17等を操作して下皿15から遊技球を排出することによって、下皿満杯センサ460Bが下皿誘導通路455にあふれる遊技球を検出しなくなると、払出装置358からの遊技球の払い出しが再開される。下皿満杯センサ460Bは、例えば一対の投光器と受光器とよりなる光センサを用いて、投光器と受光器との間に遊技球が入ったことによって、下皿誘導通路455の満杯を検出している。
通路切換機構457は、補助皿誘導通路456側に位置する第1位置462と、その先端側が上皿誘導通路454または下皿誘導通路455側に位置する第2位置463とに切り換えられる通路切換部材458と、通路切換部材458を第1位置462と第2位置463とに切り換えるために駆動する切換駆動部459とで構成されている。通路切換部材458は、例えば、その基端側が排出通路359内に軸支された状態で先端側が正逆方向に回転する可動板で構成されている。切換駆動部459は、可動板の基端側に接続される回転軸を有し、排出通路359の外側に配設されるロータリーソレノイドとで構成されている。可動板は、その先端側が補助皿誘導通路456側に位置する第1位置462と、その先端側が上皿誘導通路454または下皿誘導通路455側に位置する第2位置463とに回転する。
誘導操作部453が遊技者によって操作されていない場合、通常の遊技状態でも大当たり状態でも、通路切換部材458は、第1位置462に配置される。通路切換部材458が第1位置462に配置されると、上皿誘導通路454及び下皿誘導通路455が開放され、補助皿誘導通路456が閉鎖される。大当たり状態中に払い出される遊技球は、上皿誘導通路454に誘導され、上皿誘導通路454が遊技球でいっぱいになると、下皿誘導通路455に誘導される、という通常の流路で流下する。
誘導操作部453が遊技者によって操作されている場合、通路切換部材458は、第1位置462から図71中の左方向に回転されて、第2位置463に切り換えられる。通路切換部材458が第2位置463に切り換えられると、上皿誘導通路454が閉鎖され、補助皿誘導通路456が開放される。そのため、大当たり状態中に払い出される遊技球は、上皿誘導通路454及び下皿誘導通路455には誘導されずに、補助皿誘導通路456に誘導される、という特別の流路で流下する。
払出装置358から補助皿451への誘導が終了すると、通路切換部材458は、第2位置463から図71中の右方向に回転されて、第1位置462に切り換えられる。通路切換部材458が第1位置462に切り換えられると、再び、上皿誘導通路454が開放され、補助皿誘導通路456が閉鎖される。そのため、大当たり状態中に払い出される遊技球は、補助皿誘導通456には誘導されずに、上皿誘導通路454及び下皿誘導通路455に誘導される、という通常の流路で流下する。
次に、本パチンコ機10Eの電気的構成について、図88を用いて説明する。図88は、実施例11のパチンコ機10Eの電気的構成を示したブロック図である。
音声ランプ制御装置262は、通路切換機構457による誘導通路の切換を制御する機能を有する。音声ランプ制御装置262の入出力ポート537には、誘導通路の切換制御に用いられる、誘導操作部453,通路切換部材458,切換駆動部459,補助皿誘導数カウントスイッチ460A,下皿満杯センサ460Bが接続されている。後述する払出制御処理及び誘導通路処理は、CPU551で実行されるプログラムとしてROM5534に記憶されている。
次に、音声ランプ制御装置262のCPU551が行う誘導通路の切換に関する制御について、図89~図92のフローチャートを参照しながら説明する。図89は、音声ランプ制御装置262によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図90は、誘導数設定処理を説明するフローチャートである。図91は、誘導通路処理を示すフローチャートである。図92は、誘導停止割込み処理を示すフローチャートである。
本実施例の音声ランプ制御装置262が行うメイン処理及び通常処理は、実施例8の音声ランプ制御装置262が行う処理と同じであるが、タイマ割込み処理や停止割込み処理などの内容が異なる。以下、実施例8の音声ランプ制御装置262が行う処理と異なる点を説明する。
図89において、音声ランプ制御装置262内のCPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1601では、CPU551は、設定ボタン453a,453bの押下が検出されたか否かを判定する。設定ボタン435a,453bの押下が検出されたと判定される場合は、ステップS1602に進む。ステップS1602では、CPU551は、後述する誘導数設定処理を行う。設定ボタン435a、435bの押下が検出されない場合は、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、CPU551は、開始ボタン453cの押下が検出されたか否かを判定する。開始ボタン453cの押下が検出されたと判定される場合は、ステップS1604に進む。ステップS1604では、CPU551は、後述する誘導通路処理を行う。開始ボタン453cの押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
図90を参照して、CPU551が行う誘導数設定処理について説明する。
ステップS1611では、CPU551は、誘導フラグが1であるか否かを判定する。CPUは、後述する誘導通路処理において切換駆動部459が通路切換部材458を第2位置463に切り換える方向に駆動される場合に、誘導フラグを1にする。また、CPU551は、後述する誘導通路処理において切換駆動部459が通路切換部材458を第1位置462に切り換える方向に駆動される場合に、誘導フラグを0にする。誘導フラグが1であると判定される場合は、本処理を終了する。誘導フラグが0であると判定される場合は、ステップS1612に進む。
ステップS1612では、CPU551は、設定ボタン453a(本処理では+ボタン453aと呼ぶ)の押下が検出されたか否かを判定する。本実施例では、後述するように+ボタン453aを1回押下するごとに例えば+10球の誘導設定数が入力される。+ボタン453aの押下が検出される場合は、ステップS1613に進む。+ボタン453aの押下が検出されない場合は、後述するステップS1616に進む。
ステップS1613では、CPU551は、+ボタン453aの押下により入力された設定数が上限値を超えているか否かを判定する。設定数の上限値は、例えば、100球である。設定数が上限値を超えていないと判定される場合は、ステップS1614において設定数を+10して、ステップS1615に進む。設定数が上限値を超えると判定される場合は、ステップS1614を飛ばして、ステップS1615に進む。ステップS1615では、CPU551は、現在の設定数を第1図柄表示装置42に表示する。
上述したステップS1612において、+ボタン453aの押下が検出されない場合は、ステップS1616において、設定ボタン453b(本処理では-ボタン453bと呼ぶ)の押下が検出されたか否かを判定する。本実施例では、後述するように、+ボタン453aに対応して、-ボタン453bを1回押下するごとに-10球の排出設定数が入力される。-ボタン453bの押下が検出される場合は、ステップS1617に進む。-ボタン453bの押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
ステップS1617では、-ボタン453bの押下によりマイナス入力された設定数が下限値つまり0を下回っているか否かを判定する。設定数が下限値を下回っていないと判定される場合は、排出設定数を-10して、ステップS1618に進む。設定数が下限値を下回っていると判定される場合は、ステップS1618を飛ばして、ステップS1615に進み、現在の設定数を第1図柄表示装置42に表示する。
図91を参照して、CPU551が行う誘導通路処理について説明する。
ステップS1621では、CPU551は、大当たりフラグが1であるか否かを判定する。CPU551は、大当たり開始コマンドを受信する場合に大当たりフラグを1とし、大当たり状態を終了する場合に大当たりフラグを0にする。大当たりフラグが1である場合は、ステップS1622に進み、大当たりフラグが0である場合は、本処理を終了する。
ステップS1622では、CPU551は、誘導操作部453によって誘導数が設定された否かを判定する。誘導数が設定されている場合は、ステップS1623に進み、誘導数が設定されていない場合は、本処理を終了する。
ステップS1623では、CPU551は、通路切換部材458が第1位置462から第2位置463に切り換わるように切換駆動部459を駆動する指示を与える。すなわち、切換駆動部459は、通路切換部材458を第1位置462から第2位置463に回転させて、補助皿誘導通路456を開放する。これにより、払出装置358から払い出される遊技球は、補助皿誘導通路456に誘導される。このとき、CPU551は誘導フラグを1にする。
CPU551は、誘導操作部453から入力された設定数をRAM553の記憶領域eに記憶し(ステップS1624)、補助皿誘導数カウントスイッチ460Aのカウント値から導き出される誘導数をRAM553の記憶領域fに記憶する(ステップS1625)。
ステップS1626では、CPU551は、上述の記憶領域e,fの値を用いてe-fの演算を行い、この演算結果が0であるか否かを判定する。すなわち、CPU551は、設定数から誘導数を引いた数が0であるか否かを判定する。0である場合は、設定数の遊技球を誘導し終えたことを示すので、ステップS1627に進む。0でない場合は、設定数の遊技球を誘導し終えていないので、ステップS1625に戻り、誘導数が設定数に一致するまでステップS1625及びステップS1626の処理を繰り返す。
ここで、CPU551は、実施例8と同様に、補助皿誘導数カウントスイッチ460Aから補助皿誘導通路456を通過する遊技球が検出される毎に、RAM553に記憶される誘導数を1ずつ増やして、補助皿誘導通路456を通過する遊技球の数を第2図柄表示装置41に表示させる報知を行う。つまり、補助皿誘導通路456への遊技球の誘導が開始されると、第2図柄表示装置41に表示されている誘導数が1ずつ増えていくカウントアップ報知が行われる。
ステップS1627では、CPU551は、通路切換部材458が第2位置463から第1位置462に切り換わるように切換駆動部459を駆動する指示を与える。すなわち、切換駆動部459は、通路切換部材458を第2位置463から第1位置462に回転させて、補助皿誘導通路456を閉鎖する。これにより、払出装置358から払い出される遊技球は、上皿誘導通路454または下皿誘導通路455に誘導される。このとき、CPU551は誘導フラグを0にする。以上で本処理を終了する。
図92を参照して、CPU551が行う誘導停止割込み処理について説明する。
誘導停止割込み処理は、遊技者が誘導動作を停止するために、停止ボタン453dを押下した場合に、発生する処理である。遊技者が停止ボタン453dを押下すると、CPU551に対して本処理を行うための割込み信号が出力される。
ステップS1631では、CPU551は、停止ボタン453dの押下が検出されたか否かを判定する。具体的には、上述の割込み信号を受け取っているか否かを判定する。停止ボタン453dの押下が検出される場合は、ステップS1632に進む。停止ボタン453dの押下が検出されない場合は、本処理を終了する。
ステップS1632では、CPU551は、誘導フラグが1であるか否かを判定する。誘導フラグが1であると判定される場合は、ステップS1633に進み、誘導フラグが1でないと判定される場合は、本処理を終了する。ステップS1633では、CPU551は、停止ボタン453dの押下が検出された時点から遊技球が10球誘導された否かを検出して、10球の遊技球が検出されるまで本処理を繰り返す。本実施例では、10球単位で遊技球の誘導が設定され、10球単位で遊技球が誘導されるからである。停止ボタン453dの押下が検出された時点から遊技球が10球誘導されたと検出される場合は、ステップS1634に進む。ステップS1634では、誘導フラグを0にして、通路切換部材458を第2位置463から第1位置462に切り換える。これにより、本処理が終了する。なお、誘導フラグが0になると、上述した誘導数設定処理が可能となる。
なお、上述の上皿19および下皿15は、本発明の第1取出し手段または第1収容手段に相当し、補助皿451は、本発明の第2取出し手段または第2収容手段に相当し、誘導通路ユニット450は、本発明の誘導手段に相当する。また、パチンコ機本体10E1は、本発明の遊技機本体に相当し、下皿装置15Aは、本発明の第1収容装置に相当し、補助皿装置451Aは、本発明の第2収容装置に相当する。また、誘導操作部453は、本発明の誘導操作手段に相当する。また、上皿誘導通路454または下皿誘導通路455は、本発明の第1誘導通路に相当し、補助皿誘導通路456は、本発明の第2誘導通路に相当し、通路切換機構457は、本発明の切換部に相当する。
上述したように実施例11のパチンコ機10Eによれば、所定の価値を有する遊技球を払い出す払出装置358と、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する上皿19および第1下皿としての下皿15と、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する第2下皿としての補助皿451と、特別遊技状態として例えば大当たり状態中に払い出される遊技球のうち一部の遊技球を補助皿451に誘導し、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球を上皿19または下皿15のいずれかに誘導する誘導通路ユニット450を備える(例えば、上述したB1に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち大部分の遊技球は、上皿19または下皿15のいずれかに誘導されるが、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち一部の遊技球は、補助皿451に誘導される。したがって、大当たり状態中に払い出される遊技球の中から一部の遊技球を取り出したい場合に、多数払い出される遊技球の中から一部の遊技球を分けて取り出すような必要はなく、補助皿451に払い出される遊技球をすべて取り出すだけでよいので、大当たり状態中に払い出される遊技球の中から一部の遊技球を取り出す作業が容易になる。その結果、遊技中に遊技球を収容している収容手段から一部の遊技球を取り出す作業が遊技の進行を妨げにくいので、遊技者は、遊技中に遊技球を遊技場が提供する飲食物に交換して飲食したい場合に、我慢すること無く遊技場が提供する飲食物と遊技球とを交換して飲食できる。
また、誘導通路ユニット450は、特別遊技状態として例えば大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を所定方向に誘導し、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球を所定方向とは異なる方向に誘導する。上皿19および下皿15(第1下皿)は、誘導通路ユニット450によって異なる方向に誘導される残りの遊技球を収容する。補助皿451(第2下皿)は、誘導通路ユニット450によって所定方向に誘導される遊技球を収容する。このような構成によれば、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を除く残りの遊技球は、上皿19または下皿15に誘導されて、上皿19または下皿15に収容されるが、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球は、補助皿451に誘導されて、補助皿451に収容される。したがって、大当たり状態中に払い出される遊技球の中から所定数の遊技球を取り出したい場合に、上皿19または下皿15に収容される遊技媒体の中から所定数の遊技球を分けて取り出すような必要はなく、補助皿451に払い出される所定数の遊技球を取り出すだけでよい。このように、補助皿451から遊技球を取り出せば所定数の遊技球を取り出すことができるので、払出手段によって収容手段に払い出される遊技球の中から所定数の遊技球を取り出し易くすることができる。
また、誘導通路ユニット450によって所定数の遊技球が補助皿451に誘導された後、補助皿451には所定数の遊技球が収容されているので、所定数の遊技球を短時間で取り出すことができる。そのため、所定数の遊技球を取り出す作業が遊技の進行の妨げになりにくい。
また、払出装置358を含む各種の遊技手段を有するパチンコ機本体10E1を備え、下皿15は、パチンコ機本体10E1の前面に配設される下皿装置15Aに備えられ、補助皿451は、パチンコ機本体10E1の前面で下皿装置15Aとは異なる位置に配設される補助皿装置451Aに備えられる(例えば、上述したB2に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、下皿15を備える下皿装置15Aと、補助皿451を備える補助皿装置451Aとが、異なる位置に配設されているので、遊技の進行中に、下皿15から遊技球を取り出す作業も、補助皿451から遊技球を取り出す作業も、いずれも行い易くなっている。
また、補助皿451に遊技球を払い出すための遊技者の操作を受ける誘導操作部453を備え、払出装置358は、誘導操作部453が遊技者の操作を受けない場合は、大当たり状態中に払い出される遊技球を下皿15に誘導し、誘導操作部453が遊技者の操作を受ける場合は、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を補助皿451に誘導するとともに、当該大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球を上皿19または下皿15に誘導する(例えば、上述したB6に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、遊技者が大当たり状態中に払い出される遊技球を溜めておきたい場合は、遊技者は、上皿19または下皿15に遊技球を誘導させることができる。また、遊技者が大当たり状態中に払い出される遊技球を遊技場が提供する飲食物に交換して飲食したい場合は、遊技者は、誘導操作部453を操作するだけで、補助皿451に遊技球を誘導させることができる。したがって、遊技者は自らが好むタイミングで補助皿451に遊技球を誘導させることができる。
また、誘導操作部453は、遊技者の操作に応じて、払出装置358が大当たり状態中に補助皿451に誘導される所定数の遊技媒体の数を変更可能に構成されている(例えば、上述したB8に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、遊技者の操作に応じて補助皿451Bに誘導される遊技球の数を変更可能となるので、遊技場が提供する飲食物と遊技球との交換数が飲食物の種類に応じて複数設定されている場合にも対応できる。
また、誘導通路ユニット450は、払出装置358から払い出される遊技球を上皿19または下皿15へ誘導する上皿誘導通路454または下皿誘導通路455と、払出装置358から払い出される遊技球を補助皿451へ誘導する補助皿誘導通路456と、払出装置358から払い出される遊技球の誘導先を上皿誘導通路454または下皿誘導通路455と補助皿誘導通路456との間で切り換える通路切換機構457と、を備える。誘導通路ユニット450は、通路切換機構457が遊技球の誘導先を補助皿誘導通路456に切り換えている場合に、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を補助皿451に誘導し、通路切換機構457が遊技球の誘導先を上皿誘導通路454または下皿誘導通路455に切り換えている場合に、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球を上皿19または下皿15に誘導する(例えば、上述したB9に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、払出装置358から払い出される遊技球の誘導先を上皿19または下皿15か補助皿451のいずれかに切り換えることができる。
次に、本発明の実施例12のパチンコ機10Fについて図93~図98を用いて説明する。図93(a)は実施例12のパチンコ機10Fの概略正面図であり、(b)は実施例12での受止めトレー803の使用態様を示す平面図である。図94は、実施例12のパチンコ機10Fの電気的構成を示したブロック図である。図95は、通路切換機構457Bの動作を説明する図であり、(a)は補助皿誘導通路456Aの閉鎖を示す図であり、(b)は補助皿誘導通路456Bの開放を示す。図96は、音声ランプ制御装置262のCPU551により実行される通常処理の一例を示すフローチャートである。図97は、下皿誘導通路監視・誘導通路処理を示すフローチャートである。図98は、補助皿誘導通路監視・誘導通路処理を示すフローチャートである。
いままでの実施例では受止めユニット801は1つであったが、本実施例では2つの受止めユニット801A及び受止めユニット801Bを備える点が異なる。受止めユニット801Aは、下皿15の下方に配設される受止めトレー803Aを備える。受止めユニット801Bは、補助皿451の下方に配設される受止めトレー803Bを備える。受止めトレー803Aは、遊技球を溜めるための回収溝812を備え、受止めユニット801Bは、回収溝812とは別個の溜まり部812aを備える。回収溝812は、受止めトレー底面803dに落下した遊技球を受け止めて溜めることができる。溜まり部812aは、補助皿451で貯留されて排出口722bから排出される遊技球を受け止めて溜めることができる。
このように、回収溝812と溜まり部812aとを別個に備えることにより、両者に溜まる遊技球が混ざり合わないようになる。これにより、補助皿451に所定数の遊技球を貯めた後、補助皿451を空にするために貯まった遊技球を溜まり部812aに排出した場合に、溜まり部812aに溜まった遊技球(補助皿451に貯留された分の遊技球)の数を一定に保つことができる。よって、溜まり部812aに溜まった遊技球を飲食物等と交換する際に、遊技球が多過ぎるために数え直したりする手間を低減することができる。
上述した実施例11においては、通路切換機構457は、設定ボタン435aの押下があり且つ開始ボタン435cの押下がある場合に、誘導通路処理が行われていたが、本実施例では、通路切換機構457Bは、設定ボタン435a及び開始ボタン435cの押下がない場合であっても、誘導通路処理が行われる。具体的には、実施例11では、下皿満杯センサ460Bが下皿誘導通路455にあふれる遊技球を検出すると、払出装置358は遊技球の払い出しを停止していたが、本実施例では、下皿満杯センサ460Bが下皿誘導通路455にあふれる遊技球を検出すると、払出装置358から払い出される遊技球の誘導先が上皿誘導通路454または下皿誘導通路455から補助皿誘導通路456Aに切り換えられる。補助皿誘導通路456Aは、払出装置358から払い出される遊技球を補助皿451に誘導する。なお、補助皿誘導通路456Aは、実施例11で上述したように、上皿誘導通路453と下皿誘導通路455と通路切換機構457とともに誘導通路ユニット450を構成している。
本実施例の補助皿451は、実施例11の補助皿451と異なって、誘導操作部453が設けられていない。本実施例では、誘導操作部453が設けられていない場合でも、補助皿誘導通路456Aの切換が行われるのである。
まず、本実施例での通路切換機構457Bについて説明する。本実施例での補助皿誘導通路456Aは、略U字またはV字状に曲がった迂回通路456A1と、迂回通路456A1の先が連通している直線状に下方に延びる直線通路456A2とで形成されている。迂回通路456A1と直線通路456A2との連通箇所の上流側には、補助皿誘導通路456Aが遊技球でいっぱいであることを検出する補助皿満杯センサ460Cが設けられている。補助皿満杯センサ460Cは、例えば一対の投光器と受光器とよりなる光センサを用いて、投光器と受光器との間に遊技球が入ったことによって、補助皿誘導通路456Aの満杯を検出している。
次に、電気的構成について説明する。下皿満杯センサ460Bが音声ランプ制御装置262のCPU551に下皿誘導通路455の満杯状態を検出したことを示す信号を出力すると、CPU551は、切換駆動部459に対して、通路切換部458を図91に示す第1位置462から第2位置463に切り換える信号を出力する。そして、補助皿満杯センサ460CがCPU551に補助皿誘導通路456Aの満杯状態を検出したことを示す信号を出力すると、CPU551は、払出制御装置311のCPU511に対して補助皿誘導通路456Aの満杯状態を示す信号を出力する。この信号を受信すると、CPU511は、払出モータ358aの駆動を停止する信号を出力する。これにより、上皿19及び下皿15が遊技球で満杯である場合でも、補助皿誘導通路456が満杯状態が検出されるまでの間は遊技を続行することができる。
次に、音声ランプ制御装置262のCPU551が行う通常処理のフローについて説明する。本実施例のCPU551が行う通常処理は、実施例8のCPU551が行う通常処理と基本的に同じであるが、ステップS1427の後に、下皿誘導通路監視・誘導通路処理(ステップS1427A)と、補助皿誘導通路監視・誘導通路処理(ステップS1427B)とを行う点が異なる。
下皿誘導通路監視・誘導通路処理について説明する。ステップS1651では、CPU551は、通路切換部材458が第1位置462または第2位置463のいずれにあるかを判定する。通路切換部材458が第1位置462にあると判定される場合は、ステップS1652に進み、通路切換部材458が第2位置463にあると判定される場合は、ステップS1654に進む。
ステップS1652では、下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出しているか否かを判定する。下皿誘導通路456の満杯状態が検出されている場合は、ステップS1653に進み、下皿誘導通路456の満杯状態が検出されていない場合は、本処理を終了する。ステップS1653では、CPU551は、通路切換部材458を第2位置に切り換えて、補助皿誘導通路456Aを開放する。その後、CPU551は通常処理に戻る。
このように、下皿誘導通路455が遊技球でいっぱいになる場合でも、払出装置358から払い出される遊技球は、補助皿誘導通路456Aに誘導されて補助皿451に貯留される。したがって、上皿19及び下皿15が遊技球で満杯である場合でも、しばらくの間は遊技を続行することができる。
ステップS1651において通路切換部材458がすでに第2位置463にある場合、ステップS1654では、下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出しているか否かを判定する。下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出していない場合は、球抜きレバー17などが操作されて下皿15及び下皿誘導通路456の満杯状態が解消されている。この場合、ステップS1655では、通路切換部材458を第1位置462に戻して、下皿誘導通路455を開放する。その後、CPU551は通常処理に戻る。ステップS1654において下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出していると判定される場合は、引き続き補助皿誘導通路454Aを開放するために、本処理を終了する。
このように、下皿誘導通路455の満杯状態が解消されれば、払出装置358から払い出される遊技球は、再び下皿誘導通路455に払い出されるので、補助皿誘導通路456Aがすぐに満杯になるような状況を避けることができる。
補助皿誘導通路監視・誘導通路処理について説明する。ステップS1661では、CPU551は、補助皿満杯センサ460Cが満杯状態を検出しているか否かを判定する。補助皿満杯センサ460Cが満杯状態を検出していると判定される場合は、ステップS1662に進む。ステップS1662では、CPU551は、払出制御装置311に対して、払出モータ358aを停止させる指示を与える。これにより、払出制御装置311による遊技球の払い出しが停止される。その後、CPU551は通常処理に戻る。ステップS1661で補助皿満杯センサ460Cが満杯状態を検出していると判定されない場合は、いまだ補助皿誘導通路454Aには遊技球を受け入れる余裕があるので、そのまま本処理を終了する。
このように、上皿19及び下皿15が遊技球で満杯である場合でも、補助皿誘導通路454Aが満杯状態となるまでの間は遊技を続行することができる。
なお、上述した下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出していることは、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合に相当する。また、上述した下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出した後で下皿満杯センサ460Bが満杯状態を検出しなくなることは、所定の誘導先戻し条件が成立する場合に相当する。
上述したように実施例12のパチンコ機10Fによれば、誘導通路ユニット450は、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合には、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち所定数の遊技球を補助皿451に誘導する(例えば上述した(B4)に記載の遊技機に対応)。したがって、遊技者は、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件が成立する場合には、自ら操作をしなくても、大当たり状態中に払い出される遊技球の払い出し先を切り換えることができる。その結果、遊技球の払い出し先を切り換えられるために必要な操作手間を減らすことができる。なお、遊技者の操作を除く所定の誘導先切換条件とは、遊技者の操作がなくても所定の条件が成立すれば自動的に誘導先を切り換えることができる条件である。
また、誘導通路ユニット450は、所定の誘導先切換条件が成立した後に所定の誘導先戻し条件が成立する場合には、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残りの遊技球を上皿19または下皿15のいずれかに誘導する(例えば上述した(B5)に記載の遊技機に対応)。したがって、遊技者は、所定の誘導先戻し条件が成立する場合には、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち残り遊技球の誘導先を上皿19または下皿15に戻すことができる。なお、所定の誘導先戻し条件が成立する場合とは、遊技者の操作であってもよいし、遊技者の操作以外のものであってもよい。
次に、本発明の実施例13のパチンコ機10Gについて図99~図101を用いて説明する。図99は、実施例13のパチンコ機10Gの概略正面図である。図100は、測定ユニット470を説明するために内枠及び前面枠セットを開放した状態を示す斜視図である。図101は、下皿15に収容されている遊技球の重量測定を説明する図であり、(a)は図100に示すBB断面図であり、(b)は図100に示すCC断面図であり、(c)は歪みセンサを説明するための回路図である。
実施例2のパチンコ機10Gでは、受止めトレー803に載置される球箱829に収容される遊技球の数を求める際に必要な1の遊技球の重量は、入力手段によって予め入力されるか又は受止めユニット801における重量測定ユニット840で予め測定されることによって取得されていたが、本実施例では、下皿15における測定ユニット470が下皿15に収容される遊技球の重量を測定することによって取得される点で実施例2と相違する。このように構成されることで、1の遊技球の重量を入力したり重量測定ユニット840で測定したりする手間を省くことができる。
また、実施例13のパチンコ機10Gは、下皿15に収容される遊技球の重量を測定する測定ユニット470と、払出装置358によって払い出され且つ下皿15によって収容される遊技球を利用して、1の遊技球の重量に対応する重量情報を取得する重量情報取得部479と、重量情報取得部479によって取得される重量情報に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量を、下皿15に収容される遊技球の数に変換する重量・数変換部480と、重量・数変換部480によって変換された遊技球の数を表示する下皿球数表示部481と、を備える点が実施例7~実施例12のパチンコ機10A~パチンコ機10Fと異なる。
このような構成によれば、1の遊技球の重量に対応する重量情報の取得にあたって、払出装置358によって払い出され且つ下皿15に収容される遊技球が利用されるので、遊技球の重量から遊技球の数への変換に用いられる重量情報が容易に取得される。この取得された重量情報に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量が下皿15に収容される遊技球の数に変換されるので、下皿15に収容されている遊技球の数が正確に求められる。変換された遊技球の数が下皿球数表示部481に表示されるので、遊技者は、遊技球の数を容易に把握することができる。したがって、遊技の途中でも、下皿15に収容されている遊技球の数を正確に把握することを容易にできる。
また仮に、遊技機が設置されている期間内に1の遊技球の重量が変わったとしても、遊技球の重量から遊技球の数への変換に用いられる重量情報には、実際に払出装置358から払い出され且つ下皿15に収容される遊技球についての1の遊技球の重量が反映されるので、正確な遊技球の数を表示し続けることができる。
次に、下皿15に収容される遊技球の重量を測定する構成について説明する。
下皿15は、外側底面から外側側面に向けて立ち上がるように形成される外壁部15pと、外壁部15pの内側に収納された状態で遊技球を収容する下皿本体15uとで構成されている。外壁部15pには、中央に遊技球を下皿15の外部に排出する排出口15qが穿設され、外側側面の中間位置に平坦な内周縁15rが形成されている。下皿本体15uには、排出口15pに連通するように排出口15vが穿設され、内周縁15rに上下に対向するように外周縁15wが形成されている。
外壁部15pには、内周縁15rの一部に下向きに窪む凹部15sが形成されており、凹部15sの縁に一端を固定した状態で、金属で形成された柱状の起歪体475aが配設されている。下皿本体15uには、外周縁15wの一部に下向きに突出する凸部15xが形成されており、凸部15xには起歪体475aの他端が固定されている。起歪体475aには、一端側の固定箇所と他端側の固定箇所との間に、ストレインゲージと呼ばれる薄板状の抵抗体を有する歪みセンサ475が設けられている。なお、歪みセンサ475は、この抵抗体と、後述する回路と、歪み量を求める式(プログラム)との総称として用いている。
起歪体475aは、下皿本体15uに遊技球が収容されることによって、凸部15xに押下されて、二点鎖線で示すように凹部15sの中で変形される。抵抗体は、起歪体475aの変形に応じて伸縮し、抵抗体の抵抗値は、この伸縮に応じて増減する。歪みセンサ475は、この抵抗値の変化を測定し、電圧の変化として出力するものである。
すなわち、抵抗体の抵抗値の変化は微小であるので、抵抗値の変化は、周知のホーイーストンブリッジ回路によって変換された電圧の変化として出力される。この回路は、出力電圧をEout,入力電圧をEin,歪みセンサ475の本来の抵抗値をR1,他の抵抗の抵抗値をR2,R3,R4とし、R1=R2=R3=R4とする回路である。この回路において、出力電圧の変化分dEは、dE=Ein・K・ε/4として表せることが知られている。なお、Kは、歪みセンサ475のケージ率であり、εは、歪み量である。歪み量εは、計測によって求められる出力電圧の変化分dEから求められる。歪みセンサ475によって検出される歪み量は、後述するように、下皿15に収容される遊技球の総重量に換算される。
なお、歪みセンサ475は、下皿15に収容される遊技球の総重量を検出する重量センサの一例である。下皿15に収容される遊技球の総重量は、遊技球を収容する下皿本体15uによって加えられる力を電圧に変換する圧電素子などの重量センサによって求めることができる。
次に、払出装置358から払い出される遊技球が下皿15に優先的に払い出されるように構成されているので、その遊技球の誘導先を切り換える構成について、図102~図104を参照して説明する。図102は、誘導通路ユニット450Aを説明するための内枠12の裏面側斜視図である。図103は、誘導通路ユニット450Aを説明するための裏パックユニット203の分解斜視図である。図104は、通路切換機構457の動作を説明する図であり、(a)は第2下皿誘導通路483の閉鎖、(b)は第2下皿誘導通路483の開放を示す。
本実施例では、実施例11での誘導通路ユニット450に替わり、下皿15へ直接的に遊技球を誘導する誘導通路ユニット450Aを備える。具体的には、補助皿誘導通路456に替わり、下皿15へ直接的に遊技球を誘導する通路を備える。ここでは、実施例11での下皿誘導通路455を第1下皿誘導通路482と呼び、下皿15へ直接的に遊技球を誘導する通路を第2下皿誘導通路483と呼ぶ。第1下皿誘導通路482は、遊技球分配部245の開口部245aに連通しており、第2下皿誘導通路483は、遊技球分配部245の開口部245eに連通している。
本実施例の通路切換機構457Aは、通路切換部材458Aと、切換駆動部459Aとで構成されている。切換駆動部459Aは、払出装置358から払い出された遊技球の誘導先を、上皿誘導通路454または第1下皿誘導通路482か、第2下皿誘導通路483かのいずれかに切り換えるように構成されている。具体的には、切換駆動部459Aは、第2下皿誘導通路483側に位置する第1位置462Aと、その先端側が上皿誘導通路454側に位置する第2位置463Aとに、通路切換部材458Aを回転させる。第2下皿誘導通路483には、第2下皿誘導通路483を通過する遊技球を検出する第2下皿通路検出センサ477が備えられている。
通常の遊技状態や、後述する大当たり状態のうち所定数の遊技球が払い出される期間以外の期間では、通路切換部材458Aは、第1位置462Aに配置されるので、上皿誘導通路454及び第1下皿誘導通路482が開放され、第2下皿誘導通路483が閉鎖される。そのため、これらの期間中に払い出される遊技球は、上皿誘導通路454に誘導され、上皿誘導通路454が遊技球でいっぱいになると、第1下皿誘導通路482に誘導される、という通常の流路で流下する。
大当たり状態が発生する場合、通路切換部材458は、第1位置462Aから第2位置463Aに切り換えられ、上皿誘導通路454が閉鎖され、補助皿誘導通路456が開放される。大当たり状態中に払い出される遊技球は、上皿誘導通路454及び第1下皿誘導通路482には誘導されずに、第2下皿誘導通路483に直接誘導される、という特別の流路で流下する。具体的には、遊技者が遊技を開始してから最初に発生する大当たり状態において、例えば最初に払い出される遊技球から所定数目までの遊技球は、下皿15に直接払い出されることになる。
大当たり状態中に最初に払い出される遊技球から所定数目までの遊技球が払い出された場合、通路切換部材458は、第2位置463Aから第1位置462Aに切り換えられ、再び、上皿誘導通路454が開放され、第2下皿誘導通路483が閉鎖される。そのため、大当たり状態中に払い出される遊技球のうち、所定数目以降に払い出される遊技球は、第2下皿誘導通路483には誘導されずに、上皿誘導通路454及び第1下皿誘導通路482に誘導される、という通常の流路で流下する。
次に、本パチンコ機10Gの電気的構成について、図105,図106を用いて説明する。図105は、実施例13のパチンコ機10Gの電気的構成を示したブロック図である。図106は、実施例13の電気的構成の要部を示したブロック図である。
本実施例は、下皿15に収容される遊技球の重量に基づいて、下皿15に収容される遊技球の数を算出する構成を備える点が上述の実施例7~実施例12と異なる。以下では、実施例13に特有の構成のみを説明し、その他の実施例7~実施例12と共通する構成は実施例7~実施例12の説明を参照する。
本実施例は、音声ランプ制御装置262が、下皿15に収容される遊技球の重量に基づいて、下皿15に収容される遊技球の数を算出する機能を備える。当該機能を実現するためのプログラムは、音声ランプ制御装置262のROM552に記憶される。当該プログラムは、音声ランプ制御装置262のCPU551及びRAM553を用いて実行される。本実施例では、CPU551が当該プログラムを実行する機能を算出制御部471と呼ぶ。音声ランプ制御装置262の入出力ポート555には、歪みセンサ475、第2下皿通路カウンタ478、下皿球数表示部481、通路切換部材458及び切換駆動部459などがそれぞれ接続されている。
算出制御部471は、以下に詳述する、歪み量・重量変換部476と、第2下皿通路カウンタ478と、重量情報取得部479と、重量・数変換部480とを備えている。歪み量・重量変換部476と重量情報取得部479と重量・数変換部480とは、CPU551によって実行されるプログラムとしてROM552に記憶されている。
歪み量・重量変換部476は、歪みセンサ475から出力される歪み量の検出値を入力し、その歪み量の検出値に対応する下皿15に収容される遊技球の総重量に変換して出力する。なお、歪みセンサ475と歪み量・重量変換部476とは、本実施例の測定ユニット470を構成する。
第2下皿通路カウンタ478は、第2下皿通路検出センサ477を遊技球が通過する際に出力される信号を入力して、第2下皿通路検出センサ477を通過する遊技球の数をカウントする。第2下皿通路カウンタ478は、所定数の遊技球の通過をカウントすると、所定数の遊技球の通過を示す信号を出力する。この所定数は、例えば、10球としている。
重量情報取得部479は、払出装置358によって払い出される遊技球を測定ユニット470で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技球の平均的な重量を示す平均重量を重量情報として取得する。具体的には、重量情報取得部479は、第2下皿通路カウンタ478によって所定数の遊技球がカウントされた時点で出力される信号を受けて、当該信号の入力時点での下皿15に収容される遊技球の総重量を取得する。重量情報取得部479は、当該総重量を所定数で割って1の遊技球の平均重量を取得する。重量情報取得部479は、取得した平均重量をRAM553に記憶している。
本実施例では、重量情報取得部479は、通常の遊技状態よりも遊技球が払い出される機会を多く得られる大当たり状態において、払出装置358によって払い出され且つ下皿15に収容される遊技球を利用して、重量情報を取得する。そのため、一度に大量の遊技球が払い出される大当たり状態において、1の遊技球の重量に対応する重量情報が取得されるので、多数の遊技球の中から重量情報を取得できる分だけ、重量情報の正確性を向上させることができる。
重量・数変換部480は、重量情報取得部479によって取得される平均重量に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量を、下皿15に収容される遊技球の数に変換する。具体的には、重量・数変換部480は、上述した歪み量・重量変換部476を有し、上述した平均重量を取得している。重量・数変換部480は、この平均重量に基づいて、歪み量・重量変換部476から出力される下皿15に収容される遊技球の総重量を、この総重量に対応する下皿15に収容される遊技球の数に変換する。重量・数変換部480は、この変換された遊技球の数を下皿球数表示部481に出力する。
下皿球数表示部481は、重量・数変換部480から出力される下皿15に収容される遊技球の数を表示する。したがって、払出装置358によって払い出される一部の遊技球の重量と他の遊技球の重量との間で重量のばらつきがあるとしても、正確な遊技球の数を表示し続けることができる。
次に、下皿通路処理,キャリブレーション処理,下皿収容数算出処理の流れを図107~図110のフローチャートを参照しながら説明する。図107は、音声ランプ制御装置262によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図108は、下皿通路処理を示すフローチャートである。図109は、キャリブレーション処理を示すフローチャートである。図110は、下皿収容数算出処理を示すフローチャートである。
図107において、音声ランプ制御装置262内のCPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1701では、CPU551は、大当たりフラグが1であるか否かを判定する。CPU551は、大当たり開始コマンドを受信する場合に大当たりフラグを1とし、大当たり状態を終了する場合に大当たりフラグを0にする。大当たりフラグが1である場合は、ステップS1702に進み、下皿通路処理を実行する。大当たりフラグが0である場合は、本処理を終了する。
図108を参照して、CPU551が行う下皿通路処理について説明する。
ステップS1711では、CPU551は、通路切換部材458Aが第1位置462Aから第2位置463Aに切り換わるように切換駆動部459Aを駆動する指示を与える。すなわち、切換駆動部459Aは、通路切換部材458Aを第1位置462Aから第2位置463Aに回転させて、第2下皿誘導通路483を開放する。これにより、払出装置358から払い出される遊技球は、第2下皿誘導通路483に誘導される。
CPU551は、所定数の遊技球の数(例えば10球)をRAM553の記憶領域gに予め記憶し(ステップS1712)、第2下皿通路カウンタ478のカウント値から導き出される誘導数をRAM553の記憶領域hに記憶する(ステップS1713)。
ステップS1714では、CPU551は、上述した記憶領域g、hの値を用いて、g-hの演算を行い、この演算結果が0であるか否かを判定する。すなわち、CPU551は、予め記憶した10球から誘導数を引いた数が0であるか否かを判定する。0である場合は、10球の遊技球を誘導し終えたことを示すので、ステップS1715に進む。0でない場合は、10球の遊技球を誘導し終えていないので、ステップS1713に戻り、誘導数が10球に達するまでステップS1713及びステップS1714の処理を繰り返す。
ステップS1715では、CPU551は、通路切換部材458Aが第2位置463Aから第1位置462Aに切り換わるように切換駆動部459Aを駆動する指示を与える。すなわち、切換駆動部459Aは、通路切換部材458Aを第2位置463Aから第1位置462Aに回転させて、上皿誘導通路454及び下皿誘導通路455を開放する。これにより、払出装置358から払い出される遊技球は、上皿誘導通路454または下皿誘導通路455に誘導される。以上で本処理を終了する。
図109を参照して、CPU551が行うキャリブレーション処理について説明する。
ステップS1721では、CPU551の歪み量・重量変換部476は、歪みセンサ475の検出値(歪み量)を読み取る。ステップS1722では、CPU551の歪み量・重量変換部476は、読み取った歪み量を、当該歪み量を読み取った時点での下皿15に収容される遊技球の総重量に変換する。つまり、10球分の遊技球の重量が取得される。
ステップS1723では、CPU551は、ステップS1722で取得された下皿15に収容される遊技球の総重量をRAM553の記憶領域iに記憶する。ステップS1724では、第2下皿478下皿通路カウンタ578のカウント値から導き出される誘導数(上述した10球)をRAM553の記憶領域jに記憶する。
ステップS1725では、CPU551の重量情報取得部479は、上述した記憶領域i,jの値を用いて、下皿15に収容される遊技球の総重量をこの総重量の元になった誘導数(10球)で割って(i÷j)、1の遊技球の平均重量を取得する。
ステップS1726では、CPU551の重量情報取得部479は、ステップS1725で得られた1の遊技球の平均重量を、後述するRAM553に記憶する。以上で、キャリブレーション処理を終了して、次に、下皿収容数算出処理を行う。
図110を参照して、CPU551が行う下皿収容球数算出処理について説明する。
ステップS1731では、CPU551の歪み量・重量変換部476は、歪みセンサ475の検出値(歪み量)を読み取る。ステップS1732では、CPU551の歪み量・重量変換部476は、読み取った歪み量を、当該歪み量を読み取った時点での下皿15に収容される遊技球の総重量に変換する。
ステップS1733では、CPU551は、ステップS1732で取得された下皿15に収容される遊技球の総重量をRAM553の記憶領域kに記憶する。ステップS1734では、ステップS1725で取得された1の遊技球の平均重量をRAM553の記憶領域mに記憶する。
ステップS1735では、CPU551の重量・数変換部480は、上述した記憶領域k,mの値を用いて、下皿15に収容される遊技球の総重量を平均重量値メモリに記憶される平均重量で割って(j÷k)、当該歪み量を読み取った時点での下皿15に収容される遊技球の数に変換する。ステップS1736では、CPU551の重量・数変換部480は、表示用メモリに下皿15に収容される遊技球の数を記憶する。
ステップS1737では、下皿球数表示部481は、表示用メモリに記憶されている、下皿15に収容される遊技球の数を表示する。
ステップS1738では、CPU551は、大当たりフラグが0であるか否かを判定する。CPU551は、大当たり状態が終了して大当たりフラグが0になる場合は、本処理を終了する。大当たり状態が終了せずに大当たりフラグが1である場合は、大当たりフラグが0になるまで、ステップS1731~S1737までの処理を繰り返す。以上で、下皿収容数算出処理を終了する。
なお、上述の測定ユニット470は、本発明の測定手段に相当し、重量情報取得部479は、本発明の取得手段に相当し、重量・数変換部480は、本発明の変換手段に相当し、下皿球数表示部481は、本発明の表示手段に相当する。
上述したように実施例13のパチンコ機10Gによれば、所定の価値を有する遊技球を払い出す払出装置358と、払出装置358によって払い出される遊技球を収容する下皿15と、を備え、下皿15に収容される遊技球の重量を測定する測定ユニット470と、払出装置358によって払い出され且つ下皿15によって収容される遊技球を利用して、1の遊技球の重量に対応する重量情報を取得する重量情報取得部479と、重量情報取得部479によって取得される重量情報に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量を、下皿15に収容される遊技球の数に変換する重量・数変換部480と、を備える(例えば、上述したC1に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、1の遊技球の重量に対応する重量情報の取得にあたって、払出装置358によって払い出され且つ下皿15に収容される遊技球が利用されるので、遊技球の重量から遊技球の数への変換に用いられる重量情報が容易に取得される。この取得された重量情報に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量が下皿15に収容される遊技球の数に変換されるので、下皿15に収容されている遊技球の数が正確に求められる。したがって、遊技の途中でも、下皿15に収容されている遊技球の数を正確に把握することを容易にできる。
また仮に、遊技機が設置されている期間内に1の遊技球の重量が変わったとしても、
遊技球の重量から遊技球の数への変換に用いられる重量情報には、実際に払出装置358から払い出され且つ下皿15に収容される遊技球についての1の遊技球の重量が反映されるので、正確な遊技球の数を把握し続けることができる。
また、重量情報取得部479は、払出装置358によって払い出される遊技球を測定ユニット470で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技球の平均的な重量を示す平均重量を重量情報として取得するものであって、重量・数変換部480は、重量情報取得部479によって取得される平均重量に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量を、下皿15に収容される遊技球の数に変換する(例えば、上述したC2に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、1の遊技球の重量に対応する重量情報は、下皿15によって払い出される遊技球を測定ユニット470で測定して得られる重量に基づいて、1の遊技球の平均的な重量を示す平均重量として取得される。この平均重量に基づいて、下皿15に収容される遊技球の重量が、下皿15に収容される遊技球の数に変換される。したがって、払出装置358によって払い出される一部の遊技球の重量と他の遊技球の重量との間で重量のばらつきがあるとしても、正確な遊技球の数を把握し続けることができる。
また、重量情報取得部479は、通常の遊技状態よりも遊技球が払い出される機会を多く得られる大当たり状態において、払出装置358によって払い出され且つ下皿15に収容される遊技球を利用して、重量情報を取得する(例えば、上述したC3に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、一度に大量の遊技球が払い出される大当たり状態において、1の遊技球の重量に対応する重量情報が取得されるので、多数の遊技球の中から重量情報を取得できる分だけ、重量情報の正確性を向上させることができる。
また、重量・数変換部480によって変換された遊技球の数を表示する下皿球数表示部481を備える(例えば、上述したC7に記載の遊技機に対応する)。これにより、遊技者は、下皿15に収容されている遊技球を確認しなくとも、下皿球数表示部481に表示される遊技球の数を見るだけで、遊技の途中でも、下皿15に収容されている遊技球の数を正確に把握することが容易になる。
また、重量・数変換部480によって変換された遊技球の数に応じた演出を実行する演出実行手段を備える(例えば、上述したC8に記載の遊技機に対応する)。下皿15に収容されている遊技球の数が正確に求められているので、下皿15に収容されている遊技球の数を正確に反映させた演出を実行することができる。
次に、本発明の実施例14のパチンコ機10Hについて図111,図112を用いて説明する。図111(a)は実施例14のパチンコ機10Hの概略正面図であり、(b)は回収溝812に溜められる遊技球の重量を測定する重量測定ユニット840を説明する断面図である。図112は、下皿15に収容されている遊技球等の荷重検出を説明する図であり、(a)は図101(a)と同様のBB断面図であり、(b)は図101(b)と同様のCC断面図である。
実施例2,実施例13では、重量測定ユニット840が受止めトレー803に載置される球箱829と当該球箱829に収容される遊技球との重量を測定して、球箱収容数算出制御部845がこの測定された重量から球箱829に収容される遊技球の数を求めるものであったが、本実施例では、重量測定ユニット840が回収溝812に溜まった遊技球の重量を測定して、球箱収容数算出制御部845がこの測定された重量から回収溝812に溜まった遊技球の数を求める点が、実施例2,実施例13とは異なる。
具体的には、回収溝812には、下向きに窪んだ凹部803fが形成されており、この凹部803fの途中箇所には、金属で形成された柱状の起歪体841が配設されており、この起歪体841の上面には受止めトレー底面803dから流下した遊技球が溜まっていく天板803hが配設されている。遊技球が溜まった天板803hは、遊技球の重みで下向きに押し下げられて、起歪体841を下向きに押すように構成されている。
起歪体841は、一端側(基端側)が受止めトレー803の横周壁803cの内側に固定され、他端側(先端側)が天板803hに固定されている。また、起歪体841は、一端側の固定箇所と他端側の固定箇所との間に、ストレインゲージと呼ばれる薄板状の抵抗体を有する歪みセンサ842が設けられている。
起歪体841は、天板803hに遊技球が溜まっていくことによって、先端側が押下されて、凹部803fの中で変形される。抵抗体は、起歪体841の変形に応じて伸縮し、抵抗体の抵抗値は、この伸縮に応じて増減する。歪みセンサ842は、この抵抗値の変化を測定し、電圧の変化として出力するものである。この電圧の変化は歪みセンサ842によって検出される歪み量に換算され、歪み量は回収溝812に溜まった遊技球の総重量に換算される。
球箱収容数算出制御部845は、この回収溝812に溜まった遊技球の重量から、回収溝812に溜まった遊技球の数を算出する。また、球箱収容数表示部849は、算出された回収溝812に溜まった遊技球の数を表示する。このように構成することで、回収溝812に溜まった遊技球の存在を遊技者に気付かせ易くなる。また、回収溝812に溜まった遊技球が何球あるかを遊技者が数える手間が低減される。
実施例13のパチンコ機10Hでは、遊技球を収容する下皿15の重量を測定して、その重量を下皿15に収容される遊技球の数に変換していたが、実施例14のパチンコ機10Hは、下皿15に収容される遊技球や下皿15に載せられる遊技者の手などの荷重を検出する荷重検出ユニット570を備え、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、大当たり状態中に第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定する構成を備える点が実施例13のパチンコ機10Gと異なる。
下皿15の前周縁には、演出ボタン580が設けられている。演出ボタン580は、例えば、選択に用いられる演出ボタン580a,580bで構成されている。
次に、荷重検出ユニット570の構成について説明する。
下皿15は、外側底面から外側側面に向けて立ち上がるように形成される外壁部15pと、外壁部15paの内側で外壁部15paの外壁縁15raに載った状態で遊技球を収容する下皿本体15uaとで構成されている。外壁部15paには、中央に遊技球を下皿15の外部に排出する排出口15qが穿設されている。下皿本体15uaには、排出口15qに連通するように排出口15vが穿設され、外壁縁15raに上下に対向するように外周縁15waが形成されている。
外壁部15paには、外壁縁15raの一部に下向きに窪む凹部15sが形成されており、凹部15sの縁に一端を固定した状態で、金属で形成された柱状の起歪体475aが配設されている。下皿本体15uaには、外周壁15waの一部に下向きに突出する凸部15xが形成されており、凸部15xには起歪体475aの他端が固定されている。起歪体475aには、一端側の固定箇所と他端側の固定箇所との間に、ストレインゲージと呼ばれる薄板状の抵抗体を有する歪みセンサ475が設けられている。なお、歪みセンサ475は、この抵抗体と、後述する回路と、歪み量を求める式(プログラム)との総称として用いている。歪みセンサ470の説明については、実施例13の歪みセンサ470の説明を参照するものとする。
次に、払出装置358から払い出される遊技球を下皿15に払い出す構成について説明する。本実施例では、実施例11と同様に、大当たり状態中に払い出される遊技球は、上皿に誘導され、当該払い出された遊技球によって上皿19があふれると、下皿15に払い出される構成を採用している。
次に、本パチンコ機10Hの電気的構成について、図113,図114を用いて説明する。図113は、実施例14のパチンコ機10Hの電気的構成を示したブロック図である。図114は、実施例14の電気的構成の要部を示したブロック図である。
本実施例は、下皿15に収容される遊技球や下皿15に載せられる遊技者の手などの荷重を検出する構成を備え、検出される荷重を利用して、第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定する構成を備える点が上述の実施例7~実施例13と異なる。以下では、実施例14に特有の構成のみを説明し、その他の実施例7~実施例13と共通する構成は実施例7~実施例13の説明を参照する。
本実施例は、音声ランプ制御装置262が、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定する機能を備える。当該機能を実現するためのプログラムは、音声ランプ制御装置262のROM552に記憶される。当該プログラムは、音声ランプ制御装置262のCPU551及びRAM553を用いて実行される。音声ランプ制御装置262の入出力ポート555には、歪みセンサ475,後述する下皿通路検出センサ577,通常の遊技状態中や大当たり状態中などに所定の演出が実行される場合に遊技者の操作を受ける演出ボタン580に対する遊技者の操作を検出するボタン押下検出センサ581などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置262のCPU551は、以下に詳述する、歪み量・重量変換部476と、下皿通路カウンタ578と、ボタン押下時間カウンタ582と、演出態様決定部579とを備えている。歪み量・重量変換部476と下皿通路カウンタ578とボタン押下時間カウンタ582と演出態様決定部579とは、CPU551によって実行されるプログラムとしてROM552に記憶されている。
歪み量・重量変換部476は、歪みセンサ475から出力される歪み量の検出値を入力し、その歪み量の検出値に対応する重量に変換して出力する。歪み量の検出値に対応する重量は、例えば、下皿15に収容される遊技球の総重量や、下皿15に遊技球が収容されていない状態で下皿15に遊技者の手などが載せられている場合は遊技者の手などの重量になる。なお、歪みセンサ475と歪み量・重量変換部476とは、本実施例の荷重検出ユニット570を構成する。
払出装置358から払い出される上皿19または下皿15に遊技球を払い出す通路には、払出装置358から払い出される遊技球の通過を検出する下皿通路検出センサ577が配設されている。下皿通路カウンタ578は、下皿通路検出センサ577から遊技球が通過する際に出力される信号を入力して、下皿通路検出センサ577を通過する遊技球の数、つまり、払出装置358から払い出される遊技球の数をカウントする。下皿通路カウンタ578は、所定数の遊技球の通過をカウントすると、所定数の遊技球の通過を示す信号を演出態様決定部579に出力する。この所定数は、例えば、100球としている。
ボタン押下時間カウンタ582は、演出ボタン580の押下を有効なものとして受け付ける時間を計るものである。具体的には、ボタン押下時間カウンタ582は、第1図柄表示装置42に演出ボタン580の押下を遊技者に要求する押下要求画像が表示されてから例えば3秒間を計測し、その3秒間内に演出ボタン580が押下されたことがボタン押下検出センサ581によって検出された場合に、演出ボタン580の押下を有効なものとして受け付ける。
演出態様決定部579は、荷重検出ユニット570によって検出される荷重に基づく荷重情報と、該荷重情報と対比する際の基準となる基準情報とに基づいて、第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を決定する。演出態様決定部579は、決定された大当たり表示演出の態様を表示制御装置45に送り、表示制御装置45は、受信した態様に従って第1図柄表示装置42にて大当たり表示演出を実行させる。
具体的には、演出態様決定部579は、大当たり状態の開始から下皿通路カウンタ578から100球の遊技球の通過を検出した時点で、100球の遊技球の通過を示す信号を受信したときに、荷重検出ユニット570によって検出される荷重に基づく荷重情報を取得する。大当たり状態の開始からから100球の遊技球の通過を検出するタイミングでは、大当たり状態の開始時に上皿19に貯留されている遊技球の数にもよるが、概ね、払い出された遊技球によって上皿19があふれて、あふれた分の遊技球が下皿15に収容されている。そのため、大当たり状態の開始からから100球の遊技球の通過を検出するタイミングでは、下皿15に払い出される遊技球をすぐに排出するかあるいはためておくか、という遊技者の傾向が現れ易い。
演出態様決定部579は、このような遊技者の傾向に従って、大当たり状態中に第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を決定する。大当たり表示演出の態様は、後述するように決定される。
次に、演出態様決定処理の流れを図115,図116のフローチャートを参照しながら説明する。図115は、音声ランプ制御装置262によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図116は演出態様決定処理を示すフローチャートである。
図115において、音声ランプ制御装置262内のCPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1801では、CPU551は、大当たりフラグが1であるか否かを判定する。CPU551は、大当たり開始コマンドを受信する場合に大当たりフラグを1とし、大当たり状態を終了する場合に大当たりフラグを0にする。大当たりフラグが1である場合は、ステップS1802に進み、演出態様決定処理を実行する。大当たりフラグが0である場合は、本処理を終了する。
図116を参照して、CPU551が行う演出態様決定処理について説明する。
ステップS1811では、CPU551は、下皿通路検出センサ577を通過した遊技球の数を通路通過カウンタ578から読み出す。ステップS1812では、CPU551は、下皿通路検出センサ577を通過した遊技球の数が100球であるか否かを判定する。下皿通路検出センサ577を通過した遊技球の数が100球以上である場合は、ステップS1813に進み、下皿通路検出センサ577を通過した遊技球の数が100球未満である場合は、100球に達するまでステップS1811からステップS1812までを繰り返す。
ステップS1813では、CPU551は、歪みセンサ475から出力される歪み量から得られる遊技球の重量を遊技球重量情報として歪み量・重量変換部476から読み出す。ステップS1814では、CPU551は、読み出された遊技球重量情報を、遊技球重量情報に対比される際の基準となる遊技球の重量を示す遊技球基準重量情報と比較して、遊技球重量情報が遊技球基準重量以上であるか否かを判定する。判定結果が遊技球基準重量未満である場合は、ステップS1815に進み、判定結果が遊技球基準重量以上である場合は、ステップS1816に進む。
遊技球基準重量情報は、遊技球1球の重量が例えば5.4グラムである場合、例えば20球分の遊技球の重量に相当する108グラムとしている。以下では、この108グラムを排出状態判別基準と呼ぶ。つまり、遊技球重量情報が排出状態判別基準未満(ステップS1814:No)である場合、このとき遊技を行っている遊技者は、大当たり状態において、下皿15に20球分の遊技球が収容されるより前に球抜きレバー17を操作して遊技球を排出していると言える。これにより、大当たり状態において下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であることが分かる。これに対して、遊技球重量情報が排出状態判別基準以上(ステップS1814:Yes)である場合は、このとき遊技を行っている遊技者は、前者の場合よりも、大当たり状態において下皿15に遊技球を溜める傾向がある遊技者であることが分かる。
ステップS1815では、CPU551は、所定の演出として後述する演出パターンAを第1図柄表示装置42に実行させることを決定する。
ステップS1816では、CPU551は、ステップS1813で読み出された遊技球重量情報を、ステップS1814とは異なる遊技球基準重量情報、例えば下皿15が満杯となる手前の所定の重量(以下、満杯手前重量と呼ぶ)以上であるか否かを判定する。判定結果が下皿15が満杯手前重量未満である場合は、ステップS1817に進み、判定結果が下皿15が満杯手前重量以上である場合は、ステップS1818に進む。
この満杯手前重量を、以下では、満杯判別基準と呼ぶ。つまり、遊技球重量情報が満杯判別基準未満(ステップS1816:No)である場合、このとき遊技を行っている遊技者は、大当たり状態において下皿15に収容される遊技球を下皿15の満杯に近くなるまで遊技球を溜める傾向が少ない遊技者であることが分かる。これに対して、遊技球重量情報が満杯判別基準以上(ステップS1816:Yes)である場合は、このとき遊技を行っている遊技者は、前者の場合よりも、大当たり状態において下皿15に収容される遊技球を下皿15の満杯に近くなるまで溜め易いる傾向がある遊技者であることが分かる。
ステップS1817では、CPU551は、所定の演出として後述する演出パターンBを第1図柄表示装置42に実行させることを決定する。ステップS1818では、CPU551は、所定の演出として後述する演出パターンCを第1図柄表示装置42に実行させることを決定する。以上で本処理を終了する。
次に、演出態様決定部579によって決定される演出パターンA~Cについて図117~図119を参照しながら説明する。図117(a)~(c)は、演出パターンA~Cが実行される各大当たり演出を時間の経過にとともに説明する図である。図118(a)~(f)は、演出パターンAの大当たり演出表示における表示画像を時間の経過に沿って並べた図である。図119(a)~(f)は、演出パターンB,Cの各大当たり演出表示における表示画像を時間の経過に沿って並べた図である。
ここでは、すでに少なくとも1回の大当たり状態が発生し且つ終了しており、当該大当たり状態中に演出態様決定部579によって演出パターンA~Cのいずれかが決定されており、その後に当選した大当たり状態で実行される表示演出が当該決定された演出パターンで実行されるものとする。図117において、(a),(b),(c)は、いずれも例えば15ラウンドで終了する大当たり状態であるが、遊技者には例えば第3ラウンドの終了後までは、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くか分からない演出パターンである。
演出パターンAが決定される場合は、以前の大当たり状態中に、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であると判別されている。このような遊技者は、大当たり演出を楽しむことと、大当たり状態にかかる時間を短くすることの両方を望む傾向がある。そのため、演出パターンAでは、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くかを遊技者が知るために、演出ボタン580の押下が要求されない。その替わりに、演出パターンAでは、第1ラウンドから第4ラウンドまでの間のインターバル時間において、演出ボタン580の押下を要することなく遊技者が見ることができる表示演出が実行される。
演出パターンBが決定される場合は、以前の大当たり状態中に、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向はなく、大当たり状態において下皿15に収容される遊技球を下皿15の満杯に近くなるまで遊技球を溜める傾向が少ない遊技者であると判別されている。このような遊技者は、大当たり演出を楽しむことが主となり、大当たり状態にかかる時間を短くすることをそれほど意識しない傾向がある。そのため、演出パターンBでは、大当たり演出への遊技者の参加を促すために、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くかを遊技者が知るために、演出ボタン580の押下が要求される。また、遊技者の演出ボタン580の押下に基づく表示演出が実行される。
演出パターンCが決定される場合は、以前の大当たり状態中に、下皿15に収容される遊技球を下皿15の満杯に近くなるまで溜め易い傾向がある遊技者であると判別されている。このような遊技者は、大当たり演出を楽しむが、下皿15に収容される遊技球の処理など大当たり状態の中の作業に手間取っている傾向がある。そのため、演出パターンCでは、演出パターンBと同様に、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くかを遊技者が知るために、演出ボタン580の押下が要求されるが、演出ボタン580の押下に基づく演出が表示される演出表示時間が演出パターンBでの演出表示時間よりも長く設定されている。これにより、大当たり状態の中の作業に手間取る遊技者に対して、大当たり状態の中の作業に必要な時間を確保している。
図118を用いて演出パターンAの表示演出を説明する。演出パターンAは、登場人物が迷路の中を歩きながらゴールを目指す表示演出である。当該表示演出では、登場人物がゴールすると、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くか表示される。(a)及び(b)は、第1ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(a)の表示画像には、迷路の通路が通路Aと通路Bとに分岐している様子と、矢印線で示すように登場人物が通路Aに入っていく様子とが表示されている。(b)の表示画像には、登場人物が通路Aを歩いている様子が矢印線で示されている。次に、(c)及び(d)は、第2ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(c)の表示画像には、迷路の通路が通路Cと通路Dとに分岐している様子と、矢印線で示すように登場人物が通路Dに入っていく様子とが表示されている。(d)の表示画像には、登場人物が通路Dを歩いている様子を矢印線で示している。次に、(e)及び(f)は、第3ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(e)の表示画像には、迷路の通路が通路Eと通路Fとに分岐している様子と、矢印線に示すように登場人物が通路Eに入っていく様子とが表示されている。(f)の表示画像には、登場人物が通路Eを進んだ結果、ゴールに到達したことを示す「GOAL」の文字と、当該大当たり状態が15ラウンドまで続くことを示す「15ラウンド」の文字とが表示されている。
このように、演出パターンAの大当たり演出では、遊技者は、とくに演出ボタン580を操作することなく、第3ラウンド終了後に当該大当たり状態が何ラウンドまで続くかを知ることができる。これにより、演出態様決定部579によって決定される演出パターンAの大当たり演出では、熟練した遊技者に対して、大当たり演出を楽しむことと、大当たり状態にかかる時間を短くすることを両立させることができる。
図119を用いて演出パターンBの表示演出を説明する。演出パターンBも、演出パターンAと同様に、登場人物が迷路の中を歩きながらゴールを目指す表示演出であるが、迷路の中での通路の選択が遊技者に求められる。ただし、演出パターンBの表示演出では、抽選の結果が15ラウンドまで続く大当たり状態である場合は、遊技者がどの通路を選択しても、最終的にはゴールに到達できる。演出パターンBの表示演出でも、登場人物がゴールに到達すると、当該大当たり状態が何ラウンドまで続くか表示される。なお、抽選の結果がリーチハズレである場合は、遊技者がどの通路を選択しても、最終的にはゴールに到達できない。
図119(a)及び(b)は、第1ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(a)の表示画像には、迷路の通路が通路Aと通路Bとに分岐している様子と、「A,Bボタンで通路を選択せよ。」という文字とが表示されている。(a)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち最初の3秒間に表示される。(b)の表示画像には、遊技者がAボタンを選択した結果が正解であることを示す「セーフ」の文字と、矢印線で示す様に登場人物が通路Aを歩いている様子とが表示されている。(b)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち後の5秒間に表示される。次に、(c)及び(d)は、第2ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(c)の表示画像には、迷路の通路が通路Cと通路Dとに分岐している様子と、「A,Bボタンで通路を選択せよ。」という文字とが表示されている。Aボタンを押下すると通路Cが選択され、Bボタンを押下すると通路Dが選択される。(c)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち最初の3秒間に表示される。(d)の表示画像には、遊技者がBボタンを選択した結果が正解であることを示す「セーフ」の文字と、登場人物が通路Dを歩いている様子を矢印線で示している。(d)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち後の5秒間に表示される。次に、(e)及び(f)は、第3ラウンド終了後のインターバル時間における第1図柄表示装置42の表示画像である。(e)の表示画像には、洞窟の通路が通路Eと通路Fとに分岐している様子と、「A,Bボタンで通路を選択せよ。」という文字とが表示されている。Aボタンを押下すると通路Eが選択され、Bボタンを押下すると通路Fが選択される。(e)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち最初の3秒間に表示される。(f)の表示画像には、遊技者がAボタンを選択した結果が正解であることを示す「おめでとう GOAL」の文字と、当該大当たり状態が15ラウンドまで続くことを示す「15ラウンド」の文字とが表示されている。(f)の表示画像は、8秒間のインターバル時間のうち後の5秒間に表示される。
このように、演出パターンBの大当たり演出では、遊技者は、演出ボタン580の操作しながらゴールに近づいていくという表示演出を楽しむことができるとともに、ゴールへの到達によって第3ラウンド終了後に当該大当たり状態が何ラウンドまで続くかを知ることができる。これにより、熟練には至っていないが遊技に馴染んできている遊技者に対しては、遊技者が大当たり演出に参加する機会の多く設けることで、大当たり状態にかかる時間が少し長くなっても大当たり演出を楽みたいという目的を満たすことができる。
演出パターンCの大当たり表示演出は、図119に示す演出パターンBの大当たり表示演出と同じ内容であるが、(b),(d),(f)に示す表示画像やこれに関連する画像が表示される時間が8秒間である点が、演出パターンBの大当たり表示演出と異なっている。このように、演出パターンCの大当たり演出では、遊技者は、演出ボタン580の操作しながらゴールに近づいていくという表示演出を楽しむことができるとともに、演出ボタン580の操作後に残るインターバル期間は長くとることで、長く取られた分の時間を利用して、球抜きレバー17を操作するなどの大当たり状態に必要な作業を余裕を持って行うことができる。これにより、遊技に不慣れな遊技者に対しては、大当たり状態の消化に手間取る時間分だけインターバル時間を長く設けて、余裕を持って大当たり演出を楽ませることができる。
なお、上述の第1図柄表示装置42は、本発明の演出実行手段に相当する。上述の荷重検出ユニット570は、本発明の荷重検出手段に相当する。上述の演出態様決定部579は、本発明の演出態様決定手段に相当する。
上述したように実施例14のパチンコ機10Gによれば、下皿15に外的に付加される荷重が荷重検出ユニット570によって検出され、荷重検出ユニット570によって検出される荷重に基づく荷重情報と、荷重情報と対比する際の基準となる基準情報とに基づいて、第1図柄表示装置42で実行される所定の演出の態様が演出態様決定部579によって決定される(例えば上述した(D1)に記載の遊技機に対応)。下皿15に外的に付加される荷重は、例えば、下皿15に収容される遊技球の荷重や、下皿15に載せられる遊技者の手の荷重などである。例えば、下皿15に収容される遊技球の荷重を検出することによって、下皿15に遊技球を溜める傾向がある遊技者であるか、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど遊技者の傾向に関する情報を荷重情報として得ることができる。また、例えば、下皿15に載せられる遊技者の手の荷重を検出することによって、所定の演出に対する遊技者の関心の程度に関する情報を荷重情報として得ることができる。これにより、荷重情報と対比する際の基準となる基準情報を適切に設定することによって、荷重情報と基準情報とに基づいて、第1図柄表示装置42で実行される所定の演出の態様が遊技者に適した態様となるように決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、上述した荷重情報は、下皿15に収容される遊技球の荷重を示す遊技球荷重情報である。上述した基準情報は、この遊技球荷重情報に対比される際の基準となる遊技球の荷重を示す遊技球基準荷重情報である。第1図柄表示装置42で実行される所定の演出の態様は、この遊技球荷重情報と遊技球基準荷重情報とに基づいて決定される(例えば上述した(D2)に記載の遊技機に対応)。これにより、演出態様決定部579によって決定される所定の演出の態様は、下皿15に遊技球を溜める傾向がある遊技者であるか、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど、遊技者が下皿15へ遊技球を収容する際の傾向から把握される遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、上述の基準荷重情報は、大当たり状態などの特別遊技状態において下皿15に遊技球が払い出される期間中に、球抜きレバー17が遊技者の操作を受けて、下皿15が遊技球を外部に排出し易い排出状態となっているか否かを示す排出状態判別基準を表す遊技球基準荷重情報である。演出態様決定部579によって決定される所定の演出の態様は、荷重情報が排出状態判別基準を上回る場合と、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいはこれを下回る場合とで、異なる(例えば上述した(D3)に記載の遊技機に対応)。これにより、演出態様決定部579によって決定される所定の演出の態様は、特別遊技状態において下皿15に遊技球が払い出される期間中に球抜きレバー17を操作することによって下皿15が遊技球を外部に排出し易い排出状態を作りやすい遊技者であるか否かという、下皿15へ収容した遊技球を排出する際の傾向から把握される遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、荷重情報が排出状態判別基準を上回ることによって排出状態ではないと判別される場合よりも、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいは荷重情報が排出状態判別基準を下回ることによって排出状態であると判別される場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が演出態様決定部579によって決定される(例えば上述した(D4)に記載の遊技機に対応)。前者の場合、下皿15に遊技球を溜める傾向がある遊技者であると判別できる。後者の場合、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であると判別できる。後者の場合の遊技者は、前者の場合の遊技者よりも、大当たり状態中に下皿15の収容状況を気にしながら球抜きレバー17を操作するというような余分な時間を費やしたくないと考える傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出を遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、荷重情報が排出状態判別基準を上回ることによって排出状態ではないと判別される場合よりも、荷重情報が排出状態判別基準と等しいかあるいは荷重情報が排出状態判別基準を下回ることによって排出状態であると判別される場合の方が、演出ボタン580の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が演出態様決定部579によって決定される(例えば上述した(D5)に記載の遊技機に対応)。後者の場合の遊技者は、前者の場合の遊技者よりも、大当たり状態中に下皿15の収容状況を気にしながら球抜きレバー17を操作するというような余分な時間を費やしたくないと考える傾向がある。そのため、後者の場合の遊技者は、演出ボタン580の操作を求める操作要求の出現回数が多過ぎる演出を好まない場合もある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、演出ボタン580の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出を遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、上述した遊技球基準荷重情報は、特別遊技状態において下皿15に遊技球が払い出される期間中に、下皿15に収容される遊技球が下皿15の満杯に近い満杯注意状態となっていることを示す満杯注意基準を表す情報である。演出態様決定部579によって決定される所定の演出は、荷重情報が満杯注意基準を上回る場合と、荷重情報が満杯注意基準と等しい場合かあるいは荷重情報が満杯注意基準を下回る場合とで、異なる(例えば上述した(D6)に記載の遊技機に対応)。これにより、遊技態様決定手段によって決定される所定の演出の態様は、特別遊技状態において下皿15に遊技球が払い出される期間中に、下皿15に収容される遊技球が下皿15の満杯に近い満杯注意状態を作りやすい遊技者であるか否かという、下皿15へ遊技球を収容する際の傾向から把握される遊技者の傾向を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の傾向に近づくので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
次に、本発明の実施例15のパチンコ機10Iについて説明する。上述した図114を再び参照する。
実施例14のパチンコ機10Hでは、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、大当たり状態中に第1図柄表示装置42で実行される大当たり表示演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定していたが、実施例15のパチンコ機10Iは、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、大当たり状態中ではない遊技状態中に第1図柄表示装置42で実行されるチャンス演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定する構成を備える点が実施例14のパチンコ機10Hと異なる。なお、パチンコ機10Iの外観構成や荷重検出ユニット570等については、実施例14のパチンコ機10Hと共通するので、実施例14の説明を参照する。
音声ランプ制御装置262は、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、大当たり状態以外の遊技状態中に第1図柄表示装置42で実行されるチャンス演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定する機能を備える。
歪み量・重量変換部476は、歪みセンサ475から出力される歪み量の検出値を入力し、その歪み量の検出値に対応する重量に変換して出力する。歪み量の検出値に対応する重量は、例えば、下皿15に遊技者の手が載せられている場合の重量と、下皿15に載せられた遊技者の手が下皿15から離された場合の重量である。後述するように、下皿15に発生した荷重の時間的変化を求めることで、下皿15に発生した荷重が遊技者の手の載置によるものか否かを判別可能となる。
ボタン押下時間カウンタ582は、演出ボタン580の押下を有効なものとして受け付ける例えば3秒間の時間を計るものである。後述するように、遊技者が下皿15に手を載せた状態で、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下したか否かが判別される。
上述の機能によって実行される演出態様決定部579は、荷重検出ユニット570によって検出される遊技者の手の荷重に基づく荷重情報と、ボタン押下検出センサ581によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて、第1図柄表示装置42で実行されるチャンス演出の態様を決定する。
演出態様決定部579は、荷重検出ユニット570によって検出される荷重が遊技者の手の荷重によるものか否かを、下皿15にかかる重量の時間的変化を求めることで判別する。具体的には、演出態様決定部579は、きわめて短い時間間隔で下皿15にかかる重量を荷重検出ユニット570から読み出す。前後する二つの時点での重量の差が基準重量以上の場合、その重量差は、下皿15に載せられた遊技者の手が下皿15から離されたことによるものである。演出態様決定部579は、この重量差によって、下皿15にかかる重量が遊技者の手によるものであると判別する。
次に、演出態様決定部579は、遊技者が下皿15に載せた手を下皿15から離して、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下したか否かを判別する。具体的には、演出態様決定部579は、下皿15にかかる重量が遊技者の手によるものであると判別された時点から3秒間内にボタン押下時間カウンタ582から演出ボタン580の押下検出の知らせを受けたか否かによって、上述の判別を行う。このように判別される押下操作を行う遊技者は、下皿15に手を載せた状態で演出ボタン580の押下要求を待っており、演出ボタン580の押下要求を見て下皿15から手を離して、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下している傾向がある。そのため、このような遊技者は、演出ボタン580の押下操作を伴うチャンス演出に対してかなり積極的な遊技者であるという傾向が現れ易い(後述する演出パターンAが判別される遊技者)。また、遊技者の中には、下皿15に手を載せていない状態で、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下する遊技者もいる。このように判別される遊技者は、演出ボタン580の押下操作を伴うチャンス演出に対する興味は普通であるという傾向が現れ易い(後述する演出パターンBが判別される遊技者)。また、遊技者の中には、下皿15に手を載せているにも関わらず、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下しない遊技者もいる。このように判別される遊技者は、片方の手を下皿15に載せた状態で、もう片方の手で携帯電話を操作するなどしておりチャンス演出にそれほど集中していない傾向が現れ易い(後述する演出パターンCが判別される遊技者)。また、遊技者の中には、下皿15に手を載せておらず、且つ、演出ボタン580の押下要求から3秒間内に演出ボタン580を押下しない遊技者もいる。このように判別される遊技者は、チャンス演出に全く興味を示していないという傾向が現れ易い(後述する演出パターンDが判別される遊技者)。
演出態様決定部579は、このような遊技者の傾向に従って、第1図柄表示装置42で実行されるチャンス演出の態様を決定する。
次に、演出態様決定処理の流れを図120~図122を用いて説明する。図120は、実施例15の音声ランプ制御装置262によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。図121は、下皿荷重検出・重量変換処理を示すフローチャートである。図122は、演出態様決定処理を示すフローチャートである。
図120において、音声ランプ制御装置262内のCPU551は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS1851では、CPU551は、表示制御装置45に送信するための表示コマンドがチャンス演出を含むコマンドか否かを判別する。表示コマンドがチャンス演出を含む場合は、ステップS1852の下皿荷重検出・重量変換処理に進む。ステップS1852を終えると、ステップS1853の演出態様決定処理に進む。表示コマンドがチャンス演出を含まない場合は、本処理を終了する。
図121を参照して、CPU551が行う下皿荷重検出・重量変換処理について説明する。
ステップS1861では、CPU551は、チャンス演出において遊技者に演出ボタン580を押下させるための押下要求が開始されたか否かを判別する。押下要求が開始されるタイミングは、第1図柄表示装置42に押下要求のための画像が表示されるタイミングに達したか否かによって判別される。押下要求が開始される場合は、ステップS1862に進む。押下要求が開始されていない場合は、押下要求が開始されるまでステップS1861を繰り返す。
ステップS1862では、CPU551は、下皿15に発生する荷重の検出値、すなわち歪みセンサ475の検出値を読み出す。ステップS1863では、CPU551は、読み出した検出値を歪み量・重量変換部476によって重量に変換する。ステップS1862,1863は、短い時間間隔で行われるものであって、例えば10msec毎に行われる。変換された重量を示す重量情報は、検出された時間を示す時間情報とともにRAM553に記憶される。
ステップS1864では、CPU551は、演出ボタン580の押下要求が終了したか否かを判別する。押下要求が終了されるタイミングは、第1図柄表示装置42に表示される押下要求のための画像が消えるタイミングに達したか否かによって判別される。押下要求が終了される場合は、本処理を終了し、演出態様決定処理に進む。押下要求が終了されない場合は、押下要求が終了するまでステップS1862,1863を繰り返す。
図122を参照して、CPU551が行う演出態様決定処理について説明する。
ステップS1871では、CPU551は、演出ボタン580の押下要求の開始から3秒間内にボタン押下検出センサ581によって演出ボタン580の押下が検出されたか否かを判別する。3秒間内に演出ボタン580の押下が検出される場合は、ステップS1872に進む。3秒間内に演出ボタン580の押下が検出されない場合は、後述するステップS1877に進む。
ステップS1872では、CPU551は、演出ボタン580の押下検出直前の時間情報を有する重量情報をRAM553の記憶領域nに記憶する。次に、ステップS1873では、CPU551は、演出ボタン580の押下検出直後の時間情報を有する重量情報をRAM553の記憶領域oに記憶する。つまり、記憶領域oには、記憶領域nに記憶された重量情報が有する時間情報よりも10msec後の時間情報を有する重量情報が記憶される。
ステップS1874では、CPU551は、記憶領域nに記憶された重量情報に示される重量から記憶領域oに記憶された重量情報に示される重量を引いた重量差が基準重量以上か否かを判別する。基準重量は、遊技者が手を下皿15に載せる場合に下皿15に発生する平均的な重量とする。重量差が基準重量以上である場合は、遊技者が演出ボタン580を押下するために下皿15から手を離したことによる重量差であると判別される。このように判別される場合は、ステップS1875に進み、CPU551は、次回以降のチャンス演出の態様を演出パターンAに決定する。演出パターンAについては後述する。重量差が基準重量以下である場合は、遊技者の手は下皿15に載せられていないと判別される。つまり、遊技者は、下皿15に手を載せられていない状態から演出ボタン580を押下したものと判別される。このように判別される場合は、ステップS1876に進み、CPU551は、次回以降のチャンス演出の態様を演出パターンBに決定する。演出パターンBについては後述する。
上述したステップS1871にて3秒間内に演出ボタン580の押下が検出されない場合、ステップS1877では、CPU551は、押下要求の終了直前の時間情報を有する重量情報をRAM553の記憶領域pに記憶する。次に、ステップS1878では、CPU551は、押下要求の終了直後の時間情報を有する重量情報をRAM553の記憶領域qに記憶する。つまり、記憶領域qには、記憶領域pに記憶された重量情報が有する時間情報よりも10msec後の時間情報を有する重量情報が記憶される。
ステップS1879では、CPU551は、記憶領域pに記憶された重量情報に示される重量から記憶領域qに記憶された重量情報に示される重量を引いた重量差が基準重量以上か否かを判別する。基準重量は、ステップS1874と同じ基準重量とする。重量差が基準重量以上である場合は、遊技者は、下皿15に手を載せていたが、演出ボタン580を押下していなかったものと判別される。このように判別される場合は、ステップS1880に進み、CPU551は、次回以降のチャンス演出の態様を演出パターンCに決定する。演出パターンCについては後述する。重量差が基準重量以下である場合は、遊技者は、下皿15に手を載せておらず。演出ボタン580を押下もしなかったものと判別される。このように判別される場合は、ステップS1881に進み、次回以降のチャンス演出の態様を演出パターンDに決定する。演出パターンDについては後述する。
ステップS1882では、チャンス演出の態様が演出パターンA~Dのいずれかに決定されると、記憶領域n,o,p,qに記憶されていた重量情報や基準重量を消去して、本処理を終了する。
次に、演出態様決定部579によって決定される演出パターンA~Dについて図123,図124を参照しながら説明する。図123は、演出パターンA~Dの各チャンス演出を時間の経過にとともに説明する図である。図124(a)~(f)は、演出パターンAのチャンス演出表示における表示画像を時間の経過に沿って並べた図である。
ここでは、すでに少なくとも1回のチャンス演出が発生し且つ終了しており、当該チャンス演出中に演出態様決定部579によって演出パターンA~Dのいずれかが決定されており、その後に実行されるチャンス演出が決定された演出パターンA~Dのいずれかで実行されるものとする。
図123において、演出パターンA~Dは、変動開始から終了までの時間が同じである変動表示パターンにおけるリーチ演出期間中に行われるチャンス演出のパターンである。演出パターンA~Dは、チャンス演出における演出ボタン580の押下要求が第1図柄表示装置42に表示される回数やこの押下要求が表示される時間が異なる演出パターンである。演出パターンA~Dは、共通の抽選結果、例えば所定の大当たり状態に当選する場合の所定のリーチ演出が実行される場合に実行される演出パターンを想定している。演出パターンAは、3秒間の押下要求が最高で3回まで表示可能である。演出パターンBは、演出パターンAと同じく3秒間の押下要求が設けられているが、演出パターンAの表示回数よりも1回少ない最高で2回まで表示可能であるに留まる。演出パターンCは、演出パターンA,Bよりも1秒長い4秒間の押下要求が設けられているが、表示回数が演出パターンBと同様に最高で2回まで表示可能であるに留まる。演出パターンDは、演出パターンA~Cとは異なり、押下要求が表示されない。
図124を用いて演出パターンAの表示演出を説明する。演出パターンAは、演出ボタン580の押下操作を伴うチャンス演出に対してかなり積極的な遊技者であると判別される場合の演出パターンである。演出パターンAの表示演出は、シャボン玉が弾けると、その中から抽選結果を示唆するような態様で音符が現れるという表示演出である。当該表示演出では、音符の数が多いほど大当たり当選への期待度が高くなる、という設定である。(a)及び(b)は、1回目の押下要求を示す「Aボタンを押すとシャボン玉が割れるよ」の文字の画像と、1回目の押下要求に対して演出ボタン580を押下した場合に表示されるシャボン玉が割れた後の画像である。(a)及び(b)では、シャボン玉が弾けると、音符が1つ現れる。(c)及び(d)は、2回目の押下要求を示す「Aボタンを押すとシャボン玉が割れるよ」の文字の画像と、2回目の押下要求に対して演出ボタン580を押下した場合に表示されるシャボン玉が割れた後の画像である。(c)及び(d)では、シャボン玉が弾けると、異なる音符が2つ現れており、(a)及び(b)よりも、大当たり当選への期待度が高くなる。(e)及び(f)は、3回目の押下要求を示す「Aボタンを押すとシャボン玉が割れるよ」の文字の画像と、3回目の押下要求に対して演出ボタン580を押下した場合に表示されるシャボン玉が割れた後の画像である。(e)及び(f)では、シャボン玉が弾けると、異なる音符が3つ現れており、(c)及び(d)よりも、大当たり当選への期待度が高くなる。
このように、演出パターンAのチャンス演出では、抽選結果が大当たり状態への当選である場合、チャンス演出に積極的な遊技者は、演出ボタン580の操作を重ねるに従って、音符の数が増えていくなどのような楽しい表示演出に参加しながら、正確な大当たり期待度を知ることができる。
図124を用いて演出パターンBの表示演出を説明する。演出パターンBは、演出ボタン580の押下操作を伴うチャンス演出に対する興味が普通であると判別される場合の演出パターンである。(a)~(e)までの表示演出の内容は、演出パターンAと同じであるが、(e)及び(f)の表示演出の内容は、演出パターンBには現れない。このように、演出ボタン580の押下操作を伴うチャンス演出に対する興味が普通であると判別される場合、遊技者は、2回の押下要求に対して演出ボタン580を押下しても、最も楽しい画像である(f)の画像、すなわち最も大当たり期待度が高い画像を見ることができないので、正確な大当たり期待度を知ることができない。
図124を用いて演出パターンCの表示演出を説明する。演出パターンCは、片方の手を下皿15に載せた状態で、もう片方の手で携帯電話を操作するなどしておりチャンス演出にそれほど集中していないと判別される場合の演出パターンである。表示演出の内容は、演出パターンBと同じであるが、演出パターンCでは、(a)及び(c)の押下要求が表示される時間が演出パターンA,Bの(a)及び(c)の押下要求が表示される時間よりも1秒長い4秒に設定されている。これにより、押下要求が演出パターンA,Bよりも長くなる分だけ、チャンス演出に気付き易くすることができる。
図124を用いて演出パターンDの表示演出を説明する。演出パターンDは、チャンス演出に全く興味を示していないと判別される場合の演出パターンである。演出パターンDは、(a)~(d)までであるが、(a)及び(c)において演出ボタン580の押下を求める「Aボタンを押すとシャボン玉が割れるよ」の文字が表示されない。つまり、演出パターンDでは、演出ボタン580の押下要求を出さないような表示演出を表示する。これにより、演出ボタン580の押下要求を伴うチャンス演出を好んでいない遊技者に対して無理に演出ボタン580の押下要求を見せることによって、このような遊技者のチャンス演出に対する興趣を低下させ難くすることができる。
上述したように実施例15のパチンコ機10Iによれば、下皿15に外的に付加される荷重が荷重検出ユニット570によって検出され、荷重検出ユニット570によって検出される荷重に基づく荷重情報と、ボタン押下検出センサ581及びボタン押下時間カウンタ582によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて、第1図柄表示装置42で実行される所定の演出の態様が演出態様決定部579によって決定される(例えば上述した(D7)に記載の遊技機に対応)。下皿15に外的に付加される荷重は、例えば、下皿15に収容される遊技球の荷重や、下皿15に載せられる遊技者の手の荷重などである。例えば、下皿15に収容される遊技球の荷重を検出することによって、下皿15に遊技球を溜める傾向がある遊技者であるか、下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出する傾向がある遊技者であるかなど遊技者の傾向に関する情報を荷重情報として得ることができる。また、例えば、下皿15に載せられる遊技者の手の荷重を検出することによって、所定の演出に対する遊技者の関心の程度に関する情報を荷重情報として得ることができる。このようにして得られる荷重情報と、ボタン押下検出センサ581及びボタン押下時間カウンタ582によって検出される遊技者の操作に関する操作情報とに基づいて第1図柄表示装置42で実行される所定の演出の態様を決定すれば、遊技者に適した態様の所定の演出が第1図柄表示装置42によって決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、上述した基準情報は、ボタン押下検出センサ581及びボタン押下時間カウンタ582によって遊技者の操作が検出されたか否かを示す操作検出情報である。演出態様決定部579によって決定される所定の演出は、手の荷重情報と操作検出情報とに基づいて決定される(例えば上述した(D8)に記載の遊技機に対応)。これにより、演出態様決定部579によって決定される所定の演出の態様は、遊技に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映するので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、演出態様決定部579によって決定される所定の演出は、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合と、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合とで異なる(例えば上述した(D9)に記載の遊技機に対応)。手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合は、下皿15に手を載せた状態で演出ボタン580を操作するタイミングを待つような、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合は、前者の場合に比べて、所定の演出に対する関心の低い遊技者であるという傾向がある。これにより、所定の演出に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合よりも、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の長い所定の演出が演出態様決定部579によって決定される(例えば上述した(D10)に記載の遊技機に対応)。前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出の開始から終了までの時間の短い所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出に対する遊技者の関心の高さを反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
また、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がない場合よりも、手の荷重情報があり且つ操作検出情報がある場合の方が、演出ボタン580の操作を求める操作要求の出現回数の多い所定の演出が演出態様決定部579によって決定される(例えば(D11)に記載の遊技機に対応)。前者の場合よりも後者の場合の方が、所定の演出に対する関心の高い遊技者であるという傾向がある。そのため、前者の場合よりも後者の場合の方が、演出ボタン580の操作を求める操作要求の出現回数の少ない所定の演出が決定され易くすることによって、所定の演出に対する遊技者の関心を反映させた態様とすることができる。したがって、所定の演出が遊技者の関心の高さを反映したものになるので、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
本発明の実施例16のスロットマシン600について、図125~図128を参照して説明する。図125は、実施例16のスロットマシン600の前面扉を閉じた状態の斜視図である。図126は、実施例16のスロットマシン600の正面図である。図127は、前面扉612を取り外した状態でのスロットマシン600の内部を示す図である。図128は、前面扉612の裏面図である。
本実施例のスロットマシン600は、図125に示すように、本体611と、この本体611の前面側に位置する前面扉612とを備えている。前面扉612は、図125,図126に示すように、その左辺を回転軸J1として、本体611に回動可能(開閉可能)に取り付けられている。また、スロットマシン600は、図125,図126に示すように、前面扉612を閉じた状態で施錠装置620により前面扉612と本体611とを施錠可能となっている。
前面扉612には、図125,図126に示すように、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ613と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするスピーカ614,614と、各種表示内容を表示する液晶ディスプレイ615と、左回胴Lと中回胴Mと右回胴R(図127参照)とをそれぞれ透視可能な遊技パネル630と、略中段付近にて各種ボタン651,653~656,661,663やスタートレバー652やメダル投入口657が設けられた操作部650と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段表示部616と、第1メダル払出口617A及び第2メダル排出口617Bから払い出された遊技用媒体としての所定の価値を有するメダルを受ける受け皿装置715Aとが装着されている。受け皿装置715Aは、ホッパ686によって払い出されて第1メダル排出口617Aから排出されるメダルを収容する第1受け皿715と、ホッパ686によって払い出されて第2メダル排出口617Bから排出されるメダルを収容する第2受け皿722の2種類の受け皿で構成されている。
本実施例のスロットマシン600は、第1受け皿715の下方には受止めユニット801が設けられている。受止めユニット801は、受止めトレー803が第1受け皿715よりも前側及び左右横側よりも外側に突き出すように形成されている。受止めトレー803にはメダルを収容する球箱829(以下、メダル箱829と呼ぶ)を載置することが可能である。そのため、第1受け皿715に溜まったメダルを掴んでメダル箱829に移す際や、第1受け皿715に溜まったメダルを掴んでメダル投入口657に運ぶ際や、メダル投入口657にメダルを投入する際などに、誤ってメダルを落としたとしても、落下したメダルを受止めトレー803で受け止めることが可能となる。したがって、第1受け皿715以外の場所にメダルが落下した場合でも遊技を中断させ難くすることができる。
また、受止めトレー803で受け止めたメダルは、排出扉815Aを図125で二点鎖線に示す位置に開放することで、排出できるように構成されている。本実施例の受止めトレー803には、回収溝812が設けられておらず、受止めトレー803は、受止めトレー底面803dが排出扉815Aに向けて下り傾斜するように形成されている。そのため、受止めトレー底面803dに受け止められたメダルは、自重によって回収溝812の側で集め易くなっている。受止めトレー803の前縁には、横長の傾斜ガイド877が設けられているため、メダルで満杯になったメダル箱829を傾斜ガイド877の上面に案内して、取り出し易くなっている。
遊技パネル630は、図125に示すように、左回胴L、中回胴M、右回胴R(図127参照)の停止中または回転中の様子を外部に露出する露出窓631L,631M,631Rを備え、露出窓631Lの左側に配設された5つのベットランプ632,633,633,634,634と、この露出窓631L,631M,631Rの下側に配設されている、スロットマシン内部に貯留されている枚数を表示するものであるクレジット枚数表示部635と、ビックボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかとかJACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているかといった回数を表示するものであるゲーム数表示部636と、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示するものである払出枚数表示部637とを備えている。また、遊技パネル630は、重量・数変換部780よって変換された第1受け皿715に収容されるメダルの枚数を表示するものである収容枚数表示部781を備えている。
操作部650は、図125,図126に示すように、前面扉612の前面部に設けられたクレジットボタン651と、スタートレバー652と、左回胴用ストップボタン653と、中回胴用ストップボタン654と、右回胴用ストップボタン655と、返却ボタン656と、前面扉612の水平段部に設けられたメダル投入口657と、1枚ベットボタン661と、マックスベットボタン663とを備えている。
また、スロットマシン600の内部には、図127に示すように、オンされるとスロットマシン600の各部に電源を供給する電源スイッチ681を備えている電源ボックス685や、溢れるメダルの外部への誘導口689を有し投入されたメダルを貯留する補助タンク687とこの補助タンク687内のメダルを払い出す払出装置688とから構成されているホッパ686や、後述する主制御装置670や表示制御装置694がそれぞれ取り付けられた状態の取付台などが装着されている。なお、主制御装置670は、本体611の上方位置に取り付けられ、表示用制御装置694は、前面扉612の裏面側の上部箇所に取り付けられている。
払出装置688から払い出されるメダルは、第1開口693Aを介して第1払出用通路692A(図129参照)に誘導され、第1メダル払出口617Aを介して第1受け皿715に収容される場合と、第2開口693Bを介して第2払出用通路692Bに誘導され、第2メダル排出口617Bを介して第2受け皿722に収容される場合とがある。
次に、払い出されるメダルの誘導先を切り換える構成について、図129を参照して説明する。図129は、通路切換機構757の動作を説明する図であり、(a)は第2払出用通路692Bの閉鎖、(b)は第2払出用通路692Bの開放を示す。
払出装置688は、補助タンク687に貯留されるメダルを1枚ずつ捕捉する捕捉部が複数設けられる捕捉用回転板730と、この捕捉用回転板730を回転させる払出モータ732と、この払出モータ732によって回転された捕捉用回転板730からメダルを受け取り、この受け取ったメダルを放出する図示しないメダル放出機構とを備えている。また、払出装置688は、メダル放出機構から放出されるメダルが誘導される通路として、第1払出用通路692Aに連通する第1誘導通路782と、第2払出用通路692Bに連通する第2誘導通路783とを備えている。また、払出装置688は、メダルの誘導先を第1誘導通路782とするかあるいは第2誘導通路783とするかを切り換える通路切換機構757を備えている。払出モータ732には、その回転角度を検出するための回転検出センサ733が取り付けられている。
通路切換機構757は、通路を切り換える部材であって、第1誘導通路782を開放する第1位置762と、第2誘導通路783を開放する第2位置763とに移動可能な通路切換部材758と、通路切換部材758を第1位置762または第2位置763に移動させるために駆動する切換駆動部759とで構成されている。通路切換部材758は、その基端側が払出装置688内に軸支された状態で、その先端側が正逆方向に回転する可動板で構成されている。切換駆動部759は、可動板の基端側に接続される回転軸を有し、通路の外側に配設されるロータリーソレノイドで構成されている。
通常の遊技状態では、切換駆動部759は、図129(a)に示すように、通路切換部材758を第1位置762に位置させている。そのため、第2誘導通路783が閉鎖されるとともに第1誘導通路782が開放されるので、払出装置688から払い出されるメダルが第1誘導通路782に誘導され、第1受け皿715に収容される。ビックボーナスに当選し、ボーナスゲームが開始される場合は、切換駆動部759は、図129(b)に示すように、通路切換部材758を第1位置762から第2位置763に移動させる。そのため、第1誘導通路782が閉鎖されるとともに第2誘導通路783が開放されるので、払出装置688から払い出されるメダルが第2誘導通路783に誘導され、第2受け皿722に収容される。切換駆動部759は、ボーナスゲームの開始から所定数(例えば10枚)のメダルが払出装置688によって払い出されるまで、通路切換部材758が第2位置763に位置する状態を維持する。
ボーナスゲーム中に所定数のメダルが払い出された後や、ボーナスゲームが終了した後は、切換駆動部759は、通路切換部材758を再び第1位置762に位置させる。
受け皿装置715Aには、第1受け皿715及び第2受け皿722に収容されるメダルの重量を測定する測定ユニット770が設けられている。具体的には、第1受け皿715には、第1受け皿715に収容されるメダルの重量を測定する第1測定ユニット770Aが設けられ、第2受け皿722には、第2受け皿722に収容されるメダルの重量を測定する第2測定ユニット770Bが設けられている。第1測定ユニット770A及び第2測定ユニット770Bは、実施例13の測定ユニット470と同様に、歪み量を検出する後述の第1歪みセンサ775A及び第2歪みセンサ775Bを備える構成であるので、その他の説明は測定ユニット470の説明を参照するものとする。
次に、スロットマシン600の電気的構成について図130,図131を参照して説明する。図130は、スロットマシン600の電気的構成を示すブロック図である。図131は、実施例16の電気的構成の要部を示すブロック図である。
主制御装置670は、CPU671を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、処理プログラムを記憶するROM672や、一時的にデータを記憶するRAM673や、入出力ポート674がバス675によって接続されている。表示用制御装置694は、CPU671を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、主制御装置670からの出力信号による液晶ディスプレイ615の表示内容の制御を行う。
主制御装置670の入力側には、クレジットボタン651,スタートレバー652,左リール用ストップボタン653,中リール用ストップボタン654,右リール用ストップボタン655,返却ボタン656,メダル投入口657から検出されたメダルを検出するメダル検出センサ,1枚ベットボタン661,マックスベットボタン663とともに、払出装置688によって払い出されるメダルの枚数をカウントする第1払出枚数カウンタ778A及び第2払出枚数カウンタが接続されている。
主制御装置670の出力側には、左リールL,中リールM,右リールR,ベットランプ632,633,633,634,634,クレジット枚数表示部635,ゲーム数表示部636,払出枚数表示部637,ホッパ686,表示制御装置694の他に、収容枚数表示部781や、上述した通路切換部材758を動作させるための切換駆動部759が接続されている。
主制御装置670は、以下に詳述する、歪み量・重量変換部776と、払出枚数カウンタ778と、重量情報取得部779と、重量・数変換部780とを備えている。歪み量・重量変換部776と重量情報取得部779と重量・数変換部780とは、主制御装置670のCPU671によって実行されるプログラムとしてROM672に記憶されている。
歪み量・重量変換部776は、第1歪みセンサ775Aから出力される歪み量の検出値を入力する場合は、その歪み量の検出値に対応する第1受け皿715に収容される遊技球の総重量に変換して出力する。また、歪み量・重量変換部776は、第2歪みセンサ775Bから出力される歪み量の検出値を入力する場合は、その歪み量の検出値に対応する第2受け皿722に収容される遊技球の総重量に変換して出力する。なお、第1歪みセンサ775Aと第2歪みセンサ775Bと歪み量・重量変換部776とは、本実施例の測定ユニット770を構成する。
第1払出枚数カウンタ778Aは、回転検出センサ733によって検出される第1誘導通路782の開放時の払出モータ732の回転角度を読み込み、この回転角度から第1誘導通路782が開放されている間に払い出されたメダルの数をカウントする。第2払出枚数カウンタ778Bは、回転検出センサ733によって検出される第2誘導通路783の開放時の払出モータ732の回転角度を読み込み、この回転角度から第2誘導通路783が開放されている間に払い出されたメダルの数をカウントする。第2払出枚数カウンタ778Bは、所定枚数のメダルの払出をカウントすると、所定枚数のメダルの払出を示す信号を出力する。この所定枚数は、例えば、10枚としている。
重量情報取得部779は、払出装置688によって払い出されるメダルを第2測定ユニット770Bで測定して得られる重量に基づいて、1のメダルの平均的な重量を示す平均重量を重量情報として取得する。具体的には、重量情報取得部779は、第2払出枚数カウンタ778Bによって所定枚数のメダルがカウントされた時点で出力される信号を受けて、当該信号の入力時点での第2受け皿722に収容されるメダルの総重量を取得する。重量情報取得部779は、当該総重量を所定枚数で割って1のメダルの平均重量を取得する。重量情報取得部779は、取得した平均重量をRAM673に記憶している。
本実施例では、重量情報取得部779は、通常の遊技状態よりもメダルが払い出される機会を多く得られるボーナスゲームにおいて、払出装置688によって払い出され且つ受け皿装置715に収容されるメダルを利用して、重量情報を取得する。そのため、一度に大量の遊技球が払い出される大当たり状態において、1のメダルの重量に対応する重量情報が取得されるので、多数のメダルの中から重量情報を取得できる分だけ、重量情報の正確性を向上させることができる。
重量・数変換部780は、重量情報取得部779によって取得される平均重量に基づいて、第1受け皿715に収容されるメダルの重量を、第1受け皿715に収容されるメダルの数に変換する。具体的には、重量・数変換部780は、1のメダルの平均重量に基づいて、歪み量・重量変換部476から出力される第1受け皿715に収容されるメダルの総重量を、この総重量に対応する第1受け皿715に収容されるメダルの枚数に変換する。重量・数変換部780は、この変換されたメダルの枚数を収容枚数表示部781に出力する。
収容枚数表示部781は、重量・数変換部780から出力される第1受け皿715に収容されるメダルの枚数を表示する。したがって、払出装置688によって払い出される一部のメダルの重量と他のメダルの重量との間で重量のばらつきがあるとしても、正確なメダルの数を表示し続けることができる。
次に、主制御装置によって行われる通常処理について図132を参照して説明する。図132は、実施例16の通常処理を示すフローチャートである。
ステップS2001では、1枚ベットボタン661やマックスベットボタン663が操作されることによって、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされている場合は、ステップS2002に進む。メダルがベットされていない場合は、本処理を繰り返す。
ステップS2002では、スタートレバー652が操作されているか否かを判定する。スタートレバー652が操作されている場合は、ステップS2003に進む。スタートレバー652が操作されていない場合は、本処理を繰り返す。
ステップS2003では、スタートレバー652の操作に起因して行われる抽選の結果が、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどの当選結果であるか否かや、抽選の結果が外れの場合はその外れに成立する役や外れ図柄の種類などを判定する。
ステップS2004では、各ストップボタン653~55が押下された場合に、各リールL,M,Rを停止させる停止処理を行う。ステップS2005では、払出装置688がメダルを払い出す払出処理が実行される。ステップS2006では、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームなどの特別遊技状態処理が実行される。
ここで、ステップS2005にて上述したメダル払出処理について図133を参照して説明する。図133は、メダル払出処理を示すフローチャートである。
ステップS2101では、クレジットが上限に達しているか否かを判定する。クレジットが上限に達していない場合は、クレジットの数を1加算するとともに、払出数を1加算する(ステップS2102)。クレジットが上限に達していない場合は、メダル放出機構733によって実際にメダルを払い出すことはできない。クレジットが上限に達している場合は、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、クレジットが上限に達しているので、払出装置688によって実際にメダルを払い出す。ステップS2104では、払出数を1加算する。
ステップS2105では、メダル放出機構がメダルを1枚払い出す度に、回転検出センサ733によって検出される払出モータ732の回転角度をメモリに記憶する。これにより、払出装置688によって実際に払い出されたメダルの枚数を記憶することができる。記憶されたメダルの枚数は、メダルの平均重量の取得に用いられる。
ステップS2106では、役の成立に対して受けるべき枚数の払出が完了したかどうかを検出する。ステップS2107では、払出が完了していれば、払出装置688による払出を停止して、本処理を終了し、通常処理に戻る。払出が完了していなければ、ステップS2103に戻り、ステップS2103以下の処理を実行する。
次に、誘導通路処理,キャリブレーション処理,第1受け皿収容数算出処理について図134~図137を参照して説明する。図134は、CPU671によるタイマー割込み処理を示すフローチャートである。図135は、実施例16の誘導通路処理を示すフローチャートである。図136は、実施例16のキャリブレーション処理を説明するフローチャートである。図137は、第1受け皿収容枚数算出処理を説明するフローチャートである。
図134において、CPU671は、例えば2msec毎に、タイマ割込み処理を実行する。
ステップS2111では、CPU671は、ボーナスゲームフラグが1であるか否かを判定する。CPU671は、上述した抽選処理による抽選の結果がビッグボーナスやレギュラーボーナスなど所定の当選結果である場合にボーナスゲームフラグを1とし、ボーナスゲームを終了する場合にボーナスゲームフラグを0にする。ボーナスゲームフラグが1である場合は、ステップS2112に進み、誘導通路処理を実行する。ボーナスゲームフラグが0である場合は、本処理を終了する。
図135を参照して、CPU671が行う誘導通路処理について説明する。
ステップS2201では、CPU671は、切換駆動部759を駆動し、通路切換部材758を第1位置762から第2位置763に切り換える。第2受け皿722に連通する第2誘導通路783を開放するためである。これにより、払出装置688から払い出されるメダルは、第2誘導通路783に誘導されて、第2受け皿722に収容される。
ステップS2202では、CPU671は、所定数のメダル数(例えば10枚)を後述するRAM673の記憶領域rに予め記憶する。ステップS2203では、CPU671は、第2誘導通路783に誘導されるメダルの数をRAM673の記憶領域sに記憶する。第2誘導通路783に誘導されるメダルの数は、通路切換部材758が第2位置762に切り換えられた後に回転検出センサ733によって検出される払出モータ732の回転角度を読み出し、その回転角度を1枚のメダルを排出する際に必要な回転角度で割ることによって求めることができる。
ステップS2204では、CPU671は、上述の記憶領域r,sの値を用いて、r-sの演算を行い、演算結果が0のであるか否かを判定する。0である場合は、10枚のメダルを誘導し終えたことを示すので、ステップS2205に進む。0でない場合は、10枚のメダルを誘導し終えていないので、ステップS2203に戻り、誘導数が10枚に達するまでステップS2203及びステップS2204の処理を繰り返す。
ステップS2205では、CPU671は、通路切換部材758が第2位置763から第1位置762に切り換わるように切換駆動部759を駆動する指示を与える。すなわち、切換駆動部759は、通路切換部材758を第2位置763から第1位置762に回転させて、第1誘導通路782を開放する。これにより、払出装置688から払い出されるメダルは、第1誘導通路782に誘導され、第1受け皿715に収容される。以上で通路切換処理を終了し、キャリブレーション処理に進む。
次に、図136を参照して、CPU671が行うキャリブレーション処理について説明する。
ステップS2301では、CPU671の歪み量・重量変換部776は、第2歪みセンサ775Bの検出値(歪み量)を読み取る。ステップS2302では、歪み量・重量変換部776は、読み取った歪み量を、当該歪み量を読み取った時点での第2受け皿722に収容されるメダルの総重量に変換する。つまり、10枚分のメダルの重量が取得される。
ステップS2303では、CPU671の重量情報取得部779は、ステップS2302で取得された第2受け皿722に収容されるメダルの総重量をRAM673の記憶領域tに記憶する。
ステップS2304では、ステップS2203で得た記憶領域sの値(誘導数)と、上述の記憶領域tの値とを用いてt÷sの演算を行い、演算結果を1のメダルの平均重量として取得する。
ステップS2305では、重量情報取得部779は、ステップS2304で得られた1のメダルの平均重量を、RAM673の記憶領域uに記憶する。以上で本処理を終了し、下皿収容数算出処理へ進む。
次に、図137を参照して、CPU671が行う第1受け皿収容数算出処理について説明する。
ステップS2401では、CPU671の歪み量・重量変換部776は、第1歪みセンサ775Aの検出値(歪み量)を読み取る。ステップS2402では、歪み量・重量変換部776は、読み取った歪み量を、当該歪み量を読み取った時点での第1受け皿715に収容されるメダルの総重量に変換する。
ステップS2403では、CPU671の重量・数変換部780は、ステップS2402で取得された第1受け皿715に収容されるメダルの総重量をRAM673の記憶領域vに記憶する。
ステップS2404では、重量・数変換部780は、ステップS2306で得られた記憶領域uの値(1のメダルの平均重量)と上述の記憶領域vの値とを用いてv÷uの演算を行う。演算結果は、当該歪み量を読み取った時点で第1受け皿715に収容されているメダルの枚数である。ステップS2405では、重量・数変換部780は、表示用メモリに第1受け皿715に収容されるメダルの枚数を記憶する。
ステップS2406では、収容枚数表示部781は、表示用メモリに記憶されている、第1受け皿715に収容されるメダルの枚数を表示する。以上で本処理を終了する。
なお、上述のホッパ686は、本発明の払出手段に相当し、受け皿装置715Aは、本発明の収容手段に相当し、測定ユニット770は、本発明の測定手段に相当し、重量情報取得部779は、本発明の取得手段に相当し、重量・数変換部780は、本発明の変換手段に相当し、収容枚数表示部781は、本発明の表示手段に相当する。また、第1受け皿715は、本発明の第1収容手段に相当し、第2受け皿722は、本発明の第2収容手段に相当し、第1測定ユニット770Aは、本発明の第1測定手段に相当し、第2測定ユニット770Bは、本発明の第2測定手段に相当する。
上述したように実施例16のスロットマシン600によれば、所定の価値を有するメダルを払い出すホッパ686と、ホッパ686によって払い出されるメダルを収容する受け皿装置715Aと、を備え、受け皿装置715Aに収容されるメダルの重量を測定する測定ユニット770と、ホッパ686によって払い出され且つ受け皿装置715Aによって収容されるメダルを利用して、1のメダルの重量に対応する重量情報を取得する重量情報取得部779と、重量情報取得部779によって取得される重量情報に基づいて、受け皿装置715Aに収容されるメダルの重量を、受け皿装置715Aに収容されるメダルの数に変換する重量・数変換部780と、重量・数変換部780によって変換されたメダルの数を表示する収容枚数表示部781と、を備える(例えば、上述したC1に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、1のメダルの重量に対応する重量情報の取得にあたって、ホッパ686によって払い出され且つ受け皿装置715Aに収容されるメダルが利用されるので、メダルの重量からメダルの数への変換に用いられる重量情報が容易に取得される。この取得された重量情報に基づいて、受け皿装置715Aに収容されるメダルの重量が受け皿装置715Aに収容されるメダルの数に変換されるので、受け皿装置715Aに収容されているメダルの数が正確に求められる。変換されたメダルの数が収容枚数表示部781に表示されるので、遊技者は、メダルの数を容易に把握することができる。したがって、遊技の途中でも、受け皿装置715Aに収容されているメダルの数を正確に把握することを容易にできる。
また仮に、遊技機が設置されている期間内に1のメダルの重量が変わったとしても、
メダルの重量からメダルの数への変換に用いられる重量情報には、実際にホッパ686から払い出され且つ受け皿装置715Aに収容されるメダルについての1のメダルの重量が反映されるので、正確なメダルの数を表示し続けることができる。
また、受け皿装置715Aは、ホッパ686によって払い出されるメダルを収容する第1受け皿715と、ホッパ686によって払い出されるメダルを収容する第2受け皿722と、で構成され、測定ユニット770は、第1受け皿715に収容されるメダルの重量を測定する第1測定ユニット770Aと、第2受け皿722に収容されるメダルの重量を測定する第2測定ユニット770Bと、で構成され、重量情報取得部779は、ホッパ686によって第2受け皿722に払い出されるメダルを利用して、重量情報を取得するのであって、重量・数変換部780は、重量情報取得部779によって取得される重量情報に基づいて、第1受け皿715に収容されるメダルの重量を、第1受け皿715に収容されるメダルの数に変換するものである(例えば、上述したC4に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、重量・数変換部780が第1受け皿715に収容されるメダルの重量をメダルの数に変換する際に用いる重量情報は、第1受け皿715とは別の第2受け皿722に払い出されるメダルを利用して取得されるので、第1受け皿715に払い出されるメダルを利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、第2受け皿722を重量情報の取得のために利用できる。したがって、第1受け皿715に払い出されるメダルを利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、第1受け皿715に払い出されるメダルの数を正確に求めることができる。
また、重量情報取得部779は、ホッパ686によって払い出されるメダルを第2測定ユニット770Bで測定して得られる重量に基づいて、1のメダルの平均的な重量を示す平均重量を、重量情報として取得するものであって、重量・数変換部780は、重量情報取得部780によって取得される平均重量に基づいて、第1受け皿715に収容されているメダルの重量を、第1受け皿715に収容されるメダルの数に変換する(例えば、C5に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、1のメダルの重量に対応する重量情報は、第2測定ユニット770Bで測定して得られる重量に基づいて、1のメダルの平均的な重量を示す平均重量として取得される。この平均重量に基づいて、第1受け皿715に収容されるメダルの重量が、第1受け皿715に収容されるメダルの数に変換される。したがって、ホッパ686によって払い出される一部のメダルの重量と他のメダルの重量との間で重量のばらつきがあるにも関わらず、第1受け皿715に払い出されるメダルを利用して重量情報の取得することが難い場合であっても、正確なメダルの数を把握し続けることができる。
また、重量情報取得部780は、通常の遊技状態よりもメダルが払い出される機会を多く得られる特別遊技状態(例えばビッグボーナスへの当選によって得られるボーナスゲーム)において、ホッパ686によって払い出され且つ第2受け皿722に収容されるメダルを利用して、重量情報を取得する(例えば、C6に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、第1受け皿715に払い出されるメダルを利用して重量情報の取得することが難い場合に、第2受け皿722に払い出されるメダルを利用して重量情報を取得する場合であっても、一度に大量のメダルが払い出される特別遊技状態において、多数のメダルの中から重量情報を取得できるので、重量情報の正確性を向上させることができる。
また、重量・数変換部780よって変換された第1受け皿715に収容されるメダルの数を表示する収容枚数表示部781を備える(例えば、上述したC7に記載の遊技機に対応する)。これにより、遊技者は、第1受け皿715に収容されているメダルを確認しなくとも、収容枚数表示部781に表示されるメダルの数を見るだけで、遊技の途中でも、第1受け皿715に収容されているメダルの数を正確に把握することが容易になる。
また、重量・数変換部780によって変換されたメダルの数に応じた演出を実行する演出実行手段を備える(例えば、上述したC8に記載の遊技機に対応する)。第1受け皿715に収容されているメダルの数が正確に求められているので、第1受け皿715に収容されているメダルの数を正確に反映させた演出を実行することができる。
本発明の実施例17のスロットマシン600Aについて、図138を参照して説明する。図138は、実施例17のスロットマシン600Aの概略正面図である。
実施例16のスロットマシン600は、受止めトレー803に載置されるメダル箱829に収容されるメダルの枚数を求めることができる点と、メダル箱829に収容されるメダルの枚数が当該メダル箱829に収容可能なメダルの上限枚数に達する場合に上限枚数に達したことを報知することができる点とが、上述した実施例16のスロットマシン600と異なる。本実施例の受止めトレー803には、受止めトレー803に載置されているメダル箱829及び当該メダル箱829に収容されるメダルの重量を測定することが可能な重量測定ユニット840を備えている。
受止めトレー803に載置されるメダル箱829に収容されるメダルの枚数は、実施例2と同様に、CPU671に備えられる球箱収容数算出制御部845によって行われる。メダル箱829に収容されるメダルの枚数が当該メダル箱829に収容可能なメダルの上限枚数に達したことの報知は、実施例2の構成と同様に、CPU671に備えられる報知制御部851によって行われる。これにより、スロットマシン600においても、実施例2と同様に、受止めトレー803に載置されるメダル箱829に収容されるメダルの枚数を遊技者が把握できる。また、遊技者は、メダル箱829に収容されるメダルの枚数が上限枚数に達したことを事前に認識して、メダル箱829を交換できる。
上述した実施例16において、測定ユニット770は、受け皿装置715に収容されるメダルの重量を測定するだけであったが、本実施例では、測定ユニット770は、重量の測定に加えて、遊技者の操作によって加えられる力(圧力)を検出する。
本実施例のスロットマシン600Aは、メダル受け皿618とその横に灰皿622が設けられている。メダル受け皿618には、歪みセンサ775を備える測定ユニット770が備えられている。
歪みセンサ775は、ボーナスゲーム中に払い出されるメダルの重さに応じて歪みが大きくなっていく。つまり、歪みが大きくなるに従って、出力される電圧も大きくなっていく。払い出されるメダルの数は、成立する役に応じて決まっているので、成立する役の大小によって変化の大きさにわずかな違いはあるものの、出力電圧は、概ね緩やかに増加する。
これに対して、遊技者の操作によって加えられる力は、メダルの払い出しとは無関係に発生し、且つ、払い出されるメダルの重さよりも大きい。そのため、遊技者の操作によって加えられる力によって出力される電圧の変化は、メダルの払い出しによる出力電圧の変化よりも急激である。そこで、例えば、メダルの払い出しによる出力電圧の変化率をしきい値として予め求め、これを超える出力電圧の変化率が発生する場合に、遊技者の操作を受けたことを検出することが考えられる。
測定ユニット770によって検出される遊技者の操作は、演出ボタンの操作でもよく、実施例1~3で述べたような排出操作部435や誘導操作部453の操作などでもよい。
上述したように実施例17のスロットマシン600Aによれば、受け皿装置715に収容されるメダルの重量を測定する測定ユニット770を、演出ボタンなどの検出センサとしても利用できる。したがって、測定対象が異なるごとに別個のセンサを取り付けることによる部品点数を抑制できるとともに、設置スペースの効率化を図ることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1では、遊技球溜め部811は、受止めトレー底面803dの下り傾斜に沿って転動流下した遊技球を溜める回収溝812であったが、回収溝812以外の構成であっても構わない。例えば、回収溝812の代わりに、受止めトレー底面803dが前周壁803bまで続いるような構成であってもよい。このような構成では、受止めトレー底面803dの周囲を囲む前周壁803b及び横周壁803cが遊技球を溜める遊技球溜め部811として機能する。このような構成でも、実施例1と同様に、排出口814を設け、受止めトレー底面803dの前側を排出口814に向けて傾斜させることが可能である。また、傾斜ガイド813の代わりに横長の傾斜ガイド877を設けることが可能である。
(2)上述した実施例1では、受止めトレー803の高さを複数位置に調整できる構成であったが、受止めトレー803の高さを切換え固定するロック孔823を左右両端だけに形成して、受止めトレー823を下限高さH1と上限高さH2の2つの位置でのみ切換え可能に構成してもよい。
(3)上述した実施例2では、受止めトレー803に載置される球箱829と球箱829に収容される遊技球との重量を測定し、測定された重量から球箱829に収容される遊技球の数を算出するものであり、上述した実施例14では、回収溝812に溜まった遊技球の重量を測定し、測定された重量から回収溝812に溜まった遊技球の数を算出するものであったが、両者の遊技球の数の合計を算出できるものであってもよい。
(4)上述した実施例7において、第2排出ユニット421は、所定数の遊技球を外部に排出するように構成されているが、第2排出ユニット421は、任意の数の遊技球を排出できる構成を追加してもよい(例えば、上述したA12に記載の遊技機の変形例)。
(5)上述した実施例7において、第2排出口422からの遊技球の排出は自動で停止されるように構成されていたが、第2排出口422からの遊技球の排出は手動で停止される構成を追加しても構わない(例えば、上述したA13に記載の遊技機の変形例)。遊技者は、排出表示器436で遊技球の排出を確認できるので、所定数の遊技球が排出された時点で遊技球の排出を停止できる。
(6)上述した実施例7において、排出操作部435を備えていたが、排出操作部435を備えないで、第2排出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始する構成であっても構わない(例えば、上述したA14に記載の遊技機の変形例)。例えば、下皿15の下面に位置する第2排出口422の開口付近に近接センサを設け、第2排出口422から排出される遊技球を受ける容器の開口付近にこの近接センサによって検出される検出部を設ける。この容器を第2排出口422の下方に配置すると、下皿15側の近接センサが容器側の検出部の存在を検出する。これの検出を契機として、第2排出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始するように構成すればよい。
(7)上述した実施例7において、排出操作部435が遊技者の操作を受ける場合に、第2払出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始するように構成されていたが、排出操作部435が遊技者の操作を受け、且つ、特定の排出条件が成立する場合に、第2払出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始するように構成されても構わない。
すなわち、第2排出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始する契機となる排出条件の成立の有無を判定する排出条件判定部を備え、第2排出ユニット421は、排出操作部435が遊技者の操作を受け且つ排出条件判定部によって排出条件が成立していないと判定される場合には、下皿15に収容される遊技球を排出せず、排出操作部435が遊技者の操作を受け且つ排出条件判定部によって排出条件が成立していると判定される場合には、下皿15に収容される遊技球の排出を開始する(例えば、上述したA14に記載の遊技機に対応する)。このような構成によれば、遊技者は、排出操作部435を操作することによって下皿15に収容される遊技球を第2排出ユニット421から排出することを予め決めておけば、遊技者は、排出条件が成立していると判定されるタイミングでは、何らの操作を要せずに、第2排出ユニット421から遊技球の排出を受けることができる。
上述の「第2排出ユニット421が下皿15に収容される遊技球の排出を開始する契機となる排出条件」は、例えば、大当たり状態の成立中に払出装置358から払い出される遊技球の数が所定数に達することや、下皿15に収容される遊技球の数が所定数に達することが挙げられる。下皿15に収容される遊技球の数が第2排出ユニット421からの排出数に満たない場合に、第2排出ユニット421を動作させないためである。また、他の例としては、大当たり状態が発生するラウンド数が異なる複数種類の大当たり状態が設けられている場合に一定ラウンド数以上(例えば2ラウンド以上)の大当たり状態が発生することが挙げられる。ラウンド数が低い場合(例えば1ラウンド)、遊技者に払い出される遊技球の数が少ない。そのため、遊技者は、ラウンド数が低い大当たり状態で払い出される遊技球を下皿15に収容したままにしたいと考える場合があるからである。その他、何らかの遊技に関連する条件であればよい。
(8)上述した実施例11において、下皿15と補助皿451とは、下皿装置15Aと補助皿装置451Aとに別々に備えられていたが、下皿15及び補助皿451は、それぞれ区分された状態で、遊技機本体10E1の前面に配設される下皿装置15Aに備えられても構わない(例えば、上述したB3に記載の遊技機に対応する)。例えば、この場合、下皿装置15Aの外壁が実施例10の下皿15と補助皿451とを覆うように構成される。このような構成によれば、下皿15と補助皿451がそれぞれ区分された状態で下皿装置15Aに備えられるので、下皿15に払い出される遊技球と補助皿451に払い出される遊技球とが下皿装置15A内で混ざりにくい。したがって、下皿15に遊技球が払い出される遊技の最中に、遊技場が提供する飲食物に交換するために必要な遊技球を補助皿451に払い出しても、補助皿451への遊技媒体の払い出しが遊技の進行を妨げになりにくい。
(9)上述した実施例11において、払出装置358は、排出操作部435が遊技者の操作を受けることに基づいて補助皿451に遊技球を払い出していたが、排出操作部435が遊技者の操作を受け且つ所定の払出条件の成立(例えば大当たり状態の発生)に基づいて補助皿451に遊技球を払い出すように構成しても構わない。すなわち、誘導通路ユニット450が補助皿422に遊技球を誘導する契機となる誘導条件の成立の有無を判定する誘導条件判定部を備え、誘導通路ユニット450は、誘導操作部453が遊技者の操作を受け且つ誘導条件判定部によって誘導条件が成立していないと判定される場合には、下皿15に遊技球を誘導せず、誘導操作部453が遊技者の操作を受け且つ誘導条件判定部によって誘導条件が成立していると判定される場合には、補助皿451に遊技球を誘導する(例えば、上述したB7に記載の遊技機に対応する)。
このような構成において、誘導条件判定部は、払出制御装置311のCPU511において実行される誘導条件判定処理プログラムとして、ROM512に記憶されている。また、払出制御装置311が大当たり状態の開始を認識するためには、払出制御装置311は、大当たり状態の発生を知らせるコマンドを主制御装置261から入力するように構成される。例えば、主制御装置261から表示制御装置45に出力される、大当たり状態の開始を知らせる画像を第1図柄表示装置42に表示させる際に出力されるコマンドを、払出制御装置311にも出力すれば、払出制御装置311は、大当たり状態の開始を認識できる。
このような構成によれば、遊技者は、誘導操作部453を操作することによって誘導通路ユニット450が補助皿422に遊技球を誘導することを予め決めておけば、遊技者は、誘導条件が成立していると判定されるタイミングでは、何らの操作を要せずに、補助皿422に遊技媒体を誘導させることができる。
ここで、一般的なパチンコ機の場合、下皿に収容されている遊技球の排出を開始するためには、球抜きレバー17のような部材を操作するにせよ、下皿に収容されている遊技球を手で掴んで取り出すにせよ、排出開始時に何らかの遊技者の作業が必要である。これに対して、第2排出ユニット421では、遊技者が予め排出操作部435を操作しておけば、排出条件が成立するタイミングでは、何らの操作を要せずに、第2排出ユニット421での遊技球の排出を開始できる。そのため、遊技者は、遊技の最中に第2排出ユニット421から遊技球を排出したい時、例えば、下皿15に収容される遊技球を遊技場が提供する飲食物に交換したい時でも、遊技の進行を妨げることなく、下皿15に収容される遊技球の排出を受けることができる。
上述した「誘導条件」をいくつか例示すれば、例えば、大当たり状態の発生の他にも、大当たり状態の成立中に払出装置358が下皿15に払い出す遊技球の数が所定数に達することや、下皿15に収容される遊技球の数が所定数に達することや、大当たり状態が発生するラウンド数が異なる複数種類の大当たり状態が設けられている場合に所定種類の大当たり状態が発生すること(例えば、特別遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大の有価価値が異なる場合に、一定以上の有価価値を得られる大当たり状態が発生すること)や、遊技者が設定する種類の大当たり状態が発生することなど、何らかの遊技に関連する条件であればよい。
(10)上述した実施例7,10において、重量情報取得部479,779は、下皿15(重量情報取得部779の場合は第2受け皿722を意味する。以下同様)に収容される遊技球(重量情報取得部779の場合はメダルを意味する。以下同様)の総重量を、下皿15に収容される遊技球の数で割ることによって、1の遊技球の重量を求めている。1の遊技球の重量を求める手法は、これに限らず、複数の遊技球の重量の中から中央に位置する値をもって、1の遊技球の平均的な重量とする手法や、複数の遊技球の重量の中から最も頻繁に出現する値をもって、1の遊技球の平均的な重量とする手法などでもよい(例えば、上述したC2,5に記載の遊技機の変形例)。
(11)上述した実施例14,15において、演出態様決定部579は、荷重検出ユニット570によって検出される荷重を利用して、例えば大当たり表示演出やチャンス演出など所定の演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定していたが、荷重検出ユニット570は下皿15以外の箇所、例えば上皿19に設けて、上皿19にかかる遊技者の手の荷重を検出するなどしてもよい。また、荷重検出ユニット570以外の構成、例えば、下皿15の縁部にタッチセンサーなどの静電容量スイッチを設けて、遊技者の手が下皿15に載せられているか否かを検出してもよい。荷重以外のものを検出することによって、所定の演出の態様を遊技者の傾向に合わせて決定してもよい。
(12)上述した実施例14において、演出態様決定部579は、荷重検出ユニット570によって検出される遊技球の荷重の時間的変化を利用して、遊技者の傾向を判別していたが、遊技球の荷重の時間的変化以外の情報を利用して、遊技者の傾向を判別してもよい。すなわち、下皿15は、球抜きレバー17のような排出操作手段やボタンのオン・オフによって収容状態と排出状態とを切り換える排出操作手段を備えており、遊技者の球抜きレバー17等の操作によって、下皿15は、遊技球を収容し易い収容状態と、遊技球を外部に排出し易い排出状態とに変化する。演出態様決定部579によって決定される所定の演出の態様は、下皿15が収容状態または排出状態のいずれの状態であるかに基づいて決定される(上述した(D12)に記載の遊技機に対応)。下皿15が遊技者の操作によって遊技球を収容し易い収容状態とされている場合、その遊技者は下皿15に遊技球を溜める傾向があることが分かる。下皿15が遊技者の操作によって遊技球を排出し易い排出状態とされている場合、その遊技者は下皿15に遊技球を溜めないですぐに排出し易い傾向があることが分かる。このように下皿15が収容状態か排出状態のいずれの状態であるかに基づくことで、第2図柄表示装置41で実行される所定の演出の態様が遊技者に適した態様となるように決定される。したがって、遊技者に認知される態様で実行される所定の演出の興趣性を向上させることができる。
上述した下皿15が収容状態または排出状態のいずれの状態であるかの検出は、例えば、球抜きレバー17のような排出操作手段であれば、球抜きレバー17が排出状態に切り換えられる場合に、下皿15が排出状態であることを示す信号を演出態様決定部579に出力するように構成することが考えられる。また、ボタンのオン・オフによって収容状態と排出状態とを切り換える排出操作手段であれば、ボタンのオンによって排出状態にした場合に、下皿15が排出状態であることを示す信号を演出態様決定部579に出力するように構成することが考えられる。
(13)上述した実施例16において、重量情報取得部は、ビッグボーナス当選時のボーナスゲーム中に、ホッパ686によって払い出され且つ受け皿装置715Aに収容されるメダルを利用して、重量情報を取得していたが、その他の状態でホッパ686によって払い出され且つメダル受け皿に収容メダルを利用して重量情報を取得しても構わない。例えば、メダルを貸し出すための操作が行われる場合にメダルが払い出される貸出状態において、ホッパ686によって払い出され且つメダル受け皿に収容されるメダルを利用して、重量情報を取得してもよい(例えば、上述したC3に記載の遊技機の変形例)。このような構成によれば、遊技の開始時にメダルの貸出を受ける場合、メダル受け皿はメダルが収容されていない状態である。そのため、実施例16のようにメダルの誘導通路を切り換える構成を備えなくとも(すなわち1のメダル受け皿のみ備える構成でも)、メダル受け皿に払い出されたメダルの枚数を容易に検出することができる。また、少なくとも1日に1回は、メダル受け皿にメダルが収容されていない状態でのメダルが貸し出される状況が生じるので、実施例16のようにメダルの誘導通路を切り換える構成を備えなくとも、キャリブレーション処理を定期的に行うことができる。
(14)上述した実施例7~実施例17では、受止めユニット801が設けられた遊技機を例に挙げて説明したが、受止めユニット801が設けられていない遊技機であっても構わない。
(15)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
(16)本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要素がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。