JP7070305B2 - 絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置に関する。
図1Aは、発電所や工場に設置されている発電機や電動機等の回転機1の断面構成を示す。回転機1は、固定子2と回転子3とから構成され、固定子2の円柱状空間内を柱状の回転子3が回転可能に配置されている。固定子2には、固定子鉄心4内に複数の固定子スロット5が回転子3を囲うように設けられている。
この固定子スロット5は、図1Bに示すように、ウェッジ6で閉塞された固定子鉄心4の空間に固定子巻線7が設けられており、固定子巻線7の周囲がマイカをレジンで固着した絶縁層8で覆われている。また、この絶縁層8の周囲に、コロナ防止層9を設けて、部分放電(コロナ放電)の発生を抑制している。
固定子スロット5では、部分放電の発生を防止するため、絶縁層8内のエアギャップを極力少なくしているが、絶縁層8の経年劣化等によりボイド(空隙)が形成され、有害な部分放電が生じることで、絶縁破壊に進展する恐れがある。
このような回転機1における絶縁層8の絶縁劣化を診断する方法として、従来、特許文献1に示すように、オゾン濃度を測定する方法が開示されている。特許文献1では、例えば、回転機1の絶縁層8に絶縁劣化が生じて部分放電が発生すると、オゾンが生成されることに着目したものであり、オゾン濃度を測定することで、絶縁層8の絶縁劣化を診断している。
特表2012-503463号公報
しかしながら、高湿度環境下でのオゾン濃度は、低湿度環境下より低くなる特性を有するため、絶対湿度の影響を受けて、回転機1の絶縁層8で発生する部分放電の状態を正確に把握することが難しい。そのため、単にオゾン濃度を測定するだけでは回転機1における絶縁劣化を正確に診断することが難しい。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、絶対湿度の影響を低減して、回転機の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる、絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置を提供することを目的とする。
本発明の絶縁劣化診断方法は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、前記回転機における絶対湿度を測定する湿度測定工程と、前記回転機における温度を測定する温度測定工程と、前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定工程と、絶対湿度測定結果と、温度測定結果と、オゾン濃度測定結果と、を少なくとも用いて多変量解析を行い、前記回転機で測定したオゾン濃度を補正した補正値を算出する演算工程と、前記補正値を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備えるものである。
また、絶縁劣化診断方法は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときの前記回転機における前記オゾン濃度を取得する取得工程と、前記低湿度環境のオゾン濃度測定結果のみに基づいて前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備えるものである。
また、絶縁劣化診断方法は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、前記回転機における絶対湿度を測定する湿度測定工程と、絶対湿度測定結果を基に、前記回転機における絶対湿度を、湿度調整器により7g/m以下の低湿度環境に調整する湿度調整工程と、前記湿度調整工程により絶対湿度を調整した前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定工程と、前記オゾン測定工程により得られたオゾン濃度測定結果を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備えるものである。
本発明の絶縁劣化診断装置は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、前記回転機における絶対湿度を測定する湿度センサと、前記回転機における温度を測定する温度センサと、前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、絶対湿度測定結果と、温度測定結果と、オゾン濃度測定結果と、を少なくとも用いて多変量解析を行い、前記オゾン濃度を補正した補正値を算出する演算部と、を備え、前記補正値を基に前記回転機における絶縁劣化を診断するものである。
また、絶縁劣化診断装置は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときの前記オゾン濃度を取得する取得部と、を備え、前記低湿度環境のオゾン濃度測定結果のみを基に前記回転機における絶縁劣化を診断するものである。
また、絶縁劣化診断装置は、オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、前記回転機における絶対湿度を測定する湿度センサと、絶対湿度測定結果を基に、前記回転機における絶対湿度を7g/m以下の低湿度環境に調整する湿度調整器と、前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、を備え、前記湿度調整器で絶対湿度を調整した前記回転機におけるオゾン濃度測定結果を基に前記回転機における絶縁劣化を診断するものである。
本発明によれば、絶対湿度の影響を低減して、回転機の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
図1Aは回転機の断面構成を示す概略図であり、図1Bは、固定子スロットの詳細構成を示す概略図である。 過去数年分のオゾン濃度測定結果と、低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果から算出した劣化曲線とを示したグラフである。 オゾン濃度測定結果と絶対湿度測定結果とを示すグラフである。 図3に示した絶対湿度測定結果を、劣化曲線上にある絶対湿度と、劣化曲線上にない絶対湿度とにそれぞれまとめたグラフである。 第1実施形態における絶縁劣化診断装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態における絶縁劣化診断装置の構成を示すブロック図である。 マハラノビス距離を用いた解析を利用して補正値を算出する絶縁劣化診断装置の構成を示すブロック図である。 オゾン濃度測定結果を示すグラフである。 冬季オゾン実測値とマハラノビス距離との関係を示すグラフである。 オゾン濃度測定結果と補正値とを示すグラフである。 分析範囲を説明するためのグラフである。 過去数年分のオゾン濃度測定結果と、低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果から算出した劣化曲線と、補正値とを示すグラフである。 重回帰分析を利用して補正値を算出する絶縁劣化診断装置の構成を示すブロック図である。
以下図面について、本発明の一実施形態を詳述する。以下の説明において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(1)第1実施形態
<冬季におけるオゾン濃度について>
図1に示すような構造の回転機1について、オゾン濃度を測定したところ、図2に示すような結果が得られた。図2は、2013年12月17日から2017年10月10日までの期間、動作中の回転機1におけるオゾン濃度を、所定の間隔で測定した測定結果を示したものである。図2から、毎年11月~3月の時期に測定したオゾン濃度は、年毎に次第に増加してゆくものの、毎年4月~10月の時期に測定されるオゾン濃度は低下することが確認できた。
ここで、オゾン濃度は、回転機1における絶縁劣化によって生じる部分放電の発生頻度及び放電電荷量に応じて変化する。すなわち、回転機1内の絶縁層8が経年劣化によって絶縁劣化し始めると、それに伴い部分放電の発生頻度及び放電電荷量も多くなり、オゾン濃度も次第に増加してゆく。
しかしながら、図2では、例えば、2016年11月~2017年3月のオゾン濃度に比べて、2017年4月以降のオゾン濃度が大きく低下している。ここで、毎年11月~3月の間に測定したオゾン濃度は、年毎に次第に増加していることに着目し、各年毎にそれぞれ11月~3月の間に測定したオゾン濃度から劣化曲線を求めた。その結果、図2の一点鎖線で示すような結果が得られた。このオゾン濃度の劣化曲線は、下記の式(1)により示すことができる。なお、下記の式(1)では、yはオゾン濃度を示し、xは2013年11月からの日数を示す。
y=3E-50e0.0027x …(1)
図2に示すように、劣化曲線は、時間経過とともに緩やかにオゾン濃度が増加してゆくことから、回転機1内の絶縁層8が経年劣化によって絶縁劣化し始め、次第にオゾン濃度が増加してゆく傾向と一致していると仮定することができる。改めて、この劣化曲線とオゾン濃度測定結果とを比較すると、オゾン濃度測定結果が劣化曲線から大きく乖離しているときがあることが確認できた。
次に、回転機1が設置される建屋周辺の絶対湿度(建屋周辺絶対湿度とも称する)を回転機1における絶対湿度として測定したところ、図3に示すような結果が得られた。図3では、図2に示した劣化曲線からオゾン濃度測定結果が大きく乖離したときの絶対湿度の群をER1とし、劣化曲線に沿ってオゾン濃度測定結果が得られたときの絶対湿度の群をER2として着目した。そして、これら絶対湿度の群ER1,ER2についてまとめたところ、図4に示すような結果が得られた。
図4に示すように、オゾン濃度測定結果が劣化曲線から乖離したときの絶対湿度の群ER1は、絶対湿度が8g/m以上16g/m以下であった。一方、劣化曲線に沿ってオゾン濃度測定結果が得られたときの絶対湿度の群ER2では、絶対湿度が2g/m以上7g/m以下であった。
図2に示したオゾン濃度測定結果と、図4に示した絶対湿度測定結果とから、絶対湿度が2g/m以上7g/m以下の低湿度環境のときには、比較的、オゾン濃度が劣化曲線に従って測定できることが確認できた。そこで、低湿度環境のときに測定したオゾン濃度のみを利用することで、回転機1の絶縁劣化の診断を一段と正確に行えることが分かった。
なお、オゾン濃度測定値の劣化曲線からの乖離は、大気中のオゾンと水蒸気とが反応することに起因すると考えられ、絶対湿度の影響を受けるため、乖離を生じさせないためには、絶対湿度が小さい方が良いといえる。そのため、絶対湿度が0g/mである場合を含む7g/m以下の低湿度環境下で、絶縁劣化の診断を行うことが好ましい。
<第1実施形態による絶縁劣化診断装置の構成>
次に、低湿度環境のときのオゾン濃度を利用して回転機1の絶縁劣化の診断を行う絶縁劣化診断装置について説明する。図5に示すように、第1実施形態による絶縁劣化診断装置11は、例えば、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とが回転機1に設置されている。また、絶縁劣化診断装置11は、記憶部15、取得部16、診断部17及び表示部18を備えている。
オゾン測定器12は、回転機1におけるオゾン濃度を継続的に測定し、得られたオゾン濃度測定結果を記憶部15に出力する。温度センサ13は、回転機1における温度を継続的に測定し、得られた温度測定結果を記憶部15に出力する。また、湿度センサ14は、例えば、回転機1における相対湿度を測定し、温度センサ13から温度測定結果を受け取り、当該相対湿度測定結果と温度測定結果とを用いて予め規定した演算式を基に絶対湿度を算出する。これにより、湿度センサ14は、回転機1における絶対湿度を測定することができる。このようにして、回転機1における絶対湿度を継続的に測定し、得られた絶対湿度測定結果を記憶部15に出力する。
なお、本実施形態においては、回転機における絶対湿度を測定する湿度センサとして、温度センサ13の温度測定結果を利用して絶対湿度を算出する湿度センサ14を適用したが、本発明はこれに限らず、温度センサ13とは別に絶対湿度算出用の温度センサを所定位置に設け、この絶対湿度算出用の温度センサでの温度測定結果を用いて絶対湿度を算出する湿度センサであってもよい。
また、湿度センサ14としては、相対湿度を測定する測定部と、絶対湿度を算出する算出部とを一体的に設けた構成であってもよく、また、相対湿度を測定する測定部と、絶対湿度を算出する算出部とを別体に設けた構成としてもよい。測定部と算出部とを別体に設けた湿度センサ14の場合、例えば、測定部のみを回転機1内に設け、算出部を回転機1外に設けることもできる。
記憶部15は、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、これらを記憶する。このようにして記憶部15は、年単位で長期的に測定していったオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果をそれぞれ記憶してゆく。なお、この際、記憶部15は、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果に対して、それぞれ測定年月日を対応付けて記憶するようにしてもよい。
取得部16は、低湿度環境のときに測定されたオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果のみを記憶部15から読み出し、診断部17に出力する。ここで、取得部16は、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果のみを記憶部15から読み出すため、絶対湿度測定結果が7g/m以下の範囲にあるか否かを判断する。
なお、上述した実施形態においては、取得部16により絶対湿度測定結果が7g/m以下の範囲にあるか否かを判断するようにした場合について述べたが、本発明はこれにかぎらない。例えば、1年のうち絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境となるときが多い時期が予め分かっている場合には、測定年月日を基に、記憶部15から各測定結果を読み出すようにしてもよい。
この場合、例えば、回転機1が設定された建屋周辺において絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境となるときが多い時期が、1年のうち11月~3月の場合、取得部16には、記憶部15から各測定結果を読み出す測定年月日として、11月~3月が予め設定されている。
なお、湿度センサ14から得られる絶対湿度測定結果を表示部18に表示させ、作業者によって、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときであることを確認させ、取得部16により、低湿度環境になったときのオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を記憶部15から読み出してもよい。
診断部17は、取得部16で取得した、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定したオゾン濃度測定結果と、予め設定された所定の閾値とを比較して、回転機1の絶縁劣化の診断を行う。
具体的には、回転機1において絶縁劣化が進展していると判断するためのオゾン濃度の閾値が、診断部17に予め規定されている。診断部17は、取得部16で取得したオゾン濃度測定結果が、規定したオゾン濃度の閾値を超過したときに、回転機1の絶縁劣化が進展していると判断し得、その診断結果を表示部18に表示させる。
なお、表示部18は、ディスプレイ等であり、診断部17の診断結果の他、取得部16で取得した、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果や、温度測定結果、絶対湿度測定結果等を表示する。これにより、表示部18に表示された各種情報を基に、作業者により回転機1の絶縁劣化の診断を行うこともできる。
<作用及び効果>
以上の構成において、回転機1の絶縁劣化診断装置11は、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときの回転機1におけるオゾン濃度のみを取得し(取得工程)、この低湿度環境のときのオゾン濃度のみを基に回転機1における絶縁劣化を診断するようにした(診断工程)。
このように、絶縁劣化診断装置11では、オゾン濃度に基づいて回転機1の絶縁劣化を診断する際、オゾン濃度測定結果が絶対湿度の影響を受け難い傾向にある低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果のみを用いることで、絶対湿度の影響を低減でき、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、この絶縁劣化診断装置11では、回転機1におけるオゾン濃度の測定を行う際、回転機1の動作に影響を与えないため、回転機1が稼働状態のままでも回転機1の絶縁劣化を診断することができる。
(2)第2実施形態
<第2実施形態による絶縁劣化診断装置の構成>
上述したように、回転機1で測定されるオゾン濃度は、回転機1における絶対湿度に影響を受けることが確認できた。そこで、第2実施形態においては、1年を通して回転機1における絶対湿度を7g/m以下の低湿度環境に維持し、回転機1における絶対湿度を一定に保った状態でオゾン濃度を測定するようにした。これにより、1年を通して劣化曲線に沿ったオゾン濃度の測定結果が得られる低湿度環境下で、オゾン濃度を管理でき、回転機1における絶縁劣化を正確に診断できる。
ここで、図5との対応部分に同一符号を付した図6は、第2実施形態による絶縁劣化診断装置21の構成を示す。この場合、絶縁劣化診断装置21は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とが回転機1に設置されている。また、絶縁劣化診断装置21は、入力部22、記憶部15、診断部17、演算部24、湿度調整器25及び表示部18を備えている。
入力部22は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とに接続されており、オゾン測定器12、温度センサ13及び湿度センサ14から、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、これらを記憶部15に出力する。記憶部15は、これらオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を記憶する。
また、入力部22は、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を演算部24に出力するとともに、オゾン濃度測定結果を診断部17に出力する。
演算部24は、記憶部15が接続されており、記憶部15に記憶された設定絶対湿度を設定情報として受け取る。なお、記憶部15は、予め種々の設定情報を記憶しているが、キーボード等の入力手段を取り付け、作業者により設定情報を入力し得るようにして、適宜記憶するようにしても良い。
演算部24は、例えば、入力部22から取得した絶対湿度と、記憶部15から受け取った設定絶対湿度とを比較し、絶対湿度が設定絶対湿度からどの程度乖離しているを示す湿度乖離値を算出する。演算部24は、湿度乖離値を基に湿度調整器25を制御する制御信号を生成し、これを湿度調整器25に出力する。
湿度調整器25は、例えば、ドライエアーを生成して回転機1内に出力する湿度調整器や、回転機1内の空気を除湿する湿度調整器等である。湿度調整器25は、制御信号を受け取ると、例えばドライエアーを生成して、これを動作中の回転機1内に出力する。このようにして、湿度調整器25は、回転機1における絶対湿度を調整し、回転機1における絶対湿度を、1年を通して7g/m以下の低湿度環境に維持し続ける。
これにより、絶縁劣化診断装置21は、回転機1の設置環境を、1年を通して低湿度環境とし得、このような低湿度環境下で回転機1におけるオゾン濃度を測定する。表示部18は、このようにして回転機1を低湿度環境下としたときに測定したオゾン濃度の測定結果をオゾン測定器12から受け取り、オゾン濃度測定結果を表示する。これにより、作業者は、低湿度環境下でオゾン濃度を管理し得、回転機1外の温湿度の影響を受けることなく、回転機1における絶縁劣化の診断を行うことができる。
診断部17は、入力部22から取得したオゾン濃度測定結果と、予め設定された所定の閾値とを比較して、回転機の絶縁劣化の診断を行う。
具体的には、回転機1において絶縁劣化が進展していると判断するためのオゾン濃度の閾値が、診断部17に予め規定されている。診断部17は、入力部22で取得したオゾン濃度測定結果が、規定したオゾン濃度の閾値を超過したときに、回転機1の絶縁劣化が進展していると判断し得、その診断結果を表示部18に表示させる。
表示部18は、診断部17の診断結果の他、オゾン濃度測定結果や、温度測定結果、絶対湿度測定結果等を表示する。これにより、表示部18に表示された各種情報を基に、作業者により回転機1の絶縁劣化の診断を行うこともできる。
<作用及び効果>
以上の構成において、回転機1の絶縁劣化診断装置21では、回転機1における絶対湿度を測定し(絶対湿度測定工程)、絶対湿度測定結果を基に、回転機1における絶対湿度を、湿度調整器25により7g/m以下の低湿度環境に調整する(絶対湿度調整工程)。そして、絶縁劣化診断装置21では、絶対湿度調整工程により絶対湿度を調整した回転機1におけるオゾン濃度を測定するようにした(オゾン測定工程)。
このように、絶縁劣化診断装置21では、回転機1の設置環境を、1年を通してオゾン濃度測定結果が絶対湿度の影響を受け難い低湿度環境に維持するようにしたことで、オゾン濃度に基づいて回転機1の絶縁劣化を診断する際、絶対湿度の影響を低減でき、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、この絶縁劣化診断装置21では、回転機1における絶対湿度の調整やオゾン濃度の測定を行う際、回転機1の動作に影響を与えないため、回転機1が稼働状態のままでも回転機1の絶縁劣化を診断することができる。
(3)第3実施形態
次に、回転機1において測定した実測値のオゾン濃度を、多変量解析を利用して、低湿度環境下の劣化曲線に沿ったオゾン濃度に補正する、第3実施形態について以下説明する。ここで、多変量解析としては、マハラノビス距離を用いた解析や、重回帰分析等その他種々の多変量解析を適用できる。
ここでは、多変量解析として、マハラノビス距離を用いた解析によりオゾン濃度の補正値を算出する実施形態と、重回帰分析によりオゾン濃度の補正値を算出する実施形態とについて、以下順に説明する。
(3-1)マハラノビス距離を用いた解析によりオゾン濃度の補正値を算出する場合
<マハラノビス距離を用いた解析を利用した絶縁劣化診断装置の構成>
図7は、マハラノビス距離を用いて解析を行い、補正値を算出する絶縁劣化診断装置31の構成を示す。この絶縁劣化診断装置31は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とが回転機1に設置されている。また、絶縁劣化診断装置31は、入力部22、記憶部15、演算部32及び表示部18を備えている。
入力部22は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とに接続されており、オゾン測定器12、温度センサ13及び湿度センサ14から、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、これらを演算部32及び記憶部15に出力する。記憶部15は、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、これらを記憶する。なお、この際、記憶部15は、各測定結果の測定年月日を対応付けて記憶するようにしてもよい。
演算部32は、取得部33、最大オゾン濃度特定部34、マハラノビス距離算出部35、相関データ算出部36、補正値算出部37及び診断部17を備えている。ここで、演算部32は、例えば、運転開始日以降の低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を用いて、マハラノビス距離とオゾン濃度との関係を示した相関データを算出し、これを記憶部15に記憶させる。
<相関データについて>
ここで、先ずはマハラノビス距離の解析を行う際に用いる相関データについて以下説明する。この場合、取得部33は、記憶部15から運転開始日以降(固定子更新等の補修があった場合は直近の補修日以降であり、以下、補修日以降も含め、単に、運転開始日以降と称する)のオゾン濃度測定結果を読み出す。ここで、図8は、2014年3月~2017年10月までの期間に所定間隔で、回転機1におけるオゾン濃度を測定したオゾン濃度測定結果を示したものである。演算部32は、運転開始日以降のオゾン濃度測定結果を用いて、相関データを算出する。
なお、相関データの算出に用いるためのオゾン濃度測定結果(単位空間)は、運転開始日以降の全てのオゾン濃度測定結果であってもよく、また、作業者によって予め決定した年月日以降に得られたオゾン濃度測定結果のみであってもよい。
取得部33は、記憶部15に記憶されたオゾン濃度測定結果を特定し、これら記憶部15に記憶されたオゾン濃度測定結果を最大オゾン濃度特定部34に出力する。最大オゾン濃度特定部34は、記憶部15に記憶された運転開始日以降のオゾン濃度測定結果の中から最大オゾン濃度(すなわち、ピークとなっているオゾン濃度測定結果)を検出し、これを過去の最大オゾン濃度としてマハラノビス距離算出部35に出力する。このようにして特定される最大オゾン濃度は、運転開始日以降に得られた過去のオゾン濃度測定結果の中で、最も大きいオゾン濃度であり、図8の場合、2017年3月のオゾン濃度測定結果となる。
取得部33は、運転開始日以降に得られた絶対湿度測定結果を基に、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定されたオゾン濃度測定結果と、温度測定結果と、絶対湿度測定結果とを特定し、これら特定した低湿度環境時におけるオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果をマハラノビス距離算出部35に出力する。
なお、この第3実施形態においては、取得部33により絶対湿度測定結果が7g/m以下の範囲にあるか否かを判断して、低湿度環境のときに測定されたオゾン濃度測定結果と、温度測定結果と、絶対湿度測定結果とを読み出すようにした場合について述べたが、本発明はこれにかぎらない。例えば、1年のうち絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境となるときが多い時期が予め分かっている場合には、測定年月日を基に、記憶部15から各測定結果を読み出すようにしてもよい。
本実施形態では、図8に示すように、例えば、(i)2015年11月~2016年3月の低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果と、(ii)2016年11月~2017年3月の低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果と、を単位空間内のオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果として取得部33で特定し、これらをマハラノビス距離算出部35に出力している。
マハラノビス距離算出部35は、最大オゾン濃度特定部34から受け取った、過去の最大オゾン濃度と、取得部33から受け取った、運転開始日以降の低湿度環境時のオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果と、を説明変数として用い、マハラノビス距離を算出する(マハラノビス距離算出工程)。
ここで、マハラノビス距離は、統計学で用いられる一種の距離である。より具体的に説明すると、ここでのマハラノビス距離は、低湿度環境のときの既知のオゾン濃度測定結果と、新規のオゾン濃度測定結果との類似度を、多変数の相関に基づいて距離として示すものである。マハラノビス距離については、例えば、「マハラノビスの距離 入門/-MTS法を理解するために-」(インターネットURL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/qes/9/1/9_13/_pdf)等にも示されているように周知事項であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
マハラノビス距離算出部35は、単位空間内の各オゾン濃度測定結果毎に、それぞれ過去の最大オゾン濃度とオゾン濃度測定結果と温度測定結果と絶対湿度測定結果とを説明変数としてマハラノビス距離を算出すると、低湿度環境時のオゾン濃度測定結果と、低湿度環境時の各オゾン濃度測定結果毎に算出したマハラノビス距離とを、相関データ算出部36に送出する。
相関データ算出部36は、例えば、図9に示すように、低湿度環境時のオゾン濃度測定結果(図中、冬季オゾン実測値と表記)と、マハラノビス距離と、の関係を示した相関データを生成する。なお、図9では、横軸をマハラノビス距離とし、縦軸を低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果として、低湿度環境のときに得られた各オゾン濃度測定結果毎にデータをプロットした結果を示す。なお、図9では、比較的、冬季に低湿度環境となることから、縦軸を冬季オゾン実測値としている。
図9に示すように、マハラノビス距離と、低湿度環境時のオゾン濃度測定結果とには正の相関があることが確認できる。この場合、相関データ算出部36は、低湿度環境時のオゾン濃度測定結果とマハラノビス距離とにより規定されたデータ群から直線近似線を算出し、この直線近似線を相関データとして補正値算出部37に出力する。補正値算出部37は、相関データ算出部36から相関データを受け取ると、これを記憶する。
なお、図9では、直線近似線として、y=1.5646x+1.6889で示す直線近似線が算出された例を示す。ここでのyは低湿度環境時のオゾン濃度測定結果(冬季オゾン実測値)を示し、xはマハラノビス距離を示す。
<相関データを利用した補正値の算出について>
図2、図3及び図4に示したように、オゾン濃度は、回転機1における絶対湿度の影響を受けており、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定されるオゾン濃度は、劣化曲線に従って測定されるが、絶対湿度が8g/m以上16g/m以下のときに測定されるオゾン濃度は、低湿度環境のときのオゾン濃度に比べて大きく低下した値となることが確認されている。
そこで、本発明の絶縁劣化診断装置31では、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定したオゾン濃度測定結果や、そのときの温度測定結果及び絶対湿度測定結果を用いて算出した相関データを基に、1年を通して絶対湿度の影響を考慮したオゾン濃度に補正するようにしている。
特に、オゾン濃度が低下して劣化曲線から大きく乖離してしまう傾向にある、絶対湿度が8g/m以上16g/m以下の高湿度環境のときのオゾン濃度測定結果を、上述した相関データを利用して補正することで、低湿度環境のときのように劣化曲線に沿うようなオゾン濃度に補正することができる。
相関データを利用してオゾン濃度を補正した補正値を算出する場合、マハラノビス距離算出部35は、入力部22又は記憶部15から、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取る。
マハラノビス距離算出部35は、相関データを算出する際に用いた最大オゾン濃度を最大オゾン濃度特定部34から受け取る。マハラノビス距離算出部35は、最大オゾン濃度特定部34から受け取った最大オゾン濃度と、入力部22又は記憶部15から受け取った、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果と、を説明変数として、マハラノビス距離を算出する。
マハラノビス距離算出部35は、マハラノビス距離を算出すると、これを補正値算出部37に出力する。補正値算出部37は、マハラノビス距離算出部35からマハラノビス距離を受け取ると、予め記憶している相関データから、このマハラノビス距離に対応したオゾン濃度を補正値として算出する(補正値算出工程)。
このようにして、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果等から算出した相関データを利用して、オゾン濃度測定結果を補正した補正値を算出してゆく。
ここで、図10は、図8に示したオゾン濃度の実測値と、上述した相関データを基にオゾン濃度測定結果に対して補正を行った補正値とを示したグラフである。図10に示すように、絶対湿度が8g/m以上16g/m以下のときに低下してしまう傾向にあるオゾン濃度測定結果(実測値)が、補正を行うことでオゾン濃度が増加し、絶対湿度の影響を考慮したデータとなることが分かる。
なお、補正値算出部37は、算出した補正値を表示部18に出力し、例えば、時系列に並ぶ補正値を表示部18に表示させるようにしてもよい。また、表示部18は、補正前のオゾン濃度測定結果をオゾン測定器12から受け取り、表示させることで、補正値と、実測値である補正前のオゾン濃度測定結果とを対比させて作業者に確認させることができる。これにより、作業者は、絶対湿度の影響が少ない補正値を確認できることから、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、補正値算出部37は、算出した補正値を診断部17に出力する。これにより、診断部17は、例えば、補正値算出部37により算出したオゾン濃度の補正値と、予め設定された所定の閾値とを比較することで、回転機1の絶縁劣化の診断を自動的に行うことができる。
この場合、診断部17は、補正値算出部37により算出した補正値が、予め設定された所定の閾値を超過したときに、例えば、回転機1の絶縁劣化が進展していると判断できる。診断部17は、得られた診断結果を表示部18に出力し、表示部18に診断結果を表示させることで、作業者に対して回転機1の絶縁劣化の診断結果を提示できる。
<作用及び効果>
以上の構成において、回転機1の絶縁劣化診断装置31では、回転機1における絶対湿度を測定し(湿度測定工程)、回転機1における温度を測定する(温度測定工程)。また、絶縁劣化診断装置31では、回転機1におけるオゾン濃度を測定する(オゾン測定工程)。
そして、絶縁劣化診断装置31では、低湿度環境のときに得られた絶対湿度測定結果と、低湿度環境のときに得られた温度測定結果と、低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果とを少なくとも用いて、マハラノビス距離を用いた解析を行い、回転機1にて測定したオゾン濃度を補正した補正値を算出する(演算工程)。
絶縁劣化診断装置31では、絶対湿度の違いによるオゾン濃度測定結果の変化を低減させた補正値を算出し得、この補正値を基に回転機1における絶縁劣化を診断する(診断工程)。
これにより、絶縁劣化診断装置31では、オゾン濃度に基づいて回転機1の絶縁劣化を診断する際、補正値を用いることで、絶対湿度の影響を低減でき、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、この絶縁劣化診断装置31では、回転機1におけるオゾン濃度や温度、絶対湿度の測定を行う際、回転機1の動作に影響を与えないため、回転機1が稼働状態のままでも回転機1の絶縁劣化を診断することができる。
(3-2)重回帰分析を利用してオゾン濃度の補正値を算出する場合
<重回帰分析を利用したオゾン濃度の補正について>
次に、多変量解析として重回帰分析を行い、オゾン濃度の補正値を算出して、回転機1の絶縁劣化の診断を行う実施形態について以下説明する。ここで、図11は、2013年12月から2017年10月までの期間、所定間隔で回転機1のオゾン濃度を測定したオゾン濃度測定結果を示す。図11中の曲線は、低湿度環境のときのオゾン濃度測定結果のみを用いて求めた劣化曲線を示す。
図11に示す劣化曲線は、2013年12月以降、絶対湿度が7g/m以下となる低湿度環境のときに測定したオゾン濃度から求めたものであり、上述した式(1)(すなわち、y=3E-50e0.0027x)で示す劣化曲線である。なお、この式(1)でのyはオゾン濃度を示し、xは2013年11月からの日数を示す。
ここで、図11に示すオゾン濃度測定結果のうち、劣化曲線の値が3ppm以上となる領域を分析範囲ER3として、分析範囲ER3内のオゾン濃度測定結果を用いて、重回帰分析を行った。
そして、重回帰分析により、分析範囲ER3についてオゾン濃度の推定相対誤差を算出した。具体的には、推定相対誤差は、回転機1のオゾン濃度を測定したときの、回転機1における温度及び絶対湿度を説明変数とし、下記の式(2)に示す重回帰式より算出することができる。
オゾン濃度の推定相対誤差=a-(温度・b)-(絶対湿度・c) …(2)
ここで、上記の式(2)のうち、aは定数項を示し、bは、オゾン濃度に対する温度の偏回帰係数を示し、cは、オゾン濃度に対する絶対湿度の偏回帰係数を示す。
これら定数項a、偏回帰係数b,cは、分析範囲ER3内におけるオゾン濃度測定結果と、そのときの回転機1における温度と、回転機1における絶対湿度とを用い、相対誤差の実測値と、推定相対誤差との誤差が少なくなるような定数項a、偏回帰係数b,cの組み合わせを最小二乗法で計算することにより求めることができる。
なお、相対誤差の実測値は、低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果から算出した劣化曲線の値を真値と仮定し、下記の式(3)から求めることができる。
相対誤差の実測値=(オゾン濃度の実測値-劣化曲線の値)/劣化曲線の値 …(3)
なお、この定数項a、偏回帰係数b,cの求め方については、インターネット「重相関と重回帰」(インターネットURL:http://www.kogures.com/hitoshi/webtext/stat-kaiki-soukan2/index.html)等にも示されているように周知事項であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態では、図12において3ppm基準の分析範囲ER3内には29個のデータがあり、29個のオゾン濃度測定結果と、各オゾン濃度の測定時に測定した温度測定結果及び絶対湿度測定結果を用いて、最小二乗法により定数項a、偏回帰係数b,cを求めた。その結果、定数項aは0.619、偏回帰係数bは-0.020、偏回帰係数cは-0.065となった。
ここで、推定相対誤差を利用してオゾン濃度測定結果を補正した補正値は、下記の式(4)より求めることができる。
補正値=(オゾン濃度の実測値)/(1+推定相対誤差)
=(オゾン濃度の実測値)/{1+(a-(温度・b)-(絶対湿度・c))}
…(4)
3ppm基準の分析範囲ER3内のデータから算出した推定相対誤差を用い、上記の式(4)から補正値を算出したところ、図12において△で示すような結果が得られた。
補正値を用いることで、実測値であるオゾン濃度測定結果に比べて、全体的に劣化曲線との乖離が小さくなり、比較的、劣化曲線に沿った値となることが確認できた。特に、絶対湿度が8g/m以上16g/m以下のときに低下してしまう傾向にあるオゾン濃度測定結果を、重回帰分析を利用して補正することで、劣化曲線との乖離が小さくなり、1年を通して回転機1における絶縁劣化を、劣化曲線に沿って正確に診断できることが確認できた。
<重回帰分析を利用した絶縁劣化診断装置の構成>
次に、多変量解析として重回帰分析を行い、オゾン濃度の補正値を算出する絶縁劣化診断装置について以下説明する。図13は、重回帰分析を利用して補正値を算出する絶縁劣化診断装置41の構成を示す。この絶縁劣化診断装置41は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とが回転機1に設置されている。また、絶縁劣化診断装置41は、入力部22、記憶部15、演算部42及び表示部18を備えている。
入力部22は、オゾン測定器12と温度センサ13と湿度センサ14とに接続されており、オゾン測定器12、温度センサ13及び湿度センサ14から、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、これらを演算部42及び記憶部15に出力する。記憶部15は、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を受け取ると、それぞれ測定年月日を対応付けて記憶する。
演算部42は、取得部43、重回帰分析部44、補正値算出部45及び診断部17を備えている。ここで、演算部42は、例えば、運転開始日以降(固定子更新等の補修があった場合は直近の補修日以降)のオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を用いて、上記の式(2)で示した重回帰式の定数項a、偏回帰係数b,cを算出する。
この場合、取得部43は、例えば、重回帰式の定数項a及び偏回帰係数b,cを算出する分析範囲ER3が予め設定されており、分析範囲ER3内に含まれる、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果の全てを記憶部15から読み出す。
取得部43は、記憶部15から読み出した分析範囲ER3内の、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を重回帰分析部44に出力する。重回帰分析部44は、得られた、オゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を用いて、例えば、相対誤差の実測値と、推定相対誤差との誤差が少なくなるような定数項a、偏回帰係数b,cの組み合わせを最小二乗法で計算する。
なお、この際、重回帰分析部44は、1年のうち絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定したオゾン濃度測定結果から劣化曲線を算出し、この劣化曲線の値を真値と仮定して、上記の式(3)から相対誤差の実測値を算出する。
重回帰分析部44は、定数項a、偏回帰係数b,cを算出すると、これら定数項a、偏回帰係数b,cの数値情報を補正値算出部45に出力し、補正値算出部45にて定数項a、偏回帰係数b,cを記憶させる。ここで、補正値算出部45は、上記の式(4)を予め記憶しており、上記の式(4)中の定数項a、偏回帰係数b,cの値を、重回帰分析部44から受け取った定数項a、偏回帰係数b,cの値とする。
補正値算出部45は、定数項a、偏回帰係数b,cの値を特定した上記の式(4)を利用することで、実測値であるオゾン濃度測定結果を補正した補正値を算出することができる。この場合、補正値算出部45は、例えば、過去のオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を記憶部15から受け取ったり、或いは、新たに得られたオゾン濃度測定結果、温度測定結果及び絶対湿度測定結果を入力部22から受け取ったりし、上記の式(4)に基づいて、図12に示すような補正値を算出することができる。
このようして得られた補正値は、実測値であるオゾン濃度測定結果に比して、絶対湿度の影響を考慮したデータとなる。
なお、補正値算出部45は、補正値を表示部18に出力し、例えば、時系列に並ぶ補正値を表示部18に表示させるようにしてもよい。また、表示部18は、補正前のオゾン濃度測定結果をオゾン測定器12から受け取り、表示させることで、補正値と、実測値である補正前のオゾン濃度測定結果とを対比させて作業者に確認させることができる。これにより、作業者は、従来よりも劣化曲線に沿った補正値を確認できることから、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、補正値算出部45は、算出した補正値を診断部17に出力する。これにより、診断部17は、例えば、補正値算出部45により算出したオゾン濃度測定結果の補正値と、予め設定された所定の閾値とを比較し、回転機1の絶縁劣化の診断を自動的に行うことができる。
この場合、診断部17は、補正値算出部45により算出したオゾン濃度測定結果の補正値が、予め設定された所定の閾値を超過したときに、例えば、回転機1の絶縁劣化が進展していると判断できる。診断部17は、得られた診断結果を表示部18に出力し、表示部18に診断結果を表示させることで、作業者に対して回転機1の絶縁劣化の診断結果を提示できる。
<作用及び効果>
以上の構成において、回転機1の絶縁劣化診断装置41では、回転機1における絶対湿度を測定し(湿度測定工程)、回転機1における温度を測定する(温度測定工程)。また、絶縁劣化診断装置41では、回転機1におけるオゾン濃度を測定する(オゾン測定工程)。
そして、絶縁劣化診断装置41では、低湿度環境のときに得られた絶対湿度測定結果と、低湿度環境のときに得られた温度測定結果と、低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果とを少なくとも用いて、重回帰分析を行い、回転機1にて測定したオゾン濃度を補正した補正値を算出する(演算工程)。なお、低湿度環境のときに得られたオゾン濃度測定結果は、重回帰分析の際に、オゾン濃度の真値と仮定する劣化曲線を算出する際に用いる。
絶縁劣化診断装置41では、絶対湿度の違いによるオゾン濃度測定結果の変化を低減させた補正値を算出し得、この補正値を基に回転機1における絶縁劣化を診断する(診断工程)。
これにより、絶縁劣化診断装置41では、オゾン濃度に基づいて回転機1の絶縁劣化を診断する際、補正値を用いることで、絶対湿度の影響を低減でき、その分、回転機1の絶縁劣化の診断を従来よりも正確に行うことができる。
また、この絶縁劣化診断装置41では、回転機1におけるオゾン濃度や温度、絶対湿度の測定を行う際、回転機1の動作に影響を与えないため、回転機1が稼働状態のままでも回転機1の絶縁劣化を診断することができる。
(4)他の実施形態
なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。上述した第1~第3実施形態においては、例えば、回転機1における温度として、回転機1内に温度センサ13を設けて回転機1の温度を測定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、回転機1の筐体外部や、回転機1が設置された建屋内、回転機1が設置された建屋外に温度センサを設け、当該温度センサにより測定された温度を、回転機1における温度としてもよい。
また、上述した第1~第3実施形態においては、回転機における絶対湿度として、回転機1内に湿度センサ14を設けて絶対湿度を測定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、回転機1の筐体外部や、回転機1が設置された建屋内、回転機1が設置された建屋外に湿度センサを設け、当該湿度センサにより測定された絶対湿度を、回転機1における絶対湿度としてもよい。
また、上述した第1~第3実施形態においては、発電用の回転機1について絶縁劣化を診断する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、モータ等、その他種々の回転機について絶縁劣化を診断してもよい。
また、上述した第1~第3実施形態においては、診断部17によって、オゾン濃度測定結果や補正値を基に、回転機1の絶縁劣化を自動的に診断するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、オゾン濃度測定結果や補正値を作業者に対して単に提示し、オゾン濃度測定結果や補正値に基づいて作業者自身が回転機1の絶縁劣化を診断するようにしてもよい。
また、上述した第1~第3実施形態においては、絶対湿度が7g/m以下である場合を低湿度環境として説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、絶対湿度が2g/m以上7g/m以下である場合を、低湿度環境としてもよい。図4では、絶対湿度の群ER2における絶対湿度が2g/m以上7g/m以下であった。よって、第1~第3実施形態において単に「7g/m以下」と規定した低湿度環境を、それぞれ絶対湿度が「2g/m以上7g/m以下」と規定することで、現実的な湿度環境での測定を行うこととなり、より高精度な測定が可能となる。
また、上述した第3実施形態においては、取得部33によって、絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときに測定されたオゾン濃度測定結果と、そのときの温度測定結果及び絶対湿度測定結果とを用いて、マハラノビス距離を算出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、低湿度環境に限定せずに、得られた全てのオゾン濃度測定結果と、温度測定結果と、絶対湿度測定結果とを用いて、マハラノビス距離を算出するようにしてもよい。
なお、上述した第3実施形態においては、劣化曲線の値が3ppm以上となる領域を分析範囲ER3として、分析範囲ER3内のオゾン濃度測定結果を用いて、重回帰分析を行った場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、劣化曲線の値が4ppm以上や5ppm以上となる領域等を分析範囲ER3として、分析範囲ER3内のオゾン濃度測定結果を用いて、重回帰分析を行うようにしもてよい。
1,21,31,41 絶縁劣化診断装置
12 オゾン測定器
13 温度センサ
14 湿度センサ
24,32,42 演算部
17 診断部

Claims (8)

  1. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、
    前記回転機における絶対湿度を測定する湿度測定工程と、
    前記回転機における温度を測定する温度測定工程と、
    前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定工程と、
    絶対湿度測定結果と、温度測定結果と、オゾン濃度測定結果と、を少なくとも用いて多変量解析を行い、前記回転機で測定したオゾン濃度を補正した補正値を算出する演算工程と、
    前記補正値を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備える、絶縁劣化診断方法。
  2. 前記演算工程は、
    前記絶対湿度測定結果と、前記温度測定結果と、前記オゾン濃度測定結果と、過去の最大オゾン濃度と、を少なくとも説明変数として用いてマハラノビス距離を算出するマハラノビス距離算出工程と、
    前記多変量解析として、前記マハラノビス距離を用いた解析を行い、前記補正値を算出する補正値算出工程と、を備える、請求項1に記載の絶縁劣化診断方法。
  3. 前記演算工程は、
    前記絶対湿度測定結果と、前記温度測定結果とを少なくとも説明変数とし、所定の前記オゾン濃度測定結果から算出した劣化曲線の値を真値と仮定して用い、前記多変量解析として重回帰分析を行い、前記補正値を算出する、請求項1に記載の絶縁劣化診断方法。
  4. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、
    絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときの前記回転機における前記オゾン濃度を取得する取得工程と、
    前記低湿度環境のオゾン濃度測定結果のみに基づいて前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備える、絶縁劣化診断方法。
  5. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断方法において、
    前記回転機における絶対湿度を測定する湿度測定工程と、
    絶対湿度測定結果を基に、前記回転機における絶対湿度を、湿度調整器により7g/m以下の低湿度環境に調整する湿度調整工程と、
    前記湿度調整工程により絶対湿度を調整した前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定工程と、
    前記オゾン測定工程により得られたオゾン濃度測定結果を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する診断工程と、を備える、絶縁劣化診断方法。
  6. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、
    前記回転機における絶対湿度を測定する湿度センサと、
    前記回転機における温度を測定する温度センサと、
    前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、
    絶対湿度測定結果と、温度測定結果と、オゾン濃度測定結果と、を少なくとも用いて多変量解析を行い、前記オゾン濃度を補正した補正値を算出する演算部と、を備え、
    前記補正値を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する、絶縁劣化診断装置。
  7. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、
    前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、
    絶対湿度が7g/m以下の低湿度環境のときの前記オゾン濃度を取得する取得部と、を備え、
    前記低湿度環境のオゾン濃度測定結果のみを基に前記回転機における絶縁劣化を診断する、絶縁劣化診断装置。
  8. オゾン濃度を基に回転機における絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断装置において、
    前記回転機における絶対湿度を測定する湿度センサと、
    絶対湿度測定結果を基に、前記回転機における絶対湿度を7g/m以下の低湿度環境に調整する湿度調整器と、
    前記回転機におけるオゾン濃度を測定するオゾン測定器と、を備え、
    前記湿度調整器で絶対湿度を調整した前記回転機におけるオゾン濃度測定結果を基に前記回転機における絶縁劣化を診断する、絶縁劣化診断装置。
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