<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の斜視図、図2はパチンコ機10の主要な構成を分解して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PA内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12と、を有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機本体12は図2に示すように、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15と、を備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域PAが樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
図2に示すように、上記構成の遊技盤24が樹脂ベース21に取り付けられてなる内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域PAのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル52を通じて遊技領域PAを視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
ここで、遊技盤24の構成を図3に基づいて説明する。図3は遊技盤24の正面図である。図3に示すように、遊技盤24には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第1スルーゲート35、第2スルーゲート39、可変表示ユニット36、特図ユニット37及び普図ユニット38等がそれぞれ設けられている。一般入賞口31は合計で4個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。図柄表示装置41は、演出を表示する表示面41aを備えており、当該表示面41aをパチンコ機10の前方から視認可能とするために遊技盤24に設けられている開口部24cに配置されている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム57が配設されている。このセンターフレーム57は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示面41aの前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球B1の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
また、図3に示すように、センターフレーム57は、開口部24cの上縁及び左右の側縁を規定するように設けられた屋根ユニット58を備えている。遊技盤24はセンターフレーム57の左側と右側との両方に遊技領域PAを備えている。
遊技盤24には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部25と外レール部26とが取り付けられており、これら内レール部25と外レール部26とにより遊技球B1を誘導する誘導レールが構成されている。樹脂ベース21において窓孔23の下方に取り付けられた遊技球発射機構27(図2参照)から発射された遊技球B1は誘導レールにより遊技領域PAの上部に案内されるようになっている。
ここで、図2に示すように、遊技球発射機構27は、誘導レールに向けて延びる発射レール27aと、後述する上皿55aに貯留されている遊技球B1を発射レール27a上に供給する球送り装置27bと、発射レール27a上に供給された遊技球B1を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド27cと、を備えている。前扉枠14に設けられた発射操作装置(又は操作ハンドル)28が回動操作されることによりソレノイド27cが駆動制御され、遊技球B1が発射される。遊技者は当該回動操作における回動量を調整することにより、センターフレーム57の左側の遊技領域PAを狙って遊技球B1を発射することができるとともにセンターフレーム57の右側の遊技領域PAを狙って遊技球B1を発射することができる。
図3に示すように、第1スルーゲート35及び第2スルーゲート39への入球が発生したとしても遊技球B1の払い出しは実行されない。一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球が発生すると、所定数の遊技球B1の払い出しが実行される。当該賞球個数について具体的には、第1作動口33への1個の遊技球B1の入球が発生した場合又は第2作動口34への1個の遊技球B1の入球が発生した場合には、1個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への1個の遊技球B1の入球が発生した場合には、10個の賞球の払い出しが実行され、特電入賞装置32への1個の遊技球B1の入球が発生した場合には、15個の賞球の払い出しが実行される。
なお、上記賞球個数は任意であり、例えば、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が少ない構成としてもよく、第2作動口34の方が第1作動口33よりも賞球個数が多い構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口24aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球B1はアウト口24aを通って遊技領域PAから排出される。また、遊技盤24には、遊技球B1の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘24bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは所定の開口部を遊技球B1が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域PAから排出されることなく遊技領域PAの流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口24aへの遊技球B1の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第1スルーゲート35、及び第2スルーゲート39への遊技球B1の入球を、入賞とも表現する。
図3に示すように、第1作動口33及び第2作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。第1作動口33及び第2作動口34は共に上向きに開放されている。また、第1作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。第2作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての普電役物34aが設けられている。普電役物34aの閉鎖状態では遊技球B1が第2作動口34に入賞できず、普電役物34aが開放状態となることで第2作動口34への入賞が可能となる。
図3に示すように、センターフレーム57よりも左側の遊技領域PAにおいて、第2作動口34よりも遊技球B1の流下方向の上流側には、第1スルーゲート35が設けられている。第1スルーゲート35は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、第1スルーゲート35に入賞した遊技球B1は入賞後に遊技領域PAを流下する。このため、第1スルーゲート35に入賞した遊技球B1は、第1作動口33及び第2作動口34が設けられている領域に到達して、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞することが可能である。
また、図3に示すように、センターフレーム57よりも右側の遊技領域PAにおいて、第2作動口34よりも遊技球B1の流下方向の上流側には、第2スルーゲート39が設けられている。第2スルーゲート39は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、第2スルーゲート39に入賞した遊技球B1は入賞後に遊技領域PAを流下する。このため、第2スルーゲート39に入賞した遊技球B1は、第1作動口33及び第2作動口34が設けられている領域に到達して、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞することが可能である。
スルーゲート35,39への入賞に基づき第2作動口34の普電役物34aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。具体的には、スルーゲート35,39への入賞をトリガとして抽選である普電開放抽選が行われるとともに、遊技領域PAにおいて遊技球B1が通過しない領域である左下の隅部に設けられた普図ユニット38の普図表示部38aにて絵柄の変動表示が行われる。そして、普電開放抽選の結果が普電開放当選であり当該結果に対応した停止結果が表示されて普図表示部38aの変動表示が終了された場合に普電開放状態へ移行する。普電開放状態では、普電役物34aが所定の態様で開放状態となる。
本実施形態のパチンコ機10では、スルーゲート35,39に入賞した場合に普電役物34aが断続的に開放状態となることで第2作動口34への入賞がサポートされる低頻度サポートモードと、当該低頻度サポートモードよりも遊技球B1を第2作動口34に入賞し易くする態様で普電役物34aが開放状態となる高頻度サポートモードとが設定されている。
本パチンコ機10では、高頻度サポートモードへの移行が行われていない低頻度サポートモードにおいて、遊技者に第1スルーゲート35が設けられている左側の遊技領域PAを狙わせる態様で演出などが行われる。そして、高頻度サポートモードに移行した場合には、遊技者に第2スルーゲート39が設けられている右側の遊技領域PAを狙わせる態様の演出などが行われる。低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードの詳細は後述する。
なお、普図表示部38aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、普図表示部38aにて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図ユニット38において、普図表示部38aに隣接した位置には、普図保留表示部38bが設けられている。遊技球B1がスルーゲート35,39に入賞した個数は最大4個まで保留され、普図保留表示部38bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われる。そして、当該抽選結果は特図ユニット37及び可変表示ユニット36の図柄表示装置41における表示演出を通じて明示される。
特図ユニット37について詳細には、特図ユニット37には特図表示部37aが設けられている。特図表示部37aの表示領域は図柄表示装置41の表示面41aよりも狭い。特図表示部37aでは、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞をトリガとして当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる。そして、抽選結果に対応した結果が表示される。なお、特図表示部37aは、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部37aにて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
特図ユニット37において、特図表示部37aに隣接した位置には、特図保留表示部37bが設けられている。遊技球B1が第1作動口33又は第2作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、特図保留表示部37bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41について詳細には、図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づき特図表示部37aにて絵柄の変動表示又は所定の表示が行われる場合にそれに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示が行われる。例えば、図柄表示装置41の表示面41aには、複数の表示領域として上段・中段・下段の3つの図柄列が設定され、各図柄列において「1」~「9」の数字が付された主図柄が昇順又は降順で配列された状態でスクロール表示される。このスクロール表示においては、最初に全図柄列におけるスクロール表示が開始され、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順にスクロール表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で終了される。そして、例えば、遊技結果が大当たり結果となる遊技回では、図柄表示装置41の表示面41aにおいて予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
なお、図柄表示装置41では、第1作動口33又は第2作動口34への入賞をトリガとした表示演出だけでなく、当たり当選となった後に移行する開閉実行モード中の表示演出などが行われる。また、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、特図表示部37a及び図柄表示装置41にて表示が開始され、所定の結果を表示して終了されるまでが遊技回の1回に相当する。また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
第1作動口33への入賞又は第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて大当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。特電入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、開閉扉32aは、通常は遊技球B1が入賞できない閉鎖状態になっており、抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球B1が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、当たり結果となった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
図3に示すように、第1スルーゲート35の上方には、第1スルーゲート35に向けて遊技球B1が供給されるタイミングを調整する調整機構180が設けられている。調整機構180は、下方の第1スルーゲート35に向けて遊技球B1を排出することにより、第1スルーゲート35に遊技球B1を供給するものである。調整機構180と第1スルーゲート35との間隔は、調整機構180から排出された遊技球B1が遊技球B1の直径以上の距離を流下した後に第1スルーゲート35に到達する間隔となっている。調整機構180について以下に説明する。
図4は第1スルーゲート35及び第1スルーゲート35の上方の構成を拡大して示す遊技盤24の正面図である。図4に示すように、調整機構180は、調整機構180の上部にて遊技球B1を取り込み、調整機構180の下部まで搬送する回転体183と、回転体183を時計回りに回転させる調整用駆動部184と、回転体183を収容し、回転に伴う遠心力によって回転体183に取り込まれている遊技球B1が排出位置の手前で放り出されることを阻止する収容部181と、を備えている。
図4に示すように、回転体183は、調整機構180の中央に設けられている。回転体183は、後方へ向けて縮径している略円盤状の透明な樹脂製部材に対して、遊技球B1を取り込むことが可能な4個の凹み部183b~183eを設けることにより形成されている。図5(a)は回転体183の正面図及び右側面図であり、図5(b)は回転体183の正面図及び平面図である。図5(a)に示すように、回転体183の凹み部183b~183eは、回転体183の外縁部分から軸線側に凹ませるようにして形成されている。凹み部183b~183eは、その中心が周方向に等間隔で存在するようにして、回転方向において第1凹み部183b→第2凹み部183c→第3凹み部183d→第4凹み部183eの順番となるように形成されている。
図5(a)に示すように、各凹み部183b~183eはいずれも回転体183の軸線の位置までは到達しておらず、相互に不連続となっている。各凹み部183b~183eは1つの遊技球B1の全体が入り込むことが可能な形状及びサイズを有している。各凹み部183b~183eにおいて、回転体183の外縁付近の内壁は、凹み部183b~183eが外縁に向けて幅広となる傾斜を有しており、外縁付近における各凹み部183b~183eの幅は遊技球B1の直径より広く設定されている。
図5(a)に示すように、回転体183は、第4凹み部183eと第1凹み部183bとで挟まれている第1羽根部188と、第1凹み部183bと第2凹み部183cとで挟まれている第2羽根部189と、第2凹み部183cと第3凹み部183dとで挟まれる第3羽根部190と、第3凹み部183dと第4凹み部183eとで挟まれる第4羽根部191と、を備えている。
図4に示すように、調整機構180において、回転体183を収容する収容部181は、回転体183の各凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1が搬送途中に遊技盤24の前面よりも後方に移動することを防ぐベース体181aを備えている。ベース体181aは、ベース体181aの外周から半径方向に突出させて形成されている固定用フランジ181bを備えている。
図6は遊技盤24の前面に垂直な平面で取込口185の真上を切断した場合における窓パネル52及び遊技盤24の横断面図である。収容部181の構成について説明するために、図6では回転体183を取り除いた状態を示す。図6に示すように、遊技盤24の前面には、ベース体181a及び固定用フランジ181bを収容可能な固定用凹み部24dが形成されている。図4に示すように、収容部181は、ベース体181a及び固定用フランジ181bが固定用凹み部24d(図6)に収容された状態において、固定用フランジ181bをネジ留めすることにより遊技盤24に固定されている。ベース体181aは、回転体183の後方に位置しており、ベース体181aの前面は遊技盤24の前面と同一平面上に存在している。
図4に示すように、ベース体181aの前方には回転体183を収容するための収容空間が形成されており、回転体183は当該収容空間に収容されている。回転体183の後方には調整用駆動部184が配置されている。調整用駆動部184は、当該調整用駆動部184の前面から前方に向けて、遊技盤24の前面と直交する態様で延びている出力軸184aを備えている。回転体183は、当該回転体183の軸線が調整用駆動部184の出力軸184aと同一直線上に位置するようにして、出力軸184aに連結されている。
調整用駆動部184は後述するMPU62(図12参照)の出力ポートに接続されている。駆動信号が供給されて当該調整用駆動部184が駆動状態となることにより、回転体183は1sec間に90°の角速度で時計回りに回転する。調整用駆動部184としてステッピングモータが用いられており、具体的には1相励磁と2相励磁とを交互に行う1-2相励磁駆動が採用されている。なお、相励磁の方式はこれに限定されることはなく、他の相励磁の方式を採用してもよい。調整用駆動部184は主制御装置60から励磁信号が500パルス分送信されることにより出力軸が1周する構成であり、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は0.72°である。
図4に示すように、収容部181は、収容空間を区画するための起立壁181c,181dを備えている。収容空間は、起立壁181c,181dにより、回転体183よりもひと回り大きく区画されている。回転体183の中心から収容部181の起立壁181c,181dまでの距離は、回転体183の中心から各羽根部188~191の周面188a~191aまでの距離よりも長く、当該2つの距離の差は遊技球B1の半径よりも短い。このため、各羽根部188~191の周面188a~191aと起立壁181c,181dとの間に遊技球B1が入り込む可能性は排除されている。
起立壁181c,181dは、ベース体181aの前面から前方に向けて突出する態様で、ベース体181aの周方向に間隔を置いて複数形成されている。当該複数の起立壁181c,181dのうち、左側に存在している左側起立壁181cと右側に存在している右側起立壁181dとが横方向に離間されていることで、収容部181の上部に取込口185が存在している。
図4に示すように、取込口185の形状及びサイズは、1個の遊技球B1が当該取込口185を通過することが可能であるとともに、複数個の遊技球B1が同時に当該取込口185を通過することが不可能であるように設定されている。このため、調整機構180は取込口185から遊技球B1を1つずつ取り込むことができる。
左側起立壁181cは、取込口185の左上方から流下して来る遊技球B1が調整機構180の内部に進入することを阻止する。このため、左方に向かって開いている凹み部183b~183eに遊技球B1が取り込まれ、当該遊技球B1が調整機構180の上部→右部→下部という順番で長時間搬送された後に排出されることはない。また、右側起立壁181dは、調整機構180に取り込まれた後の遊技球B1が調整機構180の下部まで搬送されて排出タイミングを迎える前に、回転体183の遠心力によって調整機構180の外方に放り出されることを阻止する。
図4に示すように、左側起立壁181cと右側起立壁181dとが横方向に離間されていることで、収容部181は下方に向けて開放されている。このため、回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1は下方に位置している第1スルーゲート35に向けて排出される。
図4に示すように、収容部181は、回転体183の凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1を所定の排出位置で排出させるための排出用突出部181eを備えている。排出用突出部181eはベース体181aの中心の下方近傍に設けられている。図6に示すように、排出用突出部181eはベース体181aの前面から前方に向けて、突出寸法が9mmとなるように遊技領域PAの途中位置まで突出している。
既に説明したように、遊技盤24の前面と窓パネル52(図1)の背面とで挟まれている遊技領域PA(図3)の前後方向の長さ寸法は18mmであるとともに、遊技球B1の直径は11mmである。このため、排出用突出部181eは、遊技領域PAの奥側(遊技盤24側)に位置する遊技球B1と、遊技領域PAの手前側(窓パネル52側)に位置する遊技球B1と、の両方と接触可能な前後方向の長さ寸法を有している。また、図4に示すように、排出用突出部181eは、ベース体181aの中心の下方近傍から下方に向けて延在させて形成されている。
図4に示すように、回転体183の中心から排出用突出部181eの下端までの距離は、回転体183の中心から羽根部188~191の周面188a~191a(図5(a))までの距離よりも短い。また、図5(a)に示すように、回転体183の第1羽根部188及び第3羽根部190には排出用突出部181eとの衝突を回避するための衝突回避溝192が設けられているとともに、図5(b)に示すように、第2羽根部189及び第4羽根部191にも排出用突出部181eとの衝突を回避するための衝突回避溝192が設けられている。
衝突回避溝192は、排出用突出部181eの突出寸法よりも大きく設けられており、排出用突出部181eがどのような回転状態であったとしても当該回転体183とは接触しない。このため、排出用突出部181eが回転体183の回転を妨げることはない。
図4に示すように、排出用突出部181eは右側の側面として下方に向けて左方に傾斜している排出用右側面181gを備えている。当該排出用右側面181gは、調整機構180に取り込まれた遊技球B1の排出位置において、回転体183の凹み部183b~183eに存在している遊技球B1と接触する。遊技球B1は、回転体183の回転により調整機構180の下部まで搬送された後、排出用右側面181gと接触したことを契機として下の方の第1スルーゲート35に向けて排出される。
遊技球B1は調整機構180から真下に向けて排出された場合に、途中で障害物と衝突することなく、下方に位置している第1スルーゲート35に入賞する。既に説明したとおり、調整機構180から排出された遊技球B1は、遊技球B1の直径以上の距離を流下した後に第1スルーゲート35に到達する。具体的には、排出位置から排出された遊技球B1は、遊技球B1の直径の略1.5倍の距離を流下した後に第1スルーゲート35に到達する。排出位置から第1スルーゲート35までの距離が遊技球B1の直径以上であるため、排出位置における遊技球B1の排出方向及び排出速度によっては、排出された遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性が存在する。排出用突出部181eにより調整機構180における遊技球B1の排出位置は固定されているとともに、当該排出位置から第1スルーゲート35までの距離は短い。このため、排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する場合には、調整機構180において遊技球B1が排出されてから、当該遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞するまでの時間は所定の範囲内に収まる。
調整機構180において遊技球B1の排出タイミングが1sec周期で発生することにより、遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞も略1sec周期で発生する。調整機構180から遊技球B1が排出される流れの詳細については後述する。
回転体183は、取込口185から取り込まれた遊技球B1が凹み部183b~183eに存在している状態で時計回りに回転することにより、当該遊技球B1を調整機構180の下部に向けて搬送する。
調整機構180は、回転体183のいずれかの凹み部183b~183eが上方に向けて開放されている状態である場合に、上方から流下して来る遊技球B1を取り込むことができる。回転体183の外縁付近における凹み部183b~183eの内壁が当該外縁に向けて幅広となる形状を有している構成とすることにより、取込口185において調整機構180が遊技球B1を取り込み可能な期間を延ばすことができる。これにより、調整機構180に取り込まれる遊技球B1の数を増やすとともに、調整機構180から排出される遊技球B1の数を増やすことができる。
また、回転体183に複数の凹み部183b~183eが設けられている構成とすることにより、調整機構180から1sec周期で遊技球B1を排出するために必要な回転体183の回転速度を落とすことができる。このように、回転体183をゆっくり回転させることにより、調整機構180の上部に流下して来た遊技球B1が回転体183の凹み部183b~183eに取り込まれる確率を上げることができる。
ここで、遊技盤24における調整機構180周辺の構成について説明する。図4に示すように、取込口185の上方には、当該取込口185よりも上流の遊技領域PAを流下する遊技球B1を取込口185に向けて集めるために複数の釘24bが配列されている。取込口185の左上の領域には、当該領域を流下する遊技球B1の進路を右寄りに変えて当該遊技球B1を取込口185に向かわせるための釘24bが複数並べられているとともに、取込口185の右上の領域には、当該領域を流下する遊技球B1の進路を左寄りに変えて当該遊技球B1を取込口185に向かわせるための釘24bが複数並べられている。
図4に示すように、取込口185の上方近傍に並べられている複数の釘24bは、当該釘24bから左側起立壁181cまでの距離、及び当該釘24bから右側起立壁181dまでの距離が遊技球B1の直径よりもひと回り以上長くなるように設けられている。また、調整機構180の左方及び右方には、取込口185に向けて流下して取込口185に取り込まれなかった遊技球B1を下流に逃がすための空間が設けられている。当該空間には釘24bが配置されていない。このため、取込口185の付近に流下して調整機構180に取り込まれなかった遊技球B1を、釘24bと左側起立壁181cとの間、又は釘24bと右側起立壁181dとの間から調整機構180の左右の空間に排出することができる。これにより、遊技球B1が取込口185の周辺に滞留することを阻止できる。
次に、調整機構180の詳細な構成について説明する。先ず遊技球B1を取り込むための構成について説明する。
既に説明したとおり、遊技球B1の直径は11mmであるとともに、遊技領域PA(図3)の前後方向の長さ寸法は遊技球B1の直径よりも大きな18mmである。このように、遊技領域PAには、当該遊技領域PAを流下する遊技球B1が前後方向に移動することを可能とする隙間が存在する。
図5に示すように、回転体183の各凹み部183b~183eは、前方に向けて軸心側に傾斜している。このため、回転体183の各凹み部183b~183eは、当該凹み部183b~183eが上に向けて開放されている回転状態となった場合に、前方に向けて下方に傾斜している状態となる。例えば、図4に示すように、第1凹み部183bが上方に向けて開放されている状態においては、当該第1凹み部183bが前方に向けて下方に傾斜している状態となる。
取込口185から調整機構180に取り込まれた遊技球B1は、調整機構180の上部にて上方に向けて開放されているいずれかの凹み部183b~183eに収まる。上述したとおり、調整機構180の上部にて上方に向けて開放されている凹み部183b~183eは前方に向けて下方に傾斜している状態となる。このため、遊技球B1が回転体183の回転により調整機構180の下部に向けて搬送される間、当該遊技球B1は前後方向に厚みを有する遊技領域PAにおける前側(窓パネル52側)に位置する。
次に、調整機構180が遊技球B1を取り込むタイミングについて説明する。図4に示すように、取込口185は上方に向けて開放されている。取込口185の下方に回転体183のいずれかの凹み部183b~183eが位置している状態を取込許可状態とすると、当該取込許可状態において、取込口185から調整機構180の内部に進入した遊技球B1は当該凹み部183b~183eに収まることができる。
一方、図4の状態から回転体183が回転し、取込口185の下方に回転体183のいずれかの羽根部188~191が位置している状態を取込禁止状態とすると、当該取込禁止状態では、取込口185から調整機構180の内部に進入しようとした遊技球B1は当該羽根部188~191の周面188a~191aに衝突する。この場合、遊技球B1は調整機構180の内部には取り込まれない。
調整機構180の取込口185では、回転体183の回転に伴って、遊技球B1を取り込み可能な取込許可状態と、遊技球B1を取り込み不可能な取込禁止状態と、の両状態が交互に繰り返される。
先ず取込口185が取込許可状態である場合について説明する。図7(a),(b)は調整機構180付近を拡大して示す遊技盤24の正面図である。図7(a)の回転体183は、第1凹み部183bが上に位置している回転状態であるとともに、図7(b)の回転体183は、図7(a)の回転体183が時計回りに90°回転した回転状態である。
取込許可状態の取込口185に進入した遊技球B1は上に位置している凹み部183b~183eに取り込まれる。例えば、図7(a)に示すように、第1凹み部183bが上に位置している状態で取込口185に進入した遊技球B1は第1凹み部183bに取り込まれる。
調整機構180の上部にて回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1は、回転体183の回転に伴って調整機構180の下部に向けて搬送される。このとき、右側起立壁181dは、調整機構180に取り込まれた遊技球B1が排出タイミングを迎える前に調整機構180の外方に放出されることを阻止する。
例えば、図7(a)に示すように、第1凹み部183bに取り込まれた遊技球B1は、先ず第1羽根部188から回転方向の前方(図7(a)における右方向)に向かう力を加えられている状態となる。次に、自重により落下しようとする遊技球B1が第2羽根部189に支えられている状態となる。
そして、図7(b)に示すように、自重及び第2羽根部189から加えられる力によって右下に向かって落下しようとする遊技球B1に対して、右側起立壁181dから抗力が加えられて、遊技球B1の右下への落下が阻止されている状態となる。当該状態において、回転体183が回転することにより、調整機構180の上部にて取り込まれた遊技球B1は調整機構180の下部に向けて搬送される。
回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1は、排出用突出部181e(図4)の排出用右側面181g(図4)と接触することにより一定の方向に向けて排出される。
ここで、図5(b)に示すように、回転方向の前側に位置している第1羽根部188の側面を第1前方面188bとするとともに、回転方向の前側に位置している第2羽根部189の側面を第2前方面189bとする。また、回転方向の前側に位置している第3羽根部190の側面を第3前方面190bとするとともに、回転方向の前側に位置している第4羽根部191の側面を第4前方面191bとする。各羽根部188~191の前方面188b~191bは、回転体183の半径方向に延びる面である。
回転体183におけるいずれかの凹み部183b~183e(図5(b))に取り込まれている遊技球B1が排出用右側面181gと接触して排出タイミングを迎える場合、遊技球B1は当該遊技球B1が存在している凹み部183b~183eにおいて回転方向の後側の前方面188b~191bと排出用右側面181gとに接触している状態となる。
図5(a)に示すように、第1凹み部183b、第2凹み部183c、及び第3凹み部183dは、互いに同一の形状及びサイズを有している。このため、第2凹み部183cに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様、及び第3凹み部183dに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様は、第1凹み部183bに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様と同じである。
一方、第4凹み部183eは、第1凹み部183b、第2凹み部183c、及び第3凹み部183dと同一の形状を有しているとともに、当該3つの凹み部183b~183dよりも若干小さなサイズを有している。このため、第4凹み部183eに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様は、第1凹み部183b~第3凹み部183dに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様と異なる場合がある。全ての凹み部183b~183eから排出される遊技球B1の排出態様が同一である場合には、排出後の遊技球B1の動きが単調になる。これに対して、第4凹み部183eから排出される遊技球B1の排出態様に変化をつけることで、排出後の遊技球B1の動きに対する遊技者の関心が低下することを回避できる。
先ず第1凹み部183b~第3凹み部183dのいずれかに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様について、第1凹み部183bの場合を例示して説明する。
図8(a),(b)は調整機構180付近を拡大して示す遊技盤24の正面図である。図8(a)には第1凹み部183bに取り込まれている遊技球B1が排出タイミングを迎える直前の状態を図示するとともに、図8(b)には当該遊技球B1が排出タイミングを迎えた状態を図示する。
図8(a)に示すように、排出タイミングを迎える直前において、第1凹み部183bに取り込まれている遊技球B1と右側起立壁181dとの接触状態が解消される。これにより、支えを失った遊技球B1は右側下方に向けて落下可能な状態となる。しかし、回転体183は1sec間に90°の角速度で回転するため、遊技球B1は第1羽根部188から回転方向(図8における左方向)に押されて回転方向(図8における左方向)に移動し続ける。
図8(b)に示すように、排出タイミングにおいて、遊技球B1は排出用右側面181gと第1前方面188bとに接触している状態となる。遊技球B1を挟んでいる2つの面181g,188bの間隔は、上側から下側に向かって徐々に広くなっている。
回転体183の回転が進むと、当該2つの面181g,188bに挟まれている領域において、遊技球B1の直径よりも大きな幅を有する領域は上側から徐々に消失していく。このとき、排出用右側面181gから遊技球B1に加えられる力、及び第1前方面188bから遊技球B1に加えられる力は、共に当該遊技球B1を下方に向けて押す成分を有している。このため、第1凹み部183bに取り込まれていた遊技球B1は、回転体183の回転に伴って、下側に向かって押し出される。そして、図8(b)に示すように、遊技球B1は第1凹み部183bから下方に向けて排出され、高い確率で第1スルーゲート35に入賞する。
図8(b)に示した排出タイミングでは、元々自重により下方へ落下しようとしている遊技球B1に対して、排出用右側面181gと第1前方面188bとが同じく下方に向けて当該遊技球B1を落下させるための力を加える。このとき、遊技球B1の左方向への移動は排出用右側面181gによって制限される。このため、遊技球B1の排出方向が一方向に限定されて、第1スルーゲート35に入賞する確率が高くなる。
既に説明したとおり、回転体183の外縁部において、凹み部183b~183eの幅は遊技球B1の直径よりも広い。このため、排出タイミングの直前にて、凹み部183b~183e内における遊技球B1の位置は毎回同じではない。凹み部183b~183e内における遊技球B1の排出タイミング直前の位置に応じて、遊技球B1の排出方向は異なるものとなる。
設計段階において、第1凹み部183bに取り込まれた遊技球B1、第2凹み部183cに取り込まれた遊技球B1、及び第3凹み部183dに取り込まれた遊技球B1の大部分が第1スルーゲート35に入賞するように、排出用突出部181eの位置及び排出用右側面181gの傾斜が調整されている。しかし、既に説明したとおり、調整機構180における排出位置と第1スルーゲート35との間は、遊技球B1の直径の略1.5倍の距離に設定されている。このため、第1凹み部183bから排出される遊技球B1が第1前方面188bに引っかかって左方に押される場合、第2凹み部183cから排出される遊技球B1が第2前方面189bに引っかかって左方に押される場合、及び第3凹み部183dから排出される遊技球B1が第3前方面190bに引っかかって左方に押される場合には、排出後の遊技球B1が第1スルーゲート35の左方に外れることがある。
ここで、第4凹み部183eに取り込まれて調整機構180の下部まで搬送された遊技球B1の排出態様について説明する。図9は、第4凹み部183eから排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる場合を説明するために調整機構180を拡大して示す遊技盤24の正面図である。
既に説明したとおり、第4凹み部183eは、第1凹み部183b、第2凹み部183c、及び第3凹み部183dよりも若干小さく形成されている。このため、図9に示すように、第4凹み部183eから排出される遊技球B1は、第4前方面191bに引っかかって左方に押され易く、第1スルーゲート35の左方に外れ易い。
設計段階において、第4凹み部183eから排出される遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞確率が他の3つの凹み部183b~183dから排出される遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞確率よりも低くなるように、排出用突出部181eの位置及び排出用右側面181gの傾斜が調整されている。
調整機構180から排出される遊技球B1の一部が第1スルーゲート35から外れる構成とすることにより、遊技者の関心が調整機構180における遊技球B1の取り込みのみに集中することを避け、遊技者が調整機構180における遊技球B1の排出にも関心を持つように図られている。
既に説明したとおり、排出用突出部181eは回転体183の中心の下方に位置している。このため、図8(b)に示すように、調整機構180の下部において、当該排出用突出部181eと接触している状態にある遊技球B1の中心は回転体183の中心よりも右方に位置している。調整機構180の上部にて回転体183に取り込まれた遊技球B1は、回転体183の中心の周りを180°回転するよりも早いタイミングにて排出用突出部181eと接触して排出される。
調整機構180の上部にて取り込まれた遊技球B1が回転体183の中心の周りを180°以上回転して上昇し始める前に排出される構成とすることにより、調整機構180の下部における遊技球B1の上昇を防止することができる。また、遊技球B1が調整機構180に取り込まれてから排出されるまでの時間を短く設定することにより、調整機構180による遊技球B1の取り込み、搬送、及び排出という一連の流れに要する時間を短くして、当該一連の流れの途中で遊技者の関心が他に移る可能性を抑制できる。
図8(b)に示すように、調整機構180の下部において、遊技球B1が排出用突出部181e及び回転体183の両方と接触している状態となった場合、遊技球B1の左側が接触している排出用右側面181g及び遊技球B1の右側が接触している前方面188b~191bに挟まれている領域は、上部から下部に向けて徐々に幅広となる形状を有している。そして、回転体183の時計回りの回転が進むことにより、排出用右側面181g及び前方面188b~191bに挟まれている領域の幅が全体的に狭くなっていく。このため、排出用右側面181g及び前方面188b~191bに挟まれている領域内において、遊技球B1が存在可能な幅を有する部分が下部に限定されていく。
図8(b)に示すように、排出用右側面181gは下方に向けて左方に傾斜している。このため、排出用右側面181gと接触している遊技球B1に対して、回転中の回転体183から左方向の力が加えられると、当該遊技球B1は排出用右側面181gの傾斜に沿って左方に移動するとともに下方に移動する。調整機構180の下部において、排出用突出部181e及び回転体183の両方と接触している状態となった遊技球B1は、回転体183の回転に伴って下方に押し出されて排出される。排出用右側面181gが下方に向けて左方に傾斜していることにより、調整機構180の下部において、遊技球B1が上昇すること、及び排出されずに停留することが防止されている。
次に、調整機構180の取込口185に進入しようとして、調整機構180の内部に取り込まれなかった遊技球B1を遊技盤24の後方に逃がす構成について説明する。図4に示すように、遊技盤24の後方には、取込口185にて取り込まれなかった遊技球B1を逃がすための通路として、逃げ通路172が設けられている。逃げ通路172の入口である通路入口171は遊技盤24の前面に設けられている。通路入口171は取込口185の後方に位置している。取込口185にて取り込まれなかった遊技球B1を通路入口171に逃がすことにより、取り込まれなかった遊技球B1が取込口185の周辺に停留することを防ぐことができる。
先ず取込禁止状態の取込口185に流下して、取込口185に取り込まれなかった遊技球B1について説明する。
図10(a)は遊技盤24の前面に垂直な平面で取込口185の真上を切断した場合における窓パネル52及び遊技盤24の横断面図であり、図10(b)は遊技盤24の前面に垂直な平面で切断した場合における第1羽根部188の縦断面図である。図10(a),(b)において、回転体183は、第1羽根部188が上に位置している回転状態である。
図10(a)に示すように、取込禁止状態の取込口185に遊技球B1が流下した場合、当該遊技球B1は、取込口185の下方に位置する回転体183のいずれかの羽根部188~191の周面188a~191a(図5(b))に接触する。
図5(a),(b)に示すように、回転体183の各羽根部188~191の周面188a~191aは、後方に向けて軸心側となる傾斜を有している。このため、図5(a)に示すように、第1羽根部188が上を向いている状態において、当該第1羽根部188の周面188aは後方に向けて下方に傾斜している。これにより、図10(a)に示すように、当該第1羽根部188の周面188aに接触した遊技球B1は後方に案内される。
第2羽根部189が上を向いている取込禁止状態では当該第2羽根部189の周面189aが後方に向けて下方に傾斜している状態となるとともに、第3羽根部190が上を向いている取込禁止状態では当該第3羽根部190の周面190aが後方に向けて下方に傾斜している状態となる。また、第4羽根部191が上を向いている取込禁止状態では当該第4羽根部191の周面191aが後方に向けて下方に傾斜している状態となる。
図示はしないが、取込禁止状態において上を向いている第2羽根部189の周面189a、第3羽根部190の周面190a、及び第4羽根部191の周面191aのいずれかと接触した遊技球B1は、図10(a)で示した第1羽根部188の周面188aと接触した遊技球B1と同様に、後方に案内される。
図4に示すように、通路入口171は遊技盤24の前面に設けられている開口であり、取込口185の後方に位置している。通路入口171は、取込口185の左端から遊技盤24の前面における取込口185の右端に亘って形成されている。
通路入口171の上端は、回転体183のいずれかの羽根部188~191が上を向いている状態において、当該羽根部188~191の周面188a~191aに接触する遊技球B1の上端よりも遊技球B1の略半個分高く設定されている。このため、遊技領域PAの上方から流下し、後方に向けて下方に傾斜している羽根部188~191の周面188a~191aと衝突して、斜め後方に跳ね返る遊技球B1を通路入口171に入球させることができる。
一方、遊技領域PAを流下する遊技球B1が取込口185に到達する前に通路入口171に入球することが無いように、通路入口171の上側の面積は、取込口185に取り込まれなかった遊技球B1が停留すること及び滞留することを防ぐことを可能とする最小限の面積に設定されている。
図4に示すように、通路入口171の左側の下端は、回転体183のいずれかの羽根部188~191が上を向いている状態において、当該羽根部188~191の背面の上端よりも下方に位置している。また、通路入口171の右側の下端は、左側の下端よりも下方に位置している。通路入口171の右側の下端については、その詳細を後述する。
図4に示すように、収容部181におけるベース体181aの上部には、回転体183のいずれかの羽根部188~191の周面188a~191a(図5(a))によって通路入口171に案内される遊技球B1の移動を妨害しないように、通路用凹み部181fが形成されている。
通路用凹み部181fは、通路入口171の左端から右端に亘って形成されている。通路用凹み部181fの左側は、回転体183のいずれかの羽根部188~191が上を向いている状態において、ベース体181aの上端が当該羽根部188~191の背面の上端よりも下方に位置するように形成されている。
通路用凹み部181fの左側において、ベース体181aの上端は通路入口171の下端と同じ位置、又は通路入口171の下端よりも上方に位置している。このため、図10(b)に示すように、取込禁止状態の取込口185に進入しようとして、羽根部188~191と接触した遊技球B1は、当該羽根部188~191の周面188a~191aに案内され、収容部181のベース体181aに進路を妨害されることなく、通路入口171に入球する。
図4に示すように、遊技盤24の前面には逃げ通路172が後方に向けて凹んでいる凹み部として形成されている。逃げ通路172は、前後方向に遊技球B1の直径よりも大きな深さ寸法を有しているとともに、横方向に遊技球B1の直径よりも大きな幅寸法を有している凹み部として形成されている。このため、逃げ通路172は遊技球B1が1列となることにより通過可能となる通路断面を有している。
逃げ通路172の上流側は、通路入口171から左下に向けて形成されているとともに、逃げ通路172の下流側は鉛直下向きに形成されている。逃げ通路172は、通路入口171から入球した遊技球B1を第1スルーゲート35の左下まで案内する。
遊技盤24の前面において、逃げ通路172として形成されている凹み部の縁には段差が設けられている。逃げ通路172は、逃げ通路172を正面視した場合の外形において、収容部181のベース体181aと重複しない箇所と同一形状に成形された透明なアクリル板172aによって前方から蓋をされている。当該アクリル板172aは、接着剤により逃げ通路172の縁に形成されている段差部に固定されている。
逃げ通路172の縁に形成されている段差は、前後方向にアクリル板172aの厚みと同一の深さを有しており、アクリル板172aの前面は遊技盤24の前面と同一平面上に位置している。逃げ通路172はアクリル板172a及び収容部181のベース体181aによって閉じられており、遊技球B1が出入り可能な場所は通路入口171及び通路出口173に限られている。
逃げ通路172の前方に固定されているアクリル板172a及び調整機構180は透明であるため、外部から逃げ通路172を通過する遊技球B1の動きを視認することができる。逃げ通路172を通過する遊技球B1の動きが外部から把握できない場合、遊技者は遊技球B1が通路入口171に入球した後、当該遊技球B1の移動過程を追うことができず、遊技球B1の流れが途中で途切れてしまう。これに対して、当該逃げ通路172内を通過する遊技球B1を外部から視認可能とすることにより、遊技者が把握可能な遊技球B1の流れを連続的なものに保つことができる。
図4に示すように、遊技盤24において、第1スルーゲート35の左下には逃げ通路172の出口である通路出口173が設けられている。通路出口173は、遊技盤24の前面に前方に向けた開口として形成されている。通路出口173は、逃げ通路172により案内された遊技球B1を前方に向けて1つずつ排出することが可能な形状及びサイズを有している。
図4に示すように、通路出口173の上方近傍には、通路出口173から排出される遊技球B1が遊技盤24の前面よりも前方を流下する遊技球B1と衝突するのを防ぐための出口屋根174が設けられている。当該出口屋根174は、遊技盤24の前面から窓パネル52(図1)側に向かって突出する突出部として設けられており、遊技盤24の前面から窓パネル52の背面近傍に亘って存在している。出口屋根174の上面は、右方に向けて下方に傾斜しているため、上方から流下して出口屋根174と接触する遊技球B1は、通路出口173から排出される遊技球B1とは衝突しない態様で右方に案内される。
逃げ通路172を通過して通路出口173から遊技盤24の前面よりも前方に排出された遊技球B1は遊技領域PAを流下する。図3に示すように、通路出口173は、第1作動口33及び第2作動口34の上流に位置している。このため、通路出口173から排出された遊技球B1は、第1作動口33及び第2作動口34が設けられている領域に到達して、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞することが可能である。
既に説明したとおり、第1スルーゲート35に入賞した遊技球B1も遊技領域PAを流下して第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞することが可能である。調整機構180により第1スルーゲート35に導かれる遊技球B1、及び調整機構180により逃げ通路172に導かれて通路出口173から排出される遊技球B1は共に第1作動口33及び第2作動口34が設けられている領域に流下可能である。このため、調整機構180が設けられていることにより、第1作動口33及び第2作動口34が設けられている領域に到達する遊技球B1が減少することはない。
取込口185における遊技球B1の取り込みの説明に戻り、図4に示すように、取込許可状態から取込禁止状態への遷移過程において、羽根部188~191と右側起立壁181dとの間隔が遊技球B1の直径よりも広い状態から狭い状態に遷移するタイミングで遊技球B1が取込口185に流下すると、遊技球B1が回転体183の羽根部188~191と右側起立壁181dとに挟まれることがある。以下では、取込許可状態から取込禁止状態に遷移している状態を中間状態とする。また、取込口185の右端を規定する面であり、当該中間状態において羽根部188~191とともに遊技球B1を挟む右側起立壁181dの上部に位置している端面を起立壁側端面182とする。
ここで、中間状態の取込口185において羽根部188~191と起立壁側端面182とに挟まれる遊技球B1を逃げ通路172に逃がすための構成について説明する。先ず羽根部188~191が有する側面であり、回転体183の回転方向の前側に位置している前方面188b~191bが有する傾斜について、図5(b)を参照しながら説明する。
図5(b)に示すように、回転体183の各羽根部188~191の前方面188b~191bは、後方に向けて回転方向の後側に傾斜している。このため、羽根部188~191が上を向いている状態において、当該羽根部188~191の前方面188b~191bは、後方に向けて左方に傾斜している。
回転体183がどのような回転状態であっても、上に位置している羽根部188~191の前方面188b~191bは後方に向けて左方に傾斜している。このため、中間状態の取込口185において、第2羽根部189の第2前方面189bと起立壁側端面182とに挟まれる遊技球B1、第3羽根部190の第3前方面190bと起立壁側端面182に挟まれる遊技球B1、及び第4羽根部191の第4前方面191bと起立壁側端面182とに挟まれる遊技球B1は、第1羽根部188の第1前方面188bと起立壁側端面182とに挟まれる遊技球B1と同じ方向に移動する。以下では、第1前方面188bと起立壁側端面182とに挟まれる遊技球B1を例として、中間状態の取込口185にて挟まれる遊技球B1の動きについて説明する。
図5(b)に示すように、上を向いている状態の第1羽根部188の第1前方面188bは後方に向けて左方に傾斜している。図10(c)は遊技盤24の前面に垂直な平面で取込口185の真上を切断した場合における窓パネル52及び遊技盤24の横断面図である。図10(c)に示すように、起立壁側端面182は、後方に向けて右方に傾斜している。このため、遊技球B1が中間状態の取込口185に流下して第1前方面188bと起立壁側端面182とに挟まれる場合、当該遊技球B1を挟んでいる2つの面182,188b、前側(窓パネル52側)よりも後側(遊技盤24側)の方が広い「ハ」の字の関係となる。
遊技球B1が当該2つの面182,188bで挟まれている状態において回転体183が時計回りに回転すると、2つの面182,188bの間隔は前側から徐々に小さくなっていく。このとき、第1前方面188bから遊技球B1に加えられている力、及び起立壁側端面182から遊技球B1に加えられている力は、共に当該遊技球B1を後方に向けて移動させる成分を有している。このため、図10(c)に示すように、2つの面182,188bに挟まれている遊技球B1は、回転体183が回転することにより、取込口185の後方に設けられている通路入口171に向けて押し出される。そして、押し出された遊技球B1は、通路入口171から逃げ通路172に入球して通路出口173まで案内される。
図5(b)にて既に説明したとおり、各羽根部188~191の前方面188b~191bは、回転体183の半径方向に延びる面である。このため、取込口185にて遊技球B1がいずれかの前方面188b~191bと、右側起立壁181d(図10(c))との両方に接触している状態となった場合、遊技球B1と接触している前方面188b~191bは下方に向けて左方に傾斜している。このため、回転体183が時計回りに回転することにより当該前方面188b~191bから遊技球B1に対して加えられる力には下向きの成分が含まれる。これにより、遊技球B1が通路入口171に向けて押し出される際に遊技球B1が上方に移動することが抑制される。
図10(c)に示すように、前方面188b~191b及び起立壁側端面182の傾斜と、回転体183の回転と、を利用して挟まれている遊技球B1を通路入口171に押し出す構成とすることにより、遊技球B1が停留したり上昇したりすることを避けながら、遊技球B1が挟まれている状態を解消することができる。
図4に示すように、通路入口171の右側及び通路用凹み部181fの右側は、中間状態で回転体183の羽根部188~191と右側起立壁181dとに挟まれた遊技球B1を通路入口171に入球可能とするように形成されている。
羽根部188~191と右側起立壁181dとに挟まれた状態の遊技球B1は、取込禁止状態においていずれかの羽根部188~191の周面188a~191aと接触する遊技球B1よりも下方に位置する。このため、図4に示すように、通路入口171の右側の下端は、通路入口171の左側の下端よりも下方に位置しているとともに、通路用凹み部181fの右側におけるベース体181aの上端は、通路用凹み部181fの左側におけるベース体181aの上端よりも下方に位置している。
通路用凹み部181fの右側におけるベース体181aの上端は、中間状態において羽根部188~191と右側起立壁181dとに挟まれる遊技球B1の下端よりも下方に位置している。また、通路入口171の右側の下端は、通路用凹み部181fの右側におけるベース体181aの上端と同じ位置、又はベース体181aの上端よりも下方に位置するように形成されている。
但し、取込許可状態において回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1が後方に形成されている通路用凹み部181fを通過して通路入口171に入球することを防ぐために、通路用凹み部181fの右側におけるベース体181aの上端は、中間状態において羽根部188~191と右側起立壁181dとに挟まれる遊技球B1の下端よりも若干下方に位置するように設定されている。
また、既に説明したとおり、回転体183の各凹み部183b~183eは、前方に向けて軸心側に傾斜しているため、各凹み部183b~183eに取り込まれる遊技球B1は遊技領域PAの前側に保持される。このため、各凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1が、後方に位置する通路用凹み部181f(特に通路用凹み部181fの右側)を通って通路入口171に入球する可能性が低減されている。
取込口185にて、上に位置している凹み部183b~183eに既に1個の遊技球B1が取り込まれている状態(図7(a))において、別の遊技球B1が取込口185に到達する場合が考えられる。この場合、既に凹み部183b~183eは窓パネル52側に保持されている。このため、後から取込口185に到達した遊技球B1の中心は既に凹み部183b~183eに取り込まれている遊技球B1の中心よりも後方に位置する可能性が高い。この場合には、後から取込口185に到達した遊技球B1が凹み部183b~183eに取り込まれている遊技球B1と接触して後方に跳ね返り、通路入口171に入球することとなる。
また、後から取込口185に到達した遊技球B1の中心が凹み部183b~183eに取り込まれている遊技球B1の中心よりも左右のいずれかにずれている場合、後から取込口185に到達した遊技球B1は凹み部183b~183eに取り込まれている遊技球B1と接触して左右いずれかに跳ね返り、調整機構180に取り込まれることなく当該調整機構180の側方の遊技領域PAを下流に向けて流下することとなる。このように、取込口185における1回の取込許可状態にて、取込口185に複数の遊技球B1が到達した場合には、1つの遊技球B1がいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれるとともに、残りの遊技球B1が取込口185付近に滞留することなく遊技領域PAの下流を流下可能となる。
図11は、遊技領域PAを流下した遊技球B1の排出に関する構成を説明するための説明図である。
既に説明したとおり、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球B1は遊技領域PAから排出される。換言すれば、遊技球発射機構27から発射されて遊技領域PAに流入した遊技球B1は一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球することにより遊技領域PAから排出されることとなる。一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのいずれかに入球した遊技球B1は遊技盤24の背面側に導かれる。
遊技盤24の背面には、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aのそれぞれに対応させて排出通路部42~48が形成されている。排出通路部42~48に流入した遊技球B1はその流入した排出通路部42~48を流下することにより、遊技盤24の背面側において遊技盤24の下端部に導かれ図示しない排出球回収部にて回収される。そして、排出球回収部にて回収された遊技球B1は、遊技ホールにおいてパチンコ機10が設置された島設備の球循環装置に排出される。
各排出通路部42~48には遊技球B1を検知するための各種検知センサ42a~48aが設けられている。これら排出通路部42~48及び検知センサ42a~48aについて以下に説明する。一般入賞口31は既に説明したとおり4個設けられているため、それら4個のそれぞれに対応させて排出通路部42~44が存在している。この場合、最も左の一般入賞口31に対応する第1排出通路部42及びその右隣りの一般入賞口31に対応する第2排出通路部43のそれぞれに対しては1個ずつ検知センサ42a,43aが設けられている。具体的には、第1排出通路部42の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1入賞口検知センサ42aが設けられているとともに、第2排出通路部43の途中位置に検知範囲が存在するように第2入賞口検知センサ43aが設けられている。最も左の一般入賞口31に入球した遊技球B1は第1排出通路部42を通過する途中で第1入賞口検知センサ42aにて検知され、その右隣りの一般入賞口31に入球した遊技球B1は第2排出通路部43を通過する途中で第2入賞口検知センサ43aにて検知される。また、右側2個の一般入賞口31に対しては途中位置で合流するように形成された第3排出通路部44が設けられている。当該第3排出通路部44は、2個の一般入賞口31のそれぞれに対応する入口側領域を有しているとともに、それら入口側領域が途中で合流することで1個の出口側領域を有している。第3排出通路部44における出口側領域の途中位置に検知範囲が存在するように第3入賞口検知センサ44aが設けられている。右側2個のいずれかの一般入賞口31に入球した遊技球B1は第3排出通路部44を通過する途中で第3入賞口検知センサ44aにて検知される。
特電入賞装置32に対応させて第4排出通路部45が存在している。第4排出通路部45の途中位置に検知範囲が存在するようにして特電検知センサ45aが設けられており、特電入賞装置32に入球した遊技球B1は第4排出通路部45を通過する途中で特電検知センサ45aにて検知される。第1作動口33に対応させて第5排出通路部46が存在している。第5排出通路部46の途中位置に検知範囲が存在するようにして第1作動口検知センサ46aが設けられており、第1作動口33に入球した遊技球B1は第5排出通路部46を通過する途中で第1作動口検知センサ46aにて検知される。第2作動口34に対応させて第6排出通路部47が存在している。第6排出通路部47の途中位置に検知範囲が存在するようにして第2作動口検知センサ47aが設けられており、第2作動口34に入球した遊技球B1は第6排出通路部47を通過する途中で第2作動口検知センサ47aにて検知される。アウト口24aに対応させて第7排出通路部48が存在している。第7排出通路部48の途中位置に検知範囲が存在するようにしてアウト口検知センサ48aが設けられており、アウト口24aに入球した遊技球B1は第7排出通路部48を通過する途中でアウト口検知センサ48aにて検知される。
なお、各種検知センサ42a~48aのうちいずれか1個の検知センサ42a~48aにて検知対象となった遊技球B1は他の検知センサ42a~48aの検知対象となることはない。また、第1スルーゲート35に対して第1ゲート検知センサ49aが設けられているとともに第2スルーゲート39に対して第2ゲート検知センサ50aが設けられている。このため、遊技領域PAを流下する途中で第1スルーゲート35を通過する遊技球B1は第1ゲート検知センサ49aにて検知されるとともに、第2スルーゲート39を通過する遊技球B1は第2ゲート検知センサ50aにて検知される。
各種検知センサ42a~50aとしては、いずれも電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球B1を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意である。また、各種検知センサ42a~50aは後述する主制御装置60と電気的に接続されており、各種検知センサ42a~50aの検知結果は主制御装置60に出力される。具体的には、各種検知センサ42a~50aは、遊技球B1を検知していない状況ではLOWレベル信号を出力し、遊技球B1を検知している状況ではHIレベル信号を出力する。なお、これに限定されることはなくHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
図2に示すように、窓部51の上方には表示発光部53が設けられている。また、遊技状態に応じた効果音などが出力される左右一対のスピーカ部54が設けられている。また、窓部51の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部55と下側膨出部56とが上下に並設されている。上側膨出部55内側には上方に開口した上皿55aが設けられており、下側膨出部56内側には同じく上方に開口した下皿56aが設けられている。上皿55aは、後述する払出装置より払い出された遊技球B1を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構27側へ導くための機能を有する。また、下皿56aは、上皿55a内にて余剰となった遊技球B1を貯留する機能を有する。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図2に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置60が搭載されている。主制御装置60は主制御基板61が基板ボックス60aに収容されてなる。なお、基板ボックス60aに、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス60aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御装置60を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック72を備えており、当該裏パック72に払出機構部73及び制御装置集合ユニット74が取り付けられている。
払出機構部73は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球B1が逐次補給されるタンク75と、当該タンク75に貯留された遊技球B1を払い出すための払出装置76と、を備えている。払出装置76より払い出された遊技球B1は、当該払出装置76の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿55a又は下皿56aに排出される。なお、払出機構部73には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット74は、払出装置76を制御する機能を有する払出制御装置77と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射操作装置28の操作に伴う遊技球B1の打ち出しの制御が行われる電源・発射制御装置78と、を備えている。これら払出制御装置77と電源・発射制御装置78とは、払出制御装置77がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
<パチンコ機10の電気的構成>
図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板67と、を具備している。主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である主側CPU63の他に、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66が内蔵されている。なお、MPU62には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
主側ROM64は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。主側ROM64は、主側CPU63により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。図12に示すように、当該主側ROM64には、普電役物34aの開閉を行うか否かについて判定する普電開放抽選において利用される低頻度用当選判定値テーブルT1及び高頻度用当選判定値テーブルT2が記憶されている。当該低頻度用当選判定値テーブルT1及び高頻度用当選判定値テーブルT2には、普電開放抽選において当選対象となる判定値が記録されている。当該低頻度用当選判定値テーブルT1及び高頻度用当選判定値テーブルT2の詳細については後述する。
主側RAM65は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。主側RAM65は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に主側ROM64よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。主側RAM65は、主側ROM64内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
管理用IC66は、主側CPU63から供給された情報に基づいて遊技領域PAにおける遊技球B1の入球態様を管理する管理装置である。詳細は後述するが、管理用IC66にて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34及びアウト口24aへの遊技球B1の入球履歴が把握されるとともに、その把握された入球履歴に応じて一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球頻度が把握される。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には主制御装置60に設けられた停電監視基板67及び払出制御装置77が接続されている。停電監視基板67には動作電力を供給する機能を有する電源・発射制御装置78が接続されており、MPU62には停電監視基板67を介して動作電力が供給される。
MPU62の入力側には、各種入球検知センサ42a~50aといった各種センサが接続されている。各種入球検知センサ42a~50aは、既に説明したとおり、第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a、第3入賞口検知センサ44a、特電検知センサ45a、第1作動口検知センサ46a、第2作動口検知センサ47a、アウト口検知センサ48a、第1ゲート検知センサ49a、及び第2ゲート検知センサ50aである。これら入球検知センサ42a~50aの検知結果に基づいて、主側CPU63にて各入球部への入球判定が行われる。また、主側CPU63では第1作動口33への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに第2作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU62の出力側には、停電監視基板67、払出制御装置77及び音声発光制御装置81が接続されている。払出制御装置77には、例えば、上記入球部のうち入球の発生が遊技球B1の払い出しに対応する賞球対応入球部に遊技球B1が入球したことに基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置81には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
MPU62の出力側には、特電入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる特電用の駆動部32b、第2作動口34の普電役物34aを開閉動作させる普電用の駆動部34b、特図ユニット37、普図ユニット38、及び調整用駆動部184が接続されている。ちなみに、特図ユニット37には、特図表示部37a及び特図保留表示部37bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。同様に、普図ユニット38には、普図表示部38a及び普図保留表示部38bが設けられているが、これらの全てがMPU62の出力側に接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部及び各種表示部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては特電入賞装置32が開閉されるように、主側CPU63において特電用の駆動部32bの駆動制御が実行される。また、普電役物34aの開放状態当選となった場合には、普電役物34aが開閉されるように、主側CPU63において普電用の駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、主側CPU63において特図表示部37aの表示制御が実行される。また、普電役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、主側CPU63において普図表示部38aの表示制御が実行される。また、第1作動口33若しくは第2作動口34への入賞が発生した場合、又は特図表示部37aにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において特図保留表示部37bの表示制御が実行され、スルーゲート35,39への入賞が発生した場合、又は普図表示部38aにおいて変動表示が開始される場合に、主側CPU63において普図保留表示部38bの表示制御が実行される。
停電監視基板67は、主制御基板61と電源・発射制御装置78とを中継し、電源・発射制御装置78から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置77は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置76により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置78は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61、払出制御装置77、及び調整用駆動部184等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源・発射制御装置78にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置60の主側RAM65及び払出制御装置77に記憶保持用の電力が供給される。また、電源・発射制御装置78は遊技球発射機構27の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構27は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置81は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示発光部53及びスピーカ部54を駆動制御するとともに、表示制御装置82を制御するものである。表示制御装置82は、音声発光制御装置81から受信したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
<主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主側CPU63にて各種抽選を行うための電気的な構成について図13を用いて説明する。
主側CPU63は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部37aの表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、普図表示部38aの表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図13に示すように、当たり発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部37a及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、第2作動口34の普電役物34aを普電開放状態とするか否かの抽選に使用する普電役物開放カウンタC4と、当該普電役物開放カウンタC4の初期値設定に使用する開放用初期値カウンタC5と、を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4,C5は、主側RAM65の各種カウンタエリア65bに設けられている。
各カウンタC1~C3,CINI,CS,C4,C5は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、主側RAM65に取得情報記憶手段として設けられた保留格納エリア65aに格納される。
保留格納エリア65aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、第1作動口33又は第2作動口34への入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1~RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1~第4保留エリアRE4には、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1~RE4が設けられていることにより、第1作動口33又は第2作動口34への遊技球B1の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、特図表示部37aの変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
また、普電役物開放カウンタC4に対応した情報は、第1スルーゲート35又は第2スルーゲート39への入賞が発生した場合に、主側RAM65に設けられた普電保留格納エリア65cに格納される。
普電保留格納エリア65cは、普電保留用エリアHAと、普電実行エリアHBとを備えている。普電保留用エリアHAは、第1普電保留エリアHA1、第2普電保留エリアHA2、第3普電保留エリアHA3及び第4普電保留エリアHA4を備えており、第1スルーゲート35又は第2スルーゲート39への入賞履歴に合わせて、普電役物開放カウンタC4の数値情報が普電保留情報として、いずれかの普電保留エリアHA1~HA4に格納される。
この場合、第1普電保留エリアHA1~第4普電保留エリアHA4には、第1スルーゲート35又は第2スルーゲート39への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1普電保留エリアHA1→第2普電保留エリアHA2→第3普電保留エリアHA3→第4普電保留エリアHA4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの普電保留エリアHA1~HA4が設けられていることにより、第1スルーゲート35又は第2スルーゲート39への遊技球B1の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
普電実行エリアHBは、普図表示部38a(図3)にて変動表示を開始する際に、普電開放抽選を行う対象の普電保留情報が格納されるエリアである。具体的には、普図表示部38aの変動表示を開始する際には、第1普電保留エリアHA1に格納された普電保留情報が普電実行エリアHBにシフトされる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
まず、普電役物開放カウンタC4及び開放用初期値カウンタC5について説明する。普電役物開放カウンタC4及び開放用初期値カウンタC5は、0~65535の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻るループカウンタである。普電役物開放カウンタC4が1周した場合にはその時点の開放用初期値カウンタC5の値が当該普電役物開放カウンタC4の初期値として読み込まれる。
既に説明したとおり、本パチンコ機10では、遊技球B1のスルーゲート35,39への入賞を契機として普電開放抽選が実行される。普電開放抽選には、普電役物開放カウンタC4で更新されている数値情報が用いられる。具体的には、遊技球B1がスルーゲート35,39に入賞したことを契機として、普電役物開放カウンタC4で更新されている数値情報が開放用乱数として取得される。以下では、普電役物開放カウンタC4で更新されて、スルーゲート35,39への入賞を契機として取得され、普電開放抽選に用いられる数値情報を開放用乱数と記載する。普電開放抽選では、抽選対象の開放用乱数が普電開放当選の対象となる当選判定値であるか否かの判定が実行され、肯定判定が行われた場合に普電開放当選となるとともに、否定判定が行われた場合に外れ結果となる。
本パチンコ機10では、普電役物34aによるサポートの態様が相互に異なるように複数種類のサポートモードが設定されている。詳細には、サポートモードには、遊技領域PAに同様の態様で遊技球B1の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口34の普電役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
先ず低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選について説明する。主側ROM64(図12)には、低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選の対象となる当選判定値が記録されている低頻度用当選判定値テーブルT1が記憶されている。図14(a)は低頻度用当選判定値テーブルT1である。
図14(a)に示すように、低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選の当選判定値は、(250×n-5)~(250×n)に設定されている。ここで、変数nは1~262の自然数である。低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選となる確率は略1/42である。
図14(a)に示すように、普電開放当選の対象となる当選判定値は6個単位で連番となっている。また、普電役物開放カウンタC4における開放用乱数の更新周期は4msecである。このため、普電役物開放カウンタC4では、更新されている開放用乱数が低頻度サポートモードの普電開放抽選における普電開放当選対象の当選判定値となる期間が24msecに亘って継続する。
普電開放当選の対象となる当選判定値が継続する24msecの期間を当選対象期間とすると、図14(a)に示すように、低頻度サポートモードでは当該当選対象期間が1sec周期で発生する。ここで、調整機構180(図4)から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞するタイミングを入賞可能タイミングとすると、上述のように、当該入賞可能タイミングが発生する周期は、低頻度サポートモードにて当選対象期間が発生する周期と同じ1secである。
このため、低頻度サポートモードにおいて、入賞可能タイミングが当選対象期間と重なる期間は、普電開放当選が連続して発生する当選連続期間となる。当該当選連続期間は、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われて当選対象期間の発生タイミングがずれるまで継続する。当選対象期間の発生タイミングがずれた場合には、再び当選対象期間と入賞可能タイミングとが重なるまで、低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において外れ結果が続く非当選連続期間となる。
上述のように、調整機構180から遊技球B1が排出されて第1スルーゲート35への入賞が発生する入賞可能タイミングは1sec周期で発生し得る。このため、低頻度サポートモードにおける非当選連続期間及び当選連続期間において、普図表示部38a(図3)が変動する普図変動時間は1secよりも短い0.5secに設定されている。このため、調整機構180からの遊技球B1の排出が1sec周期で連続したとしても、入賞発生時には前回の入賞に対応する普図表示部38aの変動が終了している状態となる。これにより、普図保留情報が上限数(4個)を超えている状態が常態化することを防ぐことができる。
次に、高頻度サポートモードで実行される普電開放抽選について説明する。主側ROM64(図12)には、高頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選の対象となる当選判定値が記録されている高頻度用当選判定値テーブルT2が記憶されている。図14(b)は高頻度用当選判定値テーブルT2である。
図14(b)に示すように、高頻度サポートモードで実行される普電開放抽選の当選判定値は、(m~m+2)に設定されている。ここで、変数mは1~65501の自然数である。高頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選となる確率は略3/5である。また、高頻度サポートモードの普図変動時間は、普図保留情報の消化を早めるために、0.5secに設定されている。
低頻度サポートモードにおいて普電開放当選となった場合の普電役物34aの開放態様は、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選となった場合の普電役物34aの開放態様と同じである。具体的には、1回の普電開放当選を契機として、普電役物34aが1sec間開放状態となり1sec間閉鎖状態となる一連の開閉動作が5回繰り返される。また、低頻度サポートモードにおいて、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間(すなわち、普図表示部38aにおける1回の表示継続時間)は、高頻度サポートモードにおける確保時間と同じ長さに設定されている。
低頻度サポートモードにおける非当選連続期間である場合、第1スルーゲート35への入賞を契機として行われる普電開放抽選において普電開放当選は基本的に発生しない。一方、低頻度サポートモードにおける非当選連続期間であっても、上方に調整機構180を伴わない第2スルーゲート39への入賞は発生し得る。この場合、第2スルーゲート39への入賞を契機として行われる普電開放抽選においては低い確率(略1/42)で普電開放当選となる。低頻度サポートモードにおける非当選連続期間では、遊技球B1の第1作動口33への入賞と第2作動口34への入賞との両方が起こり得る。低頻度サポートモードにおける非当選連続期間では、普電開放当選が発生して普電役物34aの開閉動作が実行される可能性が低いため、第1作動口33への入賞が発生する確率の方が第2作動口34への入賞が発生する確率よりも高い。
高頻度サポートモードである場合、スルーゲート35,39への入賞を契機として行われる普電開放抽選では、高い確率(略3/5)で普電開放当選となる。ここで、遊技球B1が遊技球発射機構27(図2)から発射される間隔は最短で0.6secである。これに対して、調整機構180から第1スルーゲート35に向けて遊技球B1が放出される間隔は最短で1secである。このため、高頻度サポートモードでは、第1スルーゲート35を狙うよりも第2スルーゲート39を狙う方が遊技者に有利である。
高頻度サポートモードでは、遊技球B1の第1作動口33への入賞と第2作動口34への入賞との両方が起こり得る。高頻度サポートモードでは、普電開放当選が発生して普電役物34aの開閉動作が実行される頻度が高いため、第1作動口33への入賞が発生する可能性よりも第2作動口34への入賞が発生する可能性の方が高い。第2作動口34への入賞を契機として所定個数の遊技球B1の払い出しが実行されるため、高頻度サポートモードにおいて遊技者は持ち球を減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
低頻度サポートモードにおける当選連続期間である場合、第1スルーゲート35への入賞を契機として行われる普電開放抽選において高い確率で普電開放当選が連続して発生する。このため、普電役物34aの開閉動作が実行される頻度が高くなり、低頻度サポートモードにおける当選連続期間において、遊技球B1の第1作動口33への入賞と第2作動口34への入賞との両方が起こり得る。
低頻度サポートモードにおける当選連続期間である場合、普電開放当選が連続して発生する間隔は最短で1secであり、第1スルーゲート35を狙って遊技球B1の発射を行う方が、第2スルーゲート39を狙って遊技球B1の発射を行うよりも普電開放当選となる可能性は高い。このため、低頻度サポートモードにおける当選連続期間では、第1スルーゲート35を狙う方が第2スルーゲート39を狙うよりも遊技者に有利である。
低頻度サポートモードの当選連続期間において第1スルーゲート35を狙って遊技球B1の発射操作を行い、普電開放抽選が行われて普電開放当選となる可能性は、高頻度サポートモードにおいて第2スルーゲート39を狙って遊技球B1の発射操作を行い、普電開放抽選が行われて普電開放当選となる可能性よりも高い。また、既に説明したとおり、低頻度サポートモードにおいて普電開放当選となった場合の普電役物34aの開放態様は、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選となった場合の普電役物34aの開放態様と同じである。このため、低頻度サポートモードでは、当選連続期間となった場合に、一時的に、高頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生し易い状態となる。
第2作動口34への入賞に対する遊技者の期待感が低い低頻度サポートモードに当選連続期間が設定されているとともに、低頻度サポートモードにおいて非当選連続期間から当選連続期間へ移行するタイミングが遊技者に報知されない構成である。このため、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、遊技者は当選連続期間に移行することを期待しながら第1スルーゲート35を狙って遊技球B1の発射操作を行うこととなる。
当選連続期間が発生しないパチンコ機の場合には、低頻度サポートモードにおいて普電開放当選となる可能性は、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選となる可能性よりも低い。このため、遊技者の普電開放当選への期待度は、低頻度サポートモードである場合には高頻度サポートモードである場合よりも低い。
これに対して、本パチンコ機10のように、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、普電役物開放カウンタC4の初期値が変更されることにより当選連続期間に移行し得る構成とすることにより、低頻度サポートモードでありながら、高頻度サポートモードよりも普電開放当選となる可能性の高い当選連続期間に移行するかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。そして、非当選連続期間から当選連続期間への移行タイミングを遊技者に報知しない構成とすることにより、遊技者は常に当選連続期間への移行が発生するかもしれないという期待感を持ち続けることができる。
このため、非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて普電開放当選となる可能性が高頻度サポートモードにおいて普電開放当選となる可能性よりも低い状態を維持しながら、低頻度サポートモードにおける遊技者の普電開放当選への期待度を高めることができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはない。ここで、低頻度サポートモードとは、非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードである。例えば1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35,39への入賞に基づき普図表示部38aにて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。また、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の普電開放抽選が行われてから次の普電開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組合せの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
ここで、低頻度サポートモード中に発生する当選連続期間及び非当選連続期間を図15(a)~(c)及び図16(a)~(d)に基づいて説明する。先ず当選連続期間及び非当選連続期間が発生しない比較用パチンコ機において、普電開放当選となるタイミングを図15(a)~(c)のタイムチャートに基づいて説明する。図15(a)は比較用パチンコ機においてスルーゲート35,39への入賞が発生し得るタイミングを示し、図15(b)は比較用パチンコ機の普電役物開放カウンタC4において更新される数値情報(開放用乱数)が普電開放当選の対象である当選判定値となる当選対象期間を示し、図15(c)は比較用パチンコ機において普電開放当選が発生し得るタイミングを示す。
ここで、比較用パチンコ機とは、本実施形態のパチンコ機10において、遊技盤24に調整機構180(図4)が設けられておらず、普電役物開放カウンタC4にて更新される開放用乱数の初期値更新が行われない構成のパチンコ機である。また、図15(a)~(c)に示すt1~t6のタイミングにおいて、比較用パチンコ機は低頻度サポートモードである。比較用パチンコ機においてスルーゲート35,39への入賞が発生するタイミングはランダムであるため、図15(a)に示すタイミングは一例である。
図15(a)に示すように、t1のタイミングで遊技球B1のスルーゲート35,39への入賞が発生する。しかし、図15(b)に示すように、t1のタイミングは当選対象期間外のタイミングである。当選対象期間は当該t1のタイミングの後のt2のタイミングにて開始される。このため、t1のタイミングで発生した入賞を契機として開放用乱数が取得され、当該開放用乱数を用いて普電開放抽選が行われても外れ結果となる。
図15(b)に示すように、t2のタイミングの後であるt3のタイミングで次の当選対象期間が開始されると、当該当選対象期間は24msecに亘って継続する。図15(a)に示すように、当該当選対象期間内であるt4のタイミングにおいて遊技球B1のスルーゲート35,39への入賞が発生すると、当該t4のタイミングで発生した入賞を契機として開放用乱数が取得される。そして、図15(c)に示すように、t4のタイミングで取得された開放用乱数を用いて行われる普電開放抽選において、普電開放当選となる。
図15(b)に示すように、t3のタイミングから1sec後のt5のタイミングにおいて、24msecに亘って継続する次の当選対象期間が開始される。そして、図15(a)に示すように、当該当選対象期間終了後のt6のタイミングにおいて遊技球B1のスルーゲート35,39への入賞が発生して開放用乱数が取得される。図15(c)に示すように、t6のタイミングで取得された開放用乱数を用いて行われる普電開放抽選は外れ結果となる。
このように、遊技盤24に調整機構180が設けられておらず、開放用乱数の初期値更新が行われない構成の比較用パチンコ機では、遊技球B1のスルーゲート35,39への入賞が発生するタイミングがランダムであり、当該入賞のタイミングが1sec周期で開始される当選対象期間と重なった場合のみ普電開放当選となる。このため、当該比較用パチンコ機では、当選連続期間及び非当選連続期間が発生しない。
次に、本実施形態のパチンコ機10において、普電開放当選が発生するタイミングを図16(a)~(d)のタイムチャートに基づいて説明する。図16(a)は遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞が発生し得るタイミングを示し、図16(b)は普電役物開放カウンタC4において更新される数値情報(開放用乱数)が普電開放当選の対象である当選判定値となる当選対象期間を示し、図16(c)は普電役物開放カウンタC4にて更新される数値情報(開放用乱数)の初期値更新タイミングを示し、図16(d)は普電開放当選が発生し得るタイミングを示す。図16(a)~(d)に示すt1~t12のタイミングにおいて、本パチンコ機10は低頻度サポートモードである。
図16(b)に示すように、t1のタイミングで当選対象期間が開始され、当該当選対象期間が24msec継続する。図16(a)に示すように、第1スルーゲート35への入賞が発生するt2のタイミングは、t1のタイミングで開始される当選対象期間とt1のタイミングから1sec後のt3のタイミングで開始される次の当選対象期間との間に位置しており、当選対象期間外のタイミングである。このため、当該t2のタイミングにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生しても普電開放当選とはならない。
既に説明したとおり、調整機構180から第1スルーゲート35に向けて遊技球B1が排出され得る間隔は1secである。図16(a)に示すように、t2のタイミングの次に第1スルーゲート35への入賞が発生し得るt4のタイミングは、t2のタイミングから1sec後のタイミングである。図16(b)に示すように、当該t4のタイミングは当選対象期間外のタイミングである。このため、図16(d)に示すように、t4のタイミングで第1スルーゲート35への入賞が発生しても、普電開放当選とはならない。
第1スルーゲート35への入賞が可能となる周期と当選対象期間の発生周期とは同一周期である。このため、第1スルーゲート35への入賞が発生し得るタイミングが当選対象期間からずれている場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する非当選連続期間となる。
図16(c)に示すように、t5のタイミングにおいて普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われる。普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われると、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングがずれて当選対象期間と重なることがある。この場合、図16(b)に示すように、t5のタイミングよりも後であるt6のタイミングにおいて当選対象期間が開始される。そして、図16(a)に示すように、当該当選対象期間内であるt7のタイミングにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生し、開放用乱数が取得される。図16(d)に示すように、t7のタイミングで取得された開放用乱数を用いて普電開放抽選が実行されると、当該普電開放抽選において普電開放当選となる。
図16(b)に示すように、t6のタイミングの1sec後であるt8のタイミングにおいて再び当選対象期間が開始される。また、図16(a)に示すように、t7のタイミングの1sec後であるt9のタイミングにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生して開放用乱数が取得される。図16(d)に示すように、t9のタイミングで取得された開放用乱数を用いて行われる普電開放抽選において、普電開放当選が発生する。このように、一旦、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングが当選対象期間と重なると、普電開放抽選において普電開放当選が連続して発生する当選連続期間となる。
その後、図16(c)に示すように、t10のタイミングにおいて、再び普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われる。これにより、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングが当選対象期間からずれる。図16(a)に示すように、t10のタイミングよりも後であるt11のタイミングで第1スルーゲート35への入賞が発生して、開放用乱数が取得される。図16(b)に示すように、当該t11のタイミングは当選対象期間外のタイミングであり、次の当選対象期間はt11のタイミングよりも後であるt12のタイミングで開始される。このため、図16(d)に示すように、t11のタイミングで取得された開放用乱数を用いて普電開放抽選が実行されると外れ結果となる。このように、普電役物開放カウンタC4の初期値更新により、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングが当選対象期間からずれた場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する非当選連続期間に戻る。
図12に示すように、主側RAM65には、当選連続期間の開始タイミングにて「1」が設定されることにより普電役物開放カウンタC4における初期値更新の見送りを実行可能とする見送りフラグ65dと、当選連続期間中であり当該当選連続期間中に既に普電役物開放カウンタC4における初期値更新の見送りが行われた状態となった場合に「1」が設定される見送り完了フラグ65eと、が設けられている。
本パチンコ機10では、当選連続期間となった場合には、その後、最初に迎える普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングにおいて、普電役物開放カウンタC4の初期値更新を1度見送る構成となっている。普電役物開放カウンタC4の初期値更新を頻繁に行うことにより、非当選連続期間において当選連続期間となる可能性を高めるとともに、当選連続期間となった場合に普電役物開放カウンタC4の初期値更新を見送ることにより、当選連続期間を長く継続させる構成である。これにより、当選連続期間の発生を遊技者にとって魅力的なものとすることができる。当選連続期間の発生を遊技者が期待する事象とすることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、当たり乱数カウンタC1について説明する。当たり乱数カウンタC1は、例えば0~599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0~599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球B1が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで主側RAM65の保留格納エリア65aに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM64に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0~29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球B1が第1作動口33又は第2作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア65aに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の第2作動口34の普電役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球B1が特電入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、特電入賞装置32の1回の開放態様が、特電入賞装置32が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置28が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球B1が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構27が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球B1の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球B1の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球B1の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で1回の開放が行われた場合には、特電入賞装置32への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による特電入賞装置32の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける特電入賞装置32の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における特電入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、主側ROM64に振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。また、低入賞高確大当たり結果における開閉実行モードでは、ラウンド遊技の回数が低確大当たり結果及び最有利大当たり結果の場合よりも少ない回数である構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0~29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0~9」が低確大当たり結果に対応しており、「10~14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15~29」が最有利大当たり結果に対応している。
次に、リーチ乱数カウンタC3について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0~238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、所定の大当たり結果となる遊技回では最終的な停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。なお、付与対応結果について具体的には、いずれかの有効ライン上に同一の数字が付された図柄の組合せが停止表示される。
期待演出には、リーチ表示と、リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面41aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組合せを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組合せを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組合せを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置41の表示面41aにおいて図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示が行われる場合の方がリーチ表示が行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、最終的に同一の図柄の組合せが停止表示される遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、同一の図柄の組合せが停止表示されない大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行されない。また、外れ結果に対応した遊技回では、主側ROM64に記憶されたリーチ用テーブルを参照して所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、音声発光制御装置81において行われる。この場合、音声発光制御装置81は、いずれかの大当たり結果に対応した遊技回の方が、外れ結果に対応した遊技回に比べ、予告表示が発生し易いこと、及び出現率の低い予告表示が発生し易いことの少なくとも一方の条件を満たすように、予告表示用の抽選処理を実行する。ちなみに、この抽選結果は、図柄表示装置41にて遊技回用の演出が実行される場合に反映される。
次に、変動種別カウンタCSについて説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0~198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後に「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部37aにおける表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とを主側CPU63において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特図表示部37aにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
<主側CPU63の処理構成について>
次に、主側CPU63にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかる主側CPU63の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
まず、図17のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
まず電源投入ウェイト処理を実行する(ステップS101)。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてからウェイト用の所定時間(具体的には1sec)が経過するまで次の処理に進行することなく待機する。かかる電源投入ウェイト処理の実行期間において図柄表示装置41の動作開始及び初期設定が完了することとなる。その後、主側RAM65のアクセスを許可するとともに(ステップS102)、主側CPU63の内部機能レジスタの設定を行う(ステップS103)。
その後、電源・発射制御装置78に設けられたRAM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し(ステップS104)、さらに主側RAM65の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS105)。また、チェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップS106)、そのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する(ステップS107)。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、主側RAM65をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RAM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RAM65の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、ステップS109の処理を実行した後は、管理用IC66に各種情報を認識させるための認識用処理(ステップS110)、及びMPU62に接続された読み取り装置に各種データを出力するためのデータ出力用処理を実行する(ステップS111)。これら認識用処理及びデータ出力用処理の詳細については後に説明する。
なお、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、メイン処理が開始された段階においてはタイマ割込み処理の発生が禁止されている。このタイマ割込み処理の発生が禁止された状態はステップS111の処理が完了してステップS112の処理が実行される前のタイミングで解除され、タイマ割込み処理の実行が許可される。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合にはステップS111のデータ出力用処理が終了して、ステップS112の処理が開始される前の段階までタイマ割込み処理は実行されない。よって、当該状況となるまでは主側CPU63にて遊技を進行させるための処理が開始されないこととなる。
その後、ステップS112~ステップS115の残余処理に進む。つまり、主側CPU63はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS112~ステップS115の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS112~ステップS115の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS112にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS113では、乱数初期値カウンタCINI及び開放用初期値カウンタC5の更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS114にて変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RAM65の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS115にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS115の処理を実行したら、ステップS112に戻り、ステップS112~ステップS115の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図18のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。タイマ割込み処理は定期的(例えば4msec周期)に実行される。
まず停電情報記憶処理を実行する(ステップS201)。停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行した後に無限ループとなる。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
その後、抽選用乱数更新処理を実行する(ステップS202)。抽選用乱数更新処理では、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、及びリーチ乱数カウンタC3から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
ステップS202の後、ステップS203では開放カウンタ更新処理を実行して普電役物開放カウンタC4(図13)の更新を行う。当該開放カウンタ更新処理の詳細については後述する。その後、ステップS204では、ステップS113と同様に乱数初期値カウンタCINI及び開放用初期値カウンタC5(図13)の更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS205にてステップS114と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。
普電役物開放カウンタC4はループカウンタであり、当該普電役物開放カウンタC4を更新する開放カウンタ更新処理は定期的に実行される。このため、普電役物開放カウンタC4が1周することにより発生する普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングは定期的に発生する。
ここで、普電役物開放カウンタC4の初期値を更新するための開放用初期値カウンタC5がループカウンタであるとともに、当該開放用初期値カウンタC5の更新が定期的に実行される場合、普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングにおいて開放用初期値カウンタC5から初期値として取得される数値情報は、開放用初期値カウンタC5で更新されている数値情報の一部に限られてしまう。
この場合、既に説明した低頻度サポートモードにおける当選連続期間の発生タイミングがランダムにはならない。当選対象期間と入賞可能タイミングとが重なることが無く、当選連続期間が発生しない事態、当選対象期間と入賞可能タイミングとが頻繁に重なり、当選連続期間が頻発する事態、及び当選連続期間が定期的に発生し、遊技者により当選連続期間の発生タイミングが容易に推測される事態が発生し得る。
これに対して、本パチンコ機10は、開放用初期値カウンタC5を更新する乱数初期値更新処理を、定期的なタイマ割込み処理内と、メイン処理の非定期的な残余処理内と、の両方で実行する構成である。このため、当選対象期間と入賞可能タイミングとが適切な頻度で重なる。これにより、非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて、普電開放当選が発生する可能性が高頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性よりも低くなる態様で当選連続期間を発生させることが可能である。
図18の説明に戻り、ステップS205にて変動用カウンタ更新処理を実行した後、ステップS206では、回転体183を4sec間で1回転させるための回転制御処理を実行する。当該回転制御処理では、回転体183に連通されている調整用駆動部184の出力軸184aを回転させるタイミングであるか否かについて判定し、出力軸184aを回転させるタイミングである場合には、調整用駆動部184にパルス信号を送信して出力軸184aを回転させる。本回転制御処理では、8msecに1回の割合で調整用駆動部184の出力軸184aを0.72°回転させるためのパルス信号を送信する。つまり、4msec周期で実行されるタイマ割込み処理において、2回に1回の割合でパルス信号を1回送信して調整用駆動部184を駆動する構成である。
その後、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する(ステップS207)。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、主側RAM65に設けられた遊技停止用フラグに「1」をセットする。続くステップS208では、上記遊技停止用フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定する。ステップS208にて否定判定をした場合に、ステップS209以降の処理を実行する。
ステップS209では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、特電入賞装置32を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には特電用の駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、第2作動口34の普電役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には普電用の駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
その後、読み込み処理を実行する(ステップS210)。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
その後、入球検知処理を実行する(ステップS211)。当該入球検知処理では、各入球検知センサ42a~50aから受信している信号を読み込み、その読み込み結果に基づいて、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第1スルーゲート35、及び第2スルーゲート39への入球の有無を特定する。なお、入球検知処理の詳細については後に説明する。
その後、主側RAM65に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する(ステップS212)。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
その後、遊技球B1の発射制御を行うための発射制御処理を実行する(ステップS213)。発射操作装置28への発射操作が継続されている状況では、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球B1が発射される。続くステップS214では、入力状態監視処理として、ステップS210の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入球検知センサ42a~50aの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
その後、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する(ステップS215)。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア65aに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア65aに時系列的に格納していく処理を実行する。
ここで、普電役物34aの開閉動作が行われている期間をサポート実行期間とすると、当該サポート実行期間中に第2作動口34への入賞が発生した場合には、サポート中入賞カウンタに「1」を加算する処理を行う。そして、サポート中入賞カウンタの値がサポート実行期間に設定されている入賞の上限回数となった場合には、サポート終了フラグに「1」をセットする。ここで、サポート中入賞カウンタは、主側CPU63がサポート実行期間中に発生した第2作動口34への入賞回数の合計回数を把握するために参照するカウンタであり、主側RAM65に設けられている。当該サポート中入賞カウンタは、サポート実行期間の開始タイミングにおいて「0」クリアされる。また、サポート終了フラグは、主側CPU63がサポート実行期間において発生した第2作動口34への入賞回数が上限回数に達し、当該サポート実行期間の終了タイミングとなったことを把握するために参照するフラグであり、主側RAM65に設けられている。
特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。
ここで、当否判定処理において、大当たり当選となった場合には高頻度フラグに「1」をセットする。当該高頻度フラグは、第2作動口34への入賞のサポートモードが高頻度サポートモードである場合に「1」が設定されるフラグである。主側CPU63は、当該高頻度フラグを参照することにより、第2作動口34への入賞のサポートモードが高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれであるかを特定する。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合には、いずれの大当たりであっても、開閉実行モードの終了後にサポートモードが高頻度サポートモードとなる。
特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置81に送信するとともに、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示を開始させる。音声発光制御装置81は変動用コマンド及び種別コマンドを受信することによりこれらコマンドの内容に対応する遊技回用の演出を表示発光部53及びスピーカ部54にて開始させる。また、音声発光制御装置81は変動用コマンド及び種別コマンドの内容に対応する変動パターンコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は変動パターンコマンドを受信することにより、変動パターンコマンドの内容に対応する図柄の変動表示を図柄表示装置41にて開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となる。
特図特電制御処理では、1遊技回の実行中には遊技回の開始時に決定した遊技回の継続期間が経過したか否かを判定することで、その遊技回の終了タイミングであるか否かを判定する。終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、今回の遊技回がいずれかの大当たり結果の発生に対応している場合には、その大当たり結果の種類に対応する絵柄が特図表示部37aにて停止表示されるようにし、今回の遊技回が外れ結果に対応している場合には、外れ結果に対応する絵柄が特図表示部37aにて停止表示されるようにする。また、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は最終停止コマンドを受信することにより表示発光部53及びスピーカ部54における今回の遊技回用の演出を終了させる。また、音声発光制御装置81は最終停止コマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は最終停止コマンドを受信することにより、図柄表示装置41における今回の遊技回用の演出を終了させる。
特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。ラウンド遊技が開始される場合には特電入賞装置32が開放状態となり、ラウンド遊技が終了する場合には特電入賞装置32が閉鎖状態となる。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されることを示す開放コマンドを音声発光制御装置81に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されることを示す閉鎖コマンドを音声発光制御装置81に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置81に送信する。音声発光制御装置81は開閉実行モード中に受信する各種コマンドに対応する態様で表示発光部53及びスピーカ部54にて開閉実行モード用の演出を実行させる。また、音声発光制御装置81は開閉実行モード中に受信したコマンドに対応するコマンドを表示制御装置82に送信する。表示制御装置82は開閉実行モード中に受信する各種コマンドに対応する態様で図柄表示装置41にて開閉実行モード用の演出を実行させる。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合、当該開閉実行モードの終了後における当否抽選モード及びサポートモードが、当該開閉実行モードの実行契機となった大当たり結果の種類に対応するモードとなるようにための処理を実行する。
具体的には、大当たり結果の種類が低確大当たりであった場合に、遊技回数カウンタに高頻度サポートモードの終了基準として「100」を設定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードに設定された状態で終了基準回数の遊技回が消化されたか否かを主側CPU63にて特定するためのカウンタである。当該遊技回数カウンタにセットされた数値情報は遊技回が終了することに基づき「1」が減算されるように更新される。また、大当たり結果の種類が低入賞高確大当たりであった場合、及び最有利大当たり結果であった場合には無期限フラグに「1」を設定する。無期限フラグは、開閉実行モードが終了した後、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで高頻度サポートモードを継続させるためのフラグである。無期限フラグに「1」が設定されている状態の高頻度サポートモードにおいて、発生した大当たり結果が低確大当たりである場合には無期限フラグが「0」クリアされて遊技回数カウンタに「100」が設定されるとともに、発生した大当たり結果が低入賞高確大当たりである場合、及び最有利大当たりである場合には再び無期限フラグに「1」が設定されている状態となる。
タイマ割込み処理においてステップS215の特図特電制御処理を実行した後は、普図普電制御処理を実行する(ステップS216)。普図普電制御処理では、スルーゲート35,39への入賞が発生している場合に、普電役物34aの開閉を実行するか否かについて判定するために普電開放抽選を実行する処理、及び当該普電開放抽選の結果に応じた態様で普図表示部38aの表示及び普電役物34aの開閉を実行する処理を行う。当該普図普電制御処理の詳細については後述する。
続くステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、特図表示部37aに係る保留情報の増減個数を特図保留表示部37bに反映させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aに係る保留情報の増減個数を普図保留表示部38bに反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS217では、直前のステップS215及びステップS216の処理結果に基づいて、特図表示部37aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部38aの表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
その後、払出制御装置77から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する(ステップS218)。また、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する(ステップS219)。また、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS220)。その後、遊技領域PAにおける遊技球B1の入球結果に対応する情報を管理用IC66に出力するための管理用出力処理を実行する(ステップS221)。管理用出力処理の詳細については後に説明する。
次に、タイマ割込み処理(図18)のステップS203にて実行される開放カウンタ更新処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。図19は主側CPU63にて実行される開放カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
先ずステップS301では、普電役物開放カウンタC4における現状の数値情報を読み出し、ステップS302では、ステップS301にて読み出した現状の数値情報が現状の初期値から「1」を減算した値であるか否かについて判定する。ここで、現状の初期値とは、普電役物開放カウンタC4の初期値が更新される度に新たに記憶される数値情報である。
現状の数値情報が現状の初期値から「1」を減算した値である場合(ステップS302:YES)には、今回が普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングであることを意味する。この場合、ステップS303にて高頻度フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する。ステップS303にて高頻度フラグに「1」が設定されていなかった場合には、低頻度サポートモードであることを意味する。この場合には、ステップS304にて見送り完了フラグ65e(図12)に「1」が設定されているか否かについて判定する。
既に説明したとおり、主側RAM65(図12)は、見送りフラグ65d(図12)及び見送り完了フラグ65e(図12)を備えている。見送りフラグ65dは、低頻度サポートモードで行われる普電開放抽選において、当選連続期間となり、普電開放当選が3回続けて発生した場合に「1」が設定されるフラグである。
低頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生し得る場合としては、非当選連続期間において第2スルーゲート39への入賞が発生した場合、当選連続期間において第1スルーゲート35への入賞が発生した場合、及び当選連続期間において第2スルーゲート39への入賞が発生した場合がある。このうち、第2スルーゲート39への入賞が発生した場合に普電開放当選となる確率は、非当選連続期間及び当選連続期間の両方において略1/42である。
このため、低頻度サポートモードでは、第2スルーゲート39への入賞を契機として行われる普電開放抽選において、3回連続して普電開放当選となる確率は低く(略1/74000)、3回連続の普電開放当選はほとんど発生しない。また、偶然発生した場合においても、次の普電開放当選において外れ結果となった場合には見送りフラグ65dが「0」クリアされる。
一方、当選連続期間では、第1スルーゲート35への入賞を契機として普電開放抽選が行われると普電開放当選となる。このため、遊技者が第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作している状態において当選連続期間となった場合、当該当選連続期間となってから第1スルーゲート35への入賞が3回発生した段階で見送りフラグ65dに「1」が設定される。当選連続期間において、見送りフラグ65dに「1」が設定されている状態で迎える初期値更新タイミングでは、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が見送られる。
また、見送り完了フラグ65eは、見送りフラグ65dに「1」が設定されている状態で初期値更新タイミングを迎え、普電役物開放カウンタC4の初期値更新を見送った場合に「1」が設定されるフラグである。ここで、見送りフラグ65dは、低頻度サポートモードであることを一の条件として「1」が設定されるフラグである。このため、高頻度サポートモードにおいて見送りフラグ65dに「1」が設定されることはない。高頻度サポートモードにおいては見送りフラグ65dに「1」が設定されないため、見送り完了フラグ65eに「1」が設定されることもない。見送りフラグ65dに「1」を設定する処理については後述する。
開放カウンタ更新処理(図19)のステップS304にて見送り完了フラグ65eに「1」が設定されている場合には、今回の当選連続期間において既に普電役物開放カウンタC4の初期値更新が見送られたことを意味する。
ステップS304にて見送り完了フラグ65eに「1」が設定されていない場合には、ステップS305にて見送りフラグ65dに「1」が設定されているか否かについて判定する。見送りフラグ65dに「1」が設定されている場合(ステップS305:YES)には、今回の初期値更新タイミングが見送り対象の初期値更新タイミングであることを意味する。この場合、ステップS306にて見送りフラグ65dを「0」クリアし、ステップS307にて見送り完了フラグ65eに「1」を設定する。
ステップS302にて初期値更新タイミングでないと判定した後、又はステップS307にて見送り完了フラグ65eを「0」クリアした後、ステップS308では、現状の数値情報が普電役物開放カウンタC4の最大値(「65505」)であるか否かについて判定する。
ステップS308にて現状の数値情報が最大値でなかった場合には、ステップS309にて現状の数値情報に「1」を加算して数値情報を更新する。また、ステップS308にて現状の数値情報が最大値であった場合には、ステップS310にて現状の数値情報を「0」クリアすることにより数値情報を更新する。
ステップS304にて見送り完了フラグ65eに「1」が設定されている場合には、初期値更新が見送られた後、普電役物開放カウンタC4が1周して再び初期値更新タイミングとなったことを意味する。この場合、ステップS311にて見送り完了フラグ65eを「0」クリアする。
ステップS303にて高頻度サポートモードであると判定した後、ステップS305にて見送りフラグ65dに「1」が設定されていないと判定した後、又はステップS311にて見送り完了フラグ65eを「0」クリアした後、普電役物開放カウンタC4の初期値を更新する。具体的には、ステップS312にて開放用初期値カウンタC5における現状の数値情報を取得する。そして、ステップS313では、ステップS312にて取得した数値情報を新たな初期値として現状の初期値に上書きして初期値を更新する。このように、普電役物開放カウンタC4の初期値が変更されることにより、当選対象期間がシフトする。これにより、遊技者に報知されないタイミングで非当選連続期間から当選連続期間への移行を発生させることができる。ステップS313において更新された初期値は、ステップS302において、初期値更新タイミングであるか否かの判定に利用される。
続くステップS314では、ステップS313にて更新された初期値を普電役物開放カウンタC4に上書きすることにより、普電役物開放カウンタC4の数値情報を更新して、本開放カウンタ更新処理を終了する。
このように、当選連続期間となってから最初に迎える普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングにおいて初期値の更新を見送る構成とすることにより、当選連続期間の継続時間を延ばし、当該当選連続期間を遊技者にとってさらに魅力的な期間とすることができる。一方、高頻度サポートモードにおいて初期値更新タイミングを迎えた場合(ステップS303:YES)には、常に普電役物開放カウンタC4の初期値更新を実行する。
次に、タイマ割込み処理(図18)のステップS216にて実行される普図普電制御処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。図20は主側CPU63にて実行される普図普電制御処理を示すフローチャートである。
普図普電制御処理では、スルーゲート35,39への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報を用いて普電開放抽選を行い、さらにその普電開放抽選を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、普電開放抽選の結果に基づいて、第2作動口34の普電役物34aを開閉させる処理を実行する。
普図普電制御処理では、図20のフローチャートに示すように、先ずステップS401にて、普図側の保留情報取得処理を実行して、スルーゲート35,39への入賞に対応する保留情報を取得する。ここで、当該普図側の保留情報取得処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。図21は主側CPU63にて実行される普図側の保留情報取得処理を示すフローチャートである。
先ずステップS501では、第1ゲート入賞フラグに「1」が設定されているか否かについて判定することにより、遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞が発生したか否かについて判定する。ここで、第1ゲート入賞フラグは第1スルーゲート35に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。そして、第1ゲート入賞フラグに「1」が設定されている場合には、ステップS502にて第1ゲート入賞フラグを「0」クリアする。
ステップS501にて第1ゲート入賞フラグに「1」が設定されていなかった場合にはステップS503に移る。ステップS503では、第2ゲート入賞フラグに「1」が設定されているか否かについて判定することにより、遊技球B1の第2スルーゲート39への入賞が発生したか否かについて判定する。ここで、第2ゲート入賞フラグは第2スルーゲート39に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
ステップS503にて第2ゲート入賞フラグに「1」が設定されていない場合には、そのまま本保留情報取得処理を終了し、第2ゲート入賞フラグに「1」が設定されている場合には、ステップS504にて第2ゲート入賞フラグを「0」クリアする。
ステップS502にて第1ゲート入賞フラグを「0」クリアした後、又はステップS504にて第2ゲート入賞フラグを「0」クリアした後、ステップS505では、普電保留用エリアHAにおける現状の普電保留情報が上限数(4個)未満であるか否かについて判定する。そして、普電保留情報が上限数である場合(ステップS505:NO)にはそのまま本保留情報取得処理を終了し、普電保留情報が上限数未満である場合(ステップS505:YES)にはステップS506に移る。ステップS506では、普電役物開放カウンタC4の数値情報を空である普電保留エリアHA1~H4の中で最も優先順位の高い普電保留エリアHA1~HA4に格納して、本保留情報取得処理を終了する。
1回の処理回において、第1ゲート入賞フラグに設定されている「1」に対応する保留情報の取得と、第2ゲート入賞フラグに設定されている「1」に対応する保留情報の取得と、の両方を実行する構成とすると、当該処理回において取得される2つの保留情報が同一の保留情報になってしまう。
これに対して、普図側の保留情報取得処理では、今回の処理回において第1ゲート入賞フラグと第2ゲート入賞フラグとの両方に「1」が設定されている場合には、第1ゲート入賞フラグに「1」が設定されていることに対応する保留情報の取得のみを実行する。そして、第2ゲート入賞フラグに「1」が設定されていることに対応する保留情報の取得は次回の処理回において実行する。
このため、第2ゲート入賞フラグに「1」が設定されている期間が、第1ゲート入賞フラグに「1」が設定されている期間と重なった場合に、遊技球B1の第2スルーゲート39への入賞を契機として取得される開放用乱数を、第1スルーゲート35への入賞を契機として取得される開放用乱数とは異なるものとすることができる。
普図普電制御処理(図20)の説明に戻り、ステップS401にて普図側の保留情報取得処理を実行した後、ステップS402では、主側RAM65に設けられた普図普電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS403では、主側ROM64から普図普電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS404にて、普図普電アドレステーブルから普図普電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS402~ステップS404の処理内容について説明する。既に説明したとおり普図普電制御処理には、普図用の演出に係る処理、普電役物34aの開閉に係る処理が含まれている。この場合に、普図用の演出に係る処理として、普図変動開始処理と、普図変動中処理と、普図確定中処理と、が設定されている。また、普電役物34aの開閉に係る処理として、普電開放中処理と、普電閉鎖中処理と、が設定されている。
このような処理構成において、普図普電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側CPU63にて把握するためのカウンタであり、普図普電アドレステーブルには、普図普電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムにおける開始アドレスが設定されている。
普図普電カウンタは「0」~「4」の数値情報を設定可能となっており、普図普電アドレステーブルには普図普電カウンタの各数値情報に1対1で対応させて開始アドレスの情報(「NSA0」~「NSA4」)が設定されている。この場合、開始アドレスNSA0は、普図変動開始処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA1は、普図変動中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA2は、普図確定中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA3は、普電開放中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスNSA4は、普電閉鎖中処理を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
普図普電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における普図普電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリアされる。したがって、各処理回における普図普電制御処理では、普図普電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
上記構成によれば、普図普電制御としていずれの処理を実行すべき状態であるかを、各種フラグの有無を確認しなくても主側CPU63にて把握することが可能となる。よって、処理の簡素化が図られる。
以下に、普図普電カウンタ及び普図普電アドレステーブルを利用して、普図変動開始処理、普図変動中処理、普図確定中処理、普電開放中処理及び普電閉鎖中処理を実行するための処理構成を説明する。
図20の説明に戻り、ステップS404の処理を実行した後は、ステップS405にて、普図側のゼロフラグの設定処理を実行する。普図側のゼロフラグの設定処理では、普図普電タイマカウンタの数値情報を読み出し、普図普電タイマカウンタの数値情報が「0」である場合に、主側CPU63のレジスタに設けられた普図側のゼロフラグに「1」をセットする処理を実行する。普図普電タイマカウンタは、時間の経過に応じた普図普電カウンタの更新タイミングを主側CPU63にて特定するために利用されるカウンタであり、所定の時間に対応した数値情報はステップS407~ステップS411の各処理にてセットされるとともに、数値情報の更新はタイマ割込み処理(図18)におけるステップS212のタイマ更新処理にて実行される。
続くステップS406では、ステップS404にて取得した開始アドレスの示す処理にジャンプ(移行)する処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがNSA0である場合にはステップS407の普図変動開始処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA1である場合にはステップS408の普図変動中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA2である場合にはステップS409の普図確定中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA3である場合にはステップS410の普電開放中処理にジャンプし、取得した開始アドレスがNSA4である場合にはステップS411の普電閉鎖中処理にジャンプする。そして、ステップS407~ステップS411のいずれかの処理を実行した後に、本普図普電制御処理を終了する。以下、ステップS407~ステップS411の処理について個別に説明する。
先ず、普図普電制御処理(図20)における普図変動開始処理(ステップS407)について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。図22は主側CPU63にて実行される普図変動開始処理を示すフローチャートである。
普図変動開始処理では、先ずステップS601にて、主側RAM65に設けられた高頻度フラグを参照することにより、高頻度サポートモードであるか否かについて判定する。ステップS601にて高頻度フラグに「1」が設定されており、高頻度サポートモードである場合には、ステップS602にて無期限フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する。既に説明したとおり、無期限フラグに「1」が設定されている場合には、低入賞高確大当たり当選又は最有利大当たり当選となり、開閉実行モードが終了した後に高頻度サポートモードとなったことを意味する。
ステップS602にて無期限フラグに「1」が設定されていなかった場合には、ステップS603にて遊技回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS603にて遊技回数カウンタの値が「0」であった場合には、高頻度サポートモードの終了基準回数に達したことを意味する。この場合には、ステップS604にて、高頻度フラグを「0」クリアする。これにより、普電役物34aのサポートモードが高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
ここで、普図変動開始処理は、普図普電カウンタの数値情報が普電開放中処理や普電閉鎖中処理に対応している状況、すなわち普電開放当選となった場合の普電役物34aの開閉動作実行中は実行されない。したがって、終了基準回数目の遊技回の終了前に普電開放当選となったことに基づく開閉動作実行中に終了基準回数目の遊技回が終了したとしてもサポートモードは高頻度サポートモードに維持され、普電役物34aの開閉実行動作が終了した後に低頻度サポートモードに切り換えられる。
続くステップS605では、高頻度解除用の外部出力設定処理を実行する。当該外部出力設定処理では、遊技ホールの管理コンピュータへの外部端子板97(図2)からの高頻度信号の出力が停止されるように主側RAM65のデータ設定を行う。高頻度信号は高頻度サポートモードに移行する場合に出力が開始される。ちなみに、当該高頻度信号の出力停止はタイマ割込み処理(図18)におけるステップS220の外部情報設定処理にて実行する。
ステップS601にて否定判定を行った後、ステップS602にて肯定判定を行った後、ステップS603にて否定判定を行った後、又はステップS605の処理を実行した後、ステップS606では、普図側の保留情報の合計数NSが1以上であるか否かを判定する。そして、普図側の保留情報の合計数NSが「0」である場合(ステップS606:NO)にはそのまま本普図変動開始処理を終了し、1以上である場合(ステップS606:YES)にはステップS607に進む。
ステップS607では、普電役物34aの開閉動作を実行する普電開放当選であるか否かについて判定する普電開放抽選処理を実行して、本普図変動開始処理を終了する。ここで、普電開放抽選処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。図23は主側CPU63にて実行される普図開放抽選処理を示すフローチャートである。
普電開放抽選処理では、先ずステップS701にて、普電保留用エリアHA(図13)のシフト処理を実行する。当該シフト処理では、普電保留用エリアHAの第1普電保留エリアHA1(図13)に格納されている開放用乱数を普電実行エリアHB(図13)にシフトするとともに、そのシフト後に第1普電保留エリアHA1をクリアする。また、第2普電保留エリアHA2(図13)→第1普電保留エリアHA1、第3普電保留エリアHA3(図13)→第2普電保留エリアHA2、第4普電保留エリアHA4(図13)→第3普電保留エリアHA3といった具合に各エリア内の開放用乱数をシフトする。
続くステップS702では、高頻度フラグに「1」がセットされているか否かについて判定し、高頻度フラグに「1」が設定されている場合(ステップS702:YES)には、ステップS703にて開閉実行モード中であるか否かについて判定する。ステップS702にて否定判定をした場合、又はステップS703にて肯定判定をした場合には、ステップS704に進む。
ステップS704では、主側ROM64から低頻度用当選判定値テーブルT1(図14(a))を読み出し、ステップS705では、普図当否判定処理(普電開放抽選)を行う。普電開放抽選では、普電実行エリアHBに格納されている開放用乱数が低頻度用当選判定値テーブルT1に記憶されているいずれかの当選判定値と一致している場合に普電開放当選となるとともに、いずれの当選判定値とも一致していない場合に外れ結果となる。
続くステップS706では、ステップS705における普図当否判定処理の結果が普電開放当選であったか否かについて判定する。普図当否判定処理の結果が普電開放当選であった場合(ステップS706:YES)には、ステップS707にて高頻度フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する。高頻度フラグに「1」が設定されておらず、低頻度サポートモードである場合(ステップS707:NO)には、ステップS708にて当選連続フラグに「1」が設定されているか否かについて判定する。ここで、当選連続フラグは、低頻度サポートモードにおける当選連続期間であることを把握するためのフラグであり、主側RAM65(図12)に設けられている。
主側RAM65は、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、普電開放当選が連続して発生した回数を把握するための当選連続カウンタを備えている。主側CPU63(図12)は、当選連続カウンタの値が「3」となった場合に当選連続期間となったことを把握し、当選連続フラグに「1」を設定する。
ステップS708において当選連続フラグに「1」が設定されていなかった場合には、ステップS709にて当選連続カウンタに「1」を加算し、ステップS710にて当選連続カウンタの値が「3」であるか否かについて判定する。そして、当選連続カウンタの値が「3」である場合(ステップS710:YES)に、当選連続期間となったことを把握する。
この場合、ステップS711にて当選連続カウンタを「0」クリアし、ステップS712にて見送りフラグ65dに「1」を設定する。これにより、今回の当選連続期間が発生してから最初に迎える普電役物開放カウンタC4の初期値更新タイミングにおいて、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が見送られる。そして、ステップS713では、当選連続フラグに「1」を設定して当選連続期間であることを記憶する。
ステップS705における普図当否判定処理(普電開放抽選)において外れ結果となった場合(ステップS706:NO)には、ステップS714にて当選連続カウンタを「0」クリアし、ステップS715にて当選連続フラグを「0」クリアする。このため、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、遊技球B1の第2スルーゲート39への入賞を契機として普電開放当選が1回だけ発生した場合や偶然2回連続して発生した場合においても、当選連続期間が開始されたとは判定されない。
ステップS703にて否定判定を行った場合には、高頻度サポートモードであるとともに、開閉実行モード中でないため、ステップS716にて主側ROM64から高頻度用当選判定値テーブルT2(図14(b))を読み出し、ステップS717にて、ステップS705と同様に普図当否判定処理を行う。普図当否判定処理では、普電実行エリアHBに格納されている開放用乱数が高頻度用当選判定値テーブルT2に記憶されているいずれかの当選判定値と一致している場合に普電開放当選となるとともに、いずれの当選判定値とも一致していない場合に外れ結果となる。
ステップS707にて高頻度サポートモードであると判定した後、ステップS708にて既に当選連続期間であると判定した後、ステップS710にて当選連続カウンタの値が「2」以下であると判定した後、ステップS713にて当選連続フラグに「1」を設定した後、ステップS715にて当選連続フラグを「0」クリアした後、又はステップS717にて普図当否判定処理を実行した後、ステップS718では、主側ROM64に記憶されている普図変動時間を読み出す。主側ROM64には、当該普図変動時間を0.5secとする情報が予め記憶されている。
続くステップS719では、ステップS718にて読み出した普図変動時間の情報を普図普電タイマカウンタへセットし、ステップS720にて普図表示部38a(図3)の変動表示を開始させるための処理を実行する。そして、ステップS721にて普図普電カウンタの数値情報に「1」を加算することにより普図普電カウンタの数値情報を「0」から「1」に更新して、本普図変動開始処理を終了する。
既に説明したとおり、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選が3回連続して発生したとしても、当該3回連続の普電開放当選を契機として見送りフラグ65dに「1」が設定されることが無いように、ステップS707にて高頻度サポートモードであると判定した場合には、ステップS708~ステップS713の処理が実行されないようになっている。
次に、普図普電制御処理(図20)における普図変動中処理(ステップS408)について説明する。普図変動中処理では、先ずゼロフラグを参照することにより、普図表示部38aにおける表示を終了するタイミングであるか否かについて判定する。そして、変動表示の終了タイミングでない場合には、普図表示部38aの表示内容を更新するタイミングとなっていることを条件として、普図表示部38aに表示させる絵柄を次の順番の絵柄に更新する。一方、普図表示部38aにおける変動表示の終了タイミングである場合には、普図表示部38aにおいて今回の最終停止絵柄を表示するための絵柄停止処理を実行する。当該絵柄停止処理では、最終停止時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットする。絵柄停止処理を実行した後、普図普電カウンタを「1」から「2」に更新する。
次に、普図普電制御処理(図20)における普図確定中処理(ステップS409)について図24のフローチャートを参照しながら説明する。普図確定中処理では、先ずステップS801にて、普図変動中処理にて普図普電タイマカウンタにセットされた最終停止時間が経過したか否かを判定する。なお、当該判定処理について具体的にはゼロフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
最終停止時間が経過していない場合(ステップS801:NO)には、そのまま本普図確定中処理を終了し、最終停止時間が経過している場合(ステップS801:YES)には、ステップS802にて今回の変動表示の契機となった普電開放抽選の結果が普電開放当選であるか否かについて判定する。そして、普電開放当選である場合(ステップS802:YES)にはステップS803に進む。
ステップS803では、主側RAM65に設けられた普電開放カウンタに「5」をセットし、ステップS804では、主側RAM65に設けられた普電入賞カウンタに「10」をセットする。普電開放カウンタは今回の普電役物34aの開閉動作における普電役物34aの残り開放回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタであり、普電入賞カウンタは今回の普電役物34aの開閉動作中に第2作動口34への入賞が上限個数分発生したか否かを主側CPU63にて特定するためのカウンタである。その後、ステップS805にてサポート中入賞カウンタを「0」クリアし、ステップS806にて普図普電タイマカウンタに開放継続時間(具体的には1sec)の数値情報をセットする。
続くステップS807では、普図普電カウンタに「1」を加算することにより、普図普電カウンタの数値情報を「2」から「3」に更新して、本普図変動開始処理を終了する。
また、ステップS802にて、今回の変動表示の契機となった普電開放抽選の結果が普電開放当選ではない場合には、ステップS808にて、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアした後に、本普図確定中処理を終了する。
次に、普図普電制御処理(図20)における普電開放中処理(ステップS410)について説明する。普電開放中処理では、先ず普電役物34aの閉鎖タイミングであるか否かについて判定し、閉鎖タイミングでない場合には普電役物34aの開放状態を維持する。一方、普電役物34aの閉鎖タイミングである場合には、普電役物34aを閉鎖状態とするための処理を実行する。この場合に、普電開放カウンタの値を「1」減算するように更新し、普電開放カウンタの値が「0」である場合には、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアして、普電役物34aの開閉動作を終了する。また、サポート終了フラグに「1」が設定されている場合には、既に第2作動口34への入賞回数が上限回数に達したことを意味する。この場合には、普電開放カウンタ及びサポート終了フラグを「0」クリアするとともに、普図普電カウンタの数値情報を「0」クリアして、普電役物34aの開閉動作を終了する。また、普電役物開放カウンタの数値情報が「1」以上であるとともに、サポート終了カウンタに「1」が設定されていない場合には、普電役物34aの閉鎖時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「3」から「4」に更新する。
普電役物34aの開閉動作が基準回数に達した場合、又は今回のサポート実行期間中に発生した第2作動口34への入賞回数が上限回数に達した場合に、今回のサポート実行期間が終了する。
次に、普図普電制御処理(図20)における普電閉鎖中処理(ステップS411)について説明する。普電閉鎖中処理では、普電役物34aの閉鎖状態を維持するとともに閉鎖時間が経過した場合には普電役物34aを再度開放状態とするための処理を実行する。具体的には、高頻度用の開放継続時間の情報を普図普電タイマカウンタにセットするとともに、普図普電カウンタを「4」から「3」に更新する。
次に、主側CPU63にて、各入球検知センサ42a~50aの検知結果に基づき、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34、第1スルーゲート35、及び第2スルーゲート39への遊技球B1の入球の有無を特定するための構成について説明する。図25は主側CPU63に入球検知センサ42a~50aの検知結果が入力されるようにする構成を説明するための説明図である。
主側CPU63には入力ポート63aが設けられている。入力ポート63aは、9種類の信号を同時に扱うことができるように9ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0~第8ビットD8を備えている。また、入力ポート63aには10種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を9種類に制限するために、入力ポート63aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。
タイマ割込み処理(図18)の入球検知処理(ステップS211)では、入力ポート63aへの入力対象となる信号群が各入球検知センサ42a~50aからの信号群に設定される。かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は第1入賞口検知センサ42aからの検知信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は第2入賞口検知センサ43aからの検知信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は第3入賞口検知センサ44aからの検知信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は特電検知センサ45aからの検知信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第1作動口検知センサ46aからの検知信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第2作動口検知センサ47aからの検知信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6はアウト口検知センサ48aからの検知信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第1ゲート検知センサ49aからの検知信号に対応した情報が格納され、第8ビットD8は第2ゲート検知センサ50aからの検知信号に対応した情報が格納される。
上記各入球検知センサ42a~50aは、遊技球B1の通過を検知していない場合には検知信号として非検知中であることを示すLOWレベル信号を出力し、遊技球B1の通過を検知している場合には検知信号として検知中であることを示すHIレベル信号を出力する。そして、入力ポート63aではLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「0」の情報を格納し、HIレベル信号を受信している場合に該当するビットに対して「1」の情報を格納する。つまり、入球検知センサ42a~50aにおいて遊技球B1の通過が検知されていない状況では該当するビットに対して非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球B1の通過が検知されている状況では該当するビットに対して検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
図26はタイマ割込み処理(図18)のステップS211にて実行される入球検知処理を示すフローチャートである。
第0ビットD0に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS901:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS902)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS903)。第1出力フラグは、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。10個賞球用カウンタは、10個の遊技球B1の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。10個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図18)におけるステップS219の払出出力処理にて10個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、10個賞球コマンドを1回出力した場合には10個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は10個賞球コマンドを受信した場合、10個の遊技球B1が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第1ビットD1に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS904:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS905)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS906)。第2出力フラグは、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第2ビットD2に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS907:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第3出力フラグに「1」をセットするとともに(ステップS908)、主側RAM65に設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS909)。第3出力フラグは、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第3ビットD3に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS910:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた特電入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS911)、主側RAM65に設けられた第4出力フラグに「1」をセットし(ステップS912)、さらに主側RAM65に設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS913)。特電入賞フラグは開閉実行モードのラウンド遊技において特電入賞装置32に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図18)の特図特電制御処理(ステップS215)では特電入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、特電入賞装置32への1個の遊技球B1の入球が発生したことを特定し、ラウンド遊技における特電入賞装置32への残りの入球可能個数を1減算する。かかる入球可能個数を1減算する処理を実行した場合に特電入賞フラグを「0」クリアする。第4出力フラグは、特電検知センサ45aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。15個賞球用カウンタは、15個の遊技球B1の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。15個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図18)におけるステップS219の払出出力処理にて15個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、15個賞球コマンドを1回出力した場合には15個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は15個賞球コマンドを受信した場合、15個の遊技球B1が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第4ビットD4に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS914:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS915)、主側RAM65に設けられた第5出力フラグに「1」をセットし(ステップS916)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS917)。第1作動入賞フラグは第1作動口33に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図18)の特図特電制御処理(ステップS215)では第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電制御処理(ステップS215)にて第1作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1作動入賞フラグを「0」クリアする。第5出力フラグは、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。1個賞球用カウンタは、1個の遊技球B1の払い出しを実行すべき回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1個賞球用カウンタの値が1以上である場合、タイマ割込み処理(図18)におけるステップS219の払出出力処理にて1個賞球コマンドを払出制御装置77に出力するとともに、1個賞球コマンドを1回出力した場合には1個賞球用カウンタの値を1減算する。払出制御装置77は1個賞球コマンドを受信した場合、1個の遊技球B1が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。
第5ビットD5に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS918:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2作動入賞フラグに「1」をセットするとともに(ステップS919)、主側RAM65に設けられた第6出力フラグに「1」をセットし(ステップS920)、さらに主側RAM65に設けられた1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS921)。第2作動入賞フラグは第2作動口34に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図18)の特図特電制御処理(ステップS215)では第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、保留格納エリア65aの保留用エリアREに格納されている保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、保留情報を新たに格納する処理を実行する。特電制御処理(ステップS215)にて第2作動入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第2作動入賞フラグを「0」クリアする。第6出力フラグは、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第6ビットD6に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS922:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第7出力フラグに「1」をセットする(ステップS923)。第7出力フラグは、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球B1が検知されたことを示す情報出力を管理用IC66に対して実行すべきことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。
第7ビットD7に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS924:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第1ゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS925)。第1ゲート入賞フラグは第1スルーゲート35に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図18)の普図普電制御処理(ステップS216)では、図21にて既に説明したように、第1ゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留格納エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、現状の普電役物開放カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留格納エリア65cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップS216)にて第1ゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第1ゲート入賞フラグを「0」クリアする。
第8ビットD8に「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2ゲート検知センサ50aにて1個の遊技球B1が検知されたと判定する(ステップS926:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた第2ゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS927)。第2ゲート入賞フラグは第2スルーゲート39に1個の遊技球B1が入球したことを主側CPU63にて特定するためのフラグである。タイマ割込み処理(図18)の普図普電制御処理(ステップS216)では、図21にて既に説明したように、第2ゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認することで、普電保留格納エリア65cに格納されている普図側の保留情報の個数が上限個数である4個未満であることを条件として、現状の普電役物開放カウンタC4の数値情報を普図側の保留情報として普電保留格納エリア65cに格納する処理を実行する。普図普電制御処理(ステップS216)にて第2ゲート入賞フラグに「1」がセットされていることを確認し、その確認に対応する処理を実行した場合に第2ゲート入賞フラグを「0」クリアする。
なお、タイマ割込み処理(図18)は既に説明したとおり4msec周期で起動されるため、1個の入球検知センサ42a~50aにて1個の遊技球B1の検知が開始された場合、当該入球検知センサ42a~50aにてその1個の遊技球B1の検知を継続している状況において当該入球検知センサ42a~50aにて1個の遊技球B1が検知されたことの特定が主側CPU63にて行われる。したがって、第1~第7出力フラグはそれぞれ1個ずつ設けられていれば十分である。
次に、払出制御装置77にて実行される処理内容について説明する。まず払出制御装置77及び当該払出制御装置77との間で通信を行う各種装置の電気的構成について、図27のブロック図を参照しながら説明する。
払出制御装置77はMPU91を備えている。MPU91には、制御部及び演算部を含む演算処理装置である払出側CPU92の他に、払出側ROM93、払出側RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
払出側ROM93は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。払出側ROM93は、払出側CPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
払出側RAM94は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。払出側RAM94は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に払出側ROM93よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。払出側RAM94は、払出側ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
払出側CPU92は、主側CPU63と双方向通信を行うことが可能となっている。払出側CPU92は主側CPU63から賞球コマンドを受信することにより、その賞球コマンドに対応する個数の遊技球B1が払い出されるように払出装置76を駆動制御する。また、払出側CPU92は、遊技球B1の払い出しを正常に行うことが可能な状態であるか否かを監視し、正常に行うことが可能ではない状態であると特定した場合には払出側RAM94に未払出の賞球個数情報が記憶されている状況であっても払出装置76を停止させる。また、払出側CPU92は、このように正常に払い出しを行うことが可能ではない状態であることを示す払出制限コマンドを主側CPU63に送信する。主側CPU63は当該払出制限コマンドを受信した場合、遊技球B1の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態であることを示す報知が図柄表示装置41、表示発光部53及びスピーカ部54にて実行されるように音声発光制御装置81に報知用コマンドを送信する。遊技球B1の払い出しを正常に行うことが可能ではない状態として、下皿56aが遊技球B1で満タンとなる満タン状態と、タンク75に遊技球B1が補充されていない球無状態と、払出装置76が正常に動作しない払出異常状態と、遊技機本体12が外枠11から開放された本体開放状態と、前扉枠14が内枠13から開放された前扉開放状態と、が存在している。
払出装置76から下皿56aへと通じる遊技球B1通路の途中位置には図示しない満タン検知センサが設けられており、当該満タン検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、満タン検知センサにおいて遊技球B1が継続して検知された場合に満タン状態であると特定し、満タン検知センサにて遊技球B1が継続して検知される状態が解除された場合に満タン状態が解除されたと特定する。
タンク75から払出装置76へと通じる遊技球B1通路の途中位置に図示しない球無検知センサが設けられており、当該球無検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、球無検知センサにおいて遊技球B1が継続して検知されない場合に球無状態であると特定し、球無検知センサにて遊技球B1が継続して検知されない状態が解除された場合に球無状態が解除されたと特定する。
払出装置76には当該払出装置76から払い出される遊技球B1を検知するための図示しない払出検知センサが設けられており、当該払出検知センサの検知結果は払出側CPU92に入力される。払出側CPU92は、払出検知センサにて遊技球B1が検知された場合に払出装置76から1個の遊技球B1が払い出されたと特定する。また、払出側CPU92は、遊技球B1が払い出されるように払出装置76を駆動制御しているにも関わらず払出検知センサにて遊技球B1が継続して検知されない場合に払出異常状態であると特定し、払出検知センサにて遊技球B1が継続して検知されない状態が解除された場合に払出異常状態が解除されたと特定する。
内枠13の前面部には前扉開放センサ95が設けられており(図2参照)、当該前扉開放センサ95の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、内枠13に対して前扉枠14が閉鎖状態である場合に前扉開放センサ95は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、内枠13に対して前扉枠14が開放状態である場合に前扉開放センサ95は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、前扉開放センサ95から閉鎖検知信号を受信している場合に前扉枠14が閉鎖状態であると特定し、前扉開放センサ95から開放検知信号を受信している場合に前扉枠14が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、前扉枠14が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉開放コマンドを送信し、前扉枠14が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に前扉閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、前扉開放コマンドを受信した場合に前扉枠14が開放状態となったと特定し、前扉閉鎖コマンドを受信した場合に前扉枠14が閉鎖状態となったと特定する。
裏パックユニット15の前面部には本体開放センサ96が設けられており(図2参照)、当該本体開放センサ96の検知結果は払出側CPU92に入力される。この場合、外枠11に対して遊技機本体12が閉鎖状態である場合に本体開放センサ96は閉鎖検知信号を払出側CPU92に送信し、外枠11に対して遊技機本体12が開放状態である場合に本体開放センサ96は開放検知信号を払出側CPU92に送信する。払出側CPU92は、本体開放センサ96から閉鎖検知信号を受信している場合に遊技機本体12が閉鎖状態であると特定し、本体開放センサ96から開放検知信号を受信している場合に遊技機本体12が開放状態であると特定する。また、払出側CPU92は、遊技機本体12が閉鎖状態から開放状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体開放コマンドを送信し、遊技機本体12が開放状態から閉鎖状態となったと特定したタイミングで主側CPU63に本体閉鎖コマンドを送信する。主側CPU63は、本体開放コマンドを受信した場合に遊技機本体12が開放状態となったと特定し、本体閉鎖コマンドを受信した場合に遊技機本体12が閉鎖状態となったと特定する。
図28のフローチャートを参照しながら、払出側CPU92にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、予め定められた周期(例えば2msec)で繰り返し起動されるものである。
まず満タン用処理を実行する(ステップS1001)。満タン用処理では、既に説明したとおり満タン検知センサの検知結果に基づいて満タン状態であるか否かを特定し、満タン状態である場合には遊技球B1の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、満タン状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、満タン状態が解除された場合には遊技球B1の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、満タン状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、球無用処理を実行する(ステップS1002)。球無用処理では、既に説明したとおり球無検知センサの検知結果に基づいて球無状態であるか否かを特定し、球無状態である場合には遊技球B1の払い出しを停止させるための処理を実行するとともに、球無状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、球無状態が解除された場合には遊技球B1の払い出しを可能とさせるための処理を実行するとともに、球無状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、払出異常監視処理を実行する(ステップS1003)。払出異常監視処理では、既に説明したとおり払出検知センサの検知結果に基づいて払出異常状態であるか否かを特定し、払出異常状態である場合には遊技球B1の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、払出異常状態であることを示すコマンドを主側CPU63に送信する。また、払出異常状態が解除された場合には遊技球B1の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、払出異常状態が解除されたことを示すコマンドを主側CPU63に送信する。
その後、前扉開放監視処理を実行する(ステップS1004)。前扉開放監視処理では、既に説明したとおり前扉開放センサ95の検知結果に基づいて前扉枠14が開放状態であるか否かを特定し、前扉枠14が開放状態である場合には遊技球B1の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、前扉開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、前扉枠14が閉鎖された場合には遊技球B1の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、前扉閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
その後、本体開放監視処理を実行する(ステップS1005)。本体開放監視処理では、既に説明したとおり本体開放センサ96の検知結果に基づいて遊技機本体12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機本体12が開放状態である場合には遊技球B1の払い出しを停止させる処理を実行するとともに、本体開放コマンドを主側CPU63に送信する。また、遊技機本体12が閉鎖された場合には遊技球B1の払い出しを可能とさせる処理を実行するとともに、本体閉鎖コマンドを主側CPU63に送信する。
その後、コマンド読込処理を実行する(ステップS1006)。当該コマンド読込処理では、主側CPU63が送信した賞球コマンドを読み込む処理を実行する。そして、その賞球コマンドを、払出側RAM94に格納する。そして、その受信した賞球コマンドに対応する個数を払出側RAM94における未払出の賞球個数情報に加算するための賞球設定処理を実行した後に(ステップS1007)、払出装置76による遊技球B1の払い出しの実行制御を行うための払出制御処理を実行する(ステップS1008)。払出制御処理では、払出側RAM94に記憶されている未払出の賞球個数情報が1以上の値である場合に払出装置76の駆動制御を行い、払出検知センサにて1個の遊技球B1を検知した場合に賞球個数情報の値を1減算する。そして、賞球個数情報の値が「0」となった場合には払出装置76の駆動制御を停止する。その後、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する(ステップS1009)。
次に、遊技ホールに設けられたホールコンピュータHCにパチンコ機10から情報を外部出力するための構成について説明する。
図2に示すように、裏パックユニット15には外部端子板97が設けられている。外部端子板97には多数の外部端子が設けられており、一部の外部端子であって複数の外部端子が主側CPU63と電気的に接続されているとともに、一部の外部端子であって複数の外部端子が払出側CPU92と電気的に接続されている。このように主側CPU63及び払出側CPU92のそれぞれが外部端子板97と電気的に接続されていることにより、図27に示すように、主側CPU63及び払出側CPU92はホールコンピュータHCに情報を外部出力することが可能である。
外部端子板97の1個の外部端子は前扉開放センサ95と電気的に接続されているとともに、外部端子板97の1個の外部端子は本体開放センサ96と電気的に接続されている。この電気的な接続の構成について詳細には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路の途中位置には信号中継基板98が設けられている。当該信号中継基板98には、前扉開放センサ95から払出側CPU92に向けた信号経路SL1から分岐させて分岐経路SL2が設けられている。そして、当該分岐経路SL2は外部端子板97における前扉開放用の外部端子に接続されている。したがって、前扉開放センサ95における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における前扉開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、前扉枠14が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
本体開放センサ96について詳細には、信号中継基板98には、本体開放センサ96から払出側CPU92に向けた信号経路SL3から分岐させて分岐経路SL4が設けられている。そして、当該分岐経路SL4は外部端子板97における本体開放用の外部端子に接続されている。したがって、本体開放センサ96における検知結果に対応した電気信号は、払出側CPU92に入力されるだけでなく、外部端子板97における本体開放用の外部端子にも入力される。これにより、払出側CPU92による制御を介することなく、遊技機本体12が開放状態であるか否かを示す信号をホールコンピュータHCに外部出力することが可能となる。
次に、主側CPU63及び払出側CPU92からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。まず主側CPU63からホールコンピュータHCに外部出力される情報の内容について説明する。
主側CPU63はタイマ割込み処理(図18)における外部情報設定処理(ステップS220)にて、外部端子板97において主側CPU63に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。主側CPU63から外部端子板97に出力される情報として、開閉実行モード中であることを示す情報と、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す情報と、一の遊技回が終了したことを示す情報と、所定個数(例えば100個)の遊技球B1がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかを通じて遊技領域PAから排出されたことを示す情報と、第1作動口33に遊技球B1が入球したことを示す情報と、第2作動口34に遊技球B1が入球したことを示す情報と、が含まれている。
払出側CPU92はタイマ割込み処理(図28)における外部情報設定処理(ステップS1009)にて、外部端子板97において払出側CPU92に割り当てられている各外部端子への情報の出力設定を行う。払出側CPU92から外部端子板97に出力される情報として、10個の遊技球B1の払い出しが行われたことを示す情報が含まれている。
ホールコンピュータHCでは外部端子板97を通じてパチンコ機10から受信する各種情報に応じて、当該パチンコ機10における遊技球B1の払い出しの実行態様などを把握することが可能である。例えば、
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球B1が排出されるまでに発生した遊技球B1の払出個数の割合である出玉率
・開閉実行モード及び高頻度サポートモードではない通常遊技状態における出玉率(以下、この出玉率を「B」とする)
・開閉実行モードにおける出玉率
・高頻度サポートモードにおける出玉率
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球B1が排出されるまでに実行された遊技回の回数(以下、この割合を「S」とする)
・B-S×「第1作動口33及び第2作動口34への入賞に対する賞球個数」
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球B1が排出されるまでに発生した第1作動口33への遊技球B1の入球個数(以下、この割合を「S1」とする)
・パチンコ機10の遊技領域PAから100個の遊技球B1が排出されるまでに発生した第2作動口34への遊技球B1の入球個数(以下、この割合を「S2」とする)
・B-(S1×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+S2×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
などが算出される。これにより、ホールコンピュータHCにおいてパチンコ機10の遊技領域PAにおける遊技球B1の入球態様を管理することが可能となる。なお、賞球個数とは対応する入球部に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数のことである。
<遊技球B1の入賞態様を管理するための構成>
次に、管理用IC66を利用して遊技球B1の入賞態様を管理するための構成について説明する。まず図29のブロック図を参照しながら、管理用IC66の電気的構成について説明する。
既に説明したとおり主制御装置60のMPU62は、主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65及び管理用IC66を備えている。また、MPU62は、これら以外にもI/F101及び読み取り用端子102を備えている。
I/F101は、MPU62の外部の機器との間で信号を送受信するためのインターフェースである。I/F101は、内部バス103を介して主側CPU63と電気的に接続されている。I/F101の入力ポートを通じて各入球検知センサ42a~50aなどのセンサからの検知結果、及び払出側CPU92からのコマンドなどがMPU62に入力され、その入力された検知結果及びコマンドの内容に基づいて既に説明したとおり主側CPU63にて各種処理が実行される。また、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、特電用の駆動部32bなどの機器へ信号出力が行われる場合には当該信号出力はI/F101の出力ポートを通じて行われるとともに、主側CPU63にて各種処理が実行された結果、払出側CPU92及び音声発光制御装置81へコマンド出力が行われる場合には当該コマンド出力はI/F101の出力ポートを通じて行われる。
読み取り用端子102は、MPU62にパチンコ機10の外部の装置である読み取り装置を電気的に接続するための端子であり、MPU62の表面において接続用の端子部分が露出するようにして設けられている。但し、既に説明したとおりMPU62が搭載された主制御基板61は基板ボックス60aに収容されており、読み取り用端子102は主制御装置60の外部に露出しないように基板ボックス60aの壁部と対向している。したがって、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続するためには基板ボックス60aを開放させてMPU62を露出させる必要が生じる。これにより、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が不正に行われてしまうことを阻止することが可能となる。なお、これに限定されることはなく、基板ボックス60aに読み取り用端子102を主制御装置60の外部に露出させるための開口部が形成されており、基板ボックス60aの破壊を要することなく読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続を行うことが可能な構成としてもよい。
管理用IC66は、管理側I/F111と、管理側CPU112と、管理側ROM113と、管理側RAM114と、RTC115と、対応関係用メモリ116と、履歴用メモリ117と、を備えている。これら各装置は管理用IC66に設けられた内部バス66aを通じて双方向通信可能に接続されている。
管理側I/F111は、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群118を介して主側CPU63から各種信号を受信するとともに、MPU62に内蔵された単方向通信用の信号経路群119を介して読み取り用端子102に各種信号を送信するためのインターフェースである。主側CPU63からの各種信号は管理側I/F111の入力ポートに入力され、読み取り用端子102への各種信号は管理側I/F111の出力ポートから出力される。なお、主側CPU63はMPU62に内蔵された双方向通信用の信号経路群120を介して読み取り用端子102と電気的に接続されている。
管理側CPU112は、制御部及び演算部を含む演算処理装置である。管理側ROM113は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み出し専用として利用される。管理側ROM113は、管理側CPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。管理側RAM114は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。管理側RAM114は、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に管理側ROM113よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。管理側RAM114は管理側ROM113内に記憶されている制御プログラムの実行に対して各種のデータなどを一時的に記憶する。
RTC115はリアルタイムクロックであり、年月日情報及び時刻情報を常時計測し、管理側CPU112からの指示に従い、その計測している年月日情報及び時刻情報を出力することが可能な構成である。なお、RTC115にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機10の電源遮断中においても年月日情報及び時刻情報を計測することが可能となっている。
対応関係用メモリ116は、SRAM及びDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。対応関係用メモリ116は、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた各バッファ122a~122pとそれらバッファ122a~122pに入力される信号の種類との対応関係の情報を記憶しておくために利用される。対応関係用メモリ116の内容の詳細については後に説明する。
履歴用メモリ117は、NOR型フラッシュメモリ及びNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)であり、読み書き両用として利用される。履歴用メモリ117は、管理側I/F111を通じて主側CPU63から受信した遊技球B1の入球に関する情報を記憶しておくために利用される。履歴用メモリ117の内容の詳細については後に説明する。
次に、管理側I/F111に設けられた入力ポート121の構成について説明する。図30は管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
入力ポート121には複数のバッファ122a~122pが設けられている。具体的には第1~第16バッファ122a~122pが設けられている。第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれには信号経路118a~118pを通じて1種類の信号を入力可能となっており、第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれは入力対象となっている信号がLOWレベルである場合に第1データとして「0」の情報が格納され、入力対象となっている信号がHIレベルである場合に第2データとして「1」の情報が格納される。なお、これらLOW及びHIと第1データ及び第2データとの関係が逆であってもよい。
第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1入賞口検知センサ42aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第1信号を出力し、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第1信号を出力する。この特定期間は、第1バッファ122aにHIレベルの第1信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2入賞口検知センサ43aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第2信号を出力し、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第2信号を出力する。この特定期間は、第2バッファ122bにHIレベルの第2信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力される。この場合、主側CPU63は第3入賞口検知センサ44aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第3信号を出力し、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第3信号を出力する。この特定期間は、第3バッファ122cにHIレベルの第3信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力される。この場合、主側CPU63は特電検知センサ45aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第4信号を出力し、特電検知センサ45aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第4信号を出力する。この特定期間は、第4バッファ122dにHIレベルの第4信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力される。この場合、主側CPU63は第1作動口検知センサ46aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第5信号を出力し、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第5信号を出力する。この特定期間は、第5バッファ122eにHIレベルの第5信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力される。この場合、主側CPU63は第2作動口検知センサ47aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第6信号を出力し、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第6信号を出力する。この特定期間は、第6バッファ122fにHIレベルの第6信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力される。この場合、主側CPU63はアウト口検知センサ48aにて新たな遊技球B1が検知されていない状況ではLOWレベルの第7信号を出力し、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球B1が検知された場合に特定期間に亘ってHIレベルの第7信号を出力する。この特定期間は、第7バッファ122gにHIレベルの第7信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第8バッファ122hには開閉実行モードの期間中であるか否かに対応する第8信号が入力される。この場合、主側CPU63は開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力する。
第9バッファ122iには高頻度サポートモードの期間中であるか否かに対応する第9信号が入力される。この場合、主側CPU63は高頻度サポートモードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高頻度サポートモードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力する。
第10バッファ122jには前扉枠14が開放されている期間中であるか否かに対応する第10信号が入力される。この場合、主側CPU63は前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力する。
第16バッファ122pには履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力する契機を管理側CPU112に認識させるための出力指示信号が入力される。この場合、主側CPU63は履歴情報を出力する必要がない状況ではLOWレベルの出力指示信号を出力し、履歴情報を出力する必要がある場合に特定期間に亘ってHIレベルの出力指示信号を出力する。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。
第11バッファ122k、第12バッファ122l、第13バッファ122m、第14バッファ122n及び第15バッファ122oは、主側CPU63からの信号を入力可能ではあるものの、本パチンコ機10では通常の信号が入力されないブランクとなっている。このように管理側I/F111の入力ポート121として本パチンコ機10において主側CPU63から管理用IC66に出力される信号の種類よりも多くの数のバッファ122a~122pが設けられていることにより、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。ちなみに、主側CPU63と第1~第16バッファ122a~122pのそれぞれとの間には第1~第16バッファ122a~122pに1対1で対応するように信号経路118a~118pが形成されているが、これに限定されることはなく、ブランク対象となるバッファ122k~122oとの間には信号経路118k~118oが形成されていない構成としてもよい。
管理側I/F111の入力ポート121における第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。管理側CPU112におけるこれら信号の種類の特定は、詳細は後述するが、MPU62への動作電力の供給に伴い主側CPU63及び管理側CPU112において制御が開始された場合に主側CPU63から管理側CPU112に種類識別コマンドが送信されることにより行われる。この場合、種類識別コマンドにより提供された各種信号の種類の情報は対応関係用メモリ116に記憶され、動作電力が供給されている状況において各種信号の種類を管理側CPU112にて特定する場合には対応関係用メモリ116に記憶された情報が参照される。
図31は対応関係用メモリ116の構成を説明するための説明図である。対応関係用メモリ116には、管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1~第15バッファ122a~122oに1対1で対応させて第1~第15対応関係エリア123a~123oが設けられている。
第1対応関係エリア123aには第1バッファ122aに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第1対応関係エリア123aには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(10個)も格納される。第2対応関係エリア123bには第2バッファ122bに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第2対応関係エリア123bには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(10個)も格納される。第3対応関係エリア123cには第3バッファ122cに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、一般入賞口31であることを示す情報が格納される。また、第3対応関係エリア123cには一般入賞口31であることを示す情報とともに一般入賞口31に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(10個)も格納される。
第4対応関係エリア123dには第4バッファ122dに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、特電入賞装置32であることを示す情報が格納される。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報とともに特電入賞装置32に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(15個)も格納される。第5対応関係エリア123eには第5バッファ122eに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第1作動口33であることを示す情報が格納される。また、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報とともに第1作動口33に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(1個)も格納される。第6対応関係エリア123fには第6バッファ122fに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、第2作動口34であることを示す情報が格納される。また、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報とともに第2作動口34に1個の遊技球B1が入球した場合に払い出される遊技球B1の個数の情報(1個)も格納される。第7対応関係エリア123gには第7バッファ122gに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、アウト口24aであることを示す情報が格納される。
第8対応関係エリア123hには第8バッファ122hに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、開閉実行モードであることを示す情報が格納される。第9対応関係エリア123iには第9バッファ122iに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、高頻度サポートモードであることを示す情報が格納される。第10対応関係エリア123jには第10バッファ122jに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、前扉枠14であることを示す情報が格納される。
第11対応関係エリア123kには第11バッファ122kに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第12対応関係エリア123lには第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第13対応関係エリア123mには第13バッファ122mに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第14対応関係エリア123nには第14バッファ122nに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。第15対応関係エリア123oには第15バッファ122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報として、いずれにも対応しないブランクであることを示す情報が格納される。
上記のように第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかが、主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される構成とすることで、管理用IC66を本パチンコ機10とは異なる機種にも流用することが可能となる。これにより、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
また、第1~第15バッファ122a~122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報を出力するのではなく、事前に信号の種類を認識させるための情報を出力するとともにその出力された情報に基づき第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報が対応関係用メモリ116に格納される構成である。これにより、第1~第15バッファ122a~122oに履歴情報の記憶に対応する信号出力を行う度にその信号の種類を認識させるための情報が出力される構成に比べ、都度の信号出力に際して主側CPU63から管理側CPU112に出力される情報量を抑えることが可能となる。
また、第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定するための情報の出力は、動作電力の供給開始時に行われる。これにより、本パチンコ機10にて遊技が開始される状況においては、第1~第15バッファ122a~122oに入力される信号の種類を管理側CPU112にて特定することが可能となる。
また、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることの情報設定が管理用IC66の設計段階において行われている。これにより、本パチンコ機10に限らず管理用IC66を利用する他の機種のパチンコ機であっても確実に使用する出力指示信号については、第16バッファ122pに入力される信号の種類を特定するための処理を省略することが可能となる。よって、かかる信号の種類を特定するための処理の処理負荷を抑えることが可能となる。
次に、管理用IC66の履歴用メモリ117について説明する。図32は履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。
履歴用メモリ117には、履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124が設けられている。履歴用エリア124には、複数のポインタ情報が連番で設定されているとともに、各ポインタ情報に1対1で対応させて履歴情報格納エリア125が設定されている。履歴情報格納エリア125には、RTC情報と対応関係情報との組合せを格納可能となっている。この場合、各履歴情報格納エリア125は2バイトのデータ容量となっており、RTC情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられており、対応関係情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられている。第1~第15バッファ122a~122o(本パチンコ機10の実際には第1~第10バッファ122a~122j)に入力されている信号に応じて対応関係情報を格納する必要が生じた場合には、まず現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125のRTC情報を格納するためのエリアに、現状のRTC115において計測されている年月日情報及び時刻情報を格納する。その後、今回の情報格納契機となったバッファ122a~122oに対応する対応関係情報を対応関係用メモリ116における当該バッファ122a~122oに対応する対応関係エリア123a~123oから読み出し、その読み出した対応関係情報を現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
履歴情報格納エリア125に格納される対応関係情報について具体的には、第1~第7バッファ122a~122gは既に説明したとおり入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する信号が入力されるため、対応関係用メモリ116における第1~第7対応関係エリア123a~123gには入球検知センサ42a~48aの種類に対応する情報が格納されている。より詳細には、入球検知センサ42a~48aのそれぞれに対応する入球部の種類に対応する情報が、第1~第7対応関係エリア123a~123gに格納されている。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第3入賞口検知センサ42a~44aはいずれも一般入賞口31に入球した遊技球B1を検知するものであるため、これら第1~第3入賞口検知センサ42a~44aに対応する第1~第3対応関係エリア123a~123cにはいずれも一般入賞口31であることを示す情報が格納されている。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報が格納されており、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報が格納されており、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報が格納されており、第7対応関係エリア123gにはアウト口24aであることを示す情報が格納されている。今回の情報格納契機となったバッファ122a~122oが第1~第7バッファ122a~122gのいずれかである場合には、そのバッファ122a~122gに対応する入球部の種類の情報が第1~第7対応関係エリア123a~123gのいずれかから読み出され、その読み出された入球部の種類の情報が履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアにそのまま格納される。
一方、第8バッファ122hは開閉実行モード中であるか否かを示す信号が入力され、第9バッファ122iは高頻度サポートモード中であるか否かを示す信号が入力され、第10バッファ122jは前扉枠14が開放中であるか否かを示す信号が入力される。したがって、第8対応関係エリア123hには開閉実行モードであることを示す情報が格納され、第9対応関係エリア123iには高頻度サポートモードであることを示す情報が格納され、第10対応関係エリア123jには前扉枠14であることを示す情報が格納されている。
主側CPU63は既に説明したとおり開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に開閉実行モードが開始されたと特定し、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に開閉実行モードが終了したと特定することが可能となる。そして、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
主側CPU63は既に説明したとおり高頻度サポートモードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高頻度サポートモードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが開始されたと特定し、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが終了したと特定することが可能となる。そして、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
主側CPU63は既に説明したとおり前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に前扉枠14が開放されたと特定し、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に前扉枠14が閉鎖されたと特定することが可能となる。そして、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
履歴情報格納エリア125は、仮に開店から閉店まで本パチンコ機10における遊技球B1の発射が継続される営業日が10日間連続したとしてもその間に発生した各履歴情報を全て記憶しておくことを可能とする数分設けられている。例えば1日に履歴情報が60000回発生するとした場合、600000個以上の履歴情報格納エリア125が設けられている。これにより、少なくとも10日間は全ての履歴情報を履歴用メモリ117において記憶保持することが可能である。
履歴用メモリ117には履歴用エリア124とは別にポインタ用エリア126が設けられている。ポインタ用エリア126には、履歴用メモリ117において現状の書き込み対象となっているポインタ情報を管理側CPU112にて特定するための情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10の出荷段階ではポインタ用エリア126には「0」のポインタ情報を書き込み対象に指定する情報が設定されている。そして、1個の履歴情報が履歴情報格納エリア125に新たに格納される度に、書き込み対象となるポインタ情報の値が1加算されるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。最後の順番のポインタ情報が書き込み対象となり当該最後の順番のポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に履歴情報が格納された場合には、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、格納可能な履歴情報の個数を超えて履歴情報の格納契機が発生した場合には、古い履歴情報が格納されている履歴情報格納エリア125から順に新しい履歴情報に上書きされていくこととなる。
また、読み取り装置による履歴用メモリ117からの履歴情報の読み取りが発生した場合には、履歴情報格納エリア125が全て「0」クリアされるとともに、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、一旦読み取り対象となった履歴情報が再度読み取り対象となってしまうことを阻止することが可能となる。
次に、管理用IC66を利用して遊技球B1の入賞態様を管理するための具体的な処理構成について説明する。まず管理側I/F111の入力ポート121に設けられた第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理構成について説明する。図33は主側CPU63にて実行される認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理はメイン処理(図17)におけるステップS110にて実行される。
まず主側RAM65に設けられた認識用出力カウンタに「15」をセットする(ステップS1101)。認識用出力カウンタは、管理側I/F111における入力ポート121の各バッファ122a~122pがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるための情報出力の残りの必要回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。既に説明したとおり第1~第15バッファ122a~122oの15個が信号の種類の認識対象となるため、認識用出力カウンタには「15」をセットする。
その後、識別開始コマンドの出力処理を実行する(ステップS1102)。主側CPU63は、第1~第15バッファ122a~122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるために当該管理側CPU112に各種コマンドを出力する。このコマンド出力に際しては第1~第8バッファ122a~122hに入力される第1~第8信号が利用される。つまり、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路118a~118h)を利用して、第1~第15バッファ122a~122oがいずれの種類の信号に対応しているのかを管理側CPU112に認識させるためのコマンド出力が行われる。これにより、当該コマンド出力を行うための信号経路を、第1~第16バッファ122a~122pに信号出力するための信号経路118a~118pとは別に設ける構成に比べて、信号経路の数を減らすことが可能となり構成を簡素化させることが可能となる。識別開始コマンドは8ビットのデータ容量となっており各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別開始コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別開始コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別開始コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別開始コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別開始コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理を開始すべきことを特定する。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する種類識別コマンドを主側ROM64から読み出す(ステップS1103)。この場合、第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となるように、第1~第15バッファ122a~122oに対応する信号種類の認識設定が行われる。したがって、認識用出力カウンタが「15」~「13」であれば一般入賞口31であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「12」であれば特電入賞装置32であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「11」であれば第1作動口33であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「10」であれば第2作動口34であること及びその賞球個数を示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「9」であればアウト口24aであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「8」であれば開閉実行モードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「7」であれば高頻度サポートモードであることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「6」であれば前扉枠14であることを示す種類識別コマンドを読み出し、認識用出力カウンタが「5」~「1」であればブランクであることを示す種類識別コマンドを読み出す。
その後、読み出した種類識別コマンドの出力処理を実行する(ステップS1104)。種類識別コマンドは、識別開始コマンドと同様に8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別種類コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別種類コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別種類コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別種類コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別種類コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oのうち今回の設定対象となっているバッファに対応する対応関係エリア123a~123oに、その識別種類コマンドに対応する情報を格納する。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS1105)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1106)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1106:NO)、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する種類識別コマンドを出力するための処理を実行する(ステップS1103及びステップS1104)。
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS1106:YES)、識別終了コマンドの出力処理を実行する(ステップS1107)。識別終了コマンドは8ビットのデータ容量となっており、各ビットのデータがそれぞれ第1~第8信号として第1~第8バッファ122a~122hに入力される。また、識別終了コマンドの出力処理では、新たなコマンドを送信したことを管理側CPU112に認識させるために、識別終了コマンドの出力を開始するタイミングで第9信号の出力状態をHIレベルに切り換える。また、識別終了コマンドの出力期間及び第9信号の出力状態をHIレベルに維持する期間は、これら識別終了コマンド及び第9信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。識別終了コマンドを受信することにより、管理側CPU112は第1~第15バッファ122a~122oと信号の種類との対応関係の情報を対応関係用メモリ116に格納するための処理が完了したことを特定する。
次に、管理側CPU112にて実行される管理処理について、図34のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。なお、管理側CPU112の処理速度は主側CPU63の処理速度よりも速い構成であり、主側CPU63において1回のタイマ割込み処理(図18)が開始されてから次回のタイマ割込み処理(図18)が開始されるまでに、管理処理におけるステップS1206以降の処理の組合せが16回以上実行される。
主側CPU63から識別開始コマンドを受信した場合(ステップS1201:YES)、管理側RAM114に設けられた設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1202)。設定対象カウンタは、信号の種類の設定対象となっているバッファ122a~122oの種類を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。第1バッファ122aが最初に信号種類の設定対象となり、その後は第nバッファの次に第n+1バッファが信号種類の設定対象となる。
その後、主側CPU63から種類識別コマンドを受信していることを条件として(ステップS1203:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS1204)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1~第15対応関係エリア123a~123oのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、今回受信した種類識別コマンドに設定されている信号種類の情報を格納する。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS1205)。
ステップS1203にて否定判定をした場合、又はステップS1205の処理を実行した場合、主側CPU63から識別終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1206)。識別終了コマンドを受信していない場合(ステップS1206:NO)、ステップS1203に戻り、主側CPU63から種類識別コマンドを新たに受信することを条件として(ステップS1203:YES)、ステップS1204及びステップS1205の処理を再度実行する。
主側CPU63から識別終了コマンドを受信している場合(ステップS1206:YES)、ステップS1207及びステップS1208の処理を繰り返し実行する。ステップS1207では詳細は後述するが、主側CPU63から受信した信号の種類に対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納するための履歴設定処理を実行する。ステップS1208では、詳細は後述するが、履歴用メモリ117に格納された履歴情報を読み取り用端子102に出力するための外部出力用処理を実行する。
図35は第1~第15バッファ122a~122oとこれらバッファ122a~122oに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図35(a)は第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路118a~118h)を利用して主側CPU63から管理側CPU112にコマンドが出力されている期間を示し、図35(b)は第9信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図35(c)は第1~第15バッファ122a~122oとこれらバッファ122a~122oに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図35(d)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS1204)が実行されるタイミングを示す。
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで図35(a)に示すように第1~第8信号を利用した識別開始コマンドの出力が開始される。また、当該t1のタイミングで図35(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別開始コマンドの出力が継続されている状況であるt2のタイミングで、図35(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されていることを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別開始コマンドを受信しているため、管理側CPU112は管理処理(図34)のステップS1201にて肯定判定をすることで識別状態となる。その後、t3のタイミングで図35(a)に示すように識別開始コマンドの出力が停止される。
その後、t4のタイミングで図35(a)に示すように第1~第8信号を利用した1個目の種類識別コマンドの出力が開始される。また、当該t4のタイミングで図35(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、種類識別コマンドの出力が継続されている状況であるt5のタイミングで、図35(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、1個目の種類識別コマンドを受信しているため、管理側CPU112はt5のタイミングで図35(d)に示すように対応関係設定処理を実行する。当該対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1対応関係エリア123aに一般入賞口31であることを示す情報及びその賞球個数の情報を格納する。その後、t6のタイミングで図35(a)に示すように種類識別コマンドの出力が停止される。
その後、t7のタイミング~t9のタイミング、t10のタイミング~t12のタイミング、t13のタイミング~t15のタイミング、及びt16のタイミング~t18のタイミングのそれぞれにおいて、t4のタイミング~t6のタイミングと同様に、主側CPU63から出力された種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が管理側CPU112にて実行される。この場合、t16のタイミング~t18のタイミングにおいて15個目の種類識別コマンドに対応する対応関係設定処理が完了する。
その後、t19のタイミングで図35(a)に示すように第1~第8信号を利用した識別終了コマンドの出力が開始される。また、当該t19のタイミングで図35(b)に示すように第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。その後、識別終了コマンドの出力が継続されている状況であるt20のタイミングで、図35(b)に示すように第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更される。管理側CPU112は第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに変更されたことを確認することで主側CPU63からコマンドが送信されたことを特定し、第1~第8バッファ122a~122hの情報を確認することで主側CPU63から受信しているコマンドの内容を把握する。この場合、識別終了コマンドを受信しているため、t20のタイミングで図35(c)に示すように管理側CPU112の識別状態が終了する。その後、t21のタイミングで図35(a)に示すように識別終了コマンドの出力が停止される。
上記のように第9信号を利用してコマンドが出力されている状況であるか否かを管理側CPU112に認識させる構成であることにより、履歴情報の格納契機を管理側CPU112に指示するために利用される第1~第8信号(すなわち第1~第8信号経路)を利用してコマンド出力が行われる構成であってもコマンドが出力されている状況であることを管理側CPU112に明確に認識させることが可能となる。
次に、履歴情報を履歴用メモリ117に格納させるための処理構成について説明する。図36は主側CPU63にて実行される管理用出力処理を示すフローチャートである。なお、管理用出力処理はタイマ割込み処理(図18)におけるステップS221にて実行される。
まず主側RAM65に設けられた管理対象カウンタに「10」をセットする(ステップS1301)。管理対象カウンタは、今回の管理用出力処理において管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かの特定対象となっていない管理対象が存在しているか否かを主側CPU63にて特定するとともに、いずれの管理対象について管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定するためのカウンタである。1回の管理用出力処理にて、管理側CPU112への信号出力状態を変更すべきか否かを主側CPU63にて特定する対象となる管理対象は、7個の入球検知センサ42a~48a、開閉実行モードの実行の有無、高頻度サポートモードの実行の有無、及び前扉枠14の開閉の有無の合計10個である。したがって、最初に管理対象カウンタに「10」をセットする。
その後、現状の管理対象カウンタの値に対応する管理対象についての管理側CPU112への信号の出力状態がHIレベルであるか否かを判定する(ステップS1302)。HIレベルではない場合(ステップS1302:NO)、管理対象カウンタの値が4以上であるか否かを判定することで、管理対象カウンタの値に対応する管理対象が7個の入球検知センサ42a~48aのいずれかであるかを特定する(ステップS1303)。
ステップS1303にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する主側RAM65の出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1304)。具体的には、管理対象カウンタの値が「10」であり第1入賞口検知センサ42aに対応している場合には第1出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「9」であり第2入賞口検知センサ43aに対応している場合には第2出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「8」であり第3入賞口検知センサ44aに対応している場合には第3出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「7」であり特電検知センサ45aに対応している場合には第4出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「6」であり第1作動口検知センサ46aに対応している場合には第5出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「5」であり第2作動口検知センサ47aに対応している場合には第6出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「4」でありアウト口24aに対応している場合には第7出力フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。なお、これら第1~第7出力フラグには既に説明したとおり、入球検知処理(図26)にて「1」がセットされる。
管理対象カウンタの値に対応する出力フラグに「1」がセットされている場合(ステップS1304:YES)、第1~第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS1305)。その後、管理対象カウンタの値に対応する出力フラグを「0」クリアする(ステップS1306)。
ステップS1303にて否定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS1307)。具体的には、管理対象カウンタの値が「3」である場合には開閉実行モードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」である場合には高頻度サポートモードへの移行が発生したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」である場合には前扉枠14が開放状態となったか否かを判定する。ステップS1307にて肯定判定をした場合には、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をHIレベルに設定する(ステップS1308)。
ステップS1302にて肯定判定をした場合、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生したか否かを判定する(ステップS1309)。具体的には、管理対象カウンタの値が4以上であり現状の管理対象がいずれかの入球検知センサ42a~48aである場合には、第1~第7信号のうち管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換えてからHI出力継続期間(具体的には10msec)が経過したか否かを判定する。このHI出力継続期間は管理側CPU112において管理処理(図34)の履歴設定処理(ステップS1007)の最長処理間隔よりも長い期間に設定されており、LOWレベルからHIレベルに切り換わった信号の出力状態を管理側CPU112にて確実に特定することが可能な期間となっている。また、管理対象カウンタの値が「3」であり現状の管理対象が開閉実行モードである場合には開閉実行モードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「2」であり現状の管理対象が高頻度サポートモードである場合には高頻度サポートモードが終了したか否かを判定し、管理対象カウンタの値が「1」であり現状の管理対象が前扉枠14である場合には前扉枠14が閉鎖状態であるか否かを判定する。管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに切り換える契機が発生している場合(ステップS1309:YES)、管理対象カウンタの値に対応する信号の出力状態をLOWレベルに設定する(ステップS1310)。
ステップS1304にて否定判定をした場合、ステップS1306の処理を実行した場合、ステップS1307にて否定判定をした場合、ステップS1308の処理を実行した場合、ステップS1309にて否定判定をした場合、又はステップS1310の処理を実行した場合、主側RAM65の管理対象カウンタの値を1減算する(ステップS1311)。そして、その1減算後における管理対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1312)。管理対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1312:NO)、新たな管理対象カウンタの値に対応する管理対象について、ステップS1302以降の処理を実行する。
次に、管理側CPU112にて実行される履歴設定処理について図37のフローチャートを参照しながら説明する。履歴設定処理は、管理処理(図34)のステップS1207にて実行される。
まず管理側RAM114に設けられた確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS1401)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第10対応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS1401では確認対象カウンタに「10」をセットする。
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS1402)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
ステップS1402にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS1403)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS1404)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS1403にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、対応関係情報が、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のうちいずれかである場合には、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく開始情報を書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
上記のように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかであることを示す対応関係情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。また、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、開始情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。
その後、対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS1405)。当該更新処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し1加算する。その1加算後におけるポインタ情報が履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する。最大値を超えていない場合には1加算後におけるポインタ情報を新たな書き込み対象のポインタ情報としてポインタ用エリア126に上書きする。最大値を超えている場合には書き込み対象のポインタ情報が最初のポインタ情報となるようにポインタ用エリア126を「0」クリアする。
ステップS1402にて否定判定をした場合、又はステップS1405の処理を実行した場合、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oに、信号出力がLOWレベルに切り換えられたか否かを確認すべき対象となる対応関係情報が格納されているか否かを判定する(ステップS1406)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値が「8」~「10」である場合には対応する対応関係エリア123h~123jに、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているため、ステップS1406にて肯定判定をする。
ステップS1406にて肯定判定をした場合、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が「1」から「0」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS1407)。ステップS1407にて肯定判定をした場合には、ステップS1403と同様にRTC情報を読み出し(ステップS1408)、さらに履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS1409)。当該書き込み処理では、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS1408にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。また、上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に対応関係情報だけではなく終了情報を書き込む。このように書き込み処理が実行されることにより、確認対象カウンタの値が開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のいずれかである場合には、書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に、RTC情報と、開閉実行モード、高頻度サポートモード及び前扉枠14のうちいずれかであることを示す対応関係情報と、終了情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。その後、ステップS1405と同様に対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS1410)。
ステップS1406にて否定判定をした場合、ステップS1407にて否定判定をした場合、又はステップS1410の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS1411)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1412)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1412:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS1402以降の処理を実行する。
次に、履歴用メモリ117に履歴情報が格納されていく様子について、図38のタイムチャートを参照しながら説明する。図38(a)は第1~第7バッファ122a~122gのいずれかにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図38(b)は第8バッファ122hにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図38(c)は第9バッファ122iにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図38(d)は第10バッファ122jにHIレベルの信号が入力されている期間を示し、図38(e)は履歴用メモリ117への履歴情報の書き込みタイミングを示す。
t1のタイミングで、図38(a)に示すように第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、当該t1のタイミングで図38(e)に示すように履歴用メモリ117に履歴情報が書き込まれる。その後、t2のタイミングで、図38(a)に示すようにt1のタイミングでHIレベルに切り換えられた信号がLOWレベルに切り換えられる。しかしながら、当該信号は第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号であり、LOWレベルの切り換えが履歴情報の格納対象となっていないため、当該t2のタイミングでは図38(e)に示すように履歴情報の書き込みは実行されない。
その後、t3のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング、t9のタイミング、t10のタイミング、t13のタイミング及びt14のタイミングのそれぞれにおいて、図38(a)に示すように、第1~第7バッファ122a~122gのいずれかに入力されている信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられる。したがって、これら各タイミングにおいて図38(e)に示すように履歴情報が書き込まれる。
図38(b)に示すようにt4のタイミング~t7のタイミングに亘って、第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第8バッファ122hは開閉実行モードの発生の有無に対応している。したがって、図38(e)に示すように第8バッファ122hに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt4のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt7のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t4のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t7のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで開閉実行モードの実行期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が開閉実行モード中のものか否かを区別することが可能となる。
図38(c)に示すようにt8のタイミング~t11のタイミングに亘って、第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第9バッファ122iは高頻度サポートモードの発生の有無に対応している。したがって、図38(e)に示すように第9バッファ122iに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt8のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt11のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t8のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t11のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで高頻度サポートモードの実行期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高頻度サポートモード中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が高頻度サポートモード中のものか否かを区別することが可能となる。
図38(d)に示すようにt12のタイミング~t15のタイミングに亘って、第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルとなる。この第10バッファ122jは前扉枠14の開放の有無に対応している。したがって、図38(e)に示すように第10バッファ122jに入力されている信号の出力状態がHIレベルに切り換わるタイミングであるt12のタイミング、及び当該信号の出力状態がLOWレベルに切り換わるタイミングであるt15のタイミングのそれぞれにおいて、履歴情報が書き込まれる。この場合、t12のタイミングで書き込まれる履歴情報には開始情報が含まれ、t15のタイミングで書き込まれる履歴情報には終了情報が含まれる。これにより、履歴用メモリ117の履歴情報を確認することで前扉枠14が開放状態となっている期間を把握することが可能となる。
また、履歴用メモリ117には履歴情報が時間の経過の順に従って書き込まれる。したがって、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。また、履歴情報にはRTC情報が含まれるため、当該RTC情報を対比することによっても、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生したことを示す履歴情報が前扉枠14の開放中のものか否かを区別することが可能となる。
次に、MPU62の読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を出力するための処理構成について説明する。図39は主側CPU63にて実行されるデータ出力用処理を示すフローチャートである。なお、データ出力用処理はメイン処理(図17)におけるステップS111にて実行される。
データ出力用処理では、まず読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることを示す接続信号を、読み取り用端子102から受信しているか否かを判定する(ステップS1501)。読み取り装置は、読み取り用端子102と電気的に接続されている場合に接続信号を出力する構成となっており、読み取り用端子102を通じて当該接続信号を受信している場合にステップS1501にて肯定判定をする。
ステップS1501にて否定判定をした場合にはそのまま本データ出力用処理を終了する。この場合、データ出力用処理が実行されるようにするためにはMPU62への動作電力の供給が再度開始されるようにする必要がある。これにより、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには、読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある。MPU62への動作電力の供給の停止操作及び開始操作を行うための電源操作部は裏パックユニット15の背面に設けられているため、これら停止操作及び開始操作を行うためには外枠11に対して遊技機本体12を開放させて裏パックユニット15の背面を露出させる必要がある。このような事情において、履歴情報の外部出力が行われるようにするためには読み取り用端子102に読み取り装置を電気的に接続した状態でMPU62への動作電力の供給が開始されるようにする必要がある構成とすることで、履歴情報を読み取る操作を遊技ホールの管理者以外が行おうとしても、それを行いづらくさせることが可能となる。
ステップS1501にて肯定判定をした場合、読み取り用端子102から制御情報確認用の信号を受信しているか否かを判定することで、読み取り用端子102への読み取り装置の今回の接続が主側ROM64の制御情報(プログラム及びデータ)の確認に対応しているか否かを判定する(ステップS1502)。読み取り装置は制御情報の確認及び履歴情報の確認の両方を行うことが可能な構成であり、読み取り装置に対する手動操作により制御情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り装置に対する手動操作により履歴情報の確認が選択されている場合には読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。なお、これに限定されることはなく、制御情報確認用の読み取り装置と履歴確認用の読み取り装置とが別である構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に制御情報確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から制御情報確認用の信号が送信され、読み取り用端子102に履歴確認用の読み取り装置が電気的に接続されている場合には当該読み取り装置から履歴確認用の信号が送信される。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、制御情報確認用の出力処理を実行する(ステップS1503)。当該出力処理では、主側ROM64から制御情報としてプログラム及びデータを読み出し、その読み出した制御情報を読み取り用端子102に出力する。これにより、当該読み取り用端子102に電気的に接続されている読み取り装置において制御情報を読み取ることが可能となり、制御情報が正規のものであるか否か又は正常なものであるか否かの確認を行うことが可能となる。
ステップS1502にて否定判定をした場合には、管理側CPU112に出力指示信号を送信する(ステップS1504)。具体的には、出力指示信号の出力状態をLOWレベルからHIレベルに切り換える。このHIレベルの出力状態は特定期間に亘って継続される。この特定期間は、第16バッファ122pにHIレベルの出力指示信号が入力されていることを管理側CPU112にて特定するのに十分な期間となっている。出力指示信号の出力状態がHIレベルに切り換えられることにより、管理側CPU112において履歴情報を出力するための処理が実行される。当該処理については後に詳細に説明する。
ステップS1503の処理を実行した場合、又はステップS1504の処理を実行した場合、読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が継続されているか否かを判定する(ステップS1505)。継続されている場合には(ステップS1505:YES)、そのままステップS1505にて待機する。これにより、読み取り用端子102に対する読み取り装置の電気的な接続が解除されるまでは、データ出力用処理よりも後の実行順序に設定されている処理が実行されないようにすることが可能となる。読み取り用端子102への読み取り装置の電気的な接続が解除された場合(ステップS1505:NO)、本データ出力用処理を終了する。
次に、管理側CPU112にて実行される外部出力用処理について図40のフローチャートを参照しながら説明する。なお、外部出力用処理は、管理処理(図34)のステップS1208にて実行される。
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられた場合(ステップS1601:YES)、ステップS1602以降の履歴情報を出力するための処理を実行する。具体的には、まず履歴用メモリ117の履歴用エリア124においてアウト口24aであることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、アウト口24aへの入球個数を演算する(ステップS1602)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において一般入賞口31であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、一般入賞口31への入球個数を演算する(ステップS1603)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において特電入賞装置32であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、特電入賞装置32への入球個数を演算する(ステップS1604)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第1作動口33であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第1作動口33への入球個数を演算する(ステップS1605)。また、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において第2作動口34であることを示す対応関係情報が格納されている履歴情報格納エリア125の数をカウントすることで、第2作動口34への入球個数を演算する(ステップS1606)。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1607)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、前扉枠14であることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも前扉枠14が開放状態におけるものとして扱う。
その後、ステップS1602~ステップS1607の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1608)。具体的には、まずステップS1602~ステップS1606のそれぞれで算出した入球個数から、ステップS1607にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1602にて算出した入球個数に対するステップS1607にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K1とし、ステップS1603にて算出した入球個数に対するステップS1607にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K2とし、ステップS1604にて算出した入球個数に対するステップS1607にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K3とし、ステップS1605にて算出した入球個数に対するステップS1607にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K4とし、ステップS1606にて算出した入球個数に対するステップS1607にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K5とする。
・第1パラメータ:遊技球B1の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D1」とする)
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球B1の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第3パラメータ:特電入賞装置32への遊技球B1の合計入球個数K3/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
・第4パラメータ:第1作動口33への遊技球B1の合計入球個数K4/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D2」とする)
・第5パラメータ:第2作動口34への遊技球B1の合計入球個数K5/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合(以下、この割合を「D3」とする)
・第6パラメータ:D1-(D2×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D3×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球B1の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球B1の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において最も古いRTC情報と最も新しいRTC情報とを利用して、今回演算の対象となった履歴情報が全て抽出されるまでに要した合計時間を演算する(ステップS1609)。そして、第1出力処理を実行する(ステップS1610)。第1出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。また、ステップS1608にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力するとともに、ステップS1609にて演算した合計時間を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第1出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、開閉実行モードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1611)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、開閉実行モードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも開閉実行モードにおけるものとして扱う。
その後、ステップS1611にて特定した開閉実行モードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1612)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1611にて特定した開閉実行モードである期間を前提とする点を除き、ステップS1607の場合と同様である。
その後、ステップS1611及びステップS1612の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1613)。具体的には、まずステップS1611にて算出した各入球個数から、ステップS1612にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1611にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1612にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K11とし、ステップS1611にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1612にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K12とし、ステップS1611にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1612にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K13とし、ステップS1611にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1612にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K14とし、ステップS1611にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1612にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K15とする。
・第11パラメータ:遊技球B1の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第12パラメータ:一般入賞口31への遊技球B1の合計入球個数K12/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第13パラメータ:特電入賞装置32への遊技球B1の合計入球個数K13/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合
・第14パラメータ:第1作動口33への遊技球B1の合計入球個数K14/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D12」とする)
・第15パラメータ:第2作動口34への遊技球B1の合計入球個数K15/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K11+K12+K13+K14+K15)の割合(以下、この割合を「D13」とする)
・第16パラメータ:D11-(D12×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D13×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
・第17パラメータ:(K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球B1の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第18パラメータ:K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球B1の合計払出個数(K12×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K13×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K14×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K15×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
その後、第2出力処理を実行する(ステップS1614)。第2出力処理では、ステップS1613にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第2出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。
その後、履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間に存在している履歴情報格納エリア125を参照することで、高頻度サポートモードである状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1615)。履歴用メモリ117の履歴用エリア124において高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との間の期間は、これら履歴情報格納エリア125に格納されているRTC情報から算出される。また、連番となるポインタ情報の全体において、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125と、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び終了情報が格納されている履歴情報格納エリア125との区間が複数存在している場合にはその区間の合計分の各入球個数を演算する。また、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125が存在しているものの、当該履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125に高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されていない場合、高頻度サポートモードであることを示す対応関係情報及び開始情報が格納されている履歴情報格納エリア125よりも後の時間に対応するRTC情報が格納されている履歴情報格納エリア125の履歴情報はいずれも高頻度サポートモードにおけるものとして扱う。
その後、ステップS1615にて特定した高頻度サポートモードである期間のうち、前扉枠14が開放状態である状況で発生したアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれへの入球個数を演算する(ステップS1616)。これら入球個数の演算の方法は、ステップS1615にて特定した高頻度サポートモードである期間を前提とする点を除き、ステップS1607の場合と同様である。
その後、ステップS1615及びステップS1616の演算結果を利用して各種パラメータを演算する(ステップS1617)。具体的には、まずステップS1615にて算出した各入球個数から、ステップS1616にて算出した前扉枠14が開放中に発生した各入球個数を減算する。そして、その減算後における各入球個数を利用して以下のパラメータを演算する。なお、ステップS1615にて算出したアウト口24aの入球個数に対するステップS1616にて算出したアウト口24aの入球個数の差を入球個数K21とし、ステップS1615にて算出した一般入賞口31の入球個数に対するステップS1616にて算出した一般入賞口31の入球個数の差を入球個数K22とし、ステップS1615にて算出した特電入賞装置32の入球個数に対するステップS1616にて算出した特電入賞装置32の入球個数の差を入球個数K23とし、ステップS1615にて算出した第1作動口33の入球個数に対するステップS1616にて算出した第1作動口33の入球個数の差を入球個数K24とし、ステップS1615にて算出した第2作動口34の入球個数に対するステップS1616にて算出した第2作動口34の入球個数の差を入球個数K25とする。
・第21パラメータ:遊技球B1の合計払出個数(K22×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K23×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K24×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K25×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D11」とする)
・第22パラメータ:一般入賞口31への遊技球B1の合計入球個数K22/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第23パラメータ:特電入賞装置32への遊技球B1の合計入球個数K23/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合
・第24パラメータ:第1作動口33への遊技球B1の合計入球個数K24/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D22」とする)
・第25パラメータ:第2作動口34への遊技球B1の合計入球個数K25/遊技領域PAから排出された遊技球B1の合計個数(K21+K22+K23+K24+K25)の割合(以下、この割合を「D23」とする)
・第26パラメータ:D21-(D22×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+D23×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)
その後、第3出力処理を実行する(ステップS1618)。第3出力処理では、ステップS1617にて演算した各種パラメータを順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、第3出力処理にて出力対象となった各情報が読み取られる。その後、クリア処理を実行する(ステップS1619)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
普電開放抽選において普電開放当選となる当選対象期間は1sec間隔で発生するように設定されている。また、普電開放抽選に用いられる開放用乱数は更新タイミングとなる度に「1」が加算され最大値となった場合に「0」クリアされる数値情報であるとともに1周する度に初期値が更新される数値情報である。また、遊技盤24には遊技球B1を第1スルーゲート35に向けて1sec間隔で排出する調整機構180が設けられている。このため、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングが当選対象期間からずれている場合には普電開放抽選において外れ結果が連続する非当選連続期間となる。また、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングと当選対象期間とが重なっている場合には普電開放抽選において普電開放当選が連続する当選連続期間となる。非当選連続期間から当選連続期間への移行は遊技者に事前に報知されることなく行われる。このように、遊技者に対して、いつ発生するか分からない当選連続期間を常に期待させることにより、遊技の興趣向上を図り、斬新な演出を行うことができる。
普電役物開放カウンタC4の初期値を更新するための開放用初期値カウンタC5は、更新タイミングとなる度に「1」が加算されることにより数値情報が更新され、当該数値情報が最大値となった場合に「0」クリアされるループカウンタである。開放用初期値カウンタC5における数値情報を更新する乱数初期値更新処理が、非定期的に実行されるメイン処理の残余処理内で実行されるとともに、定期的に実行されるタイマ割込み処理内でも実行される構成である。このため、定期的に行われる普電役物開放カウンタC4の初期値更新において、開放用初期値カウンタC5から取得される数値情報が偏ることを回避することができる。これにより、低頻度サポートモードにおいて、遊技者が推測しづらいタイミングであるとともに適切な頻度で非当選連続期間から当選連続期間への移行を発生させることができる。
非当選連続期間から当選連続期間への移行が行われた場合、当選連続期間において、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が1回見送られる構成である。このため、当選連続期間における初期値更新間隔を非当選連続期間における初期値更新間隔よりも長くなる。当選連続期間が発生する頻度を減らさずに当選連続期間の継続時間を長くすることにより、当該当選連続期間を遊技者にとって有利であるとともに魅力的である期間とすることができる。これにより、当選連続期間に対する遊技者の期待を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性は、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性よりも低い。しかし、低頻度サポートモードにおいて非当選連続期間から当選連続期間への移行が発生した場合、普電開放当選が発生する可能性は、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性よりも高くなる。低頻度サポートモードにおいて、非当選連続期間から当選連続期間に移行するタイミングを遊技者に報知しない構成とすることにより、非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性が、高頻度サポートモードにおいて普電開放当選が発生する可能性よりも低い状態のまま、低頻度サポートモードにおける遊技者の普電開放当選への期待感を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
調整機構180の回転体183は、当該回転体183が1回転する間に、取り込んだ遊技球B1が第1スルーゲート35に向けて排出可能となるタイミングを複数回発生させる構成である。遊技球B1を排出するまでに回転体183が回転しなければならない角度を減少させることにより、回転体183が遊技球B1を取り込むことが可能な状態を長く継続させることができる。これにより、調整機構180の取込口185の上流近傍に流下する遊技球B1が回転体183の凹み部183b~183eに取り込まれる確率を上げることができる。第1スルーゲート35に周期的に供給される遊技球B1が欠けることを抑制し、当選連続期間において普電開放当選となるタイミングを逃す事態を回避することができる。
回転体183の凹み部183b~183eは外縁に向けて幅広となる形状を有している。また、第4凹み部183eだけが他の凹み部183b~183dのサイズよりも若干小さなサイズを有している構成である。そして、調整機構180における排出位置から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径以上の距離である。このため、凹み部183b~183eから排出される遊技球B1の排出開始位置や排出方向が左にずれて、第1スルーゲート35から外れる可能性がある。調整機構180に取り込まれた遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞する場合には遊技者が調整機構180における遊技球B1の取り込みだけに注目して排出に注目しない可能性がある。これに対して、調整機構180から排出される遊技球B1の一部が第1スルーゲート35から外れる構成とすることにより、第1スルーゲート35に入賞するまで遊技者の関心を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
調整機構180から排出される遊技球B1の排出開始位置を当該調整機構180の中心の真下よりも右方にずれた位置とすることにより、遊技球B1が調整機構180に取り込まれてから排出されるまでの時間を短縮する構成である。調整機構180による遊技球B1の取り込み、搬送、及び排出という一連の流れに要する時間を短くすることにより、当該一連の流れの途中で遊技者の関心が他に移る可能性を抑制することができる。
回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込まれて調整機構180の上部から下部まで搬送された遊技球B1は、排出用突出部181eの排出用右側面181gと接触する。排出用突出部181eは収容部181に固定されているため、調整機構180の下部において、いずれかの凹み部183b~183eに取り込まれて搬送された遊技球B1は排出用右側面181gよりも左側には移動できない。当該遊技球B1は一定の排出位置から下方に向けて排出される。このように、調整機構180の下部において遊技球B1の排出に失敗し、排出されなかった遊技球B1が再び調整機構180の上部に搬送されることはない構成である。このため、調整機構180の下部において遊技球B1の排出失敗が連続し、同じ遊技球B1が調整機構180内を回転し続け、調整機構180における遊技球B1の取り込み及び排出が滞ることはない。
調整機構180から排出されて第1スルーゲート35に入賞した遊技球B1、調整機構180から排出されて第1スルーゲート35から外れた遊技球B1、及び取込口185から調整機構180に取り込まれずに逃げ通路172に入球した遊技球B1はその後に第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞し得る構成である。このため、第1スルーゲート35の上方に調整機構180が設けられていても、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間となった場合に、第2作動口34に向かう遊技球B1の数が不足することはない。
回転体183において上に位置している羽根部188~191の周面188a~191aは後方に向けて下方に傾斜する構成である。このため、調整機構180の取込口185周辺で取り込まれなった遊技球B1は、羽根部188~191の周面188a~191aの傾斜に案内されて、取込口185の後方に設けられている逃げ通路172の通路入口171に移動する。これにより、取り込まなかった遊技球B1が取込口185付近に停留したり、取込口185の上流における遊技球B1の流れを乱したりして調整機構180に取り込まれる遊技球B1の数が減少することを防ぐことができる。調整機構180に遊技球B1が取り込まれる頻度が減少して遊技者の調整機構180への関心が薄れることを回避することができる。
逃げ通路172の前方に固定されているアクリル板172a及び逃げ通路172の前方に存在している調整機構180は透明である。このため、遊技者は通路入口171に入球した後の遊技球B1の行方を視認することができる。これにより、遊技者が把握可能な遊技球B1の流れが途中で途切れることを防ぐことができる。
逃げ通路172の通路出口173には、当該通路出口173から遊技盤24の表面よりも前方に向けて排出される遊技球B1と、遊技盤24の表面よりも前方を流下している遊技球B1とが逃げ通路172の出口で衝突するのを防ぐための出口屋根174が設けられている。これにより、通路出口173にて、逃げ通路172から前方に排出されかけていた遊技球B1が衝突により再び逃げ通路172の内部に戻る事態を回避することができる。
回転体183の羽根部188~191の前方面188b~191bと、取込口185の起立壁側端面182と、のそれぞれには、中間状態において遊技球B1が挟まれた場合に、回転体183が回転する力を利用して遊技球B1を後方の通路入口171に入球させるための傾斜が設けられている構成である。このため、遊技球B1が挟まれた状態において、回転体183が回転できない状態となることを防止することができる。遊技中に不具合が起こり、遊技を中断して不具合を解消するための対応が必要となる可能性を低減することができる。
また、取込口185において、前方面188b~191bと起立壁側端面182との両方と接触している状態となった遊技球B1に対して前方面188b~191bから加えられる力は、下向きの成分を有している。このため、前方面188b~191bと起立壁側端面182との両方と接触している状態の遊技球B1が上方にはじき出されることを防止し、調整機構180の取込口185における遊技球B1の流れが乱れることを防止することができる。これにより、遊技球B1の取り込みが行えず、第1スルーゲート35への遊技球B1の周期的な供給に支障がでる事態を回避することができる。
調整機構180の収容部181には、凹み部183b~183eに取り込まれている遊技球B1を排出させるための排出用突出部181eが形成されている。これにより、回転体183の回転に伴って下方まで搬送された遊技球B1の排出がうまく行われず、同じ遊技球B1が回り続ける事態を回避することができる。遊技球B1が調整機構180に取り込まれる頻度、及び調整機構180から遊技球B1が排出される頻度が減少することを阻止することにより、遊技者の調整機構180への関心を保つことができる。
また、調整機構180に取り込まれた遊技球B1を一定期間内に確実に排出することにより、調整機構180に新たな遊技球B1が取り込まれるペースが落ちることを防ぐことができる。調整機構180に遊技球B1が取り込まれる頻度が減少することを防ぐことにより、遊技者の調整機構180への関心が薄れる事態を回避することができる。
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに遊技球B1が入球した場合に遊技球B1が払い出されるため、遊技者はこれら入球部のいずれかに遊技球B1が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34(以下、履歴対象入球部ともいう)のいずれかへの遊技球B1の入球が発生した場合にはそれに対応する履歴情報が管理用IC66の履歴用メモリ117にて記憶されることとなる。これにより、各履歴対象入球部への遊技球B1の入球個数又は入球頻度を管理するための情報をパチンコ機10にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで各履歴対象入球部への遊技球B1の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、履歴情報がパチンコ機10自身にて記憶保持されることにより、履歴情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
遊技領域PAから遊技球B1を排出させる全ての入球部が、履歴情報の記憶処理の実行対象となるとともに履歴情報を利用した管理の対象となる。これにより、任意の履歴対象入球部についての入球頻度を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域PAから排出される遊技球B1の個数に対する各履歴対象入球部への遊技球B1の入球個数の割合を、履歴情報を利用して管理することが可能となる。
履歴情報には当該履歴情報を記憶させる契機となった履歴対象入球部に遊技球B1が入球したタイミングに対応する情報であるRTC情報が含まれている。これにより、履歴情報を利用することで、履歴対象入球部への遊技球B1の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
履歴用メモリ117には、履歴対象入球部に遊技球B1が入球したことに対応する履歴情報だけではなく、開閉実行モード中であるか否かを示す履歴情報、高頻度サポートモード中であるか否かを示す履歴情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かを示す履歴情報が記憶される。これにより、これら各状況であるか否かを区別して、履歴対象入球部への遊技球B1の入球態様を管理することが可能となる。
履歴用メモリ117に格納された履歴情報を、パチンコ機10外部の装置である読み取り装置に出力することが可能である。これにより、読み取り装置にて履歴情報を読み取り、その読み取った履歴情報を利用して履歴対象入球部への遊技球B1の入球態様を分析することが可能となる。
MPU62には読み取り用端子102が設けられており、当該読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置により主側ROM64からプログラムを読み出すことが可能である。これにより、プログラムが正常なものであるか否かを確認することが可能となる。当該構成において、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報が外部出力される。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、履歴情報を外部出力することが可能となる。
読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する側の情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される。これにより、プログラムを外部出力するための読み取り用端子102を利用して履歴情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれであるのかがパチンコ機10側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。よって、読み取り用端子102が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置から受信する情報に基づき、当該読み取り用端子102から出力すべき情報がプログラム及び履歴情報のうちいずれの情報であるのかが特定される。これにより、外部出力の対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
プログラムを予め記憶する主側ROM64を有するMPU62が、管理用IC66及び読み取り用端子102を有する。これにより、読み取り用端子102に対する信号経路をMPU62内に集約することが可能となる。よって、読み取り用端子102への信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球B1の入球に基づき遊技球B1が払い出されるようにするための処理を実行する主側CPU63とは別に管理側CPU112が設けられており、当該管理側CPU112にて履歴用メモリ117に履歴情報が記憶されるようにするための処理が実行される。これにより、主側CPU63の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら、各履歴対象入球部への遊技球B1の入球態様を管理することが可能となる。
主側CPU63と管理側CPU112とがMPU62として同一のチップに設けられている。これにより、これら主側CPU63と管理側CPU112との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
主側CPU63は各入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する情報を、入球検知センサ42a~48aのそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122a~122gに送信する。これにより、主側CPU63から送信される情報の種類と各バッファ122a~122g(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
主側CPU63は開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高頻度サポートモード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報を、これら各状況のそれぞれに対応する信号経路を利用して、管理用IC66の入力ポート121の各バッファ122h~122jに送信する。これにより、これら各状況に対応する情報の種類と各バッファ122h~122j(すなわち各信号経路)とが対応することとなり、管理側CPU112にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
主側CPU63は、各バッファ122a~122j(すなわち各信号経路118a~118j)がいずれの種類の情報に対応しているのかを示す対応関係情報を管理側CPU112に送信する。これにより、当該対応関係情報を管理用IC66において予め記憶しておく必要が生じない。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に当該主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される。これにより、履歴対象入球部への遊技球B1の入球が発生し得る状況においては、主側CPU63から送信される情報と履歴対象入球部との対応関係を管理用IC66にて特定可能となるようにすることが可能となる。
履歴対象入球部への遊技球B1の入球の有無を示す情報を送信するための信号経路118a~118gを利用して、対応関係情報が主側CPU63から管理用IC66に送信される。これにより、対応関係情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
管理用IC66には対応関係用メモリ116が設けられており、主側CPU63から管理用IC66に送信された対応関係情報は対応関係用メモリ116にて記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する履歴対象入球部を管理用IC66にて特定可能とする情報を、主側CPU63から各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報を送信する度に提供する必要がなくなる。よって、主側CPU63から送信される各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報の情報量を抑えることが可能となる。
主側CPU63から管理用IC66に出力されている出力指示信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わることにより、管理用IC66から読み取り用端子102への情報出力が行われる。この場合に、第16バッファ122pに対応する信号経路が出力指示信号に対応していることは、主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。これにより、対応関係情報の送信に関する構成が極端に複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
管理用IC66には、主側CPU63からの情報を受信することが可能なバッファ122a~122pとして、主側CPU63から管理用IC66に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数のバッファが設けられている。これにより、パチンコ機10の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であってもバッファ122a~122pに関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、管理用IC66の汎用性を高めることが可能となる。
管理用IC66から履歴情報が読み取り用端子102に送信される場合、当該履歴情報に対応する履歴対象入球部の種類を示す対応関係情報が各履歴情報に含まれている。これにより、読み取った履歴情報を利用して、各履歴対象入球部への遊技球B1の入球態様を特定することが可能となる。
管理用IC66において、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することにより、所定の期間における遊技領域PAの遊技球B1の入球態様に対応する各種パラメータ(第1~8,11~18,21~26パラメータ)が演算される。これにより、履歴情報を利用して演算した結果である各種パラメータを外部出力することが可能となる。
前扉枠14が開放中である状況に対応する履歴情報を除外した状態で各種パラメータが演算される。これにより、前扉枠14が閉鎖状態である正常な状況における各種パラメータを導き出すことが可能となる。また、開閉実行モードである状況及び高頻度サポートモードである状況のそれぞれに対応した各種パラメータが演算される。これにより、各状況に応じた遊技球B1の入球態様を遊技ホールの管理者などが把握することが可能となる。
各種パラメータが演算された場合、履歴用メモリ117のクリア処理が実行されることにより当該履歴用メモリ117が初期化される。これにより、履歴用メモリ117の記憶容量を超えてしまうほどの履歴情報が履歴用メモリ117への記憶対象となってしまい、本来なら記憶保持されるべき履歴情報が上書きによって消去されてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
各種パラメータを読み取り用端子102に出力する場合、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報も読み取り用端子102に出力される。これにより、各種パラメータを読み出して遊技領域PAにおける遊技球B1の入球態様を分析する場合に、各種パラメータだけではなく、各種パラメータの演算の根拠となった履歴情報を参照することが可能となる。
管理側CPU112は読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されている場合に各種パラメータを演算する。これにより、各種パラメータを演算する頻度を少なくすることが可能となる。
読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されていることが主側CPU63にて特定され、当該主側CPU63から出力指示の情報が送信された場合に管理用IC66にて各種パラメータが演算され、その演算結果の各種パラメータなどが読み取り用端子102に出力される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき、各種パラメータがパチンコ機10外部の読み取り装置に出力されるようにすることが可能となる。
主側CPU63にて実行される動作電力の供給開始時の処理にて読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されているか否かが特定され、読み取り装置が電気的に接続されていることが特定された場合に主側CPU63から管理用IC66に出力指示の情報が送信される。これにより、主側CPU63などにて動作電力の供給開始時の処理が実行されている状況において、すなわち主側CPU63にて遊技を進行させるための通常の処理が開始される前の状況において、各種パラメータの演算及びその演算結果の各種パラメータの外部出力が完了することとなる。よって、履歴対象入球部への遊技球B1の入球が発生し得る状況において各種パラメータの演算及びその演算結果の外部出力が行われないようにすることが可能となり、管理用IC66の処理負荷を軽減することが可能となる。
第1作動口33や第2作動口34への遊技球B1の入球が発生した場合にそれに対応する外部出力が外部端子板97を通じて行われる構成において、履歴情報が履歴用メモリ117に記憶される。これにより、外部端子板97を通じて外部出力される情報を利用することで第1作動口33や第2作動口34への遊技球B1の入球個数及び入球頻度を簡易的に把握しながら、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報を利用することで履歴対象入球部への遊技球B1の入球個数及び入球頻度を正確に把握することが可能となる。
<第1の実施形態における別形態>
・上述した第1の実施形態において、普電役物開放カウンタC4の初期値の更新を行う構成に変えて、所定のタイミングにて調整用駆動部184の駆動態様を変更する構成としてもよい。普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われない場合、当選対象期間は常に1sec周期で発生する。これに対して、例えば、調整用駆動部184が回転体183を第1回転速度で回転させる第1回転モードと、回転体183を第2回転速度で回転させる第2回転モードと、回転体183を第3回転速度で回転させる第3回転モードと、を備えている構成としてもよい。ここで、第1回転速度は第1スルーゲート35に対して遊技球B1を0.8sec周期で供給する回転速度であるとともに、第2回転速度は第1スルーゲート35に対して遊技球B1を1sec周期で供給する回転速度である。また、第3回転速度は第1スルーゲート35に対して遊技球B1を1.2sec周期で供給する回転速度である。
この場合、主側CPU63は、開放用初期値カウンタC5(図13)に代えて、当該開放用初期値カウンタC5と同一構成の切換用乱数カウンタを備えている。主側CPU63は、低頻度サポートモードにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生した場合に、切換用乱数カウンタにて更新された数値情報を普電保留情報としていずれかの普電保留エリアHA1~HA4に格納する。主側CPU63は、切換用乱数カウンタから取得した数値情報が主側ROM64に記憶されている切換対象の数値情報であるか否かについて判定する切換判定処理を実行することにより、調整用駆動部184の回転モードの切り換えタイミングを決定する。
切換判定処理は、低頻度サポートモードにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生した場合に実行される。当該切換判定処理を利用することにより、調整用駆動部184の回転モードが切り換えられるタイミングをランダムなタイミングとすることができる。主側CPU63は、切換判定処理において、切り換えタイミングとなる度に第1回転モード→第2回転モード→第3回転モード→第1回転モードというように、調整用駆動部184の回転モードを順次切り替える。
調整用駆動部184の回転モードが切り換わる度に第1スルーゲート35への入賞可能タイミングと当選対象期間との関係が変化する。例えば、遊技球B1が0.8sec周期で第1スルーゲート35に入賞する第1回転モードにおいて、0.8sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する。また、第1回転モードにおいて、0.8sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間と重なる場合には、5回に1回の間隔で普電開放当選となる。入賞可能タイミングの周期の長さが当選対象期間の周期の長さとは異なるため、2つの周期の最小公倍数である4sec周期で普電開放当選が発生する。
遊技球B1が1sec周期で第1スルーゲート35に入賞する第2回転モードにおいて、1sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、上記第1の実施形態で既に説明した非当選連続期間となるとともに、1sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間と重なる場合には、上記第1の実施形態において既に説明した当選連続期間となる。
遊技球B1が1.2sec周期で第1スルーゲート35に入賞する第3回転モードにおいて、1.2sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する。また、第3回転モードにおいて、1.2sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間と重なる場合には、5回に1回の間隔で普電開放当選となる。入賞可能タイミングの周期の長さが当選対象期間の周期の長さとは異なるため、2つの周期の最小公倍数である6sec周期で普電開放当選が発生する。
回転体183の回転速度は外部から視認可能であるため、遊技者は遊技中に回転体183の回転速度を確認して、回転モードが切り換わったタイミングを知ることができる。当選連続期間が発生するタイミングを遊技者に報知しない構成において、回転モードの切り換わりタイミングを把握可能とすることにより、回転モードが切り換わる度に遊技者の当選連続期間への期待を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、毎回の普電開放抽選において1sec周期で普電開放当選が発生する当選連続期間に加えて、5回間隔であるとともに4sec周期で普電開放当選が発生する期間、及び5回間隔であるとともに6sec周期で普電開放当選が発生する期間を発生させることができる。普電開放当選の発生態様のバリエーションを増やすことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第1の実施形態において、普電役物開放カウンタC4の初期値の更新を行う構成に変えて、普電開放抽選における当選判定値テーブルが複数種類用意されている構成としてもよい。例えば、主側ROM64には、1sec周期で24msecの当選対象期間が開始される低頻度用当選判定値テーブルT1の他に、0.8sec周期で24msecの当選対象期間が開始される第1当選判定値テーブルと、1.2sec周期で24msecの当選対象期間が開始される第2当選判定値テーブルと、が予め記憶されている構成としもよい。第1交換用テーブルでは当選判定値が(200×n-5)~(200×n)に設定されているとともに、第2交換用テーブルでは当選判定値が(300×n-5)~(300×n)に設定されている。ここで、第1交換用テーブルにおける変数nは1~327の自然数であるとともに、第2交換用テーブルにおける変数nは1~218の自然数である。
この場合、主側CPU63は、開放用初期値カウンタC5(図13)に代えて、当該開放用初期値カウンタC5と同一構成の切換用乱数カウンタを備えている。主側CPU63は、低頻度サポートモードにおいて第1スルーゲート35への入賞が発生した場合に、切換用乱数カウンタにて更新された数値情報を取得し、当該数値情報を用いて上述した切換判定処理を実行する。当該切換判定処理により、普電開放抽選に用いる当選判定値テーブルの切り換えタイミングを決定する。
切換判定処理を利用することにより、普電開放抽選に用いられる当選判定値テーブルの切り換えタイミングをランダムなタイミングとすることができる。主側CPU63は、切換判定処理において、切り換えタイミングとなる度に低頻度用当選判定値テーブルT1→第1当選判定値テーブル→第2当選判定値テーブル→低頻度用当選判定値テーブルT1の順番で、普電開放抽選に用いる当選判定値テーブルを切り換える。
普電開放抽選に用いられる当選判定値テーブルが切り換わる度に第1スルーゲート35への入賞可能タイミングと当選対象期間との関係が変化する。例えば、普電開放抽選に第1当選判定値テーブルが用いられ、当選対象期間が0.8sec周期で発生する場合において、1sec周期の入賞可能タイミングが0.8sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する。また、第1当選判定値テーブルが用いられる場合において、1sec周期の入賞可能タイミングが0.8sec周期の当選対象期間と重なる場合には、5回に1回の間隔で普電開放当選となる。入賞可能タイミングの周期の長さが当選対象期間の周期の長さとは異なるため、2つの周期の最小公倍数である4sec周期で普電開放当選が発生する。
普電開放抽選に低頻度用当選判定値テーブルT1が用いられ、当選対象期間が1sec周期で発生する場合において、1sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、上記第1の実施形態で既に説明した非当選連続期間となるとともに、1sec周期の入賞可能タイミングが1sec周期の当選対象期間と重なる場合には、上記第1の実施形態において既に説明した当選連続期間となる。
普電開放抽選に第2当選判定値テーブルが用いられ、当選対象期間が1.2sec周期で発生する場合において、1sec周期の入賞可能タイミングが1.2sec周期の当選対象期間に重ならない場合には、普電開放抽選において外れ結果が連続する。また、第2当選判定値テーブルが用いられる場合において、1sec周期の入賞可能タイミングが1.2sec周期の当選対象期間と重なる場合には、5回に1回の間隔で普電開放当選となる。入賞可能タイミングの周期の長さが当選対象期間の周期の長さとは異なるため、2つの周期の最小公倍数である6sec周期で普電開放当選が発生する。
毎回の普電開放抽選において1sec周期で普電開放当選が発生する当選連続期間に加えて、5回間隔であるとともに4sec周期で普電開放当選が発生する期間、及び5回間隔であるとともに6sec周期で普電開放当選が発生する期間を発生させることができる。普電開放当選の発生態様のバリエーションを増やすことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
また、例えば、主側ROM64には、当選判定値が(250×n-105)~(250×n-100)に設定されている第3交換用テーブルと、当選判定値が(250×n-205)~(250×n-200)に設定されている第4交換用テーブルと、が予め記憶されている構成としてもよい。普電役物開放カウンタC4における数値情報の更新が1周する度に、低頻度用当選判定値テーブルT1→第3交換用テーブル→第4交換用テーブルの順番で、普電開放抽選に利用される当選判定値のテーブルが切り換えられる。これにより、普電役物開放カウンタC4の初期値を変更することなく、当選対象期間をずらして、当選連続期間と非当選連続期間とを作り出すことができる。
・上述した第1の実施形態において、低頻度サポートモードの当選連続期間において単位時間当たりに普電開放状態となる頻度が、高頻度サポートモードにおいて単位時間当たりに普電開放状態となる頻度よりも低い構成としてもよい。そして、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間が発生する頻度を上げてもよい。例えば、当選連続期間における普電開放当選により実行される普電役物34aの一連の開閉動作において、開放状態の合計時間を減らしてもよい。具体的には、一連の開閉動作において、開放回数を少なくする方法、1回の開放時間を短くする方法、及び一連の開閉動作中の閉鎖状態を長くする方法を単独で用いる、又は組合せて用いることにより、低頻度サポートモードの当選連続期間において単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を下げることができる。
また、当選連続期間において普電開放当選が連続して発生した場合に、1つの普電開放当選に基づく一連の開閉動作が行われてから、次の普電開放当選に基づく一連の開閉動作が行われるまでの時間を長くする方法を用いることにより、低頻度サポートモードの当選連続期間において単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を下げることができる。
また、例えば、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われる頻度を増大させることにより、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間が発生する頻度を上げることができる。具体的には、普電役物開放カウンタC4が半周するタイミングで初期値更新を行う構成とすることにより、当選対象期間が発生する頻度を増大させることができる。当選対象期間となった場合には普電役物開放カウンタC4の初期値更新を3回見送る構成とすることにより、当選対象期間の長さを変更せずに当選対象期間の発生する頻度だけを増大させることができる。
1回の当選連続期間において単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を下げることができるとともに、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間が発生する頻度を上げることができる。このため、非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて、単位時間当たりに普電開放状態となる頻度を変化させることなく、当選連続期間が容易に発生し得るものであるという印象を遊技者に与えることができる。これにより、低頻度サポートモードにおいて、当選連続期間が発生するかもしれないという遊技者の当選連続期間への期待を高めることができる。
・上述した第1の実施形態において、低頻度サポートモードの当選連続期間と高頻度サポートモードとの関係は、低頻度サポートモードの当選連続期間の方が高頻度サポートモードよりも第2作動口34への入賞が発生し易いという関係に限られない。低頻度サポートモードの当選連続期間では普電開放抽選において普電開放当選が連続して発生するのに対して、高頻度サポートモードでは普電開放抽選において略3/5の確率で普電開放当選が発生する。高頻度サポートモードでは、1回の普電開放当選を契機として、普電役物34aが1sec間開放状態となり1sec間閉鎖状態となる一連の開閉動作が5回繰り返される。これに対して、例えば、低頻度サポートモードの当選連続期間では、普電役物34aが0.8sec間開放状態となり1sec間閉鎖状態となる一連の開閉動作が3回繰り返される構成とすることにより、高頻度サポートモードにて第2作動口34への入賞が発生する可能性を低頻度サポートモードの当選連続期間にて第2作動口34への入賞が発生する可能性よりも高くすることができる。これにより、高頻度サポートモードの低頻度サポートモードに対する優位性を保ちながら、低頻度サポートモードにて第2作動口34への入賞が発生することへの期待感が極端に低いものとなることを回避できる。
また、例えば、低頻度サポートモードの当選連続期間では、普電役物34aが1sec間開放状態となり1sec間閉鎖状態となる一連の開閉動作が3回繰り返される構成することにより、高頻度サポートモードにて第2作動口34への入賞が発生する可能性を低頻度サポートモードにて第2作動口34への入賞が発生する可能性と同程度とすることができる。これにより、低頻度サポートモードの非当選連続期間においても、遊技者は高頻度サポートモードと同程度に第2作動口34への入賞が発生する状態となることを期待しながら遊技球B1の発射操作を行うことができる。
なお、低頻度サポートモードの当選連続期間にて第2作動口34への入賞が発生する可能性と、高頻度サポートモードにて第2作動口34への入賞が発生する可能性との関係を調整するためのパラメータは、普電役物34aの開放時間及び開放状態となる回数に限られない。例えば、当該パラメータとして、低頻度サポートモードの普電開放抽選にて普電開放当選となる確率や高頻度サポートモードにて普電開放当選となる確率などを調整してもよい。
・上述した第1の実施形態において、普電役物34aが遊技球B1の第2作動口34への入賞をサポートするサポートモードが1種類のみである構成としてもよい。具体的には、主側ROM64には、普電開放抽選において普電開放当選の対象となる当選判定値が設定されている当選判定値テーブルが1つだけ記憶されている。当該当選判定値テーブルには、普電開放当選の対象となる当選判定値として、(250×n-9)~(250×n)が設定されている。ここで、変数nは1~262の自然数である。本構成において、普電開放抽選にて普電開放当選となる確率は略1/25である。普電開放当選の対象となる当選判定値が継続する当選対象期間は、1sec周期で発生し、40msecに亘って継続する。本構成では、非当選連続期間であり普電開放抽選にて普電開放当選とならない状態と、当選連続期間であり普電開放抽選にて普電開放当選が連続して発生する状態と、の2通りの状態をとり得る。普電役物34aによるサポートに関して、遊技者にとって有利な期間を前兆なく発生する当選連続期間のみに限定することにより、当選連続期間に対する遊技者の期待感を高めるとともに、当選連続期間を常に遊技者に意識させることができる。これにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第1の実施形態において、調整機構180の下部にも回転体183の外縁を囲う排出用ガード部が形成されている構成としてもよい。また、調整機構180が排出される際に挟まれる遊技球B1を遊技盤24の後方に逃がす排出用逃げ通路を備えている構成としてもよい。具体的には、調整機構180の下部において回転体183の外縁に沿って形成されている排出用ガード部には遊技球B1が通過可能な排出口が形成されている。調整機構180の上部において凹み部183b~183eに取り込まれた遊技球B1は調整機構180の下部において排出用ガード部の排出口から排出される。
遊技盤24は、遊技盤24の前面よりも後方に、調整機構180から排出される際に排出口の側面と回転体183のいずれかの羽根部188~191とに挟まれた遊技球B1を逃がすための排出用逃げ通路を備えている。また、排出口周辺における遊技盤24の表面には、排出時に挟まれた遊技球B1が排出用逃げ通路に入球することを可能とする開口として排出用通路入口が形成されている。
排出用逃げ通路は逃げ通路172に連絡している。排出用ガード部における排出口の左側の端面は後方に向けて左方に傾斜している。このため、遊技球B1が排出口から排出される際に回転体183と排出用ガード部とに挟まれた状態となった場合、回転体183が回転することにより、挟まれた遊技球B1は後方に押し出される。押し出された遊技球B1は、排出用通路入口を通り、排出用逃げ通路に入球する。当該遊技球B1は、逃げ通路172を通り、通路出口173から排出される。
排出用逃げ通路を利用する構成とすることにより、調整機構180の下部に排出用ガード部を設けても、遊技球B1が回転体183と排出用ガード部とに挟まれて動かなくなる事態を回避することができる。遊技球B1を排出用ガード部の排出口から排出する構成とすることにより、遊技球B1を第1スルーゲート35に向けて方向付けて排出することができる。
・上述した第1の実施形態において、回転体183と起立壁181c,181dとの間に遊技球B1が入り込めない隙間を設け、当該隙間から逃げ通路172を通過する遊技球B1の動きを視認可能としてもよい。この場合には、回転体183及び起立壁181c,181dに不透明な材料を用いることが可能となる。材料選択の自由度を上げることにより、コストやデザインに合った材料選択が可能となる。
・上述した第1の実施形態において、当選連続期間となっても非当選連続期間と同様に普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われる構成としてもよい。具体的には、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、普電開放当選が3回連続して発生しても、見送りフラグ65dに「1」は設定されない。このため、当選連続期間となってから最初に迎える初期値更新タイミングにおいて、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が実行されて当選連続期間が終了する。当選連続期間において普電役物開放カウンタC4の初期値更新を見送る構成と比較して、当選連続期間を短く設定することにより、低頻度サポートモードにおいて、第2作動口34への入賞に対する期待感を高めながらも、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの優位性を保つことができる。
・上述した第1の実施形態において、見送りフラグ65dに「1」が設定されている場合に見送られる普電役物開放カウンタC4の初期値更新は1回に限られない。見送りフラグ65dに「1」が設定されている場合に、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が複数回見送られる構成としてよい。当選連続期間となった場合に、当否抽選にて大当たり当選となり、大当たり状態に移行する可能性を高めることにより、遊技者の当選連続期間への関心を高めることができる。
見送りフラグ65dに「1」が設定されている場合には、当否抽選において大当たり結果となり、大当たり状態に移行するまで普電役物開放カウンタC4の初期値更新が見送られる構成としてもよい。低頻度サポートモードにおいて普電開放当選が3回連続して発生した場合に見送りフラグ65dに「1」を設定するとともに、大当たり状態に移行する場合に見送りフラグ65dを「0」クリアする構成とする。これにより、当選連続期間となった場合に、遊技者は大当たり状態への移行を確信することができる。当選連続期間を遊技者にとって魅力的なものとすることにより、低頻度サポートモードにおいても大当たり状態への移行を期待させることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
見送りフラグ65dに「1」が設定されている期間における第1作動口33への入賞回数及び第2作動口34への入賞回数の合計回数をカウントし、当該合計回数が基準値を超えた場合に見送りフラグ65dを「0」クリアする構成としてもよい。これにより、当選連続期間となった場合に、作動口33,34への基準回数以上の入賞が確保される。当選連続期間となったにも関わらず、作動口33,34への入賞回数が少ないまま当該当選連続期間が終了してしまうことを避け、当選連続期間を遊技者にとって魅力的なものとすることができる。
見送りフラグ65dに「1」が設定されていることに基づいて普電役物開放カウンタC4の初期値更新が見送られる回数がランダムである構成としてもよい。例えば、見送りフラグ65dに「1」が設定された状態で初期値更新タイミングを迎えた場合に、当選連続期間を継続するか否かの抽選が行われる構成としてもよい。当選連続期間が長く継続する可能性を意識させることにより、遊技者の当選連続期間への関心を高めることができる。
・上述した第1の実施形態において、低頻度サポートモードの非当選連続期間において第1スルーゲート35への入賞が1回発生したことを契機として、主側CPU63が当選連続期間となったことを把握する構成としてもよい。上記1の実施形態において既に説明したとおり、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、第1スルーゲート35への入賞に基づいて普電開放当選が発生することはない。一方、第2スルーゲート39への入賞に基づく普電開放抽選において普電開放当選となる確率は略1/42である。主側CPU63は、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、第1ゲート検知センサ49aにより第1スルーゲート35への入賞を検知した場合には、当該1回の入賞に基づいても見送りフラグ65dに「1」を設定するとともに、第2ゲート検知センサ50aにより第2スルーゲート39への入賞を検知した場合には見送りフラグ65dに「1」を設定しない。このため、第2スルーゲート39への入賞が偶然連続した場合においても、当該入賞に基づいて見送りフラグ65dに「1」が設定されることを避けることができる。
・上述した第1の実施形態において、第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作することを指示する場合があるとともに、第2スルーゲート39を狙って遊技球発射装置を操作することを指示する場合がある構成としてもよい。例えば、低頻度サポートモードである場合において、第2ゲート検知センサ50aにより第2スルーゲート39への入賞が検知された場合に、左打ち指示コマンドを音声発光制御装置81に対して送信する。左打ち支持コマンドを受信した音声発光制御装置81は、表示制御装置82にコマンドを送信することにより、第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者を促す内容を図柄表示装置41の表示面41aに表示する。また、音声発光制御装置81は、スピーカ部54を制御することにより、第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者に促す内容の音出力を実行する。
高頻度サポートモードである場合において第1ゲート検知センサ49aにより第1スルーゲート35への入賞が検知された場合に、右打ち指示コマンドを音声発光制御装置81に対して送信する。右打ち支持コマンドを受信した音声発光制御装置81は、表示制御装置82にコマンドを送信することにより、第2スルーゲート39を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者を促す内容を図柄表示装置41の表示面41aに表示する。また、音声発光制御装置81は、スピーカ部54を制御することにより、第2スルーゲート39を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者に促す内容の音出力を実行する。
主側CPU63は、低頻度サポートモードから高頻度サポートモードに移行した場合、音声発光制御装置81に対して、上述した右打ち指示コマンドを送信することにより第2スルーゲート39を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者を促すとともに、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行した場合、音声発光制御装置81に対して、上述した左打ち支持コマンドを送信することにより第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者を促す。このように、遊技者にとって有利となる遊技球発射装置の操作態様を報知することにより、不慣れな遊技者が遊技球発射装置を操作する場合であっても当選連続期間や高頻度サポートモードなどの遊技内容を楽しめる構成とすることができる。
・上述した第1の実施形態において、主側CPU63が当選連続期間を把握した場合に、当選連続期間であることを遊技者に報知する構成としてもよい。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、主側CPU63は、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、普電開放当選が3回連続して発生した場合に当選連続期間となったことを把握する。この場合に、主側CPU63は、音声発光制御装置81に対して連続報知コマンドを送信する。当該連続報知コマンドを受信した音声発光制御装置81は、表示発光部53及びスピーカ部54を制御するとともに、表示制御装置82にコマンドを送信することにより、遊技者に対して当選連続期間となったことを報知する。例えば、当選連続期間となったことを明示して第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように促すことにより直接的な報知を行う構成としてもよい。また、図柄表示装置41の表示面41aにおける背景を変化させることにより間接的な報知を行う構成としてもよい。
また、当選連続期間となったことを契機として、主側CPU63が音声発光制御装置81に対して連続演出コマンドを送信することにより、音声発光制御装置81が当選連続期間であることを把握する構成としてよい。主側CPU63は、当選連続期間が終了したことを契機として、音声発光制御装置81に対して連続終了コマンドを送信する。音声発光制御装置81は、当該連続終了コマンドを受信した場合に、当選連続期間が終了したことを把握する。音声発光制御装置81は、連続演出コマンドを受信してから連続終了コマンドを受信するまでの間において、主側CPU63から変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合には、遊技回用の演出を当選連続期間用のものに変更する。
このように、普電役物34aの動きのみではなく、表示発光部53、スピーカ部54、及び図柄表示装置41を利用した報知又は演出により、当選連続期間をアピールして、当選連続期間を遊技者に印象付けることができる。低頻度サポートモードにおいて当選連続期間を意識させることにより、低頻度サポートモードにおいて遊技者が退屈することを避け、遊技の興趣向上を図ることができる。
・上述した第1の実施形態において、第2作動口34への入賞をトリガとして行われる当たり抽選が第1作動口33への入賞をトリガとして行われる当たり抽選よりも遊技者にとって有利となる構成としてもよい。そして、第1作動口33への入賞により取得される保留情報よりも第2作動口34への入賞により取得される保留情報の方が優先的に消化される構成としてもよい。当該構成について以下に具体的に説明する。
第1作動口33への入賞が発生すると、第1当たり抽選に利用するために、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが第1抽選用保留情報として取得される。また、第2作動口34への入賞が発生すると、第2当たり抽選に利用するために、当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが第2抽選用保留情報として取得される。保留格納エリア65aにおいて、第2抽選用保留情報は第1抽選用保留情報とは異なるエリアに格納される。そして、当たり抽選の実行タイミングにおいて、第1抽選用保留情報と第2抽選用保留情報とが共に1個以上格納されている場合には、第2抽選用保留情報に基づく第2当たり抽選が第1当たり抽選よりも優先して実行される。第1作動口33への入賞に基づく当たり抽選にて当たり当選となった場合には、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2作動口34への入賞に基づく当たり抽選にて当たり当選となった場合にも、特電入賞装置32への入賞が可能となる開閉実行モードへ移行する。第2当たり抽選に用いられる振分用テーブルに設定されている大当たり結果の種類は、第1当たり抽選に用いられる振分用テーブルに設定されている大当たり結果の種類よりも遊技者に有利なものとなっている。
当該構成において、上記第1の実施形態において既に説明したように、第1スルーゲート35の上方には調整機構180が設けられており、低頻度サポ―トモードにおいて非当選連続期間又は当選連続期間となる。非当選連続期間と当選連続期間とを合わせた低頻度サポートモードにおいて作動口33,34への入賞が発生する可能性は、高頻度サポートモードにおいて作動口33,34への入賞が発生する可能性よりも低いため、作動口33,34への入賞が発生することへの遊技者の期待も低い。しかし、当選連続期間では、普電役物34aによるサポートが実行され易くなるため、第2作動口34への入賞が発生する可能性が高くなる。そして、当該構成は、第1作動口33への入賞が発生した場合よりも第2作動口34への入賞が発生した場合の方が遊技者に有利な結果となり易い構成である。このため、低頻度サポートモードにおいても、当選連続期間が発生することにより、遊技者は大きな利益を享受できる可能性がある。当選連続期間に対する遊技者の期待感を高めることにより、低頻度サポートモードにおいて、第2作動口34への入賞が発生することへの遊技者の期待感を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための構成が上記第1の実施形態とは相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態における遊技盤210の構成を図41に基づいて説明する。図41は第1スルーゲート35及び当該第1スルーゲート35の上方の構成を拡大して示す遊技盤210の正面図である。図41に示すように、本実施形態の遊技盤210において、第1スルーゲート35の上方には、上記第1の実施形態における調整機構180に代えて調整機構220が設けられている。当該調整機構220は遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞するタイミングを調整する。
図41に示すように、調整機構220は、調整機構220に取り込まれた遊技球B1(図3)を調整機構220の上部から下部に向けて搬送する回転体230と、当該回転体230が回転するための駆動力を提供するものであり上記第1の実施形態において既に説明した調整用駆動部184と、回転体230を収容するとともに回転体230により排出位置まで搬送される遊技球B1が回転の遠心力により排出位置に到達する前に外方に放出されることを阻止するためのハウジング250と、を備えている。
調整機構220は、調整機構220の上部にて取り込んだ遊技球B1を調整機構220の下方に位置する第1スルーゲート35に向けて排出する。図41に示すように、調整機構220の下端から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径以上に設定されている。具体的には、調整機構220は、第1スルーゲート35と遊技球B1の直径の略2.5倍の距離に設けられている。そして、調整機構220から第1スルーゲート35に向けて排出される遊技球B1の進路には、調整機構220から排出される一部の遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞することを阻止するための振分釘271が設けられている。
振分釘271は、遊技盤210の前面から前方に6mm突出させて設けられている。このため、前後方向に18mmの長さ寸法を有する遊技領域PA(図3)を流下する直径11mmの遊技球B1のうち、遊技盤24寄りを流下する遊技球B1は振分釘271と衝突して第1スルーゲート35から外れることになるとともに、窓パネル52寄りを流下する遊技球B1は振分釘271と衝突せずに第1スルーゲート35に入賞することとなる。
調整機構220の構成について説明する。図41に示すように、ハウジング250は、当該ハウジング250を遊技盤210に固定するために利用される板状のベース体251を備えている。図42(a)は調整機構220の真上を切断して示すハウジング250の平面図である。図42(a)に示すように、遊技盤210は、ベース体251を隙間なく収容することができる固定用凹み部211を備えている。調整機構220は、ベース体251が固定用凹み部211に収容されている状態において、図41に示すように、ベース体251の四隅が釘付けされることにより遊技盤210に固定されている。調整機構220が遊技盤210に固定されている状態において、ベース体251の前面は遊技盤210の前面と同一平面上に存在している。
図41に示すように、ハウジング250には回転体230を収容するための収容空間が形成されており、当該収容空間の中央に回転体230が配置されている。ベース体251の後方には、上記第1の実施形態において既に説明した調整用駆動部184が配置されている。調整用駆動部184の出力軸184aは調整用駆動部184の前面から前方に向けて遊技盤210の前面に直交する方向に延びている。
ベース体251には当該出力軸184aを挿通するための貫通孔(図示略)が形成されている。回転体230は、当該回転体230の軸線が調整用駆動部184の出力軸184aと同一直線上に位置するようにして、出力軸184aに連結されている。調整用駆動部184が駆動状態となることにより回転体230は1sec間に90°の角速度で時計回りに回転する。
調整機構220では、回転体230が回転することにより、収容空間の上部にて調整機構220に取り込まれた遊技球B1が収容空間の下部まで搬送される。調整機構220は、回転体230が1/4回転する度に1個の遊技球B1を排出可能な状態となる。つまり、調整機構220が上記第1の実施形態における調整機構180と同様に、1sec周期で第1スルーゲート35に遊技球B1を供給可能である。
上記第1の実施形態において既に説明した入賞可能タイミングを1sec周期で発生させることにより、入賞可能タイミングが普電開放抽選の当選対象期間と重ならない場合に非当選連続期間を発生させることができるとともに、入賞可能タイミングが当選対象期間と重なる場合に当選連続期間を発生させることができる。
図41に示すように、ハウジング250は、回転体230が収容されている収容空間を区画するための起立壁252,253,261を備えている。起立壁252,253,261は、ベース体251の前面から前方に向けて突出する態様で、ベース体251に複数形成されている。図42(a)に示すように、起立壁252,253,261はベース体251の前面から窓パネル52の背面近傍に亘って存在している。起立壁252,253,261は、回転体230の周面の外側から間隔を空けて、当該回転体230を囲う態様で形成されている。回転体230の中心から各起立壁252,253,261までの距離は一定であり、収容空間は起立壁252,253,261により円形に区画されている。
図43は調整機構220から分離させて示す単独の回転体230の正面図である。図43に示すように、回転体230は略円盤状の樹脂製部材であり、当該回転体230の周面には周方向に等間隔となる4つの段差部が存在している。ここで、4つの段差部の段差面241a~244aは、回転体230の回転方向において、第1段差面241a→第2段差面242a→第3段差面243a→第4段差面244aの順番となるように並んでいる。4つの段差面241a~244aは回転体230の半径方向に突出しており、当該4つの段差面241a~244aの突出寸法は遊技球B1の半径と略同一である。
図43に示すように、回転体230は、第1段差面241aの内側(回転体230の中心に近い側)の辺と、第2段差面242aの外側(回転体230の中心から遠い側)の辺とを接続している第1支持面241を備えているとともに、第2段差面242aの内側の辺と、第3段差面243aの外側の辺とを接続している第2支持面242を備えている。また、回転体230は、第3段差面243aの内側の辺と、第4段差面244aの外側の辺とを接続する第3支持面243を備えているとともに、第4段差面244aの内側の辺と、第1支持面241の外側の辺とを接続している第4支持面244を備えている。
図43に示すように、各支持面241~244は外方に向けて膨出させて形成されている曲面である。各支持面241~244において、回転方向(時計回り)の前側から後側に進むにつれて、回転体230の中心から当該支持面241~244までの距離は徐々に短くなる。例えば、第1支持面241を例として具体的に説明すると、図43に示すように、回転体230の中心から第1支持面241までの距離は、回転方向の前側である第2段差面242a側で長く、回転方向の後側である第1段差面241a側に向かうにつれて徐々に短くなる。
図41に示すように、回転体230のいずれかの支持面241~244、当該支持面241~244において回転方向の後端に位置している段差面241a~244a、及び回転体230が収容されている収容空間を区画している起立壁252,253,261により区画される空間は遊技球B1を収容可能な形状及びサイズを有している。
図41に示すように、円形である収容空間の左側は左起立壁261により区画されているとともに、収容空間の右側下部は右下起立壁253により区画されている。左起立壁261及び右下起立壁253はベース体251と一体形成されている。右下起立壁253は、当該右下起立壁の上端に回動軸254を備えている。当該回動軸254は、ベース体251の前面に直交する態様で前方に延びている。収容空間の右側上部は、ベース体251には固定されていない独立部材である右上起立壁252により区画されている。右上起立壁252は、回動軸254の周りを一定の角度まで回動可能な態様で右下起立壁253に連結されている。
図42(b)は回動軸254の周りを拡大して示すハウジング250の正面図である。図42(b)に示すように、右下起立壁253と右上起立壁252とが連結されている部分において、回動軸254の右側には、右上起立壁252が回動軸254を中心として時計回りに回転することを可能にする隙間が設けられている。このため、右上起立壁252に対して外部から右方向の力が加えられた場合には、右上起立壁252が回動軸254を中心として時計回りに回動可能である。一方、回動軸254の左側には、右上起立壁252が回動軸254を中心として反時計回りに回転することを可能にする隙間が設けられていない。
図42(b)に示すように、右上起立壁252がこれ以上反時計回り(図42(b)における左方向)に回動できない状態を初期状態とする。右上起立壁252は、図41において2点鎖線で示す変位位置まで略15°を上限として時計回りに回動する。右上起立壁252が初期位置から変位位置まで回動することにより、回転体230の中心から右上起立壁252までの距離は延びる。
右上起立壁252は、外部から力が加えられない場合に初期位置に位置しており、外部から右方向に力が加えられた場合に、回動軸254を中心として変位位置まで回動する。外部からの力により変形位置まで回動した右上起立壁252は、外部からの力が取り除かれた場合に、自重により回動軸254を中心として反時計回りに回動して初期位置に戻る。
図41に示すように、収容空間の上側は、左起立壁261及び右上起立壁252によって区画されている。回転体230の真上において、左起立壁261と右上起立壁252とは離間しており、当該2つの起立壁252,261の間が遊技球B1を収容空間内に取り込むための取込口262となっている。上方から流下して来る遊技球B1を1つずつ取り込むことを可能とするために、取込口262の横幅は遊技球B1の直径よりもひと回り大きく設定されている。
取込口262の右端を規定している右上起立壁252が回動軸254の周りを初期位置から変位位置まで回動可能であることにより、必要に応じて取込口262が変形して、調整機構220にて遊技球B1の取り込みが容易な状態となることができる。調整機構220が遊技球B1を取込口262から取り込む態様については後述する。
調整機構220に取り込まれた遊技球B1は、回転体230のいずれかの支持面241~244に接触しながら、調整機構220の上部から下部に向けて搬送される。回転体230における支持面241~244について以下に説明する。
図43に示すように、第1支持面241、第2支持面242、及び第3支持面243は、前方に向けて軸心側に傾斜している。このため、これら3つの支持面241~243のいずれかに接触しながら搬送される遊技球B1は遊技領域PA(図3)の前側(窓パネル52側)に位置することとなる。これに対して、第4支持面244は、後方に向けて軸心側に傾斜している。このため、当該第4支持面244に接触しながら搬送される遊技球B1は遊技領域PAの後側(ベース体251側)に位置することとなる。
このように、調整機構220内で接触する支持面241~244に応じて、搬送されている遊技球B1がとる前後方向の位置を異なるものとすることにより、調整機構220から排出される遊技球B1の前後方向の位置を異なるものとすることができる。既に説明したとおり、調整機構220の下端から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径の略2.5倍であり、調整機構220から排出されて第1スルーゲート35に向かう進路の途中には、遊技領域PAの前後方向の途中位置まで突出している振分釘271が設けられている。
取込口262から調整機構220に取り込まれ、第1支持面241、第2支持面242、又は第3支持面243(図41)と接触しながら回転方向に移動して排出される遊技球B1は遊技領域PAの手前側を第1スルーゲート35に向けて流下する。
図44(a),(c)は遊技盤210の前面に垂直な平面で振分釘271の真上を切断した場合における窓パネル52及び遊技盤210の横断面図であり、図44(b),(d)は調整機構220の周辺を拡大して示す遊技盤210の正面図である。図44(a)に示すように、遊技領域PAの手前側を流下する遊技球B1は振分釘271と衝突せずに、当該振分釘271の前方を流下する。そして、当該遊技球B1は、図44(b)に示すように、第1スルーゲート35に入賞する。
一方、図41にて既に説明したとおり、第4支持面244は、当該第4支持面244が上方に位置している場合に、当該第4支持面244を後方に向けて下方に傾斜している面とする傾斜を有している。このため、取込口262から調整機構220に取り込まれ、第4支持面244と接触しながら回転方向に移動して排出される遊技球B1は遊技領域PAの奥側を第1スルーゲート35に向けて流下する。図44(c)に示すように、遊技領域PAの奥側を流下する遊技球B1は振分釘271の右側と衝突する。図44(d)に示すように、当該遊技球B1は振分釘271によって右方に跳ね返されるため、第1スルーゲート35に入賞しない。
取込口262から取り込まれた遊技球B1が第1支持面241、第2支持面242、又は第3支持面243と接触しながら排出通路264に搬送される確率は3/4であるとともに、取り込まれた遊技球B1が第4支持面244と接触しながら排出通路264に搬送される確率は1/4である。このため、調整機構220から排出される遊技球B1は、略3/4の確率で第1スルーゲート35に入賞するとともに、略1/4の確率で振分釘271と衝突して第1スルーゲート35から外れる。
次に、調整機構220における取込口262周辺の構成について、図45(a)~(d)に基づいて説明する。図45(a)~(d)は調整機構220の周辺を拡大して示す遊技盤210の正面図である。図45(a)に示すように、左起立壁261は、回転体230の左上まで延びているとともに、上端に端面261aを有している。当該端面261aは左方に向けて下方に緩やかな傾斜を有しており、当該端面261aの右端は、取込口262に進入して回転体230のいずれかの支持面241~244と接触している遊技球B1の上端よりも下方に位置している。
図45(a)に示すように、遊技盤210において、調整機構220の上方には、遊技球B1を取込口262に案内するために左側案内釘291及び右側案内釘292が複数設けられている。ここで、左側案内釘291及び右側案内釘292は、遊技盤210に多数設けられている釘24b(図3)と同一部材である。
図45(a)に示すように、遊技盤210において、左起立壁261の上方には、左側案内釘291が列をなして並んでおり、当該列の並び方向は右方に向けて下方に傾斜している。当該左側案内釘291の列により、左起立壁261の上方から流下して来る遊技球B1は取込口262に向けて案内される。また、右上起立壁252の上方には、右側案内釘292が列をなして並んでおり、当該列の並び方向は左方に向けて下方に傾斜している。当該右側案内釘292の列により、右上起立壁252の上方から流下して来る遊技球B1は取込口262に向けて案内される。
既に説明したとおり、右上起立壁252は外部から右方向の力を加えられた場合に、初期位置から変位位置まで右方向に回動する構成である。当該構成において、右上起立壁252の上方に並んでいる右側案内釘292の列は、上方から流下して来る遊技球B1が右上起立壁252に衝突することを防ぐ。このため、変位位置にある右上起立壁252に対して上方から流下して来た遊技球B1が衝突することにより右上起立壁252の回動状態が変化することはない。
図45(a)に示すように、右側案内釘292の列の下端に位置する右側案内釘292から右上起立壁252までの距離は遊技球B1の直径よりも短い。このため、遊技球B1が右側案内釘292の列と右上起立壁252との隙間に入り込むことはない。一方、左側案内釘291の列の下端に位置する左側案内釘291から左起立壁261までの距離は遊技球B1の直径よりも広い。このため、右側案内釘292の列により左方向に向けて案内され、取込口262に取り込まれなかった遊技球B1は、左側案内釘291の列と左起立壁261との間に存在する空間を通過して調整機構220の左方に逃げることとなる。
また、左側案内釘291の列により右方向に向けて案内され、取込口262に取り込まれなかった遊技球B1は、右側案内釘292及び右上起立壁252と衝突して左方に跳ね返された後、左側案内釘291の列と左起立壁261との間に存在する空間を通過して調整機構220の左方に逃げることとなる。このように、取込口262付近に案内されたにも関わらず取込口262から調整機構220の内部に取り込まれなかった遊技球B1を調整機構220の左方に逃がす構成とすることで、取込口262付近に遊技球B1が滞留することを防止できる。
調整機構220の取込口262には、回転体230の回転状態に関係なく遊技球B1が流下して来る。このため、取込口262に流下した遊技球B1が上に位置している支持面241~244の前側位置に接触する可能性、及び支持面241~244の後側位置に接触する可能性の両方がある。ここで、支持面241~244の前側位置とは、当該支持面241~244において回転方向の前側部分であるとともに、支持面241~244の後側位置とは、当該支持面241~244において回転方向の後側部分である。
取込口262における遊技球B1の挙動は、遊技球B1が接触する支持面241~244に関係なく共通である。このため、以下では、取込口262に流下して来て第1支持面241と接触する遊技球B1の挙動を例として説明する。
先ず取込口262に流下して来た遊技球B1が上に位置している第1支持面241の後側位置に接触する場合について、図45(b)を参照しながら説明する。図45(b)に示すように、遊技球B1が第1支持面241の後側位置に接触している場合、回転体230の中心から当該遊技球B1の上端までの距離は、回転体230の中心から起立壁252,253,261までの距離よりも短い。このため、遊技球B1は接触している第1支持面241の後端に存在する第1段差面241aに押されながら収容空間の下部に向けて搬送される。
次に、取込口262に流下して来た遊技球B1が上に位置している第1支持面241の前側位置に接触する場合について、図45(b),(c)を参照しながら説明する。図45(c)に示すように、遊技球B1が第1支持面241の前側位置に接触している場合、回転体230の中心から当該遊技球B1の上端までの距離は、回転体230の中心から起立壁252,253,261までの距離よりも長い。このため、取込口262において、回転体230の回転に応じて右方向に移動しようとする遊技球B1は右上起立壁252に接触する。
右上起立壁252により遊技球B1の右方向への移動が阻止されている状態で回転体230が回転すると、遊技球B1は取込口262から右方向に移動できないため、遊技球B1と第1支持面241との接触点が第1支持面241の前側から後側に移動する。
既に説明したとおり、回転体230の中心から第1支持面241までの距離は、第1支持面241の前側位置から後側位置に向かって徐々に短くなる。このため、回転体230の中心から遊技球B1の上端までの距離は徐々に短くなる。この場合、第1支持面241と接触し続けている遊技球B1は、回転体230の回転に伴って下方に向かって徐々に沈む。
そして、図45(b)に示すように、遊技球B1は第1支持面241の後側位置に存在する状態となる。既に説明したとおり、第1支持面241の後側位置に存在している状態において、回転体230の中心から遊技球B1の上端までの距離は、回転体230の中心から起立壁252,253,261までの距離よりも短い。このため、遊技球B1は第1支持面241の後端に存在する第1段差面241aに押されて収容空間の下部に向けて搬送される。
ここで、遊技球B1が第1支持面241の前側位置に存在する状態から後側位置に存在する状態となるまで回転体230が回転する場合、回転体230の中心から遊技球B1と第1支持面241との接触点までの距離は連続的に減少する。このため、遊技球B1は、取込口262において待機している状態となっても、一箇所に停留している状態ではなく、常時下方に移動している状態となる。
図41に示すように、遊技領域PA(図3)において、左起立壁261の左方には遊技球B1が下方に向けて流下可能な空間が設けられている。当該空間には釘24bが配置されていない。このため、取込口262にて調整機構220に取り込まれなかった遊技球B1は、当該空間を通り、遊技領域PAの下流に進むことができる。
取込口262よりも左側にずれた位置に流下した遊技球B1は、左起立壁261の端面261aと接触する。既に説明したとおり、当該端面261aは、左方に向けて下方に傾斜している。このため、遊技球B1は左起立壁261の端面261aに案内され、左起立壁261の左方に設けられている空間を流下する。
取込口262よりも右側にずれた位置に流下した遊技球B1は、右側案内釘292に案内されて取込口262に向けて移動する。当該遊技球B1が右上起立壁252に上から衝突することはないため、上方から流下する遊技球B1によって右上起立壁252が初期位置から変位位置まで回動したり、変位位置から初期位置まで回動したりすることはない。
図45(c)に示すように、取込口262に1つ目の遊技球B1が進入して回転体230のいずれかの支持面241~244と接触している場合において、2つ目の遊技球B1が取込口262に進入しようとした場合、当該遊技球B1は1つ目の遊技球B1と接触する。2つ目の遊技球B1の右側には右側案内釘292及び右上起立壁252が存在しているため、当該遊技球B1は右方向には進めずに左方向に進む。
既に説明したとおり、左起立壁261の端面261aの右端は2つ目の遊技球B1よりも下方に存在しているとともに、当該端面261aは左方に向けて下方に傾斜している。そして、左起立壁261の左方には遊技球B1が通過可能な空間が存在している。このため、取込口262に取り込まれなかった2つ目の遊技球B1は調整機構220の左側を流下する。
取込口262に取り込まれなかった遊技球B1が取込口262付近に停留及び滞留しないため、取込口262における遊技球B1の取り込みがスムーズに行われる状態を保つことができる。
次に、取込口262から取り込まれた遊技球B1が回転体230の回転に伴って収容空間の下部まで搬送される態様について図45(d)を参照しながら説明する。既に説明したとおり、第1支持面241、第2支持面242、及び第3支持面243のいずれかと接触しながら搬送される遊技球B1は前後方向の前側(窓パネル52側)に存在するとともに、第4支持面244と接触しながら搬送される遊技球B1は前後方向の後側(ベース体251側)に存在する。
前後方向の存在位置を除いて、搬送中における遊技球B1の動きは、遊技球B1が搬送中に接触している支持面241~244によらず共通である。このため、以下では遊技球B1が第1支持面241に接触しながら搬送される場合を例として説明する。
図45(d)に示すように、遊技球B1は第1支持面241及び第1段差面241aと接触しながら搬送される。搬送中の遊技球B1は、回転体230の半径方向に突出している第1段差面241aから回転方向に向けて力が加えられている状態となる。
既に説明したとおり、回転体230の中心から各支持面241~244までの距離は、各支持面241~244において回転方向(時計回り)の前側において長く、回転方向の後側に進むにつれて徐々に短くなる。また、既に説明したとおり、回転体230の中心から当該回転体230の収容空間を区画している起立壁252,253,261までの距離は一定である。
このため、図45(d)に示すように、いずれかの支持面241~244から起立壁252,253,261までの距離は、当該支持面241~244において回転方向の前側において短く、回転方向の後側に進むにつれて徐々に長くなる。具体的には、いずれかの支持面241~244と起立壁252,253,261とで挟まれている空間の幅は、当該支持面241~244における回転方向の前側において遊技球B1の直径よりも狭く、回転方向の後側に進むにつれて徐々に広くなる。当該空間において後側略半分に位置している空間の幅は、遊技球B1の直径よりも広い。また、ベース体251の前面から窓パネル52(図1)までの距離は遊技球B1の直径よりも広い。
図45(d)に示すように、第1支持面241と右上起立壁252とに挟まれている空間において、回転方向の後側の空間は遊技球B1を収容可能な形状及びサイズを有している空間であるとともに、回転方向の前側の空間は遊技球B1を収容不可能なサイズの空間である。第1支持面241に接触しながら搬送されている状態において、遊技球B1が存在可能な広さを有する空間は第1支持面241の後側位置に限定されている。
搬送中に遊技球B1が存在可能な広さを有する空間が広く存在する場合には、回転体230の回転状態が同じであっても遊技球B1が異なる位置に存在できることとなる。この場合、回転体230の回転速度が一定であり、排出タイミングとなる度にいずれかの段差面241a~244aが排出位置に存在する構成であっても、排出タイミングにおける遊技球B1の位置が毎回異なるものとなり、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングがずれてしまう。
これに対して、搬送中に遊技球B1が存在可能な広さを有する空間が限定的であり、遊技球B1を搬送している段差面241a~244aが排出位置に到達する排出タイミングにおいて、遊技球B1が毎回所定の位置まで搬送されている構成とすることにより、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングがずれないように図られている。
なお、遊技球B1がいずれかの支持面241~244の後側位置にある状態において、遊技球B1の周りには、当該遊技球B1のサイズよりも大きなスペースが存在している。このため、搬送中に遊技球B1が第1段差面241a、第1支持面241、及び右側に位置するいずれかの起立壁252,253と接触した状態で遊技球B1が第1段差面241aに強引に押されて引きずられながら搬送されることはない。
次に、調整機構220が遊技球B1を排出するための構成について説明する。図41に示すように、ハウジング250には、回転体230が収容されている収容空間と連続しており、当該収容空間の下部まで搬送された遊技球B1を調整機構220の下方に位置する第1スルーゲート35に向けて排出するための排出通路264が形成されている。排出通路264は、遊技球B1が1つずつ通過することが可能な通路断面を有しているとともに、当該排出通路264の下端に排出口256を備えている。排出通路264は、排出口256から排出される遊技球B1が第1スルーゲート35に向けて流下するように、排出通路264を通過中の遊技球B1をガイドする。図44(b)に示すように、排出通路264は、上流において遊技球B1の位置を左にずらし、下流において当該遊技球B1の排出方向を下方の第1スルーゲート35に向ける。
排出通路264は収容空間の中央よりも右寄りに接続されている。このため、収容空間の上部から時計回りで下部まで搬送された遊技球B1は、当該遊技球B1が回転体230の周りを半周するよりも前に排出通路264に進む。
回転体230によって搬送されている遊技球B1は、収容空間の上部において取り込まれてから半周するまでの間は下方向の速度成分を有しており、半周した後は上方向の速度成分を有することとなる。搬送されている遊技球B1が下方向の速度成分を有している状態から上方向の速度成分を有している状態に変わるよりも前のタイミングで、当該遊技球B1を排出通路264に進ませる構成とすることにより、遊技球B1の収容空間から排出通路264への移動をスムーズなものとすることができる。
図41に示すように、ハウジング250は、排出通路264を区画する排出用起立壁263,266を備えている。排出用起立壁263,266はベース体251の前面から窓パネル52(図1)の背面近傍まで、前方に突出する態様で排出通路264の左右両側に形成されている。このうち、排出通路264の右側の通路形状を規定している右側排出用起立壁266は、右下起立壁253に連続しており、左斜め下の方向に延びている。図41に示すように、右側排出用起立壁266により規定されている排出通路264の通路壁面は、左斜め上に向けて膨らんでいる曲線である。
図41に示すように、排出通路264の左側の通路形状を規定している左側排出用起立壁263は、排出通路264の通路幅が遊技球B1の直径よりもひと回り大きくなるように右側排出用起立壁266と離間させて形成されている。排出通路264の通路幅は、上流から下流に向けて若干狭くなるように設定されており、下流において遊技球B1の直径の略1.1倍となっている。
図44(b)に示すように、排出通路264を通過する遊技球B1は、右側排出用起立壁266に案内されることにより、左方向に移動しながら下方向に進む。詳細には、遊技球B1は、排出通路264の上流において主に左方向に誘導されるとともに、排出通路264の下流において主に第1スルーゲート35に向けて下方向に誘導される。これにより、排出通路264から排出される遊技球B1の排出方向が第1スルーゲート35からずれることが抑制されている。
図41に示すように、左側排出用起立壁263は、その上端に、回転体230が収容されている収容空間に突出している排出用突出端263aを備えている。回転体230の中心から排出用突出端263aまでの距離は、回転体230の中心から段差面241a~244aの外端までの距離よりも長く、当該2つの距離の差は遊技球B1の直径よりも短い。つまり、排出用突出端263aは、回転体230の段差面241a~244aが最接近した場合に、当該排出用突出端263aから段差面241a~244aまでの距離が遊技球B1の直径よりも短くなる位置まで突出している。
ここで、排出用突出端263aの突出寸法は、段差面241a~244aが最接近した場合においても、排出用突出端263aが段差面241a~244aに接触しないものである。このため、段差面241a~244aが排出用突出端263aと接触することにより、回転体230の回転が妨げられることはない。
排出用突出端263aは、回転体230により収容空間の下部まで搬送された遊技球B1の上部と接触することにより、当該遊技球B1を排出通路264に向けて案内する。図44(b)に示すように、収容空間の下部まで搬送された遊技球B1には下方に落下しようとする重力が働く。収容空間の下部には遊技球B1よりもひと回り大きな空間が存在する。このため、遊技球B1は、自重により、回転体230の支持面241~244と接触している状態よりも下方に移動する。
既に説明したとおり、排出通路264は、収容空間の下部において中央よりも右寄りに接続されている。このため、遊技球B1が収容空間から排出通路264に移る段階において、遊技球B1は左方向の速度成分を有しているとともに下方向の速度成分を有している。そして、遊技球B1は、自重により下方に移動しようとするとともに、接触している段差面241a~244aに押されて左方に移動しようとする。
収容空間の下部において、遊技球B1の下方向の速度成分が左方向の速度成分よりも十分に大きい場合、遊技球B1は右側排出用起立壁266に沿って排出通路264に移動する。一方、収容空間の下部において、遊技球B1の左方向の速度成分が大きい場合、遊技球B1は右側排出用起立壁266から離れて左方に移動しようとする。
これに対して、既に説明したように、左側排出用起立壁263の排出用突出端263aが収容空間に突出して存在している。そして、遊技球B1を左方向に押している段差面241a~244aから排出用突出端263aまでの距離は遊技球B1の直径よりも短くなる。このため、左方向の速度成分が大きい遊技球B1であっても、排出用突出端263aよりも左方に移動することはできない。
また、図44(b)に示すように、仮に遊技球B1が下方に移動せずに支持面241~244と接触している状態であったとしても、排出用突出端263aと段差面241a~244aを結ぶ直線は、遊技球B1の重心よりも上方を通るように排出用突出端263aの突出位置が設定されている。このため、遊技球B1が排出用突出端263aと段差面241a~244aとに接触している状態で挟まれても、回転体230が時計回りに回転しようとする力は、遊技球B1を排出通路264に向けて押し出す方向に働く。
収容空間の下部において、遊技球B1の左方向の速度成分が大きい場合であっても、排出用突出端263aと段差面241a~244aとに接触している状態となった遊技球B1は回転体230の回転に伴って排出通路264に向けて移動する。遊技球B1が排出用突出端263aと段差面241a~244aとに強く挟まれた状態となり、回転体230の回転が止まることはない。
次に、取込口262にて、遊技球B1がいずれかの段差面241a~244aと右上起立壁252の端面252aとの両方と接触する状態となった場合について説明する。図41に示すように、初期位置にある右上起立壁252は、当該右上起立壁252の自由端に、下方に向けて右方に傾斜している端面252aを備えている。回転体230の回転に伴い、取込口262の周辺に位置する段差面241a~244aから右上起立壁252の端面252aとの間の間隔は、遊技球B1の直径よりも長くなったり短くなったりする。
取込口262付近に位置している段差面241a~244aと右上起立壁252の端面252aとの間隔が遊技球B1の直径よりも長い状態から短い状態に変わるタイミングにおいて取込口262に遊技球B1が進入した場合、当該遊技球B1は段差面241a~244aと端面252aとに挟まれる。
挟まれた遊技球B1の挙動は、当該遊技球B1を挟んだ段差面241a~244aがいずれであっても共通である。このため、以下では、遊技球B1が第2段差面242aと右上起立壁252とに挟まれた場合について、図46(a)~(c)を参照しながら説明する。図46(a)~(c)は調整機構220の周辺を拡大して示す遊技盤210の正面図である。
図46(a)に示すように、遊技球B1が第2段差面242aと右上起立壁252とに挟まれた状態となった場合に、回転体230が時計回りに回転すると、第2段差面242aから遊技球B1に対して右方向の力が加えられる。このため、遊技球B1から右上起立壁252に対して右方向の力が加えられる。既に説明したとおり、右上起立壁252は外部から右方向の力が加えられた場合に、回動軸254を中心として初期位置から図46(a)において影を付けて示す変形位置まで回動可能である。
図46(b)に示すように、右上起立壁252が初期位置から変形位置まで回動することにより、回転体230の中心から右上起立壁252の端面252aまでの距離が延び、挟まれている遊技球B1が端面252aの傾斜に案内されて右下方に移動する。次に、図46(c)に示すように、遊技球B1は、右上起立壁252の端面252aと接触している状態から右上起立壁252の内面と接触している状態となる。ここで、右上起立壁252の内面とは、右上起立壁252において回転体230と対向している面であり、回転体230の収容空間を規定している面である。
その後、遊技球B1が第2段差面242aに押されながら右上起立壁252の内面に沿って移動する。これにより、取込口262にて瞬間的に挟まれた状態となった遊技球B1を、取込口262にて挟まれなかった遊技球B1と同じ排出タイミングで排出位置まで搬送することができる。
このように、調整機構220は、遊技球B1が段差面241a~244aと右上起立壁252とに挟まれた場合に、遊技球B1が挟まれている状態を解消して遊技球B1を取り込む構成を有している。これにより、遊技球B1が回転体230と右上起立壁252とに挟まれて回転体230が回転できなくなる可能性が低減されている。
遊技球B1が右上起立壁252と接触している状態から右下起立壁253と接触している状態に移ることにより、遊技球B1から右上起立壁252に加えられていた右方向の力が取り除かれる。このため、変位位置まで回動した右上起立壁252は自重により初期位置まで戻る。
右上起立壁252に対してバネなどを利用して初期位置に戻るための力を加える構成の場合、右上起立壁252を初期位置から変位位置まで回動させるために必要となる力が増大する。これに対して、右上起立壁252が自重により初期位置復帰する構成とすることにより、右上起立壁252を回動させるために必要な力を低減し、遊技球B1が挟まれている状態を瞬間的なものとするとともに、当該状態を解消する過程で調整用駆動部184(図41)に負荷がかからないようにすることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
調整機構220の取込口262において、回転体230の段差面241a~244aと右上起立壁252の端面252aとで挟まれた遊技球B1は、右上起立壁252が回動軸254を中心として初期位置から変形位置まで回動することにより、調整機構220に取り込まれる構成である。このため、挟まれた遊技球B1が上方にはじかれて取込口262周辺における遊技球B1の流れが乱れることを阻止することができる。また、挟まれた遊技球B1を調整機構220の外に逃がす構成と比較して、より多くの遊技球B1を調整機構220に取り込むことができる。このため、第1スルーゲート35に周期的に供給される遊技球B1が欠けることを抑制することができる。また、当選連続期間において普電開放当選となるタイミングを逃す事態を回避することができる。
取込口262において、遊技球B1が支持面241~244の前側(回転方向の前側)に位置する場合には、遊技球B1が支持面241~244の後側(回転方向の後側)に位置する状態となるまで遊技球B1が下方に移動しながら取込口262で待機する構成である。取込口262で待機する遊技球B1を絶えず移動している状態とすることにより、遊技球B1の動きが止まり、遊技者の関心が他に移る契機となることを防ぐことができる。調整機構220が遊技球B1を取り込む過程において、遊技者の関心が失われる状態が発生することを回避することにより、遊技者の調整機構220に対する関心を維持し、遊技の興趣向上を図ることができる。
調整機構220は、取込口262から遊技球B1を1つずつ取り込む構成である。2つの遊技球B1が同時に取り込まれる場合には、一方の遊技球B1が他方の遊技球B1の入賞タイミングに影響を及ぼすことにより、当選連続期間であっても、第1スルーゲート35への入賞可能タイミングが当選対象期間から外れる可能性がある。これに対して、1度に取り込む遊技球B1の数を1つに制限することにより、当選連続期間において普電開放当選とならないタイミングで遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する可能性を低減し、当該当選連続期間における普電開放当選の発生確率を高いものとすることができる。これにより、遊技者の当選連続期間への期待を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技盤210において、右上起立壁252の上方には遊技球B1を取込口262に案内するための右側案内釘292が設けられているとともに、左起立壁261の上方には遊技球B1が左方に移動することを可能とする隙間が設けられている。このため、既に取込口262に遊技球B1が存在する場合、他の遊技球B1を調整機構220の左方に逃がすことができる。このため、取り込まれなかった遊技球B1が取込口262付近に滞留したり、取込口262の上流における遊技球B1の流れを乱したりして調整機構220に取り込まれる遊技球B1の数が減少することを防ぐことができる。このように、第1スルーゲート35に周期的に供給される遊技球B1が欠けることを抑制することにより、当選連続期間において普電開放当選となるタイミングを逃す事態を回避することができる。
調整機構220は排出用突出端263aを備えており、調整機構220の下部において、遊技球B1が排出されずに上昇することが阻止されている。これにより、回転体230によって調整機構220の下部まで搬送された遊技球B1の排出がうまく行われずに同じ遊技球B1が回り続け第1スルーゲート35に向けて排出される遊技球B1の数が減少することを防ぐことができる。調整機構220から遊技球B1が排出される頻度が減少して遊技者の調整機構220への関心が薄れることを回避することができる。また、調整機構220に取り込まれた遊技球B1が一定期間内に排出される構成とすることにより、調整機構220に新たな遊技球B1が取り込まれるペースが落ちることを防ぐことができる。これにより、調整機構220に遊技球B1が取り込まれる頻度が減少して遊技者の調整機構220への関心が薄れることを回避することができる。
第1支持面241、第2支持面242、及び第3支持面243は遊技球B1が手前側を流下する態様で排出するための傾斜を備えているとともに、第4支持面244は遊技球B1が奥側を流下する態様で排出するための傾斜を備えている。そして、既に説明したとおり、調整機構220の下端から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径の略2.5倍に設定されている。このため、調整機構220から排出されて奥側を流下する遊技球B1のみが振分釘271と衝突して第1スルーゲート35から外れる構成である。これにより、調整機構220に取り込まれた遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞することとなり遊技者が調整機構220における遊技球B1の取り込みだけに注目して排出に注目しない事態を回避することができる。第1スルーゲート35に入賞する瞬間まで遊技者の関心を集めることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
支持面241~244の数や傾斜を変更することにより、調整機構220から排出されて第1スルーゲート35に入賞する遊技球B1と、第1スルーゲート35から外れる遊技球B1と、のそれぞれの発生頻度を設計段階で設定することが可能である。このため、調整機構220から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する確率を100%ではない高い値に設定することができる。これにより、調整機構220に対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣向上を図ることができる。
<第2の実施形態における別形態>
・上述した第2の実施形態において、取込口262において複数の遊技球B1が下方に移動しながら待機する構成としてもよい。例えば、取込口262の左端の上方に1本の釘24bを配置し、取込口262に既に最初の遊技球B1が進入している状態において、2個目の遊技球B1が流下して来た場合に、当該2個目の遊技球B1が取込口262の上方に保持される構成としてもよい。2個目の遊技球B1は最初の遊技球B1の上で待機する状態となるが、最初の遊技球B1は取り込まれるまで常に下方に移動し続けるため、当該最初の遊技球B1と接触して待機している2個目の遊技球B1も常に下方に移動し続ける。
このように、取込口262において、遊技球B1を動かしながらストックすることにより、調整機構220に取り込まれる遊技球B1が不足し、当選連続期間であるにも関わらず、遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する頻度が少ない状態が発生することを回避することができる。
・上述した第2の実施形態において、回転体230の段差面241a~244aに押されながら移動する遊技球B1をガイドするための構成として、ハウジング250に代えて釘を用いてもよい。そして、取込口262付近に配置する釘として、外部から右方向の力が加えられた場合に、圧縮コイルばねが変形状態となって初期位置から右方向に移動し、外部からの力が除去された場合に、圧縮コイルばねの復元力により初期位置に戻る可動釘を用いる構成としてもよい。当該可動釘を用いることにより、遊技球B1が回転体230と可動釘とに挟まれた状態となった場合に、可動釘の右方向への移動を利用して回転体230の中心から可動釘までの距離を広げ、挟まれた遊技球B1の取り込みを可能とすることができる。
このように、回転体230の段差面241a~244aに押されながら回転方向に移動する遊技球B1を釘によりガイドする構成とすることにより、遊技盤210において、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための手段が占める面積を減少させることができる。これにより、遊技盤210において、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための手段を設ける位置の選択肢が増加し、設計の自由度を高めることができる。
・上述した第2の実施形態において、回転体230の支持面241~244が前後方向の傾斜を有していない構成としてもよい。この場合、回転体230の4つの支持面241~244は共通の形状を有している。このため、遊技球B1は、いずれの支持面241~244と接触しながら搬送されても同じ態様で排出通路264から排出される。調整機構220から排出された遊技球B1が遊技領域PAの前側(窓パネル52側)に位置している確率、及び後側(遊技盤210側)に位置している確率は、遊技球B1と接触していた支持面241~244によらず一定である。
全ての支持面241~244について、接触しながら搬送された遊技球B1が遊技領域PAの前側に位置して振分釘271と接触せずに第1スルーゲート35に入賞する場合と、遊技領域PAの後側に位置して振分釘271と接触することにより第1スルーゲート35から外れる場合との両方が起こり得る構成とすることができる。これにより、振分釘271周辺において、遊技球B1の挙動に対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣向上を図ることができる。
また、回転体230の支持面241~244が前後方向の傾斜を有していない構成において、遊技盤210に振分釘271が設けられていない構成としてもよい。この場合、排出通路264から排出された遊技球B1の進路は、当該遊技球B1の前後方向の位置に影響されない。排出された遊技球B1は高い確率で第1スルーゲート35に入賞する。しかし、排出通路264から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径よりも広く設定されている。このため、排出通路264の下端における通路幅が遊技球B1よりもひと回り以上広い場合には、遊技球B1の排出方向が左右方向のいずれか一方にずれ、第1スルーゲート35に入賞しない可能性がある。
このように、遊技盤210に振分釘271を設ける構成に代えて、排出通路264における第1スルーゲート35との関係が調整されている構成として、排出された遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞する事態を回避する構成としてもよい。
・上述した第2の実施形態において、調整機構220から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に向かう進路の途中に振分釘271が存在しない構成としてもよい。第1スルーゲート35は、調整機構220における排出口256から遊技球B1の直径以上離れた場所に設けられている。このため、排出口256における遊技球B1の排出方向及び排出速度によっては、排出口256から排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性がある。排出口256から排出される遊技球B1の一部が第1スルーゲート35から外れるように、調整機構220及び第1スルーゲート35の位置関係が調整されている構成とすることにより、排出後の遊技球B1の挙動にも遊技者の関心を集めることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための構成が上記第1の実施形態とは相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態の遊技盤320における第1スルーゲート35周辺の構成を図47に基づいて説明する。図47は第1スルーゲート35及び第1スルーゲート35の上方の構成を拡大して示す遊技盤320の正面図である。
図47に示すように、遊技盤320は第1スルーゲート35の上方に調整機構330を備えている。調整機構330は、遊技球B1が第1スルーゲート35に向かって落下するようにガイドしながら遊技球B1を排出する。調整機構330において、遊技球B1を排出可能なタイミングは1sec周期で発生する。
上記第1の実施形態において既に説明した入賞可能タイミングを1sec周期で発生させることにより、入賞可能タイミングが普電開放抽選の当選対象期間と重ならない場合に非当選連続期間を発生させることができるとともに、入賞可能タイミングが当選対象期間と重なる場合に当選連続期間を発生させることができる。調整機構330の詳細な構成については後述する。
図47に示すように、調整機構330と第1スルーゲート35との間隔は、遊技球B1の直径以上の距離に設定されている。具体的には、調整機構330と第1スルーゲート35との間隔は、遊技球B1の直径の略2倍に設定されている。遊技盤320において、第1スルーゲート35の左側上方であるとともに調整機構330の下方には、調整機構330から排出される一部の遊技球B1を第1スルーゲート35に向かう進路から外すための調整釘376が設けられている。
図47に示すように、調整釘376は、調整機構330から真下に流下して第1スルーゲート35に入賞する遊技球B1の進路よりも左方に位置している。また、調整釘376は、遊技盤320の前面から窓パネル52(図1)の背面近傍まで突出している。このため、左方にずれた進路を流下する遊技球B1は遊技領域PA(図3)における前後方向の位置に関わらず調整釘376と衝突する。
調整機構330から排出される遊技球B1の排出方向が真下である場合には排出された遊技球B1が調整釘376に接触することなく第1スルーゲート35に入賞する。これに対して、遊技球B1の排出方向が真下よりも左方にずれた場合には、排出された遊技球B1が調整釘376に接触する。上述のとおり、調整機構330と第1スルーゲート35との間に遊技球B1の直径以上の間隔が設けられているため、調整釘376と接触した遊技球B1は、第1スルーゲート35から外れる。
調整機構330から排出される遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞することを避けることにより、調整機構330から排出される遊技球B1の動きが単調となり遊技者が飽きることを防ぐことができる。
調整機構330は、遊技球B1を調整機構330の内部に取り込んで第1スルーゲート35に向けて案内するものであり、遊技球B1を取り込むことができる取込可能範囲は、調整機構330の上部に位置している。図47に示すように、遊技盤320において、調整機構330の上流には、上方から流下して来る遊技球B1を調整機構330に案内する下流案内釘371が複数設けられている。
遊技盤320には、下流案内釘371が並べられることにより、調整機構330の右側上方から流下して来る遊技球B1を調整機構330の取込可能範囲に案内するための列と、調整機構330の左側上方から流下して来る遊技球B1を調整機構330の取込可能範囲に案内するための列と、が設けられている。ここで、図47に示すように、遊技盤320において当該2つの列に挟まれている領域を下流案内領域371aとする。2列に並んでいる下流案内釘371は、下流案内領域371aを流下する遊技球B1を調整機構330の上部に向けて案内する。
図47に示すように、下流案内釘371の右側の列の上方近傍には左右に移動可能な電動釘361が設けられている。また、当該電動釘361の上方には、遊技盤320において、センターフレーム57(図3)よりも左側の領域を流下する遊技球B1の大部分を電動釘361に案内するための上流案内釘372が複数設けられている。
遊技盤320におけるセンターフレーム57よりも左側の領域には、上流案内釘372が並べられることにより、当該領域の上部において当該領域の右側を流下して来る遊技球B1を下方に位置している電動釘361に向けて案内するための列と、当該領域の左側を流下して来る遊技球B1を下方に位置している電動釘361に向けて案内するための列と、が設けられている。図47に示すように、当該2つの列に挟まれている領域を上流案内領域372aとする。
上流案内領域372aの横幅は、当該上流案内領域372aの上部において広く、下方に向かうにつれて徐々に狭くなっており、当該上流案内領域372aの下部(電動釘361付近)において、遊技球B1が1列となることで通過可能となる間隔となっている。
図47に示すように、電動釘361は図示しないリンク機構を介してソレノイドなどの電動アクチュエータである釘用駆動部361aと連結されており、上流案内釘372の列によって案内された遊技球B1が下流案内釘371の2つの列の間の進入することを許可する許可位置、及び遊技球B1が下流案内釘371の2つの列の間に進入することを禁止する禁止位置をとる。ここで、電動釘361の位置と遊技球B1の進路との関係について、図48(a),(b)を参照しながら説明する。
図48(a)は許可位置にある電動釘361の周辺を拡大して示す遊技盤320の正面図であり、図48(b)は禁止位置にある電動釘361の周辺を拡大して示す遊技盤320の正面図である。図48(a)に示すように、釘用駆動部361aの駆動信号がLOWレベルである場合、電動釘361は許可位置をとる。許可位置にある電動釘361は、下流案内領域371aの右側上端に位置している下流案内釘371の右上に位置しているとともに、上流案内領域372aの右側下端に位置している上流案内釘372の左下に位置している。
先ず電動釘361が許可位置にある場合について説明する。図48(a)に示すように、上流案内領域372aにおける左側の領域の下方には下流案内領域371aにおける右側の領域が存在している。このため、上流案内領域372aにおける左側の領域から下方に流下した遊技球B1は下流案内領域371aにおける右側の領域に進入する。また、上流案内領域372aにおける右側の領域の下方には許可位置にある電動釘361が存在している。このため、上流案内領域372aにおける右側の領域から下方に流下した遊技球B1は電動釘361に衝突して下流案内領域371aに進入する。
次に、電動釘361が禁止位置にある場合について説明する。図48(b)に示すように、上流案内領域372aにおける左側の領域の下方には禁止位置にある電動釘361が存在している。このため、上流案内領域372aにおける左側の領域から下方に流下した遊技球B1は電動釘361に衝突して下流案内釘371よりも右方を流下する。また、上流案内領域372aにおける右側の領域の下方は下流案内領域371aよりも右方に当たる。このため、上流案内領域372aにおける右側の領域から下方に流下した遊技球B1は下流案内領域371aよりも右方を流下する。
図48(a),(b)に示すように、許可位置にある電動釘361と上流案内領域372aの右側下端にある上流案内釘372との間隔、及び禁止位置にある電動釘361と上流案内領域372aの左側下端にある上流案内釘372との間隔は、遊技球B1の直径よりも若干広く設定されている。このため、電動釘361が左右に移動する際、遊技球B1が電動釘361と上流案内釘372とに挟まれることはない。また、許可位置にある電動釘361と下流案内領域371aの右側上端にある下流案内釘371との間隔、及び禁止位置にある電動釘361と下流案内領域371aの右側上端にある下流案内釘371との間隔は、遊技球B1が入り込めない狭さである。このため、電動釘361が左右に移動する際、遊技球B1が電動釘361と下流案内釘371とに挟まれることはない。
図47に示すように、下流案内領域371aにおける左側の領域の上方には、上流案内領域372aよりも左方を流下して来る遊技球B1が下流案内領域371aに進入するのを防ぐために釘24bが設けられている。このため、下流案内領域371aに進入可能な遊技球B1は上流案内領域372aから流下して来る遊技球B1に限られている。このように、下流案内領域371aに進入する遊技球B1を上流案内領域372aから流下して来る遊技球B1に限定するとともに、電動釘361が禁止位置に移動することにより上流案内領域372aから流下して来る遊技球B1を下流案内領域371aよりも右方に案内できる構成である。これにより、遊技球B1が下流案内領域371aに進入して調整機構330に取り込まれる頻度をコントロールすることができる。
釘用駆動部361aの駆動信号は、0.8secの間隔を空けて0.2sec間のHIレベルが繰り返される周期信号である。このため、電動釘361は1sec間のうち、0.2sec間だけ禁止位置をとる。遊技球発射機構27(図2参照)から0.6sec間隔で発射され得る遊技球B1が2個以上連なって下流案内領域371aに進入しようとした場合、高い確率で2個の遊技球B1のうちのいずれか一方が禁止位置に移動した電動釘361と衝突して下流案内領域371aよりも右方を流下することとなる。電動釘361を利用することにより、複数の遊技球B1が連なった状態で下流案内領域371aに進入して調整機構330に取り込まれることが抑制されている。
次に、調整機構330の詳細な構成について以下に説明する。図47に示すように、調整機構330は、遊技球B1を調整機構330の上部から下部に向けて搬送する回転体340と、当該回転体340を時計回りに回転させるものであり、上記第1の実施形態において既に説明した調整用駆動部184と、回転体340の右方に設けられており、調整機構330から排出される遊技球B1が第1スルーゲート35に向かうように排出前に排出方向をガイドするガイド部材350と、を備えている。調整用駆動部184は、回転体340に対して、当該回転体340が6sec間に1回転するための駆動力を与える。
図47に示すように、回転体340は、略円盤状の回転体本体部342と、当該回転体本体部342の外周から半径方向に突出している6つの板状の羽根部材343と、を備えている。回転体本体部342及び羽根部材343は樹脂製部材である。調整機構330に取り込まれた遊技球B1は、回転体340を構成しているいずれかの羽根部材343によって下方から支持されながら調整機構330の下部まで搬送される。
先ず調整機構330における回転体340の構成について図47を参照しながら説明する。図47に示すように、回転体本体部342は、その外周に6つの回動軸344を備えている。当該回動軸344は、遊技盤320の前面に直交する角度で設けられている。そして、羽根部材343は、回動軸344を中心として反時計回りに回動可能な態様で回転体本体部342の外周に固定されている。6つの羽根部材343は、形状及びサイズが同じ同一部材であり、回転体本体部342の外周において、回転方向に等間隔となるように並んでいる。
図47に示すように、回転体本体部342の後方には調整用駆動部184が配置されている。調整用駆動部184の前面は遊技盤320の前面と平行であり、調整用駆動部184の出力軸184aは、調整用駆動部184の前面と直交する態様で前方に向かって延びている。回転体本体部342は、当該回転体本体部342の軸線が調整用駆動部184の出力軸184aと同一直線上に位置するようにして、出力軸184aに連結されている。調整用駆動部184が駆動状態となることにより回転体本体部342は1sec間に60°の角速度で時計回りに回転する。回転体340が遊技盤320に装着されている状態において、回転体本体部342は、遊技盤320の前面近傍から窓パネル52(図1)の背面近傍に亘って存在している。
ここで、羽根部材343の回転体本体部342への固定態様について説明する。図47に示すように、羽根部材343が回転体本体部342の外縁から半径方向に向けて突出している状態を羽根部材343の初期状態とする。回動軸344の周りには、初期状態の羽根部材343が回動軸344周りを時計回りに回転することを阻止する凹み部(図示略)が形成されている。初期状態の羽根部材343に対して当該羽根部材343を時計回りに回転させようとする力が外部から働いても、羽根部材343は凹み部の壁と接触しているため、羽根部材343は回転しない。
回動軸344の周りには図示しない付勢部材(例えばねじりコイルばね)が装着されている。当該付勢部材は、羽根部材343が初期状態である場合に変形していない自然状態であるとともに、羽根部材343が回動軸344周りを反時計回りに回転して変位状態となった場合に変形状態となる。変位状態の羽根部材343には、変形状態から自然状態に戻ろうとする付勢部材の復元力が働く。羽根部材343は、外部から力を加えられた場合には反時計回りに回転して変位状態となるとともに、外部からの力が取り除かれた場合には復元力により時計回りに回転して初期状態に復帰する。
次に、ガイド部材350の構成について、図47を参照しながら説明する。図47に示すように、ガイド部材350は、板状のベース体351を備えている。また、遊技盤320において回転体340の右方には、当該ベース体351を隙間なく収容できる固定用凹み部(図示略)が形成されている。ガイド部材350は、ベース体351が当該固定用凹み部に収容されている状態において、ベース体351が遊技盤に釘付けされることにより固定されている。ガイド部材350が遊技盤320に装着されている状態において、ベース体351の前面は遊技盤320の前面と同一平面上に存在している。
図47に示すように、ガイド部材350は、ベース体351の前面から前方に向けて垂直に突出している起立壁352を備えている。当該起立壁352は、窓パネル52の背面近傍まで延びている。また、起立壁352の上端は回転体340の上端よりも上方に位置しているとともに、起立壁352の下端は回転体本体部342の下端と略同一の高さに位置している。
図47に示すように、回転体本体部342と間隔をおいて対向している起立壁352の左側面352aは、緩やかな弓形の曲面であり、右方に向けて凹んでいる。回転体本体部342から起立壁352までの距離は遊技球B1の直径よりも長く設定されている。また、起立壁352の上端から当該上端に最も近い位置に存在する羽根部材343までの距離は、回転体340の回転状態によらず遊技球B1の直径よりも長くなるように設定されている。
図47に示すように、調整機構330において、回転体本体部342と起立壁352とに挟まれている領域を調整領域330aとする。調整領域330aにおける下側の領域において、羽根部材343から起立壁352までの距離は遊技球B1の直径よりも短い。既に説明したとおり、羽根部材343は60°間隔で回転体340の周面から当該回転体340の半径方向に向けて突出している。
このため、調整領域330aにおける下側の領域には、常に回転体340のいずれかの羽根部材343が存在している。そして、調整領域330aを流下する遊技球B1は必ず調整領域330aの下側の領域に存在している羽根部材343と接触する。調整領域330aに進入した遊技球B1が羽根部材343に接触することなく素通りすることを防ぐ構成とすることにより、調整機構330に取り込まれた遊技球B1が排出タイミング以外のタイミングで第1スルーゲート35に向けて排出されることを防ぐことができる。
ここで、調整領域330aから遊技球B1が排出される態様について、図49(a)~(c)を参照しながら説明する。図49(a)~(c)は調整機構330の周辺を拡大して示す遊技盤320の正面図である。
図49(a)に示すように、調整領域330aにおける下側の領域において、遊技球B1は当該領域に存在している羽根部材によって下方から支持されている状態となる。そして、回転体340の回転に伴って下方の排出位置まで搬送される。遊技球B1は起立壁352と接触している状態で搬送されることにより、当該遊技球B1の調整領域330aにおける進路をガイドされる。
第1スルーゲート35の上方において、羽根部材343と起立壁352とに支えられている状態となった遊技球B1は、回転体340が回転し、図49(b)に示すように、遊技球B1を支えていた羽根部材343の自由端と起立壁352の下端との隙間が遊技球B1の直径よりも広くなった場合に、遊技球B1は当該隙間から下方の第1スルーゲート35に向かって落下する。
既に説明したとおり、調整用駆動部184(図47)は回転体340を6sec間に1回転の回転速度で回転させる。このため、調整機構330の下部において、羽根部材343の自由端と起立壁352の下端との間の隙間が遊技球B1の直径よりも短い状態から遊技球B1の直径よりも長い状態となる排出タイミングは1sec周期で発生する。このように、調整機構330は、第1スルーゲート35に向けて1sec周期で遊技球B1を排出することが可能である。
調整領域330aに進入する遊技球B1は下方への速度を有している状態で羽根部材343及び起立壁352と接触する。このため、遊技球B1が羽根部材343と衝突して跳ねた場合には、当該遊技球B1は一時的に羽根部材343と接触していない状態となる。また、遊技球B1が起立壁352と衝突して跳ねた場合には、当該遊技球B1は一時的に起立壁352と接触していない状態となる。図49(c)に示すように、遊技球B1が羽根部材343又は起立壁352と接触していない状態で排出タイミングを迎えた場合、当該遊技球B1は排出タイミングから少し遅れたタイミングで排出されることとなる。
この場合、排出タイミングとなってから遊技球B1が実際に排出されるタイミングまでの間にも回転体340は回転を続けるため、排出後の遊技球B1の進路が左方にずれる。既に説明したとおり、調整機構330と第1スルーゲート35との間には、遊技球B1の直径以上の間隔が設けられている。このため、左方にずれた進路を流下する遊技球B1は、第1スルーゲート35の左側上方に設けられている調整釘376の右側上部と衝突して右方に跳ね返ることにより第1スルーゲート35から外れることがある。
次に、遊技球B1が羽根部材343の自由端と起立壁352の左側面352aとに挟まれる場合について、図50(a)~(c)を参照しながら説明する。図50(a)~(c)は調整機構330の周辺を拡大して示す遊技盤320の正面図である。
羽根部材343の自由端から起立壁352の左側面352aまでの距離が遊技球B1の直径と略同一となるタイミングで遊技球B1が調整領域330aに進入した場合、図50(a)に示すように、遊技球B1は羽根部材343と起立壁352とに挟まれた状態となる。
図50(a)に示すように、遊技球B1が羽根部材343と起立壁352とに挟まれた状態においても、回転体340は時計回りの回転を継続する。このため、図50(b)に示すように、回転体340の回転に伴って、羽根部材343に対して当該羽根部材343を反時計回りに回転させようとする力が加わる。これにより、羽根部材343は回動軸344を中心として反時計回りに回転して変位状態となる。
変位状態となった羽根部材343には、当該羽根部材343を初期状態に戻そうとする復元力が付勢部材(図示略)から働く。しかし、変位状態の羽根部材343に働く付勢部材の復元力は、羽根部材343に外力が加えられていない状態において、羽根部材343を初期状態に戻すことを可能とする弱い力である。このため、変位状態となった羽根部材343が初期状態に戻ろうとして遊技球B1を右方向に押す力は遊技球B1の動きを完全に止めてしまうほど強くはない。
回転体340の回転が進むにつれて、羽根部材343の変位量は大きくなる。この間、遊技球B1は自重により下方に向けてゆっくり落下する。羽根部材343と起立壁352とに接触している遊技球B1の落下速度は、回転体340の回転に伴って羽根部材343が回転方向に進む速度よりも遅い。このため、回転体340の回転が進むことにより、羽根部材343の自由端が遊技球B1よりも下方に位置することとなる。これにより、図50(c)に示すように、羽根部材343に対して遊技球B1から加えられていた力が解除され、羽根部材343が変位状態から初期状態に戻る。遊技球B1は初期状態に戻った羽根部材343の上面に支持されながら搬送されることにより、1sec周期の排出タイミングからずれることなく、調整機構330から第1スルーゲート35に向けて排出されることが可能となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
調整機構330は、調整領域330aに案内される1個の遊技球B1について、当該遊技球B1が調整領域330aに案内されるタイミングに関わらず、1sec周期の排出タイミングで第1スルーゲート35に向けて排出する。このため、調整領域330aの上流において、遊技球B1が調整領域330aに進入するタイミングを調整することなく、1sec周期の排出タイミングにおける遊技球B1の排出を実行することができる。このため、遊技球B1が調整領域330aに進入するタイミングを調整する構成と比較して、主側CPU63の処理負荷を軽減しながら、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間を発生させることができる。
調整機構330における遊技球B1の取り込みに際して、羽根部材343の自由端と起立壁352の左側面352aとに遊技球B1が挟まれた場合、回転体340が変形することにより、遊技球B1が挟まれている状態を解消する構成である。このため、遊技球B1が羽根部材343と起立壁352とに挟まれた状態で動かなくなったり、回転体340が回転できなくなったりして、調整機構330が遊技球B1を排出できなくなる事態を回避することができる。これにより、遊技中に不具合が起こり、遊技を中断して不具合を解消するための対応が必要となる可能性が低減されている。
遊技球B1が挟まれている状態を解消するために行われる回転体340の変形は、回転体340の回転により行われる構成である。このため、遊技球B1が挟まれている状態を解消するために専用の部材を予め設けておく必要がない。これにより、調整機構330を構成する部材の数が増加することを抑制して、調整機構330の構成を単純化し、調整機構330の製造コストを削減することができる。
遊技球B1が挟まれている状態を解消するために行われる回転体340の変形は、遊技球B1が挟まれていない状態における回転体340の制御と同じ状態で自動的に行われる構成である。このため、本パチンコ機10の制御手段は、遊技球B1が挟まれた状態となっていることを把握する手段を必要としない。これにより、遊技球B1が挟まれた状態となった場合に回転体340の制御状態を変えて遊技球B1が挟まれている状態を解消する構成と比較して、調整機構330を構成する部材の数が増加することを抑制して、調整機構330の構成を単純化し、調整機構330の製造コストを削減することができる。
調整機構330と第1スルーゲート35との間には遊技球B1の直径以上の間隔が設けられている。また、遊技盤320には、調整機構330から排出される遊技球B1が所定の進路から外れた場合に、当該遊技球B1が第1スルーゲート35の入賞するのを阻止する調整釘376が設けられている。このため、調整領域330aに進入した遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞することとなり遊技者が調整機構330における遊技球B1の排出に注目しない事態を回避することができる。これにより、第1スルーゲート35に入賞するまで遊技者の関心を集めることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
遊技盤320には、2個の遊技球B1が連なって下流案内領域371aに進入しようとした場合に、いずれか一方の遊技球B1が下流案内領域371aに進入することを抑制する電動釘361が設けられている。このため、調整領域330aに複数の遊技球B1が一度に案内される可能性を低減することができる。
遊技球発射機構27から発射可能な遊技球B1が0.6secに1個であり、調整機構330において排出可能である遊技球B1が1secに1個である。このため、調整領域330aに進入する遊技球B1の数が、調整領域330aから調整領域330aに移動する遊技球B1の数よりも多い状態が継続した場合、調整領域330aに遊技球B1が滞留する可能性がある。これに対して、電動釘361を利用して調整領域330aの上流に位置する下流案内領域371aに進入可能な遊技球B1を制限する構成とすることにより、調整領域330aに遊技球B1が滞留する可能性を低減することができる。
電動釘361は、1個の遊技球B1が通過可能な幅を有しており遊技球B1を調整領域330aに案内する下流案内領域371aの上流に設けられている。当該電動釘361は、遊技球B1が下流案内領域371aに進入することを許可する許可位置と、遊技球B1が下流案内領域371aに進入することを禁止する禁止位置と、の間を移動する構成である。そして、禁止位置に移動した電動釘361は、下流案内領域371aに進入することを阻止された遊技球B1を下流案内領域371aの右方に移動させる構成である。このため、電動釘361が禁止位置をとった場合に、当該電動釘361の周りで遊技球B1が滞留することを防ぐことができる。このように、調整領域330aの上流において、遊技球B1を適切に分散させることにより、複数の遊技球B1が連なった状態で調整領域330aに進入することを抑制することができる。
<第3の実施形態における別形態>
・上述した第3の実施形態において、下流案内領域371aに進入する遊技球B1の数を制限する構成は電動釘361に限られない。例えば、当該構成として、突出部を有する調整回転体を利用してもよい。調整回転体の突出部は、調整回転体の回転状態に応じて、遊技球B1の下流案内領域371aへの進入を許可する許可位置をとる場合と、遊技球B1の下流案内領域371aへの進入を禁止する禁止位置をとる場合とがある。このため、一定の速度で回転する調整回転体を利用して、下流案内領域371aに進入する遊技球B1の数を制限することができる。
・上述した第3の実施形態において、調整機構330から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に向かう進路の途中に調整釘376が存在しない構成としてもよい。第1スルーゲート35は、調整機構330から遊技球B1の直径以上離れた場所に設けられている。このため、調整機構330から排出される遊技球B1の排出方向及び排出速度によっては、排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性がある。調整機構330から排出される遊技球B1の一部が第1スルーゲート35から外れるように、調整機構330及び第1スルーゲート35の位置関係が調整されている構成とすることにより、排出後の遊技球B1の挙動にも遊技者の関心を集めることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための構成が上記第1の実施形態とは相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態において、遊技盤420には、遊技球B1を第1スルーゲート35に周期的に供給するための調整機構430が設けられている。当該調整機構430の構成を図51及び図52に基づいて説明する。図51は調整機構430の周辺を拡大して示す遊技盤420の正面図である。
図51に示すように、遊技盤420において、第1スルーゲート35の上方には調整機構430が設けられている。調整機構430は、第1スルーゲート35から遊技球B1の直径以上離れた位置に設けられている。具体的には、調整機構430は、調整機構430から排出された遊技球B1が遊技球B1の直径の略1.5倍の距離を流下した後に第1スルーゲート35に到達する位置に設けられている。当該調整機構430の詳細な構成について以下に説明する。
図51に示すように、調整機構430は、遊技球B1の取り込み及び排出を行う回転体440と、回転体440から遊技球B1が排出される排出タイミングを調整するガイド部材450と、を備えている。また、図52に示すように、調整機構430は、上記第1の実施形態において既に説明した調整用駆動部184を備えている。本実施形態における調整用駆動部184は、回転体440を6sec間に1回転させる。
先ず回転体440の構成を図51及び図52に基づいて説明する。図52は遊技盤420の前面に垂直な平面で回転体440を切断した場合の回転体440及び調整用駆動部184の縦断面図である。図51に示すように、回転体440は、略円盤状の通路形成部443を備えており、当該通路形成部443には、遊技球B1が通過可能な通路幅を有する3本の調整通路444~446が形成されている。回転体440は、遊技球B1をいずれかの調整通路444~446に取り込むとともに、当該遊技球B1を取り込んだ調整通路444~446とは異なる調整通路444~446から排出する。
また、図52に示すように、回転体440は、通路形成部443の後方に、調整通路444~446内の遊技球B1が遊技盤420の前面よりも後方に移動することを防ぐ回転ベース体441を備えている。回転ベース体441は、所定の厚みを有する略円盤状の樹脂製部材であり、通路形成部443と一体形成されている。
図52に示すように、遊技盤420には、回転ベース体441を回転可能な態様で収容する凹み部421が形成されており、回転体440は、回転ベース体441が当該凹み部421に収容された状態で回転可能に固定されている。通路形成部443は、回転ベース体441の前面から窓パネル52の背面近傍に亘って存在している。
図52に示すように、回転ベース体441の後方には、出力軸184aを備えている調整用駆動部184が配置されている。回転体440は、回転ベース体441の軸線が調整用駆動部184の出力軸184aと同一直線上に位置するようにして、出力軸184aに連結されている。
回転体440における回転ベース体441の軸線は遊技盤420の前面に直交しており、回転体440は調整用駆動部184が駆動状態となることにより、1sec間に60°の角速度で時計回りに回転する。本実施形態における調整用駆動部184には上記第1の実施形態における調整用駆動部184と同一のステッピングモータが用いられている。調整用駆動部184は主制御装置60から励磁信号が500パルス分送信されることにより出力軸184aが1周する構成であり、1パルスの励磁信号に基づく角度変化、すなわち1ステップあたりの角度変化は0.72°である。
図51に示すように、通路形成部443の外周面には、外方に向けて開放されている開口として3つの出入口444a~446aが形成されている。当該3つ出入口444a~446aは、出入口444a~446aの中心が通路形成部443の周方向に等間隔で存在するようにして形成されている。3つの出入口444a~446aは、通路形成部443の外周面において、第1出入口444a→第2出入口445a→第3出入口446aの順番となるように形成されている。
第1出入口444a及び第2出入口445aは遊技球B1の直径(11mm)よりも大きな14mmの幅を有している。これに対して、第3出入口446aは第1出入口444a及び第2出入口445aよりも小さいとともに、遊技球B1の直径よりも大きな11.5mmの幅を有している。
第1調整通路444は第1出入口444aから回転体440の中央領域に向けて形成されているとともに、第2調整通路445は第2出入口445aから回転体440の中央領域に向けて形成されている。また、第3調整通路446は第3出入口446aから回転体440の中央領域に向けて形成されている。
第1調整通路444は12mmの通路幅を有しており、当該通路幅は第1出入口444a付近において第1出入口444aに向けて徐々に広がっている。同様に、第2調整通路445は12mmの通路幅を有しており、当該通路幅は第2出入口445a付近において第2出入口445aに向けて徐々に広がっている。一方、第3調整通路446は12mmの通路幅を有しており、当該通路幅は第3出入口446a付近において第3出入口446aに向けて徐々に狭くなっている。
3つの出入口444a~446a付近の形状が全て同じである構成とすると、当該回転体440から排出される遊技球B1の動きが単調となってしまう。これに対して、第3出入口446a付近の形状を第1出入口444a及び第2出入口445a付近の形状とは異なるものとすることにより、回転体440から排出される遊技球B1の動きに対する遊技者の注目度を上げることができる。
図51に示すように、通路形成部443に形成されている第1調整通路444、第2調整通路445、及び第3調整通路446は、前方に向けて開放されている直線通路である。図52に示すように、3つの調整通路444~446の後側は回転ベース体441の前面によって規定されているとともに、前側は窓パネル52の背面によって規定されている。
図51に示すように、通路形成部443の中心には、遊技球B1よりもひと回り大きな交差空間443aが設けられている。第1調整通路444は第1出入口444aと交差空間443aとを接続する通路であるとともに、第2調整通路445は第2出入口445aと交差空間443aとを接続する通路である。また、第3調整通路446は第3出入口446aと交差空間443aとを接続する通路である。
遊技球B1は各調整通路444~446から交差空間443aに移動することができるとともに、交差空間443aから各調整通路444~446に移動することができる。また、各調整通路444~446は、2つの遊技球B1を収容可能な通路長を有している。
図51に示すように、各出入口444a~446a付近を除いて、各調整通路444~446の通路幅は一定である。ここで、第1調整通路444の中央を通る基準線を第1中央線444bとするとともに、第2調整通路445の中央を通る基準線を第2中央線445bとする。また、第3調整通路446の中央を通る基準線を第3中央線446bとする。
第1調整通路444は、第1中央線444bが第2調整通路445の内壁と交差する方向に延びているとともに、第2調整通路445は、第2中央線445bが第3調整通路446の内壁と交差する方向に延びている。そして、第3調整通路446は、第3中央線446bが第1調整通路444の内壁と交差する方向に延びている。
つまり、第1調整通路444に沿って移動する遊技球B1の移動先には第2調整通路445の通路壁が存在するとともに、第2調整通路445に沿って移動する遊技球B1の移動先には第3調整通路446の通路壁が存在する。また、第3調整通路446に沿って移動する遊技球B1の移動先には第1調整通路444の通路壁が存在する。ここで、図51に示すように、各中央線444b~446bは、通路形成部443の中心付近を通っている。
次に、回転体440に接近させて遊技盤420に設けられているガイド部材450について、図51を参照しながら説明する。図51に示すように、ガイド部材450は、回転体440の右下に設けられている。
図51に示すように、ガイド部材450は、所定の厚みを有する板状のガイドベース体451を備えている。また、遊技盤420には、当該ガイドベース体451を隙間なく収容可能なガイド用凹み部(図示略)が形成されている。ガイド部材450は、ガイドベース体451が当該ガイド用凹み部に収容されている状態で、当該ガイドベース体451が遊技盤420に釘付けされて固定されている。そして、ガイド部材450が遊技盤420に固定されている状態において、ガイドベース体451の前面は遊技盤420の前面と同一平面上に存在している。
また、ガイド部材450は、ガイドベース体451の前面から前方に向けて垂直に突出している起立壁452を備えている。起立壁452は、ガイドベース体451と一体形成されており、窓パネル52(図1)の背面近傍まで延びている。図51に示すように、起立壁452は、回転体440の回転中心440aの右方から右下方に亘って、回転体440の外周に沿う態様で形成されている。
このため、起立壁452は、回転体440のいずれかの出入口444a~446aが右に向けて開放されている回転状態から当該出入口444a~446aが右斜め下に向けて開放されている回転状態となるまでの間、当該出入口444a~446aを塞ぐ。これにより、当該出入口444a~446aに存在している遊技球B1の下方への落下が防がれている。
次に、調整機構430周辺における遊技球B1の動きについて説明する。図51に示すように、遊技盤420において、回転体440の上方近傍には、上方から流下して来る遊技球B1を回転体440のいずれかの出入口444a~446aに案内するための案内釘472が複数設けられている。
複数の案内釘472により、回転体440の上方であるとともに回転体440の中心よりも左方を流下する遊技球B1を回転体440の上部中央に向けて案内する左側案内釘列473と、回転体440の上方であるとともに回転体440の中心よりも右方を流下する遊技球B1を回転体440の上部中央に向けて案内する右側案内釘列474とが形成されている。
左側案内釘列473において最も下方に位置している案内釘472と右側案内釘列474において最も下方に位置している案内釘472との間隔は遊技球B1の直径よりもひと回り大きい。このため、回転体440において、いずれかの出入口444a~446aが上方に向けて開放されている場合には、案内釘472に案内された遊技球B1が当該出入口444a~446aから入球する。
図51に示すように、左側案内釘列473及び右側案内釘列474において最も下方に位置している案内釘472から回転体440の外周までの距離は遊技球B1の直径よりも若干広く設定されている。回転体440における出入口444a~446aのいずれもが上方に向けて開放されていない回転状態において、案内釘472により回転体440の上部に案内された遊技球B1は、出入口444a~446aに入球することができない。
この場合、左側案内釘列473及び右側案内釘列474において最も下方に位置している案内釘472と回転体440の外周との間に遊技球B1が通過可能な隙間が設けられていることにより、出入口444a~446aから回転体440の内部に取り込まれなかった遊技球B1を回転体440の左右の遊技領域PAに逃がすことができる。このため、回転体440の上部に入球できなかった遊技球B1が停留することはない。
図51に示すように、遊技盤420において、回転体440の左側上方には、回転体440の左斜め上から流下して来た遊技球B1が左上方に向けて開放されている状態の出入口444a~446aから入球することを防ぐための左側ガード釘475が設けられているとともに、回転体440の右側上方には、回転体440の右斜め上から流下して来た遊技球B1が右上方に向けて開放されている状態の出入口444a~446aから入球することを防ぐための右側ガード釘476が設けられている。
左側ガード釘475及び右側ガード釘476により、遊技球B1を取り込み可能な出入口444a~446aは上方に向けて開放されている出入口444a~446aに限定されている。これにより、1度に複数の出入口444a~446aから複数の遊技球B1が回転体440の内部に取り込まれることが防止されている。
図51に示すように、左側ガード釘475及び右側ガード釘476と回転体440との間には、遊技球B1の直径よりも広い空間が設けられている。このため、左側案内釘列473又は右側案内釘列474により調整機構430の上部に誘導されて取り込まれなかった遊技球B1は、回転体440と左側ガード釘475との間の空間、又は回転体440と右側ガード釘476との間の空間を下流に向けて流下することができる。
図51に示すように、第1スルーゲート35の右上であるとともに、調整機構430の右下には、調整機構430から排出される遊技球B1以外の遊技球B1が調整機構430と第1スルーゲート35との間から進入して第1スルーゲート35に入賞することを防ぐガード釘471が設けられている。
第1スルーゲート35に入賞可能な遊技球B1を調整機構430から排出された遊技球B1に限定することにより、当選連続期間において当選対象タイミング以外のタイミングで遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞することを防ぐことができる。これにより、当選連続期間に実行される普電開放抽選において普電開放当選が連続して発生する構成とすることができる。
一方、第1スルーゲート35の左上であるとともに、調整機構430の左下には、調整機構430から左下に向けて排出され、第1スルーゲート35に入賞せずに外れる遊技球B1を第1スルーゲート35の左方に逃がすことを可能とするための間隔を空けてガード釘471が設けられている。
ガード釘471により、調整機構430から排出された遊技球B1以外の遊技球B1が第1スルーゲート35の左上から流下して第1スルーゲート35に入賞することが防止されている。また、調整機構430から排出されて第1スルーゲート35から左方に外れた遊技球B1がガード釘471に衝突して再び第1スルーゲート35に向けて跳ね返ることはない。
次に、調整機構430の上部において、回転体440のいずれかの出入口444a~446aから入球した遊技球B1の動きについて説明する。先ず第1出入口444aから入球した遊技球B1の動きについて、図53(a)~(d)を参照しながら説明する。図53(a)~(d)は調整機構430及び第1スルーゲート35を拡大して示す遊技盤420の正面図である。
図53(a)は第1出入口444aが上方に向けて開放されている回転状態を示す。図53(a)に示すように、遊技球B1は、第1出入口444aが上方に向けて開放されている回転状態において、案内釘472(図51)により回転体440の上部中央に案内されることにより第1出入口444aに入球可能となる。第1出入口444aから入球した遊技球B1は、第1調整通路444内を移動する。
第1出入口444aが上方に向けて開放されている状態において、第1調整通路444は、下向きの傾斜となっており、遊技球B1を上方の第1出入口444aから下方の交差空間443aに向けて案内する。図51において既に説明したとおり、第1調整通路444の第1中央線444bは第2調整通路445の通路壁と交差している。このため、第1調整通路444内を移動する遊技球B1の移動方向は、第2調整通路445の通路壁と接触する方向である。
図53(b)は交差空間443aに案内された後の遊技球B1の動きを示す。図53(b)に示すように、第1出入口444aから入球した遊技球B1が遊技球B1の直径の略2倍の通路長を有する第1調整通路444を通過して交差空間443aに到達する間に回転体440は時計回りに回転する。
回転体440が回転しても、第1調整通路444の延長線上に第2調整通路445の通路壁が存在するという位置関係は変わらない。また、既に説明したとおり、第2出入口445aは、回転体440の中心の周りに第1出入口444aを120°回転させた位置に存在している。このため、図53(b)に示すように、遊技球B1が交差空間443aに存在するタイミングにおいて、第2調整通路445は、交差空間443aから右斜め下に向かう傾斜を有している。
図53(b)に示すように、第1調整通路444から交差空間443aに進入した後、第2調整通路445の通路壁と接触した遊技球B1は第2調整通路445に案内されて第2出入口445aに向かう。
図53(c)は第2出入口445aに到達した遊技球B1を示す。図53(c)に示すように、遊技球B1が第2調整通路445により第2出入口445aに案内されるタイミングにおいて、第2出入口445aの少なくとも一部は起立壁452により塞がれている。当該タイミングにおいて、第2出入口445aには遊技球B1が通過可能な隙間が存在しない。
このため、遊技球B1は回転体440の回転に伴って回転方向に移動しながら第2出入口445aに通過可能な隙間が生じるまで待機することとなる。既に説明したとおり、回転体440の回転速度は一定である。また、起立壁452の位置は変化しない。このため、遊技球B1が第2出入口445aに待機している状態において、第2出入口445aに遊技球B1が通過可能な隙間が生じるタイミングも定期的に発生する。
図53(a),(b)に示すように、第1出入口444aが上方に向けて開放されている状態において、第2出入口445aは既に起立壁452に塞がれている。起立壁452は、各出入口444a~446aが右方に向けて開放されている状態において当該出入口444a~446aの少なくとも一部を塞ぎ、遊技球B1が右方に向けて排出されることを防ぐ。このため、回転体440に取り込まれた遊技球B1が起立壁452よりも上方から排出されることはない。
図53(d)は第2出入口445aに遊技球B1が通過可能な隙間が生じた後の遊技球B1の動きを示す。図53(d)に示すように、第2出入口445aに遊技球B1が通過可能な隙間が生じた場合には、遊技球B1が支えを失って自重により下方に落下する。
第2出入口445aに遊技球B1が通過可能な隙間が生じる排出タイミング及び当該排出タイミングにおける排出位置は一定である。調整機構430は、排出位置が第1スルーゲート35の真上に存在するように設定されている。このため、図53(d)に示すように、第2出入口445aからの排出タイミングにおいて排出位置から排出された遊技球B1は下方に落下して第1スルーゲート35に入賞する。
但し、排出タイミングにおいて、第2出入口445aから第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径よりも長く設定されている。このため、第2出入口445aから排出された遊技球B1は高い確率で第1スルーゲート35に入賞するが、当該入賞確率は100%ではない。
次に、第3出入口446aから入球した遊技球B1の動きについて説明する。第3出入口446aが上方に向けて開放されている状態において、案内釘472(図51)により回転体440の上部中央に案内された遊技球B1は、第3出入口446aから第3調整通路446に入球する。
第3出入口446aが上方に向けて開放されている状態における第3調整通路446の傾斜は、図53(a)を参照しながら既に説明した第1調整通路444の傾斜と同じである。このため、第3調整通路446内を移動する遊技球B1の移動方向の先には第1調整通路444の通路壁が存在する。
第3調整通路446と第1調整通路444との位置関係は、図53(b)を参照しながら既に説明した第1調整通路444と第2調整通路445との位置関係と同じである。このため、第3調整通路446を通過して交差空間443aに進入した遊技球B1は、第1調整通路444の通路壁と接触し、第1出入口444aに向けて案内される。
既に説明したとおり、第1出入口444aの形状は第2出入口445aの形状と同じである。このため、第1出入口444aから排出される遊技球B1の排出タイミング及び排出位置は、図53(d)を参照しながら既に説明した第2出入口445aから排出される遊技球B1の排出タイミング及び排出位置と同じである。第1出入口444aから排出される遊技球B1は高い確率で第1スルーゲート35に入賞する。
次に、第2出入口445aから入球した遊技球B1の動きについて説明する。第2出入口445aが上方に向けて開放されている状態において、案内釘472(図51)により回転体440の上部中央に案内された遊技球B1は、第2出入口445aから第2調整通路445に入球する。
第2出入口445aが上方に向けて開放されている状態における第2調整通路445の傾斜は、図53(a)を参照しながら既に説明した第1調整通路444の傾斜と同じである。また、第2調整通路445と第3調整通路446との位置関係は、図53(b)を参照しながら既に説明した第1調整通路444と第2調整通路445との位置関係と同じである。このため、第2調整通路445を通過して交差空間443aに進入した遊技球B1は、第3調整通路446の通路壁と接触し、第3出入口446aに向けて案内される。
ここで、第3出入口446aから排出される遊技球B1の動きについて、図54(a),(b)を参照しながら説明する。図54(a),(b)は調整機構430及び第1スルーゲート35を拡大して示す遊技盤420の正面図である。
図54(a)は第3出入口446aに到達した遊技球B1を示す。図54(a)に示すように、遊技球B1は、第3調整通路446により第3出入口446aに案内される。遊技球B1が第3出入口446aに到達したタイミングにおいて、第3出入口446aの少なくとも一部は起立壁452により塞がれている。第3出入口446aには遊技球B1が通過可能な隙間が存在しない。このため、遊技球B1は通過可能な隙間が生じるまで第3出入口446aにて待機することとなる。
図54(b)は第3出入口446aから排出される遊技球B1の動きを示す。既に説明したとおり、第3出入口446aは、第1出入口444a及び第2出入口445aよりも狭く形成されている。このため、第3出入口446aから遊技球B1が排出される場合、遊技球B1は、第3調整通路446において回転方向の後側に存在する通路壁の影響を受けやすい。
既に説明したとおり、調整機構430における遊技球B1の排出位置と第1スルーゲート35との間には遊技球B1の直径以上の間隔が存在する。図54(b)に示すように、遊技球B1の排出タイミングにおいて、遊技球B1が第3調整通路446の通路壁から左方に向けて押されることにより、排出後の遊技球B1の進路が左方にずれて第1スルーゲート35から外れることがある。このため、第2出入口445aから入球して第3出入口446aから排出された遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞確率は、第1出入口444aから入球して第2出入口445aから排出された遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞確率、及び第3出入口446aから入球して第1出入口444aから排出される遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞確率よりも低い。
ここで、遊技球B1が連なった状態で流下して来た場合には、1つ目の遊技球B1と2つ目の遊技球B1との両方が上方を向いている同一の出入口444a~446aに入球する可能性がある。この場合、2つの遊技球B1は同一の出入口444a~446aに案内されて、同一の出入口444a~446aから排出される。1つ目の遊技球B1が排出されるタイミング及び排出される方向は、図53(d)及び図54(b)において既に説明したとおりであり、第1出入口444a又は第2出入口445aから排出される遊技球B1は第1スルーゲート35に高い確率で入賞するとともに、第3出入口446aから排出される遊技球B1は高い確率で第1スルーゲート35から外れる。
一方、2つ目の遊技球B1は、1つ目の遊技球B1が排出されるタイミングにおいて、1つ目の遊技球B1よりも回転体440の内側に位置している。このため、2つ目の遊技球B1の排出タイミングは1つ目の遊技球B1の排出タイミングよりも遅れる。この場合には、1つ目の遊技球B1の排出タイミングよりも回転体440の回転が進み、排出方向が左方に移動した状態において、2つ目の遊技球B1が排出されることとなる。このため、排出元の出入口444a~446aがいずれであっても、2つ目の遊技球B1は高い確率で第1スルーゲート35の左方に外れる。
このように、2つの遊技球B1が遊技領域PAを連なった状態で流下したとしても、当選連続期間における当選対象期間以外のタイミングにて遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する可能性は低くなるように設定されている。このため、本実施形態における調整機構430を用いる場合においても、当選連続期間となった場合には、普電開放当選が連続して発生する。
調整用駆動部184は、回転体440において遊技球B1が排出され得るタイミングが2secに1回の周期で発生するように、回転体440を回転させる。調整用駆動部184が回転体440をゆっくり回転させる構成とすることにより、調整機構430の上部において、回転方向に移動している出入口444a~446aと衝突した遊技球B1が右方に向けて強く跳ね返されて、遊技者に違和感を与える事態を回避することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球B1はいずれかの調整通路444~446に取り込まれ、当該遊技球B1を取り込んだ調整通路444~446とは異なる出入口444a~446aから排出される構成である。遊技球B1が当該遊技球B1を取り込んだ出入口444a~446aに保持されたまま回転体440が回転する構成においては、回転中に出入口444a~446aから遊技球B1が落下することを防止するために回転体440の周囲に設けられる落下防止手段が必要となる。この場合には、回転体440と落下防止手段との間に遊技球B1が挟まり、回転体440の回転が阻害される可能性がある。
これに対して、遊技球B1が通路形成部443の内部を通り、取り込まれた出入口444a~446aとは異なる出入口444a~446aから排出される構成とすることにより、遊技中に不具合が起こり、遊技を中断して不具合を解消するための対応が必要となる可能性を低減することができる。また、調整機構430を構成する部材の数が増加することを抑制することにより、調整機構430の構成を単純化し、調整機構430の製造コストを削減することができる。
回転体440は、上向きで遊技球B1を取り込んだ出入口444a~446aが遊技球B1を排出可能な向きとなる前に、遊技球B1を排出する構成である。このため、遊技球B1が当該遊技球B1を取り込んだ出入口444a~446aに保持されたまま回転体440が回転する構成と比較して、遊技球B1の取り込みから排出までにかかる時間を短縮することができる。これにより、遊技球B1が取り込まれてから排出されるまでに遊技者の関心が他の場所に移り、遊技者の調整機構430への注目度が下がる可能性を低減することができる。
調整機構430は、出入口444a~446aに案内された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞可能な排出タイミングとなるまで、遊技球B1の下方への落下を防止する起立壁452を備えている。当該起立壁452を利用することにより、排出タイミングよりも早いタイミングで下方に排出されて第1スルーゲート35から外れる遊技球B1の数を減少させることができる。このため、当選連続期間において、遊技球B1が当選対象期間からずれて第1スルーゲート35に入賞する可能性を低減し、当選連続期間において入賞が発生した場合に開放当選となる確率を高めることができる。これにより、当選連続期間に対する遊技者の期待を高めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
調整機構430における遊技球B1の排出位置と第1スルーゲート35との間の距離は遊技球B1の直径以上であるため、調整機構430から排出される遊技球B1の排出方向及び排出速度によっては、排出された遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる構成である。そして、第3出入口446aの幅は、第1出入口444aの幅及び第2出入口445aの幅よりも狭く設定されている。このため、第3出入口446aから排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性は、第2出入口445aから排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性、及び第3出入口446aから取り込まれた遊技球B1が排出される遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性よりも高い。これにより、調整機構430に取り込まれた遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞し、遊技者が調整機構430における遊技球B1の取り込みだけに注目して排出に注目しない事態を回避することができる。そして、第1スルーゲート35に入賞する瞬間まで遊技者の関心を集めることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
第1出入口444aから第1調整通路444に取り込まれた遊技球B1は第2調整通路445に案内されて第2出入口445aから排出される構成であるとともに、第2出入口445aから第2調整通路445に取り込まれた遊技球B1は第3調整通路446に案内されて第3出入口446aから排出される構成である。また、第3出入口446aから第3調整通路446に取り込まれた遊技球B1は第1調整通路444に案内されて第1出入口444aから排出される構成である。このように、出入口444a~446aから取り込まれた遊技球B1が最短距離で当該遊技球B1を排出可能な組合せの調整通路444~446を移動する構成であるため、回転体440の回転に伴って取り込まれた遊技球B1がなかなか排出されず、調整通路444~446内で上昇と下降とを繰り返す事態を回避することができる。これにより、調整機構430から第1スルーゲート35に向けて排出される遊技球B1の数が減ることを防ぎ、遊技者の調整機構430への関心が薄れることを回避することができる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給するための構成が上記第1の実施形態とは相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態の遊技盤520には、第1スルーゲート35に対して遊技球B1が供給されるタイミングを調整するための調整装置540が設けられている。調整装置540及び当該調整装置540周辺の構成を図55に基づいて説明する。図55は第1スルーゲート35及び調整装置540周辺を拡大して示す遊技盤520の正面図である。
図55に示すように、遊技盤520において、第1スルーゲート35の上方には、調整装置540と、調整装置540から排出されて第1スルーゲート35に向かう遊技球B1の一部が第1スルーゲート35に入賞することを阻止する電動釘560と、からなる調整機構530が設けられている。ここで、電動釘560は、上記第3の実施形態の図47において既に説明した電動釘361と同一の部材である。
先ず調整装置540について図55を参照しながら説明する。図55に示すように、調整装置540は、開放状態となることで調整装置540への遊技球B1の入球を許可するとともに閉鎖状態となることで調整装置540ヘの遊技球B1の入球を禁止する調整部546と、調整部546における閉鎖状態から開放状態への移行、及び開放状態から閉鎖状態ヘの移行を実行する調整用駆動部547と、調整装置540に取り込まれた遊技球B1を第1スルーゲート35に向けて案内するための案内部材541と、を備えている。
図55に示すように、調整装置540は所定の厚みを有する板状のベース体542を備えている。また、遊技盤520には、当該ベース体542を隙間なく収容可能なベース用凹み部(図示略)が設けられている。調整装置540は、ベース体542がベース用凹み部に収容された状態において、当該ベース体542が遊技盤520に釘付けされることにより固定されている。案内部材541が遊技盤520に固定されている状態において、ベース体542の前面は遊技盤520の前面と同一平面に存在している。
図55に示すように、案内部材541は、ベース体542の前面から前方に向けて垂直に突出する態様で形成されている通路形成部543を備えている。当該通路形成部543は、ベース体542前面の上下方向における中央部から下部に亘って存在しているとともに、ベース体542の前面から窓パネル52(図1)の背面近傍に亘って存在している。通路形成部543には、遊技球B1を第1スルーゲート35に向けて案内するための案内通路545が形成されている。
案内通路545は、通路形成部543に対して、当該通路形成部543を上下方向に貫通する貫通孔を設けることにより形成されており、1個の遊技球B1が通過することを可能にするとともに、複数の遊技球B1が同時に通過することを不可能とする通路断面を有している。
図55に示すように、案内通路545は第1スルーゲート35に向けた直線通路である。案内通路545は、遊技球B1の直径の略1.2倍の通路長を有しており、排出される遊技球B1を方向付けすることが可能である。案内通路525の下端から第1スルーゲート35の上端までの距離は遊技球B1の直径の略2倍に設定されており、案内通路545から排出される遊技球B1は、電動釘560の位置に応じて、第1スルーゲート35に入賞する場合と、入賞しない場合とがある。
図55に示すように、調整部546は、ベース体542の上部であり、ベース体542の前面よりも前方に設けられている。また、調整用駆動部547は、調整部546の後方であり、ベース体542の後方に配置されている。調整部546は、遊技盤520の背面側に搭載されている調整用駆動部547に連結されており、当該調整用駆動部547により駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかをとる。調整部546の閉鎖状態では遊技球B1の案内通路545への入球が不可となり、調整部546が開放状態となることで案内通路545への入球が可能となる。
調整用駆動部547は、MPU62(図12)の出力ポートに接続されており、調整用駆動部547にはMPU62から出力されている駆動信号が入力されている。調整用駆動部547は、駆動信号がLOW状態である場合に調整部546を閉鎖状態に保つとともに、駆動信号がHI状態となった場合に調整部546を開放状態とする。
主側CPU63(図12)は、4msec周期で実行されるタイマ割込み処理(図18)において、調整部546を閉鎖状態から開放状態に移行する切り換えタイミングであることを条件として調整用駆動部547に出力している駆動信号をLOW状態からHI状態に立ち上げるとともに、調整部546を開放状態から閉鎖状態に移行するタイミングであることを条件として調整用駆動部547に出力している駆動信号をHI状態からLOW状態に立ち下げる。
主側CPU63から入力される駆動信号に基づいて、調整用駆動部547は、調整部546を0.95sec間閉鎖状態にするとともに0.05sec間開放状態とする調整部546の開閉動作を繰り返す。このため、案内通路545は1sec周期で遊技球B1を取り込み可能な状態となり、略1sec周期で遊技球B1を第1スルーゲート35に向けて排出可能である。
ここで、調整部546の閉鎖状態及び開放状態について、図56(a),(b)を参照しながら説明する。図56(a)は閉鎖状態における調整装置540の正面図であり、図56(b)は開放状態における調整装置540の正面図である。
図56(a)に示すように、調整部546は、ベース体542における案内通路545の左上に位置しており、前後方向に延びている左側回動軸548と、当該左側回動軸548に回動可能な態様で固定されている略直方体形状の左側調整部材549と、を備えている。左側調整部材549は、遊技盤520(図55)の前面から窓パネル52(図1)の背面近傍に亘って存在している。
図56(a)に示すように、左側調整部材549は、閉鎖状態にある調整部546の内側に位置する右側面549a及び外側に位置する左側面549bを備えている。閉鎖状態にある調整部546において、右側面549a及び左側面549bは、下方に向けて左方に傾斜している。
図56(b)に示すように、左側調整部材549は、調整部546が閉鎖状態から開放状態に移行する場合、左側回動軸548の周りを反時計回りに回動する。そして、調整部546の開放状態において、左側調整部材549は、その右側面549aが右方に向けて下方に傾斜している状態となるとともに、左側面549bが下方に向けて右方に傾斜している状態となる。
また、図56(a)に示すように、調整部546は、ベース体542における案内通路545の右上に位置しており、前後方向に延びている右側回動軸551と、当該右側回動軸551に回動可能な態様で固定されている略直方体形状の右側調整部材552と、を備えている。右側調整部材552は、遊技盤520の前面から窓パネル52の背面近傍に亘って存在している。
図56(a)に示すように、右側調整部材552は、閉鎖状態にある調整部546の内側に位置する左側面552a及び外側に位置する右側面552bを備えている。閉鎖状態にある調整部546において、左側面552a及び右側面552bは、下方に向けて右方に傾斜している。
図56(b)に示すように、右側調整部材552は、調整部546が閉鎖状態から開放状態に移行する場合、右側回動軸551の周りを時計回りに回動する。そして、調整部546の開放状態において、右側調整部材552は、その左側面552aが左方に向けて下方に傾斜している状態となるとともに、右側面552bが下方に向けて左方に傾斜している状態となる。
図56(a)に示すように、閉鎖状態の調整部546において、左側調整部材549の上端と右側調整部材552の上端との間の距離は、その隙間に遊技球B1が嵌まることができない程度に狭い。そして、既に説明したとおり、調整部546の閉鎖状態において、左側調整部材549の左側面549bは左方に向けて下方に傾斜しており、当該左側面549bと接触する遊技球B1を左下方に逃がす。また、右側調整部材552の右側面552bは右方に向けて下方に傾斜しており、当該右側面552bと接触する遊技球B1を右下方に逃がす。
一方、図56(b)に示すように、開放状態の調整部546において、左側調整部材549の右側面549aと右側調整部材552の左側面552aとの間には、遊技球B1の直径よりも広い空間が広がっている。そして、既に説明したとおり、調整部546の開放状態において、左側調整部材549の右側面549aは右方に向けて下方に傾斜しており、当該右側面549aと接触する遊技球B1を右下方に跳ね返して案内通路545に入球させる。また、右側調整部材552の左側面552aは左方に向けて下方に傾斜しており、当該左側面552aと接触する遊技球B1を左下方に跳ね返して案内通路545に入球させる。
また、調整部546が開放状態から閉鎖状態に移行する過程において、左側調整部材549の上端と右側調整部材552の上端との間隔は徐々に狭くなる。調整部546は、左側調整部材549の上端と右側調整部材552の上端との間隔が遊技球B1の直径よりも狭くなる前のタイミングにおいて、左側調整部材549の右側面549aが下方に向けて左方に傾斜している状態となるとともに、右側調整部材552の左側面552aが下方に向けて右方に傾斜している状態となる形状を有している。
図55に示すように、電動釘560は、釘用駆動部560aに接続されており、案内通路525から排出された遊技球B1と接触して遊技球B1の進路を変え、当該遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞することを阻止する禁止位置と、案内通路525から排出された遊技球B1の進路から外れ、遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞することを可能とする許可位置と、をとる。
釘用駆動部560aにはMPU62の出力ポートから出力される釘用駆動信号が入力されている。釘用駆動部560aは、釘用駆動信号がLOW状態である場合に電動釘560を禁止位置に保つとともに、釘用駆動信号がHI状態である場合に電動釘560を許可位置に移動する。釘用駆動部560aにおける電動釘560の禁止位置と許可位置との切り換えは、調整用駆動部547における調整部546の閉鎖状態と開放状態との切り換えと連動して行われる。
具体的には、主側CPU63において、釘用駆動信号のLOW状態からHI状態への立ち上げは、駆動信号のLOW状態からHI状態への立ち上げと同期して行われる。このため、調整部546が閉鎖状態から開放状態に移行するタイミングに同期して、電動釘560が禁止位置から許可位置に移動する。電動釘560は、調整部546が開放状態である期間において常に許可位置をとる。このため、調整部546が開放状態である期間は、調整装置540から排出される遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞可能な状態となる。
主側CPU63において、釘用駆動信号のHI状態からLOW状態への立ち下げは、駆動信号のHI状態からLOW状態への立ち下げが実行されるタイミングよりも後のタイミングにおいて実行される。このため、電動釘560は、調整部546が開放状態から閉鎖状態に戻るタイミングよりも若干遅れて許可位置から禁止位置に戻る。電動釘560が禁止位置に戻るタイミングは、0.05sec間継続する調整部546の開放状態において、当該開放状態の開始タイミングから0.04secの間に案内通路525に入球した遊技球B1が許可位置にある電動釘560の左方を通過して第1スルーゲート35に入賞することを可能とするタイミングである。
また、電動釘560が禁止位置に戻るタイミングは、開放状態の調整部546が閉鎖状態に戻るまでの間に、一旦、調整部546に挟まれた状態となり、その後に案内通路525に取り込まれた遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞することを阻止するタイミングである。
ここで、調整装置540から排出される遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞が電動釘560によって阻止される状況について、図57(a)~(d)を参照しながら説明する。図57(a)~(d)は調整機構530の周辺を拡大して示す遊技盤520の正面図である。
図57(a)に示すように、開放状態から閉鎖状態に移行する中間状態の調整部546に遊技球B1が進入する場合、当該遊技球B1が左側調整部材549の右側面549aと右側調整部材552の左側面552aとに挟まれている状態となる可能性がある。当該状態において、左側調整部材549の右側面549aが下方に向けて左方に傾斜しているとともに、右側調整部材552の左側面552aが下方に向けて右方に傾斜しているという条件と、調整部546との接触位置が遊技球B1の重心よりも上であるという条件と、が満たされた場合、挟まれた遊技球B1は調整部546が閉鎖状態に戻ろうとする力により、下方に押されて案内通路525に進入する。
図57(b)に示すように、電動釘560は、調整部546に挟まれた遊技球B1が当該電動釘560の位置を通過する前に禁止位置に戻る。このため、中間状態において調整部546に挟まれた遊技球B1は案内通路525の下流において、禁止位置に戻っている電動釘560と衝突して第1スルーゲート35の左方に外れる。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、遊技球発射機構27(図2)における遊技球B1の発射間隔は最短で0.6secである。遊技球B1は、複数個が連なった状態で調整装置540の調整部546に向けて流下する場合がある。既に説明したとおり、調整部546の開放状態の継続時間は0.05secに設定されている。このため、0.05secの間に2個の遊技球B1が連なって調整部546に入球しようとする場合、図57(c)に示すように、1個目の遊技球B1が調整部546の開放状態において案内通路525に入球した後、2個目の遊技球B1が開放状態から閉鎖状態に戻ろうとする調整部546に挟まれている状態となる可能性がある。
この場合において、調整部546に挟まれた2個目の遊技球B1が案内通路525に入球した場合、電動釘560は、1個目の遊技球B1が当該電動釘560の位置に到達するタイミングにおいて許可位置にある。このため、1個目の遊技球B1は、電動釘560の左方を通過して第1スルーゲート35に入賞することが可能である。
一方、図57(d)に示すように、電動釘560は、調整部546に挟まれた2個目の遊技球B1が当該電動釘560の位置に到達する前に禁止位置に戻る。このため、2個目の遊技球B1は電動釘560と衝突する。このように、調整部546に挟まれた遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞は電動釘560により阻止される。これにより、当選連続期間において、当選対象期間からずれたタイミングで2個目の遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞が発生し、普電開放抽選において外れ結果となることを回避することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
調整機構530は、調整部546の閉鎖状態において、遊技球B1の案内通路525への進入を許さない構成である。このため、当選連続期間において、普電開放当選とならないタイミングで遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する可能性を低減することができる。これにより、当選連続期間における普電開放当選の発生確率を高いものとすることができる。このように、遊技者の当選連続期間への期待を高めることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
案内通路525と第1スルーゲート35との間は遊技球B1の直径以上離れており、案内通路525から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に向かって流下する進路の途中には、当該進路を塞ぐ禁止位置と、当該進路を通過可能とする許可位置と、の間を移動する電動釘560が設けられており、当該電動釘560は調整部546の開放状態が継続する期間の最後に案内通路525に入球する遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞を阻止する構成である。
案内通路525に取り込まれる遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞する場合には、遊技者が調整機構530における遊技球B1の取り込みだけに注目して排出に注目しない可能性がある。これに対して、案内通路525に取り込まれる遊技球B1の一部の第1スルーゲート35への入賞が阻止される構成とすることにより、第1スルーゲート35に入賞する瞬間まで遊技者の調整機構530周辺への関心を維持し、遊技の興趣向上を図ることができる。
調整機構530は、調整部546の開放状態において、1個目の遊技球B1が案内通路525に取り込まれた後、当該1個目の遊技球B1に連なっていた2個目の遊技球B1が中間状態の調整部546に挟まれている状態となった場合、当該2個目の遊技球B1の第1スルーゲート35への入賞を禁止位置の電動釘560が阻止する構成である。このため、当選連続期間において、普電開放当選とならないタイミングで遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する可能性を低減することができる。これにより、当選連続期間における普電開放当選の発生確率を高いものとすることができる。このようにして、遊技者の当選連続期間への期待を高めることにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
<第5の実施形態における別形態>
・上述した第5の実施形態において、調整用駆動部547が設けられておらず、調整部546が開放状態のまま動かない構成としてもよい。この場合、調整部546が閉鎖状態をとらないため、遊技球B1は、常に案内通路525に入球可能である。案内通路525から排出される遊技球B1は、電動釘560が禁止位置にある場合には当該電動釘560と衝突するため、第1スルーゲート35へ向かう進路から外れる。一方、電動釘560が許可位置にある場合には当該電動釘560の左方を通過して第1スルーゲート35へ入賞することが可能となる。例えば、釘用駆動部560aにより、電動釘560が0.95sec間の禁止位置と、0.05sec間の許可位置と、を繰り返す構成とすることにより、調整機構530は第1スルーゲート35に対して1sec周期で遊技球B1を提供することが可能である。
・上述した第5の実施形態において、遊技盤520の後方に逃げ通路を形成し、調整部546に挟まれた遊技球B1を遊技盤520の後方に逃がす構成としてもよい。具体的には、遊技盤520において調整部546の後方に位置する領域には通路入口が前方に向けた開口として形成されている。遊技盤520は、通路入口から取り込まれる遊技球B1を下方に案内する逃げ通路、及び当該逃げ通路に案内された遊技球B1を遊技盤520の前方に排出する通路出口を備えている。
調整部546が遊技球B1を挟んだ状態において、左側調整部材549の右側面は後方に向けて左方に傾斜している状態となるとともに、右側調整部材552の左側面は後方に向けて右方に傾斜している状態となる。このため、調整部546に挟まれた遊技球B1は、調整部546の閉鎖状態への移行に伴って、調整部546の後方に形成されている通路入口に誘導される。通路入口から逃げ通路に入球した遊技球B1は逃げ通路によって下方に案内される。当該遊技球B1は通路出口から排出されて、再び遊技盤520の前方に位置する状態となる。
・上述した第5の実施形態において、案内通路525と第1スルーゲート35との関係を調整することにより、案内通路525から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する場合と入賞しない場合とを生じさせる構成としてもよい。具体的には、案内通路525は、第1スルーゲート35の左斜め上方に設けられており、案内通路525と第1スルーゲート35との間には遊技球B1の直径以上の間隔が設けられている。この場合には、案内通路525と第1スルーゲート35との間に電動釘560が存在しない場合でも、案内通路525から排出される遊技球B1の排出時の速度に応じて、排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する場合と、入賞しない場合とを生じさせることができる。案内通路525から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35から外れる可能性を残すことにより、排出後の遊技球B1の挙動にも遊技者の関心を集めることができる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、遊技領域PAの右側領域PA3に第2作動口582が設けられているとともに、当該第2作動口582の下方に振分入賞装置583が設けられている。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態における遊技盤580の構成について、図58を参照しながら説明する。図58は遊技盤580の正面図である。図58に示すように、遊技領域PAは、可変表示ユニット36の上側に位置する上側領域PA1、可変表示ユニット36の左側に位置する左側領域PA2、可変表示ユニット36の右側に位置する右側領域PA3、及び可変表示ユニット36の下側に位置する下側領域PA4から構成されている。
上記第1の実施形態において説明したとおり、左側領域PA2には第1スルーゲート35が設けられているとともに、当該第1スルーゲート35の上方には調整機構180が設けられている。調整機構180から排出される遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞可能となる入賞可能タイミングは1sec周期で発生する。また、第1スルーゲート35への入賞を契機として行われる普電開放抽選において普電開放当選となる当選対象期間も1sec周期で発生する。このため、入賞可能タイミングが当選対象期間と重なった場合には当選連続期間となるとともに、入賞可能タイミングが当該対象期間と重ならなかった場合には非当選連続期間となる。
図58に示すように、遊技盤580は、上記第1の実施形態における遊技盤24と同様に、調整機構180の周囲に通路入口171、逃げ通路172、通路出口173、及び出口屋根174を備えている。このため、調整機構180に向けて流下したにも関わらず当該調整機構180に取り込まれなかった遊技球B1は、通路入口171から逃げ通路172に入球する。そして、遊技球B1は、逃げ通路172により通路出口173まで案内され、通路出口173から遊技盤580の前方に向けて排出される。
図58に示すように、下側領域PA4には第1作動口581が設けられている。第1作動口581は、当該第1作動口581を開閉する部材を備えておらず、上方に開放されている。図58に示すように、可変表示ユニット36は、遊技球B1が通過可能であるとともに、遊技球B1を排出可能であるステージ36aを備えている。可変表示ユニット36には、遊技球B1をステージ36aに流入させるための誘導通路が形成されている。ステージ36a上に流入してステージ36aの中央から可変表示ユニット36の外に排出される遊技球B1は、第1作動口581の真上から第1作動口581に向けて落下する。このため、ステージ36aの中央から排出される遊技球B1は、第1作動口581に入賞し易くなっている。
第1作動口581が下側領域PA4に設けられていることにより、左側領域PA2を遊技球B1が流下するように発射操作装置28(図2)が操作されている場合、及び右側領域PA3を遊技球B1が流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれにおいても遊技球B1の第1作動口581への入賞が可能である。但し、ステージ36aへの誘導通路の入口が左側領域PA2に対して設けられており、右側領域PA3に対して設けられていないことにより、左側領域PA2を流下した方が右側領域PA3を流下する場合に比べて第1作動口581への入賞が発生し易い。また、左側領域PA2及び右側領域PA3における遊技部品や釘24bの配列も、左側領域PA2を流下した方が右側領域PA3を流下する場合に比べて第1作動口581への入賞が発生し易いように設定されている。そして、右側領域PA3を流下した遊技球B1は第1作動口581への入賞がほとんど発生しないようになっている。
図58に示すように、右側領域PA3には第2作動口582が設けられている。第2作動口582は、左側領域PA2を遊技球B1が流下するように発射操作装置28(図2)が操作されている場合には入賞不可となり、右側領域PA3を遊技球B1が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞可能となるように設けられている。
第2作動口582の構成について図59を参照しながら説明する。図59(a),(b)は第2作動口582の構成を示す概略図である。第2作動口582には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての普電役物582aが設けられている。
普電役物582aは遊技盤580の背面側に搭載された普電用の駆動部582bに連結されており、当該普電用の駆動部582bにより駆動されて図59(a)に示す閉鎖状態及び図59(b)に示す開放状態のいずれかに配置される。普電役物582aの閉鎖状態では遊技球B1が第2作動口582に入賞できず、普電役物582aが開放状態となることで第2作動口582への入賞が可能となる。ちなみに、開放状態となった場合には、普電役物582aが遊技領域PA側に突出し、第2作動口582への入賞をガイドする。第2作動口582には第2作動口582に入賞した遊技球B1を検知するための検知センサ582cが設けられている。当該検知センサ582cはMPU62(図12)の入力ポートに接続されており、主側CPU63(図12)は、当該検知センサ582cからの検知情報に基づいて第2作動口582への入賞を検知する。
図58に示すように、右側領域PA3において第2作動口582の上方には第2スルーゲート39が設けられている。第2スルーゲート39は、左側領域PA2を遊技球B1が流下するように発射操作装置28(図2)が操作されている場合には入賞不可となり、右側領域PA3を遊技球B1が流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞可能となる位置に設けられている。第2スルーゲート39は縦方向に貫通した図示しない貫通孔を有しており、第2スルーゲート39に入賞した遊技球B1は入賞後に遊技領域PAを流下する。これにより、第2スルーゲート39に入賞した遊技球B1が第2作動口582へ入賞することが可能となっている。第2スルーゲート39には第2スルーゲート39に入賞した遊技球B1を検知するための検知センサが設けられている。当該検知センサはMPU62(図12)の入力ポートに接続されており、主側CPU63(図12)は、当該検知センサからの検知情報に基づいて第2スルーゲート39への入賞を検知する。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、遊技球B1の第1スルーゲート35及び第2スルーゲート39のいずれかへの入賞を契機として普電開放抽選が実行される。そして、当該普電開放抽選において普電開放当選となった場合には、第2作動口582の普電役物582aが閉鎖状態から開放状態に切り換えられる。
図58に示すように、遊技盤580の右下には第1特図表示部584及び第2特図表示部585が設けられている。第1特図表示部584では、第1作動口581への入賞を契機として当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、抽選結果に対応した結果の表示が行われる。また、第2特図表示部585では、第2作動口582への入賞を契機として当たり抽選が行われることで絵柄の変動表示又は所定の表示が行われるとともに、抽選結果に対応した結果の表示が行われる。
図58に示すように、第1特図表示部584に隣接した位置には第1特図保留表示部586が設けられているとともに、第2特図表示部585に隣接した位置には第2特図保留表示部587が設けられている。第1特図保留表示部586には第1作動口581に入賞した遊技球B1の個数が最大4個まで保留表示されるとともに、第2特図保留表示部587には第2作動口582に入賞した遊技球B1の個数が最大4個まで保留表示される。
図58に示すように、下側領域PA4において、第1作動口581の下方であるとともにアウト口24aの上方である位置には、上記第1の実施形態において既に説明した特電入賞装置32が設けられている。特電入賞装置32は、遊技球B1が左側領域PA2を流下するように発射操作装置28が操作されている場合及び遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作装置28が操作されている場合のいずれにおいても入賞可能である。
図58に示すように、右側領域PA3において、第2作動口582の下方には振分入賞装置583が設けられている。振分入賞装置583は、遊技球B1が左側領域PA2を流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞不可となり、遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作装置28が操作されている場合には入賞可能となる。
第1作動口581及び第2作動口582のいずれかへの入賞を契機として当たり抽選が実行される。当該当たり抽選にて大当たり結果となった場合には、上記第1の実施形態において既に説明した開閉実行モードに移行する。これにより、特電入賞装置32が開放状態となり、遊技球B1の特電入賞装置32への入賞が可能となる。また、第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選には、大当たり結果に加えて小当たり結果も設けられている。第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選にて小当たり結果となった場合には、振分入賞装置583への入賞が可能となる分岐実行モードに移行する。
ここで、振分入賞装置583について図60(a),(b)を参照しながら説明する。図60(a)は振分入賞装置583の側方から見た状態の縦断面図であり、図60(b)は振分入賞装置583の背面側から見た状態の縦断面図である。
図60(a)に示すように、振分入賞装置583には、遊技球B1が通過可能な大きさの振分入口591が形成されているとともに、当該振分入口591を遊技球B1が通過不可である閉鎖状態と遊技球B1が通過可能である開放状態とに切り換える振分側の開閉部材592が設けられている。振分側の開閉部材592は振分入口用の駆動部593により図示しないリンク機構を通じて駆動されることで開放状態となる。振分入口591は案内通路594の入口を構成しており、振分入口591から流入した遊技球B1は案内通路594を下流側へと流下する。
案内通路594は、図60(b)に示すように、その途中位置から二股に分岐しており、分岐位置よりも上流側を構成する上流領域595と、分岐位置よりも下流側の一方を構成するV入賞用領域596と、分岐位置よりも下流側の他方を構成する排出用領域597と、を備えている。また、分岐位置には、上流領域595から当該分岐位置に到達した遊技球B1をV入賞用領域596及び排出用領域597のいずれかに振り分ける振分手段としてシャッタ598が設けられている。シャッタ598がシャッタ用の駆動部599により駆動されていない状態では分岐位置に到達した遊技球B1が排出用領域597へ流入することとなり、シャッタ598がシャッタ用の駆動部599により駆動されている状態では分岐位置に到達した遊技球B1がV入賞用領域596へ流入することとなる。
上流領域595に流入した遊技球B1が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてカウント用の検知センサ595aが設けられている。カウント用の検知センサ595aにて遊技球B1が検知されたことに基づき、振分入賞装置583への入賞に対応した賞球の払い出しが実行される。また、V入賞用領域596に流入した遊技球B1が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにしてV入賞用の検知センサ596aが設けられている。V入賞用の検知センサ596aにて遊技球B1が検知されたことに基づき、特電入賞装置32が開閉される開閉実行モードに移行する。また、排出用領域597に流入した遊技球B1が必ず通過する位置に検知領域が存在するようにして排出用の検知センサ597aが設けられている。排出用の検知センサ597a及びV入賞用の検知センサ596aからの検知結果に基づき、振分入賞装置583内に遊技球B1が残存しているか否かが判定される。
ちなみに、振分入賞装置583に入賞した遊技球B1が80%の確率でV入賞用領域596に誘導されるようにシャッタ用の駆動部599の駆動タイミングが設定されているが、具体的な確率は任意であり、排出用領域597に誘導される確率の方が高い構成としてもよい。但し、第2作動口582への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となることの有利性を高める上では、第2作動口582への入賞に基づき分岐実行モードへ移行する確率と振分入賞装置583に入賞した遊技球B1がV入賞用領域596に流入する確率との積が、第1作動口581への入賞に基づく大当たり抽選にて当選となる確率よりも高くなるようにシャッタ598の振分確率が設定されていることが好ましい。例えば、V入賞用領域596に誘導される確率の方が高く設定されていることが好ましく、75%以上100%未満の確率でV入賞用領域596に誘導されることがより好ましい。
また、振分入賞装置583は、入賞した遊技球B1がV入賞用領域596及び排出用領域597のいずれに振り分けられるのかをパチンコ機10前方から視認可能となるように形成されていることが好ましく、具体的には振分入賞装置583の前面側が有色透明又は無色透明に形成されていることが好ましい。
分岐実行モードにおいて、遊技球B1が振分入賞装置583に入球し、V入賞用領域596に流入してV入賞用の検知センサ597aに検知された場合には、V入賞が発生する。一方、分岐実行モードにおいて、V入賞用の検知センサ597aによる遊技球B1の検知が行われなかった場合には、V入賞が発生しない。
次に、本実施形態における当たり抽選について説明する。先ず主側CPU63(図13)にて当たり抽選を行うための電気的な構成について説明する。
本実施形態の保留格納エリア65a(図13)は第1保留用エリア及び第2保留用エリアを備えている。第1保留用エリアは、第1作動口581への入賞履歴に合わせて当たり乱数カウンタC1(図13)、大当たり種別カウンタC2(図13)、及びリーチ乱数カウンタC3(図13)の各数値情報の組合せが保留情報として格納される領域であるとともに、第2保留用エリアは、第2作動口582への入賞履歴に合わせて当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組合せが保留情報として格納される領域である。
第1保留用エリア及び第2保留用エリアのぞれぞれには、入賞履歴が最大4個まで保留記憶される。第1保留用エリア及び第2保留用エリアに格納された各数値情報は、実行エリアAE(図13)に移動される。主側CPU63は、1遊技回の開始に際して、実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づく当たり抽選を実行する。
次に、当たり抽選に用いられる各種テーブルについて説明する。主側ROM64(図12)には、当たり抽選に用いられるテーブルとして、低頻度用左側テーブル、正規用右側テーブル、及び非正規用右側テーブルが記憶されている。
当たり抽選用の各テーブルにおいて、大当たり結果となる確率は同一に設定されている。本実施形態のパチンコ機10には、上記第1の実施形態において説明した高確率モード及び低確率モードは設定されておらず、主側ROM64には低頻度用左側テーブル、正規用右側テーブル、及び非正規用右側テーブルがそれぞれ1種類ずつ記憶されている。
先ず低頻度用左側テーブルについて説明する。第2作動口582のサポートモードが低頻度サポートモードである場合において、第1作動口581への入賞が発生した場合に第1保留用エリアに格納される保留情報を低頻度用左側保留情報とする。低頻度用左側保留情報には、低頻度サポートモード時に格納された保留情報であること、及び第1作動口581への入賞に基づいて格納された保留情報であることを示す情報が含まれている。低頻度用左側テーブルは、実行エリアAEに記憶されている保留情報が低頻度用左側保留情報である場合に読み出されるテーブルである。
低頻度用左側テーブルには、大当たり結果のみが設定されており、小当たり結果は設定されていない。低頻度用左側テーブルには大当たり結果として、開閉実行モード後に高頻度サポートモードとなる高頻度結果、及び開閉実行モード後に低頻度サポートモードとなる低頻度結果が設定されている。
低頻度サポートモードにて第1作動口581への入賞が発生し、当該入賞に基づく当たり抽選にて大当たり結果となった場合において、今回の大当たり結果が高頻度結果であるとともに上記第1の実施形態にて説明した高頻度フラグに「1」が設定されていない場合には、当該高頻度フラグに「1」が設定される。また、今回の大当たり結果が低頻度結果であるとともに高頻度フラグに「1」が設定されている状態である場合には、高頻度フラグが「0」クリアされる。当たり抽選にて大当たり結果となった場合には、開閉実行モードに移行する。当該開閉実行モードが終了した後、高頻度フラグに「1」が設定されている場合には、第2作動口582のサポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、高頻度フラグの値が「0」である場合には、第2作動口582のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。
次に、正規用右側テーブルについて説明する。高頻度サポートモードにて第2作動口582への入賞が発生した場合に第2保留用エリアに格納される保留情報を正規用右側保留情報とする。正規用右側保留情報には、第2作動口582への入賞に基づいて格納された保留情報であること、及び当該第2作動口582への入賞が正規の流れによって発生したことを示す情報が含まれている。正規用右側保留情報は、低頻度サポートモードの当選連続期間において第2作動口582への入賞が発生した場合にも第2保留用エリアに格納される。正規用右側テーブルは、実行エリアAEに記憶されている保留情報が正規用右側保留情報である場合に読み出されるテーブルである。
ここで、正規の流れとは、高頻度サポートモードとなったこと、及び低頻度サポートモードの当選連続期間となったことのいずれかを契機として、遊技球B1を右側領域PA3に向けて発射する操作が行われる遊技の流れのことである。これに対して、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、遊技球B1を右側領域PA3に向けて発射する操作が行われる遊技の流れを非正規の流れとする。
正規用右側テーブルには、大当たり結果及び小当たり結果が設定されている。正規用右側テーブルには、大当たり結果として、上述した高頻度結果及び低頻度結果が設定されている。
正規用右側テーブルには、大当たり結果とならなかった場合に、略100%の確率で小当たり結果となるように小当たり結果の発生確率が設定されている。なお、大当たり結果とならなかった場合における小当たり結果の発生確率が100%に設定されている構成としてもよい。正規用右側テーブルには、小当たり結果として、後述する高頻度小当たり結果及び低頻度小当たり結果が設定されている。
低頻度サポートモードの当選連続期間及び高頻度サポートモードのいずれかにて第2作動口582への入賞が発生し、当該入賞に基づく当たり抽選にて大当たり結果となった場合において、今回の大当たり結果が高頻度結果であるとともに高頻度フラグに「1」が設定されていない場合には、当該高頻度フラグに「1」が設定される。また、今回の大当たり結果が低頻度結果であるとともに高頻度フラグに「1」が設定されている場合には、高頻度フラグが「0」クリアされる。当たり抽選により大当たり結果となった場合には、開閉実行モードに移行する。
また、今回の当たり抽選にて小当たり結果となった場合において、今回の小当たり結果が高頻度小当たり結果であるとともに高頻度フラグに「1」が設定されていない場合には、当該高頻度フラグに「1」が設定される。また、今回の小当たり結果が低頻度小当たり結果であるとともに高頻度フラグに「1」が設定されている場合には、当該高頻度フラグが「0」クリアされる。当たり抽選にて小当たり結果となった場合には上述した分岐実行モードに移行し、当該分岐実行モードにおいてV入賞が発生した場合には開閉実行モードに移行する。
開閉実行モードが終了した後、高頻度フラグに「1」が設定されている場合には、第2作動口582のサポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、高頻度フラグの値が「0」である場合には、第2作動口582のサポートモードが低頻度サポートモードとなる。また、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合には、高頻度フラグが「0」クリアされる。このため、分岐実行モード後に第2作動口582のサポートモードは低頻度サポートモードとなる。
既に説明したとおり、低頻度サポートモードにおいて当選連続期間となることで、第2作動口582を開放状態とする普電開放当選が連続して発生する状態となる。この場合において第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選は、高頻度サポートモードにおいて第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選と同じものである。
既に説明したとおり、低頻度用左側テーブルを用いる当たり抽選において大当たり結果が発生する確率は、正規用右側テーブルを用いる当たり抽選において大当たり結果が発生する確率と同じである。また、低頻度用左側テーブルを用いる当たり抽選において大当たり結果とならなかった場合には外れ結果となるのに対して、正規用右側テーブルを用いる当たり抽選において大当たり結果とならなかった場合には略100%の確率で分岐実行モードに移行する。このため、低頻度サポートモードは高頻度サポートモードよりも遊技者にとって不利なサポートモードである。
高頻度サポートモードと比較して遊技者に不利である低頻度サポートモードであっても、当選連続期間となった場合には、高頻度サポートモードと同じ当たり抽選が実行される。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、当選連続期間の発生タイミングは遊技者に報知されない。このため、低頻度サポートモードにおいて、遊技者の予期せぬタイミングで遊技者にとって有利な状態となることがある。このように、低頻度サポートモードにおいて、当選連続期間が発生することへの期待感を遊技者に抱かせることで、遊技の興趣向上を図ることができる。
次に、非正規用右側テーブルについて説明する。低頻度サポートモードの非当選連続期間にて第2作動口582への入賞を契機として第2保留用エリアに格納される保留情報を非正規用右側保留情報とする。非正規用右側保留情報には、第2作動口582への入賞を契機として格納された保留情報であること、及び当該第2作動口582への入賞が非正規の流れにより発生したことを示す情報が含まれている。非正規用右側テーブルは、実行エリアAEに記憶されている保留情報が非正規用右側保留情報である場合に読み出されるテーブルである。
非正規用右側テーブルには大当たり結果及び小当たり結果が設定されている。非正規用右側テーブルに設定されている大当たり結果は上述した低頻度結果であるとともに、非正規用右側テーブルに設定されている小当たり結果は上述した低頻度小当たり結果である。非正規用右側テーブルには、大当たり結果とならなかった場合に略100%の確率で小当たり結果となるように小当たり結果の発生確率が設定されている。なお、大当たり結果とならなかった場合における小当たり結果の発生確率が100%に設定されている構成としてもよい。
低頻度サポートモードの非当選連続期間にて第2作動口582への入賞が発生した場合には当たり抽選が行われる。当該当たり抽選にて大当たり結果となった場合、又は小当たり結果となり、分岐実行モードに移行してV入賞が発生した場合には、高頻度フラグの値が「0」に保たれたまま、開閉実行モードに移行する。このため、当該開閉実行モード後に第2作動口582のサポートモードは低頻度サポートモードとなる。また、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合にも高頻度フラグの値は「0」に維持され、第2作動口582のサポートモードは低頻度サポートモードとなる。
遊技の流れを正確に把握していない遊技者は、意図せずに上述した非正規の流れを実行する可能性がある。上記第1の実施形態において既に説明したとおり、低頻度サポートモードの普電開放抽選にて普電開放当選となる可能性は、高頻度サポートモードの普電開放抽選にて普電開放当選となる可能性よりも低く設定されている。このため、非正規の流れで遊技が行われる状況は、正規の流れで遊技が行われる状況よりも遊技者にとって不利であり、遊技の流れを正確に把握していない遊技者は損をすることとなる。
これに対して、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作装置28が操作されたとしても、第2作動口582への入賞が発生した場合には高い確率で分岐実行モードに移行する構成とすることにより、遊技の流れを正確に把握していない遊技者に対して救済措置を与えることが可能となる。但し、非正規の流れで実行される開閉実行モード後には必ず低頻度サポートモードとなる構成である。これにより、遊技の流れを把握したうえで非正規の流れの遊技を行うことが遊技者にとって有利な結果に繋がらない構成とすることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
低頻度サポートモードの当選連続期間にて、第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選、及び高頻度サポートモードにて第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選は、共通の正規用右側テーブルに基づいて実行される。高頻度サポートモードと比較して遊技者に不利な低頻度サポートモードにおいて、遊技者の予期せぬタイミングで遊技者に有利な状態が発生する構成とすることにより、開閉実行モードとなること及び開閉実行モード後に高頻度サポートモードとなることへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
低頻度サポートモードの非当選連続期間である状況では、遊技球B1が左側領域PA2を流下するように発射操作装置28を操作する場合の方が、遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作装置28を操作する場合よりも遊技者にとって有利となる構成である。低頻度サポートモードの非当選連続期間において、遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作装置28が操作された場合においても、第2作動口582への入賞が発生した場合には、高い確率で開閉実行モードに移行する構成である。このため、遊技の流れを正確に把握していない不慣れな遊技者に対して救済措置を与えることができる。
低頻度サポートモードの当選連続期間では、第2作動口582への入賞を契機として行われる当たり抽選にて、高頻度大当たり結果及び高頻度小当たり結果となる可能性がある。低頻度サポートモードの非当選連続期間において、第2作動口582への入賞を契機として行われる当たり抽選よりも、低頻度サポートモードの当選連続期間において第2作動口582への入賞を契機として行われる当たり抽選の方が遊技者にとって有利な結果となり易い。当該構成とすることにより、当選連続期間を魅力的なものとして遊技の興趣向上を図ることができる。また、正規の遊技の流れを把握している遊技者が敢えて非正規の流れで遊技を行った場合に、当該非正規の流れが遊技者にとって有利な結果に繋がることが抑制されている。
<第6の実施形態における別形態>
・上述した第6の実施形態において、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合には、当該分岐実行モードの前後で第2作動口582のサポートモードが変化しない構成としてもよい。第2作動口582への入賞が発生し、当該入賞に基づく当たり抽選にて小当たり結果となった場合には、高頻度フラグの値が維持されたまま分岐実行モードに移行する。そして、分岐実行モードにてV入賞が発生しなかった場合には、現状の高頻度フラグの値がそのまま維持される。
高頻度サポートモードにて第2作動口582への入賞が発生した場合には、入賞発生時において高頻度フラグに「1」が設定されている。当該高頻度フラグの値は、当たり抽選にて小当たり結果となり、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合にそのまま維持される。この場合、分岐実行モード後における第2作動口582のサポートモードは高頻度サポートモードに維持される。
また、低頻度サポートモードにて第2作動口582への入賞が発生した場合には、入賞発生時において高頻度フラグの値は「0」である。当該高頻度フラグの値は、当たり抽選にて小当たり結果となり、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合にそのまま維持される。この場合、分岐実行モード後における第2作動口582のサポートモードは低頻度サポートモードに維持される。
以上のように、V入賞が発生することなく分岐実行モードが終了した場合には、当該分岐実行モードに移行する前のサポートモードが当該分岐実行モード後も維持される構成とすることにより、低頻度サポートモードにおける当選連続期間を、低頻度サポートモードにおける非当選連続期間よりも遊技者にとって有利な状態であるとともに、高頻度サポートモードよりも遊技者にとって不利である状態とすることができる。低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの優位性を保ちながら、低頻度サポートモードにおいて遊技者に有利な状態として当選連続期間を設定することができる。
・上述した第6の実施形態における低頻度サポートモードの当選連続期間において、第2作動口582への入賞が発生したことを契機として実行される当たり抽選に非正規用右側テーブルと同じ内容の当選連続用テーブルが用いられる構成としてもよい。当選連続用テーブルに設定されている大当たり結果は低頻度結果のみであるとともに、当選連続用テーブルに設定されている小当たり結果は低頻度小当たり結果のみである。このため、当選連続用テーブルに基づく当たり抽選を契機として開閉実行モードに移行したとしても、開閉実行モード後のサポートモードが高頻度サポートモードとなることはない。
低頻度サポートモードの当選連続期間において、第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選は、高頻度サポートモードにおいて、第2作動口582への入賞を契機として実行される当たり抽選と比較して、遊技者に不利な当たり抽選となる。これにより、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの優位性を保つことができる。
低頻度サポートモードにおいて、正規の流れで遊技を行う場合には、第1作動口581への入賞を契機として開閉実行モードに移行することが期待できるとともに、当選連続期間となった場合には第2作動口582への入賞を契機として開閉実行モードとなることが期待できる。これに対して、非正規の流れで遊技を行う場合には、第2作動口582への入賞を契機として開閉実行モードに移行することしか期待できない。そして、第2作動口582への入賞が発生する条件である普電開放当選の発生確率は低い。このため、低頻度サポートモードにおいて、非正規の流れで遊技を行うことに対する正規の流れで遊技を行うことの優位性は保たれており、遊技の流れを把握している遊技者が故意に非正規の流れで遊技を行う可能性が低減されている。
・上述した第6の実施形態において、非正規の流れで第2スルーゲート39への入賞が発生した場合には、正規の流れで遊技を行うように遊技者に対して警告する構成としてもよい。遊技者に対する警告は、低頻度サポートモードの非当選連続期間において、第2スルーゲート39への入賞が発生した場合に行われる。具体的には、主側CPU63は、第2スルーゲート39への入賞を検知した場合に、上記第1の実施形態において既に説明した当選連続フラグの値が「0」であること、及び高頻度フラグの値が「0」であることを条件として、音声発光制御装置81に対して警告コマンドを送信するための処理を実行する。警告コマンドを受信した音声発光制御装置81は、表示制御装置82にコマンドを送信することにより、第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者に対して警告する内容を図柄表示装置41の表示面41aに表示する。また、音声発光制御装置81は、スピーカ部54を制御することにより、第1スルーゲート35を狙って遊技球発射装置を操作するように遊技者に対して警告する内容の音出力を実行する。これにより、遊技の流れを正確に把握していない遊技者が非正規の流れで第2作動口582への入賞を発生させる可能性を低減することができる。ここで、上記第1の実施形態において既に説明したとおり、低頻度サポートモードにおいて非当選連続期間から当選連続期間に移行した場合には当選連続フラグに「1」が設定される。このため、当選連続期間となったことを契機として、遊技球B1が右側領域PA3を流下するように遊技球発射装置の操作態様を切り換えた場合には、遊技者に対する警告は行われない。
・上述した第6の実施形態において、非正規の流れで行われる開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開放態様が正規の流れで行われる開閉実行モードにおける特電入賞装置32の開放態様とは異なる構成としてもよい。主側CPU63は、第2作動口582への入賞が発生した場合に、当選連続フラグの値が「0」であること、及び高頻度フラグの値が「0」であることを条件として、今回の入賞が非正規の流れで発生した入賞であることを示す非正規フラグに「1」を設定する。また、主側CPU63は、開閉実行モードにおいて、非正規フラグに「1」が設定されている場合には非正規モードで特電入賞装置32の開閉動作を実行するとともに、非正規フラグに「1」が設定されていない場合には正規モードで特電入賞装置32の開閉動作を実行する。非正規モードでは、正規モードと比較して、特電入賞装置32の開放状態が終了してから次に開放状態となるまでの閉鎖時間が長くなるように設定されている。このため、非正規モードでは、正規モードと比較して、開閉実行モード中に消費する遊技球B1の量が多くなる。低頻度サポートモードの非当選連続期間にて遊技球B1が左側領域PA2を流下するように発射操作を行うとともに、当選連続期間となった場合に遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作を切り換える正規の流れの方が、低頻度サポートモードの非当選連続期間にて遊技球B1が右側領域PA3を流下するように発射操作を行う非正規の流れよりも遊技者にとって有利な構成とすることにより、遊技の流れを把握している遊技者が故意に非正規の流れで遊技を行うことを防止できる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、調整機構620における遊技球B1を排出するための構成、及び遊技盤610における第1スルーゲート35の開口の傾斜が上記第1の実施形態とは相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
先ず本実施形態における調整機構620の構成を図61に基づいて説明する。調整機構620は、第1スルーゲート35に遊技球B1を周期的に供給する。図61は第1スルーゲート35及び当該第1スルーゲート35の上方の構成を拡大して示す遊技盤610の正面図である。図61に示すように、本実施形態の遊技盤610において、第1スルーゲート35の上方には、上記第1の実施形態における調整機構180に代えて調整機構620が設けられている。
図61に示すように、本実施形態の調整機構620において、収容部181は、左側起立壁181hと、上記第1の実施形態において説明した右側起立壁181dを備えており、回転体183を収容する収容空間を区画している。
左側起立壁181h及び右側起立壁181dは、ベース体181aの前面から前方に向けて突出する態様で、ベース体181aの周方向に間隔を置いて形成されている。図61に示すように、左側起立壁181hと右側起立壁181dとが離間されていることで、調整機構620の上部に上記第1の実施形態において説明した取込口185が存在しているとともに、調整機構620の右下部に排出口621が存在している。図61に示すように、排出口621は、遊技球B1の直径よりもひと回り大きな幅を有している。
図61に示すように、調整機構620は、回転体183の後方に上記第1の実施形態において説明した調整用駆動部184を備えている。調整用駆動部184はMPU62(図12)の出力ポートに接続されている。本実施形態において、調整用駆動部184は、駆動信号が供給されて駆動状態となることにより、回転体183を5sec間に90°の角速度で時計回りにゆっくりと回転させる。
回転体183のいずれかの凹み部183b~183eが調整機構620の上部に位置する取込口185において上方に開放された状態となった場合に、調整機構620は遊技球B1を取り込み可能な状態となるとともに、いずれかの凹み部183b~183eが調整機構620の右下部に位置する排出口621において右下方に開放された状態となった場合に、調整機構620は遊技球B1を排出可能な状態となる。
取込口185において遊技球B1を取り込み可能な状態の継続時間及び排出口621において遊技球B1を排出可能な状態の継続時間は、回転体183の回転速度に依存して決まる。回転体183の回転速度が遅い場合には、取込口185及び排出口621において、凹み部183b~183eが外部に開放されている時間が長くなる。これにより、遊技球B1を取り込み可能な状態及び排出可能な状態の継続時間が延びる。
本実施形態では、排出口621において、遊技球B1を排出可能な状態が遊技球B1の排出完了まで継続するように、回転体183の回転速度が十分遅く設定されている。排出口621から遊技球B1が排出される流れは、排出される遊技球B1がいずれの凹み部183b~183eに取り込まれていた場合においても共通である。このため、以下では、第1凹み部183bに取り込まれた遊技球B1を例として、図61を参照しながら、調整機構620における遊技球B1の排出態様について説明する。
図61に示すように、第1凹み部183bに取り込まれてベース体181aの周方向を時計回りに搬送された遊技球B1は、調整機構620の右下部において排出口621と第1凹み部183bとが重なり、第1凹み部183bが右下方に向けて開放された場合に排出される。
詳細には、回転体183が回転することにより、第1凹み部183bが排出口621と重なり始めた状態となっても、第1凹み部183bにおいて外部に開放されている領域の幅が遊技球B1の直径よりも狭い場合には、第1凹み部183b内の遊技球B1が外部に排出されることはない。当該状態において、第1凹み部183b内の遊技球B1は、第1凹み部183bの内壁と右側起立壁181dとに支持されることで下方への落下が阻止されている状態となる。
回転体183の回転が進むことにより、遊技球B1を支えている第1凹み部183bの内壁と右側起立壁181dとの距離が長くなることにより、第1凹み部183bにおいて外部に開放されている領域の幅が広くなる。そして、第1凹み部183bの内壁と右側起立壁181dとの距離が遊技球B1の直径よりも長くなった場合に、遊技球B1は支えを失って下方に落下する。
回転体183の回転が速い場合には、排出口621において、第1凹み部183bが外部に向けて開放されている状態となってから遊技球B1が実際に排出されるまでの間に回転体183の回転が進み、排出途中の遊技球B1が回転体183と左側起立壁181hとに挟まれたり、遊技球B1が排出される前に第1凹み部183bが外部に開放されている状態が終了したりする可能性がある。これに対して、本実施形態では、回転体183の回転速度が十分に遅く設定されている。このため、遊技球B1は第1凹み部183bが外部に向けて開放されている状態となってから、当該状態が終了するまでの間に排出される。
上記第1の実施形態において既に説明したとおり、取込口185は、回転体183のいずれかの凹み部183b~183eが上方に向けて開放されている場合に遊技球B1を取り込み可能な取込許可状態となる。回転体183の回転速度を遅く設定した場合、取込口185における1回の取込許可状態の継続時間が長くなる。このため、上方に開放されている凹み部183b~183eに取り込まれる遊技球B1が存在しないまま取込許可状態が終了する可能性を低減することができる。これにより、調整機構620が排出タイミングを迎えた場合に当該調整機構620から第1スルーゲート35に向けて排出される遊技球B1が存在しない状態となる頻度を下げることができる。
上記第1の実施形態にて既に説明したとおり、1回の取込許可状態の間に回転体183のいずれかの凹み部183b~183eに取り込み可能な遊技球B1は1個に限られている。回転体183の回転速度を遅く設定すると、単位時間当たりに調整機構620が取込許可状態となる頻度が減少するため、調整機構620が単位時間当たりに取り込み可能な遊技球B1の数も減少することとなる。
これに対して、上記第1の実施形態にて既に説明したとおり、調整機構620は、取込口185付近に流下して来た遊技球B1を、釘24bと左側起立壁181hとの間、又は釘24bと右側起立壁181dとの間から調整機構180の左右の空間に排出することができるとともに、取込口185の後方に設けられている通路入口171から逃げ通路172に向けて排出することができる。このため、取込口185付近に流下して取込口185に取り込まれなかった遊技球B1の数が増加しても、当該遊技球B1が取込口185付近に滞留することを阻止できる。
また、既に説明したとおり、排出口621は調整機構620の右下部に存在しており、調整機構620の上部にて取り込まれた遊技球B1は、回転体183の中心の周りを180°回転するよりも早いタイミングで外部に排出される。調整機構620の上部にて取り込まれた遊技球B1が回転体183の中心の周りを180°以上回転することはない。このため、調整機構620の下部に到達した遊技球B1が回転体183の回転により再び上昇することはない。
図61に示すように、左側起立壁181hは、排出口621から下方に向けて落下する遊技球B1と接触する端面181iを備えている。当該端面181iは右方に向けて下方に傾斜しており、排出口621から排出される遊技球B1と接触して、当該遊技球B1を右下方に案内する。
既に説明したとおり、排出口621の幅は遊技球B1の直径よりもひと回り広い程度であり、比較的狭く設定されている。このため、排出口621における遊技球B1の排出開始位置のばらつきを小さく抑えることができる。また、遊技球B1の排出開始位置のばらつきが小さいため、排出口621から排出される遊技球B1の大部分を左起立壁261の端面181iと接触させることができる。これにより、遊技球B1の排出方向のばらつきを小さく抑えることができる。
図61に示すように、遊技盤610において、第1スルーゲート35は、排出口621の下方に位置している。排出口621から第1スルーゲート35までの距離は遊技球B1の直径よりもひと回り長く設定されている。排出口621と第1スルーゲート35との間に遊技球B1が通過可能な隙間が存在することにより、排出口621から排出された遊技球B1の一部が第1スルーゲート35から外れる可能性がある。例えば、排出口621から排出された遊技球B1の進路が左右のいずれかにずれ、遊技球B1が第1スルーゲート35の縁に衝突した場合には、第1スルーゲート35への入賞が発生しない可能性がある。
調整機構620から排出される遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞する構成を避けることにより、遊技者の調整機構620への関心が遊技球B1の取り込みのみに限定されることを回避できる。また、排出口621から第1スルーゲート35までの距離を短く設定することにより、排出口621から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞するタイミングに対する遊技球B1の排出速度の影響を抑えることができる。
図61に示すように、本実施形態における第1スルーゲート35は、排出口621において、左側起立壁181hの端面181iに案内されて右下方に向けて落下する遊技球B1の入球を容易とするために、左方に向けて下方に傾斜する態様で遊技盤610に設けられている。
図61に示すように、排出口621において、左側起立壁181hの端面181iに案内されて右下方に向けて排出された遊技球B1は、引力の影響により下方に向けて徐々に進路を修正しながら落下する。第1スルーゲート35の傾斜角は、排出口621から排出された遊技球B1の第1スルーゲート35の高さ位置における進路に略垂直となるように設定されている。これにより、遊技球B1が第1スルーゲート35の縁と衝突することなくスムーズに入賞する可能性が高められている。第1スルーゲート35に入賞する直前で遊技球B1が第1スルーゲート35の縁と接触することを防ぐことにより、第1スルーゲート35の縁と接触した遊技球B1の入賞タイミングがずれたり、遊技球B1が第1スルーゲート35から外れたりする可能性を低減することができる。
既に説明したとおり、排出口621における遊技球B1の排出開始位置のばらつき及び排出方向のばらつきが小さく抑えられているため、排出口621から排出される遊技球B1の大部分を第1スルーゲート35にスムーズに入賞させることができる。
次に、本実施形態における低頻度用当選判定値テーブルについて説明する。上記第1の実施形態において説明したとおり、主側ROM64(図12)に記憶されている低頻度用当選判定値テーブルには、低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選の対象となる当選判定値が記録されている。本実施形態の低頻度用当選判定値テーブルには、上記第1の実施形態において、図14(a)を参照しながら説明した低頻度用当選判定値テーブルT1に設定されている当選判定値とは異なる値が設定されている。
本実施形態の低頻度用当選判定値テーブルにおいて、普電開放抽選の当選判定値は、(1250×n-5)~(1250×n)に設定されている。ここで、変数nは1~52の自然数である。低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において普電開放当選となる確率は略1/210である。
普電開放当選の対象となる当選判定値は6個単位で連番となっている。また、普電役物開放カウンタC4(図13)における開放用乱数の更新周期は4msecである。このため、普電役物開放カウンタC4では、更新されている開放用乱数が低頻度サポートモードの普電開放抽選における普電開放当選対象の当選判定値となる期間が24msecに亘って継続する。
低頻度サポートモードにおいて、普電開放当選の対象となる当選判定値が24msecに亘って継続する当選対象期間は5sec周期で発生する。上述のように、調整機構620から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35に入賞する入賞可能タイミングが発生する周期は、低頻度サポートモードにて当選対象期間が発生する周期と同じ5secである。
このため、低頻度サポートモードにおいて、入賞可能タイミングが当選対象期間と重なることにより、普電開放当選が連続して発生する当選連続期間となる。当該当選連続期間は、普電役物開放カウンタC4の初期値更新が行われて当選対象期間の発生タイミングがずれるまで継続する。当選対象期間の発生タイミングがずれた場合には、再び当選対象期間と入賞可能タイミングとが重なるまで、低頻度サポートモードで実行される普電開放抽選において外れ結果が続く非当選連続期間となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
排出口621は、調整機構620の上部にて取り込まれた遊技球B1が回転体183の中心の周りを180°回転するよりも前に到達する位置に設けられている。また、排出口621において、凹み部183b~183eからの遊技球B1の排出が可能な状態となった場合に遊技球B1の排出完了前に当該状態が終了しないように、調整用駆動部184が駆動制御される。これにより、調整機構620の上部から下方に搬送された遊技球B1が回転体183の中心周りを180°以上回転して再び上昇することが防止されている。
左側起立壁181hは、排出口621から自重により下方に落下しようとする遊技球B1と接触して遊技球B1を右下方に案内する端面181iを備えている。また、排出口621の幅は遊技球B1の直径よりもひと回り広く設定されている。排出口621の幅が比較的狭く設定されているため、排出口621から排出される遊技球B1の排出開始位置のばらつきは小さく、排出口621から排出される大部分の遊技球B1を左起立壁261の端面181iと接触させて右下方に案内することができる。このため、排出口621から排出される遊技球B1の排出方向のばらつきを小さくすることができる。
調整機構620から排出される遊技球B1の排出開始位置のばらつきが小さいとともに、排出方向のばらつきが小さい。このため、調整機構620から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35の高さ位置まで落下した場合の移動方向のばらつきも小さい。第1スルーゲート35は、調整機構620から排出され、第1スルーゲート35の高さ位置まで流下した遊技球B1の移動方向に対して垂直な開口となるように、左方に向けて下方に傾斜している。このため、調整機構620から排出された遊技球B1が第1スルーゲート35の縁に衝突することなくスムーズに取り込まれ易くなっている。これにより、第1スルーゲート35に入賞する直前で遊技球B1が第1スルーゲート35の縁と衝突して入賞タイミングがずれたり、第1スルーゲート35から外れたりすることが防止されている。
調整機構620の排出口621から第1スルーゲート35までの距離は、遊技球B1の直径よりもひと回り長く設定されている。排出口621と第1スルーゲート35との間に遊技球B1の直径よりも大きな隙間が存在するため、調整機構620から排出された遊技球B1の全てが第1スルーゲート35に入賞する構成となることを回避できる。また、排出口621から第1スルーゲート35までの距離が比較的短いため、遊技球B1が毎回異なる排出速度で排出されたとしても、当該排出速度の違いが第1スルーゲート35への入賞タイミングに大きな影響を与えない構成とすることができる。これにより、当選連続期間において、排出速度の違いにより第1スルーゲート35への入賞タイミングがずれて普電開放当選とならない事態を回避することができる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、管理側I/F111における入力ポート121の第1~第16バッファ122a~122pのうち、入力される信号の種類が管理用IC66の設計段階において決定されているバッファの種類が上記第1の実施形態と相違している。また、入力される信号の種類を管理側CPU112に特定させるために主側CPU63にて実行される処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図62は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1~第7バッファ122a~122g及び第16バッファ122pには、上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら信号の入力対象となるバッファが異なっている。具体的には、開閉実行モードに対応する信号は開閉実行モード中信号として第13バッファ122mに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号は高頻度サポートモード中信号として第14バッファ122nに入力され、前扉枠14に対応する信号は扉開放中信号として第15バッファ122oに入力される。
第13バッファ122mに開閉実行モード中信号が入力されること、第14バッファ122nに高頻度サポートモード中信号が入力されること、第15バッファ122oに扉開放中信号が入力されること、及び第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第13~第16バッファ122m~122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第12バッファ122a~122lにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
図63は主側CPU63にて実行される本実施形態の認識用処理を示すフローチャートである。なお、認識用処理は上記第1の実施形態と同様にメイン処理(図17)におけるステップS110にて実行される。
まず主側RAM65の認識用出力カウンタに、信号の種類の認識対象となる第1~第12バッファ122a~122lの数である「12」をセットする(ステップS1701)。その後、識別開始信号の出力処理を実行する(ステップS1702)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高頻度サポートモード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別開始信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの現状の値に対応する出力回数の情報を主側ROM64から読み出し、その読み出した出力回数の情報を主側RAM65に設けられた出力回数カウンタにセットする(ステップS1703)。出力回数カウンタは、種類識別用信号の出力回数を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
本実施形態では、第1バッファ122a~第12バッファ122lに入力される信号の種類を管理側CPU112に認識させる場合、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数と同一回数、種類識別用信号を出力する。管理側CPU112は第1バッファ122a~第12バッファ122lのそれぞれについて種類識別用信号を受信した回数に対応する情報を、対応関係用メモリ116の第1~第12対応関係エリア123a~123lに格納する。つまり、第1バッファ122a~第12バッファ122lに入力される信号の種類が、その信号の種類に対応する入球部に対して設定されている賞球個数として把握される。
ステップS1703では、認識用出力カウンタの値が「12」、「11」及び「10」のいずれかである場合、一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「9」である場合、特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「8」である場合、第1作動口33の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「7」である場合、第2作動口34の賞球個数に対応する「1」を出力回数カウンタにセットする。また、認識用出力カウンタの値が「6」である場合、アウト口24aに対応しているものの当該アウト口24aに遊技球が入球したとしても遊技球の払い出しは実行されないため、出力回数カウンタに「0」をセットする。また、認識用出力カウンタの値が「5」~「1」のいずれかである場合、対応する入球部が存在しておらずブランクであるため、出力回数カウンタに「0」をセットする。
その後、開始契機信号の出力処理を実行する(ステップS1704)。当該出力処理では、第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態をHIレベルに設定することで、開始契機信号の出力を開始する。第1信号をHIレベルに維持する期間は、第1信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値が「0」ではないことを条件として(ステップS1705:YES)、すなわちステップS1703にて1以上の値が出力回数カウンタにセットされたことを条件として、ステップS1706に進む。ステップS1706では、種類識別用信号の出力処理を実行する。当該出力処理では、第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態をHIレベルに設定することで、種類識別信号の出力を開始する。第2信号をHIレベルに維持する期間は、第2信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の出力回数カウンタの値を1減算し(ステップS1707)、その1減算後における出力回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1708)。出力回数カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1708:NO)、ステップS1706に戻る。
ステップS1705にて肯定判定をした場合、又はステップS1708にて肯定判定をした場合、終了契機信号の出力処理を実行する(ステップS1709)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態をHIレベルに設定することで、終了契機信号の出力を開始する。第3信号をHIレベルに維持する期間は、第3信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
その後、主側RAM65の認識用出力カウンタの値を1減算し(ステップS1710)、その1減算後における認識用出力カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS1711)。認識用出力カウンタの値が1以上である場合には(ステップS1711:NO)、ステップS1703に戻り、1減算後における認識用出力カウンタの値に対応する信号の種類を認識させるための処理を実行する。
一方、認識用出力カウンタの値が「0」である場合には(ステップS1711:YES)、識別終了信号の出力処理を実行する(ステップS1712)。当該出力処理では、第3バッファ122cに入力される第3信号、第13バッファ122mに入力される開閉実行モード中信号、第14バッファ122nに入力される高頻度サポートモード中信号のそれぞれの出力状態をHIレベルに設定することで、識別終了信号の出力を開始する。これら信号をHIレベルに維持する期間は、これら信号の出力状態を管理側CPU112にて認識するのに十分な期間に設定されている。
次に、管理側CPU112にて実行される本実施形態における管理処理について、図64のフローチャートを参照しながら説明する。管理処理は、上記第1の実施形態と同様に管理側CPU112への動作電力の供給が開始された場合に開始される。
主側CPU63からの識別開始信号の受信が終了した場合(ステップS1801:YES)、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1802)。その後、主側CPU63から開始契機信号を受信していることを条件として(ステップS1803:YES)、ステップS1804に進む。ステップS1804では、主側CPU63から種類識別用信号を受信しているか否かを判定する。種類識別用信号を受信している場合(ステップS1804:YES)、管理側RAM114に設けられた受信回数カウンタの値を1加算する(ステップS1805)。受信回数カウンタは、主側CPU63から種類識別用信号を受信した回数を管理側CPU112にて特定するためのカウンタである。なお、受信回数カウンタの値はステップS1803にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。
ステップS1804にて否定判定をした場合、又はステップS1805の処理を実行した場合、主側CPU63から終了契機信号を受信しているか否かを判定する(ステップS1806)。終了契機信号を受信していない場合(ステップS1806:NO)、ステップS1804に戻り、終了契機信号を受信している場合(ステップS1806:YES)、対応関係設定処理を実行する(ステップS1807)。対応関係設定処理では、対応関係用メモリ116の第1~第12対応関係エリア123a~123lのうち、管理側RAM114の設定対象カウンタにおける現状の値に対応する対応関係エリアに、受信回数カウンタにセットされている値を格納する。この場合、第1対応関係エリア123a、第2対応関係エリア123b及び第3対応関係エリア123cには一般入賞口31の賞球個数に対応する「10」がセットされ、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32の賞球個数に対応する「15」がセットされ、第5対応関係エリア123eには第1作動口33の賞球個数に対応する「1」がセットされ、第6対応関係エリア123fには第2作動口34の賞球個数に対応する「1」がセットされる。また、第7~第12対応関係エリア123g~123lには「0」がセットされる。その後、管理側RAM114の設定対象カウンタの値を1加算する(ステップS1808)。
ステップS1803にて否定判定をした場合、又はステップS1808の処理を実行した場合、主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了したか否かを判定する(ステップS1809)。識別終了信号の受信が終了していない場合(ステップS1809:NO)、ステップS1803に戻り、主側CPU63から開始契機信号を受信することを条件として(ステップS1803:YES)、ステップS1804以降の処理を実行する。主側CPU63からの識別終了信号の受信が終了している場合(ステップS1809:YES)、ステップS1810の履歴設定処理及びステップS1811の外部出力用処理を繰り返し実行する。
図65は第1~第12バッファ122a~122lとこれらバッファ122a~122lに入力される信号の種類との対応関係の情報が対応関係用メモリ116に格納される様子を示すタイムチャートである。図65(a)は第1信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図65(b)は第2信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図65(c)は第3信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図65(d)は開閉実行モード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図65(e)は高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルとなっている期間を示し、図65(f)は第1~第12バッファ122a~122lとこれらバッファ122a~122lに入力される信号の種類との対応関係を識別するための処理が実行される識別状態の実行期間を示し、図65(g)は管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算されるタイミングを示し、図65(h)は管理側CPU112にて対応関係設定処理(ステップS1807)が実行されるタイミングを示す。
主側CPU63及び管理側CPU112への動作電力の供給が開始されることで、t1のタイミングで、図65(a)、図65(d)及び図65(e)に示すように、第1信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が開始される。その後、t2のタイミングで、第1信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別開始信号の出力が停止される。当該t2のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図64)のステップS1801にて肯定判定をすることで、図65(f)に示すように識別状態となる。
その後、t3のタイミング~t4のタイミングに亘って図65(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t5のタイミング~t7のタイミングに亘って図65(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号が1回出力された状態となる。この場合、t6のタイミングで、図65(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
その後、t8のタイミング~t10のタイミングに亘って図65(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t9のタイミングで、図65(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「1」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a~123lに対応関係情報として「1」の情報を格納する。
その後、t11のタイミング~t12のタイミングに亘って図65(a)に示すように第1信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に開始契機信号が出力された状態となる。そして、t13のタイミング~t15のタイミング、t16のタイミング~t18のタイミング、t19のタイミング~t21のタイミング、及びt22のタイミング~t24のタイミングのそれぞれに亘って図65(b)に示すように第2信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に種類識別用信号がそれぞれ1回出力された状態となる。この場合、t14のタイミング、t17のタイミング、t20のタイミング、t23のタイミングのそれぞれで、図65(g)に示すように管理側RAM114の受信回数カウンタの値が1加算される。
その後、t25のタイミング~t27のタイミングに亘って図65(c)に示すように第3信号の出力状態がHIレベルに維持される。これにより、管理側CPU112に終了契機信号が出力された状態となる。この場合、t26のタイミングで、図65(h)に示すように管理側CPU112にて対応関係設定処理が実行される。当該対応関係設定処理が実行されるタイミングでは受信回数カウンタの値が「10」となっているため、対応関係用メモリ116における今回の設定対象の対応関係エリア123a~123lに対応関係情報として「10」の情報を格納する。
その後、t28のタイミングで、図65(c)、図65(d)及び図65(e)に示すように、第3信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が開始される。その後、t29のタイミングで、第3信号、開閉実行モード中信号及び高頻度サポートモード中信号の出力状態がHIレベルからLOWベルに変更される。これにより、主側CPU63から管理側CPU112への識別終了信号の出力が停止される。当該t29のタイミングで、管理側CPU112は管理処理(図64)のステップS1809にて肯定判定をすることで、図65(f)に示すように識別状態が解除される。
なお、本実施形態では対応関係情報として賞球個数の情報が格納されるため、履歴用メモリ117に格納される履歴情報にはその履歴情報の格納契機となった入球部に対応する賞球個数の情報が対応関係情報として含まれる。当該構成においては、賞球個数が同一である入球部が複数種類存在している場合、履歴情報においてそれら入球部を区別することができない。具体的には、第1作動口33と第2作動口34とは賞球個数がいずれも1個であるため、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することができない。このような事情において第1作動口33と第2作動口34との賞球個数を異ならせてもよい。これにより、本第8の実施形態のような履歴情報が格納される構成であっても、履歴情報において第1作動口33と第2作動口34とを区別することが可能となる。
また、本実施形態では履歴設定処理のステップS801において管理側RAM114の確認対象カウンタに「15」をセットする。これにより、第1~第15バッファ122a~122oの全てが確認対象となる。
以上詳述した本実施形態によれば、出力指示信号だけではなく、開閉実行モード中であるか否かに対応する情報、高頻度サポートモード中であるか否かに対応する情報、及び前扉枠14が開放中であるか否かに対応する情報についても、これら情報に対応する信号経路であることを主側CPU63からの対応関係情報を受信しなくても管理側CPU112にて特定可能となっている。この場合、各入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する情報のみが、各情報と各信号経路118a~118gとの対応関係を主側CPU63から管理側CPU112に認識させる必要がある情報となる。そして、対応関係情報を管理側CPU112に認識させる場合、各入球検知センサ42a~48aに対応する賞球個数と同一の数のパルス信号が第2信号を利用して主側CPU63から管理側CPU112に出力される。これにより、対応関係情報の送信に関する構成を簡素化することが可能となる。
<第9の実施形態>
本実施形態では履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される契機が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図66は本実施形態における管理用IC66の電気的構成を説明するためのブロック図である。管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。これらの機能は上記第1の実施形態と同様である。
管理用IC66には上記以外にも演算結果用メモリ631が設けられている。本実施形態では詳細は後述するように演算契機が発生した場合に、その時点で履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。そして、その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ631に順次記憶される。演算結果用メモリ631に記憶された各種パラメータは、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置に出力される。
各種パラメータの演算契機は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続されるタイミングよりも前に発生する。これにより、各種パラメータを演算する時期と、読み取り装置に外部出力する時期とを異ならせることが可能となり、処理負荷を分散させることが可能となる。
また、各種パラメータの演算結果を格納するための演算結果用メモリ631が設けられていることにより、1回の演算契機分の各種パラメータだけではなく、複数回の演算契機分の各種パラメータをまとめて記憶しておくことが可能となる。これにより、各回の演算契機において各種パラメータを算出するまでに要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
図67は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1~第10バッファ122a~122j及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には、第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第8バッファ122hには開閉実行モードに対応する信号が入力され、第9バッファ122iには高頻度サポートモードに対応する信号が入力され、第10バッファ122jには前扉枠14に対応する信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
本実施形態では、上記各種信号以外にも、第15バッファ122oに演算指示信号が入力される。演算指示信号は、各種パラメータの演算契機を管理側CPU112に提供するために主側CPU63から出力される信号である。第15バッファ122oに演算指示信号が入力されることは、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることと同様に、管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112はこれら第15~第16バッファ122o~122pにそれぞれに対応する上記各信号が入力されることを特定可能となっている。一方、第1~第14バッファ122a~122nにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。
次に、演算契機の発生に対して管理側CPU112にて各種パラメータの演算が実行されるようにするための処理構成について説明する。図68は主側CPU63にて実行される停電情報記憶処理を示すフローチャートである。なお、停電情報記憶処理はタイマ割込み処理(図18)におけるステップS201にて実行される。
停電情報記憶処理では、停電監視基板67から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信している場合(ステップS1901:YES)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS1902)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。その後、ステップS1903にて停電時処理を実行した後に、無限ループとなり、主側CPU63への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。停電時処理では、主側RAM65の停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムを算出しその算出したチェックサムを保存する。
図69は管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。なお、停電対応処理は管理処理(図34)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS1006:YES)、ステップS1007の履歴設定処理、ステップS1008の外部出力用処理、及び停電対応処理をこの順序で繰り返し実行する。
停電対応処理では、主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2001:YES)、ステップS2002~ステップS2006にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1602~ステップS1606と同様に、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対する入球個数を演算する。また、ステップS2007にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1607と同様に、前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2008にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1608と同様に、各種パラメータを演算し、ステップS2009にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1609と同様に、合計時間を演算する。そして、ステップS2008の演算結果の情報及びステップS2009の演算結果の情報を演算結果用メモリ631に書き込む(ステップS2010)。この場合、演算結果用メモリ631に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、ステップS2011にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1611と同様に、開閉実行モード中の各種入球個数を演算し、ステップS2012にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1612と同様に、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2013にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1613と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS2014の演算結果の情報を演算結果用メモリ631に書き込む(ステップS2014)。この場合、演算結果用メモリ631に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、ステップS2015にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1615と同様に、高頻度サポートモード中の各種入球個数を演算し、ステップS2016にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1616と同様に、高頻度サポートモード中であって前扉枠14が開放中の状況における各種入球個数を演算する。また、ステップS2017にて、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1617と同様に、各種パラメータを演算する。そして、ステップS2017の演算結果の情報を演算結果用メモリ631に書き込む(ステップS2018)。この場合、演算結果用メモリ631に既に記憶されている他の演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。その後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
図70は管理側CPU112にて実行される外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は管理処理(図34)のステップS1208にて実行される。
主側CPU63から出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2101:YES)、演算結果の出力処理を実行する(ステップS2102)。当該出力処理では、演算結果用メモリ631に記憶されている各種演算結果を読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、演算結果用メモリ631に記憶されている各種演算結果が読み取られる。この場合、演算結果用メモリ631に1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが記憶されている場合にはその1回の演算契機の発生に対応する各種演算結果のみが読み取り装置において読み取られ、演算結果用メモリ631に複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が記憶されている場合にはそれら複数回の演算契機の発生に対応する各種演算結果が読み取り装置において読み取られる。
その後、履歴情報の出力処理を実行する(ステップS2103)。当該出力処理では、履歴用メモリ117の履歴用エリア124に格納されている全ての履歴情報を順次、読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、履歴用エリア124に格納されている各種履歴情報が読み取られる。このように各種演算結果だけではなく履歴情報も出力することで、各種演算結果に対する詳細な分析を読み取り装置を利用した作業者において行うことが可能となる。
その後、クリア処理を実行する(ステップS2104)。クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、クリア処理では、演算結果用メモリ631の各エリアを全て「0」クリアする。これにより、演算結果用メモリ631が初期化された状態となる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主側CPU63への動作電力の供給が停止される場合に管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、各営業日単位で各種パラメータを管理することが可能となる。
主側CPU63において動作電力の供給が停止されることが特定された場合に演算指示信号の出力状態がHIレベルに変更されることにより、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。これにより、主側CPU63からの指示に基づき管理側CPU112にて各種パラメータが演算されるようにすることが可能となる。
管理側CPU112にて演算された各種パラメータは演算結果用メモリ631に順次書き込まれていく。これにより、各種パラメータを管理用IC66にて蓄積していくことが可能となり、読み取り装置により各種パラメータを読み取る場合には、複数の営業日の各種パラメータをまとめて読み出すことが可能となる。
演算結果用メモリ631に各種パラメータが書き込まれる場合、その各種パラメータが演算された時期を特定可能とする情報が当該各種パラメータに付随させて演算結果用メモリ631に書き込まれる。これにより、各種パラメータが演算された時期を把握しながら、各種パラメータ情報を分析することが可能となる。
なお、演算契機が発生してそれに対する各種パラメータの演算結果が演算結果用メモリ631に書き込まれた場合には履歴用メモリ117を「0」クリアする構成としてもよい。これにより、記憶可能な上限数の履歴情報が既に履歴用メモリ117に記憶されている状況において新たな履歴情報が履歴用メモリ117への書き込み対象となってしまう事象が発生しづらくなる。
また、読み取り装置に外部出力される対象の情報が演算結果用メモリ631に記憶されている各種パラメータの情報だけであり、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報は外部出力されない構成としてもよい。これにより、外部出力される情報量を抑えることが可能となる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて実行される停電対応処理の処理構成が上記第9の実施形態と相違している。以下、上記第9の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第9の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図71は本実施形態において管理側CPU112にて実行される停電対応処理を示すフローチャートである。
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2201:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2202)。各種演算処理では、上記第9の実施形態における停電対応処理(図69)のステップS2002~ステップS2009、ステップS2011~ステップS2013、及びステップS2015~ステップS2017の各処理を実行する。
その後、ステップS2202にて演算した各種パラメータのうち所定のパラメータが基準範囲であるか否かを判定する(ステップS2203)。具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
の2つのパラメータが基準範囲であるか否かの判定対象のパラメータとして設定されている。そして、第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、所定のパラメータが基準範囲であるとしてステップS2203にて肯定判定をする。
なお、所定のパラメータは第7パラメータ及び第8パラメータに限定されることはなく、これらに代えて又は加えて、他のパラメータが所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。例えば、
・第2パラメータ:一般入賞口31への遊技球の合計入球個数K2/遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数(K1+K2+K3+K4+K5)の割合
が所定のパラメータとして設定されている構成としてもよい。この場合、例えば第2パラメータの値が0.1以上であって0.2以下である場合に、所定のパラメータが基準範囲であると判定される構成としてもよい。また、ステップS2203にて判定対象となる所定のパラメータのみがステップS2202の各種演算処理にて演算される構成としてもよい。
所定のパラメータが基準範囲ではない場合(ステップS2203:NO)、ステップS2202にて演算した各種パラメータを演算結果用メモリ631に書き込む(ステップS2204)。この場合、演算結果用メモリ631に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
一方、所定のパラメータが基準範囲である場合(ステップS2203:YES)、ステップS2204の処理を実行しない。これにより、所定のパラメータが基準範囲ではない場合における各種パラメータのみが演算結果用メモリ631に書き込まれることとなる。よって、異常な状況が発生した場合にはその履歴を演算結果用メモリ631に残すようにしながら、演算結果用メモリ631として必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
ステップS2203にて肯定判定をした場合、又はステップS2204の処理を実行した場合、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS2205)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。ステップS2205の処理を実行した後、無限ループとなり、管理側CPU112への動作電力の供給が完全に停止されるまで待機する。
以上詳述した本実施形態によれば、演算された各種パラメータの内容が基準範囲に含まれるか否かが判定され、基準範囲に含まれると判定された各種パラメータのみが演算結果用メモリ631に書き込まれる。これにより、演算結果用メモリ631への記憶対象となる各種パラメータの量を抑えることが可能となり、演算結果用メモリ631において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第9の実施形態と相違している。以下、上記第9の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第9の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図72(a)は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図36)においてステップS1312にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS2301)。ステップS2301にて肯定判定をした場合、主側RAM65に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS2302)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の管理用出力処理(図36)においてステップS1305が実行された回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を、入球カウンタに加算する。
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS2303)。「500」以上である場合(ステップS2303:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS2304)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS2305)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
図72(b)は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は上記第9の実施形態における停電対応処理の代わりに実行される処理である。したがって、演算処理は管理処理(図34)における外部出力用処理の後に実行される構成であり、管理処理では主側CPU63から識別終了コマンドを受信した後は(ステップS1206:YES)、ステップS1207の履歴設定処理、ステップS1208の外部出力用処理、及び演算処理をこの順序で繰り返し実行する。
主側CPU63から受信している演算指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS2401:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2402)。各種演算処理では、上記第9の実施形態における停電対応処理(図69)のステップS2002~ステップS2018と同一の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
<第12の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第11の実施形態と相違している。以下、上記第11の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第11の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図73は主側CPU63にて実行される契機特定処理を示すフローチャートである。なお、契機特定処理は管理用出力処理(図36)においてステップS1312にて肯定判定をした場合の処理として実行される。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したか否かを判定する(ステップS2501)。ステップS2501にて否定判定をした場合、主側RAM65に設けられた継続カウンタの値を1加算する(ステップS2502)。継続カウンタは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が継続している期間を主側CPU63にて特定するためのカウンタである。
1加算後の継続カウンタの値が停止基準値以上である場合(ステップS2503:YES)、主側RAM65に設けられた時間計測フラグを「0」クリアする(ステップS2504)。アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれにも遊技球が入球しない状態が5sec継続した場合にステップS2503にて肯定判定をするように停止基準値が設定されている。また、時間計測フラグは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間の計測を行うべきか否かを主側CPU63にて特定するためのフラグであり、時間計測フラグの値が「0」である場合には当該時間の計測を行わず、時間計測フラグの値が「1」である場合に当該時間の計測を行う。ステップS2501にて肯定判定をした場合には、時間計測フラグに「1」をセットする(ステップS2505)。
ステップS2503にて否定判定をした場合、ステップS2504の処理を実行した場合、又はステップS2505の処理を実行した場合、主側RAM65の時間計測フラグに「1」がセットされていることを条件として(ステップS2506:YES)、主側RAM65に設けられた計測カウンタの値を1加算する(ステップS2507)。計測カウンタは、演算指示信号の出力状態をHIレベルに切り換えるタイミングを特定するための時間を計測するために利用されるカウンタである。
1加算後の計測カウンタの値が指示基準値以上であるか否かを判定する(ステップS2508)。計測カウンタにおいて計測された時間が10時間となった場合にステップS2508にて肯定判定をするように指示基準値が設定されている。ステップS2508にて肯定判定をした場合、当該計測カウンタの値を「0」クリアするとともに(ステップS2509)、演算指示信号の出力処理を実行する(ステップS2510)。当該出力処理では、管理側I/F111の入力ポート121における第15バッファ122oに入力される演算指示信号の出力状態が特定期間に亘ってHIレベルに維持されるようにする。この特定期間は演算指示信号の出力状態がHIレベルとなっていることを管理側CPU112にて認識するために十分な期間となっている。
以上詳述した本実施形態によれば、所定期間が経過する度に各種パラメータが演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで各種パラメータの演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技回が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を各種パラメータの演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における各種パラメータを適切に導き出すことが可能となる。
なお、所定期間が経過したか否かが計測カウンタを利用して計測される構成に代えて、RTC115を利用して計測される構成としてもよい。
<第13の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて各種パラメータの演算を実行させる演算契機の内容が上記第1の実施形態と相違しているとともに、演算契機の発生の有無が主側CPU63にて特定されるのではなく管理側CPU112にて独自に行われる。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図74は管理側CPU112にて実行される演算処理を示すフローチャートである。なお、演算処理は履歴設定処理(図37)においてステップS1412にて肯定判定をした場合に実行される。
今回の処理回の履歴設定処理においてアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの遊技球の入球が発生したことに対応する履歴情報を履歴用メモリ117に格納したか否かを判定する(ステップS2601)。ステップS2601にて肯定判定をした場合、管理側RAM114に設けられた入球カウンタの加算処理を実行する(ステップS2602)。当該加算処理では、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生した遊技球の個数を、今回の処理回の履歴設定処理において遊技球の入球の発生に対応する履歴情報を格納した回数に基づき特定する。そして、その特定した遊技球の個数を入球カウンタに加算する。
その後、入球カウンタの値が契機基準個数である「500」以上となっているか否かを判定する(ステップS2603)。「500」以上である場合(ステップS2603:YES)、主側RAM65の入球カウンタの減算処理を実行する(ステップS2604)。当該減算処理では、入球カウンタの値を「500」減算する。その後、各種演算処理を実行する(ステップS2605)。各種演算処理では、上記第9の実施形態における停電対応処理(図69)のステップS2002~ステップS2018と同一の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となる度に、管理側CPU112にて各種パラメータが演算される。この場合、主側CPU63に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に各種パラメータが演算されるため、一営業日の範囲内において遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が契機基準個数以上となったか否かに基づいて各種パラメータが演算される構成であるため、遊技が実行されていることを条件に各種パラメータが演算される。これにより、遊技が継続して実行されていない状況において無意味に各種パラメータの演算が行われてしまわないようにすることが可能となる。
また、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数が管理側CPU112にて計測され、当該合計個数が契機基準個数以上となったか否かの判定が管理側CPU112にて行われる。つまり、各種パラメータの演算契機が管理側CPU112にて独自に判断される。これにより、各種パラメータの演算契機を判断するための処理を主側CPU63にて実行する必要がないため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
<第14の実施形態>
本実施形態では、管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では上記第9の実施形態と同様に管理用IC66に演算結果用メモリ631が設けられている(図66参照)。管理側CPU112は演算契機が発生した場合、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報を利用して各種パラメータを演算し、その演算結果の各種パラメータを演算結果用メモリ631に書き込む。また、本実施形態では開閉実行モードが開始されたことを示す信号と、開閉実行モードが終了したことを示す信号と、高頻度サポートモードが開始されたことを示す信号と、高頻度サポートモードが終了したことを示す信号と、前扉枠14の開放が開始されたことを示す信号と、前扉枠14の開放が終了したことを示す信号と、がそれぞれ個別に主側CPU63から管理用IC66に送信される。
図75は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS2701)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では第1~第7対応関係エリア123a~123gにいずれかの入球部に対応していることを示す情報が格納されており、第8対応関係エリア123hに開閉実行モードの開始に対応する情報が格納されており、第9対応関係エリア123iに開閉実行モードの終了に対応する情報が格納されており、第10対応関係エリア123jに高頻度サポートモードの開始に対応する情報が格納されており、第11対応関係エリア123kに高頻度サポートモードの終了に対応する情報が格納されており、第12対応関係エリア123lに前扉枠14の開放開始に対応する情報が格納されており、第13対応関係エリア123mに前扉枠14の開放終了に対応する情報が格納されている。したがって、ステップS2701では確認対象カウンタに「13」をセットする。
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS2702)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10バッファ122jが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となる。
ステップS2702にて肯定判定をした場合には、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS2703)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS2704)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS2703にて読み出したRTC情報を書き込む。また、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oから対応関係情報を読み出し、その対応関係情報を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「10」であれば第10対応関係エリア123jが対応関係情報の読み出し対象となり、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となる。
その後、対象ポインタの値を1加算する(ステップS2705)。具体的には、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し、その数値情報を1加算する。そして、その1加算後におけるポインタ情報が、履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する(ステップS2706)。
最大値を超えている場合(ステップS2706:YES)、各種演算処理を実行する(ステップS2707)。各種演算処理では、上記第1の実施形態における外部出力用処理(図40)のステップS1402~ステップS1409、ステップS1411~ステップS1413及びステップS1415~ステップS1417と同一の処理を実行する。そして、その演算結果の各種パラメータ及び合計時間の情報を演算結果用メモリ631に書き込む(ステップS2708)。この場合、演算結果用メモリ631に既に他の演算結果の情報が記憶されている場合には、その既に記憶されている演算結果の情報を上書きしてしまわないように演算結果の情報の書き込みを行う。また、RTC115から現状の年月日情報及び時刻情報を読み出し、その読み出した年月日情報と時刻情報とを今回書き込みを行った演算結果の情報に付随させる。これにより、今回書き込みを行った演算結果の情報が、いつのタイミングに対応したものであるかを特定することが可能となる。
その後、状態情報の引き継ぎ処理を実行する(ステップS2709)。当該引き継ぎ処理では、履歴用メモリ117に格納されている履歴情報に基づき、現状が開閉実行モード中であるか否か、高頻度サポートモード中であるか否か、及び前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。そして、それらの状態情報を管理側RAM114に書き込む。
その後、履歴用メモリ117のクリア処理を実行する(ステップS2710)。当該クリア処理では、履歴用メモリ117の履歴情報格納エリア125を全て「0」クリアするとともに、ポインタ用エリア126を「0」クリアする。これにより、履歴用エリア124が初期化された状態となる。また、当該クリア処理を実行した後に、ステップS2709にて管理側RAM114に書き込んだ状態情報を読み出す。そして、開閉実行モード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には開閉実行モード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、高頻度サポートモード中であることを示す状態情報が記憶されている場合には高頻度サポートモード中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。また、前扉枠14が開放中であることを示す状態情報が格納されている場合には前扉枠14が開放中であることを示す履歴情報を書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込むとともに、書き込み対象となるポインタ情報を1加算する。
ステップS2702にて否定判定をした場合、ステップS2706にて否定判定をした場合、又はステップS2710の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS2711)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2712)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2712:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS2702以降の処理を実行する。
以上詳述した本実施形態によれば、履歴用メモリ117に記憶されている履歴情報が当該履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超える場合に各種パラメータが演算される。これにより、履歴用メモリ117に記憶可能な上限数を超えて履歴情報が記憶対象となってしまい各種パラメータの演算を正確に行えなくなってしまうという事態の発生を阻止することが可能となる。
また、各種パラメータが演算された場合に履歴用メモリ117が初期化されて履歴情報が全て消去される。これにより、既に各種パラメータの演算対象となった履歴情報が、再度、各種パラメータの演算対象となってしまわないようにすることが可能となる。
また、履歴用メモリ117が初期化された場合であっても状態情報の引き継ぎ処理が実行される。これにより、状態情報の管理を適切に行うことが可能となる。
<第15の実施形態>
本実施形態では、履歴用メモリ117の構成及び管理側CPU112にて実行される履歴設定処理の処理構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図76は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、合計用エリア641と、第1状態用エリア642と、第2状態用エリア643と、第3状態用エリア644と、が設けられている。これら各エリア641~644のそれぞれには、第1~第15カウンタ641a~641o,642a~642o,643a~643o,644a~644oが設けられている。各エリア641~644の第1カウンタ641a~644aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第2カウンタ641b~644bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第3カウンタ641c~644cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第4カウンタ641d~644dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第5カウンタ641e~644eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第6カウンタ641f~644fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第7カウンタ641g~644gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第8カウンタ641h~644hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第9カウンタ641i~644iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第10カウンタ641j~644jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第11カウンタ641k~644kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第12カウンタ641l~644lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第13カウンタ641m~644mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第14カウンタ641n~644nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。各エリア641~644の第15カウンタ641o~644oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
但し、第1~第15カウンタ641a~641o,642a~642o,643a~643o,644a~644oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1~第7バッファ122a~122gである。したがって、開閉実行モード中であるか否か、高頻度サポートモード中であるか否か、前扉枠14が開放中であるか否かといった状態情報に対応する信号が入力される第8~第10バッファ122h~122jは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a~123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
図77は管理側CPU112にて実行される本実施形態における履歴設定処理を示すフローチャートである。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS2801)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第10対応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS2801では確認対象カウンタに「10」をセットする。
その後、現状の確認対象カウンタに対応するバッファ122a~122oが状態情報の信号が入力されるバッファであるか否かを判定する(ステップS2802)。具体的には、現状の確認対象カウンタの値に対応する対応関係エリア123a~123oに、対応関係情報として、開閉実行モードであることを示す情報、高頻度サポートモードであることを示す情報、及び前扉枠14であることを示す情報のいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS2802にて肯定判定をした場合、状態情報の設定処理を実行する(ステップS2803)。当該設定処理では、開閉実行モード中か否かを示す第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には開閉実行モード中であることを示す第1状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第8信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第1状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、高頻度サポートモード中か否かを示す第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には高頻度サポートモード中であることを示す第2状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第9信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第2状態の情報を管理側RAM114から消去する。また、前扉枠14が開放中か否かを示す第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換わった場合には前扉枠14が開放中であることを示す第3状態の情報を管理側RAM114に記憶し、当該第10信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換わった場合には第3状態の情報を管理側RAM114から消去する。
ステップS2802にて否定判定をした場合、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファであって状態情報とは異なる情報の信号が入力されるバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS2804)。ステップS2804にて肯定判定をした場合、対応する合計用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2805)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の合計用エリア641における合計用の第1~第15カウンタ641a~641oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば合計用の第5カウンタ641eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば合計用の第1カウンタ641aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第1状態であるか否か、すなわち開閉実行モード中であるか否かを判定する(ステップS2806)。第1状態である場合には(ステップS2806:YES)、対応する第1状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2807)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1状態用エリア642における第1状態用の第1~第15カウンタ642a~642oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第1状態用の第5カウンタ642eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1状態用の第1カウンタ642aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第2状態であるか否か、すなわち高頻度サポートモード中であるか否かを判定する(ステップS2808)。第2状態である場合には(ステップS2808:YES)、対応する第2状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2809)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第2状態用エリア643における第2状態用の第1~第15カウンタ643a~643oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第2状態用の第5カウンタ643eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第2状態用の第1カウンタ643aが加算対象となる。
その後、管理側RAM114の状態情報を参照することで第3状態であるか否か、すなわち前扉枠14が開放中であるか否かを判定する(ステップS2810)。第3状態である場合には(ステップS2810:YES)、対応する第3状態用のカウンタの加算処理を実行する(ステップS2811)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第3状態用エリア644における第3状態用の第1~第15カウンタ644a~644oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第3状態用の第5カウンタ644eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第3状態用の第1カウンタ644aが加算対象となる。
ステップS2803の処理を実行した場合、ステップS2804にて否定判定をした場合、ステップS2810にて否定判定をした場合、又はステップS2811の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS2812)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS2813)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS2813:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS2802以降の処理を実行する。
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
このように各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される構成であることにより、本実施形態における外部出力用処理(図40)ではステップS1602といったアウト口24aへの遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1604といった特電入賞装置32への遊技球の入球個数を演算する処理、ステップS1605といった第1作動口33への遊技球の入球個数を演算する処理、及びステップS1606といった第2作動口34への遊技球の入球個数を演算する処理が不要となる。これにより、各種パラメータを演算するための処理負荷を軽減することが可能となる。
なお、ステップS1603といった一般入賞口31への遊技球の入球個数を演算する処理では、第1~第3カウンタ641a~641c,642a~642c,643a~643c,644a~644cがいずれも一般入賞口31に対応しているため、第1~第3カウンタ641a~641c,642a~642c,643a~643c,644a~644cの値を合計する処理を実行する必要がある。また、開閉実行モード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図40)ではステップS1612の処理は実行されない。同様に、高頻度サポートモード中であって前扉枠14が開放中である状況において発生した入球個数を他の状況において発生した入球個数と区別することができない。したがって、本実施形態における外部出力用処理(図40)ではステップS1616の処理は実行されない。
<第16の実施形態>
本実施形態では、履歴情報が格納される記憶手段が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図78は本実施形態におけるMPU62の電気的構成を説明するためのブロック図である。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113及び管理側RAM114が設けられている。
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていない。その代わりに、管理用IC66には上記第12の実施形態と同様に演算結果用メモリ631が設けられている。管理用IC66にRTC115、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられていないため、本実施形態では履歴情報が管理用IC66にて記憶されない。本実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は主側RAM65にて記憶される。つまり、主側CPU63においてプログラムを実行する場合に必要な情報が一時的に記憶されることとなる主側RAM65が、入球履歴を記憶するためのメモリとして兼用される。そして、管理用IC66は管理側I/F111を通じて主側RAM65にアクセス可能となっており、各種パラメータの演算契機が発生した場合には主側RAM65にアクセスして入球履歴を読み出し、その読み出した入球履歴を利用して各種パラメータを演算する。その演算された各種パラメータは演算結果用メモリ631に格納される。読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合、演算結果用メモリ631から各種パラメータが読み取り装置に提供される一方、主側RAM65に記憶されている入球履歴は読み取り装置に提供されない。
図79は主側CPU63にて実行される本実施形態における入球検知処理を示すフローチャートである。なお、入球検知処理はタイマ割込み処理(図18)のステップS211にて実行される。
第0ビットD0に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1入賞口検知センサ42aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2901:YES)。この場合、主側RAM65に設けられた一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2902)。一般入賞カウンタは、一般入賞口31への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。一般入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ631からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても一般入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2903)。
第1ビットD1に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2入賞口検知センサ43aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2904:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2905)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2906)。
第2ビットD2に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第3入賞口検知センサ44aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2907:YES)。この場合、主側RAM65の一般入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2908)。その後、主側RAM65の10個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2909)。
第3ビットD3に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、特電検知センサ45aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2910:YES)。この場合、主側RAM65の特電入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2911)。また、主側RAM65に設けられた特電入賞カウンタの値を1加算する(ステップS2912)。特電入賞カウンタは、特電入賞装置32への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。特電入賞カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ631からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても特電入賞カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の15個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2913)。
第4ビットD4に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1作動口検知センサ46aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2914:YES)。この場合、主側RAM65の第1作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2915)。また、主側RAM65に設けられた第1作動カウンタの値を1加算する(ステップS2916)。第1作動カウンタは、第1作動口33への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第1作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ631からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第1作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2917)。
第5ビットD5に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2作動口検知センサ47aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2918:YES)。この場合、主側RAM65の第2作動入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2919)。また、主側RAM65に設けられた第2作動カウンタの値を1加算する(ステップS2920)。第2作動カウンタは、第2作動口34への入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。第2作動カウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ631からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても第2作動カウンタの値は記憶保持される。その後、主側RAM65の1個賞球用カウンタの値を1加算する(ステップS2921)。
第6ビットD6に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、アウト口検知センサ48aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2922:YES)。この場合、主側RAM65に設けられたアウトカウンタの値を1加算する(ステップS2923)。アウトカウンタは、アウト口24aへの入球個数を入球履歴として記憶するためのカウンタである。アウトカウンタの値は、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続され、当該読み取り装置にて演算結果用メモリ631からの各種パラメータの読み取りが行われた場合に「0」クリアされる。ちなみに、主側RAM65にはMPU62への動作電力の供給が停止されている状況であってもバックアップ電力が供給されるため、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしてもアウトカウンタの値は記憶保持される。
第7ビットD7に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第1ゲート検知センサ49aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2924:YES)。この場合、主側RAM65の第1ゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2925)。
第8ビットD8に対して「0」の情報が格納されている状況から「1」の情報が格納されている状況に切り換わったことを確認した場合、第2ゲート検知センサ50aにて1個の遊技球が検知されたと判定する(ステップS2926:YES)。この場合、主側RAM65の第2ゲート入賞フラグに「1」をセットする(ステップS2927)。
上記のように入球検知処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への入球履歴は各入球部への入球個数として主側RAM65に記憶される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球が発生する度に、主側CPU63から管理側CPU112に信号出力を行う必要がない。よって、主側CPU63から管理側CPU112に信号を出力するための構成を簡素化させることが可能となる。
本実施形態では演算契機が発生した場合、管理側CPU112は、主側RAM65の一般入賞カウンタから一般入賞口31への入球個数を読み出し、主側RAM65の特電入賞カウンタから特電入賞装置32への入球個数を読み出し、主側RAM65の第1作動カウンタから第1作動口33への入球個数を読み出し、主側RAM65の第2作動カウンタから第2作動口34への入球個数を読み出し、主側RAM65のアウトカウンタからアウト口24aへの入球個数を読み出す。そして、それら読み出した各入球個数を利用して上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ~第8パラメータを演算する。但し、前扉枠14が開放中である場合における各入球個数と前扉枠14が閉鎖状態である場合における各入球個数とを区別した状態での各入球個数の計測は行われないため、前扉枠14が開放中である場合に発生した入球個数も含んだ状態で第1パラメータ~第8パラメータを演算する。また、開閉実行モード中における各入球個数及び高頻度サポートモード中における各入球個数も個別に計測されないため、上記第1の実施形態にて説明した第1パラメータ~第18パラメータ及び第21パラメータ~第26パラメータは演算されない。演算された第1パラメータ~第8パラメータは演算結果用メモリ631に書き込まれる。そして、読み取り用端子102に読み取り装置が電気的に接続された場合に演算結果用メモリ631にその時点で書き込まれている全てのパラメータが読み取り装置に提供される。この際に演算結果用メモリ631は「0」クリアされる。
なお、管理用IC66が主側RAM65に独自にアクセスするのではなく、主側RAM65に入球履歴として記憶されている各入球個数の情報が主側CPU63による転送制御により管理用IC66に送信される構成としてもよい。この場合、主側RAM65に主側CPU63と管理側CPU112とが同時にアクセスする事象を確実に阻止することが可能となる。
<第17の実施形態>
本実施形態では主制御基板61の構成、主側CPU63から管理側CPU112に出力される信号の種類、及び各入球部への入球履歴の記憶の仕方が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図80は本実施形態における主制御基板61の電気的構成を説明するためのブロック図である。主制御基板61には上記第1の実施形態と同様にMPU62が搭載されている。MPU62には上記第1の実施形態と同様に主側CPU63、主側ROM64、主側RAM65、管理用IC66、I/F101及び読み取り用端子102が設けられている。また、管理用IC66には上記第1の実施形態と同様に管理側I/F111、管理側CPU112、管理側ROM113、管理側RAM114、対応関係用メモリ116及び履歴用メモリ117が設けられている。
一方、本実施形態では管理用IC66には上記第1の実施形態と異なり、RTC115が設けられていない。また。主制御基板61にはMPU62以外にも報知用発光部651が設けられている。報知用発光部651は主側CPU63により直接的に発光制御される。主側CPU63は管理用IC66の履歴用メモリ117にアクセス可能となっており、履歴用メモリ117から読み出した各入球部への入球履歴の情報を利用して各種パラメータを演算する。そして、その演算した各種パラメータの内容に応じて報知用発光部651の発光状態を制御する。報知用発光部651は主制御装置60の基板ボックス60aの収容空間に収容されているが、基板ボックス60aが透明に形成されているとともに、報知用発光部651の発光状態を基板ボックス60aの外部から目視確認をすることが可能となるように報知用発光部651が設けられている。これにより、遊技機本体12を外枠11に対して開放させて主制御装置60を目視確認することが可能な状態とすることで、基板ボックス60aの開放作業を要することなく報知用発光部651の発光状態を目視確認することが可能となる。
図81は本実施形態における管理側I/F111の入力ポート121の構成を説明するための説明図である。
第1~第7バッファ122a~122g及び第16バッファ122pには上記第1の実施形態と同一の種類の信号が入力される。詳細には第1バッファ122aには第1入賞口検知センサ42aの検知結果に対応する第1信号が入力され、第2バッファ122bには第2入賞口検知センサ43aの検知結果に対応する第2信号が入力され、第3バッファ122cには第3入賞口検知センサ44aの検知結果に対応する第3信号が入力され、第4バッファ122dには特電検知センサ45aの検知結果に対応する第4信号が入力され、第5バッファ122eには第1作動口検知センサ46aの検知結果に対応する第5信号が入力され、第6バッファ122fには第2作動口検知センサ47aの検知結果に対応する第6信号が入力され、第7バッファ122gにはアウト口検知センサ48aの検知結果に対応する第7信号が入力され、第16バッファ122pには出力指示信号が入力される。
一方、上記第1の実施形態では開閉実行モードに対応する信号が第8信号として第8バッファ122hに入力され、高頻度サポートモードに対応する信号が第9信号として第9バッファ122iに入力され、前扉枠14に対応する信号が第10信号として第10バッファ122jに入力される構成としたが、本実施形態ではこれら開閉実行モードに対応する信号、高頻度サポートモードに対応する信号、及び前扉枠14に対応する信号は入力ポート121に入力されない。つまり、第8~第15バッファ122h~122oには入球履歴に関する信号は入力されない。
第1~第15バッファ122a~122oにどのような種類の信号が入力されるのかは管理用IC66の設計段階において決定されておらず、これら信号の種類は主側CPU63からの指示を受けることで管理側CPU112にて特定される。この信号の種類を特定するための処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側CPU63及び管理側CPU112に動作電力の供給が開始された場合に実行される。一方、第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることは管理用IC66の設計段階において決定されており、主側CPU63からの指示を受けることなく、管理側CPU112は当該第16バッファ122pに出力指示信号が入力されることを特定可能となっている。
図82は本実施形態における履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。履歴用メモリ117には、第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oが設けられている。第1バッファ用カウンタ652aには第1バッファ122aに入力される第1信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第2バッファ用カウンタ652bには第2バッファ122bに入力される第2信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第3バッファ用カウンタ652cには第3バッファ122cに入力される第3信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第4バッファ用カウンタ652dには第4バッファ122dに入力される第4信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第5バッファ用カウンタ652eには第5バッファ122eに入力される第5信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第6バッファ用カウンタ652fには第6バッファ122fに入力される第6信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第7バッファ用カウンタ652gには第7バッファ122gに入力される第7信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第8バッファ用カウンタ652hには第8バッファ122hに入力される第8信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第9バッファ用カウンタ652iには第9バッファ122iに入力される第9信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第10バッファ用カウンタ652jには第10バッファ122jに入力される第10信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第11バッファ用カウンタ652kには第11バッファ122kに入力される第11信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第12バッファ用カウンタ652lには第12バッファ122lに入力される第12信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第13バッファ用カウンタ652mには第13バッファ122mに入力される第13信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第14バッファ用カウンタ652nには第14バッファ122nに入力される第14信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。第15バッファ用カウンタ652oには第15バッファ122oに入力される第15信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに変更された回数の情報が記憶される。
但し、第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oを用いた計測対象となるのは、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のいずれかへの入球結果に対応する信号が入力される第1~第7バッファ122a~122gである。したがって、第8~第15バッファ122h~122oは、上記計測対象からは除外される。これら計測対象であるか否かの区別は対応関係用メモリ116の対応関係エリア123a~123oに記憶された対応関係情報に基づいて行われる。
図83は管理側CPU112にて実行される履歴設定処理を示すフローチャートである。なお、履歴設定処理は、管理処理(図34)のステップS1207にて実行される。
まず管理側RAM114の確認対象カウンタに、第1~第15バッファ122a~122oのうち管理側CPU112において確認対象となるバッファの数をセットする(ステップS3001)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第7応関係エリア123a~123jにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS3001では確認対象カウンタに「7」をセットする。
その後、第1~第15バッファ122a~122oのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するバッファに格納されている数値情報が、「0」から「1」に変更されたか否かを確認することで、当該バッファへの主側CPU63からの入力信号の出力状態がLOWレベルからHIレベルに切り換えられたか否かを判定する(ステップS3002)。なお、確認対象カウンタの値が「n」である場合には第nバッファ122a~122oが数値情報の確認対象となる。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ122eが数値情報の確認対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ122aが数値情報の確認対象となる。
ステップS3002にて肯定判定をした場合、対応するバッファ用カウンタ652a~652oの加算処理を実行する(ステップS3003)。当該加算処理では、履歴用メモリ117の第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oのカウンタのうち現状の確認対象カウンタの値に対応するカウンタの値を1加算する。例えば、確認対象カウンタの値が「5」であれば第5バッファ用カウンタ652eが加算対象となり、確認対象カウンタの値が「1」であれば第1バッファ用カウンタ652aが加算対象となる。
ステップS3002にて否定判定をした場合、又はステップS3003の処理を実行した場合、管理側RAM114の確認対象カウンタの値を1減算する(ステップS3004)。そして、その1減算後における確認対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3005)。確認対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3005:NO)、新たな確認対象カウンタの値に対応する確認対象について、ステップS3002以降の処理を実行する。
上記のように履歴設定処理が実行されることにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
図84は管理側CPU112にて実行される本実施形態における外部出力用処理を示すフローチャートである。なお、外部出力用処理は、管理処理(図34)のステップS1208にて実行される。
主側CPU63から受信している出力指示信号の出力状態がHIレベルとなった場合(ステップS3101:YES)、管理側RAM114に設けられた出力対象カウンタに、第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oのうち管理側CPU112において回数情報の出力対象となるカウンタの数をセットする(ステップS3102)。具体的には、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうちブランクであることを示す情報以外の情報が格納されている対応関係エリアの数を特定し、その特定した数の情報を確認対象カウンタにセットする。本実施形態では既に説明したとおり第1~第7対応関係エリア123a~123gにブランクであることを示す情報以外の情報が格納されているため、ステップS3102では出力対象カウンタに「7」をセットする。
その後、対応関係用メモリ116における第1~第15対応関係エリア123a~123oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するエリアに格納されている対応関係情報を読み出すとともに(ステップS3103)、履歴用メモリ117における第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oのうち現状の出力対象カウンタの値に対応するカウンタに格納されている回数情報を読み出す(ステップS3104)。この場合、出力対象カウンタの値が「n」である場合には、第n対応関係エリア123a~123oが対応関係情報の読み出し対象となるとともに、第nバッファ用カウンタ652a~652oが回数情報の読み出し対象となる。例えば、出力対象カウンタの値が「5」であれば第5対応関係エリア123eが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第5バッファ用カウンタ652eが回数情報の読み出し対象となり、出力対象カウンタの値が「1」であれば第1対応関係エリア123aが対応関係情報の読み出し対象となるとともに第1バッファ用カウンタ652aが回数情報の読み出し対象となる。
その後、情報出力処理を実行する(ステップS3105)。情報出力処理では、ステップS3103にて読み出した対応関係情報とステップS3104にて読み出した回数情報との組合せを読み取り用端子102に出力する。これにより、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置において、今回の出力対象となっている対応関係情報についての回数情報が読み取られる。
その後、管理側RAM114の出力対象カウンタの値を1減算する(ステップS3106)。そして、その1減算後における出力対象カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS3107)。出力対象カウンタの値が1以上である場合には(ステップS3107:NO)、新たな出力対象カウンタの値に対応する出力対象について、ステップS3103以降の処理を実行する。なお、ステップS3107にて肯定判定をした場合に第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oの値が「0」クリアされる。
図85は主側CPU63にて実行されるパラメータ管理処理を示すフローチャートである。なお、パラメータ管理処理はタイマ割込み処理(図18)においてステップS221の管理用出力処理が実行された後に実行される。
まず各種パラメータの演算契機が発生しているか否かを判定する(ステップS3201)。当該演算契機は、主側CPU63への動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行される場合、及び第11の実施形態と同様にアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に発生する。動作電力の供給が開始されてから最初にパラメータ管理処理が実行された場合が演算契機として設定されていることにより、パチンコ機10の電源を一旦OFFした後に再度ONすることで、各種パラメータの演算契機を簡単に発生させることが可能となる。そして、ステップS3201にて肯定判定をした場合には後述するように各種パラメータの演算結果に対応した報知が実行されるため、上記電源のOFF・ON操作を行うだけでそれまでの遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。また、遊技球の合計入球個数が契機基準個数である500個以上となる度に演算契機が発生する構成とすることで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を細かく管理することが可能となる。
演算契機が発生した場合(ステップS3201:YES)、履歴用メモリ117の第1~第15バッファ用カウンタ652a~652oのうち入球履歴の格納対象となっているカウンタから入球履歴を読み出す。具体的には、第1~第7バッファ用カウンタ652a~652gの数値情報を読み出す。この場合、主側CPU63は主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより入球履歴の読み出し対象となるバッファ用カウンタ652a~652oを認識可能となっている。
その後、各種演算処理を実行する(ステップS3203)。当該各種演算処理では、ステップS3202にて読み出した入球履歴、及びそれら入球履歴に対応する賞球個数の情報を利用して各種パラメータを演算する。主側CPU63は、主側ROM64に記憶されているプログラム及びデータにより、ステップS3202にて読み出した各入球履歴がアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちいずれに対応しているのかを特定することが可能であるとともに、ステップS3202にて読み出した各入球履歴に対応する賞球個数の情報を特定することが可能である。
ステップS3203にて演算される各種パラメータについて具体的には、
・第7パラメータ:(K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
・第8パラメータ:K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」/遊技球の合計払出個数(K2×「一般入賞口31への入賞に対する賞球個数」+K3×「特電入賞装置32への入賞に対する賞球個数」+K4×「第1作動口33への入賞に対する賞球個数」+K5×「第2作動口34への入賞に対する賞球個数」)の割合
が演算される。
その後、演算した各種パラメータが第1範囲であるか否かを判定する(ステップS3204)。第7パラメータの値が0.7以下であって、第8パラメータの値が0.6以下である場合、演算した各種パラメータが第1範囲であるとしてステップS3204にて肯定判定をする。ステップS3204にて肯定判定をした場合、第1報知状態の設定処理を実行する(ステップS3205)。当該設定処理では、第1報知状態となるように報知用発光部651を発光制御する。この場合、報知用発光部651は青色の発光状態となる。
ステップS3204にて否定判定をした場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるか否かを判定する(ステップS3206)。第7パラメータの値が0.7を超えていること、及び第8パラメータの値が0.6を超えていることのいずれか一方のみの条件が成立している場合、演算した各種パラメータが第2範囲であるとしてステップS3206にて肯定判定をする。ステップS3206にて肯定判定をした場合、第2報知状態の設定処理を実行する(ステップS3207)。当該設定処理では、第2報知状態となるように報知用発光部651を発光制御する。この場合、報知用発光部651は黄色の発光状態となる。
ステップS3206にて否定判定をした場合、第7パラメータの値が0.7を超えているとともに第8パラメータの値が0.6を超えていることを意味する。この場合、第3報知状態の設定処理を実行する(ステップS3208)。当該設定処理では、第3報知状態となるように報知用発光部651を発光制御する。この場合、報知用発光部651は赤色の発光状態となる。
ステップS3205、ステップS3207又はステップS3208にて設定された発光状態は、報知用発光部651に対する新たな報知状態の設定が行われるまで、又は報知用発光部651への動作電力の供給が停止されるまで継続する。また、報知用発光部651の報知状態は主側RAM65に記憶保持されるとともに主側RAM65にはバックアップ電力が供給されるため、主側CPU63への動作電力の供給が停止されて報知用発光部651が一旦消灯状態となったとしても、主側CPU63への動作電力の供給が再開された場合には主側RAM65に記憶されている報知状態の情報の種類に対応する発光状態となるように報知用発光部651の発光制御が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34への遊技球の入球履歴が、上記第1の実施形態のような履歴情報として記憶されるのではなく、各入球検知センサ42a~48aにて遊技球が検知された回数情報として記憶される。これにより、各履歴情報を個別に記憶していく構成に比べて、履歴用メモリ117において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
管理側CPU112にて演算された各種パラメータに対応する内容を報知するための報知用発光部651が設けられている。これにより、各種パラメータに対応する内容がパチンコ機10自身にて報知されるため、遊技ホールの管理者などは履歴用メモリ117に格納された情報を読み出さなくても、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
基板ボックス60aに収容された主制御基板61に、MPU62とともに報知用発光部651が設けられている。これにより、MPU62と報知用発光部651との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
各種パラメータの演算及び報知用発光部651の発光制御は管理側CPU112ではなく主側CPU63にて実行される。これにより、報知用発光部651における報知内容の信頼性を高めることが可能となる。
各種パラメータの演算結果が第1範囲に対応している場合に第1報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第2範囲に対応している場合に第2報知状態となり、各種パラメータの演算結果が第1範囲及び第2範囲のいずれにも対応していない場合に第3報知状態となる。つまり、各種パラメータがそのまま報知されるのではなく、各種パラメータが含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知用発光部651における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知用発光部651を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
なお、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている場合であっても報知用発光部651への電力供給が継続されることで主側CPU63への動作電力の供給が停止される直前における発光状態が維持される構成としてもよい。この場合、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合であっても報知用発光部651を確認することで、遊技領域PAにおける遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
また、当該構成に代えて、主側CPU63への動作電力の供給が停止された場合には報知用発光部651が消灯状態となるが主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合には、動作電力の供給が停止される前に演算された各種パラメータの結果に対応する発光状態となるように報知用発光部651が発光制御される構成としてもよい。この場合、例えば遊技ホールにおいて営業開始前に報知用発光部651を確認することで、直前の営業日における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
各種パラメータの演算結果を報知するための報知手段が報知用発光部651である構成に限定されることはなく、図柄表示装置41などといった表示面を有する表示装置であってもよく、スピーカ部54であってもよい。また、各種パラメータの演算結果に対応する信号が外部端子板97を通じて遊技ホールのホールコンピュータHCに外部出力される構成としてもよい。
特図ユニット37の特図表示部37a又は普図ユニット38の普図表示部38aが報知用発光部651としての機能を兼用する構成としてもよい。例えば、MPU62への動作電力の供給が開始された場合に各種パラメータが演算され、その演算結果が上記実施形態のような第1範囲、第2範囲及びそれら以外のいずれに含まれるのかに応じて、動作電力の供給開始の直後において特図表示部37a又は普図表示部38aにて演算結果に対応する報知が実行される構成としてもよい。この場合、当該報知は、特図表示部37aにおける絵柄の変動表示の開始条件、又は普図表示部38aにおける絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に終了する構成としてもよく、これら絵柄の変動表示の開始条件が成立した場合に一旦中断され、絵柄の変動表示が終了した場合には再開される構成としてもよい。本構成によれば、遊技領域PAの遊技球の入球態様を報知するための報知手段として特図表示部37a又は普図表示部38aを兼用することが可能となる。
報知用発光部651が遊技機本体12及び前扉枠14を閉鎖した状態においてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に設けられている構成としてもよい。例えば、窓パネル52よりもパチンコ機10後方であって窓パネル52を通じてパチンコ機10前方から視認可能となる位置に報知用発光部651が設けられている構成としてもよい。この場合、遊技機本体12や前扉枠14の開放操作を要することなく、各種パラメータの演算結果に対応する報知内容を確認することが可能となる。
<第18の実施形態>
本実施形態では、各入球結果の情報を管理用IC66に提供するための構成が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態と相違している構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図86は各入球検知センサ42a~48aの検知結果が主側CPU63及び管理用IC66に入力されるようにするための信号経路の構成を説明するための説明図である。
第1入賞口検知センサ42aの検知結果は第1信号経路SL11を通じて主側CPU63に入力される。また、第2入賞口検知センサ43aの検知結果は第2信号経路SL12を通じて主側CPU63に入力される。また、第3入賞口検知センサ44aの検知結果は第3信号経路SL13を通じて主側CPU63に入力される。また、特電検知センサ45aの検知結果は第4信号経路SL14を通じて主側CPU63に入力される。また、第1作動口検知センサ46aの検知結果は第5信号経路SL15を通じて主側CPU63に入力される。また、第2作動口検知センサ47aの検知結果は第6信号経路SL16を通じて主側CPU63に入力される。また、アウト口検知センサ48aの検知結果は第7信号経路SL17を通じて主側CPU63に入力される。
第1信号経路SL11の途中位置から分岐させるようにして第1分岐経路SL21が形成されており、当該第1分岐経路SL21は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第2信号経路SL12の途中位置から分岐させるようにして第2分岐経路SL22が形成されており、当該第2分岐経路SL22は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第3信号経路SL13の途中位置から分岐させるようにして第3分岐経路SL23が形成されており、当該第3分岐経路SL23は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第4信号経路SL14の途中位置から分岐させるようにして第4分岐経路SL24が形成されており、当該第4分岐経路SL24は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第5信号経路SL15の途中位置から分岐させるようにして第5分岐経路SL25が形成されており、当該第5分岐経路SL25は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第6信号経路SL16の途中位置から分岐させるようにして第6分岐経路SL26が形成されており、当該第6分岐経路SL26は管理用IC66と電気的に接続されている。また、第7信号経路SL17の途中位置から分岐させるようにして第7分岐経路SL27が形成されており、当該第7分岐経路SL27は管理用IC66と電気的に接続されている。
上記構成であることにより、各入球検知センサ42a~48aの検知結果は主側CPU63による処理を介在させることなく管理用IC66に入力される。これにより、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の各入球結果を管理側CPU112に認識させるための処理を主側CPU63にて実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
また、各信号経路SL11~SL17からの各分岐経路SL21~SL27の分岐箇所はMPU62内に存在している。これにより、当該分岐箇所及び各分岐経路SL21~SL27に対する外部からのアクセスを行いづらくさせることが可能となり、管理用IC66にのみ異常な入球結果を入力させる不正行為を阻止することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組合せて適用してもよい。
(1)上記各実施形態では、取り込んだ遊技球B1を周期的に排出する排出調整手段を第1スルーゲート35の上方に設ける構成としたが、当該排出調整手段の配置はこれに限定されない。ここで、排出調整手段とは、第1の実施形態及び第6の実施形態における調整機構180、第2の実施形態における調整機構220、第3の実施形態における調整機構330、第4の実施形態における調整機構430、第5の実施形態における調整機構530、及び第7の実施形態における調整機構620の総称である。例えば、上記各実施形態における第2スルーゲート39に代えて、遊技球が入球可能な開口部であり、上方に向けて開放されている第1開口部と、開放状態及び閉鎖状態の切り換えが可能な開閉手段を備えている開口部である第2開口部とを備えている遊技盤において、排出調整手段が第1開口部及び第2開口部の上方に配置されている構成としてもよい。
具体的には、遊技盤において第1開口部及び第2開口部は遊技領域の右側に設けられている。排出調整手段は第1開口部の上方に位置しており、第1開口部には排出調整手段から排出される遊技球のみが入球可能である。第2開口部の開閉手段は閉鎖状態において遊技球の第2開口部への入球を禁止している。遊技球が排出調整手段に取り込まれ、当該遊技球が排出調整手段から排出されて第1開口部に入球することを契機として、開閉手段が閉鎖状態から開放状態に切り換わり、遊技球の第2開口部への入球が可能な状態となる。開閉手段の開放状態は所定期間に亘って継続され、当該所定期間において遊技球の第2開口部への入球が所定回数に達した場合には遊技者に有利な特典が付与される。
開閉手段を閉鎖状態から開放状態に移行させるためには、遊技者が排出調整手段を狙って遊技球の発射を行う必要がある。また、遊技球の第2開口部への入球を所定回数とするためには、遊技者が第2開口部を狙って遊技球の発射を行う必要がある。このように、遊技者が狙いを定めて遊技球の発射操作を行い、所定の結果となった場合に遊技者に有利な特典が付与される構成とすることにより、遊技者の参加意識を高めて遊技の興趣向上を図ることができる。
この場合において、排出調整手段を利用して遊技球の第1開口部への入球タイミングを制限することにより、開閉手段の開放状態が頻発する事態を回避することができる。つまり、排出調整手段を利用することにより、開閉手段が開放状態に移行する間隔を適切に管理することができる。
(2)上記各実施形態における排出調整手段が第1作動口33の上方に設けられているとともに、当否抽選手段による抽選モードが1種類のみである構成としてもよい。ここで、排出調整手段とは、第1の実施形態及び第6の実施形態における調整機構180、第2の実施形態における調整機構220、第3の実施形態における調整機構330、第4の実施形態における調整機構430、及び第5の実施形態における調整機構530、及び第7の実施形態における調整機構620の総称である。具体的には、主側CPU63は、排出調整手段において、取り込んだ遊技球B1を第1作動口33に向けて排出可能な排出可能期間が1sec周期で発生するように排出調整手段を駆動制御する。主側ROM64には、当否判定処理において大当たり当選の対象となる判定値が設定された当否判定テーブルが記憶されている。既に説明したとおり、当否判定処理は、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する処理であり、タイマ割込み処理(図18)の特図特電制御処理(ステップS215)にて実行される処理である。当否判定テーブルには、大当たり当選の対象となる判定値として、(1250×n-5)~(1250×n)が設定されている。ここで、変数nは1~52の自然数である。当否判定処理が実行されて大当たり当選となる確率は略1/210である。第1作動口33において、遊技球B1が入賞して取得される保留情報が大当たり当選の対象となる大当たり対象期間は、5sec周期で発生して24msecに亘って継続する。排出調整手段における排出可能期間が大当たり対象期間に対応していない場合には、当否判定処理において大当たり結果とならない。この場合において、当たり乱数カウンタC1(図13)の初期値が更新されることにより、排出可能期間が大当たり対象期間に対応している状態となる可能性がある。排出可能期間が大当たり対象期間に対応している状態となった場合には、当否判定処理において大当たり当選となる確率が高い状態となる。具体的には、排出調整手段から第1作動口33に向けた遊技球B1の排出が1sec周期で欠かさず行われた場合、5回に1回の割合で第1作動口33への入賞が大当たり当選の対象となる。このように、排出調整手段により、当否判定処理にて大当たり当選が発生し易い状況と、発生しない状況とが作り出される構成とすることにより、排出調整手段周辺の遊技球B1の挙動に遊技者の関心を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
(3)遊技球B1を2つの通路のいずれかに振り分けるための部材に対して、上記各実施形態にて説明した遊技球B1の上昇及び停留を防止するための構成を適用してもよい。
具体的には、遊技盤には振分入賞装置が設けられている。第1作動口33及び第2作動口34のいずれかに入賞が発生したことを契機として当たり抽選が実行される。このうち、第2作動口34への入賞を契機として実行される当たり抽選において小当たり当選となった場合には、振分実行モードに移行する。振分実行モードにおいて、V入賞が発生した場合には特電入賞装置32が開放状態となる開閉実行モードとなる。
振分入賞装置は上流通路を備えており、当該上流通路は分岐空間においてV入賞通路と排出用通路とに分岐している。上流通路、V入賞通路、及び排出用通路は1個の遊技球B1が通過することを可能とするとともに、複数の遊技球B1が同時に通過することを不可能とする通路断面を有している。分岐空間の周辺において上流通路は下方に向けて直線状に形成されている。また、分岐空間の周辺において上流通路の出口の真下には排出用通路の入口が設けられている。このため、分岐空間の周辺において上流通路を直線的に流下した遊技球B1がそのまま下方に進んだ場合には排出用通路に入球する。
分岐空間において、上流通路の下方であるとともに排出用通路の上方には切換部材が設けられている。切換部材は、回動軸と、回動軸周りを初期位置から変位位置まで回動する板状の切換片と、主側CPU63からの信号に基づいて切換片の初期位置から変位位置への切り換え及び変位位置から初期位置への切り換えを行う切換用駆動部とを備えている。切換片が初期位置にある場合、切換片は下に向かって延びている第1状態となる。第1状態では、排出用通路が上方に向けて開放される。このため、上流通路を流下した遊技球B1は排出用通路に入球する。
一方、切換片が変位位置にある場合、切換片は左斜め前方に向かって延びている第2状態となる。第2状態では、排出用通路の上方に切換片が存在している状態となるため、上流通路から排出された遊技球B1は切換片と接触する。第2状態では、切換片における遊技球B1との接触面が前方に向けて下方に傾斜している。このため、切換片と接触した遊技球B1の進路は前方に移動する。V入賞通路は、排出通路の前方に、第2状態の切換片と接触した遊技球B1が入球する態様で形成されている。このため、切換用駆動部が切換片を変位位置に切り換えた場合には、上流通路から排出された遊技球B1がV入賞通路に案内される。振分入賞装置は、V入賞通路を流下する遊技球B1を検知するための検知センサを備えており、当該検知センサにより遊技球B1が検知された場合にV入賞となる。
V入賞通路は板状の仕切り部材により排出用通路と仕切られている。切換片の変位位置は、変位位置にある切換片の自由端から仕切り部材の上端までの距離が遊技球B1の直径よりも狭くなるように設定されている。これにより、切換片が変位位置になる第2状態において、切換片と仕切り部材との隙間から遊技球B1が排出通路に入球することが防がれている。本構成では、切換片が初期位置から変位位置に切り換わる途中において、切換片の自由端から仕切り部材の上端までの距離が遊技球B1の直径と略同一となる中間状態が発生する。中間状態において、上流通路から排出された遊技球B1が回動中の切換片と仕切り部材との隙間に進入した場合、遊技球B1が切換片と仕切り部材とに挟まれて停留する可能性がある。
本構成に対して、上記第1の実施形態で説明した構成を適用することができる。具体的には、振分入賞装置は、排出用通路の左側に、当該排出通路と隣接している逃げ通路を備えている。逃げ通路の入口は、仕切り部材の上端よりも低い位置に設けられている。切換片における遊技球B1との接触面は左方に向けて後方に傾斜しているとともに、仕切り部材の上端付近における排出通路側の壁面は左方に向けて前方に傾斜している。つまり、中間状態において遊技球B1と接触する2つの面は共に遊技球B1を逃げ通路に向けて押し出すための傾斜を有している。このため、中間状態において遊技球B1が切換片と仕切り部材とに接触している状態となった場合、切換片の変位状態への移動に伴って遊技球B1が逃げ通路へと押し出される。これにより、振分入賞装置において、遊技球B1の上昇及び停留を発生させることなく、遊技球B1の挟み込みを回避することができる。逃げ通路は、排出用通路の途中位置において、排出用通路と合流している。切換片が切り換わる中間状態において、遊技球B1が逃げ通路に向けて押し出された場合、当該遊技球B1は逃げ通路を流下して排出用通路の途中位置に案内される。逃げ通路に案内された遊技球B1がV入賞通路に設けられている検知センサに検知されることはない。このため、中間状態において遊技球B1が逃げ通路に押し出された場合には、遊技球B1が排出用通路を流下した場合と同様に、V入賞は発生しない。
本構成に対して、上記第3の実施形態で説明した構成を適用することができる。詳細には、遊技球B1が羽根部材343及び起立壁352と接触している状態となった場合に、回転体340の回転に伴って羽根部材343が回動軸344周りに回動し、羽根部材343が変位位置をとることにより遊技球B1の挟み込みを回避する構成を適用することができる。具体的には、板状の切換片は、固定端側の固定部と、自由端側の回動可能部と、を備えている。板状の固定部の自由端側には回動軸が設けられており、板状の回動可能部は、当該回動軸の周りを回動可能な態様で固定部と接続されている。外部からの力が加えられていない場合、切換片における固定部の表面は回動可能部の表面と同一平面上に存在している。回動可能部は、外部から下方に向けて押された場合に下方に向けて回動するとともに、外部からの力が取り除かれた場合には付勢部材による復元力により元の状態に戻る。中間状態において遊技球B1が切換片と仕切り部材とに接触している状態となった場合には、切換片の変位位置への移動に伴って回動可能部が下方に向けて回動する。付勢部材による復元力は仕切り部材と回動可能部とに接触している状態の遊技球B1が自重により下方に落下することを阻止するほど強くない。このため、一時的に仕切り部材と回動可能部とに接触している状態となった遊技球B1は挟み込まれて停留することなく、自重により下方に移動して排出用通路に入球する。変位位置にある切換片において、固定部の排出用通路上方への突出長さは、固定部単独で遊技球B1をV入賞通路に案内可能な長さである。切換片が変位位置にある状態において、上方から落下してきた遊技球B1が回動可能部に衝突した場合には、回動可能部が下方に向けて回動する。しかし、回動可動部が回動していない状態及び回動している状態のいずれにおいても、回動可動部の自由端から仕切り部材の上端までの距離は遊技球B1の直径よりも短い。このため、切換片が完全に変位位置に移動している状態において、遊技球B1が回動可能部の自由端と仕切り板の上端との隙間に入り込み、排出用通路に入球することはない。以上のように、切換片が固定部、回動軸、及び回動可能部を備えており、回動可能部が回動軸周りに回動可能である構成とすることにより、遊技球B1が上昇及び停留することなく排出用通路に入球することが可能となる。
(4)契機発生装置に入球した遊技球B1が検知された場合に第2作動口34が開放状態となる遊技機において、契機発生装置に対して上記各実施形態にて説明した遊技球B1の上昇及び停留を防止するための構成を適用してもよい。
具体的には、遊技領域PAは、可変表示ユニット36の上側領域PA1、左側領域PA2、右側領域PA3、及び下側領域PA4から構成されている。下側領域PA4には第1作動口33が設けられているとともに、右側領域PA3には契機発生装置及び特別開口装置が設けられている。
右側領域PA3において、特別開口装置は契機発生装置の下方に配置されている。契機発生装置は、回転体と、回転体を収容する収容部と、主側CPU63からの信号に基づいて回転体を回転させる契機発生用駆動部と、契機発生装置における契機発生領域にて遊技球B1を検知する契機発生検知センサと、を備えている。収容部は、収容空間を区画するための起立壁を備えている。収容部の上部では、左側の起立壁と右側の起立壁が離間しており、左側の起立壁と右側の起立壁との隙間が契機発生装置の入口となっている。契機発生装置の入口は上方に向けて開放されている開口であり、当該入口の幅は遊技球B1の直径よりもひと回り広く設定されている。
遊技球B1は当該入口から契機発生装置に入球することができる。回転体の回転に伴い、契機発生装置の入口では、遊技球B1が入球可能な状態と遊技球B1が入球不可能な状態とが発生する。特別開口装置は、上方に向けて開放されている特別開口部と、特別開口部を開放状態とすることが可能であるとともに閉鎖状態とすることが可能である開閉部材と、主側CPU63からの信号に基づいて開閉部材を駆動することより、特別開口部を開放状態としたり閉鎖状態としたりする特別駆動部とを備えている。
主側CPU63は、第1作動口33への入賞が発生した場合に大当たり抽選を実行する。大当たり抽選にて大当たり結果となることを契機として権利発生状態となる。権利発生状態において、遊技球B1が契機発生装置に入球するとともに、契機発生検知センサにて遊技球B1が検知された場合に、特別開口装置の開閉期間が開始される。そして、開放状態となった特別開口部への入球を契機として遊技球B1の払い出しが行われる。特別開口装置の開閉動作が実行されている間に予め設定されている基準の時間が経過した場合、及び特別開口部への入球回数が基準回数に達した場合には、特別開口装置の開閉期間が終了する。このうち、特別開口装置の開閉動作が実行されている間に予め設定されている基準の時間が経過した場合には、特別開口装置にて2回目の開閉動作が実行される。
本構成において、契機発生装置の回転体として、遊技球B1を収容可能な1つ以上の凹み部を有する回転体を用いる場合、遊技球B1が契機発生装置に入球する際に回転体と起立壁とに挟まれる可能性がある。これに対して、本構成に対して、上記第1の実施形態にて説明した構成を適用することができる。
具体的には、遊技盤の表面において、契機発生装置の上部に対応する位置には通路入口が設けられている。また、遊技盤には、当該通路入口から入球した遊技球B1を後方であるとともに下方に向けて逃がす逃げ通路が形成されている。回転体は円盤状であり、凹み部を除く回転体の周面は、後方に向けて軸線方向に傾斜している。このため、契機発生装置の上部において凹み部に取り込まれなかった遊技球B1は、回転体の周面の傾斜に沿って通路入口に案内される。契機発生装置の上部において、起立壁における遊技球B1との接触面は後方に向けて右方に傾斜している。また、回転体は時計回りに回転する。このため、契機発生装置の上部において、遊技球B1が回転体から起立壁に押し付けられた場合、遊技球B1は起立壁が有する傾斜に沿って案内され、後方の通路入口に向けて逃げる。このため、契機発生装置の上部において、遊技球B1が回転体と起立壁とに接触している状態となった場合、回転体の回転に伴って遊技球B1は通路入口に入球する。このように、契機発生装置の上部に遊技球B1の挟み込みを回避する構成を適用することにより、遊技球B1が契機発生装置に入球する際に当該遊技球B1が上昇したり停留したりすることが回避されている。なお、契機発生検知センサは契機発生装置の内部に設けられており、契機発生装置の内部に取り込まれた遊技球B1のみを検知可能である。このため、遊技球B1が通路入口に入球しても、当該入球が特別開口装置の開閉動作を開始する契機とはならない。
本構成に対して、上記第2の実施形態にて説明した構成を適用することができる。詳細には、遊技球B1が回転体230と右上起立壁252とに接触している状態となった場合に、右上起立壁252が回動軸254周りを回動して遊技球B1の取り込みを可能とする構成を適用できる。具体的には、起立壁は回動軸と、当該回動軸周りを回動可能な可動起立壁とを備えている。可動起立壁は契機発生装置の上部に位置しており、契機発生装置における入口の右端を規定している。回転体は時計回りに回転する。契機発生装置の上部において、契機発生装置に入球しようとする遊技球B1は回転体と可動起立壁とに接触している状態となる可能性がある。この場合、遊技球B1は回転体の回転に伴って、可動起立壁が存在する右方に向けて押されることとなる。可動起立壁は、回動軸周りを回動することにより、回転体が可動起立壁に対して遊技球B1を押し付ける力を逃がすことができる。また、可動起立壁における遊技球B1との接触面は、下方に向けて右方に傾斜している。このため、回転体により遊技球B1が当該接触面に向かって押された場合、可動起立壁が右方向に回動するとともに、遊技球B1が回動起立壁との接触面の傾斜に案内されて契機発生装置に取り込まれる。一時的に回転体と可動起立壁とに接触する状態となった遊技球B1が挟み込まれることを回避することにより、当該遊技球B1の上昇及び停留を回避することができる。なお、一時的に回転体と可動起立壁とに接触する状態となった後に契機発生装置に取り込まれた遊技球B1が契機発生検知センサにより検知された場合には、特別開口装置の開閉動作が開始される契機となる。
(5)上記各実施形態における調整機構(調整機構180,220,330,430,530,620)は、第1スルーゲート35に向けて遊技球B1を排出可能となる排出可能期間が一定周期のみで発生する構成に限られない。例えば、調整機構は、一定周期で発生する排出可能期間以外のタイミングにも、普電保留用エリアHA(図13)が保留可能な数値情報の上限個数(4個)を超えない範囲で遊技球B1が第1スルーゲート35に向けて排出される構成であってもよい。
上記第1の実施形態において、周方向に等間隔で並んでいる4つの凹み部183b~183e(図4)に加えて、回転体183に追加の第5凹み部が設けられている構成としてもよい。当該第5凹み部は、第1凹み部183b、第2凹み部183c、及び第3凹み部183dと同じ形状及び大きさを有しており、1個の遊技球B1を取り込むことができる。この場合、第1スルーゲート35には、4つの凹み部183b~183eのいずれかから排出された遊技球B1が1sec周期で入賞するとともに、第5凹み部に取り込まれ、1sec周期で発生する排出可能期間以外のタイミングにて排出された遊技球B1が入球する。
上記第5の実施形態において、調整部546(図55)の開放状態が0.5sec周期で発生する構成としてもよい。低頻度サポートモードの当選連続期間において、第1スルーゲート35に遊技球B1が入球した場合、2回に1回の割合で、普電開放抽選にて普電開放当選が発生する構成とすることができる。また、上記第5の実施形態において、1sec周期で発生する調整部546(図55)の開放状態が上記第5の実施形態よりも長い0.5sec間継続する構成としてもよい。この場合、1回の開放状態において、複数の遊技球B1が第1スルーゲート35に向けて排出される構成とすることができる。ここで、遊技球発射機構27における最短の発射間隔は0.6secである。このため、1回の開放状態において、本来の排出可能期間外のタイミングで排出されて第1スルーゲート35に入賞する遊技球B1の数を普電保留用エリアHAが保留可能な数値情報の上限個数を超えない範囲に収めることができる。
1sec周期で発生する排出可能期間以外のタイミングにおいても普電保留用エリアHAが保留可能な数値情報の上限個数を超えない範囲で遊技球B1が第1スルーゲート35に入球する構成とすることにより、低頻度サポートモードの非当選連続期間においても、連続しない単独の普電開放当選を発生させることができる。このため、低頻度サポートモードの非当選連続期間が長時間続いた場合においても、普電開放当選が発生する度に遊技者の当選連続期間への期待感を高め、遊技者が退屈しない構成とすることができる。
(6)上記各実施形態ではアウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34の全てが履歴情報(又は入球履歴)の格納対象となる構成としたが、これに限定されることはなく、アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のうちの一部のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよい。例えば、一般入賞口31、特電入賞装置32及び第2作動口34のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよく、一般入賞口31のみが履歴情報の格納対象となっている構成としてもよい。この場合であっても、履歴情報の格納対象となっている入球部について所定の期間における遊技球の入球態様を把握することが可能となる。
(7)上記各実施形態では第1入賞口検知センサ42a、第2入賞口検知センサ43a及び第3入賞口検知センサ44aのそれぞれに対応させて、遊技球の入球結果に対応する情報を送信するための信号経路118a~118cが設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、同一種類の入球部についての入球結果に対応する情報は、同一種類の入球部が複数存在しているとともにそれに合わせて入球検知センサが複数存在している構成であっても、1種類の情報として送信される構成としてもよい。これにより、主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類数を抑えることが可能となる。
(8)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報が、主側CPU63から管理用IC66に送信される構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報が管理用IC66において予め記憶されている構成としてもよい。この場合、対応関係情報を管理用IC66に認識させるための処理を実行する必要がなくなるため、主側CPU63の処理負荷を軽減することが可能となる。
(9)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、主側CPU63への動作電力の供給開始時に行われる構成としたが、これに限定されることはなく、例えば主側CPU63と管理用IC66とを双方向通信可能とし、管理用IC66から対応関係情報の送信を要求する信号を受信した場合に主側CPU63から管理用IC66に対応関係情報が送信される構成としてもよい。この場合、対応関係用メモリ116を不揮発性メモリとして設けるとともに読み書き両用として利用する構成とし、パチンコ機10の出荷後において主側CPU63から管理用IC66に提供された対応関係情報は主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても対応関係用メモリ116に記憶保持される構成とする。これにより、対応関係情報が送信される頻度を少なくすることが可能となる。
(10)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66に送信される情報の種類と各バッファ122a~122oとの対応関係を示す対応関係情報の主側CPU63から管理用IC66への送信が、各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報を送信するための信号経路118a~118gを利用して行われる構成としたが、これに限定されることはなく、対応関係情報を主側CPU63から管理用IC66に送信するための専用の信号経路が設けられている構成としてもよい。これにより、管理用IC66は、いずれの種類の情報を主側CPU63から受信しているのかを、その情報を受信するバッファ122a~122oの種類によって把握することが可能となる。
(11)第1の実施形態などでは主側CPU63から管理用IC66には情報が送信される一方、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信されない構成としたが、これに限定されることはなく、管理用IC66から主側CPU63に情報が送信される構成としてもよい。例えば、履歴情報に基づいて管理側CPU112にて算出された各種パラメータが主側CPU63に送信される構成としてもよい。この場合、主側CPU63はその受信した各種パラメータの内容に対応する報知が行われるようにするために上記第17の実施形態と同様に報知手段の報知制御を直接的に実行する構成としてもよく、主側CPU63がその受信した各種パラメータの内容に対応するコマンドを音声発光制御装置81に送信することで、表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41を利用して各種パラメータの内容に対応する報知が実行されるようにする構成としてもよい。
(12)主側CPU63への動作電力の供給が開始された場合に、履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて主側CPU63又は管理側CPU112にて各種パラメータが算出され、その算出した各種パラメータの内容が表示発光部53、スピーカ部54及び図柄表示装置41などを利用して報知される構成としてもよい。この場合、遊技ホールの営業開始時に直前の営業日における遊技領域PAの遊技球の入球態様が正常であったか否かを確認することが可能となる。
(13)履歴用メモリ117に記憶された履歴情報に基づいて算出された各種パラメータが異常な結果である場合、禁止解除操作が行われるまでそのパチンコ機10にて遊技を開始することができない構成としてもよい。遊技を開始することができないようにする構成としては、例えば遊技球の発射が禁止される構成としてもよく、各入球検知センサ42a~49aが無効化される構成としてもよく、第1作動口33又は第2作動口34への入賞が発生したとしても当否判定処理が実行されない構成としてもよい。また、禁止解除操作としては、RAM消去スイッチがON操作された状態でパチンコ機10の電源を再投入する操作としてもよく、遊技機本体12を外枠11に対して開放させた場合に操作可能となる操作手段の操作としてもよい。これにより、遊技領域PAの遊技球の入球態様が異常な態様である状況でそのまま遊技が行われてしまうことを阻止することが可能となる。
(14)入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する履歴情報が履歴用メモリ117に記憶されるものの、その履歴情報を利用した各種パラメータの演算は主側CPU63及び管理側CPU112のいずれにおいても実行されない構成としてもよい。この場合、読み取り用端子102に電気的に接続された読み取り装置にて履歴情報が読み取られ、当該読み取り作業の作業者によってその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよく、読み取り装置においてその読み取った履歴情報を利用した各種パラメータの演算が実行される構成としてもよい。この場合、主側CPU63及び管理側CPU112の処理負荷を軽減することが可能となる。
(15)管理用IC66が設けられておらず、上記各実施形態における履歴情報の記憶処理を実行する機能及び各種パラメータを演算する機能を、主側CPU63が備えている構成としてもよく、払出側CPU92が備えている構成としてもよく、音声発光制御装置81が備えている構成としてもよい。これら機能を払出側CPU92又は音声発光制御装置81が備えている場合、各入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報がその機能を備えている制御主体に対して主側CPU63から送信されることとなる。
(16)管理用IC66には主側CPU63とは別電源が設けられており、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても、管理用IC66において履歴情報を利用した各種パラメータの演算や、履歴情報又は各種パラメータの情報出力を行うことが可能な構成としてもよい。これにより、主側CPU63への動作電力の供給が停止されている状況であっても、履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取ることが可能となる。
(17)主側ROM64からプログラムを読み取るために利用される読み取り用端子102が、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子として兼用される構成としたが、これに限定されることはなく、履歴情報又は各種パラメータを読み取り装置にて読み取るために利用される端子が、主側ROM64からプログラムを読み取るための読み取り用端子102とは別に設けられている構成としてもよい。この場合、履歴情報又は各種パラメータを読み取るために利用される端子は、MPU62に設けられていてもよく、主制御基板61におけるMPU62とは別の位置に設けられている構成としてもよい。
(18)上記各実施形態における対応関係用メモリ116、履歴用メモリ117及び演算結果用メモリ631がフラッシュメモリなどの不揮発性記憶手段として設けられている構成に限定されることはなく、例えばこれらメモリ116,117,131のいずれかが情報の記憶保持に電力の供給を要する揮発性記憶手段として設けられており、そのメモリに対してバックアップ電力が供給されることで、主側CPU63への動作電力の供給が停止されたとしても情報が記憶保持される構成としてもよい。この場合、そのメモリに対して専用のバックアップ電力装置が設けられている構成としてもよく、主側RAM65にバックアップ電力を供給する電源・発射制御装置78からそのメモリにバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
(19)履歴情報を利用して各種パラメータが演算される構成に限定されることはなく、履歴情報は記憶保持されることなく、各入球検知センサ42a~48aのいずれかにて遊技球が新たに検知される度に各種パラメータが演算されて更新されていく構成としてもよい。この場合、各種パラメータの演算頻度が高くなるものの、任意のタイミングで各種パラメータを抽出することが可能となる。
(20)管理用IC66が汎用CPUとして管理側CPU112を備え、管理側ROM113に記憶されたプログラム及びデータに基づき履歴情報の記憶処理や各種パラメータの演算処理を実行する構成に限定されることはなく、これら機能を有するように回路設計されたハード回路が管理用IC66に形成されている構成としてもよい。当該構成について具体的には、例えば上記第1の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a~48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応する対応関係情報が対応関係用メモリ116から履歴用メモリ117に記憶されるようにするとともに、その時点におけるRTC115の情報が履歴用メモリ117に記憶されるようにする。また、例えば上記第15の実施形態であれば当該ハード回路は、主側CPU63からいずれかの検知センサ42a~48aにて遊技球を検知したことを示す信号を受信した場合、その信号を受信したバッファに対応するカウンタの値が1加算されるようにする。また、当該ハード回路は、上記第1の実施形態などにおける演算契機が発生した場合にはその時点における履歴情報を利用して各種パラメータを演算する。また、当該ハード回路は、読み取り用端子102への外部出力契機が発生した場合には、演算結果である各種パラメータを外部出力するとともに履歴情報を外部出力する。
(21)入球検知センサ42a~48aの検知結果の情報が履歴情報として記憶される構成に加えて又は代えて、開閉実行モードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、開閉実行モードへの移行タイミング及び終了タイミングが履歴情報として記憶される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよく、所定の異常が発生したことが履歴情報として記憶される構成としてもよい。また、上記のような履歴情報を利用することにより開閉実行モードへの移行確率が演算される構成としてもよく、高頻度サポートモードへの移行確率が演算される構成としてもよく、所定の異常が発生する頻度が演算される構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置により読み取り可能である構成としてもよい。
(22)主側CPU63と管理用IC66とが別チップとして設けられている構成としてもよく、別基板として設けられている構成としてもよく、別の制御装置として設けられている構成としてもよい。
(23)上記第1の実施形態などにおいて、アウト口24aへの遊技球の入球に関してはその入球個数が計測される一方、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34といった遊技球の賞球の払い出しや当否判定処理の契機となる特典契機入球部への入球に関してはRTC情報を含む履歴情報が格納される構成としてもよい。これにより、特典契機入球部への遊技球の入球履歴を抽出可能としながら、遊技球の総排出個数に対する各特典契機入球部への遊技球の入球頻度を算出することが可能となる。
(24)履歴情報として残す対象として上記各実施形態におけるもの以外のものが含まれている構成としてもよい。例えば、下皿56aが満タン状態となったこと、満タン状態が開始されたタイミング及び満タン状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、タンク75が球無状態となったこと、球無状態が開始されたタイミング及び球無状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよく、払出装置76が異常状態となったこと、払出装置76の異常状態が開始されたタイミング及び払出装置76の異常状態が解除されたタイミングの少なくともいずれかが履歴情報として記憶される構成としてもよい。この場合、これら事象の発生頻度を把握することが可能となる。
(25)上記第1の実施形態などでは管理側I/F111における入力ポート121の第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることが管理用IC66の設計段階において予め設定されている構成としたが、これに限定されることはなく、第16バッファ122pが出力指示信号に対応していることも、主側CPU63から種類識別コマンドが送信されることにより、管理用IC66にて認識される構成としてもよい。この場合、各バッファ122a~122pとそれらバッファ122a~122pに入力される信号の種類との対応関係を管理用IC66に事前に設定しておく必要がなくなる。
(26)前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への遊技球の入球個数が履歴情報として記憶されるとともに、その履歴情報を利用して把握した入球個数が読み取り装置に外部出力される構成としてもよい。これにより、前扉枠14が開放状態となっている状況において所定の入球部に入球した遊技球の個数を把握することが可能となり、不正の有無などを把握することが可能となる。また、前扉枠14が開放状態である状況で発生した所定の入球部への入球個数を所定の演算契機が発生した場合に演算し、その演算した入球個数が異常な個数である場合には異常報知が実行されるようにしてもよい。これにより、前扉枠14を不正に開放して所定の入球部に遊技球を入球させる不正行為に対処することが可能となる。
(27)管理用IC66は正常に動作している場合には主側CPU63に正常動作信号を送信する構成としてもよい。この場合、管理用IC66が正常に動作しているか否かを主側CPU63にて監視することが可能となる。
(28)上記第1の実施形態などにおいて管理側CPU112にて第1~第15バッファ122a~122oの確認処理を実行する順序が上記第1の実施形態などとは逆である構成としてもよい。この場合、主側CPU63にて各信号の出力状態の変更処理を実行する順序と、管理側CPU112にて各バッファ122a~122oの確認処理を実行する順序とが一致することとなる。
(29)読み取り用端子102を利用して主側ROM64に記憶された情報を外部出力する場合、プログラム及びデータのうち一方を選択的に外部出力することが可能な構成としてもよく、所定のプログラムのみを外部出力することが可能な構成としてもよい。この場合、分析対象となる情報を読み取り装置にて選択的に読み取ることが可能となる。なお、情報を選択的に外部出力する構成としては、主側CPU63は読み取り用端子102を通じて読み取り装置から受信した選択情報から外部出力対象となる情報を選択し、その選択した情報を外部出力する構成が考えられる。
(30)主側ROM64に記憶されたプログラムを外部出力するための読み取り用端子102を通じて外部出力する対象の別情報は履歴情報や各種パラメータに限定されることはなく、例えば異常が発生した場合にはその異常発生の履歴情報を記憶しておき、その記憶した履歴情報が読み取り用端子102を通じて外部出力される構成としてもよい。
(31)アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれに対して個別に検知センサ42a~48aを設け、当該検知センサ42a~48aにて検知した遊技球の個数を合計することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握する構成としたが、これに限定されることはなく、例えば遊技領域PAから排出された全ての遊技球が1個ずつ通過することとなる通路領域を設けるとともに当該通路領域を通過する遊技球を検知する排出検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、当該排出検知センサの検知結果を利用することで遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数を把握することが可能となる。また、当該構成において上記各実施形態と同様に、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33及び第2作動口34のそれぞれの遊技球の入球個数を検知するための検知センサ42a~47aを設けることにより、遊技領域PAから排出された遊技球の合計個数に対する各入球部に入球した遊技球の個数の割合を演算することが可能となる。
(32)主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置81により表示制御装置82が制御される構成に代えて、主制御装置60から送信されるコマンドに基づいて、表示制御装置82が音声発光制御装置81を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置81と表示制御装置82とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置60に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置60に集約されていてもよい。また、主制御装置60から音声発光制御装置81に送信されるコマンドの構成や、音声発光制御装置81から表示制御装置82に送信されるコマンドの構成も任意である。
(33)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に本発明を適用する場合、例えばスタートレバーの操作に基づき1ゲームを開始する場合に実行された役の抽選処理の結果を履歴情報として記憶し、その履歴情報を利用して各役の実際の当選確率を演算する構成としてもよく、ボーナスゲームといった特別遊技状態への移行が発生した場合にそれを履歴情報としえ記憶し、その履歴情報を利用して特別遊技状態への実際の移行確率を演算する構成としてもよく、消化された総ゲーム数に対する特別遊技状態の滞在ゲーム数の割合を演算する構成としてもよい。そして、それら履歴情報や各種パラメータを読み取り装置にて読み取り可能としたり、各種パラメータの演算結果に対応する報知が遊技機自身にて行われる構成としてもよい。
(34)上記第1~第18の実施形態の特徴的な構成を任意の組合せで相互に適用してもよい。例えば、上記第1の実施形態の特徴的な構成と、上記第12の実施形態の特徴的な構成と、上記第18の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよく、上記第2の実施形態の特徴的な構成と、上記第10の実施形態の特徴的な構成と、上記第14の実施形態の特徴的な構成とを組合せてもよい。また、上記第1~15の実施形態の特徴的な構成を所定の組合せで適用した構成に対して、上記別形態の構成を任意の組合せで適用してもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技領域(遊技領域PA)を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1スルーゲート35)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS705及びステップS706の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典の付与状況の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、当該第1モードよりも前記特典の付与状況となり易い第2モード(高頻度サポートモード)と、が設定されており、
前記入球部に向けて遊技球を誘導する誘導手段(調整機構180,220,330,430,530,620)と、
前記第1モードにおいて、前記誘導手段により誘導される遊技球の各誘導タイミングが、当該入球部に誘導された遊技球が前記特典の付与契機となる付与契機タイミングに対応することとなる又は対応し易くなる所定状況(当選連続期間)を生じさせる所定状況発生手段(主側CPU63におけるステップS312及びステップS313の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1モードは、第2モードと比較して、特典の付与状況となりにくい構成である。このため、第1モードにおいて、特典の付与状況となることへの遊技者の期待感は低いものとなる。当該構成において、第1モードにて生じる状況として、誘導手段により誘導される遊技球の誘導タイミングが付与契機タイミングに対応することとなる又は対応し易くなる所定状況が設けられている。これにより、第1モードにて遊技球の発射操作を行っている遊技者に対して、所定状況が発生するかもしれないという期待感を持たせることができる。第1モードにおいて、特典の付与状況となることへの遊技者の期待感の低下を抑制することにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PA)を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1スルーゲート35)と、
当該入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS705及びステップS706の処理を実行する機能)と、
前記入球部に向けて遊技球を誘導する誘導手段(調整機構180,220,330,430,530,620)と、
前記入球部に予め定められた時間間隔を置いて前記誘導手段により誘導される遊技球の各誘導タイミングが、当該入球部に誘導された遊技球が前記特典の付与契機となる付与契機タイミングに対応することとなる又は対応し易くなる所定状況(当選連続期間)を生じさせる所定状況発生手段(主側CPU63におけるステップS312及びステップS313の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、誘導タイミングが付与契機タイミングに対応している状況又は対応し易くなる所定状況となることにより、特典が付与されるための条件の全部又は一部が満たされる。所定状況は、誘導タイミングとなる度に特典付与の可能性が発生する状況であり、遊技者にとって有利な状況である。所定状況が発生する構成とすることにより、所定状況でない場合においても所定状況の発生を遊技者に意識させて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A3.前記所定状況発生手段は、前記付与契機タイミングを変更することにより前記所定状況を生じさせることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、付与契機タイミングが変更されて誘導タイミングが付与契機タイミングに対応することとなった場合、又は対応し易くなる状況となった場合に所定状況が生じるとともに、付与契機タイミングが変更されて誘導タイミングが付与契機タイミングに対応しないこととなった場合に所定状況が終了する。所定状況を前兆なく発生するものとすることにより、遊技者に所定状況を常に意識させることができる。所定状況が発生することに対する遊技者の期待感を常に高く保つことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A4.数値情報を更新して記憶する第1更新手段(普電役物開放カウンタC4、主側CPU63におけるステップS202の処理を実行する機能)と、
前記第1更新手段の初期値を更新するための数値情報を更新して記憶する第2更新手段(開放用初期値カウンタC5、主側CPU63におけるステップS113の処理を実行する機能、主側CPU63におけるステップS204の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特典付与手段は、
前記付与契機タイミングに対応する数値情報が設定されている判定基準情報(低頻度用当選判定値テーブルT1)に基づき、前記第1更新手段に記憶されている数値情報を用いて所定処理(普電開放抽選)を実行する手段(主側CPU63におけるステップS705の処理を実行する機能、主側CPU63におけるステップS717の処理を実行する機能)と、
前記所定処理において、前記第1更新手段に記憶されている数値情報が前記付与契機タイミングに対応する数値情報である所定付与結果(普電開放当選)となった場合に前記特典を付与する手段(主側CPU63におけるステップS410及びステップS411の処理を実行する機能、主側CPU63におけるステップS803~ステップS807の処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記所定状況発生手段は、前記第2更新手段に記憶されている数値情報を前記第1更新手段の初期値として設定することにより前記所定状況を生じさせることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第2更新手段に記憶されている数値情報を第1更新手段の初期値として設定することにより、所定状況の発生タイミングを不定期なものとすることができる。所定状況をいつ発生するか分からないものとすることにより、遊技者に所定状況を常に意識させることができる。所定状況が発生することに対する遊技者の期待感を常に高く保つことにより、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A5.前記所定状況発生手段は、
予め定められた変更タイミングとなる度に、前記誘導タイミングと前記付与契機タイミングとの時間的な前後関係を変更する所定変更処理を実行して前記所定状況を生じさせる手段(主側CPU63におけるステップS312及びステップS313の処理を実行する機能)と、
前記所定状況において、前記変更タイミングとなった場合に、前記所定変更処理の実行を見送ることにより、前記所定状況を延長する延長手段(主側CPU63におけるステップS305を実行する機能、主側CPU63におけるステップS712の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、所定変更処理の実行が見送られることにより、遊技者にとって有利な所定状況が長く継続されることとなり、所定状況を魅力的なものとすることができる。これにより、遊技者の所定状況への期待感を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A6.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(第1作動口33,581、第2作動口34,582)と、
前記始動入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として遊技者にとって有利な状態を生じさせる手段(主側CPU63におけるステップS215の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記始動入球部は、前記始動入球部を、遊技球が入球しにくい又は入球が不可である第1所定状態(普電役物34aの閉鎖状態)と、前記第1所定状態よりも遊技球が入球し易い第2所定状態(普電役物34aの開放状態)とに切り換え可能な受入制御手段(主側CPU63における普図普電制御処理を実行する機能)を備えており、
前記受入制御手段による前記始動入球部の制御モードとして、第1モード(低頻度サポートモード)と、前記第1モードよりも前記第2所定状態になり易い第2モード(高頻度サポートモード)と、が設定されており、
前記特典付与手段は、前記入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として所定判定(普電開放抽選)を実行し、当該所定判定において所定判定結果(普電開放当選)となった場合に、前記特典として、前記始動入球部を前記第2所定状態とする手段(主側CPU63におけるステップS407~ステップS411の処理を実行する機能)を備えており、
前記所定状況発生手段は、前記始動入球部の制御モードが前記第1モードであることを一の条件として前記所定状況を生じさせるものであることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第1モードでは、第2モードと比較して、始動入球部が第2所定状態となりにくい。このため、第1モードでは、第2モードと比較して、遊技球が始動入球部に入球することへの遊技者の期待感が低くなる。これに対して、第1モードにて所定状況が発生する構成とすることにより、第1モードにおいて、遊技球が始動入球部に入球することへの遊技者の期待感を高めることができる。所定状況は、第1モードであることを条件として生じるため、第2モードと比較して第1モードが不利であるという印象を和らげることができる。
特徴A7.前記所定状況の発生確率は、前記受入制御手段における制御モードが前記第2モードである場合の方が、前記所定状況である場合と、前記所定状況でない場合と、の両方を含む前記第1モードである場合よりも、遊技者にとって有利となる確率に設定されていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、所定状況である場合と所定状況でない場合との両方を含む第1モード全体と第2モードとを比較した場合に、第2モードである場合の方が第1モードである場合よりも遊技者にとって有利である。第2モードである場合の方が第1モードである場合よりも遊技者にとって有利であるという前提を保ちながら、第1モードにおいて所定状況を発生させることで、第1モードにおいて、遊技球が始動入球部に入球することへの遊技者の期待感が著しく低下することを防止できる。
特徴A8.遊技者による発射操作に基づいて、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構27)を備え、
前記遊技領域には、前記入球部として、遊技者が第1発射態様で前記発射手段の発射操作を行った場合に入球が発生し得る位置に存在する第1入球部(第1スルーゲート35)と、遊技者が前記第1発射態様とは異なる第2発射態様で前記発射手段の発射操作を行った場合に入球が発生し得る位置に存在する第2入球部(第2スルーゲート39)と、が設けられており、
前記誘導手段は、前記第1入球部に向けて遊技球を誘導するものであり、
前記受入制御手段における制御モードが前記第1モードである場合には、前記第1発射態様で発射操作を行った方が前記第2発射態様で発射操作を行うよりも遊技者にとって有利であり、前記第2モードである場合には、前記第2発射態様で発射操作を行った方が前記第1発射態様で発射操作を行うよりも遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、入球部が1つである場合には、受入制御手段における制御モードが第2モードである場合にも遊技球が入球部に入球するために誘導手段に誘導される必要が生じる。このため、誘導手段に誘導されなかった遊技球は入球部に入球できない。これに対して、誘導手段が設けられている第1入球部とは異なる第2入球部を設けることにより、第2モードである場合には、誘導手段を経由することなく遊技球を第2入球部に入球させることができる。これにより、第2モードにおいて所定判定が実行される頻度を高めることができる。
また、状況に応じて発射態様を変化させることにより遊技者にとって有利となる構成とすることにより、同じ発射態様を継続させる構成と比較して、遊技者の参加意識を高めて遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A9.前記特典付与手段は、前記受入制御手段における制御モードが前記第2モードである場合の前記所定判定にて前記所定判定結果となった場合には、前記第1モードである場合の前記所定判定にて前記所定判定結果となった場合よりも遊技球が前記始動入球部に入球し易い態様で前記始動入球部を前記第2所定状態とすることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、本来第2モードよりも遊技者にとって不利である第1モードにおいて所定状況が発生した場合には、遊技球が入球部に入球する度に所定判定において所定判定結果となる。このため、第1モードであるとともに所定状況である場合には、第2モードである場合よりも高い頻度で始動入球部が第2所定状態となる可能性がある。これに対して、第2モードの所定判定にて所定判定結果となった場合に始動入球部が第2所定状態となる態様を、第1モードの所定判定にて所定判定結果となった場合に始動入球部が第2所定状況となる態様よりも遊技球の始動入球部への入球が発生し易いものとする構成である。これにより、第2モードである場合に遊技球が始動入球部に入球する頻度と、第1モードであるとともに所定状況である場合に遊技球が始動入球部に入球する頻度とのバランスを図ることができる。
特徴A10.前記誘導手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球が到達可能な誘導部(取込口185付近、取込口262付近、調整機構330,430の上部、調整部546付近)と、
前記誘導手段が前記入球部に向けて遊技球を誘導可能な誘導可能タイミング(取込許可状態であるタイミング)にて前記誘導部に到達した遊技球を前記入球部に向けて誘導する手段(回転体183,230,340,440)と、
前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球を前記入球部とは異なる領域に排出させる排出手段(羽根部188~191の周面188a~191a)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A10によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて誘導部に到達した遊技球を排出できるため、誘導手段に取り込まれなかった遊技球が誘導部付近に滞留することを抑制できる。これにより、誘導部付近を、誘導可能タイミングにて誘導部に到達した遊技球が入球部に向けて誘導され易い状態に保つことができる。
特徴A11.前記排出手段は、前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球を前記誘導手段の外部に排出する手段(羽根部188~191の周面188a~191a)を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングで誘導部に到達した遊技球を誘導部にて誘導手段の外部に排出することにより、当該遊技球が誘導部付近に滞留することを抑制することができる。これにより、誘導部において、誘導対象である遊技球の入球部への誘導が誘導対象でない遊技球により妨げられる可能性を低減することができる。
特徴A12.前記排出手段は、
遊技球が流下することが可能な空間であり、前記遊技領域において前記誘導手段の周囲に設けられている流下空間(調整機構180,430,530,620の左右に設けられている空間、調整機構220の左方に設けられている空間)と、
前記誘導手段との間に前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に誘導された遊技球が前記流下空間に流下することを可能とする間隔を空けて前記遊技領域に設けられており、前記遊技領域を流下する遊技球を前記誘導部に向けて案内する球案内手段(釘24b、左側案内釘291、右側案内釘292、下流案内釘371、案内釘472)と、
を備えていることを特徴とする特徴A10又はA11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、誘導部に案内されて誘導手段に取り込まれなかった遊技球が下流に向けて流下空間を流下する構成とすることにより、誘導部付近に遊技球が滞留する可能性を低減することができる。また、球案内手段により誘導部に遊技球を案内することができるため、誘導手段が入球部に向けて誘導する遊技球が不足する可能性を低減することができる。
特徴A13.前記排出手段は、前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球が入球可能な補助通路(逃げ通路172)を備えていることを特徴とする特徴A10乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて誘導部に到達した遊技球を補助通路により他の場所に移動させる構成とすることにより、誘導部に到達して他の場所に移動している途中の遊技球が遊技領域を流下している他の遊技球と衝突することを避けながら、誘導部に到達した遊技球が誘導部周辺に滞留することを回避できる。
特徴A14.前記遊技領域の後方側の境界は、板状の領域規定手段(遊技盤24,610)により規定されており、
前記補助通路は、遊技球が前記領域規定手段の前面よりも後方を通過することを可能とするものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて誘導部に到達した遊技球を領域規定手段の前面よりも後方に向けて排出させる構成とすることにより、補助通路を区画している部材が遊技領域を流下する他の遊技球と衝突して当該遊技球の進路を乱すことを回避できる。
特徴A15.前記補助通路は、当該補助通路を流下した遊技球を前記領域規定手段の前方の前記遊技領域に向けて排出する通路用出口(通路出口173)を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、補助通路に入球した遊技球が遊技領域に戻らない構成では、誘導手段の下流を流下する遊技球が不足する可能性がある。これに対して、補助通路を流下した遊技球が通路用出口から遊技領域に戻る構成とすることにより、誘導手段の下流を流下する遊技球の数が減少する可能性を低減することができる。
特徴A16.前記遊技領域には、前記通路用出口から前記遊技領域に向けて排出される遊技球に対して前記通路用出口の上流から前記遊技領域を流下して来た遊技球が衝突することを阻止するための衝突阻止手段(出口屋根174)が設けられていることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、通路用出口から遊技領域に戻ろうとする遊技球が遊技領域において通路用出口の上流から流下して来た遊技球と衝突することにより再び補助通路内に戻されてしまうことを阻止することができる。
特徴A17.前記補助通路を通過する遊技球の動きが外部から視認可能であることを特徴とする特徴A13乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、補助通路における遊技球の動きを外部から視認可能とすることにより、遊技球が補助通路に入球した途端に当該遊技球の動きが目で追えなくなることを回避できる。特に、補助通路を通過した後に遊技球が遊技領域に戻ってくる構成においては、遊技者が連続的に遊技球の動きを把握できる構成とすることにより、補助通路に入球して一度見えなくなった遊技球が突然遊技領域に戻ってくる違和感を生じさせない構成とすることができる。
特徴A18.前記誘導手段は、
前記誘導手段に向けて流下して来た遊技球が前記誘導手段の内部に進入することを阻む進入阻止手段(左側起立壁181c,181h、右側起立壁181d、右上起立壁252、左起立壁261、起立壁352)と、
回転可能であり、遊技球を前記誘導手段内に取り込んで保持することが可能な取込手段(凹み部183b~183e、段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体183,230,340,440)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
を備えており、
前記進入阻止手段は、前記誘導部に到達した遊技球を前記誘導手段の内部に取り込み可能な開口として取込開口(取込口185)を備えており、
前記排出手段は、前記取込開口において、前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球を、当該遊技球が前記補助通路に入球するように排出することにより当該遊技球が挟み込まれることを回避する回避手段(第1前方面188b、第2前方面189b、第3前方面190b、第4前方面191b、右側起立壁181d)を備えていることを特徴とする特徴A13乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A18によれば、取込開口にて、回転手段と進入阻止手段とに接触している状態となった遊技球を、当該遊技球が補助通路に入球するように排出することにより、当該遊技球が挟み込まれて停留することを回避できる。また、遊技球の挟み込みを回避することにより、遊技ホールの管理者が行わなければならないメンテナンスの負担を軽減することができる。
特徴A19.前記回避手段は、前記取込開口にて前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球に対して、前記回転手段が回転した場合に、前記補助通路の入口に向かう力を加えることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、回転手段が回転することにより、取込開口にて、遊技球が回転手段と進入阻止手段との両方に接触している状態が解消される。このため、遊技球の挟み込みを回避するための専用の構成を必要としない。これにより、構成の複雑化を避けて製造コストを抑えることができるとともに、誘導手段の大型化を避けて誘導手段の配置の自由度を確保することができる。
特徴A20.前記回避手段は、遊技球が前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった場合に、当該遊技球に対して下向きの成分を含む力を加える手段(前方面188b~191bの傾斜)を備えていることを特徴とする特徴A18又はA19に記載の遊技機。
特徴A20によれば、回転手段と進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球に対して、下向きの成分を有する力が加わる。これにより、回転手段と進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球が上方にはじき出されて上流の遊技球の流れが乱れる事態を回避できる。
特徴A21.前記排出手段は、遊技球が前記補助通路に入球することを可能とする開口として通路用入口(通路入口171)を備えており、
前記取込手段は、当該取込手段により前記誘導手段内に取り込まれた遊技球が前記通路用入口に向かって移動することを阻止する手段(凹み部183b~183eの内壁の傾斜)を備えていることを特徴とする特徴A18乃至A20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A21によれば、取込手段に取り込まれた遊技球が誘導されて入球部に到達する前に通路用入口から補助通路に入球してしまう可能性を低減できる。これにより、誘導手段により入球部に誘導される遊技球の数が減少することを抑制できる。
特徴A22.前記誘導手段は、
前記誘導手段に向けて流下した遊技球が当該誘導手段の内部に進入することを可能とする取込開口(取込口262)と、
前記取込開口を区画している開口区画手段(右上起立壁252、左起立壁261)と、
回転可能であり、前記誘導手段の内部に取り込まれた遊技球を前記誘導手段の内部において搬送する搬送手段(段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体230,340)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
前記取込開口の周辺に設けられており、前記取込開口にて遊技球が前記回転手段と前記開口区画手段との両方と接触している状態となった場合に、変形して当該遊技球を挟み込もうとする力を逃がすことを可能とする変形手段(右上起立壁252、羽根部材343、回動軸254,344)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A22によれば、取込開口周辺の取込許可手段が変形することにより、遊技球が回転手段と開口区画手段とに挟み込まれて停留する事態を回避できる。
特徴A23.前記変形手段は、前記開口区画手段を一時的に所定位置まで変位させることにより当該開口区画手段に加えられた力を逃がすことを可能とする手段(右上起立壁252、回動軸254)を備えていることを特徴とする特徴A22に記載の遊技機。
特徴A23によれば、遊技球が回転手段と開口区画手段との両方と接触している状態となり、回転手段の回転に伴って当該遊技球が開口区画手段に向けて押された場合に、開口区画手段が一時的に所定位置まで変位することにより、遊技球が挟み込まれて停留する事態を回避することができる。
特徴A24.前記変形手段は、前記回転手段の一部を一時的に特定位置まで変位させることにより前記回転手段に加えられた力を逃がすことを可能とする手段(羽根部材343、回動軸344)を備えていることを特徴とする特徴A22又はA23に記載の遊技機。
特徴A24によれば、遊技球が回転手段と開口区画手段との両方と接触している状態となり、回転手段の回転に伴って回転手段と開口区画手段とに力が加えられる状況となった場合に、回転手段の一部が一時的に特定位置まで変位して遊技球を挟み込む力を逃がすことにより、遊技球が挟み込まれて停留する事態を回避することができる。
特徴A25.前記誘導手段は、
回転可能であり、遊技球を前記誘導手段内に取り込んで保持することが可能な取込手段(凹み部183b~183e、段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体183,230,340,440)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
前記取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングよりも前のタイミングにおいて、当該取込手段により搬送されている遊技球を前記入球部に向けて放出するための放出手段(排出口256,621)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A25によれば、取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングにおいて当該取込手段により搬送されている遊技球を放出する構成の場合には、放出手段における遊技球の放出タイミングが遅れた場合に、取込手段により搬送されている遊技球が誘導手段内を上昇し始める可能性がある。これに対して、取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングよりも前のタイミングにおいて当該取込手段により搬送されている遊技球を放出する構成とすることにより、遊技球の放出タイミングが遅れた場合に遊技球が誘導手段内を上昇する可能性を低減することができる。
特徴A26.前記誘導手段は、当該誘導手段内に取り込まれて前記取込手段により搬送されている遊技球が下方に落下すること、及び前記回転手段の回転により前記誘導手段の外部に放り出されることを阻止する落下防止手段(左側起立壁181h、右側起立壁181d)を備えており、
前記放出手段は、前記落下防止手段と接触している状態で搬送されている遊技球が前記誘導手段の外部に向けて放出されるように前記落下防止手段に設けられている放出開口(排出口621)を備えていることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
特徴A26によれば、遊技球は、落下防止手段に接触している状態で搬送され、放出開口に到達した場合に誘導手段の外部に向けて放出される。落下防止手段における放出開口の位置は固定されているため、遊技球が誘導手段から放出される位置を毎回同じものとすることができる。また、回転手段が遊技球を放出開口に案内するタイミングは回転手段の回転態様に応じて決まるため、遊技球が誘導手段から放出されるタイミングを設計段階で設定されたタイミングとすることができる。
特徴A27.前記放出開口は、当該放出開口の縁において、当該放出開口から放出される遊技球の放出方向を前記入球部に向かう方向とすることを特徴とする特徴A26に記載の遊技機。
特徴A27によれば、遊技球は、放出開口から放出される際、当該放出開口の縁に接触することにより入球部に向かって放出されることとなる。遊技球が誘導手段から放出される位置と、放出される方向と、を固定することにより、誘導手段から放出される遊技球が入球部に到達する確率を高めることができる。
特徴A28.前記放出手段は、前記誘導手段内の遊技球を放出する放出位置において、当該放出位置に到達した遊技球の移動方向を放出のための移動方向に変更する方向変更手段(排出用突出部181e、排出用突出端263a)を備えていることを特徴とする特徴A25乃至A27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A28によれば、方向変更手段は、放出位置において遊技球の移動方向を当該遊技球が放出されるための移動方向に変更するため、遊技球が放出手段から放出されることなく放出位置を通り過ぎることを抑制できる。これにより、放出位置にて放出されなかった遊技球が誘導手段内を上昇することを抑制できる。
特徴A29.前記方向変更手段は、前記回転手段により誘導されている遊技球と接触可能な態様で前記遊技領域の前後方向の途中位置まで突出しており、
前記回転手段は、突出している前記方向変更手段との接触を避けるための接触回避手段(衝突回避溝192)を備えていることを特徴とする特徴A28に記載の遊技機。
特徴A29によれば、回転手段の回転を妨げることなく回転手段に誘導されている遊技球と接触することにより、放出位置にて遊技球の移動方向を変更して、遊技球の放出を促進することができる。
特徴A30.前記方向変更手段は、前記放出位置にて当該方向変更手段と接触した遊技球を前記入球部に向けて案内する手段(排出用右側面181g)を備えていることを特徴とする特徴A28又はA29に記載の遊技機。
特徴A30によれば、放出位置にて遊技球の放出方向が入球部に向けられることにより、当該放出位置において誘導手段から放出された遊技球が入球部に到達する確率を高めることができる。
特徴A31.前記誘導手段は、
遊技球の放出方向を前記入球部に向けて規定する方向規定手段(案内通路545)と、
前記方向規定手段において、当該方向規定手段における遊技球の流下方向の上流に位置しており、開放状態となることにより前記方向規定手段に遊技球が入球することを可能とし、閉鎖状態となることにより遊技球が入球することを不可能とする開閉手段(調整部546)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A30のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A31によれば、誘導手段の構成をシンプルなものとすることにより、遊技領域に占める誘導手段の体積を抑えることができる。これにより、遊技領域において誘導手段を配置する場所の選択肢を増やし、設計の自由度を高めることができる。
特徴A32.前記誘導手段は、前記入球部に向けて遊技球を放出するものであり、
前記誘導手段から放出された遊技球が前記入球部に向かう途中位置には、遊技球が前記入球部に向かって流下することを許可する場合と、許可しない場合と、がある進路調整手段(電動釘560)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A32によれば、誘導手段から入球部に向けて放出される遊技球の一部が入球部から外れることとなる。誘導手段から放出された遊技球が入球部に入球するか否かを不確定要素とすることにより、誘導手段から放出された後の遊技球の動きを遊技者の関心事の1つとして、誘導手段周辺における遊技球の動きに対する注目度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A33.前記進路調整手段は、
遊技球と接触した場合に遊技球の進路を変更する変更実行手段(電動釘560)と、
前記誘導手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触するように前記変更実行手段を移動させること、及び前記誘導手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触しないように前記変更実行手段を移動させることが可能な進路調整駆動手段(釘用駆動部560a)と、
を備えていることを特徴とする特徴A32に記載の遊技機。
特徴A33によれば、変更実行手段を移動させることにより遊技球が入球部に向けて流下可能な状態と流下不可能な状態とを作り出すシンプルな構成とすることにより、進路調整手段が占める体積を抑え、設計の自由度を高めることができる。
特徴A34.前記誘導手段は、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触するように遊技球を放出する手段(第1支持面241、第2支持面242、第3支持面243)と、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触しないように遊技球を放出する手段(第4支持面244)と、
を備えていることを特徴とする特徴A32又はA33に記載の遊技機。
特徴A34によれば、誘導手段が複数通りの態様で遊技球を放出する構成とすることにより、誘導手段から放出されて入球部に入球する遊技球と入球しない遊技球とを生じさせることができる。また、誘導手段において、放出された遊技球が進路調整手段に接触する放出態様と、接触しない放出態様と、が発生する割合を一定とすることにより、誘導手段から放出された遊技球が入球部に入球する割合と入球しない割合とを設計段階において設定した割合に近いものとすることが可能となる。
特徴A35.前記誘導手段は、前記入球部に向けて遊技球を放出するものであり、
前記入球部は、前記遊技領域において、前記誘導手段にて遊技球の放出が開始される位置から遊技球の直径以上離れた位置に設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A34のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A35によれば、誘導手段にて遊技球の放出が開始される位置と入球部との間を遊技球が通過可能である。このため、誘導手段から放出された遊技球が入球部に入球しない可能性が残されている。誘導手段から放出された遊技球が入球部に入球するか否かを不確定要素とすることにより、誘導手段から放出された後の遊技球の動きを遊技者の関心事の1つとして、誘導手段周辺における遊技球の動きに対する注目度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴A36.前記誘導手段は、所定の放出開始位置から所定放出方向に向けて遊技球を放出することにより当該遊技球を前記入球部に到達させるものであり、
前記入球部は、前記誘導手段から放出されて当該入球部の高さ位置まで流下した遊技球の当該高さ位置における移動方向に略直交する傾斜の開口を有していることを特徴とする特徴A1乃至A35のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A36によれば、誘導手段から放出されて入球部まで到達した遊技球が入球部の縁に接触することなく当該入球部に入球する可能性を高めることができる。これにより、誘導手段から放出された遊技球が入球部の縁と衝突して入球タイミングがずれたり入球部から外れたりする可能性を低減することができる。
なお、特徴A1~A36の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴A群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機として、パチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立した際に、数値情報を利用した抽選が行われ、当該抽選の結果に応じて遊技者に特典を付与する構成が知られている。
例えば、パチンコ遊技機では、遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した際に、抽選用の数値情報を更新する更新手段から数値情報が取得され、その取得された数値情報が当選情報に対応しているか否かの判定が行われる。また、所定の取得条件が成立したことに基づいて数値情報が取得され、その数値情報を利用して行われる抽選の結果に基づいて特定の演出や報知が行われる構成も知られている。
ここで、上記例示等のような遊技機においては斬新な遊技内容が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴B群>
特徴B1.誘導可能タイミング(取込許可状態であるタイミング)において誘導部(取込口185付近、取込口262付近、調整機構330,430の上部、調整部546付近)に到達した遊技球を所定領域(第1スルーゲート35、第1作動口33,581)に向けて誘導することが可能な誘導手段(調整機構180,220,330,430,530,620)と、
前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングで前記誘導部に到達した遊技球を前記所定領域とは異なる領域に排出させる排出手段(羽根部188~191の周面188a~191a)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングで誘導部に到達した遊技球を排出することにより、誘導されなかった遊技球が誘導部付近に滞留することを抑制できる。これにより、誘導部付近を、誘導可能タイミングにおいて誘導部に到達した遊技球が誘導され易い状態に保つことができる。
特徴B2.前記排出手段は、前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球を前記誘導手段の外部に排出する手段(羽根部188~191の周面188a~191a)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングで誘導部に到達した遊技球を誘導部にて誘導手段の外部に排出することにより、当該遊技球が誘導部付近に滞留することを抑制することができる。これにより、誘導部において、誘導対象である遊技球の所定領域への誘導が誘導対象でない遊技球により妨げられる可能性を低減することができる。
特徴B3.前記排出手段は、
遊技球が流下することが可能な空間であり、遊技領域(遊技領域PA)において前記誘導手段の周囲に設けられている流下空間(調整機構180,430,530,620の左右に設けられている空間、調整機構220の左方に設けられている空間)と、
前記誘導手段との間に前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に誘導された遊技球が前記流下空間に流下することを可能とする間隔を空けて前記遊技領域に設けられており、前記遊技領域を流下する遊技球を前記誘導部に向けて案内する球案内手段(釘24b、左側案内釘291、右側案内釘292、下流案内釘371、案内釘472)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、誘導部に案内されて誘導手段に取り込まれなかった遊技球が下流に向けて流下空間を流下する構成とすることにより、誘導部付近に遊技球が滞留する可能性を低減することができる。また、球案内手段により誘導部に遊技球を案内することができるため、誘導手段が所定領域に向けて誘導する遊技球が不足する可能性を低減することができる。
特徴B4.前記排出手段は、前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球が入球可能な補助通路(逃げ通路172)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて誘導部に到達した遊技球を補助通路により他の場所に移動させる構成とすることにより、誘導部に到達して他の場所に移動している途中の遊技球が遊技領域を流下している他の遊技球と衝突することを避けながら、誘導部に到達した遊技球が誘導部周辺に滞留することを回避できる。
特徴B5.遊技領域(遊技領域PA)の後方側の境界は、板状の領域規定手段(遊技盤24,610)により規定されており、
前記補助通路は、遊技球が前記領域規定手段の前面よりも後方を通過することを可能とするものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて誘導部に到達した遊技球を領域規定手段の前面よりも後方に向けて排出させる構成とすることにより、補助通路を区画している部材が遊技領域を流下する他の遊技球と衝突して当該遊技球の進路を乱すことを回避できる。
特徴B6.前記補助通路は、当該補助通路を流下した遊技球を前記領域規定手段の前方の前記遊技領域に向けて排出する通路用出口(通路出口173)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6によれば、補助通路に入球した遊技球が遊技領域に戻らない構成では、誘導手段の下流を流下する遊技球が不足する可能性がある。これに対して、補助通路を流下した遊技球が通路用出口から遊技領域に戻る構成とすることにより、誘導手段の下流を流下する遊技球の数が減少する可能性を低減することができる。
特徴B7.前記遊技領域には、前記通路用出口から前記遊技領域に向けて排出される遊技球に対して前記通路用出口の上流から前記遊技領域を流下して来た遊技球が衝突することを阻止するための衝突阻止手段(出口屋根174)が設けられていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、通路用出口から遊技領域に戻ろうとする遊技球が遊技領域において通路用出口の上流から流下して来た遊技球と衝突することにより再び補助通路内に戻されてしまうことを阻止することができる。
特徴B8.前記補助通路を通過する遊技球の動きが外部から視認可能であることを特徴とする特徴B4乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B8によれば、補助通路における遊技球の動きを外部から視認可能とすることにより、遊技球が補助通路に入球した途端に当該遊技球の動きが目で追えなくなることを回避できる。特に、補助通路を通過した後に遊技球が遊技領域に戻ってくる構成においては、遊技者が連続的に遊技球の動きを把握できる構成とすることにより、補助通路に入球して一度見えなくなった遊技球が突然遊技領域に戻ってくる違和感を生じさせない構成とすることができる。
特徴B9.前記誘導手段は、
前記誘導手段に向けて流下して来た遊技球が前記誘導手段の内部に進入することを阻む進入阻止手段(左側起立壁181c,181h、右側起立壁181d、右上起立壁252、左起立壁261、起立壁352)と、
回転可能であり、遊技球を前記誘導手段内に取り込んで保持することが可能な取込手段(凹み部183b~183e、段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体183,230,340,440)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
を備えており、
前記進入阻止手段は、前記誘導部に到達した遊技球を前記誘導手段の内部に取り込み可能な開口として取込開口(取込口185)を備えており、
前記排出手段は、前記取込開口において、前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球を、前記所定領域とは異なる領域に排出することにより当該遊技球が挟み込まれることを回避する回避手段(第1前方面188b、第2前方面189b、第3前方面190b、第4前方面191b、右側起立壁181d)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、取込開口にて、回転手段と進入阻止手段とに接触している状態となった遊技球を、所定領域とは異なる領域に排出することにより、当該遊技球が挟み込まれて停留することを回避できる。また、遊技球の挟み込みを回避することにより、遊技ホールの管理者が行わなければならないメンテナンスの負担を軽減することができる。
特徴B10.前記回避手段は、前記取込開口にて前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球に対して、前記回転手段が回転した場合に、前記所定領域とは異なる領域に向かう力を加えることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、回転手段が回転することにより、取込開口にて、遊技球が回転手段と進入阻止手段との両方に接触している状態が解消される。このため、遊技球の挟み込みを回避するための専用の構成を必要としない。これにより、構成の複雑化を避けて製造コストを抑えることができるとともに、誘導手段の大型化を避けて誘導手段の配置の自由度を確保することができる。
特徴B11.前記回避手段は、遊技球が前記回転手段と前記進入阻止手段との両方と接触している状態となった場合に、当該遊技球に対して下向きの成分を含む力を加える手段(前方面188b~191bの傾斜)を備えていることを特徴とする特徴B9又はB10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、回転手段と進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球に対して、下向きの成分を有する力が加わる。これにより、回転手段と進入阻止手段との両方と接触している状態となった遊技球が上方にはじき出されて上流の遊技球の流れが乱れる事態を回避できる。
特徴B12.前記排出手段は、
前記誘導可能タイミングとは異なるタイミングにて前記誘導部に到達した遊技球が入球可能な補助通路(逃げ通路172)と、
遊技球が前記補助通路に入球することを可能とする開口である通路用入口(通路入口171)と、
を備えており、
前記取込手段は、当該取込手段により前記誘導手段内に取り込まれた遊技球が前記通路用入口に向かって移動することを阻止する手段(凹み部183b~183eの内壁の傾斜)を備えていることを特徴とする特徴B9乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、取込手段に取り込まれた遊技球が誘導されて所定領域に到達する前に通路用入口から補助通路に入球してしまう可能性を低減できる。これにより、誘導手段により所定領域に誘導される遊技球の数が減少することを抑制できる。
なお、特徴B1~B12の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴B群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を規定する遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球の落下方向を適宜分散等するために釘及び風車などの各種部材が配設されている。また、遊技盤には、一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口のように遊技球の払出し対象の開口部が設けられている。遊技球発射装置から発射された遊技球は、各種部材と接触しながら遊技領域を流下し、遊技球が一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口などに入球した場合には、所定数の遊技球が遊技者に払い出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技球の挙動を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球を所定領域(第1スルーゲート35,第1作動口33,581)に向けて誘導することが可能な誘導手段(調整機構180,220,330,430,620)を備え、
前記誘導手段は、
回転可能であり、遊技球を前記誘導手段内に取り込んで保持することが可能な取込手段(凹み部183b~183e、段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体183,230,340,440)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
前記取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングよりも前のタイミングにおいて、当該取込手段により搬送されている遊技球を前記所定領域に向けて放出するための放出手段(排出口256,621)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングにおいて当該取込手段により搬送されている遊技球を放出する構成の場合には、放出手段における遊技球の放出タイミングが遅れた場合に、取込手段により搬送されている遊技球が誘導手段内を上昇し始める可能性がある。これに対して、取込手段の上下の移動方向が下方向から上方向に切り換わるタイミングよりも前のタイミングにおいて当該取込手段により搬送されている遊技球を放出する構成とすることにより、遊技球の放出タイミングが遅れた場合に遊技球が誘導手段内を上昇する可能性を低減することができる。
特徴C2.前記誘導手段は、当該誘導手段内に取り込まれて前記取込手段により搬送されている遊技球が下方に落下すること、及び前記回転手段の回転により前記誘導手段の外部に放り出されることを阻止する落下防止手段(左側起立壁181h、右側起立壁181d)を備えており、
前記放出手段は、前記落下防止手段と接触している状態で搬送されている遊技球が前記誘導手段の外部に向けて放出されるように前記落下防止手段に設けられている放出開口(排出口621)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、遊技球は、落下防止手段に接触している状態で搬送され、放出開口に到達した場合に誘導手段の外部に向けて放出される。落下防止手段における放出開口の位置は固定されているため、遊技球が誘導手段から放出される位置を毎回同じものとすることができる。また、回転手段が遊技球を放出開口に案内するタイミングは回転手段の回転態様に応じて決まるため、遊技球が誘導手段から放出されるタイミングを設計段階で設定されたタイミングとすることができる。
特徴C3.前記放出開口は、当該放出開口の縁において、当該放出開口から放出される遊技球の放出方向を前記所定領域に向かう方向とすることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技球は、放出開口から放出される際、当該放出開口の縁に接触することにより所定領域に向かって放出されることとなる。遊技球が誘導手段から放出される位置と、放出される方向と、を固定することにより、誘導手段から放出される遊技球が所定領域に到達する確率を高めることができる。
特徴C4.前記所定領域には、遊技領域(遊技領域PA)を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1スルーゲート35、第1作動口33,581)が設けられており、
前記入球部に遊技球が入球したことを少なくとも一の条件として特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS705及びステップS706の処理を実行する機能)を備え、
前記放出方向は、前記放出開口から放出された遊技球が前記入球部の縁と衝突することなく当該入球部に入球することを可能とする方向であることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
特徴C4によれば、放出開口から放出された遊技球が入球部の縁と衝突することにより、遊技球が入球部に入球するタイミングにずれが生じたり、遊技球が入球部から外れたりする可能性を抑制できる。
特徴C5.前記放出手段は、前記誘導手段において遊技球を放出する放出位置において、当該放出位置に到達した遊技球の移動方向を放出のための移動方向に変更する方向変更手段(排出用突出部181e、排出用突出端263a)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C5によれば、方向変更手段は、放出位置において遊技球の移動方向を当該遊技球が放出されるための移動方向に変更するため、遊技球が放出手段から放出されることなく放出位置を通り過ぎることを抑制できる。これにより、放出位置にて放出されなかった遊技球が誘導手段内を上昇することを抑制できる。
特徴C6.前記方向変更手段は、前記回転手段により誘導されている遊技球と接触可能な態様で遊技領域(遊技領域PA)の前後方向の途中位置まで突出しており、
前記回転手段は、突出している前記方向変更手段との接触を避けるための接触回避手段(衝突回避溝192)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、回転手段の回転を妨げることなく回転手段に誘導されている遊技球と接触することにより、放出位置にて遊技球の移動方向を変更して、遊技球の放出を促進することができる。
特徴C7.前記方向変更手段は、前記放出位置にて当該方向変更手段と接触した遊技球を前記所定領域に向けて案内する手段(排出用右側面181g)を備えていることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
特徴C7によれば、放出位置にて遊技球の放出方向が所定領域に向けられることにより、当該放出位置において誘導手段から放出された遊技球が入球部に到達する確率を高めることができる。
特徴C8.前記誘導手段から放出された遊技球が前記所定領域に向かう途中位置には、遊技球が前記所定領域に向かって流下することを許可する場合と、許可しない場合と、がある進路調整手段(電動釘560)が設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、誘導手段から所定領域に向けて放出される遊技球の一部が所定領域から外れることとなる。誘導手段から放出された遊技球が所定領域に入球するか否かを不確定要素とすることにより、誘導手段から放出された後の遊技球の動きを遊技者の関心事の1つとして、誘導手段周辺における遊技球の動きに対する注目度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴C9.前記進路調整手段は、
遊技球と接触した場合に遊技球の進路を変更する変更実行手段(電動釘560)と、
前記誘導手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触するように前記変更実行手段を移動させること、及び前記誘導手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触しないように前記変更実行手段を移動させることが可能な進路調整駆動手段(釘用駆動部560a)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、変更実行手段を移動させることにより遊技球が所定領域に向けて流下可能な状態と流下不可能な状態とを作り出すシンプルな構成とすることにより、進路調整手段が占める体積を抑え、設計の自由度を高めることができる。
特徴C10.前記誘導手段は、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触するように遊技球を放出する手段(第1支持面241、第2支持面242、第3支持面243)と、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触しないように遊技球を放出する手段(第4支持面244)と、
を備えていることを特徴とする特徴C8又はC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、誘導手段が複数通りの態様で遊技球を放出する構成とすることにより、誘導手段から放出されて所定領域に入球する遊技球と入球しない遊技球とを生じさせることができる。また、誘導手段において、放出された遊技球が進路調整手段に接触する放出態様と、接触しない放出態様と、が発生する割合を一定とすることにより、誘導手段から放出された遊技球が所定領域に入球する割合と入球しない割合とを設計段階において設定した割合に近いものとすることが可能となる。
特徴C11.前記誘導手段は、前記所定領域に向けて遊技球を放出するものであり、
前記所定領域は、遊技領域(遊技領域PA)において、前記誘導手段にて遊技球の放出が開始される位置から遊技球の直径以上離れた位置に設けられていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、誘導手段にて遊技球の放出が開始される位置と所定領域との間を遊技球が通過可能である。このため、誘導手段から放出された遊技球が所定領域に入球しない可能性が残されている。誘導手段から放出された遊技球が所定領域に入球するか否かを不確定要素とすることにより、誘導手段から放出された後の遊技球の動きを遊技者の関心事の1つとして、誘導手段周辺における遊技球の動きに対する注目度を高め、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴C12.前記所定領域には、遊技領域(遊技領域PA)を流下する遊技球が入球可能であり、遊技球が入球することにより特典付与のための条件の1つが満たされることとなる入球部(第1スルーゲート35、第1作動口33,581)が設けられており、
前記誘導手段は、所定の放出開始位置から所定放出方向に向けて遊技球を放出することにより当該遊技球を前記入球部に到達させるものであり、
前記入球部は、前記誘導手段から放出されて当該入球部の高さ位置まで流下した遊技球の当該高さ位置における移動方向に略直交する傾斜の開口を有していることを特徴とする特徴C1乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、誘導手段から放出されて入球部まで到達した遊技球が入球部の縁に接触することなく当該入球部に入球する可能性を高めることができる。これにより、誘導手段から放出された遊技球が入球部の縁と衝突して入球タイミングがずれたり入球部から外れたりする可能性を低減することができる。
なお、特徴C1~C12の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を規定する遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球の落下方向を適宜分散等するために釘及び風車などの各種部材が配設されている。また、遊技盤には、一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口のように遊技球の払出し対象の開口部が設けられている。遊技球発射装置から発射された遊技球は、各種部材と接触しながら遊技領域を流下し、遊技球が一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口などに入球した場合には、所定数の遊技球が遊技者に払い出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技球の挙動を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球を所定領域(第1スルーゲート35、第1作動口33,581)に向けて誘導することが可能な誘導手段(調整機構180,220,330,430,620)を備え、
前記誘導手段は、
前記誘導手段に向けて流下した遊技球が当該誘導手段の内部に進入することを可能とする取込開口(取込口262)と、
前記取込開口を区画している開口区画手段(右上起立壁252、左起立壁261)と、
回転可能であり、前記誘導手段の内部に取り込まれた遊技球を前記誘導手段の内部において搬送する搬送手段(段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体230,340)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
前記取込開口の周辺に設けられており、前記取込開口にて遊技球が前記回転手段と前記開口区画手段との両方と接触している状態となった場合に、変形して当該遊技球を挟み込もうとする力を逃がすことを可能とする変形手段(右上起立壁252、羽根部材343、回動軸254,344)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、取込開口周辺の変形手段が変形することにより、遊技球が回転手段と開口区画手段とに挟み込まれて停留する事態を回避しながら、遊技球を所定領域に誘導できる。これにより、遊技球の挟み込みが起きて遊技が中断したり、挟み込まれた遊技球を取り除くトラブル対応の必要が生じたりすることを防ぐことができる。
特徴D2.前記変形手段は、前記開口区画手段を一時的に所定位置まで変位させることにより当該開口区画手段に加えられた力を逃がすことを可能とする手段(右上起立壁252、回動軸254)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、遊技球が回転手段と開口区画手段との両方と接触している状態となり、回転手段の回転に伴って当該遊技球が開口区画手段に向けて押された場合に、開口区画手段が一時的に所定位置まで変位することにより、遊技球が挟み込まれて停留する事態を回避することができる。
特徴D3.前記変形手段は、前記回転手段の一部を一時的に特定位置まで変位させることにより前記回転手段に加えられた力を逃がすことを可能とする手段(羽根部材343、回動軸344)を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、遊技球が回転手段と開口区画手段との両方と接触している状態となり、回転手段の回転に伴って回転手段と開口区画手段とに力が加えられる状況となった場合に、回転手段の一部が一時的に特定位置まで変位して遊技球を挟み込む力を逃がすことにより、遊技球が挟み込まれて停留する事態を回避することができる。
なお、特徴D1~D3の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を規定する遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球の落下方向を適宜分散等するために釘及び風車などの各種部材が配設されている。また、遊技盤には、一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口のように遊技球の払出し対象の開口部が設けられている。遊技球発射装置から発射された遊技球は、各種部材と接触しながら遊技領域を流下し、遊技球が一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口などに入球した場合には、所定数の遊技球が遊技者に払い出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技球の挙動を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域(遊技領域PA)を流下する遊技球が入球可能な入球部(第1スルーゲート35)と、
前記入球部に向けて遊技球を誘導する誘導手段(調整機構180,220,330,430,530,620)と、
を備え、
前記誘導手段は、前記入球部に向けて遊技球を放出するための放出手段(排出口256,621)を備えており、
前記入球部は、前記放出手段から遊技球の直径以上離れた位置に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、放出手段から放出された遊技球は、入球部に入球するまでに遊技球の直径以上長い距離を流下する必要がある。このため、放出手段から放出される遊技球の放出方向及び放出速度に応じて遊技球が入球部に入球する場合と、入球しない場合との両方が生じ得る。放出手段から放出された遊技球の全てが入球部に入球する場合、遊技者は、放出後の遊技球の行方に対する関心を失う可能性がある。これに対して、放出手段から放出された遊技球が入球部に入球するか否かを不確定要素とすることにより、放出後の遊技球の行方に遊技者の注目を集めて、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴E2.前記誘導手段は、
回転可能であり、遊技球を前記誘導手段内に取り込んで保持することが可能な取込手段(凹み部183b~183e、段差面241a~244a、羽根部材343)を備えている回転手段(回転体183,230,340,440)と、
前記回転手段を回転させることにより、前記誘導手段内に取り込まれた遊技球を搬送する回転制御手段(主側CPU63におけるステップS206の処理を実行する機能、調整用駆動部184)と、
前記誘導手段内に取り込まれて前記取込手段により搬送されている遊技球が下方に落下すること、及び前記回転手段の回転により前記誘導手段の外部に放り出されることを阻止する落下防止手段(左側起立壁181h、右側起立壁181d)と、
を備えており、
前記放出手段は、前記落下防止手段と接触している状態で搬送されている遊技球が前記誘導手段の外部に向けて放出されるように前記落下防止手段に設けられている放出開口(排出口621)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、遊技球は、落下防止手段に接触している状態で搬送され、放出開口に到達した場合に誘導手段の外部に向けて放出される。落下防止手段における放出開口の位置は固定されているため、遊技球が誘導手段から放出される位置を毎回同じものとすることができる。また、回転手段が遊技球を放出開口に案内するタイミングは回転手段の回転態様に応じて決まるため、遊技球が誘導手段から放出されるタイミングを設計段階で設定されたタイミングとすることができる。
特徴E3.前記放出開口は、当該放出開口の縁において、当該放出開口から放出される遊技球の放出方向を前記入球部に向かう方向とすることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、遊技球は、放出開口から放出される際、当該放出開口の縁に接触することにより入球部に向かって放出されることとなる。遊技球が誘導手段から放出される位置と、放出される方向と、を固定することにより、誘導手段から放出される遊技球が入球部に到達する確率を高めることができる。
特徴E4.前記放出手段は、前記誘導手段内の遊技球を放出する放出位置において、当該放出位置に到達した遊技球の移動方向を放出のための移動方向に変更する方向変更手段(排出用突出部181e、排出用突出端263a)を備えていることを特徴とする特徴E2又はE3に記載の遊技機。
特徴E4によれば、方向変更手段は、放出位置において遊技球の移動方向を当該遊技球が放出されるための移動方向に変更するため、遊技球が放出手段から放出されることなく放出位置を通り過ぎることを抑制できる。
特徴E5.前記方向変更手段は、前記回転手段により誘導されている遊技球と接触可能な態様で前記遊技領域の前後方向の途中位置まで突出しており、
前記回転手段は、突出している前記方向変更手段との接触を避けるための接触回避手段(衝突回避溝192)を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、回転手段の回転を妨げることなく回転手段に誘導されている遊技球と接触することにより、放出位置にて遊技球の移動方向を変更して、遊技球の放出を促進することができる。
特徴E6.前記方向変更手段は、前記放出位置にて当該方向変更手段と接触した遊技球を前記入球部に向けて案内する手段(排出用右側面181g)を備えていることを特徴とする特徴E4又はE5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、放出位置にて遊技球の放出方向が入球部に向けられることにより、当該放出位置において誘導手段から放出された遊技球が入球部に到達する確率を高めることができる。
特徴E7.前記放出手段は、遊技球の放出方向を前記入球部に向けて規定する方向規定手段(案内通路545)を備えており、
前記誘導手段は、前記方向規定手段における遊技球の流下方向の上流に位置しており、開放状態となることにより前記方向規定手段に遊技球が入球することを可能とし、閉鎖状態となることにより遊技球が入球することを不可能とする開閉手段(調整部546)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、方向規定手段及び開閉手段で構成されているシンプルな誘導手段を用いることにより、遊技領域に占める誘導手段の体積を抑えることができる。これにより、遊技領域において誘導手段を配置する場所の選択肢を増やし、設計の自由度を高めることができる。
特徴E8.前記遊技領域には、前記放出手段から放出された遊技球が前記入球部に向かう途中位置に、遊技球が前記入球部に向かって流下することを許可する場合と、許可しない場合と、がある進路調整手段(電動釘560)が設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E8によれば、放出手段から入球部に向けて放出される遊技球の一部が入球部から外れることとなる。放出手段から放出された遊技球が入球部に入球する場合と、入球しない場合との両方を生じさせる進路調整手段を設けることにより、放出手段から放出された遊技球が入球部に入球するか否かを不確定要素とすることができる。
特徴E9.前記進路調整手段は、
遊技球と接触した場合に遊技球の進路を変更する変更実行手段(電動釘560)と、
前記放出手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触するように前記変更実行手段を移動させること、及び前記放出手段から放出された遊技球が前記変更実行手段と接触しないように前記変更実行手段を移動させることが可能な進路調整駆動手段(釘用駆動部560a)と、
を備えていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、変更実行手段を移動させることにより遊技球が入球部に向けて流下可能な状態と流下不可能な状態とを作り出すシンプルな構成とすることにより、進路調整手段が占める体積を抑え、設計の自由度を高めることができる。
特徴E10.前記放出手段は、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触するように遊技球を放出する手段(第1支持面241、第2支持面242、第3支持面243)と、
放出された遊技球が前記進路調整手段に接触しないように遊技球を放出する手段(第4支持面244)と、
を備えていることを特徴とする特徴E8又はE9に記載の遊技機。
特徴E10によれば、放出手段が複数通りの態様で遊技球を放出する構成とすることにより、放出手段から放出されて入球部に入球する遊技球と入球しない遊技球との両方を生じさせることができる。また、放出手段において、放出された遊技球が進路調整手段に接触する放出態様と、接触しない放出態様と、が発生する割合を一定とすることにより、放出手段から放出された遊技球が入球部に入球する割合と入球しない割合とを設計段階において設定した割合に近いものとすることが可能となる。
特徴E11.前記放出手段は、所定の放出開始位置から所定放出方向に向けて遊技球を放出することにより当該遊技球を前記入球部に到達させるものであり、
前記入球部は、前記放出手段から放出されて当該入球部の高さ位置まで流下した遊技球の当該高さ位置における移動方向に略直交する傾斜の開口を有していることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E11によれば、放出手段から放出されて入球部まで到達した遊技球が入球部の縁に接触することなく当該入球部に入球する可能性を高めることができる。これにより、放出手段から放出された遊技球が入球部の縁と衝突して入球タイミングがずれたり入球部から外れたりする可能性を低減することができる。
なお、特徴E1~E11の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンなどが知られている。例えば、パチンコ遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を規定する遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球の落下方向を適宜分散等するために釘及び風車などの各種部材が配設されている。また、遊技盤には、一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口のように遊技球の払出し対象の開口部が設けられている。遊技球発射装置から発射された遊技球は、各種部材と接触しながら遊技領域を流下し、遊技球が一般入賞口、特電入賞装置、及び作動口などに入球した場合には、所定数の遊技球が遊技者に払い出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技球の挙動を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴F群>
特徴F1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段(主側RAM65)に記憶されるようにする特定記憶実行手段(主側CPU63における入球検知処理を実行する機能)と、
前記所定入球手段に遊技球が入球したことに対応する情報が前記特定記憶手段に記憶されていることに基づいて、遊技者に特典が付与されるようにするための処理を実行する特典付与手段(主側CPU63におけるステップS219の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS1008の処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにし、前記所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報が特定記憶手段に記憶され、当該情報が特定記憶手段に記憶されている場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定入球手段に遊技球が入球することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
特徴F2.前記所定情報は、遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
特徴F2によれば、所定情報が遊技者に特典を付与するための処理の実行契機とならないことにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことを目的とした情報形態で所定情報を記憶保持することが可能となる。
特徴F3.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにし、前記特定入球手段への遊技球の入球個数を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにすることを特徴とする特徴F1又はF2に記載の遊技機。
特徴F3によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
特徴F4.前記所定入球手段を含めて、入球した遊技球を前記遊技領域から排出させる全ての入球手段が、遊技球の入球の発生に対応する情報の前記所定記憶手段への記憶対象となる入球手段であることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F4によれば、遊技領域から遊技球を排出させる全ての入球手段が、所定記憶手段に記憶された情報を利用した管理の対象となることにより、任意の入球手段についての入球頻度を所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。また、遊技領域から排出される遊技球の個数に対する所定入球手段への遊技球の入球個数の割合を、所定記憶手段に記憶されている情報を利用して管理することが可能となる。
特徴F5.前記所定情報は、前記所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報を含んでいることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F5によれば、所定入球手段に遊技球が入球したタイミングに対応する情報が所定情報に含まれていることにより、所定情報を利用することで、所定入球手段への遊技球の入球履歴を詳細に把握することが可能となる。
特徴F6.前記所定情報は、前記所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることを特徴とする特徴F1乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F6によれば、所定情報が所定入球手段に入球した遊技球の個数の計数情報であることにより、所定情報の情報容量を抑えながら、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を行うことが可能となる。
特徴F7.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段に記憶されるようにする手段(第1~第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1404及びステップS1409の処理を実行する機能、第14の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2704の処理を実行する機能、第15の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F7によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。
特徴F8.前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F8によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様を分析することが可能となる。
特徴F9.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS1503の処理を実行する機能)を備え、
前記外部出力手段は、前記情報出力部を利用して、前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
特徴F9によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。
特徴F10.前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする手段(主側CPU63におけるステップS1502の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
特徴F10によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び所定記憶手段に記憶された情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴F11.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F11によれば、特定記憶実行手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴F12.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
特徴F12によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
特徴F13.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)を備え、
前記所定記憶実行手段は、前記特定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにすることで、前記特定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を当該遊技機の制御手段又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定入球手段に遊技球が入球した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F11又はF12に記載の遊技機。
特徴F13によれば、所定入球手段に対応する所定情報だけではなく特定入球手段に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定入球手段への遊技球の入球態様の管理だけではなく特定入球手段への遊技球の入球態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定入球手段と特定入球手段との間の入球頻度の割合なども管理することが可能となる。
また、所定入球手段に遊技球が入球した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定入球手段に遊技球が入球した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴F14.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1~第7,第9~第15,第18の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第8の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴F13に記載の遊技機。
特徴F14によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴F15.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており、前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F13又はF14に記載の遊技機。
特徴F15によれば、第1情報が所定入球手段に対応しており、第2情報が特定入球手段に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴F16.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴F15に記載の遊技機。
特徴F16によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴F17.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴F15又はF16に記載の遊技機。
特徴F17によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴F18.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定入球手段に対応しており前記第2情報が前記特定入球手段に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F15乃至F17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F18によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する入球手段を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴F19.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1~第7,第9~第15,第18の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第8の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴F15乃至F18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F19によれば、所定状況であるか否かを区別して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴F20.前記第2制御手段には、前記第1制御手段からの情報を受信することが可能な受信部として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部(バッファ122a~122p)が設けられていることを特徴とする特徴F13乃至F19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F20によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の受信部が第2制御手段に設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても受信部に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴F21.前記所定記憶手段に記憶された前記所定情報と前記所定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第1外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記特定情報と前記特定入球手段に対応していることを認識可能とさせる情報との組合せの情報を遊技機外部の装置に出力する第2外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F13乃至F20のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F21によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定入球手段への遊技球の入球態様及び特定入球手段への遊技球の入球態様を特定することが可能となる。また、当該外部出力が行われる場合、所定情報と所定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力されるとともに、特定情報と特定入球手段に対応していることを認識可能とする情報との組合せの情報が外部出力される。これにより、所定記憶手段から読み取った情報を利用して各入球態様を特定することが可能となる。
特徴F22.前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F22によれば、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴F23.前記所定記憶実行手段は、前記所定入球手段への遊技球の入球が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1~第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1404及びステップS1409の処理を実行する機能、第14の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2704の処理を実行する機能、第15の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2803の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定入球手段への遊技球の入球に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F22に記載の遊技機。
特徴F23によれば、所定状況であるか否かを区別して遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴F24.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1~第7,第8,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1619の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F22又はF23に記載の遊技機。
特徴F24によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴F25.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴F22又はF23に記載の遊技機。
特徴F25によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴F26.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が停止される場合、又は前記特定記憶実行手段を有する制御手段への動作電力の供給が開始される場合に、前記態様情報を演算することを特徴とする特徴F22乃至F25のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F26によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が停止される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴F27.前記情報演算手段は、前記特定記憶実行手段を有する制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴F22乃至F26のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F27によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴F28.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴F22乃至F27のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F28によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴F29.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F22乃至F28のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F29によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴F30.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴F29に記載の遊技機。
特徴F30によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴F31.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴F29又はF30に記載の遊技機。
特徴F31によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴F32.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ631)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2010、ステップS2014及びステップS2018の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F22乃至F31のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F32によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、遊技球の入球態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴F33.前記結果記憶実行手段は、
前記態様情報が記憶対象情報であるか否かを判定する手段(管理側CPU112におけるステップS2203の処理を実行する機能)と、
前記態様情報が前記記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴F32に記載の遊技機。
特徴F33によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴F34.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴F32又はF33に記載の遊技機。
特徴F34によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴F35.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴F22乃至F34のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F35によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴F36.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部651)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS3205、ステップS3207及びステップS3208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F22乃至F35のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F36によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、遊技球の入球態様の管理結果を把握することが可能となる。
特徴F37.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴F36に記載の遊技機。
特徴F37によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴F38.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記情報演算手段及び前記報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴F36又はF37に記載の遊技機。
特徴F38によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴F39.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴F36乃至F38のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F39によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴F40.前記所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報を外部出力する手段(主側CPU63におけるステップS220の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F39のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F40によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する対応情報が外部出力される構成において、所定情報が所定記憶手段に記憶される。これにより、対応情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を簡易的に把握しながら、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球個数や入球頻度を正確に把握することが可能となる。
特徴F41.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F40のいずれか1に記載の遊技機。
特徴F41によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴F1~F41の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば所定の期間における遊技の結果に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴G2.前記所定記憶実行手段は、前記所定事象の発生が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1~第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1204及びステップS1209の処理を実行する機能、第14の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2704の処理を実行する機能、第15の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2803の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定事象の発生に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、所定状況であるか否かを区別して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴G3.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1~第7,第8,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1619の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴G4.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
特徴G4によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して所定の期間における遊技の結果を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴G5.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G5によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始される場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴G6.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G6によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴G7.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴G8.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G8によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴G9.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴G8に記載の遊技機。
特徴G9によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴G10.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴G8又はG9に記載の遊技機。
特徴G10によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴G11.前記情報演算手段は、予め定められた演算契機が発生する度に前記態様情報を演算し、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ631)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2010、ステップS2014及びステップS2018の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G11によれば、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴G12.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G11に記載の遊技機。
特徴G12によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴G13.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴G11又はG12に記載の遊技機。
特徴G13によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴G14.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴G1乃至G13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G14によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴G15.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部651)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS3205、ステップS3207及びステップS3208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G15によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、所定の期間における遊技の管理結果を把握することが可能となる。
特徴G16.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴G15に記載の遊技機。
特徴G16によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴G17.前記情報演算手段及び前記報知制御手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備えていることを特徴とする特徴G15又はG16に記載の遊技機。
特徴G17によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴G18.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴G15乃至G17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G18によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴G19.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G19によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶処理が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
特徴G20.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴G1乃至G19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G20によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴G1~G20の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
予め定められた演算契機が発生する度に、前記所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)と、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ631)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2010、ステップS2014及びステップS2018の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば所定の期間における遊技の結果に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
また、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴H2.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が記憶対象情報である場合にその態様情報を前記演算結果記憶手段に記憶させる手段(管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
特徴H2によれば、演算された結果の態様情報が記憶対象情報に該当する場合にその態様情報が演算結果記憶手段に記憶される。これにより、演算結果記憶手段への記憶対象となる態様情報を制限することが可能となり、演算結果記憶手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴H3.前記結果記憶実行手段は、前記態様情報が演算された時期を特定可能とする情報を当該態様情報に付随させて前記演算結果記憶手段に記憶させることを特徴とする特徴H1又はH2に記載の遊技機。
特徴H3によれば、態様情報が演算された時期を特定可能とする情報が当該態様情報に付随することとなる。これにより、各態様情報が演算された時期を把握しながら、各態様情報を分析することが可能となる。
特徴H4.前記所定記憶実行手段は、前記所定事象の発生が所定状況におけるものであるか否かを特定可能とする情報が前記所定記憶手段にされるようにする手段(第1~第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1204及びステップS1209の処理を実行する機能、第14の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2704の処理を実行する機能、第15の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2803の処理を実行する機能)を備え、
前記情報演算手段は、前記所定状況における前記所定事象の発生に対応する前記所定情報を抽出して又は除外して前記態様情報を演算する手段(第1~第7,第8,第10,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第9の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H4によれば、所定状況であるか否かを区別して、所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を演算することが可能となる。
特徴H5.前記情報演算手段により前記態様情報が演算された場合、前記所定記憶手段に記憶されている前記所定情報を消去する手段(第1~第7,第8,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1619の処理を実行する機能、第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H5によれば、態様情報が演算された場合に所定記憶手段に記憶されている所定情報が消去されることにより、所定情報によって所定記憶手段の記憶容量を超えてしまうという事象を発生しづらくさせることが可能となる。
特徴H6.前記情報演算手段により前記態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された前記所定情報が前記所定記憶手段に記憶された状態が維持されることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H6によれば、態様情報が演算されたとしても、当該態様情報を演算する場合に利用された所定情報が所定記憶手段に記憶保持されることにより、態様情報を読み出して所定の期間における遊技の結果を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴H7.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴H1乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H7によれば、制御手段への動作電力の供給が停止される場合又は制御手段への動作電力の供給が開始された場合に態様情報が演算されるため、各営業日単位で態様情報を管理することが可能となる。
特徴H8.前記情報演算手段は、制御手段(MPU62)に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生し得る演算契機が発生した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴H1乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H8によれば、制御手段に動作電力が供給されている状況において繰り返し発生する演算契機が発生する度に態様情報が演算されるため、一営業日の範囲内において態様情報を細かく管理することが可能となる。
特徴H9.前記情報演算手段は、期間計測手段(主側RAM65に設けられた計測カウンタ)により計測されている期間が所定期間となる度に前記態様情報を演算し、
前記期間計測手段は遊技が実行されていない状況において期間の計測を停止し、期間の計測を停止している状況において遊技が開始された場合に当該期間の計測を停止前の状態から再開することを特徴とする特徴H1乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H9によれば、所定期間が経過する度に態様情報が演算される構成であるため、所定期間を調整するだけで態様情報の演算頻度を簡単に調整することが可能となる。この場合に、遊技が実行されていない状況においては所定期間の計測が停止され、遊技が開始された場合に所定期間の計測が停止前の状態から再開される。これにより、遊技が実行されていない状況を態様情報の演算対象から除外することが可能となり、遊技が実行されている状況における態様情報を適切に導き出すことが可能となる。
特徴H10.前記情報演算手段により演算された前記態様情報を遊技機外部の装置に出力する外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H10によれば、態様情報が遊技機外部の装置に出力されることにより、遊技球の入球態様を簡単に把握することが可能となる。
特徴H11.前記外部出力手段は、前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力する場合、前記所定情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴H10に記載の遊技機。
特徴H11によれば、態様情報だけではなく所定情報も遊技機外部の装置に出力されることにより、態様情報を読み出して遊技球の入球態様を分析する場合に、態様情報だけではなく、その態様情報の演算の根拠となった所定情報を参照することが可能となる。
特徴H12.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記外部出力手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記外部出力手段は、前記第1制御手段から送信された出力指示情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を前記遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴H10又はH11に記載の遊技機。
特徴H12によれば、外部出力手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が遊技機外部の装置に出力されるようにすることが可能となる。
特徴H13.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記情報演算手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記情報演算手段は、前記第1制御手段から送信された演算契機情報を前記第2制御手段が受信した場合に前記態様情報を演算することを特徴とする特徴H1乃至H12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H13によれば、情報演算手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、第1制御手段からの指示に基づき態様情報が第2制御手段にて演算されるようにすることが可能となる。
特徴H14.前記態様情報に対応する内容を報知するように報知手段(報知用発光部651)を制御する報知制御手段(主側CPU63におけるステップS3205、ステップS3207及びステップS3208の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1乃至H13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H14によれば、態様情報に対応する内容が遊技機自身にて報知される。これにより、遊技ホールの管理者などは、態様情報を遊技機から読み出さなくても、所定の期間における遊技の管理結果を把握することが可能となる。
特徴H15.前記報知制御手段が設けられた制御基板(主制御基板61)は基板ボックスに収容されており、
前記報知手段は、前記制御基板に設けられていることを特徴とする特徴H14に記載の遊技機。
特徴H15によれば、報知制御手段と報知手段との間の通信経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせることが可能となる。
特徴H16.前記特定記憶実行手段を有する第1制御手段(主側CPU63)と、
前記所定記憶実行手段を有する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記情報演算手段及び前記報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴H14又はH15に記載の遊技機。
特徴H16によれば、所定記憶手段を有する第2制御手段を第1制御手段とは別に設けることにより第1制御手段の処理負荷を軽減させた構成において、態様情報を演算する機能及びその演算結果に対応する報知が実行されるようにするための機能を第1制御手段に集約することが可能となる。
特徴H17.前記報知制御手段は、前記態様情報が第1範囲の情報である場合には第1報知が実行されるように前記報知手段を制御し、前記態様情報が第2範囲の情報である場合には第2報知が実行されるように前記報知手段を制御することを特徴とする特徴H14乃至H16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H17によれば、態様情報がそのまま報知されるのではなく、態様情報が含まれる範囲に対応する内容が報知される。これにより、報知手段における報知パターンが多くなり過ぎないようにすることが可能となり、報知手段を制御するための負荷を軽減することが可能となる。
特徴H18.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定入球手段(アウト口24a、一般入賞口31、特電入賞装置32、第1作動口33、第2作動口34)と、
当該所定入球手段に遊技球が入球した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
予め定められた演算契機が発生する度に、前記所定情報を利用して、所定の期間における前記遊技領域の遊技球の入球態様に対応する態様情報を演算する情報演算手段(第1~第7,第8,第12,第14,第15,第16,第18の実施形態では管理側CPU112におけるステップS1608、ステップS1613及びステップS1617の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2008、ステップS2013及びステップS2017の処理を実行する機能、第10の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2202の処理を実行する機能、第11の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2402の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2605の処理を実行する機能、第17の実施形態では主側CPU63におけるステップS3203の処理を実行する機能)と、
前記情報演算手段により演算された前記態様情報を演算結果記憶手段(演算結果用メモリ631)に順次記憶させる結果記憶実行手段(第12の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2010、ステップS2014及びステップS2018の処理を実行する機能、第13の実施形態では管理側CPU112におけるステップS2204の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H18によれば、所定入球手段に遊技球が入球した場合にはそれに対応する情報の記憶処理が所定記憶手段に対して実行され、所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定入球手段への遊技球の入球個数又は入球頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定入球手段への遊技球の入球態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用して遊技球の入球態様に対応する態様情報が遊技機にて演算される。これにより、例えば遊技球の入球態様に対応する処理を遊技機自身にて行うことが可能となる、又は所定情報を利用して演算した結果である態様情報を外部出力することが可能となる。
また、態様情報を遊技機にて蓄積していくことが可能となる。これにより、所定の期間における遊技の結果の態様を管理する場合に複数の態様情報をまとめて読み出すことが可能となる。
特徴H19.前記所定記憶実行手段又は前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴H1乃至H18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H19によれば、所定記憶実行手段又は第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴H1~H19の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技の結果として所定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする第1記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
遊技の結果として特定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶が前記所定記憶手段に実行されるようにすることで特定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする第2記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記所定情報を当該所定情報が前記所定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして遊技機外部の装置に出力する第1外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
前記所定記憶手段に記憶された前記特定情報を当該特定情報が前記特定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして遊技機外部の装置に出力する第2外部出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、所定記憶手段に記憶された情報を遊技機から読み取り、その読み取った情報を利用して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を特定することが可能となる。また、当該外部出力が行われる場合、所定情報が所定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして当該所定情報が外部出力されるとともに、特定情報が特定事象に対応していることを認識可能とさせるようにして当該特定情報が外部出力される。これにより、第2制御手段において情報の加工を行わなかったとしても、所定記憶手段から読み取った情報を利用して各事象の発生態様を特定することが可能となる。
特徴I2.前記所定事象が発生した場合にそれに対応する対応情報を外部出力する手段(主側CPU63におけるステップS220の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、所定事象が発生した場合にそれに対応する対応情報が外部出力される構成において、所定情報が所定記憶手段に記憶される。これにより、対応情報を利用することで所定事象の発生回数や発生頻度を簡易的に把握しながら、所定記憶手段に記憶された所定情報を利用することで所定事象の発生回数や発生頻度を正確に把握することが可能となる。
特徴I3.前記所定情報は前記所定事象が発生した回数の回数情報であり、前記特定情報は前記特定事象が発生した回数の回数情報であることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、所定情報は所定事象が発生した回数の計数情報であるとともに特定情報は特定事象が発生した回数の計数情報であることにより、所定情報及び特定情報の情報容量を抑えながら、所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様の管理を行うことが可能となる。
特徴I4.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS1503の処理を実行する機能)を備え、
前記第1外部出力手段及び前記第2外部出力手段は、前記情報出力部を利用して、前記所定記憶手段に記憶された情報を遊技機外部の装置に出力することを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、所定記憶手段に記憶された情報を外部出力することが可能となる。
特徴I5.前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする選択手段(主側CPU63におけるステップS1502の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
特徴I5によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、所定記憶手段に記憶された情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び所定記憶手段に記憶された情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴I6.前記選択手段は、前記情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づいて、前記情報出力部から出力すべき情報が前記所定記憶手段に記憶された情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定することを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づき、当該情報出力部から出力すべき情報がいずれの情報であるのかが特定される。これにより、出力対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴I7.前記制御プログラムを予め記憶するプログラム記憶手段(主側ROM64)を有するチップ(MPU62)が、前記情報出力部、前記第1外部出力手段及び前記第2外部出力手段を有していることを特徴とする特徴I4乃至I6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I7によれば、情報出力部に対する信号経路をチップ内に集約することが可能となる。これにより、情報出力部に対する信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴I1~I7の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴J群>
特徴J1.情報出力部(読み取り用端子102)を利用して遊技機外部の装置に制御プログラムを出力するプログラム出力手段(主側CPU63におけるステップS1503の処理を実行する機能)と、
前記情報出力部を利用して特別情報を出力する情報出力手段(管理側CPU112における外部出力用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴J1によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報を外部出力することが可能となる。これにより、構成が複雑化してしまうことを阻止しながら、特別情報を外部出力することが可能となる。
特徴J2.前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定し、その特定結果に対応する情報が出力されるようにする選択手段(主側CPU63におけるステップS1502の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
特徴J2によれば、制御プログラムを外部出力するための情報出力部を利用して、特別情報が外部出力される構成において、外部出力の対象となる情報が制御プログラム及び特別情報のうちいずれであるのかが遊技機側にて特定され、その特定された情報が外部出力される。これにより、情報出力部が兼用される構成であっても必要な情報のみを読み出すことが可能となる。
特徴J3.前記選択手段は、前記情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づいて、前記情報出力部から出力すべき情報が前記特別情報及び前記制御プログラムのうちいずれであるかを特定することを特徴とする特徴J2に記載の遊技機。
特徴J3によれば、情報出力部に電気的に接続された外部装置から受信する情報に基づき、当該情報出力部から出力すべき情報がいずれの情報であるのかが特定される。これにより、出力対象となる情報の選択に関する構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴J4.前記制御プログラムを予め記憶するプログラム記憶手段(主側ROM64)を有するチップ(MPU62)が、前記情報出力部及び前記情報出力手段を有していることを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴J4によれば、情報出力部に対する信号経路をチップ内に集約することが可能となる。これにより、情報出力部に対する信号経路に対する不正なアクセスを行いづらくさせながら、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴J1~J4の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.第1制御手段(主側CPU63)及び第2制御手段(管理側CPU112)を備え、
前記第1制御手段は、
所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与されるようにする特典付与手段(主側CPU63におけるステップS219の処理を実行する機能、払出側CPU92におけるステップS1008の処理を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合にそれに対応する所定事象情報を送信する情報送信手段(主側CPU63における管理用出力処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記所定事象情報を受信した場合にそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では履歴用メモリ117、第16の実施形態では主側RAM65)に実行されるようにすることで、前記所定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにする所定記憶実行手段(第1~第15,第17~第18の実施形態では管理側CPU112における履歴設定処理を実行する機能、第16の実施形態では主側CPU63におけるステップS2902、ステップS2905、ステップS2908、ステップS2912、ステップS2916、ステップS2920及びステップS2923の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴K1によれば、所定事象が発生した場合に遊技者に特典が付与される。これにより、遊技者は所定事象が発生することを期待しながら遊技を行うこととなる。当該構成において、所定事象が発生した場合にはそれに対応する情報の記憶が所定記憶手段に対して実行され、所定事象の発生回数又は発生頻度を遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする所定情報が所定記憶手段にて記憶されることとなる。これにより、所定事象の発生回数又は発生頻度を管理するための情報を遊技機にて記憶保持することが可能となり、この管理されている情報を利用することで所定事象の発生態様の管理を適切に行うことが可能となる。また、所定情報が遊技機自身にて記憶保持されることにより、所定情報への不正なアクセスや不正な改変を阻止することが可能となる。
また、特典付与手段を有する第1制御手段とは別に設けられた第2制御手段が所定記憶実行手段を有していることにより、第1制御手段の処理負荷が極端に増加してしまわないようにしながら既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴K2.前記第1制御手段と前記第2制御手段とは同一のチップに設けられていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
特徴K2によれば、第1制御手段と第2制御手段とが同一のチップに設けられていることにより、これら第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路への不正なアクセスを阻止することが可能となる。
特徴K3.前記所定記憶実行手段は、特定事象が発生した場合にそれに対応する情報の記憶処理を前記所定記憶手段に実行することで、前記特定事象の発生回数又は発生頻度を当該遊技機又は遊技機外部の装置にて特定可能とする特定情報(第1~第14,第18の実施形態では履歴情報、第15~第17の実施形態ではカウンタにおいて計測されている数値情報)が前記所定記憶手段に記憶されるようにし、
前記第1制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記特定事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴K1又はK2に記載の遊技機。
特徴K3によれば、所定事象に対応する所定情報だけではなく特定事象に対応する特定情報も所定記憶手段に記憶される。これにより、所定事象の発生態様の管理だけではなく特定事象の発生態様の管理も行うことが可能となる。また、所定情報及び特定情報の両方を利用することにより、所定事象と特定事象との間の発生頻度の割合なども管理することが可能となる。
また、所定事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、特定事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴K4.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする特定用情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1~第7,第9~第15,第18の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第6の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備えていることを特徴とする特徴K3に記載の遊技機。
特徴K4によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、所定状況であるか否かを特定可能とする特定用情報が第3経路を利用して第2制御手段に送信されるため、第2制御手段にて特定用情報を第1情報及び第2情報といった他の情報と区別するための構成を簡素化することが可能となる。
特徴K5.前記第1制御手段は、前記第1情報が前記所定事象に対応しており、前記第2情報が前記特定事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K3又はK4に記載の遊技機。
特徴K5によれば、第1情報が所定事象に対応しており、第2情報が特定事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴K6.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
特徴K6によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定事象及び特定事象が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴K7.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴K5又はK6に記載の遊技機。
特徴K7によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴K8.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記所定事象に対応しており前記第2情報が前記特定事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴K5乃至K7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K8によれば、第1制御手段から送信される情報と事象の種類との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象の種類を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴K9.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1~第7,第9~第15,第18の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第6の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴K5乃至K8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K9によれば、所定状況であるか否かを区別して所定事象の発生態様及び特定事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴K10.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴K10によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴K1~K10の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴E群、上記特徴F群、上記特徴G群、上記特徴H群、上記特徴I群及び上記特徴J群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、遊技機の管理が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴L群>
特徴L1.第1制御手段(主側CPU63)と、
当該第1制御手段から送信された情報を受信する第2制御手段(管理側CPU112)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
第1事象が発生した場合に第1信号経路を利用して第1情報を前記第2制御手段に送信する第1送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
第2事象が発生した場合に第2信号経路を利用して第2情報を前記第2制御手段に送信する第2送信手段(主側CPU63における第1~第7信号のいずれかを出力する機能)と、
前記第1情報が前記第1事象に対応しており、前記第2情報が前記第2事象に対応していることを示す識別情報を前記第2制御手段に送信する識別情報送信手段(主側CPU63における認識用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴L1によれば、第1事象が発生した場合には第1信号経路を利用して第1情報が第2制御手段に送信され、第2事象が発生した場合には第2信号経路を利用して第2情報が第2制御手段に送信される。これにより、送信される情報の種類と信号経路とが対応することとなり、第2制御手段にて各情報の種類を区別するための構成を簡素化することが可能となる。
また、第1情報が第1事象に対応しており、第2情報が第2事象に対応していることを示す識別情報が第1制御手段から第2制御手段に送信されるため、これら情報の対応関係を第2制御手段において予め記憶しておく必要が生じない。これにより、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴L2.前記識別情報送信手段は、前記第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
特徴L2によれば、第1制御手段への動作電力の供給が開始された場合に当該第1制御手段から第2制御手段に識別情報が送信されるため、所定入球手段及び特定入球手段への遊技球の入球が発生し得る状況においては、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係を第2制御手段にて特定可能となるようにすることが可能となる。
特徴L3.前記識別情報送信手段は、前記第1信号経路及び前記第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して前記識別情報を前記第2制御手段に送信することを特徴とする特徴L1又はL2に記載の遊技機。
特徴L3によれば、識別情報は第1信号経路及び第2信号経路のうち少なくとも一方を利用して第2制御手段に送信されるため、識別情報を送信するための専用の信号経路を設ける構成に比べて通信に関する構成を簡素化することが可能となる。
特徴L4.前記第2制御手段は、前記識別情報を受信した場合、前記第1情報が前記第1事象に対応しており前記第2情報が前記第2事象に対応していることを特定可能とする対応関係情報を対応関係記憶手段(対応関係用メモリ116)に記憶させる手段(管理側CPU112における対応関係設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L4によれば、第1制御手段から送信される情報と入球手段との対応関係が第2制御手段において記憶される。これにより、送信対象の情報に対応する事象を第2制御手段にて特定可能とする情報を、第1制御手段から第1情報又は第2情報を送信する度に第2制御手段に提供する必要がなくなる。よって、第1情報及び第2情報の情報量を抑えることが可能となる。
特徴L5.前記第1制御手段は、所定状況であるか否かを前記第2制御手段にて特定可能とする第3情報を、第3経路を利用して前記第2制御手段に送信する第3送信手段(第1~第7,第9~第15,第18の実施形態では主側CPU63における第8~第10信号のいずれかを出力する機能、第10の実施形態では主側CPU63における開閉実行モード中信号、高頻度サポートモード中信号及び扉開放中信号のいずれかを出力する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記識別情報を受信しなくても、前記第3情報が前記所定状況であるか否かを特定可能とする情報であると認識可能であることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L5によれば、所定状況であるか否かを区別して第1事象の発生態様及び第2事象の発生態様を管理することが可能となる。また、第3情報が所定状況であるか否かを特定可能とする情報であることは、第1制御手段からの識別情報を受信しなくても第2制御手段にて特定可能となっている。これにより、識別情報の情報形態が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
特徴L6.前記第1制御手段から前記第2制御手段に情報を送信することが可能な信号経路として、前記第1制御手段から前記第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることを特徴とする特徴L1乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L6によれば、第1制御手段から第2制御手段に送信する必要がある情報の種類数よりも多い数の信号経路が設けられていることにより、遊技機の機種に応じて当該情報の種類数が増減する場合であっても信号経路に関する構成を変更することなく対応することが可能となる。よって、第2制御手段の汎用性を高めることが可能となる。
特徴L7.前記第2制御手段は、専用回路として設けられていることを特徴とする特徴L1乃至L6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴L7によれば、第2制御手段が専用回路として設けられた構成において既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、特徴L1~L7の構成に対して、特徴A1~A36、特徴B1~B12、特徴C1~C12、特徴D1~D3、特徴E1~E11、特徴F1~F41、特徴G1~G20、特徴H1~H19、特徴I1~I7、特徴J1~J4、特徴K1~K10、特徴L1~L7のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
上記特徴K群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
遊技機としてパチンコ遊技機やスロットマシンが知られている。例えば、パチンコ遊技機では、遊技者に付与された遊技球を貯留する皿貯留部を遊技機前面部に備えており、当該皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内されて、遊技者の発射操作に応じて遊技領域に向けて発射される。そして、例えば遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球した場合に、例えば払出装置から皿貯留部に遊技球が払い出される。また、パチンコ遊技機においては、皿貯留部として上側皿貯留部と下側皿貯留部とを備えた構成も知られており、この場合、上側皿貯留部に貯留された遊技球が遊技球発射装置に案内され、当該上側皿貯留部にて余剰となった遊技球が下側皿貯留部に排出される。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、通信に関する構成を好適なものとする必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。