JP7068082B2 - ガンマカメラ - Google Patents

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Description

本願は、ガンマカメラに関する。
原子力発電所から、放射性物質が漏洩した場合、その汚染範囲と放射能レベルの空間分布を把握し、除染を進めていく必要がある。放射性物質の分布測定には、広範囲の放射性物質の分布状況を一度に測定できるガンマカメラの使用が一般的である。
ガンマカメラは、入射するガンマ線の入射方向を検出する放射線検出器であり、ピンホール方式又はコンプトン方式がある。何れの方式でも、ガンマ線の入射ベクトルを求めるため、放射線検出素子であるシンチレータ中、又は半導体中で、ガンマ線が相互作用を起こした位置の情報を得る必要がある。そのため、ピクセル型半導体検出器を用いる方式(例えば、特許文献1参照)、及びマイクロレンズアレイを用いる方式(例えば、特許文献2参照)がある。
しかし、これらの方式では、半導体又はシンチレータ等の近傍に信号処理回路(半導体の場合はプリアンプ、シンチレータの場合は受光素子)を配置する必要があり、かつ、1ピクセルごとに信号処理回路が必要となるため、検出部の構造が複雑になる。そこで、平板状のシンチレータの周囲を取り囲むように受光素子を配置し、対向する受光素子間の受光量の比から、シンチレータ中でガンマ線が相互作用を起こした位置の情報を得る方式がある(例えば、特許文献3参照)。また、平板状のシンチレータの表面に波長シフト光ファイバー(例えば、特許文献4参照)、又は短冊状のライトガイド(例えば、特許文献5参照)を格子状に貼り付け、各ファイバーないしライトガイドを経由して得られる受光量の比からシンチレータ中でガンマ線が相互作用を起こした位置の情報を得る方式がある。
特開2017-26524号公報 特開2016-223997号公報 特開2015-49085号公報 特開2002-71816号公報 特開2000-346947号公報
特許文献1及び特許文献2の方式では、放射線検出素子の1ピクセル毎に、素子近傍に微小電荷を増幅し信号処理するための電子回路を配置する構成であるため、信号処理回路がピクセル数と同じだけ必要となり、検出部に多数の電子回路を配置する必要があった。このため、特に、高線量率環境下においては、電子回路の放射線による誤作動を防止するため、厚い遮蔽体が必要となり、装置の小型及び軽量化が困難であった。また、それらの回路によりガンマ線が散乱するため、ガンマ線の入射方向の測定精度が悪化する課題があった。
一方、特許文献4及び特許文献5の方式では、ライトガイド又は光ファイバーによりシンチレータ中のガンマ線の相互作用により発生するシンチレーション光を伝送できるため、受光素子とそれに付随する電子回路をシンチレータから離れた線量の低い場所に配置することができる。そのため、高線量率環境下においても検出部には厚い遮蔽が不要となる。
しかし、平板状のシンチレータ表面に、光ファイバー、又はライトガイドを配置するため、それら配置により散乱したガンマ線を検出することでノイズ信号が発生するため、ガンマ線の入射方向の測定精度が悪化する課題があった。さらに、光ファイバー又はライトガイドを格子状に配置して、格子に対応した位置をガンマ線が相互作用を起こした位置として得るため、位置分解能を向上させる場合は格子数を増やす必要がある。
また、特許文献3では、平板状シンチレータの周囲に受光素子を配置し、対向する受光素子間の受光量の比から、シンチレータ中でガンマ線が相互作用を起こした位置を得る方式が示されている。得たいピクセル数をN×N個とすると、特許文献1及び特許文献2の方式では、シンチレータ背面にN×Nピクセルの受光素子を配置する場合は、N個の受光素子が必要となる。
しかし、特許文献3の方式では、平板状シンチレータの側面にN個ずつの受光素子を配置すれば良いため、受光素子数は4N個となり、特許文献1及び特許文献2の方式に対して、受光素子数を4/Nとできる。しかし、シンチレータを用いたガンマカメラでは、平板状シンチレータ1つあたり、8×8ピクセル、すなわち64ピクセル程度のものが一般的であり、この場合、特許文献3の方式では、受光素子を64から32に減らせるが、削減率は50%となり、検出部の受光素子とそれに付随する電子回路の数を十分に削減できない課題がある。
また、ガンマ線との相互作用により等方的にシンチレーション光が発生するため、対向する受光素子間にシンチレーション光の発生位置が存在しない場合でも、受光素子にシンチレーション光が入射する。このため、シンチレーション光の発生位置がある程度の広がりを持って観測されることとなり、結果的に、ガンマ線の入射方向の測定精度が悪化する課題があった。
以上をまとめると、従来のガンマカメラは、ガンマ線がシンチレータ中又は半導体中で相互作用を起こした位置の測定精度を維持したまま、検出部に配置する受光素子又は電子回路を削減することができない課題があった。
本願は、上述のような問題を解決するためになされたもので、ガンマ線が相互作用を起こした位置の測定精度を向上し、検出部に配置する受光素子及び電子回路を大幅に削減することが可能なガンマカメラを提供することにある。
本願に開示されるガンマカメラは、
放射線物質から放出された入射ガンマ線が入射する第1のシンチレータ、
第1のシンチレータにより散乱された散乱ガンマ線が入射する第2のシンチレータ、
第1のシンチレータ及び第2のシンチレータのガンマ線入射面周囲の側面に結合され、発生したシンチレーション光が側面に到達した光を伝送する光ファイバー、
光ファイバーで伝送された光を受光し、電気信号に変換する受光素子、
受光素子で受光された側面ごとの光量分布を、予め記憶された発光位置に応じた側面ごとの光量の割合に基づいてシンチレーション光の発光位置および発光量を特定する発光量及び発光位置演算装置、
発光量及び発光位置演算装置の出力から、入射ガンマ線の入射方向を求めるガンマ線入射方向演算装置、
入射ガンマ線の入射方向に基づいて放射線物質の濃度分布を求める放射能汚染分布演算装置を備え、
発光量及び発光位置演算装置で行う、受光素子で受光された側面ごとの光量分布を、予め記憶された発光位置に応じた側面ごとの光量の割合に基づいてシンチレーション光の発光位置を特定する演算とは、
受光素子で受光された側面ごとの光量分布をP(M )、
発光位置S における発光量をP(S )、
発光位置S で発生した光が受光点であるファイバー位置M に到達する光量の割合を応答関数R(M |S )、
発光位置がS である確率をP(S |M )、
とした場合、
Figure 0007068082000001
を求め、求められた確率P(S |M )に、ファイバー位置M における受光量P(M )を加重することで発光位置S の最尤値を求める演算であることを特徴とする。

本願に開示されるガンマカメラによれば、受光素子で受光された側面ごとの光量分布を、予め記憶された発光位置に応じた側面ごとの光量分布のデータに基づいてシンチレーション光の発光位置及び発光量を特定するようにしたため、発光位置の測定精度向上と、検出部に配置する受光素子及び電子回路の削減を同時に実現することが可能となる。
実施の形態1に係るガンマカメラの概略構成図である。 実施の形態1に係る演算装置のハードウエア構成図である。 実施の形態1に係るシンチレータ中でのシンチレーション光の伝播の様子を示す模式図である。 実施の形態1に係るシンチレータ、光ファイバーケーブル、及び受光素子の接続関係を説明する図である。 実施の形態1に係る演算装置の演算フローを示す図である。 実施の形態2に係るシンチレータ中でのシンチレーション光の伝播の様子を示す模式図であり、図6Aの反射材の配置と図6Bの反射材の配置を変更している。 実施の形態2に係る演算装置の演算フローを示す図である。
以下、本願に係るガンマカメラの好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。以降の実施形態も同様に、同一符号を付した構成について重複した説明は省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るガンマカメラの構成概念図である。本実施の形態では、コンプトンカメラ方式について説明しているが、シンチレータを用いた検出部は、他のガンマカメラの方式であるピンホール方式、又は符号化開口方式にも適用可能である。
図1中、第1のシンチレータ11及び第2のシンチレータ21が、放射性物質1が放出する入射ガンマ線2、及び散乱ガンマ線3により発するシンチレーション光を、光ファイバーケーブル12、22によって受光素子13、23に伝送する。伝送されたシンチレーション光は受光素子13、23で電気信号に変換される。これら変換された電気信号に基づき、第1及び第2の発光量及び発光位置演算装置14、24で演算により、第1のシンチレータ11、及び第2のシンチレータ21内での発光位置を求める。求められた発光位置から、ガンマ線入射方向演算装置31により、ガンマ線の入射方向を求め、ガンマ線の入射方向から放射能汚染分布演算装置32により測定対象における放射性物質1の放射能濃度分布を求める。
第1及び第2の発光量及び発光位置演算装置14、24、ガンマ線入射方向演算装置31、及び放射能汚染分布演算装置32からなる演算装置50は、マイコンで構成してもよい。このハードウエアの一例を図2に示す。プロセッサ100と記憶装置200から構成され、図示していないが、記憶装置はランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ100は、記憶装置200から入力されたプログラムを実行することにより、シンチレータ内の発光位置を演算し、ガンマ線の入射方向を演算し、放射性物質の放射濃度分布を計算する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ100にプログラムが入力される。また、プロセッサ100は、演算結果等のデータを記憶装置200の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
図1には記載していないが、放射線検出素子としてシンチレータを使うことから、第1のシンチレータ11および第2のシンチレータ21は遮光された筺体内に配置されており、光ファイバーケーブル12、22についても遮光された被覆に覆われている。
以下、それぞれの構成を詳細に説明する。
図1で示したように、放射性物質1から放出された入射ガンマ線2が第1のシンチレータ11に入射し、コンプトン散乱を起こす。これにより、第1のシンチレータ11にエネルギーが付与されることで、シンチレーション光が発生する。なお、第1のシンチレータ11へのエネルギー付与は、コンプトン散乱により生じた反跳電子が第1のシンチレータ11中を走行し、第1のシンチレータ11へエネルギーを付与することで行われる。一般的に、固体のシンチレータ中での電子の飛程はシンチレータの大きさに比べて十分に短いため、シンチレーションの発光位置Pは点、すなわち発光点とみなせる。このことから、発光点はガンマ線の入射位置と同一の点とみなせる。
第1のシンチレータ11中でのシンチレーション光の軌跡は図3の様になる。発光位置Pから等方的にシンチレーション光Qが広がり、第1のシンチレータ11の側面に到達する。このとき、第1のシンチレータ11の各側面に到達するシンチレーション光の光量分布を図3中、第1のシンチレータのそれぞれの側面を示す4辺にグラフで示している。グラフのY軸はシンチレータの側面での位置を示し、X軸は、光量を示している。
図4に示す様に、第1のシンチレータ11の入射ガンマ線2の入射面周囲の側面には、シンチレーション光を伝送する光ファイバーケーブル12a~12hが光学結合されており、シンチレータ側面に到達したシンチレーション光は、それぞれの光ファイバーケーブル12a~12hに入射し、受光素子13まで伝送される。受光素子13は、それぞれの光ファイバーケーブル12a~12hで伝送されたシンチレーション光の光量を独立して電気信号に変換し、第1の発光量及び発光位置演算装置14に入力する。
次に、図5を用いて第1の発光量及び発光位置演算装置14の動作を説明する。図3に示したように、第1のシンチレータ11の側面へ到達したシンチレーション光の光量の分布は、各側面で異なっているが、これは、各側面へ到達するシンチレーション光の光量が発光位置Pに依存するためである。このため、第1のシンチレータ11に結合された光ファイバーケーブル12a~12hには、発光位置Pに依存して、それぞれ異なる量のシンチレーション光が入射する事になり、その結果、受光素子13で測定される各光ファイバーケーブル結合位置での光量は発光位置Pに依存する。
第1の発光量及び発光位置演算装置14では、受光素子13で測定された第1のシンチレータ11の側面の各位置での光量を側面光量分布データ14bとして記憶する。このデータと、あらかじめシミュレーション等により求めておいた発光位置毎の側面光量分布データ14aを用いて、演算により発光位置を求める(ステップST1)。
この演算は、入力値S(ベクトル)と測定値M(ベクトル)との関係(行列)を把握した上で、測定値Mから入力値Sを求める逆問題演算の手法を用いることで実現できる。ここでは、入力値Sと測定値Mとの関係を応答関数Rと呼ぶ。
入力値がSの場合、応答関数Rを用いれば、測定値Mは
Figure 0007068082000002
と表される。式(1)において、応答関数Rが既知であり、求めたい入力値Sの要素数に対して十分な数の独立した測定値Mを得ることが出来れば、式(2)に示す一般的な逆行列演算により、入力値Sを求めることが可能である。
Figure 0007068082000003
第1の発光量及び発光位置演算装置14においては、側面光量分布データ14bを測定値M、発光位置毎の側面光量分布データ14aを応答関数R、発光位置Pを入力値Sとする。なお、式(2)では逆行列演算による演算方法を示しているが、他にも、逐次近似法、擬似逆行列演算法、デコンボリューション、逆畳み込み積分法等の、その他の逆問題演算手法を用いることが出来る。
例えば、シンチレータ側面のファイバー位置をMi、ファイバー位置Miにおける受光量の割合(受光量)をP(Mi)、発光点の位置(発光位置)をSj、発光位置Sjにおける発光量をP(Sj)とすると、発光位置Sjで発生した光が受光点であるファイバー位置Miに到達する光量の割合は、応答関数R(Mi|Sj)と表される。そのため、発光位置Sjにおいて発光量P(Sj)が発生したときに、ファイバー位置Miにおいて測定される受光量P(Mi)は、式(3)の通りとなる。
Figure 0007068082000004

このことからR(Mi|Sj)が既知である場合、ファイバー位置Miにおいて光量P(Mi)が測定された場合において、発光位置がSjである確率P(Sj|Mi)は、式(4)の様に表すことができる。
Figure 0007068082000005
式(4)で得られた確率P(Sj|Mi)に、ファイバー位置Miにおける受光量P(Mi)を加重することで、発光位置Sjの最尤値を求めることができる。
このように、発光点と側面へ光学結合したファイバーに到達するシンチレーション光の関係を予め求めておけば、側面の光量分布から発光点の位置の最尤値を求めることが可能となる。
以上の様に、第1のシンチレータ11における発光位置P、すなわち第1のシンチレータ11への入射ガンマ線2の入射位置を得ることが可能となる。また、発光位置Pがわかることで、発光量についても演算により求めることが出来る(ステップST2)。このとき、ガンマ線のエネルギーと発光量の関係をあらかじめ調整(キャリブレーション)しておくことで、発光量からガンマ線のエネルギーを得られる(ステップST3)。
第1のシンチレータ11において発生したコンプトン散乱によって、エネルギーを失った散乱ガンマ線3は、第2のシンチレータ21に入射する(図1参照)。ここで、散乱ガンマ線3が第2のシンチレータ21と相互作用を起こし、第2のシンチレータ21にエネルギーを付与することによりシンチレーション光が発生する。第2のシンチレータ21においても、第1のシンチレータ11と同様に、第2のシンチレータ21の各側面に結合された複数の光ファイバーケーブル22を経由してシンチレーション光が伝送され、受光素子23において、第2のシンチレータ21の各側面における光量が独立に測定される。第2の発光量及び発光位置演算装置24において、測定された側面光量分布データ24bを、予め記憶された発光位置毎の側面光量分布データ24aに基づいて演算し、第2のシンチレータ21中での発光位置、すなわち散乱ガンマ線3の入射位置を得ることができる。また、発光位置から発光量を算出する。
このようにして得られた、第1のシンチレータ11と第2のシンチレータ21の入射ガンマ線2、散乱ガンマ線3の発光位置及び発光量は、ガンマ線入射方向演算装置31に入力される。
ガンマ線入射方向演算装置31では、コンプトン散乱の理論式を基に、第1のシンチレータ11に入射した入射ガンマ線2の入射方向を算出する。ここでの演算は、例えば特許文献1に示されている様な、一般的なコンプトンカメラと同様の演算である。入射ガンマ線2が第1のシンチレータ11でコンプトン散乱を起こした場合、入射ガンマ線2および散乱ガンマ線3のエネルギーと、散乱角θの関係は以下の様に求まる。
Figure 0007068082000006
式(5)中、hνは入射する入射ガンマ線2のエネルギー、hν'は散乱ガンマ線3のエネルギー、mが電子の静止質量である。このうち、散乱ガンマ線3のエネルギーhν'は、第2のシンチレータ21の付与エネルギーから求まり、入射ガンマ線2のエネルギーhνは、第1のシンチレータ11の付与エネルギーと第2のシンチレータ21の付与エネルギーの合計から求まる。よって、散乱角θ以外の変数が既知となるため式(5)から散乱角θが求まる(ステップST4)。
次に、放射能汚染分布演算装置32において、測定対象における放射能濃度分布を求める。ガンマ線入射方向演算装置31にて求めた散乱角θは入射ガンマ線2に対する散乱ガンマ線3の角度であり、第1のシンチレータ11と第2のシンチレータ21のそれぞれの発光位置からは、散乱ガンマ線3のベクトルが得られる(ステップST5)。これらの情報を基に、例えば特許文献1に示されている様な、一般的なコンプトンカメラと同様の演算を行い、測定対象における放射能濃度分布を求める(ステップST6)。
以上のように、あらかじめシミュレーション等により求めておいたシンチレータ中での発光点とシンチレータ側面における光量分布の関係を基に、シンチレータ側面での測定光量分布からシンチレーション光の発光位置を求めることで、ガンマ線が相互作用を起こした位置の測定精度を向上し、検出部に配置する受光素子及び電子回路を大幅に削減することが可能なガンマカメラを提供する事が可能である。この結果、高線量率環境下においても検出部に追加する遮蔽体などを削減できるため、軽量かつ高線量率環境下で使用可能なガンマカメラを実現することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2におけるシンチレータ41を模式的に示したものであり、シンチレータ表面の反射材の構成が、実施の形態1と異なるが、その他の構成は実施の形態1で示した第1のシンチレータ11、第2のシンチレータ21と同じである。実施の形態1では、平板状のシンチレータの側面は、反射材の配置は、各側面で対称となるように構成されていた。しかし、実施の形態2では、シンチレータ41の各側面の異なる位置に反射材45を配置し、反射材45の無い、隙間42に光ファイバーケーブルを結合する。
このとき、隙間42から光ファイバーに入射する側面光量分布パターンが、例えば図6A、図6Bに示す発光位置P1、P2で、それぞれに固有のものとなる様に反射材45を配置する。これにより、図7で示すように、各光ファイバーケーブルで受光した側面光量のパターンデータを、あらかじめ記憶しておいた側面光量分布パターンと比較、照合するだけで発光位置を一意に決定することができ(ステップST7)、決定された発光位置に基づいて発光量を一意に得ることが可能となる。このようなシンチレータ41の構成により、第1又は第2の発光量及び発光位置演算装置14、24における逆問題演算を省略することができる。
以上のように、シンチレータ側面の光ファイバーに入射する光量分布のパターンが、発光位置毎に固有のものとなる様に反射材を配置することで、発光量及び発光位置演算装置の構成を簡略化できるにもかかわらず、ガンマ線が相互作用を起こした位置の測定精度を向上し、検出部に配置する受光素子及び電子回路を大幅に削減することが可能なガンマカメラを提供する事が可能である。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:放射性物質、2:入射ガンマ線、3:散乱ガンマ線、11:第1のシンチレータ、12、12a~12h、22:光ファイバーケーブル、13、23:受光素子、14:第1の発光量及び発光位置演算装置、21:第2のシンチレータ、24:第2の発光量及び発光位置演算装置、31:ガンマ線入射方向演算装置、32:放射能汚染分布演算装置、42:隙間、45:反射材、50:演算装置

Claims (2)

  1. 放射線物質から放出された入射ガンマ線が入射する第1のシンチレータ、
    前記第1のシンチレータにより散乱された散乱ガンマ線が入射する第2のシンチレータ、
    前記第1のシンチレータ及び前記第2のシンチレータのガンマ線入射面周囲の側面に結合され、発生したシンチレーション光が前記側面に到達した光を伝送する光ファイバー、
    前記光ファイバーで伝送された光を受光し、電気信号に変換する受光素子、
    前記受光素子で受光された前記側面ごとの光量分布を、予め記憶された発光位置に応じた側面ごとの光量の割合に基づいて前記シンチレーション光の発光位置および発光量を特定する発光量及び発光位置演算装置、
    前記発光量及び発光位置演算装置の出力から、前記入射ガンマ線の入射方向を求めるガンマ線入射方向演算装置、
    前記入射ガンマ線の入射方向に基づいて前記放射線物質の濃度分布を求める放射能汚染分布演算装置を備え、
    前記発光量及び発光位置演算装置で行う、前記受光素子で受光された前記側面ごとの光量分布を、予め記憶された発光位置に応じた側面ごとの光量の割合に基づいて前記シンチレーション光の発光位置を特定する演算とは、
    前記受光素子で受光された前記側面ごとの光量分布をP(M )、
    発光位置S における発光量をP(S )、
    発光位置S で発生した光が受光点であるファイバー位置M に到達する光量の割合を応答関数R(M |S )、
    発光位置がS である確率をP(S |M )、
    とした場合、
    Figure 0007068082000007
    を求め、求められた確率P(S |M )に、ファイバー位置M における受光量P(M )を加重することで発光位置S の最尤値を求める演算であることを特徴とするガンマカメラ。
  2. 前記受光素子で受光された前記側面ごとの光量分布が、前記シンチレーション光の発光位置毎に固有のものとなる様にシンチレータ側面の異なる位置に複数の反射材を配置するとともに、前記反射材のない隙間の側面に前記光ファイバーを結合することを特徴とする請求項1に記載のガンマカメラ。
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