JP7067735B2 - 掘削パイプ、掘削パイプの製造方法及び地盤の掘削方法 - Google Patents

掘削パイプ、掘削パイプの製造方法及び地盤の掘削方法 Download PDF

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本発明は、掘削パイプ、掘削パイプの製造方法及び地盤の掘削方法に関する。
従来から、非特許文献1に記載されているように、地盤の掘削方法として、リバースサーキュレーションロータリ工法が知られている。リバースサーキュレーションロータリ工法に用いられる掘削パイプは、第1端と、第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ第1端及び第2端において開口するパイプと、第1端に配置される掘削ビットとを有している。このパイプは、内管と、内管の外周面との間に間隔を置いて内管の外周面を覆うように配置される外管とを有している。
リバースサーキュレーションロータリ工法においては、パイプの外周面と掘削穴との間に第2端から第1端に向かう方向に水を流し、かつ内管の外周面と外管の内周面との間に空気を流しながら掘削ビットで地盤を掘削するとともに、地盤から削り出された土及び礫を水とともに内管を通して排出することにより、地盤の掘削が行われる。
コンラッド社ホームページ、平成29年7月13日検索、インターネット(https://conrad-stanen.nl/en/products/combi-500)
リバースサーキュレーションロータリ工法は、礫を多く含まない地盤又は小さな礫しか含まない地盤においては、有効に機能する。しかしながら、例えば日本の地盤のように比較的大きな礫を多く含む地盤においては、地盤から削り出された礫が、排出される際に、内管に詰まってしまうおそれがある。礫が詰まってしまった場合、一旦掘削パイプを掘削穴から抜き出し、詰まった礫を取り出す作業を行う必要が生じてしまう。
このような問題は、例えばパイプを太くすることによって解決することができる。しかしながら、パイプを太くすると、掘削パイプの重量が増加する。リバースサーキュレーションロータリ工法より地盤の掘削を行っている際には、掘削パイプは、重機により支持されている。また、重機は、掘削の終了後に、掘削パイプを掘削穴から引き抜く。地盤に含まれる礫の大きさに合わせて掘削パイプを太くすることにより掘削パイプの重量が増加した場合、掘削パイプの重量に合わせて重機の設計を変更する必要がある。その結果、工期の長期化、工事コストの増加が生じる。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、比較的大きな礫を多く含む地盤であっても、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することが可能な掘削パイプ、掘削パイプの製造方法及び地盤の掘削方法を提供する。
本発明の一態様に係る掘削パイプは、第1端と、第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ第1端及び第2端において開口する第1パイプと、第1端に配置される掘削ビットと、第1端における第1パイプの開口に配置され、かつ開口が設けられた吸込防止部とを備える。第1パイプは、第1内管と、第1内管の外周面との間に間隔を置いて第1内管の外周面を覆うように配置される第1外管とを有する。吸込防止部における開口の大きさは、第1内管の内径の最小値よりも小さい。
本発明の一態様に係る掘削パイプを用いてリバースサーキュレーションロータリ工法により地盤の掘削を行う場合、地盤から削り出された礫のうち、第1内管の内径の最小値よりも径が小さいものが、第1内管に吸い込まれ難い。そのため、本発明の一態様に係る掘削パイプによると、比較的大きい礫が多く含まれる地盤であっても、第1パイプを太くすることなく、リバースサーキュレーションロータリ工法により地盤の掘削を行うことができる。すなわち、本発明の一態様に係る掘削パイプによると、比較的大きな礫を多く含む地盤であっても、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
上記の掘削パイプにおいては、吸込防止部は、複数のワイヤにより構成され、吸込防止部の開口は、隣接して配置されるワイヤによって画されていてもよい。この場合、吸込防止部を掘削現場において容易に取り付けることができる。
上記の掘削パイプにおいては、ワイヤの各々は、一方端において第1内管に固定されていてもよい。ワイヤの各々は、他方端において掘削ビットに固定されていてもよい。この場合、ワイヤにより構成される吸込防止部の耐久性を改善することができる。
上記の掘削パイプにおいては、隣接して配置されるワイヤにより画される開口面は、第2端から第1端に向かう方向に直交する方向と交差していてもよい。この場合、一旦吸込防止部により捕捉された礫が吸込防止部から離脱しやすくなるため、掘削効率を改善することができる。
上記の掘削パイプにおいては、吸込防止部における開口の大きさは、ワイヤを湾曲することにより調整可能に構成されていてもよい。この場合、掘削現場において、吸込防止部の開口の大きさを容易に調整することができる。
上記の掘削パイプは、第3端と、第3端の反対側の端である第4端とを有し、かつ第3端及び第4端において開口する第2パイプと、第1のOリングと、第2のOリングとをさらに備えていてもよい。第2パイプは、第2内管と、第2内管の外周面との間に間隔を置いて第2内管の外周面を覆うように配置される第2外管とを有していてもよい。第1内管及び第2内管が第1のOリングにより気密に接続され、かつ第1外管及び第2外管が第2のOリングにより気密に接続されることにより、第2端と第3端とが接続されていてもよい。この場合、複数のパイプを接続する場合であっても、パイプ内の空気の圧力の低下を抑制することができる。
本発明の一態様に係る掘削パイプの製造方法は、上記の掘削パイプを準備する工程と、地盤の試験掘削を行う工程と、試験掘削において地盤から採取された礫の大きさに応じて吸込防止部における開口の大きさを、ワイヤを湾曲させることにより調整する工程とを備える。
本発明の一態様に係る掘削パイプの製造方法によると、地盤の状況に応じて、吸込防止部における開口の大きさが適切に調整された掘削パイプを得ることができるため、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
本発明の一態様に係る地盤の掘削方法は、掘削穴と第1パイプの外周面との間に第2端から第1端に向かう方向に水を流し、かつ第1内管の外周面と第1外管の内周面との間に第2端から第1端に向かう方向に空気を流しながら掘削ビットにより地盤を掘削し、地盤から削り出された土及び礫を水とともに第1内管を通して排出する工程と、礫の一部が第1内管に詰まった場合に、ワイヤを湾曲させることによって吸込防止部における開口の大きさを調整する工程とを備える。
本発明の一態様に係る地盤の掘削方法によると、地盤から削り出された礫の一部が詰まってしまった場合であっても、掘削現場において、吸込防止部の開口の大きさを調整することによって礫の詰まりへの対処を容易に行えるため、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
本発明の一態様に係る掘削パイプ、本発明の一態様に係る掘削パイプの製造方法及び本発明の一態様に係る地盤の掘削方法によると、比較的大きな礫を多く含む地盤であっても工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
実施形態に係る掘削パイプの側面図である。 実施形態に係る掘削パイプの断面図である。 図1の領域IIIの拡大図である。 図3の方向IVからの正面図である。 実施形態に係る掘削パイプの製造方法を示す工程図である。 実施形態に係る掘削パイプを用いた地盤の掘削方法を示す工程図である。 実施形態に係る掘削パイプを用いたリバースサーキュレーションロータリ工法を示す模式図である。
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施形態に係る掘削パイプの構成)
以下に、実施形態に係る掘削パイプ10の構成を説明する。
図1は、実施形態に係る掘削パイプ10の側面図である。図1に示すように、掘削パイプ10は、第1パイプ1と、掘削ビット2と、吸込防止部3とを有している。掘削パイプ10は、第2パイプ4と、第1のOリング5と、第2のOリング6(第1のOリング5及び第2のOリング6については、図2参照)とをさらに有していてもよい。なお、図1においては、パイプの数が2である場合について例示しているが、掘削パイプ10を構成しているパイプの数は、3以上であってもよい。
第1パイプ1は、第1端1aと、第2端1bとを有している。第1端1aは、第1パイプ1の一方端である。第2端1bは、第1端1aの反対側の端である。第1パイプ1は、第1端1a及び第2端1bにおいて、開口している。第1パイプ1の中心軸は、第2端1bから第1端1aに向かう方向に沿っている。
図2は、実施形態に係る掘削パイプ10の断面図である。なお、図2においては、掘削ビット2及び吸込防止部3の図示は、省略してある。第1パイプ1は、第1内管11と、第1外管12とを有している。第1内管11は、内周面11aと、外周面11bとを有している。第1内管11は、筒状である。第1内管11は、好ましくは円筒状である。第1外管12は、内周面12aと、外周面12bとを有している。第1外管12は、筒状である。第1外管12は、好ましくは円筒状である。第1内管11と第1外管12とは、第2端1bから第1端1aに向かう方向に垂直な断面視において、中心軸周りの同心状に配置されていることが好ましい。
第1外管12は、第1内管11の外側に配置されている。第1外管12は、内周面12aが外周面11bと対向するように配置されている。すなわち、第1外管12は、外周面11bを覆うように配置されている。第1外管12は、外周面11bとの間に間隔を置いて配置されている。すなわち、内周面12aと外周面11bとの間には、空間が形成されている。第1内管11の内径の最小値は、例えば150mmである。
図1に示すように、掘削ビット2は、第1パイプ1に取り付けられている。より具体的には、掘削ビット2は、第1端1aに取り付けられている。掘削ビット2は、第1パイプ1が中心軸周りに回転する際、地盤と接触して地盤を掘削する。掘削ビット2の先端は、第1端1aよりも突出した位置にある。
吸込防止部3は、第1端1aに配置されている。吸込防止部3は、掘削ビット2が地盤を掘削することによって生じた礫の一部が第1パイプ1の内部に吸い込まれることを防止する。
図3は、図1の領域IIIの拡大図である。図4は、図3の方向IVからの正面図である。図4においては、掘削ビット2の図示は省略してある。図3及び図4に示すように、吸込防止部3は、複数のワイヤにより構成されていることが好ましい。吸込防止部3を構成するワイヤの数は、例えば3である。但し、吸込防止部3を構成するワイヤの数は、これに限られるものではない。すなわち、吸込防止部3を構成するワイヤの数は、2であってもよく、4以上であってもよい。なお、以下の例においては、吸込防止部3は、ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33により構成されているものとする。
ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33の各々は、一方端において、第1パイプ1の外周面(すなわち第1外管12の外周面12b)に固定されていることが好ましい。ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33の第1パイプへの固定は、例えば溶接により行われることが好ましい。
ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33の各々は、好ましくは、他方端において、互いに固定されている。ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33の他方端は、好ましくは、第1端1aよりも突出した位置にある。ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33の各々は、さらに好ましくは、他方端において、掘削ビット2に固定されている。
ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33は、好ましくは、第1パイプ1の周方向において、等間隔で配置されている。ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33は、施工現場において湾曲させることができる程度の塑性変形能がある棒状の部材である。ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33は、例えば炭素鋼製の鉄筋である。
吸込防止部3には、開口34が設けられている。開口34の数は、好ましくは複数である。図3の例においては、3つの開口34が、ワイヤ31とワイヤ32、ワイヤ32とワイヤ33、及びワイヤ33とワイヤ31によりそれぞれ画されている。すなわち、吸込防止部3が複数のワイヤにより構成されている場合、開口34は、隣接して配置されるワイヤにより画される。
開口34の大きさは、第1内管11の内径の最小値よりも小さい。掘削パイプ10が第2パイプ4を有している場合、開口34の大きさは、第2内管41の内径の最小値よりも小さい。すなわち、開口34の大きさは、掘削パイプ10を構成しているパイプの内管の内径の最小値よりも小さい。開口34がワイヤにより画されている場合、開口34の大きさは、ワイヤにより画される領域の内接円の直径により規定される。
開口34の大きさは、吸込防止部3がワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33により構成されている場合、ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33を湾曲させることにより、調整することができる。より具体的にいえば、ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33を第1パイプ1の中心軸に向かって湾曲させることにより、開口34の大きさを小さくすることができる。
ワイヤ31及びワイヤ32により画される開口面、ワイヤ32及びワイヤ33により画される開口面並びにワイヤ33及びワイヤ31により画される開口面は、第1パイプ1の中心軸の方向(第2端1bから第1端1aに向かう方向)に垂直な方向と交差していることが好ましい。すなわち、ワイヤ31及びワイヤ32により画される開口面、ワイヤ32及びワイヤ33により画される開口面並びにワイヤ33及びワイヤ31により画される開口面は、第1パイプ1の中心軸の方向と直交していないことが好ましい。
図1に示すように、第2パイプ4は、第3端4aと第4端4bとを有している。第3端4aは、第2パイプ4の一方端である。第4端4bは、第3端4aの反対側の端である。第2パイプ4は、第3端4a及び第4端4bにおいて、開口している。第2パイプ4の中心軸は、第3端4aから第4端4bに向かう方向に沿っている。第3端4aは、第2端1bに接続されている。第2パイプ4の中心軸は、第1パイプ1の中心軸と一致するように第1パイプ1に接続されていることが好ましい。
図2に示すように、第2パイプ4は、第2内管41と、第2外管42とを有している。第2内管41は、内周面41aと、外周面41bとを有している。第2内管41は、筒状である。第2内管41は、好ましくは円筒状である。第2外管42は、内周面42aと、外周面42bとを有している。第2外管42は、筒状である。第2外管42は、好ましくは円筒状である。第2内管41と第2外管42とは、第4端4bから第3端4aに向かう方向に垂直な断面視において、中心軸周りの同心状に配置されていることが好ましい。
第2外管42は、第2内管41の外側に配置されている。第2外管42は、内周面42aが外周面41bと対向するように配置されている。すなわち、第2外管42は、外周面41bを覆うように配置されている。第2外管42は、外周面41bとの間に間隔を置いて配置されている。すなわち、内周面42aと外周面41bとの間には、空間が形成されている。
第1内管11と第2内管41とは、第1のOリング5により気密に接続されている。第1外管12と第2外管42とは、第2のOリング6により気密に接続されている。より具体的には、第1内管11が第2内管41に差し込まれるとともに、内周面11aと外周面41bとの間に第1のOリング5が配置されることにより、第1内管11と第2内管41とが気密に接続されている。また、第1外管12が第2外管42に差し込まれた状態で第1外管12と第2外管42とがネジで接続されるとともに、内周面12aと外周面42bとの間に第2のOリング6が配置されることにより、第1外管12と第2外管42とが気密に接続されている。なお、外周面11bと内周面41aとの間に第1のOリング5が配置されていてもよく、外周面12bと内周面42aとの間に第2のOリング6が配置されていてもよい。
(実施形態に係る掘削パイプの製造方法)
以下に、実施形態に係る掘削パイプ10の製造方法を説明する。
図5は、実施形態に係る掘削パイプ10の製造方法を示す工程図である。図5に示すように、掘削パイプ10の製造方法は、準備工程S1と、試験掘削工程S2と、開口調整工程S3とを有している。
準備工程S1においては、掘削パイプ10の準備が行われる。試験掘削工程S2においては、地盤の試験掘削が行われる。試験掘削工程S2においては、地盤から礫が採取される。より具体的には、試験掘削工程S2においては、試験掘削用掘削パイプを用いて試験掘削が行われる。試験掘削用掘削パイプは、内管と、外管とを含むパイプと、パイプの一方端に取り付けられた掘削ビットとを有している。試験掘削用掘削パイプに用いられる内管の内径の最小値は、第1内管11の内径の最小値よりも小さい。例えば、試験掘削用掘削パイプに用いられる内管の内径の最小値は、80mmである。
試験掘削用掘削パイプを用いてリバースサーキュレーションロータリ工法により地盤の試験掘削を行うことにより、地盤から削り出された礫の一部が、試験掘削用掘削パイプの内管に詰まる。この試験掘削用掘削パイプの内管に詰まった礫を採取し、その大きさを測定する。
開口調整工程S3においては、試験掘削工程S2において採取された礫の大きさに応じて、吸込防止部3の開口34の大きさが調整される。発明者らの経験則上、岩盤から削り出される礫の大きさの最大値は、試験掘削工程S2において採取された礫の大きさの1~3倍程度(以下において、所定の係数という)であることが多い。開口調整工程S3において、開口34の大きさは、例えば、このような所定の係数を考慮した上で、適宜決定される。以上により、実施形態に係る掘削パイプ10の製造が完了する。
(実施形態に係る掘削パイプを用いた地盤の掘削方法)
以下に、実施形態に係る掘削パイプ10を用いた地盤の掘削方法を説明する。
図6は、実施形態に係る掘削パイプ10を用いた地盤の掘削方法を示す工程図である。図6に示すように、掘削パイプ10を用いた地盤の掘削方法は、掘削工程S4と、開口再調整工程S5とを有している。
図7は、実施形態に係る掘削パイプ10を用いたリバースサーキュレーションロータリ工法を示す模式図である。図7に示すように、掘削工程S4においては、掘削パイプ10を用いて地盤の掘削が行われる。より具体的には、掘削パイプ10の外周面と掘削穴Hの内壁面との間には、水Wが供給される。この水Wは、第2端1bから第1端1aに向かう方向に流れる。なお、掘削穴Hは、例えば熱源用井戸である。
第1内管11の外周面11bと第1外管12の内周面12aとの間には、空気Aが供給される。空気Aは、第2端1bから第1端1aに向かう方向に供給される。空気Aは、例えばコンプレッサ(図示せず)により供給される。
掘削パイプ10は、中心軸周りに回転することにより、掘削ビット2が掘削穴Hの底部を掘削する。これにより、地盤から、礫、土砂が削り出される。この礫、土砂は、水Wとともに空気Aにより持ち上げられ、第1内管11を通って、排出される。なお、この際、第1内管11の内径の最小値よりも大きい礫は、吸込防止部3の開口34を通過しにくいため、第1パイプ1の内部には侵入し難い。
掘削工程S4を行っている際に、地盤から削り出された礫の一部が、第1内管11に詰まることがある。この場合には、開口再調整工程S5において、開口34の大きさが調整される。例えば、ワイヤ31、ワイヤ32及びワイヤ33を湾曲させることにより、開口34の大きさが調整される。開口再調整工程S5が完了した後に、掘削工程S4が再開される。
(実施形態に係る掘削パイプ、実施形態に係る掘削パイプの製造方法及び実施形態に係る掘削パイプを用いた地盤の掘削方法の効果)
以下に、実施形態に係る掘削パイプ10、実施形態に係る掘削パイプ10の製造方法及び実施形態に係る掘削パイプ10を用いた地盤の掘削方法の効果を説明する。
第1内管11の内径の最小値よりも大きい礫が掘削パイプ10の内部に侵入すると、第1内管11に、当該礫が詰まってしまうおそれがある。しかしながら、掘削パイプ10においては、吸込防止部3の開口34の大きさが、第1内管11の内径の最小値よりも小さい。そのため、掘削パイプ10においては、第1内管11の内径の最小値よりも大きい礫が、掘削パイプ10の内部に侵入し難い。
したがって、掘削パイプ10によると、第1パイプ1の太さを太くすることなく(掘削パイプ10の重量を大きく増加させることなく)地盤から削り出された礫が掘削パイプ10に詰まることを抑制することができるため、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
吸込防止部3が複数のワイヤにより構成されている場合、吸込防止部3を、溶接等の方法により、第1パイプ1に取り付けることができる。そのため、この場合には、掘削現場で吸込防止部3を容易に取り付けることができる。
吸込防止部3を構成するワイヤの各々が、一方端において第1端1aに固定され、他方端において掘削ビット2に固定されている場合、吸込防止部3を構成するワイヤの各々が強固に固定される。そのため、この場合には、吸込防止部3の耐久性を向上させることができる。
上記のとおり、地盤から削り出された礫は、第1端1aから第2端1bに向かう方向に沿って、空気Aにより持ち上げられる。そのため、吸込防止部3を構成するワイヤにより画される開口面が第1パイプ1の中心軸の方向と直交している場合には、開口34により捕捉された礫に、空気Aによる吸引力が強く作用する。そのため、開口34に捕捉された礫が、開口34から離脱し難く、開口34を遮ってしまうおそれがある。その結果、礫、土砂等の排出効率が低下し、掘削効率が低下するおそれがある。
吸込防止部3を構成するワイヤにより画される開口面が、第2端1bから第1端1aに向かう方向に直交する方向と交差する場合(すなわち、この開口面が、第1パイプ1の中心軸の方向と直交していない場合)、開口34に捕捉された礫に作用する空気Aによる吸引力は、相対的に弱い。そのため、開口34に捕捉された礫が離脱しやすく、開口34が礫により遮られにくい。そのため、この場合には、掘削効率を改善することができる。
吸込防止部3が複数のワイヤにより構成されている場合、開口34は、隣接して配置されるワイヤにより画される。そのため、ワイヤを湾曲させることにより、容易に開口34の大きさを調整することができる。そのため、この場合には、地盤の状況に応じて、掘削現場において、開口34の大きさを適宜調整することができる。
掘削パイプ10が第2パイプ4と、第1のOリング5と、第2のOリング6とをさらに有し、第1内管11及び第2内管41が第1のOリング5により気密に接続され、かつ第1外管12及び第2外管42が第2のOリング6により気密に接続されることにより、第2端1bと第3端4aとが接続される場合、複数のパイプを接続する場合であっても、パイプ内の空気Aの圧力の低下を抑制することができる。
実施形態に係る掘削パイプ10の製造方法によると、地盤の状況に応じて、開口34の大きさが適切に調整された掘削パイプ10を得ることができるため、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
実施形態に係る掘削パイプ10を用いた地盤の掘削方法によると、地盤から削り出された礫の一部が詰まってしまった場合であっても、掘削現場において、吸込防止部3を構成するワイヤを湾曲させて開口34の大きさを調整することにより、礫の詰まりへの対処が容易に行えるため、工期の長期化、工事コストの増加を抑制することができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態は、リバースサーキュレーションロータリ工法用の掘削パイプに、有利に適用される。
A 空気、H 掘削穴、W 水、10 掘削パイプ、1 第1パイプ、1a 第1端、1b 第2端、11 第1内管、11a 内周面、11b 外周面、12 第1外管、12a 内周面、12b 外周面、2 掘削ビット、3 吸込防止部、31,32,33 ワイヤ、34 開口、4 第2パイプ、4a 第3端、4b 第4端、41 第2内管、41a 内周面、41b 外周面、42 第2外管、42a 内周面、42b 外周面、5 第1のOリング、6 第2のOリング、S1 準備工程、S2 試験掘削工程、S3 開口調整工程、S4 掘削工程、S5 開口再調整工程。

Claims (6)

  1. 第1端と、前記第1端の反対側の端である第2端とを有し、かつ前記第1端及び前記第2端において開口する第1パイプと、
    前記第1端に配置される掘削ビットと、
    前記第1端における前記第1パイプの開口に配置され、かつ開口が設けられた吸込防止部とを備え、
    前記第1パイプは、第1内管と、前記第1内管の外周面との間に間隔を置いて前記第1内管の外周面を覆うように配置される第1外管とを有し、
    前記吸込防止部における開口の大きさは、前記第1内管の内径の最小値よりも小さ
    前記吸込防止部は、複数のワイヤにより構成され、
    前記吸込防止部の開口は、隣接して配置される前記ワイヤによって画され、
    前記ワイヤの各々は、一方端において前記第1端に固定され、
    前記ワイヤの各々は、他方端において前記掘削ビットに固定され、
    前記ワイヤの各々の他方端は、前記第1端から突出した位置において、互いに固定されている、掘削パイプ。
  2. 隣接して配置される前記ワイヤにより画される開口面は、前記第2端から前記第1端に向かう方向に直交する方向と交差する、請求項に記載の掘削パイプ。
  3. 前記吸込防止部における開口の大きさは、前記ワイヤを湾曲することにより調整可能に構成される、請求項1又は請求項に記載の掘削パイプ。
  4. 第3端と、前記第3端の反対側の端である第4端とを有し、かつ前記第3端及び前記第4端において開口する第2パイプと、
    第1のOリングと、
    第2のOリングとをさらに備え、
    前記第2パイプは、第2内管と、前記第2内管の外周面との間に間隔を置いて前記第2内管の外周面を覆うように配置される第2外管とを有し、
    前記第1内管及び前記第2内管が前記第1のOリングにより気密に接続され、かつ前記第1外管及び前記第2外管が前記第2のOリングにより気密に接続されることにより、前記第2端と前記第3端とが接続される、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の掘削パイプ。
  5. 請求項~請求項のいずれか1項に記載の前記掘削パイプの製造方法であって、
    前記掘削パイプを準備する工程と、
    地盤の試験掘削を行う工程と、
    前記試験掘削において地盤から採取された礫の大きさに応じて前記吸込防止部における開口の大きさを、前記ワイヤを湾曲させることにより調整する工程とを備える、掘削パイプの製造方法。
  6. 請求項~請求項のいずれか1項に記載の前記掘削パイプを用いて行う地盤の掘削方法であって、
    掘削穴と前記第1パイプの外周面との間に前記第2端から前記第1端に向かう方向に水を流し、かつ前記第1内管の外周面と前記第1外管の内周面との間に前記第2端から前記第1端に向かう方向に空気を流しながら前記掘削ビットにより地盤を掘削し、地盤から削り出された土及び礫を前記水とともに前記第1内管を通して排出する工程と、
    前記礫の一部が前記第1内管に詰まった場合に、前記ワイヤを湾曲させることによって前記吸込防止部における開口の大きさを調整する工程とを備える、地盤の掘削方法。
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