以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限られない。
実施形態1.
図1は、本発明の実施形態1における画像形成システム1の全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、給紙装置3、画像形成装置5、画像読取装置7、及び排紙装置8を備える。給紙装置3は、画像形成装置5に用紙Pを給紙する。画像形成装置5は、給紙装置3から給紙された用紙Pに画像を形成する。画像読取装置7は、画像形成装置5により画像が形成された用紙Pを読み取り、各種処理を実行する。排紙装置8は、排紙トレイ9を備え、画像読取装置7から搬送された用紙Pを排紙トレイ9に排出する。
図2は、本発明の実施形態1における画像形成装置5の構成例を示す図である。図2に示すように、画像形成装置5は、カラー複写機の一例であり、原稿Tに形成された色画像を読み取ることにより画像情報を取得する。画像形成装置5は、取得した画像情報に基づいて色を重ね合わせることにより、色画像を形成する。画像形成装置5は、カラー複写機の外に、カラー用のプリンタ又はファクシミリ装置、これらの複合機等に適用することができる。
画像形成装置5は、画像形成装置本体11を備えている。画像形成装置本体11の上には、カラー用の画像読取部12及び自動原稿送り装置14が配置されている。画像形成装置本体11は、詳細については後述するが、制御部41、画像処理部43、画像形成部60、給紙部20、及び搬送部30を備えている。
自動原稿送り装置14は、画像読取部12の上に配置される。自動原稿送り装置14は、自動給紙モード時、一枚又は複数枚の原稿Tを自動給紙する。自動給紙モードは、自動原稿送り装置14に載置された原稿Tを給紙させ、画像読取部12により原稿Tに印刷された画像を読み取らせる。
自動原稿送り装置14は、原稿載置部141、ローラー142a、ローラー142b、ローラー143、ローラー144、反転部145、及び排紙皿146を備えている。原稿載置部141は、一枚又は複数枚の原稿Tが載置される。原稿載置部141の下流側には、ローラー142a及びローラー142bが設けられている。ローラー142a及びローラー142bの下流側には、ローラー143が設けられている。また、ローラー143の外周側には、位置決め検知部81が設けられている。
自動給紙モードが選択された場合、原稿載置部141から繰り出された原稿Tは、ローラー143によりU字回転して搬送される。なお、原稿Tが原稿載置部141に載置され、自動給紙モードが選択される場合、原稿Tの記録面は上に向いた状態であることが好ましい。
原稿Tは、画像読取部12により読み取られた後、ローラー144により搬送され、排紙皿146へ排紙される。なお、自動原稿送り装置14は、反転部145に原稿Tを搬送することにより、原稿Tの記録面だけでなく、原稿Tの記録面の裏面側を画像読取部12に読み取らせることができる。
位置決め検知部81は、画像が印刷された原稿Tを検出する。位置決め検知部81は、例えば、反射型フォトセンサで構成される。位置決め検知部81は、原稿Tが検知されると出力信号が立ち上がり、原稿Tが検知されないと出力信号が立ち下がり、その結果が制御部41に送信される。つまり、原稿Tが位置決め検知部81を通過している期間において、出力信号は一定値を維持する。
画像読取部12は、原稿Tに形成された色画像、すなわち、原稿Tに印刷された色画像を読み取る動作をする。画像読取部12は、一次元のイメージセンサー128が備えられている。また、画像読取部12は、イメージセンサー128の他に、第1のプラテンガラス121、第2のプラテンガラス122、光源123、ミラー124,125,126、結像光学部127、及び不図示の光学駆動部を備えている。
光源123は、原稿Tに光を照射する。不図示の光学駆動部は、原稿T又はイメージセンサー128を副走査方向に相対的に移動させる。副走査方向とは、イメージセンサー128を構成する複数の受光素子の配置方向を主走査方向とした場合、主走査方向と直交する方向である。
よって、原稿Tは自動原稿送り装置14により搬送され、画像読取部12の光学系により、原稿Tの片面又は両面の画像が走査露光されることが可能となる。画像読取動作を反映する入射光は、イメージセンサー128により読み込まれる。イメージセンサー128は、プラトンモード時であれば、原稿Tを読み取って得たRGB表色系の画像読取信号Soutを出力する。プラトンモードは、不図示の光学駆動部が駆動することにより、第1のプラテンガラス121及び第2のプラテンガラス122のようなプラテンガラス上に載置された原稿Tに印刷された画像を自動的に読み取らせる。
イメージセンサー128は、3ラインカラーCCD撮像装置が使用される。イメージセンサー128は、複数の受光素子列が主走査方向に配置されて構成される。具体的には、赤(R)色、緑(G)色、及び青(B)色のそれぞれの光検出用の読取センサーは、主走査方向と直交する副走査方向の異なる位置で画素を分割し、R色、G色、及びB色のそれぞれの光情報を同時に読み取る。例えば、自動給紙モードにおいて、原稿Tがローラー143によりU字上に反転される場合、イメージセンサー128は、原稿Tの表面を読み取り、画像読取信号Soutを出力する。
より具体的には、イメージセンサー128は、制御部41を介して画像処理部43に接続され、入射光を光電変換する。イメージセンサー128により光電変換されたアナログの画像読取信号Soutは、画像処理部43において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理、及び変倍処理等が実行される。この結果、画像読取信号Soutは、R色成分、G色成分、及びB色成分を含むデジタルの画像データとなる。画像処理部43は、3次元色情報変換テーブルにより、デジタルの画像データ、すなわち、RGBコードを、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)色の画像データ、すなわち、Dy,Dm,Dc,Dkに変換する。画像処理部43は、変換後の画像データを、画像形成部60に含まれるLED書き込みユニット611Y,611M,611C,611Kに転送する。
画像形成部60は、電子写真プロセス技術を利用する。画像形成部60は、中間転写方式のカラー画像を形成する。画像形成部60は、例えば、縦型タンデム方式が採用されている。
具体的には、画像形成部60は、画像処理部43から転送された画像データ、すなわち、Dy,Dm,Dc,Dkに基づいて、色画像を形成する。画像形成部60は、色ごとの画像形成ユニット601Y,601M,601C,601Kと、中間転写部620と、トナー像を定着させる定着部630とを備えている。
画像形成ユニット601Yは、Y(イエロー)色の画像を形成する。画像形成ユニット601Yは、感光ドラム613Y、帯電部614Y、LED書き込みユニット611Y、現像部612Y、及びクリーニング部616Yを備えている。
感光ドラム613Yは、Y色のトナー像を形成する。帯電部614Yは、感光ドラム613Yの周囲に配置され、コロナ放電により感光ドラム613Yの表面を一様に負極性に帯電させる。LED書き込みユニット611Yは、感光ドラム613Yに対してY色成分の画像に対応する光を照射する。現像部612Yは、感光ドラム613Yの表面にY色成分のトナーを付着させることにより、静電潜像を可視化してトナー像を形成する。クリーニング部616Yは、一次転写後に感光ドラム613Yの表面に残存する転写残トナーを除去する。
画像形成ユニット601M,601C,601Kのそれぞれは、画像形成ユニット601Yと比べ、形成する画像の色が異なる以外は同様の構成及び機能であるため、その説明については省略する。
なお、画像形成ユニット601Y,601M,601C,601Kを総称する場合、画像形成ユニット601と称する。また、LED書き込みユニット611Y,611M,611C,611Kを総称する場合、LED書き込みユニット611と称する。また、現像部612Y,612M,612C,612Kを総称する場合、現像部612と称する。また、感光ドラム613Y,613M,613C,613Kを総称する場合、感光ドラム613と称する。また、帯電部614Y,614M,614C,614Kを総称する場合、帯電部614と称する。また、クリーニング部616Y,616M,616C,616Kを総称する場合、クリーニング部616と称する。
中間転写部620は、中間転写ベルト621、一次転写ローラー622Y,622M,622C,622K、二次転写ローラー623、及びベルトクリーニング装置624等を備えている。
中間転写ベルト621は、無端状ベルトから構成され、複数の支持ローラーによりループ状に張架される。複数の支持ローラーのうち少なくとも1つのものは駆動ローラーで構成され、その他のものは従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー622Kよりもベルト走行方向の下流側に配置される支持ローラーが駆動ローラーであることが好ましい。駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト621は矢印Z方向に一定速度で走行する。
一次転写ローラー622Y,622M,622C,622Kは、各色成分の感光ドラム613に対向して、中間転写ベルト621の内周面側に配置される。中間転写ベルト621を挟んで、一次転写ローラー622Y,622M,622C,622Kが感光ドラム613Y,613M,613C,613Kに圧接される。これにより、感光ドラム613Y,613M,613C,613Kから中間転写ベルト621にトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
なお、一次転写ローラー622Y,622M,622C,622Kを総称する場合、一次転写ローラー622と称する。
二次転写ローラー623は、複数の支持ローラーのうち1つのものに対向して、中間転写ベルト621の外周面側に配置される。中間転写ベルト621に対向して配置される支持ローラーは、バックアップローラーと呼ばれる。中間転写ベルト621を挟んで、二次転写ローラー623がバックアップローラーに圧接されることにより、中間転写ベルト621から用紙Pにトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
中間転写ベルト621が一次転写ニップを通過する際、感光ドラム613上のトナー像は、中間転写ベルト621に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー622に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト621の裏面側、すなわち、一次転写ローラー622と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト621に静電的に転写される。
用紙Pが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト621上のトナー像は用紙Pに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー623に二次転写バイアスを印加し、用紙Pの裏面側、すなわち、二次転写ローラー623と当接する側にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Pに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着部630に搬送される。
ベルトクリーニング装置624は、中間転写ベルト621の表面に摺接するベルトクリーニングブレード等を備えている。ベルトクリーニング装置624は、二次転写後に中間転写ベルト621の表面に残留する転写残トナーを除去する。
定着部630は、加熱ローラー631、加圧ローラー632、加熱部633、及び温度検知部83を備え、画像形成部60で転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。
具体的には、加熱部633は、加熱ローラー631の内部に設けられ、加熱ローラー631を間欠的に加熱する。加圧ローラー632は、加熱ローラー631に対向して配置され、加熱ローラー631を加圧する。温度検知部83は、加熱ローラー631の周囲に設けられ、加熱ローラー631の温度を検知する。温度検知部83のサンプリング周期は、例えば、100msである。
定着部630は、加熱ローラー631の温度を検知する温度検知部83の検知結果に応じて、加熱部633が加熱ローラー631を加熱する。定着部630は、加熱ローラー631と、加圧ローラー632とを互いに圧接させることにより、加熱ローラー631と加圧ローラー632との間に定着ニップを形成させる。
定着部630は、加圧ローラー632による加圧と、加熱ローラー631が有する熱との作用を通じて、転写されたトナー像を用紙Pに定着させる。定着部630により定着された用紙Pは、画像が印刷される。画像が印刷された用紙Pは、排紙ローラー304により機外へと排出され、例えば、画像読取装置7に搬送される。なお、画像が印刷された用紙Pは、画像読取装置7に搬送されることなく排紙トレイ305に積載されてもよい。
給紙部20は、給紙カセット200及び送り出しローラー201等を備えている。給紙カセット200は、用紙Pを収容する。送り出しローラー201は、給紙カセット200に収容された用紙Pを取り込み、搬送部30に送り出す。
搬送部30は、搬送経路300が構成され、搬送経路300に従い用紙Pを搬送する。搬送経路300は、給紙ローラー302A、搬送ローラー302B,302C,302D、及びレジストローラー303等を備えている。
搬送経路300は、給紙部20から給紙された用紙Pを画像形成部60に搬送する。なお、用紙Pの裏面にも画像形成が行われる場合、用紙Pの表面に対する画像形成が行われた後、用紙Pは、分岐部306により、循環通紙路307A、反転搬送路307B、及び再給紙搬送路307Cの順に搬送される。
画像形成装置5は、制御部41を介して各種処理が実行される。例えば、画像読取部12から出力される画像読取信号Soutは、制御部41を介して不図示の画像メモリ又は画像処理部43に送信される。画像メモリは、例えば、ハードディスク等からなる。
制御部41は、具体的には、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェースを主体として構成される。制御部41は、CPUがROM又は不図示の記憶部から処理内容に応じた各種プログラムを読み出し、RAMに展開し、展開した各種プログラムと協働することにより、画像形成装置5の各部の動作を制御する。
つまり、制御部41は、画像形成装置5の動作を制御するものであり、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータにより実現し得るものである。制御部41が所定の制御プログラムを実行することにより、各種機能が実現される。
図3は、本発明の実施形態1における画像読取装置7の構成例を示す図である。画像読取装置7は、画像形成装置5の下流側に配置され、用紙Pの片面又は両面に印刷された画像を読み取る。画像読取装置7は、用紙Pに印刷された画像の色、位置、及び倍率等の読取結果に基づいて画像の補正量を求め、求めた画像の補正量を画像形成装置5にフィードバックする。
画像読取装置7は、制御部51、スキャナー701a,701b、測色計703、第1背景部材705a,705b、第2背景部材705c、搬送ローラー731(搬送ローラー対)、及び搬送経路700等を備えている。搬送経路700は、画像形成装置5から供給された用紙Pを通紙させる経路であり、搬送ローラー731の駆動により用紙Pが搬送される。
画像読取装置7は、画像形成装置5から供給された用紙Pを受け取ると、用紙Pに形成された画像をスキャナー701a,701b、又は測色計703に検出させる。画像の検出結果は、画像読取装置7の制御部51に出力される。
制御部51は、画像読取装置7の動作を制御するものであり、不図示のCPU、ROM、RAM、及びI/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータにより実現し得るものである。制御部41が所定の制御プログラムを実行することにより、各種機能が実現される。なお、制御部51は、画像の検出結果に基づいて各種処理を実行し、実行結果を画像形成装置5の制御部41に送信する。
スキャナー701a,701bは、搬送経路700を通紙する用紙Pと対向してそれぞれ配置されている。第1背景部材705aは、スキャナー701aに対向して配置され、スキャナー701aから照射される光を反射する。スキャナー701aは、第1背景部材705aから反射された光を含んだ光が入射され、用紙Pに形成された画像を読み取る。第1背景部材705bは、スキャナー701bに対向して配置され、スキャナー701bから照射される光を反射する。スキャナー701bは、第1背景部材705bから反射された光を含んだ光が入射され、用紙Pに形成された画像を読み取る。
具体的には、スキャナー701aは、用紙Pの裏面を読み取る。用紙Pの裏面の読取結果は、例えば、用紙Pに形成された画像の表裏のずれのチェック、又は想定外の画像の有無等のチェックに利用される。スキャナー701bは、用紙Pの表面を読み取る。用紙Pに形成された画像、例えば、後述する図6に示すパッチ801を読み取る。
なお、スキャナー701a,701bの何れかを特に区別しない場合、スキャナー701と称する。
画像読取装置7は、インライン方式及びオフライン方式の何れかの方式で動作が実行される。インライン方式は、画像形成装置5から供給される画像形成された用紙Pを画像読取装置7に直接給紙するように構成されている。一方、オフライン方式は、画像形成装置5から供給される画像形成された用紙Pを画像読取装置7に直接給紙するように構成されたものではなく、画像形成装置5と画像読取装置7とがそれぞれ独立して構成されている。本実施形態では、インライン方式を前提として以後の説明をするが、オフライン方式であってもよい。
測色計703は、スキャナー701の下流側に配置されている。測色計703は、搬送経路700を通紙される用紙Pに対向して配置されている。第2背景部材705cは、測色計703に対向して配置され、測色計703から照射される光を反射する。測色計703は、第2背景部材705cから反射された光を含んだ光が入射され、用紙Pに形成された画像を測色する。例えば、測色計703は、パッチ801を測色することにより、用紙Pに形成する画像の色の絶対値を保証する。
具体的には、測色計703は、不図示の可視光源からパッチ801に向けて可視光を照射する。測色計703は、第2背景部材705cにより反射される可視光の反射光の分光スペクトルを取得する。測色計703は、取得された分光スペクトルに基づき、所定の表色系への演算を実行し、パッチ801の色味を導き出す。
パッチ801の測色結果は、所定の表色系、例えば、Lab色空間データ又はXYZ色空間データ等で表現される数値データである色彩値ΔE、すなわち測色値として生成され、制御部51又は制御部41に出力される。
なお、測色計703の測色範囲、すなわち視野角は、スキャナー701の読取範囲よりも狭く、用紙幅方向に沿ったパッチ801の幅よりも狭く設定されている。具体的には、パッチ801の反射光を取得するレンズ部は、例えば約4mm程度である。
このように、測色計703は、一定の視野角の範囲に限定して測色を行うため、スキャナー701よりも高い精度で色情報を再現することができる。
なお、制御部51は、測色計703で測色されたパッチ801の測色値に基づき、スキャナー701で読み取られたパッチ801の色情報を補正する。具体的には、制御部51は、測色計703で測色されたパッチ801の色情報と、スキャナー701で読み取られたパッチ801の色情報とを、関連付ける。測色計703によるパッチ801の色情報と、スキャナー701によるパッチ801の色情報とが関連付けられていれば、測色計703の測色結果を、スキャナー701の読取結果に反映させることができ、正確な補正量が得られる。
つまり、搬送経路700に沿って用紙Pが搬送され、用紙Pの表面及び裏面がスキャナー701により読み取られつつ、用紙Pに形成された画像が測色計703により測色されることにより、短時間で用紙Pを測色することができる。また、スキャナー701により読み取られた読取結果と、測色計703により測色された測色結果とが、関連付けられることにより、スキャナー701の読取結果と、測色計703の測色結果との相関関係を形成することができるため、測色結果を補間することができる。
画像処理部43は、制御部51で演算された補正量に基づき、画像形成部60に形成させる画像を最適化する。画像処理部43が実行する画像の最適化処理は、用紙Pに印刷する画像の表裏位置調整、濃度調整、及び色味調整等が含まれる。よって、画像処理部43は、画像読取装置7の用紙Pの読取結果に応じて、用紙Pに形成する画像の色、位置、又は倍率を補正することができる。したがって、画像形成システム1は、システム全体として、メンテナンス時に精度の高いフィードバックシステムを構築することができる。
図4は、本発明の実施形態1におけるガイド部材741及び規制部材751の正面図である。図5は、本発明の実施形態1におけるガイド部材741及び規制部材751のB-B’方向に沿った断面図である。図6は、本発明の実施形態1におけるガイド部材741及び規制部材751の平面図である。図7は、本発明の実施形態1における押圧部材756の配置構成の一例を示す図である。図8は、本発明の実施形態1における押圧部材756の配置構成の別の一例を示す図である。
図4,5に示すように、ガイド部材741は、測色計703と、第2背景部材705cとの間に配置されている。ガイド部材741は、測色計703と、第2背景部材705cとの間を通過する用紙Pをガイドする。ガイド部材741は、第1ガイド部材741aと、第2ガイド部材741bとを備えている。第1ガイド部材741aは、測色計703に対向して配置され、用紙Pを用紙Pの搬送方向に沿ってガイドする。第2ガイド部材741bは、第1ガイド部材741aに対向して配置され、用紙Pを用紙Pの搬送方向に沿ってガイドする。
規制部材751は、測色計703に対向して配置され、用紙Pの動きを規制する。規制部材751は、第2背景部材705cと一体的に設けられている。よって、規制部材751は、用紙Pと、第2背景部材705cとの間に一定距離を保たせることができ、用紙Pが第2背景部材705cに擦れることによる第2背景部材705cの耐久性の悪化を防ぐことができる。
規制部材751が用紙Pを押し付けることにより、用紙Pの動きは規制される。具体的には、図4,5に示すように、規制部材751は、第1ガイド部材741aに対向して配置されている。規制部材751は、第1部材752a,752bと、第2部材754と、押圧部材756とを備えている。
図6に示すように、第1部材752a,752bは、測色計703の測色位置Xの上流側に配置され、転がり部材からなる。なお、第1部材752a,752bの何れかを特に区別しない場合、第1部材752と称する。
第1部材752は、少なくとも2つ設けられている。第1部材752は、用紙Pの搬送方向に沿った領域のうち、測色計703の測色位置Xを通る領域からずれた位置に配置されている。第1部材752は、少なくとも2つが対向して配置されている。例えば、第1部材752aと、第1部材752bとは、対向して配置されている。
図6に示すように、第2部材754は、測色計703の測色位置Xの下流側に配置され、転がり部材からなる。第2部材754は、少なくとも1つ設けられている。第2部材754は、用紙Pの搬送方向に沿った領域のうち、測色計703の測色位置Xを通る領域に配置されている。
第1部材752及び第2部材754のそれぞれは、転がり部材として、用紙Pが搬送されるにつれ、従動するコロから構成される。なお、第1部材752及び第2部材754のそれぞれは、転がり部材として、用紙Pを搬送する駆動ローラーから構成されるものでもよい。
図7,8に示すように、押圧部材756は、第1部材752及び第2部材754をガイド部材741に押し付ける。押圧部材756は、第1部材752及び第2部材754のそれぞれの軸心からずれた位置に配置されている。押圧部材756は、用紙Pの剛度に応じて、第1部材752及び第2部材754をガイド部材741に押し付ける荷重が調整自在である。具体的には、押圧部材756は、弾性部材から構成され、ガイド部材741を付勢することができる。押圧部材756は、例えば、コイルばね又は板ばね等のばね部材から構成されている。
従来例と比較しながら本実施形態の作用及び効果を説明する。図12は、従来例におけるガイド部材741及び規制部材1751の正面図である。図13は、従来例におけるガイド部材741及び規制部材1751のA-A’方向に沿った断面図である。図14は、従来例におけるガイド部材741及び規制部材1751の平面図である。図15は、従来例における押圧部材1756の配置構成の一例を示す図である。図16は、従来例における押圧部材1756の配置構成の別の一例を示す図である。図17は、従来例における用紙Pに照射された光の一例を示す図である。
図12~図17においては、測色計703の測色位置Xの両側に、第1部材1752aと、第1部材1752bとが配置されている。図12,13に示すように、第1部材1752aは、押圧部材1756により第1ガイド部材741aに押し付けられている。第1部材1752bは、押圧部材1756により第1ガイド部材741aに押し付けられている。
つまり、規制部材1751は、第1部材1752a,1752bと、押圧部材1756とを備え、第1部材1752a,1752bにより用紙Pの高さ方向の用紙Pの動きが規制される。なお、第1部材1752a,1752bの何れかを特に区別しない場合、第1部材1752と称する。
具体的には、規制部材1751は、第2背景部材705cと一体的に設けられ、第2背景部材705cと、第2背景部材705cの上を通過する用紙Pとの間に一定の隙間が形成されている。よって、用紙Pが第2背景部材705cに擦れることに起因する第2背景部材705cの耐久性の悪化が改善されている。
また、図14に示すように、規制部材1751は、第1部材1752aと、第1部材1752bとの2点により用紙Pの動きを規制する。よって、図15,16に示すように、用紙Pが搬送され、第2背景部材705cに用紙Pが突入した場合、又は、用紙Pが搬送され、第2背景部材705cから離れる場合、測色位置X近傍において、規制部材1751及び第2背景部材705cに回転角度θ’が生じる。
例えば、図15に示すように、用紙Pが搬送され、第2背景部材705cに用紙Pが突入した場合、第1部材1752及び第2背景部材705cは、左方向に回転角度θ’が生じる。また、図16に示すように、用紙Pが搬送され、第2背景部材705cから用紙Pが離れる場合、第1部材1752及び第2背景部材705cは、右方向に回転角度θ’が生じる。
よって、測色計703からの入射光に対する反射光の正しい光量が、第2背景部材705cから測色計703に返せない。この結果、測色計703は、正確な色を読み取ることができない。
具体的には、図17に示すように、測色計703に入射される光量は、第2背景部材705cの色及び材質、第2背景部材705cと、測色計703との間の距離、第2背景部材705cの面積等に起因して変化する。よって、測色計703で正確に用紙Pに形成された画像を測色するには、少なくとも、測色計703と、用紙Pとの間の距離を一定に保ち、用紙Pと、第2背景部材705cとの間の距離を一定に保つ必要がある。例えば、測色計703と、測色位置Xとの間の距離が0.5mm変動すれば、測色計703の測色結果となる色彩値ΔEは1.0程度変化する。
従来においても、図12,13に示すように、ガイド部材741において、第1ガイド部材741aと、第2ガイド部材741bとの間の隙間は、2~3mm程度で設定されているが、その隙間内において、用紙Pのばたつき等により色彩値ΔEは、大きく変化する。また、自動原稿送り装置14の読取箇所においても1mm程度の隙間に抑えられているが、一般的に、分光による測色計703は、1mmの用紙Pの高さ変動も許容できない。また、薄紙と比べ、透過光が少ない厚紙であっても、第2背景部材705cに回転角度θ’が生じると、透過光の反射角度の変動により、測色計703と、測色位置Xとの間の距離は1mm以上変動する場合、測色精度は悪化する。
そこで、本実施形態においては、規制部材751により、測色計703と、第2背景部材705cとの間で変動する用紙Pの動きが規制される。また、第1部材752及び第2部材754のそれぞれの軸心を通る軸心線Y_1,Y_2からずれた位置に押圧部材756が配置されていることにより、第2背景部材705cの回転方向に変動する用紙Pの動きが規制される。
具体的には、図6~8に示すように、第1部材752の軸心線Y_1は、第1部材752の軸心のうち、第1部材752と、第1ガイド部材741aとの接触点を通過する線である。一方、第2部材754の軸心線Y_2は、第2部材754の軸心のうち、第2部材754と、第1ガイド部材741aとの接触点を通過する線である。
よって、第1部材752の軸心線Y_1と、第2部材754の軸心線Y_2と、押圧部材756の重心を通る線Y_Xとは、互いにずれた位置となる。したがって、第1部材752及び第2部材754は、測色計703から測色位置Xに照射される光と反対方向に3点で用紙Pを押圧するため、用紙Pの搬送ガタを抑止すると共に、用紙Pの角度方向の変動を抑止しつつ、パッチ801を測色することができる。
つまり、第1部材752と、第1ガイド部材741aとの接触点と、第2部材754と、第1ガイド部材741aとの接触点とが、用紙Pの搬送に伴う回転を規制する。よって、従来の回転角度θ’と比べ、回転角度θは小さい。
したがって、測色計703と、用紙Pとの間の距離を一定にすると共に、用紙Pと、第2背景部材705cとの間の距離を一定にすることができるため、測色精度を向上させることができる。
また、第1部材752が測色計703の測色位置Xを通る領域からずれた位置に配置されることにより、用紙Pに形成された画像が第1部材752により測色前に傷つけられることがない。よって、画像を形成する着色物体が傷つけられず、画像の傷に起因する測色結果の変動を回避することができる。例えば、図6に示すように、第1部材752a,752bは、パッチ801の進行方向上には配置されていない。よって、測色位置Xにパッチ801が到達する手前で、パッチ801が第1部材752a,752bにより傷つけられることがない。したがって、パッチ801を形成する着色物体が傷つけられず、パッチ801の傷に起因する測色結果の変動を回避することができる。
また、第1部材752が、測色計703の測色位置Xを通る領域からずれた位置に少なくとも2つ対向して配置され、第2部材754が、測色計703の測色位置Xを通る領域に少なくとも1つ配置される。よって、図6に示すように、測色位置Xの周囲に第2ガイド部材741bに接触する3点平面が形成されることとなるため、少なくとも3点により用紙Pの角度方向の変動が規制される。したがって、用紙Pの角度変動を確実に抑止しながら測色を行うことができる。
また、第1部材752及び第2部材754のそれぞれが用紙Pの搬送に伴い従動するコロから構成される場合を想定する。この場合、図7に示すように、第1部材752又は第2部材754に用紙Pが突入したとしても用紙Pが滑らかに搬送されるため、用紙Pの動きを規制しつつ、用紙Pを滑らかに搬送させることができる。
また、第1部材752及び第2部材754のそれぞれが用紙Pを搬送する駆動ローラーから構成される場合を想定する。この場合、図8に示すように、測色計703と、第2背景部材705cとの間で変動する用紙Pの動きが規制されているとしても、測色計703の測色位置Xの上流側及び下流側に用紙Pを搬送させる搬送力が働くため、用紙Pの動きを規制しつつ、用紙Pを滑らかに搬送させることができる。
また、用紙Pの剛度に応じて、第1部材752及び第2部材754をガイド部材741に押し付ける荷重が調整自在であることにより、狙いの荷重を用紙Pに付与することができる。よって、図7,8において、用紙Pが厚紙であったとしても、厚紙に応じた荷重が押圧部材756から第1部材752及び第2部材754の両方に付与される。用紙Pが薄紙であったしても、同様である。したがって、用紙Pの動きを確実に規制しつつ、用紙Pを途中で詰まらせることなく搬送することができる。
また、規制部材751が第1ガイド部材741aに対向して配置されていることにより、押圧部材756により第1部材752及び第2部材754を同時に第1ガイド部材741aに押し付けることができるため、第1部材752aと第1ガイド部材741aとの接触点と、第1部材752bと第1ガイド部材741aとの接触点と、第2部材754と第1ガイド部材741aとの接触点とが形成される。よって、従来においては、図14に示すように、測色位置Xで用紙Pの動きを規制していたが、本実施形態においては、図6に示すように、測色位置Xの上流側と下流側とで用紙Pの動きを規制するため、用紙Pの搬送に伴う用紙Pの角度方向の変動を抑止することができる。
実施形態2.
実施形態2において、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付記し、その説明については省略する。実施形態2においては、規制部材751の配置構成が、実施形態1と異なる。
図9は、本発明の実施形態2におけるガイド部材741及び規制部材751の正面図である。図10は、本発明の実施形態2におけるガイド部材741及び規制部材751のC-C’方向に沿った断面図である。図11は、本発明の実施形態2におけるガイド部材741及び規制部材751の平面図である。
図9~11に示すように、規制部材751は、第2ガイド部材741bに対向して配置されている。第2背景部材705cと、第2ガイド部材741bとの間には一定の隙間が形成され、用紙Pが第2背景部材705cに擦れる状態が回避されている。
つまり、規制部材751と、第2ガイド部材741bとは対向的な配置関係にあり、第2ガイド部材741bと、第2背景部材705cとも対向的な配置関係にあるため、押圧部材756により第1部材752及び第2部材754を同時に第2ガイド部材741bに押し付けることができつつ、第2背景部材705cの耐久性の悪化が改善されている。
よって、第1部材752と第2ガイド部材741bとの接触点と、第2部材754と第2ガイド部材741bとの接触点とにより、用紙Pの搬送に伴う用紙Pの角度方向の変動を抑止することができる。
具体的には、第1部材752及び第2部材754は、測色計703から測色位置Xに照射される光と同方向に3点で用紙Pを押圧するため、実施形態1の場合と同様に、測色計703と、用紙Pとの間の距離を一定にすると共に、用紙Pと、第2背景部材705cとの間の距離を一定にすることができるため、測色精度を向上させることができる。
以上、本発明に係る画像形成装置5及び画像読取装置7を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、本実施形態においては、用紙Pが水平に搬送される方向であり、測色計703と、第2背景部材705cとが用紙Pの上下に設けられる配置構成の一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、用紙Pが垂直に搬送される方向であり、測色計703と、第2背景部材705cとが用紙Pの左右に設けられる配置構成であってもよい。
また、画像読取信号Soutが、R色、G色、及びB色成分を含むデジタルの画像データ(RGBコード)としてRGB表色系で定まる一例について説明したが、これに限らず、L*a*b*表色系等のような異なる表色系で定まるものであってもよい。
また、中間転写部620において、二次転写ローラー623による一例について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、二次転写ローラー623を含む複数の支持ローラーに、不図示の二次転写ベルトがループ状に張架された構成、いわゆる、ベルト式の二次転写ユニットが採用されてもよい。
また、測色計703が分光スペクトルに基づき測色する構成について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、測色計703は、三刺激値を測定する色彩色差計であってもよい。
また、第1部材752が、2つ設けられている配置構成について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、第1部材752は、3つ以上設けられている配置構成であってもよい。
また、第2部材754が、1つ設けられている配置構成について説明したが、特にこれに限定されない。例えば、第2部材754は、2つ以上設けられている配置構成であってもよい。
また、押圧部材756は、ばね部材から構成されている一例について説明したが、特にこれに限定されない。押圧部材756は、ガイド部材741を付勢することができる部材であれば、特に限定されない。例えば、押圧部材756は、不図示のカム及びカムを駆動させる不図示のモーター等によりガイド部材741を付勢する構成であってもよい。