JP7066934B2 - チタン合金の絞り加工方法 - Google Patents
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例えば、プレス加工が挙げられる。プレス加工とは、金型を含む一対の工具の間に金属等の材料を入れて圧力を加えることで、材料を金型の形状に加工する加工方法である。
プレス加工の一種として、絞り加工が知られている。絞り加工とは、金属板成形法の一種で一枚の金属板から円筒、角筒、円錐等様々な形状の底付き容器を成形する加工法である。絞り加工を用いることで、つなぎ目の無い容器形状の金属を成形することができる。
チタン合金を高温の範囲で延性を付与させてから塑性加工する方法としては、例えば、バーナー等の加熱手段でチタン合金であるTi-6Al-4V合金を800℃程度にまで加熱し、成形を行う方法がある。しかし、この方法では金型全体を高温まで加熱するために大がかりな加熱装置を用いていると考えられ、コストが高くなり、さらに作業性が悪化しやすい。また、Ti-6Al-4V合金のみならず、装置までもが高温に曝される結果、装置の寿命を縮めやすい。
上記特許文献1は、材料を変形する個所のみ簡易に加熱する手法であり、特許文献2は、結晶粒微細化のために、600℃~βトランザス変態点の温度範囲で、少しずつ材料の表面を鍛造する方法である。
以上の従来技術はいずれも高温の範囲でチタン合金を加熱する加工方法であり、高温の範囲でチタン合金を加熱する加工方法では、特殊な金型、特殊な加熱装置等を用いる必要があると考えられ、製造コスト、作業の簡便性等の点は期待できない。
以上より、チタン合金を低温(例えば、400℃未満)で塑性加工することは未だ困難である。
<1> ブランク材であるチタン合金を250℃以上400℃未満の温度に加熱する第1工程と、加熱された前記チタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記金型を用いて押圧部材によって前記チタン合金を絞らず、かつ、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に押圧する第2工程と、加熱された前記チタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に2kN以下で押圧し又は押圧せず、かつ、前記金型を用いて前記押圧部材によって前記チタン合金を絞る第3工程と、前記金型を用いて押圧部材によって絞った前記チタン合金を、ブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に押圧し、かつ、前記金型を用いて前記押圧部材によって前記チタン合金を絞る第4工程と、を有し、前記第4工程は、前記第2工程と、前記第3工程と、をそれぞれ複数回行った後に行うチタン合金の絞り加工方法である。
しかし、特許文献1又は特許文献2に記載の方法のように、高温(例えば、500℃以上)を付与するためには、別途チタン合金、金型等を加熱するための装置及び工程が必要となり、製造コストが増大する点が懸念される。
次いで、第2工程及び第3工程を、しわが発生しないように、また、壁厚が減少しないように複数回に分けて緩やかに進行させるので、得られる成形体のしわの発生を抑制しつつ、低温でも壁厚の均一性の高い絞り加工が可能になる。
そして、本開示の絞り加工方法は、第2工程及び第3工程を行った後に第4工程に移行する。
第2工程及び第3工程を施した後に第4工程を行うことで、チタン合金の端部からチタン合金の中心へ向かう方向の割れ(縦割れ)が発生することを抑制することができる。
縦割れは、チタン合金が金型の孔に絞られていく過程で、チタン合金(例えばチタン合金の外周付近)が金型の孔方向に寄ることで圧縮応力が増大することに起因すると考えられる。縦割れは、第4工程を行わず、第2工程及び第3工程を用いて成形を継続させた場合のように、押圧部材による絞り成形を行う際に、ブランク支持材を用いてチタン合金の少なくとも一部を金型に押圧しない場合に、特に問題となり得る。
本開示における第4工程は、ブランク支持材を用いてチタン合金の少なくとも一部を金型に押圧しながら押圧部材による絞り成形を行うため、チタン合金が金型の孔方向に寄ることで圧縮応力が増大することを回避でき、縦割れを抑制することが可能となる。
また、本開示のチタン合金の絞り加工方法は、得られる成形体の壁厚が部分的に減少することを抑制できるため、壁厚の均一性に優れた成形体を製造することができる。
<3> <1>又は<2>に記載のチタン合金の絞り加工方法において、チタン合金の絞り加工方法において、前記チタン合金が、Ti-6Al-4Vであることが好ましい。
<4> <1>~<3>のいずれか1つに記載のチタン合金の絞り加工方法において、前記加熱の温度が250℃以上300℃以下であることが好ましい。
本開示における第1工程は、ブランク材であるチタン合金を250℃以上400℃未満の温度に加熱する工程である。これによって、チタン合金に延性を付与し、本開示の絞り加工方法を適用することができる。
チタン合金の加熱温度が250℃以上であることで、本開示の絞り加工方法によって成形可能な延性をチタン合金に付与することができる。
チタン合金の加熱温度が400℃未満であることで、ブランク材と金型との焼付きによる摺動性低下を抑制できる。
上記の観点から、チタン合金の加熱温度は250℃以上350℃以下がより好ましく、250℃以上300℃以下がさらに好ましい。
チタン合金に含まれる、チタン以外の金属又は非金属としては、Al、V、Mo、Fe、Pd、Ru、Pt、Ni等が挙げられる。
本開示におけるチタン合金としては、Ti-6Al-4V、Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al等が挙げられ、本開示の効果がより奏される観点から、Ti-6Al-4Vがより好ましい。
チタン合金の形状が円形の平板形状である場合、特に制限はなく、例えば、0.30mm~1.5mmを用いることができる。
成形性の点から、厚みは0.35mm~1.2mmが好ましく、0.40mm~1.0mmがより好ましい。
チタン合金に酸化被膜を施す方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、大気酸化、陽極酸化等の方法が挙げられる。
大気酸化とは、空気中の酸素により、金属表面にアナターゼ型の酸化被膜を形成する酸化被膜形成方法である。
陽極酸化とは、金属を陽極として通電し、金属表面にルチル型の酸化被膜を形成する酸化被膜形成方法である。
本開示における第2工程は、前記加熱したチタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記金型を用いて押圧部材によって前記チタン合金を絞らず、かつ、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に押圧する工程である。
これによって、得られる成形体にしわが発生することを抑制することができる。
本開示における第2工程の一実施形態としては、図1に示すように、ブランク材である加熱したチタン合金11をブランク支持材7と金型5との間に配置した状態で、ブランク支持材7を用いて前記チタン合金11の例えばスクラップ部13をブランク支持材7から金型5へ向かう方向に押圧する。この際、押圧部材9によってチタン合金11を金型5の孔内に押し上げて孔5Cの形状に絞ることは行わない。
本工程におけるBHFとしては、例えば100kN~400kNとすることができる。
ブランク支持材7は、押圧部材9が通過するための孔7Aを有するため、後述の第3工程及び第4工程に移行した際、上記孔7Aを押圧部材9が通過し、ブランク材11を押圧することで絞り加工を行うことができる。
ブランク支持材7の外径7Rは、ブランク支持材7の外径と同じ外径とすることが好ましい。
ブランク支持材7の内径7rは、内径7rを通過する押圧部材9の通過を阻害しない内径が好ましい。
ブランク支持材7の厚み7hは、特に制限はないが、例えば、1cm~2cmとすることができる。
ブランク支持材7の材質は、特に制限はないが、例えば、SKD61、SKD11等が挙げられる。
本開示における第3工程は、加熱された前記チタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に2kN以下で押圧し又は押圧せず、かつ、前記金型を用いて前記押圧部材によって前記チタン合金を絞る工程である。
本工程によって、破断の原因である引張張力に起因するせん断変形を抑制し、かつ、チタン合金を所望の形状へと変形させることができる。
壁厚減少を良好に抑制する観点から、チタン合金を2kN以下で押圧し又は押圧しないことが好ましく、押圧しないことがより好ましい。
最も壁厚が減少しやすい肩部(中心からの距離が14mm付近)において、従来方法1(図9中、■で表記)は、チタン合金の壁厚のひずみが-2.5%~-2.8%であるのに対し、本開示の絞り加工方法の一実施形態(図9中、●で表記)では、壁厚ひずみが-1%~0%となる。また、側壁部(中心からの距離が33mm付近)において、従来方法2(図9中、▲で表記)の壁厚ひずみが10%~15%であるのに対し、本開示の絞り加工方法では0.5%~2%の間となる。
なお、図9中の従来方法1は、本開示における第4工程のみで絞り加工を行った場合である。図9中の従来方法2は、本開示における第2工程及び第3工程のみで絞り加工を行った場合である。
図9中の従来方法1、従来方法2及び本開示の絞り加工方法は、ブランク材としてTi-6Al-4V(厚み0.41mm)を用いている。従来方法2及び本開示の絞り加工方法は絞り比2.0であり、従来方法1は、絞り比1.55以上での成形ができないため、絞り比は1.54である。また、本開示の絞り加工方法の第2工程におけるBHFは200kN、従来方法2の第2工程におけるBHFは50kN、である。
また、壁厚のひずみは、加工前のチタン合金の厚みから、マイクロスコープで測定した加工後の壁厚を引いた値の絶対値を、加工前のチタン合金の厚みで除した百分率とする。
本開示における第3工程の一実施形態としては、図2に示すように、加熱されたチタン合金をブランク支持材7と金型5との間に配置した状態で、押圧部材9を動作させることで、押圧部材9がブランク支持材7の孔7Aを通過し、例えばブランク材11の内底面11D(図7参照)を押圧し、チタン合金を金型5の孔5C内に押し上げて孔5Cの形状に絞ることができる。この際、ブランク支持材7を用いてチタン合金11を2kN以下で押圧するか、又は押圧はしない。
金型5の孔5Cの形状によって、成形体の形状を種々選択することができる。本開示における金型5の孔5Cの形状として、例えば、円錐形状、角錐形状、円筒形状、角筒形状等が挙げられる。
金型5の材質としては、特に制限はないが、例えば、SKD61、SKD11等が挙げられる。
なお、本開示においてパンチスピードとは、押圧部材により、ブランク材が金型の孔に押し込まれる速度を指す。
本開示の絞り加工方法は、第2工程と、第3工程と、をそれぞれ複数回行った後に、第4工程を行う。
例えば、第2工程と第3工程とを交互にそれぞれ複数回繰り返した後に第4工程へと移行することができる。
本開示の絞り加工方法において、第2工程及び第3工程を行った後に、第4工程へ移行するタイミングは、本開示の絞り加工における第2工程及び第3工程を進行させた結果、最大パンチロードが得られた時点とすることができる。
パンチロード-パンチストローク線(本開示の絞り加工方法)において、最大パンチロード付近(パンチロード35kN付近、パンチストローク11mm付近)まで第2工程及び第3工程を行った後、第4工程へ移行することができる。
具体的には、n回目の第3工程のパンチストローク(PSn)及びパンチロード(PLn)、並びに、n-1回目の第3工程のパンチストローク(PSn-1)及びパンチロード(PLn-1)が、下記式1を初めて満たすn回目の第3工程を終えた後に、第4工程へ移行することができる。
PLn-PLn-1<0.8(PSn-PSn-1) (式1)
式1中nは自然数を表す。
なお、パンチストロークとは、押圧部材によってブランク材を押圧する際の、押圧部材がブランク材に接触し、かつ、BHFが付加されていない状態から材料が破断に至る、又は、絞り加工が終了する位置までの押圧部材の移動距離をいう。
この点について図8を参照して説明すると、第2工程(BHF-パンチストローク線(本開示の絞り加工方法)を参照)及び第3工程(パンチロード-パンチストローク線(本開示の絞り加工方法)を参照)を交互に繰り返していくことで、最大パンチロード付近(35kN付近)に到達するまでに、第3工程を27回行い、更に第2工程を27回行っている。27回目の第3工程を行った後に27回目の第2工程を行い、パンチロード-パンチストローク線(本開示の絞り加工方法)及びBHF-パンチストローク線(本開示の絞り加工方法)は、急激な上下を繰り返さず、連続的になめらかな曲線を描く第4工程へ移行している。
なお、図8中の従来方法2は、本開示における第2工程及び第3工程のみで絞り加工を行った場合である。
第2工程及び第3工程を上記タイミングまで行った後に第4工程を行うことで、得られる成形体の壁厚を均一にすることができ、破断の発生を抑制することができる。
上記の観点から、上記式1は下記式2であることがより好ましく、下記式3であることがさらに好ましい。
PLn-PLn-1<0.4(PSn-PSn-1) (式2)
PLn-PLn-1<0.2(PSn-PSn-1) (式3)
式2及び式3中、nは自然数を表す。
上記同様の観点から、上記絞り比が1.7以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましい。
本開示の一実施形態としては、例えば、チタン合金の形状が円形の平板形状であり、押圧部材の形状が円柱形状であり、かつ、前記チタン合金の厚みを0.41mmとし、前記押圧部材の直径に対するチタン合金板の直径の比を2.0以上とすることができる。
本工程によって、チタン合金に張力を付与した状態で金型に絞ることができるため、金型の周方向にチタン合金が圧縮されることによる縦方向の割れを抑制することができる。
そして、上記の状態で、押圧部材9を上下に可動させることで、押圧部材9がブランク支持材7の孔7Aをブランク材11に向けて通過し、ブランク材11の金型5と接する面とは反対の面の例えば、図7の内底面11Dを押圧することができる。これによって、ブランク材11は、内底面11Dが金型5の孔5C内を進行することによって折り曲げられていき、内底面11Dは、金型5内に押し込められていく。
内底面11Dを所望の位置まで押し込んだ段階で、ブランク材11の加工が終了する。
成形性の観点から、300mm/分~700mm/分であることが好ましく、400mm/分~600mm/分であることがより好ましい。
以下に記載の絞り加工方法により、ブランク材であるチタン合金(Ti-6Al-4V)に対して絞り加工を行った。この際、得られた成形体のフランジ部11Gが水平な面と接触するように配置した場合の、水平面から外底面11Aまでの長さ(図7の11h)が17mmとなる位置まで内底面11Dを押し込んだ段階で、ブランク材11の加工を終了し、成形体を製造した。
まず、チタン合金を、加熱装置(温間用金型、エリクセン株式会社製)を用いて250℃に加熱した。
次に、図1に示すように、加熱したチタン合金をブランク支持材7上に配置し、ブランク支持材7をサーボモーターにより駆動させることで金型5に向けて接近移動させ、ブランク材11を金型5とブランク支持材との間で挟持されるように配置した。
使用したブランク支持材7の外形は、外径140mm×高さ18mmの円筒形状であり、孔7Aの内径は、36mmであった。
また、押圧部材の直径(d)に対するブランク材11の直径(D)の比(絞り比:D/d)は2.0であった。
図1に示すように、第1工程後のチタン合金を、ブランク支持材7と金型5との間に配置した状態で、ブランク支持材7を用いて、前記チタン合金のスクラップ部13をブランク支持材7から金型5へ向かう方向に、BHFとして200kNの力で押圧した。この際、押圧部材9によってチタン合金を金型5の孔5Cに絞ることは行わなかった。
図2に示すように、第2工程後のチタン合金をブランク支持材7と金型5との間に配置した状態で、押圧部材9を動作させることで、押圧部材9がブランク支持材7の孔7Aを通過してブランク材11の内底面11Dを押圧し、チタン合金を金型5の孔5C内に押し上げて孔の形状に絞った。この際、ブランク支持材7を用いてチタン合金の例えばフランジ部11Gを押圧しなかった。なお、第3工程におけるパンチスピードは6mm/分とした。
上記第2工程及び第3工程を交互にそれぞれ複数回行い、27回目の第3工程を行った後に27回目の第2工程を行い、第4工程に移行した。第4工程において、図3に示すように、チタン合金をブランク支持材7と金型5との間に配置した状態で、前記ブランク支持材7を用いて前記ブランク材11の金型5と接する面とは反対の面のフランジ部11Gに対し、BHFとして30kNの圧力を加え、かつ、前記ブランク材11の内底面11Dを、押圧部材9で押圧してブランク材11を金型5の孔5Cの形状に絞るように変形させた。なお、第4工程におけるパンチスピードは600mm/分とした。
実施例2及び実施例3並びに比較例1及び比較例2について、表1に示す通りにブランク材11の直径及び加熱温度、並びに第2工程、第3工程及び第4工程におけるBHF、及び、絞り比を変更した以外は実施例1と同様にして成形体を製造した。
比較例3及び比較例4については第4工程を行わなかった。また、表1に示す通りにブランク材11の直径及び加熱温度、第2工程及び第3工程におけるBHF、並びに、絞り比を変更した以外は実施例1と同様にして成形体を製造した。
比較例6について、第2工程及び第3工程を行わなかった。また、表1に示す通りにブランク材11の直径及び加熱温度、第4工程におけるBHF、及び、絞り比を変更した以外は実施例1と同様にして成形体を製造した。
実施例1~実施例3、比較例1~比較例6で製造された成形体におけるしわ発生の有無やその状態を目視で調べて、下記評価基準に基づいて評価し、評価結果を表1に記載した。
-評価基準-
A:しわ、割れ等の不良の発生が認められなかった。
B:パンチ肩部での割れといった不良の発生が認められなかったが、パンチ頭部とは反対の位置となるカップ端部で割れといった不良が発生した。
C:パンチ肩部もしくはカップ壁部での割れまたは、しわといった不良の発生が認められた。
実施例1~実施例3及び比較例1~比較例6で得られた成形体を、外底面の面積が1/2となるように直線的に切断した。そして、切断した成形体の断面について、肩部及び側壁部の壁の厚み(壁厚ともいう。)をマイクロスコープ(DMI5000、ライカ マイクロシステムズ株式会社製)を用いて測定し、下記の評価基準に従って評価した。また、評価結果を表1に記載した。
なお、下記評価基準における壁厚のひずみとは、加工前のチタン合金の厚みを基準として、減少又は増加した壁厚の割合を指す。
壁厚のひずみは、加工前のチタン合金の厚みから、マイクロスコープで測定した加工後の壁厚を引いた値の絶対値を、加工前のチタン合金の厚みで除した百分率とする。
-評価基準-
A:肩部の壁厚のひずみが5%未満であり、側壁の壁厚のひずみが12%未満であった。
B:肩部の壁厚のひずみが5%以上15%未満であり、側壁の壁厚のひずみが12%以上であった。
C:肩部の壁厚のひずみが15%以上であった。又は、得られた成形体に破断が起こった。
中でも、250℃以上300℃以下でチタン合金を加熱した実施例1及び実施例2については成形性及び壁厚の均一性がより優れていた。
一方、本開示の第2工程及び第3工程のみによりチタン合金を成形した比較例3及び比較例4、並びに、本開示の第4工程のみによりチタン合金を成形した比較例6は、得られた成形体の成形性及び壁厚の均一性に劣っていた。
また、チタン合金を200℃に加熱した比較例1、及び、チタン合金を400℃に加熱した比較例2は、得られた成形体の成形性及び壁厚の均一性に劣っていた。
5A・・・上面
5B・・・下面
5C・・・孔
5D・・・屈曲部
5E・・・側壁
5h・・・高さ
5R・・・外径
5r・・・内径
7・・・ブランク支持材
7A・・・孔
7R・・・外径
7r・・・内径
7h・・・高さ
9・・・押圧部材
9A・・・押圧面
9B・・・胴体部
11・・・ブランク材(チタン合金)
11A・・・外底面
11B・・・外側面
11C・・・外端面
11D・・・内底面11D
11E・・・内側面
11F・・・内端面
11G・・・フランジ部
11h・・・高さ
11R・・・直径
111・・・底部
112・・・側壁部
113・・・肩部
13・・・スクラップ部
Claims (4)
- ブランク材であるチタン合金を250℃以上400℃未満の温度に加熱する第1工程と、
加熱された前記チタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記金型を用いて押圧部材によって前記チタン合金を絞らず、かつ、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に押圧する第2工程と、
加熱された前記チタン合金をブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に2kN以下で押圧し又は押圧せず、かつ、前記金型を用いて前記押圧部材によって前記チタン合金を絞る第3工程と、
前記金型を用いて押圧部材によって絞った前記チタン合金を、ブランク支持材と金型との間に配置した状態で、前記ブランク支持材を用いて前記チタン合金の少なくとも一部を金型に押圧し、かつ、前記金型を用いて前記押圧部材によって前記チタン合金を絞る第4工程と、
を有し、
前記第4工程は、前記第2工程と、前記第3工程と、をそれぞれ複数回行った後に行うチタン合金の絞り加工方法。 - 前記チタン合金の形状が円形の平板形状であり、押圧部材の形状が円柱形状であり、かつ、前記チタン合金の厚みを0.41mmとした場合に、前記押圧部材の直径に対するチタン合金板の直径の比が2.0以上である請求項1に記載のチタン合金の絞り加工方法。
- 前記チタン合金が、Ti-6Al-4Vである請求項1又は請求項2に記載のチタン合金の絞り加工方法。
- 前記加熱の温度が250℃以上300℃以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のチタン合金の絞り加工方法。
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