JP7066531B2 - 探針製造装置、及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高感度磁気計測に係り、ナノスケール磁場検知プローブとして用いる探針の製造技術に関する。
NV(NitrogeN Vacancy)センターとは、ダイヤモンド結晶中の隣り合った2つの炭素原子がそれぞれ窒素(N)と空孔(Vacancy)に置き換わった色中心であり、このNVセンターは様々な応用が提案されている。その応用例として、磁場センサー、核磁気共鳴(NMR)および電子スピン共鳴(ESR)、磁気共鳴画像法(MRI)装置の高分解能化、単一光子源としての発光デバイス、量子コンピュータにおける量子ビット等、がある。
ダイヤモンド中のNVセンターは一般に中性電荷状態若しくは負電荷状態で存在する。このうち、負に帯電しているNVセンターが、有用な量子スピン結晶欠陥として広く興味を持たれている。NVセンターを試料近傍で走査することにより、二次元または三次元磁場強度分布を可視化することが出来るからである。NVセンターを用いた既存の走査技法には、ダイヤモンド微粒子を用いるものと、ダイヤモンド材料から形成された検知プローブ(探針)を用いるものが存在する。
ダイヤモンド微粒子を用いる公知の技法としては、光ファイバー先端にダイヤモンド微粒子を付着させる方法が存在する。この方法では試料のダイヤモンド微粒子とは反対側に検出器を設置するため、蛍光波長に対して透明な試料のみしか測ることが出来ない。また蛍光はすべての方向に放射されるので、蛍光を高効率で検出できるように検出器を設置することは困難である。
ダイヤモンド材料から形成された検知プローブを用いる公知の技法としては、NVセンター-走査型プローブ顕微鏡(NVC-SPM)が知られている(特許文献1参照)。NVC-SPMはダイヤモンド微粒子を用いた技術と異なり、高効率で蛍光を検出し、光学的にも安定であるが、それ専用の単結晶ダイヤモンドから成るカンチレバー形状のデバイスを必要とする(特許文献2参照)
特許06117926 WO2012/152617
上述したカンチレバー形状のデバイスを作るには、低エネルギーイオン注入、電子ビームリソグラフィシーケンス、反応性イオンエッチングを含む、複数の装置に跨る多段階の製作手順を実行しなければならなかった。また、窒素原子注入ステップによって多量のNVセンターがダイヤモンドに形成されるが、単一NVセンターをナノピラー先端に含むカンチレバーを作る歩留まりはポアソン分布に従う為、単一NVセンター、もしくは高配向NVセンターをナノピラー先端に含む高効率な検知探針の製造は難しかった。
本発明は、上記の課題を解決し、先端付近に所望のNVセンターを含む探針を高効率に作製可能な探針製造装置、及び方法を提供することを目的をとする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、探針製造装置であって、色中心を有するダイヤモンド型結晶を含む探針の先端から電界蒸発を行わせる電源と、探針の先端にレーザーを照射する光学系と、探針の先端にマイクロ波を照射し、探針の電子スピンを共鳴させ、蛍光を発生させるマイクロ波発生器と、発生した蛍光を検出する蛍光検出器と、電源を制御する制御部と、を備え、制御部は、探針の色中心の電子状態を推定し、推定結果に従い電源を制御する構成の探針製造装置を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、探針製造方法であって、
真空槽内に置かれた色中心を有するダイヤモンド型結晶を含む加工前探針の先端に電圧を印加することで電界蒸発現象を発生させるとともに、加工前探針にレーザーを照射し、加工前探針にマイクロ波を照射し、加工前探針の電子スピンを共鳴させ、蛍光強度を変更し、加工前探針から発生した蛍光を検出し、色中心の電子状態を推定し、推定結果に基づき、電圧の印加による加工前探針の加工を制御する探針製造方法を提供する。
本発明によれば、高感度磁気計測用探針製造工程を簡略化し、非常に高い歩留まりで探針を製造することができる。
置換窒素原子とそれに隣接した格子空孔からなるNVセンターの原子配置を示す図。 ダイヤモンド中の負に帯電しているNVセンターの電子構造を示す図。 実施例1に係る、探針製造装置の実用的な全体構成の概略図。 実施例1に係る、最低限必要な構成要素によって構築された探針製造装置の概略図。 実施例1に係る、レーザーパルスによって探針の電界蒸発が誘起される様子を示す模式図。 実施例1に係る、ダイヤモンド材料からマイクロサンプリング法を用いて加工前探針を作成する様子の全体を示す模式図。 実施例1に係る、ダイヤモンド材料からマイクロサンプリング法を用いて加工前探針を作成する様子を示す模式図。 実施例1に係る、ダイヤモンド材料からマイクロサンプリング法を用いて加工前探針を作成する様子の続きを示す模式図。 実施例1に係る、単一NVセンターを有する探針製造のフローチャートを示す図。 実施例1に係る、高配向NVセンターアンサンブルを有する探針製造のフローチャートを示す図。 実施例1に係る、Ga導入層を取り除いた探針製造のフローチャートを示す図。 実施例1に係る、制御用PCに表示されるグラフィックユーザーインターフェースの一例を示す図。 単一光子確認のためのハンブリーブラウン・トゥイスの実験系の一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳述する。それに先立ち、図1、図2を用いて、置換窒素原子とそれに隣接した格子空孔からなるNVセンターの原子配置と、ダイヤモンド中の負に帯電したNVセンター(以下、NVと略す)の電子構造を説明する。
図1に示すように、NVセンターとは、ダイヤモンド結晶中の隣り合った2つの炭素原子がそれぞれ窒素(N)と空孔(V)に置き換わった色中心である。このNVセンターに1個の電子が外部から供給されると、負に帯電したNVセンター(以下、NVと略す)となる。このNVは室温に於いてマイクロ波による励起によって特定の電子スピン状態に置くことが可能である。この電子スピン状態は極めて長いコヒーレンス時間を持ち、光子を用いて状態を読み取ることを可能にする発光性および非発光性の緩和過程を有する電子状態を持つ。NVはダイヤモンド結晶中に含まれており化学的に安定である。またNVの蛍光も非常に安定しており、退色やブリンキングが起きないことが知られている。また、極低温を必要としないため、小型化・低価格化の観点で非常に有利である。このコヒーレンス時間は、適切なマイクロ波パルスシーケンスによって緩和時間を測定することで定量化することが出来る。
図2のダイヤモンド中のNVの電子構造に示すように、NVは532 nm波長の光励起前のスピン状態(ms)に依存して、二つの緩和過程が存在する。ms=0の状態から励起された電子は赤色(550~800 nm程度)の蛍光を発して元のms=0の状態に緩和する。一方、ms=±1の状態から励起された電子の一部は無輻射遷移を経て基底状態へと戻るため、赤色の蛍光を発しない。
ここで2.87 GHz近傍のマイクロ波を照射することで、電子スピン共鳴により電子をms=0の状態からms=±1の状態へ励起することが出来、マイクロ波によって励起された電子の分だけ赤色発光強度が減少する。NVの電荷が磁場中にあると、ms=+1とms=-1の準位がゼーマン分裂によって分離するため、マイクロ波周波数を掃引することで、磁気共鳴点を探すことが出来、これを光検出磁気共鳴(Optically Detected Magnetic Resonance, ODMR)と呼ぶ。γは電子の磁気回転比定数とすると、ODMRスペクトルのゼーマン分裂幅2γBextからNVセンターの置かれた点での磁場強度を知ることができる。
実施例1は、高感度磁気計測用探針製造装置、及び製造方法の実施例である。すなわち、色中心を有するダイヤモンド型結晶を含む加工前探針の先端から電界蒸発を行わせる電源と、加工前探針の先端にレーザーを照射する光学系と、加工前探針の先端にマイクロ波を照射し、加工前探針の電子スピンを共鳴させ、蛍光を発生させるマイクロ波発生器と、発生した蛍光を検出する蛍光検出器と、電源を制御する制御部とを備え、制御部は、色中心の電子状態を推定し、推定結果に従い電源を制御する探針製造装置、及びその製造方法の実施例である。
以下、本実施例に係る高感度磁気計測用探針製造装置、及び方法を説明する。図3Aは、実施例1に係る、高感度磁気計測用探針製造装置の実用的な全体構成を示し、図3Bは最低限必要な構成要素によって構築された探針製造装置の概略を示し、図3Aの構成と比較すると、Multi Channel Plate(MCP)ディレイライン検出器310、ハーフミラー311、光検出器312、時間測定回路313、質量電荷比スペクトル314、磁石316並びに磁気シールドシャッター317等が省略されているが、以下説明する基本構成は同一である。
図3A、図3Bに示すように、加工対象となる加工前探針31は真空槽内32に保持されており、加工前探針31は高電圧電源33に接続されている。加工前探針31は冷却機構(図示せず)によって40ケルビン以下程度まで冷却することができる。加工前探針31の先端近傍にはファラデーループアンテナ34が配置されており、マイクロ波源(MW source)35から出力・増幅された高周波信号を出力する。加工前探針31には1つ以上のNVセンター(NV)が含まれており、これらのNVセンターがファラデーループアンテナ34から受けたマイクロ波によりスピン共鳴を起こす。加工前探針31の先端には波長532nmのレーザーが照射される必要があるため、真空槽32の外部にレーザー光源(laser)36を設置する場合、レーザー光源36から発振されるレーザー光を加工前探針31先端に導く為の光学系と、532nmの波長の光を透過できる真空窓37が必要である。加工前探針31に含まれるNVセンターからの蛍光は、レンズ等からなる蛍光検出系38に導かれ、波長620nmから800nmの間の光子に感度を持つ単一光子検出器として機能する、光子1個の検出感度を持つ蛍光検出器39によって確認される。
高電圧電源33から加工前探針31に数kVの電圧を印加することで、加工前探針31の形状の効果で加工前探針31の先端に数十kV/nm程度の高電界を生じさせることが出来る。この高電界によって、原子の電界蒸発を引き起こし、原子を順次、ほぼ1原子ずつ電界蒸発させることが出来る。この状態で、制御用のパーソナルコンピュータ(PC)40の制御により、電界蒸発が起きない程度に電圧を少し下げ(典型的には数百Vから数kV)、加工前探針31の先端にレーザー光源36からのレーザーをパルス照射することで、原子の電界蒸発をレーザーパルスによってトリガすることが出来る。
ここで、図3Aに示したように、真空槽32内の加工前探針31と距離L離れて対向する位置にMulti Channel Plate(MCP)ディレイライン検出器310を設置することにより、電界蒸発した元素、すなわち炭素イオン等を検出し、制御用PC40は、MCPディレイライン検出器310の出力を、元素の質量電荷比スペクトルを算出するために用いる。
レーザーパルス出力の一部をハーフミラー311と光検出器312等を用いて採取して得たレーザー照射のタイミングtstartと、MCPディレイライン検出器310に電界蒸発したイオンが検出されたタイミングtstop、の時間差分は、イオンが距離Lを飛行した飛行時間tに相当する。このときイオンの持っていたエネルギーは、式1によって記述される。
Figure 0007066531000001
式1により、飛行時間tから質量電荷比m/nを求めることができ、元素種が同定できる。但し、mはイオンの質量、vはイオンの飛行速度、Lは探針先端からMCPディレイライン検出器310までのイオンごとの飛行距離、nはイオンの価数、eは素電荷、Vは針形状試料に印加した電圧である。飛行時間は時間測定回路313によって正確に見積もられ、一定のデータ量が溜まるごとに制御用PC40へ取得データを移動させ、リアルタイムに積算し続ける質量電荷比スペクトル314を制御用PC40に付属するモニタに表示させる。
MCPディレイライン検出器310等の二次元検出器を用いる場合、イオンごとの飛行距離はMCPディレイライン検出器310上のイオンの衝突したxy座標ごとに異なり、探針先端から検出器まで放射状に広がった曲線で描かれる距離を計算し補正する必要がある。MCPディレイライン検出器310上のイオンの衝突したxy座標は電界蒸発したイオンの元々存在していた加工前探針31先端での拡大投影座標であり、ここからイオンの元いたxy座標が求まる。典型的なイオンの飛行距離は数十~数百cm程度であるが、この飛行中に他の原子・分子と衝突すると加工前探針31先端から蒸発したイオンのxy座標情報が保存されなくなってしまうため、原子のxy座標情報も必要とする場合には、真空槽32内は少なくともイオンの飛行路を保証する気体分子運動論より予測される真空度よりも低い真空度である必要がある。
レーザ光源36から加工前探針31に照射される532nm波長のレーザー光は、上述した飛行時間分析(アトムプローブ分析)だけでなく、NVセンターのNVの電子励起の役割も担う。図2に示したように、加工前探針31に含まれるNVはms=0とms=±1の三つの状態を持つ。ms=0とms=±1の間の遷移は2.87GHz近傍のエネルギーを持つマイクロ波によって遷移させることが出来、532nm波長のレーザー光照射によって励起されるが、緩和する際にms=±1から励起した場合のみ蛍光量が減少する。このため、マイクロ波周波数を掃引しながら蛍光量をモニターすることで、蛍光量が減る周波数を2つ以上見つけることが出来、このピーク差から磁場やNVセンターの配向度の情報が得られる。このように適切なタイミングシーケンスで532nm波長のレーザーおよびマイクロ波を導入し、マイクロ波周波数を掃引しながら蛍光検出量をマップすることで、ODMRスペクトル315をリアルタイムでモニタに表示し続ける。
図4に模式的に示すように、高電圧電源41から加工前探針に高電圧を印加しつつ、レーザー光源42からのレーザーのビームウエストに探針31の先端が配置されるように光軸調整を行うため、探針先端から500~1000nm程度の領域までレーザーが照射される。この領域において、探針からの電界蒸発43は電圧印加およびレーザー照射によって継続的に進行していく。
ここで、適切なタイミングで制御部である制御用PC40により、電圧印加およびレーザー照射を止める必要がある。図3A、図3Bで説明した本実施例の探針製造装置が最終的に欲しい探針とは、以下の3つのいずれかの場合である。装置のユーザーは、後で図9に一例を示す制御用PC40のモニタに表示されるGUI上で、それぞれの場合に対応した任意の加工終了条件を選択することが出来る。
(1)探針先端に含まれるNVセンターの数が1個となった時。
(2)探針先端に含まれる複数のNVセンターの方位が、任意の1方向に揃った時。
(3)最表面のGa導入層等の異種原子を含む層が除去されきった時。
これらの本実施例の探針製造装置、方法における選択条件を以下順次説明する。
(1)探針に含まれるNVセンターの数が1個であることを確認するためには、2つの光検出器(シングルフォトンカウンティングモジュール)を用い、単一光子間の時間を計測し相関を取る、ハンブリーブラウン・トゥイスの実験を行う。これは最小単位である光子は、50:50のハーフミラーで分割してもどちらか一方の光路を確率的に選ぶはずであり、時間相関を取得すると光子アンチバンチングが確認できるというものである。これにより、探針に含まれるNVセンターが1個であることを確認できた時、制御用PC40により直ちに電圧印加を停止することで、高感度磁気計測用探針製造工程を終了する。
ここで、図10を使って、単一光子であることを確認するためのハンブリーブラウン・トゥイスの実験を概説する。加工中の探針から放出される蛍光光子(photon)をビームスプリッター(Beam splitter)に導き、分かれた二つの光路において二つの光検出器1001でそれぞれの時間測定を行い、時間相関測定回路1002によって時間相関を測定する。NVセンター等の単一色中心は励起状態が基底状態に戻るまでの有限な寿命tを有する為、蛍光光子(photon)は寿命程度の間隔以上のまばらなタイミングで放出される。このため、二つの光検出器1001から得られる光検出時間差のヒストグラムを作成すると、寿命tの時間内で時間相関が減少する傾向が確認され、この様な光の状態をアンチバンチングと呼ぶ。アンチバンチングを確認することで、探針からの単一光子放出が確認され、探針にNVセンターが1つだけ含まれる状態であると判断する。アンチバンチング確認には一定時間の測定積算を要するため、必要な時間積算の程度はユーザーが任意に設定できるよう、後で図9を使って説明するように、GUIに加工終了条件の枠を設けておく。
図6に、単一NVセンターを有する探針製造のフローチャートの一例を示した。同図に示すように、探針製造が開始にあたって、加工前探針を真空槽内に固定し、冷却し(S61)、その後探針の電界蒸発が始まるまで直流(DC)電圧を上げる(S62)。その状態で、ODMRスペクトルを取得し(S63)、NVセンターは2個以上存在するか否かを判断する(S64)。
2個以上存在する場合(Yes)、電界蒸発による探針先端の原子除去を一定量実行した後(S65)、再度ODMRスぺクトルを取得し、再確認を行う。2個以上存在しない場合(No)、制御用PC40が探針の電界蒸発が直ちに止まるよう高電圧電源33を制御して電圧を落とし(S66)、高感度磁気計測用探針製造工程を終了する。すなわち、制御部である制御用PC40は、蛍光検出器の検出信号によって推定した電子状態から、探針先端に含まれる色中心が残り1個であると判断したら、電源が前記探針に印加する電圧を遮断することで、製造工程を終了する。
(2)探針に含まれる複数のNVセンターの方位が、任意の1方向にのみ配向していることを確認するには、ODMRスペクトルにおけるピーク本数の情報を用いる。図7に、高配向NVセンターアンサンブルを有する探針製造のフローチャートの一例を示した。ダイヤモンド単結晶には4種類のNV結合軸方向が許される為、磁場存在下では磁場の向きとNV結合の向きとの関係により最大8本のピーク構造を持ちうる。電界蒸発により、NV結合方向の種類数が少なくなると、それに合わせてODMRスペクトルに於けるピーク本数に変化が見られるため、図7のフローチャートにおいては、NVセンターは2個以上存在するかの判断(S64)を、ODMRスペクトルのピーク本数は2本より多いか否かの判断(S74)に変更する。
これにより、ピーク本数が2本となった時に、直ちに電圧印加を停止することで、高感度磁気計測用探針製造工程を終了する。すなわち、制御部である制御用PC40は、蛍光検出器の検出信号によって推定した電子状態から、探針先端に含まれる色中心の方位数が任意の数以下になったと判断したら、電源が前記探針に印加する電圧を遮断し、製造工程を終わる。なお、この任意のピークの本数は2本に限定されるものでなく、2~7本の何れかを選択することができる。
(3)最表面のGa導入層等の異種原子を含む層が除去されきった時を確認するため、図8に一例を示すフローチャートにより、探針製造を行う。集束イオンビーム(Focused Ion Beam, FIB)によって加工された探針には、表面近傍にGaなどの異種元素が混入しており、負電荷のトラップサイトとなり得る。そこで、パルスレーザーによって電界蒸発誘起され、飛行時間分析された元素種の質量電荷比スペクトルを取得し(S83)、制御用PC40のモニタに表示した質量電荷比スペクトル314において、Gaに由来する質量電荷比ピーク(天然同位体比率、69Ga:71Ga=60.1:39.9)が確認できるかチェックし(S84)、出来なくなった時に(No)、制御用PC40の制御により、直ちに電圧印加を停止することで、高感度磁気計測用探針製造工程を終了する。確認できている場合(Yes)、電界蒸発による探針先端の原子除去を一定量実行し(S65)、飛行時間分析された元素種の質量電荷比スペクトルを再度取得する(S83)。すなわち、質量電荷比スペクトルに基づき、電界蒸発した元素にGaが含まれなくなったと判断したら、電源が探針に印加する電圧を直ちに遮断し製造工程を終わる。
以上説明したように、本実施例の高感度磁気計測用探針製造装置においては、任意の加工終了条件を選択して、所望の探針を製造することが可能となる。ここで、図5A、図5B、図5Cを使って、本実施例の探針製造工程における、加工前探針の作成工程について説明する。以下の工程は全てFIB装置若しくはFIB-SEM装置等の微細加工装置内にて行われる。
FIBを用いて加工前探針を作製する方法としては、図5Aに示すように、マイクロサンプリング法によるNVセンターを有するダイヤモンドからのマイクロプローブ51を使ったダイヤモンド片抜出(sampling)、接着(adhesion)、先鋭加工(sharpening)からなる加工工程が考えられる。samplingからadhesionまでの詳細な工程を図5Bに、接着から先鋭加工までの詳細な工程を図5Cに示す。これら図5A~図5Cの工程により、本実施例の探針製造装置に導入する前の加工前探針を完成させることができる。
図5Bに示すニードルステージ54は、タングステンワイヤーから電解研磨法とFIB加工によって作製する。数百ミクロン径のタングステンワイヤを準備し、電解研磨によって先端曲率2-5ミクロン以下にワイヤー先端を尖らる。その後FIBにて直径5ミクロン程度の円形の台が出来るよう先端を切り落とすと、ニードルステージ54となる。次に、NVセンターを複数有するダイヤモンド試料をFIB装置へ導入するために、数ミクロン角のサンプル領域52をニードルステージ54上へマイクロサンプリング工程によって固定する。
図5Bに示すように、まず、ダイヤモンドから抜き出したいサンプル領域52の4面と底面をFIBによって除去し、マイクロプローブ51をタングステンデポジション53によって付着させ、サンプル領域52を吊り上げる。その後、上述したニードルステージ54の上にサンプル領域52を接触させ、タングステンデポジション53によって接着させ、仮固定する。その後FIBによってマイクロプローブ51におけるサンプル領域52付近の部分を切断し、背面の凹部分へタングステンデポジション53を行い、本固定してサンプル領域55とする。
次に、図5Cに示すように、本固定を行ったサンプル領域55をFIBの円環加工モード58にて、探針中心軸と平行に先端側から加工を行う。これにより、仮固定時に接着に用いたタングステンデポジション53に対応するタングステンデポジション56が取り除かれ、本固定時に接着に用いたタングステンデポジション53に対応するタングステンデポジション57だけでニードルステージ54とサンプル領域52が接着している針形状状態となる。こうして得られた探針において、サンプル領域52の割合を減らしたい場合、円環加工モード58を全面加工モード59に変更することで、サンプル領域52を選択的に除去することが出来る。ダイヤモンドは基本的には誘電体であり、この後の本実施例の装置内で行う電界蒸発を効率的に行う為、ダイヤモンドであるサンプル領域52は出来るだけ小さくしておく必要がある。
このようにFIB加工によって単一NVセンターを有する探針作製を行う場合、NVC-SPMにおいて磁場像を取得する際の空間分解能の下限を規定する、「NVセンターと探針先端の距離」が短いことが重要となる。磁場強度は磁化との距離と共に急激に低下し、例えば単一スピンから生じる磁場の強さは距離の3乗で低下する。単一スピンからの磁場を測定しようとする場合において、S/Nは積分時間の平方根に比例する為、測定対象である単一スピンとNVセンターの距離が半分になれば、同じS/Nのデータを取得するのに必要な積算時間は64分の1となる。
FIB加工の加工終了条件を満たしており電圧印加を停止するかどうかを確認するには、(1)単一光子間の強度相関関数、(2)ODMRスペクトル、(3)質量電荷比スペクトル、のそれぞれにおいて統計学的に有意なピークの本数を検定する必要があり、一定量のデータ積算が必要となる。このため、加工終了条件の確認周期をユーザーが自由に変えられるよう、後で図9を使って説明するGUIに加工終了条件の枠を設けておく。
ODMRスペクトルにおけるピーク本数は外部磁場によってゼーマン分裂した準位数に等しくなるが、準位が縮退もしくは近接している場合には(2)の加工終了条件判定時に、ピーク本数を少なくカウントしてしまう可能性が存在する。これに対応する為、ユーザーは任意の磁場強度を並進導入機構付きの磁石316を用いて探針近傍に生じさせることが出来る。すなわち、探針の周囲に磁場を発生させる静磁場印加機構を設置する。この静磁場印加機構は、磁石と、磁石を探針の先端方向へ移動させる並進導入機構と、磁石と探針との間で磁場を遮断する磁気シールドシャッターとから構成される。
この磁石316は真空槽32内で図3Aに示したような並進導入機構によって磁石316を一軸移動させ、探針との距離をユーザーが任意に調整することが出来る。また、磁石として永久磁石を用いた場合、探針近傍に磁場を生じさせたくない場合に備え、磁気シールドシャッター317によって磁石からの磁場をカットすることが出来る。また、この磁場はアンペールの法則に従って電流より生じる電磁石からの磁場を用いる方式でも構わず、永久磁石を用いる方式に限定されない。
続いて、本実施例の探針製造装置における、探針製造の具体的な手順の一例として、NVセンターを複数有するダイヤモンドバルク試料から単一NVセンターを先端に有するSPM用探針を作製するまでを説明する。ここでは、装置構成は図3A、エンドポインティング方式は図6を想定する。図3Aの装置を構成する各要素は全て制御用PC40に繋がれており、図9に一例を示すGUIの画面を通して各要素を制御できる。図9に例示したGUIに見るように、モニタ画面の左側には、加工状態モニタ領域、加工電圧上昇制御設定領域、加工終了条件設定領域がある。また、その右側には、二次相関関数、ODMRスペクトル、質量電荷比スペクトルをそれぞれ表示する領域がある。
探針製造装置内における加工手順において、まず上述の手順によって作製された加工前探針を、探針製造装置の真空槽32へ導入・固定し、20-80ケルビン(K)程度まで冷却を行う。加工前探針の温度が安定するまで待った後、加工前探針31へ高電圧電源33からDC電圧を印加する手順に進む。DC電圧が数キロボルト程度まで上昇すると、先鋭化されている加工前探針の先端に電界が集中し、電界蒸発現象が起こり始め、それ以降はユーザーが何もしなくても、加工状態モニタの蒸発レートモニタ99に表示される蒸発rateが、一定の蒸発レートに収まるよう電圧モニタ97に表示される電圧が自動制御され電界蒸発は進行していく。DC電圧はGUIにおいて加工電圧上昇制御設定領域を使って、各種の電圧上昇制御パラメーターを入力することで自動で上がっていき、同時に探針先端にパルスレーザー照射も開始される。
MCPディレイライン検出器310によって検出されるレーザーパルス照射回数あたりの蒸発原子数が電圧キープ下限91と電圧キープ上限92の間に収まったときに電圧上昇は止まり、電圧キープ上限92を超えた場合には電圧が減少する。下限91と上限92の間隔は電圧変動が最も小さくなる様、パラメーターを調整する必要がある。電圧の増加幅93と電圧の減少幅94はユーザーが任意に設定することができるが、突発的に起こる電圧上昇に素早く反応するため、減少幅94の方が増加幅93よりも大きい値の方が過剰な電界蒸発を抑える事が出来る為失敗が少ない。次に電圧の増加幅93だけ電圧を上げるか、または下げるかを判断する繰返し周期であるフィードバックレート95、およびレーザーパルス繰返し周波数96もユーザーがGUIにより、任意に設定できる。
レーザーパルス繰返し周波数は数百kHzのオーダーであれば、パルスレーザーが出しうる最大周波数で良いが、ダイヤモンドで構成されたサンプル領域が過剰に加熱されていると考えられる場合には、レーザーパルス強度と合わせてパラメーター調整を行う。これらの加工電圧上昇制御パラメーターは何度か製造を繰返し、最適なパラメーターを模索する必要がある。
電界蒸発現象によってダイヤモンドのサンプル領域を構成する原子が1原子、もしくは1集団ずつ順次蒸発していく間、定期的に加工終了条件を満たしているか確認する必要がある。本具体例では探針中に含まれるNVセンターの数が1個となった時に、探針先端から原子が1原子ずつ蒸発していくのを止めたい為、加工終了条件設定領域のシングルNV910にチェックを入れる。すると、検出光学系に於いて図10に示したハンブリーブラウン・トゥイスの実験系がアクティブになり、GUI右上側の二次相関関数のグラフがリアルタイムで更新され続けるようになる。この時、先に説明したように波長532nmのレーザーはNVセンターの電子状態を励起する役割と、電界蒸発をトリガする役割の二つを担う。二次相関関数のグラフのt=0の位置に現れる負に凸のピークがアンチバンチングを意味しており、このピークが確認されたタイミングで電圧印加を停止し、加工を終了する。
グラフはS/Nを増加させることを目的として積算され続けるので、ユーザーが任意のタイミングでrefreshボタン911によって積算を初期化することが出来るが、ピーク有無の判断に基づくエンドポインティング、すなわち、加工終了の判断は加工終了条件設定領域で判定周期914を設定しておけば自動で行わせることが出来るため、ユーザーが図9に例示したGUI操作画面の前に加工開始から停止まで居なくても加工を完了することが出来る。二次相関関数のグラフは、半値幅はNVセンターの環境によって異なるが、ピーク位置は常にt=0を中心とする。このため、ユーザーは二次相関関数でピーク判定領域912とノイズ判定領域913を指定すれば、入力した判定周期914に基づいてピークの有無を判断し、自動でエンドポインティングさせることが出来る。
図9に例示した加工状態では、レーザーパルスは1秒間に20万回照射されており、毎秒数百個の炭素原子(微量の不純物元素やGaも含む)が1つずつ蒸発している。サンプリングされたダイヤモンドにおけるNVセンターの密度が1ppm(=100万原子に1個)だとし、毎秒1000個の蒸発レートと仮定すると、1000秒に1個ずつNVセンターが電界蒸発によって失われていくことが期待される。この状態であればピーク有無の判定周期914は数秒~百秒/回で問題ないことがわかる。
以上詳述したように、本実施例の高感度磁気計測用探針製造装置、及び製造方法によれば、高感度磁気計測用探針製造工程を簡略化し、非常に高い歩留まりで検知プローブとしての探針を製造することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
更に、上述した各構成、機能、制御部等は、それらの一部又は全部を実現する制御用PNのプログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。すなわち、処理部の全部または一部の機能は、プログラムに代え、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路などにより実現してもよい。
31 加工前探針
32 真空槽
33、41 高電圧電源
34 ファラデーループアンテナ
35 マイクロ波源
36、42 レーザー光源
37 真空窓
38 蛍光検出系
39 蛍光検出器
310 MCPディレイライン検出器
311 ハーフミラー
312、1001 光検出器
313 時間測定回路
314 質量電荷比スペクトル
315 ODMRスペクトル
316 磁石
317 磁気シールドシャッター
40 制御用PC
43 電界蒸発
51 マイクロプローブ
52 サンプル領域
53、56、57 タングステンデポジション
54 ニードルステージ
55 本固定を行ったサンプル領域
58 円環加工モード、
59 全面加工モード
91 電圧キープ条件下限
92 電圧キープ条件上限
93 電圧の増加幅
94 電圧の減少幅、
95 フィードバックレート
96 レーザーパルス繰返し周波数
97 電圧モニタ
98 総電界蒸発原子数カウンター
99 蒸発レートモニタ
910 選択された加工終了条件「シングルNV」
911 refreshボタン
912 ピーク判定領域
913 ノイズ判定領域
914 判定周期
1002 時間相関測定回路。

Claims (15)

  1. 探針製造装置であって、
    色中心を有するダイヤモンド型結晶を含む探針の先端から電界蒸発を行わせる電源と、
    前記探針の先端にレーザーを照射する光学系と、
    前記探針の先端にマイクロ波を照射し、前記探針の電子スピンを共鳴させ、蛍光を発生させるマイクロ波発生器と、
    発生した前記蛍光を検出する蛍光検出器と、
    前記電源を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記探針の色中心の電子状態を推定し、推定結果に従い前記電源を制御する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  2. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記レーザーは、
    波長532nmである、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  3. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記蛍光検出器は、
    波長620nmから800nmの間の光子に感度を持つ単一光子検出器である、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  4. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記制御部は、
    前記蛍光検出器の検出信号によって推定した電子状態から、前記探針の先端に含まれる色中心が残り1個であると判断したら、前記電源が前記探針に印加する電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  5. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記制御部は、
    前記蛍光検出器の検出信号によって推定した電子状態から、前記探針の先端に含まれる色中心の方位数が任意の数以下になったと判断したら、前記電源が前記探針に印加する電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  6. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記探針の周囲に磁場を発生させる静磁場印加機構を備え、
    前記静磁場印加機構は、磁石と、前記磁石を前記探針の先端方向へ移動させる並進導入機構と、前記磁石と前記探針との間で前記磁場を遮断する磁気シールドシャッターとを有する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  7. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記探針の先端から電界蒸発した元素を検出するディレイライン検出器を備え、前記制御部は、前記ディレイライン検出器の出力に基づき、前記元素の質量電荷比スペクトルを算出する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  8. 請求項7に記載の探針製造装置であって、
    前記制御部は、前記質量電荷比スペクトルに基づき、電界蒸発した前記元素にGaが含まれなくなったと判断したら、前記電源が前記探針に印加する電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  9. 請求項1に記載の探針製造装置であって、
    前記制御部は、画面表示が可能なモニタを備え、
    前記モニタは、前記制御部が前記探針に印加する電圧を遮断するための加工終了条件を設定する加工終了条件設定領域を表示可能である、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  10. 請求項9に記載の探針製造装置であって、
    前記モニタは、前記探針の加工状態をモニタ可能とする加工状態モニタ領域を表示可能である、
    ことを特徴とする探針製造装置。
  11. 探針製造方法であって、
    真空槽内に置かれた色中心を有するダイヤモンド型結晶を含む加工前探針の先端に電圧を印加することで電界蒸発現象を発生させるとともに、
    前記加工前探針にレーザーを照射し、前記加工前探針にマイクロ波を照射し、加工前探針の電子スピンを共鳴させ、蛍光強度を変更し、前記加工前探針から発生した蛍光を検出し、前記色中心の電子状態を推定し、推定結果に基づき、電圧の印加による加工前探針の加工を終了するよう制御する、
    ことを特徴とする探針製造方法。
  12. 請求項11に記載の探針製造方法であって、
    前記レーザーは波長532nmであり、前記蛍光は波長550nmから800nmである、
    ことを特徴とする探針製造方法。
  13. 請求項11に記載の探針製造方法であって、
    発生した前記蛍光によって推定した電子状態から、前記加工前探針の先端に含まれる色中心が残り1個であると判断したら、前記加工前探針に印加する前記電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造方法。
  14. 請求項11に記載の探針製造方法であって、
    発生した前記蛍光によって推定した電子状態から、前記加工前探針の先端に含まれる色中心の方位数が任意の数以下になったと判断したら、前記加工前探針に印加する前記電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造方法。
  15. 請求項11に記載の探針製造方法であって、
    前記加工前探針から電界蒸発する元素中にGaが含まれなくなった場合、前記加工前探針に印加する前記電圧を遮断する、
    ことを特徴とする探針製造方法。
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