[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら第1の実施形態に係わるX線診断装置を説明する。
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の外観を示す図である。図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。図1及び図2に示されるX線診断装置1は、例えばX線TVシステムである。なお、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、X線TVシステムに限定されず、例えば一般的なX線撮影システム、血管X線撮影システム、回診用X線診断装置、ポータブルX線撮影装置等、任意のX線診断装置に適用可能である。以下、X線TVシステムを用いた透視撮影を行うことを前提として第1の実施形態を説明する。透視撮影とは、予め設定されたパルス幅及び曝射時間に従って、被検体Pに対してX線を間欠的に複数回照射することで被検体Pの体内を透視し、その様子をTVモニタ等でリアルタイムに観察して検査を行うことが可能な撮影である。
なお、図1に示されるように、以下の説明において、後述する天板13に載置された被検体Pの体軸に沿う軸をX軸、回転中心軸RをY軸とし、Z軸をXY平面に垂直に規定する。
X線診断装置1は、図1及び図2に示されるように、支柱11、X線管アーム12、天板13、X線出力ユニット14及びX線検出ユニット15を有する。支柱11は、X線管アーム12及び天板13に接続されている。このとき、X線管アーム12はX軸に沿う方向へ移動可能に支持される。X線管アーム12は、X線出力ユニット14を所定の回転方向に移動可能に保持する保持機構である。また、X線管アーム12は、支点Oを通過する回転中心軸Rの周りを回転可能に支持される。また、天板13は、X軸、Y軸又はZ軸に沿う方向に移動可能に支持される。なお、天板13には、被検体Pが載置される。
X線出力ユニット14は、X線管アーム12の端部に設けられる。X線出力ユニット14は、X線管141及びX線絞り器142を有する。X線管141は、後述する高電圧発生ユニット18から供給される高電圧を用いてX線を発生させる。X線管141は、天板13に載置された被検体PへX線を照射する。X線絞り器142は、X線管141と天板13との間に配置される。X線絞り器142は、X線管141の照射口部分に取り付けられている。X線絞り器142は、後述するシステム制御回路28の制御の下、X線管141と一体となり移動可能である。X線絞り器142は、複数の絞り羽根を備える。X線絞り器142は、システム制御回路28の制御の下、複数の絞り羽根を開閉動作させることにより、X線管141で発生されるX線の照射範囲を制御する。なお、X線管141とX線絞り器142との間には、必要に応じて後述するX線検出器151に入射するX線の空間線量分布を略均一にするためのX線フィルタが取り付けられてもよい。
X線検出ユニット15は、例えば、天板13において、被検体Pが載置される載置面の背面側に設けられる。X線検出ユニット15は、X線検出器151及び関連情報付加回路152を有する。X線検出器151は、例えばFPD(Flat Panel Detector:フラットパネルディテクタ)である。X線検出器151は、複数の半導体検出素子を有する。複数の半導体検出素子は例えば2次元格子状に配列される。半導体検出素子は、直接変換型と間接変換型のいずれであってもよい。直接変換型とは、入射X線を直接的に電気信号に変換する形式である。間接変換型とは、入射X線を蛍光体で光に変換し、変換した光を電気信号に変換する形式である。X線検出器151は、X線管141から発生され、被検体Pを透過したX線を検出し、検出したX線を電気信号に変換する。また、X線検出器151は、変換した電気信号をデジタル信号に変換することで透視画像データを生成する。X線検出器151は、生成した透視画像データを関連情報付加回路152に出力する。なお、X線検出器151として、フォトンカウンティング型の検出器が用いられてもよい。また、X線検出器151として、I.I.(イメージインテンシファイア:Image Intensifier)とTVカメラとの組み合わせが用いられてもよい。
関連情報付加回路152は、システム制御回路28から通知される制御信号に応じて、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、後述するボリュームデータを再構成するために必要である関連情報を付加するプロセッサである。関連情報とは、例えばX線検出器151の有効面の中心に対しX線管141からX線が照射される場合のX線照射角度、SID(Source-Image Receptor Distance)、視野サイズ及びX線条件等の撮影条件である。関連情報付加回路152は、例えば内蔵する動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで関連情報付加回路152が担う機能を実現する。
関連情報付加回路152は、システム制御回路28から関連情報を付加する旨の指示を受けた場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する。例えば、関連情報付加回路152は、指示を受けた直後から出力された透視画像データに対し、フレーム単位で対応する関連情報を付加する。関連情報は、例えばシステム制御回路28から供給される。関連情報付加回路152は、関連情報が付加された透視画像データを後述する前処理回路23に供給する。なお、関連情報付加回路152は、システム制御回路28から関連情報を付加する旨の指示を受けた後関連情報の付加を停止する旨の指示があるまでは、X線検出器151から検出された透視画像データに対する関連情報の付加を継続する。
関連情報付加回路152は、システム制御回路28から関連情報を付加する旨の指示を受けていない場合は、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、関連情報を付加せずに、関連情報が付加されていない透視画像データを前処理回路23に供給する。
また、X線診断装置1は、図2に示されるように、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、記憶回路26及びシステム制御回路28を具備する。
入力インタフェース回路16は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、トラックボール及びジョイスティック等を有する。また、入力インタフェース回路16は、透視撮影を行うためのフットスイッチを有する。入力インタフェース回路16は、システム制御回路28に接続され、撮影者から入力される各種指示・命令・情報をシステム制御回路28に取り込む。
X線管アーム駆動ユニット17は、例えばギア及びステッピングモータを有する。X線管アーム駆動ユニット17は、X線管アーム12に接続される。X線管アーム駆動ユニット17は、システム制御回路28から出力されるX線管アーム12の位置情報に従い、X線管アーム12を支点Oを通過する回転中心軸Rの周りに回転させる。X線管アーム12を回転移動させながら透視撮影を行うことにより、任意の断面を表す画像データ(以下、トモシンセシス画像データと呼ぶ)の生成に必要な複数の透視画像データが取得される。
高電圧発生ユニット18は、例えばインバータ回路を有する。高電圧発生ユニット18は、X線管141に接続される。高電圧発生ユニット18は、システム制御回路28から指示される強度の電圧をX線管141へ供給する。
X線管駆動ユニット19は、例えばギア、ステッピングモータを有する。X線管駆動ユニット19は、X線出力ユニット14のX線管141に接続される。X線管駆動ユニット19は、システム制御回路28から指示されるX線管141の位置情報に従い、X線管アーム12の動作とは独立に、X線管141をY軸に沿う方向に移動させる。
X線絞り器駆動ユニット20は、例えばギア及びステッピングモータを有する。X線絞り器駆動ユニット20は、X線出力ユニット14のX線絞り器142に接続される。X線絞り器駆動ユニット20は、システム制御回路28から指示されるX線照射範囲に従い、X線絞り器142が有する複数の絞り羽根を開閉動作させる。
天板駆動ユニット21は、例えばギア及びステッピングモータを有する。天板駆動ユニット21は、天板13に接続される。天板駆動ユニット21は、システム制御回路28から出力される天板13の位置情報に従い、天板13をX軸、Y軸又はZ軸に沿う方向に移動させる。
表示回路22は、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示回路22は、システム制御回路28の制御の下、例えば該表示デバイスを通じて、種々の情報を表示する。表示回路22は、システム制御回路28の制御の下、例えば後述する前処理回路23により生成された前処理後の透視画像データ及び後述する画像処理回路25により生成されたトモシンセシス画像データを画像として表示する。
前処理回路23は、関連情報付加回路152から供給された透視画像データに対し前処理を行うプロセッサである。前処理回路23は、例えば後述する記憶回路26から動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで前処理回路23が担う機能を実現する。前処理としては、例えば画素間の感度不均一の補正、脱落(欠損)に関する補正等が挙げられる。前処理回路23は、前処理後の透視画像データを後述するバッファ27に記憶する。なお、前処理回路23は、前処理後の透視画像データを記憶回路26に記憶してもよい。
再構成回路24は、システム制御回路28から通知される制御信号に応じて、関連情報が付加された複数の透視画像データに基づいて、ボリュームデータを再構成するプロセッサである。
再構成回路24は、システム制御回路28からボリュームデータを再構成する旨の指示を受けた場合、例えば後述する記憶回路26から動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで再構成回路24が担う機能を実現する。再構成回路24は、バッファ27から、関連情報が付加された複数の透視画像データを読み出す。再構成回路24は、関連情報が付加された複数の透視画像データに基づいて、トモシンセシス画像データを生成するためのボリュームデータを再構成する。ボリュームデータの再構成法としては、例えば、シフト加算法に基づく断層再構成法やFBP(filtered back projection)法に基づく断層再構成法等の既存の断層再構成法が用いられる。
画像処理回路25は、再構成回路24により生成されたボリュームデータに基づいて、任意の断面を表す画像データであるトモシンセシス画像データを生成するプロセッサである。任意の断面とは、例えばXY平面に平行な任意の高さの断面である。画像処理回路25は、例えば後述する記憶回路26から動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで画像処理回路25が担う機能を実現する。
記憶回路26は、磁気的若しくは光学的記録媒体又は半導体メモリ等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。記憶回路26は、前処理回路23が担う機能、再構成回路24が担う機能、画像処理回路25が担う機能、高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現するためのプログラムを記憶する。
バッファ27は、磁気的若しくは光学的記録媒体又は半導体メモリ等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体等を有する。バッファ27は、所定の数の透視画像データを例えばFIFO(First In First Out)方式で記憶する。なお、バッファ27は、記憶回路26内に設けられてもよい。
システム制御回路28は、例えばX線診断装置1の各構成回路を制御するプロセッサである。システム制御回路28は、X線診断装置1の中枢として機能する。システム制御回路28は、記憶回路26から各動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現する。
高電圧発生ユニット制御機能281は、入力インタフェース回路16を介した撮影者からの受付指示に従い、高電圧発生ユニット18を制御し、X線管141からX線照射を行う機能である。具体的には、高電圧発生ユニット制御機能281では、システム制御回路28は、例えば入力インタフェース回路16のフットスイッチを介して、X線照射の指示を受け付ける。システム制御回路28は、X線透視の指示を受け付けた場合、高電圧発生ユニット18を制御し、予め設定されたパルス幅及び曝射時間に従い、X線管141から被検体Pに対し間欠的なX線照射を行う。間欠的なX線照射は、例えばフットスイッチのペダルが撮影者により踏まれている間継続する。
駆動ユニット制御機能282は、高電圧発生ユニット制御機能281による間欠的なX線照射の制御と平行して、入力インタフェース回路16を介し撮影者から受け付けた指示に従いX線管アーム駆動ユニット17、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20及び天板駆動ユニット21の動作を制御する機能である。
判定機能283は、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて判定を行い、判定結果に基づいて関連情報付加回路152及び再構成回路24に所定の指示を行う機能である。相対的な位置の変動とは、例えばX線管アーム12の回転移動に伴いX線管141が回転移動し、X線検出器151の有効面の中心に対するX線管141からのX線照射角度が変動することである。
判定機能283では、システム制御回路28は、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。このとき、システム制御回路28は、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。
また、判定機能283では、システム制御回路28は、X線照射角度の変更が開始された後、X線管アーム12の回転移動の停止に伴いX線照射角度の変更が終了されたと判定した場合、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。
表示制御機能284は、複数の透視画像データ、又は、複数の透視画像データ及びトモシンセシス画像データを表示回路22に表示させる機能である。具体的には、表示制御機能284では、システム制御回路28は、バッファ27から複数の透視画像データを読み出す。システム制御回路28は、表示回路22を制御し、複数の透視画像データを動画(透視)として表示する。
また、表示制御機能284では、システム制御回路28は、画像処理回路25を制御し、再構成回路24により生成されたボリュームデータに基づいてトモシンセシス画像データを生成する。また、システム制御回路28は、表示回路22を制御し、生成されたトモシンセシス画像データをトモシンセシス画像として表示する。なお、表示されたトモシンセシス画像は、所定の時間表示された場合、又は、断層像の往復表示が所定の回数繰り返された場合、表示を終了するようにしてもよい。
基本制御機能285は、X線診断装置1の入出力等の基本動作を制御する機能である。具体的には、基本制御機能285では、システム制御回路28は、入力インタフェース回路16を介し、撮影者からの各種指示を受け付ける。システム制御回路28は、表示回路22を介し、撮影者が操作するための操作画面等を表示する。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。以下の説明では、操作者は、透視撮影中に、入力インタフェース回路16を介し、X線管アーム12の回転移動を手動で操作しているものとする。このとき、操作者は、少なくともX線管アーム12の回転方向を指定する。なお、操作者は、X線管アーム12の回転速度を指定してもよい。
図4は、第1の実施形態に係るシステム制御回路28が制御する動作のフローチャートの一例を表す図である。
図4に示すように、システム制御回路28は、入力インタフェース回路16のフットスイッチを介し、撮影者からX線照射の指示の通知があるまで待機する(ステップSA1)。
システム制御回路28は、撮影者からX線照射の指示の通知を受け付けた場合(ステップSA1のYes)、高電圧発生ユニット18及び前処理回路23を制御し、透視撮影を開始する。(ステップSA2)。
システム制御回路28は、表示回路22を制御し、複数の透視画像データが表す動画を表示する(ステップSA3)。なお、システム制御回路28は、入力インタフェース回路16を介し、撮影者からの指示を受け付けて、透視撮影中において、各ユニットの動作を制御する。
システム制御回路28は、透視撮影中において、X線管アーム12の回転移動に伴うX線照射角度の変更が開始されたか否かを判定する(ステップSA4)。
システム制御回路28は、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合(ステップSA4のYes)、関連情報付加回路152に対し、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を指示する(ステップSA5)。このとき、システム制御回路28は、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。システム制御回路28は、当該関連情報の生成及び供給を、例えばX線管アーム12の回転移動が停止されるまで、すなわちX線照射角度の変更が終了されるまで継続する。
システム制御回路28は、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線管アーム12の回転移動の停止に伴いX線照射角度の変更が終了されたか否かを判定する(ステップSA6)。
システム制御回路28は、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合(ステップSA6のYes)、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する(ステップSA7)。再構成回路24は、システム制御回路28の指示に従い、関連情報が付加された複数の透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する。
システム制御回路28は、画像処理回路25を制御し、再構成回路24により生成されたボリュームデータに基づいてトモシンセシス画像データを生成する(ステップSA8)。
システム制御回路28は、表示回路22を制御し、生成されたトモシンセシス画像データをトモシンセシス画像として表示する(ステップSA9)。このとき、トモシンセシス画像は、例えばステップSA3で表示された複数の透視画像データが表す動画と同一モニタ上に表示される。
第1の実施形態によれば、システム制御回路28は、透視撮影中にX線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動、すなわちX線照射角度の変更が開始された場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。システム制御回路28は、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動、すなわちX線管アーム12の回転移動の停止に伴うX線照射角度の変更が終了された場合、再構成回路24に対し、関連情報が付加された複数の透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する旨を指示する。システム制御回路28は、画像処理回路25を制御し、再構成回路24により生成されたボリュームデータに基づいてトモシンセシス画像データを生成する。システム制御回路28は、表示回路22を制御し、生成されたトモシンセシス画像データをトモシンセシス画像として表示する。これにより、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置を変動させるだけで、透視撮影中に生成された関連情報が付加された複数の透視画像データを活用してトモシンセシス画像を表示することができる。
したがって、第1の実施形態に係るX線診断装置1によれば、検査に係る撮影者の煩わしさが軽減され、かつ、X線被爆を低減することが可能となる。
[変形例1]
第1の実施形態では、システム制御回路28は、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。しかし、より精度の高いトモシンセシス画像を表示したい場合、所定の角度に対応する複数の透視画像データを生成することが必要となる。そこで、変形例1では、システム制御回路は、X線照射角度の変動が所定の角度以上になったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明する。変形例1に係るX線診断装置1Aの外観は第1の実施形態と同様である。
X線診断装置1Aは、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、記憶回路26A、バッファ27、及びシステム制御回路28Aを有する。
入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27については、図2に示される、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27と同様の構成及び機能を有する。
記憶回路26Aは、所定の回転角度を記憶する。所定の回転角度は、例えば予め設定されたX線照射に係るパルス幅及び曝射時間並びにX線管アーム12の回転速度等に基づいて決定される。
システム制御回路28Aは、例えばX線診断装置1Aの各構成回路を制御するプロセッサである。システム制御回路28Aは、X線診断装置1Aの中枢として機能する。システム制御回路28Aは、記憶回路26Aから各動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283A、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現する。
判定機能283Aは、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて判定を行い、判定結果に基づいて関連情報付加回路152及び再構成回路24に所定の指示を行う機能である。以下、図4を用いて判定機能283Aについて具体的に説明する。
図4は、変形例1に係る所望のトモシンセシス画像を表示するためのボリュームデータ再構成に必要な所定の回転角度の例を説明する図である。判定機能283Aでは、システム制御回路28Aは、図5に示されるように、X線照射角度の変更が開始された場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。
システム制御回路28Aは、図4に示されるように、X線照射角度の変更開始時のX線照射角度αを記憶回路26Aに記憶する。システム制御回路28Aは、所定の時間間隔で変更開始後のX線照射角度θとX線照射角度の変更が開始された瞬間のX線照射角度αとの差分である回転角度(θ-α)を算出する。システム制御回路28Aは、記憶回路26Aから、所定の回転角度βを読み出す。システム制御回路28Aは、算出された回転角度(θ-α)と所定の回転角度βとを比較する。
システム制御回路28Aは、図4に示されるように、X線照射角度の変更が開始された後、算出された回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上となった場合、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。このとき、再構成回路24は、角度βに対応する関連情報が付加された複数の透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する。
次に、変形例1の動作について説明する。
図5は、変形例1に係るシステム制御回路28Aが制御する動作のフローチャートの一例を表す図である。以下、ステップSB1、SB2、SB3、SB4、SB5、SB7、SB8及びSB9については、図3に示されるステップSA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA7、SA8及びSA9とそれぞれ同様であるため、ここではステップSB5、SB6及びSB7について説明する。
図5に示すように、システム制御回路28Aは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合(ステップSB4のYes)、関連情報付加回路152に対し、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を指示する(ステップSB5)。このとき、システム制御回路28Aは、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。また、システム制御回路28Aは、X線照射角度の変更開始時のX線照射角度αを記憶回路26Aに記憶する。また、システム制御回路28Aは、記憶回路26Aから、所定の回転角度βを読み出す。
システム制御回路28Aは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、所定の時間間隔で変更開始後のX線照射角度θとX線照射角度の変更が開始された瞬間のX線照射角度αとの差分である回転角度(θ-α)を算出する。システム制御回路28Aは、算出された回転角度(θ-α)と所定の回転角度βとを比較し、回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったか否かを判定する(ステップSB6)。
システム制御回路28Aは、(θ-α)がβ以上になったと判定した場合(ステップSB6のYes)、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する(ステップSB7)。
変形例1によれば、システム制御回路28Aは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、算出された回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったと判定した場合、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。これにより、所望のトモシンセシス画像を表示することが可能となる。
なお、システム制御回路28Aは、X線照射角度が所定の回転角度β以上変動した場合に、例えば表示回路22を介して角度がβ以上になった旨を通知するようにしてもよい。
また、システム制御回路28Aは、例えば透視撮影中にX線管141が予め設定された時間以上停止した場合、停止した位置を基準位置として設定する。システム制御回路28Aは、この基準位置からX線管141が所定の角度以上回転移動した場合に、再構成回路24に対し、関連情報が付加された複数の透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する旨を指示するようにしてもよい。このとき、システム制御回路28Aは、X線管141が基準位置から所定の角度に満たない回転移動をした後に停止した場合でも、予め設定された時間内に再びX線管141が回転移動した場合は、停止前後の回転角度を合算した角度を、基準位置からの回転角度として、X線照射角度が所定の回転角度β以上変動した否かを判定する。
[変形例2]
第1の実施形態では、システム制御回路28は、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。変形例1では、システム制御回路28Aは、X線照射角度の変動が所定の角度以上になったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。これらに対し、変形例2では、X線照射角度の変更が終了され、かつ、X線照射角度の変動が所定の角度以上になったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明する。なお、変形例2に係るX線診断装置1Bの外観は第1の実施形態と同様である。
X線診断装置1Bは、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、記憶回路26B、バッファ27及びシステム制御回路28Bを有する。
入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27については、図2に示される、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27と同様の構成及び機能を有する。
記憶回路26Bは、変形例1に係る記憶回路26Aと同様の構成及び機能を有する。
システム制御回路28Bは、例えばX線診断装置1Bの各構成回路を制御するプロセッサである。システム制御回路28Bは、X線診断装置1Bの中枢として機能する。システム制御回路28Bは、記憶回路26Bから各動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283B、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現する。
判定機能283Bは、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて判定を行い、判定結果に基づいて関連情報付加回路152及び再構成回路24に所定の指示を行う機能である。具体的には、判定機能283Bでは、システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。
判定機能283Bでは、システム制御回路28Bは、図4に示されるように、X線照射角度の変更開始時のX線照射角度αを記憶回路26Bに記憶する。システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更が開始された後、X線管アーム12の回転移動の停止に伴いX線照射角度の変更が終了されたと判定した場合、図4に示されるように、X線照射角度の変更終了時点のX線照射角度θとX線照射角度の変更が開始された瞬間のX線照射角度αとの差分である回転角度(θ-α)を算出する。システム制御回路28Bは、記憶回路26Bから、所定の回転角度βを読み出す。システム制御回路28Bは、算出された回転角度(θ-α)と所定の回転角度βとを比較し、(θ-α)がβ以上になったと判定した場合、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。システム制御回路28Bは、(θ-α)がβに満たないと判定した場合、例えば処理を終了する。なお、システム制御回路28Bは、(θ-α)がβに満たないと判定した場合、再びX線照射角度の変更が開始されるまで、所定の時間待機してもよい。
次に、変形例2の動作について説明する。
図6は、変形例2に係るシステム制御回路28Bが制御する動作のフローチャートの一例を表す図である。以下、ステップSC1、SC2、SC3、SC4、SC5、SC7、SC8、SC9及びSC10については、図3に示されるステップSA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA6、SA7、SA8及びSA9とそれぞれ同様であるため、ここではステップSC5、SC6、SC7及びSC8について説明する。
図6に示されるように、システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合(ステップSC4のYes)、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する(ステップSC5)。このとき、システム制御回路28Bは、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。また、システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更開始時のX線照射角度αを記憶回路26Bに記憶する。
システム制御回路28Bは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線管アーム12の回転移動の停止に伴いX線照射角度の変更が終了されたか否かを判定する(ステップSC6)。
システム制御回路28Bは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合(ステップSC6のYes)、記憶回路26Bから、所定の回転角度βを読み出す。また、システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更終了時点のX線照射角度θとX線照射角度の変更が開始された瞬間のX線照射角度αとの差分である回転角度(θ-α)を算出する。システム制御回路28Bは、算出された回転角度(θ-α)と所定の回転角度βとを比較し、回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったか否かを判定する(ステップSC7)。
システム制御回路28Bは、(θ-α)がβ以上になったと判定した場合(ステップSC7のYes)、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する(ステップSC8)。システム制御回路28Bは、(θ-α)がβに満たないと判定した場合(ステップSC7のNo)、処理を終了する。
変形例2によれば、システム制御回路28Bは、透視撮影中にX線照射角度の変更が終了され、かつ、回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったと判定した場合に、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。また、システム制御回路28Bは、これにより、より精度の高いトモシンセシス画像を表示することが可能となる。
[変形例3]
第1の実施形態では、システム制御回路28は、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。また、変形例1では、システム制御回路28Aは、回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。また、変形例2では、システム制御回路28Bは、X線照射角度の変更が終了され、かつ、回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。これらに対し、変形例3では、システム制御回路は、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の値以上となった場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明する。なお、変形例3に係るX線診断装置1Cの外観は第1の実施形態と同様である。
X線診断装置1Cは、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、記憶回路26C、バッファ27及びシステム制御回路28Cを有する。
入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27については、図2に示される、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27と同様の構成及び機能を有する。
記憶回路26Cは、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う条件として、所定の閾値Nを記憶する。閾値Nは、関連情報が付加された透視画像データのフレーム数の閾値を示す値である。閾値Nは、例えば予め設定されたX線管アーム12の回転速度及び精度の高いトモシンセシス画像を表示するために必要な回転角度に基づいて決定される。
システム制御回路28Cは、例えばX線診断装置1Cの各構成回路を制御するプロセッサである。システム制御回路28Cは、X線診断装置1Cの中枢として機能する。システム制御回路28Cは、記憶回路26Cから各動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283C、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現する。
判定機能283Cは、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて判定を行い、判定結果に基づいて関連情報付加回路152に所定の指示を行う機能である。判定機能283Cでは、システム制御回路28Cは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。
また、判定機能283Cは、X線照射角度の変更が開始された後、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の値以上となった場合に、再構成回路24に対しボリュームデータ再構成の指示を行う機能である。
以下、図7を用いて判定機能283Cの指示によりボリュームデータの再構成を行う例について具体的に説明する。
図7は、変形例3に係るボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するタイミングを表す例を説明する図である。なお、説明を簡単にするため、以下、バッファ27に記憶される透視画像データはすべて関連情報が付加された透視画像データであるとする。図7に示されるように、システム制御回路28Cは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、変更直後からバッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数を監視する。システム制御回路28Cは、所定の時間間隔で閾値Nと変更直後からバッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数とを比較する。システム制御回路28Cは、関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N未満の場合、図7(a)に示されるように再構成回路24に対しボリュームデータの再構成を指示しない。システム制御回路28Cは、関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になると、図7(b)に示されるように再構成回路24に対しボリュームデータの再構成を指示する。
次に、変形例3の動作について説明する。
図8は、変形例3に係るシステム制御回路28Cが制御する動作のフローチャートの一例を表す図である。以下、ステップSD1、SD2、SD3、SD4、SD5、SD7、SD8及びSD9については、図3に示されるステップSA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA7、SA8及びSA9とそれぞれ同様であるため、ここではステップSD5、SD6及びSD7について説明する。
図8に示すように、システム制御回路28Cは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合(ステップSD4のYes)、関連情報付加回路152に対し、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を指示する(ステップSD5)。このとき、システム制御回路28Cは、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。また、システム制御回路28Cは、記憶回路26Cから、所定の閾値Nを読み出す。
システム制御回路28Cは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったか否かを所定の時間間隔で判定する(ステップSD6)。
システム制御回路28Cは、バッファ27内の関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったと判定した場合(ステップSD6のYes)、再構成回路24に対し、バッファ27内の関連情報が付加された透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する旨を指示する(ステップSD7)。
変形例3によれば、システム制御回路28Cは、バッファ27内の関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったと判定した場合に、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。これにより、精度の高いトモシンセシス画像を表示することが可能となる。
なお、システム制御回路28Cは、例えば透視撮影中にX線管141が予め設定された時間以上停止した場合、当該停止した位置を基準位置として設定する。システム制御回路28Cは、この基準位置からのX線照射に対応する、関連情報が付加された透視画像データの数を監視するようにしてもよい。このとき、システム制御回路28Cは、監視対象となる透視画像データの数がNに満たない状態で、X線管141が所定の時間以上停止した場合、例えばバッファ27内に記憶された関連情報が付加された透視画像データを全件消去する。
[変形例4]
変形例3では、システム制御回路28Cは、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の値以上となった場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明した。変形例4では、システム制御回路は、X線照射角度の変更が終了され、かつ、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の閾値以上となったと判定した場合に、ボリュームデータの再構成を行う旨を再構成回路24に指示するとして説明する。なお、変形例4に係るX線診断装置1Dの外観は第1の実施形態と同様である。
X線診断装置1Dは、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、記憶回路26D、バッファ27及びシステム制御回路28Dを有する。
入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27については、図2に示される、入力インタフェース回路16、X線管アーム駆動ユニット17、高電圧発生ユニット18、X線管駆動ユニット19、X線絞り器駆動ユニット20、天板駆動ユニット21、表示回路22、前処理回路23、再構成回路24、画像処理回路25、バッファ27と同様の構成及び機能を有する。
記憶回路26Dは、変形例3に係る記憶回路26Cと同様の構成及び機能を有する。
システム制御回路28Dは、例えばX線診断装置1Dの各構成回路を制御するプロセッサである。システム制御回路28Dは、X線診断装置1Dの中枢として機能する。システム制御回路28Dは、記憶回路26Dから各動作プログラムを呼び出し、呼び出したプログラムを実行することで高電圧発生ユニット制御機能281、駆動ユニット制御機能282、判定機能283D、表示制御機能284及び基本制御機能285を実現する。
判定機能283Dは、X線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて判定を行い、判定結果に基づいて関連情報付加回路152に所定の指示を行う機能である。判定機能283Dでは、システム制御回路28Dは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を関連情報付加回路152に指示する。
また、判定機能283Dは、X線照射角度の変更が開始された後、X線照射角度の変更が終了され、かつ、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の値以上となったと判定した場合に、再構成回路24に対しボリュームデータ再構成の指示を行う機能である。具体的には、判定機能283Dでは、システム制御回路28Dは、図7に示されるように、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、変更直後からバッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数を監視する。システム制御回路28Dは、所定の時間間隔で閾値Nと変更直後からバッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数とを比較する。システム制御回路28Dは、X線照射角度の変更が終了され、かつ、関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N未満の場合、図7(a)に示されるように再構成回路24に対しボリュームデータの再構成を指示しない。システム制御回路28Dは、X線照射角度の変更が終了され、かつ、関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったと判定した場合、図7(b)に示されるように再構成回路24に対しボリュームデータの再構成を指示する。
次に、変形例4の動作について説明する。
図9は、変形例4に係るシステム制御回路28Dが制御する動作のフローチャートの一例を表す図である。以下、ステップSE1、SE2、SE3、SE4、SE5、SE7、SE8、SE9及びSE10については、図3に示されるステップSA1、SA2、SA3、SA4、SA5、SA6、SA7、SA8及びSA9とそれぞれ同様であるため、ここではステップSE5、SE6、SE7及びSE8について説明する。
図9に示すように、システム制御回路28Dは、X線照射角度の変更が開始されたと判定した場合(ステップSE4のYes)、関連情報付加回路152に対し、X線検出器151から出力された透視画像データに対し、対応する関連情報を付加する旨を指示する(ステップSE5)。このとき、システム制御回路28Dは、透視撮影中の撮影条件に基づいて、X線検出器151から出力された透視画像データに対応する関連情報を生成し、生成した関連情報を関連情報付加回路152へ供給する。
システム制御回路28Dは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線管アーム12の回転移動の停止に伴いX線照射角度の変更が終了されたか否かを判定する(ステップSE6)。
システム制御回路28Dは、透視撮影中にX線照射角度の変更が開始された後、X線照射角度の変更が終了されたと判定した場合(ステップSE6のYes)、記憶回路26Dから、所定の閾値Nを読み出す。また、システム制御回路28Dは、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったか否かを判定する(ステップSE7)。
システム制御回路28Dは、バッファ27内の関連情報が付加された透視画像データの数が閾値N以上になったと判定した場合(ステップSE7のYes)、再構成回路24に対し、バッファ27内の関連情報が付加された透視画像データを用いてボリュームデータを再構成する旨を指示する(ステップSE8)。
変形例4によれば、システム制御回路28Dは、X線照射角度の変更が終了され、かつ、バッファ27に記憶された関連情報が付加された透視画像データの数が所定の閾値以上となったと判定した場合に、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示する。これにより、精度の高いトモシンセシス画像を表示することが可能となる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、変形例1に係るX線診断装置1Aは、X線照射角度の変更が開始された後、算出された回転角度(θ-α)が所定の回転角度β以上になったと判定した場合、再構成回路24に対し、ボリュームデータを再構成する旨を指示し、生成されたトモシンセシス画像データをトモシンセシス画像として表示する。しかし、撮影者によっては、X線照射角度が所定の回転角度分変動しただけで毎回トモシンセシス画像が表示回路22の表示デバイス等に表示されると、煩わしく感じる場合がある。そこで例えば入力インタフェース回路16にボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う指示を受け付ける専用ボタン等を設けてもよい。すなわち、システム制御回路は、X線照射角度の変更が終了され、かつ、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う指示を専用ボタン等から受け付けた場合、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う。これにより、撮影者は、透視撮影中に必要ない時にもトモシンセシス画像が表示されてしまう煩わしさから解放されることが可能となる。
また、第1の実施形態において、システム制御回路28は、X線照射角度の変更に応じて、X線照射角度等の関連情報を、対応する透視画像データに関連付けて、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行ったがこれに限定されない。具体的には、例えばX線管アーム12のX軸に沿う方向への移動によるX線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて関連情報の付加、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行ってもよい。なお、透視撮影中におけるX線管アーム12のX軸に沿う方向への移動は、入力インタフェース回路16を介し、操作者により手動で制御される。
また、天板13のX軸、Y軸若しくはZ軸に沿う方向へ移動、すなわちX線検出器151自身の各移動によるX線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて関連情報の付加、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行ってもよい。なお、透視撮影中における天板13のX軸、Y軸若しくはZ軸に沿う方向への移動は、入力インタフェース回路16を介し、操作者により手動で制御される。さらに、天板13に設けられるX線検出ユニット15を、天板13に対し、例えば図1に示されるX軸に沿う方向に独立に移動可能である構成としてもよい。
また、X線検出器151自身を移動させる例は、図1に示されるX線診断装置に限られない。図10は、他の実施形態に係るX線診断装置の外観の例を示す図である。図10によれば、X線診断装置1Fは、支柱11F、X線管アーム12F、天板13F、X線出力ユニット14F、及びX線検出ユニット15Fを有する。支柱11Fは、X線管アーム12F及び天板13Fに接続されている。X線管アーム12Fは、X線出力ユニット14Fを所定の方向に回転可能に保持する保持機構である。X線管アーム12Fは、支柱11Fが備える移動機構によりX軸に沿う方向へ移動可能に支持される。天板13Fは、支柱11Fが備える移動機構によりX軸、Y軸又はZ軸に沿う方向に移動可能に支持される。また、天板13Fは、例えば支柱11Fが備える回転機構により回転中心軸Rの周りを回転可能に支持される。X線検出ユニット15Fは、例えば、FPDを有する。なお、X線検出ユニット15Fは、FPDに代えて、I.I.とTVカメラとの組み合わせを有していてもよい。
このとき、天板13FのX軸、Y軸若しくはZ軸に沿う方向へ移動、又は、回転中心軸Rの周りの回転移動、すなわちX線検出ユニット15F自身の各移動によるX線検出器151に対するX線管141の相対的な位置の変動に応じて関連情報の付加、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う。
なお、透視撮影中における天板13FのX軸、Y軸若しくはZ軸に沿う方向へ移動、又は、回転中心軸Rの周りの回転移動は、例えば入力インタフェース回路16を介し、操作者により手動で制御される。
また、第1の実施形態において、X線管アーム12の端部には、X線出力ユニット14が接続され、X線検出ユニット15は、X線管アーム12には接続されず、X線出力ユニット14に対向する位置に設けられる構成であったがこれに限定されない。X線管アーム12は、Cアームであり、その一端にX線出力ユニットが接続され、X線出力ユニットに対向する他端にX線検出ユニットがそれぞれ接続される構成としてもよい。このとき、Cアーム12Eは、X線出力ユニット14Eを所定の方向に回転可能に保持する保持機構の役割を担う。例えば、図11に示されるように、X線診断装置1Eは、支柱11E、Cアーム12E、天板13E、X線出力ユニット14E、及びX線検出ユニット15Eを有する。支柱11Eは、Cアーム12E及び天板13Eに接続されている。Cアーム12Eは、支柱11Eが備える移動機構によりX軸に沿う方向へ移動可能に支持される。また、Cアーム12Eは、支柱11Eが備える回転機構により回転中心軸Rの周りを回転可能に支持される。天板13Eは、支柱11Eが備える移動機構によりX軸、Y軸又はZ軸に沿う方向に移動可能に支持される。
X線出力ユニット14Eは、Cアーム12Eの一端に設けられる。X線検出ユニット15Eは、Cアーム12Eの端部のうち、X線出力ユニット14Eが設けられる一端とは反対側の一端に設けられる。X線検出ユニット15Fは、例えば、FPDを有する。なお、X線検出ユニット15Fは、FPDに代えて、I.I.とTVカメラとの組み合わせを有していてもよい。
上記の構成では、Cアーム12Eの回転の際、X線出力ユニット14E及びX線検出ユニット15Eは、被検体Pを挟んで、常に対向するように移動される。このとき、X線診断装置1Eは、Cアーム12Eの所定の位置からの回転角度の変化に応じて、X線検出ユニット15Eが備えるX線検出器から出力された透視画像データに対し、回転角度に対応する関連情報を付加する。関連情報は、X線出力ユニット14Eが有するX線管から被検体Pに照射されるX線のX線照射角度に対応するものであってもよい。そして、X線診断装置1Eは、関連情報が付加された複数の透視画像データに基づいて、ボリュームデータの再構成及びトモシンセシス画像の表示を行う。なお、透視撮影中におけるCアーム12Eの回転移動は、例えば入力インタフェース回路16を介し、操作者により手動で制御される。
また、第1の実施形態において、透視撮影中に生成された複数の透視画像データを用いて生成されたトモシンセシス画像データに基づくトモシンセシス画像は、例えばX線診断装置1が備える表示回路22に表示していたがこれに限定されない。図12は、他の実施形態に係るX線診断システムの構成の例を示すブロック図である。図12に示されるX線診断システムは、X線診断装置100、及び画像表示装置200を備える。X線診断装置100、及び画像表示装置200は、ローカルネットワークに接続し、所定の装置へ情報を送信すると共に、所定の装置から送信される情報を受信する。なお、X線診断システムは、ローカルネットワークに加え、又は、ローカルネットワークの代わりに、外部のネットワークに接続しても構わない。
X線診断装置100は、X線診断装置1が備える構成に加えて、通信インタフェース1001を備える。通信インタフェース1001は、図12に示されるネットワーク等を介して接続された画像表示装置200等の外部装置との間でデータ通信を行う。当該外部装置との通信の規格は、如何なる規格であっても良いが、例えば、DICOM規格が挙げられる。
画像表示装置200は、各種画像を表示するための表示回路2001、及び通信インタフェース2002を備える。通信インタフェース2002は、図12に示されるネットワーク等を介して接続されたX線診断装置100等の外部装置との間でデータ通信を行う。
X線診断装置100は、例えば透視撮影中に、X線診断装置100が備える画像処理回路25により生成されたトモシンセシス画像データを、通信インタフェース1001を介し、画像表示装置200に送信する。画像表示装置200は、X線診断装置100から受信したトモシンセシス画像データに基づくトモシンセシス画像を、表示回路2001に表示する。
また、第1の実施形態において、トモシンセシス画像データは、例えばX線診断装置1が備える画像処理回路25が生成していたがこれに限定されない。図13は、他の実施形態に係るX線診断システムの構成の例を示すブロック図である。図13に示されるX線診断システムは、X線診断装置100、及び画像処理装置300を備える。X線診断装置100、及び画像処理装置300は、ローカルネットワークに接続し、所定の装置へ情報を送信すると共に、所定の装置から送信される情報を受信する。なお、X線診断システムは、ローカルネットワークに加え、又は、ローカルネットワークの代わりに、外部のネットワークに接続しても構わない。
X線診断装置100は、X線診断装置1が備える構成に加えて、通信インタフェース1001を備える。
画像処理装置300は、ボリュームデータを再構成する再構成回路3001、トモシンセシス画像データを生成する画像処理回路3002、各種画像を表示する表示回路3003、及び通信インタフェース3004を備える。通信インタフェース3004は、図13に示されるネットワーク等を介して接続されたX線診断装置100等の外部装置との間でデータ通信を行う。
X線診断装置100は、例えば透視撮影中に、関連情報が付加された複数の透視画像データを、通信インタフェース1001を介し、画像処理装置300に送信する。画像処理装置300が備える再構成回路3001は、X線診断装置100から受信した複数の透視画像データ基づいて、ボリュームデータを再構成する。画像処理装置300が備える画像処理回路3002は、再構成回路3001により再構成されたボリュームデータに基づいて、任意の断面を表す画像データであるトモシンセシス画像データを生成する。そして、画像処理装置300が備える表示回路3003は、生成されたトモシンセシス画像データに基づくトモシンセシス画像を表示する。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、第1の実施形態、変形例1、変形例2及び変形例3の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として表示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。