JP7065918B2 - 二酸化炭素供給システム - Google Patents

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Description

本発明は二酸化炭素供給システムに関する。
従来、二酸化炭素は、主にアンモニア合成時や製鉄時に生じる副生ガスを精製して回収することで製造(例えば、特許文献1)し、タンク等に貯留して消費場所へ輸送されている。通常、二酸化炭素の製造場所と、二酸化炭素を消費する消費場所は異なるため、輸送のコストがかかる。また、二酸化炭素の需要先では、事業用装置運転等のために、二酸化炭素の安定した供給が求められる。
特開2017-155977号公報
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、二酸化炭素の輸送コストを抑えると共に需要先で二酸化炭素を安定して供給することが可能な二酸化炭素供給システムを提供することが目的である。
請求項1記載の二酸化炭素供給システムは、炭素化合物燃料を用いて発電する発電機と、前記発電機で発電された電力を電力需要部へ供給する電力ラインと、前記発電機から排出される二酸化炭素を、二酸化炭素需要部へ供給する二酸化炭素ラインと、二酸化炭素を貯留し、貯留した二酸化炭素を前記二酸化炭素需要部へ供給可能な二酸化炭素貯留部と、を備えている。
請求項1に係る二酸化炭素供給システムは、炭素化合物燃料を用いた発電機での発電により、電力ラインを介して電力需要部へ電力が供給される。ここでの炭素化合物燃料は、二酸化炭素を発生させる燃料であればよく、炭化水素系燃料、一酸化炭素ガスなどを含んでいる。そして、発電機から排出される二酸化炭素が、二酸化炭素ラインを介して二酸化炭素需要部へ供給される。発電機を、二酸化炭素需要部へ直接二酸化炭素を供給可能な場所に設置することにより、二酸化炭素の輸送コストを抑えることができる。
また、二酸化炭素貯留部に、二酸化炭素が貯留され、貯留された二酸化炭素が二酸化炭素需要部へ供給可能とされているので、要求発電量や、消費する二酸化炭素量等との関係で、発電機から排出される二酸化炭素の量が必要とされる二酸化炭素量よりも少なくなった場合でも、安定して二酸化炭素需要部へ二酸化炭素を供給することができる。
請求項2に記載の二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも少ない場合に、貯留した二酸化炭素を前記二酸化炭素需要部へ供給する。
請求項2に係る二酸化炭素供給システムは、発電機から排出される二酸化炭素の量が二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも少ない場合に、二酸化炭素貯留部から二酸化炭素需要部へ二酸化炭素が供給される。したがって、二酸化炭素需要部での二酸化炭素不足を回避することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機と異なるシステム外部から供給された二酸化炭素を貯留する外部充填タンク、を有していてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、発電機から排出される二酸化炭素の流量に係わらず、安定して外部充填タンクから二酸化炭素需要部へ二酸化炭素を供給することができる。
請求項3に記載の二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機から排出される二酸化炭素を貯留可能とされた内部充填タンク、を有する。
請求項3に係る二酸化炭素供給システムによれば、発電機の発電時に二酸化炭素の需要要求がなかったり、少なかったりする場合でも、内部供給タンクに二酸化炭素を貯留することにより、二酸化炭素を回収することができる。
請求項3に記載の二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機と異なるシステム外部から供給された二酸化炭素を貯留する外部充填タンクを有し、前記二酸化炭素需要部への二酸化炭素の供給は、前記内部充填タンクからの供給を前記外部充填タンクからの供給よりも優先させること、を特徴とする。
請求項3に係る二酸化炭素供給システムによれば、内部充填タンクに貯留された二酸化炭素を優先的に使用するので、外部充填タンクの二酸化炭素使用量を抑え、発電機から排出された二酸化炭素を効率よく使用することができる。
請求項4に記載の二酸化炭素供給システムは、前記内部充填タンクは、前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多い場合に、前記発電機から排出される二酸化炭素を貯留する。
請求項4に係る二酸化炭素供給システムでは、発電機から排出される二酸化炭素の量が二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多い場合に、発電機から排出される二酸化炭素が内部充填タンクに貯留される。したがって、二酸化炭素需要部への二酸化炭素供給不足を生じさせることなく、二酸化炭素を貯留することができる。
請求項5に記載の二酸化炭素供給システムは、前記発電機は、前記電力需要部からの電力要求量に応じて発電し、前記内部充填タンクにおける二酸化炭素の貯留量を検知する内部貯留量検知部を備え、前記内部貯留量検知部で検知された二酸化炭素の貯留量が、所定の満量以上の場合、且つ前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多い場合に、前記発電機から排出される二酸化炭素を廃棄する。
請求項5に係る二酸化炭素供給システムでは、発電機は、電力需要部からの電力要求量に応じて発電するので、二酸化炭素の排出量が二酸化炭素要求量よりも多くなる場合が生じるが、二酸化炭素の貯留量が所定の満量以上の場合には、発電機から排出される二酸化炭素を廃棄することにより、内部充填タンクへの過剰な二酸化炭素の貯留を防止することができる。
請求項6に記載の二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部における二酸化炭素の貯留量を検知する貯留量検知部を備え、前記発電機は、前記貯留量検知部で検知された二酸化炭素の貯留量が、所定の低残量以下になった場合に、前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多く二酸化炭素を排出するように駆動されること、を特徴とする。
請求項6に係る二酸化炭素供給システムでは、二酸化炭素貯留部における二酸化炭素の貯留量が所定の低残量以下になった場合に、発電機が二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多く二酸化炭素を排出するように駆動されるので、二酸化炭素需要部における二酸化炭素の不足を防止することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記二酸化炭素貯留部における二酸化炭素の貯留量を検知すると貯留量検知部と、前記貯留量検知部で検知された貯留量が所定の低貯留量にまで低下した場合に、通知する通知部と、を備えていてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、二酸化炭素貯留部における二酸化炭素の貯留量が所定の低貯留量まで低下した場合に、通知部により通知される。したがって、二酸化炭素貯留部の二酸化炭素貯留量低下に対処することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記発電機は、燃料電池であること、を特徴としてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、燃料電池において、炭素化合物燃料を用いる場合に、排出される二酸化炭素を二酸化炭素需要部へ供給することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記燃料電池の燃料極から送出されるアノードオフガスから二酸化炭素を分離するオフガス分離部を有し、前記オフガス分離部で分離された二酸化炭素を前記二酸化炭素ラインへ送出する。
この二酸化炭素供給システムによれば、燃料極から送出されるアノードオフガスから二酸化炭素を分離することにより、二酸化炭素を得ることができる。
二酸化炭素供給システムは、前記発電機は、炭素化合物燃料により駆動する発電機であること、を特徴としてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、炭素化合物燃料により駆動する発電機において、排出される二酸化炭素を二酸化炭素需要部へ供給することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記発電機の燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する排ガス分離部を有し、前記排ガス分離部で分離された二酸化炭素を前記二酸化炭素ラインへ送出してもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、燃焼排ガスから二酸化炭素を分離することにより、二酸化炭素を得ることができる。
二酸化炭素供給システムは、前記発電機から排出される熱を熱需要部へ供給する熱供給管、を備えていてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、発電機から排出される熱を、熱需要部で有効に利用することができる。
二酸化炭素供給システムは、前記発電機から排出される水を水需要部へ供給する水供給管、を備えていてもよい
この二酸化炭素供給システムによれば、発電機から排出される水を、水需要部で有効に利用することができる。
請求項1に記載の二酸化炭素供給システムは、前記発電機として分散型発電機が用いられ、系統電力をW1使用した場合の系統電力由来二酸化炭素排出量をEM1、電力W1を前記分散型発電機で発電した場合の分散型発電機由来二酸化炭素排出量をEM2、分散型発電機の電力W1の発電により排出される二酸化炭素の回収率をK3とすると、EM1>EM2×(1-K3)、となるように、分散型発電機の発電効率及び二酸化炭素回収率の少なくとも一方を制御する。
請求項1に記載の二酸化炭素供給システムによれば、事業用電力を系統電力で賄う場合の二酸化炭素排出量よりも、二酸化炭素排出量を少なくすることができる。
なお、分散型発電機の制御は、予め発電効率及び二酸化炭素回収率がEM1>EM2×(1-K3)、となるように設定されていてもよい。
本発明に係る二酸化炭素供給システムによれば、二酸化炭素の輸送コストを抑えると共に需要先へ二酸化炭素を安定して供給することができる。
第1実施形態に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。 第1実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 第1実施形態の二酸化炭素供給システムの制御系に係るブロック図である。 第1実施形態の二酸化炭素供給処理のフローチャートである。 第1実施形態の変形例に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。 第1実施形態の他の変形例に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。 第2実施形態に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。 第2実施形態のガスエンジン発電機の概略構成図である。 第1実施形態の他の変形例に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。 第2実施形態の変形例に係る二酸化炭素供給システムの概略構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係る二酸化炭素供給システム10Aの概略ブロック図が示されている。二酸化炭素供給システム10Aは、主要な構成として、燃料電池システム20、第1二酸化炭素タンク30、第2二酸化炭素タンク32、パワーコンディショナー(Power Conditioning System:PCS)34、及び制御部50(図2参照)を備えている。二酸化炭素供給システム10Aは、電力及び二酸化炭素をオンサイトで利用者Uの、二酸化炭素需要部40、電力需要部42へ供給するものであり、利用者Uと上記の各構成要素は、近接配置されている。
燃料電池システム20は、分散型発電機の一例であり、図2に示されるように、気化器12、改質器14、第1燃料電池セルスタック16、第2燃料電池セルスタック18、分離部22、第1熱交換器HE1、第2熱交換器HE2、燃焼器24、水タンク26、吸引ポンプ28を備えている。なお、分散型発電機とは、消費地に設置される分散型電源として用いられる発電機である。本実施形態では、分散型発電機が好適に利用されるが、本発明の発電機は、従来の火力発電所などの系統電力を供給する発電所における発電機も含んでいる。
改質器14には、原料ガス管P1の一端が接続されており、原料ガス管P1の他端は図示しないガス源に接続されている。ガス源からは、ブロアB1によりメタンが改質器14へ送出される。なお、本実施形態では、原料ガスとしてメタンを用いるが、改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、本実施形態で用いるメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスは天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。また、バイオガスを用いてもよい。
気化器12には、水供給管P2が接続されており、ポンプPO1により、水(液相)が送り込まれる。気化器12では、水が気化される。気化には、後述する燃焼器24の熱が用いられる。気化器12からは、水蒸気が送出され、水蒸気を送出する水蒸気管P3は、原料ガス管P1と合流されている。
メタン及び水蒸気は原料ガス管P1で合流され、改質器14へ供給される。改質器14は、燃焼器24、第1燃料電池セルスタック16、及び第2燃料電池セルスタック18と隣接されており、これらとの間で熱交換を行うことで加熱される。
改質器14では、メタンを改質し、水素を含む600℃程度の温度の燃料ガスを生成する。改質器14は、第1燃料電池セルスタック16のアノード(燃料極)16Aと接続されている。改質器14で生成された燃料ガスは、燃料ガス管P4を介して第1燃料電池セルスタック16のアノード16Aに供給される。なお、改質器14で未反応の原料ガス成分も、燃料ガスに含まれてアノード16Aへ供給される。
第1燃料電池セルスタック16は固体酸化物形の燃料電池セルスタックであり、積層された複数の燃料電池セルを有している。第1燃料電池セルスタック16は本発明における燃料電池(第1燃料電池)の一例である。個々の燃料電池セルは、電解質層16Cと、当該電解質層16Cの表裏面にそれぞれ積層されたアノード16A、及びカソード(空気極)16Bと、を有している。
なお、第2燃料電池セルスタック18についての基本構成は、第1燃料電池セルスタック16と同様であり、アノード16Aに対応するアノード18A、カソード16Bに対応するカソード18B、及び電解質層16Cに対応する電解質層18Cを有している。
第1燃料電池セルスタック16のカソード16Bには、酸化ガス管P5から酸化ガス(空気)が供給される。酸化ガス管P5へは、酸化ガスブロワB2により空気が導入されている。酸化ガス管P5には、第2熱交換器HE2が設けられており、空気が後述する非燃料ガスとの熱交換により加熱され、カソード16Bへ供給される。
カソード16Bでは、下記(1)式に示すように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通って第1燃料電池セルスタック16のアノード16Aに到達する。
(空気極反応)
1/2O+2e →O2- …(1)
また、カソード16Bには、カソード16Bから排出されるカソードオフガスを第2燃料電池セルスタック18のカソード18Bへ案内するカソードオフガス管P6が接続されている。
一方、第1燃料電池セルスタック16のアノード16Aでは、下記(2)式及び(3)式に示すように、電解質層を通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と電子が生成される。アノード16Aで生成された電子がアノード16Aから外部回路を通ってカソード16Bに移動することで、各燃料電池セルにおいて発電される。また、各燃料電池セルは、発電時に発熱する。第1燃料電池セルスタック16には、電力を取り出す電力ケーブル16Dが接続されている。電力ケーブル16Dは、PCS34へ電力を送出する。第1燃料電池セルスタック16での発電量は、制御部50で制御されている。
(燃料極反応)
+O2- →HO+2e …(2)
CO+O2- →CO+2e …(3)
第1燃料電池セルスタック16のアノード16Aにはアノードオフガス管P7の一端が接続されており、アノードオフガス管P7には、アノード16Aからアノードオフガスが排出される。アノードオフガスには、未改質の原料ガス成分、未反応の水素、未反応の一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気等が含まれている。
なお、本発明の燃料電池としては、固体酸化物形の燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に限られるものではなく、アノードオフガスに二酸化炭素及が含まれる他の燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)、リン酸形燃料電池(PAFC)、高分子電解質形燃料電池(PEFC)であってもよい。
アノードオフガス管P7の他端は、後述する第1熱交換器HE1を経て分離部22の流入部22Aと接続されている。分離部22は、アノードオフガスから二酸化炭素及び水を分離膜22Cで分離するものである。分離膜22Cは、二酸化炭素及び水を透過する機能を有している。分離部22は、流入部22A及び透過部22Bを有している。流入部22Aと透過部22Bは、分離膜22Cで区画されている。流入部22Aがアノードオフガスの非透過側となり、透過部22Bが透過側となる。
アノードオフガスは、アノードオフガス管P7を経て分離部22の流入部22Aへ供給される。アノードオフガスに含まれる二酸化炭素及び水は、分離膜22Cを透過して透過部22Bへ移動する。二酸化炭素及び水の濃度が低減されて流入部22A側に残ったアノードオフガスは、再生燃料ガスとなって、流入部22Aから送出される。再生燃料ガス管P9は、第2燃料電池セルスタック18のアノード18Aと接続されており、再生燃料ガスは、再生燃料ガス管P9を経て、第2燃料電池セルスタック18のアノード18Aに供給される。
アノードオフガス管P7を流れるアノードオフガスと再生燃料ガス管P9を流れる再生燃料ガスとは、第1熱交換器HE1で熱交換が行われる。第1熱交換器HE1では、アノードオフガスが冷却され、再生燃料ガスが加熱される。加熱された再生燃料ガスは、第2燃料電池セルスタック18のアノード18Aへ供給される。
第2燃料電池セルスタック18のアノード18A及びカソード18Bでは、第1燃料電池セルスタック16と同様の反応により発電が行われる。第2燃料電池セルスタック18には、電力を取り出す電力ケーブル18Dが接続されている。電力ケーブル18Dは、PCS34へ電力を送出する。第2燃料電池セルスタック18での発電量は、制御部50で制御されている。
アノード18A及びカソード18Bから排出された使用済のガスは、配管P11、カソードオフ燃焼導入管P12により燃焼器24へ送出され、燃焼器24で焼却に供される。本実施形態の燃料電池システム20は、第1燃料電池セルスタック16で使用された燃料であるアノードオフガスが再生されて、燃料ガスとして第2燃料電池セルスタック18で再利用される2段式の燃料電池システム20となっている。
燃焼器24からは、燃焼排ガスが送出される。燃焼排ガスは、燃焼排ガス管P10内を流通し、気化器12を経て排出される。
分離部22の透過部22Bには、水タンク26に一端が接続された配管P16の他端が接続されている。分離膜22Cを透過した二酸化炭素、及び水は、透過部22Bから送出され、配管P16により、第2熱交換器HE2を経て水タンク26へ送出される。
第2熱交換器HE2では、透過部22Bから送出された二酸化炭素及び水を含むガスと空気とで熱交換が行われ、空気は加熱され、二酸化炭素及び水を含むガスは冷却される。冷却により水が凝縮し、水タンク26へ貯留される。水が分離され、二酸化炭素濃度が高くなった二酸化炭素リッチガスは、導出管P18から送出される。
導出管P18には、吸引ポンプ28が接続されている。吸引ポンプ28は、上流側の気体を吸引して下流側へ送出する。
導出管P18の他端には、PSA装置29が接続されている。PSA装置29では、二酸化炭素リッチガスから二酸化炭素以外の成分が吸着により除去され(以下このガスを「二酸化炭素ガス」という)、CO2管P20へ送出する。CO2管P20の一端はPSA装置29に接続されている。PSA装置29で精製された二酸化炭素ガスは、CO2管P20を経て燃料電池システム20から送出される。CO2管P20には、流量計31が設けられており、燃料電池システム20で生成されてCO2管P20から排出される排出二酸化炭素量Hが計測される。流量計31は、制御部50と接続されており、排出二酸化炭素量Hが制御部へ出力される。
CO2管P20は、供給配管P22と貯留用配管P24に分岐されている。供給配管P22は、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素ガスを供給する。貯留用配管P24は、第1二酸化炭素タンク30の入口側と接続されており、二酸化炭素ガスを第1二酸化炭素タンク30へ送出する。
二酸化炭素需要部40は、二酸化炭素の消費が行われる所であり、例えば、溶接工場や炭酸飲料製造工場などにおける装置を挙げることができる。
供給配管P22には第1バルブV1が設けられ、貯留用配管P24には第2バルブV2が設けられている。第1バルブV1及び第2バルブV2は、制御部50と接続されている。第1バルブV1及び第2バルブV2は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御されている。
第1二酸化炭素タンク30には、貯留用配管P24を経て流入された二酸化炭素ガスが貯留される。第1二酸化炭素タンク30には、貯留量検知部としての圧力計30Aが設けられている。圧力計30Aにより、第1二酸化炭素タンク30内の圧力が計測される。圧力計30Aは、制御部50と接続されており、圧力計30Aにより計測された圧力は、制御部50へ送られる。圧力計30Aで測定された圧力により、第1二酸化炭素タンク30内に貯留されている二酸化炭素量を検知する。第1二酸化炭素タンク30の出口側には、第1配管P26の一端が接続され、第1配管P26の他端は、供給配管P22の第1バルブV1よりも下流側と接続されている。
第1配管P26には第3バルブV3が設けられている。第3バルブV3は、制御部50と接続されている。第3バルブV3は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御されている。
第2二酸化炭素タンク32は、第1二酸化炭素タンク30と別に設けられており、内部には、外部(燃料電池システム20から排出される二酸化炭素以外)から供給された二酸化炭素が貯留されている。ここで、外部からの供給は、外部充填されたタンクを運搬してきたものであってもよいし、外部のラインから供給される二酸化炭素を設置されたタンクに充填するものであってもよい。二酸化炭素としては、気相状態で貯留してあってもよいし、液相状態のものを適宜気相へ戻して使用してもよい。本実施形態では、気相状態での貯留を例に説明する。
第2二酸化炭素タンク32には、貯留量検知部としての圧力計32Aが設けられている。圧力計32Aにより、第2二酸化炭素タンク32内の圧力が計測される。圧力計32Aは、制御部50と接続されており、圧力計32Aにより計測された圧力は、制御部50へ送られる。圧力計32Aで測定された圧力により、第2二酸化炭素タンク32内に貯留されている二酸化炭素量を検知する。第2二酸化炭素タンク32の出口側には、第2配管P28の一端が接続され、第2配管P28の他端は、供給配管P22の第1バルブV1よりも下流側と接続されている。
第2配管P28には第4バルブV4が設けられている。第4バルブV4は、制御部50と接続されている。第4バルブV4は、流量調整可能な開閉バルブであり、制御部50によって制御されている。
第1燃料電池セルスタック16、第2燃料電池セルスタック18から出力された電力は、電力ケーブル16D、18Dを経てPCS34へ送出され、電力ラインL1を経て電力需要部42へ供給される。電力需要部42には、系統電力からの電力も、電力ラインL2を経て供給されてもよい。
制御部50は、二酸化炭素供給システム10Aの全体を制御するものであり、CPU、ROM、RAM、メモリ等を含んで構成されている。メモリには、後述する二酸化炭素供給処理や、通常運転時の処理に必要なデータや手順等が記憶されている。
制御部50では、通常、電力需要部42からの要求電力に基づいて、燃料電池システム20を運転し、第1燃料電池セルスタック16、第2燃料電池セルスタック18において発電する。第1燃料電池セルスタック16、第2燃料電池セルスタック18から出力された電力は、電力ケーブル16D、18Dを経てPCS34へ送出され、電力ラインL1を経て電力需要部42へ供給される。
電力需要部42は、電力の消費が行われる所であり、二酸化炭素需要部40と同様の、例えば、溶接工場や炭酸飲料製造工場などにおける装置を挙げることができる。
制御部50は、二酸化炭素需要部40から二酸化炭素要求量Dを取得すると共に、流量計31から排出二酸化炭素量Hを取得する。ここで、二酸化炭素要求量Dは、利用者Uから要求される二酸化炭素の流量に対応するものであり、本実施形態では利用者Uから要求される二酸化炭素の流量と二酸化炭素要求量Dと同一となっている。
また、制御部50は、圧力計30Aから第1二酸化炭素タンク30の内圧を取得する。当該内圧により、第1二酸化炭素タンク30で貯留されている二酸化炭素量R1が検知される。また、制御部50は、圧力計32Aから第2二酸化炭素タンク30の内圧を取得する。当該内圧により、第2二酸化炭素タンク32で貯留されている二酸化炭素量R2が検知される。
制御部50は、第2二酸化炭素タンク32で貯留されている二酸化炭素量R2が所定の最低量R2min以下になった場合には、補充要求信号を送信する。補充要求信号は、利用者Uへ第2二酸化炭素タンク32への二酸化炭素の補充を要求するものであってもよいし、外部の業者へ、満タン状態の第2二酸化炭素タンク32との交換を要求するものであってもよい。
制御部50は、二酸化炭素要求量D、排出二酸化炭素量H、二酸化炭素量R1に応じて、第1バルブV1~第4バルブV4を制御して、二酸化炭素供給処理を実行する。
二酸化炭素供給処理では、排出二酸化炭素量Hが二酸化炭素要求量D以上である場合には、CO2管P20から排出される二酸化炭素は、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給されると共に、余剰の二酸化炭素が第1二酸化炭素タンク30へ貯留される。この時、第1バルブV1及び第2バルブV2は開放され、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給されると共に、余剰の二酸化炭素が第1二酸化炭素タンク30へ貯留されるように各々の流用が調整される。第3バルブV3及び第4バルブV4は閉鎖される。
また、二酸化炭素供給処理では、排出二酸化炭素量Hが、二酸化炭素要求量Dよりも少ない場合には、CO2管P20から排出される二酸化炭素は、全量が二酸化炭素需要部40へ供給されると共に、第1二酸化炭素タンク30または第2二酸化炭素タンク32から二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素が供給される。第1二酸化炭素タンク30と第2二酸化炭素タンク32では、第1二酸化炭素タンク30からの二酸化炭素供給が優先される。ここでの優先供給は、第1二酸化炭素タンク30内に貯留された二酸化炭素量が所定の量R1min以上の場合には、第1二酸化炭素タンク30から供給され、R1min未満の場合には、第2二酸化炭素タンク32から二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素が供給されることで実行される。所定の量R1minは、例えば、平均して事業用に供給が必要な二酸化炭素の流量を、所定時間継続して供給可能な量に設定することができる。
第1二酸化炭素タンク30から二酸化炭素が供給される場合には、第1バルブV1及び第3バルブV3は開放され、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給される。第2バルブV2及び第4バルブV4は閉鎖される。第2二酸化炭素タンク32から二酸化炭素が供給される場合には、第1バルブV1及び第4バルブV4は開放され、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給される。第2バルブV2及び第3バルブV3は閉鎖される。
なお、電力需要部42からの電力要求はあるが、二酸化炭素需要部からの二酸化炭素要求がない場合には、CO2管P20から排出される二酸化炭素は、全量が第1二酸化炭素タンク30へ貯留される。この場合には、第1バルブV1、第3バルブV3、第4バルブV4が閉鎖され、第2バルブV2が開放される。
二酸化炭素供給処理は、図4に示すフローチャートで実行することができる。燃料電池システム20の駆動が開始されると、まず、ステップS10で、二酸化炭素需要部40から二酸化炭素要求量Dを取得し、ステップS12で、二酸化炭素要求量Dが0よりも大きいかどうか、即ち、二酸化炭素の要求があるかどうかを判断する。
ステップS12での判断が否定された場合には、二酸化炭素需要部40から二酸化炭素の需要がないため、ステップS14へ進み、第1バルブV1、第3バルブV3、第4バルブV4を閉鎖し、第2バルブV2を開放する。これにより、燃料電池システム20から排出された二酸化炭素は、全量が第1二酸化炭素タンク30へ貯留される。
ステップS12での判断が肯定された場合には、ステップS16へ進み、排出二酸化炭素量Hを取得する。そして、ステップS18で、排出二酸化炭素量Hが二酸化炭素要求量D以上かどうかを判断する。ステップS18での判断が肯定された場合には、ステップS20へ進み、第1バルブV1、第2バルブV2を流量調整しつつ開放し、第3バルブV3及び第4バルブV4を閉鎖する。第1バルブV1及び第2バルブV2は、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給されると共に、余剰の二酸化炭素が第1二酸化炭素タンク30へ貯留されるように流量調整される。
ステップS18での判断が否定された場合には、ステップS22で、第1二酸化炭素タンク30内の圧力を取得し、ステップS24で、第1二酸化炭素タンク30に貯留された二酸化炭素がR1min以上かどうかを判断する。ステップS24での判断が肯定された場合には、ステップS26へ進み、第1バルブV1、第3バルブV3を開放し、第2バルブV2及び第4バルブV4を閉鎖する。第3バルブV3は、排出二酸化炭素量Hに第1二酸化炭素タンク30からの二酸化炭素を加えて二酸化炭素要求量Dとなるように流量調整される。これにより、燃料電池システム20及び第1二酸化炭素タンク30から二酸化炭素需要部40へ、二酸化炭素要求量Dの二酸化炭素が供給される。
ステップS24での判断が否定された場合には、ステップS28へ進み、第1バルブV1、第4バルブV4を開放し、第2バルブV2及び第3バルブV3を閉鎖する。第4バルブV4は、排出二酸化炭素量Hに第2二酸化炭素タンク32からの二酸化炭素を加えて二酸化炭素要求量Dとなるように流量調整される。これにより、燃料電池システム20及び第2二酸化炭素タンク32から二酸化炭素需要部40へ、二酸化炭素要求量Dの二酸化炭素が供給される。
ステップS14、ステップS20、ステップS26、ステップS28の実行後、ステップS30で、燃料電池システム20の運転終了指示があったかどうかを判断し、判断が肯定された場合には、二酸化炭素供給処理を終了する。ステップS30の判断が否定された場合には、ステップS10へ戻って上記の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態の二酸化炭素供給システム10Aは、燃料電池システム20での発電により、電力ラインL1を介して電力需要部42へ要求された電力が供給される。そして、当該発電に起因して燃料電池システム20から排出される二酸化炭素が、CO2管P20を介して二酸化炭素需要部40へ供給される。このように、オンサイトで電力の供給のみならず二酸化炭素の供給も行うことができるので、二酸化炭素の輸送コストを抑えることができる。
また、二酸化炭素が貯留された、第1二酸化炭素タンク30、第2二酸化炭素タンク32を有しているので、要求発電量や、消費する二酸化炭素量等との関係で、燃料電池システム20から排出される二酸化炭素の量が必要とされる二酸化炭素量よりも少なくなった場合でも、安定して二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素を供給することができる。
なお、本実施形態では、第1二酸化炭素タンク30と第2二酸化炭素タンク32を備えた例について説明したが、いずれか一方のみを備えているものであってもよい。
また、本実施形態では、第1二酸化炭素タンク30へ、燃料電池システム20から排出される二酸化炭素を貯留することができるので、発電時に二酸化炭素需要部40から二酸化炭素の需要要求がなかったり、少なかったりする場合でも、二酸化炭素を回収することができる。
また、本実施形態では、CO2管P20から排出される二酸化炭素は、二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素要求量Dが供給された余剰分が、第1二酸化炭素タンク30へ貯留される。したがって、二酸化炭素需要部40への二酸化炭素供給不足を生じさせることなく、二酸化炭素を貯留することができる。
また、本実施形態では、外部で充填される第2二酸化炭素タンク32を有しているので、燃料電池システム20から排出される二酸化炭素に係わらず、安定して第2二酸化炭素タンク32から二酸化炭素需要部40へ二酸化炭素を供給することができる。
また、本実施形態では、二酸化炭素需要部40への二酸化炭素の供給は、第1二酸化炭素タンク30からの供給を、第2二酸化炭素タンクからの供給よりも優先させるので、外部充填された二酸化炭素の使用量を抑え、燃料電池システム20から排出された二酸化炭素を効率よく使用することができる。
また、本実施形態では、第2二酸化炭素タンク32で貯留されている二酸化炭素量R2が所定の最低量R2min以下になった場合には、補充要求信号が送信されるので、利用者Uは、二酸化炭素の貯留量低下に対処することができる。
また、本実施形態の二酸化炭素供給システム10Aから、さらに熱を取りだし、図5に示すように、熱需要部43へ熱エネルギーを供給してもよい。熱としては、例えば、燃焼排ガス管P10からの燃焼排ガスを用いることができる。また、当該取りだした熱は、第2二酸化炭素タンク32において液相の二酸化炭素を貯留し、適宜気化して用いる場合に、減圧時に冷却された二酸化炭素ガスを昇温するために用いてもよい。
また、本実施形態では、第1燃料電池セルスタック16で生成された水を水タンク26で回収して改質水とし再利用したが、水タンク26から配管P19Aで水を取り出し、図6に示すように、水需要部45へ供給してもよい。また、第2熱交換器HE2での熱交換前に水蒸気を取り出して工場などへ供給してもよい。
なお、本実施形態では、燃料電池システム20として、2段式の燃料電池システムを例に説明したが、2段以上の多段式の燃料電池システムや、循環式の燃料電池システムを、本発明の二酸化炭素供給システムに適用することもできる。
また、本実施形態の二酸化炭素供給システム10Aは、二酸化炭素の排出と関連して、以下の(式4)を満たすように運転されることが好ましい。
EM1>EM2×(1-K3) (式4)
ここで、EM1は、系統電力から供給される電力量W1[kWh]を使用した場合の系統電力由来二酸化炭素排出量[kg]、EM2は、電力量W1を、燃料電池システム20で発電した場合の燃料電池システム由来二酸化炭素排出量[kg]、K3は、燃料電池システム20の電力量W1の発電により排出される二酸化炭素の回収率[%]である。
燃料電池システム20で発電した場合の燃料電池システム由来二酸化炭素排出量EM2は、本来系統電力から供給される電力量W1を燃料電池システム20の電力で置き換えるので、電力量W1に燃料電池システム20の二酸化炭素排出係数C1[kg/kWh]を乗じて算出することができる(式5参照)。
系統電力由来のCO2排出量EM1は、電力量W1に系統電力二酸化炭素排出係数C0[kg/kWh]を乗じて求めることができる。なお、系統電力二酸化炭素排出係数C0は、使用する系統電力に応じて決まる固定値である。
また、燃料電池システム20の二酸化炭素排出係数C1は、使用する燃料の二酸化炭素排出係数CH[kg/m3]を、使用する燃料の熱量H[kWh/m3]と燃料電池システム20の発電効率PE[%]とで除して求めることができる。
EM2=W1×C1 (式5)
EM1=W1×C0 (式6)
C1=CH/(H×PE) (式7)
電力量W1を燃料電池システム20で発電した場合に掛かる燃料電池システム由来二酸化炭素排出量EM2に関連する式5、6、7の中で、燃料電池システム20において制御可能なものは、発電効率PEである。また、式4の中で、燃料電池システム20の発電により排出される二酸化炭素の回収率であるK3についても、制御可能である。そこで、発電効率PE、燃料電池システム20の発電により排出される二酸化炭素の回収率K3の少なくとも一方を制御することにより、式1を満たすように運転する。なお、式1を満たすように運転が制御されるように予め設定しておいてもよい。また、二酸化炭素を分離、製造するためには、補機類を動かすための電力が必要であるので、燃料電池システム20の発電効率PE[%]としては、二酸化炭素を分離、製造するための電力を加味した値が採用される。
上記のように燃料電池システム20を運転して電力需要部42へ電力を供給することにより、電力需要部42で消費する電力を系統電力から賄う場合と比較して、二酸化炭素排出量を少なくすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図7に示されるように、本実施形態の二酸化炭素供給システム10Bは、第1実施形態の燃料電池システム20に代えて、分散型発電機として、ガスエンジン発電機60を備えている。
ガスエンジン発電機60は、図8に示されるように、ガスエンジン62、発電機64、及び排ガス分離部66を備えている。ガスエンジン62は、不図示のガス源から供給される燃料ガスにより駆動され、動力が発電機64へ伝達される。発電機64では、ガスエンジン62から伝達された動力により発電が行われる。発電機64で発電された電力は、電力ケーブル68を経てPCS24へ送出される。
ガスエンジン62には、排ガス管P62が接続されており、ガスエンジン62から排ガス管P62へ燃焼排ガスが排出される。燃焼排ガスは、排ガス分離部66で二酸化炭素が分離され、分離された二酸化炭素は、CO2管P20へ排出される。二酸化炭素が分離された燃焼排ガスは、排気管P64から外部へ排出される。排ガス分離部66には、二酸化炭素を選択透過させる分離膜や、PSA装置を用いることができる。
二酸化炭素供給システム10Bにおいて、二酸化炭素の供給/貯留に係るCO2管P20から下流側の構成、及び、電力の供給に係るPCS24よりも下流側の構成については、第1実施形態と同様である。本実施形態でも、第1実施形態と同様の二酸化炭素供給処理が実行される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、分散型発電機としてガスエンジン発電機を用いたが、他の内燃機関を用いた発電機、例えば、内燃機関としてガスタービンを用いたガスタービン発電機を用いてもよいし、ディーゼルエンジン発電機を用いてもよい。さらに、燃料電池システムとして、多段式や循環式のものでないものを、本実施形態のガスエンジン発電機に代えて使用し、同様の構成とすることもできる。
また、前述の第1、第2実施形態において、燃料電池システム20、ガスエンジン発電機60での発電量が電力需要部42からの要求電力を超える場合に、系統電力へ逆潮してもよい。
さらに、燃料電池システム20やガスエンジン発電機60において、二酸化炭素を分離ために、PSA装置以外の手段、例えば分離膜等を用いてもよい。この場合には、二酸化炭素をCO2管P20へ送出するために、ブロワを用いることが必要となる。
また、第1二酸化炭素タンク30への二酸化炭素の充填は、昇圧して行ってもよい。
また、第1、第2実施形態では、第1二酸化炭素タンク30、第2二酸化炭素タンク32の貯留量を内部の圧力により検出したが、各タンクの重量により、第1二酸化炭素タンク30、第2二酸化炭素タンク32の貯留量を検出してもよい。
また、第1、第2実施形態では、第1二酸化炭素タンク30、第2二酸化炭素タンク32を別々に設けたが、これらを両者の機能(内部での二酸化炭素の充填、外部からの二酸化炭素の充填の両方が可能)を備えた1つのタンクで構成してもよい。
また、第1、第2実施形態の二酸化炭素供給システムについて、図9及び図10に示すように、貯留用配管P24から分岐させたベント管P25及び第5バルブV5を設け、第1二酸化炭素タンク30の貯留量が所定の満量以上で、二酸化炭素需要部40からの二酸化炭素要求量よりも多い場合に、二酸化炭素を外部へ廃棄してもよい。この場合には、第2バルブV2を閉鎖し、第5バルブV5を開放する。
また、第1二酸化炭素タンク30の貯留量が、所定の低残量以下となった場合に、電力需要部42からの電力要求量に関係なく、二酸化炭素需要部40からの二酸化炭素要求量よりも多くの二酸化炭素が排出されるように、燃料電池システム20、ガスエンジン発電機60を駆動させてもよい。このように駆動させることにより、第1二酸化炭素タンク30に貯留用の二酸化炭素を供給することができる。
10A、10B 二酸化炭素供給システム
16D、18D 電力ケーブル(電力ライン)
L1 電力ライン
20 燃料電池システム(発電機)
16 燃料電池セルスタック(燃料電池)
16A アノード(燃料極)
22 分離部(オフガス分離部)
30 第1二酸化炭素タンク(二酸化炭素貯留部、内部充填タンク)
30A、32A 圧力計(貯留用検知部)、 31 流量計
32 第2二酸化炭素タンク(外部充填タンク)
40 二酸化炭素需要部
42 電力需要部
50 制御部(通知部)
60 ガスエンジン発電機(発電機)
62 ガスエンジン(エンジン)
66 排ガス分離部
68 電力ケーブル(電力ライン)
P20 CO2管(二酸化炭素ライン)
P22 供給配管(二酸化炭素ライン)

Claims (6)

  1. 炭素化合物燃料を用いて発電する発電機と、
    前記発電機で発電された電力を電力需要部へ供給する電力ラインと、
    前記発電機から排出される二酸化炭素を、二酸化炭素需要部へ供給する二酸化炭素ラインと、
    二酸化炭素を貯留し、貯留した二酸化炭素を前記二酸化炭素需要部へ供給可能な二酸化炭素貯留部と、
    を備え、
    前記発電機として分散型発電機が用いられ、系統電力をW1使用した場合の系統電力由来二酸化炭素排出量をEM1、電力W1を前記分散型発電機で発電した場合の分散型発電機由来二酸化炭素排出量をEM2、分散型発電機の電力W1の発電により排出される二酸化炭素の回収率をK3とすると、
    EM1>EM2×(1-K3)、となるように、分散型発電機の発電効率及び二酸化炭素回収率の少なくとも一方を制御する、
    二酸化炭素供給システム。
  2. 前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも少ない場合に、貯留した二酸化炭素を前記二酸化炭素需要部へ供給する、請求項1に記載の二酸化炭素供給システム。
  3. 前記二酸化炭素貯留部は、前記発電機から排出される二酸化炭素を貯留可能とされた内部充填タンクと、前記発電機と異なるシステム外部から供給された二酸化炭素を貯留する外部充填タンクと、を有し、
    前記二酸化炭素需要部への二酸化炭素の供給は、前記内部充填タンクからの供給を前記外部充填タンクからの供給よりも優先させること、を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の二酸化炭素供給システム。
  4. 前記内部充填タンクは、前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多い場合に、前記発電機から排出される二酸化炭素を貯留する、請求項3に記載の二酸化炭素供給システム。
  5. 前記発電機は、前記電力需要部からの電力要求量に応じて発電し、
    前記内部充填タンクにおける二酸化炭素の貯留量を検知する内部貯留量検知部を備え、
    前記内部貯留量検知部で検知された二酸化炭素の貯留量が、所定の満量以上の場合、且つ前記発電機から排出される二酸化炭素の量が前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多い場合に、前記発電機から排出される二酸化炭素を廃棄する、請求項3に記載の二酸化炭素供給システム。
  6. 前記二酸化炭素貯留部における二酸化炭素の貯留量を検知する貯留量検知部を備え、
    前記発電機は、前記貯留量検知部で検知された二酸化炭素の貯留量が、所定の低残量以下になった場合に、前記二酸化炭素需要部における二酸化炭素要求量よりも多く二酸化炭素を排出するように駆動されること、を特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の二酸化炭素供給システム。
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