JP7063456B2 - 光コネクタ - Google Patents
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Description
従来、この種の光コネクタとして、特許文献1に示すものが開示されている。同文献には、ファイバ接続部を収容するために、全体で内部に収容空間を形成する樹脂製の前端側部材と後端側部材とを使用している。前端側部材の後部側は筒または柱状となっていて、外面に突起を形成してあり、後端側部材の前部側は、前端側部材の後部側を挿入できる筒状としてあり、筒状とした壁面には前記突起が嵌合可能な凹部を形成してある。該突起は、前端側部材の後部側から前部側に向けて徐々に隆起する斜面を形成し、最も隆起した直後に、垂直面を形成している。前端側部材の後部側の外径と、前端側部材の前部側の内径はほぼ一致している。
上述した従来の光コネクタの場合、上述したような無理嵌めをしているが、引っ張りに対する耐力を上げようとすると無理嵌め時の抗力が大きくなる。必要な耐力を確保し、組み付け作業で許容できる抗力以下とすることが難しかった。
本発明の他の態様では、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部の一方は、軸線方向に他方の側に突き出て前記内蔵ファイバを挿通させる筒状に形成されて、周面に径方向に突き出る突起が形成された係合筒部を有し、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部の他方は、前記係合筒部を収容可能であるとともに、前記突起が干渉しないで挿入可能な突起逃げ部を有し、かつ、前記突起逃げ部ではない部位の内周面であって前記突起と対面可能な位置に該突起と嵌合可能な係合凹部を形成した、係合受部を有する。
図1は本発明の一実施形態にかかる光コネクタを斜視図により示しており、図2は各部品の組付斜視図により示しており、図3は断面図により示している。図1および図2の紙面において、左下方を前方および前端側、右上方を後方および後端側、上方を上方、下方を下方、手前側を右面側、背面側を左面側と呼ぶことにする。
同図において、第1ハウジング部10は、筒状に形成され、フェルール部20を収容する。第1ハウジング部10は、第1ハウジング30と、第1固定部品40と、スプリング50と、第2固定部品60とを備えている。第2ハウジング部70は、第2ハウジング80と、融着保護スリーブ90と、外被固定部材100と、ブーツ110と、外被押さえ部材120とを備えている。また、第1ハウジング部10から第2ハウジング部70の先端を覆うツマミ130が備えられている。図2に示すように、各部品は、後述する光ファイバーを軸線とする方向に挿入して装着されている。以下、各部について説明する。
図4と図5は、第1ハウジング部10を異なる視点による斜視図により示している。図4は正面左上方から見下ろした斜視図により示しており、図5は正面右下から見上げる斜視図により示している。
フェルール部20は、円柱状の本体部21にて内蔵ファイバ22を貫通させて保持しており、本体部21の後端からは所定長の該内蔵ファイバ22が露出している。また、本体部21における前端側から所定長の位置には径方向に拡大する鍔状のフランジ部23が形成されている。
第1ハウジング30と第2ハウジング80の前端部分とが概ね断面矩形の角柱状に形成されているのに対応して、ツマミ130は、これらを収容可能なように、第1ハウジング30の先端から第2ハウジング80の前端部分を覆う角筒状に形成されている。これにより、第1ハウジング30の先端から第2ハウジング80の前端部分をツマミ130に挿入した状態では、第1ハウジング30と第2ハウジング80とは挿入時の角度を保持され、相対的に自由に回転することはできない。
第1ハウジング30と第2ハウジング80には、後述する係合筒部66と係合受部86とが形成されており、ツマミ130は両者が嵌合した状態で回転不能とするように外周を覆うように装着されることになる。
第1ハウジング30は概略角筒状に形成されている。第1ハウジング30は内部に仕切り壁31が形成されており、後方側からフェルール部20を挿入すると、フェルール部20の円柱状の本体部21は該仕切り壁31に形成された貫通穴31aを貫通するもののフランジ部23は該仕切り壁31に突き当たる。突き当たる位置がフランジ部23の最前端位置となり、このときにフェルール部20の前端が第1ハウジング30の前端から所定長さだけ突き出た位置となる。
フェルール部20の後方側から第2固定部材60と、スプリング50と、第1固定部材40とを装着する。
図10は、第1固定部品の斜視図であり、図11は、スプリングの斜視図であり、図12は、第2固定部品の斜視図である。
第1固定部材40は、筒状部41と、筒状部41の後方の蓋部42とから形成されており、第1ハウジング30の後端側の開口32に装着する。第1ハウジング30内に挿入される筒状部41の外側の周面には突起43が形成されており、一方、第1ハウジング30の後端側の周壁面には該突起43に対面する位置には開口33が形成されている。これにより、第1ハウジング30の後方から第1固定部材40を挿入していくと、筒状部41が第1ハウジング30内に進入していく。このとき、突起43の隆起分だけ第1ハウジング30の後端側の周壁は外側に押し広げられる。第1ハウジング30はこのように押し広げられるのに対応して、後端側周壁の上壁面と下壁面には、後端から前方に向けて所定長さに亘って切り欠き部34が形成されている。
第2固定部材60の本体部62は概ね円筒形状であるが、その周面を所定位置で切削した形状としている。まず、上下の周面部分を後端側から前方に向けて所定長さだけ鉛直方向に切り欠いた平面部63を形成してある。平面部63を形成した部分の断面は概略矩形状ともいえる。むろん、平面部63を形成していない部分は円筒形状となる曲面のままである。
第2固定部材60の本体部62の後端近辺では上下の平面部63に加えて左右の面を切削することで後端に突起64が残るように切削部65を形成してある。すなわち、突起64の手前側(前方側)を周面方向に沿って所定距離だけ平面状に切削している。突起64の外周面は本体部62の外周面とほぼ同じ径ではあるが、その手前側(前方側)に切削部65を形成してあるので、それとの比較で隆起しているといえる。第2固定部材60における後端側の突起64と切削部65を形成した部位が係合筒部66に相当する。少なくとも切削部65と突起64とが第1固定部材40を貫通して後方側へ突き出る程度に第2固定部材60は第1固定部材40を貫通しており、さらに平面部63に余裕があるので第2固定部材60は後方側へわずかに移動できる。この移動可能な長さがフェルール部20が弾性支持されて後方へ移動できる長さとなる。
第2ハウジング80は、前端側が概ね断面矩形形状となる概略角形筒状に形成され、後端側は断面円形形状となる概略円筒状に形成されている。第2ハウジング80はフェルール部20の内蔵ファイバ22と光ケーブルの外被を除去して露出された光ファイバとを接続するファイバ接続部を収容するため、筒状に形成されている。
係合受部86の内周面には、第1固定部材40の筒状部41と同様に平面部63に対面する直壁面81aと円筒の曲面に対面する円筒面81bとを形成してある。また、開口端から所定長さに亘って上壁面と下壁面を切り欠いて切り欠き部82が形成されている。
係合受部86の開口端からわずかな長さだけについては円筒となっており、その後ろ側(奥側)を直壁面81aと円筒面81bと呼んでいる。円筒となっている長さは係合筒部66における切削部65の長さよりもやや短い。第1ハウジング30を組み付けたときに第2固定部材60の本体部62における係合筒部66は固定部材40から突出する。係合筒部66の切削部65と突起64が第1固定部材40から突き出ており、この部位が係合受部86に挿入される。開口端の円筒状の部位から先には直壁面81aが形成されるが、前記切削部65の長さだけ奥側に位置するところに前記突起64に対面するように係合凹部83を形成してある。従って、突起64は係合凹部83の形成位置まで挿入されることになる。突起64が係合受部86に挿入されていくとき、円筒面となっている部位を通過していく。すなわち、開口の円筒部分と、それに続く円筒面81bである。この突起64が通過する部位に相当する円筒面81bの部位が突起逃げ部に相当する。
このように、第1ハウジング30と第2ハウジング80とを軸線方向を合わせて一方を他方に挿入し、一回転未満の角度で回転させて嵌合することができる。
このように、前記係合筒部66の突起64は、前記係合筒部66における周面で複数個形成され、前記係合受部86の円筒面81bと係合凹部83は、前記複数個の突起に対応して複数個形成されてもよい。
上述したように、ツマミ130は、第1ハウジング30と第2ハウジング80の前端部分とが概ね断面矩形の角柱状に形成されていることに対応しており、これらの部分を覆うように装着される。装着するのは第1ハウジング30に第2ハウジング80を挿入後、90度回転して嵌合させた後である。ツマミ130を装着することで第1ハウジング30に第2ハウジング80とが自由に回転できなくなるため、嵌合が解除されることを防止できる。また、第1ハウジング30に第1固定部材40を嵌合するとき、および、第2ハウジング80を第1ハウジング30に対して90度回転させるとき、突起43と突起64の隆起分だけ撓みやすいように切り欠き部34,82を形成してある。切り欠き部34,82を形成することで撓みやすくなって組付作業が容易になる反面、強い力がかかれば撓んで外れやすいともいえる。しかし、本実施例のようにツマミ130を装着することで外側から押さえ、切り欠き部34,82で押し広げられないようにすることで、強い力がかかっても撓んで押し広げられるということが不可能になり、引っ張り力に対する抗力をあげるように作用する。
言い換えると、前記係合筒部66である第2固定部材60は、前記第1ハウジング部10の内部から外部に突き出ており、所定範囲で移動可能に収容され、さらに、前記第1ハウジング部10の前記第1ハウジング30内部で前端に向けて弾性部材である前記スプリング50によって付勢されている。
図16は、融着保護スリーブの斜視図であり、図17は、外被固定部材の斜視図であり、図18は、ブーツの斜視図であり、図19は、外被押さえ部材の斜視図である。
外被固定部材100は、第2ハウジング80の後端部位を収容可能な概ね円筒状に形成され、前端側の内周面には、第2ハウジング80の後端部位の外周面に形成した雄ねじ84に螺合可能な雌ねじ101を形成してある。外被固定部材100の後端側の開口103は胴体部位102よりもやや小さな径としてある。これはブーツ110の先端側に形成した鍔部111よりも小径となるようにするためであり、これによりブーツ110を外被固定部材100の前端側の開口から挿入すると、ブーツ110の鍔部111が開口103の縁部に突き当たり、外被固定部材100とブーツ110とが一体化される。
光ケーブルCは、光ファイバ芯線を外被で覆って形成してある。その構造は、光ファイバC4を含む光ファイバ芯線C5の周囲を抗張力繊維C2と外被C1とで覆っている。
光ケーブルを後端から外被固定部材100とブーツ110とに挿通し、さらにカップ形状の外被押さえ部材120と第2ハウジング80を挿通させる。図20に示すように、光ケーブルCの先端側から所定長に亘って外被C1を切り裂く。これにより外被C1から抗張力繊維C2が露出し、さらに抗張力繊維C2をかき分けることで光ファイバ芯線C5が露出する。光ファイバ芯線C5については、光ファイバC4の周囲を保護部材C3で被覆しており、この保護部材C3を取り去って光ファイバC4を露出させる。光ファイバC4は融着保護スリーブ90を挿通させる。融着保護スリーブ90を通過した光ファイバC4の先端を所定の器具を用いてフェルール部20から突出する内蔵ファイバ22の後端に融着固定し、融着保護スリーブ90を前方に移動させてこの融着部位を保護する。
以上のようにして光ケーブルを第2ハウジング80の後端に固定した後、ツマミ130を含む第1ハウジング部10を図示しないアダプタ側に挿入し、該アダプタ側と第1ハウジング部10とが嵌合した状態で光ケーブルを引っ張る。従来の光コネクタの場合、第1ハウジング部10と第2ハウジング部70とは一体となって嵌合されており、光コネクタの側から引っ張れば、第1ハウジング部10とアダプタの嵌合部位で全荷重を支えることになる。あるいは、第1ハウジング部10と第2ハウジング部70との嵌合部位で全荷重を支えることになる。瞬間的にわずかな時間だけ引っ張り力がかかっても同様である。
上述した実施例は、光ファイバ芯線を外被と抗張力繊維で被覆した光ケーブルを接続している。しかし、光ケーブルは、このような外被や抗張力繊維を備えていない細径のものもある。
図21から図24はこのような細径の光ケーブルを接続する光コネクタを示している。
図21は、光コネクタの外観を斜視図により示しており、図22は、断面図により示している。
同図において、第1ハウジング部10は、筒状に形成され、フェルール部20を収容する。第1ハウジング部10は、第1ハウジング30と、第1固定部品40と、スプリング50と、第2固定部品60とを備えている。第2ハウジング部270は、第2ハウジング280と、融着保護スリーブ290と、ブーツ310とを備えている。また、第1ハウジング部10から第2ハウジング部70の先端を覆うツマミ130が備えられている。
本実施例と、先の実施例とを対比すると、第2ハウジング部270は、第2ハウジング部70に相当し、第2ハウジング280は、第2ハウジング80に相当し、融着保護スリーブ290は、融着保護スリーブ90に相当し、ブーツ310は、ブーツ110に相当する。
光ケーブルが、外被や抗張力繊維を備えていないので、外被固定部材100と、外被押さえ部材120に相当する部品はない。
図23は、第2ハウジングの斜視図である。
第2ハウジング280の先端側は、第2ハウジング80とほぼ同一である。後端側については、外被を抑え込んで支持する構成でないため、相違している。なお、本実施例において、直壁面281aは直壁面81aに相当し、円筒面281bは円筒面81bに相当し、切り欠き部282は切り欠き部82に相当し、係合凹部283は係合凹部83に相当する。
図24は、ブーツの斜視図である。
ブーツ310の前端は、第2ハウジング280の後端に挿入して嵌合固定する。
本実施例においても、係合筒部66と係合受部286とで嵌合し、第1ハウジング部10と第2ハウジング部270とが嵌合する。
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
Claims (7)
- 前端側にフェルール部を収容し、前記フェルール部に保持された内蔵ファイバと外被を除去して露出された光ファイバとを接続するファイバ接続部を有する光コネクタであって、
前記フェルール部を収容する第1ハウジング部と、
前記第1ハウジング部の後側に配置されて前記ファイバ接続部を収容する第2ハウジング部とを備え、
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを軸線方向を合わせて一方を他方に挿入し、一回転未満の角度で回転させて嵌合し、
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部の一方は、軸線方向に他方の側に突き出て前記内蔵ファイバを挿通させる筒状に形成されて、周面に径方向に突き出る突起が形成された係合筒部を有し、
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部の他方は、前記係合筒部を収容可能であるとともに、前記突起が干渉しないで挿入可能な突起逃げ部を有し、かつ、前記突起逃げ部ではない部位の内周面であって前記突起と対面可能な位置に該突起と嵌合可能な係合凹部を形成した、係合受部を有することを特徴とする光コネクタ。 - 前記係合筒部の突起は、前記係合筒部における周面で複数個形成され、前記係合受部の前記突起逃げ部と前記係合凹部は、前記複数個の突起に対応して複数個形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記係合受部の内周面は、前記係合筒部の突起を形成していない部位を収容できる小径部位と、前記係合筒部の突起の高さに対応した大径部位とが形成され、前記係合凹部は前記小径部位に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
- 前記係合筒部は、前記第1ハウジング部の内部から外部に突き出て、所定範囲で移動可能に収容され、前記第1ハウジング部の内部で前端に向けて弾性部材にて付勢して支持されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光コネクタ。
- 前記係合筒部と前記係合受部とが嵌合した状態で、回転不能とするように外周を覆うように装着されるツマミを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光コネクタ。
- 前記フェルール部は、前記第1ハウジング部内で所定範囲で移動可能に収容され、前記係合筒部は、その前端で当該フェルール部に突き当たって前端側に付勢していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光コネクタ。
- 前記第2ハウジング部の後端に装着され、前記外被を前記第2ハウジング部の後端に対して押さえ付ける外被押さえ部材と、
前記外被押さえ部材を収容するように前記第2ハウジング部の後端に装着される外被固定部材とを備え、
前記外被押さえ部材は、前記外被を前記第2ハウジング部の後端の筒状部に対して押さえつけ、前記外被固定部材は、前記外被押さえ部材を収容するように前記第2ハウジング部にねじ込んで固定され、内蔵された抗張力繊維を前記外被と共に前記第2ハウジング部の後端に固定することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光コネクタ。
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