JP7063216B2 - 錯覚呈示システム、および錯覚呈示方法 - Google Patents
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Description
[第1実施形態]
第1実施形態では、背景領域よりも明るく見える四角形の実物体である静止対象が動いているように感じさせる形態について説明する。
図1に例示するように、本実施形態の画像生成装置100は、輝度変動領域付与用画像及び重畳用映像を生成して出力するものである。
静止画生成部110は、四角形の静止対象領域10と、静止対象領域以外の画像領域20’と、を含む輝度変動領域付与用画像を生成して出力する。輝度変動領域付与用画像は、映像生成部120に対して出力されるとともに、画像生成装置100外にも出力されオブジェクト生成装置200に入力される。静止画生成部110は例えば以下のステップS1101とステップS1102を行う。
映像生成部120は、静止画生成部110から入力された輝度変動領域付与用画像内に、静止画生成部110から入力された静止対象領域10の輝度と背景領域20との輝度に基づく輝度範囲で輝度が時間変動する輝度変動領域を設けることで重畳用映像4を生成して出力する。映像生成部120は例えば以下のステップS1201とステップS1202を行う。
印刷部210には、画像生成装置100が出力した輝度変動領域付与用画像が入力される。印刷部210は、例えば紙、木、布、ガラス、合成樹脂、金属などの平面に、入力された輝度変動領域付与用画像を印刷した印刷物を得て出力する(ステップS210)。
図1に示すように、画像生成装置100が生成して出力した重畳用映像4は映像提示装置300に入力される。例えばCRTディスプレイやLCDディスプレイのように画面を備える映像提示装置300を用いる場合には、映像提示装置300は、入力された重畳用映像4を映像提示装置300が備える画面に表示する。また、例えばビデオプロジェクタを映像提示装置300として用いる場合には、映像提示装置300は、入力された重畳用映像4をスクリーンなどの投影面に対して投影することで、スクリーンなどの投影面に重畳用映像4を表示する。(ステップS300)
本実施形態では、画面または投影面70の側面から見た図である図3(a)と画面または投影面70の前面から見た図である図3(b)に示すように、映像提示装置300の画面または投影面70に、表示された重畳用映像4の静止対象領域10の輪郭線と対象物60の輪郭線とが略一致するように、対象物60を配置する(ステップS400)。このように配置した場合、視認される領域のうちの対象物60が配置された領域については、映像提示装置300が提示した重畳用映像4に含まれる静止対象領域10の輝度ではなく、対象物60の輝度、すなわち、対象物60に印刷された静止対象領域10の輝度が視認される。一方、対象物60が配置されていない領域については、映像提示装置300の画面または投影面70が視認されるため、映像提示装置300が提示した重畳用映像4に含まれる第1輝度変動領域30aの時間変動する輝度が視認される第1部分領域73aと、映像提示装置300が提示した重畳用映像4に含まれる第2輝度変動領域30bの時間変動する輝度が視認される第2部分領域73bと、重畳用映像4に含まれる背景領域20の輝度が視認される第3部分領域72と、により構成されることになる。これにより、対象物60に印刷された静止対象が動いているように感じさせることができる。なお、重畳用映像4に含まれる静止対象領域10の輝度は一定であり、重畳用映像4に含まれる第1輝度変動領域30aや第2輝度変動領域30bの輝度は時間変化するので、表示された重畳用映像4の静止対象領域10の輪郭線と対象物60の輪郭線とは容易に一致させることができる。
第2実施形態では、背景領域よりも暗く見える四角形の実物体である静止対象が動いているように感じさせる形態について説明する。第2実施形態の錯覚呈示システムの構成は、図1に例示した第1実施形態の錯覚呈示システムと同じである。第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、画像生成装置100の静止画生成部110が行うステップS1101と映像生成部120が行うステップS1202である。以下では、第2実施形態が第1実施形態と異なる点について説明する。
第3実施形態では、四角形の実物体である静止対象が動いているように感じさせる別の形態について説明する。第1実施形態および第2実施形態は、静止対象が印刷された実物体であり、輝度変動領域と背景領域が画面上または投影面上に表示される形態であったが、本実施形態は、静止対象および背景領域が印刷された実物体であり、輝度変動領域が画面上または投影面上に表示される形態である。図4に例示するように、第3実施形態の錯覚呈示システム400は、画像生成装置100とオブジェクト生成装置200と映像提示装置300を含む。画像生成装置100は、静止画生成部110と映像生成部120を備える。オブジェクト生成装置200は、少なくとも印刷部210を備え、加工部220を備えてもよい。以下、図5も参照して錯覚呈示システム400の動作と、錯覚呈示システム400を用いた錯覚の呈示方法について、第1実施形態および第2実施形態と異なる点を説明する。
図4に例示するように、本実施形態の画像生成装置100は、印刷用画像及び重畳用映像4を生成して出力するものである。
映像生成部120は、例えば、第1実施形態で説明したステップS1201と、以下で説明するステップS1202により、静止画生成部110から入力された輝度変動領域付与用画像内に、静止画生成部110から入力された静止対象領域10の輝度と背景領域20の輝度に基づく輝度範囲で輝度が時間変動する輝度変動領域を設けることで重畳用映像4を生成して出力する。
印刷部210には、画像生成装置100が出力した印刷用画像が入力される。印刷部210は、例えば紙、木、布、ガラス、合成樹脂、金属などの平面に、入力された印刷用画像を印刷した印刷物を得て出力する(ステップS210)。
本実施形態では、画面または投影面70に直交する断面から見た図である図6(a)と画面または投影面70の前面から見た図である図6(b)に示すように、映像提示装置300の画面または投影面70に、表示された重畳用映像4の静止対象領域10の輪郭線と対象物80の静止対象領域10が印刷された領域81(対象物の第1部分領域81)の輪郭線とが略一致するように、対象物80を配置する(ステップS400)。このように配置した場合、視認される領域のうちの対象物80が配置された領域でありかつ光が透過するように加工処理されていない領域については、映像提示装置300が提示した重畳用映像4に含まれる静止対象領域10の輝度ではなく、対象物80の輝度が視認される。すなわち、対象物の第1部分領域81については、対象物80に印刷された静止対象領域10の輝度が視認される。また、対象物80の背景領域20が印刷された領域(対象物の第2部分領域82)については、対象物80に印刷された背景領域20の輝度が視認される。一方、対象物80が配置されていない領域や対象物80が配置されているものの光が透過するように加工処理されている領域については、映像提示装置300の画面または投影面70が視認されるため、映像提示装置300が提示した重畳用映像4に含まれる第1輝度変動領域30aの時間変動する輝度が視認される第1部分領域73aと、第2輝度変動領域30bの時間変動する輝度が視認される第2部分領域73bと、により構成されることになる。これにより、対象物80に印刷された静止対象が動いているように感じさせることができる。なお、重畳用映像4に含まれる静止対象領域10の輝度は一定であり、重畳用映像4に含まれる第1輝度変動領域30aや第2輝度変動領域30bの輝度は時間変化するので、表示された重畳用映像4の静止対象領域10の輪郭線と対象物80の静止対象領域10が印刷された領域81の輪郭線とは容易に一致させることができる。
第4実施形態では、任意の形状の実物体である静止対象が動いているように感じさせる一形態について説明する。第4実施形態の錯覚呈示システムの構成は、上述した実施形態の何れかと同じ構成であり、図1または図4である。第4実施形態が上述した各実施形態と異なるのは、画像生成装置100の静止画生成部110が行うステップS1102-2と映像生成部120が行うステップS1201である。以下では、第4実施形態が第1実施形態から第3実施形態と異なる点について説明する。
第5実施形態では、任意の形状の静止対象が動いているように感じさせる映像を生成して提示する別の形態について説明する。第5実施形態の錯覚呈示システムの構成は、上述した実施形態の何れかと同じ構成であり、図1または図4である。第5実施形態が第4実施形態と異なるのは、映像生成部120が行うステップS1201である。以下では、第5実施形態が第4実施形態と異なる点について説明する。
第1実施形態から第4実施形態では輝度変動領域を静止対象領域の左側と右側にそれぞれ配置し、第5実施形態では輝度変動領域を静止対象領域の反時計回り側と時計回り側とにそれぞれ配置した。すなわち、第1実施形態から第5実施形態では2つの輝度変動領域が静止対象領域10に対して空間的に逆側に位置する形態を説明した。しかし、第1実施形態から第5実施形態において、第1輝度変動領域30aと第2輝度変動領域30bのうちの何れか一方の輝度変動領域のみを用い、他方の輝度変動領域を用いないようにしてもよい。この場合には、映像生成部120は、第1輝度変動領域30aと第2輝度変動領域30bのうちの何れか一方の輝度変動領域についてのみ、ステップS1201における輝度変動領域を設定する処理と、ステップS1202における輝度変動領域の輝度を時間的に変動させる処理と、を行うようにすればよいし、移動量や回転量を入力されるまたは記憶しておくようにすればよい。
第6実施形態では、任意の形状の静止対象が動いているように感じさせるさらに別の形態について説明する。第6実施形態の錯覚呈示システムの構成は、上述した実施形態および上述した実施形態の変形例の何れかと同じ構成であり、図1または図4である。第6実施形態は、第1実施形態から第5実施形態の変形例と同様に、1つの輝度変動領域を用いる形態である。第6実施形態が第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例と異なるのは、映像生成部120が行うステップS1201である。以下では、第6実施形態が第4実施形態の変形例および第5実施形態の変形例と異なる点について説明する。
第7実施形態では、任意の形状の静止対象が動いているように感じさせるさらに別形態について説明する。第7実施形態の錯覚呈示システムの構成は、上述した実施形態および変形例の何れかと同じ構成であり、図1または図4である。第7実施形態が上述した各実施形態および変形例と異なるのは、映像生成部120が行うステップS1202において設定する輝度変動領域の時間的に変動する輝度である。以下では、第7実施形態が上述した各実施形態および変形例と異なる点について説明する。
本発明は上述の実施形態およびその変形例に限定されるものではない。例えば、静止対象領域10の輝度は、一様であってもよいし一様でなくてもよい。すなわち、静止画生成部110がステップS1102-2で描画する図形は、平均輝度がステップS1101で設定した静止対象領域10の輝度であればよく、図形内の全画素の輝度が同じであってもよいし、例えば模様や絵柄を含むなどにより図形内の画素間で輝度の異なりがあってもよい。また、静止対象領域10の色は、一様であってもよいし一様でなくてもよい。
上記の画像生成装置は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。1個の画像生成装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。
第1,2,4,5実施形態、それらの変形例、第6,7実施形態の錯覚呈示システム400は、対象物60と、対象物60と略同一の輪郭を持つ静止対象領域10と、静止対象領域10の輪郭に沿った少なくとも1つの輝度変動領域30a,30b,30cと、静止対象領域10および輝度変動領域30a,30b,30c以外の背景領域20と、を含み、輝度変動領域30a,30b,30cの輝度が対象物60の輝度と背景領域20の輝度とに基づく輝度範囲で時間変動する重畳用映像4を提示する映像提示装置300と、を有する。対象物60と重畳用映像4とは、映像提示装置300が提示した重畳用映像4の静止対象領域の輪郭と対象物60の輪郭とが略一致するように呈示される。例えば、(1)対象物60の輝度は背景領域20よりも明るく、輝度変動領域30a,30b,30cの輝度の最大値が背景領域20の輝度以下である。または、(2)対象物60の輝度が背景領域20よりも暗く、輝度変動領域30a,30b,30cの輝度の最小値が背景領域20の輝度以上である。
300 映像提示装置
200 オブジェクト生成装置
400 錯覚呈示システム
Claims (7)
- 対象物と、
前記対象物と略同一の輪郭を持つ静止対象領域と、前記静止対象領域の輪郭に沿った少なくとも1つの輝度変動領域と、前記静止対象領域および前記輝度変動領域以外の背景領域と、を含み、前記輝度変動領域の輝度が前記対象物の輝度と前記背景領域の輝度とに基づく輝度範囲で時間変動する重畳用映像を提示する映像提示装置と、を有し、
前記対象物と前記重畳用映像とは、前記映像提示装置が提示した前記重畳用映像の前記静止対象領域の輪郭と前記対象物の輪郭とが略一致するように呈示される、錯覚呈示システム。 - 第1部分領域と、前記第1部分領域の輪郭に沿った光が透過する少なくとも1つの領域および前記第1部分領域以外の領域である第2部分領域と、を含む対象物と、
前記対象物と略同一の輪郭を持つ静止対象領域と、前記光が透過する領域と略同一の輪郭を持つ少なくとも1つの輝度変動領域と、前記静止対象領域および前記輝度変動領域以外の背景領域と、を含み、前記輝度変動領域の輝度が前記対象物の前記第1部分領域の輝度と前記対象物の前記第2部分領域の輝度とに基づく輝度範囲で時間変動する重畳用映像を提示する映像提示装置と、を有し、
前記対象物と前記重畳用映像は、前記映像提示装置が提示した前記重畳用映像の前記静止対象領域の輪郭と前記対象物の前記第1部分領域の輪郭とが略一致するように呈示される、錯覚呈示システム。 - 請求項1の錯覚呈示システムであって、
(1)前記対象物の輝度が前記背景領域よりも明るく、前記輝度変動領域の輝度の最大値が前記背景領域の輝度以下であるか、または、
(2)前記対象物の輝度が前記背景領域よりも暗く、前記輝度変動領域の輝度の最小値が前記背景領域の輝度以上である、錯覚呈示システム。 - 請求項2の錯覚呈示システムであって、
(1)前記第1部分領域の輝度が前記第2部分領域よりも明るく、前記輝度変動領域の輝度の最大値が前記第2部分領域の輝度以下であるか、または、
(2)前記第1部分領域の輝度が前記第2部分領域よりも暗く、前記輝度変動領域の輝度の最小値が前記第2部分領域の輝度以上である、錯覚呈示システム。 - 請求項1から4の何れかの錯覚呈示システムであって、
前記輝度変動領域は、前記静止対象領域の移動および/または拡大により得られる少なくとも1つの領域のうち、前記静止対象領域と重ならない部分である、錯覚呈示システム。 - 対象物と映像提示装置とを用いた錯覚呈示方法であって、
前記映像提示装置が、前記対象物と略同一の輪郭を持つ静止対象領域と、前記静止対象領域の輪郭に沿った少なくとも1つの輝度変動領域と、前記静止対象領域および前記輝度変動領域以外の背景領域と、を含み、前記輝度変動領域の輝度が前記対象物の輝度と前記背景領域の輝度とに基づく輝度範囲で時間変動する重畳用映像を提示するステップを有し、
前記対象物と前記重畳用映像とを、前記映像提示装置が提示した前記重畳用映像の前記静止対象領域の輪郭と前記対象物の輪郭とが略一致するように呈示する、錯覚呈示方法。 - 対象物と映像提示装置とを用いた錯覚呈示方法であって、
前記対象物は、第1部分領域と、前記第1部分領域の輪郭に沿った光が透過する少なくとも1つの領域および前記第1部分領域以外の領域である第2部分領域と、を含むものであり、
前記映像提示装置が、前記対象物と略同一の輪郭を持つ静止対象領域と、前記光が透過する領域と略同一の輪郭を持つ少なくとも1つの輝度変動領域と、前記静止対象領域および前記輝度変動領域以外の背景領域と、を含み、前記輝度変動領域の輝度が前記対象物の前記第1部分領域の輝度と前記対象物の前記第2部分領域の輝度とに基づく輝度範囲で時間変動する重畳用映像を提示するステップを有し、
前記対象物と前記重畳用映像を、前記映像提示装置が提示した前記重畳用映像の前記静止対象領域の輪郭と前記対象物の前記第1部分領域の輪郭とが略一致するように呈示する、錯覚呈示方法。
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