JP7063090B2 - 車両用解錠制御システム、車両用解錠制御装置、携帯機、車両用解錠制御方法 - Google Patents

車両用解錠制御システム、車両用解錠制御装置、携帯機、車両用解錠制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両のユーザーによって携帯される携帯機と、車両に搭載された車両用解錠制御装置とを用いて、車両の扉を解錠可能な状態に制御する技術に関する。
車両の所有者が車両に乗り込む際に、鍵を取り出すことなく車両の扉を解錠可能とする技術は広く利用されている。この技術では、車両が、ユーザーの携帯する小型の無線通信機器(以下、携帯機)と無線通信を行うことによって、携帯機を認証する。そして、認証によって携帯機が正規の携帯機であると判断された場合には、扉の取手に手を触れるなどの扉を解錠しようとする意思を検出して、車両の扉を解錠する。このため、車両のユーザーが、正規の携帯機を携帯して車両に近付いていくと自動的に扉が解錠されるので、車両の鍵を取り出すことなく車両に乗り込むことが可能となる。もちろん、車両と携帯機とは、互いの電波が届く範囲内でなければ無線通信することができないから、携帯機が車両から離れていれば、車両が携帯機を認証して扉が解錠されてしまうこともない。
もっとも今日では、車両の近くおよび携帯機の近くにそれぞれ電波中継器を設けて、車両および携帯機の間で電波を中継し、遠くにある携帯機を車両に認証させることによって車両の扉を不正に解錠する不正行為(いわゆるリレーアタック)が行われることがある。
そこで、リレーアタックを防止するために、車両あるいは携帯機が送信する電波の電波強度を所定のパターンで変化させて、電波強度の変化パターンが正しいパターンでなければ認証を成立させないようにした技術が提案されている(特許文献1)。
この提案の技術を用いれば、電波中継器で電波が中継されても、電波強度の変化まで中継されることはないので、リレーアタックを防止することが可能となる。
特開1008-255665号公報
しかし、近年では電波中継器の能力が向上した結果、電波を中継する際に電波強度の変化パターンも再現して中継することも可能となりつつあり、上述した提案の技術ではリレーアタックを十分に防止することができなくなっているという問題があった。
この発明は、従来技術が有する上述した課題に鑑みてなされたものであり、車両から携帯機が離れているにも拘わらず、電波中継器を用いて車両の扉が不正に解錠されてしまうことを防止可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために本発明の車両用解錠制御システム、車両用解錠制御装置、携帯機、および車両用解錠制御方法では、車両の使用者が車両から降車すると、その位置を基準とする相対位置と、車両に対する接近速度とを携帯機が取得しておく。そして、車両に搭載された車両用解錠制御装置からの認証要求に対しては、認証情報に加えて、接近速度も返信する。車両用解錠制御装置では、認証情報に基づいて携帯機が正規の携帯機であると認証されて、且つ、携帯機の接近速度が所定の速度条件を満足した場合に、車両の扉を解錠可能な状態に設定する。
リレーアタックされると、携帯機が正規の携帯機であると認証されてしまうが、接近速度は所定の速度条件を満足しないので、車両の扉が解錠可能な状態に設定されることはない。このため、リレーアタックによって不正に扉が解錠されてしまう事態を回避することが可能となる。
車両1に搭載された車両用解錠制御装置200が、ユーザーの携帯する携帯機100を認証することによって、車両1の扉を解錠可能な状態に設定する様子を例示した説明図である。 本実施例の携帯機100の内部構造を示した説明図である。 本実施例の車両用解錠制御装置200の内部構造を示した説明図である。 本実施例の携帯機100が実施する携帯機側認証処理のフローチャートである。 本実施例の携帯機100が歩行を検出する様子を示した説明図である。 本実施例の携帯機100が基準位置からの相対距離を検出する様子を示した説明図である。 本実施例の携帯機100が接近速度を検出する様子を示した説明図である。 本実施例の車両用解錠制御装置200が実施する車両側解錠制御処理の前半部分を示すフローチャートである。 本実施例の車両用解錠制御装置200が実施する車両側解錠制御処理の後半部分を示すフローチャートである。 本実施例の車両用解錠制御システム10では、リレーアタックされても扉が解錠されない理由を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
A-1.車両用解錠制御システム10 :
図1には、本実施例の車両用解錠制御システム10の概要が示されている。図示されるように、車両用解錠制御システム10は、車両1のユーザーによって携帯される携帯機100と、車両1に搭載された車両用解錠制御装置200とを備えている。また、車両1には、扉を解錠あるいは施錠することが可能な解錠装置2が、車両1の扉毎に搭載されている。
車両用解錠制御装置200には後述するアンテナが接続されており、車両1から所定距離Rの範囲内であれば電波を送受信することができる。このため、図1中で太い破線の矢印で示したように、携帯機100を携帯したユーザーが車両1から所定距離Rの範囲内に接近すると、車両用解錠制御装置200と携帯機100とが電波を送受信して、携帯機100が正規の携帯機であるか否かを認証することができる。その結果、認証が通って携帯機100が正規の携帯機であった場合は、車両1に搭載されている解錠装置2を解錠可能な状態に設定する。解錠装置2は、解錠可能な状態に設定された状態で、例えば扉の取手3に手が触れるなど、扉を解錠しようとする動作を検知すると、自動的に扉を解錠する。このため、車両1のユーザーは、正規の携帯機100を携帯していれば、携帯機100を取り出さなくても、自動的に扉が解錠されて、車両1に乗り込むことができる。
また、ユーザーが所定距離Rよりも遠くに居る場合は、車両用解錠制御装置200が携帯機100との間で電波を送受信することができず、携帯機100を認証することもできない。このため、ユーザーが車両1から遠くに居るにも拘わらず、車両用解錠制御装置200がユーザーの携帯機100を認証してしまい、解錠装置2を解錠可能な状態に設定してしまうことはない。
もっとも、ユーザーが車両1から遠くに居る場合でも、リレーアタックと呼ばれる不正な方法を用いれば、車両用解錠制御装置200にユーザーの携帯機100を認証させて、解錠装置2を解錠可能な状態に設定することが可能であり、対策が必要となっていた。ここで、リレーアタックとは、次のような方法である。
図1中の破線は、車両1を降りたユーザーが、車両1から立ち去る様子を表している。ユーザーは携帯機100を携帯しているが、車両1からは所定距離R以上、離れているので、携帯機100と車両用解錠制御装置200とが直接に電波を送受信することはない。
しかし、リレーアタックする場合は、例えば、窃盗犯Aが電波の中継器9を持ってユーザーの後を付いていき、窃盗犯Bは中継器9を持って車両1の近くで待機する。そして、車両1からの電波を窃盗犯Bの中継器9が拾って、窃盗犯Aの中継器9に転送し、窃盗犯Aの中継器9がユーザーの携帯機100に向かって送信する。また、ユーザーからの電波は窃盗犯Aの中継器9が拾って、窃盗犯Bの中継器9に転送し、窃盗犯Bの中継器9が車両1に向かって送信する。
こうすれば、ユーザーが車両1から離れた位置に居る場合でも、車両用解錠制御装置200に携帯機100を認証させて、解錠装置2を解錠可能な状態に設定することができてしまう。その結果、窃盗犯Bが車両1の取手3に手を触れれば、扉が不正に解錠されてしまう。
そこで、このようなリレーアタックに対策するために、本実施例の車両用解錠制御システム10では、次のような携帯機100および車両用解錠制御装置200が採用されている。
A-2.携帯機100 :
図2には、本実施例の携帯機100の大まかな内部構造が示されている。図示されるように、本実施例の携帯機100は、LF受信アンテナ101と、RF送信アンテナ102と、認証要求受信部103と、認証応答送信部104と、認証情報記憶部105と、施錠信号受信部106と、相対位置検出部107と、方位センサー108と、加速度センサー109と、相対距離算出部110と、接近速度算出部111などを備えている。
尚、これらの「部」は、本実施例の携帯機100が、リレーアタックされる虞を防止しながら、車両1の車両用解錠制御装置200による認証を受けるために備える機能に着目して、携帯機100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、携帯機100の内部が、これらの「部」に物理的に区分されているわけではない。これらの「部」は、今ピューテー上で動作するプログラムによってソフトウェア的に実現することもできるし、ICやLSIなどを含む電子回路によってハードウェア的に実現することもでき、更には、これらを組み合わせることによって実現することもできる。
LF受信アンテナ101は、LF波と呼ばれる波長の電波を受信することができる。また、車両1にはLF波による電波を送信するLF送信アンテナ200aが搭載されており、LF送信アンテナ200aは車両用解錠制御装置200に接続されている。このため、LF受信アンテナ101は、車両1が電波の届く範囲内であれば、LF送信アンテナ200aから送信された電波を受信することができる。
また、RF送信アンテナ102は、RF波と呼ばれる波長の電波を送信することができる。また、車両1にはRF波による電波を受信するRF受信アンテナ200bが搭載されており、RF受信アンテナ200bは車両用解錠制御装置200に接続されている。このため、RF送信アンテナ102は、車両1が電波の届く範囲内であれば、RF受信アンテナ200bを介して車両用解錠制御装置200に各種の情報を送信することができる。
認証要求受信部103は、LF受信アンテナ101に接続されており、携帯機100が正規の携帯機であるか否かの認証を要求する認証要求が車両1から送信されると、LF受信アンテナ101を介して、認証要求を受信する。尚、車両1からの認証要求は、1回の信号送信によって実現してもよいが、複数回の信号送信に分けて実現してもよい。そして、認証要求受信部103は、認証要求を受信すると、その旨を認証応答送信部104に出力する。
認証応答送信部104は、認証要求が有った旨を認証要求受信部103から受け取ると、その認証要求に対する認証応答を、RF送信アンテナ102から送信する。また、本実施例の認証応答送信部104が送信する認証応答には、認証情報と、接近速度と、相対距離とが含まれている。
ここで、認証情報とは、携帯機100に付与されている固有の識別情報であり、車両1側で携帯機100が正規の携帯機であるか否かを認証するために用いられる情報である。認証情報は、認証情報記憶部105に予め記憶されており、認証応答送信部104は認証応答を送信するに際して、認証情報記憶部105から認証情報を取得する。
また、接近速度とは、携帯機100が車両1に向かって接近する速度である。接近速度は、後述する接近速度算出部111によって算出されており、認証応答送信部104は認証応答を送信するに際して、接近速度算出部111から接近速度を取得する。
また、相対距離とは、携帯機100と車両1との間の距離である。相対距離は、後述する相対距離算出部110によって算出されており、認証応答送信部104は認証応答を送信するに際して、相対距離算出部110から相対距離を取得する。
施錠信号受信部106や、相対位置検出部107、方位センサー108、加速度センサー109は、接近速度および相対距離を算出するために用いられる。
先ず、施錠信号受信部106は、LF受信アンテナ101に接続されており、車両1からLF波で送信された施錠信号を、LF受信アンテナ101を介して受信する。ここで、施錠信号とは、車両1の扉が施錠されたときに、車両1の外部に向けてLF送信アンテナ200aから送信される信号である。施錠信号受信部106は施錠信号を受信すると、その旨を相対位置検出部107に出力する。
相対位置検出部107は、施錠信号を受信した旨を受け取ると、現在位置を基準位置として設定する。これは次のような処理である。先ず、施錠信号は、車両1の扉が施錠されたときに、車両1の外部に送信される。更に、車両1のLF送信アンテナ200aが電波を送信する強度は、車両1から1.5メートル程度の範囲に電波が届くような強度に設定されている。従って、施錠信号を受信したと云うことは、携帯機100を携帯したユーザーが、車両1から降りて扉を施錠したことを示していると考えられる。そこで、施錠信号を受信したら、その位置を、車両1に対する携帯機100の相対位置を検出するための基準位置として設定するのである。
また、相対位置検出部107は、方位センサー108の出力に基づいて携帯機100の向きを検出し、加速度センサー109の出力に基づいて携帯機100の移動距離を検出する。方位センサー108としては、例えば、地磁気の方向を3軸で検出する地磁気センサーを用いることができる。また、加速度センサー109は、例えば、振動式の加速度センサーを組み合わせて3軸方向の加速度を検出可能とした加速度センサーを用いることができる。方位センサー108の出力と、加速度センサー109の出力とを組み合わせれば、携帯機100が移動する方向と、移動する加速度とを知ることができ、これらの情報に基づいて、基準位置に対する携帯機100の相対位置を検出することができる。もっとも、本実施例の携帯機100では、加速度センサー109の出力に基づいてユーザーの歩数を検出し、歩数から移動距離を求めることによって、基準位置に対する携帯機100の相対位置を検出している。この点については、後ほど詳しく説明する。
相対距離算出部110は、携帯機100から基準位置までの距離を算出する。上述したように、相対位置検出部107では、基準位置に対する携帯機100の相対位置が得られているから、携帯機100から基準位置までの距離は容易に算出することができる。尚、この距離は、基準位置に対する携帯機100の相対位置に基づいて算出されたものであることから、本明細書中では「相対距離」と称することにする。
接近速度算出部111は、携帯機100が車両1に向かって接近する速度(すなわち、接近速度)を算出する。上述したように、相対距離算出部110では、携帯機100から基準位置までの相対距離が求められているから、接近速度は容易に算出することができる。尚、接近速度が正の値を取る場合は、携帯機100が車両1に接近していると考えられ、逆に、接近速度が負の値を取る場合は、携帯機100が車両1から遠ざかっていると考えることができる。
認証応答送信部104は、認証要求が有った旨を認証要求受信部103から受け取ると、認証情報記憶部105からは認証情報を取得し、相対距離算出部110からは相対距離を、接近速度算出部111からは接近速度を取得して、それらを含んだ認証応答を、RF送信アンテナ102から車両1に向かって返信する。車両1には、次のような車両用解錠制御装置200が搭載されている。
A-3.車両用解錠制御装置200 :
図3には、本実施例の車両用解錠制御装置200の大まかな内部構造が示されている。図示されるように、本実施例の車両用解錠制御装置200は、施錠信号送信部201と、認証要求送信部202と、認証応答受信部203と、認証実行部204と、速度条件判断部205と、距離条件判断部206と、解錠可能状態設定部207とを備えている。
尚、これらの「部」は、本実施例の車両用解錠制御装置200が、リレーアタックされる虞を防止しながら、携帯機100を認証するために備える機能に着目して、車両用解錠制御装置200の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、車両用解錠制御装置200の内部が、これらの「部」に物理的に区分されているわけではない。これらの「部」は、今ピューテー上で動作するプログラムによってソフトウェア的に実現することもできるし、ICやLSIなどを含む電子回路によってハードウェア的に実現することもでき、更には、これらを組み合わせることによって実現することもできる。
施錠信号送信部201は、車両1に搭載された解錠装置2(図1を参照)と、LF送信アンテナ200aとに接続されており、車両1の扉が解錠装置2によって施錠されたことを検出すると、LF送信アンテナ200aを用いて車両1の外部に向けて、施錠信号を送信する。前述したように、LF送信アンテナ200aは、LF波の電波を送信することができ、このときの電波の強度は、1.5メートル程度の範囲まで電波が届くような強度に設定されている。
また、認証要求送信部202は、車両1の外部に存在する携帯機100を認証するか否かを判断し、認証すると判断した場合は、LF送信アンテナ200aを用いて車両1の外部に向けて、認証要求を送信する。更に、認証要求を送信した旨を、認証応答受信部203に出力する。
認証応答受信部203は、認証要求を送信した旨を受け取ると、その認証要求に対して返信された認証応答を、RF受信アンテナ200bを介して受信する。前述したように、RF受信アンテナ200bは、車両1に搭載されており、車両1に向かってRF波で送信されてきた電波を受信することができる。
また、図2を用いて前述したように、認証応答には、認証情報や、接近速度や、相対距離が含まれている。そこで、認証応答受信部203は認証応答を受信すると、認証応答に含まれていた認証情報は認証実行部204に出力し、接近速度は速度条件判断部205に出力し、相対距離は距離条件判断部206に出力する。
認証実行部204は、認証応答に含まれていた認証情報を調べることによって、その認証応答を返信してきた携帯機100が正規の携帯機であるか否かを認証して、その結果を解錠可能状態設定部207に出力する。
速度条件判断部205は、認証応答に含まれていた接近速度が、所定の速度条件を満足するか否かを判断して、その結果を解錠可能状態設定部207に出力する。
更に、距離条件判断部206は、認証応答に含まれていた相対距離が、所定の距離条件を満足するか否かを判断して、その結果を解錠可能状態設定部207に出力する。
解錠可能状態設定部207は、携帯機100が正規の携帯機と認証され、更に、速度条件および距離条件の何れも満足していることを確認して、解錠装置2を解錠可能状態に設定する。解錠装置2が解錠可能状態に設定されると、例えば、車両1の扉の取手3に手を触れるなどすることで、自動的に扉を解錠させることが可能となる。これに対して、携帯機100が正規の携帯機と認証されても、速度条件または距離条件の少なくとも一方が満足されていない場合は、解錠装置2を解錠可能状態には設定しない。従って、この場合は、車両1の扉の取手3に手を触れるなどしても、扉が自動的に解錠されてしまうことは無い。
このようにすれば、正規の携帯機100を携帯したユーザーが車両1に近付いて、扉の取手3を引くなどすることで、自動的に扉が解錠されるようにすることができる。それでいながら、リレーアタックによって不正に扉が解錠されてしまう事態も防止することが可能となる。以下では、こうしたことが可能となる理由を説明するために、本実施例の携帯機100および車両用解錠制御装置200が内部で実行する処理に付いて説明する。
B.携帯機100および車両用解錠制御装置200の内部で実行される処理 :
B-1.携帯機側認証処理 :
図4には、本実施例の携帯機100が車両用解錠制御装置200の認証を受けるために実行する携帯機側認証処理のフローチャートが示されている。
図示されるように、携帯機100は携帯機側認証処理を開始すると、施錠信号を受信したか否かを判断する(S100)。前述したように、施錠信号とは、車両1の扉が施錠されたときに、車両1に搭載されたLF送信アンテナ200aから、車両1の外部に向けて送信される信号である。
施錠信号を受信していた場合は(S100:yes)、携帯機100を携帯したユーザーが車両1から降りて、扉を施錠したと考えられるので、携帯機100は現在の位置を、相対位置を検出するための基準位置に設定する(S101)。すなわち、図2を用いて前述したように、本実施例の携帯機100は方位センサー108や加速度センサー109を搭載しており、これらの出力に基づいて、ユーザーが車両1から降りた位置からの相対位置を検出する。そこで、施錠信号を受信していた場合は(S100:yes)、相対位置を検出するに先立って、それまでに検出していた相対位置を一旦、初期化することによって、現在位置を基準位置に設定し直すのである(S101)。
そして、基準位置を設定し直した後は、車両1からの認証要求を受信したか否かを判断する(S102)。これに対して、施錠信号を受信していない場合は(S100:no)、基準位置を設定し直すことなく、車両1からの認証要求を受信したか否かを判断する(S102)。尚、車両1の中には、1回の信号送信によって認証要求する車両1と、複数回の信号送信によって認証要求する車両1とが存在する。車両1が前者の場合は、1回の信号を受信できたか否かによって、S102の判断を行う。車両1が後者の場合は、複数回の信号を受信できたか否かによって、S102の判断を行う。
その結果、認証要求を受信していないと判断した場合は(S102:no)、歩行が検出されたか否かを判断する(S103)。歩行の有無は、加速度センサー109の出力を用いて検出することができる。
図5には、加速度センサー109によって得られた加速度の時系列データが例示されている。尚、加速度センサー109は3軸方向の加速度を検出することができる。検出される3軸の方向は、携帯されている携帯機100の姿勢によって変化するが、携帯機100には3軸の方位センサー108も搭載されているため、携帯機100の姿勢も検出することができる。本実施例の携帯機100は、加速度センサー109で得られた3軸方向の加速度と、方位センサー108で得られた携帯機100の姿勢とに基づいて、重力方向の加速度を算出する。図5に例示されている加速度は、このようにして得られた重力方向の加速度である。尚、重力方向の加速度に加えて、緯度方向および経度方向の加速度を算出しても良い。
図5に示されるように、加速度は一定の時間間隔で得られるが、所々で加速度が大きく変化しているところがある。図中では、加速度が大きく変化している部分を、太い実線で表している。このように加速度が大きく変化するのは、携帯機100を携帯したユーザーが歩いたためである。従って、加速度が一定値以上変化しているところを検出すれば、ユーザーが歩いたこと、および歩数を検出することができる。
図5に示した例では、基準位置で扉を施錠した後、図中で(1)と示したタイミングで一歩目を踏み出し、(2)と示したタイミングで二歩目を、(3)と示したタイミングで三歩目を、(4)および(5)と示したタイミングでそれぞれ四歩目および五歩目を踏み出していることが分かる。
尚、図5では、理解の便宜上、加速度センサー109の3軸方向の加速度から重力方向の加速度を算出し、重力方向の加速度の変化量に基づいて、歩行による一歩を検出するものとして説明した。しかし、ユーザーが歩行による一歩を踏み出すと、加速度センサー109の3軸方向の何れの加速度も変化する。従って、3軸方向の加速度の何れかが一定以上変化していた場合には、ユーザーが歩行によって一歩を踏み出したものと判断しても良い。
図4のS103では、このようにして加速度センサー109で得られた加速度の変化量と所定の閾値とを比較することによって、ユーザーの歩行による一歩が検出されたか否かを判断する。その結果、加速度の変化量が所定の閾値を超えていない場合は、ユーザーが歩行していないと判断できるので(S103:no)、処理の先頭に戻って、施錠信号を受信したか否かを判断した後(S100)、前述した続く一連の手順(S101、S102)を行う。
これに対して、加速度の変化量が所定の閾値を超えていた場合は、ユーザーの歩行による一歩が検出されたと考えられる(S103:yes)。そこで、今度は、ユーザーが携帯する携帯機100の移動方向を検出する(S104)。前述したように、方位センサー108および加速度センサー109の出力から、携帯機100の緯度方向および経度方向への加速度を求めることができる。従って、携帯機100の移動方向も検出することができる。
続いて、携帯機100の移動ベクトルを生成する(S105)。上述したS103で、ユーザーが一歩を踏み出したと判断されており(S103:yes)、更に、S104で移動した方向も求められている。従って、ユーザーの歩幅を予め設定しておけば、携帯機100の移動量および移動方向(すなわち、移動ベクトル)を求めることができる。
こうして、ユーザーが一歩を踏み出す度に(S103:yes)、移動ベクトルを求めておけば(S105)、基準位置に対する携帯機100の相対位置を算出することができる(S106)。
図6(a)には、移動ベクトルに基づいて、基準位置に対する携帯機100の相対位置を算出する様子が例示されている。図中に示した矢印は、ユーザーが一歩を踏み出す度に求めた移動ベクトルである。従って、基準位置から一歩目では、pa点に移動し、二歩目ではpb点に移動し、三歩目ではpc点に移動していると考えて良い。このように、ユーザーが一歩を踏み出す度に、基準位置に対する携帯機100の相対位置を算出することができる。図4のS106では、このようにして、基準位置に対する携帯機100の相対位置を算出する。
こうして基準位置に対する相対位置を求めたら、今度は、基準位置に対する携帯機100の相対距離を算出する(S107)。すなわち、図6(a)を用いて前述したように、基準位置に対する相対位置は既にS106で求められているので、基準位置に対する相対距離は容易に算出することができる。図6(b)には、基準位置から四歩目のpd点に対する相対距離、および基準位置から七歩目のpg点に対する相対距離が、それぞれdd、およびdgとして求められる様子が概念的に示されている。
尚、上述した方法では、携帯機100を携帯するユーザーが、予め設定した歩幅で歩くものと仮定している。このため、設定した歩幅と実際の歩幅とが異なっていた場合には、ユーザーが歩く度に、歩幅の差の分だけ誤差が蓄積していく。
そこで、携帯機100に、GPS衛星からの測位信号に基づいて現在位置を検出するGPS機能を搭載しておき、携帯機100に設定した歩幅を補正するようにしても良い。すなわち、GPS機能を用いても基準位置からの相対位置を検出しておき、基準位置から歩数が所定歩数に達したら、GPS機能を用いて検出した相対位置と、S106で得られた相対位置とを比較する。そして、両者の差が一定以上、大きかった場合は、設定されている歩幅に誤差があるものと判断して、所定量ずつ歩幅を修正しても良い。
このとき、GPS機能から得られた相対位置を、基準位置からの相対距離に変換して、S107で求めた相対距離と比較し、GPS機能から得られた相対距離の方が、S107で求めた相対距離よりも大きかった場合は、設定されている歩幅に所定量を加算し、逆に、S107で求めた相対距離よりも小さかった場合は、設定されている歩幅から所定量を減算するようにしても良い。
また、実際には歩いている途中でも、ユーザーの歩幅は広くなったり狭くなったりしているものと考えられる。そこで、歩行を検出するために利用した加速度の大きさに応じて、予め設定されている歩幅を補正しても良い。すなわち、大きな加速度(あるいは大きな加速度差)が検出されている場合は、広い歩幅で歩いているものと考えて、歩幅を大きめに補正し、逆に、小さな加速度(あるいは小さな加速度差)が検出されている場合は、狭い歩幅で歩いているものと考えて、歩幅を小さめに補正しても良い。
以上のようにして、基準位置に対する相対距離を求めたら、今度は、基準位置に対する携帯機100の接近速度を算出する(S108)。
図7(a)には、時間の経過と共に、基準位置に対する相対距離が変化する様子が示されている。図中に黒丸で示した基準位置から、ユーザーが一歩歩く度毎に、図中に白丸で示したように、相対距離が変化していく。図7(a)の横軸は時間であり、縦軸は距離であるから、互いに隣接する白丸と白丸(あるいは黒丸と白丸)とを結ぶ直線の傾きは、基準位置から遠ざかる相対速度となる。図7(b)には、このようにして図7(a)から得られた相対速度が示されている。そして、この相対速度の正負を逆転させれば、図7(c)に示すように、基準位置に対する接近速度を求めることができる。
こうして、基準位置に対する接近速度を求めたら(S108)、処理の先頭に戻って、再び、施錠信号を受信したか否かを判断した後(S100)、上述した続く一連の手続を実行する。
このような手順を繰り返しているうちに、車両1からの認証要求を受信したら(S102:yes)、予め記憶しておいた認証情報に加えて、その時点で得られている接近速度および相対距離を、認証要求に対する認証応答として返信する(S109)。そして、認証応答を返信した後は、再び処理の先頭に戻って、施錠信号を受信したか否かを判断した後(S100)、上述した続く一連の手続を実行する。
また、携帯機100が以上のような処理を実行することに合わせて、車両1の車両用解錠制御装置200では、以下のような処理が実行される。
B-2.車両側解錠制御処理 :
図8および図9には、本実施例の車両用解錠制御装置200で行われる車両側解錠制御処理のフローチャートが示されている。
に示されるように、車両側解錠制御処理では先ず初めに、車両1の扉が解錠状態か否かを判断する(S200)。図1を用いて前述したように、車両用解錠制御装置200は、車両1の扉を解錠あるいは施錠する解錠装置2に接続されている。このため、解錠装置2からの情報を取得することによって、扉が解錠状態か否かを判断することができる。
その結果、扉が解錠状態であった場合は(S200:yes)、解錠装置2が扉を施錠する動作を検出したか否かを判断する(S201)。すなわち、扉が解錠されている場合は、正規の携帯機100を携帯したユーザーが車両1を降りて、扉の取手3を触るなどして施錠しようとし、その結果として、解錠装置2が扉を施錠する可能性がある。そこで、扉が解錠状態であった場合は(S200:yes)、解錠装置2が扉を施錠する動作を検出したか否かを判断するのである(S201)。
そして、解錠装置2が扉を施錠する動作を検出していない場合は(S201:no)、処理の先頭に戻って、扉が依然として解錠状態か否かを確認し(S200)、解錠状態であった場合は(S200:yes)、解錠装置2による施錠動作を検出したか否かを判断する(S201)。
このような手順を繰り返しているうちに、解錠装置2の施錠動作を検出したら(S201:yes)、車両1のLF送信アンテナ200a(図2を参照)を介して、車両1の外部に向けて施錠信号を送信する(S202)。前述した図4のS100で、携帯機100が受信する施錠信号は、このようにして送信された信号である。
こうして施錠信号を送信したら、今度は、認証要求を送信するか否かを判断する(S203)。また、ユーザーが手動で扉を施錠した場合のように、解錠装置2の施錠動作は検出されないまま(S201:no)、扉が施錠されたと判断した場合は(S200:no)、施錠信号を送信することなく、認証要求を送信するか否かを判断する(S203)。尚、前述したように、認証要求は、認証を要求する信号を送信することによって実現することができるが、複数回に分けて信号を送信するようにしても良い。
認証要求を送信するか否かの判断は、周知の種々の条件に従って行う。例えば、正規の携帯機100を携帯したユーザーが車両1に乗車している場合は、認証要求の送信は不要と判断する。また、正規の携帯機100を携帯したユーザーが車両1に乗車していない場合でも、認証要求を送信してから所定時間が経過するまでは、認証要求の送信は不要と判断する。
そうして、認証要求を送信しないと判断した場合は(S203:no)、同じ判断を繰り返すことによって、認証要求を送信するまで待機状態となる。
これに対して、認証要求を送信すると判断した場合は(S203:yes)、車両1のLF送信アンテナ200aを用いて、車両1の外部に向けて認証要求を送信する(S204)。前述した図4のS102で、携帯機100が受信する認証要求は、このようにして送信されたものである。
認証要求を送信したら、認証要求に対する認証応答が受信できたか否かを判断する(S205)。すなわち、認証要求を送信しても、その要求を受信可能な範囲に携帯機100が存在しなければ、認証応答が返信されてくることはない。そこで、認証要求を送信してから所定時間が経過するまでの間に、認証要求に対する認証応答が受信できたか否かを判断する(S205)。
その結果、認証応答が受信できなかった場合は(S205:no)、LF送信アンテナ200aからの電波が届く範囲内には携帯機100が存在しないと考えられる。しかし、やがては、電波が届く範囲内に、携帯機100を携帯したユーザーがいつ何時、入って来るかは分からない。そこで、再び、認証要求を送信するか否かを判断した後(S203)、上述した続く一連の手順を実行する。
これに対して、認証応答を受信した場合は(S205:yes)、受信した認証応答に含まれる認証情報に基づいて、認証応答を返信してきた携帯機100が正規の携帯機100であるか否かを認証する(S206)。図4を用いて前述したように、認証要求を受け取った携帯機100は、予め記憶しておいた認証情報と、接近速度と、相対距離とを含んだ認証応答を返信する。更に、認証情報は、携帯機100に固有の情報である。従って、認証応答に含まれる認証情報を用いれば、その認証応答を返信してきた携帯機100が正規の携帯機100であるか否かを認証することができる。
認証の結果、正規の携帯機100ではなかった場合は(S207:no)、その携帯機100を携帯した人物が、たとえ扉の取手3を引いたとしても、扉を解錠する必要は無い。その一方で、正規の携帯機100を携帯したユーザーが車両1に近付いてくる可能性もある。そこで、認証した携帯機100が正規の携帯機100ではなかった場合でも(S207:no)、S203に戻って、再び、認証要求を送信するか否かを判断し、認証要求を送信すると判断したら(S203:yes)、続く上述した一連の手順(S204~S207)を実行する。
これに対して、認証した携帯機100が正規の携帯機100であった場合は(S207:yes)、本実施例では、先に受信していた認証応答の中から接近速度を取得して(図9のS208)、その接近速度が、所定の閾値速度よりも大きいか否かを判断する(S209)。ここで、図7(c)中に示したように、閾値速度は0よりも大きいが、小さな値に設定されている。従って、接近速度が閾値速度よりも小さくなるということは、携帯機100が車両1から遠ざかっている(すなわち、接近速度が負値となっている)か、あるいは車両1に近付いてはいるが、その速度が極めて小さい(すなわち、接近速度は正値であるが、絶対値が極めて小さい)の何れかと考えられる。これらの場合は、携帯機100を携帯しているユーザーが車両1に乗り込もうとしているとは考えにくい。
そこで、たとえ携帯機100が正規の携帯機100であった場合でも(図8のS207:yes)、接近速度が閾値速度よりも小さかった場合は(図9のS209:no)、車両1の解錠装置2を解錠可能状態に設定することなく、図8のS203に戻って、再び、認証要求を送信するか否かを判断する。
尚、本実施例では、閾値速度を0ではなく、正値に設定しているのは、接近速度を検出する際の誤差によって接近速度が正値となり、携帯機100が車両1に接近していると誤判断される事態を回避するためである。しかし、閾値速度を0に設定しても、実用上の問題が生じることは無い。従って、簡便には、閾値速度を0に設定しても良い。
これに対して、接近速度が閾値速度よりも大きかった場合は(S209:yes)、携帯機100が車両1に接近しており、携帯機100を携帯しているユーザーが車両1に乗り込もうとしている可能性が高い。そこで、この場合は、先に受信していた認証応答の中から、今度は、相対距離を取得して(S210)、その相対速度が、所定の閾値距離よりも小さいか否かを判断する(S211)。ここで、閾値距離は、車両1のLF送信アンテナ200aからの電波が届く所定距離R(図1参照)よりも大きな値(より好ましくは2倍以上、代表的には5倍の値)に設定されている。また、相対距離とは、携帯機100と車両1との間の距離である(図6(b)参照)。
そして、相対距離が閾値距離よりも大きかった場合は(S211:no)、車両1の解錠装置2を解錠可能状態に設定することなく、図8のS203に戻って、再び、認証要求を送信するか否かを判断する。すなわち、携帯機100が正規の携帯機100と判断され(図8のS207:yes)、携帯機100が車両1に接近していても(図9のS209:yes)、携帯機100が車両1からあまりに遠くにある場合は、その携帯機100を認証できたこと自体が不自然と考えられる。そこで、この場合は、解錠装置2を解錠可能状態に設定することなく、再び、認証要求を送信するか否かを判断する。
尚、閾値距離を、LF送信アンテナ200aからの電波が届く所定距離Rよりも大きな値(代表的には、所定距離Rの5倍の値)に設定しているのは、携帯機100の相対距離に誤差が含まれていることを考慮したためである。すなわち、図4を用いて前述したように、携帯機100の相対距離は、携帯機100を携帯したユーザーが、予め設定した歩幅で歩くものと仮定して算出されているため、誤差が含まれている。このため、実際には、LF送信アンテナ200aからの電波が届く距離に携帯機100が居るにも拘わらず、携帯機100の相対距離が大きな値となってしまう可能性がある。そして、このような場合に、携帯機100の相対距離が閾値距離よりも大きいと判断されてしまい(S211:no)、扉の取手3を引いても扉が解錠されない事態が生じると問題となる。そこで、本実施例の閾値距離は、LF送信アンテナ200aからの電波が届く所定距離Rよりも大きな値に設定されている。
これに対して、相対距離が閾値距離よりも小さかった場合は(S211:yes)、車両1の解錠装置2を解錠可能状態に設定する(S212)。この結果、解錠装置2は、車両1の扉の取手3が引かれたことを検知すると、自動的に扉を解錠こととなって、ユーザーは手動で扉を解錠することなく、車両1に乗り込むことが可能となる。
また、解錠装置2を解錠可能状態に設定した後は(S212)、処理の先頭に戻って、車両1の扉が解錠状態か否かを判断し(図8のS200)、続く上述した一連の手順を繰り返す。
以上に説明した本実施例の携帯機100および車両用解錠制御装置200を用いれば、たとえリレーアタックされた場合でも、車両1の扉が不正に解錠されてしまう事態を回避することができる。
図10には、車両1から降りたユーザーの後を、中継器9を持った窃盗犯Aが付いていくことによってリレーアタックをしている様子が表されている。図示されるように、車両1の近くにも中継器9を持った窃盗犯Bが待機している。このため、車両1から降りたユーザーが、車両1からの電波が届く所定距離Rよりも遠くに居るにも拘わらず、中継器9を介して、車両1の車両用解錠制御装置200と携帯機100とで電波が送受信できてしまう。
しかし、本実施例の携帯機100は、車両用解錠制御装置200からの認証要求を受け取ると、認証情報に加えて、車両1に対する接近速度も返信する。そして、車両1側の車両用解錠制御装置200では、携帯機100が車両1に接近していない場合は、たとえ携帯機100が正規の携帯機100であると認証されても、解錠装置2を解錠可能な状態に設定しない。このため、図10に例示するような状況でも、リレーアタックによって扉が解錠されてしまうことを回避することが可能となる。
また、車両1から降りたユーザーは、暫くの間は車両1から遠ざかる方向に歩いて行くものと考えられるが、目的地に達するまでの経路には、車両1に近付く方向となる部分も存在する可能性がある。
しかし、本実施例の携帯機100は、車両用解錠制御装置200からの認証要求を受け取ると、認証情報に加えて、車両1に対する相対距離も返信する。そして、車両1側の車両用解錠制御装置200では、携帯機100が車両1からあまりに遠くに存在する場合は、たとえ携帯機100が正規の携帯機100と認証されても、解錠装置2を解錠可能な状態に設定しない。このため、図10に例示するような状況で、携帯機100を携帯したユーザーが目的地に着くまで、窃盗犯Aがユーザーの後を付いていったとしても、リレーアタックによって扉が解錠されてしまうことを回避することが可能となる。
以上、各種の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 2…解錠装置、 3…取手、 9…中継器、
10…車両用解錠制御システム、 100…携帯機、
103…認証要求受信部、 104…認証応答送信部、
105…認証情報記憶部、 106…施錠信号受信部、
107…相対位置検出部、 108…方位センサー、 109…加速度センサー、
110…相対距離算出部、 111…接近速度算出部、
200…車両用解錠制御装置、 201…施錠信号送信部、
202…認証要求送信部、 203…認証応答受信部、
204…認証実行部、 205…速度条件判断部、
206…距離条件判断部、 207…解錠可能状態設定部。

Claims (8)

  1. 車両(1)の使用者によって携帯される携帯機(100)と、前記車両に搭載されて前記携帯機が前記車両の正規の携帯機であるか否かを認証することによって、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する車両用解錠制御装置(200)とを備える車両用解錠制御システム(10)であって、
    前記携帯機は、
    前記認証のための認証情報を記憶している認証情報記憶部(105)と、
    前記使用者が前記車両から降車した位置を基準位置として、該基準位置に対する前記携帯機の相対位置を検出する相対位置検出部(107)と、
    前記相対位置に基づいて、前記車両に対する前記携帯機の接近速度を算出する接近速度算出部(111)と、
    前記車両用解錠制御装置からの前記認証の要求を、無線によって受信する認証要求受信部(103)と、
    前記認証の要求に対する応答として、前記認証情報と前記接近速度とを、無線で送信する認証応答送信部(104)と
    を備えており、
    前記車両用解錠制御装置は、
    前記携帯機に対する前記認証の要求を、無線によって送信する認証要求送信部(202)と、
    前記認証の要求に対して前記携帯機から送信されてきた前記認証情報と前記接近速度とを、無線によって受信する認証応答受信部(203)と、
    前記認証情報に基づいて、該認証情報を送信した前記携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証する認証実行部(204)と、
    前記接近速度が所定の速度条件を満たすか否かを判断する速度条件判断部(205)と、
    前記携帯機が正規の携帯機であり、且つ、前記接近速度が前記速度条件を満たしていた場合に、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する解錠可能状態設定部(207)と
    を備えている
    ことを特徴とする車両用解錠制御システム。
  2. 請求項1に記載の車両用解錠制御システムであって、
    前記車両用解錠制御装置は、
    前記車両の扉が施錠されると、該施錠を示す施錠信号を前記携帯機に送信する施錠信号送信部(210)を備えており、
    前記携帯機は、
    前記施錠信号を受信する施錠信号受信部(106)を備えると共に、
    前記相対位置検出部は、前記施錠信号を受け取った位置を前記基準位置として、前記相対位置を検出する
    ことを特徴とする車両用解錠制御システム。
  3. 車両(1)の使用者によって携帯され、前記車両との間で無線によって通信可能な携帯機(100)であって、
    前記車両の正規の携帯機であるか否かを認証するための認証情報を記憶している認証情報記憶部(105)と、
    前記使用者が前記車両から降車した位置を基準位置として、該基準位置に対する前記携帯機の相対位置を検出する相対位置検出部(107)と、
    前記相対位置に基づいて、前記車両に対する前記携帯機の接近速度を算出する接近速度算出部(111)と、
    前記車両からの前記認証の要求を、前記無線によって受信する認証要求受信部(103)と、
    前記認証の要求に対する応答として、前記認証情報と前記接近速度とを、無線で送信する認証応答送信部(104)と
    を備えることを特徴とする携帯機。
  4. 請求項3に記載の携帯機であって、
    前記相対位置に基づいて、前記車両に対する前記携帯機の相対距離を算出する相対距離算出部(110)を備え、
    前記接近速度算出部は、前記相対距離に基づいて前記接近速度を算出しており、
    前記認証応答送信部は、前記認証の要求に対する応答として、前記相対距離も送信する
    ことを特徴とする携帯機。
  5. 車両(1)の使用者によって携帯される携帯機(100)と無線で通信し、前記携帯機が前記車両の正規の携帯機であるか否かを認証することによって、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する車両用解錠制御装置(200)であって、
    前記携帯機に対する前記認証の要求を、無線によって送信する認証要求送信部(202)と、
    前記認証の要求に対して前記携帯機から送信されてきた認証情報と前記携帯機の接近速度とを、無線によって受信する認証応答受信部(203)と、
    前記認証情報に基づいて、該認証情報を送信した前記携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証する認証実行部(204)と、
    前記接近速度が所定の速度条件を満たすか否かを判断する速度条件判断部(205)と、
    前記携帯機が正規の携帯機であり、且つ、前記接近速度が前記速度条件を満たしていた場合に、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する解錠可能状態設定部(207)と
    を備えることを特徴とする車両用解錠制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両用解錠制御装置であって、
    前記認証応答受信部は、前記認証情報および前記接近速度に加えて、前記携帯機に対する相対距離も受信しており、
    前記解錠可能状態設定部は、前記携帯機が正規の携帯機であり、且つ、前記接近速度が前記速度条件を満たしており、更に、前記相対距離が所定の閾値距離よりも小さかった場合に、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する
    ことを特徴とする車両用解錠制御装置。
  7. 請求項6に記載の車両用解錠制御装置であって、
    前記閾値距離は、前記車両から送信する電波が届く距離よりも大きな距離に設定されている
    ことを特徴とする車両用解錠制御装置。
  8. 車両(1)の使用者によって携帯される携帯機(100)と無線で通信し、前記携帯機が前記車両の正規の携帯機であるか否かを認証することによって、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する処理を、前記車両に搭載した制御装置を用いて実現する車両用解錠制御方法であって、
    前記携帯機に対する前記認証の要求を、無線によって送信する工程(S204)と、
    前記認証の要求に対して前記携帯機から送信されてきた認証情報と前記携帯機の接近速度とを、無線によって受信する工程(S205)と、
    前記認証情報に基づいて、該認証情報を送信した前記携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証する工程(S206)と、
    前記接近速度が所定の速度条件を満たすか否かを判断する工程(S209)と、
    前記携帯機が正規の携帯機であり、且つ、前記接近速度が前記速度条件を満たしていた場合に、前記車両の扉を解錠可能な状態に設定する工程(S212)と
    を備えることを特徴とする車両用解錠制御方法。
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