JP7062577B2 - 製造条件特定システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理等の技術に関し、製造フローの製造条件(manufacturing condition)の制御や特定に係わる技術に関する。
製造業における製造システムは、製造フローの製造条件の設定や制御に応じて、製造される製品の品質が変わり得る。そのため、製造される製品の品質を維持または向上できるように、好適な製造条件を特定するための情報処理システム等(製造条件特定システムと記載する場合がある)が開発されている。
製造条件の特定に係わる先行技術例として、特開2013-84057号公報(特許文献1)、特開2011-39763号公報(特許文献2)、特開2013-205890号公報(特許文献3)が挙げられる。特許文献1には、製品品質の管理方法等において、過去の製造条件から確率モデルを構築し、目標値と一致する製造条件を算出する旨が記載されている。特許文献2には、出力値予測方法等において、過去実績データから複数の予測値を出力する旨が記載されている。特許文献3には、機械学習システム等において、モデル使用時に入力する個数が所定数よりも多い場合に、ノンパラメトリック表現されたクラス集合を生成する旨、言い換えると次元数を減らす旨が記載されている。
特開2013-84057号公報 特開2011-39763号公報 特開2013-205890号公報
製造業の現場では、日々、製造状態が変化している。製造状態の変化とは、例えば、製造工程の製造装置の状態の変化である。例えば、製造フロー上の操業を続けることで、製造工程上、電流、電圧、温度、圧力等のパラメータの状態が変化する場合がある。また、例えば、製造装置の保守作業がされた場合に、製造装置の状態が変化する場合がある。
製品品質を維持または向上するためには、製造状態の変化に対応して好適な製造条件を特定し、その製造条件を製造フローに設定して操業することが有効である。なお、製品品質は、所定の評価指標値であり、例えば品質検査工程の検査結果の値、例えば収率(yield)として得られる。
従来技術例の製造条件特定システムとして、計算機上で学習モデルを用いて製造条件を予測するシステムが挙げられる。このシステムは、製造フローの製造条件および品質を含む実績のデータを用いてモデルを構築し、所定の学習モデルでの学習に基づいて、好適な製造条件を予測する。
しかしながら、従来技術例の製造条件特定システムは、製造状態の変化に対応して好適な製造条件を特定することに関して、改善余地がある。例えば、製造状態の変化の直後では、操業の実績から得られるデータ数が少なく、すなわち、学習モデルで学習を進めるためのデータ数が少ない。そのため、モデルの予測精度を高めることが難しい。モデルの予測精度を高めるためには、ある程度以上のデータ数をモデルに入力して学習を進める必要があるが、それには時間を要する。製造状態変化直後、モデルの予測精度が低い場合には、好適な製造条件を特定できない。その結果、製品品質を維持または向上することができない。
本発明の目的は、製造条件特定システムに関して、製造状態の変化がある場合にも、好適な製造条件を特定でき、製品品質を維持または向上できる技術を提供することである。上記以外の課題、構成および効果等については、発明を実施するための形態において説明される。
本発明のうち代表的な実施の形態は、以下に示す構成を有する。一実施の形態の製造条件特定システムは、製造フローの各製造工程の製造条件を特定する計算機を含む製造条件特定システムであって、前記計算機は、前記製造フローからの現時点を含む複数の時点の製造条件データおよび品質データを用いて、前記製造条件および品質に関するモデルを構築し、前記モデルの構築の際に、前記製造フローの製造工程の製造状態の変化を含む場合には、複数のモデルとして前記製造状態の変化毎に各モデルを構築し、前記モデルおよび品質目標値を用いて、第1学習モデルでの学習に基づいて、前記各モデルで、次時点の製造条件データの予測値を第1データとして計算し、前記モデルならびに現時点の製造条件データおよび品質データを用いて、次時点の品質データを予測し、前記次時点の品質データと前記現時点の品質データとの品質誤差を計算し、前記第1データおよび前記品質誤差を用いて、学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データを特定し、前記特定した次時点の製造条件データを含む情報を記憶および出力する。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、製造条件特定システムに関して、製造状態の変化がある場合にも、好適な製造条件を特定でき、製品品質を維持または向上できる。
本発明の実施の形態の製造条件特定システムの計算機の構成を示す図である。 実施の形態で、製造フローおよびモデルの構成例を示す図である。 実施の形態の製造条件特定システムにおける、製造条件特定処理の処理フローを示す図である。 実施の形態の製造条件特定システムにおける、機能ブロックやデータの構成例を示す図である。 実施の形態の製造条件特定システムにおける、部分空間変換処理の処理フローを示す図である。 実施の形態で、モデル構築の画面例を示す図である。 実施の形態で、製造条件データおよび部分空間データの画面例を示す図である。 実施の形態で、品質データの画面例を示す図である。 実施の形態で、特定した製造条件データの画面例を示す図である。 実施の形態で、モデル構築設定の画面例を示す図である。 実施の形態で、ステップS11の処理例を示す図である。 実施の形態で、ステップS13の処理例、およびステップS14の処理例を示す図である。 実施の形態で、ステップS14の処理例を示す図である。 実施の形態で、製造条件データの構成例を示す図である。 実施の形態で、品質データの構成例を示す図である。 実施の形態で、因果関係モデルデータの構成例を示す図である。 実施の形態で、第1学習モデルデータの構成例を示す図である。 実施の形態で、部分空間データの構成例を示す図である。 実施の形態で、第3学習モデルデータの構成例を示す図である。 実施の形態で、製造状態変化有無に応じた製造条件データからのモデル構築の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態)
図1~図20を用いて、本発明の実施の形態の製造条件特定システムについて説明する。実施の形態の製造条件特定システムは、計算機上で、モデルおよび学習を用いて、対象の製造フローの製造状態の変化に対応した好適な製造条件を特定するシステムである。実施の形態の製造条件特定方法は、実施の形態の製造条件特定システムにおいて実行されるステップを有する方法である。
実施の形態の製造条件特定システムは、操業の実績に基づいた、製造フローの製造状態変化を含み得る、現時点を含む複数の時点の製造条件データおよび品質データを用いて、製造条件および品質に関する1つ以上のモデルを構築する。このシステムは、現時点までの製造条件データおよびモデルを用いて、学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データの予測値を計算する。また、このシステムは、現時点までの品質データおよびモデルを用いて、次時点の品質の予測値を計算し、現時点の品質との品質誤差を計算する。このシステムは、それらのデータを用いて、学習モデルでの学習に基づいて、次時点の好適な製造条件データを特定する。これにより、製造状態変化後における次時点の好適な製造条件データが得られる。このシステムは、特定した製造条件データ等の情報を記憶および出力する。この製造条件データが製造フローに反映、すなわち設定等され、操業が行われる。これにより、製造状態変化後の製品品質を維持または向上できる。
また、実施の形態の製造条件特定システムは、モデルを用いて得た製造条件データを、次元数を低減するように、部分空間へ変換する。この変換は、モデルの情報量を削減せずに、データの次元数を低減して、その後の学習を可能とする変換である。このシステムは、変換後に得られた部分空間データを用いて、学習モデルに基づいて、好適な製造条件を特定する。その特定処理の際には、入力として少ない次元数のデータを扱えばよく、効率的に処理が可能である。
[製造条件特定システム]
図1は、実施の形態の製造条件特定システムの構成を示す。実施の形態の製造条件システムは、計算機1によって実装されている。計算機1は、一般的なPC等で構成できる。計算機1は、他に、通信網上のサーバ装置等で構成されてもよい。計算機1は、ソフトウェアプログラム処理によって特徴的な機能を実現する。ユーザは、計算機1を操作して、製造条件特定等の作業を行う。ユーザは、例えば、製造システムや機械学習に関する専門知識を持つシステムエンジニア(SE)等の人である。
計算機1は、入出力部11、通信部12、表示部20、制御部30、記憶部40等を有し、それらが図示しないバス等で接続されている。入出力部11には、図示しない入力装置(例えばキーボードやマウス)、表示装置(例えば液晶ディスプレイ、タッチパネル)や他の出力装置(例えばプリンタ)が接続されており、ユーザの操作を受け付ける。通信部12は、計算機1の外部のLAN等の通信網に対する通信インタフェース装置を含む部分であり、外部のサーバ装置や製造システムの装置との通信処理を行う。通信部12は、制御部30からの制御に従って、外部の装置から、製造条件データ等のデータや情報を取得する。
表示部20は、製造条件特定システムに係わる画面(対応する画面データ等)を構成し、表示装置の表示画面に表示させる。後述の各種の画面には、製造条件、品質、モデル等の各種の情報が表示される。画面は、製造条件特定システムのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)として機能する。画面には、ウィンドウやスクロールバーやリストボックスやボタン等のGUI部品が表示され、それらを通じてユーザ操作が可能である。
ユーザまたは計算機1は、対象の製造システムの製造フロー(後述の図2)の各製造工程から、製造条件データや品質データ等の必要なデータを取得する。この必要なデータの取得の仕方は、任意であり、特に限定されない。実施の形態では、特に、計算機1は、LAN等の通信網を通じて、対象の製造システムに接続される。そして、計算機1は、製造システムの製造装置やセンサ、または制御装置等から、通信を介して、製造条件データや品質データ、製造フロー構成情報等を取得する。これにより、計算機1は、製造フローの状態や操業の実績をモニタすることができる。計算機1は、例えば製造装置やセンサから出力されるファイルや信号を、データとして利用可能である。
ユーザは、計算機1に必要なデータを入力し、計算機1による計算を実行させる。計算機1は、入力されたデータを用いて構築したモデルを用いた計算によって、対象の製造フローの好適な製造条件を特定する。ユーザは、計算機1によって得た好適な製造条件を、画面で確認し、対象の製造システムの製造フローに反映する。すなわち、製造フローの各製造工程の製造装置には、製造条件に対応した制御用のパラメータ値等が設定される。なお、計算機1から、通信を介して、製造フローの各製造工程の製造装置に、製造条件等を送信して設定できる形態としてもよい。
制御部30は、言い換えるとプロセッサであり、例えばCPU、RAM、ROM等の公知の要素により構成される。制御部30は、プログラム処理に基づいて実現される主な処理部として以下を有する。すなわち、制御部30は、モデル構築部31、モデル製造条件特定部32、品質特定部33、製造条件判別部34、部分空間特定部35、製造条件特定部36を有する。制御部30は、記憶部40に、製造条件特定に係わる各種のデータを格納し、情報を管理する。
記憶部40は、製造条件特定に係わる各種のデータや情報を記憶する。記憶部40は、不揮発性メモリやストレージ装置等で構成でき、外部のDBサーバ等で構成されてもよい。記憶部40は、製造条件データ記憶部41、品質データ記憶部42、モデル記憶部43、第1学習モデル記憶部44、第2学習モデル記憶部45、部分空間記憶部46、第3学習モデル記憶部47を含む。製造条件データ記憶部41には、製造フローから取得した製造条件データや、計算機1で特定した製造条件データが記憶される。品質データ記憶部42には、製造フローから取得した品質データ等が記憶される。モデル記憶部43には、計算機1が構築した、製造条件および品質に関するモデルのデータが記憶される。第1学習モデル記憶部44には、後述の第1学習モデルのデータが記憶される。第2学習モデル記憶部45には、後述の第2学習モデルのデータが記憶される。部分空間記憶部46には、後述の部分空間データが記憶される。第3学習モデル記憶部47には、後述の第3学習モデルのデータが記憶される。
表示部20は、制御部30の処理に基づいて、表示装置の画面に各種のデータや情報を表示する処理を行う部分である。表示部20は、モデル表示部21、製造条件表示部22、部分空間表示部23、品質表示部24、製造条件特定表示部25を含む。モデル表示部21は、画面(後述の図6)に、構築されたモデルをグラフィカルに表示する。製造条件表示部22は、画面(後述の図7)に、製造条件データを表示する。部分空間表示部23は、画面(後述の図7)に、部分空間データを表示する。品質表示部24は、画面(後述の図8)に、品質として製品収率のグラフを表示する。製造条件特定表示部25は、画面(後述の図9)に、計算機1が特定した好適な製造条件データを表示する。
モデル構築部31は、製造条件記憶部41の製造条件データと、品質データ記憶部42の品質データとを用いて、1つ以上のモデル(後述の図4のモデル50)を構築する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS2)。なお、モデルの構築とは、既に構築されたモデルの更新を含む。
モデル製造条件特定部32は、モデル構築部31で得たモデルと、品質目標値とを用いて、所定の学習モデル(第1学習モデルとする)での学習に基づいて、次時刻の製造条件の予測値を特定する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS4)。
製造条件判別部34は、上記モデルを用いずに、実際の製造から得られた直近の現時点の製造条件データを用いて、所定の学習モデル(第2学習モデルとする)での学習に基づいて、次時刻の製造条件の予測値を判別する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS6)。
品質特定部34は、モデル構築部31で得たモデルと、現時刻の製造条件データとを用いて、次時刻の品質を予測し、その次時点の品質と現時点の品質との誤差である品質誤差を計算する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS5)。
部分空間特定部35は、モデル製造条件特定部32から得た次時刻の製造条件データ(第1データとする)と、製造条件判別部34から得た次時刻の製造条件データ(第2データとする)と、品質特定部33から得た品質誤差とを含む各データを入力データとする。部分空間特定部35は、入力データの製造条件データを、元の空間とは異なる空間である部分区間へ変換する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS7)。この処理である部分空間変換処理は、言い換えると、入力データを、次元数を低減した低次元空間へ射影する処理である。この部分空間変換処理は、入力の製造条件データの次元数を、製造条件特定部36の製造条件特定処理の入力形式に合わせるように低減する。この部分空間変換処理は、入力の次元数を、下記の第3学習モデルの入力の次元数に合わせるように低減する。この部分空間変換処理の結果、部分空間データである部分空間製造条件データが得られる。
製造条件特定部36は、部分空間特定部35から得た部分空間製造条件データを入力として、所定の学習モデル(第3学習モデルとする)での学習に基づいて、最終的に、次時刻の最適な製造条件を特定する処理を行う部分である(後述の図3および図4のステップS8)。
[製造フローおよびモデル]
図2は、製造フローおよびモデル(図4のモデル50)の構成例を示す。図2の上側には製造フローの概要を示し、下側にはその製造フローに基づいて構築されるモデルの例として因果関係モデルの概要を示す。製造フローは、上流から下流への複数の工程(=製造工程)から構成され、本例では、4個の工程として、工程#1,#2,#3,#4=#Lを有する。本例では、最後の工程#Lは、品質検査工程である。各工程には、1つ以上の製造装置や1つ以上のセンサが関係付けられて設けられている。品質検査工程には、検査装置やセンサが設けられており、検査結果データとして品質データを出力する。例えば、工程#1は、製造装置#1,#2を有する。製造装置#1は、工程#1での製造を、設定されている製造条件に従って制御および実行する。製造装置#1は、例えばセンサA,Bを備える。センサAは、工程#1での製造装置#1による製造の際に、所定のパラメータ値を検出し、観測データとして出力する。同様に、各工程に製造装置やセンサが設けられており、それらは工程の順序等に従って接続されている。このような製造フローの構成は、製造システムで製造フロー構成情報として管理されている。
各工程には、製造条件データが関係付けられている。製造条件データ(対応するデータ項目)は、製造装置やセンサの状態を制御するパラメータ値であり、一般的なパラメータとして例えば電流、電圧、温度、圧力等が挙げられる。実施の形態の製造条件特定システムの計算機1は、製造システムの製造フローから、製造条件データ、品質データ、製造フロー構成情報等を取得する。ユーザまたは計算機1は、各工程の製造装置または制御装置等から、製造条件データ等を取得可能である。製造条件特定システムは、製造フローの製造状態変化を含む、時系列上の各時点で、製造条件データおよび品質データを、操業の実績のモニタとして取得することができる。
なお、実施の形態では、製造フローの最後の工程として品質検査工程を有し、品質検査工程から品質データが得られ、その品質データと製造条件データとが関連付けられる方式を適用している。これに限らず、例えば製造フローとは独立に品質検査フローが存在する方式の場合にも、同様に適用可能である。
実施の形態の製造条件特定システムは、上記製造フローから取得した製造条件データおよび品質データに基づいて、因果関係モデルを構築する。図2の下側の因果関係モデルは、ネットワーク構造で表現できる。すなわち、このモデルは、円で示すノードと矢印で示すエッジとの接続によって表現できる。各製造条件データは、ノードとして表現できる。エッジは、因果関係の向きを表す。本例では、製造条件データとして、センサA,B,……,Rの観測データを用いた、因果関係モデルの場合を示す。例えば、工程#1に対応する部分では、センサAの観測データに対応するノードAから、ノードBおよびノードCに接続されている。ノードBはノードCに接続されている。ノードCはノードDおよびノードGに接続されている。
実施の形態の製造条件特定システムは、構築したモデルに基づいて、好適な製造条件データを特定し、特定した製造条件データを記憶および出力する。なお、ユーザまたは計算機1は、製造フロー構成情報等を参照することで、特定した製造条件データ等が、製造フローのどの製造工程のどの製造装置やセンサに対応付けられるか等の対応関係を確認できる。例えば、ユーザは、計算機1で特定した製造条件データを、製造フローの構成と対応付けた情報を、製造システムまたは製造現場の人へ出力できる。あるいは、計算機1は、特定した製造条件データを、製造フローの構成と対応付けた情報を、製造システムに送信し、各製造装置等に設定させることができる。
[処理フローおよび機能ブロック構成]
図3は、実施の形態の製造条件特定システムにおける、計算機1の制御部30による製造条件特定処理を含む処理フローを示す。図3の処理フローは、ステップS1~S9を有する。図4は、図3の各ステップと対応させて、各データや制御部30の機能ブロックの構成を示す。以下、図3と併せて図4を参照しながらステップの順に処理を説明する。
(S1) まず、ステップS1で、制御部30は、操業の実績のモニタとして、製造フローの各製造工程から製造条件データを取得し、品質検査工程から品質データを取得する。制御部30は、取得した製造条件データを製造条件データ記憶部41に記憶し、取得した品質データを品質データ記憶部42に記憶する。モデル構築部31は、記憶部40から、取得された製造条件データD1および品質データD2を参照する。
なお、各データ(D1,D2)は、製造状態変化前後の時点を含む、時系列上の各時点(対応する取得時刻)で取得されたデータである。説明上の時点として、時刻Tを用いる。ある時刻Tで得られた製造条件データおよび品質データを、時刻Tの製造条件データ、時刻Tの品質データ、のように表す場合がある。また、現時点を時刻(t)、次時点を時刻(t+1)、のように表す場合がある。
(S2) 次に、ステップS2で、モデル構築部31は、ステップS1で得た最新の時刻Tの製造条件データおよび品質データに加え、記憶部40に記憶されている過去の操業の時点で得られた製造条件データおよび品質データを用いて、モデル50を構築する。モデル50は、1つ以上のモデルである。実施の形態では、モデル50は、製造状態変化がある場合には複数(N)のモデルである。モデルの数をNとする。実施の形態では、複数(N)のモデルのすべては、図2のような因果関係モデルが用いられる。
モデル構築部31は、製造状態変化に応じた各時刻の製造条件データD1および品質データD2から、モデル50の各モデルを構築する。モデル構築部31は、このモデル構築の際、製造状態変化の時点毎に分けることで、複数のモデルを構築する(例えば後述の図20)。モデル構築部31は、このモデル構築の際、例えば、ある製造工程上で製造状態変化のイベントが有る場合には、そのイベント時刻によって製造条件データを分割する。そして、モデル構築部31は、分割された複数のデータの区間に応じて、区間毎にモデルを構築する。例えば製造状態変化のイベントが1つ有る場合には、製造状態変化前の期間のモデルと製造状態変化後の期間のモデルとの各モデルが構築される。
なお、モデル50は、因果関係モデルに限定されず、他の方式のモデルも適用可能である。また、複数(N)のモデルには、複数種類の方式のモデルが混在してもよい。
モデル構築部31は、構築したモデル50のデータを、モデル記憶部43に記憶させる。また、モデル表示部21は、構築されたモデル50の情報を、図6のモデル構築画面に表示する。
(S3) ステップS3で、制御部30は、ユーザ操作に基づいて、品質目標値を設定する。例えば、表示部20は、品質に関する設定画面を提供する。後述の図8の品質画面内に、品質目標値の設定欄を設けてもよい。ユーザは、その設定画面で、品質目標値、例えば製品収率の目標値を設定する。制御部30は、品質目標値D3を含む設定情報を、品質データ記憶部42に記憶させる。制御部30は、予め設定されている品質目標値の設定情報がある場合には、それを参照してもよい。
(S4) ステップS4で、モデル製造条件特定部32は、S2で構築されたモデル50を用いて、複数のモデルがある場合にはモデル毎に、現時刻(t)に対する次時刻(t+1)の製造条件データの予測値を特定する。図4では、モデル製造条件特定部32は、モデル50および品質目標値D3から、第1学習モデルLM1での学習に基づいて、モデル毎の予測値として、次時刻の製造条件データD6を計算する。この製造条件データD6が第1データである。
モデル製造条件特定部32は、S4の処理の際、モデル50のモデル毎に、品質目標値D3に対して品質が良品となる製造条件を特定する。モデル製造条件特定部32は、得た製造条件データD6を記憶部40内に格納する。モデル製造条件特定部32は、更新を含め、使用した第1学習モデルのデータを、第1学習モデル記憶部45に記憶させる。実施の形態では、第1学習モデルは、例えば、強化学習モデルが用いられる。
(S5) ステップS5で、品質特定部33は、S2のモデル50を用いて、現時刻(t)の製造条件データD4および品質データD5から、次時刻(t+1)の品質データD7を予測する。そして、品質特定部33は、予測した次時刻の品質データD7と、現時刻(t)の品質データD6とを比較し、それらの誤差である品質誤差D8を計算する。現時刻(t)の製造条件データD4および品質データD5は、品質データ記憶部42に記憶されていたデータを用いることができる。品質特定部33は、S5で計算したデータ(D7,D8)を、品質データ記憶部42に記憶させる。
(S6) ステップS6で、製造条件判別部34は、モデル50を用いずに、実績における直近の現時刻(t)の製造条件データD4から、第2学習モデルLM2での学習に基づいて、次時刻(t+1)の製造条件データD9の予測値を判別する。この製造条件データD9が第2データである。製造条件判別部34は、得た製造条件データD9を記憶部40内に格納する。製造条件判別部34は、更新を含め、第2学習モデルLM2のデータを、第2学習モデル記憶部45に記憶させる。実施の形態では、第2学習モデルLM2は、例えば、第1学習モデルLM1と同様に、強化学習モデルが用いられる。
実施の形態では、第1データである製造条件データD6と、第2データである製造条件データD9との両方を、S7の処理の入力データとして用いる。
(S7) ステップS7で、部分空間特定部36は、S4で得た第1データである次時刻の製造条件データD6と、S6で得た第2データである次時刻の製造条件データD9と、S5で得た品質誤差D8と、現時刻の製造条件データD4とを含む各データを入力する。部分空間特定部36は、それらの第1データおよび第2データを含む入力データの製造条件データを、部分空間データへ変換する部分空間変換処理を行う。S4で得た第1データである次時刻の製造条件データD6は、モデル50の数Nに対応したN個のデータである。S6で得た第2データである次時刻の製造条件データD9は、1個のデータである。すなわち、S7の入力の製造条件データは、(N+1)個のデータである。S7の部分空間変換処理は、それらの(N+1)個の製造条件データを、元とは異なる空間である部分空間(言い換えると低次元空間)へ射影する処理である。
このS7の変換は、入力データの次元数を、S8の製造条件特定処理の入力形式の次元数に合わせるように低減する変換である。言い換えると、S8の製造条件特定処理における第3学習モデルLM3の入力形式の次元数は、S7で得られる部分空間データの次元数と合わせられている。S7で得られた部分空間データは、部分空間上に射影されたデータであり、パラメータの次元数が低減されたデータである。入力の(N+1)個の製造条件データの次元数をDN1とし、部分空間データの次元数をDN2とすると、DN1>DN2である。この次元数DN2は、S8の製造条件特定処理の第3学習モデルLM3の入力の次元数に合わせられている。S7の処理詳細については後述する。
部分空間特定部36は、出力データである部分空間データとして、部分空間製造条件データD10を得る。部分空間特定部36は、得た部分空間データを、部分空間記憶部46に記憶させる。部分空間表示部23は、部分空間データを、図7の画面の部分空間データ領域230に表示する。
(S8) ステップS8で、製造条件特定部36は、S7で得た部分空間製造条件データD10を用いて、第3学習モデルLM3での学習に基づいて、最適な次時刻(t+1)の製造条件データD11を特定する。この製造条件データD11が第3データである。この処理の際、製造条件特定部36は、部分空間データにおける(N+1)個の製造条件データの中から、最終的に、製造フローに適用するための最適な製造条件データを特定する。この処理の際、製造条件特定部36は、過去の製造条件データ、および品質誤差D8を用いて、第3学習モデルLM3を構築する。実施の形態では、第3学習モデルLM3として、強化学習モデルが用いられる。製造条件特定部36は、特定した次時刻(t+1)の製造条件データD11を、製造条件データ記憶部41に記憶させる。製造条件特定部36は、更新を含め、第3学習モデルLM3のデータを、第3学習モデル記憶部47に記憶させる。
(S9) ステップS9で、表示部20は、上記処理の結果得られた、製造条件データ、品質データ、およびモデル等の各種のデータや情報を、画面に表示するように、画面表示内容を更新する。例えば、製造条件特定表示部25は、S8で特定した次時刻(t+1)の製造条件データD11の情報を、図9の結果画面の製造条件データ領域251に表示する。また、製造条件特定表示部25は、特定された製造条件データD11に対応して、モデル50から選択されたモデルの情報を、図9の結果画面のモデル領域252に表示する。ユーザは、結果画面を見て、最適な製造条件やそれを特定する際に用いられたモデルを確認できる。
ユーザは、操作に応じて、特定された最適な製造条件データD11を、製造システムの製造フローに反映させることができる。例えば、図9の結果画面内のOKボタンを押すことで、その製造条件データD11を製造フローに設定することができる。その後、次時刻以降の操業が行われる。図3の処理フローは、時点毎に同様に繰り返しであり、それに伴い、各学習モデルでの学習が進み、次第に予測精度が高くなる。なお、各種のデータの画面表示は、ユーザ操作やユーザ設定に応じて省略も可能である。ユーザは、画面で所望のデータを指定して画面に表示させることや外部にそのデータを出力させることもできる。
[部分空間変換処理]
図5は、図3の処理フローのうちステップS8の部分空間特定部35による部分空間変換処理の処理フローを示す。図5の処理フローは、ステップS10~S15を有する。
(S10) まず、ステップS10で、部分空間特定部35は、図4の現時刻(t)の製造条件データD4を取得する。また、部分空間特定部35は、S4でモデル50から得られたN個の次時刻(t+1)の製造条件データD6である第1データを取得する。また、部分空間特定部35は、S6で直近の製造条件データD4から得られた1個の次時刻(t+1)の製造条件データD9である第2データを取得する。また、部分空間特定部35は、S5で得られた品質誤差D8を取得する。
(S11) ステップS11で、部分空間特定部35は、S10で得た各製造条件データ(D6,D9)から、現時刻(t)と次時刻(t+1)の製造条件データの差分を計算し、その差分をベクトル値(言い換えると差分ベクトル)として、それぞれ保持する。S11の詳細を後述の図11で示す。
(S12) ステップS12で、部分空間特定部35は、S11で得たベクトル値を、後述の図12の(A)で示すように、縦ベクトルに連結する。
(S13) ステップS13で、部分空間特定部35は、S12で得た縦ベクトルを、後述の図12の(B)で示すように、製造条件データの項目毎に、ベクトルの和で表現する。
(S14) ステップS14で、部分空間特定部35は、S13で得たベクトルの和について、分解したベクトルの各成分が1となるように、それぞれのベクトルの係数値を算出する。S14の詳細を後述の図13で示す。部分空間特定部35は、得たベクトルの係数値を、製造条件データを部分空間に射影したデータとみなし、部分空間製造条件データD10とする。この部分空間データは、S8の処理の入力として使用される。
図11は、ステップS11の処理例を示す。本例では、簡単に、製造条件データのデータ項目が2個であり、モデル50の数Nが2である場合を示す。定義等は以下の通りである。モデル50の各モデルを、モデルMiで表す(i=1,2)。本例では、モデルM1=モデル#1、モデルM2=モデル#2を用いる。製造状態変化前後に対応する2つの時刻Tを、時刻(t)、時刻(t+1)とする。モデルMiの時刻(t)における製造条件データを、xi,tとする。モデルMiの時刻(t+1)における製造条件データを、xi,t+1とする。i=0(x)は、実際の製造条件データから特定した製造条件データを表すとする。製造条件データのモデル毎の時間差分(すなわち差分ベクトル)を、Δxとする。あるデータ値の例での計算は、以下の通りである。
モデル#1(M1)について、時刻(t+1)の製造条件データx1,t+1は、2行1列の行列、言い換えると次元数=2の列ベクトルで表現した場合に、式1で表される。式1は、行ベクトル表現では、x1,t+1=(4,4)であり、第1データ項目値=4、第2データ項目値=4である。時刻(t)の製造条件データx1,tは、同様に表現した場合に、式2で表される。式2は、行ベクトル表現では、x1,t=(2,3)であり、第1データ項目値=2、第2データ項目値=3である。部分空間特定部35は、式1の製造条件データx1,t+1と式2の製造条件データx1,tとの差分をとり、式3の差分ベクトルを作成する。式3は、行ベクトル表現では、Δx=x1,t+1-x1,t=(2,1)である。
同様に、モデル#2(M2)について、時刻(t+1)の製造条件データx2,t+1は、2行1列の行列、言い換えると次元数=2の列ベクトルで表現した場合に、式4で表される。式4は、行ベクトル表現では、x2,t+1=(5,4)である。時刻(t)の製造条件データx2,tは、式5で表される。式5は、行ベクトル表現では、x2,t=(3,3)である。部分空間特定部35は、式4の製造条件データx2,t+1と式5の製造条件データx2,tとの差分をとり、式6の差分ベクトルを作成する。式6は、行ベクトル表現では、Δx=x2,t+1-x2,t=(2,1)である。
実際の製造条件(i=0)について、時刻(t+1)の製造条件データx0,t+1は、2行1列の行列、言い換えると次元数=2の列ベクトルで表現した場合に、式7で表される。式7は、行ベクトル表現では、x0,t+1=(5,4)である。時刻(t)の製造条件データx0,tは、式8で表される。式8は、行ベクトル表現では、x0,t=(3,3)である。部分空間特定部35は、式7の製造条件データx0,t+1と式8の製造条件データx0,tとの差分をとり、式9の差分ベクトルを作成する。式9は、行ベクトル表現では、Δx=x0,t+1-x0,t=(2,1)である。
図12の(A)は、ステップS12の処理例を示す。部分空間特定部35は、図11の差分ベクトル{Δx,Δx,Δx}を、縦に連結した縦ベクトルを作成する。縦ベクトルをVとする。縦ベクトルVは、式10で表される。式10の縦ベクトルVは、行ベクトル表現では、(2,1,2,1,2,1)である。
図12の(B)は、ステップS13の処理例を示す。部分空間特定部35は、図12の(A)の縦ベクトルVを、製造条件データのデータ項目毎のベクトルの和で表現する。第1データ項目のベクトルをV1、第2データ項目のベクトルをV2とする。V=V1+V2であり、式11で表される。式11のV1は、行ベクトル表現では、(2,0,2,0,2,0)であり、V2は、(0,1,0,1,0,1)である。
図13は、ステップS14の処理例を示す。部分空間特定部35は、図13の(B)のベクトル和(V=V1+V2)について、それぞれの成分が1になるように、係数値を計算する。係数をc1,c2とする。計算式は式12で表される。式12は、行ベクトル表現では、V=V1+V2=c1×(1,0,1,0,1,0)+c2×(0,1,0,1,0,1)である。式12から得られる係数値は、例えば(c1,c2)=(2,1)である。部分空間特定部35は、式13で示すように、得られた係数値を、2行1列の行列、言い換えると次元数=2の列ベクトルとして、部分空間データとする。式13の部分空間データは、行ベクトル表現では、(a1,a2)である。この部分空間データは、次元数を低減するように、製造条件データを射影したデータとなっている。元のベクトルVの次元数=6に対し、部分空間データの次元数=2と低減されている。
図4のステップS8の製造条件特定部36は、このような次元数が低減された部分空間製造条件データD10を入力として、第3学習モデルLM3に基づいて、次時刻の製造条件データD11を特定する処理を行う。このS8の処理は、部分空間変換によって入力データの次元数が低減されているので、部分空間変換を行わない場合と比べて、短時間で効率的に処理を行うことができる。すなわち、実施の形態の製造条件特定システムは、短時間で最適な部分条件を特定することができる。その最適な部分条件をすぐに製造フローに反映することができるので、製造状態変化後でも短期間で製品収率を向上できる。
[製造状態変化]
製造状態変化の例については以下が挙げられる。製造システムの製造フローを構成する各製造工程の製造装置等に対しては、作業者によって保守作業が行われる場合がある。この場合に、その保守のイベント(対応するイベント時刻)の前後で、その製造装置等の内部または外部の物理的な状態、例えば電流等のパラメータの値が、一定値ではなく、変化する場合がある。この製造状態変化に応じて、最適な製造条件が変化している可能性がある。製造状態変化後にも変化前と同じ製造条件を適用し続けて操業を行った場合、変化後に製造される製品の品質が低下している可能性がある。すなわち、製造状態変化に応じて、好適な製造条件は内部的に変化している可能性があり、変化後の好適な製造条件を特定することが必要である。そこで、実施の形態の製造条件特定システムは、このような製造状態変化に対応させて、モデルおよび学習モデルを構築し、変化後の次時刻に対応した好適または最適な製造条件を特定する機能を有している。
なお、実施の形態の製造条件特定システムで扱う時点や時間の単位は、対象の製造システムの製品製造時間に応じた大きさを持つ単位であり、例えば日(day)、時(hour)、分(minute)等の単位が挙げられ、適宜に設定可能である。
製造条件データを構成するパラメータは、対象の製造システムの製造フローに応じたものであり、適宜に設定可能であり、特に限定されない。パラメータの一例は、電流、電圧、温度、圧力等である。これらのパラメータは、制御または測定等が可能なパラメータである。例えば、製造装置内の所定の箇所の電流や電圧、製造装置内の所定の空間の圧力、製造装置内部または外部の付近の環境の温度、等が挙げられる。適用可能である対象の製造システムおよび製造フローの例としては、少なくとも半導体製造システムおよび製造フローが挙げられるが、これに限定されない。
[表示画面]
図6~図10は、製造条件特定システムにおける、計算機1の表示部20によって表示装置の表示画面に表示される主な画面例を示す。この画面例は、図6のモデル構築画面、図7の製造条件画面、図8の品質画面、図9の結果画面、図10のモデル構築設定画面、等がある。
[モデル構築画面]
図6のモデル構築画面は、モデル50の情報を表示するための、1つ以上のモデル表示領域210を含む。図6の例では、複数(N)のモデルのうち3個のモデルに対応する3つのモデル表示領域210の部分を示している。モデル表示領域210は、モデル構築部31が得たモデルの構成をモデル表示部21によってグラフィカルに表示する領域である。モデル表示領域210は、領域213、設定(Setting)ボタン211、構築(Build)ボタン212、ラベル214を含む。領域213には、1つのモデルが表示される。ラベル214には、モデル毎のラベルとして番号や名前等が表示される。
図6の例では、領域213に、モデルの一例として因果関係モデルのネットワーク構造が表示されている。領域213では、その因果関係モデルが、複数のノードおよびエッジで表現されている。各ノードは、製造条件データと対応している。各ノードにはノードID(対応する製造条件データID)等が表示されている。なお、画面内にモデル全体が表示しきれない場合には、スクロールバー等を用いてモデルの一部を表示し、ユーザ操作によって表示部分を変更できる。例えば、モデル#1は、複数のノードとして、ID=X1~X304およびYで示す305個のデータから構成されている。最後のID=Yのデータは、品質データを表す。
[モデル構築設定画面]
図6のモデル構築画面で、ユーザが設定ボタン211を押した場合、図10のモデル構築設定画面が、ポップアップ等で表示される。図10のモデル構築設定画面は、モデル50の構築に係わる情報をユーザが入力、設定するための画面例を示す。この画面例は、因果関係モデルを用いる場合の画面例であるが、他の方式のモデルを用いる場合には、その方式に対応する設定画面が提供される。この画面は、使用データの設定欄261や、因果関係モデル構築条件の設定欄262を有する。設定欄261は、因果関係モデルを構築する際に使用するデータ(例えば製造フローからモニタするデータ)である製造条件データ等を、例えばファイルを参照する方式等によって設定可能である。設定欄262は、因果関係モデルを構築する際の条件を、条件の設定ファイルを参照する方式や、Viewer(別の設定画面)上で確認しながら設定する方式等を用いて、設定可能である。Viewer上で設定する方式の場合、因果関係モデルの場合に一般的に用いられる、離散化手法、構造学習アルゴリズム、制約条件の使用の有無等を、選択枝から選択する方式で設定できる。これらの方式は公知技術を用いることができる。
ユーザは、条件等を設定した後、OKボタンを押す。これにより、制御部30によって、その条件等が製造条件特定システムに反映される。そして、モデル構築部31の処理によって、その条件等で、因果関係モデルが構築される。ユーザがCancelボタンを押した場合、その条件等は反映されず、設定画面を開く前の状態(図6の画面)に戻る。
モデル表示部21は、モデル構築部31によって構築された1つ以上の因果関係モデルを表示するための1つ以上のモデル表示領域210を構成し、図6のモデル構築画面内に表示する。モデル表示部21は、複数のモデルが構築された場合には、モデル毎にラベル214を付与して表示する。ラベル214は、記憶部40内のデータのモデルIDと対応付けられている。
[製造条件画面]
図7の製造条件画面は、製造条件表示領域220と、部分空間表示領域230とを含む。製造条件表示領域220は、製造条件データ記憶部41に記憶されている取得済みの製造条件データを表示する領域である。製造条件表示領域220は、例えば表形式であり、項目の列として、時刻と、複数の製造条件データとを含む。「時刻」項目は、取得時刻である時刻Tに対応しており、時系列の順序で値が格納されている。例えば最新の取得時刻が時刻Tnである。製造条件データ項目221には、複数の各々の製造条件データのデータ項目が表示される。ここでは、製造条件データの数をmとし、例えばm=304の場合を示す。
部分空間表示領域230は、部分空間表示部23によって、部分空間特定部35が得た部分空間データを表示する領域である。部分空間表示領域230には、部分空間データとして、製造条件データのモデル毎の時間差分(すなわち差分ベクトル)が表示される。本例では、製造条件データX1に関する部分空間データの場合を示している。部分空間表示領域230は、例えば表形式であり、項目の列として、モデルID、複数の時間を含む。モデルIDは、モデル毎のIDであり、ラベルと対応している。複数の時間は、時刻T間の時間である。例えば、製造条件データX1、モデル#1について、時刻T1から時刻T2までの時間では、データ項目値の差分が2であり、時刻T2から時刻T3までの時間では、データ項目値の差分が0である。
[品質画面]
図8の品質画面は、製品収率表示領域240を含む。製品収率表示領域240は、品質データ記憶部42に記憶されている品質データを、製品収率に換算して時系列順に並べたグラフのデータが表示される領域である。製品収率表示部24は、この製品収率のグラフを構成し、製品収率表示領域240に表示する。
また、製品収率表示領域240には、製造フローの製造工程上で生じたイベントの時刻を表すデータであるイベント時刻242を表示することも可能である。このイベントは、製造状態変化に対応する保守等のイベントを含む。例えば、イベント時刻Txは、ある製造装置Dxでの保守のイベントが発生した時刻を示している。
品質画面に示すように、製品品質は、時系列上で変動している。本例では、あるイベント時刻242(Tx)の前後付近で、収率が低下の傾向にあった。その後、実施の形態の製造条件特定システムによって好適な製造条件が特定され、製造フローに適用された場合に、収率が、上昇の傾向になって改善された。
[結果画面]
図9の結果画面は、製造条件特定表示領域250を含む。製造条件特定表示領域250は、製造条件特定部36が特定した次時刻の最適な製造条件データ、ならびにそれに対応するモデルを表示する領域である。製造条件特定表示部25は、領域251に、次時刻の最適な製造条件データを、例えば表形式で表示する。また、製造条件特定表示部25は、領域252に、次時刻の最適な製造条件データに対応してモデル50から選択されたモデルを、例えば図6のモデル表示領域210と同様の形式で表示する。
[製造条件データ]
図14は、製造条件データ記憶部41に記憶されている製造条件データの構成例の表を示す。図14の表は、ヘッダ情報に対応する項目の列として、製品ID、取得時刻、複数のパラメータ1401を有する。複数のパラメータ1401は、製造条件を構成する複数のデータ項目であり、パラメータの例として、P1「温度1」、P2「温度2」、P3「圧力1」、P4「圧力2」を有する。「製品ID」は、製造工程で製造される製品毎の識別子である。「取得時刻」は、計算機1がその製造条件データを取得した時刻である。
なお、図14のような製造条件データの表において、製造状態変化のイベント時刻の情報を格納する構成としてもよいし、製造条件データのデータ項目毎に製造状態変化を識別するための情報を格納する構成としてもよい。
[品質データ]
図15は、品質データ記憶部42に記憶されている品質データの構成例の表を示す。図15の表は、項目の列として、製品ID、品質値、品質検査結果を有する。「品質値」は、品質検査工程(図2)で得られた製品の品質を表す値であり、一例は製品収率である。「品質検査結果」は、品質検査工程で「品質値」に基づいて所定の判定の結果得られた値である。判定は、例えば閾値との比較判定である。例えば、品質値が目標値(例えば閾値0.90以上)を満たす場合には、品質検査結果の値が「良」とされ、満たさない場合には「不良」とされる。
[モデルデータ]
図16は、モデル記憶部43に記憶されているモデル50のデータの構成例を示す。モデルの一例として因果関係モデルの場合を示す。図16の上側に示すように、因果関係モデルは、表形式で表すことができる。表の行および列には、製造条件データの各ノードに対応するパラメータ(図14の「温度1」等、および品質データの品質値)が並べられている。行列の交差するセル部分には、行のノードと列のノードとの因果関係(エッジによる接続関係)を表す値が格納されている。この値は、2値であり、ノード間が非接続(すなわち因果関係が無い)の場合には値「0」、ノード間が接続(すなわち因果関係が有る、エッジ有り)の場合には値「1」が設定される。
図16の下側には、上側の表をネットワーク構造として表した場合を示す。モデル記憶部43には上側の表のデータが格納されている。画面表示の際には、表からの変換によってネットワーク構造が構成できる。また、図16で示すモデルデータは、ステップS2の製造状態変化のモデル構築毎に存在し、各モデルには、識別のためのラベルまたはIDが付与され、モデルデータの一部として保存される。
[第1学習モデル]
図17は、第1学習モデル記憶部44に記憶されている第1学習モデルのデータの構成例を示す。本例は、第1学習モデルである強化学習モデルの一例として、深層学習モデルを用いる場合を示す。第1学習モデルデータは、上側に示すように、表形式で表すことができる。この表は、左側の表1701、右側の表1702を含む。左側の表1701は、項目の列として、層番号、層内ノード数を有する。「層番号」は、層を識別する番号である。「層内ノード数」は、層内のノード数を示す。右側の表1702は、項目の列として、層番号、重み番号、重みを有する。「重み番号」は、各層で保持している「重み」を識別する番号である。「重み」は、ノード間のエッジに持たせる重みの数値を示す。第1学習モデル記憶部44には、このような表のデータが格納されている。図17の下側には、上側の表をネットワーク構造形式で表した場合を示す。なお、図17で示している層数Nは、前述のモデルの数Nとは異なる。なお、第2学習モデルデータの構成についても、第1学習モデルデータと同様である。
[部分空間データ]
図18は、部分空間記憶部45に記憶されている部分空間データの構成例の表を示す。図18の上側の表1801は、部分空間特定部36の処理上で計算される差分ベクトル(図5のステップS11、例えば図11)を表す表である。この表1801は、項目の列として、モデル番号、製造条件データのデータ項目(「温度1」等のパラメータ)毎の差分を有する。モデル番号は、複数(N)のモデル50の各モデルを識別するラベルまたはIDと対応した番号である。表の行毎に、モード毎の差分ベクトルが格納されている。この表1801は、モデルの数Nとデータ項目の数との積に応じた、次元数やデータ量を有する。
図18の下側の表1802は、部分空間特定部36の処理上で計算される係数値(図5のステップS14、例えば図13)のデータの構成例の表を示す。このデータは、製造条件データ項目毎の係数値のセットであり、部分空間データに相当する。この表1802は、項目の列として、製造条件データのデータ項目(「温度1」等のパラメータ)毎の係数値を有する。この表1802は、表1801よりも、次元数やデータ量が低減されている。
部分空間特定部36は、前述のように、上側の表1801で示す差分ベクトルのデータを処理し、下側の表1802で示す係数値を計算し、計算した係数値である部分空間データを、部分空間記憶部46に記憶させる。
[第3学習モデル]
図19は、第3学習モデル記憶部47に記憶されている第3学習モデルのデータの構成例を示す。第3学習モデルである強化学習モデルの一例として、同様に深層学習モデルを用いた場合を示す。この第3学習モデルデータの構成例は、図17の第1学習モデルデータの構成例と同様に、表やネットワーク構造で表すことができる。なお、各学習モデルで層数等は異なる。図19の上側の表は、左側の表1901、右側の表1902を含む。第3学習モデル記憶部47には、上側の表のデータが格納されている。
[製造状態変化に応じたモデル構築例]
図20は、補足として、製造状態変化に応じて製造条件データからモデル50を構築する際の概要や例を示す。図20の(A)は、製造状態変化のイベントが無い場合の単一のモデルの構築を示す。表2001は、製造条件データ例を示す。この表2001のように、例えば、「製品ID」=A001の製品に関する製造条件データとして、「取得時刻」毎の行がある。最新の時点として、例えば「取得時刻」=“10/1/10:50”(10月1日10時15分)のデータが取得されている。この際、この最新の時点のデータと、過去の複数(例えば最大1000個等の設定された数)の時点のデータとを用いて、単一の因果関係モデルが構築される。なお、「取得時刻」は、計算機1が製造条件データを取得した時刻であるが、これに対応して、製造フローでは、製造工程での製造が実行された時刻等の情報を持っており、このような情報を用いる形態でもよい。
図20の(B)は、製造状態変化のイベントが有る場合の複数のモデルの構築を示す。表2001のデータ内容は同じである。製造システムの製造フローは、製造状態変化が生じたイベントの時刻のデータも持っている。計算機1は、製造システムから、そのイベント時刻のデータも取得可能である。製造状態変化のイベントの時刻として、例えばイベントE1では時刻“10/1/10:15”、イベントE2では“10/1/10:35”であるとする。2行目の時点(10:10)と3行目の時点(10:20)との間に、時刻“10:15”のイベントE1が生じている。4行目の時点(10:30)と5行目の時点(10:40)との間に、時刻“10:35”のイベントE2が生じている。モデル構築部31は、イベント時刻でデータを分割して、分割した期間毎にモデルを構築する。例えば、1行目および2行目のデータを含む複数のデータを用いて、モデル#1が構築される。3行目および4行目のデータを含む複数のデータを用いて、モデル#2が構築される。5行目および6行目のデータを含む複数のデータを用いて、モデル#3が構築される。なお、1つのモデルを構築するための製造条件データの行の数は、2に限らず可能である。
[学習モデル]
前述の各学習モデルについて、適用可能である学習方式は以下の通りである。
第1学習モデルLM1: 状態空間モデル、強化学習モデル
第2学習モデルLM2: 状態空間モデル、強化学習モデル
第3学習モデルLM3: 強化学習モデル。
公知の強化学習(Reinforcement learning)は、ある環境内におけるエージェントが、現在の状態を観測し、次に取るべき行動を決定する問題を扱う機械学習の一種である。強化学習では、一連の行動を通じて報酬が最も多く得られるような方策を学習する。強化学習モデルとしては、公知の深層学習モデル等が適用可能である。公知の状態空間モデルは、時系列分析のモデルの一種である。状態空間モデルは、状態モデルと観測モデルとから構成される。
[効果等]
上記のように、実施の形態の製造条件特定システムによれば、製造状態の変化がある場合にも、好適な製造条件を特定でき、製品品質を維持または向上できる。特に、実施の形態によれば、製造状態変化に対応させて、品質目標値に応じた最適な製造条件を特定できる。実施の形態によれば、製造状態変化直後で、操業のデータ数が少ない場合でも、短期間で好適な製造条件を特定できる。また、特に、実施の形態によれば、部分空間変換を用いることで、製造状態変化が多い場合や、製造条件およびモデルのパラメータ数が多大な場合でも、対応がしやすく、好適な製造条件を特定することができる。実施の形態または変形例によれば、優先方針に応じて、製造状態変化後に早期に品質を高めること、またはモデルの予測精度を高めてから品質を高めることができる。
上記のように、実施の形態の製造条件特定システムは、過去の製造状態変化の状態や時点毎に取得されている製造条件データから、複数のモデルを構築する。このシステムは、複数のモデルの各モデルから、次時刻の製造条件を推定する。このシステムは、推定した複数の製造条件から、時刻間の時間毎に差分をとり、その差分を基底とした部分空間へ埋め込む。このシステムは、その部分空間へ埋め込んだデータである部分空間データを入力として、学習に基づいて、次時刻の最適な製造条件を特定する。
他の実施の形態として、以下も可能である。まず、変形例の製造条件特定システムとして、図3のステップS7の部分空間変換処理を省略した形態も可能である。この場合、ステップS8の製造条件特定処理は、ステップS4,S5,S6の結果の各データを入力する。製造状態変化が少ない場合や、製造条件およびモデルのパラメータ数が比較的少ない場合には、この変形例も有効である。
変形例の製造条件特定システムとして、前述の図4のステップS7の部分空間変換処理に関して、入力データとなる製造条件データとして、ステップS4の結果の第1データのみを用いる形態も可能である。前述の実施の形態では、ステップS7の際に、ステップS4の結果の第1データと、ステップS6の結果の第2データとの両方を用いた。ステップS6の結果の第2データは、直近の現時点(t)の製造条件データD4を用いて予測された製造条件データD9である。この場合、直近の製造のデータを重視して、次時点の製造条件データD11が特定されることになる。そのため、この形態は、製造状態変化直後の製品品質を早期に高めることを重視する方針の場合に有効である。
一方、変形例では、ステップS7,S8の処理の際に、ステップS6の結果の第2データを用いない。この形態は、製造状態変化直後の製品品質を早期に高めることよりも、モデルの予測精度を高めることを重視する方針の場合に有効である。この変形例では、製造状態変化後に、ある程度の時間で学習を進めてモデルの予測精度を高め、その後、高精度で最適な製造条件データを特定することができる。
[比較例]
なお、実施の形態の製造条件特定システムに対し、先行技術例のシステムを比較例とした場合に、違い等については以下の通りである。特許文献1には、良品となる製造条件を特定するために過去の製造条件から確率モデルを構築し、目標値と一致する製造条件を算出する旨が記載されている。しかし、この技術では、過去の製造条件で表現できないような製造状態変化が生じた場合には、構築したモデルを修正する必要がある。
特許文献2には、過去の実績データ(例えば製造条件や品質)から複数の予測値を出力し、出力値に対し、類似度に従って重み付けを行うことで予測を行う旨が記載されている。しかし、この技術では、予測対象(ここでは品質)が良品となる場合の製造条件の特定はできない。
特許文献3には、強化学習を用いて、環境(例えば製造工程)で、ある条件(例えば製品が良品となる条件)を満たす条件(例えば製造条件)を探索する旨が記載されている。しかし、この技術では、使用するモデルが複数存在する場合に、クラス分類によって、特定すべき製造条件の項目数を減らしてしまう。そのため、この技術では、良品となる製造条件が得られない場合が生じることが考えられる。
一方、実施の形態の製造条件特定システムは、製造状態変化を含む過去の製造から得られた製造条件および品質を用いて、複数のモデルを構築し、各モデルから得られる製造条件や品質誤差を用いて、最適な製造条件を探索することができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1…計算機、30…制御部、31…モデル構築部、32…モデル製造条件特定部、33…品質特定部、34…製造条件判別部、35…部分空間特定部、36…製造条件特定部。

Claims (14)

  1. 製造フローの各製造工程の製造条件を特定する計算機を含む製造条件特定システムであって、
    前記計算機は、
    前記製造フローからの現時点を含む複数の時点の製造条件データおよび品質データを用いて、前記製造条件および品質に関するモデルを構築し、
    前記モデルの構築の際に、前記製造フローの製造工程の製造状態の変化を含む場合には、複数のモデルとして前記製造状態の変化毎に各モデルを構築し、
    前記モデルおよび品質目標値を用いて、第1学習モデルでの学習に基づいて、前記各モデルで、次時点の製造条件データの予測値を第1データとして計算し、
    前記モデルならびに現時点の製造条件データおよび品質データを用いて、次時点の品質データを予測し、前記次時点の品質データと前記現時点の品質データとの品質誤差を計算し、
    前記現時点の製造条件データを用いて、第2学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データの予測値を第2データとして計算し、
    前記第1データ、前記第2データ、および前記品質誤差を用いて、第3学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データを特定し、
    前記特定した次時点の製造条件データを含む情報を記憶および出力する、
    製造条件特定システム。
  2. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、
    前記第1データを、次元数を低減するように部分空間データへ変換し、
    前記部分空間データおよび前記品質誤差を用いて、前記第3学習モデルでの学習に基づいて、前記次時点の製造条件データを特定する、
    製造条件特定システム。
  3. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、前記製造状態の変化として、前記各製造工程に対する所定のイベントの発生の時点に応じて、前記複数の時点の製造条件データを複数の期間のデータに分割し、分割した期間のデータ毎に前記各モデルを構築する、
    製造条件特定システム。
  4. 請求項記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記イベントは、前記各製造工程の製造装置に対する保守作業を含む、
    製造条件特定システム。
  5. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記モデルは、因果関係モデルを含む、
    製造条件特定システム。
  6. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記第1学習モデルは、状態空間モデルまたは強化学習モデルを含む、
    製造条件特定システム。
  7. 請求項記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記第2学習モデルは、状態空間モデルまたは強化学習モデルを含む、
    製造条件特定システム。
  8. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記第3学習モデルは、強化学習モデルを含む、
    製造条件特定システム。
  9. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、表示装置の表示画面に、前記モデルの前記各モデルを表示させる、
    製造条件特定システム。
  10. 請求項記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、表示装置の表示画面に、前記複数の時点の製造条件データ、および前記部分空間データを表示させる、
    製造条件特定システム。
  11. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、表示装置の表示画面に、前記複数の時点の品質データ、および前記製造状態変化として前記各製造工程に対する所定のイベントの発生の時点を表示させる、
    製造条件特定システム。
  12. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、表示装置の表示画面に、前記特定した次時点の製造条件データ、および前記特定した次時点の製造条件データに対応付けられる前記モデルの前記各モデルのうちの選択されたモデルを表示させる、
    製造条件特定システム。
  13. 請求項1記載の製造条件特定システムにおいて、
    前記計算機は、
    前記製造フローから前記現時点を含む複数の時点の製造条件データおよび品質データを取得し、
    前記特定した次時点の製造条件データを、前記製造フローを制御する製造システムに送信して前記各製造工程に設定させる、
    製造条件特定システム。
  14. 製造フローの各製造工程の製造条件を特定する計算機を含む製造条件特定システムにおける製造条件特定方法であって、
    前記計算機において実行されるステップとして、
    前記製造フローからの現時点を含む複数の時点の製造条件データおよび品質データを用いて、前記製造条件および品質に関するモデルを構築し、前記モデルの構築の際に、前記製造フローの製造工程の製造状態の変化を含む場合には、複数のモデルとして前記製造状態の変化毎に各モデルを構築するステップと、
    前記モデルおよび品質目標値を用いて、第1学習モデルでの学習に基づいて、前記各モデルで、次時点の製造条件データの予測値を第1データとして計算するステップと、
    前記モデルならびに現時点の製造条件データおよび品質データを用いて、次時点の品質データを予測し、前記次時点の品質データと前記現時点の品質データとの品質誤差を計算するステップと、
    前記現時点の製造条件データを用いて、第2学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データの予測値を第2データとして計算するステップと、
    前記第1データ、前記第2データ、および前記品質誤差を用いて、第3学習モデルでの学習に基づいて、次時点の製造条件データを特定するステップと、
    前記特定した次時点の製造条件データを含む情報を記憶および出力するステップと、
    を有する、製造条件特定方法。
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