JP7062559B2 - 荷電粒子装置 - Google Patents

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Description

本実施形態は、荷電粒子装置に関する。
マスク描画装置等の荷電粒子装置は、荷電粒子を放出する電子銃を収容する電子銃室と、電子銃室内を減圧するイオンポンプとを備える。イオンポンプは、電子銃室の内部の気体をイオン化して捕捉することによって電子銃室内を減圧する。イオンポンプからのイオンが電子銃室へ侵入すると、電子銃室内において、予期しない放電を誘発するおそれがある。このような放電を抑制するために、イオンポンプで発生したイオンを阻止するシールドがイオンポンプと電子銃室との間に設けられている。
特開2000-195454号公報 特開昭61-032947号公報 特開2015-076321号公報 特開2006-066272号公報
しかし、イオンポンプから電子銃室へのイオンを良好に阻止するシールドを用いた場合、電子銃室とイオンポンプとの間のコンダクタンスが悪くなる。従って、電子銃室内の気体が電子銃室からイオンポンプへ通過し難くなり、電子銃室内の真空度が劣化してしまう。
一方、電子銃室内の気体を通過させやすいシールドを用いた場合、電子銃室とイオンポンプとの間の気体のコンダクタンスは良好になる。従って、電子銃室内の真空度は向上する。しかし、この場合、シールドのイオン阻止能力が低下するため、イオンがイオンポンプから電子銃室へ通過し易くなってしまう。
そこで、本発明の目的は、電子銃室内の真空度を維持しつつ、イオンポンプから電子銃室へのイオンの通過を効果的に阻止することができる荷電粒子装置を提供することである。
本実施形態による荷電粒子装置は、荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、荷電粒子発生部を収容するチャンバと、チャンバに接続され、該チャンバ内の気体をイオン化して減圧する減圧装置と、チャンバと減圧装置との間を第1方向に接続する経路に設けられ、減圧装置からチャンバへ流れるイオンを遮蔽する遮蔽部材とを備え、遮蔽部材は、第1領域に設けられ、第1方向から見たときにほぼ隙間のないように配列された複数の板部材と、第1領域以外の第2領域に設けられ、第1方向から見たときに複数の孔を有するメッシュ部材とを含む。
減圧装置は、気体に電場を与えるアノードおよびカソードと、アノードから延在しアノードに電力を供給する電圧印加部材とを備え、第1領域は、第1方向から見たときに電圧印加部材とほぼ重複する位置に配置されていてもよい。
第1領域は、第1方向から見たときに電圧印加部材とほぼ同じ大きさかあるいはそれよりも大きくてもよい。
第1方向において、第1板部材の端部と該第1板部材に隣接する第2板部材の端部とが重複してもよい。
複数の板部材は、それぞれ所定方向に延伸し、延伸方向に対する垂直断面において、それぞれ略V字形状、或いは略U字形状を有する、又は第1方向に対して傾斜するように配置された略平坦形状を有してもよい。
第1実施形態の電子ビーム描画装置の構成を示す図。 電子銃室およびイオンポンプのより詳細な構成を示す断面図。 シールドの構成例を示す平面図。 シールドを接続管に装着した状態を示す概略図。 シールドの形状を示す断面図。 本実施形態の変形例1によるシールドの形状を示す断面図。 本実施形態の変形例2によるシールドの形状を示す断面図。 本実施形態の変形例3によるシールドの形状を示す断面図。 第2実施形態によるシールドの形状を示す断面図。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
以下に示す本実施形態では、電子ビームを放射する電子銃を備えた電子ビーム描画装置の構成について説明する。但し、ビームは、電子ビームに限定するものではなく、イオンビーム等の他の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、本実施形態は、描画装置だけでなく、検査装置等に適用してもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電子ビーム描画装置の構成を示す図である。図1において、電子ビーム描画装置(以下描画装置)100は、可変成形型の電子ビーム描画装置の一例であり、描画部150と制御演算部160とを備えている。
描画部150は、電子鏡筒102と、描画室103とを備えている。
電子鏡筒102は、内部を略真空雰囲気に保持することができる。電子鏡筒102は、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング偏向器212、ブランキングアパーチャ214、成形アパーチャ203、206、投影レンズ204、成形偏向器205、対物レンズ207、偏向器208、209、電子銃室217を備える。
荷電粒子発生部としての電子銃201は、チャンバとしての電子銃室217内に収容されおり、感電粒子として電子ビームを発生させる。電子銃室217は、イオンポンプ117に接続されており、イオンポンプ117によって減圧されている。
照明レンズ202、投影レンズ204および対物レンズ207は、いずれも励磁を変えて電子ビームを収束させ、結像位置(照射位置)を調節する電磁レンズである。これらは、図1に示すように、電子銃201の配置された上流側の一端から、後述するステージ105のある下流側に向けて、電子ビーム200の軸方向に配列されている。
照明レンズ202は、電子銃201から出射された電子ビーム200を成形アパーチャ203に照明する。成形アパーチャ203で成形された電子ビーム200は、さらに投影レンズ204で成形アパーチャ206に投影される。成形アパーチャ206上での成形アパーチャ像の位置は、成形偏向器205で制御される。これにより、電子ビームの形状と寸法が変化する。成形アパーチャ206 を透過した電子ビーム200は、対物レンズ207で照射位置合わせが行われた後、偏向器208、209で偏向される。電子ビーム200は偏向器208で、照射位置の修正が行われ、その後、描画室103に載置されたマスク216に照射される。
描画室103の内部には、ステージ105が配置されている。ステージ105は、制御部110によって、X方向、Y方向およびZ方向に駆動される。ステージ105上には、処理対象となるマスク216が載置される。マスク216は、例えば、石英等のマスク基板上に、クロム(Cr)膜やモリブデンシリコン(MoSi)膜等の遮光膜が形成され、さらにその上にレジスト膜が形成されたものでよい。このレジスト膜上に、電子ビーム200によって所定のパターンを描画する。マスク216は、例えば、まだ何もパターンが形成されていないマスクブランクスであってもよい。
制御演算部160は、制御部110と、イオンポンプ117とを備えている。
制御部110は、描画データを記憶する描画データ記憶部110aと、描画データを処理してショットデータを生成するショットデータ生成部110bと、電子鏡筒102を制御する描画制御部110cとを備えている。描画データ記憶部110aは、マスク216にパターンを描画するための描画データを記憶する記憶部である。ショットデータ生成部110bは、描画データにより規定される描画パターンを分割し、ショットデータを生成する。描画制御部110cは、ステージ105をストライプ領域の長手方向に移動させつつ、所定位置に生成されたショットデータに基づき前述の描画パターン描画ための制御を行う。
減圧装置としてのイオンポンプ117は、電子銃室217に接続されており、電子銃室217内を減圧する。イオンポンプ117は、電子銃室217内の気体を電離させてイオン化し、そのイオンを吸着することによって減圧する。イオンポンプ117によって、電子銃室217は、高い真空度で減圧されている。尚、図示しないが、電子鏡筒102の電子銃室217以外の領域も他の真空ポンプで減圧されている。
図2は、電子銃室217およびイオンポンプ117のより詳細な構成を示す断面図である。電子銃室217内には、電子銃201が設けられている。電子銃201は、カソード電極を有し、例えば、-50kVの負電圧が印加されている。
イオンポンプ117は、一対の磁石301、302と、一対のカソード電極303、304と、アノード電極305と、アノード電圧印加バンド310と、プラグ320とを備えている。
磁石301、302は、それぞれS極およびN極の永久磁石であり、それらの間に磁場を与える。カソード電極303、304は、磁石301と磁石302との間の内側に配置され、接地されている。アノード電極305は、カソード電極303とカソード電極304との間の内側に配置され、アノード電圧印加バンド310を介して正電圧が印加されている。これにより、アノード電極305とカソード電極303、304との間には、電場が発生し、それらの間の気体に電場を与える。磁石301、302による磁場とアノード電極305およびカソード電極303、304との間の電場とは、同一方向に印加される。
電圧印加部材としてのアノード電圧印加バンド310は、アノード電極305とプラグ320との間を接続している。プラグ320には、例えば、+7kVの正電圧が印加されており、アノード電圧印加バンド310は、プラグ320からの電圧をアノード電極305へ印加する。アノード電圧印加バンド310には、例えば、SUS等の導電性材料が用いられる。
イオンポンプ117と電子銃室217との間には、接続管400が設けられている。接続管400は、イオンポンプ117と電子銃室217との間を気密に維持し、電子銃室217内からの気体をイオンポンプ117へ通過させる経路となる。接続管400の途中には、シールド500が設けられている。
遮蔽部材としてのシールド500は、電子銃室217とイオンポンプ117との間の接続管400に設けられ、イオンポンプ117から電子銃室217へ流れるイオンを遮蔽する。シールド500は、接続管400の内壁に沿った外形を有し、その外径は、接続管400の内径にほぼ等しい。これにより、シールド500は、接続管400の内壁にほぼ隙間なく嵌まっている。シールド500は、電子銃室217内からイオンポンプ117への気体のコンダクタンスを確保しつつ、イオンポンプ117で発生したイオンが逆に電子銃室217へ侵入することを抑制するために設けられている。シールド500のより詳細な構成については、図3を参照して後で説明する。
イオンポンプ117は、カソード電極303、304とアノード電極305との間の電場に、磁石301、302からの磁場を加えることにより、減圧環境において放電を維持することができる。これにより、電子がアノード電極305とカソード電極303、304との間に発生し、その電子に衝突した気体が電離し、陽イオンとなる。陽イオンは、カソード電極303、304へ衝突し、カソード電極303、304からカソード電極材料(例えば、チタン)をスパッタする。スパッタされたカソード電極材料が気体を吸着してアノード電極305等に付着する。これにより、イオンポンプ117は、電子銃室217内の気体を取り除き、電子銃室217内を減圧することができる。
イオンポンプ117で発生した陽イオンPのほとんどは、カソード電極303、304へ衝突する。しかし、陽イオンPの一部が電子銃室217のカソード電圧(例えば、-50kV)によって電子銃室217へ移動しようとする場合がある。この場合、シールド500は、電子銃室217からの気体のコンダクタンスを維持しつつ、陽イオンPを捕捉することが望まれる。
図3は、シールド500の構成例を示す平面図である。シールド500は、第1領域R1と、第2領域R2とを含む。シールド500には、例えば、SUS等の導電性および耐腐食性を有する材料を用いている。
第1領域R1には、複数の板部材501が接続管400内をイオンポンプ117から電子銃室217への第1方向(図3の紙面方向)D1から見たときに(第1方向視において)、ほぼ隙間のないように配列されている。例えば、板部材501は、シェブロン形状を有し、接続管400を第1方向D1から見たときに、或る板部材(第1板部材)の上端と第1板部材に隣接する板部材(第2板部材)の下端とが重複するように配置される。このように、隣接する板部材501を部分的に重複するように配置することによって、シールド500は、第1方向D1から見たときに、第1領域R1においてシールド500の向こう側が見えないように構成される。これにより、陽イオンPがイオンポンプ117から電子銃室217へ直進してきても、陽イオンPは、板部材501に衝突して阻止される。その結果、シールド500は、第1領域R1において陽イオンPを阻止することができる。尚、板部材501は、後述する変形例で示すように、平板状の部材であってもよく、平板状の部材を屈曲するように成形した部材であってもよい。
一方、第2領域R2には、第1方向(図3の紙面方向)D1から見たときに、複数の孔を有するメッシュ部材502が設けられている。メッシュ部材502は、例えば、複数の針金や細長い金属板等を交差させて形成されている。あるいは、メッシュ部材502は、多数の孔を空けた平板状の金属板であってもよい。これにより、メッシュ部材502は、気体を電子銃室217からイオンポンプ117へ通過させ易く、良好な気体コンダクタンスを有する。
第1および第2領域R1、R2の板部材501およびメッシュ部材502は、ともに導電性の枠503で固定されており、かつ、枠503に電気的に接続されている。これにより、枠503が接地されることによって、板部材501およびメッシュ部材502も接地される。
図4は、シールド500を接続管400に装着した状態を示す概略図である。図4は、第1方向D1から見たシールド500および接続管400を示す。シールド500は、接続管400に対してほぼ隙間無く装着される。
ここで、第1方向D1から見たときに、第1領域R1の板部材501は、アノード電圧印加バンド310とほぼ重複する位置に配置される。アノード電圧印加バンド310は、図2に示すように、アノード電極305からプラグ320まで延在しており、帯状の細長い形状を有する。従って、図4のように第1方向D1から見ると、アノード電圧印加バンド310は、プラグ320から接続管400の径方向に亘って延在するように見える。板部材501は、接続管400に嵌めたときに、このようなアノード電圧印加バンド310の配置に対応するように設けられる。従って、第1方向D1から見たときに、アノード電圧印加バンド310は、第1領域R1の板部材501の後ろ側に隠れてほぼ見えない。尚、図4では、板部材501とアノード電圧印加バンド310との配置関係を理解し易くするために、便宜的にアノード電圧印加バンド310を図示している。
イオンポンプ117で発生した陽イオンPは、アノード電圧印加バンド310の正電圧と電子銃201の負電圧とによって電子銃室217へ向かって加速される。このため、シールド500のうちアノード電圧印加バンド310に対応する部分に陽イオンPが衝突していることが分かっている。
そこで、本実施形態によるシールド500は、第1方向D1から見たときに、アノード電圧印加バンド310に対応する位置に、複数の板部材501から構成される第1領域R1を有する。第1方向D1から見たときに、複数の板部材501は、ほぼ隙間無く、第1領域R1を塞ぐように配列されている。これにより、陽イオンPがアノード電圧印加バンド310から電子銃室217へ向かって加速され直進してきても、板部材501が陽イオンPを阻止することができる。
第1領域R1の幅(複数の板部材501の全体幅)W1は、第1方向D1から見たときにアノード電圧印加バンド310の幅W2とほぼ同じ大きさかあるいはそれよりも大きいことが好ましい。これにより、板部材501は、アノード電圧印加バンド310からの陽イオンPをより確実に阻止することができる。また、第1領域R1の幅W1をアノード電圧印加バンド310の幅W2よりも大きくすることによって、アノード電圧印加バンド310が第1方向D1に対して垂直方向(接続管400の径方向)に幾分曲がっていたとしても、第1方向D1から見たときに、板部材501をアノード電圧印加バンド310に重複させることができる。
一方、第1領域R1以外の第2領域R2では、多数の孔を有するメッシュ部材502が設けられている。従って、第2領域R2では、良好な気体のコンダクタンスを維持している。
即ち、本実施形態によれば、第1領域R1における板部材501がイオンポンプ117からの陽イオンPを効果的に遮蔽し、かつ、第2領域R2におけるメッシュ部材502が電子銃室217からイオンポンプ117への気体のコンダクタンスを良好に維持している。その結果、本実施形態によるシールド500は、電子銃室217内の真空度を維持しつつ、イオンポンプ117から電子銃室217へのイオンの通過を効果的に阻止することができる。イオンポンプ117から電子銃室217へのイオンの通過を阻止することによって、電子銃室217内における放電が抑制され得る。
図5は、シールド500の形状を示す断面図である。尚、複数の板部材501を互いに区別するために、複数の板部材501をそれぞれ便宜的に501a~501eと呼ぶ。
シールド500の第1領域R1に設けられた複数の板部材501a~501eは、その延伸方向に対する垂直断面において、それぞれ略V字形状を有する。即ち、板部材501a~501eは、それぞれ、所謂、シェブロン形状を有する。また、板部材501a~501eは、それぞれほぼ同じ形状およびほぼ同じ大きさを有する。さらに、板部材501a~501eは、第1方向D1に対して垂直方向(径方向)に、同じ向きに所定間隔を空けて配列されている。従って、板部材501a~501e間には、隙間が設けられる。この隙間によって、第1領域R1においても、或る程度の気体のコンダクタンスが維持されている。
一方、第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eのうち隣接する2つの板部材は部分的に重複しており、板部材501a~501eの間には隙間が見えない。例えば、第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eの配列方向における第1板部材501aの上端E1は、第1板部材501aの上に隣接する第2板部材501bの下端E2よりも高い位置にある。従って、第1方向D1から見たときに、板部材501aと板部材501bとは互いに重複しており、それらの間には隙間が見えない。他の板部材501b~501eについても同様に配置され、第1方向D1から見たときに、板部材501b~501eは、部分的に重複しながら配列されており、それらの間には隙間が見えない。このように、第1領域R1においては、或る程度の気体のコンダクタンスを維持しつつ、第1方向D1から見たときに、隙間を無くしている。これにより、板部材501a~501eは、イオンポンプ117から電子銃室217へ移動しようとする陽イオンPを効果的に阻止することができる。
第2領域R2におけるメッシュ部材502は、良好な気体コンダクタンスを有する。一方、メッシュ部材502は、板部材501程ではないが、或る程度陽イオンPの通過を阻止することができる。第2領域R2は、D1方向において、アノード電圧印加バンド310とは重複していない。従って、メッシュ部材502は、板部材501ほど陽イオンPの阻止能力を必要としない。
上述のように、陽イオンPは、アノード電圧印加バンド310から電子銃室217へ向かって加速される。このため、陽イオンPは、シールド500のうちアノード電圧印加バンド310に対応する第1領域R1に衝突し易い。従って、本実施形態では、第1領域R1に複数の板部材501が設けられている。一方、第1領域R1以外の第2領域R2にまで板部材501を設けると、シールド500の気体のコンダクタンスが劣化する。気体のコンダクタンスが劣化すると、電子銃室217の真空度が低下する。そこで、本実施形態では、第2領域R2には、良好なコンダクタンスを有するメッシュ部材502を用いている。これにより、シールド500は、電子銃室217内の真空度を維持しつつ、イオンポンプ117から電子銃室217へのイオンの通過を効果的に阻止することができる。
(変形例1)
図6は、本実施形態の変形例1によるシールド510の形状を示す断面図である。変形例1では、板部材501a~501eの断面形状は、略U字形状である。本変形例1でも、第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eのうち隣接する2つの板部材は部分的に重複しており、板部材501a~501eの間には隙間が見えない。例えば、第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eの配列方向における第1板部材501aの上端E1は、第1板部材501aの上に隣接する第2板部材501bの下端E2よりも高い位置にある。従って、第1方向D1から見たときに、板部材501aと板部材501bとは互いに重複しており、それらの間には隙間が見えない。他の板部材501b~501eについても同様に配置され、第1方向D1から見たときに、板部材501b~501eは、部分的に重複しており、それらの間には隙間が見えない。
このように略U字形状であっても、板部材501a~501eは、第1方向D1から見たときに、ほぼ隙間が見えないように配列されている。変形例1のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。また、メッシュ部材502は、第1実施形態のそれと同様である。従って、変形例1は、本実施形態の効果を有する。
(変形例2)
図7は、本実施形態の変形例2によるシールド520の形状を示す断面図である。変形例2では、板部材501a~501eは、略平坦な板形状を有し、その断面形状は、略直線状である。板部材501a~501eは、第1方向D1に対して傾斜するように配置されている。板部材501a~501eは、第1方向D1へ進むに従って低下するように傾斜している。
第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eのうち隣接する2つの板部材は部分的に重複しており、板部材501a~501eの間には隙間が見えない。例えば、第1方向D1から見たときに、板部材501a~501eの配列方向における第1板部材501aの上端E1は、第1板部材501aの上に隣接する第2板部材501bの下端E2よりも高い位置にある。従って、第1方向D1から見たときに、板部材501aと板部材501bとは互いに重複しており、それらの間には隙間が見えない。他の板部材501b~501eについても同様に配置され、第1方向D1から見たときに、板部材501b~501eは、部分的に重複しており、それらの間には隙間が見えない。
このように平板部材であっても、板部材501a~501eは、第1方向D1から見たときに、ほぼ隙間が見えないように配列されている。変形例1のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。また、メッシュ部材502は、第1実施形態のそれと同様である。従って、変形例2も、本実施形態の効果を有する。
(変形例3)
図8は、本実施形態の変形例3によるシールド530の形状を示す断面図である。変形例3では、板部材501a~501eは、略平板形状を有する点で変形例2と同じである。しかし、板部材501a~501eの傾斜方向が変形例2のそれと異なる。板部材501a~501eは、第1方向D1へ進むに従って上昇するように傾斜している。変形例3のその他の構成は、変形例2の対応する構成と同様でよい。従って、変形例3も本実施形態の効果を有する。
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態によるシールド540の形状を示す断面図である。第2実施形態では、板部材501a~501eの形態は、第1実施形態のそれと同様である。一方、第2実施形態では、メッシュ部材502が、シールド540の枠503内全体に設けられている。即ち、メッシュ部材502は、第1および第2領域R1、R2の両方に設けられている。
板部材501a~501eは、第1方向D1から見たときに、第1領域R1におけるメッシュ部材502と重複するように取り付けられている。第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。
第2実施形態によれば、第1領域R1において、板部材501a~501eとメッシュ部材502とが重複している。従って、シールド540は、第1領域R1において、陽イオンPをより効果的に遮断することができる。一方、第1領域R1において、気体のコンダクタンスは劣化するが、第2領域R2における気体のコンダクタンスは良好に維持されているため差し支えない。従って、第2実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2実施形態は、変形例1~3と組み合わせてもよい。即ち、第2実施形態の板部材501a~501eには、変形例1~変形例3の板部材501a~501eを適用してもよい。このようにしても第2実施形態の効果は失われない。
尚、板部材501およびメッシュ部材502は、第1方向D1から見たときに、それらの間に隙間が無いように配置されていることが好ましい。これにより、板部材501のイオン遮断効果とメッシュ部材502の良好な気体コンダクタンスとを効果的に機能させることができる。また、板部材501とメッシュ部材502は電気的に接続されていることが好ましい。これにより、板部材501およびメッシュ部材502は、枠503を介して接地され易くなる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
102 電子鏡筒、201 電子銃、217 電子銃室、117 イオンポンプ、301、302 磁石、303、304 カソード電極、305 アノード電極、310 アノード電圧印加バンド、320 プラグ、500 シールド、400 接続管、501 板部材、502 メッシュ部材、503 枠

Claims (5)

  1. 荷電粒子を発生させる荷電粒子発生部と、
    前記荷電粒子発生部を収容するチャンバと、
    前記チャンバに接続され、該チャンバ内の気体をイオン化して減圧する減圧装置と、
    前記チャンバと前記減圧装置との間を第1方向に接続する経路に設けられ、前記減圧装置から前記チャンバへ流れるイオンを遮蔽する遮蔽部材とを備え、
    前記遮蔽部材は、第1領域に設けられ、互いに間隔を空けて配置され、かつ、前記第1方向から見たときに隙間のないように配列されている複数の板部材と、前記第1領域以外の第2領域に設けられ、前記第1方向から見たときに複数の孔を有するメッシュ部材とを含む、荷電粒子装置。
  2. 前記減圧装置は、前記気体に電場を与えるアノードおよびカソードと、前記アノードから延在し前記アノードに電力を供給する電圧印加部材とを備え、
    前記第1領域は、前記第1方向から見たときに前記電圧印加部材と重複する位置に配置されている、請求項1に記載の荷電粒子装置。
  3. 前記第1領域は、前記第1方向から見たときに前記電圧印加部材と同じ大きさかあるいはそれよりも大きい、請求項2に記載の荷電粒子装置。
  4. 前記第1方向から見たときに、前記複数の板部材のうち第1板部材と該第1板部材に隣接する第2板部材とが部分的に重複する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の荷電粒子装置。
  5. 前記複数の板部材は、該板部材の長手方向および前記第1方向に対して垂直な断面において、それぞれ略V字形状略U字形状、あるいは、前記第1方向に対して傾斜する略直線状を有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の荷電粒子装置。
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