JP7061732B2 - 透明なウォークスルーゲート - Google Patents

Description

この出願は、２０１９年４月１９日に出願された米国特許仮出願第６２／８３６，１２６号及び２０２０年３月１８日に出願された米国特許出願第１６／８２２，８８８号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

本発明は、チェックアウトに関し、より詳細には透明なウォークスルーゲートに関する。

小売店のチェックアウトステーションは、収益を増大させる上で障害となることがある。それは、いくつかの理由による。第１に、店舗に多くの顧客が訪れている期間において、各チェックアウトステーションで待つ人の列が形成されると、店舗は１時間当たり所定の量を超える顧客を処理することができない。これは、単に見込まれる収益に上限を設けることになる。第２に、顧客が、ある期間においてチェックアウト待ちの列が長いことに気付いた場合、該顧客は訪れている店舗を代えて他の場所で買い物をするかもしれない。第３に、チェックアウトステーションで待つ人の列があまりに頻繁にできる場合、顧客はもうその店舗を訪れなくなり、所定の期間における特定のセールだけでなく、該店舗で長年買ってくれそうな顧客を失うと考えて、より徹底してライバル店へ行くことを選択するかもしれない。第４に、店舗は、チェックアウトを待つ人の平均の列の長さを短縮するために、より多くのチェックアウトステーション及び係員を割り当てることを決めるかもしれない。これにより、店舗のレイアウトが変更され、混雑しない時間帯（例えば、平日の真っ只中）で十分に利用されない多数のチェックアウトステーションを備えることで、店舗正面の特に貴重なエリアが無駄になる。第５に、店舗は、より多くのレジ係をチェックアウトに割り当てるか、常在または待機させるチェックアウトステーションを担当するレジ係の数を変更する必要がある。そのため、店舗の管理に余分な負担を要し、コストアップにつながる。自動化されたアプローチは、依然として前述した多くの欠点に悩まされている。したがって、改善されたチェックアウトが必要とされる。

本発明の態様によれば、ウォークスルーゲートが提供される。ウォークスルーゲートは、入口と出口とを有するウォークスルーゲートボリュームを取り囲む第１の半透明な側壁及び第２の半透明な側壁を含む。ウォークスルーゲートは、無線チェックアウトのための製品識別子を無線で受信するための複数のアンテナをさらに含む。複数のアンテナのうちの少なくとも１つは、半透明な導電性材料で構成される。

本発明の他の態様によれば、ウォークスルーゲートチェックアウトのための方法が提供される。本方法は、第１の半透明な側壁及び第２の半透明な側壁によって、入口と出口とを有するウォークスルーゲートボリュームを取り囲む側壁を含む。この方法は、複数のアンテナによって、無線チェックアウトのための製品識別子を無線で受信することをさらに含む。

これらの及び他の特徴並びに利点は、以下の典型的な実施形態の詳細な説明を添付の図面と併せて読むことで明らかになるであろう。

本開示では、後述するように、以下の図面を参照しながら好ましい実施形態について詳細に説明する。

図１は、本発明の一実施形態による、典型的な処理システムを示すブロック図である。

図２は、本発明の一実施形態による、本発明を適用できる典型的なＲＦ後方散乱機構を示すブロック図である。

図３は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧの典型的な内部領域を示す図である。

図４は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧ壁上に配置される典型的な内部アンテナ及び外部アンテナを示す図である。

図５は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧの左側壁及び右側壁として２つの湾曲した透明な壁を示す図である。

図６は、本発明の一実施形態による、ウォークスルーゲートチェックアウトのための典型例６００を示す流れ図である。

本発明の実施形態は透明なウォークスルーゲートを対象とする。

本発明の実施形態において、チェックアウトステーションにＲＦＩＤ技術を用いて、複数のアイテムを一緒に（またはバーコードで可能なものよりもはるかに速く）読み取ることで、チェックアウトプロセスを大幅に高速化できる。このコンテキストで「一緒に」とは、実際にはアイテムが一度に１つずつ時間的に順次読み取られていても、多数のアイテムを読み取るのに必要な時間が非常に短いため、顧客にとって同時と考えられることを意味することに留意されたい。

本発明の実施形態は、ウォークスルーゲート（ＷＴＧ）における壁の大部分の領域が透明であるように設計される、ＷＴＧのための代替設計を提供する。このような透明な材料は、ＷＴＧを通過する顧客を案内する。しかしながら、ＷＴＧの壁は、他の顧客の視界を妨げない。そのため、主な設計上の特徴は、ＷＴＧ用の透明な側壁である。ＷＴＧの内側領域と外側領域との間を正確に分離することを提供できる特定の透明材料を用いた設計を提示する。さらに、発明者の物理的設計は、この目標を達成するのに不可欠である。一実施形態において、そのような物理的設計には、きめの細かい（例えば、０．０１ｍｍ～３ｍｍの範囲のピッチを有する）メッシュ導電性材料シートを用いた、クラウド状のきめの細かい導電性粒子を用いた、内側及び外側アンテナを用いた、ビームが上方に向けられた床における指向性アンテナを用いた、特定の複数の曲面を含むことができる。透明な側壁に用いられる導電性メッシュは、実質的に透明である、そのようなきめの細かいメッシュで構成される。このような導電性メッシュは、タッチセンシング用途のためにスクリーン上で使用することもできる。

本発明は、店舗、劇場、スタジアム等を含む複数のタイプの現場で使用できることを理解されたい。例えば、劇場またはスタジアムにおいて、イベントの現物人が購入のために手に取ることができる商品が本発明によるＷＴＧでチェックアウトできる。

図１は、本発明の一実施形態による、典型的な処理システム１００を示すブロック図である。処理システム１００は、１組の処理ユニット（例えば、ＣＰＵ）１０１と、１組のＧＰＵ１０２と、１組のメモリ装置１０３と、１組の通信装置１０４と、１組の周辺装置１０５とを含む。ＣＰＵ１０１は、シングルコアまたはマルチコアＣＰＵとすることができる。ＧＰＵ１０２は、シングルコアまたはマルチコアＧＰＵとすることができる。１つまたは複数のメモリ装置１０３は、キャッシュ、ＲＡＭ、ＲＯＭ及び他のメモリ（フラッシュ、光、磁気等）を含むことができる。通信デバイス１０４は、無線及び／または有線通信デバイス（例えば、ネットワーク（例えば、ＷＩＦＩなど）アダプタ等）を含むことができる。周辺機器１０５は、表示装置、ユーザ入力装置、プリンタ、撮像装置等を含むことができる。処理システム１００の各要素は、１つまたは複数のバスまたはネットワーク（まとめて参照番号１１０で示す）によって接続される。

一実施形態において、メモリ装置１０３は、コンピュータ処理システムを、本発明の様々な態様を実施するように構成された特別な目的のコンピュータに変換する、特別にプログラムされたソフトウェアモジュールを保存できる。一実施形態において、本発明の様々な態様を実施するために、専用のハードウェア（例えば、特定用途向け集積回路、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Arrays）等）を用いることができる。一実施形態において、メモリ装置１０３は、透明なウォークスルーゲート機能をサポートするための専用アルゴリズム１０３Ａを保存する。

もちろん、処理システム１００は、当業者であれば容易に思いつくような他の要素（不図示）を含んでいてもよく、特定の要素を除いてもよい。例えば、当業者であれば容易に理解できるが、処理システム１００には、その詳細な実装に応じて他の様々な入力デバイス及び／または出力デバイスを含むことができる。例えば、無線及び／または有線による種々の入力デバイス及び／または出力デバイスを使用できる。さらに、当業者であれば容易に理解できるが、様々な構成において追加のプロセッサ、コントローラ、メモリ等を用いることも可能である。処理システム１００の上記及び他の変形例は、本明細書で提供される本原理の教示によって当業者であれば容易に考えられるであろう。

さらに、本発明に関連する様々な要素及びステップに関して以下で説明するように、システム１００の要素のうちの1つまたは複数によって、全体的にまたは部分的に実施できることは、様々な図によって理解される。

本明細書で用いる「ハードウェアプロセッササブシステム」または「ハードウェアプロセッサ」という用語は、１つ以上の特定のタスクを実行するために協働するプロセッサ、メモリ、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせを指すことができる。有用な実施形態において、ハードウェアプロセッササブシステムは、１つまたは複数のデータ処理要素（例えば、論理回路、処理回路、命令実行デバイス等）を含むことができる。１つまたは複数のデータ処理要素は、中央処理装置、グラフィックス処理装置及び／または個別のプロセッサまたはコンピューティング要素ベースのコントローラ（例えば、論理ゲート等）を含めることができる。ハードウェアプロセッササブシステムは、１つ以上のオンボードメモリ（例えば、キャッシュ、専用メモリアレイ、読み出し専用メモリ等）を含むことができる。任意の実施形態において、ハードウェアプロセッササブシステムは、オンボードまたはオフボードとすることができる、またはハードウェアプロセッササブシステム（例えば、ＲＯＭ、ＲＡＭ、基本入出力システム（ＢＩＯＳ）等）で用いるための専用の１つ以上のメモリを含むことができる。

任意の実施形態において、ハードウェアプロセッササブシステムは、１つ以上のソフトウェア要素を含み実行できる。１つ以上のソフトウェア要素は、特定の結果を達成するためにオペレーティングシステム及び／または１つ以上のアプリケーション及び／または特定のコードを含むことができる。

他の実施形態において、ハードウェアプロセッササブシステムは、指定された結果を達成するために１つまたは複数の電子処理機能を実行する専用回路を含むことができる。そのような回路は、１つまたは複数の特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）及び／またはプログラマブルロジックアレイ（ＰＬＡ）を含むことができる。

ハードウェアプロセッササブシステムのこれら及び他の変形例もまた、本発明の実施形態により考えられる。

図２は、本発明の一実施形態による、本発明を適用できる典型的なＲＦ後方散乱機構２００を示すブロック図である。

後方散乱機構２００は、受動ＲＦタグ２１０と、ＲＦアンテナ２２１を備えたＲＦリーダ２２０とを含む。上述した要素の１つまたは複数は、図１の処理システム１００の通信デバイス及び／または周辺機器とすることができる。例示のために１つの典型的なタグが示されているが、本発明は多くのタグを有する環境で使用されることを意図しており、従来のアプローチはそのような環境でタグを読み取ることに関して本明細書で説明する、本発明の実施形態によって打開される上述した欠点がある。

図２において、ｄはＲＦアンテナ２２１とＲＦタグ２１０との間隔を示し、λは送信波２３０の波長を示し、θ_Ｔは送信信号の位相を示し、θ_Ｒは後方散乱受信信号の位相を示し、ｆ_１は送信波２３０及び後方散乱波２４０の周波数を示す。

動作中、ＲＦ（radio frequency）波２３０は、ＲＦリーダ２２０のアンテナ２２１から送信される。ＲＦタグ２１０の向きに応じて、ＲＦ波２３０は、後方散乱波２４０としてＲＦアンテナ２２１に反射して戻る。さらに、反射した信号、すなわち後方散乱波２４０の状態を変調することで、受動ＲＦタグ２１０は、該受動ＲＦタグ２１０に格納された情報を伝達できる。

図３は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧの典型的な内側領域３００を示す図である。内側領域３００は、ＷＴＧの２つの側壁３０１及び３０２の間のボリュームであり、ゲートの真上及びゲート入口３１１及びゲート出口３１２のわずか外側に、より大きなボリュームを含んでいてもよい。

図４は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧの壁上に配置される典型的な内側アンテナ４０１及び外側アンテナ４０２を示す図である。

そのような内側アンテナ４０１及び外側アンテナ４０２は、アンテナを透明にするために、透明な導電性メッシュで作成してもよい。図４の典型的な実施形態では、８つのアンテナが使用されている。しかしながら、他の実施形態において、実装に応じて他の数のアンテナを使用できることを理解されたい。図４ではアンテナが符号ＡａからＡｈで示されている。ＡａからＡｆは内側アンテナ４０１であり、Ａｇ及びＡｈは外側アンテナ４０２である。

次に、本発明の実施形態による、本発明の物理的な構造について説明する。

スマートチェックアウトステーションは、ウォークスルーゲート（ＷＴＧ）と呼ばれ、２つの側壁を有するように設計され、側壁間のボリュームがＷＴＧの内側にあると考えられる。ＷＴＧの内側領域は、また２つの側壁間のボリュームよりも大きく、そのボリュームを完全に取り囲む接続ボリュームとして定義されてもよい。例えば、側壁の高さより上であるが側壁の間にあるボリュームは、内側とみなすことができる。ＷＴＧの内側では無い任意の領域は、外側と見なされる。近接して配置された複数のＷＴＧがあり、隣接する壁を有することもできることに留意されたい。

一実施形態において、動作は以下のように例示される。顧客がＷＴＧの内側領域に入り、システムからの信号が顧客にＷＴＧから出られることを通知するまで、しばらく停止する。ＷＴＧを出るとは、ＷＴＧの内側領域を出て外に出ることを意味する。例示的なシナリオにおいて、顧客は、一方の側から入り、他方の側から出ることのみが許可されることに留意されたい。顧客がＷＴＧ内に留まる期間をセッションと呼び、セッションで費やされる時間をセッション期間と呼ぶ。

ＷＴＧの外側及びＷＴＧ壁と隣接する領域をＷＴＧの側面（左側及び右側）と呼ぶ。ＷＴＧの入口として使用される領域は前部（または入口）であり、ＷＴＧの出口に近い領域は、ＷＴＧの後部（または出口）である。透明なＷＴＧは、完全に透明または部分的に非透明の壁を有するＷＴＧである。

次に、本発明の一実施形態による、壁構成について説明する。

透明な壁とするため、ガラス、樹脂、ポリカーボネート、プラスチックまたは強固で耐破損性を有する他のタイプの透明な材料を使用できる。側壁に一方の側から他方の側へ通過するＲＦ信号を大幅に減衰させるために、（１）きめの細かい導電性メッシュ、（２）炭素粒子（例えば、グラファイト粉末）、銅または錫（または他の導電性材料）等の小さな導電性粒子を壁へ注入したものの１つまたは組合せを用いることができる。１つの可能性は、例えばポリカーボネートの材料で作られたＷＴＧの側壁に取り付けられるきめの細かいメッシュを使用することである。それらの間に適当な距離、例えば３ｃｍ－１０ｃｍを有する複数のそのような壁は、ＷＴＧの各側面に配置されてもよい。多層側壁の目的は、ＲＦ信号をさらにトラップし、一方から他方へ通過するＲＦ信号を減衰させることである。ここで、ＲＦ信号は、ＲＦＩＤデバイスが動作している周波数帯域のＲＦ信号を意味することに留意されたい。メッシュのサイズ及びメッシュの材料は、所望の減衰を達成するために適切に選択されなければならない。

別の可能性は、プラスチックまたはガラスを導電性メッシュに注入することである。この場合、メッシュは、材料、例えばガラスまたはプラスチック（例えば、ポリカーボネート）の内側に埋め込まれる。より高度な設計において、ＷＴＧの側壁を作成するために使用される材料全体に小さな導電性粒子がクラウドを形成する。このような材料、例えば微小の銅または炭素粒子、または炭素繊維（または他の導電性材料）は、この材料で作られた側壁の厚さ全体にわたるＲＦ吸収材料をまとめて生成できる。したがって、それらはより多くの減衰量及び大幅に少ない反射量を提供する。一方、導電性メッシュは、大幅な反射が発生し、吸収が少ない。壁の一方の側面から他方の側面へ減衰する観点から、両方の技術は非常に有効であるが、使用事例に応じて、いずれかの方向への反射量と同様に、所望のレベルの減衰量に到達するために、一方または他方、あるいは両方の組み合わせを使用できる。

より具体的には、一方は壁の内面に近く、他方は壁の外面に近く、いずれかの方向へ反射させるために２つの複数層のメッシュを使用できる。さらに、これら２つの導電性メッシュの間のボリュームは、ポリカーボネートまたは樹脂のような、小さな導電性粒子または炭素繊維でドープされた材料で充填されていてもよい。炭素繊維を使用することは、耐久性を向上させ、側壁を構築する際の材料の強度を増大させる。

次に、本発明の一実施形態による、壁の物理的な設計について説明する。

壁の物理的な設計は、多くの要因に依存する。

第１に、ＷＴＧの内側領域と外側領域との間に分離層を提供する必要がある。側壁に曲面を使用することは、ＷＴＧの内部領域内の内部アンテナからのＲＦ信号の大部分を閉じ込めることが可能であり、ＷＴＧの外部領域に対する流出量を少なくできる。このような湾曲は、外部アンテナからＷＴＧの内部領域にリークするＲＦ信号をより少なくすることもできる。

第２に、アイソレーションを高めるために、例えば全ての曲率が同一であり、それらが互いに一定の距離を置いて分離されている場合に、各側壁上に複数の曲面を有することが可能である。図５は、本発明の一実施形態による、ＷＴＧの左側壁及び右側壁として２つの湾曲した透明な壁５０１及び５０２を示した図である。また、図５は、内部領域、入口（または出口）における外側領域のアンテナ５２２及びＷＴＧの側面の外側領域のアンテナ５２３を覆うための、地上のアンテナ５２１の可能な配置を示している。このようなアンテナは、天井に配置することもできる。

第３に、壁は部分的に妨害物を伴う透明またはほぼ透明であると考えられるため、側壁上の実際のアンテナの配置は制限されるべきである。この目的のため、内側アンテナに関して、該アンテナを地面とＷＴＧの通路の下に配置できるような設計を提案する。同様の理由で、側面用アンテナ（外側アンテナ）は、地面に配置されていてもよく、地面の穴の中に配置されてもよい。地面に配置されたこれらのアンテナは、上を向くことになる。これは、それらの伝送パターンが一方向であり、上向き（天井に向かって）であることを意味する。パッチアンテナは、このような設計用として良好な候補である。

第４に、側壁に不透明な材料が使用されない場合、すなわち壁が完全に透明である場合も、入口及び出口における外側アンテナは、地面の上または地面の穴の中に配置されてもよく、通過するＲＦ信号に影響を与えないカーペット、木製タイルまたは任意の他の（非導電性）材料によって覆われてもよい。

第５に、入口に近い及び／または出口に近い及び／またはその上部でも、側壁のエッジは金属等の何らかの不透明な材料によって覆われていてもよい。その場合、そのような不透明な面に対して内側及び外側の両方にアンテナを配置できる。

第６に、複数のアンテナ、各アンテナ、並びに特に地中のアンテナからの望ましくないリークを避けるために、アンテナは、アンテナの面（例えば、パッチアンテナの送信面）のみを覆わないＲＦ吸収材料から成るシェルケーシングの内側に配置されていてもよい。

第７に、ＲＦ信号に関してＷＴＧの内側及び外側領域をさらに絶縁するために、セッション中に側壁の上部から延びることが可能な、移動可能な透明ディバイダを有することができる。移動可能なディバイダと同じアイデアとして、出入り口で、例えば複数のスライドパネルまたはドアを該ディバイダとして使用できる。移動可能なディバイダは、側壁、すなわちクラウド粒子または導電性メッシュ等で使用される類似の材料で構成されてもよい。

ここで、本発明の一実施形態による、側壁の側面アンテナについて説明する。

上述したように、本設計の主な目的は、ほぼ透明な側壁を有することであり、小さい領域のみが視覚的に遮られることを意味する。したがって、ＷＴＧの内側領域を向いている内側アンテナ及びＷＴＧの外側領域を向いている外側アンテナのために、側壁にアンテナを配置することは依然として可能である。ＲＦＩＤの周波数範囲におけるパッチアンテナのサイズは、通常、１０～１５ｃｍ（正方形の形状）程度である。ここで、２つの改善が可能である。一つは、透明メッシュで作成され、給電線が１ｍｍから４ｍｍの線幅を持つマイクロストリップで作られたアンテナを設計することである。マイクロストリップ及び／またはアンテナの送信面に不透明な材料を使用しても、視界を過度に遮ることのない設計が可能であろう。この設計は、ＷＴＧ側壁の平坦な外観をさらに改善できる所望の美的効果が生じるためにも使用できる。別の改良は、アンテナの設計にメタマテリアルを使用することである。このような材料では、アンテナのサイズが大幅に（例えば、約１桁）低減される。

次に、本発明の一実施形態による、アンテナの移動について説明する。

透明なＷＴＧの設計に関するさらに別の改善は、移動可能なアンテナ素子を有することである。この移動は、アンテナの近距離フィールド及び中距離フィールドにおけるカバレージを提供するために不可欠かつ重大な送信ＲＦフィールドにおける摂動を提供するだけでなく、アイテムに添付されたＲＦＩＤの移動を追跡し、製品のＲＦＩＤをより良く走査する手段も提供する。これは、例えば前後の動きとして、アンテナを回転させるアンテナ用のフラッピング機構の形であってもよく、アンテナを揺らすことでモールの動きを生成してもよい。別の可能性は、側壁の一方の端部から側壁の湾曲に沿って他方の端部へ移動するアンテナを有することである。そのような移動は、一方の端部から他方の端部へ移動するときに、小さな領域において短時間だけ視覚的な遮蔽を生成する。フロアアンテナとしても、どちらのタイプの移動可能なアンテナを使用してもよい。この場合も、それらのアンテナは、ＲＦ信号を妨害しない材料で覆われるべきである。アンテナ移動のアイデアは、ＷＴＧの他の形で使用される可能性があることに留意されたい。しかしながら、透明な壁を有するＷＴＧにおけるアンテナの移動は、他の顧客の視野を妨げることを最小限に抑制するという観点からより重要である。

次に、本発明の一実施形態による、天井のアンテナについて説明する。

床下に配置された内側アンテナは、側壁よりも高く、ＲＦ信号を妨害しないＷＴＧの外側にあるタグを読み取る可能性があるため、この問題を緩和するためにアンテナを天井に配置することが想定される。ＷＴＧの処理アルゴリズムにおいて、全てのアンテナからの読み取り値を用いてタグが内側か外側かを判定できる。このような天井のアンテナは、通常、ＷＴＧの前面領域及び背面領域にＷＴＧから離れて配置される。

]以下、本発明の実施の形態による、事前の知識について説明する。

以下、透明なＷＴＧの設計において特に重要なＷＴＧの設計に対するアルゴリズムの改良について記載する。アンテナの集合体は、アンテナの内側であろうと外側であろうとラベル付けされ、それらの位置に応じてＲＦＩＤタグがＷＴＧの内側領域内にあるか外側領域内にあるかを判断する意思決定アルゴリズムにおいて異なる役割を果たす。これらのアンテナは、各々のアンテナからの受信信号強度を含む多くのパラメータの関数であり得る、各々に関連する異なる重みを有する。各読み取り値は、タグが特定の位置にある尤度を提供する。この尤度は、受信信号強度（received signal strength：ＲＳＳＩ）、位相シフトまたはドップラー等のパラメータだけでなく、特定のアンテナ（例えば、内側であるか外側であるか、どこに配置されているか）の関数である。なお、この尤度は、一般に時間の関数とすることもできる。これは、同じまたは異なるアンテナからの多数のサンプルを一緒に考慮できることを意味し、結合尤度関数を提供する。これは、いくつかの結合アンテナからの読み取り値が、別のアンテナセットからの同様の読み取り値よりも高い重みを有する場合を含むことができる。判定アルゴリズムにおいて、タグが内側であるか外側であるかを判定するために、読み取り値を用いてメトリック計算が実行される。

本アルゴリズムは、事前の知識が利用可能である場合にさらに改善できる。例えば、クラスタ化またはグループ化技術が、ＷＴＧのフロア、天井及び入口側に配置された外部アンテナの手段によって、ＷＴＧに入場する前に使用される場合、意思決定プロセスにおけるアイテムに関する事前の知識を組み合わせることができる。そのような事前の知識は、アイテム間またはアイテムと参照タグとの間の距離の測定値または埋め込み距離の測定値（例えば、ニューラルネットワークを用いることで）等の近接ファクタの形にできる。参照タグは、顧客によって運ばれるショッピングカートまたはショッピングバッグで使用されてもよい。あるいは、参照タグは、会員カードの形態であってもよく、顧客が携帯する会員カード内に埋め込まれていてもよい。このような近接ファクタは、判定アルゴリズムで実行されるメトリック計算と組み合わせることが容易な尤度比に順に変換できる。

次に、本発明の一実施形態による、遅延課金について説明する。

読み取り値の時系列、例えば読み取りが、入口（進入部分）にあるアンテナから開始し、中間（すなわち、ＷＴＧの内部アンテナ）にあるアンテナ、出口（退出部分）にあるアンテナへ遷移する場合を考慮すると、アルゴリズムはさらに改善できる。この時間情報を用いることで、アイテムの一方の端から他方の端への遷移を推定できる。この期間中に単一のセッションしかない場合、それに応じて判定アルゴリズムを調整するために、その情報を用いることができる。そのようなアルゴリズムは、請求が遅れる可能性がある。これは、時系列分析アルゴリズムで取得されるあらゆる事前の知識がセッション中にメトリック計算アルゴリズムと共に使用される可能性があるという事実による。しかしながら、このような時系列分析の精度は、判定後に予め設定された値に達することがある。その場合、時系列アルゴリズムは、請求の遅れが可能である場合にのみ、判定アルゴリズムと組み合わせることが有用である。これは、あるアイテムがこのセッションに属する（すなわち、アイテムが、セッションが終了することで外部に在ると判断されても、ＷＴＧ内に在る）と後に判定された場合、そのアイテムが、後にユーザに関連するカートまたはバッグに追加され、それに応じて請求することを意味する。同様に、このセッションに割り当てられるべきでなかったアイテムは、それに応じて調整されてもよい。

図６は、本発明の一実施形態による、ウォークスルーゲートチェックアウトのための典型的な方法６００を示す流れ図である。

ブロック６０５において、第１の半透明側壁及び第２の半透明側壁によって、側面部分及び退出部分を有するウォークスルーゲートボリュームを取り囲む。側壁は、湾曲した表面として形成できる。側壁は、メッシュ導電性材料シートを含むことができる。側壁は、導電性粒子を含んでいてもよい。導電性粒子は、半透明材料中に封入できる。側壁は、ＷＴＧの外側の信号減衰のために壁の間に固定された分離層を備えた多層とすることも可能である。例えば、信号減衰のために入口及び／または出口に移動可能なスライドを設けることができる。

ブロック６１０において、複数のアンテナによって、無線チェックアウトのための製品識別子を無線で受信する。アンテナは、床、壁、天井等に取り付けるか、または近接して取り付けることができる。アンテナは、単一指向性の送受信を提供するためにシールドされていてもよい。アンテナは、半透明なメッシュから形成できる。アンテナは移動可能である。

本明細書で説明する実施形態は、全てハードウェアで実現してもよく、全てソフトウェアで実現してもよく、ハードウェアとソフトウェアの両方の要素を含んでいてもよい。好ましい実施形態において、本発明は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むが、これらに限定されないソフトウェアでも実現可能である。

実施形態には、コンピュータもしくは任意の命令実行システムによって使用される、または関連して使用されるプログラムコードを提供する、コンピュータで使用可能な、またはコンピュータで読み取り可能な媒体からアクセスできる、コンピュータプログラム製品を含んでもいてよい。コンピュータで使用可能な、またはコンピュータで読み取り可能な媒体には、命令実行システム、機器、もしくは装置によって使用される、または関連して使用されるプログラムを格納、伝達、伝搬または転送する任意の機器を含んでいてもよい。該媒体は、磁気媒体、光学媒体、電子媒体、電磁気媒体、赤外線媒体または半導体システム（または機器もしくは装置）、あるいは伝搬媒体であってもよい。該媒体には、半導体または固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリーメモリ（ＲＯＭ）、リジッド磁気ディスク及び光ディスク等のコンピュータで読み取り可能な媒体を含んでいてもよい。

各コンピュータプログラムは、汎用または特別な目的を持つプログラム可能なコンピュータで読み取ることができる、機械で読み取り可能なストレージメディアまたは装置（例えば、プログラムメモリまたは磁気ディスク）に格納される。該コンピュータプログラムは、ストレージメディアまたは装置から本明細書に記載された手順を実行するコンピュータで読み出される、該コンピュータの設定及び制御動作のためのものである。本発明のシステムには、本明細書に記載した機能を実行する、特定の及び事前に定義された方法をコンピュータに動作させるように構成されたコンピュータプログラムを含む、コンピュータで読み取り可能なストレージメディアも考慮される。

プログラムコードを記憶及び／または実行するのに適したデータ処理システムは、システムバスを介してメモリ要素に直接または間接的に接続された少なくとも１つのプロセッサを備えていてもよい。このメモリ要素には、処理の実行中にバルク記憶装置からコードが検索される回数を減らすために、プログラムコードによって実際の実行中に用いられるローカルメモリ、バルク記憶装置及び少なくともいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリを備えていてもよい。入出力またはＩ／Ｏ装置（限定されるものではないが、キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置等を含む）は、直接またはＩ／Ｏコントローラを介してシステムに接続されてもよい。

ネットワークアダプタは、データ処理システムが、プライベートネットワークまたは公衆ネットワークを介して、他のデータ処理システムまたはリモートプリンタもしくは記憶装置と接続することを可能にするために、上記システムと接続されていてもよい。モデム、ケーブルモデム及びイーサネット（登録商標）カードは、現在利用可能なタイプのネットワークアダプタの一例に過ぎない。

本明細書で、本発明の「１つの実施形態」または「実施形態」だけでなく、それらの他のバリエーションに言及することは、該実施形態と共に説明する、個別の特徴、構造、特性等々が、本発明の少なくとも１つの実施形態に含まれることを意味する。そのため、「１つの実施形態において」または「一実施形態において」という語句、任意の他のバリエーションの記載は、本明細書の全体を通して様々な場所で現れるが、それらは必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。しかしながら、本明細書で提供される本発明の教示を前提として、１つまたは複数の実施形態の特徴を組み合わせることができることを理解されたい。

例えば、「Ａ／Ｂ」、「Ａ及び／またはＢ」、並びに「Ａ及びＢのうちの少なくとも１つ」の場合における「／」、「及び／または」、並びに「うちの少なくとも１つ」のうちのいずれかの使用は、第１に挙げた選択肢（Ａ）のみの選択、第２に挙げた選択肢（Ｂ）のみの選択、または両方の選択肢（Ａ及びＢ）の選択を含むことを意図したものと理解すべきである。さらに例を挙げれば、「Ａ、Ｂ及び／またはＣ」、並びに「Ａ、Ｂ及びＣのうちの少なくとも１つ」の場合、このような表現法は、第１に挙げた選択肢（Ａ）のみの選択、第２に挙げた選択肢（Ｂ）のみの選択、第３に挙げた選択肢（Ｃ）のみの選択、第１及び第２に挙げた選択肢（Ａ及びＢ）のみの選択、第１及び第３に挙げた選択肢（Ａ及びＣ）のみの選択、第２及び第３に挙げた選択肢（Ｂ及びＣ）のみの選択、または３つの選択肢全て（Ａ及びＢ及びＣ）の選択を含むことを意図したものである。上述した例は、当業者に容易に明らかとなるように、列挙される多数の項目に応じて拡大適用される。

上記は、あらゆる観点において説明的（illustrative）かつ典型的（exemplary）であって限定的でないものと理解されるべきであり、本明細書で開示する本発明の範囲は、詳細な説明から決定されるべきではなく、特許法で認められた最大限の広さに基づいて解釈される特許請求の範囲から決定されるべきである。本明細書中に図示及び記載されている実施形態は、本発明の原理を説明するものにすぎず、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく当業者は様々な変更を実施することができることを理解されたい。当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な他の特徴の組み合わせを実施できる。以上、本発明の態様について、特許法で要求される細部及び詳細な事項と共に説明したが、特許証で保護されることを要求する特許請求の範囲は、添付の特許請求の範囲に示されている。

Claims (18)

1. 入口及び出口を有するウォークスルーゲートボリュームを挟んで配置され、少なくとも一部の半透明または透明領域を有する、第１の側壁及び第２の側壁と、
   チェックアウトに用いられる製品識別子を無線で受信するための複数のアンテナと、
   を有し、
   前記複数のアンテナの少なくとも１つは、前記製品識別子の移動に応じて移動可能である、ウォークスルーゲート。
2. 前記第１の側壁及び第２の側壁の各々が、少なくとも部分的に遮らない視界を提供する、請求項１に記載のウォークスルーゲート。
3. 前記第１の側壁及び第２の側壁を形成するために使用される材料は、前記ウォークスルーゲートの内部領域と外部領域との間でＲＦ信号の妨害機能を提供する、請求項１または２に記載のウォークスルーゲート。
4. 前記第１の側壁及び第２の側壁の少なくとも一方が曲面で形成されている、請求項１から３のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
5. 前記第１の側壁及び第２の側壁のうちの少なくとも１つは、少なくとも１つのメッシュ導電性材料シートを備える、請求項１から４のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
6. 前記第１の側壁及び第２の側壁の少なくとも一方が導電性粒子を含む、請求項１から５のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
7. 前記導電性粒子が、少なくとも半透明である材料に封入されている、請求項６に記載のウォークスルーゲート。
8. 前記複数のアンテナは、前記第１の側壁及び第２の側壁の少なくともいずれかに配置される内側アンテナを含む、請求項１から７のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
9. 前記複数のアンテナは平面パッチアンテナである、請求項１から８のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
10. 前記複数のアンテナが、床または床に近接して取り付けられた指向性アンテナを備える、請求項１から９のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
11. 前記複数のアンテナが、天井または天井に近接して取り付けられた指向性アンテナを備える、請求項１から１０のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
12. 前記複数のアンテナが、予想される目の高さの範囲における下方及び上方の少なくとも一方の高さで、前記第１の側壁及び第２の側壁のうちの少なくとも１つに取り付けられる指向性アンテナを備える、請求項１から１１のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
13. 前記複数のアンテナのうちの少なくとも１つが、導電性メッシュで形成される、請求項１から１２のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
14. 前記第１の側壁及び第２の側壁のうちの少なくとも１つが前記移動可能なアンテナを備え、前記移動可能なアンテナは、前記第１の半透明な側壁及び前記第２の半透明な側壁のうちの一方を移動する、請求項１から１３のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
15. 前記移動可能なアンテナが、床または床に近接して取り付けられる、請求項１から１３のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
16. 前記複数のアンテナのうちの少なくとも１つが、半透明な導電性材料で作られる、請求項１から１５のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
17. 前記半透明または透明領域は、前記複数のアンテナの移動可能領域に応じて配置される請求項１から１６のいずれか１項に記載のウォークスルーゲート。
18. ウォークスルーゲートチェックアウトのための方法であって、
    少なくとも一部の半透明または透明領域を有する、第１の側壁及び第２の側壁によって、入口及び出口を有するウォークスルーゲートボリュームを挟んで配置し、
    複数のアンテナによって、チェックアウトに用いられる製品識別子を無線で受信し、
    前記複数のアンテナの少なくとも１つは、前記製品識別子の移動に応じて移動可能である、方法。

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