JP7061568B2 - オピオイド新生児薬物離脱症候群の処置及び予防 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に明示的に組み込まれている、2016年1月8日出願の米国仮特許出願第62/276,691号の利益を主張する。
技術分野
本発明は、オピオイド新生児薬物離脱症候群の処置及び予防のための化合物、組成物及び方法に関する。
妊婦による違法な薬物使用は、増大している国家レベルの懸念事項であり、10代の妊婦では約16%及び18~25歳の妊婦では約7%の発生率と推定されている(Patrick SWら(2012年)JAMA 307巻:1934~1940頁)。新生児薬物離脱症候群(NAS)として証拠付けられている、出生時のオピエート依存性を有する幼児の頻度は、2009年時点で、1000名の出生あたり3.39名と推定されている(Patrick SWら(2012年)JAMA 307巻:1934~1940頁)。このような出生が大きな割合であるのは、医師の監督下での、管理されたメタドン又はブプレノルフィン処置に関わる母親に起因しており(Patrick SWら(2012年)JAMA 307巻:1934~1940頁;Jones HEら(2010年)N Engl J Med.363巻:2320~2331頁)、出産前治療を導入する目標群を考案し得ることを提供する。NAS幼児は、多くの場合、未熟児で出生し、ある範囲の以下の症状:体重不足、呼吸困難及び摂食困難、過敏症、食物不耐性、嘔吐及び発作を示す(Dryden,Cら(2009年)BJOG 116巻:665~671頁;Patrick SWら(2012年)JAMA 307巻:1934~1940頁)。NASは、長期にわたる集中ケアの保持時間のために、社会に対して多大な財政的負荷をもたらし、恐らくは、罹患児童の長期認知、情緒的及び社会的発達に影響を及ぼす。NASを有する新生児用の合意が得られている戦略は、経口メタドンである。厳格なプロトコルに基づく処置が、入院期間の短縮の重要な因子であるが(Hall ESら(2014年)Pediatrics 134巻:e527~534頁)、治療的な離脱戦略を管理する国際的基準がない。現在の戦略の共通の目標は、新生児が既に依存性である後しか離脱症状を緩和しない一方、まず始めの、新生児の依存症の発症を予防する分娩前戦略がない。
オピオイド新生児薬物離脱症候群(NAS)を低減又は予防する方法が、本明細書において開示されている。一態様では、オピオイド治療又は維持管理を受けている(新生児薬物離脱症候群(NAS)を低減又は予防するために)薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象により出生した胎児における、オピオイド依存症を低減又は予防する方法が開示される。本方法は、妊娠対象に、胎児オピオイド依存性を低減又は予防するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む組成物を投与する工程であって、当該オピオイドアンタゴニストが、a)経口利用可能であり、妊娠対象の血液循環に到達する、b)血液脳関門によって妊娠対象の脳からかなり排除される、及びc)胎盤を通り抜けて胎児脳に入る、工程を含む。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、血液脳関門により対象の脳からかなり排除され、かつ胎盤を通り抜けて胎児脳に入りながらも、全身的に投与される(たとえば、徐放性製剤で皮下に、又は経皮に)。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、ニュートラルアンタゴニストであり、インバースアゴニストではない。特定の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、6β-ナルトレキソールを含む。一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、ナロキソン又はナルトレキソンを含まない。
一部の実施形態では、本組成物は、持続性薬物放出製剤を含む。一部の場合、本方法は、対象に緩和療法を投与する工程を更に含む。
追加的な実施形態では、オピオイドアンタゴニスト治療法は、新生児(newborn)(新生児(neonate)又は幼児)の出生後、新生児薬物離脱が観察されると投与される継続的なオピオイド維持管理からの新生児の離脱を促進するのに有効な量を増加させて継続される。
薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象に、新生児薬物離脱症状又は薬物離脱症候群を処置するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む第1の組成物を出産前に投与する工程であって、当該オピオイドアンタゴニストが、妊娠対象の血液循環に到達するが、血液脳関門によって妊娠対象の脳からかなり排除され、当該オピオイドアンタゴニストが胎盤を通り抜けて胎児脳に入る、工程、及び
薬物依存性又はオピオイド耐性幼児対象に、オピオイドアンタゴニストを含む第2の組成物を、新生児薬物離脱が観察されると投与される継続的なオピオイド維持管理からの幼児の離脱を促進するのに有効な量を増加させて、出生後に投与する工程
を含む、新生児薬物離脱症状又は薬物離脱症候群を処置するための方法が本明細書において更に開示されている。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明において記載されている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、本説明及び図面から、及び特許請求の範囲から明らかになろう。
マウスの胚芽(-□-)及び成体(-●-)脳(図1A)及び肝臓(図1B)における、生存時間(分)の関数としての、6β-ナルトレキソールレベルを示すグラフである。単回薬物注射後の、4つの異なる生存時間における、胚芽脳及び成体脳中の6β-ナルトレキソールレベルを示している。成体の血漿に関する曲線は、固体組織と比較するために重ね合わせられている。アスタリスクは、個々の生存時間において、成体脳と胚脳との間の有意な差異があることを示している。p<0.05;**p<0.01。試料数(n)は、表1に示されている。 マウスの胚芽(-□-)及び成体(-●-)脳(図1A)及び肝臓(図1B)における、生存時間(分)の関数としての、6β-ナルトレキソールレベルを示すグラフである。薬物注射後の、4つの異なる生存時間における、胚芽肝臓及び成体肝臓中の6β-ナルトレキソールレベルを示している。成体の血漿に関する曲線は、固体組織と比較するために重ね合わせられている。p<0.05;**p<0.01。試料数(n)は、表1に示されている。 マウスにおける組織全体及び発達中の6β-ナルトレキソールレベル(ng/g)を示す棒グラフである。PD7、PD14、PD20、PD32及びPD50における、単回注射後の血漿、脳及び肝臓中の薬物レベルを示している。図1からの胚芽(ED17)及び成体(>2ヶ月齢)データを、比較目的のために追加している。すべてのデータに関する生存時間は45分間である。PD7の肝臓試料の場合、データ棒は、すべての組織全体にわたる広範な範囲の薬物レベルをよりよく例示するため、先端が切り取られていることに留意されたい。E17、PD7及びPD14における、大部分の組織中の薬物レベルは、PD20、PD35及びPD50における対応する組織中よりもかなり高い(t検定によりp<0.05;図示されていない)。同様に、すべての成体組織中の薬物レベルは、PD32における対応する組織よりかなり高い(t検定によりp<0.05;図示されていない)。図1からの胚芽及び成体組織に関するデータが、比較のために付け加えられている。図中のアスタリスクは、特定の年齢における、血漿対脳の差異を示している;p<0.05;**p<0.01。PD7~PD50(PD7における血漿を除外する;n=1)におけるすべての試料に関してN=2であり、ED17及び成体の場合、nは、図1及び表1に示されている。 マウスにおける組織全体及び発達中の6β-ナルトレキソールレベル(ng/g)を示す棒グラフである。図1からの胚芽(ED17)及び成体(>2ヶ月齢)データを、比較目的のために追加している。すべてのデータに関する生存時間は45分間である。PD7の肝臓試料の場合、データ棒は、すべての組織全体にわたる広範な範囲の薬物レベルをよりよく例示するため、先端が切り取られていることに留意されたい。E17、PD7及びPD14における、大部分の組織中の薬物レベルは、PD20、PD35及びPD50における対応する組織中よりもかなり高い(t検定によりp<0.05;図示されていない)。同様に、すべての成体組織中の薬物レベルは、PD32における対応する組織よりかなり高い(t検定によりp<0.05;図示されていない)。20及び45分間という2つの生存時間の場合の、PD20とPD32とにおける血漿、脳及び肝臓中の薬物レベルの比較を示している。図1からの胚芽及び成体組織に関するデータが、比較のために付け加えられている。図中のアスタリスクは、特定の年齢における、血漿対脳の差異を示している;p<0.05;**p<0.01。PD7~PD50(PD7における血漿を除外する;n=1)におけるすべての試料に関してN=2であり、ED17及び成体の場合、nは、図1及び表1に示されている。 6β-ナルトレキソールは、マウスにおいて、オピオイド誘発性離脱症状の挙動を予防することを示している。6β-ナルトレキソールは、モルフィンと組み合わせて送達されると、依存性挙動、すなわち離脱症状(ithdwrawal)の急上昇数を予防することを示している。急上昇数の合計は、離脱症状を誘発するためのナロキソンの注射直後に開始して15分間の期間にわたり計数した。6β-ナルトレキソールの増量に比例して、モルフィン注射について、2種の濃度増加手順を使用した。データは、2つの薬物濃度の低い方を使用してプロットしている。アスタリスクは、6β-ナルトレキソールのないモルフィン処置動物と比較すると、有意な差異があることを示している;p<0.05;**p<0.01。 6β-ナルトレキソールは、マウスにおいて、オピオイド誘発性離脱症状の挙動を予防することを示している。10個の1.5分間の時間ビン(time bin)に分けた、図3Aからの急上昇数を示している。二方向の矢印は、各6β-ナルトレキソール用量に関する時間ビンを示しており、その時間ビンの前と後で、等しい数の急上昇が起こっている。この時間点は、6β-ナルトレキソールが増加するにつれて向上していることに留意されたい。アスタリスクは、最初の3つの時間ビンにおいて、モルフィン単独と比較すると、6β-ナルトレキソールは1/3000、1/1000及び1/200の用量になるという有意な効果を示している。 6β-ナルトレキソールは、マウスにおいて、オピオイド誘発性離脱症状の挙動を予防することを示している。モルフィンによってもたらされた重量増加の阻害が、6β-ナルトレキソールによって緩和されることを示している。6日間のモルフィンの投与スケジュールの前及び後に、各マウスの質量を決定し、重量変化率を決定した。アスタリスクは、モルフィンの投与を受けたが、6β-ナルトレキソール(「0」)(p<0.05)の投与を受けなかった動物に由来する有意な差異があることを示している。図3Aでは、括弧内の数は、各薬物濃度において試験した動物の数を示している。図3B及び3Cにおいて、薬物濃度は、組合せ処置を強調するため、6β-ナルトレキソールとモルフィンとの比として報告している。 組織全体及び発達中(45分間の生存時間)のナルトレキソンレベルを示す棒グラフである。PD7、PD14、PD20及びPD32における、単回注射後の血漿、脳及び肝臓中の薬物レベル。表4からの胚芽(ED17)及び成体(>2ヶ月齢)データを、比較目的のために追加した。すべてのデータに関する生存時間は45分間である。PD7の肝臓試料の場合、データ棒は、すべての組織全体にわたる広範な範囲の薬物レベルをよりよく例示するため、先端が切り取られていることに留意されたい。脳:血漿比が、すべての場合で、1(unity)より大きい;胚脳及び肝臓、PD7の血漿、及びPD32の血漿の場合、n=1であり、他のすべての試料の場合、n=2又はそれより大きい。アスタリスクは、特定の年齢における、年齢間の差異、又は血漿対脳の差異のどちらか一方を示している。p<0.05;**p<0.01。
オピオイド新生児薬物離脱症候群(NAS)を低減又は予防する方法が、本明細書において開示されている。一態様では、オピオイド治療又は維持管理を受けている(新生児薬物離脱症候群(NAS)を低減又は予防するために)薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象により出生した胎児における、オピオイド依存症を低減又は予防する方法が開示される。本方法は、妊娠対象に、胎児オピオイド依存性を低減又は予防するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む組成物を投与する工程であって、当該オピオイドアンタゴニストが、a)経口利用可能であり、妊娠対象の血液循環に到達する、b)血液脳関門によって妊娠対象の脳からかなり排除される、及びc)胎盤を通り抜けて胎児脳に入る、工程を含む。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、血液脳関門により対象の脳からかなり排除され、かつ胎盤を通り抜けて胎児脳に入りながらも、全身的に投与される(たとえば、徐放性製剤で皮下に、又は経皮に)。
追加的な実施形態では、オピオイドアンタゴニスト治療法は、新生児の出生後、新生児薬物離脱が観察されると投与される継続的なオピオイド維持管理からの新生児の離脱を促進するのに有効な量を増加させて継続される。
薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象に、胎児におけるオピオイド依存症を低減又は予防するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む第1の組成物を出産前に投与する工程であって、当該オピオイドアンタゴニストが、妊娠対象の血液循環に到達するが、血液脳関門によって妊娠対象の脳からかなり排除され、当該オピオイドアンタゴニストが胎盤を通り抜けて胎児脳に入る、工程、及び
薬物依存性又はオピオイド耐性幼児対象に、オピオイドアンタゴニストを含む第2の組成物を、新生児薬物離脱が観察されると投与される継続的なオピオイド維持管理からの幼児の離脱を促進するのに有効な量を増加させて、出生後に投与する工程
を含む、新生児薬物離脱症状又は薬物離脱症候群を予防するための方法が本明細書において更に開示されている。
同様に、薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象に、離脱症状又は薬物離脱症候群を処置するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む組成物を出産前に投与する工程を含む、当該対象における離脱症状又は薬物離脱症候群を処置する方法であって、当該オピオイドアンタゴニストが、妊娠対象の血液循環に到達するが、血液脳関門によって対象の脳からかなり排除され、当該オピオイドアンタゴニストが胎盤を通り抜けて胎児脳に入る、方法が本明細書において開示されている。
一部の実施形態では、生後に幼児に投与されるオピオイドアンタゴニストの量は、妊娠対象への出産前の投与用量よりも、重量基準あたり多い。たとえば、幼児の血液脳関門は、成熟し続けており、したがって、新生児の脳に達するためには、より高い用量を必要とすることがある。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、ニュートラルアンタゴニストであり、インバースアゴニストではない。たとえば、好ましい実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、ナロキソン又はナルトレキソンを含まない。特定の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、6β-ナルトレキソールを含む。
一部の実施形態では、本組成物は、持続性薬物放出製剤を含む。一部の場合、本方法は、対象に緩和療法を投与する工程を更に含む。一部の場合、本方法は、対象に5-HTアンタゴニストを投与する工程を更に含む。一実施形態では、5-HTアンタゴニストは、オンダンセトロンである。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、毎日2回の分割用量で送達される。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、約0.1mg~約100mgの1日の投与量範囲で送達される。一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、経口利用可能である。
用語「対象」又は「宿主」とは、投与又は処置の標的である任意の個体を指す。対象は、脊椎動物、たとえば哺乳動物とすることができる。したがって、対象は、ヒト又は獣医的患者とすることができる。用語「患者」は、臨床医、たとえば医師の処置下にある対象を指す。
用語「治療有効量の」は、使用される組成物の量が疾患又は障害の1つ以上の原因又は症状を改善するのに十分な量であることを指す。このような改善は、低減又は改変しか必要とせず、必ずしも解消するわけではない。
用語「薬学的に許容される」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題、又は合併症がなく、妥当な利益/リスク比に見合う、妥当な医学的判断の範囲内でヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適な、化合物、物質、組成物及び/又は剤形を指す。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本明細書で使用する場合、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、妥当な利益/リスク比に見合う、妥当な医学的判断の範囲内で宿主(たとえば、ヒト宿主)と接触させて使用するのに好適な塩であって、その所期の使用に有効な塩、及び可能な場合、本開示の宿主体(host matter)の化合物の双性イオン形態を指す。
用語「担体」は、化合物又は組成物と組み合わせるとき、その所期の使用又は目的のために、調製、保管、投与、送達、有効性、選択性、又は当該化合物若しくは組成物の任意の他の特徴を補助或いは促進する、化合物、組成物、物質又は構造物を意味する。たとえば、担体は、活性成分のいかなる分解も最小限にするよう、及び対象におけるいかなる有害な副作用も最小限にするよう選択され得る。
用語「治療」は、疾患、病的状態若しくは障害を治癒する、改善する、安定化させる又は予防することを意図した、患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、すなわち、具体的に、疾患、病的状態又は障害を改善する方向に向かわせる処置を含み、原因処置、すなわち、関連疾患、病的状態又は障害の原因を除去する方向に向かわせる処置もやはり含む。更に、この用語は、対症処置、すなわち疾患、病的状態若しくは障害の治癒よりも症状の軽減のために設計された処置;予防的処置、すなわち、関連疾患、病的状態若しくは障害を最小化、或いは部分的又は完全に阻害する方向に向かわせる処置;及び支持処置、すなわち、関連疾患、病的状態若しくは障害の改善に向かわせる別の特定の治療法を補足するために使用される処置を含む。
用語「予防する」は、疾患若しくは状態の発症を未然に防ぐ又は減速させる、又は疾患若しくは状態の重症度を軽減する処置を指す。したがって、処置が、疾患の症状を有する対象における疾患を処置することができる場合、症状の一部又はすべてをまだ罹患していない対象における疾患もやはり予防することができる。
開示されている組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療的に使用され得る。「薬学的に許容される」という言い回しは、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題、又は合併症がなく、妥当な利益/リスク比に見合う、妥当な医学的判断の範囲内でヒト及び動物の組織に接触させて使用するのに好適な、化合物、物質、組成物及び/又は剤形を指すため、本明細書において使用される。
本明細書において記載されている化合物又はそれらの塩、同位体アナログ、又はプロドラッグは、所望の治療的結果を達成する任意の好適な手法を使用して、宿主に投与することができる。投与された活性化合物の量及び時機は、当然ながら、処置されている宿主、監督医療専門医の指示、曝露の経過時間、投与方法、特定の活性化合物の薬物動態特性、及び処方医師の判断に依存するであろう。したがって、宿主間のばらつきのため、以下に提示されている投与量は指針であり、医師は、化合物の用量を滴定して、その宿主に対して医師が適切と考えた処置を実現することができる。所望の処置の程度を考慮する際、医師は、宿主の年齢及び体重、既存の疾患の存在、並びに他の疾患の存在などのさまざまな要因のバランスをとることができる。医薬製剤は、以下に限定されないが、全身性、局所、経口、静脈内、皮下、経皮(intravenous)、経皮(percutaneous)(任意選択的な浸透促進剤を用いる)、口内、舌下、直腸、門脈内、鼻内、非経口又はエアゾール投与を含めた、任意の所望の投与経路向けに調製することができる。これらの投与経路の一部は、肝臓において初回通過効果を回避することがある。非経口投与向けの製剤としては、以下に限定されないが、懸濁液剤、溶液剤、油中又は水性ビヒクル中のエマルション剤、ペースト剤及び埋め込み可能な徐放性製剤又は生分解性製剤が挙げられる。
経口投与の場合、医薬組成物は、溶液剤、懸濁液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤などの形態をとることができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムなどのさまざまな賦形剤を含有する錠剤は、デンプン(たとえば、ジャガイモ又はタピオカデンプン)などのさまざまな崩壊剤及びある種のシリケート複合体と共に、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアなどの結合剤と共に、使用することができる。更に、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクなどの滑沢剤は、多くの場合、錠剤化目的に非常に有用なことが多い。同様のタイプの固体組成物が、充填用の軟質及び硬質ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。これに関連する物質はまた、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポリエチレングリコールも含む。水性懸濁液剤及び/又はエリキシル剤が経口投与に所望の場合、本開示の宿主体の化合物は、さまざまな甘味剤、着香剤、着色剤、乳化剤及び/又は懸濁化剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの希釈剤、並びにさまざまな同様のこれらの組合せ物と組み合わせることができる。
一実施形態では、開示されているオピオイドアンタゴニストは、体重1kgあたり約0.1ng~約100g、体重1kgあたり約10ng~約50g、体重1kgあたり約100ng~約1g、体重1kgあたり約1μg~約100mg、体重1kgあたり約1μg~約50mg、体重1kgあたり約1mg~約500mg、及び体重1kgあたり約1mg~約50mgの非経口投与に等価な用量で対象(たとえば、ヒト対象)に投与される。代替として、治療的に有効な用量を達成するために投与されるオピオイドアンタゴニストの量は、体重1kgあたり約0.1ng、1ng、10ng、100ng、1μg、10μg、100μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、500mg、又はそれより多い。一実施形態では、投与量範囲は、経口的に投与されるとき、約0.1mg~約100mgである。一実施形態では、投与量範囲は、経口的に投与されるとき、体重1kgあたり、約0.001mg~約1mgである。
一実施形態では、毎日の投与量は、1日2回(又はそれ超)の分割用量で投与され得る。
一実施形態では、開示されているオピオイドアンタゴニストは、制御放出インプラント又はデポ剤で投与される。一実施形態では、遅延放出製剤が埋め込まれる場合、GI管及び肝臓を迂回することができ、したがって、1日あたり5分の1投与量が必要である(たとえば、生体利用率が約20%である場合)。医薬製剤は、治療有効量の1種以上のオピオイドアンタゴニストの即時放出、持続放出又は遅延放出向けに設計され得る。一実施形態では、本製剤は持続放出を実現する。本明細書において記載されている化合物は、非経口投与向けに製剤化することができる。非経腸製剤は、当分野において公知の技法を使用して、水性組成物として調製され得る。通常、このような組成物は、注射可能な製剤、たとえば、溶液剤又は懸濁液剤として;注射前に再構成用媒体を添加して、溶液又は懸濁液を調製するために使用するのに好適な固体形態;油中水型(w/o)エマルション、水中油型(o/w)エマルション、及びこれらのマイクロエマルション、リポソーム又はエマルソーム(emulsome)などのエマルションとして調製することができる。
担体は、たとえば、水、エタノール、1種以上のポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、植物性油(たとえば、ピーナッツ油、トウモロコシ油、ゴマ油など)などの油、及びそれらの組合せを含有する溶媒又は分散媒体とすることができる。
適切な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合に必要な粒子サイズの維持により、及び/又は界面活性剤の使用により、維持され得る。多くの場合、等張剤、たとえば、糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。
活性化合物の、遊離酸又は塩基又は薬学的に許容されるそれらの塩としての溶液及び分散液は、以下に限定されないが、界面活性剤、分散剤、乳化剤、pH調整剤、及びそれらの組合せを含めた、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と好適に混合されている、水又は別の溶媒又は分散媒体中で調製され得る。
好適な界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性又は非イオン性界面活性剤とすることができる。好適な陰イオン性界面活性剤としては、以下に限定されないが、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン及び硫酸イオンを含むものが挙げられる。陰イオン性界面活性剤の例としては、長鎖アルキルスルホン酸及びアルキルアリールスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ビス-(2-エチルチオキシル)-スルホコハク酸ナトリウムなど);及びアルキルサルフェート(ラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、以下に限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどの四級アンモニウム化合物、ポリオキシエチレン及びココナッツアミンが挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル-4-オレエート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド及びポリオキシエチレン水素化獣脂アミドが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、N-ドデシル-β-アラニンナトリウム、N-ラウリル-β-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタイン及びラウリルスルホベタインが挙げられる。
製剤は、微生物の増殖を予防するために保存剤を含むことができる。好適な保存剤としては、以下に限定されないが、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及びチメロサールが挙げられる。製剤はまた、活性剤の分解を防止するために酸化防止剤も含むことができる。
製剤は、通常、再構成時に非経口投与向けにpH3~8に緩衝化される。好適な緩衝液としては、以下に限定されないが、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液及びクエン酸緩衝液が挙げられる。
水溶性ポリマーは、多くの場合、非経口投与用の製剤に使用される。好適な水溶性ポリマーとしては、以下に限定されないが、ポリビニルピロリドン、デキストラン、カルボキシメチルセルロース及びポリエチレングリコールが挙げられる。
無菌の注射可能な溶液剤は、1種以上の上で列挙されている添加剤を含む適切な溶媒又は分散媒体中で、必要量の活性化合物を取り込ませ、必要に応じて、次に、ろ過滅菌することにより調製することができる。一般に、分散液は、さまざまな滅菌した活性成分を、基本分散媒体と上で列挙されている成分のうちの必要な他の成分とを含む無菌ビヒクルに取り込ませることにより調製される。無菌の注射可能な溶液剤を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及び凍結乾燥技法であり、これらの技法により、あらかじめ滅菌ろ過したそれらの溶液から、活性成分と任意の追加的な所望の成分からなる粉末が得られる。粉末は、粒子が多孔質の性質となるように調製され得、それによって粒子の溶出が向上し得る。多孔質粒子の作製方法は、当分野において周知である。
非経口投与の場合、本化合物、及び場合により1つ以上の追加の活性剤は、制御放出を実現する、マイクロ粒子、ナノ粒子又はそれらの組合せ物に組み込むことができる。製剤が2種以上の薬物を含有する実施形態では、これらの薬物は、同一タイプの制御放出(たとえば、遅延、徐放、即時又はパルス)向けに製剤化することができるか、又は異なるタイプの放出(たとえば、即時と遅延、即時性と徐放、遅延と徐放、遅延とパルスなど)向けに独立して製剤化することができる。
たとえば、本化合物及び/又は1つ以上の追加の活性剤は、薬物の制御放出をもたらす、マイクロ粒子ポリマーに取り込ませることができる。薬物の放出は、マイクロ粒子からの薬物の拡散、並びに/又は加水分解及び/若しくは酵素による分解によるポリマー粒子の分解により制御される。好適なポリマーは、エチルセルロース、及び他の天然又は合成セルロース誘導体を含む。
ゆっくりと可溶なポリマー、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース又はポリエチレンオキシドなどの水性環境においてゲルを形成するポリマーはまた、薬物含有マイクロ粒子のための物質として好適なことがある。他のポリマーとしては、以下に限定されないが、ポリ無水物、ポリ(エステル無水物)、ポリヒドロキシ酸(ポリラクチド(PLA)など)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)及びそのコポリマー、ポリ-4-ヒドロキシブチレート(P4HB)及びそのコポリマー、ポリカプロラクトン及びこれらのコポリマー、並びにそれらの組合せが挙げられる。
代替として、薬物は、水溶液に不溶又は水溶液にゆっくりと可溶であるが、酵素による分解、胆汁酸の界面活性作用、及び/又は機械的浸食を含めた手段によってGI管内で分解することができる物質から調製されるマイクロ粒子に、取り込ませることができる。本明細書で使用する場合、用語「水にゆっくりと可溶である」とは、30分以内に、水に溶解しない物質を指す。好ましい例は、脂肪、脂肪物質、ワックス、ワックス様物質及びそれらの混合物を含む。好適な脂肪及び脂肪物質としては、脂肪アルコール(ラウリルアルコール、ミリスチルステアリルアルコール、セチルアルコール又はセトステアリルアルコールなど)、脂肪酸、並びに以下に限定されないが、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ、ジ及びトリグリセリド)を含めた誘導体、並びに水素化脂肪酸が挙げられる。具体例としては、以下に限定されないが、水素化植物油、水素化綿実油、水素化ヒマシ油、Sterotex(登録商標)という商標名で入手可能な水素化油、ステアリン酸、カカオ脂及びステアリルアルコールが挙げられる。好適なワックス及びワックス様物質としては、天然又は合成ワックス、炭化水素及び通常のワックスが挙げられる。ワックスの具体例としては、ビーワックス、グリコワックス、キャスターワックス、カルナウバワックス、パラフィン及びカンデリラワックスが挙げられる。本明細書で使用する場合、ワックス用物質は、室温では通常、固体であり、約30~300℃の融点を有する、任意の物質として定義される。
一部の場合、マイクロ粒子への水の浸透速度を改変することが望ましいことがある。この目的のため、速度制御(吸い上げ(wicking))剤を、上で列挙した脂肪又はワックスと共に製剤化されてもよい。速度制御物質の例としては、ある種のデンプン誘導体(たとえば、ワックス状マルトデキストリン及びドラム乾燥トウモロコシデンプン)、セルロース誘導体(たとえば、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、及びカルボキシメチル-セルロース)、アルギン酸、ラクトース及びタルクが挙げられる。更に、このようなマイクロ粒子の分解を促進するため、薬学的に許容される界面活性剤(たとえば、レシチン)が添加されてもよい。
ゼインなどの水に不溶なタンパク質もまた、薬物含有マイクロ粒子を形成するための物質として使用することができる。更に、水に可溶なタンパク質、多糖類及びそれらの組合せが、薬物と共にマイクロ粒子に製剤化されて、続いて、架橋して、不溶性網目構造を形成することができる。たとえば、シクロデキストリンは、個々の薬物分子と共に錯体を形成し、続いて架橋され得る。
薬物を担体物質に封入又は取り込ませて薬物含有マイクロ粒子を生成することは、公知の医薬製剤技法によって達成することができる。脂肪、ワックス又はワックス樣物質中の製剤の場合、担体物質は、通常、その融点温度超に加熱され、薬物が添加されて、担体物質に懸濁した薬物粒子、担体物質に溶解した薬物、又はそれらの混合物を含む混合物を形成する。続いて、マイクロ粒子は、以下に限定されないが、固化、押し出し、スプレー冷却又は水性分散からなる過程を含む、いくつかの方法により製剤化され得る。好ましい過程では、ワックスはその融解温度超に加熱され、薬物が添加され、溶融ワックス-薬物混合物が、混合物の冷却物として一定の撹拌下で固化される。代替として、溶融ワックス-薬物混合物は、押し出しされ、スフェロナイズ(spheronize)されて、ペレット又はビーズを形成することができる。
一部の担体物質の場合、薬物含有マイクロ粒子を生成するため、溶媒蒸発技法を使用するのが望ましいことがある。この場合、薬物及び担体物質は、相互溶媒に共溶解されて、次いで、以下に限定されないが、水又は他の適切な媒体中でのエマルション形成、スプレー乾燥又はバルク溶媒からの溶媒の蒸発除去、及び得られた物質のミル粉砕を含めた、いくつかの技法により、マイクロ粒子が生成され得る。
一部の実施形態では、微粒子形態の薬物は、水不溶性物質中又はゆっくりと水に溶解する物質中で、均質に分散される。組成物内の薬物粒子のサイズを最小限にするため、製剤化前に、薬物粉末それ自体をミル粉砕して、微細粒子を生成してもよい。医薬品分野において公知の、ジェットミル粉砕という工程が、この目的のために使用され得る。一部の実施形態では、微粒子形態の薬物は、ワックス又はワックス様物質をその融点超で加熱し、この混合物を撹拌しながら、薬物粒子を添加することによって、ワックス又はワックス様物質中に均質に分散される。この場合、薬学的に許容される界面活性剤が、上記の混合物に添加されて、薬物粒子の分散を促進することができる。
粒子はまた、1つ以上の改変放出コーティング剤によるコーティングされ得る。リパーゼにより加水分解される脂肪酸の固体エステルが、マイクロ粒子又は薬物粒子上にスプレーコーティングされ得る。ゼインは、天然の水不溶性タンパク質の一例である。ゼインは、スプレーコーティングにより、又は湿式造粒技法によって、薬物含有マイクロ粒子又は薬物粒子の上にコーティングされ得る。天然の水不溶性物質に加えて、消化性酵素の一部の基質が、架橋化手順により処理されて、非水性網目構造の形成をもたらすことができる。化学的及び物理的手段の両方によって開始される、タンパク質を架橋する多数の方法が報告されている。架橋を得るため最も一般的な方法の1つは、化学架橋剤の使用である。化学架橋剤の例は、アルデヒド(グルタルアルデヒド及びホルムアルデヒド)、エポキシ化合物、カルボジイミド及びゲニピンを含む。これらの架橋剤に加えて、酸化糖及び天然糖を使用して、ゼラチンを架橋する(Cortesi,R.ら、Biomaterials 19巻(1998年)1641~1649頁)。架橋はまた、酵素的手段を使用して実現することができる。たとえば、トランスグルタミナーゼは、海産物製品を架橋するための、GRAS物質として承認されている。最後に、架橋は、熱処理、UV照射及びガンマ照射などの、物理的手段により開始することができる。
薬物含有マイクロ粒子又は薬物粒子を取り囲む架橋化タンパク質のコーティング層を生成するため、水溶性のタンパク質が、マイクロ粒子上にスプレーコーティングされ、続いて、上記の方法の1つにより架橋化され得る。代替として、薬物含有マイクロ粒子は、コアセルべーション-相分離(たとえば、塩の追加による)、及び続いて架橋化することによって、タンパク質内にマイクロカプセル化することができる。この目的に好適な一部のタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン及びグルテンが挙げられる。
多糖類もまた、架橋化されて、水不溶性網目構造を形成することができる。多くの多糖類に関すると、これは、ポリマー主鎖を架橋する、カルシウム塩又は多価陽イオンとの反応によって達成することができる。多価陽イオンの存在下で、ペクチン、アルギネート、デキストラン、アミロース及びグアーガムに架橋化が施される。反対の電荷を帯びている多糖類間の複合体がやはり形成され得る。たとえば、ペクチン及びキトサンが、静電気相互作用によって複合化され得る。
用語「担体」は、以下に限定されないが、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、マトリックス成形性組成物及びコーティング用組成物を含む。「担体」はまた、可塑剤、顔料、着色剤、安定化剤及び流動促進剤を含んでもよい、コーティング用組成物のすべての構成成分を含む。遅延放出投与製剤は、「Pharmaceutical dosage form tablets」、(編)Libermanら(New York、Marcel Dekker、Inc.、1989年)、「Remington-The science and practice of pharmacy」、第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年及び「Pharmaceutical dosage forms and drug delivery systems」、第6版、Anselら(Media,PA:Williams and Wilkins、1995年)などの参照文献に記載されているとおり調製することができ、これらの参照文献は、錠剤及びカプセル剤、並びに錠剤、カプセル剤及び顆粒剤の遅延放出剤形を調製するための、担体、物質、装置及び方法に関する情報を提供する。
好適なコーティング用物質の例としては、以下に限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースポリマー;ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びにEudragit(登録商標)(Roth Pharma、Westerstadt、ドイツ)という商標名で市販されているメタクリル樹脂、ゼイン、シェラック及び多糖類が挙げられる。
薬物含有錠剤、ビーズ、顆粒剤又は粒子中に存在する、任意選択の薬学的に許容される賦形剤としては、以下に限定されないが、希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、安定剤及び界面活性剤が挙げられる。「充填剤」とも呼ばれる希釈剤が、通常、固体剤形の嵩を向上するために必要であり、その結果、錠剤の圧縮、又はビーズ及び顆粒剤の形成に対する実際のサイズがもたらされる。好適な希釈剤としては、以下に限定されないが、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、マイクロクリスタリンセルロール、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、加水分解デンプン、アルファ化デンプン、二酸化ケイ素、酸化チタン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム及び粉末糖が挙げられる。
結合剤が、固形投与製剤に密着性質を付与するために使用され、こうして、錠剤又はビーズ又は粒剤は、剤形の形成後に無傷のままでいるのを確実にする。好適な結合物質としては、以下に限定されないが、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、デキストロース、ラクトース及びソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、アカシアなどの天然及び合成ガム、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースを含むセルロース、及びveegum、並びにアクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸及びポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーが挙げられる。結合剤として好適な物質の一部はまた、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース及びマイクロクリスタリンセルロールなどのマトリックス成形性物質として使用することができる。
滑沢剤は、錠剤製造を促進するために使用される。好適な滑沢剤の例としては、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセロール、ポリエチレングリコール、タルク及び鉱物油が挙げられる。
投与後に、剤形の崩壊又は「破壊」を促進するため崩壊剤が使用され、この崩壊剤としては、以下に限定されないが、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ナトリウムカルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、アルファ化デンプン、クレイ、セルロース、アルギニン、ガム又は架橋化PVP(GAF Chemical Corp製のPolyplasdone(登録商標)XL)などの架橋ポリマーが一般に挙げられる。
例として酸化反応を含む、薬物分解反応を阻止又は抑制するため安定剤が使用される。
界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、両性又は非イオン性界面活性剤とすることができる。好適な陰イオン性界面活性剤としては、以下に限定されないが、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン及び硫酸イオンを含むものが挙げられる。陰イオン性界面活性剤の例としては、長鎖アルキルスルホン酸及びアルキルアリールスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど);スルホコハク酸ジアルキルナトリウム(ビス-(2-エチルチオキシル)-スルホコハク酸ナトリウム);及びアルキルサルフェート(ラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、以下に限定されないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ポリオキシエチレン及びココナッツアミンなどの四級アンモニウム化合物が挙げられる。非イオン性界面活性剤の例としては、モノステアリン酸エチレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ポリグリセリル-4-オレエート、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、Poloxamer(登録商標)401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド及びポリオキシエチレン水素化獣脂アミドが挙げられる。両性界面活性剤の例としては、N-ドデシル-ベータ-アラニンナトリウム、N-ラウリル-ベータ-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタイン及びラウリルスルホベタインが挙げられる。
所望の場合、錠剤、ビーズ、顆粒剤又は粒子は、湿潤剤又は乳化剤、色素、pH緩衝化剤及び保存剤などの少量の無毒な補助物質も含有してもよい。
遅延放出部分は、定められた時間後に薬物放出を可能にするよう設計されている。一実施形態では、経口により送達される製剤の場合、これは、胃腸(GI)管の上部においてと思われる。経口製剤における遅延放出は、腸溶コーティングを使用して達成することができる。腸用コーティング製剤は、胃では無傷のまま、又は実質的に無傷のままであるが、小腸又は大腸に一旦到達すると、溶解して剤形の内容物を放出する。他のタイプのコーティング剤を使用して、処置される領域の近くの部位又はその領域に、皮下、組織内又は筋肉内に注射後、遅延放出をもたらすことができる。
徐放性製剤は、たとえば、「Remington-The science and practice of pharmacy」(第20版、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、MD、2000年)に記載されている、拡散又は浸透圧システムとして一般に調製される。拡散システムは、通常、2つのタイプのデバイス、すなわちレザーバー及びマトリックスからなり、当分野において周知であり、記載されている。マトリックスデバイスは、薬物をゆっくりと溶解するポリマー担体と共に錠剤形態に圧縮することにより、一般に調製される。マトリックスデバイスの調製において使用される3つの主なタイプの物質は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー及び脂肪化合物である。プラスチック製マトリックスとしては、以下に限定されないが、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンが挙げられる。親水性ポリマーとしては、以下に限定されないが、メチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロースポリマー、ヒドロキシプロピル-セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのヒドロキシアルキルセルロース、及びCarbopol(登録商標)934、ポリエチレンオキシド、並びにそれらの混合物が挙げられる。脂肪化合物としては、以下に限定されないが、カルナウバワックスなどのさまざまなワックス、トリステアリン酸グリセリル、及び水素化ヒマシ油又は水素化植物油を含めたワックスタイプの物質、又はそれらの混合物が挙げられる。
オピオイドアンタゴニストは、鎮痛剤、抗炎症薬、解熱剤、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗偏頭痛薬、ムスカリン薬、抗不安薬、鎮静薬、催眠薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗喘息薬、心臓血管薬、コルチコステロイド、ドーパミン作動薬、電解質、副交感神経興奮薬、刺激薬、食欲抑制薬及び抗ナルコレプシー薬などの他の活性化合物と共に追加的に投与され得る。
一部の実施形態では、オピオイドアンタゴニストは、5HTアンタゴニストを含めた、他の活性化合物と組み合わせて投与することができる。一実施形態では、5-HTアンタゴニストは、オンダンセトロンである。5-HT(又は5-HT3)アンタゴニストの追加例としては、麦角アルカロイド、グラニセトロン、メトクロプラミド、トリメトベンズアミド、トロピセトロン、ドラセトロン、バタノプリド、ザコプリド、アザセトロン、ラモセトロン、レリセトロン、シランセトロン、イタセトロン及びインジセトロンが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態が説明されている。それでもなお、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々の修正を行ってもよいことが理解される。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
実施例1.妊娠マウス中の胎児脳へのオピオイドアンタゴニストの送達。
方法
動物
C57BL/6NTac株のマウスは、オハイオ州において品種改良コロニーにおいて生成された。動物は、正の空気流を有し、かつ食物及び水を24時間、摂取できるマイクロアイソレーターラックに収容した。これらの動物を12:12の明暗周期に維持した。手順はすべて、The Ohio State Universityの動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)により承認を受けており、米国衛生試験所により確立された、実験動物の管理と使用に関する指針(Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に出版されているガイドラインに従う。
薬物投与及び組織採集
6β-ナルトレキソール及びナルトレキソンは、以前に報告された、米国薬物依存症研究所(National Institute for Drug Addiction)(NIDA)により提供を受けた(Wang,Dら(2004年)J Pharmacol Exp Ther 308巻:512~520頁)。薬物は、10~20mg/mlの間の濃度で生理食塩水に溶解し、すべての希釈は生理食塩水中で行った。モルフィンはOhio State Medical Center pharmacyから、生理食塩水中の15mg/mlの溶液として購入した。動物は、右後四分体周辺領域の皮下に注射した。注射量は、通常、150μl(幼児は、50~100μlの範囲とした)を超えず、大部分の場合、薬物の用量は10mg/kg(以下に示されている挙動検討を除く)とした。注射及びさまざまな生存時間の後、成体及び妊娠マウスを頸椎脱臼により安楽死させ、脳、肝臓及び血漿を採集し、ドライアイス上で迅速に冷凍して、処理するまで-70℃で保存した。親マウス(dam)を安楽死させた後、胚芽を大きな(150×15mm)ペトリ皿に採集し、親マウス(maternal)の組織を処理している間、氷上に維持した。次に、切開中、組織の完全性を促進して保存するため、4℃の冷室で、胚芽組織を切開して採集し、次に、-70℃で保管した。6β-ナルトレキソール又はナルトレキソン(妊娠雌は、皮下に10mg/kgで投与した)を投与した妊娠マウス及び胚芽に由来する組織の一部を切除し、個々のマイクロ遠心管中で秤量して、ドライアイス上で迅速に冷凍した。試料を後で解凍し、処理して、液体クロマトグラフィータンデム型質量分析法(LC-MS/MS)により分析して、薬物レベルを定量した。組織処理及びLC-MS/MS分析に関する詳細な方法は、補足情報にある。
生後初期マウスにおける依存性挙動の解析
動物にモルフィンを単独で、又は6β-ナルトレキソールを増量して混合したモルフィンを注射した。注射は、生後12日目(PD12)に開始し、5日間、継続した。1~3日目に、モルフィンを10mg/kg、4日目及び5日目に20mg/kgを注射した。6日目(PD18)に、20mg/kgの最終の注射を行い、3時間後に、マウスに30mg/kgのナロキソンを注入して、離脱症状を誘発させた。注射は、すべて皮下であった。モルフィンを6β-ナルトレキソールと共注射した場合、モルフィンを4~6日目に増量したときに、6β-ナルトレキソールが一定の比を保持した。モルフィン投与量が変わるので、6β-ナルトレキソール用量は、モルフィンに対する比として、又は用量範囲として報告する。ナロキソンを注射すると直ちに、底部が6平方インチ及び高さが10インチのフタ付きの清浄なプラスチック製容器にマウスを入れた。離脱症状の急上昇をビデオ録画し、急上昇を、15分間の時間間隔で点数を付けた。
統計学的解析
データのまとめは、特に示さないかぎり、平均+1 SEMとして示されている。一元配置ANOVAを使用して、連続的なデータ(薬物濃度)を解析し、Dunnettの手順(1対多比較)又はt検定(オールペア対比)のどちらかを使用して事後比較を行った。後者の場合、Hommelの方法を使用して、多重比較するためにp値を調節した(Hommel,G.(1988年)Biometrika 75巻:383~386頁)。データは、異分散性を説明するために対数変換した。脳/血漿比などの比の値を比較するときは、これらは、比のばらつきの拘束構造を説明するために、解析前に対数変換した(たとえば、Heslop,D.(2009年)Geophys.J.Int.178巻:159~161頁;Schilling Kら(2012年)J Neurosci.32巻:12651~12656頁)。6β-ナルトレキソールレベルへの急上昇挙動の依存性は、応答が計数変数であることを考慮した、4パラメータ対数正規化曲線を使用してモデル化した。AUCは、解析した時間間隔にわたり積分した(すなわち、0~240分;Wolfsegger,MJら(2009年)J Pharmacokinet Pharmacodyn 36巻:479~494頁)。AUCに対する信頼区間は、Jaki & Wolfseggerに推奨されているとおり、ブーストトラッピング法により得た(Jaki,Tら(2009年)Pharmaceutical Statistics 8巻:12~24頁)。統計手順はすべて、多重比較に関してはパッケージmultcomp(Hothorn,Tら(2008年)Biometrical Journal 50巻:346~363頁)を使用し、薬物動態解析に関してはPK(Jaki,Tら(2011年)Pharmaceutical Statistics 10巻:284~288頁)を使用し、用量応答当てはめに関しては、drc(Ritz,Cら(2005年)Bioassay analysis using R.J.Stat.Softw.12:22)を使用して、R(R Core Team、2015年)で実行した。
組織試料中の薬物定量用の液体クロマトグラフィー/質量分析
ブランクのマウス血漿、脳及び肝臓組織を得て、個々のマイクロ遠心管中で秤量し、ドライアイス上で迅速に冷凍した。脳及び肝臓試料は、50%メタノール中に0.5mg/mlの組織の最終濃度で、Omni-Inc GLH-01ホモジェネーターを用いて、個別の組織ホモジェネートを作製した。標準曲線における後の使用のため、又はQCとして使用するため、各組織を100μlに等分して、1.5mlマイクロ遠心管に入れた。
6β-ナルトレキソール又はナルトレキソン(妊娠雌は、皮下に10.0mg/kgで投与した)を投与した妊娠マウス及び胚芽に由来する組織の一部を切除し、個々のマイクロ遠心管中で秤量して、ドライアイス上で迅速に冷凍した。次に、それらを氷上で解凍し、50%メタノール中に0.5mg/mlの組織の最終濃度で、Omni-Inc GLH-01ホモジェネーターを用いて、ホモジナイズした。マウス胚芽脳及びマウス胚芽肝臓を各々、プールし、分析用に適量を得た。各試料を100μlに等分して、1.5mlのマイクロ遠心管に入れた。次に、標準濃度の試料のそれぞれを、内部標準(IS)である2000ng/mlのナルブフィン10μlによりスパイクして、200ng/mlの最終濃度を得た。次に、各曲線用の試料を、4℃、100%メタノール1mlを添加して抽出し、30秒間、激しくボルテックスして混合し、次に、13,000gで10分間、遠心分離にかけた。次に、各管からの液体を新しい5mlのガラス製試験管にデカンテーションした。次に、完全に乾燥するまで(約2.5時間)、各管を窒素溶媒蒸発器システムに入れた。10mMギ酸アンモニア120μl及び0.1%ギ酸を使用して、各管の内容物を再溶解した。これらの管をボルテックスして混合し、13,000gで10分間、遠心分離にかけた。次に、Thermo Accela UHPLC及びThermo Discovery TSQ三連四重極質量分析計で分析するため、80μlの上澄み液を液体クロマトグラフィーのオートサンプラー適合管に、標準曲線用対照試料及び品質対照試料と共に入れた。
較正用標準品は、以下のとおり調製した。50%メタノール中の一緒にしたナルトレキソール、ナルトレキソン及びナルトレクスアミドの希釈シリーズを、以下の濃度で作製した:5000、2000、1000、500、200、100、50、20、10及び5ng/mL。これらの各標準品10μlを、100μlの解凍済み血漿及び組織ホモジネートに加え、500、200、100、50、20、10、5、2、1及び0.5ng/mLの最終濃度を作製した。次に、標準濃度の試料のそれぞれを、内部標準(IS)である2000ng/mlのナルブフィン10μlによりスパイクして、200ng/mlの最終濃度を得た。次に、各曲線用の試料を4℃、100%メタノール1mlを添加して抽出した。次に、それらを30秒間、激しくボルテックスして混合し、13,000xgで10分間、遠心分離にかけた。各管からの上澄み液を新しい5mlのガラス製試験管に移送し、窒素溶媒蒸発器システム中で乾燥した(約2.5時間)。10mMギ酸アンモニア120μl及び0.1%ギ酸を使用して、各管の内容物を再溶解した。これらの管をボルテックスして混合し、新しいマイクロ遠心管に等分して入れ、13,000gで10分間、遠心分離にかけた。80μl液体を分析用のオートサンプラー適合管に移送した。各試料20μlをLC-MSシステムに注入した。
クロマトグラフィー分離に関しては、Agilent Zorbax 5μm SB-フェニル2.1x50mmカラムを備えており、水中0.1%ギ酸、10mMギ酸アンモニア及びメタノール中、0.1%ギ酸、10mMギ酸アンモニアからなるグラジエントによるThermo Accela UHPLCを使用して、各注入試料(20μl)の構成成分を分離した。このグラジエントは、最初の1.0分間は、20%メタノール、それぞれ2.0分及び2.5分まで50%メタノール及び90%メタノールまでの推移からなる。4.0分において、組成物は、90%から20%のメタノールまで直ちに切り替えて、5.5分間の運転終了時までカラムを平衡にした。流量は、400ul/分間で維持した。
試料は、ポジティブモードでのエレクトロスプレーイオン化(ESI)源を備えたThermo TSQ Quantum Discovery Maxで分析した。単一反応モニタリングを使用する多質量変化(m/z)は、ナルトレキソールの場合、344.23>254.17及び344.23>326.23、ナルトレキソンの場合、342.18>270.15及び342.18>324.21、ナルトレックスアミドの場合、385.25>211.12及び385.25>367.25、及び内部標準であるナルブフィンの場合、358.1>340.16であった。
結果
胚芽組織及び成体組織における6β-ナルトレキソール及びナルトレキソンレベル
質量分析法を使用する以前の検討により、6β-ナルトレキソールの脳でのレベルは、注射して10分後、成体マウス中の血漿中レベルよりも約10分の1低い一方、アルコール依存症を処置するために使用されるFDA承認を受けているオピオイドアンタゴニストであるナルトレキソンのレベルは、血漿及び脳中では、ほぼ等しいことが示された(Wang,Dら(2004年)J Pharmacol Exp Ther 308巻:512~520頁中の表1を参照されたい)。この結果は、6β-ナルトレキソールは、血液脳関門(BBB)のために、ナルトレキソンと比較して、成体脳への進入に制限があることを示している。しかし、6β-ナルトレキソールが、胎盤を通り抜けることができる場合、未発達のBBBのため、胎児脳に入ることができるおそれがある。これを試験するため、妊娠している及び妊娠していない雌の成体マウスに、6β-ナルトレキソール又はナルトレキソンを注射し、質量分析法を使用して、親マウス及び成体マウスの血漿、脳及び肝臓、並びに胚脳及び肝臓中の薬物レベルを測定した。4つの異なる生存時間を、注射後に試験した。図1及び表1に示されているとおり、マウスにおける6β-ナルトレキソールレベルは、注射後、20、45及び120分時において、成体脳よりも胚脳中でかなり高く、4時間後、どちらの年齢のマウスも低い残留レベルに落ち込んでいる。ピークでは、胚脳レベルは、成体脳におけるよりも約9倍、高い。対照的に、胚芽肝臓及び成体肝臓中のレベルは、互いにほぼ同等であり、6β-ナルトレキソールは、胎児血液循環に迅速に入ることを示している。更に、成体及び胚芽肝臓中の6β-ナルトレキソールレベルは、胚脳レベルとは著しい差異がなく(p>0.05)、6β-ナルトレキソールは、胎児脳に障害なく拡散するという知見を支持する。
Figure 0007061568000001
測定された6β-ナルトレキソールレベルはまた、非コンパートメント薬物動態モデルを使用して試験した。胚脳の曲線下面積(AUC)は、成体脳のそれよりも6倍、高かった(胚脳の場合、95%CIが146-1060で、302+60×10ng/ml-分であるのに対し、成体脳の場合、95%Cが44-54で、49+2×10である;95%信頼区間に基づくと有意である)。対照的に、成体対胚芽肝臓のAUCは、著しい違いはなかった(成体肝臓の場合、95%CIが208-372で、274+36×10ng/ml-分であり、胚芽肝臓の場合、95%CIが46-1380で、373+84である)。
組織と血漿との間の比(KP比、脳:血漿又は肝臓:血漿)もまた、試験し、組織排除又は滞留の尺度を得た(Liu,Xら、(2012年)Drug Metab.Dispos.40巻:963~969頁;Kalvass,J.Cら(2007a)Drug Metab.Dispos.35巻:660~666頁)。前の結果(Wangら、2004年)と一致して、6β-ナルトレキソールの場合の成体脳のKP比は、20分間の生存時に0.13(1からの差異に関しては、p<0.0001)、及び45分間の生存時では、0.34(1からの差異に関しては、p<0.0001;表1も参照されたい)であり、脳への薬物の進入にバリアがあることを示している。AUCに基づいた脳KP比は0.58であり、95%CIに基づくと、1からかなり異なっており、成体脳は薬物を排除していることをやはり支持している(血漿の場合、95%CIが70-98×10で、83+6×10ng/ml-分であり、成体脳の場合、95%CIが44-54×10で、49+2×10である)。単一時間点と比べて、4時間の範囲で積分したAUCに基づいて算出したより大きなKP比は、マウスにおいて、脳からよりも血液循環から、6β-ナルトレキソールを迅速に排出することを反映している(図1を参照されたい)。したがって、非平衡条件下で測定されたKP比は、排出速度及び組織分布の関数として、時間と共にさまざまなになり得る。
対照的に、胎児脳:親マウスの血漿KP比は、薬物注射後の45分時に2.7であり(1からの差異に関しては、P<0.05;図1及び2を参照されたい)、注射後、120分時に15.7であった(1からの差異に関しては、P<0.01)(図1及び2を参照されたい)。早期時間点(注射後20分)では、胎児脳のKP比は、1から著しく異なっておらず(P>0.05)、胎児脳への迅速な進入、及び親マウスの血液中よりも長く存続していることを示している(図1)。非コンパートメントAUCに基づいた胎児脳KP比は3.6であり、1からかなり異なっている(親マウスの血漿の場合、95%CIが70-98×10で、83+6×10ng/ml-分であり、胎児脳の場合、95%CIが146-1060×10で、302+60×10である)。同様に、AUCに基づくKP比は、胎児肝臓の場合、4.3であり、成体肝臓の場合、2.6である。したがって、成体脳からの6β-ナルトレキソールの相対排除率とは対照的に、胎児脳、並びに胎児及び成体肝臓中の薬物レベルは、血漿中の薬物レベルよりも一貫して高い。迅速な排出のために、6β-ナルトレキソールは、注射後の2~4時間の間に、すべての組織から大部分が激減する(図1及び表1)。
成体脳に由来する6β-ナルトレキソールの相対排除率とは対照的に、ナルトレキソン(親化合物)は、脳に自由に進入しており(表4)、以前の結果(Kastin,AJら(1991年)Pharmacol Biochem Behav 40巻:771~774頁;Wang,Dら(2004年)J Pharmacol Exp Ther 308巻:512~520頁を参照されたい)が確認される。成体脳では6β-ナルトレキソールが低いこと及びナルトレキソンレベルは高いという対比は、無傷のBBBによる、6β-ナルトレキソールの相対排除率を強調するものである。
Figure 0007061568000002
6β-ナルトレキソールの累積注射
6β-ナルトレキソールは、成体脳から比較的、排除されるが、脳からゆっくりと出て行くので、多回投与時にゆっくりと蓄積するおそれがある。したがって、6β-ナルトレキソールが、とりわけ成体脳において滞留することにより、長期的な送達後に経時的に組織中に蓄積するかどうかを判定する実験を行った。24時間の期間(6時間毎)にわたり、6β-ナルトレキソールを4回、注射した後、最後の用量の4時間後に、胎児組織及び親マウスの組織中の6β-ナルトレキソールレベルを測定し、4時間の生存の場合の単回注射と比較した蓄積を評価した。表2に示されているとおり、累積注射後に、6β-ナルトレキソールの少量の増加が、すべての組織に関して、平均で約1.5倍で起こった。しかし、これは、有意ではなかった(p>0.2)。同様に、6β-ナルトレキソールは、脳よりも肝臓において、蓄積が高くなる傾向があった(4回の注射後、成体肝臓対成体脳の比較に対して、p=0.084であった)。同様に、6β-ナルトレキソールは、成体よりも胚芽において、蓄積が高くなる傾向があった(4回の注射後、胎児対成体脳に関して、p=0.063であった)。これらの結果は、6β-ナルトレキソールは、成体脳への進入にいくらかの制限を得る一方、多回注射時には、6β-ナルトレキソールは、ほとんど滞留されないことを示しており、潜在的な治療投与レジメンへの関連性が見出される。
Figure 0007061568000003
出生後発達中の脳における6β-ナルトレキソールレベルの分析
げっ歯類における出生時の確かな離脱症状の挙動は、ラットにおける弱い効果(Enters EKら(1991年)Neurotoxicol Teratol.13巻:161~166頁;Robinson SEら(2001年)J Pharmacol Exp Ther.298巻:797~804頁)から、マウスにおいて効果がない(Richardson KAら(2006年)ILAR J.47巻:39~48頁)まで変動があることを実証している点で、以前の検討は混乱がある。妊娠ラットにおける同じオピエート送達の枠組みを使用すると、出生の7日後に、一層確かな離脱症状の挙動が検出可能であり、同様に、モルフィンを、生後7日目(PD7)のどの時にモルフィンを子ラットに直接注射することにより送達した場合でも、確かな離乳前の離脱症状挙動がナロキソンにより誘発され得る(Jones,KLら(1995年)Behav.Neurosci.109巻:1189~1198頁)。容易に観察可能な依存性挙動への新生げっ歯類の不応性は、恐らく、少なくとも一部は、脳の発達状態によるものであり、出生時のマウス及びラットは、ヒトの第2妊娠期の初期に発達上、等価である(Clancy Bら(2001年)Neurosci.105巻:7~17頁;Workman ADら(2013年)J Neurosci.33巻:7368~7383頁)。このげっ歯類-ヒトの発達上の差異は、BBBにも拡張される:ヒトでは、BBBは、出生時又はその直後に、ほぼ完全に発達していると広く考えられている一方、マウスでは、議論の余地はあるが、PD14又はそれ以後まで発達していない可能性が高い(Lossinsky ASら(1986年)Dev Neurosci 8巻:61~75頁;Ribatti Dら(2006年)Anat Rec B New Anat.289巻:3~8頁)。これが実際の場合であるならば、生後初期のげっ歯類は、オピオイド依存性挙動に及ぼす、6β-ナルトレキソールのBBB依存性予防効果を試験するモデルとなり得る。したがって、マウスにおける、脳からの6β-ナルトレキソールの排除の出生後の発達の時間経過を決定した。
PD7、PD14、PD20、PD32及びPD50におけるマウスに、6β-ナルトレキソールの単回注射を行い、45分後に、薬物レベルを測定した(胚芽及び成体に関するデータを比較のために加えた)。図2Aに示されているとおり、マウスにおける、血漿、脳及び肝臓中の6β-ナルトレキソールレベルは、クリアランス速度の劇的な変化の結果として、出生後発達中に幅広い範囲にわたり変動する。血漿中レベルは、成体では、PD7において3660+350ng/mlから、PD32において170+30ng/mlまで次第に低下し、次に、930+220ng/mlまで戻った。脳及び肝臓中のレベルは、同一の一般的なパターンにほぼ従い、肝臓における値は、とりわけ、出生後早期の発達中(PD7及びPD14)、他の組織のすべての値をはるかに超えた。最も重要なことに、脳中の6β-ナルトレキソールレベルは、PD14まで、ED17から安定していたが、PD20までに急激に低下し、BBBは、PD14~PD20の期間枠に発達することを示唆している。しかし、この解釈は、すべての組織においてPD20及びPD32において非常に低いレベルになった、6β-ナルトレキソールのクリアランスの劇的な変化により複雑である。明確なことに、45分間の生存時間点では、6β-ナルトレキソールが、系からほぼ完全にクリアランスされた場合、組織間の比を正確に評価することはできない。しかし、投与後20分時のデータを調査すると、6β-ナルトレキソールの有効な脳からの排除が、PD20及びPD32において明白であることが明らかである(図2B)。表3は、表示されている生存時間点に対する、脳:血漿及び肝臓:血漿のKP比をまとめたものであり、レベルは、PD20及びそれ以降において、血漿よりも脳中で低いことを示している(0.22~0.35の範囲の比で)。対照的に、肝臓中のレベルは、すべての年齢において、血漿中よりも高い(KP比は、1.3~4.2の範囲である)。したがって、PD20に開始する脳からの6β-ナルトレキソールの排除は、その組織に特有である。更に、ナルトレキソンに対する脳:血漿比は、すべての年齢において1よりも大きく(図4)、その以前に報告されたBBBを通過する能力と一致している(Kastin,AJら(1991年)Pharmacol Biochem Behav 40巻:771~774頁;Wang,Dら(2004年)J Pharmacol Exp Ther 308巻:512~520頁)。これは、6β-ナルトレキソールの場合のデータと著しい対比である。
Figure 0007061568000004
6β-ナルトレキソールによる依存性挙動の抑制
6β-ナルトレキソールが、PD20より前では、高いレベルで脳に進入し続けることを考慮して、6β-ナルトレキソールの同時投与が、離乳前の年齢のマウスにおける、離脱症状挙動を低減するかどうかを判定する実験を行った。モルフィンの投与スケジュールは、出生後早期ラット及び成体マウスにおける検討に基づいて適合させた(Kest Bら(2002年)Neuroscience 115巻:463~469頁;Jones,KLら(1995年)Behav.Neurosci.109巻:1189~1198頁)。マウスに、P12から開始して、6日間継続して、モルフィン単独、濃度を向上した6β-ナルトレキソールと組み合わせて、又は生理食塩水を単独で注射した。次に、離脱症状は、ナロキソンの注射により誘発させた。成体の離脱症状の挙動の特徴的な確かな急上昇があったが(Kest Bら(2002年)Neuroscience 115巻:463~469頁)、本発明者らが認識しているかぎり、離乳前マウス又はラットの場合、以前に報告されていなかった。図3Aに示されているように、この挙動は、モルフィン用量の1/450である、0.022~0.044mg/kgの阻害用量50(ID50)を有する6β-ナルトレキソールの濃度を向上することにより抑制される。試験した最高用量である0.5~1.0mg/kg(=モルフィンの1/20の用量)では、離脱症状の急上昇が、94%低減した。試験した最低用量の6β-ナルトレキソール用量である0.0033~0.0066mg/kg(=モルフィンの1/3000の用量)は、20%の急上昇の低減を引き起こした。急上昇に及ぼす6β-ナルトレキソールの効果に時間の構成要素も存在する(図3B)。6β-ナルトレキソールレベルが増加するにつれて、15分間という短い試験時間において観察された急上昇は、徐々に遅延した。更に、図示していないが、第1の急上昇への潜伏期は、6β-ナルトレキソールがない場合、38+8秒から、最低用量の6β-ナルトレキソール(モルフィンの1/3000の用量)(p=0.05)では128+44秒に、0.01~0.02mg/kg(モルフィンの1/1000の用量)(p<0.05)では、118+31秒に、0.05~0.1mg/kg(モルフィンの1/200の用量)(p<0.05)では、163+46秒に、0.15~0.3mg/kg(モルフィンの1/67の用量)(p<0.001)では345+54秒に増加した。したがって、非常に低用量でさえも、6β-ナルトレキソールは離脱症状の急上昇を低下させる。第1の3つの時間ビン(4.5分まで;図3Bを参照されたい)を試験すると、6β-ナルトレキソールがない場合、合計で73+28回の急上昇数が存在し、0.0033mg/kgの薬物を用いると、37+29回の急上昇数まで低下する傾向があり、やはり、それほど有意性に到達しなかった(p=0.07)。急上昇数の低下は、6β-ナルトレキソールの2番目に高い用量である0.01~0.05mg/kgの場合、有意性に到達している(p<0.05;図3B中のアスタリスク)。
処置期間の間に、モルフィンの単独での症状の結果として、体重増加の著しい阻害があり、これは、6β-ナルトレキソールを徐々に増加した併用用量により緩和される(図3C)。すべての条件、及びこの手順により試験した動物のすべてについて、生存は100%であった。モルフィンのために体重増加が少ないマウスでは、正常な体重は、通常、処置後7~10日までに、回復した。
考察
この実施例は、オピオイド維持療法に関わる母親に生まれた新生児において、NASを予防するための新しい枠組みを特定する。母親の脳をからほとんどが排除される(継続中のオピオイド治療法を可能にする)が、胎児の胎盤及び未発達のBBBを通過することができる、オピオイドアンタゴニストは、オピオイド曝露から胎児を保護し、これにより、NASを予防することができる。以前の検討は、オピオイドアンタゴニストである6β-ナルトレキソールは、末梢において強力なアンタゴニストとして作用しながらも、脳から大部分が排除されることを既に示しており(Wang,Dら(2004年)J Pharmacol Exp Ther 308巻:512~520頁;Yancey-Wrona JEら(2009年)Life Sci.85巻:413~420頁;Yancey-Wrona Jら(2011年)Pain Med.12巻:1727~1737頁)、便秘のような末梢の有害なオピオイド作用を制限する。6β-ナルトレキソールは、胎児の血液循環及び胎児脳に容易に入り、親脳と比べて、胎児においてかなり高いレベルをもたらすという証拠が本明細書において提示される。
BBBが依然として未発達の場合、離乳前の幼弱マウスにおける、オピオイド依存症を予防する6β-ナルトレキソールの能力も試験した。マウスBBBが依然として未発達の期間の数日間、モルフィンと組み合わせて投与した場合、6β-ナルトレキソールは、完全なBBB保護を欠く新生児の脳に容易に進入するために、大きな効力で離脱症状の挙動を予防する(ID50は、0.022~0.044mg/kg)。この6β-ナルトレキソール用量は、依存性を誘発するために使用されるモルフィン用量より約500分の1低く、使用されるアゴニスト及び投与経路(及び時機)に応じて、成体におけるオピエート痛覚抑制の遮断のための6β-ナルトレキソールのID50よりも20~500分の1低い(Yancey-Wrona JEら(2009年)Life Sci.85巻:413~420頁;Wang Dら(2001年)J Neurochem.77巻:1590~1600頁;Sirohi Sら(2009年)J Pharmacol Exp Ther.330巻:513~519頁)。モルフィンが1/3000の投与量となる投与量でさえも、定量可能な離脱症状挙動が20%低下するという観察により、6β-ナルトレキソールの大きな効力が更に強調される。6β-ナルトレキソールの効力は、やはりかなり高く、本実施例において試験した最高用量では、幼児の離脱症状をほぼ完全に抑制する(94%)。これらの結果に基づくと、6β-ナルトレキソールは、オピオイド維持処置を受けている妊婦において利用されて、母親の疼痛及び/又は維持療法を妨害することなく、幼児の依存性を選択的に遮断することができる。
NASに対する既存の処置レジメンの大部分は、症状の重症度の軽減に依存するが、予防的ではない。5-HTアンタゴニストであるオンダンセトロンは、最近、出産直前に母親に送達され、出生後期間に継続されるときのNAS症状の予防に関する臨床試験に入った(Elkomy MHら(2015年)Clin Pharmacol Ther.97巻:167~176頁)。しかし、この処置は、ICUに滞在する長さを短縮するよう設計されているが、依存性の発生及び任意の関連する発達上の結果を予防することは期待されないと思われる。これらの結果は、6β-ナルトレキソールによる母親の出産前治療は、他の緩和治療と組み合わされて、NASをかなり低減することを示している。妊娠中の胎児のオピオイド依存性のいかなる低減も、胎児の発達、長期送達、体重増加及びNASの短期及び長期後遺症においてかなりの利益をもたらし得る。
本実施例は、マウスにおける、発達年齢にわたり、6β-ナルトレキソールとナルトレキソンの両方のクリアランスに大きな変化があることを更に明らかにしている。モルフィンなどのグルクロニド化薬物を含めた、幅広い45種の薬物のパネルの半減期に関する、早期のヒト発達にわたる同様のプロファイルが、報告されている(Ginsberg Gら(2002年)Toxicol Sci.66巻:185~200頁)。検討した薬物は一般に、早産の新生児及び成熟新生児では、長い半減期を示しており、次に、半減期は、出生後、成体の値未満でさえも、数ヶ月にわたり徐々に低下し、次に、成体レベルまで回復する。この時間の経過は、少なくとも部分的に、出生後早期の肝臓系及び腎臓系が未熟であることに起因した。開示されている実施例は、出生後の最初の2週間にわたり、胚形成から6β-ナルトレキソールの驚くべき安定性を示しており、その後、レベルは、クリアランスの向上の結果、急激に低下する。このことは、出生時におけるヒトに比べて、マウスの脳における既知の発達の遅れに加えて、出生後期間における、薬物代謝及び腎クリアランスに影響を及ぼす発達プロセスの遅れがやはり存在し得ることを示している(6β-ナルトレキソールは、腎臓により、及び代謝による両方によりクリアランスされる)。
結論として、6β-ナルトレキソールの合わせ持つ特性、すなわち1)ナロキソン及びナルトレキソンに比べて、離脱症状を引き起こす傾向が低い、μ-オピオイド受容体のニュートラルアンタゴニスト、2)成体CNSからのその相対排除率、並びに3)胎児の血液循環及び脳に入るその能力は、NASの予防的治療法に対する利用性及び重要性を示している。その効能及び効力に加えて、アルコール依存症の処置のためにFDAにより承認された、6β-ナルトレキソールは、ヒトにおける(マウスではない)ナルトレキソンの主要な代謝産物である(Pettinati,H.Mら(2006年)Journal of clinical psychopharmacology 26巻:610~625頁)。したがって、6β-ナルトレキソールの既知の安全プロファイルは、妊婦におけるその使用を促進することができる。
特に定義されないかぎり、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、開示される発明に属する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において引用されている刊行物及びそれらが引用される資料は、参照により具体的に組み込まれている。
当業者であれば、型とおりの実験だけを使用して、本明細書に記載されている本発明の具体的な実施形態に対する多数の等価物を理解するか、又は確認することができる。このような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。

Claims (16)

  1. オピオイド治療法又は維持管理を受けている薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象により出産された胎児のオピオイド依存性を低減又は予防するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む、前記胎児のオピオイド依存症を低減又は予防するための医薬組成物であって、
    前記オピオイドアンタゴニストが、6β-ナルトレキソールである、医薬組成物。
  2. 前記オピオイドアンタゴニストが、毎日2回の分割用量で送達される、請求項に記載の医薬組成物。
  3. 前記オピオイドアンタゴニストが、約0.1mg~約100mgの1日の投与量範囲で送達される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 前記組成物が持続性薬物放出製剤を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記オピオイドアンタゴニストが経口利用可能な、請求項1からのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 更に、緩和療法と併用される、請求項1からのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 更に、5-HTアンタゴニストと併用される、請求項1からのいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記5-HTアンタゴニストがオンダンセトロンである、請求項に記載の医薬組成物。
  9. 薬物依存性又はオピオイド耐性妊娠対象に、出産前に投与するための、新生児薬物離脱症状又は薬物離脱症候群を低減又は予防するのに有効な量のオピオイドアンタゴニストを含む第1の医薬組成物と、
    薬物依存性又はオピオイド耐性幼児対象に、出生後に投与するための、前記オピオイドアンタゴニストを含む第2の医薬組成物であって、第2の医薬組成物が、新生児薬物離脱が観察されると投与される継続的なオピオイド維持管理からの前記幼児の離脱を促進するのに有効な量を増加させて投与される第2の医薬組成物と、
    を含む、前記新生児離脱症状又は薬物離脱症候群を処置するための組み合わせ医薬組成物であって、
    前記オピオイドアンタゴニストが、6β-ナルトレキソールである、医薬組成物。
  10. 前記オピオイドアンタゴニストが、毎日2回の分割用量で送達される、請求項に記載の医薬組成物。
  11. 前記オピオイドアンタゴニストが、約0.1mg~約100mgの1日の投与量範囲で送達される、請求項9または10に記載の医薬組成物。
  12. 前記オピオイドアンタゴニストが持続性薬物放出製剤中に含まれている、請求項から11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記オピオイドアンタゴニストが経口利用可能な、請求項から12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 更に、緩和療法と併用される、請求項から13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 更に、5-HTアンタゴニストと併用される、請求項から14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 前記5-HTアンタゴニストが、オンダンセトロンである、請求項15に記載の医薬組成物。
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