JP7061514B2 - ジルコニア焼結体 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 平成25年3月12日,ケルン国際デンタルショー2013にて公開
本発明は、ジルコニア焼結体に関する。
歯の治療においては、天然歯の代替物として人工歯が用いられる。この人工歯には、天然歯と同様の外観が要求される。
特許文献1には、歯科修復物を製造するために互いの上部上に配列された層を有する複数色の成形体が開示されている。特許文献1に記載の成形体は、(a)少なくとも2つの連続し、かつ異なる色の主要層、および(b)該少なくとも2つの連続し、かつ異なる色の主要層の間の、少なくとも2つ異なる色の中間層を備え、ここで、これらの中間層の間の色における変化が、該主要層の間の色における変化の方向とは反対である方向で生じている。
特開2008-68079号公報
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
酸化ジルコニウム(IV)(ZrO)(以下、「ジルコニア」という。)は、高強度であると共に、白色系の色調を有するので、人工歯を作製するための歯科用材料として使用されている。天然歯の色は歯根側から歯冠側に向けて色が濃くなるように変化している。そこで、ジルコニアで天然歯と同様の外観を形成する方法として、特許文献1に記載の成形体のように、色の異なる複数の層を積層することが考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載の成形体においては、隣接する主要層の間に2層の中間層を介在させている。この2層の中間層の色の変化方向は天然歯の色の変化方向とは逆になっている。このため、特許文献1に記載の成形体では、天然歯と同様の色の変化を再現することはできない。
本発明の第1視点によれば、一端から他端に向かう第1方向に向かって色が変化しており、前記一端から前記他端に向かう直線上においてL表色系による色度の増減傾向が変化しないジルコニア焼結体が提供される。
前記第1視点の変形として、一端から他端に向かう第1方向に向かって色が変化しており、前記一端から前記他端に向かう直線上においてL 表色系による色度の増減傾向が変化せず、前記一端と前記他端とを結ぶ直線上において、前記一端から全長の25%までの区間にある第1点と、前記他端から全長の25%までの区間にある第2点との色差ΔE abが30以下である、ジルコニア焼結体が提供される。
本発明の第2視点によれば、前記第1視点に係るジルコニア焼結体において、前記一端と前記他端とを結ぶ直線上において、前記一端から全長の25%までの区間にある第1点から、前記他端から全長の25%までの区間にある第2点に向かってL値は増加傾向にあり、a値及びb値は減少傾向にあるジルコニア焼結体が提供される。
本発明は、以下の効果のうち少なくとも1つを有する。
本発明のジルコニア焼結体によれば、天然歯のような外観を実現することができる。
ジルコニア焼結体の模式図。 三点曲げ試験方法を説明するための模式図。
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
上記第1視点の好ましい形態によれば、第1点と第2点とを結ぶ直線上において、第1点から第2点に向かってL値が1以上減少する区間が存在せず、第1点から第2点に向かってa値が1以上増加する区間が存在せず、第1点から第2点に向かってb値が1以上増加する区間が存在しない。
上記第1視点の好ましい形態によれば、第1点から第2点を結ぶ直線上において、第1点と第2点の間にある第3点のL表色系による色度(L,a,b)を(L3,a3,b3)としたとき、L3が65.9以上80.5以下であり、a3が-1.8以上5.5以下であり、b3が4.8以上20.7以下であり、L1<L3<L2であり、a1>a3>a2であり、b1>b3>b2である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、第1点から第2点を結ぶ直線上において、第3点と第2点の間にある第4点のL表色系による色度(L,a,b)を(L4,a4,b4)としたとき、L4が69.1以上82.3以下であり、a4が-2.1以上1.4以下であり、b4が3.5以上16.2以下であり、a1>a3>a4>a2であり、b1>b3>b4>b2である。
上記第1視点の好ましい形態によれば、第3点は一端から全長の45%の距離にある。第4点は一端から全長の55%の距離にある。
上記第1視点の好ましい形態によれば、第1点、第3点、第4点及び第2点において、隣接する2点におけるL値の差をΔLとし、隣接する2点におけるa値の差をΔaとし、隣接する2点におけるb値の差をΔbとし、以下の式1よりΔEabを算出した場合、第1点と第3点間のΔEabは3.7以上14.3以下であり、第3点と第4点間のΔEabは1.8以上10.5以下であり、第4点と第2点間のΔEabは1.0以上4.8以下である。
式1
Figure 0007061514000001
上記第1視点の好ましい形態によれば、第1点から第2点を結ぶ直線上において、第1点と第2点の間にある第3点のL表色系による色度(L,a,b)を(L3,a3,b3)としたとき、L3が69.1以上82.3以下であり、a3が-2.1以上1.4以下であり、b3が3.5以上16.2以下であり、L1<L3<L2であり、a1>a3>a2であり、b1>b3>b2である。
上記第2視点の好ましい形態によれば、一端と他端とを結ぶ直線上において、第1点から第2点に向かってL値は増加傾向にあり、a値及びb値は減少傾向にある。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、一端から他端までの距離は5mm~18mmである。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、第1方向と直交する第2方向に沿って色が変化しない。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、第2方向に延在する直線上の2点において、2点間のL値の差をΔLとし、2点間のa値の差をΔaとし、2点間のb値の差をΔbとし、上記式1よりΔEabを算出した場合、ΔEabが1未満である。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、JISR1601に準拠して測定した曲げ強度が1000MPa以上である。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、JISR1607に準拠して測定した破壊靭性が3.5MPa・m1/2以上である。
上記第1視点及び第2視点の好ましい形態によれば、180℃、1MPaで5時間水熱処理試験を施した後のジルコニア焼結体のX線回折パターンにおいて、2θが30°付近の正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さに対する、2θが28°付近の単斜晶由来の[11-1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さの比が1以下である。
上記第6視点の好ましい形態によれば、切削加工は、CAD/CAMシステムを用いて行う。
本発明において、例えば、ジルコニア焼結体が歯冠形状を有する場合、上記「一端」及び「他端」とは、切端側の端部の一点及び根元側の端部の一点を指すと好ましい。当該一点は、端面上の一点でもよいし、断面上の一点でもよい。一端又は他端から全長の25%までの区間にある点とは、例えば、一端又は他端から、歯冠の高さの10%に相当する距離離れた点をいう。
ジルコニア焼結体が、円板形状や直方体等の六面体形状を有する場合、上記「一端」及び「他端」とは、上面及び下面(底面)上の一点を指すと好ましい。当該一点は、端面上の一点でもよいし、断面上の一点でもよい。一端又は他端から全長の25%までの区間にある点とは、例えば、一端又は他端から、六面体又は円板の厚さの10%に相当する距離離れた点をいう。
本発明において、「一端から他端に向かう第1方向」とは、色が変化している方向を意味する。例えば、第1方向とは、後述の製造方法における粉末を積層する方向であると好ましい。例えば、ジルコニア焼結体が歯冠形状を有する場合、第1方向は、切端側と根元側を結ぶ方向であると好ましい。
本発明のジルコニア焼結体について説明する。本発明のジルコニア焼結体は、部分安定化ジルコニア結晶粒子が主として焼結された焼結体であり、部分安定化ジルコニアをマトリックス相として有する。本発明のジルコニア焼結体において、ジルコニアの主たる結晶相は正方晶系である。(後述の水熱処理試験未処理の段階において)ジルコニア焼結体は単斜晶系を実質的に含有しないと好ましい。
本発明のジルコニア焼結体には、成形したジルコニア粒子を常圧下ないし非加圧下において焼結させた焼結体のみならず、HIP(Hot Isostatic Pressing;熱間静水等方圧プレス)処理等の高温加圧処理によって緻密化させた焼結体も含まれる。
本発明のジルコニア焼結体は、ジルコニア及びその安定化剤を含有する。安定化剤は、正方晶系のジルコニアが単斜晶系へ相転移することを抑制する。相転移を抑制することにより、強度、耐久性及び寸法精度を高めることができる。安定化剤としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)(以下、「イットリア」という。)、酸化セリウム(CeO)等の酸化物が挙げられる。安定化剤は、正方晶系ジルコニア粒子が部分安定化できるような量を添加すると好ましい。例えば、安定化剤としてイットリアを使用する場合、イットリアの含有率は、ジルコニアとイットリアの合計mol数に対して、2.5mol%~5mol%であると好ましく、3mol%~4.5mol%であるとより好ましく、3.5mol%~4.5mol%であるとより好ましい。安定化剤の含有率を高めすぎると、相転移を抑制できても、曲げ強度及び破壊靭性が低下してしまう。一方、安定化剤の含有率が低すぎると、曲げ強度及び破壊靭性の低下を抑制できても、相転移の進行の抑制が不十分となる。なお、安定化剤を添加して部分的に安定化させた正方晶系ジルコニアは、部分安定化ジルコニア(PSZ;Partially Stabilized Zirconia)と呼ばれている。
本発明のジルコニア焼結体は、酸化アルミニウム(Al;アルミナ)を含有すると好ましい。酸化アルミニウムはαアルミナであると好ましい。酸化アルミニウムを含有させると強度を高めることができる。ジルコニア焼結体における酸化アルミニウムの含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0質量%(無含有)~0.3質量%であると好ましい。酸化アルミニウムを0.3質量%より多く含有させると透明度が低下してしまう。
本発明のジルコニア焼結体は、酸化チタン(TiO;チタニア)を含有すると好ましい。酸化チタンを含有させると粒成長を促すことができる。ジルコニア焼結体における酸化チタンの含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0質量%(無含有)~0.6質量%であると好ましい。酸化チタンを0.6質量%より多く含有させると強度が低下してしまう。
本発明のジルコニア焼結体において、酸化ケイ素(SiO;シリカ)の含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0.1質量%以下であると好ましく、ジルコニア焼結体は、酸化ケイ素を実質的に含有しないと好ましい。酸化ケイ素が含有すると、ジルコニア焼結体の透明度が低下してしまうからである。ここに「実質的に含有しない」とは、本発明の性質、特性に影響を特に与えない範囲内という意義であり、好ましくは不純物レベルを超えて含有しないという趣旨であり、必ずしも検出限界未満であるということではない。
本発明のジルコニア焼結体は、着色用の顔料を含有する。顔料としては、例えば、酸化クロム(Cr)、酸化エルビウム(Er)、酸化鉄(Fe)、酸化プラセオジム(Pr11)等が挙げられる。これらの顔料を複合的に用いてもよい。顔料の含有率は、部分的に異なっている。
例えば、歯科用材料として使用するジルコニア焼結体が酸化クロムを含有する場合、酸化クロムを含有する領域における酸化クロムの部分的含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0.001質量%以下であると好ましい。歯科用材料として使用するジルコニア焼結体が酸化エルビウムを含有する場合、酸化エルビウムを含有する領域における酸化エルビウムの部分的含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、2質量%以下であると好ましい。例えば、歯科用材料として使用するジルコニア焼結体が酸化鉄を含有する場合、酸化鉄を含有する領域における酸化鉄の部分的含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0.1質量%以下であると好ましい。例えば、歯科用材料として使用するジルコニア焼結体が酸化プラセオジムを含有する場合、酸化プラセオジムを含有する領域における酸化プラセオジムの部分的含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、0.1質量%以下であると好ましい。
ジルコニア焼結体の焼結後、劣化加速試験である水熱処理試験(後述)未処理状態のジルコニア焼結体のCuKα線で測定したX線回折パターンにおいて、2θが30°付近の正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピーク(以下「第1ピーク」という)の高さに対する、2θが28°付近の単斜晶由来の[11-1]ピークが生ずる位置付近に存在するピーク(以下「第2ピーク」という)の高さの比(すなわち、「第2ピークの高さ/第1ピークの高さ」;以下「単斜晶のピーク比」という)は、0.1以下であると好ましく、0.05以下であるとより好ましい。
本発明のジルコニア焼結体は、水熱処理試験を施しても正方晶から単斜晶への相転移の進行が抑制されている。例えば、180℃、1MPaで5時間の水熱処理を本発明のジルコニア焼結体に施した場合、水熱処理後のジルコニア焼結体の表面におけるCuKα線で測定したX線回折パターンにおいて、単斜晶のピーク比は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.7以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。
本書において「水熱処理試験」とは、ISO13356に準拠した試験をいう。ただし、ISO13356に規定されている条件は、「134℃、0.2MPa、5時間」であるが、本発明においては、試験条件をより過酷にするため、その条件を「180℃、1MPa」とし、試験時間は目的に応じて適宜設定する。水熱処理試験は、「低温劣化加速試験」や「水熱劣化試験」とも呼ばれる。
本発明のジルコニア焼結体におけるJISR1607に準拠して測定した破壊靭性は3.5MPa・m1/2以上であると好ましく、3.8MPa・m1/2以上であるとより好ましく、4MPa・m1/2以上であるとさらに好ましく、4.2MPa・m1/2以上であるとより好ましい。なお、これらは水熱処理試験未処理の状態の数値である。また、試験片において、組成の異なる組成物を積層させたときの境界は、荷重印加方向に沿って(最も小さい面積方向に沿って)延在し、試験片を横断している。当該境界は試験片の中央に(長手方向の真ん中)に位置している。
本発明のジルコニア焼結体におけるJISR1601に準拠して測定した曲げ強度は1000MPa以上であると好ましく、1050MPa以上であるとより好ましい。なお、これらは水熱処理試験未処理の状態の数値である。また、図2に、3点曲げ試験の模式図を示す。試験片において、組成の異なる組成物を積層させたときの境界は、荷重印加方向に沿って(最も小さい面積方向に沿って)延在し、試験片を横断している。当該境界は試験片の中央に(長手方向の真ん中)に位置している。3点曲げ試験の荷重点は、当該境界の位置に合わせてある。
本発明のジルコニア焼結体は、水熱処理後の単斜晶のピーク比、曲げ強度及び破壊靭性のいずれについても上記数値を満たすと好ましい。例えば、本発明のジルコニア焼結体は、水熱処理後の単斜晶のピーク比が1以下であり、破壊靭性が3.5MPa・m1/2以上であり、曲げ強度が1000MPa以上であると好ましい。より好ましくは、本発明のジルコニア焼結体は、水熱処理後の単斜晶のピーク比が0.6以下であり、破壊靭性が4MPa・m1/2以上であり、曲げ強度が1000MPa以上である。
本発明のジルコニア焼結体には、色が実質的に変化しない方向が存在する。図1に、ジルコニア焼結体の模式図を示す。例えば、図1に示すジルコニア焼結体10においては、第1方向Xにおいて、色が実質的に変化しないと好ましい。例えば、第1方向Xに延在する直線上の任意の2点間において、L表色系(JISZ8729)における色度であるL値、a値及びb値の差をそれぞれΔL、Δa及びΔbとし、以下の式よりΔEabを算出した場合、ΔEabは1未満であると好ましく、0.5未満であるとより好ましい。
式2
Figure 0007061514000002
また、本発明のジルコニア焼結体は、両端を結ぶ一端から他端に向かって色が変化している。図1に示すジルコニア焼結体10の一端Pから他端Qに向かう第2方向Yに延在する直線上において、L値、a値及びb値の増加傾向又は減少傾向は逆方向に変化しないと好ましい。すなわち、一端Pから他端Qに向かう直線上においてL値が増加傾向にある場合、L値が実質的に減少する区間は存在しないと好ましい。例えば、一端Pから他端Qに向かう直線上においてL値が増加傾向にある場合、L値が1以上減少する区間が存在しないと好ましく、0.5以上減少する区間が存在しないとより好ましい。一端Pから他端Qに向かう直線上においてa値が減少傾向にある場合、a値が実質的に増加する区間は存在しないと好ましい。例えば、一端Pから他端Qに向かう直線上においてa値が減少傾向にある場合、a値が1以上増加する区間が存在しないと好ましく、0.5以上増加する区間が存在しないとより好ましい。また、一端Pから他端Qに向かう直線上においてb値が減少傾向にある場合、b値が実質的に増加する区間は存在しないと好ましい。例えば、一端Pから他端Qに向かう直線上においてb値が減少傾向にある場合、b値が1以上増加する区間が存在しないと好ましく、0.5以上増加する区間が存在しないとより好ましい。
ジルコニア焼結体10における色の変化方向は、一端Pから他端Qに向かって、L値が増加傾向にあるとき、a値及びb値は減少傾向にあると好ましい。例えば、一端Pから他端Qに向かって、薄黄色、薄オレンジ又は薄茶色から白色へと変化する。
図1において、一端Pから他端Qを結ぶ直線上の点を、一端P側から順に、第1点A、第2点B、第3点C及び第4点Dとする。第1点Aは、一端Pから、一端Pと他端Q間の長さ(以下、「全長」という)の25%~45%までの区間にあると好ましい。第2点Bは、一端Pから全長の長さの30%離れた所から、一端Pから全長の70%までの区間にあると好ましい。第4点Dは、他端Qから、全長の25%~45%までの区間にあると好ましい。第3点Cは、他端Qから全長の30%離れた所から、他端Qから全長の70%までの区間にあると好ましい。
第1点A、第2点B、第3点C及び第4点DにおけるL表色系(JISZ8729)によるジルコニア焼結体10の色度(L,a,b)を(L1,a1,b1)、(L2,a2,b2)、(L3,a3,b3)及び(L4,a4,b4)とする。このとき、以下の大小関係が成立すると好ましい。なお、各点の色度は、各点に対応する組成物単独のジルコニア焼結体を作製し、当該ジルコニア焼結体の色度を測定することによって求めることができる。
L1<L2<L3<L4
a1>a2>a3>a4
b1>b2>b3>b4
本発明のジルコニア焼結体を歯科用材料に適用する場合、例えば、L1は、58.0以上76.0以下であると好ましい。L2は、65.9以上80.5以下であると好ましい。L3は、69.1以上82.3以下であると好ましい。L4は、71.8以上84.2以下であると好ましい。
本発明のジルコニア焼結体を歯科用材料に適用する場合、例えば、a1は、-1.6以上7.6以下であると好ましい。a2は、-1.8以上5.5以下であると好ましい。a3は、-2.1以上1.4以下であると好ましい。a4は、-2.1以上1.8以下であると好ましい。
本発明のジルコニア焼結体を歯科用材料に適用する場合、例えば、b1は、5.5以上26.3以下であると好ましい。b2は、4.8以上20.7以下であると好ましい。b3は、3.5以上16.2以下であると好ましい。b4は、1.9以上16.0以下であると好ましい。
本発明のジルコニア焼結体を歯科用材料に適用する場合、好ましくは、L1は60.9以上72.5以下であり、a1は0.2以上5.9以下であり、b1は11.5以上24.9以下であり、L4は72.2以上79.2以下であり、a4は-1.2以上1.7以下であり、b4は6.0以上15.8以下である。より好ましくは、L1は63.8以上68.9以下であり、a1は2.0以上4.1以下であり、b1は17.5以上23.4以下であり、L4は72.5以上74.1以下であり、a4は-0.2以上1.6以下であり、b4は10.1以上15.6以下である。これにより、平均的な歯の色調に適合させることができる。
隣接する2点間の色差ΔEabは以下の式で表すことができる。ΔLは、隣接する2層におけるL値の差(例えばL1-L2)である。Δaは、隣接する2層におけるa値の差(例えばa1-a2)である。Δbは、隣接する2層におけるb値の差(例えばb1-b2)である。第1点Aと第2点Bの色差をΔEab1、第2点Bと第3点Cの色差をΔEab2、及び第3点Cと第4点Dの色差をΔEab3としたとき、第1点A、第2点B、第3点C及び第4点Dの色度に上記関係がある場合、ΔEab1>ΔEab2>ΔEab3の関係が成立すると好ましい。例えば、ΔEab1は3.7以上14.3以下であると好ましい。ΔEab2は1.8以上10.5以下であると好ましい。ΔEab3は1.0以上4.8以下であると好ましい。これにより、天然歯と同様の色変化を再現することができる。
式3
Figure 0007061514000003
第1点Aと第4点Dの色差をΔEab4としたとき、第1点A、第2点B、第3点C及び第4点Dの色度に上記関係がある場合、例えば、ΔEab4は30以下であると好ましい。第1点Aと第2点Bの色差ΔEab1、第2点Bと第3点Cの色差ΔEab2及び第3点Cと第4点の色差ΔEab3の合計から、第1点Aと第4点Dの色差ΔEab4を差し引いた値は、1以下であると好ましい。これにより、自然な色の変化を示すことができる。
第4点Dの色度が上記範囲にある場合、第4点に対応する組成物単独でジルコニア焼結体を作製し、両面を鏡面加工した厚さ0.5mmの試料を作製してJISK7361に準拠して測定した光透過率は、27%以上であると好ましい。また、第1点Aの色度が上記範囲にある場合、第1点に対応する組成物単独でジルコニア焼結体を作製し、両面を鏡面加工した厚さ0.5mmの試料を作製してJISK7361に準拠して測定した光透過率は、10%以上であると好ましい。
本発明のジルコニア焼結体10の第1方向Yの長さLは、少なくとも天然歯の露出部分に相当する長さを満たすと好ましい。例えば、ジルコニア焼結体10の長さLは5mm~18mmであると好ましい。
次に、本発明のジルコニア焼結体を製造するための組成物及び仮焼体について説明する。組成物及び仮焼体は、上述の本発明のジルコニア焼結体の前駆体(中間製品)となるものである。仮焼体は、組成物を焼結に至らない温度で焼成(即ち仮焼)したものである。また、仮焼体には、成形加工したものも含まれる。たとえば、仮焼したジルコニアディスクをCAD/CAM(Computer-Aided Design/Computer-Aided Manufacturing)システムで加工した歯科用補綴物(例えば歯冠形状)も仮焼体に含まれる。
組成物及び仮焼体は、(正方晶系)ジルコニア結晶粒子と、安定化剤と、酸化チタンと、を含有する。組成物は、酸化アルミニウムを含有してもよい。酸化アルミニウムはαアルミナであると好ましい。
組成物におけるジルコニア粉末(顆粒状態)の平均粒径は、20μm~40μmであると好ましい。
組成物及び仮焼体中の安定化剤としては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、イットリア、酸化セリウム(CeO)等の酸化物が挙げられる。安定化剤は、正方晶系ジルコニア粒子が部分安定化できるような量を添加すると好ましい。例えば、安定化剤としてイットリアを使用する場合、イットリアの含有率は、ジルコニアとイットリアの合計mol数に対して、2.5mol%~4.5mol%であると好ましく、3mol%~4.5mol%であると好ましく、3.5mol%~4.5mol%であるとより好ましい。
組成物及び仮焼体における酸化アルミニウムの含有率は、ジルコニア結晶粒子及び安定化剤の合計質量に対して、0質量%(無含有)~0.3質量%であると好ましい。ジルコニア焼結体の強度を高めるためである。0.3質量%より多いとジルコニア焼結体の透明度が低下してしまう。
組成物及び仮焼体における酸化チタンの含有率は、ジルコニア結晶粒子及び安定化剤の合計質量に対して、0質量%(無含有)~0.6質量%であると好ましい。ジルコニア結晶を粒成長させるためである。0.6質量%より多いとジルコニア焼結体の強度が低下してしまう。
本発明の組成物及び仮焼体において、酸化ケイ素の含有率は、ジルコニア結晶粒子及び安定化剤の合計質量に対して、0.1質量%以下であると好ましく、組成物及び仮焼体は、酸化ケイ素(SiO;シリカ)を実質的に含有しないと好ましい。酸化ケイ素が含有すると、ジルコニア焼結体の透明度が低下してしまうからである。ここに「実質的に含有しない」とは、本発明の性質、特性に影響を特に与えない範囲内という意義であり、好ましくは不純物レベルを超えて含有しないという趣旨であり、必ずしも検出限界未満であるということではない。
本発明の組成物及び仮焼体は、着色用の顔料を含有する。顔料としては、例えば、酸化クロム(Cr)、酸化エルビウム(Er)、酸化鉄(Fe)、酸化プラセオジム(Pr11)等が挙げられる。これらの顔料を複合的に用いてもよい。顔料の含有率は、部分的に異なっている。
例えば、成形した組成物及び仮焼体において、下端から全体の厚さに対して25%~45%の領域を第1層、第1層上の、全体の厚さに対して5%~25%の領域を第2層、第2層上の、全体の厚さに対して5%~25%の領域を第3層、及び第3層上から上端までの、全体の厚さに対して25%~45%の領域を第4層としたとき、第1層から第4層に向かって顔料の含有率が低下すると好ましい。
例えば、組成物及び仮焼体から製造された焼結体を歯科用材料として使用する場合、顔料として、酸化エルビウム及び酸化鉄を添加することができる。この場合、第1層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.33質量%~0.52質量%であり、酸化鉄の含有率が0.05質量%~0.12質量%であると好ましい。第2層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.26質量%~0.45質量%であり、酸化鉄の含有率が0.04質量%~0.11質量%であると好ましい。第3層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.05質量%~0.24質量%であり、酸化鉄の含有率が0.012質量%~0.08質量%であると好ましい。第4層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0質量%~0.17質量%であり、酸化鉄の含有率が0質量%~0.07質量%であると好ましい。酸化エルビウム及び酸化鉄の含有率は、第1層から第4層へ順に低下していくと好ましい。
例えば、組成物及び仮焼体から製造された焼結体を歯科用材料として使用する場合、顔料として、酸化エルビウム、酸化鉄及び酸化クロムを添加することができる。例えば、組成物及び仮焼体から製造された焼結体を歯科用材料として使用する場合、第1層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.08質量%~0.37質量%であり、酸化鉄の含有率が0.08質量%~0.15質量%であり、酸化クロムの含有率が0.0008質量%~0.0012質量%であると好ましい。第2層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.06質量%~0.42質量%であり、酸化鉄の含有率が0.06質量%~0.18質量%であり、酸化クロムの含有率が0.0006質量%~0.001質量%であると好ましい。第3層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.06質量%~0.17質量%であり、酸化鉄の含有率が0.018質量%~0.042質量%であり、酸化クロムの含有率が0.0001質量%~0.0003質量%であると好ましい。第4層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0質量%~0.12質量%であり、酸化鉄の含有率が0質量%~0.001質量%であり、酸化クロムの含有率が0質量%~0.0001質量%であると好ましい。酸化エルビウム、酸化鉄及び酸化クロムの含有率は、第1層から第4層へ順に低下していくと好ましい。
例えば、組成物及び仮焼体から製造された焼結体を歯科用材料として使用する場合、第1層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.08質量%~2.2質量%であり、酸化鉄の含有率が0.003質量%~0.12質量%であり、酸化プラセオジムの含有率が0.003質量%~0.12質量%であると好ましい。第2層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.06質量%~1.9質量%であり、酸化鉄の含有率が0.002質量%~0.11質量%であり、酸化プラセオジムの含有率が0.002質量%~0.11質量%であると好ましい。第3層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0.018質量%~1質量%であり、酸化鉄の含有率が0.008質量%~0.06質量%であり、酸化プラセオジムの含有率が0.0008質量%~0.06質量%であると好ましい。第4層においては、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対して、酸化エルビウムの含有率が0質量%~0.7質量%であり、酸化鉄の含有率が0質量%~0.05質量%であり、酸化プラセオジムの含有率が0質量%~0.05質量%であると好ましい。酸化エルビウム、酸化鉄及び酸化プラセオジムの含有率は、第1層から第4層へ順に低下していくと好ましい。
顔料の含有率は、ジルコニアと安定化剤の合計質量に対する添加量及び製造方法から理論的に算出することができる。
本発明の組成物には、粉体、粉体を溶媒に添加した流体、及び粉体を所定の形状に成形した成形体も含まれる。すなわち、組成物は、粉末状であってもよいし、ペースト状ないしウェット組成物でもよい(すなわち、溶媒中にあってもよいし、溶媒を含んでいてもよい)。また、組成物は、バインダ、顔料等の添加物を含有するものであってもよい。なお、上記含有率の算出において、溶媒やバインダ等の添加物の質量は考慮しない。
本発明の組成物は、成形体である場合、いずれの成形方法によって成形されたものでもよく、例えばプレス成形、射出成形、光造形法によって成形されたものとすることができ、多段階的な成形を施したものでもよい。例えば、本発明の組成物をプレス成形した後に、さらにCIP(Cold Isostatic Pressing;冷間静水等方圧プレス)処理を施したものでもよい。
本発明の仮焼体は、本発明の組成物を常圧下で800℃~1200℃で焼成することによって得ることができる。
本発明の仮焼体は、常圧下で1350℃~1600℃で焼成することにより、本発明のジルコニア焼結体となるものである。
組成物及び仮焼体の積層方向の長さ(厚さ)は、焼結収縮を考慮し、焼結体が目標とする長さを実現するように決定すると好ましい。例えば、目標とする焼結体の積層方向の長さが5mm~18mmである場合、組成物及び仮焼体の積層方向の長さ(厚さ)は10mm~26mmに設定することができる。
次に、本発明の組成物、仮焼体及び焼結体の製造方法の一例について説明する。
まず、水中でジルコニアと安定化剤を湿式混合してスラリーを形成する。次に、スラリーを乾燥させて造粒する。次に、造粒物を仮焼して、1次粉末を作製する。
次に、1次粉末を、積層させる層の数に分ける。例えば、上述の計4層の組成物及び仮焼体を作製する場合には、1次粉末を4つに分け、第1~第4粉末とする。各粉末に顔料を添加する。顔料の添加量は、各層の色を発現するように適宜調節する。そして、それぞれについて、水中で所望の粒径になるまでジルコニアを粉砕混合して、ジルコニアスラリーを形成する。次に、スラリーを乾燥させて造粒し、各層の2次粉末を作製する。酸化アルミニウム、酸化チタン、バインダ等の添加剤を添加する場合には、1次粉末の作製時に添加してもよいし、2次粉末の作製時に添加してもよい。
次に、複数の粉末を順に積層させていく。上層を積層する前に、プレス処理を施すことなく下層の上面を平坦にならす。例えば、下層の粉末の上面をすりきったりして、上面を平坦にする。例えば、上述の計4層の組成物及び仮焼体を作製する場合、型に、第1粉末を所定の厚さ(例えば全体の厚さの25%~45%)まで充填する。このとき、プレス処理を施さずに、第1粉末の上面を平坦にする。次に、第1粉末の上に、第2粉末を所定の厚さ(例えば全体の厚さの5%~25%)まで充填する。第2層の上面もプレス処理を施さずに平坦にする。第2粉末の上に、第3粉末を所定の厚さ(例えば全体の厚さの5%~25%)まで充填する。第3層の上面もプレス処理を施さずに平坦にする。次に、第3粉末の上に、第4粉末を所定の厚さ(例えば全体の厚さの25%~45%)まで充填する。第4層の上面もプレス処理を施さずに平坦にする。第1層から第4層にかけて顔料の含有率が順に増大又は減少するように積層すると好ましい。
次層を充填するまえにプレス処理を施さないことにより、焼結体において、隣接する層間の密着性を高めることができる。これにより、強度を高めることができる。さらに、隣接する層間の色の差異を緩和することができる。これにより、焼結体において、積層方向に色を自然に変化させることができる(グラデーションを作り出すことができる)。
また、この方法によれば、各主要層の間に中間層を必要としない。すなわち、主要層を4層積層する場合、4層だけを積層すればよい。また、各層毎にプレス処理を必要としない。これにより、手間及び時間を大きく削減することができ、製造コストを低下させることができる。
次に、全層を積層したら、プレス成形して、本発明の組成物としての成形物を作製する。
仮焼体を作製しない場合には、組成物を1400℃~1600℃、好ましくは1450℃~1550℃で焼成することにより、ジルコニア粉末を焼結させて、本発明のジルコニア焼結体を製造する。成形物の段階で所望の形状に成形してもよい。
仮焼体を作製する場合には、組成物を800℃~1200℃で焼成して、仮焼体を作製する。次に、仮焼体を1400℃~1600℃、好ましくは1450℃~1550℃で焼成することにより、ジルコニア粉末を焼結させて、本発明のジルコニア焼結体を製造する。成形は、仮焼体の段階で切削加工等により実施してもよいし、焼結後に実施してもよい。成形は、CAD/CAMシステムで実施することができる。
歯科用補綴物の製造方法は、仮焼体又は焼結体を歯冠形状に成形する以外は、焼結体の上記製造方法と同様である。
なお、上記実施形態においては、4層の積層体に基づく組成物、仮焼体及び焼結体を例示したが、4層に限定されるものではない。例えば、上述の第1層及び第4層の2層の積層体から作製された組成物、仮焼体及び焼結体であってもよい。または、上述の第1層、第2層及び第4層、もしくは第1層、第3層及び第4層の3層の積層体から作製された組成物、仮焼体及び焼結体であってもよい。また、図1は、各点の位置関係や方向の説明を容易にするためのものであり、形状や寸法は図1に示す形態に限定されるものではない。
[実施例1~10]
顔料の含有率が段階的に異なるジルコニア焼結体を作製し、色度を測定した。
まず、安定化剤を含有するジルコニア粉末を作製した。正方晶ジルコニア粉末92.8質量%に、安定化剤としてイットリア7.2質量%添加した。ジルコニアとイットリアの混合粉末(100質量%)に対して、アルミナ0.1質量%添加するようにアルミナゾルを添加し、さらにジルコニアとイットリアの混合粉末(100質量%)に対して、水200質量%、消泡剤0.2質量%、及び分散剤1質量%を添加して、この混合物をボールミルで20時間粉砕した。粉砕後にできたスラリーの平均粒子径は0.12μmであった。次に、スプレードライヤにて造粒し、できた顆粒を950℃で2時間仮焼して1次粉末を作製した。
次に、1次粉末を4つに分けた。各粉末を第1~第4粉末とする。実施例1~10において、各粉末に、下記表1~10に示す顔料を添加した。表に示す数値は、ジルコニアとイットリアの混合粉末(100質量%)に対する添加率である。また、各粉末に、ジルコニアとイットリアの混合粉末(100質量%)に対して、チタニア0.2質量%、水200質量%、消泡剤0.2質量%、及び分散剤1質量%を添加して、この混合物をボールミルで15時間粉砕した。粉砕後にできたスラリーの平均粒子径は0.13μmであった。次に、バインダ2.4質量%及び離型剤1質量%を添加して、ボールミルで15分間混合した。次に、できたスラリーをスプレードライヤにて造粒して、第1~第4粉末の2次粉末を作製した。
次に、成形体を作製した。内寸82mm×25mmの金型に、第1粉末を35g充填し、上面をすりきって第1粉末の上面を平坦にならした。次に、第1粉末上に、第2粉末を15g充填し、上面をすりきって第2粉末の上面を平坦にならした。次に、第2粉末上に、第3粉末を15g充填し、上面をすりきって第3粉末の上面を平坦にならした。次に、第3粉末上に、第4粉末を35g充填し、上面をすりきって第4粉末の上面を平坦にならした。次に、上型をセットし、一軸プレス成形機によって、面圧300kg/cmで90秒間、1次プレス成形した。次に、1次プレス成形体を1700kg/cmで5分間、CIP成形して、成形体を作製した。
次に、成形体を1000℃で2時間焼成して仮焼体を作製した。次に、CAD/CAMシステム(カタナシステム、クラレノリタケデンタル社)を用いて歯冠形状に成形した。次に、仮焼体を1500℃で2時間焼成して、焼結体を作製した。第1~第4粉末の積層方向の焼結体の長さは8mmであった。
実施例1~10のいずれの焼結体も、組成物の第1層に相当する領域から第4層に相当する領域に向かって、薄黄色から黄白色へと変化するグラデーションが形成され、天然歯と同様の外観を呈していた。
Figure 0007061514000004
Figure 0007061514000005
Figure 0007061514000006
Figure 0007061514000007
Figure 0007061514000008
Figure 0007061514000009
Figure 0007061514000010
Figure 0007061514000011
Figure 0007061514000012
Figure 0007061514000013
そこで、第1粉末、第2粉末、第3粉末、及び第4粉末について、それぞれ単独の焼結体を作製し、L表色系による色度を測定した。色度は、焼結体を直径14mm、厚さ1.2mmの円板に加工し、その両面を研磨した後、オリンパス社製の測定装置CE100-DC/USを用いて測定した。また、色度の測定結果に基づき、隣接する層間の色差ΔEab1~3を算出した。さらに、第1層と第4層間の色差ΔEabを算出した。そして、(ΔEab+ΔEab+ΔEab)-ΔEabを算出した。表11~20に色度を示す。表21~22に色差を示す。
各粉末の色度は、複数の粉末の積層体から作製したジルコニア焼結体の各点の色度を表しているものと考えられる。実施例9の4つ焼結体の組み合わせは全体として明るい色を呈した。実施例10の4つの焼結体の組み合わせは全体として暗い色を呈した。
第1層の焼結体において、Lは58~76、aは-2~8、bは5~27であった。第2層の焼結体において、Lは66~81、aは-2~6、bは4~21であった。第3層の焼結体において、Lは69~83、aは-2~2、bは3~17であった。第4層の焼結体において、Lは71~84、aは-2~1、bは2~15であった。
第1層の焼結体と第2層の焼結体の色差は3~15であった。第2層の焼結体と第3層の焼結体の色差は1~11であった。第3層の焼結体と第4層の焼結体の色差は1~4であった。第1層から第4層に向けて、隣接する層間の色差は小さくなる傾向にあった。また、第1層の焼結体と第4層の焼結体の色差は8~29であった。第1層の焼結体と第2層の焼結体の色差、第2層の焼結体と第3層の焼結体の色差及び第3層の焼結体と第4層の焼結体の色差の合計から、第1層の焼結体と第4層の焼結体の色差を差し引いた値は、1以下となった。
Figure 0007061514000014
Figure 0007061514000015
Figure 0007061514000016
Figure 0007061514000017
Figure 0007061514000018
Figure 0007061514000019
Figure 0007061514000020
Figure 0007061514000021
Figure 0007061514000022
Figure 0007061514000023
Figure 0007061514000024
Figure 0007061514000025
実施例4における第1粉末、第2粉末、第3粉末、及び第4粉末について、それぞれ単独のジルコニア焼結体を作製し、曲げ強度、破壊靭性及び水熱処理後の単斜晶のピーク比を測定した。測定結果を表23に示す。ジルコニア焼結体の曲げ強度はJISR1601に準拠して測定した。ジルコニア焼結体の破壊靭性はJISR1607に準拠して測定した。水熱処理試験は、180℃、1MPa、5時間の条件でISO13356に準拠した。水熱処理試験を施した後、CuKα線でジルコニア焼結体のX線回折パターンを測定し、単斜晶のピーク比、すなわち水熱処理試験によって単斜晶へ相転移した程度を測定した。いずれの焼結体も曲げ強度は1200MPa以上、破壊靭性も4MPa・m1/2以上、かつ単斜晶のピーク比も1以下であった。他の実施例におけるジルコニア焼結体も組成は同様であるので同様の結果が得られると考えられる。
Figure 0007061514000026
実施例4における第1~第4粉末を積層させた焼結体の曲げ強度を測定した。曲げ強度は、仮焼体及び焼結体について測定した。比較例として、各粉末を充填するたびプレス処理を施した組成物から製造した焼結体についても曲げ強度を測定した。試験片は、長手方向を積層方向に沿って切り出したものである。図2に示すように、試験片において、第2粉末と第3粉末間の境界は、試験片の中央に位置している。3点曲げ試験の荷重点は、当該境界の位置に合わせてある。表24に測定結果を示す。
各層の粉末を充填するたびにプレス処理を施した仮焼体及び焼結体に比べ、プレス処理を施さない仮焼体及び焼結体のほうが曲げ強度を高くすることができた。また、プレス処理を施した仮焼体及び焼結体は、積層の境界面が破壊されたのに対し、プレス処理を施さない仮焼体及び焼結体は、境界付近で破壊され、境界面に限られなかった。これより、プレス処理を施さないほうが層間の接合を高めることができることが分かった。他の実施例におけるジルコニア焼結体も組成は同様であるので同様の結果が得られると考えられる。
Figure 0007061514000027
本発明のジルコニア焼結体、並びにジルコニア焼結体用の組成物及び仮焼体は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
[付記1]
一端から他端に向かう第1方向に延在する直線上において、
前記一端から全長の25%までの区間にある第1点のL表色系による色度(L,a,b)を(L1,a1,b1)とし、
前記他端から全長の25%までの区間にある第2点のL表色系による色度(L,a,b)を(L2,a2,b2)としたとき、
L1が58.0以上76.0以下であり、
a1が-1.6以上7.6以下であり、
b1が5.5以上26.3以下であり、
L2が71.8以上84.2以下であり、
a2が-2.1以上1.8以下であり、
b2が1.9以上16.0以下であり、
L1<L2であり、
a1>a2であり、
b1>b2であり、
前記第1点から前記第2点に向かってL表色系による色度の増減傾向が変化しないことを特徴とするジルコニア焼結体。
[付記2]
前記第1点と前記第2点とを結ぶ直線上において、
前記第1点から前記第2点に向かってL値が1以上減少する区間が存在せず、
前記第1点から前記第2点に向かってa値が1以上増加する区間が存在せず、
前記第1点から前記第2点に向かってb値が1以上増加する区間が存在しない
ことを特徴とする付記1に記載のジルコニア焼結体。
[付記3]
前記第1点から前記第2点を結ぶ直線上において、前記第1点と前記第2点の間にある第3点のL表色系による色度(L,a,b)を(L3,a3,b3)としたとき、
L3が65.9以上80.5以下であり、
a3が-1.8以上5.5以下であり、
b3が4.8以上20.7以下であり、
L1<L3<L2であり、
a1>a3>a2であり、
b1>b3>b2である、
ことを特徴とする付記1又は2に記載のジルコニア焼結体。
[付記4]
前記第1点から前記第2点を結ぶ直線上において、前記第3点と前記第2点の間にある第4点のL表色系による色度(L,a,b)を(L4,a4,b4)としたとき、
L4が69.1以上82.3以下であり、
a4が-2.1以上1.4以下であり、
b4が3.5以上16.2以下であり、
L1<L3<L4<L2であり、
a1>a3>a4>a2であり、
b1>b3>b4>b2である、
ことを特徴とする付記3に記載のジルコニア焼結体。
[付記5]
前記第3点は前記一端から全長の45%の距離にあり、
前記第4点は前記一端から全長の55%の距離にある、
ことを特徴とする付記4に記載のジルコニア焼結体。
[付記6]
前記第1点、前記第3点、前記第4点及び前記第2点において、
隣接する2点におけるL値の差をΔLとし、
隣接する2点におけるa値の差をΔaとし、
隣接する2点におけるb値の差をΔbとし、
以下の式1よりΔEabを算出した場合、
前記第1点と前記第3点間のΔEabは3.7以上14.3以下であり、
前記第3点と前記第4点間のΔEabは1.8以上10.5以下であり、
前記第4点と前記第2点間のΔEabは1.0以上4.8以下である、
ことを特徴とする付記4又は5に記載のジルコニア焼結体。
[式1]
Figure 0007061514000028
[付記7]
前記第1点から前記第2点を結ぶ直線上において、前記第1点と前記第2点の間にある第3点のL表色系による色度(L,a,b)を(L3,a3,b3)としたとき、
L3が69.1以上82.3以下であり、
a3が-2.1以上1.4以下であり、
b3が3.5以上16.2以下であり、
L1<L3<L2であり、
a1>a3>a2であり、
b1>b3>b2である、
ことを特徴とする付記1又は2に記載のジルコニア焼結体。
[付記8]
前記一端から前記他端までの距離は5mm~18mmであることを特徴とする付記1~7のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
[付記9]
前記第1方向と直交する第2方向に沿って色が変化しないことを特徴とする付記1~8のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
[付記10]
前記第2方向に延在する直線上の2点において、
前記2点間のL値の差をΔLとし、
前記2点間のa値の差をΔaとし、
前記2点間のb値の差をΔbとし、
以下の式2よりΔEabを算出した場合、
ΔE*abが1未満であることを特徴とする付記9に記載のジルコニア焼結体。
[式2]
Figure 0007061514000029
[付記11]
JISR1601に準拠して測定した曲げ強度が1000MPa以上であることを特徴とする付記1~10のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
[付記12]
JISR1607に準拠して測定した破壊靭性が3.5MPa・m1/2以上であることを特徴とする付記1~11のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
[付記13]
180℃、1MPaで5時間水熱処理試験を施した後のジルコニア焼結体のX線回折パターンにおいて、2θが30°付近の正方晶由来の[111]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さに対する、2θが28°付近の単斜晶由来の[11-1]ピークが生ずる位置付近に存在するピークの高さの比が1以下であることを特徴とする付記1~12のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体。
[付記14]
1400℃~1600℃で焼結することにより付記1~13のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体となることを特徴とする、ジルコニア焼結体を製造するための仮焼体。
[付記15]
1400℃~1600℃で焼結することにより付記1~13のいずれか一項に記載のジルコニア焼結体となることを特徴とする、ジルコニア焼結体を製造するための組成物。
[付記16]
800℃~1200℃で焼成することにより付記14に記載の仮焼体となることを特徴とする、ジルコニア焼結体を製造するための組成物。
[付記17]
付記14に記載の仮焼体を切削加工した後に焼結した状態であることを特徴とする歯科用補綴物。
[付記18]
付記14に記載の仮焼体を、CAD/CAMシステムを用いて切削加工した後に焼結した状態であることを特徴とする付記17に記載の歯科用補綴物。
本発明のジルコニア焼結体は、補綴物等の歯科用材料、フェルールやスリーブ等の光ファイバ用接続部品、各種工具(例えば、粉砕ボール、研削具)、各種部品(例えば、ネジ、ボルト・ナット)、各種センサ、エレクトロニクス用部品、装飾品(例えば、時計のバンド)等の種々の用途に利用することができる。ジルコニア焼結体を歯科用材料に使用する場合、例えば、コーピング、フレームワーク、クラウン、クラウンブリッジ、アバットメント、インプラント、インプラントスクリュー、インプラントフィクスチャー、インプラントブリッジ、インプラントバー、ブラケット、義歯床、インレー、アンレー、オンレー、矯正用ワイヤー、ラミネートベニア等に使用することができる。
10 ジルコニア焼結体
A~D 第1点~第4点
P 一端
Q 他端
X 第1方向
Y 第2方向

Claims (2)

  1. 一端から他端に向かう第1方向に向かって色が変化しており、
    前記一端から前記他端に向かう直線上においてL表色系による色度の増減傾向が変化せず、
    前記一端と前記他端とを結ぶ直線上において、前記一端から全長の25%までの区間にある第1点と、前記他端から全長の25%までの区間にある第2点との色差ΔE abが30以下である、
    ことを特徴とするジルコニア焼結体。
  2. 前記一端と前記他端とを結ぶ直線上において、前記一端から全長の25%までの区間にある第1点から、前記他端から全長の25%までの区間にある第2点に向かってL値は増加傾向にあり、a値及びb値は減少傾向にあることを特徴とする請求項1に記載のジルコニア焼結体。
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