特許文献1に開示されるような導光板に発光素子が接合された発光ユニットをディスプレイの直下型バックライトとして使用する場合、例えば、ディスプレイの画面の大きさに対応した1つの発光ユニットを用いることが考えられる。この場合、画面の大きさに対応した1枚の導光板に多数の発光素子を配列し、接合する必要がある。このため、例えば、1枚の導光板に1つでも点灯しない発光素子が接合されたり、適切な位置に発光素子が配置されない場合、全体として発光ユニットが不良となる可能性があり、製造歩留りが低くなり得る。
このような製造歩留まりの低下を回避するために、ディスプレイの画面を複数領域に分割し、分割された領域に対応した大きさの発光ユニットを複数作製し、複数の発光ユニットを配置することが考えられる。例えば、まず、1辺が数センチの矩形の導光板に複数の発光素子を配列し、接合することによって小型の発光ユニットを作製する。その後、複数の小型の発光ユニットを2次元に配置することによって、全体として大きな画面に対応したバックライトとして用いることができる。
この小型の発光ユニットに接合される発光素子数は、画面全体の大きさの導光板に発光素子を配列し、接合する場合の発光素子数に比べて少なくなるため、製造歩留りを高めることが可能である。また、小型の発光ユニットを配置する数を異ならせることによって、種々のサイズのディスプレイの画面にも対応させることが可能であり、画面のサイズごとに対応した大きさの導光板を有する発光ユニットを用意する場合に比べて、製造コストを低減することが可能である。
種々のサイズのディスプレイに対応させることが容易であるので、このような発光モジュールは、映像の表示、種々の装置や自動車等の乗り物の情報表示等、種々の用途に使用が可能である。この場合、用途によっては、発光モジュールの出射面において、部分的に配光特性を調整することができれば、発光モジュールは、より多様な用途に適合したり、従来とは異なる新しい使用態様を提供し得ると考えられる。
本開示は、このような課題に鑑み、新規な発光ユニットを提供する。以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光モジュールは、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序等は、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、わかり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光モジュールにおける寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置をわかり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
<第1の実施形態>
(発光モジュール201の構造)
図1Aは、本開示の発光モジュールの第1の実施形態である発光モジュール201を示す斜視図である。図1Bおよび図1Cは、発光モジュール201の上面図および下面図である。発光モジュール201は、全体として板形状を有する。発光モジュール201は、導光板210と、複数の光源20と、光反射層220とを含む。なお、図1Aには、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。X方向およびY方向は第1方向および第2方向でもある。
図2A、図2Bおよび図2Cは、導光板210の上面図、下面図および断面図である。導光板210は、第1主面210aおよび第1主面210aの反対側に位置する第2主面210bを有し、第1主面210aに設けられた複数の第1凹部11内にそれぞれ配置される複数の光源20から出射する光を第2主面210bから出射する導光構造を備える。
光反射層220は、光源20から出射する光を第1主面210aにおいて反射する。第2主面210bは、発光モジュール201の発光面である。典型的には、導光板210の第2主面210bは矩形状を有する。ここでは、上述のX方向およびY方向は、導光板210の矩形状の互いに直交する辺の一方および他方にそれぞれ一致している。第2主面210bの矩形状の一辺の長さは、例えば1cm以上200cm以下の範囲である。本開示の典型的な実施形態では、導光板210の第2主面210bの矩形状の一辺は、10mm以上30mm以下の長さを有する。第2主面210bの矩形状の縦方向および横方向の長さは、例えば、それぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmであり得る。あるいは、第2主面210bの矩形状の縦方向および横方向の長さは、それぞれおよそ21.7mmおよび24.0mmであってもよい。
図2Aおよび図2Bに示すように、導光板210の第1主面210aおよび第2主面210bは、1次元または2次元に配列された複数のユニット領域211に区画されており、各ユニット領域211が発光ユニット101(図1A参照)を構成している。この例では、導光板210は、2次元に配列された16個のユニット領域211を含んでおり、16個のユニット領域211は4行4列に配置されている。導光板210に含まれるユニット領域211の数および配置、つまり、発光モジュール201に含まれる発光ユニット101の数および配置は、任意であり、図1A~図1C等に示す構成に限定されない。
複数の発光ユニット101は、少なくとも1つの第1発光ユニット101Aを含む。図1Bおよび図1Cに示す例では、複数の発光ユニット101は、4つの第1発光ユニット101Aを含んでいる。また、複数の発光ユニット101は、複数の第2発光ユニット101Bを含んでいる。図1Bおよび図1Cに例示する構成において、複数の発光ユニット101は、12個の第2発光ユニット101Bを含んでおり、これらの第2発光ユニット101Bは、3行4列に配置されている。したがってここでは、図2Aおよび図2Bに示すように、複数のユニット領域211は、4個の第1ユニット領域211Aと、12個の第2ユニット領域211Bとを含んでいる。複数のユニット領域211のうち、第1ユニット領域211Aは、第1発光ユニット101Aに対応し、第2ユニット領域211Bは、第2発光ユニット101Bに対応している。
本実施形態において、導光板210の第2主面210bは、第2主面210bから出射する光の配光を調整するレンズ構造を備えている。図2Aおよび図2Cに示すように、レンズ構造は、導光板210が複数のユニット領域211を有することに対応して、導光板210の第2主面210b側に複数設けられる。ここでは、複数のユニット領域211に対応して設けられた複数のレンズ構造のそれぞれは、第2主面210bに設けられた第2凹部12である。図2Aに示すように、第2凹部12は、複数のユニット領域211の1つに対応して配置されている。換言すれば、この例では、複数の発光ユニット101のそれぞれが1つのレンズ構造を含んでいる。
図3Aおよび図3Bは、第1発光ユニット101Aの断面図および上面図であり、図4Aおよび図4Bは、第2発光ユニット101Bの断面図および上面図である。以下において詳述するように、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bでは、レンズ構造の光軸および光源20の光軸の一方を基準としたときの他方の配置が異なっている。第2発光ユニット101Bでは、導光板210の第1主面210a側に配置される光源20の光軸と、第2主面210b側に設けられるレンズ構造の光軸とが概ね一致させられることに対し、第1発光ユニット101Aでは、レンズ構造の光軸は、光源20の光軸に一致させられていない。図3Aおよび図3Bに示す例では、図中に矢印SHで示すように、レンズ構造の光軸L1は、光源20の光軸L2の位置(図3B中に黒丸で示す)から図の+Y方向にずれている。これにより、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bは、異なる配光特性を実現し得る。
以下、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bの構造を詳細に説明する。以下では、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bを総称する場合に、これらを発光ユニット101と呼ぶことがある。また、透光性部材50A、50Bを総称する場合に、これらを透光性部材50と呼ぶことがある。
発光ユニット101は、導光板10、光源20および透光性部材50を備える。発光ユニット101は、さらに、光反射層30、光反射性部材40および配線層60を備えていてもよい。
[導光板10]
導光板10は、図1A等に示す導光板210の各ユニット領域211に対応する部分である。導光板10は光源20を支持する。また、導光板10は、光源20から出射した光をできるだけ均一に導光板10の一面から出射するための導光構造を備える。具体的には、導光板10は、第1主面10aおよび第1主面10aと反対側に位置する第2主面10bを有し、第1主面10aに第1凹部11が設けられている。第1凹部11は、例えば上面が底面よりも小さい四角錐台形状を有し、上面が第1凹部11の底に位置している。本実施形態では、上面および底面の4辺がユニット領域211の4辺と概ね平行になるように四角錐台形状は配置されている。しかしながら、上面および底面の対角線が、ユニット領域211の4辺と概ね平行になるように四角錐台形状が配置されてもよい。第1凹部11には光源20が配置されている。
導光板10の第1主面10aは、第1主面10a側に進む光を反射させるため、曲面部分10cを有していてもよい。曲面部分10cは、例えば、第1主面10aの各ユニット領域211の周縁領域に設けられる。第1主面10aに光反射層30が配置されることによって、第1主面10aに対して浅い角度で入射する光が、曲面部分10cにおいて第2主面10b側に全反射し、光の取り出し効率が高められる。
導光板10は、第2主面10bから出射する光の配光を調整するためのレンズ構造を備える。レンズ構造は、具体的には、第2主面10bに設けられた第2凹部12である。第2凹部12は、例えば、円錐形状を有する第1部分12cと、円錐台形状を有する第2部分12dとを含む。円錐形状の先端は導光板10の内部側に位置し、第1部分12cの円錐形状の底面に第2部分12dの円錐台形状の上面が接している。この場合、レンズ構造の光軸L2は、図3Aから理解されるように、第1部分12cの円錐形状の頂点から底面に下した垂線に一致する。第1発光ユニット101Aに注目すると、平面視、つまり、第2主面10bまたは第1主面10aから見た第2凹部12の中心は、図3Bに示すように、第1凹部11の中心から+Y方向にずれている。他方、第2発光ユニット101Bでは、平面視において第2凹部12の中心と第1凹部11の中心とが一致していることが好ましい。
導光板10が備えるレンズ構造は、上述の例に限られず、導光板10は、他の形状を有するレンズ構造を備えていてもよい。例えば図3Cに示すように、導光板10のレンズ構造である第2凹部12は、円錐台形状を有する第1部分12cと、円錐台形状を有する第2部分12dとを含んでいてもよい。
レンズ構造は、第2凹部12の内側面および底面と外部の環境との境界において光の屈折を利用して光の出射方向を制御する。本実施形態では、第2凹部12の第1部分12cには、光反射性部材40が配置される。
導光板10は、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、ガラス等の透光性材料によって形成されている。例えば、第1凹部11、曲面部分10cおよび第2凹部12に対応した形状の金型を用い、射出成型等によって、導光板10が2次元に複数接続された導光板210を形成することができる。第1凹部11および第2凹部12に応じた凸部をキャビティの内側に有する金型を用いた成型法によれば、例えば発光ユニット101ごとに第1凹部11の中心と第2凹部12の中心との間の位置関係を変更することも比較的容易である。例えば、第2発光ユニット101Bでは、平面視における第1凹部11の中心と第2凹部12の中心とが一致させられる。他方、第1発光ユニット101Aでは、平面視における第1凹部11の中心と第2凹部12の中心とが一致しないように、例えば第1凹部11の中心の位置を基準として、その中心の位置が+Y方向にシフトされた第2凹部12が導光板10に形成される。
[光反射性部材40]
導光板10が第2凹部12を備える場合、第2凹部12の内部に光反射性部材40を配置してもよい。ここでは、第2凹部12の第1部分12c内に光反射性部材40を配置している。光反射性部材40が光源20の上方に配置されることによって、光源から出射した光の一部を第1主面10a側に反射させることができる。
図3Aおよび図4Aに例示する構成では、第1部分12cが円錐形状を有するため、導光板10と、光反射性部材40との界面で反射した光は、導光板10中でより広い範囲に拡散して第1主面10a側へ進む。よって、光源20からの光をより効率的に導光板10の面内に拡散させることが可能である。さらに、その少なくとも一部が光源20に対向するようにして第2凹部12内に光反射性部材40を配置することにより、導光板10の第2主面10bにおいて光源20の直上の輝度が他の領域と比較して極端に高くなることを抑制できる。また、光反射性部材40を第2凹部12のうち第1部分12cの内部に選択的に形成することにより、光源20の直上の輝度が必要以上に低下することを回避できる。その結果、発光ユニット101全体の厚さを低減しながら、より均一性が向上された光を得ることが可能になる。
光反射性部材40は、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料等の光反射性の材料から形成される。ここで、本明細書において、「反射性」、「光反射性」とは、光源20の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光反射性部材40の、光源20の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
光反射性部材40を形成するための樹脂材料の母材としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等を用い得る。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。光反射性部材40が白色を有すると有益である。
光反射性部材40中の光反射性のフィラーの分布は、光反射性部材40内でほぼ一定であってもよいし、偏りまたは勾配を有していてもよい。例えば、光反射性部材40の形成の工程において母材の硬化前にフィラーが沈降または母材から分離することにより、光反射性部材40中の光反射性のフィラーの分布に偏りが生じ得る。平面視における単位面積あたりのフィラーの数で定義されるフィラーの数密度が、光反射性部材40の外縁付近と比較して中央付近において相対的に高いと、光源20の直上の領域の輝度が局所的に極端に高くなることを抑制しやすく、有益である。
[光反射層30]
光反射層30は、図1A等に示す光反射層220の各ユニット領域211に対応する部分であり、導光板10の第1主面10aを覆っている。図3Aに示すように、光反射層30は、第1凹部の内部に位置する透光性部材50を覆っていてもよい。光反射層30は、透光性部材50の全体を覆い得る。光反射層30は、例えば、光反射性部材40の材料として例示した材料を用いて形成することができる。光反射層30が第1主面10aを覆うことによって、導光板10の第1主面10aに入射する光を、第2主面10b側に反射することができる。
[配線層60]
配線層60は、発光ユニット101の下面に相当する、光反射層30の第1主面30a上に位置し、光源20と電気的に接続される。図1Cに示すように、配線層60は、発光モジュール201の光反射層30の第1主面30aにおいて、各発光ユニット101の光源20を電気的に接続する。配線層60が形成する回路は、発光モジュール201の各発光ユニット101の駆動方法に応じて決定される。例えば、発光モジュール201の各発光ユニット101を同じタイミングで駆動する場合、4行4列に配置された発光ユニット101の光源20のうち、2つずつを直列に接続した8つの直列回路を並列に接続してもよい。あるいは、4行4列に配置された発光ユニット101の光源20を2以上のグループに分け、同時に駆動するように回路を構成してもよい。配線層60は、典型的には、Cu等の金属から形成された単層膜または積層膜によって構成することができる。
[光源20]
図5Aは、光源20の断面図である。図3Aから図4Bに例示する構成において、光源20は、導光板10の第1凹部11内に配置される。光源20は、発光素子21と、波長変換部材22と、接合部材23と、光反射部材24とを含む。
発光素子21の典型例は、LEDである。発光素子21は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造とを含む本体部21mを有する。半導体積層構造は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む。半導体積層構造は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。発光素子21は、さらに、n型半導体層およびp型半導体層と電気的に接続された電極21tを有する。
発光素子21は、青色光を出射する素子であってもよいし、白色光を出射する素子であってもよい。複数の発光ユニット101の発光素子21は、互いに異なる色の光を発する素子を含んでいてもよい。例えば、複数の発光ユニット101の発光素子21が、赤色光を出射する素子、青色光を出射する素子および緑色光を出射する素子を含んでいてもよい。本実施形態では、発光素子21として、青色光を出射するLEDを例示する。
発光素子21の平面視における形状は、典型的には、矩形形状である。発光素子21の矩形形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子21の矩形形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子21の矩形形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子21の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも絶対値が大きい角度方向において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
波長変換部材22は、発光素子21の出射面21bに配置される。波長変換部材22は、発光素子21から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子21からの光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、波長変換部材22は、発光素子21からの青色光の一部を波長変換して黄色光を発する。このような構成によれば、波長変換部材22を通過した青色光と、波長変換部材22から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。また、発光素子21から出射された光は、基本的に波長変換部材22を介して導光板10の内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板10の内部で拡散されることになり、輝度ムラの抑制された例えば白色光を導光板10の第2主面10bから取り出すことが可能である。この点で、本実施形態の光源20を用いる場合、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して光の均一化に有利である。
波長変換部材22は、典型的には、樹脂中に蛍光体の粒子が分散された部材である。蛍光体等の粒子を分散させる樹脂としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。導光板10に効率的に光を導入する観点からは、波長変換部材22の母材が導光板10の材料よりも低い屈折率を有すると有益である。波長変換部材22の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、波長変換部材22に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、波長変換部材22の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例であり、KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
波長変換部材22に含まれる蛍光体が複数の発光モジュール201内で共通であることは必須ではない。複数の発光モジュール201の間で、波長変換部材22の母材に分散させる蛍光体を異ならせることも可能である。
接合部材23は、発光素子21の側面21sの少なくとも一部および波長変換部材22の、発光素子21と対向する面の一部を覆う透光性の部材であり、波長変換部材22と発光素子21とを接合する。図5Aでは示されていないが、発光素子21と波長変換部材22との間にも接合部材23が位置していてもよい。
接合部材23の材料としては、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物を用いることができる。接合部材23は、発光素子21の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子21の発光ピーク波長における接合部材23の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
接合部材23の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。接合部材23の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。接合部材23は、典型的には、導光板10の屈折率よりも低い屈折率を有する。接合部材23は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
上述したように、接合部材23は、発光素子21の側面21sの少なくとも一部を覆う。また、接合部材23は、後述の光反射部材24との界面である外面23cを有する。発光素子21の側面21sから出射されて接合部材23に入射した光は、接合部材23の外面23cの位置で発光素子21の上方に向けて反射される。断面視における接合部材23の外面23cの形状は、図5Aに示すような直線状に限定されず、折れ線状、発光素子21に近づく方向に凸の曲線状、発光素子21から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。
光反射部材24は光反射性を有し、発光素子21および接合部材23を覆って配置されている。光反射部材24は、発光素子21の、電極21tが設けられた面にも位置しており、電極21tの下面21taが光反射部材24から露出している。光反射部材24の材料としては、例えば、光反射層30の材料と同様の材料を用いることができ、例えば、光反射部材24の材料と光反射層30の材料とが共通であってもよい。本体部21mの下面21maのうち電極21tを除く領域を光反射部材24で覆うことにより、導光板10の第1主面10a側への光の漏れを抑制できる。
光源20は、例えば、以下のような工程によって得ることができる。まず、シート状の波長変換部材22に接合部材23によって複数の発光素子21を2次元に配置し、接合する。その後、光反射部材24で複数の発光素子21間を埋め個片化することによって複数の光源20を効率的に得ることができる。
ここで、光源20の光軸とは、発光素子21の上面である出射面21bに垂直かつ平面視において発光素子21の出射面21bの中心を通る軸、あるいは、光源20の上面に垂直かつ平面視において光源20の上面の中心を通る軸を指す。図5Aに示す例では、波長変換部材22の上面22bが光源20の上面を構成している。
発光ユニット101に適用される光源の構成は、図5Aに示す例に限定されず、上述の光源20に代えて、種々の構成を適用可能である。以下、発光ユニット101に適用可能な光源の他の例を説明する。以下に例示する各光源は、第1面20aと、第1面20aとは反対側に位置する第2面20bとを有する。以下に説明する各例において、光源の電極は、光源の下面としての第1面20a側に位置する。第2面20bは、光源の上面である。
図5Bに示す光源20Bは、上述の発光素子21を光源に適用した例である。図5Aを参照しながら説明したように、光源20Bとしての発光素子21は、半導体積層構造を含む本体部21mと、出射面21b(図5A参照)とは反対側に位置する第1面20a側に設けられた一対の電極21tとを有する。この例では、本体部21mの下面21ma(図5A参照)が光源20Bの第1面20aに相当し、発光素子21の出射面21bが光源20Bの第2面20bに相当する。なお、この例では、発光素子21の側面21sが光源20Bの側面を構成する。
光源20Bの発光ピーク波長は、半導体積層構造に含まれる半導体積層体の材料およびその混晶度によって調整が可能である。例えば、半導体積層体の材料にGaAs、GaP、InP等を用いることにより、赤色光を出射する光源が得られる。発光素子21の本体部21mの形状も、発光モジュール201の用途等に応じて適宜に選択可能である。例えば、平面視における本体部21mの形状は、正方形、長方形等の矩形状とできる。あるいは、三角形、六角形等の多角形であってもよい。光源20Bの高さは、例えば、5μm~300μmとすることができる。電極21tの厚さは、例えば、0.5μm~100μmとすることができる。電極21tの材料としては、Cu、Au、Ni等を用いることができる。
図5Aを参照しながら説明した例と同様に、発光ユニット101に適用される光源は、発光素子21に加えて、発光素子21を被覆する部材を含み得る。図5Cに示す光源20Cは、発光素子21と、発光素子21の出射面21b上に位置する光調整部材27とを有する。光調整部材27は、例えば、透明な樹脂を母材として含み、光反射性のフィラーを含有する材料から形成された樹脂層であり得る。
発光素子21の上方に光調整部材27を配置することにより、光源から取り出される光のうち、第2面20bの概ね法線方向に出射される光の量を調整し得る。これにより、例えば発光モジュール201の光取り出し面となる導光板210の第2主面210bにおいて光源の直上の領域の輝度が他の領域と比較して極端に高くなることをより効果的に抑制し得る。すなわち、発光モジュール201の発光面における輝度ムラを抑制して、均一性に優れた光を出射する発光モジュール201を提供し得る。光調整部材27は、母材とは異なる屈折率を有する材料を含有していてもよい。この場合、光調整部材27は、光拡散層として機能する。光調整部材27は、蛍光体の粒子等を含有していてもよい。
図5Cに示す例において、発光素子21の本体部21mの下面21maが光源20Cの第1面20aに相当する点は、図5Bを参照して説明した例と同様である。他方、この例では、光調整部材27の上面が、光源20Cの第2面20bを構成する。この例では、光源20Cの側面20sは、発光素子21の側面21sと光調整部材27の側面27sとを含む。
図5Dは、発光素子21と、透光性部材25Dとを有する光源20Dを示す。図5Dに示すように、透光性部材25Dは、発光素子21の上面である出射面21bに加えて側面21sをも覆っている。このように、発光ユニット101に適用される光源は、発光素子21の側面21sをも被覆する部材を有していてもよい。ここでは、透光性部材25Dの下面および上面がそれぞれ光源20Dの第1面20aおよび第2面20bを構成する。また、ここでは、透光性部材25Dの側面が光源20Dの側面20sに相当する。図5Dに例示する構成において、発光素子21の電極21tは、透光性部材25Dから突出している。
透光性部材25Dは、例えば、上述の接合部材23と同様の材料から形成されることにより、透光性を有する。発光素子21の上面に加えて側面21sをも透光性部材25Dで被覆することにより、発光素子21の側面21sから出射される光を光源20Dの側面20sから取り出しやすくし得る。このような構造の光源20Dの透光性部材25Dの少なくとも一部が導光板10の第1凹部11の内部に位置するように光源20Dを導光板10に結合することにより、第1凹部11の形状を規定する面のうち光源20Dの第2面20bに対向する面以外の面からも導光板10に光を導入しやすくなる。透光性部材25Dは、例えば、母材とは異なる屈折率を有する材料を含有することにより、光拡散の機能が付与されていてもよい。透光性部材25Dは、蛍光体の粒子等の波長変換部材を含有していてもよい。
図5Eは、光調整部材27をさらに有する光源の構成の例を示し、図5Fは、光反射部材24Fをさらに有する光源の構成の例を示す。図5Eに示す光源20Eは、透光性部材25Dの上面25b上に位置する層状の光調整部材27を含む。この例では、光調整部材27の上面が光源20Eの第2面20bに相当する。光源20Eの側面20sは、光調整部材27の側面27sと、透光性部材25Dの側面25sとを含んでいる。
図5Dに示す光源20Dと同様に、図5Eに示す例においても、発光素子21の電極21tは、透光性部材25Dから突出しており、また、発光素子21の本体部21mの下面21maも透光性部材25Dから露出されている。このような構成においては、発光素子21の電極21tの厚さが小さいことが好ましい。光源の厚さ(すなわち、電極21tの下面21taから光源の第2面20bまでの距離)を低減でき、その結果、発光モジュール201をより薄くし得るからである。
図5Fに示す光源20Fは、透光性部材25Dの下面25a側を覆う光反射部材24Fを含む。図5Fに例示する構成において、電極21tの下面21taは、光反射部材24Fの下面に整合しており、光反射部材24Fから露出されている。光反射部材24Fは、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料等から形成され、光反射性を有する。透光性部材25Dの下面25a側に光反射部材24Fを設け、発光素子21の本体部21mの下面21maと、電極21tの側面とを光反射部材24Fで覆うことにより、発光素子21からの導光板10の第1主面10a側への光の漏れを抑制できる。すなわち、導光板10の第1主面10a側に配置され得る配線基板等による吸収を回避して、光の利用効率を向上させ得る。この例では、光反射部材24Fの下面が光源20Fの第1面20aに相当し、光源20Fの側面20sは、透光性部材25Dの側面25sと、光反射部材24Fの側面24sとを含んでいる。
図5Gに例示するように、光源は、光調整部材27および光反射部材24Fの両方を含んでいてもよい。図5Gに示す光源20Gは、図5Fに示す光源20Fと比較して、透光性部材25Dの上面25b上に位置する光調整部材27を含む。したがって、光源20Gの側面20sは、透光性部材25Dの側面25sおよび光反射部材24Fの側面24sに加えて光調整部材27の側面27sを含んでいる。
図5Hに示す光源20Hは、図5Gを参照しながら説明した例の透光性部材25Dに代えて透光性部材25Hを設けた構成の例である。図5Hに示すように透光性部材25Hは、第1透光性部材251および第2透光性部材252の二層構造を有する。第1透光性部材251は、上述の透光性部材25Dと同様に発光素子21の出射面21bと側面21sとを覆い、第2透光性部材252は、第1透光性部材251の上面251b上に位置している。すなわち、第2透光性部材252は、第1透光性部材251と光調整部材27との間に介在されている。この例では、光源50Hの側面20sは、光反射部材24Fの側面24sと、光調整部材27の側面27sと、透光性部材25Hの側面、すなわち、第1透光性部材251の側面251sおよび第2透光性部材252の側面252sとを含む。
図5Iに示すように、発光素子21の出射面21bと、光調整部材27との間に透光性部材(例えば透光性部材25D)の一部が介在していることは、必須ではない。図5Gに示す光源20Gと比較して、図5Iに示す光源20Iは、透光性部材25Dに代えて透光性部材25Iを有する。図5Iに示すように、透光性部材25Iは、発光素子21の側面21sを覆う一方で、出射面21b上には位置していない。図5Iに示す例では、透光性部材25Iの上面25bは、発光素子21の出射面21bと整合しており、光調整部材27は、これらの面を一括して覆うように形成されている。光調整部材27は、発光素子21の出射面21bに直接に接していてもよい。なお、透光性部材25Iは、例えば、母材とは異なる屈折率を有する材料を含有することにより、光拡散の機能が付与されていてもよい。透光性部材25Iは、蛍光体の粒子等の波長変換部材を含有していてもよい。
図5Jに示す光源20Jは、概略的には、図5Aを参照しながら説明した光源20の波長変換部材22を板状の透光性部材25Jに置き換えた構造を有している。この例では、光反射部材24の上面24bが、発光素子21の出射面21bおよび接合部材23の上面23bに整合しており、透光性部材25Jは、発光素子21、接合部材23および光反射部材24にわたってこれらの部材の上面の上方に配置されている。この例では、光反射部材24の下面および透光性部材25Jの上面が光源20Jの第1面20aおよび第2面20bにそれぞれ相当する。光源20Jの側面20sは、透光性部材25Jの側面25sと、光反射部材24の側面24sとを含む。
図5Jに例示する構成では、発光素子21の出射面21bおよび接合部材23の上面23bが、発光素子21を取り囲むように設けられた光反射部材24から露出されている。このような構成によれば、発光素子21からの光を上方に集中させることができ、透光性部材25Jによって光源20Jにおける配光等を制御しやすくなる。図5Aに例示する構成においても発光素子21を取り囲むように光反射部材24を設けているので、同様の効果が期待できる。
図5Kに示す光源20Kは、図5Jに示す光源20Jの透光性部材25Jの上面25b上にさらに光調整部材27を配置した構成を有する。したがって、この例では、光源20Kの側面20sは、透光性部材25Jの側面25sおよび光反射部材24の側面24sに加えて、光調整部材27の側面27sをも含んでいる。
図5Lに示す光源20Lは、図5Kに示す光源20Kの透光性部材25Jを透光性部材25Lに置き換えた構成を有する。図5Hを参照しながら説明した例と同様に、透光性部材25Lは、第1透光性部材251および第2透光性部材252の二層構造を有している。ただし、ここでは、第1透光性部材251の形状は、板状である。側面20sが、光反射部材24の側面24sと、光調整部材27の側面27sと、第1透光性部材251の側面251sと、第2透光性部材252の側面252sとを含む点は、図5Hに示す光源20Hとほぼ同様である。
図5Mに示す光源20Mは、図5Lに示す光源20Lと比較して、透光性部材25Lに代えて透光性部材25Mを有している。透光性部材25Mは、透光性部材25Lの第1透光性部材251および第2透光性部材252の配置を互いに入れ替えた部材である。すなわち、この例では第2透光性部材252の上面252b上に第1透光性部材251が位置している。
このように、光源中の第1透光性部材251および第2透光性部材252の配置は、第2透光性部材252よりも第1透光性部材251の方が発光素子21の近くに位置するような配置に限定されない。なお、第1透光性部材251および第2透光性部材252のいずれか一方に選択的に蛍光体等の波長変換物質を分散させてもよい。例えば、第1透光性部材241が波長変換物質を含有し、第2透光性部材242が実質的に波長変換物質を含有しない層であってもよい。
あるいは、第1透光性部材251および第2透光性部材252のそれぞれに波長変換物質を含有させてもよい。ただし、この場合、第1透光性部材251と第2透光性部材252との間で波長変換物質を互いに異ならせたり、波長変換物質を共通としながらこれらの部材間で波長変換物質の濃度を互いに異ならせたりしてもよい。光源中の透光性部材は、3層以上の積層構造を有していてもよい。図5Hに示す例のように、発光素子21の出射面21bと側面21sとを被覆するような形状を有する場合には、透光性部材は、例えば、発光素子21の出射面21bを覆う部分(例えば板状の部分)、および、発光素子21の側面21sを覆う部分(例えば環状の部分)の2つの部分を含んでいてもよい。透光性部材が、発光素子21の出射面21bを覆う部分と、発光素子21の側面21sを覆う部分とを有する場合、同一の材料からこれらの部分を形成してもよい。あるいは、これら2つの部分の間で、例えば、分散させる波長変換物質の種類および/または濃度を異ならせてもよい。
図5Nに示す光源20Nは、光反射部材24Nを有する。光反射部材24Nは、図5Jに示す光源20Jの光反射部材24と同様に、発光素子21の側面21sを直接的または間接的に覆う。ただし、この例では、光反射部材24Nは、透光性部材25Jの側面25sをも覆っている。ここで、「発光素子21の側面21sを間接的に覆う」とは、発光素子21の側面21s上に位置する接合部材23等の他の部材を介して発光素子21の側面21sを覆うことを指す。図5Nに示す例では、光反射部材24Nは、発光素子21の側面21sの一部だけでなく、接合部材23の外面23cも覆っている。
図5Nに例示する構成において、透光性部材25Jの上面25bは、光反射部材24Nから露出され、かつ、光反射部材24Nの上面24bに整合している。ここでは、透光性部材25Jの上面25bおよび光反射部材24の上面24bの集合が光源20Nの第2面20bを構成している。透光性部材25Jの側面25sを光反射部材24Nで覆うこのような構成によれば、光源20Nから出射される光を発光素子21の上方に集中させることができる。そのため、導光板10の第2主面10b側の第2凹部12の内部に位置する光反射性部材40による例えば配光の制御を容易とし得る。
図5Oに示す光源20Oは、図5Nに示す構造に加えて、透光性部材25Jの上面25bの上方に位置する光調整部材27を有する。さらにここでは、透光性部材25Jと光調整部材27との間に、第2透光性部材252が配置されている。第2透光性部材252は、透光性部材25Jの上面25bおよび光反射部材24Nの上面24bを一括して覆っており、光調整部材27は、第2透光性部材252の上面252b上に位置する。この例では、透光性部材25Jおよび第2透光性部材252により、これらの2層構造を有する透光性部材25Oが実現されている。
光源20Oでは、光反射部材24Nは、2層構造の透光性部材25Oのうち、下層側の透光性部材25Jの側面25sを被覆する一方で、上層側の第2透光性部材252の側面252sは被覆していない。透光性部材25Jの側面25sを光反射部材24Nで被覆することにより、発光素子21から出射される光を透光性部材25Jの上方に集中させることができる。そのため、第2透光性部材252の上面252b上の光調整部材27をより効果的に機能させて、光調整部材27による例えば配光の制御を容易とし得る。
図5J~図5Oを参照しながら説明した例では、接合部材23により、透光性部材(透光性部材25J、25Lまたは25M)と発光素子21とが接合されている。接合部材23の一部が、発光素子21と透光性部材との間に位置していてもよい。なお、接合部材23が省略されることもあり得る。
発光ユニット101に適用される光源は、2以上の発光素子を含んでいてもよい。図5Pは、単一の発光ユニット101に適用される光源が複数の発光素子を含む例を示す。図5Pに示す光源20Pは、合計で4つの発光素子を有する。なお、図5Pでは、光源20Pを第2面20bの法線方向に見たときの例示的な外観と、光源20Pを第2面20bに垂直に切断したときの模式的な断面とをあわせて1つの図に示している。
図5Pに例示する構成において、光源20Pは、1つの発光素子21Gと、1つの発光素子21Bと、2つの発光素子21Rとを有している。図5Pの上段に示すように、これら4つの発光素子は、ここでは、平面視において2列2行の配列を有する。この例では、第1行第1列および第2行第2列の位置に発光素子21Rが配置され、第1行第2列の位置に発光素子21Gが配置されている。また、第2行第1列の位置に発光素子21Bが配置されている。この例では、これら4つの発光素子を一括して覆うように4つの出射面21bの上方に透光性部材25Jが配置されており、透光性部材25Jの上面25b上にさらに光調整部材27が配置されている。また、光源20Pは、各発光素子の側面21sを覆う光反射部材24Pをさらに有している。
発光素子21Gは、例えば緑色光を出射するLEDであり、発光素子21Bは、例えば青色光を出射するLEDである。発光素子21Rは、例えば赤色光を出射するLEDである。この例のように単一の光源中に発光ピーク波長の異なる複数の発光素子を配置して光の三原色を得られる場合には、透光性部材25J中に波長変換物質を分散させることなく、例えば白色光を得ることが可能である。もちろん、単一の光源中の発光素子21の数は、4つに限らない。光源が複数の発光素子を含む場合、これらの発光素子の間で発光波長が異なっていてもよいし、これらの発光素子の間で発光波長が共通であってもよい。
図5A、図5F~図5I、図5J~図5Pを参照しながら説明した例のように、発光素子21の本体部21mの下面21maおよび電極21tの側面を覆う光反射部材(光反射部材24、24Fまたは24P)を有する構成においては、発光素子21の電極21tに接続された配線層を光源の第1面20a上に形成してもよい。第1面20a上の配線層は、例えば上述の配線層60の一部であり、めっき、スパッタ等により形成した金属膜のパターニングにより得ることができる。金属膜は、Ag、Ni、Au、Ru、Ti、Pt等の材料の単層膜であってもよいし、積層膜であってもよい。第1面20a上の配線層は、例えば、AgおよびCuを順に堆積した積層膜、NiおよびAuを順に堆積した積層膜、Ni、RuおよびAuを順に堆積した積層膜、Ti、PtおよびAuを順に堆積した積層膜、または、Cu、NiおよびAuを順に堆積した積層膜の形で形成されてもよい。
上述した光源20C~20Pのいずれも、発光素子21に、光調整部材、透光性部材、光反射部材等の他の部材を一体化することにより準備することができる。あるいは、発光モジュール201に適用される光源、あるいは光源を構成する部材の全部または一部は、購入によって準備されてもよい。
[透光性部材50A、50B]
図6Aおよび図6Bは、第1発光ユニット101Aの第1凹部11近傍を拡大して示す断面図である。図6Aは、第1発光ユニット101AのYZ断面を模式的に示し、図6Bは、第1発光ユニット101AのZX断面を模式的に示す。図6Cは、第2発光ユニット101Bの第1凹部11近傍を拡大して示す断面図である。図6A~図6Cでは、分かりやすさのため、第1凹部11の底が下側に位置するように、上下を図3Aおよび図4Aとは逆にして第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bを図示している。
図6A~図6Cに示すように、光源20は、ここでは、発光ユニット101の第1凹部11内に配置され、光源20の側面20sの少なくとも一部を覆うように透光性部材50が第1凹部11内に配置されている。第1発光ユニット101Aの第1凹部11内には、透光性部材50Aが形成され、第2発光ユニット101Bの第1凹部11内には、透光性部材50Bが形成される。以下では、発光ユニット101に適用される光源として、図5Aに示す光源20を例示するが、光源20に代えて、図5B~図5Pを参照しながら説明した他の例も適用可能であることは、いうまでもない。
より具体的には、光源20の第2面20b(ここでは、光取り出し面である波長変換部材22の、発光素子21と接合されていない主面22a)が第1凹部11の底面11bと対向するように、光源20が第1凹部11内に配置される。透光性部材50A、50Bは、光源20の少なくとも一部を覆い、第1凹部11内の光源20が占めていない空間に配置されている。換言すれば、各発光ユニット101において、光源20は、透光性部材50Aまたは50Bによって第1凹部11の内側に固定されている。
図6Aに示すように、第1ユニット領域211Aのそれぞれにおけるレンズ構造の光軸、換言すれば、第2凹部12の中心は、光源20の光軸と一致させられていない。この例では、第1発光ユニット101Aのレンズ構造の光軸は、光源20の光軸に対して図の+Y方向にずれている。なお、この例では、第1発光ユニット101AのZX断面において、レンズ構造の光軸は、光源20の光軸と一致している(図6B参照)。導光板10の第1主面10aに垂直な相異なる2つの断面の間で、例えば光源20の光軸の位置から、レンズ構造の光軸の位置をシフトさせることにより、換言すれば、光源20の光軸に対してレンズ構造の中心の位置をシフトさせることにより、導光板10の、第2主面10b側における反射特性に面内異方性が生じる。すなわち、その光軸が光源20の光軸からずれるようにレンズ構造を導光板10に形成することにより、例えばXY面内の相異なる2方向(例えばX方向およびY方向)の間で、異なる配光特性を得ることが可能になる。
これに対し、図6Cに示すように、第2発光ユニット101Bでは、レンズ構造としての第2凹部12は、その光軸が光源20の光軸と概ね一致するようにして導光板10の第2主面10bに形成される。したがって、第1発光ユニット101Aとは異なり、第2発光ユニット101Bでは、X方向およびY方向の間で、配光特性に大きな違いは生じない。このように、第1発光ユニット101Aと第2発光ユニット101Bとの間で、例えば光源20の光軸からレンズ構造の光軸までの距離を異ならせることにより、第1ユニット領域211Aから出射される光の配光と、第2ユニット領域211Bから出射される光の配光とを互いに異ならせることができる。
このように、本実施形態では、複数の発光ユニット101のうち、第1発光ユニット101Aについては、レンズ構造の光軸が光源20の光軸からずれるようにして、第2凹部12を導光板10の第2主面10bに形成している。第1発光ユニット101Aのそれぞれにおいて、XY面内のある方向にその光軸が「シフト」するように、ある方向の正側または負側に偏らせてレンズ構造を配置することにより、単一の第1発光ユニット101Aの中でその方向に沿って光源20の光軸に関して非対称の配光を実現可能である。本開示の実施形態によれば、単一の第1発光ユニット101Aについて見たとき、例えばY方向の正側と比較して、導光板10と光反射性部材40との界面で反射された光のうち導光板10の面内方向に拡散される光の割合をY方向の負側において増大させることが可能になる。換言すれば、例えばレンズ構造の光軸の位置を光源20の光軸の位置からY方向の正側に偏らせることにより、Y方向の正側に関しては、導光板10と光反射性部材40との界面で反射された後に横方向(面内方向)に進行する光の割合を低減することが可能になる。
図6Dは、透光性部材50Aの形状の他の例を示す。図6Dに例示する構成において、透光性部材50Aの上面50Aaは、第1凹部11の底面11b側に窪む第1窪部51Aを有している。ここで、上面50Aaが第1窪部51Aを有しているか否かは、例えば、断面において、上面50Aaの、第1凹部11の内側面と接する点51A1と、光源20の側面20sと接する点51A2とを繋ぐ直線(図6D中に破線で示す)を基準として上面50Aaが底面11b側に窪んでいるか否かによって決定できる。第1窪部51Aは、平面視において、光源20を囲むように光源20の矩形形状の4辺に沿って配置され得る。
透光性部材50Aの上面50Aaは、図6Eに示すように、断面視において光源20の両側で互いに異なる形状を有し得る。例えば、第1凹部11の中心に対する、光源20の光軸の位置が意図的、あるいは、偶発的にずれることにより、断面視において透光性部材50Aの上面50Aaが光源20の左右で互いに異なる形状を有することもあり得る。図6Eに示す例では、上面50Aaは、光源20よりもY方向の正側で第1窪部51Aを有している。他方、光源20よりもY方向の負側における上面50Aaの形状は、断面視において直線状である。なお、この例では、光源20よりもY方向の負側において、透光性部材50Aの一部は、導光板10の第1主面10a上に位置している。透光性部材50は、第1凹部11の内側に選択的に形成されていてもよいし、この例のように、その一部が導光板10の第1主面10a上に位置していてもよい。
図6Eに例示するような、上面50Aaの断面形状は、例えば、第1凹部11の中心に対して光源20の光軸をずらして第1凹部11内に光源20を配置することによって得ることが可能である。光源20の光軸が第1凹部11の中心に対して例えばY方向の負側にずれるようにして第1凹部11内に光源20を配置し、第1凹部11の内部を透光性部材50Aの材料で充填した後、透光性部材50Aの材料を硬化させることにより、光源20に関して左右非対称な幾何学的形状を有する透光性部材50Aを形成することができる。
この例において、透光性部材50Aは、第1凹部11の内側面の全体、および、光源20の側面20sの全体と接している。このため、点51A1および点51A2は、それぞれ、第1凹部11の内側面の最も高い位置および光源20の側面20sの最も高い位置にある。しかしながら、図6Fに示すように、点51A1および点51A2は、それぞれ、内側面および側面20sの高さ方向の途中に位置していてもよい。透光性部材50Aは、第1凹部11の内側面の一部、および、光源20の側面20sの一部と接していてもよい。なお、このことは、第2発光ユニット101Bについても同様であり、透光性部材50Bは、第1凹部11の内側面の一部、および、光源20の側面20sの一部と接していてもよい。
第2発光ユニット101Bに関する図6Cを再び参照すると、この例では、断面視おいて光源20の左右に現れている上面50Baの形状は、概ね直線状である。また、第2発光ユニット101Bに着目したとき、典型的な実施形態では、平面視における第1凹部11の中心と第2凹部12の中心とが一致させられ、その光軸が第1凹部11の中心を通るようにして光源20が導光板10に固定される。したがって、ここでは、第2発光ユニット101Bの光源20の光軸は、レンズ構造である第2凹部12の中心とも概ね一致している。このような構成において、透光性部材50Bの上面50Baの形状は、基本的に、YZ断面およびZX断面のいずれにおいても光源20に関して概ね左右対称である。なお、透光性部材50Bの上面50Baが光反射層30で覆われる点は、第1発光ユニット101Aと同様である。
図6Cに例示する構成において、透光性部材50Bの上面50Baは、窪部を有しておらず、断面視において直線状である。第2発光ユニット101Bの透光性部材50Bの上面50Baおよび第1発光ユニット101Aの透光性部材50Aの上面50Aaのうちの一方に選択的に窪部を形成することにより、第1ユニット領域211Aと、第2ユニット領域211Bとの間の配光の違いを拡大し得る。
透光性部材50A、50Bは、接合部材23と同様に、透明な樹脂材料を母材として含む樹脂組成物から形成される。透光性部材50の材料は、接合部材23の材料と異なっていてもよいし、共通であってもよい。透光性部材50は、典型的には、導光板10の屈折率よりも低い屈折率を有する。
第1発光ユニット101Aの透光性部材50A、および、第2発光ユニット101Bの透光性部材50Bの形状は、以下において説明するように、例えば、硬化による体積の減少を考慮した上で、第1凹部11に配置する光源20の位置、および、第1凹部11に配置する透光性部材50A、50Bの未硬化の材料の量を調節することによって制御することができる。
[中間貫通孔15A、15B]
図6A~図6Fに例示する構成において、各発光ユニット101の導光板10に設けられた第1凹部11と第2凹部12とは、導光板10の材料が介在することにより互いに空間的に隔てられている。換言すれば、これらの例では、各発光ユニット101の導光板10は、導光板210の第1主面210aから第2主面210bまでを貫通するような構造を有しない。しかしながら、複数の発光ユニット101は、導光板210の第1主面210aから第2主面210bまでを貫通するような構造をその一部に有する発光ユニットを含んでいてもよい。
図6Gは、第1発光ユニット101Aの導光板10の構造の他の例を示し、図6Hは、第2発光ユニット101Bの構造の他の例を示す。ここでは、第1発光ユニット101Aの断面および第2発光ユニット101Bの断面のいずれについても、YZ断面を代表して示している。
図6Gに例示する構成において、第1発光ユニット101Aの導光板10は、第1凹部11と第2凹部12とを結ぶ中間貫通孔15Aを有している。図6Gに模式的に示すように、中間貫通孔15Aは、ここでは、第1凹部11の底面11bから、第2凹部12の第1部分12cの円錐形状を規定する側面まで延びており、第1凹部11の内部の空間は、第2凹部12の内部の空間に中間貫通孔15Aによって連通している。同様に、図6Hに例示する構成において、第2発光ユニット101Bの導光板10は、第1凹部11から第2凹部12まで延びる中間貫通孔15Bを有している。
図6Gおよび図6Hに示す例では、中間貫通孔15A、15Bは、導光板10の中央付近に位置している。中間貫通孔15A、15Bを設ける位置は、平面視において第1凹部11と第2凹部12とが重なる位置であればよい。平面視における中間貫通孔15Aの大きさおよび中間貫通孔15Bの大きさは、対応する第1凹部11の、第1主面10aに位置する開口11a、および、対応する第2凹部12の、第2主面10bに位置する開口よりも小さい。中間貫通孔15Aおよび/または15Bの中心は、第1凹部11の最も深い部分または第2凹部12の最も深い部分に概ね一致させられてもよい。中間貫通孔15A、15Bは、例えば、第1凹部11内に光源(ここでは光源20)を配置する際のアライメントマークとして利用できる。
中間貫通孔15A、15Bは、例えば円柱形状を有する。中間貫通孔15A、15Bの形状は、もちろんこの例に限定されない。例えば、中間貫通孔15A、15Bの形状を規定する内側面は、断面視において第1主面10aの法線方向から傾斜していてもよい。中間貫通孔15A、15Bの形状を規定する内側面は、断面視において直線状に限定されず、曲線部分、屈曲または段差等を含む形状であってもよい。
中間貫通孔15Aの内部は、中空であってもよいし、その内部の一部または全部が例えば透光性材料で充填されていてもよい。中間貫通孔15Bの内部も同様に、中空であることは、必須ではない。例えば、中間貫通孔15Aおよび
/または中間貫通孔15Bの内部の一部に、透光性部材50の材料または光反射性部材40の材料が位置することもあり得る。
中間貫通孔15Aは、発光モジュール201に含まれる、少なくとも1つの第1発光ユニット101Aのすべての導光板10に形成されてもよいし、少なくとも1つの第1発光ユニット101Aのうちの一部の導光板10に形成されてもよい。同様に、発光モジュール201に含まれる、複数の第2発光ユニット101Bのすべての導光板10に中間貫通孔15Bが形成されることは、必須ではない。複数の第2発光ユニット101Bのうち一部の導光板10に選択的に中間貫通孔15Bが設けられてもよい。
(発光モジュール201の製造方法)
発光モジュール201は、例えば、以下の方法によって製造することができる。まず、第1凹部11および第2凹部12が各ユニット領域211に形成された導光板210を用意する(図2A~図2C参照)。このとき、例えば、第1ユニット領域211Aについては第1凹部11の中心とレンズ構造の設けられる第2凹部12の中心とが一致せず、かつ、第2ユニット領域211Bについては第1凹部11の中心と第2凹部12の中心とが一致するようなキャビティが形成される金型を用いる。第1発光ユニット101Aまたは第2発光ユニット101Bの位置および数は、金型のキャビティの形状によって任意に決定することが可能である。なお、キャビティの内側において、第1凹部11の形状に対応する凸部および第2凹部12の形状に対応する凸部の一方に、他方に接触するような部分を設けておいたり、第1凹部11と第2凹部12とを有する導光板の形状を得た後に第1凹部11および第2凹部12の一方から他方へ貫通するような孔を形成したりすることにより、中間貫通孔15A、15Bを有する導光板10の形状を得ることができる。
次に、透光性部材50A、50Bの未硬化の材料を、ディスペンサ等を用いて導光板10の第1凹部11に配置する。この時、第1発光ユニット101Aとなる第1ユニット領域211Aの第1凹部11に配置する透光性部材の未硬化の材料の量と、第2発光ユニット101Bとなる第2ユニット領域211Bの第1凹部11に配置する透光性部材の未硬化の材料の量とを異ならせ得る。例えば、第1ユニット領域211Aの第1凹部11には、光源20を配置し硬化させた場合に透光性部材50Aの上面50Aaに第1窪部51Aが形成されるように、第2ユニット領域211Bの第1凹部11と比較して少ない量の未硬化の材料を配置してもよい。
その後、光源20を第1凹部11内に配置し、透光性部材の未硬化の材料を硬化させる。ここでは、平面視において光源20の光軸の位置が第1凹部11の中心に概ね一致するように、光源20を第1凹部11内に配置する。後述するように、光源20の光軸の位置を第1凹部11の中心からずらして光源20を第1凹部11内に配置してもよい。このとき、第1ユニット領域211Aと第2ユニット領域211Bとの間で、第1凹部11内における光源20の配置を異ならせ得る。
次に、導光板10の第1主面10a側に、光反射性のフィラーが分散された樹脂材料等を付与し、樹脂材料を硬化させる。さらに、樹脂材料の硬化によって得られた光反射性の樹脂層を、光源20の電極21tが露出するまで研磨する。これにより、導光板10の第1主面10aを覆う光反射層30を形成できる。
その後、光反射層30上に配線層60を形成する。また、導光板210の第2主面210bの第2凹部12内に、例えば、インクジェット法等によって光反射性部材40を形成する。これにより、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bを含む発光モジュール201が完成する。
(第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bの配光特性)
ここで、図7Aおよび図7Bを参照しながら、第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bの配光特性およびその差異を説明する。第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bのいずれにおいても、光源20から出射した光は導光板の第2主面10bに向かう。第2主面10bには第2凹部12が形成されており、第2主面10bに向かう光のうち一部は、第2凹部12内に形成された光反射性部材40によって、第1主面10a側に反射される。第1主面10aに向かう光は、光反射層30によって反射され、再度第2主面10b側に向かう。
上述したように、ここでは、第1発光ユニット101Aのレンズ構造の光軸は、光源20の光軸に対して図のY方向の正側に偏っている。そのため、第1ユニット領域211Aから出射する光が、第1ユニット領域211Aの中心に対して偏ることとなる結果、図7Aにおいて光源20の左側に位置する部分と右側に位置する部分との間で異なった配光が得られる。具体的には、図7A中に模式的に示すように、Y方向の負側に出射された光が導光板10の外縁に向けて反射されやすいことに対して、Y方向の正側では、導光板10の第2主面10bに対して垂直に近い角度で第2主面10bから出射する光の成分が増大する。すなわち、第1発光ユニット101Aの特にY方向の正側の領域では、レンズ構造の光軸の位置が光源20の光軸からずれていることにより、光源20から出射された光が広がらずに上方へ出射しやすくなる。
他方、第2発光ユニット101Bでは、レンズ構造の光軸の位置は、光源20の光軸の位置に概ね一致している。そのため、各第2ユニット領域211Bの中央付近では、第2ユニット領域211Bの中心に関して対称的な配光が得られる。結果として、本実施形態によれば、第1発光ユニット101Aと第2発光ユニット101Bとの間で異なる配光特性を得ることができ、さらに、単一の第1発光ユニット101Aの中でも配光に異方性を生じさせることができる。このように、本開示の実施形態によれば、複数の発光ユニット101の2次元配列の全体として見たときに発光面の配光特性を部分的に調整することが可能な発光モジュールを提供することが可能である。
(発光モジュール201の利用形態)
上述の各例において、第1発光ユニット101Aと第2発光ユニット101Bとでは、互いに異なる配光特性を有する。より具体的には、第2発光ユニット101Bでは、光源20の光軸上と比較して光度が半分になる角度範囲が、YZ面内においても、ZX面内においても、光軸に関して概ね対称であることに対し、第1発光ユニット101Aでは、Y方向に関して、光源20の光軸上と比較して光度が半分になる角度範囲が、光軸に関して非対称である。特に、第1発光ユニット101Aと第2発光ユニット101Bとの間でY方向に関する配光特性を比較すると、光源20の光軸上と比較して光度が半分になる角度範囲は、Y方向の正側では、第1発光ユニット101Aの方が小さい。
ここで、本開示の実施形態では、発光モジュール201において、第1発光ユニット101Aの位置および数を任意に選択し得る。1つの発光モジュール201の導光板210に含まれる第1ユニット領域211Aの数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。複数のユニット領域211は、第1ユニット領域211Aを少なくとも1つ有していればよい。なお、複数のユニット領域211が複数の第1ユニット領域211Aを含む場合、全ての第1ユニット領域211Aが1つの導光板210の中で連続して配置されていることは、必須ではない。
このような特徴を有することによって、発光モジュール201は、汎用性と、用途に応じた配光特性という相反する特性を備えることが可能である。例えば、発光モジュール201は、液晶表示装置のバックライトとして好適に用いることができる。
図8A~図8Cは、発光モジュール中の第1発光ユニット101Aおよび第2発光ユニット101Bの例示的な配列を示す。図8Aに示す発光モジュール201Aは、図1Bを参照しながら説明した例と同様に、4行4列に配列された合計16個のユニット領域211を含む。この例では、第1行に4つの第1発光ユニット101Aが位置することにより、導光板210の第2主面210bの矩形状の一辺に沿って4つの第1ユニット領域211Aが並んでいる。各第1ユニット領域211Aの第1発光ユニット101Aに注目したとき、ここでは、レンズ構造は、その光軸が光源20の光軸と一致しないように、光源20の光軸に対して図の+Y方向に例えば25μm以上250μm以下程度の範囲で「シフト」されて第2主面210bに形成されている。他方、16個のユニット領域211の残余の領域は、第2発光ユニット101Bが位置することにより、第2ユニット領域211Bとされている。わかり易さのために、図8Aでは、複数のユニット領域211のうち第1ユニット領域211Aの位置に網掛けを付している。この点は、以下に説明する図8Bおよび図8Cでも同様である。
図8Bに示す発光モジュール201Bでは、4行4列の1行目および1列目の位置に、合計7個の第1発光ユニット101Aが配置されており、残りの位置に、合計9個の第2発光ユニット101Bが配置されている。ここでは、導光板210の上端、すなわち、4行4列の1行目に位置する4個の第1発光ユニット101Aのうち、2列目から4列目に位置する3個の第1発光ユニット101Aのそれぞれでは、図8Aに示す例と同様に、レンズ構造の配置が、光源20の光軸に対して図の+Y方向に「シフト」されている。また、導光板210の左端、すなわち、4行4列の1列目に位置する4個の第1発光ユニット101Aのうち、2行目から4行目に位置する3個の第1発光ユニット101Aのそれぞれでは、レンズ構造の配置が、光源20の光軸に対して図の-X方向に「シフト」されている。
図8Bに示す例では、さらに、7個の第1発光ユニット101Aのうち導光板210の矩形状の角部に位置する第1発光ユニット101Aでは、光源20の光軸に対して、レンズ構造の配置が、X方向に対して135°の角度をなすW方向の正側に「シフト」されている。換言すれば、図8Bにおいて導光板210の左上の角部に位置する第1発光ユニット101Aでは、レンズ構造の光軸が導光板210の角部に近づけられるように、第2凹部12の配置が調整されている。このように、光源20の光軸に対するレンズ構造の光軸の「シフト」の方向は、導光板210の第2主面210bの矩形状の一辺に平行な方向に限定されない。
図8Cに示す発光モジュール201Cでは、4行4列の1列目の位置に、合計4個の第1発光ユニット101Aが配置されており、2~4列目の位置に、合計12個の第2発光ユニット101Bが配置されている。図8Cに示す各第1ユニット領域211Aの第1発光ユニット101Aに注目したとき、ここでは、レンズ構造は、その光軸が光源20の光軸に対して図の-X方向に「シフト」されている。
このように、発光モジュール201A~201Cのそれぞれは、行および列方向の2次元に配置された複数の発光ユニット101を含み、第1発光ユニット101Aは、複数の発光ユニット101のうち、最も外側の行または列において、複数配置されている。この場合、導光板210の複数のユニット領域211は、行および列方向に2次元に配置されており、第1ユニット領域211Aは、複数のユニット領域211のうち、最も外側の行または列において複数配置される。
一方、図8Dに示す発光モジュール201Dは、第2発光ユニット101Bのみを含んでいる。以下に説明するように、これら本実施形態の発光モジュール201A~201Cおよび発光モジュール201Dを複数用意し、これらを組み合わせて2次元的に配置することによって、より大きな発光面をもつ面発光光源を構築することが可能である。
図9は、発光モジュール201A~201Dを用いて構成し得るバックライトの一例を示している。図9に示すバックライト301は、それぞれが4行4列に配列されたユニット領域211を含む複数の発光モジュールを8行16列に配置することによって構成されている。バックライト301の発光面は、全体として長方形状を有している。各発光モジュールの縦方向の長さLおよび横方向の長さWが、それぞれ、例えばおよそ24.3mmおよび21.5mmである場合、バックライト301は、アスペクト比が16:9の、15.6インチのスクリーンサイズの液晶パネルに適合している。
図9に示すように、バックライト301は、上述の発光モジュール201A~201Dを含む。バックライト301では、発光面の長方形状を規定する4辺SU、SD、SR、SLに第1発光ユニット101Aが近接するように、発光モジュール201A~201Dが配置されている。具体的には、発光モジュールの8行16列の配列の最外周には、発光モジュール201A~201Cのいずれかが位置し、残りの位置には、発光モジュール201Dが配置されている。
例えば、バックライト301の左上の角(辺SUと辺SLとの角)の位置には、図8Bに示す発光モジュール201Bが位置する。同様に、バックライト301の左下の角(辺SLと辺SDとの角)、右下の角(辺SDと辺SRとの角)および右上の角(辺SRと辺SUとの角)にも発光モジュール201Bが位置する。ただし、これらの角部に位置する発光モジュール201Bは、図8Bに示す状態からZ軸周りにそれぞれ90°、180°および270°回転させられている。換言すれば、バックライト301中の発光モジュール201Bは、それぞれの位置において、第1発光ユニット101Aが最も外側に位置する向きで配置されている。すなわち、これらの発光モジュール201Bの第1ユニット領域211Aは、第2ユニット領域211Bと比較して発光面の長方形状の外縁のより近くに位置する。
辺SLに接する位置には、前述の角を除いて、6個の発光モジュール201Cが配置される。辺SLに対向する辺SRに接する位置にも、前述の角を除き、6個の発光モジュール201Cが配置される。ただし、辺SRに接する位置では、発光モジュール201Cは、辺SLに接する発光モジュール201Cを左右反転させた形でバックライト301中に配置されている。すなわち、第2主面210bの矩形状の一辺に沿って4個の第1ユニット領域211Aが並ぶ発光モジュール201Cも、バックライト301中のそれぞれの位置において、第1発光ユニット101Aが最も外側に位置する向きとされている。
辺SUに接する位置および辺SDに接する位置にも、発光モジュール201Aが、それぞれ14個ずつ配置される。それぞれの位置において、発光モジュール201Aは、第1発光ユニット101Aが最も外側に位置する向きで配置されている。最外周の発光モジュール以外の位置には、発光モジュール201Dが、6行14列に配置される。
バックライト301において、2次元に配列された複数の発光ユニットのうち、最も外周側の発光ユニットに注目すると、バックライト301の外縁側では、光源20の光軸上と比較して光度が半分になる角度範囲が相対的に小さい。換言すれば、バックライト301中の他の発光ユニットと比較して、バックライト301の外側への光の拡がりが低減されている。このため、バックライト301の周囲に光が漏れることが抑制される。特にバックライトが狭額縁の液晶表示装置等に用いられる場合、液晶表示パネルの周囲が狭いことによって、バックライトから外側に広がる光を遮蔽する構造を形成しにくいことが考えられる。このような場合でも、バックライト301を用いることによって、バックライト301の周囲への光漏れを抑制することができる。一方、最外周以外の位置に配置された発光ユニットは、比較的に広い配光角を有するので、発光面の大部分の領域において、輝度むらが抑制される。したがって、発光モジュール201A~201Dを用いることにより、このような優れた発光特性を備えたバックライト301を実現し得る。
上述したように、各発光モジュール201中の第1発光ユニット101Aの位置および数は、任意に設定することができる。また、第1発光ユニット101Aは、所望の配光特性に応じ、例えば金型のキャビティ内に位置する凸部の配置および形状を調整することによって形成できるので、発光モジュール中の一部の発光ユニットの配光特性を変更するために、発光ユニットの位置および数に応じた複数種類の導光板、あるいは、配光角の異なる複数種類の光源を用意する必要が無い。さらに、発光モジュールの組み合わせの数によって、面光源としてのサイズおよび画面のアスペクト比を任意に変更することが可能である。したがって、発光モジュール201は、汎用性に優れ、かつ、用途に応じた発光特性を提供することが可能である。
複数のユニット領域211が2以上の第1ユニット領域211Aを含む場合、光源20の光軸の位置に対するレンズ構造の光軸の位置のずれ量は、2以上の第1ユニット領域211Aの間で共通であってもよいし、異なっていてもよい。複数の第1ユニット領域211Aの間で、光源20の光軸の位置に対するレンズ構造の光軸の位置のずれ量が共通であることは、本開示の実施形態において必須の事項ではない。
なお、複数の発光モジュールを2次元に配列した構成において、行方向または列方向において隣接する2つの発光モジュールの間で、導光板210は、典型的には、互いに直接に接触する。しかしながら、互いに隣接する2つの導光板210間に、これらを互いに光学的に結合する導光構造が介在されてもよい。このような導光構造は、例えば、導光板210の側面に透光性の接着剤を付与した後、付与した接着剤を硬化させることによって形成できる。あるいは、互いに間隔をあけて複数の発光モジュール201A~201Dを2次元に配置し、互いに隣接する2つの導光板210の間の領域を透光性の樹脂材料で充填後、樹脂材料を硬化させることによって導光構造を形成してもよい。導光板210間に位置する導光構造の材料としては、上述の接合部材23と同様の材料を用いることができる。
バックライト301の発光モジュール201A~201Dは、同時に駆動されるように各発光モジュールの配線層60が電気的に接続されていてもよいし、1または複数の発光モジュールが個別に駆動されることによって、ローカルディミングを実現するように、各発光モジュールの配線層60が電気的に接続されていてもよい。
<第2の実施形態>
上述した実施形態では、複数のユニット領域211のうち、第1ユニット領域211Aにおいて、レンズ構造の光軸が光源20の光軸と一致していない。これにより、第1発光ユニット101Aから出射する光は、第1ユニット領域211Aの中心軸に対して偏る。このため、第1ユニット領域211Aを発光モジュールの最外周に配置し、出射光が内側に偏るように、レンズ構造の光軸の、光源20の光軸からのシフトの方向を調整することにより、例えば複数の発光モジュールの集合体を支持する筐体からの光漏れを抑制することが可能になる。
ここで、上述の各例では、1以上の第1ユニット領域211Aを含む複数のユニット領域211のそれぞれの平面視における形状は、矩形状である。また、各第1ユニット領域211Aにおいて、第1凹部11の中心は、第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に一致させられており、光源20は、その光軸の位置が第1凹部11の中心に概ね一致するようにして第1凹部11の内側に配置されている。すなわち、これまでに説明した例では、第2主面210bにおける、第1ユニット領域211Aの中心を基準として、レンズ構造の光軸の位置が、ある方向にシフトされている。しかしながら、第1発光ユニット101Aから出射する光を第1ユニット領域211Aの中心軸に対して偏らせることが可能な構造は、第1ユニット領域211Aの中心に対してレンズ構造の光軸の位置をシフトさせた構造に限定されない。
図10Aは、本開示の第2の実施形態による例示的な発光モジュールの上面図である。図8Aを参照しながら説明した発光モジュール201Aと比較して、図10Aに示す発光モジュール202は、第1発光ユニット101Aに代えて、第1発光ユニット101Cを含む。つまり、発光モジュール202は、少なくとも1つの第1発光ユニット101Cと、複数の第2発光ユニット101Bとを含む。
この例では、第1発光ユニット101Cのそれぞれにおいて、レンズ構造の配置される第2凹部12の中心は、対応する第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に概ね一致させられている。つまり、ここでは、第1発光ユニット101Cのそれぞれにおいて、レンズ構造の光軸の位置は、対応する第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に一致している。図10Bは、発光モジュール202の導光板を第2主面210b側から見た外観の一例を示す。図10Bに示すように、ここでは、各ユニット領域211における矩形状の中心と第2凹部12の中心との間の位置関係は、複数のユニット領域211の間で共通である。
他方、第1発光ユニット101Cのそれぞれにおいて、第1凹部11の中心の位置は、対応する第1ユニット領域211Aの矩形状の中心からシフトされている。この例では、第1凹部11の中心の位置は、第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に対して図の-Y方向にシフトさせられている。なお、ここでは、光源20は、その光軸が第1凹部11の中心に一致するように第1凹部11の内側に配置されているとする。
このような、レンズ構造の光軸と第1凹部11の中心との間の配置関係によっても、第1発光ユニット101Aと同様に、Y方向に関し、光源20の光軸上と比較して光度が半分になる角度範囲が負側と比較して正側で小さい配光特性を実現し得る。このように、光源20の光軸に対してレンズ構造の光軸の位置を相対的にシフトさせた構造であれば、第1の実施形態と同様の配光特性を実現可能である。
図10Cは、本開示の第2の実施形態による他の例示的な発光モジュールの上面図である。図10Aに示す発光モジュール202と比較して、図10Cに示す発光モジュール202は、第1発光ユニット101Cに代えて、第1発光ユニット101Dを含む。
第1発光ユニット101Dのそれぞれに注目すると、図10Aを参照しながら説明した例と同様に、この例でも、第1凹部11の中心の位置が、対応する第1ユニット領域211Aの導光板10の第1主面10aにおける、矩形状の中心から図の-Y方向にシフトされている。さらに、この例では、第1発光ユニット101Dのそれぞれにおいて、レンズ構造の光軸が、第2主面210bにおける矩形状の中心からシフトされている。
特にこの例では、第1凹部11の中心の位置が第1ユニット領域211Aの矩形状の中心から図の-Y方向にシフトされていることに対し、その第1ユニット領域211Aのレンズ構造の光軸は、第1ユニット領域211Aの矩形状の中心から図の+Y方向にシフトされている。同一の第1ユニット領域211Aにおいて、第1凹部11の中心とレンズ構造の光軸との両方をその第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に対してシフトさせることにより、第1凹部11の中心とレンズ構造の光軸との間の距離をより大きくし得る。このとき、第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に対する第1凹部11の中心のシフトの方向は、この例のように、レンズ構造の光軸のシフトの方向と反対(反平行)であってもよい。
第1ユニット領域211Aの矩形状の中心に対する第1凹部11の中心およびレンズ構造の光軸に関する「シフト」の方向は、Z方向に垂直な方向であればよい。この「シフト」の方向は、図8A、図8C、図10Aおよび図10C等の例のように、第1ユニット領域211Aの矩形形状の隣接する2辺のいずれかと平行な方向であり得る。
あるいは、「シフト」の方向は、図8Bを参照しながら説明した、導光板210の左上の角部に位置する第1発光ユニット101Aにおけるレンズ構造の光軸のシフトの例のように、第1ユニット領域211Aの矩形形状の対角方向と平行であってもよい。第1ユニット領域211Aの中心に対する、第1凹部11の中心および/またはレンズ構造の光軸のシフトの方向は、第1ユニット領域211Aの矩形状の隣接する2辺と非平行であってもよい。例えば第1ユニット領域211Aの中心を基準とする、第1凹部11の中心のシフト量およびシフトの方向と、レンズ構造の光軸のシフト量およびシフトの方向とを個別に制御してもよい。このような構成によれば、配光特性のより細かな調整が可能となる。
<第3の実施形態>
図10Dは、本開示の第3の実施形態による例示的な発光モジュールの上面図である。図8Aを参照しながら説明した発光モジュール201Aと比較して、図10Dに示す発光モジュール204は、第2発光ユニット101Bに代えて、第3発光ユニット101Eを含む点で、第1の実施形態の発光モジュール201と異なる。つまり、発光モジュール202は、少なくとも1つの第1発光ユニット101Aと、複数の第3発光ユニット101Eとを含む。ただし、ここでは、各第1発光ユニット101Aの透光性部材50Aの上面50Aaは、図6Dを参照しながら説明した例と同様に、第1窪部51Aを有しているとする。
なお、発光モジュール204の導光板210を取り出して第2主面210b側から見た外観は、図2Aに示す外観と基本的に同じであるので図示を省略する。導光板210において第3発光ユニット101Eの位置に第2ユニット領域211Cが形成される点は、図2Aに示す発光モジュール201の導光板210と同様である。
図10Eは、第3発光ユニット101Eの第1凹部11近傍を拡大して示す断面図である。本実施形態における第1発光ユニット101Aの構造は、第1の実施形態の第1発光ユニット101Aの構造と同じであるので、図示および説明を省略する。
図10Eに示すように、第3発光ユニット101Eにおいて、透光性部材50Cの上面50Caは、第1凹部11の底面11b側に窪む第2窪部51Cを有している。第2窪部51Cの深さdcは、第1発光ユニット101Aの第1窪部51Aの深さよりも小さい。ここで、深さdcは、断面において、上面50Caの、第1凹部11の内側面と接する点51C1と、光源20の側面20sと接する点51C2とを繋ぐ直線から垂直に測る距離である。第1発光ユニット101Aの第1窪部51Aに関する深さも同様に、断面において、上面50Aaの、第1凹部11の内側面と接する点51A1と、光源20の側面20sと接する点51A2とを繋ぐ直線から垂直に測る距離として定義される(図6Dを参照)。
第3発光ユニット101Eの第2窪部51Cの深さdcは、第1発光ユニット101Aの第1窪部51Aの深さよりも小さいため、第3発光ユニット101Eの配光角は、第1発光ユニット101Aの配光角よりも広い。したがって、発光モジュール204を用いて、例えば図8A~図8Cに示すような複数種類の発光モジュールを作製することによっても、第1の実施形態または第2の実施形態と同様の効果を奏するバックライトを実現することができる。
<第4の実施形態>
図11Aは、本開示の第4の実施形態による例示的な発光モジュールの上面図である。図1Bを参照しながら説明した例と比較して、図11Aに示す発光モジュール205は、4個の第1発光ユニット101Aおよび12個の第2発光ユニット101Bに代えて、4個の第1発光ユニット101Fおよび12個の第2発光ユニット101Gを有する。第1発光ユニット101Fおよび第2発光ユニット101Gを含むこれら複数の発光ユニット101のそれぞれには、これまでの例と同様に、第2主面210b側にレンズ構造が設けられている。
図11Bおよび図11Cは、それぞれ、図11Aに示す発光モジュール205から導光板を取り出して示す模式的な下面図および断面図である。これまでに説明した例と同様に、図11Bおよび図11Cに示す導光板210Aは、少なくとも1つの第1ユニット領域211Aと、複数の第2ユニット領域211Bとを含む。図11Aと図11Bとの比較から理解されるように、この例では、複数のユニット領域211のうち、第1ユニット領域211Aの位置に第1発光ユニット101Aが配置され、第2ユニット領域211Bの位置に第2発光ユニット101Bが配置されている。
図11Bおよび図11Cに模式的に示すように、本実施形態において、導光板210Aは、第1主面210a側に第1凹部を有しない。したがって、ここでは、導光板210Aの第1主面210aのうち曲面部分10c以外の部分、換言すれば、第2主面210bから最も離れた位置にある部分は、平坦面とされている。後述するように、本実施形態では、各発光ユニット101において、光源20は、第1主面210aの平坦な領域に接合されることにより、導光板210Aの第1主面210a側に配置される。第1ユニット領域211Aにおいてレンズ構造の光軸が光源20の光軸と一致させられていない点は、上述した実施形態と同様である。
図11Dおよび図11Eは、それぞれ、図11Aに示す第1発光ユニット101Fおよび第2発光ユニット101Gの断面図である。図11Dおよび図11Bに示す導光板10Aは、図11Bおよび図11Cに示す導光板210Aの各ユニット領域211に対応する部分である。第1ユニット領域211Aではレンズ構造の光軸が光源20の光軸と一致させられていないことに対し、第2ユニット領域211Bでは、レンズ構造の光軸は、光源20の光軸と概ね一致させられる。レンズ構造の光軸と光源20の光軸との間の位置関係以外の点においては、第1発光ユニット101Fおよび第2発光ユニット101Gは、共通の構成を有している。
図11Bおよび図11Cを参照しながら説明したように、ここでは、導光板210Aの第1主面210aは、実質的に平坦である。図11Dおよび図11Eに示すように、各発光ユニット101において、光源20は、導光板210Aの第1主面210aの平坦な領域に接合される。導光板210Aへの光源20の接合には、透光性部材50A、50Bの材料と同様の樹脂組成物が用いられ得る。
図11Bおよび図11Cに例示する構成において、第1発光ユニット101Fおよび第2発光ユニット101Gは、光源20の側面を覆う光反射層30Aを導光板10Aの第1主面10a側に有している。配線層60は、光反射層30Aの第1主面30a上に位置する。
ここでは、各発光ユニット101において、光源20の光軸が、第1主面210aにおけるユニット領域211の中心と一致するようにして、光源20が導光板10Aの第1主面10a側に配置されている。そして、第1ユニット領域211Aおよび第2ユニット領域211Bのうち第1ユニット領域211Aでは、図11Aおよび図11Dに示すように、レンズ構造の光軸の位置が、第2主面210bにおける第1ユニット領域211Aの中心からある方向(ここでは図の+Y方向)に所定の距離シフトされている。ただし、第1ユニット領域211Aにおいて選択的にレンズ構造の光軸の位置と光源20の光軸の位置とをシフトさせることが可能な構成は、この例に限定されない。
例えば、第1ユニット領域211Aにおいて、レンズ構造の光軸の位置を第2主面210bにおける第1ユニット領域211Aの中心と一致させてもよい。このとき、XY面内で光源20の光軸の位置を第1主面210aにおける第1ユニット領域211Aの中心からシフトさせる。このような構成によっても、第1ユニット領域211Aにおいてレンズ構造の光軸の位置を第2主面210bにおける第1ユニット領域211Aの中心からシフトさせた構成と同様の効果が期待できる。
あるいは、第1ユニット領域211Aにおいて、レンズ構造の光軸の位置を第2主面210bにおける第1ユニット領域211Aの中心からXY面内でシフトさせ、かつ、光源20の光軸の位置も第1主面210aにおける第1ユニット領域211Aの中心からシフトさせてもよい。第1ユニット領域211Aの中心を基準とする、レンズ構造の光軸のシフト量およびシフトの方向と、光源20の光軸のシフト量およびシフトの方向とを個別に制御することにより、配光特性のより細かな調整が可能となる。このような構成において、レンズ構造の光軸のシフトの方向と、光源20の光軸のシフトの方向とは、互いに逆(反平行)であってもよい。このような構成によれば、レンズ構造の光軸から光源20の光軸までの距離を拡大しやすい。
(他の形態)
本開示の発光モジュールは上記実施形態に限られず、種々の改変が可能である。図12は、第2発光ユニット101Bの第1凹部11近傍の断面を拡大して示す模式的な断面図であり、透光性部材50Bの形状の他の例を示す。図6Cを参照しながら説明した例では、透光性部材50Bは、第1凹部11内にのみ配置されている。しかしながら、透光性部材50の形状は、この例に限定されない。図12に示すように、導光板10の、第1凹部11の周囲の第1主面10a上に透光性部材50の一部が位置することもあり得る。
図13および図14は、透光性部材50の形状の他の例を示す。図13および図14は、図12と同様に、第2発光ユニット101Bの第1凹部11近傍の断面を拡大して示している。図6Cおよび図12に示す例では、透光性部材50Bの上面50Baは、概ね平らである。しかしながら、透光性部材50Bの上面50Baは、図13および図14に示すように、上面50Baの、第1凹部11の内側面と接する点51B1と、光源20の側面20sと接する点51B2とを繋ぐ直線(図13、図14に破線で示している)から盛り上がっていてもよい。換言すれば、上面50Baは、凸形状を有していてもよい。この場合も、図14に示すように、透光性部材50の一部は、導光板10の、第1凹部11の周囲の第1主面10a上に位置していてもよい。
これ以外にも、本開示の発光モジュールは、種々の改変が可能である。例えば、第1発光ユニット101A、101Cまたは101Dを、発光モジュールの最も外側の行および列以外の位置に配置してもよい。発光モジュールは、少なくとも1つの第1発光ユニット101A、101Cまたは101Dを含んでいればよく、発光モジュールは、複数の第1発光ユニット101A、101Cまたは101Dのみを含んでいてもよい。また、発光モジュールが複数の第1発光ユニットを含む場合、複数の第1発光ユニットは、1つの発光モジュールの中で互いに隣接し、かつ連続的に配置されてもよいし、1つの発光モジュールの中で離散的に孤立して配置されていてもよい。
表示装置を有する機器では、機器の状態または機器を操作するための情報等が、画面上の特定の位置に表示され得る。本開示の発光モジュールは、このような、特定の情報が画面上の特定領域に表示される表示装置のバックライトとしても有用である。特定の情報が表示装置の画面上の特定領域に表示される場合、予めその特定領域におけるバックライトの特性が、他の領域と異なっていてもよい。例えば、特定領域に第1発光ユニット101A、101Cまたは101Dが配置されるように発光モジュールを構成した場合、特定領域では、正面から見た輝度が高められ得る。このため、特定領域に表示される情報の正面から見た視認性を高めることが可能である。