以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光モジュールおよび面状光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光モジュールまたは面状光源における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略することがある。
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
(発光モジュールの実施形態)
図1は、本開示のある実施形態による発光モジュールを示す。図1に示す発光モジュール200は、上面210aを有する導光板210と、導光板210の上面210aとは反対側に位置する複数の光源120Aとを含む。図1に例示する構成において、発光モジュール200は、導光板210の下方に位置する層状の光反射性部材240をさらに有しており、全体として概ね板状である。導光板210の上面210aの上面視における形状は、全体として長方形状であり得る。なお、図1には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。ここでは、X方向およびY方向は、上面210aの矩形状の互いに直交する辺の一方および他方にそれぞれ一致している。以下、本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。
導光板210の上面210aは、発光モジュール200の発光面を構成する。上面210aの矩形状の一辺の長さは、例えば1cm以上200cm以下の範囲である。本開示の典型的な実施形態では、導光板210の上面210aの矩形状の一辺は、20mm以上25mm以下の長さを有する。上面210aが長方形状を有する場合、その長方形状の縦方向および横方向の長さは、例えば、それぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmであり得る。
図1に点線で示すように、発光モジュール200は、複数の発光ユニット100の集合体である。複数の発光ユニット100のそれぞれは、光源120Aを含む。図1に例示する構成において、発光モジュール200は、二次元に配列された合計16個の発光ユニット100を含み、ここでは、これら16個の発光ユニット100が4行4列に配置されている。発光モジュール200に含まれる発光ユニット100の数およびそれら発光ユニット100の配置は、任意であり、図1に示す構成に限定されない。
図1に例示する構成において、各発光ユニット100は、穴部12を有する。ここでは、穴部12は、導光板210の上面210aに位置する開口をその一部に含む凹部の形で導光板210に設けられている。図1に例示する構成において、光源120Aは、対応する穴部12の概ね直下に位置する。この例では、発光ユニット100が4行4列に配置されていることに対応して、光源120Aも、X方向およびY方向に沿って4行4列に配列されている。
図2および図3は、発光ユニットの一例を示す。図2および図3に示す発光ユニット100Aは、図1を参照しながら説明した発光ユニット100の一例である。図2では、発光ユニット100Aを導光板210の上面210a側から見た外観と、発光ユニット100Aを発光ユニット100Aの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面とをあわせて1つの図に模式的に示している。図3は、発光ユニット100Aに関する、図2のA-A線断面を模式的に示す。
図2および図3に示すように、各発光ユニット100Aは、導光板110Aと、光源120Aと、光拡散層130と、光反射性部材140Aとを有する。光源120Aは、発光素子20をその一部に含む例えば直方体形状の構造である。ここでは、光源120Aは、発光素子20に加えて透光性部材22も含んでいる。
導光板110Aは、図1に示す導光板210の一部に相当する。図2の下段および図3に示すように、導光板110Aは、第1面としての下面110bと、下面110bとは反対側に位置する、第2面としての上面110aとを有し、導光板110Aの下面110b側に光反射性部材140Aが位置する。光反射性部材140Aは、図1に示す光反射性部材240の一部である。
導光板210の上面210aが矩形状を有することに対応して、ここでは、導光板110Aの上面視における形状も、長方形等の矩形状である。なお、導光板110Aは、発光モジュール200において互いに隣接する2つの発光ユニット100Aの間で連続した単一の導光板の形で形成され得る。ただし、例えば各発光ユニット100Aが独立した導光板110Aを有することにより、発光モジュール200において2つの発光ユニット100Aの導光板110Aの間に明確な境界が確認できることもあり得る。
導光板110Aの上面110aは、上面110aの概ね中央部に設けられた穴部12Aを有する。穴部12Aは、図1に示す穴部12の一例である。すなわち、図2および図3に示す穴部12Aは、図1に表された導光板210の複数の穴部12のうちの1つに相当する。この例では、穴部12Aは、底面12bおよび側面12cによって規定される逆円錐台形状を有する。
導光板110Aは、さらに、下面110bに第1穴部11Aを有する。第1穴部11Aは、導光板110Aの下面110bに位置する開口11pを含む。図2の下段および図3に示すように、この例では、第1穴部11Aは、導光板110Aの下面110bにおいて、上面110a側の穴部12Aの概ね直下に位置する。説明の便宜のために、以下では、導光板の上面110a側に設けられた穴部を「第2穴部」と呼ぶ。
図2および図3に例示する構成において、第1穴部11Aは、四角錐台形状を有する凹部の形で導光板110Aに設けられている。すなわち、この例では、第1穴部11Aは、矩形状の底面11aと、4つの側面11cとを有している。第1穴部11Aの底面11aは、導光板110Aの上面110a側の第2穴部12Aの逆円錐台形状の底面12bに対向し、第1穴部11Aの4つの側面11cのそれぞれは、導光板110Aの下面110bに形成された矩形状の開口11pと底面11aとの間に位置している。ここで、「第1穴部の底面」とは、導光板の下面を上に向けたときの第1穴部の底を形成する面を意味する。このように、本明細書では、発光モジュールについて図面に表された姿勢に拘泥することなく、「底面」の用語を使用することがある。第1穴部11Aの底面11aは、発光ユニット100Aを図3に示す姿勢としたとき、導光板110Aの下面110b側に形成されるドーム状の構造の天井部分であるともいえる。
この例では、第1穴部11Aの底面11aの矩形状を規定する辺は、導光板110Aの上面110aの矩形状の辺と平行である。ただし、第1穴部11Aの配置は、この例に限定されず、例えば、第1穴部11Aは、例えば矩形状とされた底面11aの対角線が導光板110Aの上面110aの矩形状の辺と概ね平行となるようにして導光板110Aの下面110bに設けられていてもよい。
前述の光源120Aは、導光板110Aの下面110b側に配置される。図2の上段から理解されるように、光源120Aは、平面視において導光板110Aの下面110b側の第1穴部11Aの内側に位置する。光源120Aは、発光素子20の光軸が第2穴部12Aの中心、例えば第2穴部12Aの逆円錐台形状の中心に概ね一致するようにして導光板110Aの第1穴部11Aの内側に接合される。
図2の下段および図3に示すように、第1穴部11Aの内部には、光拡散層130が設けられる。図2および図3に例示する構成において、光拡散層130は、第1穴部11Aの底面11aの概ね全体を覆っており、光拡散層130の一部は、第1穴部11Aの底面11aと光源120Aとの間に位置する。
本開示の実施形態において、光拡散層130は、第1穴部11Aの内側面(ここでは底面11aおよび側面11c)の全体を覆ってはおらず、第1穴部11Aには、光拡散層130から露出された領域が設けられる。この例では、第1穴部11Aの側面11cのうちZX断面に表れた部分上に光拡散層130が位置することに対し(図2の下段参照)、側面11cのうち導光板110Aの矩形状の対角線上に位置する部分には光拡散層130が配置されていない(図3参照)。すなわち、本開示の実施形態において、光拡散層130は、第1穴部11Aの形状を規定する1以上の側面の一部を選択的に覆っている。換言すれば、光拡散層130は、第1穴部11Aの側面の全体を覆ってはいない。
本実施形態の発光モジュール200では、光源中の発光素子20から発せられた光が導光板210に導入される。導光板210に導入された光は、導光板210の内部で拡散された後、導光板210の上面210aから取り出される。発光素子20から発せられた光の一部は、光拡散層130に入射する。後述するように、光拡散層130は、例えば白色の樹脂材料から形成されており、入射した光の一部を透過させるものの、入射した光の多くの部分を反射させる。
本実施形態では、導光板210の上面210aとは反対側に位置する第1穴部の内側面の全体ではなく、内側面の一部を光拡散層130で覆っている。図2および図3に示す例では、第1穴部11Aの内側面のうち、特に、発光ユニット100Aの矩形状の対角線上に位置する部分に、光拡散層130によって覆われていない領域を設けている。したがって、光源120Aから発せられて発光ユニット100Aの矩形状の辺に平行な方向に進行する光が光拡散層130によって拡散または反射を受け得ることに対して、発光ユニット100Aの矩形状の対角線に沿って進行する成分は、光拡散層130によって拡散または反射されることなく、導光板110Aの角部に到達し得る。その結果、導光板110Aのうち、発光素子20からの相対的な距離の大きい角部の位置での輝度の低下が抑制されることとなり、導光板110Aの上面110aにおける面内での輝度差が緩和される。
すなわち、本開示の実施形態によれば、発光素子20から発せられた光のうち、発光ユニット100Aの矩形状の辺に平行に進行して導光板110Aに導入される成分の増大を抑制しながら、矩形状の対角線に沿って進行して導光板110Aに導入される成分を相対的に増大させることが可能になる。このように、本開示の実施形態によれば、発光素子20の位置を中心として導光板110Aの内部で非対称に光を拡散させることが可能である。したがって、導光板110Aの上面110aにおいて相対的に輝度の低下しやすい領域の輝度を補償することが可能になり、光学ユニット全体の厚さの低減と、輝度ムラの低減とを両立させることができる。
さらに、図2および図3を参照しながら説明した例示的な構成では、各発光ユニットの導光板と光源との間に光拡散層130を介在させている。そのため、導光板210の上面210aのうち発光素子20の特に直上の領域の輝度が他の領域と比較して極端に高くなることを抑制し得る。換言すれば、導光板210の上面210aにおいて、発光素子20の直上の位置がスポット状に明るくなることに起因する輝度ムラの発生を抑制することが可能になる。
以下、発光ユニット100Aの各構成要素をより詳細に説明する。
[導光板110A]
導光板110Aは、光源120Aからの光を拡散させて上面110aから出射させる機能を有する。導光板110Aは、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、または、ガラスから形成される概ね板状の部材であり、透光性を有する。これらの材料のうち、特に、ポリカーボネートは、安価でありながら、高い透明度を得ることが可能である。導光板110Aは、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。なお、本明細書における「透光性」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。
ここでは、導光板110Aの上面110aは、下面110bに設けられた第1穴部11Aの反対側に位置する第2穴部12Aを有している。第2穴部12Aの内部に空気層が形成されることにより、導光板110Aの内部を第2穴部12Aに向かって進行する光の一部は、第2穴部12Aと空気層との界面である底面12bまたは側面12cの位置で反射される。すなわち、第2穴部12Aは、光源120Aから出射されて導光板110Aの下面110b側から導入された光を反射させて導光板110Aの面内に拡散させる光拡散構造としての機能を有している。
導光板110Aにこのような光拡散構造としての第2穴部12Aを設けることにより、第2穴部12Aと空気層との界面に向かう光を導光板110Aの面内に効果的に拡散させることができ、その結果、上面110aのうち発光素子20の直上以外の領域における輝度が向上する。すなわち、発光ユニット100Aの上面110aにおける輝度ムラを抑制することができ、第2穴部12Aは、導光板110Aの薄化に貢献する。導光板110Aの厚さ、すなわち、下面110bから上面110aまでの距離は、典型的には、0.1mm以上5mm以下程度である。本開示の実施形態によれば、導光板110Aの厚さを0.6mm以下程度とすることも可能になる。なお、第2穴部12Aの内部に空気層が形成されていることは、本開示の実施形態において必須ではない。第2穴部12Aの少なくとも一部が、導光板110Aの材料よりも低い屈折率を有する物質で充填されていてもよい。
図2および図3に例示する構成において、第2穴部12Aは、導光板110Aの上面110aに設けられた逆円錐台形状を有する凹部である。第2穴部12Aの底面12bの円形状の直径は、例えば0.3mm程度である。この例では、第2穴部12Aの底面12bは、導光板110Aの上面110aと平行である。ただし、光拡散構造としての第2穴部12Aの形状は、図2および図3に示す例に限定されない。例えば、第2穴部12Aは、導光板110Aの上面110aに平行な底面を有しない形状であってもよい。換言すれば、第2穴部12Aは、逆円錐等の逆錐体形状を有する形状を有していてもよい。底面12bの平面視における形状も円形に限定されず、楕円、多角形等であってもよい。導光板110Aの第2穴部12Aは、複数の側面を含む逆錐台形状であってもよい。また、ここでは、断面視における側面12cの形状は、直線状であるが、断面視における側面12cの形状は、曲線状であってもよいし、段差および/または屈曲を有する形状等であってもよい。
第2穴部12Aの具体的な形状は、導光板110Aの下面110b側に配置される発光素子20の形状および特性等に応じて適宜に決定され得る。第2穴部12Aの深さ、すなわち、図のZ方向に沿った、第2穴部12Aの底面12bから導光板110Aの上面110aまでの距離は、例えば、200μm以上400μm以下の範囲である。第2穴部12Aの底面12b上および/または側面12c上に誘電体多層膜、白色樹脂層などの反射構造をさらに配置してもよい。
上述したように、導光板110Aは、下面110b側の、第2穴部12Aと対向する位置に例えば四角錐台形状の第1穴部11Aを有する。第1穴部11Aの中心は、典型的には、上面110a側に位置する第2穴部12Aの中心に概ね一致させられる。なお、発光モジュール200の導光板210は、射出成型、トランスファー成型、熱転写等により形成することができる。金型のキャビティの内部に、キャビティの内壁から突出する凸部を所定の位置に設けておくことにより、図2および図3に示すような断面形状を精度よく形成することができる。すなわち、金型を利用した成型法によれば、第1穴部11Aの中心と、その第1穴部11Aに対応する第2穴部12Aの中心とを比較的容易に一致させ得る。
第1穴部11Aの形状および大きさは、求める光学特性に応じて適宜に決定し得る。第1穴部11Aの平面視における形状としては、矩形状のほか、円形状も採用し得る。例えば、第1穴部11Aは、円錐台等の形状を有していてもよい。この場合、第1穴部11Aは、底面11aと、底面11aと導光板110Aの下面110bとを結ぶ1つの側面11cとによって規定される形状を有する。
導光板110Aの下面110bに形成される、第1穴部11Aの開口11pの大きさは、例えば、0.05mm以上10mm以下とすることができ、好ましくは、0.1mm以上1mm以下である。ここで、第1穴部11Aの開口11pの大きさとは、開口11pが平面視において例えば矩形状を有する場合、その矩形状の対角線方向に沿った長さであり、開口11pが平面視において円形状を有する場合には、その円形状の直径である。
[光拡散層130]
本実施形態において、光拡散層130は、導光板110Aの第1穴部11Aの内部に位置し、第1穴部11Aの底面11aの概ね全体と、第1穴部11Aの側面11cの一部とを覆う。光拡散層130は、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂、あるいは、金属等の光反射性の材料から形成される。光拡散層130は、誘電体多層膜であってもよい。なお、本明細書において、「光反射性」とは、発光素子20の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光拡散層130の、発光素子20の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。光拡散層130が発光素子20からの光を完全に遮蔽することは必須ではない。この意味で、光拡散層130は、発光素子20からの光の一部を透過する半透過の性質を有していてもよい。
図4は、導光板110Aの下面110b側から見たときの光拡散層130の例示的な形状を模式的に示す。第1穴部11Aは、底面11aおよび4つの側面11cを含む。図2および図3から理解されるように、ここでは、4つの側面11cのそれぞれは、導光板110Aの下面110bに対して傾斜しており、底面11aと、これら4つの側面11cとによって、第1穴部11Aの四角錐台形状が形成される。図4に例示する構成において、光拡散層130は、第1穴部11Aの底面11aの概ね全体を覆う第1部分130aと、各側面11cの一部を覆う合計4つの第2部分130cとを含んでいる。
第1穴部11Aの四角錐台形状の側面を形成する4つの傾斜面に注目する。ここでは、4つの側面11cのそれぞれは、底面11aの矩形状の一辺に沿って並ぶ第1領域11ca、第2領域11cbおよび第3領域11ccを含んでいる。これらの領域のうち第2領域11cbは、底面11aの矩形状の一辺に沿って第1領域11caと第3領域11ccとの間に位置する。図4に示す例において、光拡散層130の第2部分130cは、第2領域11cb上に選択的に配置されている。換言すれば、第1領域11ca、第2領域11cbおよび第3領域11ccのうち、第1領域11caおよび第3領域11ccは、光拡散層130によって覆われていない。
光源120Aの配置される第1穴部11Aの内側面に、光拡散層130によって覆われない領域を設けることにより、光拡散層130によって覆われている領域と比較してより多くの光をその領域から導光板110Aに導入することができる。特に、この例では、第1穴部11Aの内側面のうち、導光板110Aの矩形状の辺までの距離が相対的に小さい、各側面11cの中央付近に選択的に光拡散層130が配置されていることに対して、導光板110Aの矩形状の対角線上にある領域には光拡散層130が位置していない。そのため、光源120Aからの距離が相対的に小さい、導光板110Aの矩形状の辺の中央付近の輝度の上昇を抑えながら、相対的に輝度の低下しやすい、導光板110Aの矩形状の角部に到達する光を増大させ得る。すなわち、発光面である導光板110Aの上面110aにおける輝度ムラの発生を抑制する効果が得られる。
なお、この例では、各側面11cの第2領域11cb上に位置する第2部分130cは、これらの側面11cの間で共通の形状を有している。換言すれば、ここでは、光拡散層130は、平面視において発光ユニット100Aの中心に関して対称な形状を有しているといえる。より詳しくは、光拡散層130の平面視形状は、ここでは、4回回転対称性を有する形状である。このように、光拡散層130を、例えば回転対称性を有する形状に形成することにより、発光面において非対称にスポット的に明るい領域あるいは暗い領域が生じることを回避し得る。なお、この例では、光拡散層130の第2部分130cは、第1部分130aから空間的に分離して形成されてはおらず、第2部分130cは、第1穴部11Aの底面11aと側面11cとの境界の位置で第1部分130aと連続している。
次に、第1穴部11Aの四角錐台形状の底面に注目する。光拡散層130の第1部分130aは、例えば、第1穴部11Aの底面11aの全部を覆う。第1穴部11Aの底面11aの全部が覆われるように光拡散層130を形成することにより、導光板110Aのうち光源120Aに対向する領域の輝度が極端に高くなることを抑制できる。
ただし、光拡散層130が第1穴部11Aの底面11aの全部を覆うことは、本開示の実施形態において必須の事項ではない。図4に例示する構成において、光拡散層130の第1部分130aは、4つの開口13hを有している。
開口13hのそれぞれは、光拡散層130の、第1穴部11Aの底面11aに対向する表面から、光源120A側の表面に貫通する中空の部分である。ここでは、第1穴部11Aの中心の周りに対称的に、光拡散層130の第1部分130aに4つの開口13hが設けられており、これら開口13hの位置で、第1穴部11Aの底面11aの一部が光拡散層130から露出されている。換言すれば、この例では、光拡散層130は、第1穴部11Aの底面11aの全部ではなく一部を覆っている。
光拡散層130の第1部分130aに例えば円形の開口の形で、第1穴部11Aの底面11aの露出された1以上の領域を設けることにより、それらの開口を介して、光源120Aからの光を導光板110Aに導入することが可能になる。光拡散層130のうち例えば光源120Aと導光板110Aとに挟まれた部分に1以上の開口13hを設けることにより、第1穴部11A内に光拡散層130を配置することに起因して第1穴部11Aの直上の領域の輝度が過度に低下してしまうことを回避し得る。なお、開口13hの形状、数および配置は、発光モジュールに求める配光に応じて適宜に決定し得る。開口13hが例えば円形の貫通孔である場合、開口13hは、150μm以上300μm以下の範囲の直径を有し得る。
光拡散層130は、第1穴部11Aの底面11aおよび側面11cに例えば光反射性の樹脂材料を付与した後、その樹脂材料を熱、光等によって硬化させることによって形成できる。光反射性の樹脂材料としては、シリコーン樹脂等の母材に光反射性のフィラーを分散させた材料を用い得る。樹脂材料の付与には、例えばインクジェット印刷を適用し得る。インクジェット印刷によれば、マスク等を不要としながら、図4に例示するような、第1穴部11Aの底面11aの一部および側面11cの一部を選択的に覆うような形状の光拡散層130を形成することが可能である。
光拡散層130を形成するための樹脂材料の母材の例は、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)等である。光反射性のフィラーとしては、金属の粒子、または、母材よりも高い屈折率を有する無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光反射性のフィラーの例は、二酸化チタン、酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウムの粒子、または、酸化イットリウムおよび酸化ガドリニウム等の各種希土類酸化物の粒子等である。光拡散層130が白色を有すると有益である。
上述した例では、第1穴部11Aの底面11aは、平坦面である。しかしながら、底面11aの形状は、平坦面に限定されず、以下に説明するように、底面11aに柱状の構造等を形成しておいてもよい。
図5は、導光板110Aのうち第1穴部11Aの周辺と、第1穴部11A内の光拡散層130とを取り出して模式的に示す。図5に例示する構成において、導光板110Aの第1穴部11Aの底面11aは、それぞれが底面11aから第1穴部11Aの内部に突出する複数の柱状部15を有している。ここでは、各柱状部15は、頂面15tを有する概ね円柱形状に形成されており、光拡散層130の表面から突出している。
図5に模式的に示すように、この例では、光拡散層130の第1部分130aは、第1穴部11Aの底面11aのうち、複数の柱状部15が形成された領域を除く領域上を覆っている。上述の開口13hの内側に柱状部15が位置するといってもよい。
図6は、柱状部15およびその周辺の断面を拡大して模式的に示す。上述したように、樹脂を母材とする材料から光拡散層130を形成する場合、例えばインクジェット印刷を適用することができる。この場合、柱状部15の位置を避けて第1穴部11Aの底面11a上に樹脂材料を付与することにより、柱状部15の位置に開口13hを形成できる。
図6に示すように、各柱状部15の頂面15tは、光拡散層130の第1部分130aの表面よりも高くに位置する。インクジェット印刷を利用した光拡散層130の形成の工程においては、光拡散層130の材料が所定のパターンで付与されることにより、各柱状部15の頂面15t上には、光拡散層130の材料は、基本的に付与されない。未硬化の状態の材料が柱状部15の頂面15tまたは側面15cに付着しても、未硬化の状態の材料が底面11aに向かって流れることにより、頂面15t上および側面15c上には光拡散層130の材料が残りにくい。そのため、底面11aに柱状部15を設けておくことは、光拡散層130の開口13hの形状および位置をより高精度に制御することを可能にする。
複数の柱状部15は、典型的には、底面11aのうち光源120Aと対向する領域に設けられる。上述したように、各柱状部15の頂面15t上には光拡散層130の材料の残渣が基本的に存在しないので、頂面15tを介して、光源120Aからの光を導光板110Aに導入することが可能である。
光拡散層130は、金属膜または誘電体多層膜等であってもよい。この場合、光拡散層130の形成に例えばスパッタリングを適用できる。図7は、柱状部15およびその周辺の断面の他の例を示す。光拡散層130の形成にスパッタリングを適用した場合、図7に模式的に示すように、第1穴部11Aの底面11aのうち柱状部15と重ならない領域上と、柱状部15の頂面15t上とを覆うように光拡散層130を形成することが可能である。この例では、光拡散層130は、第1部分130aに加えて、柱状部15の頂面15t上に位置する第3部分130atも含んでいる。
スパッタリングを適用した場合も、柱状部15の側面15c上には基本的に光拡散層130の材料が堆積されない。したがって、柱状部15の側面15cを介して、光源120Aからの光を導光板110Aに導入することが可能である。なお、メタルマスク等を利用して、柱状部15の頂面15t上に光拡散層130の材料を堆積しないようにしてもよい。換言すれば、第3部分130atが形成されないようにしてもよい。
[発光素子20]
図8は、図2および図3に示す発光ユニット100Aのうち、光源120Aおよびその周辺を拡大して模式的に示す。図8に示すように、第1穴部11Aの内部には、第2透光性部材150と、光源120Aの一部とが位置する。上述したように、光源120Aは、発光素子20と、透光性部材22とを含む。図8に例示する構成において、光源120Aは、さらに、透光性接着部材24および被覆部材26を含んでいる。
光源120A中の発光素子20の典型例は、LEDである。図8に例示する構成おいて、発光素子20は、素子本体20mと、発光素子20の上面20aとは反対側に位置する電極20eとを有する。素子本体20mは、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上の半導体積層構造とを含む。半導体積層構造は、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む。半導体積層構造は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。この例では、発光素子20の上面20aは、素子本体20mの上面に一致している。電極20eは、正極および負極の組を含み、半導体積層構造に所定の電流を供給する機能を有する。
発光モジュール200に設けられる複数の発光素子20の各々は、青色光を出射する素子であってもよいし、白色光を出射する素子であってもよい。複数の発光素子20は、互いに異なる色の光を発する素子を含んでいてもよい。例えば、複数の発光素子20が、赤色光を出射する素子、青色光を出射する素子および緑色光を出射する素子を含んでいてもよい。ここでは、発光素子20として、青色光を出射するLEDを例示する。
ここでは、各発光ユニット100A中の発光素子20は、透光性部材22等を含む光源120Aの形で、第2透光性部材150によって導光板110Aの下面110b側に固定されている。導光板110Aに接合された状態において、光源120A中の発光素子20の電極20eは、第1穴部11Aの底面11aとは反対側に位置する。図8に示すように、光源120Aの一部は、第1穴部11Aの底面11aおよび側面11cによって規定される空間の外側に位置し得る。発光素子20の光軸は、第1穴部11Aの中心に概ね一致させられる。
発光素子20の平面視における形状は、典型的には、矩形状である。発光素子20の矩形状の一辺の長さは、例えば1000μm以下である。発光素子20の矩形状の縦および横の寸法は、500μm以下であってもよい。縦および横の寸法が500μm以下の発光素子は、安価に調達しやすい。あるいは、発光素子20の矩形状の縦および横の寸法は、200μm以下であってもよい。発光素子20の矩形状の一辺の長さが小さいと、液晶表示装置のバックライトユニットへの適用において、高精細な映像の表現、ローカルディミング動作等に有利である。特に、縦および横の両方の寸法が250μm以下であるような発光素子は、上面の面積が小さくなるので発光素子の側面からの光の出射量が相対的に大きくなる。したがって、バットウィング型の配光特性を得やすい。ここで、バットウィング型の配光特性とは、広義には、発光素子の上面に垂直な光軸を0°として、0°よりも配光角の絶対値が大きい角度において発光強度が高い発光強度分布で定義されるような配光特性を指す。
[透光性部材22]
光源120A中の透光性部材22は、第1穴部11Aの底面11aと発光素子20の上面20aとの間に位置する。図8に例示する構成において、透光性部材22は、概ね板状である。しかしながら、透光性部材22の形状は、この例に限定されない。後述するように、透光性部材22は、板状以外の他の形状を有し得る。
透光性部材22の材料としては、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの樹脂の2種以上を含む樹脂を用いることができる。導光板110Aに効率的に光を導入する観点からは、透光性部材22の材料が導光板110Aの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。透光性部材22の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、透光性部材22に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、透光性部材22の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
透光性部材22は、蛍光体の粒子等を含んでいてもよい。透光性部材22中の蛍光体は、発光素子20から出射された光の少なくとも一部を吸収し、発光素子20からの光の波長とは異なる波長の光を発する。この場合、透光性部材22は、発光素子20からの青色光の一部を波長変換して例えば黄色光を発することができる。このような構成によれば、透光性部材22を通過した青色光と、透光性部材22に含まれる蛍光体から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
図8に例示する構成では、発光素子20から出射された光は、基本的に透光性部材22を介して導光板110Aの内部に導入される。したがって、混色後の光が導光板110Aの内部で拡散されることになり、輝度ムラの抑制された例えば白色光を導光板110Aの上面110aから取り出すことが可能である。本実施形態は、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して光の均一化に有利である。
透光性部材22中に分散させる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体およびCASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換物質の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換物質の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換物質の例である。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。
透光性部材22に含まれる蛍光体が、同一の発光モジュール200に含まれる複数の発光ユニット100内で共通であることは必須ではない。複数の発光ユニット100の間で、透光性部材22の母材に分散させる蛍光体を異ならせることも可能である。発光ユニット100に設けられる複数の第1穴部11Aのうち、ある一部の第1穴部11Aに、入射した青色光を黄色光に変換する蛍光体を含有する透光性部材を配置し、他のある一部の第1穴部11A内に、入射した青色光を緑色光に変換する蛍光体を含有する透光性部材を配置してもよい。さらに、残余の第1穴部11A内に、入射した青色光を赤色光に変換する蛍光体を含有する透光性部材を配置してもよい。
[透光性接着部材24]
図8に模式的に示すように、発光素子20は、透光性接着部材24によって透光性部材22の下面に接合される。透光性接着部材24は、透光性を有し、発光素子20の側面の少なくとも一部を覆う。図8に示すように、透光性接着部材24は、発光素子20の上面20aと透光性部材22との間に位置する層状の部分を有し得る。
透光性接着部材24は、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料から形成できる。透光性接着部材24は、発光素子20の発光ピーク波長を有する光に対して、例えば60%以上の透過率を有する。光を有効に利用する観点から、発光素子20の発光ピーク波長における透光性接着部材24の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
透光性接着部材24の母材の典型例は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂である。透光性接着部材24の母材として、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を用いてもよい。透光性接着部材24は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。透光性接着部材24は、例えば母材とは異なる屈折率を有する材料が分散させられることにより、光拡散機能を有していてもよい。
透光性接着部材24は、後述の被覆部材26との界面である外面を有する。発光素子20の側面から出射されて透光性接着部材24に入射した光は、透光性接着部材24の外面の位置で発光素子20の上方に向けて反射される。断面視における透光性接着部材24の外面の形状は、図8に示すような直線状に限定されない。断面視における透光性接着部材24の外面の形状は、折れ線状、発光素子20に近づく方向に凸の曲線状、発光素子20から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。
[被覆部材26]
被覆部材26は、透光性部材22の下面側(導光板110Aとは反対側)に位置する、光反射性を有する部材である。図8に示すように、被覆部材26は、透光性接着部材24の外面と、発光素子20の側面のうち透光性接着部材24に覆われていない部分と、発光素子20の、上面20aとは反対側に位置する下面のうち電極20eを除く領域とを覆う。被覆部材26は、電極20eの側面を覆い、他方、電極20eの下面は、被覆部材26の下面から露出されている。
被覆部材26の材料としては、光拡散層130と同様に、樹脂等の母材に光反射性のフィラーを分散させた材料を用いることができ、例えば、被覆部材26の材料と光拡散層130の材料とが共通であってもよい。発光素子20の下面のうち電極20eを除く領域を被覆部材26で覆うことにより、導光板110Aの上面110aとは反対側への光の漏れを抑制できる。また、被覆部材26で発光素子20の側面をも覆うことにより、発光素子20からの光を上方に集中させ、透光性部材22に効率的に光を導入させることが可能になる。
[第2透光性部材150]
光源120Aは、第2透光性部材150により、光拡散層130の第1部分130a上に配置される。第2透光性部材150は、第1穴部11Aの内部空間のうち、光拡散層130と光源120Aの一部とを除く領域を占める。第2透光性部材150の一部は、光拡散層130の第1部分130aと光源120Aとの間に位置し得る。この例では、第2透光性部材150の表面は、導光板110Aの下面110bから盛り上がっている。
第2透光性部材150は、光源120A中の透光性接着部材24と同様に、透明な樹脂を母材として含む材料から形成され得る。第2透光性部材150の材料は、透光性接着部材24の材料と異なっていてもよいし、共通であってもよい。第2透光性部材150は、典型的には、導光板110Aの屈折率よりも低い屈折率を有する。
第2透光性部材150は、例えば、光拡散層130形成後の第1穴部11A内に未硬化の状態の材料を付与し、光拡散層130に透光性部材22が対向するようにして光源120Aを第1穴部11A内に配置した後、未硬化の材料を硬化させることによって形成できる。このとき、第2透光性部材150の材料の量および粘度を調整することにより、第2透光性部材150の表面の形状を制御し得る。第2透光性部材150の表面は、図8に例示するように、導光板110Aの下面110bから盛り上がっていてもよいし、導光板110Aの下面110bに概ね整合していてもよい。
[光反射性部材140A]
光反射性部材140Aは、光反射性を有し、導光板110Aの下面110bの少なくとも一部を覆う。導光板110Aと同様に、光反射性部材140Aは、発光モジュール200において互いに隣接する2つの発光ユニット100Aにまたがって連続的に形成され得る。
導光板110Aの下面110b側に光反射性部材140Aを配置することにより、導光板110Aの下面110b側に向かう光を導光板110Aと光反射性部材140Aとの界面で上面110aに向けて反射させることができ、導光板110Aの上面110aからより効率的に光を取り出し得る。特に、ここでは、光反射性部材140Aは、導光板110Aの下面110bに加えて第2透光性部材150をも覆っている。第2透光性部材150を光反射性部材140Aで覆うことにより、第2透光性部材150からの導光板110Aの下面110b側への光の漏れを抑制して光の取出し効率を向上させ得る。
図2および図3を再び参照する。図2および図3に例示する構成において、光反射性部材140Aは、層状の基部140nと、導光板110Aの下面110b側から上面110a側に向かって立ち上がる壁部140wとを含む。図2および図3に示すように、光反射性部材140Aの壁部140wは、第1穴部11Aを取り囲む傾斜面140sを有する。傾斜面140sに入射した光は、導光板110Aの上面110a側に向けて反射される。したがって、導光板110Aの周縁部に壁部140wを配置することにより、導光板110Aの周縁部における輝度が中心部と比較して相対的に低くなることを回避し得る。傾斜面140sの断面視における形状は、図2および図3に示すような直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。傾斜面140sの断面視における形状は、これらに限定されず、段差、屈曲等を含んでいてもよい。
なお、1つの発光モジュール200に含まれる複数の発光ユニット100の間、または、1つの発光ユニット100の中で、発光素子20を取り囲む壁部140wの高さを異ならせてもよい。例えば、1つの発光モジュール200に含まれる複数の傾斜面140sのうち、発光モジュール200の導光板210の最外周に位置する傾斜面140sの高さを、導光板210の他の部分に位置する傾斜面140sの高さよりも大きくしてもよい。
光反射性部材140Aは、射出成型、トランスファー成型等を適用して、光源120Aの被覆部材26と同様に、例えば光反射性の樹脂材料から形成することができる。この例では、光反射性部材140Aの下面140bは、光源120Aの下面に整合している。光反射性部材140Aの材料と被覆部材26の材料とが共通である場合、発光ユニット100Aが、発光素子20の電極20eの下面を除いて導光板110Aの下面110bを一体的に覆う光反射性部材を有しているといえる。導光板110Aの下面110b側に光反射性部材140Aを形成することにより、導光板110Aの補強等の効果も期待できる。
本開示の実施形態によれば、例えば、光反射性部材140Aを含めた構造の厚さ、換言すれば、発光素子20の電極20eの下面から導光板110Aの上面110aまでの距離を例えば5mm以下、3mm以下または1mm以下に縮小し得る。発光素子20の電極20eの下面から導光板110Aの上面110aまでの距離は、0.7mm以上1.1mm以下程度であり得る。
[配線層160]
図3に示すように、この例では、発光ユニット100Aは、光反射性部材140Aの下面140b上に位置する配線層160をさらに有している。配線層160は、典型的には、Cu等の金属から形成された単層膜または積層膜である。上述したように、発光素子20の電極20eの下面は、光源120Aの被覆部材26から露出されている。図示するように、この例では、配線層160は、光源120Aの被覆部材26上に位置する部分を含んでいる(図8参照)。配線層160は、発光素子20の電極20eに電気的に接続されており、不図示の電源等に接続されることにより、発光素子20に所定の電流を供給する配線として機能する。
図9は、図1に示す発光モジュール200を導光板210の上面210aとは反対の下面側から見たときの外観の一例を示す。なお、図9では、分かりやすさのために複数の発光ユニット100Aの間の境界を点線により示しているが、複数の発光ユニット100Aの間に明確な境界が形成されていることは本開示の実施形態において必須ではない。
図9に例示する構成において、配線層160は、各発光ユニット100Aの光源120Aに含まれる発光素子20を電気的に接続している。配線層160の配線パターンは、発光モジュール200の駆動方法に応じて適宜に決定される。この例では、それぞれが、4行4列に配置された発光素子20のうちの2つの直列接続を含む8つの直列回路を並列に接続している。もちろん、複数の発光素子20の電気的接続は、この例に限定されず、例えば、発光モジュール200中の複数の発光素子20を2以上のグループに分け、これらグループの単位で駆動するように回路を構成してもよい。
このように、発光ユニット100Aの下面側に配線層160を設けることにより、例えば発光モジュール200中の複数の発光素子20同士を電気的に接続することが容易になる。特に、図9に示す例では、配線層160は、配線のうち比較的面積の大きな部分として形成された正極161および負極162を含んでいる。このような構成によれば、発光モジュール200を支持する基板側に複雑な配線パターンを形成せずとも、発光モジュール200側に設けられた正極161および負極162をはんだ等によって基板上のドライバ等と電気的に接続することにより、発光モジュール200中の複数の発光素子20と、ドライバとの間の電気的な接続を得ることができる。
図10は、発光モジュール200を配線基板に接続した例を示す。本開示の発光モジュールは、図10に例示するように、配線基板260を有し得る。配線基板260は、発光モジュール200の下面側、すなわち、導光板210の上面210aとは反対側に位置し、発光ユニット100Aの配線層160に接続される。
図10に例示する構成において、配線基板260は、絶縁基材265と、絶縁基材265上の配線層261と、被覆層263と、複数のビア264と、保護部材266とを有する。配線層261は、絶縁基材265の主面のうち、発光ユニット100Aとは反対側の主面上に位置する。被覆層263は、所定の厚さで配線層261の少なくとも一部を覆っており、配線層261を保護する機能を有する。
図10に示すように、ここでは、発光ユニット100Aと配線基板260との間に、樹脂等から形成された接着シート268が介在されており、この接着シート268によって発光ユニット100Aが配線基板260に固定されている。図10に模式的に示すように、複数のビア264のそれぞれは、絶縁基材265を貫通して、上述の配線層261を発光ユニット100Aの配線層160に電気的に接続する。保護部材266は、絶縁基材265の発光ユニット100Aとは反対側の主面側において複数のビア264に対応するように設けられ、ビア264と、配線層261のうちビア264の周辺に位置する部分とを保護する。
配線基板260の配線層261には、配線基板260上の発光モジュール200を駆動させるための例えばドライバが接続される。その結果、配線基板260の配線層261およびビア264を介して、複数の発光素子20とドライバとの間に電気的接続が形成される。本実施形態によれば、各発光素子20との接続を有する配線層160を発光モジュール200側に設けることができるので、配線基板260側に複雑な配線パターンを形成することなく、ローカルディミング等に要求される接続を容易に形成することができる。配線層160は、各発光素子20の電極20eの下面よりも大きな面積を有し得るので、配線基板260に対する電気的な接続の形成も比較的容易である。発光ユニット100が配線層160を有しない場合には、発光素子20の電極20eに配線基板260のビア264を接続してもよい。
このように、発光ユニット100Aの下面100b側に配線層160を設けることにより、複数の発光素子20を含む発光モジュール200側に配線が形成されることになり、発光素子20ごとに配線基板260との間の電気的接続を形成する必要がなくなる。換言すれば、発光モジュール200あるいは発光ユニット100Aと、電源等との間の接続が容易になる。すなわち、電源等に接続された配線基板260を発光モジュール200に接続することによって簡単に面発光が得られる。特に、後述するように複数の発光モジュール200を組み合わせてさらに大型の面状光源を構築し、複数の発光素子20を例えば発光モジュール200の単位で駆動させることにより、この大型の面状光源をローカルディミング動作させることができる。もちろん、発光素子20を1以上の発光ユニット100Aの単位で駆動させるような配線パターンを配線層160に適用してもかまわない。
なお、各発光ユニット100中の発光素子20の配置ピッチは、例えば0.05mm以上20mm以下程度とすることができ、1mm以上10mm以下程度の範囲であってもよい。ここで、発光素子20の配置ピッチとは、発光素子20の光軸間の距離を意味する。発光素子20は、等間隔に配置されてもよいし、不等間隔で配置されてもよい。発光素子20の配置ピッチは、互いに異なる二方向の間で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図11は、複数の発光モジュール200を二次元に配置した例を示す。複数の発光モジュール200を二次元に配置することにより、より大面積の発光面が得られる。
図11に示す面状光源300は、図1に示す発光モジュール200を複数個有する。図11は、発光モジュール200を8行16列に配置した例であり、発光モジュール200の二次元配列を導光板210の上面210a側から見た外観を模式的に示している。ここでは、導光板210の上面210aの法線方向から見たときの各導光板210の上面210aの形状は、長方形状であり、面状光源300の発光面としての導光板210の上面210aの集合も、全体として長方形状である。面状光源300は、導光板210の上方に拡散シート、プリズムシート等の光学シートをさらに有していてもよい。
行方向または列方向において隣接する2つの発光モジュール200の導光板210は、典型的には、互いに直接に接触する。しかしながら、隣接する2つの発光モジュール200の導光板210が互いに直接に接触するようにして二次元配列が形成されることは必須ではなく、互いに隣接する2つの導光板210間に、これらを互いに光学的に結合する導光構造が介在されてもよい。このような導光構造は、例えば、導光板210の側面に透光性の接着剤を付与した後、付与した接着剤を硬化させることによって形成できる。あるいは、互いに間隔をあけて複数の発光モジュール200を二次元に配置し、互いに隣接する2つの導光板210の間の領域を透光性の樹脂材料で充填後、樹脂材料を硬化させることによって導光構造を形成してもよい。導光板210間に位置する導光構造の材料としては、上述の透光性接着部材24の材料と同様の材料を用いることができる。導光構造の母材として、導光板210の材料と同等かそれ以上の屈折率を有する材料を用いることができると有益である。導光板210間に位置する導光構造に光拡散機能を付与してもよい。
各発光モジュール200の縦方向の長さLおよび横方向の長さWが、例えばそれぞれおよそ24.3mmおよび21.5mmである場合、図11に示す発光モジュール200の配列は、アスペクト比が16:10の、15.6インチのスクリーンサイズに適合している。例えば、図11に示す面状光源300は、15.6インチのスクリーンサイズを有するラップトップパソコンのバックライトユニットに好適に用いることができる。
この例では、各発光モジュール200の上面である、導光板210の上面210aの集合が発光面を構成する。そのため、面状光源300に含まれる発光モジュール200の数を変更したり、発光モジュール200の配置を変更したりすることにより、スクリーンサイズの異なる複数種の液晶パネルに容易に面状光源300を適用することができる。すなわち、発光モジュール200中の導光板210等に関する光学計算をやり直したり、導光板210を形成するための金型を再製作したりする必要なく、スクリーンサイズの変更に対して柔軟に対応することが可能である。そのため、スクリーンサイズの変更に対して製造コストおよびリードタイムの増大を招来させずに済む。
図12は、図11に示す複数の発光モジュール200のセットをさらに2行2列に配列した構成を示す。この場合、合計512個の発光モジュール200により、アスペクト比が16:10の、31.2インチのスクリーンサイズに適合した面状光源400を構成することができる。例えば、図12に示す発光モジュール200の配列は、液晶テレビのバックライトユニット等に用いることができる。このように、本実施形態によれば、さらに大面積の発光面を得ることも比較的容易である。
複数の発光モジュール200の組み合わせによって、より大面積の発光面を構成する手法によれば、スクリーンサイズに応じて光学系の設計をやり直したり、導光板の形成のための金型を再製作したりすることなく、多様なスクリーンサイズの液晶パネルに柔軟に対応することが可能になる。すなわち、スクリーンサイズに適合したバックライトユニットを低コストかつ短納期で提供し得る。また、仮に、断線等により点灯しない発光素子が存在した場合であっても、不具合が生じた発光素子を含む発光モジュールを交換すれば済むという利点も得られる。
図13および図14は、本開示の他の実施形態による発光モジュールに関する断面を模式的に示す。図13および図14に示す発光ユニット100Bは、図1を参照しながら説明した発光ユニット100の他の一例である。図13は、図2の下段と同様の断面図に相当し、発光ユニット100Bを発光ユニット100Bの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面を示している。他方、図14は、図3と同様、導光板210の矩形状の対角方向に発光ユニット100Bを切断したときの断面を示している。
図2および図3等に示す発光ユニット100Aが、発光素子20および透光性部材22をその一部に含む光源120Aを第1穴部11Aに有することに対し、本実施形態による発光ユニット100Bでは、発光素子20が透光性接着部材24によって光拡散層130に接合されている。第1穴部11Aの内部空間のうち、発光素子20、透光性接着部材24および光拡散層130を除いた領域は、透光性部材152で充填されている。図14に示すように、この例では、光反射性部材140Aは、導光板110Aの下面110bと、透光性部材152と、導光板110Aの上面110aとは反対側に位置する、発光素子20の下面のうち発光素子20の電極20e以外の領域とを覆っている。
透光性部材152は、典型的には、発光素子20の側面の少なくとも一部を覆う。発光素子20の側面から出射された光の多くの成分は、光拡散層130と光反射性部材140Aとの間で反射を繰り返し、第1穴部11Aの側面11cを介して導光板110Aの内部に導入される。透光性部材152は、透光性部材22と同様に蛍光体の粒子等を含み得る。この場合、透光性部材152によって波長変換を受けた光(例えば黄色光)と、発光素子20からの青色光とが混色されて導光板110Aに導入されることとなり、光を導光板内に拡散させてから波長変換する場合と比較して、より均一な白色光を得ることが可能である。このように、発光素子20の側面の一部または全部が透光性部材152によって覆われていてもよい。
透光性部材152は、例えば、樹脂中に蛍光体等の粒子が分散された樹脂材料から形成することができる。第1穴部11A内に光拡散層130を形成し、透光性接着部材24によって発光素子20を光拡散層130に接合した後、ポッティング等により、第1穴部11Aを透光性部材152の材料で充填する。充填後の材料を硬化させることにより、発光素子20の側面を覆う透光性部材152を第1穴部11A内に形成できる。このとき、第1穴部11Aに充填される透光性部材152の材料の量および粘度を調整することにより、透光性部材152の表面の位置を導光板110Aの下面110bに概ね整合させることが可能である。
図15および図16は、本開示のさらに他の実施形態による発光モジュールに関する断面を模式的に示す。図15および図16に示す発光ユニット100Cは、図1を参照しながら説明した発光ユニット100のさらに他の一例である。図15および図16は、図13および図14と同様に、それぞれ、図2の下段および図3に対応する模式的な断面図である。
図2および図3等を参照しながら説明した発光ユニット100Aと比較して、発光ユニット100Cは、光源120Aに代えて光源120Cを有する。光源120Cは、板状の透光性部材22と、透光性接着部材24と、発光素子20とを含む。発光素子20は、透光性接着部材24によって透光性部材22の導光板110Aとは反対側の主面(下面)に固定されている。上述の光源120Aと比較して、光源120Cは、被覆部材26を有しておらず、ここでは、電極20eの下面を除き、発光素子20の概ね全体が光反射性部材140Aによって覆われている。
図13および図14に示す発光ユニット100Bと比較すると、発光ユニット100Cでは、光拡散層130上に透光性部材22が位置する。すなわち、これまでに説明した例と同様に、光拡散層130は、第1穴部11Aの底面11aと透光性部材22との間に位置する部分を含む。第1穴部11Aの内部空間のうち、透光性部材22および透光性接着部材24を除いた領域には、第2透光性部材150が位置する。
本実施形態では、発光素子20から出射された光は、透光性接着部材24を介して透光性部材22に入射する。透光性部材22に入射した光は、光拡散層130と光反射性部材140Aとの間で反射を繰り返し、第1穴部11Aの側面11cを介して導光板110Aの内部に導入される。
発光ユニット100Cは、例えば、第1穴部11A内に光源120Cを配置し、第1穴部11Aの残余の空間に第2透光性部材150を形成した後、導光板110Aの下面110b側に光反射性部材140Aを形成することによって得られる。第1穴部11A内に光源120Cを配置した状態において、光源120Cの一部は、導光板110Aの第1穴部11Aから突出した状態であり得る。
発光モジュールに適用される複数の光源の構成は、上述の光源120A、光源120Cの例に限定されず、以下に説明するように種々の態様をとり得る。図17は、本開示のさらに他のある実施形態による発光ユニットのある断面を示す。図17に示す発光ユニット100Dは、導光板110Aの下面110b側に配置された光源120Dを含んでいる。図17では、発光ユニット100Dの断面に加えて、光源120Dおよびその周辺の模式的な拡大断面を1つの図に示している。
光源120Dは、発光素子20と、透光性部材22Dと、被覆部材26Dとを含む。図17中に拡大して示すように、この例では、透光性部材22Dは、発光素子20の上面20aに加えて、発光素子20の側面の一部をも覆っている。被覆部材26Dは、透光性部材22Dの、光拡散層130とは反対側の面において発光素子20を覆っている。光源120Aと同様に、発光素子20の電極の下面は、被覆部材26Dから露出されている。発光素子20の電極は、配線層160に接続される。
光源120Dは、例えば以下のようにして準備することができる。上述の透光性部材22の材料と同様の材料を半硬化の状態とし、半硬化の状態にある材料に発光素子20の素子本体の一部を埋め込む。発光素子20の一部が埋め込まれた材料を硬化させた後、発光素子20の電極側を被覆部材26の材料と同様の光反射性の材料で被覆し、発光素子20の電極側に付与された材料を硬化させる。その後、切削および研削等により、樹脂材料と発光素子20とが一体とされた構造を所定の形状に加工する。これにより、発光素子20の電極の下面を被覆部材26Dから露出させるとともに、発光素子20の側面の少なくとも一部を覆う透光性部材22Dの形状を得ることができる。なお、被覆部材26Dの形成を省略してもよい。例えば、第1穴部11A内に光源を配置した後、発光素子20のうち透光性部材22Dで覆われていない部分を覆うように光反射性部材140Aを形成してもよい。
図18は、発光モジュールに適用可能な光源のさらに他の例を示す。図18に示す発光ユニット100Eは、導光板110Aの下面110b側に配置された光源120Eを含む。光源120Eは、発光素子20および透光性部材22に加えて、被覆部材26Eを含む。
図18中に拡大して示すように、この例では、被覆部材26Eは、発光素子20の側面の一部および透光性接着部材24の外面に加えて、透光性部材22の側面22cをも覆っている。図18に示す光源120Eは、例えば以下のようにして得られる。まず、透光性接着部材24によって透光性部材22の下面に発光素子20を接合した後、透光性部材22と発光素子20とが一体とされた構造を光反射性の材料で被覆する。光反射性の材料の硬化後、研削等により、光反射性の材料の硬化によって形成された樹脂体の表面から発光素子20の電極の下面を露出させる。その後、樹脂体を所望の形状に切り出すことにより、光源120Eが得られる。
図8に示す光源120Aも光源120Eと同様の方法により形成することができる。例えば、透光性部材22の材料から形成された板状の樹脂層を準備し、この樹脂層上に透光性接着部材24によって複数の発光素子20を二次元に配置する。複数の発光素子20が覆われるようにして樹脂層上に光反射性の樹脂層を形成し、光反射性の樹脂層から発光素子20の電極の下面を露出させる。その後、複数の発光素子20の間の位置で樹脂層の積層体を切断することにより、複数の光源120Aを効率的に得ることができる。
図19は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールの断面を模式的に示す。図19に示す発光ユニット100Fは、導光板110Aと、導光板110Aの下面110b側に配置された光源120Aと、波長変換シート222とを有する。
図19に例示する構成において、波長変換シート222は、導光板110Aの上面110a上に位置する。波長変換シート222は、導光板110Aの上面110aに接していてもよいし、導光板110Aの上面110aから間隔をあけて導光板110Aの上方に配置されてもよい。波長変換シート222は、1つまたは複数の発光モジュール200にわたって導光板110Aの上方に配置され得る。導光板110Aの上方に拡散シート、プリズムシート等の光学シートがさらに配置される場合、拡散シート、波長変換シート222、プリズムシートが上面110aに近い側からこの順に導光板110Aの上方に配置されることが好ましい。すなわち、導光板110Aの上面110aと波長変換シート222との間に拡散シートが位置し、かつ、拡散シートとプリズムシートとの間に波長変換シート222が位置することが好ましい。
波長変換シート222は、典型的には、蛍光体の粒子が分散されたシート状の樹脂である。このような波長変換シート222を用いることにより、導光板110Aの上方に蛍光体を均一に配置することができる。導光板110Aに代えて、後述する導光板110Bを適用した場合にも同様の効果が得られる。発光ユニット100Fは、波長変換シート222を有している。したがって、このような構成において透光性部材22が蛍光体等を含有することは必須ではない。
図20および図21は、本開示のさらに他の実施形態による発光モジュールに関する断面を模式的に示す。図20および図21に示す発光ユニット100Gも、図1を参照しながら説明した発光ユニット100のさらに他の一例である。図20では、図2と同様に、発光ユニット100Gを導光板210の上面210a側から見た外観と、発光ユニット100Gを発光ユニット100Gの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面とをあわせて1つの図に模式的に示している。他方、図21は、発光ユニット100Gに関する、図20のB-B線断面を模式的に示す。
図2および図3等を参照しながら説明した発光ユニット100Aと比較して、本実施形態の発光ユニット100Gは、導光板110Aおよび光反射性部材140Aに代えて、導光板110Bおよび光反射性部材140Bを有する。図20の下段および図21から理解されるように、光反射性部材140Bは、導光板110Bの下面110b側に位置し、図2等に示す光反射性部材140Aと同様に、層状の基部140nと、導光板110Bの上面110aに向かって立ち上がる壁部140wとを含む。
導光板110Bは、下面110b側および上面110a側にそれぞれ第1穴部11Bおよび第2穴部12Bを有する。図20および図21に例示する構成において、第1穴部11Bは、底面11aおよび側面11cによって規定される円錐台形状を有し、第1穴部11B内には、光拡散層130が配置されている。
導光板110Bは、下面110bとは反対側に位置し、頂面110tを有する錐台部110xと、錐台部110xを取り囲む壁部110wとを含む。この例では、錐台部110xの頂面110tは、円形状を有する。頂面110tは、第1穴部11Bの底面11aに対向しており、頂面110tの円形状の中心は、底面11aの円形状の中心に概ね一致させられている。図20の下段および図21に示すように、錐台部110xの頂面110tは、壁部110wのうち最も高い部分すなわち導光板110Bの上面110aの位置よりも低い位置にある。
壁部110wは、錐台部110xの底面の位置から第2穴部12Bの矩形状の開口に向かって拡がる形状を有し、したがって、第2穴部12Bの内側には、錐台部110xを取り囲む4つの傾斜面110sが形成されている。導光板110Bの内部を進行して錐台部110xの表面から出射された光は、傾斜面110sの位置で導光板110Bの上方に向けて反射される。
図20の下段および図21に示すように、導光板110Bの上方には、1つまたは複数の発光モジュール200にわたって光拡散シート230が配置され得る。導光板110Bと対向する、光拡散シート230の下面は、導光板110Bの上面110aと接していてもよいし、接していなくてもよい。第2穴部12Bの内部は、導光板110Bよりも低屈折率の媒質(典型的には空気)で満たされており、導光板110Bから出射された光の大部分は、導光板110Bと光拡散シート230との間で反射を繰り返した後、光拡散シート230の上面側から拡散されて出射する。導光板110Bと光拡散シート230との間で反射が繰り返されることにより、より均一性の向上された光を得ることができる。光拡散シート230としては、ライトディフューザーフィルム等の名称で市販されている公知の光学部材を用いることができる。
図22は、導光板110Bの下面110b側から見たときの光拡散層130の例示的な形状を模式的に示す。この例では、第1穴部11Bは、底面11aと1つの側面11cとを含んでいる。図22に例示する構成において、光拡散層130は、第1穴部11Bの底面11a上に位置する第1部分130aと、それぞれが側面11cの一部を覆う4つの第2部分130cとを含んでいる。
図4を参照しながら説明した例と同様に、光拡散層130の第2部分130cは、第1穴部11Bの側面11cのうち、導光板110Bの矩形状の対角線上に位置する領域上には配置されていない。換言すれば、この例においても、光拡散層130は、第1穴部11Bの形状を規定する側面11cの全部ではなく一部を選択的に覆っている。そのため、導光板110Bの矩形状の角部に到達する光を増大させることが可能になり、光拡散シート230の上面における輝度ムラの発生を抑制し得る。
なお、この例でも、光拡散層130の第1部分130aに複数の開口13hが設けられている。これら開口13hは、平面視において光源120Aの透光性部材22と重なる位置に配置されている。図5を参照しながら説明したように、第1穴部11Bの底面11aのうち光拡散層130の開口13hの位置に柱状部を形成してもよい。
図20および図21から理解されるように、光源120Aは、光拡散層130の第1部分130a上に配置される。第1部分130aの円形状は、透光性部材22の上面のおおよそ2倍程度の面積を有し得る。光源120Aに代えて、上述した光源120C~120Eのいずれをも適用し得る。あるいは、図13および図14を参照しながら説明した例と同様に、発光素子20の側面の少なくとも一部が覆われるように第1穴部11Bの内部に透光性部材が形成されてもよい。
図23および図24は、本開示のさらに他の実施形態による発光モジュールに関する断面を模式的に示す。図23および図24は、それぞれ、図2の下段および図3に対応する模式的な断面図である。
図23および図24に示す発光ユニット100Hと、図20および図21を参照しながら説明した発光ユニット100Gとの間の主な相違点は、発光ユニット100Hが、光源120Aに代えて光源120Cを有しており、光反射性部材140Bに代えて、光反射性部材140Hを有している点である。上述の光反射性部材140Bと同様に、光反射性部材140Hも、層状の基部140nと、導光板110Bの上面110aに向かって立ち上がる壁部140wとを有している。
この例のように、導光板110Aに代えて導光板110Bを用いた場合においても、光拡散層130上に配置された透光性部材22に発光素子20を接合した構成を適用してもよい。なお、この例では、導光板110Bの下面110b側に位置する光反射性部材140Hは、導光板110Bの下面110bおよび第2透光性部材150の表面に加えて、発光素子20の下面のうち、透光性部材22とは反対側に位置する電極20e以外の領域を覆っている。
図25は、本開示のさらに他のある実施形態による発光モジュールを上面側から見たときの模式的な外観を示す。図25に示す発光モジュール200Lは、導光板210Lと、導光板210Lの下面側に配置された複数の光源120Aとを含む。図1を参照しながら説明した発光モジュール200と同様に、図25に例示する構成において、発光モジュール200Lは、それぞれが光源120Aを含む複数の発光ユニット100Lを有している。この例では、発光モジュール200Lは、合計16個の発光ユニット100Lの4行4列の配列から構成されている。
図26は、図25に示す発光モジュールのC-C線断面を模式的に示す。導光板210Lは、図20~図24に示す例における導光板110Bと同様に、下面210b側に第1穴部11Bを有する。複数の光源120Aは、これら第1穴部11Bのうち対応する1つにそれぞれ配置される。
なお、ここでは、導光板210Lの、下面210bとは反対側の上面210a側には、第2穴部12Lが設けられている。図26に示すように、第2穴部12Lは、複数の発光ユニット100Lにわたって設けられている。第2穴部12Lの内部には、各発光ユニット100Lに対応して錐台部110xが設けられている。ただし、壁部110wは、発光ユニット100L毎には設けられておらず、導光板210Lの外周部に選択的に設けられている。
図27は、図25および図26に示す発光モジュールから導光板を取り出して下面側から見たときの模式的な外観を示す。図27に示すように、導光板210Lの下面210bには、複数の第1穴部11Bに加えて複数の凹部13が設けられている。この例では、複数の凹部13は、導光板210Lの下面210bのうち第1穴部11Bが設けられた領域を除く領域の概ね全体に設けられている。換言すれば、これら凹部13は、断面視において、互いに隣接する2つの第1穴部11Bの間、または、導光板210Lの外縁と第1穴部11Bとの間に位置している。
本実施形態では、凹部13のそれぞれは、半球状である。凹部13の半球状の半径は、Z方向に沿った、導光板210Lの下面210bから第1穴部11Bの底面11aまでの距離と同程度、例えば、250μm程度であり得る。
再び図26を参照する。本実施形態の発光モジュール200Lは、導光板210Lの下面210b側に光反射性部材240Lを有する。図26に示すように、光反射性部材240Lは、概ね層状である。図26に例示する構成において、光反射性部材240Lは、層状の基部240nと、導光板210Lの凹部13の内部に位置する凸部240dとを含む。図20を参照しながら説明した光反射性部材140Bと比較して、光反射性部材240Lは、発光ユニット100Lを区画する壁部140wを有しない。導光板210Lに着目したとき、これまでに説明した実施形態の導光板と比較して、本実施形態の導光板210Lには、光反射性部材の壁部140wを配置するための溝部が下面に設けられる代わりに、複数の凹部13が下面210bに設けられているといえる。
複数の発光ユニットの境界に、例えば、断面形状がV字状の溝を平面視において格子状に設けることに代えて、それぞれが例えば半球状の複数の凹部13を導光板210Lの下面210bに設けることによっても、凹部13の表面を反射面として機能させ得る。すなわち、複数の凹部13による反射を利用して、光源120Aから出射されて導光板210Lの面内に拡散された光の一部の進行方向を、導光板210Lの上面210aに向かう方向に変更させ得る。その結果、光源120Aからの距離が増大することに起因する、発光ユニット100Lの境界付近における輝度の極端な低下を抑制することが可能になる。また、複数の凹部13による反射を利用しているので、発光ユニットの境界に直線状の反射構造を設けた場合と比較して、境界付近の輝度が過度に上昇することに起因する格子状の輝度ムラが生じにくいという利点も得られる。なお、図26では図示が省略されているが、図21、図22等を参照しながら説明した例と同様に、導光板210Lの上面210aの上方に光拡散シート230等を配置してもよい。
光反射性部材240Lの材料には、上述の光反射性部材140A、140Bと同様に、例えば、シリコーン樹脂等の母材に二酸化チタンの粒子等を分散させた光反射性の樹脂材料を用いることができる。特にこの例では、導光板210Lの複数の凹部13を光反射性部材240Lの凸部240dで充填しているので、導光板210Lと光反射性部材240Lとにより形成される半球状の界面でより効果的に光を反射させることができる。
導光板210Lの下面210bに設ける複数の凹部13の配置および密度は、図27に示す例に限定されず、求める光学特性に応じて適宜に変更可能である。各凹部13の形状も半球状に限定されず、半楕円球状等の他の形状を採用することも可能である。複数の凹部13の形状がこれらの間ですべて共通とされることも必須ではなく、異なる形状の凹部を導光板210Lの下面210bに混在させてもよい。
図28は、発光モジュールのさらに他の実施形態を示す。図28に示す発光モジュール200Mと、図25~図27を参照しながら説明した発光モジュール200Lとの間の主な相違点は、発光モジュール200Mが、発光ユニット100L毎に光拡散層130を配置することに代えて、複数の発光ユニット100Lにわたって配置された単一の光拡散層130Mを有している点である。導光板210Lを含んでいる点は、上述した発光モジュール200Lと共通している。なお、図28では、説明の便宜のため、発光モジュール200Mのうち、導光板210Lと、光拡散層130Mとを取り出して、導光板210Lの上面210aとは反対側から見たときの外観を模式的に示している。
本実施形態では、発光モジュール200Mの光拡散層130Mは、各第1穴部11Bの底面11a上に位置する第1部分130a、および、それぞれが各第1穴部11Bの側面11cの一部を覆う複数の第2部分130cに加えて、導光板210Lの下面210bのうち第1穴部11Bを除く領域を覆う第3部分130bも有している。換言すれば、光拡散層130Mは、第1穴部11Bの側面11cの一部を除き、下面210b側において導光板210Lの概ね全体を覆っている。
発光モジュール200Mの光拡散層130Mは、上述の光拡散層130と同様に、例えば、光反射性のフィラーが分散された樹脂で構成される。下面210b側において導光板210Lの概ね全体を覆うように光拡散層130Mを設けることは、導光板210L内において下面210b側に向かう光を上面210aに向けて効果的に反射させることを可能にし、光の取出し効率の向上に貢献する。特に、この例では導光板210Lの凹部13の内部にも光拡散層130Mの第3部分130bを配置しているので、発光ユニットの境界付近の輝度の低下を効果的に抑制し得る。
図22等を参照しながら説明した例と同様に、光拡散層130Mの第1部分130aに例えば円形の開口13hを設けることもできる。図28に示す例では、それぞれが円形を有する複数の開口13hを第1部分130aに円環状に設けている。
第1穴部11Bを除き導光板210Lの下面210bの概ね全体が覆われるように第3部分130bを設けることに代えて、光拡散層130Mの第3部分130bを、導光板210Lの凹部13の内部に選択的に設けてもよい。第3部分130bは、第1穴部11B内部の第1部分130aおよび第2部分130cと一括して同じ工程で設けられてもよいし、別個の工程で設けられてもよい。光拡散層130Mの材料は、光反射性の樹脂材料に限定されない。光拡散層130Mは、金属等の反射膜または誘電体多層膜であってもよい。
図29は、導光板の下面側に位置する凹部付近を拡大して模式的に示す。図29は、導光板210Lの下面210bに設けられた凹部13の半球状を規定する内側面の全体が覆われるようにして光拡散層130Mの第3部分130bを凹部13の内部に配置した構成例を示している。図29では、導光板210Lの下面210bに垂直に導光板210Lを切断したときの断面と、下面210bの法線方向に見たときの凹部13とをあわせて1つの図に示している。図29に実線の矢印Ryで模式的に示すように、同一の発光領域の第1穴部11Bに配置された光源120Aから出射されて凹部13に向かう光線は、導光板210Lと光拡散層130Mの第3部分130bとの界面で導光板210Lの上面210aに向けて反射される。すなわち、凹部13の内側面を曲面鏡のように機能させ得る。
図30は、導光板の下面側に位置する凹部および光拡散層の構成の他の例を示す。図30において、光拡散層130Mの第3部分130bは、凹部13の内側面の全体を覆っておらず、凹部13内部の一部の領域に配置されている。この例では、光拡散層130Mの第3部分130bは、半球状の凹部13の頂部付近に選択的に配置されている。
このような形状の第3部分130bは、例えば光反射性のフィラーが分散された樹脂材料をインクジェット印刷等により凹部13の頂部付近に選択的に付与し、樹脂材料を硬化させることにより得ることができる。あるいは、メッキ等により導光板210Lの下面210bおよび凹部13の内側面に金属膜等の反射膜を設けた後、反射膜のうち不要な部分を除去することによっても得ることが可能である。
凹部13内の一部の領域に光拡散層130Mの第3部分130bを設けることにより、あたかも凹部13内に浮かぶミラーを配置したかのような効果を得ることが可能である。なお、凹部13内部の空間のうち、第3部分130bが位置しない領域は、中空であってもよいし、樹脂等で充填されていてもよい。ここでは、凹部13内部の空間のうち、第3部分130bが位置しない領域を透光性の樹脂13Pで充填している。このとき、樹脂13Pの材料に、導光板210Lの材料と近い屈折率を有する樹脂材料を適用することにより、凹部13に向かって進行する光のうち、ミラーとして機能する部分以外の部分に入射する光を透過させることができる。
図31は、導光板の下面側に位置する凹部および光拡散層の構成のさらに他の例を示す。図30を参照しながら説明した例と比較して、図31に示す例では、凹部13内部の空間のうち、第3部分130bが位置しない領域を透光性の樹脂13Qで充填している。樹脂13Qは、蛍光体の粒子等の波長変換物質を含有する。この蛍光体としては、上述の透光性部材22に分散させる蛍光体と同様のものを用い得る。例えば、青色光を黄色光に変換可能なYAG系蛍光体等を樹脂13Qに分散させ得る。青色光を出射するLEDを光源120Aの発光素子120に適用した場合、凹部13に入射する光には青色の成分が多く含まれる。樹脂13Qに例えばYAG系蛍光体を分散させることにより、樹脂13Qに入射する青色光で蛍光体を励起させて、樹脂13Qから黄色光を取り出すことが可能になる。つまり、導光板210Lの上面210aから出射する光の色味を長波長側に補正することが可能になる。
図32は、導光板の下面側に位置する凹部および光拡散層の構成のさらに他の例を示す。図32は、凹部13の内側面のうち光源120Aに近い側の領域を除いて凹部13の内側面を第3部分130bで覆った例である。ここでは、凹部13内部の空間のうち、第3部分130bが位置しない領域を透光性の樹脂13Rで充填している。樹脂13Rの材料に、導光板210Lの材料よりも高い屈折率を有する材料を適用することにより、図32中に矢印Ryで模式的に示すように、凹部13内の反射と、樹脂13Rと導光板210Lとの界面での屈折を利用して、光の進行方向を導光板210Lの上面210aに向かう方向に変更し得る。
図33は、本開示のさらに他の実施形態による発光モジュールを模式的に示す。図33に示す発光ユニット100Kも、図1を参照しながら説明した発光ユニット100のさらに他の一例である。図33は、図20と同様に、発光ユニット100Kを導光板210の上面210a側から見た外観と、発光ユニット100Kを発光ユニット100Kの中央付近で導光板210の上面210aに垂直に切断したときの断面とをあわせて1つの図に模式的に示している。
図33に示す発光ユニット100Kは、第1穴部11Kを有する導光板110Kと、平面視において第1穴部11Kの内部に位置する光源120Aと、第1穴部11Kの側面11c上に配置された光拡散層130とを有する。図33に例示する構成において、導光板110Kの第1穴部11Kは、導光板110Kの上面110aと下面110bとを結ぶ貫通孔の形で導光板110Kに設けられている。
この例では、第1穴部11Kは、四角柱状の貫通孔であり、導光板110Kの上面110aに位置する矩形状の開口11qと、導光板110Kの下面110bに位置する矩形状の開口11pと、これらの開口11pおよび開口11qの間に位置する4つの側面11cとを含んでいる。もちろん、第1穴部11Kの貫通孔の具体的な形状は、この例に限定されず、四角柱以外の多角柱状、円柱状、楕円柱状等の形状であってもよい。上面110a側の開口11qの形状と下面110b側の開口11pの形状とが合同または相似である必要もない。第1穴部11Kの側面11cは、導光板110Kの上面110aに垂直な平面に対して傾いていてもよい。
上述したように、図33に例示する構成において、導光板110Kの第1穴部11Kは、導光板110Kを貫通する貫通孔である。したがって、この例では、光拡散層130は、上述の第1部分130aを含んでおらず、各側面11cの一部を覆う合計4つの第2部分130cを含んでいる。ここでは、4つの側面11cのそれぞれは、開口11p(または開口11q)の矩形状の一辺に沿って並ぶ第1領域11ca、第2領域11cbおよび第3領域11ccを含む。図33の上段に示すように、光拡散層130の第2部分130cは、第1領域11caと第3領域11ccとの間に位置する第2領域11cb上に選択的に配置されている。そのため、これまでに説明した各例と同様に、光源120Aからの距離が相対的に小さい、導光板110Kの矩形状の辺の中央付近の輝度の上昇を抑えながら、導光板110Kの矩形状の角部に到達する光を増大させることができる。
特に、この例では、図33の下段に示すように、各側面11cのうち下面110b側の開口11pに近い位置に選択的に光拡散層130を配置している。換言すれば、この例では、光拡散層130は、貫通孔のうち下方に位置する部分に配置されている。図33に例示する構成において、光源120Aは、導光板110Kの上面110a側の開口11qよりも下面110b側の開口11pの近くに位置する。そのため、貫通孔のうち下方に位置する部分には、光源120Aからの光がより強く照射される。導光板110Kの上面110a側における光の均一性向上の観点からは、この例のように、第1穴部11Kの側面11cのうち、光源120Aからの光がより強く照射される部分に選択的に光拡散層130を配置することが有利である。ただし、貫通孔のうち下方に位置する部分に選択的に光拡散層130を配置することは、必須ではなく、貫通孔の深さ方向(ここではZ方向)の全体、すなわち、開口11pから開口11qにわたって第1穴部11Kの側面11c上に光拡散層130を設けてもかまわない。
図33に例示する構成において、発光ユニット100Kは、層状の光反射性部材140Kと、導光板110Kの外縁に沿って形成された光反射性部材142と、配線基板260Kとを有している。光反射性部材140Kおよび配線基板260Kは、導光板110Kの下面110b側に位置し、光反射性部材140Kは、導光板110Kの下面110bの概ね全体を覆っている。光反射性部材140Kは、上述した光反射性部材140Aと同様に、射出成型、トランスファー成型等を利用して光反射性の樹脂材料から形成できる。光反射性部材140Kの材料には、光拡散層130と同様の、シリコーン樹脂等の母材に光反射性のフィラーとしての酸化ケイ素等の粒子が分散された樹脂材料を適用できる。あるいは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を母材とし、導光板110Kの第1穴部11Kと対応する位置に貫通孔が設けられた光反射性の樹脂シートを準備して、この樹脂シートを接着シート等によって導光板110Kの下面110bに接合することによっても光反射性部材140Kを形成できる。
図33に示す例では、導光板110Kは、矩形状の外縁に沿って形成された溝110vを有しており、光反射性部材142は、この溝110vの内部に位置する。光反射性部材142は、例えば上述の光拡散層130と同様の材料から形成され、そのため、光反射性部材142は、光反射性部材140Aの壁部140wと同様に機能する。
ここでは、導光板110Kの矩形状の4辺に沿って連続して溝110vが形成されている。したがって、導光板210の上面210a(図1参照)には、光反射性部材142の上面142aが格子状に現れる。なお、溝110vは、導光板110Kの矩形状の4辺に沿って連続して導光板110Kに形成されてもよいし、平面視において光源120Aを取り囲むように形成された複数の部分を含んでいてもよい。
この例では、導光板110Kと光反射性部材142との界面は、導光板110Kの上面110aに垂直な平面に対して傾いた傾斜面142sを形成している。導光板110Kの溝110vの具体的な形状は、図33に示す例に限定されず、V溝であってもよいし、U溝等であってもよい。溝110vは、導光板110Kの上面110aから下面110bまでを貫通するように導光板110Kに形成されてもよい。
配線基板260Kは、接着シート等によって光反射性部材140Kの下面140bに接合される。配線基板260Kの典型例は、フレキシブルプリント基板(FPC)である。FPCは、フィルム状の絶縁性の支持体と、例えば銅から形成された配線層とを有する。配線基板260Kの支持体の材料として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を適用することができる。
配線基板260Kは、例えば、光反射性部材140Kの下面140bに対向する上面260a側に位置する第1配線層と、上面260aとは反対側の下面260b側に位置する第2配線層とを含む複数の配線層を有し得る。第2配線層は、ドライバ等の外部の回路に接続される。第1配線層は、例えば配線基板260K内部のビアを介して第2配線層に電気的に接続される。
光源120Aは、はんだ等の接合部材30によって第1配線層に電気的および物理的に接続される。図33に示すように、光源120Aは、配線基板260Kに支持され、導光板110Kの第1穴部11Kの内部に位置する。光源120Aに代えて、上述した光源120C~120Eのいずれをも適用可能であることは言うまでもない。この例では、第1穴部11Kの内部は、第2透光性部材154で充填されている。第2透光性部材154は、上述の第2透光性部材150と同様に、シリコーン樹脂等の樹脂材料から形成され、ここでは、第2透光性部材154の上面154aは、導光板110Kの上面110aに概ね整合している。第2透光性部材154の上面154aは、平面状であってもよいし、湾曲を有していていてもよい。
また、この例では、配線基板260Kの上面260aのうち、第1穴部11Kと重なる領域に層状の光反射性部材144が形成されている。光反射性部材144は、例えば上述の光拡散層130と同様の材料から形成される。配線基板260K上に光反射性部材144を配置することにより、光源120Aから出射され、配線基板260Kに向かって進行する光を導光板110Kの上面110aに向けて反射させることができ、光の取出し効率を向上させ得る。