JP7059432B1 - 集合継手及び配管構造、建物 - Google Patents
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Abstract
Description
建物の最下層部(床下)における集合継手と脚部継手との接続について、排水管が占める空間を少なくするために、集合継手の下部を受口として、前記受口に挿入する立管の長さを調整する構造が開示されている(特許文献1)。
また、建物における床スラブの厚さに対応して、床スラブ集合継手と脚部継手との間の立管の長さを変更可能とする構造が開示されている(特許文献2)。
また、特許文献2の構造は集合継手と、接続部材と、立管と、がそれぞれ別部材であることから部材が多く、コストが高くなる課題がある。
本発明に係る集合継手は、上方に設けられた立管接続部と、側方に設けられた横管接続部と、下方に設けられた直管接続部と、を備える集合部と、前記直管接続部に接続される直管部と、を備え、前記直管部の上端は拡径された受口部であり、前記直管接続部が前記受口部の内側に配置される。
上側に位置する集合部が受口であるとき、受口と直管部との間に隙間が生じると、隙間に移動した排水は、重力に伴い下側に移動する。このとき、下側に位置する直管部よりも上側に位置する受口の方が外側に位置しているため、直管部によって排水をせき止めることができない。その結果、隙間から排水が漏れ出す。
この発明によれば、拡径部の内側に突起が設けられている。よって、直管部の内部に突起が設けられた分、排水の流速を減速することができる。これにより、上述の問題が発生することを防ぐことができる。
図1に示すように、本実施形態の配管構造1000は、高層マンションや商業ビル等の多層階建物(建物)に適用された一例である。この種の建物においては、各階の便器、化粧台、流し台等の衛生機器(排水設備)から排出される排水が、排水路を構成する立管100に図示略の横枝管300を介し流入される。本実施形態における配管構造1000は、特に建物の最下層部に配置されるものとする。
図1に示すように、配管構造1000は、立管100と、集合継手200と、横枝管300と、脚部継手400と、横主管500と、を備える。
立管100は、各階に設けられた排水設備からの排水を集合させて下方に導く。建物の最下階に設けられた立管100の下端部は、集合継手200に接続されている。
集合部210は、本体部211と、立管接続部212と、横管接続部213と、を備える。
ここで、集合部210内に多量の排水が流入したとき、集合継手200および配管内を流れる排水の流速が増加し、結果として配管内が負圧となることがある。これに対し、立管100から本体部211内に流入した排水が偏流板211Aに接触すると、集合継手200内を流れる排水が偏流する。これにより、集合継手200及び立管100内において通気を取りやすくし、配管構造1000内における圧力変動を減らす役割を有する。
本体部211に設けられる偏流板211Aの数は任意に選択可能である。例えば、1箇所のみに設けられてもよいし、本体部211の内周面において間隔をあけて複数設けられていてもよい。また、偏流板211Aは後述する立管接続部212の取付部212Aの内部に設けられていてもよい。
直管接続部211Bの内径は、直管部220(後述する)の内径と同じか、より大きいことが好ましい。また、直管接続部211Bの外径は、直管部220の外径と同じか、より大きいことが好ましい。
取付部212Aは、立管接続部212と本体部211とを接続する筒状の部材である。取付部212Aには、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂が好適に用いられる。立管接続部212と本体部211との取付は、例えば、接着が好適に用いられる。また、取付部212Aの内周面には、ゴム輪212Cが設けられている。
あるいは、立管接続部212の各構成部品を透明にすることで、立管接続部212の内部における立管100の挿入代を目視で確認してもよい。この場合は、挿入代の確認をより容易に行うことができる。
本実施形態において、横管接続部213は、取付部213Aと、カバー部213Bと、ゴム輪213Cと、を備える。
なお、横管接続部213は、横枝管300の挿入を規制するストッパーを設けていてもよい。このとき、ストッパーは本体部211の内部、または外部に位置するように設けられる。ストッパーが本体部211の外部にあり、横管接続部213が透明な場合には、横枝管300の挿入を外部から容易に確認できる。また、ストッパーが本体部211の内部にある場合、横枝管300を長くできるため適切な排水勾配にしやすい。
または、挿入された横管と横管接続部213とを接着により固定してもよい。この場合、ゴム輪213Cは設けられていなくてもよい。
あるいは、横管接続部213の各構成部品を透明にすることで、横管接続部213の内部における横枝管300の挿入代を目視で確認してもよい。この場合は、挿入代の確認をより容易に行うことができる。
直管部220は直線状の円筒であり、受口部220Aが一体に成形されている。直管接続部211Bは、受口部220Aに挿入されることで直管部220に接続される。直管接続部211Bと受口部220Aとの取付は、例えば、接着が好適に用いられるが、受口部220A内にゴム輪を設け、受口部220Aに直管接続部211Bを挿入することによってゴム輪を介して接続してもよい。
また、上述のように、脚部継手400に直管部220を接続する際、直管部220の下端を適宜切断することから、直管部220の下端部のみであればゲートを設けてもよい。
また、ゲートは複数設けてもよく、複数のゲート痕が直管部220の外面に形成されていてもよい。
また、直管部220の内径は立管100の内径と同じか、より大きいことが好ましい。 よって、集合継手200の一実施形態として、集合継手200を構成する各部の内径について、内径の小さい順に立管100、直管部220、直管接続部211B、受口部220Aとなる。これにより、立管100および横管接続部213からの排水が合流する集合部210の下部にある直管接続部211Bで排水が詰まりにくく、直管接続部211Bから下流側への排水をスムーズにできる。
また、直管部220を脚部継手400に接続する際は、施工現場の寸法に合わせて直管部220を切断することで適宜長さを調整可能である。
遮音カバー240は、内層側に設けられる吸音材と、外層に設けられる遮音材とを備える構造が好適に用いられる(不図示)。
図2に示すように、遮音カバー240の上端は受口部220Aよりも上に設けられ、下端部はスラブSの下面部よりも下側に設けられることが好ましい。
耐火材250は、熱膨張性黒鉛などの熱膨張性耐火材とバインダー樹脂とをシートに加工した耐火シートやバインダー樹脂と無機材料を混合したパテ状の耐火パテ、または環状に成形された耐火部材が好適に用いられる。耐火材250は、建物の火災時に熱膨張することで集合継手200の直管部220を変形させ、配管構造1000を閉塞する。これにより、配管構造1000の内部から火災時の煙が上層階へ移動することを防ぐ役割を有する。
なお、図2に示すように、受口部220Aと直管部220との境界にテーパ部220B又は突起部220Cが設けられている場合は、耐火材250は受口外面のテーパ部220B又は突起部220Cと重なってもよい。
また、上述のように、直管部220は、脚部継手400との接続部の位置に合わせて適宜切断される。このため、切断可能な直管部220の範囲をより大きくするため、耐火材250の高さ(スラブSの厚さ方向の長さ)は、20mm以上80mm以下の範囲とすることが好ましい。
耐火材250は少なくともスラブSに埋設される部位に設けられていればよく、耐火材250の一部がスラブSの貫通孔の外部に位置していてもよい。
上側に位置する集合部210が受口であるとき、受口と直管部220との間に隙間が生じると、隙間に移動した排水は、重力に伴い下側に移動する。このとき、下側に位置する直管部220よりも上側に位置する受口の方が外側に位置しているため、直管部220によって排水をせき止めることができない。その結果、隙間から排水が漏れ出すおそれがある。
また、拡径部の内側に突起が設けられている。よって、直管部220の内部に突起が設けられた分、排水の流速を減速することができる。これにより、上述の問題が発生することを防ぐことができる。
例えば、立管接続部212の取付部212A及び横管接続部213の取付部213Aは、本体部211に一体に成形されてもよい。
また、直管部220の材質には、熱膨張性耐火材(熱膨張性黒鉛)を含んでいてもよい。
また、集合部210や本体部211の周囲に着脱可能な遮音カバーを設けてもよい。これにより、集合継手200をスラブSの貫通孔に設置した後でも集合部210や本体部211に遮音カバーを設置することができる。
また、横管接続部213の周囲に遮音カバーを設けてもよく、横管接続部213がスラブSの上面と対向する位置に防振材を設けてもよい。これにより、横管接続部213で生じた音や振動をスラブSに伝搬させるのを防ぐことができる。
また、直管部220ではなく、集合部210の直管接続部211Bを長尺に形成し、長尺の直管接続部211Bを切断することで適宜長さを調整可能としてもよい。この場合、直管接続部211Bは直管部220以上の長さまたはスラブSの厚さ以上に成形されていてもよい。
また、耐火材250は直管部220の周囲ではなく、集合部210の直管接続部211Bの周囲に設けられていても良い。
また、直管接続部211Bと受口部220Aとの接続部は、建物におけるスラブS及びモルタルMの外部に位置するよう配置されていてもよい。例えば、横枝管300が高い位置にある場合には受口部220Aの上端をスラブSの上面よりも上側に配置し、高い位置にある横枝管300と横管接続部213とが接続できるようにしてもよいし、直管接続部211Bが長い場合には直管接続部211Bと受口部220Aとの接続部がスラブSの下面より下側に位置していてもよい。
200 集合継手
210 集合部
211B 直管接続部
212 立管接続部
213 横管接続部
220 直管部
220A 受口部
220B テーパ部
240 遮音カバー
300 横枝管
400 脚部継手
1000 配管構造
Claims (5)
- 建物の最下階に設けられた床スラブの貫通孔に設置され、立管と脚部継手とを接続するための集合継手であって、
上方に設けられた立管接続部と、側方に設けられた横管接続部と、下方に設けられた直管接続部と、を備える集合部と、
前記直管接続部に接続される直管部と、
を備え、
前記集合部と前記直管部はポリ塩化ビニル系樹脂で形成され、
前記直管部は、上端に受口部が一体に成形された円筒であり、
前記受口部の開口端部から前記直管部の下端までの長さが500mm以下であり、
前記受口部と前記直管部との間に環状の突起が設けられ、
前記突起は、前記直管部の外面に設けられた凹みに対応して前記直管部の内側に設けられ、
前記突起と管軸方向に重なる位置に耐火材が設けられ、
前記突起および前記耐火材は前記貫通孔に位置し、
前記円筒の内径は、前記立管の内径より大きく、かつ、前記直管接続部の内径より小さく、
前記直管接続部は、前記受口部に挿入され、前記受口部と接着されて前記直管部と接続される、
集合継手。 - 前記耐火材として複数の前記耐火材が積層されている、
請求項1に記載の集合継手。 - 建物の最下階に設けられた床スラブの貫通孔に設置され、立管と脚部継手とを接続するための集合継手であって、
上方に設けられた立管接続部と、側方に設けられた横管接続部と、下方に設けられた直管接続部と、を備える集合部と、
前記直管接続部に接続される直管部と、
を備え、
前記集合部と前記直管部はポリ塩化ビニル系樹脂で形成され、
前記集合部の内側かつ前記横管接続部よりも上側に偏流板が設けられ、
前記直管部は、上端に受口部が一体に成形された円筒であり、
前記受口部の開口端部から前記直管部の下端までの長さが500mm以下であり、
前記受口部と前記直管部との間に環状の突起が設けられ、
前記円筒の内径は、前記立管の内径より大きく、かつ、前記直管接続部の内径より小さく、
前記直管接続部は、前記受口部に挿入され、前記受口部と接着されて前記直管部と接続される、
集合継手。 - 建物の最下層部に用いられる配管構造であって、
立管と、
横枝管と、
脚部継手と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の集合継手と、
を備え、
前記集合継手の前記集合部には前記立管及び前記横枝管が接続され、
前記集合継手の前記直管部の下端は前記脚部継手に接続されている、
配管構造。 - 請求項4に記載の配管構造を備えている、建物。
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