JP7058448B2 - フローセル、フローチャンバ、粒子分別装置及び粒子分別装置用カートリッジ - Google Patents

フローセル、フローチャンバ、粒子分別装置及び粒子分別装置用カートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、フローセル、フローチャンバ、粒子分別装置及び粒子分別装置用カートリッジに関する。
バイオテクノロジーの発展に伴い、医学や生物学をはじめ様々な分野で、生物学的粒子の一例である多数の細胞粒子に対して分別または分析などの処理を行う装置の需要が増大してきている。このような装置の一例として、特開2017-201278号公報(特許文献1)は、セルソータを開示している。具体的には、特許文献1に開示されたセルソータは、フローセルと、透明窓部材と、光学機構とを備えている。フローセルには、シース液で包囲されたサンプル液が流れる。透明窓部材は、フローセルが配置されている空間から、光学機構を流体的に隔離している。光学機構は、レーザ光を照射された細胞粒子から放射された光(蛍光または散乱光)を検出して細胞粒子の識別情報を検出する受光部を含んでいる。細胞粒子から放射される蛍光または散乱光は、透明窓部材を通して、受光部に入射される。
特許文献1:特開2017-201278号公報
しかし、特許文献1に開示されたセルソータでは、受光部で受光し得る光の角度が限定されてしまい、細胞粒子を特徴付ける識別情報を高感度で検出することが困難であった。本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報を検出するとともに、向上された分別精度で粒子を分別することを可能にするフローセル、フローチャンバ、粒子分別装置及び粒子分別装置用カートリッジを提供することである。
本発明のフローセルは、フローセル本体部を備える。フローセル本体部は、第1端部と、第1端部とは反対側の第2端部と、第1端部と第2端部との間に延在する外側面とを有している。フローセル本体部にはフローチャネルが設けられている。第2端部にはフローチャネルに連通するノズル受容部が設けられている。フローチャネルは第1端部からノズル受容部まで延在している。ノズル受容部はフローチャネルに向かうにつれて先細となっている。本発明のフローセルは、凸レンズを備える。凸レンズは、フローセル本体部の外側面のうち第2端部に近位する部分上に取り付けられている。ノズル受容部は、凸レンズの光軸に対して第2端部に近位する側に位置している。
本発明のフローチャンバは、本発明のフローセルと、フローセルに取り付けられたチャンバとを備える。チャンバの空洞はフローチャネルに連通している。
本発明の粒子分別装置は、本発明のフローチャンバと、凸レンズに光学的に結合している検出光学系とを備える。検出光学系は検出側レンズ光学系を含む。
本発明の粒子分別装置用カートリッジは、本発明のフローチャンバと、フローチャンバを収容するカートリッジ筐体と、凸レンズに面する透明窓部材と、本発明のフローセルから排出された液滴を回収するサンプル収集部材とを備える。
本発明のフローセル、フローチャンバ、粒子分別装置及び粒子分別装置用カートリッジは、向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報を検出するとともに、向上された分別精度で粒子を分別することを可能にする。
実施の形態1の粒子分別装置の概略断面図である。 実施の形態1の粒子分別装置の概略部分拡大断面図である。 実施の形態1のフローセルの概略部分拡大断面図である。 実施の形態1のフローセルの図3に示される断面線IV-IVにおける概略部分拡大断面図である。 実施の形態1の粒子分別装置の光学系を示す概略図である。 実施の形態1の粒子分別装置の光学系を示す概略部分拡大図である。 実施の形態1の粒子分別装置に含まれる検出光学系の概略部分拡大図である。 実施の形態1の粒子分別装置に含まれる検出光学系の概略部分拡大図である。 実施の形態1の粒子分別装置に含まれるソート部及びサンプル収集部の概略部分拡大図である。 実施の形態1の粒子分別方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態1の粒子分別方法におけるフローチャネルを検出側レンズ光学系に対してアライメントするステップのフローチャートを示す図である。 実施の形態1の粒子分別方法における粒子を分別するステップのフローチャートを示す図である。 実施の形態2の粒子分別装置(粒子分別装置用カートリッジが筐体に装着されている)の概略断面図である。 実施の形態2の粒子分別装置(粒子分別装置用カートリッジが筐体から取り外されている)の概略断面図である。 実施の形態3の粒子分別装置の概略断面図である。 実施の形態3のフローセルの概略部分拡大断面図である。 実施例1の、FITCチャネルにおける蛍光データを示す図である。 実施例2の、PEチャネルにおける蛍光データを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1から図9を参照して、実施の形態1のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30を説明する。粒子分別装置30は、以下のようにして、サンプル液に含まれる粒子145(図3を参照)を分別する。サンプル液に含まれる粒子145に励起光111(図5及び図6を参照)を照射する。粒子145から放射された光117(例えば、蛍光または散乱光。図3から図5を参照)を検出することによって得られる粒子145の固有の識別情報に基づいて、フローセル90から噴出される液滴144に選択的に電荷を与える。液滴144が落下する経路上に、直流電場を形成して、液滴144の進路を振り分ける。こうして、液滴144に含まれる粒子145は分別される。粒子145は、例えば、細胞粒子のような生体粒子である。
粒子分別装置30は、フローチャンバ40と、振動電極60と、振動素子74と、電荷供給部76と、透明窓部材121と、検出光学系123と、ソート部150(偏向板151,152。図9を参照)と、収集部153(サンプル収集部材154,155、廃液回収部材156。図9を参照)と、アライメント部80と、制御部170と、筐体35とを主に備える。フローチャンバ40は、フローセル90と、チャンバ41とを含む。
筐体35は、隔壁36を含む。隔壁36は、筐体35の内部空間を、第1空間37と第2空間38とに仕切る。第1空間37は、隔壁36によって、第2空間38から流体的に隔離されている。第1空間37は、筐体35によって、外部空間から流体的に隔離されている。
第1空間37には、フローチャンバ40(フローセル90、チャンバ41)が収容されている。第1空間37には、ソート部150(偏向板151,152)と、収集部153とが収容されている。本実施の形態では、第1空間37は、閉鎖空間であり、第1空間37内は気密状態に保たれている。第1空間37の内部は、過酸化水素水の蒸気などによって滅菌処理され得る。液滴144が収集部153に衝突する等のために、ソート部150(偏向板151,152)及び収集部153が位置する第1空間37の下方部分にエアロゾルが発生する。第1空間37の下方部分は、エアロゾルで汚染される。第1空間37を過酸化水素水の蒸気などによって滅菌処理することによって、エアロゾルによる第1空間37の下方部分の汚染が確実に除去され得る。第1空間37では無菌状態が確保されて、無菌環境下で、サンプル液に含まれる粒子145を分別することができる。
第2空間38には、振動素子74と、検出光学系123と、アライメント部80と、制御部170とが収容されている。
チャンバ41は、その内部に空洞42が設けられている。チャンバ41には、空洞42に連通する第1入口43及び第2入口44が設けられている。第1入口43には、サンプル液源部50に接続されている第1導管51が挿入される。サンプル液源部50は、粒子145を含むサンプル液を貯蔵しており、第1空間37内に配置されている。第1導管51を通じて、サンプル液源部50から、粒子145を含むサンプル液がチャンバ41の空洞42に供給される。
第2入口44には、シース液源部52に接続されている第2導管53が挿入される。シース液源部52は、シース液を貯蔵しており、筐体35(第1空間37)の外部に配置されている。第2導管53は、筐体35を貫通している。シース液源部52は筐体35(第1空間37)の外部に配置されているため、シース液に菌が混入することがある。この菌を除去するために、第2導管53内にフィルタ54が設けられている。第2導管53を通じて、シース液源部52からシース液がチャンバ41の空洞42に供給される。シース液で満たされたチャンバ41の空洞42内にサンプル液を供給する。こうして、チャンバ41の空洞42内において、サンプル液がシース液で包囲されるシースフローが形成される。
フローセル90は、チャンバ41に取り付けられている。フローセル90は、チャンバ41に着脱可能に結合されてもよい。フローセル90は、フローセル本体部91を含む。フローセル本体部91は、石英のような透明無機材料で形成されてもよいし、透明樹脂材料で形成されてもよい。
フローセル本体部91は、第1端部92aと、第1端部92aとは反対側の第2端部92bと、第1端部92aと第2端部92bとの間に延在する外側面92sとを有している。フローセル本体部91の第1端部92aは、チャンバ41に近位する端部である。フローセル本体部91の第2端部92bは、チャンバ41に遠位する端部である。
フローセル本体部91にはフローチャネル95が設けられている。フローセル本体部91の第2端部92bには、フローチャネル95に連通するノズル受容部93が設けられている。フローチャネル95は、第1端部92aからノズル受容部93まで延在している。フローチャネル95は、チャンバ41の空洞42に連通している。シース液で包囲されたサンプル液は、空洞42からフローセル90のフローチャネル95に流れる。図3に示されるように、フローチャネル95では、フローチャネル95の中心軸に沿って、サンプル液に含まれる粒子145が一列に配列される。個々の粒子145は、例えば、一つ以上の種類の標識材料(例えば、蛍光色素)で標識されている。
図4に示されるように、フローセル90では、第3の方向(y方向)におけるフローチャネル95の第1長さL1は、第2の方向(x方向)におけるフローチャネル95の第2長さL2よりも大きい。第2の方向(x方向)は、凸レンズ120の光軸120pが延在する方向である。第3の方向(y方向)は、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と第2の方向(x方向)とに垂直である。そのため、粒子145から放射された光117のうちフローチャネル95によってケラレる光の量が減少する。
フローセル90は、凸レンズ120をさらに含む。図3に示されるように、凸レンズ120は、粒子145から放射された光117を屈折させて、光117の拡がり角を減少させる。そのため、凸レンズ120は、より広い角度範囲に放射された光117を検出光学系123に導くことができる。凸レンズ120は、石英のような透明無機材料で形成されてもよいし、透明樹脂材料で形成されてもよい。凸レンズ120は、フローセル本体部91と同じ材料で形成されてもよいし、フローセル本体部91とは異なる材料で形成されてもよい。
凸レンズ120は、フローセル本体部91の外側面92sのうち第2端部92bに近位する部分(第1端部92aに遠位する部分)上に取り付けられている。そのため、ノズルチャネル106を凸レンズ120の光軸120pに近づけることができる。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。なお、本明細書において、第2端部92bに近位する当該部分は、フローセル本体部91の外側面92sのうち、第1端部92aと第2端部92bとの間の中間線に対して第2端部92b側の部分を意味する。
フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pとノズル受容部93に近位するフローチャネル95の端部96との間の第1距離d1(図3を参照)は、例えば、2.0mm以下である。第1距離d1は、1.5mm以下であってもよく、1.0mm以下であってもよい。ノズルチャネル106は凸レンズ120の光軸120pの近くに配置され得る。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。
凸レンズ120は、フローセル本体部91の外側面92sに直接取り付けられている。そのため、凸レンズ120とフローチャネル95の表面との間の距離が減少する。凸レンズ120は、より広い角度範囲に放射された光117を検出光学系123に導くことができる。向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報が検出され得る。本明細書において、凸レンズ120がフローセル本体部91の外側面92sに直接取り付けられていることは、凸レンズ120とフローセル本体部91との間に、透明窓部材121及びレンズのような他の光学部材が介在していないことを意味する。凸レンズ120は、例えば、フローセル本体部91の外側面92sに融着されている。凸レンズ120は、フローセル本体部91と一体成形されてもよい。凸レンズ120は、例えば、透明接着剤を用いてフローセル本体部91の外側面92sに接着されてもよい。
凸レンズ120の開口数NAは、例えば、0.80以上である。凸レンズ120の開口数NAは、0.90以上であってもよく、1.00以上であってもよい。そのため、凸レンズ120は、より広い角度範囲に放射された光117を検出光学系123に導くことができる。向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報が検出され得る。なお、本明細書では、凸レンズ120の開口数NAは、フローセル本体部91の屈折率nと、sinθとの積で与えられる。第1角度θは、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pと、凸レンズ120によって検出光学系123に導かれるフローセル本体部91内の光117との間の最大角度である。言い換えると、第1角度θは、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pと、凸レンズ120によって捕捉されるフローセル本体部91内の光117との間の最大角度である。第1角度θは、sin-1(NA/n)で与えられる。
凸レンズ120は、作動距離WD(図7を参照)を長くすることができる。作動距離WDは、例えば、10mm以上である。そのため、凸レンズ120と検出光学系123との間に透明窓部材121を配置しても、透明窓部材121が検出光学系123に機械的に干渉することなく、検出光学系123を粒子分別装置30に容易に組み込むことができる。なお、作動距離WDは、検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)における、フローチャネル95の表面と、検出側レンズ光学系124のうち最もフローセル90の近くに配置されたレンズ124aのフローセル90に近位する側の表面との間の距離として定義される。
ノズル受容部93は、凸レンズ120の光軸120pに対して第2端部92bに近位する側に位置している。ノズル受容部93はフローチャネル95に向かうにつれて先細となっている。そのため、粒子145から放射された光117のうちノズル受容部93のテーパ面94(ノズル100)によってケラレる光の量が減少する。向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報が検出され得る。フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、ノズル受容部93のテーパ面94と光軸120pとの間の第2角度αは、30°以上である。第2角度αは、35°以上であってもよく、40°以上であってもよい。第2角度αは、70°以下であってもよく、60°以下であってもよい。特定的には、フローセル90は、光117がノズル受容部93のテーパ面94(ノズル100)によってケラレないように構成されている。例えば、第2角度αは、第1角度θ以上である。そのため、向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報が検出され得る。
凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)からの平面視において、ノズル受容部93は、凸レンズ120の一部に重なっている。そのため、ノズルチャネル106を凸レンズ120の光軸120pに近づけることができる。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で粒子145は分別され得る。
図5に示されるように、光源部110から、フローチャネル95において一列に配列された粒子145の各々に、励起光111が照射される。励起光111は、一つ以上の波長の光を含んでいる。本実施の形態では、励起光111は、複数の波長の光を含んでいる。図5及び図6に示されるように、光源部110は、例えば、レーザ部110a,110b,110c,110d,110e,110f,110gを含む。レーザ部110a,110b,110c,110d,110e,110f,110gが放射するレーザ光の波長は、互い異なっている。複数の波長の光を含む励起光111は、各粒子145の複数の識別情報を一度に得ることを可能にする。粒子145が効率的に分別され得る。
図5及び図6に示されるように、光源部110から放射された励起光111は、光路変換部112を介して、フローチャネル95を流れる粒子145に照射される。光路変換部112は、例えば、反射ミラーである。粒子145から、光117が放射される。光源部110と光路変換部112とを含む入射光学系は、筐体35に固定されている。
透明窓部材121は、隔壁36の開口部36bに気密に嵌め込まれており、筐体35(隔壁36)に固定されている。透明窓部材121は、凸レンズ120に面している。透明窓部材121は、凸レンズ120と検出光学系123との間に配置されている。透明窓部材121は、検出光学系123を第1空間37から流体的に分離している。そのため、透明窓部材121は、液滴144が収集部153に衝突する等のために第1空間37に発生するエアロゾルによって、検出光学系123が汚染されることが防止され得る。また、第1空間37に滅菌用の気体を供給して第1空間37を滅菌処理しても、滅菌用の気体が検出光学系123に接触することが防止される。このため、当該気体により検出光学系123がダメージを受けることが防止される。
検出光学系123は、凸レンズ120に光学的に結合されている。粒子145から放射された光117は、凸レンズ120及び透明窓部材121を通って、検出光学系123に入射する。検出光学系123は筐体35(隔壁36)に固定されてもよい。検出側レンズ光学系124は、透明窓部材121に対して凸レンズ120に遠位する側に配置されている。検出光学系123は、検出側レンズ光学系124を含む。検出側レンズ光学系124は、一つ以上のレンズによって構成されている。図7に示されるように、本実施の形態では、検出側レンズ光学系124は、複数のレンズ124a,124b,124c,124d,124e,124f,124g,124h,124i,124j,124kによって構成されている。検出側レンズ光学系124は、粒子145から放射された光117を、低い色収差及び低い像収差で、光ファイバアレイ130の入射面に結像させるように構成されている。
図1、図5及び図8に示されるように、検出光学系123は、光ファイバアレイ130と、光検出部132とをさらに含む。光ファイバアレイ130は、検出側レンズ光学系124と、光検出部132との間に配置されている。光ファイバアレイ130を構成する複数の光ファイバ130fは、複数のレーザ部110a,110b,110c,110d,110e,110f,110gにそれぞれ対応するように、配置される。光ファイバアレイ130は、光117を光検出部132に伝送する。
光検出部132は、複数の光検出器132fを含む。複数の光検出器132fは、例えば、光電子増倍管である。検出光学系123は、波長分離部131(図示せず)をさらに含んでもよい。波長分離部131は、光ファイバアレイ130と光検出部132との間に配置されて、光117を分光する。波長分離部131は、波長フィルタ131fと、反射ミラー131gとを含む。
振動電極60は、チャンバ41の空洞42からチャンバ41の外部に延在する。振動電極60は、振動電極部分61と、導電部分65とを含む。導電部分65は、隔壁36の開口部36aに挿入されている。導電部分65は、隔壁36の開口部36aを通って、第2空間38から第1空間37まで延在している。具体的には、導電部分65は、絶縁スリーブ70内に収容されている。絶縁スリーブ70は、封止部材72の孔に挿入されている。封止部材72は、隔壁36の開口部36aに挿入されている。封止部材72は、例えば、ゴムシールのような弾性シールである。封止部材72は、弾性変形し得る。
フローチャンバ40は、振動電極部分61を含む。振動電極部分61は、チャンバ41に設けられている。振動電極部分61は、チャンバ41の空洞42からチャンバ41の外部に延在する。振動電極部分61は、隔壁36に面するチャンバ41の側面上に設けられている。振動電極部分61は、第1フランジ部62と、第1フランジ部62から延在する第1軸部63とを含む。第1フランジ部62は、隔壁36に面するチャンバ41の側面上に設けられている。第1軸部63は、チャンバ41の当該側面からチャンバ41の空洞42まで延在している。第1軸部63の端面63aは、チャンバ41の空洞42に露出している。第1軸部63の端面63aは、チャンバ41の空洞42の表面46に滑らかに連なっている。そのため、チャンバ41の空洞42内におけるシース液及びサンプル液の流れが振動電極部分61の端面63aにより乱されることが防止され得る。振動電極部分61は、複数の凸部64を含む。複数の凸部64は、第1フランジ部62に設けられている。
導電部分65は、第2フランジ部66と、第2フランジ部66から延在する第2軸部67とを含む。第2フランジ部66は、第1フランジ部62に面している。導電部分65には、複数の凹部68が形成されている。複数の凹部68は、第2フランジ部66に形成されている。複数の凸部64は複数の凹部68に嵌合されて、振動電極部分61は導電部分65に電気的及び機械的に接続される。振動電極部分61は、導電部分65に対して安定的に位置決めされ得る。複数の凸部64と複数の凹部68とは、導電部分65に対する振動電極部分61の位置を規定する位置決め機構として機能する。位置決め機構としては、例えば、振動電極部分61に複数の凹部68を形成し、導電部分65に複数の凸部64を形成してもよい。振動電極部分61と導電部分65との間の電気的接続性を向上させるため、振動電極部分61と導電部分65との接続部に、金属層(例えば、ニッケルメッキ層)を形成してもよい。
図2に示されるように、振動電極部分61は、導電部分65に対して着脱可能に接続されている。そのため、フローチャンバ40(またはチャンバ41)は、筐体35(隔壁36)に対して着脱可能である。使用済みのフローチャンバ40(またはチャンバ41)を、放射線または熱を印加することによって滅菌処理を行ったフローチャンバ40(またはチャンバ41)に交換してもよい。無菌状態での粒子145の分別が、低コストで行われ得る。
振動素子74は、振動電極60に接続されている。具体的には、振動素子74は、導電部分65に結合されている。振動素子74はリング状の形状を有しており、導電部分65は振動素子74の孔に挿入されている。振動素子74から導電部分65に印加された超音波振動は、振動電極部分61に伝播し、さらにチャンバ41の空洞42内のシースフローとジェットフロー140とに伝わる。振動電極部分61は、チャンバ41の空洞42内のシース液およびサンプル液とジェットフロー140とに、超音波振動を伝達する。振動素子74は、例えば、ピエゾ圧電素子である。
導電部分65は、電荷供給部76に接続されている。電荷供給部76は、導電部分65に電荷を供給する。導電部分65に供給された電荷は、振動電極部分61を介してチャンバ41の空洞42内のシースフローとジェットフロー140とに供給される。振動電極部分61は、チャンバ41の空洞42内のシース液およびサンプル液とジェットフロー140とに、電荷を供給する。この電荷は、粒子145を含む液滴144をソート部150で分別するために、液滴144に供給される。
振動電極60は、チャンバ41が配置された第1空間37に電気配線のコネクタを露出させることなく、チャンバ41の空洞42内のシースフローとジェットフロー140とに、電荷及び超音波振動を供給することを可能にする。そのため、サンプル液のエアロゾルによる汚染を除去するために第1空間37を滅菌用の気体を用いて滅菌処理するときに、振動電極部分61の上記コネクタが滅菌用の気体によりダメージを受けることが防止され得る。第1空間37が、殺菌用の気体を用いて、容易に滅菌処理され得る。
図1及び図3に示されるように、フローセル90は、ノズル100をさらに備える。ノズル100は、フローセル本体部91と同じ材料で形成されてもよいし、フローセル本体部91と異なる材料で形成されてもよい。本実施の形態では、フローセル本体部91は石英で形成されているのに対し、ノズル100は金属材料で形成されている。ノズル100を金属材料で構成することによって、ノズル100のコストが減少され得る。
ノズル100は、テーパ状の第3端部104を含む。ノズル100の第3端部104には、フローチャネル95に連通するノズルチャネル106が設けられている。第3端部104はテーパ状であるため、粒子145から放射された光117のうちノズル100によってケラレる光の量が減少する。第3端部104はノズル受容部93に収容されている。そのため、ノズルチャネル106を凸レンズ120の光軸120pに近づけることができる。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。第3端部104は凸レンズ120の光軸120pに対して第2端部92bに近位する側に位置している。
第3角度βは、第2角度αに等しい。第3角度βは、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面における、ノズル100のテーパ面101と光軸120pとの間の角度である。そのため、ノズル100のテーパ面101は、ノズル受容部93のテーパ面94に面接触する。ノズル100は、フローチャネル95にセルフアライメントされて、ノズルチャネル106は、フローチャネル95にアライメントされる。向上された分別精度で粒子145は分別され得る。
フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、第3角度βは、30°以上である。第3角度βは、35°以上であってもよく、40°以上であってもよい。第3角度βは、70°以下であってもよく、60°以下であってもよい。特定的には、ノズル100は、光117がノズル100によってケラレないように構成されている。例えば、第3角度βは、第1角度θ以上である。そのため、向上された感度で粒子を特徴付ける識別情報が検出され得る。
ノズルチャネル106から、サンプル液がシース液で包囲されたジェットフロー140が噴出する。ジェットフロー140は、フローチャネル95よりも小さな断面積を有するノズルチャネル106から噴出し、かつ、ジェットフロー140には、振動素子74で発生した振動が伝達されている。そのため、ジェットフロー140の下端部であるブレイクオフポイントにおいて、ジェットフロー140が液滴144に分離する。
フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pとフローチャネル95に近位するノズルチャネル106の端部107との間の第2距離d2(図3を参照)は、凸レンズ120の開口数(NA)と、凸レンズの倍率と、光ファイバアレイ130において互いに隣り合う2本の光ファイバ130fの間の中心間隔とによって決定される。第2距離d2は、第1距離d1に等しい、または、第1距離d1よりも大きい。第2距離d2は、例えば、2.0mm以下である。第2距離d2は、1.5mm以下であってもよく、1.0mm以下であってもよい。ノズルチャネル106は凸レンズ120の光軸120pの近くに配置される。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。
ノズル100には、フローチャネル95及びノズルチャネル106に連通するテーパチャネル108が設けられてもよい。テーパチャネル108は、ノズルチャネル106に対してフローチャネル95に近位する側に設けられており、かつ、ノズルチャネル106に接続されている。テーパチャネル108は、ノズルチャネル106に近づくにつれて先細となる形状を有している。テーパチャネル108の断面積は、ノズルチャネル106に近づくにつれて次第に減少している。そのため、フローチャネル95から流れ出たシースフローがノズルチャネル106に流入する際に、シースフローに乱流が発生することが抑制される。シースフロー中のサンプル液の位置が乱れることが抑制され得る。そのため、向上された分別精度で粒子145が分別され得る。
フローチャネル95に近位するテーパチャネル108の端部は、例えば、フローチャネル95と同じ断面積を有している。ノズルチャネル106に近位するテーパチャネル108の端部は、例えば、ノズルチャネル106と同じ断面積を有している。ノズルチャネル106の断面積は、ノズルチャネル106が延在する方向(z方向)に垂直な断面におけるノズルチャネル106の面積である。テーパチャネル108の断面積は、テーパチャネル108が延在する方向(z方向)に垂直な断面におけるテーパチャネル108の面積である。
ノズル100には、ノズルチャネル106に連通するノズル空洞部105が設けられている。ノズル空洞部105は、ノズルチャネル106及びフローチャネル95よりも大きな断面積を有している。ノズル空洞部105の断面積は、ノズル空洞部105が延在する方向(z方向)に垂直な断面におけるノズル空洞部105の面積である。ジェットフロー140は、ノズル空洞部105を通って、ノズル100の外部に噴出する。ノズル100は、フローセル本体部91の第2端部92bに接触するフランジ部103を含んでいる。
図9に示されるように、ソート部150は、一対の偏向板151,152を含む。偏向板151,152は基本的に同様の構成を備えている。偏向板151を代表例としてその構成を説明する。偏向板151には隔壁36に向けて延びる延在部151aが形成されている。コネクタ160は、隔壁36の開口部36cに気密に嵌合されている。コネクタ160には、開口部161が形成されている。延在部151aは、開口部161に挿入される。偏向板151は、コネクタ160に着脱可能であってもよい。延在部151aと開口部161の内壁との間に封止部材としてのOリング162が配置されている。延在部151aは、配線を介して制御部170に接続されている。
偏向板151,152の間に電圧を印加することで、偏向板151,152の間に電場が形成される。光検出部132によって検出された各粒子145の識別情報に応じた電荷が、振動電極部分61から、チャンバ41の空洞42内のシースフロー及びジェットフロー140を介して液滴144に供給される。液滴144は、偏向板151,152の間の電場により力を受ける。液滴144に供給された電荷に応じて、液滴144の落下方向が変更される。
図9に示されるように、収集部153は、複数のサンプル収集部材154,155と、廃液回収部材156とを含む。サンプル収集部材154,155は、筐体35(隔壁36)に取り付けられている。サンプル収集部材154,155は、筐体35(隔壁36)に着脱可能に取り付けられてもよい。ソート部150において落下方向が変更された液滴144は、それぞれ、対応するサンプル収集部材154,155に捕集される。こうして、液滴144に含まれる粒子145を、その識別情報に応じて分別することができる。不要な液滴144は、廃液回収部材156に捕集される。
図1を参照して、アライメント部80は、検出側レンズ光学系124に対してフローチャネル95をアライメントするように構成されている。アライメント部80は、例えば、三軸移動機構であり、フローチャネル95を、第1の方向(z方向)と第2の方向(x方向)と第3の方向(y方向)とに動かすように構成されている。アライメント部80は、固定部79を介して、隔壁36に取り付けられている。アライメント部80は、可動部材78を介して、振動電極60(導電部分65)に連結されている。封止部材72が弾性変形し得る範囲(例えば、±1.0mmの弾性変形量)内で、振動電極60(導電部分65)は移動し得る。アライメント部80は、可動部材78及び振動電極60を移動させて、フローチャンバ40(チャンバ41)を移動させる。
図1及び図5に示されるように、粒子分別装置30は、撮像部137と、反射部材134とをさらに備える。反射部材134は、例えば、ハーフミラーである。反射部材134は、検出側レンズ光学系124と光ファイバアレイ130との間に配置される。反射部材134は、粒子145から放射される光117の少なくとも一部を、撮像部137に向けて反射する。フローチャネル95の画像と、粒子145から放射される光117の画像とは、撮像部137によって取得される。撮像部137で取得されたこれら画像のデータは、制御部170に出力される。
撮像部137から出力される画像のデータに基づいて、制御部170はアライメント部80を制御する。例えば、粒子145から放射される光117の強度が最大となるように、制御部170はアライメント部80を制御する。アライメント部80は、可動部材78及び振動電極60を介して、フローチャンバ40を移動させる。こうして、フローチャネル95は、入射光学系及び検出光学系123(検出側レンズ光学系124)に対してアライメントされる。フローチャンバ40を粒子分別装置30に装着するたびに、アライメント部80を用いて、フローチャネル95が、励起光111の光軸及び検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)に対してアライメントされる。そのため、粒子分別装置30の高い粒子検出感度が維持され得る。
粒子分別装置30は、反射部材134を移動させる反射部材駆動部135をさらに備えてもよい。フローチャンバ40を検出光学系123に対してアライメントする際には、反射部材駆動部135は、反射部材134を検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)上に位置させる。粒子145から放射された光117を検出して各粒子145を特徴付ける固有の識別情報を検出する際には、反射部材駆動部135は、反射部材134を検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)から退避させる。そのため、粒子145から放射された光117を検出して各粒子145を特徴付ける固有の識別情報を検出する際に、粒子145から放射された光117の一部が、反射部材134によって、光検出部132に到達しなくなることが防止される。粒子分別装置30の粒子検出感度が低下することが防止される。
制御部170は、振動素子74と、電荷供給部76と、アライメント部80と、光検出部132と、反射部材駆動部135と、撮像部137と、偏向板151,152とに電気的に接続されている。制御部170は、振動素子74を制御して、振動素子74から振動電極60に印加される超音波振動のオン/オフ及び周波数などを制御するように構成されている。制御部170は、アライメント部80を制御して、フローチャンバ40の移動方向及び移動距離を制御するように構成されている。
制御部170は、電荷供給部76を制御している。具体的には、制御部170は、光検出部132によって検出された各粒子145の識別情報を受信し、この識別情報に応じて、電荷供給部76から振動電極60に供給される電荷の極性及び量を制御するように構成されている。制御部170は、反射部材駆動部135を制御するように構成されている。制御部170は、撮像部137が取得したフローチャネル95の画像のデータ及び粒子145から放射される光117の画像のデータを受信し、これら画像のデータに基づいてアライメント部80を制御するように構成されている。制御部170は、偏向板151,152の間に印加される電場を制御するように構成されている。
図10から図12を参照して、粒子分別装置30を用いた粒子分別方法を説明する。
図10を参照して、本実施の形態の粒子分別方法は、フローチャンバ40を筐体35(隔壁36)に装着すること(S10)を備える。具体的には、フローチャンバ40、第1導管51及び第2導管53に放射線または熱を印加することによって、フローチャンバ40、第1導管51及び第2導管53を滅菌処理する。チャンバ41の第1入口43に第1導管51を挿入し、チャンバ41の第2入口44に第2導管53を挿入する。フローチャンバ40を、筐体35の隔壁36に装着する。具体的には、振動電極部分61を、筐体35(隔壁36)に固定された導電部分65に装着する。振動電極部分61の複数の凸部64が、導電部分65の複数の凹部68に嵌合される。振動電極部分61は、導電部分65に対して位置決めされる。
図10を参照して、本実施の形態の粒子分別方法は、フローチャネル95を検出光学系123に対してアライメントすること(S20)を備える。すなわち、アライメント部80を用いて、フローチャンバ40が検出光学系123に対してアライメントされる。
図11を参照して、反射部材駆動部135を用いて、反射部材134を検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)上に位置させる(S21)。サンプル液及びシース液をチャンバ41の空洞42に供給する(S22)。具体的には、シース液が、第2導管53を通じて、シース液源部52からがチャンバ41の空洞42に供給される。チャンバ41の空洞42は、シース液で満たされる。それから、サンプル液が、第1導管51を通じて、サンプル液源部50からチャンバ41の空洞42に供給される。チャンバ41の空洞42内において、サンプル液がシース液で包囲されたシースフローが形成される。シースフローは、チャンバ41の空洞42からフローセル90のフローチャネル95に流れる。フローチャネル95では、フローチャネル95の中心軸に沿って、サンプル液に含まれる粒子145が一列に配列される。個々の粒子145は、例えば、一つ以上の種類の標識材料(例えば、蛍光色素)で標識されている。
光源部110を用いて、励起光111を、フローチャネル95において一列に配列された個々の粒子145に照射する(S23)。粒子145は、光117を放射する。粒子145から放射された光117は、凸レンズ120、透明窓部材121及び検出側レンズ光学系124を通って、反射部材134に入射する。光117の少なくとも一部は反射部材134で反射されて、撮像部137に入射する。撮像部137を用いて、フローチャネル95の画像と、粒子145から放射される光117の画像とを取得する(S24)。撮像部137は、これら画像のデータを、制御部170に出力する。
撮像部137で取得された画像のデータに基づいて、フローチャンバ40を検出光学系123に対してアライメントする(S25)。撮像部137から出力される画像のデータに基づいて、制御部170はアライメント部80を制御する。光源部110と光路変換部112とを含む入射光学系と、検出光学系123とは、筐体35(隔壁36)に固定されている。粒子145から放射される光117の強度が最大となるように、制御部170はアライメント部80を制御する。アライメント部80は、可動部材78及び振動電極60を介して、フローチャンバ40を移動させる。こうして、フローチャネル95は、入射光学系及び検出光学系123(検出側レンズ光学系124)に対してアライメントされる。それから、反射部材駆動部135を用いて、反射部材134を検出光学系123の光軸(凸レンズ120の光軸120p)から退避させる(S26)。
図10を参照して、本実施の形態の粒子分別方法は、粒子145を分別することを備える(S30)。図12を参照して、具体的には、サンプル液及びシース液をチャンバ41の空洞42に供給する(S31)。チャンバ41の空洞42内において、サンプル液がシース液で包囲されたシースフローが形成される。シースフローは、チャンバ41の空洞42からフローセル90のフローチャネル95に流れる。フローチャネル95では、フローチャネル95の中心軸に沿って、サンプル液に含まれる個々の粒子145が一列に配列される。個々の粒子145は、例えば、一つ以上の種類の標識材料(例えば、蛍光色素)で標識されている。
光源部110を用いて、励起光111を、フローチャネル95において一列に配列された個々の粒子145に照射する(S32)。粒子145は、光117を放射する。粒子145から放射された光117は、凸レンズ120、透明窓部材121及び検出側レンズ光学系124を通って、光ファイバアレイ130に入射する。粒子145から放射された光117は、光ファイバアレイ130の入射面に結像する。光ファイバアレイ130は、粒子145から放射された光117を光検出部132に伝送する。粒子145から放射された光117は、光検出部132で検出されて、各粒子145を特徴付ける識別情報を検出する(S33)。粒子145から放射された光117は、波長分離部131で分光されて、それから光検出部132で検出されてもよい。
光検出部132によって検出された各粒子145の識別情報に応じた電荷を液滴144に供給する(S34)。具体的には、光検出部132によって検出された各粒子145の識別情報に応じた電荷が、振動電極部分61から、チャンバ41の空洞42内のシースフロー及びジェットフロー140を介して液滴144に供給される。不要な液滴144には、電荷は供給されない。
各粒子145の識別情報に応じて、粒子145を分別する(S35)。具体的には、偏向板151,152の間に電圧を印加して、偏向板151,152の間に電場を形成する。液滴144はこの電場により力を受ける。液滴144に供給された電荷に応じて、液滴144の落下方向が変更される。落下方向が変更された液滴144は、それぞれ、対応するサンプル収集部材154,155に捕集される。こうして、液滴144に含まれる粒子145を、粒子145の識別情報に応じて分別することができる。不要な液滴144は、廃液回収部材156に捕集される。
本実施の形態のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30の効果を説明する。
本実施の形態のフローセル90は、フローセル本体部91を備える。フローセル本体部91は、第1端部92aと、第1端部92aとは反対側の第2端部92bと、第1端部92aと第2端部92bとの間に延在する外側面92sとを有している。フローセル本体部91には、フローチャネル95が設けられている。第2端部92bには、フローチャネル95に連通するノズル受容部93が設けられている。フローチャネル95は、第1端部92aからノズル受容部93まで延在している。ノズル受容部93は、フローチャネル95に向かうにつれて先細となっている。フローセル90は、凸レンズ120をさらに備える。凸レンズ120は、フローセル本体部91の外側面92sのうち第2端部92bに近位する部分上に取り付けられている。ノズル受容部93は、凸レンズ120の光軸120pに対して第2端部92bに近位する側に位置している。
粒子145から放射された光117は、フローセル本体部91の外側面92sに取り付けられている凸レンズ120で屈折される。凸レンズ120は、光117の拡がり角を減少させる。凸レンズ120は、より広い角度範囲に放射された光117を検出光学系123に導くことができる。また、ノズル受容部93はフローチャネル95に向かうにつれて先細となっているため、粒子145から放射された光117のうちノズル100によってケラレる光の量が減少する。フローセル90は、より多くの光117によってフローチャネル95を流れる各粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。そのため、フローセル90は、向上された感度で各粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。
凸レンズ120は、フローセル本体部91の外側面92sのうち第2端部92bに近位する部分上に取り付けられている。そのため、ノズルチャネル106を凸レンズ120の光軸120pに近づけることができる。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。フローセル90は、向上された分別精度で粒子145を分別することを可能にする。
本実施の形態のフローセル90では、第2角度αは、第1角度θ以上である。第1角度θは、sin-1(NA/n)で与えられる。NAは、凸レンズ120の開口数を表し、nはフローセル本体部91の屈折率を表す。第2角度αは、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面における、ノズル受容部93のテーパ面94と凸レンズ120の光軸120pとの間の角度である。そのため、凸レンズ120によって検出光学系123に導かれるフローセル本体部91内の光117が、ノズル受容部93のテーパ面94(ノズル100)によってケラレることが防止され得る。フローセル90は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。
本実施の形態のフローセル90では、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、ノズル受容部93のテーパ面94と凸レンズ120の光軸120pとの間の角度は30°以上である。粒子145から放射された光117のうちノズル受容部93のテーパ面94(ノズル100)によってケラレる光の量が減少する。フローセル90は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。
本実施の形態のフローセル90では、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pとノズル受容部93に近位するフローチャネル95の端部96との間の第1距離d1は、2.0mm以下である。そのため、ノズルチャネル106は凸レンズ120の光軸120pの近くに配置され得る。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。
本実施の形態のフローセル90では、第3の方向(y方向)におけるフローチャネル95の第1長さL1は、第2の方向(x方向)におけるフローチャネル95の第2長さL2よりも大きい。第2の方向(x方向)は、凸レンズ120の光軸120pが延在する方向である。第3の方向(y方向)は、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と第2の方向(x方向)とに垂直である。そのため、粒子145から放射された光117のうちフローチャネル95の表面でケラレる光の量が減少する。フローセル90は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。
本実施の形態のフローセル90は、ノズル100をさらに備える。ノズル100は、テーパ状の第3端部104を含む。第3端部104はノズル受容部93に収容されている。ノズル100にはフローチャネル95に連通するノズルチャネル106が設けられている。ノズルチャネル106はフローチャネル95よりも小さな断面積を有している。第3端部104は、凸レンズ120の光軸120pに対して第2端部92bに近位する側に位置している。
第3端部104はテーパ状である。第3端部104は、凸レンズ120の光軸120pに対して第2端部92bに近位する側に位置している。そのため、粒子145から放射された光117のうちノズル100によってケラレる光の量が減少する。フローセル90は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することを可能にする。
さらに、第3端部104はノズル受容部93に収容されている。そのため、ノズルチャネル106を凸レンズ120の光軸120pに近づけることができる。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。フローセル90は、向上された分別精度で粒子145を分別することを可能にする。
本実施の形態のフローセル90では、第3角度βは、第2角度αに等しい。第2角度αは、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面における、ノズル受容部93のテーパ面94と凸レンズ120の光軸120pとの間の角度である。第3角度βは、当該断面における、ノズル100のテーパ面101と凸レンズ120の光軸120pとの間の角度である。そのため、ノズル100のテーパ面101は、ノズル受容部93のテーパ面94に面接触する。ノズル100は、フローチャネル95にセルフアライメントされて、ノズルチャネル106は、フローチャネル95にアライメントされる。粒子145が向上された精度で分別され得る。
本実施の形態のフローセル90では、フローチャネル95が延在する第1の方向(z方向)と凸レンズ120の光軸120pが延在する第2の方向(x方向)とによって規定される断面において、凸レンズ120の光軸120pとフローチャネル95に近位するノズルチャネル106の端部107との間の第2距離d2は、2.0mm以下である。そのため、ノズルチャネル106は凸レンズ120の光軸120pの近くに配置される。ジェットフロー140が液滴144に分離するブレイクオフポイントを凸レンズ120の光軸120pに近づけることができ、ブレイクオフポイントのより近くで、粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。向上された分別精度で、粒子145は分別され得る。
本実施の形態のフローチャンバ40は、本実施の形態のフローセル90と、フローセル90に取り付けられたチャンバ41とを備える。チャンバ41の空洞42はフローチャネル95に連通している。フローチャンバ40は、フローセル90を備えているため、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出するとともに、向上された分別精度で粒子145を分別することを可能にする。
本実施の形態の粒子分別装置30は、本実施の形態のフローチャンバ40と、凸レンズ120に光学的に結合されている検出光学系123とを備える。検出光学系123は、検出側レンズ光学系124を含む。本実施の形態の粒子分別装置30は、フローセル90を備えているため、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出するとともに、向上された分別精度で粒子145を分別することができる。
本実施の形態の粒子分別装置30は、検出側レンズ光学系124に対してフローチャネル95をアライメントするアライメント部80をさらに備える。アライメント部80を用いて、フローチャネル95は検出側レンズ光学系124に対してアライメントされるため、粒子分別装置30は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。
本実施の形態の粒子分別装置30は、撮像部137と、制御部170とをさらに備える。撮像部137は、検出側レンズ光学系124に光学的に結合している。制御部170は、撮像部137からの出力に基づいてアライメント部80を制御するように構成されている。そのため、粒子分別装置30は、向上された感度で粒子145を特徴付ける識別情報を検出することができる。
本実施の形態の粒子分別装置30は、筐体35と、透明窓部材121とをさらに備える。筐体35は、滅菌処理が可能な第1空間37を含む。透明窓部材121は、筐体35の開口部36bに気密に嵌め込まれている。フローセル90及びチャンバ41が第1空間37内に配置されている。透明窓部材121は、検出側レンズ光学系124を第1空間37から流体的に分離している。検出側レンズ光学系124にダメージを与えることなく、第1空間37が滅菌処理され得る。さらに、凸レンズ120は、作動距離WD(図7を参照)を長くすることができる。そのため、凸レンズ120と検出光学系123との間に透明窓部材121を配置しても、透明窓部材121が検出光学系123に機械的に干渉することなく、検出光学系123を粒子分別装置30に容易に組み込むことができる。
(実施の形態2)
図13及び図14を参照して、実施の形態2の粒子分別装置30b及び粒子分別装置用カートリッジ180を説明する。本実施の形態の粒子分別装置30bは、実施の形態1の粒子分別装置30と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、筐体35は、第1空間37を含んでいない。隔壁36は、第2空間38と開放空間である外部空間とを仕切っている。粒子分別装置30bは、粒子分別装置用カートリッジ180を備えている。粒子分別装置用カートリッジ180は、筐体35に着脱可能である。粒子分別装置用カートリッジ180は、サンプル液に含まれる粒子145を分別し終えたら、使い捨てられる。そのため、クロスコンタミネーション及びキャリーオーバー無しに、サンプル液に含まれる粒子145が分別され得る。
粒子分別装置用カートリッジ180は、カートリッジ筐体181と、フローチャンバ40と、透明窓部材121と、サンプル収集部材154,155とを主に備える。粒子分別装置用カートリッジ180は、廃液回収部材156をさらに備えてもよい。カートリッジ筐体181の内部空間である第1空間37内に、フローチャンバ40が収容されている。第1空間37は、閉鎖空間であり、第1空間37は気密状態に保たれている。第1空間37は、放射線または熱を印加することによって滅菌されており、第1空間37は無菌状態に保たれている。透明窓部材121は、カートリッジ筐体181の開口部181bに気密に嵌め込まれている。収集部153(サンプル収集部材154,155、廃液回収部材156)は、カートリッジ筐体181に取り付けられている。具体的には、収集部153(サンプル収集部材154,155、廃液回収部材156)は、カートリッジ筐体181の開口部181dに気密に嵌め込まれている。
粒子分別装置用カートリッジ180は、サンプル液源部50と、第1導管51とをさらに備えている。粒子分別装置用カートリッジ180は、シース液源部52と、第2導管53とをさらに備えてもよい。サンプル液源部50と、第1導管51と、シース液源部52と、第2導管53とは、第1空間37内に収容されている。安全キャビネット等の無菌空間で、サンプル液源部50と、第1導管51と、シース液源部52と、第2導管53とは、第1空間37内に組み込まれる。粒子分別装置用カートリッジ180は、振動電極部分61をさらに備えてもよい。振動電極部分61は、カートリッジ筐体181の開口部181aに挿入されている。カートリッジ筐体181の開口部181aは、振動電極部分61とチャンバ41とによって閉塞されている。粒子分別装置用カートリッジ180は、偏向板151,152をさらに備えてもよい。偏向板151,152の延在部151a,152aは、カートリッジ筐体181の開口部181cに気密に嵌合されている。
本実施の形態の粒子分別装置30b及び粒子分別装置用カートリッジ180は、実施の形態1の粒子分別装置30の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の粒子分別装置用カートリッジ180は、フローチャンバ40と、カートリッジ筐体181と、透明窓部材121と、サンプル収集部材154,155とを備える。カートリッジ筐体181は、フローチャンバ40を収容している。透明窓部材121は、凸レンズ120に面しており、かつ、カートリッジ筐体181の開口部181bに気密に嵌め込まれている。サンプル収集部材154,155は、フローセル90から排出された液滴144を回収し、かつ、カートリッジ筐体181に取り付けられている。粒子分別装置用カートリッジ180は、サンプル液に含まれる粒子145を分別し終えたら、使い捨てられる。本実施の形態の粒子分別装置30b及び粒子分別装置用カートリッジ180によれば、クロスコンタミネーション及びキャリーオーバー無しに、サンプル液に含まれる粒子145が分別され得る。
(実施の形態3)
図15及び図16を参照して、実施の形態3のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30cを説明する。本実施の形態のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30cは、実施の形態1のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30と同様の構成を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、筐体35は、第1空間37を含んでいない。隔壁36は、第2空間38と開放空間である外部空間とを仕切っている。フローチャンバ40は、外部空間に配置されている。ソート部150(例えば、偏向板151,152)及び収集部153(例えば、サンプル収集部材154,155、廃液回収部材156)は、外部空間に配置されている。図15に示されるように、本実施の形態では、振動電極60cは、振動電極部分61(図1を参照)と導電部分65(図1を参照)とが一体化されている。透明窓部材121は、省略されてもよい。
図16に示されるように、ノズル100は、フローセル本体部91に着脱可能に結合されている。一例では、ノズル100は、ネジ、ビスまたはピンのような固定部材190を用いて、フローセル本体部91に着脱可能に取り付けられてもよい。別の例では、ノズル100は、フローセル本体部91に着脱可能に螺合されてもよい。
本実施の形態のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30cは、実施の形態1のフローセル90、フローチャンバ40及び粒子分別装置30の効果に加えて以下の効果を奏する。ノズルチャネル106は、フローチャネル95よりも小さな断面積を有しているため、サンプル液に含まれる粒子145は、ノズルチャネル106において最も詰まりやすい。本実施の形態のフローセル90では、ノズル100は、フローセル本体部91に着脱可能に結合されている。そのため、粒子145がノズルチャネル106に詰まった場合には、フローチャンバ40全体を交換する必要はなく、ノズル100を交換するだけでよい。たとえ、フローチャンバ40が筐体35から取り外すことができなくても、ノズル100が低コストかつ容易に交換され得る。
(実施例)
図17及び図18を参照して、実施例を説明する。本実施例では、実施の形態1の粒子分別装置30を用いて、粒子145を分別した。具体的には、フローセル本体部91及び凸レンズ120は、石英で形成されている。凸レンズ120は、フローセル本体部91の外側面92sに融着されている。第1角度θは43.3°であり、凸レンズ120は、1.00の開口数(NA)を有している。凸レンズ120の光軸120pとノズルチャネル106の端部107との間の第2距離d2は、1.0mmである。フローチャネル95は、例えば、160μm(第1長さL1)×150μm(第2長さL2)の断面積を有している。ノズルチャネル106は、例えば、70μm×70μmの断面積を有している。
本実施例に用いられた粒子145は、10,000個のビーズ(SPHEROTM Rainbow Calibration Particles RCP-30-5)である。ビーズは、互いに異なる波長の蛍光(光117)を放射する5種類の蛍光色素の少なくとも1つで標識されているビーズと、蛍光色素で標識されていないビーズとを含む。
実施例1では、フルオレッセインイソチオシアネート(FITC)チャネルにおける、10,000個のビーズの蛍光データを取得した。図17に示される蛍光データの横軸は蛍光強度を表し、縦軸はビーズの個数を表す。実施例1の蛍光データから、粒子分別装置30の検出感度の指標として、75のMESFが得られた。
実施例2では、フィコエリトリン(PE)チャネルにおける、10,000個のビーズの蛍光データを取得した。図18に示される蛍光データの横軸は蛍光強度を表し、縦軸はビーズの個数を表す。実施例2の蛍光データから、粒子分別装置30の検出感度の指標として、28のMESFが得られた。
MESFは、Molecular Equivalent of Soluble Fluorophoreの略語であり、本実施例では、ビーズ1個当たりの蛍光分子数を意味する。MESFが低いほど、粒子分別装置30は、高い感度で、ビーズを特徴付ける識別情報を検出することができる。実施例1及び実施例2では、100以下のMESFを有する高感度の粒子分別装置30が得られた。
今回開示された実施の形態1-3はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1-3の少なくとも2つを組み合わせてもよい。例えば、実施の形態1及び実施の形態2におけるノズル100は、実施の形態3のノズル100のように、フローセル本体部91に着脱可能に結合されてもよい。実施の形態3の振動電極60cは、実施の形態1の振動電極60に置き換えられてもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
30,30b,30c 粒子分別装置、35 筐体、36 隔壁、36a,36b,36c,161,181a,181b,181c,181d 開口部、37 第1空間、38 第2空間、40 フローチャンバ、41 チャンバ、42 空洞、43 第1入口、44 第2入口、46 表面、50 サンプル液源部、51 第1導管、52 シース液源部、53 第2導管、54 フィルタ、60,60c 振動電極、61 振動電極部分、62 第1フランジ部、63 第1軸部、63a 端面、64 凸部、65 導電部分、66 第2フランジ部、67 第2軸部、68 凹部、70 絶縁スリーブ、72 封止部材、74 振動素子、76 電荷供給部、78 可動部材、79 固定部、80 アライメント部、90 フローセル、91 フローセル本体部、92a 第1端部、92b 第2端部、92s 外側面、93 ノズル受容部、94 テーパ面、95 フローチャネル、96 端部、100 ノズル、101 テーパ面、103 フランジ部、104 第3端部、105 ノズル空洞部、106 ノズルチャネル、107 端部、108 テーパチャネル、110 光源部、110a,110b,110c,110d,110e,110f,110g レーザ部、111 励起光、112 光路変換部、117 光、120 凸レンズ、120p 光軸、121 透明窓部材、123 検出光学系、124 検出側レンズ光学系、124a,124b,124c,124d,124e,124f,124g,124h,124i,124j,124k レンズ、130 光ファイバアレイ、130f 光ファイバ、131 波長分離部、131f 波長フィルタ、131g 反射ミラー、132 光検出部、132f 光検出器、134 反射部材、135 反射部材駆動部、137 撮像部、140 ジェットフロー、144 液滴、145 粒子、150 ソート部、151,152 偏向板、151a,152a 延在部、153 収集部、154,155 サンプル収集部材、156 廃液回収部材、160 コネクタ、162 Oリング、170 制御部、180 粒子分別装置用カートリッジ、181 カートリッジ筐体、190 固定部材、NA 開口数、WD 作動距離。

Claims (15)

  1. フローセル本体部を備え、前記フローセル本体部は、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部と、前記第1端部と前記第2端部との間に延在する外側面とを有しており、前記フローセル本体部にはフローチャネルが設けられており、前記第2端部には前記フローチャネルに連通するノズル受容部が設けられており、前記フローチャネルは前記第1端部から前記ノズル受容部まで延在しており、前記ノズル受容部は前記フローチャネルに向かうにつれて先細となっており、さらに、
    前記外側面のうち前記第2端部に近位する部分上に取り付けられている凸レンズを備え、前記ノズル受容部は、前記凸レンズの光軸に対して前記第2端部に近位する側に位置している、フローセル。
  2. 第2角度は、第1角度以上であり、
    前記第1角度は、sin-1(NA/n)で与えられ、NAは、前記凸レンズの開口数を表し、nは前記フローセル本体部の屈折率を表し、
    前記第2角度は、前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記光軸が延在する第2の方向とによって規定される断面における、前記ノズル受容部のテーパ面と前記光軸との間の角度である、請求項1に記載のフローセル。
  3. 前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記光軸が延在する第2の方向とによって規定される断面において、前記ノズル受容部のテーパ面と前記光軸との間の第2角度は30°以上である、請求項1に記載のフローセル。
  4. 前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記光軸が延在する第2の方向とによって規定される断面において、前記光軸と前記ノズル受容部に近位する前記フローチャネルの端部との間の第1距離は、2.0mm以下である、請求項1に記載のフローセル。
  5. 第3の方向における前記フローチャネルの第1長さは、第2の方向における前記フローチャネルの第2長さよりも大きく、
    前記第2の方向は、前記凸レンズの前記光軸が延在する方向であり、
    前記第3の方向は、前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記第2の方向とに垂直である、請求項1に記載のフローセル。
  6. テーパ状の第3端部を含むノズルをさらに備え、
    前記第3端部は前記ノズル受容部に収容されており、前記ノズルには前記フローチャネルに連通するノズルチャネルが設けられており、前記ノズルチャネルは前記フローチャネルよりも小さな断面積を有しており、前記第3端部は前記凸レンズの前記光軸に対して前記第2端部に近位する側に位置している、請求項1に記載のフローセル。
  7. 第3角度は、第2角度に等しく、
    前記第2角度は、前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記光軸が延在する第2の方向とによって規定される断面における、前記ノズル受容部のテーパ面と前記光軸との間の角度であり、
    前記第3角度は、前記断面における、前記ノズルの前記テーパ面と前記光軸との間の角度である、請求項6に記載のフローセル。
  8. 前記フローチャネルが延在する第1の方向と前記光軸が延在する第2の方向とによって規定される断面において、前記光軸と前記フローチャネルに近位する前記ノズルチャネルの端部との間の第2距離は、2.0mm以下である、請求項6に記載のフローセル。
  9. 前記ノズルは、前記フローセル本体部に着脱可能に結合されている、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のフローセル。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の前記フローセルと、
    前記フローセルに取り付けられたチャンバとを備え、
    前記チャンバの空洞は前記フローチャネルに連通している、フローチャンバ。
  11. 請求項10に記載の前記フローチャンバと、
    前記凸レンズに光学的に結合されている検出光学系とを備え、前記検出光学系は検出側レンズ光学系を含む、粒子分別装置。
  12. 前記検出側レンズ光学系に対して前記フローチャネルをアライメントするアライメント部をさらに備える、請求項11に記載の粒子分別装置。
  13. 前記検出側レンズ光学系に光学的に結合する撮像部と、
    前記撮像部からの出力に基づいて前記アライメント部を制御するように構成されている制御部とをさらに備える、請求項12に記載の粒子分別装置。
  14. 滅菌処理が可能な第1空間を含む筐体と、
    前記筐体の開口部に気密に嵌め込まれている透明窓部材とをさらに備え、
    前記フローセル及び前記チャンバが前記第1空間内に配置されており、
    前記透明窓部材は、前記検出側レンズ光学系を前記第1空間から流体的に分離している、請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の粒子分別装置。
  15. 請求項10に記載の前記フローチャンバと、
    前記フローチャンバを収容するカートリッジ筐体と、
    前記凸レンズに面し、かつ、前記カートリッジ筐体の開口部に気密に嵌め込まれている透明窓部材と、
    前記フローセルから排出された液滴を回収し、かつ、前記カートリッジ筐体に取り付けられているサンプル収集部材とを備える、粒子分別装置用カートリッジ。
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