JP7057567B2 - 蛍光体及びそれを用いた発光装置 - Google Patents
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Description
これらのいずれの用途においても、蛍光体を発光させるためには、蛍光体を励起するためのエネルギーを蛍光体に供給する必要がある。蛍光体は、真空紫外線、紫外線、電子線、青色光などの高いエネルギーを有した励起源により励起されて、青色光、緑色光、黄色光、橙色光、赤色光等の可視光線を発する。
そのため、従来のケイ酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、硫化物蛍光体などの蛍光体に代わる、高エネルギーの励起においても輝度低下の少ない蛍光体が提案されている。そのような蛍光体として、例えば、サイアロン蛍光体、酸窒化物蛍光体、窒化物蛍光体などの、結晶構造に窒素を含有する無機結晶を母体とする蛍光体が挙げられる。
まず、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)を所定のモル比に混合し、1気圧(0.1MPa)の窒素中において1700℃の温度で1時間保持してホットプレス法により焼成して製造される(例えば、特許文献1参照)。このプロセスで得られるEu2+イオンを付活したαサイアロンは、450から500nmの青色光で励起されて550から600nmの黄色の光を発する蛍光体となることが報告されている。また、αサイアロンの結晶構造を保ったまま、SiとAlとの割合あるいは酸素と窒素との割合を変えることにより、発光波長が変化することが知られている(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
更に、前記酸窒化物蛍光体の別の例として、La-N結晶La3Si8N11O4を母体結晶としてCeを付活させた青色蛍光体(特許文献8参照)が知られている。
例えば、YAG結晶にCeを添加した蛍光体は緑色発光をするが、YAG結晶中のYの一部をGdで、Alの一部をGaで置換した蛍光体は、黄色発光を呈する。さらに、CaAlSiN3にEuを添加した蛍光体においては、Caの一部をSrで置換することにより結晶構造を保ったまま組成が変化し、発光波長が短波長化することが知られている。このように、結晶構造を保ったまま元素置換を行った蛍光体は、同じグループの材料と見なされる。
前記Lは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、LaおよびAlから選ばれる1種類または2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、O、N、FおよびClから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記α、β、γ及びδが、α+β+γ+δ=20であり、
3.70≦α≦4.30、
4.70≦β≦5.30、
10.70≦γ≦11.30、
0.00<δ≦0.20
である蛍光体である。
なお、蛍光体の組成式において、O即ち酸素としては、蛍光体表面の酸素分までは含んでない。これは本明細書において同様に解釈される。
前記Lは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Gは、一部又は全部がSi元素であり、
前記Aは、一部又は全部がAl元素であり、
前記Xは、NおよびOから選ばれる1種類又は2種類の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であることが好ましい。
a=1.8921±0.05 nm、
b=0.5412±0.05 nm、及び
c=0.9705±0.05 nm
の範囲の値であることが好ましい。
ここで、「±0.05」は、数値の許容範囲を示し、例えばaは、1.8921-0.05≦a≦1.8921+0.05の範囲であることを意味する。これは本明細書で同様に解釈される。
組成比e、f、g、h1、h2及びiが、
e+f+g+h1+h2+i=20、
3.70≦e≦4.30、
0.00≦f≦5.30、
0.00≦g≦5.30、
10.70≦h1+h2≦11.30(ただし、h1>0)、及び
0.00<i≦0.20
であることが好ましい。
e+i=4.00±0.30、
f+g=5.00±0.30、
h1+h2=11.00±0.30(ただし、h1>0)
であることが好ましい。
0.00≦g/(f+g)≦1.00
であることが好ましい。
5/11≦h1/(h1+h2)≦10/11
であることが好ましい。
パラメータq及びrが、
-1.0<q≦2.0、及び
0.0<r≦0.2
であることが好ましい。
(ただし、前記Lは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、LaおよびAlから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、O、N、F及びClから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)である。)と
を混合して原料混合物となし、
前記原料混合物を、1000℃以上1500℃以下の温度範囲で焼成すること
を含む、蛍光体の製造方法を提供する。
前記Lは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、LaおよびAlから選ばれる1種類または2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、O、N、FおよびClから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記α、β、γ及びδが、α+β+γ+δ=20であり、
3.70≦α≦4.30、
4.70≦β≦5.30、
10.70≦γ≦11.30、
0.00<δ≦0.20
である、新規な蛍光体を得ることができる。
本発明の蛍光体に関する蛍光体母体結晶は、Lα(G,A)βXγで表され、本発明の蛍光体は、前記蛍光体母体結晶にRδで表される元素が固溶したものである。
そして、蛍光体母体結晶の前記Lは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、LaおよびAlから選ばれる1種類または2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、O、N、FおよびClから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記α、β、γ及びδが、α+β+γ+δ=20であり、
3.70≦α≦4.30、
4.70≦β≦5.30、
10.70≦γ≦11.30、
0.00<δ≦0.20
である。
図1中、1は、O及びN原子である。2は、Ca原子である。3は、SiO4及びAlO4四面体である。即ち、Ca4Si4Al1O6N5結晶は斜方晶系に属し、Pna21空間群(International Tables for Crystallographyの33番の空間群)に属する。なお、この結晶中には、Rで表される元素、例えばEu等は、発光を担う所謂付活元素であり、Caの一部を置換する形で結晶中に取り込まれる。
Lは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
Gは、一部又は全部がSi元素であり、
Aは、一部又は全部がAl元素であり、
Xは、NおよびOから選ばれる1種類又は2種類の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であってもよい。
a=1.8921±0.05 nm、
b=0.5412±0.05 nm、及び
c=0.9705±0.05 nm
の範囲の値であることが好ましい。
組成比e、f、g、h1、h2及びiが、
e+f+g+h1+h2+i=20、
3.70≦e≦4.30、
0.00≦f≦5.30、
0.00≦g≦5.30、
10.70≦h1+h2≦11.30(ただし、h1>0)、及び
0.00<i≦0.20
であることが好ましい。
このような組成比とすることで蛍光体母体結晶が安定して生成すると考えられ、より発光強度が高い蛍光体が得られうる。
前記組成比fは、Si等の組成割合を表すパラメータであり、0.00以上、5.30以下であれば、結晶構造が不安定にならず、発光強度の低下を抑制できる。
前記組成比gは、Al等の組成割合を表すパラメータであり、0.00以上、5.30以下であれば、結晶構造が安定になり発光強度が保持される。
前記組成比h1、h2は、O及びNの組成割合を表すパラメータであり、h1+h2が10.70以上、11.30以下(ただしh1>0)であれば、蛍光体の結晶構造が不安定にならず、発光強度の低下を抑制できる。
前記組成比iは、Eu等の付活元素Rの組成割合を表すパラメータであり、iが0.00を超えていれば、付活元素の不足による輝度の低下を抑制することができる。なおiは、0.20以下であれば、蛍光体母体結晶の構造を維持することが十分可能である。0.20を超えると、蛍光体母体結晶の構造が不安定となることがある。また、iをさらに0.20以下にすれば、付活元素間の相互作用により引き起こされる濃度消光現象による発光強度の低下を抑制することができるため好ましい。
e+i=4.00±0.30、
f+g=5.00±0.30、
h1+h2=11.00±0.30(ただし、h1>0)
であることが好ましい。このような組成比とすることで蛍光体母体結晶が安定して生成すると考えられ、より発光強度が高い蛍光体が得られうる。
0.00≦g/(f+g)≦1.00
である蛍光体は、結晶構造が安定であり特に発光強度が高いと考えられ、好ましい。
5/11≦h1/(h1+h2)≦10/11
である蛍光体は、さらにより結晶構造が安定であり、発光強度が高いと考えられ、好ましい。
パラメータq及びrが、
-1.0<q≦2.0、及び
0.0<r≦0.2
と表すことができる蛍光体でもある。前記組成式で表される蛍光体は、安定な結晶構造を保ったまま、qとrのパラメータの値を適宜変えてEu/Ca比、Si/Al比、N/O比を変化させることにより、蛍光体の励起ピーク波長や発光ピーク波長を連続的に変化させることができる。qの範囲は、結晶が安定となるため、好ましくは、-0.5≦q≦1.0である。
本発明の蛍光体を製造する方法もまた、本発明の実施態様のひとつであり、
少なくともLを含む原料物質と、Gを含む原料物質と、Aを含む原料物質と、Xを含む原料物質と、Rを含む原料物質
(ただし、前記Lは、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、LaおよびAlから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Rは、Mn、Cr、Ti、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、HoおよびYbから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、O、N、F及びClから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)である。)と
を混合して原料混合物となし、
前記原料混合物を、1000℃以上1500℃以下の温度範囲で焼成すること
を含む、蛍光体の製造方法である。なお、原料物質が化合物の場合、1つの化合物に、L、G、A、X及びRのうち複数の元素を含んでいてもよく、また、原料物質が単体、すなわち単独の元素からなるものでもよい。
また、蛍光体の合成反応は、原料粉末間の接触部分が起点となり起こることから、原料粉末の平均粒子径を500μm以下とすると、原料粉末の接触部が増えて反応性が向上するため好ましい。
本発明の蛍光体は、種々の用途に使用することができるが、本発明の蛍光体を含む発光素子もまた本発明の態様のひとつである。前記発光素子に含まれる本発明の蛍光体の形状は、粒子状であっても、粒子状の蛍光体を再度焼結したものであっても良い。粒子状の蛍光体を再度特に平板状に焼結したものを蛍光体プレートと呼ぶこともある。またここでいう発光素子は、一般的に蛍光体、及び前記蛍光体の励起源とを含み構成されている。
なお、使用する励起源からの光は、特に単色光に限定されず、複色光でもよい。
さらに、前記本発明の発光素子を含む発光装置も、本発明の態様のひとつである。発光装置の具体例としては、照明器具、液晶パネル用バックライト、各種の表示器具等が挙げられる。
さらに、前記本発明の発光素子を含む画像表示装置も、本発明の態様のひとつである。画像表示装置の具体的としては、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等が挙げられる。
本発明の蛍光体は、その機能を利用して、例えば顔料の構成材料として使用することも可能である。即ち、本発明の蛍光体に太陽光、蛍光灯などの照明を照射すると白色の物体色が観察されるが、その発色がよいこと、そして長期間に渡り劣化しないことから、本発明の蛍光体は例えば無機顔料に好適にしようすることができる。このため、塗料、インキ、絵の具、釉薬、プラスチック製品に添加する顔料として用いると長期間に亘って良好な白色を高く維持することができる。
本発明の蛍光体は、それ単独で使用するのではなく、その機能を利用して、例えば紫外線吸収剤の構成材料として使用することも可能である。即ち、本発明の蛍光体を含む紫外線吸収剤を、例えばプラスチック製品や塗料内部に練り込んだり、プラスチック製品の表面に塗布したりすると、それらを紫外線劣化から効果的に保護することができる。
本発明の蛍光体を、例えば樹脂と混合して組成物となし、さらにこれを成形した蛍光体成形物、蛍光体フィルム、蛍光体シートも、本発明の蛍光体の好ましい使用例として挙げられる。例えばここでいう本発明の蛍光体シートとは、本発明の蛍光体を、媒体中に均一に分散させるように含ませたシートである。媒体の材質は特に限定されないが、透明性を有することが好ましく、シート状に形態を保持できる材料であり、例えば樹脂が挙げられる。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、PET変性ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、変性アクリル、ポリスチレン樹脂及びアクリルニトリル・スチレン共重合体樹脂等が挙げられる。本発明の蛍光体シートにおいては、透明性の面からシリコーン樹脂やエポキシ樹脂が好ましく用いられる。耐熱性の面を考慮すると、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
Lα(G,A)βXγで表される結晶、又は前記Lα(G,A)βXγで表される結晶を除くCa4Si4Al1O6N5で表される蛍光体母体結晶と同一の結晶構造を有する結晶である、蛍光体母体結晶の代表となるものとして、Ca4Si4Al1O6N5を合成し、これを参考例とした。次いで、得られた参考例のCa4Si4Al1O6N5の結晶構造を解析し、これが前例の無い新規物質であることをまず確認した。実施例1~2で合成した各蛍光体の蛍光体母体結晶の結晶構造と比較するための基準とした。
参考例のCa4Si4Al1O6N5の原料物質として、窒化ケイ素(宇部興産(株)製のSN-E10グレード)と、窒化アルミニウム((株)トクヤマ製のEグレード)と、酸化アルミニウム(大明化学工業製タイミクロン)と、酸化ケイ素(高純度化学製)と、炭酸カルシウム(高純度化学製)と、酸化カルシウム(高純度化学製)と、酸化ユーロピウム(信越化学工業製)と、酸化セリウム(信越化学工業製)とを用いた。
a = 1.8921nm、
b = 0.5412nm、
c = 0.9705nm、
α = 90度、
β = 90度、
γ = 90度
であった。
なお、出発原料組成と結晶組成とが異なるのは、少量の第二相としてCa4Si4Al1O6N5以外の組成物が生成したことによるが、本測定は単結晶を用いているので解析結果は、純粋なCa4Si4Al1O6N5構造を示している。
組成式:Ca4-rSi4-qAl1+qO6+qN5-qEur
(ただし組成式中
-1.0<q≦2.0、及び
0.0<r≦0.2である)
で示される組成としても記述できる。
図2に、Ca4Si4Al1O6N5結晶の結晶構造から計算したCuKα線を用いた粉末X線回折を示す。
なお、Ca4Si4Al1O6N5系結晶として結晶構造を保ったまま格子定数等が変化したものは、粉末X線回折測定により得られた格子定数の値と表1の結晶構造データとから粉末X線回折パターンを計算できる。したがって、計算した粉末X線回折パターンと測定された粉末X線回折パターンとを比較することによりCa4Si4Al1O6N5系結晶が生成していると判定できる。
表2に示す、実施例および比較例における設計組成(原子比)、にしたがって、原料粉末を、表3の原料混合組成(質量比)となるように秤量した。
秤量した原料粉末を窒化ケイ素焼結体製乳棒と乳鉢とを用いて10分間混合を行なった。その後、混合粉末を窒化ホウ素焼結体製のるつぼに投入した。
図3に、実施例1で合成物の粉末X線回折結果を示す。また、表6に実施例および比較例における主な生成相を示す。
さらに、EDS測定により、合成物が、希土類元素、アルカリ土類金属、Si、Al、O、Nを含むことを確認した。
例えば、図2の2θ=34.28度、37.02度、33.08度、24.98度、38.34度、28.28度、50.48度、59.48度、17.02度、64.98度のピークが、図4の2θ=34.38度、37.14度、33.18度、25.06度、38.46度、28.34度、50.62度、59.52度、17.12度、65.12度の夫々のピークと一部に強度の高さの逆転はあるものの、ほぼ対応しているので、良い一致を示している。
ここで、2θの角度の誤差は、±1度と見積もった。さらに、EDS測定より、実施例1の合成物は、Ca、Eu,Si、Al、O、Nを含むことが確認された。また、Ca:Si:Alの比は、4:4:1であることが確認された。
図示しないが、他の実施例も同様のX線回折パターンを得た。他の実施例のX線回折パターンと図2の主要ピークとの対応を、それぞれ10本の主要ピークで行った結果も、同様であった。
また、実施例1の合成物の発光色は、CIE1931色度座標において、0 ≦ x ≦ 0.4および0 ≦ y ≦ 0.9の範囲内であることを確認した。
例えば、実施例1から17の合成物に示されるように、A元素がCaであり、B元素がSiであり、C元素がAlであり、X元素がNあるいはNとOとの組み合わせである結晶にR元素としてEuが固溶した無機化合物を含む蛍光体は、490nm以上550nm以下の範囲の波長、より好ましくは510nm以上530nm以下の波長にピークを持つ緑色発光する。実施例18の合成物に示されるように、A元素がCaであり、B元素がSiであり、C元素がAlであり、X元素がNあるいはNとOとの組み合わせである結晶にR元素としてCeが固溶した無機化合物を含む蛍光体は、440nm以上500nm以下の範囲の波長、より好ましくは440nm以上460nm以下の波長にピークを持つ青色発光する。
2.Ca原子
3.AlO4,SiO4四面体(Al,Si中心)
11 表面実装型白色発光ダイオードランプ
12、13 リードワイヤ
14 青色発光ダイオード素子
15 ボンディングワイヤ
16 第一の樹脂
17 蛍光体
18 第二の樹脂
19 アルミナセラミックス基板
20 壁面部材
Claims (16)
- Lα(G,A)βXγで表される蛍光体母体結晶に、Rδで表される元素が固溶した、Ca 4 Si 4 Al 1 O 6 N 5 結晶と同じ結晶構造を有する蛍光体であって、
前記Lは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる1種類または2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、OおよびNから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、CeおよびEuから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記α、β、γ及びδが、α+β+γ+δ=20であり、
3.70≦α≦4.30、
4.70≦β≦5.30、
10.70≦γ≦11.30、
0.00<δ≦0.20
である蛍光体。 - 前記蛍光体母体結晶において、
前記Lは、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Gは、一部又は全部がSi元素であり、
前記Aは、一部又は全部がAl元素であり、
前記Xは、NおよびOから選ばれる1種類又は2種類の元素(ただし、XがNのみであることを除く)であり、
前記Rは、CeおよびEuから選ばれる1種類又は2種類以上の元素である、
請求項1記載の蛍光体。 - 前記蛍光体母体結晶が、斜方晶系に属し、空間群Pna21対称性を有する結晶である、請求項1又は2記載の蛍光体。
- 前記蛍光体母体結晶の格子定数a、b及びcが、
a=1.8921±0.05 nm、
b=0.5412±0.05 nm、および
c=0.9705±0.05 nm
の範囲の値である、請求項3記載の蛍光体。 - 前記蛍光体が、組成式CaeSifAlgOh1Nh2Riで表され、
組成比e、f、g、h1、h2及びiが、
e+f+g+h1+h2+i=20、
3.70≦e≦4.30、
0.00≦f≦5.30、
0.00≦g≦5.30、
10.70≦h1+h2≦11.30(ただし、h1>0)、及び
0.00<i≦0.20
である、請求項1~4いずれか一項記載の蛍光体。 - 前記組成比e、f、g、h1、h2及びiが、
e+i=4.00±0.30、
f+g=5.00±0.30、
h1+h2=11.00±0.30(ただし、h1>0)
である、請求項5記載の蛍光体。 - 前記組成比f及びgが、
0.00≦g/(f+g)≦1.00
である、請求項5又は6記載の蛍光体。 - 前記組成比h1及びh2が、
5/11≦h1/(h1+h2)≦10/11
である、請求項5~7いずれか一項記載の蛍光体。 - 波長250nm以上500nm以下の波長範囲に光強度ピークを含む光を照射すると、430nm以上700nm以下の波長範囲に光強度ピークを含む蛍光を発する、請求項1~8いずれか一項記載の蛍光体。
- 波長250nm以上500nm以下の波長範囲に光強度ピークを含む光を照射すると、510nm以上530nm以下の波長範囲に光強度ピークを含む蛍光を発する、請求項1~9いずれか一項記載の蛍光体。
- 前記Rで表される元素がEuを含む、請求項1~10いずれか一項記載の蛍光体。
- 前記蛍光体が、組成式Ca4-rSi4-qAl1+qO6+qN5-qEurで表され、
パラメータq及びrが、
-1.0<q≦2.0、及び
0.0<r≦0.2
である、請求項1~11いずれか一項記載の蛍光体。 - 請求項1~12のいずれか一項記載の蛍光体の製造方法であって、
少なくともLを含む原料物質と、Gを含む原料物質と、Aを含む原料物質と、Xを含む原料物質と、Rを含む原料物質
(ただし、前記Lは、Mg、Ca、Sr、およびBaから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Gは、SiおよびGeから選ばれる1種類又は2種類の元素であり、
前記Aは、Al、GaおよびBから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Rは、CeおよびEuから選ばれる1種類又は2種類以上の元素であり、
前記Xは、OおよびNから選ばれる1種類又は2種類以上の元素(ただし、XがNのみであることを除く)である。)と
を混合して原料混合物となし、
前記原料混合物を、1000℃以上1500℃以下の温度範囲で焼成すること
を含む、製造方法。 - 請求項1~12いずれか一項記載の蛍光体を含む、発光素子。
- 請求項14記載の発光素子を用いた、発光装置。
- 請求項14記載の発光素子を用いた、画像表示装置。
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JP2018128682A JP7057567B2 (ja) | 2018-07-06 | 2018-07-06 | 蛍光体及びそれを用いた発光装置 |
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