JP7057248B2 - マスクブランク、およびインプリントモールドの製造方法 - Google Patents

マスクブランク、およびインプリントモールドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスターモールド用のインプリントモールドを製造するためのマスクブランク、およびこのマスクブランクを用いたマスターモールド用のインプリントモールドの製造方法に関する。
インプリントモールドには、マスターモールドとレプリカモールドがある。このうちレプリカモールドは、マスターモールドを原版としたインプリントによって製造される。これに対し、マスターモールドは、電子線描画を用いたリソグラフィープロセスを適用して製造される(下記特許文献1参照)。
リソグラフィープロセスを適用したマスターモールドの製造においては、先ずマスターモールド用のマスクブランク上に電子線描画を用いたリソグラフィープロセスを適用してレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとしたエッチングにより金属材料の薄膜(ハードマスク膜)にモールドパターンを形成する。その後、モールドパターンが形成されたハードマスク膜をマスクとしたエッチングによって、マスクブランクの基板表面を掘り込んでモールドパターンを形成し、これよりマスターモールドが得られる。
特開2013-175671号公報
ここで、マスターモールドに形成されるモールドパターンは、レプリカモールドに対して等倍でインプリントされるため、非常に微細で密なパターンが要求される。そこで、マスターモールドの製造においては、このように微細で密な設計パターンを比較的疎な2以上の設計パターンに分割して1つのモールドパターンを形成する技術の検討が進められている。この技術によれば、分割した各設計パターンを有する2以上のレジストパターンをマスクとし、ハードマスク膜を複数回に分けてエッチングすることで、ハードマスク膜に微細で密なモールドパターンを形成することができる。
しかしながら、2以上に分割した設計パターンの位置合わせには、基板に設計パターンと比較してより深い位置合わせマーク(基準マーク)を用いる必要がある。その基準マークは、その上にレジスト膜が積層した状態で電子線描画装置による基準マークの走査を行っても確実に検出できることが求められる。このため基準マークの深さは、少なくともモールドの設計パターンの深さよりも深くする必要となる。基板の主表面にあらかじめ基準マークを形成してから、モールドパターンを形成する際にハードマスク膜を成膜したマスクブランクを製造するようにすれば、基準マークを簡単に形成することができる。しかし、基準マークの位置は、設計パターンの位置合わせの目的以外にも利用する場合がある。この場合、製造するインプリントモールドによって基準マークを設ける位置が異なる。このためマスクブランクを製造する段階では、基準マークを設けず、インプリントモールドを製造するプロセスの途上で基準マークを設けることが検討されている。
しかし、基板上に、単層構造のハードマスク膜のみを備えたマスクブランクを用いる場合、以下の問題が生じる。本来、ハードマスク膜は、基板にモールドパターンを形成するときのドライエッチングでのエッチングマスクとして、基板にモールドパターンを形成し終えるまでの間、エッチングマスクとして機能することに特化したものである。このハードマスク膜を設ける大きな目的として、レジスト膜の膜厚を薄くすることにある。1つの微細な設計パターンを2以上に分割した設計パターンであっても、その分割した各設計パターンは、レジスト膜が除去される領域の幅は広がるが、レジスト膜が残る領域の幅は実質的に変わらない。このため、レジスト膜の厚さを厚くすると、レジスト膜のパターンの幅に対する厚さ(高さ)の比が高くなり、そのレジスト膜のパターンが倒壊してしまう。薄い厚さのレジストパターンをマスクとするドライエッチングでハードマスク膜にパターンを形成する必要があるため、ハードマスク膜を厚くすることは難しい。
ハードマスク膜は、基板にパターンを形成するときのドライエッチングのエッチングガスに対して全くエッチングされないわけではない。ハードマスク膜のエッチングレートが基板のエッチングレートに対して、十分なエッチング選択性が得られるほど小さいだけであり、多少はエッチングされる。上記の単層構造のハードマスク膜の場合、基板にドライエッチングで基準マークを設けるのは、分割パターンをレジスト膜に電子線で描画露光する前に行う必要がある。基準マークを先行して基板に形成する場合、基準マークのパターンを有するレジスト膜によって、ハードマスク膜と基板のそれぞれをドライエッチングする工程と、1つ目の分割パターンのパターンを有するレジスト膜によって、ハードマスク膜と基板のそれぞれをドライエッチングする工程と、2つ目の分割パターンのパターンを有するレジスト膜によって、ハードマスク膜と基板のそれぞれをドライエッチングする工程とを少なくとも行う必要がある。すなわち、ハードマスク膜は、基板をドライエッチングするときのマスクとして3回以上もエッチングガスに晒されることになる。
そこで本発明は、1つのレジスト膜に形成することが困難である微細なモールドパターンを有するマスターモールドを製造するにあたり、その微細なモールドパターンの設計パターンを2以上の分割パターンに分割して別々のレジスト膜に形成する方法を用いる場合に、その2以上の分割パターンを高精度で重ね合わせて微細なモールドパターンを形成することができるマスクブランクを提供することを第1の目的としている。それに加え、本発明は、その2以上の分割パターンを位置合わせするための基準マークをマスターモールドの製造途上に自在に配置することができるマスクブランクを提供することを第2の目的としている。さらに、本発明は、このマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決する手段として、以下の構成を有する。
(構成1)
モールドパターン形成領域と基準マーク形成領域とを有する基板の主表面上に、前記基板側から下層膜、中間膜、および上層膜をこの順に積層した構造を備えるマスクブランクであって、
前記下層膜および前記上層膜は、前記基板および前記中間膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
前記基板および前記中間膜は、前記下層膜および前記上層膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
前記下層膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含み、かつ前記基準マーク形成領域を含まない領域に形成され、
前記中間膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含む領域に形成され、
前記上層膜は、前記モールドパターン形成領域および前記基準マーク形成領域を少なくとも含む領域に形成されている
ことを特徴とするマスクブランク。
(構成2)
前記上層膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
ことを特徴とする構成1記載のマスクブランク。
(構成3)
前記中間膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
ことを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク。
(構成4)
モールドパターン形成領域と基準マーク形成領域とを有する基板の主表面上に、前記基板側から下層膜、中間膜、および上層膜をこの順に積層した構造を備えるマスクブランクであって、
前記下層膜および前記上層膜は、前記基板および前記中間膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
前記基板および前記中間膜は、前記下層膜および前記上層膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
前記下層膜は、前記モールドパターン形成領域および前記基準マーク形成領域を少なくとも含む領域に形成され、
前記中間膜および上層膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含み、かつ前記基準マーク形成領域を含まない領域に形成されている
ことを特徴とするマスクブランク。
(構成5)
前記下層膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
ことを特徴とする構成4記載のマスクブランク。
(構成6)
前記下層膜および前記上層膜は、クロムを含有する材料で形成され、
前記中間膜は、ケイ素およびタンタルの少なくとも一方を含有する材料で形成されている
ことを特徴とする構成1~5の何れかに記載のマスクブランク。
(構成7)
前記下層膜の酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートを[VL]、前記下層膜の膜厚を[DL]、前記上層膜の酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートを[VU]、記下層膜の膜厚を[DU]としたとき、[DL]/[VL]≧[DU]/[VU]の関係を満たす
ことを特徴とする構成6に記載のマスクブランク。
(構成8)
前記下層膜と前記上層膜とは、同一の材料で構成され、
前記下層膜の膜厚は、前記上層膜の膜厚以上の膜厚を有する
ことを特徴とする構成1~7の何れかに記載のマスクブランク。
(構成9)
構成1~3の何れかに記載のマスクブランクの前記基板の主表面を掘り込んでモールドパターンを形成して製造されるインプリントモールドの製造方法であって、
リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記モールドパターン形成領域に第1分割パターンを有し前記基準マーク形成領域に基準マークのパターンを有する第1レジストパターンを、前記上層膜の上に形成する工程と、
前記上層膜に対し、前記第1レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンと前記基準マークのパターンを形成する工程と、
前記中間膜と前記基板に対し、前記第1分割パターンと前記基準マークのパターンを有する前記上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に第1分割パターンを形成し、かつ前記基板にその主表面を掘り込んだ基準マークのパターンを形成する工程と、
リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記基板に形成された基準マークに基づいて位置合わせした第2分割パターンを前記モールドパターン形成領域に有する第2レジストパターンを、前記上層膜の上に形成する工程と、
前記上層膜に対し、前記第2レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
前記下層膜と前記上層膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する中間膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記下層膜に前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを形成しつつ、前記上層膜を除去する工程と、
前記基板と前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記基板にモールドパターンを形成しつつ、前記中間膜を除去する工程と、
前記下層膜に対し、ドライエッチングを行い、前記下層膜を除去する工程とを有する
ことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
(構成10)
構成4または5に記載のマスクブランクの前記基板の主表面を掘り込んでモールドパターンを形成して製造されるインプリントモールドの製造方法であって、
リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記モールドパターン形成領域に第1分割パターンを有し前記基準マーク形成領域に基準マークのパターンを有する第1レジストパターンを、前記上層膜および前記下層膜の上に形成する工程と、
前記上層膜および前記下層膜に対し、前記第1のレジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンを形成し、かつ前記下層膜に前記基準マークのパターンを形成する工程と、
前記中間膜と前記基板に対し、前記第1分割パターンを有する上層膜と前記基準マークのパターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に第1分割パターンを形成し、かつ前記基板にその主表面を掘り込んだ基準マークのパターンを形成する工程と、
リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記基板に形成された基準マークに基づいて位置合わせした第2分割パターンを前記モールドパターン形成領域に有する第2レジストパターンを、前記上層膜および前記下層膜の上に形成する工程と、
前記上層膜に対し、前記第2レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に前記第1分割パターンに加えて第2分割パターンを形成する工程と、
前記下層膜と前記上層膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する中間膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記下層膜に前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを形成しつつ、前記上層膜を除去する工程と、
前記基板と前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記基板にモールドパターンを形成しつつ、前記中間膜を除去する工程と、
前記下層膜に対し、ドライエッチングを行い、前記下層膜を除去する工程とを有する
ことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
(構成11)
前記下層膜および前記上層膜は、クロムを含有する材料で形成され、
前記中間膜は、ケイ素およびタンタルの少なくとも一方を含有する材料で形成され、
前記下層膜および前記上層膜の少なくとも一方のドライエッチングにおいては、酸素含有塩素系ガスよるドライエッチングを行い、
前記基板および前記中間膜の少なくとも一方のドライエッチングにおいては、フッ素系ガスによるドライエッチングを行う
ことを特徴とする構成9または10に記載のインプリントモールドの製造方法。
(構成12)
前記リソグラフィープロセスにおいては、電子線描画を実施する
構成9~11の何れかに記載のインプリントモールドの製造方法。
本発明によれば、1つのレジスト膜に形成することが困難である微細なモールドパターンを有するマスターモールドを製造するにあたり、その微細なモールドパターンの設計パターンを2以上の分割パターンに分割して別々のレジスト膜に形成する方法を用いる場合に、その2以上の分割パターンを高精度で重ね合わせて微細なモールドパターンを形成することができる。さらに、本発明によれば、その2以上の分割パターンを位置合わせするための基準マークをマスターモールドの製造途上に自在に配置することができる。
第1実施形態に係るマスクブランクの構成を説明するための断面図である。 第1実施形態に係るマスクブランクに用いる基板の平面図である。 第1実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。 第1実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。 第2実施形態に係るマスクブランクの構成を説明するための断面図である。 第2実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。 第2実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。 第3実施形態に係るマスクブランクの構成を説明するための断面図である。 第3実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。 第3実施形態に係るマスクブランクを用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。
以下本発明を適用した各実施の形態を、マスクブランク、インプリントモールの製造方法の順に説明する。なお、各実施の形態において同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素に関しての重複する説明は省略する。
≪第1実施形態≫
<マスクブランク>
図1は、第1実施形態に係るマスクブランク1の構成を説明するための断面図である。この図に示すマスクブランク1は、インプリントモールド用のマスクブランクであり、特にマスターモールド用のマスクブランク1である。ここでマスターモールドとは、リソグラフィープロセスを適用してパターン形成される原版であり、このマスターモールドを用いたナノインプリント法により、マスターモールドのモールドパターンを複製したレプリカモールドが製造される。
以上のようなマスターモールド作製用のマスクブランク1は、基板10の一主面上に、基板10側から順に下層膜11P、中間膜12P、および上層膜13を積層した構造を備えたものである。以下、これらの構成要素の詳細を説明する。
[基板10]
図2は、第1実施形態に係るマスクブランクに用いる基板10の平面図である。図2および先の図1に示すように、基板10は、2つの主表面と外周端面とを備えた板状材であって、インプリントモールドを構成するものとなる。この基板10は、一方の主表面を、モールドパターンおよび位置合わせ用の基準マークが形成されるパターン形成面10sとしている。なお、基板10は、2つの主表面と外周端面との間には面取り面が設けられている。
パターン形成面10sは、その中央に設定されたモールドパターン形成領域10aと、モールドパターン形成領域10aの外側の領域に設定された基準マーク形成領域10bとを有している。ここでは一例として、基準マーク形成領域10bは、基準マークが形成される可能性がある領域として、モールドパターン形成領域10aを囲む全領域を基準マーク形成領域10bとして示す。
基板10は、主表面の形状が矩形状であることが好ましく、正方形であると特に好ましい。主表面の大きさは限定されないが、特に一辺が152mmの正方形であると好ましい。モールドパターン形成領域10aの形状は任意であるが、矩形状であることが好ましく、正方形状であることが好ましい。モールドパターン形成領域10aの大きさは任意であるが、一辺が80mm以下の矩形状であることが好ましく、一辺が50mm以下の矩形状であるとより好ましい。基板10は、主表面におけるモールドパターン形成領域10aの高さがそれ以外の主表面の高さよりも高くなっている構造、いわゆる台座構造(ペデスタル構造)を有していてもよい。基板10は、パターン形成面とは反対側に主表面にモールドパターン形成領域10aを少なくとも包含する大きさの凹部を設けてもよい。
基板10の材質としては、インプリントモールドとして使用するのに要求される適度な強度や剛性を有する材料であれば特に制約はなく任意に用いることができる。例えば、合成石英(SiO)ガラスやSiO-TiO系低膨張ガラス、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、フッ化カルシウム(CaF)ガラス等のガラス素材、ケイ素(Si)、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属素材などが挙げられる。これらのうちガラス素材は特に好適である。ガラス素材は、非常に精度の高い加工が可能で、しかも平坦度及び平滑度に優れるため、本発明により得られるインプリントモールドを使用してパターン転写を行う場合、転写パターンの歪み等が生じないで高精度のパターン転写を行える。従って、基板10はガラスからなることが好ましい。
また、特にこの基板10が、光硬化樹脂に対してパターン転写を行うインプリントモールドを作製するためのものである場合においては、少なくとも基板10はガラス素材であることが望ましく、合成石英(SiO)ガラスやSiO-TiO系低膨張ガラスなどが特に好ましい。
また基板10は、1枚の基材を用いたものに限定されず、2枚以上の基材を接合させた構成のものであってもよい。
[下層膜11P]
下層膜11Pは、基板10のパターン形成面10s上に設けられた薄膜である。この下層膜11Pは、パターン形成面10s上のモールドパターン形成領域10aを少なくとも含み、かつ基準マーク形成領域10bを含まない領域に形成された薄膜である。ここでは一例として、下層膜11Pは、基板10のパターン形成面10sにおけるモールドパターン形成領域10aを覆い、基準マーク形成領域10bを露出する形状にパターン形成された薄膜であることとする。
また、下層膜11Pは、基板10および中間膜12Pをエッチングする際に用いるエッチャントに対してエッチング選択性を有するだけの十分なエッチングレート差が得られる材料(基板10および中間膜12Pのエッチングレートに対して、十分に遅いエッチングレートの材料)で構成され、基板10のエッチングマスクとなる薄膜である。また下層膜11Pは、基板10に対して選択的なエッチングが可能な薄膜でもある。
例えば、基板10がガラス材料によって構成されている場合、下層膜11Pは、クロム(Cr)を含有するクロム(Cr)系材料によって構成されていることが好ましい。クロム(Cr)系材料としては、クロム(Cr)単体、またはクロム(Cr)の窒化物、酸化物、炭化物、炭化窒化物、酸化窒化物、酸化炭化窒化物などのCr化合物が例示される。下層膜11Pを構成する材料には、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等の貴ガスを含有してもよく、下層膜11Pに求められる特性を損なわない範囲で非金属元素、半金属元素、クロム以外の金属元素を含有してもよい。
クロム(Cr)系材料によって構成された下層膜11Pは、ガラス材料によって構成された基板10を、四フッ化メタン(CF)のようなフッ素系ガスをエッチャントに用いてドライエッチングする際に、高いエッチング選択性を有する。このため、基板10のエッチングにおいてエッチングマスクとして機能する。
また、クロム(Cr)系材料によって構成された下層膜11Pは、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガス(酸素含有塩素系ガス)をエッチャントに用いたドライエッチングにおいて、ガラス材料によって構成された基板10に対して、高いエッチング選択比を有する。このため、基板10に対して選択的なエッチングが可能である。
以上のような下層膜11Pは、マスクシールド上からの成膜によって形成される。この際、モールドパターン形成領域10aに対応する部分に開口を有し、基準マーク形成領域10bを覆うマスクシールドを用い、このマスクシールド上から基板10のパターン形成面10s上への成膜によって下層膜11Pを形成する。下層膜11Pの成膜は、例えばスパッタリング成膜によって行われる。下層膜11Pが、クロム(Cr)を含有する材料によって構成されている場合、例えば、スパッタターゲットとしてクロム(Cr)ターゲットを用い、チャンバー内に、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)等の貴ガスと、二酸化炭素(CO)、酸素(O)、窒素(N)等の反応性ガスとの混合ガスをスパッタリングガスとして導入し、スパッタリング成膜を行う。
また以上のような下層膜11Pは、下層膜11Pをマスクにした基板10のエッチングにより、基板10に十分な高さのモールドパターンが形成可能な膜厚を有することとする。下層膜11Pは、膜厚が2nm以上であることが好ましく、3nm以上であるとより好ましい。一方、下層膜11Pの膜厚が厚くなるにつれ、下層膜11Pにパターンを形成するときのエッチング時間が長くなることを考慮すると、下層膜11Pの膜厚は、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。
[中間膜12P]
中間膜12Pは、基板10のパターン形成面10s上に、下層膜11Pを介して設けられた薄膜である。この中間膜12Pは、パターン形成面10s上のモールドパターン形成領域10aを少なくとも含み、かつ基準マーク形成領域10bを含まない領域に形成された薄膜である。ここでは一例として、中間膜12Pは、基板10のパターン形成面10sにおけるモールドパターン形成領域10aを覆い、基準マーク形成領域10bを露出する形状にパターン形成された薄膜であることとする。
また中間膜12Pは、下層膜11Pに対して選択的なエッチングが可能であって、下層膜11Pをエッチングストッパとしてエッチングされる薄膜である。また中間膜12Pは、下層膜11Pおよび上層膜13をエッチングする際に用いるエッチャントに対してエッチング選択性を有するだけの十分なエッチングレート差が得られる材料(下層膜11Pおよび上層13のエッチングレートに対して、十分に遅いエッチングレートの材料)で構成され、下層膜11Pのエッチングマスクとしても用いられる薄膜である。さらに中間膜12Pは、基板10と同時にエッチングすることが可能な材料(基板10のエッチングレートに対して、エッチングレート差が小さい材料)で構成された薄膜であることが好ましい。
このような中間膜12Pを構成する材料は、例えば、下層膜11Pおよび上層膜13が、クロム(Cr)系材料によって構成されている場合であれば、ケイ素(Si)およびタンタル(Ta)の少なくとも一方を含有する材料が用いられる。これらの材料の具体例は次の通りである。
ケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)および水素(H)から選ばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、この他のケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素(Si)および遷移金属に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)および水素(H)から選ばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。また、この遷移金属としては、例えば、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)が挙げられる。
またタンタル(Ta)を含有する材料としては、タンタル(Ta)に、酸素(O)、窒素(N)、炭素(C)、ホウ素(B)および水素(H)から選ばれる1以上の元素を含有する材料が挙げられる。これらの中でも、タンタル(Ta)に、酸素(O)を含有する材料が特に好ましい。このような材料の具体例としては、酸化タンタル(TaO)、酸化窒化タンタル(TaON)、ホウ化酸化タンタル(TaBO)、ホウ化酸化窒化タンタル(TaBON)等が挙げられる。これらの中間膜12Pを構成する材料には、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)等の貴ガスを含有してもよく、下層膜11Pに求められる特性を損なわない範囲で非金属元素、半金属元素を含有してもよい。
また、中間膜12Pは、ケイ素(Si)の他に、酸素(O)を含有する材料で形成されていることが好ましい。このような中間膜12Pを構成する材料の具体例としては、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化窒化シリコン(SiON)等が挙げられる。
これらの材料によって構成された中間膜12Pは、四フッ化メタン(CF)のようなフッ素系のエッチャントを用いたエッチングにおいて、クロム(Cr)系材料によって構成された下層膜11Pに対して高いエッチング選択比を有する。このため、下層膜11Pをストッパとしたエッチングが可能であり、ガラス材料を用いて構成された基板10と同時にエッチングすることが可能である。
また、これらの材料によって構成された中間膜12Pは、クロム(Cr)系材料によって構成された下層膜11Pを、塩素系ガスと酸素ガスとの混合ガス(酸素含有塩素系ガス)をエッチャントに用いてドライエッチングする際に、高いエッチング選択性を有する。このため、下層膜11Pのエッチングにおいてエッチングマスクとして機能する。
以上のような中間膜12Pは、下層膜11Pの成膜に用いたマスクシールドと同様のマスクシールド上からの成膜によって形成される。中間膜12Pの成膜は、例えばスパッタリング成膜によって行われる。中間膜12Pが、ケイ素(Si)およびタンタル(Ta)の少なくとも一方を含有する材料によって構成されている場合、スパッタターゲットとしてケイ素(Si)およびタンタル(Ta)の少なくとも一方を含有するターゲットを用い、チャンバー内に、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)等の貴ガス、および必要に応じて二酸化炭素(CO)、酸素(O)、窒素(N)等の反応性ガスとの混合ガスをスパッタリングガスとして導入し、スパッタリング成膜を行う。
また、以上のような中間膜12Pは、下層膜11Pをエッチングする際のエッチングストッパとして機能し、かつ次に説明する上層膜13をエッチングする際のエッチングマスクとして機能する程度の膜厚を有していることとする。中間膜12Pは、膜厚が2nm以上であることが好ましく、3nm以上であるとより好ましい。一方、中間膜12Pの膜厚が厚くなるにつれ、中間膜12Pにパターンを形成するときのエッチング時間が長くなることを考慮すると、中間膜12Pの膜厚は、15nm以下であると好ましく、10nm以下であるとより好ましい。
[上層膜13]
上層膜13は、下層膜11Pおよび中間膜12Pを有する基板10のパターン形成面10s上に設けられた薄膜である。この上層膜13は、下層膜11Pおよび中間膜12Pが設けられた基板10のパターン形成面10s上において、モールドパターン形成領域10aおよび基準マーク形成領域10bを少なくとも含む領域に形成されている。このような上層膜13は、下層膜11Pおよび中間膜12Pが設けられた基板10におけるパターン形成面10s上の全域を覆う状態で形成された薄膜であってよい。
また、上層膜13は、基板10および中間膜12Pに対して選択的なエッチングが可能であって、基板10および中間膜12Pをストッパとしてエッチングされる薄膜である。また上層膜13は、基板10および中間膜12Pをエッチングする際に用いるエッチャントに対してエッチング選択性を有するだけの十分なエッチングレート差が得られる材料(基板10および中間膜12Pのエッチングレートに対して、十分に遅いエッチングレートの材料)で構成され、基板10および中間膜12Pのエッチングマスクとしても用いられる薄膜である。さらに上層膜13は、基板10をエッチングする際に用いるエッチャントに対してエッチング選択性を有する材料で構成され、基板10のエッチングマスクとなる薄膜でもある。
このような上層膜13を構成する材料は、例えば、下層膜11Pとして選択される材料の中から適切な材料が用いられる。上層膜13を構成する材料は、下層膜11Pと同じ材料であってもよいが、下層膜11Pとして選択可能な材料であれば、下層膜11Pと同様の材料でなくてもよい。ただし、上層膜13は、下層膜11Pと同一のエッチャントに対して同一のエッチング特性を有する材料で構成されていることが好ましい。
以上のような上層膜13は、下層膜11Pの成膜と同様のスパッタリング成膜によって形成される。上層膜13のスパッタリング成膜は、マスクシールドを用いること無く行ってもよい。ただし、マスクシールドを用いないで上層膜13を成膜した場合、基板10の面取り面や外周端面にも成膜される。上層膜13が面取り面や外周端面に成膜されないようにする場合には、面取り面や外周端面を覆う開口形状を有するマスクシールドを用いて、上層膜13を成膜することが好ましい。
また、以上のような上層膜13は、上層膜13をマスクにした基板10のエッチングにより、基板10に十分な深さの基準マークが形成される膜厚を有することとする。この観点から、上層膜11Pは、膜厚が2nm以上であることが好ましく、3nm以上であるとより好ましい。さらに上層膜13は、上層膜13の上方から下層膜11Pをエッチングする際に、下層膜11Pよりも先に除去される膜厚を有することとする。
例えば、下層膜11Pと上層膜13とが、クロム(Cr)系材料によって構成されている場合、下層膜11Pの酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングのエッチングレートを[V]、下層膜11Pの膜厚を[D]、上層膜13の酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングのエッチングレートを[V]、上層膜13の膜厚を[D]としたとき、[D]/[V]≧[D]/[V]の関係を満たす。このような構成を備えることによって、下層11Pに対してドライエッチングによってパターンを形成し終えた段階で、上層膜13が全面除去された状態とすることができる。
さらに、上層膜13と下層膜11Pとが同一材料で構成されている場合、上層膜13の膜厚は下層膜11Pの膜厚よりも薄いこととする。一例として、基板10が石英系ガラスによって構成され、下層膜11Pおよび上層膜13が同一組成のクロム(Cr)系材料によって構成されていて、下層膜11Pの膜厚が3nmである場合、上層膜13は3nm以下の膜厚を有していることとする。
<インプリントモールドの製造方法>
図3は、第1実施形態に係るマスクブランク1を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。また図4は、第1実施形態に係るマスクブランク1を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。以下、図1および図2を用いて説明した第1実施形態に係るマスクブランク1を用いたインプリントモールドの製造方法を説明する。なお、ここでは一例として、基板10が合成石英ガラスで構成され、下層膜11Pがクロム(Cr)系材料で構成され、中間膜12Pが酸化ケイ素系材料で構成され、上層膜13がクロム(Cr)系材料で構成されている場合を説明する。
先ず、図3および図4に示す工程を実施する前の準備工程として、マスクブランク1の基板10に形成するモールドパターンの設計パターンを、複数の設計パターンに分割する。ここでは、一例として第1分割パターンと第2分割パターンの2つの設計パターンに分割することとする。これらの第1分割パターンと第2分割パターンは、モールドパターンの形成密度を疎な状態とするように、モールドパターンの設計パターンを分割したパターンである。次いで、分割した第1分割パターンに対して、基準マークのパターンを追加し、第2分割パターンと基準マークとの間の相対位置を設定する。なお、設計パターンを3つ以上に分割する場合には、最初にマスクブランク1上に形成する第1分割パターンのみに、基準マークのパターンを追加すればよい。以上のようにして、設計パターンの分割と基準マークのパターンの追加を行った後、以下の工程を実施する。
先ず図3の(1)に示すように、マスクブランク1において上層膜13が形成されている側の上部、すなわち上層膜13上に、第1レジストパターン21を形成する。この第1レジストパターン21は、第1分割パターン21aと基準マーク21bとを有する。
第1分割パターン21aは、基板10のパターン形成面10sに形成するべきモールドパターンを複数に分割することにより、モールドパターンの形成密度を疎な状態としたパターンである。この第1分割パターン21aは、基板10におけるモールドパターン形成領域10a上に設けられていることとする。
また基準マーク21bは、2分割したモールドパターンの位置合わせ用のパターンである。この基準マーク21bの平面視の形状は、例えば十字形状である。この基準マーク21bは、第1分割パターン21aと比較して開口幅が大きく、電子線描画における位置合わせマークとして十分な開口幅を有していることとする。このような基準マーク21bは、基板10における基準マーク形成領域10b内のできるだけ離れた位置に、少なくとも2箇所に設けられていることとする。
以上のような第1分割パターン21aと基準マーク21bとを有する第1レジストパターン21は、電子線描画を用いたリソグラフィープロセスにより、以下のように形成される。すなわち、先ずマスクブランク1における上層膜13上に、レジスト材料を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して必要に応じてベーキング処理を実施した後に第1分割パターンおよび基準マークのパターンの電子線描画を行う。次に、レジスト膜の現像処理を実施し、電子線を照射した部分または電子線を照射していない部分のレジスト膜を除去し、これにより第1レジストパターン21を形成する。
次に図3の(2)に示すように、第1レジストパターン21をマスクにして上層膜13をエッチングする。これにより、第1レジストパターン21の第1分割パターン21aおよび基準マーク21bを、上層膜13に転写し、上層膜13に第1分割パターン13a-1および基準マーク13bを形成する。
この際、エッチャントとして酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングを行う。これにより、酸化ケイ素系材料で用いて構成された中間膜12Pと、合成石英ガラスによって構成された基板10をエッチングストッパとして、クロム(Cr)を用いた材料によって構成された上層膜13の選択的なエッチングを行う。またこのエッチングにおいては、酸素ガスのプラズマにより、第1レジストパターン21のエッチングも進み、第1レジストパターン21の膜厚が減少する。なお、このドライエッチング後、残存する第1レジストパターン21を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図3の(3)に示すように、上層膜13をマスクにして中間膜12Pと基板10の表面層とをエッチングする。これにより、上層膜13に形成された第1分割パターン13a-1および基準マーク13bを、中間膜12Pと基板10の表面層に転写し、中間膜12Pに第1分割パターン12a-1を形成し、基板10の表面層を掘り込んだ基準マーク100bを形成する。
この際、エッチャントとして四フッ化メタン(CF)のようなフッ素系ガスを用いることにより、クロム(Cr)系材料によって構成された下層膜11Pと上層膜13とに対して選択的に、酸化ケイ素系材料によって構成された中間膜12Pと合成石英ガラスによって構成された基板10をエッチングする。これにより、下層膜11Pをエッチングストッパとし、上層膜13をマスクとした中間膜12Pと基板10のエッチングを行う。このエッチングは、電子線描画における位置合わせマークとして十分な深さ[H](例えば100nm)を有する基準マーク100bのパターンが基板10に形成される程度に実施される。第1レジストパターン21が残存していた場合は、このドライエッチングによって消失する。
なお、このエッチングにおいて、モールドパターン形成領域10aは、下層膜11Pに覆われている。このため、モールドパターン形成領域10aの基板10に影響を及ぼすことなく、基準マーク形成領域10bの基板10部分に、十分な深さ[H]の基準マーク100bを形成することができる。
その後、図3の(4)に示すように、中間膜12Pに第1分割パターン12a-1が形成され、基板10に基準マーク100bが形成されたマスクブランク1における上層膜13上に、第2レジストパターン22を形成する。この第2レジストパターン22は、第1分割パターン12a-1に対して位置合わせされた第2分割パターン22aを有する。
第2分割パターン22aは、基板10のパターン形成面10sに形成するべきモールドパターンを複数分割することにより、モールドパターンの形成密度を疎な状態としたパターンである。この第2分割パターン22aは、先に形成した第1レジストパターン21(図3の(1)参照)に形成された第1分割パターン21aと合わせて1つのモールドパターンを構成するものであり、基板10におけるモールドパターン形成領域10a上に設けられていることとする。
なお、第2レジストパターン22は、基板10におけるモールドパターン形成領域10a上にこの第2分割パターン22aを有するのみであり、基板10における基準マーク形成領域10bに位置合わせ用の基準マークを有していない。
以上のような第2レジストパターン22は、第1レジストパターン21(図3の(1)参照)の形成と同様に、電子線描画を適用したリソグラフィープロセスによって形成される。すなわち、先ずマスクブランク1における上層膜13上に、レジスト材料を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して第2分割パターン22aの電子線描画を行った後、現像処理を行うことにより第2レジストパターン22を形成する。電子線描画においては、基準マーク100bを基準にして第2分割パターン22aの露光描画を行う。
この電子線描画においては、電子線の反射によってレジスト膜の下の基準マーク100bの形成位置を検知し、検知した基準マーク100bに基づく位置合わせを実施する。基準マーク100bは、中間膜12Pに形成された第1分割パターン12a-1と同一工程で形成されているため、第1分割パターン12a-1に対する位置ズレはない。したがって、この基準マーク100bに基づく位置合わせにより、第1分割パターン13a-1および第1分割パターン12a-1に対して高精度に位置合わせされた電子線描画が実施される。
以上のような電子線描画の後、必要に応じてベーキング処理を実施し、次いでレジスト膜の現像処理を実施することにより、電子線を照射した部分または電子線を照射していない部分のレジスト膜を除去し、これにより第2レジストパターン22を形成する。このようにして形成された第2レジストパターン22は、上層膜13に形成された第1分割パターン13a-1および中間膜12Pに形成された第1分割パターン12a-1に対して高精度に位置合わせされた第2分割パターン22aを有するものとなる。
次に図4の(1)に示すように、第2レジストパターン22をマスクにして上層膜13をエッチングする。これにより、第2レジストパターン22の第2分割パターン22aを、上層膜13に転写し、上層膜13に第2分割パターン13a-2を形成する。
このエッチングは、第1レジストパターン21をマスクにした上層膜13のエッチング(図3の(2)参照)と同様に、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、第2レジストパターン22のエッチングも進み、第2レジストパターン22の膜厚が減少する。なお、このドライエッチング後、残存する第2レジストパターン22を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図4の(2)に示すように、上層膜13をマスクにして中間膜12Pをエッチングする。これにより、上層膜13に形成された第2分割パターン13a-2を中間膜12Pに転写し、中間膜12Pに第2分割パターン12a-2を形成する。これにより中間膜12Pは、先に形成した第1分割パターン12a-1と、第2分割パターン12a-2とを合わせたモールドパターン12aが設けられた状態となる。
このエッチングは、中間膜12Pに第1分割パターン12a-1を形成する場合のエッチング(図3の(3)参照)と同様に、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。第2レジストパターン22が残存していた場合は、このドライエッチングによって消失する。また、このドライエッチングで基準マーク100bもエッチングされ、基準マーク100bが深くなる場合があるが、特に問題はない。
次に図4の(3)に示すように、上層膜13のエッチングと、中間膜12Pをマスクにした下層膜11Pのエッチングを行う。これにより、上層膜13を除去し、また中間膜12Pに形成されたモールドパターン12aを下層膜11Pに転写し、下層膜11Pにモールドパターン11aを形成する。このエッチングは、第1レジストパターン21をマスクにした上層膜13のエッチング(図3の(2)参照)と同様に、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。
次に図4の(4)に示すように、下層膜11Pをマスクにして基板10をエッチングする。これにより、下層膜11Pに形成されたモールドパターン11aを基板10の表面層に転写し、基板10の表面層にモールドパターン100aを形成する。このエッチングは、中間膜12Pに第1分割パターン12a-1を形成する場合のエッチング(図3の(3)参照)と同様に、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、中間膜12Pが除去されるとともに、下層膜11Pから露出している基板10の表面層がエッチングされる。
次に図4の(5)に示すように、下層膜11Pをエッチングすることにより、基板10上の下層膜11Pを除去する。このエッチングは、第1レジストパターン21をマスクにした上層膜13のエッチング(図3の(2)参照)と同様に、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、基板10におけるモールドパターン形成領域10aにモールドパターン100aが設けられ、基準マーク形成領域10bに基準マーク100bが設けられたインプリントモールド1aが作成される。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態のマスクブランク1は、基板10上のモールドパターン形成領域10aに、下層膜11P、中間膜12P、および上層膜13の3層構造の膜が設けられ、基板10上の基準マーク形成領域10bに上層膜13のみが設けられた構成となっている。下層膜11Pおよび上層膜13は、基板10および中間膜12Pのエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成されており、また基板10および中間膜12Pは、下層膜11Pおよび上層膜13のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成されている。
これにより、上述したインプリントモールドの製造方法で説明したように、第1分割パターン12a-1と、これに対して高精度に位置合わせされた第2分割ターン12a-2とを合わせたモールドパターン12aを中間膜12Pに形成しつつ、その位置合わせするための基準マークを基板10の表面層に自在に配置することができる。そしてこの中間膜12Pをマスクにした下層膜11Pのエッチングと、その後の下層膜11Pをマスクにした基板10の表面層のエッチングにより、2つに分割した設計パターンを合わせたモールドパターン100aを、基板10の表面層に形成することが可能である。
したがって本第1実施形態によれば、マスターモールド用のインプリントモールド1aの製造において、2つに分割した設計パターンを高精度で重ね合わせた微細なモールドパターン100aを、形成することが可能となる。さらに、その2以上の分割パターンを位置合わせするために用いる基準マーク100bをインプリントモールド1aの製造途上に自在に配置することができる。
≪第2実施形態≫
<マスクブランク>
図5は、第2実施形態に係るマスクブランク2の構成を説明するための断面図である。この図に示すマスクブランク2が、第1実施形態のマスクブランク1と異なるところは、中間膜12の形状にあり、材料を含む他の構成は同様である。したがってここでは中間膜12の形状のみを説明する。
[中間膜12]
中間膜12は、基板10のパターン形成面10s上に、下層膜11Pを覆う状態で設けられた薄膜であって、基板10におけるパターン形成面10s上の全域に形成された薄膜である。このような中間膜12は、第1実施形態で説明した中間膜12Pと同様の材料を用いて構成されている。
<インプリントモールドの製造方法>
図6は、第2実施形態に係るマスクブランク2を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。また図7は、第2実施形態に係るマスクブランク2を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。これらの図に示す第2実施形態に係るマスクブランク2を用いたインプリントモールドの製造方法は、図3および図4を用いて説明したインプリントモールドの製造手順と同様の手順で実施することができ、以下のように行う。
先ず、図6および図7に示す工程を実施する前の準備として、マスクブランク2の基板10に形成するモールドパターンの設計パターンを、複数の設計パターンに分割し、第1分割パターンに対して基準マークのパターンを追加し、第2分割パターンと基準マークとの間の相対位置を設定する。以上のようにして、設計パターンの分割と基準マークのパターンの追加を行った後、以下の工程を実施する。
先ず図6の(1)に示すように、マスクブランク2において上層膜13が形成されている側の上部、すなわち上層膜13上に、電子線描画を適用したリソグラフィープロセスにより、第1分割パターン21aと基準マーク21bとを有する第1レジストパターン21を形成する。ここでは先ずマスクブランク2における上層膜13上に、レジスト材料を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して第1分割パターン21aと基準マーク21bのパターンの電子線描画を行った後、現像処理を行うことにより第1レジストパターン21を形成する。
次に図6の(2)に示すように、第1レジストパターン21をマスクにして上層膜13をエッチングし、上層膜13に第1分割パターン13a-1および基準マーク13bを形成する。この際、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングを実施する。なお、このエッチングにおいては、基板10上の全面において中間膜12をエッチングストッパとした上層膜13のエッチングが実施され、この点が第1実施形態とはことなる。このドライエッチング後、残存する第1レジストパターン21を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図6の(3)に示すように、上層膜13をマスクにして中間膜12と基板10の表面層とをエッチングし、中間膜12に第1分割パターン12a-1を形成し、基板10に十分な深さ[H]の基準マーク100bを形成する。この際、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングを実施する。
このエッチングにおいては、モールドパターン形成領域10aが下層膜11Pに覆われているため、モールドパターン形成領域10aの基板10に影響を及ぼすことなく、基準マーク形成領域10bの基板10部分に十分な深さ[H]の基準マーク100bを形成することができる。なお、基準マーク形成領域10bにおいては、中間膜12のエッチングが終了した後に基板10のエッチングが実施され、この点が第1実施形態とは異なる。第1レジストパターン21が残存していた場合は、このドライエッチングによって消失する。
その後図6の(4)に示すように、上層膜13上に、電子線描画を適用したリソグラフィープロセスにより、第2分割パターン22aを有する第2レジストパターン22を形成する。ここでは先ず、マスクブランク2における上層膜13上にレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して第2分割パターン22aの電子線描画を行った後、現像処理を行うことにより第2レジストパターン22を形成する。電子線描画においては、基準マーク100bを基準にして第2分割パターン22aの露光描画を行う。
このリソグラフィープロセスの電子線描画においては、電子線の反射によってレジスト膜の下の基準マーク100bの形成位置を検知し、検知した基準マーク100bに基づく位置合わせを実施する。基準マーク100bは、中間膜12に形成された第1分割パターン12a-1と同一工程で形成されているため、第1分割パターン12a-1に対する位置ズレはない。したがって、この基準マーク100bに基づく位置合わせにより、第1分割パターン12a-1に対して高精度に位置合わせされた電子線描画が実施される。
次に図7の(1)に示すように、第2レジストパターン22をマスクにして上層膜13をエッチングし、上層膜13に第2分割パターン13a-2を形成する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。なお、このドライエッチング後、残存する第2レジストパターン22を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図7の(2)に示すように、上層膜13をマスクにして中間膜12をエッチングし、中間膜12に第2分割パターン12a-2を形成する。このエッチングは、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、中間膜12は、先に形成した第1分割パターン12a-1と、第2分割パターン12a-2とを合わせたモールドパターン12aが設けられた状態となる。
またこのエッチングにおいては、第2レジストパターン22が残存していた場合は、第2レジストパターン22のエッチング除去も進み、第2レジストパターン22が除去される。その後は、上層膜13をマスクとした基板10および中間膜12Pのエッチングが進行する。これにより基準マーク100bが深くなるが、特に問題はない。
次に図7の(3)に示すように、上層膜13のエッチングと、中間膜12をマスクにした下層膜11Pのエッチングを行い、下層膜11Pにモールドパターン11aを形成する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。
次に図7の(4)に示すように、下層膜11Pをマスクにして基板10をエッチングし、基板10の表面層にモールドパターン100aを形成する。この際、中間膜12も同時にエッチング除去する。このエッチングは、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。
次に図7の(5)に示すように、下層膜11Pをエッチングすることにより、基板10上の下層膜11Pを除去する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、モールドパターン形成領域10aにモールドパターン100aが設けられ、基準マーク形成領域10bに基準マーク100bが設けられたインプリントモールド2aを得る。
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態のマスクブランク2であっても、基板10上のモールドパターン形成領域10aに、下層膜11P、中間膜12、および上層膜13の3層構造の膜が設けられ、基板10上の基準マーク形成領域10bに上層膜13と中間膜12のみが設けられた構成となっている。
これにより、上述したインプリントモールドの製造方法で説明したように、第1実施形態と同様に、マスターモールド用のインプリントモールド2aの製造において、2つに分割した設計パターンを高精度で重ね合わせた微細なモールドパターン100aを、形成することが可能となる。さらに、その2以上の分割パターンを位置合わせするために用いる基準マーク100bをインプリントモールド1aの製造途上に自在に配置することができる。
≪第3実施形態≫
<マスクブランク>
図8は、第3実施形態に係るマスクブランク3の構成を説明するための断面図である。この図に示すマスクブランク3が、第1実施形態のマスクブランク1と異なるところは、下層膜11および上層膜13Pの形状にあり、材料を含む他の構成は同様である。したがってここでは下層膜11および上層膜13Pの形状のみを説明する。
[下層膜11]
下層膜11は、基板10のパターン形成面10s上に設けられた薄膜である。この下層膜11は、パターン形成面10s上のモールドパターン形成領域10aおよび基準マーク形成領域10bを少なくとも含む領域に形成された薄膜である。ここでは一例として、下層膜11は、基板10におけるパターン形成面10s上の全域を覆う状態で形成された薄膜であって、マスクブランク3の表面の一部を構成する。
[上層膜13P]
上層膜13Pは、下層膜11および中間膜12Pを有する基板10のパターン形成面10s上に設けられた薄膜である。この上層膜13Pは、パターン形成面10s上のモールドパターン形成領域10aを少なくとも含み、かつ基準マーク形成領域10bを含まない領域に形成された薄膜である。ここでは一例として、上層膜13Pは、基板10のパターン形成面10sにおけるモールドパターン形成領域10aを覆い、基準マーク形成領域10bを露出する形状にパターン形成された薄膜であることとする。
またこの上層膜13Pは、中間膜12PがSiOのような絶縁性の材料によって構成されている場合、下層膜11に対して接続された形状を有していることとする。これにより、以降に説明する電子線描画を行う場合に、上層膜13Pが帯電することを防止する。
<インプリントモールドの製造方法>
図9は、第3実施形態に係るマスクブランク3を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その1)である。また図10は、第3実施形態に係るマスクブランク3を用いたインプリントモールドの製造方法を説明するための断面工程図(その2)である。これらの図に示す第3実施形態に係るマスクブランク3を用いたインプリントモールドの製造方法は、図3および図4を用いて説明したインプリントモールドの製造手順と、ほぼ同様の手順で実施することができ、以下のように行う。
先ず、図9および図10に示す工程を実施する前の準備として、マスクブランク3の基板10に形成するモールドパターンの設計パターンを、複数の設計パターンに分割し、第1分割パターンに対して基準マークのパターンを追加し、第2分割パターンと基準マークとの間の相対位置を設定する。以上のようにして、設計パターンの分割と基準マークのパターンの追加を行った後、以下の工程を実施する。
先ず図9の(1)に示すように、マスクブランク3において上層膜13Pが形成されている側の上部、すなわち上層膜13Pおよび下層膜11の上に、電子線描画を適用したリソグラフィープロセスにより、第1分割パターン21aと基準マーク21bとを有する第1レジストパターン21を形成する。ここでは、先ずマスクブランク3における上層膜13Pおよび下層膜11の上に、レジスト材料を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して第1分割パターン21aと基準マーク21bのパターンの電子線描画を行った後、現像処理を行うことにより第1レジストパターン21を形成する。
次に図9の(2)に示すように、第1レジストパターン21をマスクにして上層膜13Pをエッチングする。またこれと同時に、上層膜13Pと同様の材料からなる下層膜11をエッチングする。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、上層膜13Pに第1分割パターン13a-1を形成し、下層膜11に基準マーク13bを形成する。この際、上層膜13Pに対しては中間膜12Pをエッチングストッパとしたエッチングが実施され、下層膜11に対しては基板10をエッチングストッパとしたエッチングが実施される。このドライエッチング後、残存する第1レジストパターン21を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図9の(3)に示すように、上層膜13Pおよび下層膜11をマスクにして中間膜12Pと基板10の表面層とをエッチングし、中間膜12Pに第1分割パターン12a-1を形成し、基板10に十分な深さ[H]の基準マーク100bを形成する。この際、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングを実施する。第1レジストパターン21が残存していた場合は、このドライエッチングによって消失する。
このエッチングにおいては、モールドパターン形成領域10aが下層膜11に覆われているため、モールドパターン形成領域10aの基板10に影響を及ぼすことなく、基準マーク形成領域10bの基板10部分に基準マーク100bを形成することができる。
その後図9の(4)に示すように、上層膜13Pおよび下層膜11上に、電子線描画を適用したリソグラフィープロセスにより、第2分割パターン22aを有する第2レジストパターン22を形成する。ここでは先ず、マスクブランク3における上層膜13Pおよび下層膜11上にレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対して第2分割パターン22aの電子線描画を行った後、現像処理を行うことにより第2レジストパターン22を形成する。電子線描画においては、基準マーク100bを基準にして第2分割パターン22aを露光描画する。
このリソグラフィープロセスの電子線描画においては、電子線の反射によってレジスト膜の下の基準マーク100bの形成位置を検知し、検知した基準マーク100bに基づく位置合わせを実施する。基準マーク100bは、中間膜12Pに形成された第1分割パターン12a-1と同一工程で形成されているため、第1分割パターン12a-1に対する位置ズレはない。したがって、この基準マーク100bに基づく位置合わせにより、第1分割パターン12a-1に対して高精度に位置合わせされた電子線描画が実施される。
次に図10の(1)に示すように、第2レジストパターン22をマスクにして上層膜13Pをエッチングし、上層膜13Pに第2分割パターン13a-2を形成する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。なお、このドライエッチング後、残存する第2レジストパターン22を薬液処理あるいは酸素プラズマアッシングで除去してもよい。
次に図10の(2)に示すように、上層膜13Pをマスクにして中間膜12Pをエッチングし、中間膜12Pに第2分割パターン12a-2を形成する。このエッチングは、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、中間膜12Pは、先に形成した第1分割パターン12a-1と、第2分割パターン12a-2とを合わせたモールドパターン12aが設けられた状態となる。
またこのエッチングにおいては、第2レジストパターン22が残存していた場合は、第2レジストパターン22のエッチング除去も進み、第2レジストパターン22が除去される。その後は、上層膜13Pおよび下層膜11をマスクとした基板10および中間膜12Pのエッチングが進行する。これにより基準マーク100bが深くなるが、特に問題はない。
次に図10の(3)に示すように、上層膜13Pのエッチングと、中間膜12Pをマスクにした下層膜11のエッチングを行なう。これにより、下層膜11に、第1分割パターンと、第2分割パターンとを合わせたモールドパターン11aを形成する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。
次に図10の(4)に示すように、下層膜11をマスクにして基板10をエッチングし、基板10の表面層にモールドパターン100aを形成する。この際、中間膜12Pも同時にエッチング除去する。このエッチングは、フッ素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。
次に図10の(5)に示すように、下層膜11をエッチングすることにより、基板10上の下層膜11を除去する。このエッチングは、酸素含有塩素系ガスをエッチャントに用いたドライエッチングによって実施される。これにより、モールドパターン形成領域10aにモールドパターン100aが設けられ、基準マーク形成領域10bに基準マーク100bが設けられたインプリントモールド3aを得る。
<第3実施形態の効果>
以上説明した第3実施形態のマスクブランク3であっても、基板10上のモールドパターン形成領域10aには、下層膜11、中間膜12P、および上層膜13Pの3層構造の膜が設けられ、基板10上の基準マーク形成領域10bに下層膜11のみが設けられた構成となっている。
これにより、上述したインプリントモールドの製造方法で説明したように、第1実施形態と同様に、マスターモールド用のインプリントモールド3aの製造において、2つに分割した設計パターンを高精度で重ね合わせた微細なモールドパターン100aを、形成することが可能となる。さらに、その2以上の分割パターンを位置合わせするために用いる基準マーク100bをインプリントモールド1aの製造途上に自在に配置することができる。
1,2,3…マスクブランク
1a,2a,3a…インプリントモールド
10…基板
10a…モールドパターン形成領域
10b…基準マーク形成領域
10s…パターン形成面(主表面)
11a…モールドパターン
11P…下層膜
12a…モールドパターン
12a-1…第1分割パターン
12a-2…第2分割パターン
12P,12…中間膜
13,13P…上層膜
13a-1…第1分割パターン
13a-2…第2分割パターン
13b…基準マーク
21…第1レジストパターン
21a…第1分割パターン
21b…基準マーク
22…第2レジストパターン
22a…第2分割パターン
100a…モールドパターン
100b…基準マーク

Claims (12)

  1. モールドパターン形成領域と基準マーク形成領域とを有する基板の主表面上に、前記基板側から下層膜、中間膜、および上層膜をこの順に積層した構造を備えるマスクブランクであって、
    前記下層膜および前記上層膜は、前記基板および前記中間膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
    前記基板および前記中間膜は、前記下層膜および前記上層膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
    前記下層膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含み、かつ前記基準マーク形成領域を含まない領域に形成され、
    前記中間膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含む領域に形成され、
    前記上層膜は、前記モールドパターン形成領域および前記基準マーク形成領域を少なくとも含む領域に形成されている
    ことを特徴とするマスクブランク。
  2. 前記上層膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
  3. 前記中間膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク。
  4. モールドパターン形成領域と基準マーク形成領域とを有する基板の主表面上に、前記基板側から下層膜、中間膜、および上層膜をこの順に積層した構造を備えるマスクブランクであって、
    前記下層膜および前記上層膜は、前記基板および前記中間膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
    前記基板および前記中間膜は、前記下層膜および前記上層膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する材料で形成され、
    前記下層膜は、前記モールドパターン形成領域および前記基準マーク形成領域を少なくとも含む領域に形成され、
    前記中間膜および上層膜は、前記モールドパターン形成領域を少なくとも含み、かつ前記基準マーク形成領域を含まない領域に形成されている
    ことを特徴とするマスクブランク。
  5. 前記下層膜は、前記基板の主表面上の全域に形成されている
    ことを特徴とする請求項4記載のマスクブランク。
  6. 前記下層膜および前記上層膜は、クロムを含有する材料で形成され、
    前記中間膜は、ケイ素およびタンタルの少なくとも一方を含有する材料で形成されている
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のマスクブランク。
  7. 前記下層膜の酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートを[V]、前記下層膜の膜厚を[D]、前記上層膜の酸素含有塩素系ガスを用いたドライエッチングのエッチングレートを[V]、記下層膜の膜厚を[D]としたとき、[D]/[V]≧[D]/[V]の関係を満たす
    ことを特徴とする請求項6に記載のマスクブランク。
  8. 前記下層膜と前記上層膜とは、同一の材料で構成され、
    前記下層膜の膜厚は、前記上層膜の膜厚以上の膜厚を有する
    ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のマスクブランク。
  9. 請求項1~3の何れか1項に記載のマスクブランクの前記基板の主表面を掘り込んでモールドパターンを形成して製造されるインプリントモールドの製造方法であって、
    リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記モールドパターン形成領域に第1分割パターンを有し前記基準マーク形成領域に基準マークのパターンを有する第1レジストパターンを、前記上層膜の上に形成する工程と、
    前記上層膜に対し、前記第1レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンと前記基準マークのパターンを形成する工程と、
    前記中間膜と前記基板に対し、前記第1分割パターンと前記基準マークのパターンを有する前記上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に第1分割パターンを形成し、かつ前記基板にその主表面を掘り込んだ基準マークのパターンを形成する工程と、
    リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記基板に形成された基準マークに基づいて位置合わせした第2分割パターンを前記モールドパターン形成領域に有する第2レジストパターンを、前記上層膜の上に形成する工程と、
    前記上層膜に対し、前記第2レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
    前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
    前記下層膜と前記上層膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する中間膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記下層膜に前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを形成しつつ、前記上層膜を除去する工程と、
    前記基板と前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記基板にモールドパターンを形成しつつ、前記中間膜を除去する工程と、
    前記下層膜に対し、ドライエッチングを行い、前記下層膜を除去する工程とを有する
    ことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  10. 請求項4または5に記載のマスクブランクの前記基板の主表面を掘り込んでモールドパターンを形成して製造されるインプリントモールドの製造方法であって、
    リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記モールドパターン形成領域に第1分割パターンを有し前記基準マーク形成領域に基準マークのパターンを有する第1レジストパターンを、前記上層膜および前記下層膜の上に形成する工程と、
    前記上層膜および前記下層膜に対し、前記第1のレジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンを形成し、かつ前記下層膜に前記基準マークのパターンを形成する工程と、
    前記中間膜と前記基板に対し、前記第1分割パターンを有する上層膜と前記基準マークのパターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に第1分割パターンを形成し、かつ前記基板にその主表面を掘り込んだ基準マークのパターンを形成する工程と、
    リソグラフィー技術を適用したプロセスにより、前記基板に形成された基準マークに基づいて位置合わせした第2分割パターンを前記モールドパターン形成領域に有する第2レジストパターンを、前記上層膜および前記下層膜の上に形成する工程と、
    前記上層膜に対し、前記第2レジストパターンをマスクとするドライエッチングを行い、前記上層膜に前記第1分割パターンに加えて前記第2分割パターンを形成する工程と、
    前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する上層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記中間膜に前記第1分割パターンに加えて第2分割パターンを形成する工程と、
    前記下層膜と前記上層膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する中間膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記下層膜に前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを形成しつつ、前記上層膜を除去する工程と、
    前記基板と前記中間膜に対し、前記第1分割パターンと前記第2分割パターンを有する下層膜をマスクとするドライエッチングを行い、前記基板にモールドパターンを形成しつつ、前記中間膜を除去する工程と、
    前記下層膜に対し、ドライエッチングを行い、前記下層膜を除去する工程とを有する
    ことを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
  11. 前記下層膜および前記上層膜は、クロムを含有する材料で形成され、
    前記中間膜は、ケイ素およびタンタルの少なくとも一方を含有する材料で形成され、
    前記下層膜および前記上層膜の少なくとも一方のドライエッチングにおいては、酸素含有塩素系ガスよるドライエッチングを行い、
    前記基板および前記中間膜の少なくとも一方のドライエッチングにおいては、フッ素系ガスによるドライエッチングを行う
    ことを特徴とする請求項9または10に記載のインプリントモールドの製造方法。
  12. 前記リソグラフィープロセスにおいては、電子線描画を実施する
    請求項9~11の何れか1項に記載のインプリントモールドの製造方法。

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