JP7055629B2 - 医用画像処理装置、医用画像診断装置、及び医用画像処理プログラム - Google Patents

医用画像処理装置、医用画像診断装置、及び医用画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置、医用画像診断装置、及び医用画像処理プログラムに関する。
従来、カテーテルを用いて血管を塞栓させる塞栓物質(薬剤)を注入し、血流を遮断することによって腫瘍を壊死させる治療法が存在する。例えば、肝動脈化学塞栓療法(Transcatheter Arterial Chemo-Embolization:TACE)では、肝動脈や門脈から血管造影した造影画像を用いて肝腫瘍とその栄養血管を特定し、塞栓物質の投与位置や投与量を事前にシミュレーションすることが行われている。
特開2008-307145号公報 特開2009-285121号公報
本発明が解決しようとする課題は、塞栓対象とする血管を適切に提示することができる医用画像処理装置、医用画像診断装置、及び医用画像処理プログラムを提供することである。
実施形態に係る医用画像処理装置は、取得部と、算出部と、出力制御部とを備える。取得部は、互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得する。算出部は、前記複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、前記腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、前記腫瘍に対する前記複数種類の血管それぞれの支配率を算出する。出力制御部は、前記複数種類の血管それぞれの支配率を出力する。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、肝動脈塞栓術のワークフローを説明するための図である。 図3は、肝動脈塞栓術にて撮影される肝動脈造影画像の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。 図5は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。 図9は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図10は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図11は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置による処理を説明するための図である。 図12は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置による処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態に係る医用画像処理装置、医用画像診断装置、及び医用画像処理プログラムを説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、他の実施形態にも同様に適用可能である。
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100の構成例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。
医用画像処理装置100は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置である。医用画像処理装置100は、操作者の指示に応じて各種の情報処理を実行し、処理結果を提供する。なお、医用画像処理装置100は、パーソナルコンピュータやワークステーションに限定されるものではない。医用画像処理装置100としては、医用情報を処理することが可能な情報処理機能を備える装置であれば適用可能である。例えば、医用画像処理装置100は、PACS(Picture Archiving Communication System)ビューワ等、医用画像を表示する機能を備えた情報処理装置や、医用画像診断装置に備えられる操作端末(コンソール装置)であってもよい。また、リハビリテーション支援装置は、スマートフォンやタブレット等の携帯型情報処理端末であっても良い。
図1に示すように、例えば、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100は、入力インターフェース101と、ディスプレイ102と、記憶回路110と、処理回路120とを備える。入力インターフェース101、ディスプレイ102、記憶回路110、及び処理回路120は、相互に通信可能に接続される。
入力インターフェース101は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等に対応する。例えば、入力インターフェース101は、医用画像処理装置100の操作者からの各種の指示や設定要求を受け付ける。入力インターフェース101は、受け付けた各種の指示や設定要求を処理回路120へ出力する。
ディスプレイ102は、各種の情報を表示可能な表示装置である。例えば、ディスプレイ102は、医用情報を表示したり、操作者が入力インターフェース101を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。
記憶回路110は、例えば、NAND(Not AND)型フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置である。例えば、記憶回路110は、医用画像データやGUIを表示するための各種のプログラムや、当該プログラムによって用いられる各種の情報を記憶する。
処理回路120は、医用画像処理装置100における処理全体を制御する電子機器(プロセッサ)である。例えば、処理回路120は、操作者の指示を受け付けるためのGUIをディスプレイ102に表示させる。また、処理回路120は、操作者の指示に従って各種の情報処理を実行し、処理結果をディスプレイ102に表示させる。
また、処理回路120は、取得機能121と、抽出機能122と、算出機能123と、判定機能124と、出力制御機能125とを実行する。なお、取得機能121は、取得部の一例である。また、抽出機能122は、抽出部の一例である。また、算出機能123は、算出部の一例である。また、判定機能124は、判定部の一例である。また、出力制御機能125は、出力制御部の一例である。なお、取得部、抽出部、算出部、判定部、及び出力制御部は、実施形態で述べる取得機能121、抽出機能122、算出機能123、判定機能124、及び出力制御機能125によって実現される他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、或いはハードウェアとソフトウェアの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。また、処理回路120が実行する取得機能121、抽出機能122、算出機能123、判定機能124、及び出力制御機能125の処理内容については、後述する。
また、例えば、図1に示す処理回路120の構成要素である取得機能121、抽出機能122、算出機能123、判定機能124、及び出力制御機能125が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路110に記録されている。処理回路120は、各プログラムを記憶回路110から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路120は、図1の処理回路120内に示された各機能を有することとなる。
ここで、図2及び図3を用いて、現在の医療機関にて行われている肝動脈塞栓術のワークフローについて説明する。図2は、肝動脈塞栓術のワークフローを説明するための図である。図3は、肝動脈塞栓術にて撮影される肝動脈造影画像の一例を示す図である。なお、肝動脈塞栓術とは、肝腫瘍の栄養血管を塞栓することで肝腫瘍を壊死させる手技である。例えば、肝動脈塞栓術を行う医師は、カテーテルを用いて血管を塞ぐための薬剤(塞栓物質)を栄養血管に投与することで、栄養血管を塞栓させる。
図2に示すように、肝動脈塞栓術においては、まず、造影画像が撮影される(S1)。造影画像としては、例えば、肝動脈に造影剤が投与された肝動脈造影画像が用いられる。続いて、撮影された造影画像から、肝腫瘍及び血管が抽出される(S2,S3)。例えば、図3に示すように、肝動脈造影画像から肝腫瘍(図中の円形領域)及び肝動脈(図中の管状領域)が抽出される。
そして、抽出された肝腫瘍及び血管の位置情報を用いて、塞栓物質投与シミュレーションが行われる(S4)。塞栓物質投与シミュレーションでは、例えば、肝腫瘍ごとの栄養血管が特定される。そして、特定された栄養血管を塞栓させるために、栄養血管へ通じるカテーテルの挿入経路が提示される。
そして、医師は、提示された挿入経路を経て肝腫瘍の栄養血管までカテーテルを移動させ(S5)、塞栓物質(血管塞栓剤)を投与し(S6)、全ての肝腫瘍の栄養血管を塞栓させた段階で手術を終了する(S8)。なお、栄養血管が塞栓されていなければ、再びカテーテルを移動させるなどして、栄養血管が塞栓されるまで手技を行う場合がある。
一般的に、肝腫瘍は、肝動脈から供血されている場合が多いため、上記の塞栓術により多くの肝腫瘍を壊死させることが可能である。しかしながら、肝腫瘍の中には、肝外側副路と呼ばれる血管により供血されるものが存在する場合がある。肝外側副路とは、肝動脈とは異なる血管からの供血経路であり、例えば、右下横隔動脈、胆嚢動脈、大網動脈等から肝腫瘍へ形成された血管である。肝外側副路により供血される肝腫瘍に対しては肝動脈塞栓術では対処できないため、肝外側副路を塞栓させるために個別の塞栓術を行うこととなる。
しかしながら、肝動脈塞栓術に加えて肝外側副路用の塞栓術を行うことは、患者(被検体)への負担となる。そこで、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100は、肝腫瘍に供血している各血管の支配率を算出することで、塞栓対象とする血管を適切に提示することを可能にする。
なお、本実施形態では、一例として、開示の技術が肝腫瘍に対する塞栓術に適用される場合を説明するが、これに限定されるものではない。例えば、開示の技術は、肝腫瘍に限らず、一つの腫瘍に対して複数種類の血管(栄養血管)が接続している症例(腫瘍)に対して広く適用可能である。
図4を用いて、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を説明する。図4は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を示すフローチャートである。図4では、図5から図7を参照しつつ、医用画像処理装置100による処理手順を説明する。図5から図7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理を説明するための図である。図4に示す処理手順は、例えば、シミュレーションを開始する旨の指示が操作者(医師)により入力された場合に、開始される。
図4に示すように、ステップS101において、処理回路120は、処理タイミングであるか否かを判定する。例えば、操作者は、入力インターフェース101を操作して、シミュレーションを開始する旨の指示を入力する。当該指示が操作者によって入力されると、処理回路120は、処理を開始し、ステップS102以降の処理を実行する。なお、ステップS101が否定される場合には、処理回路120は、ステップS102以降の処理を開始せず、ステップS102以降の処理は待機状態である。
ステップS101が肯定されると、ステップS102において、取得機能121は、肝動脈造影画像及び静脈造影画像を読み出す。すなわち、取得機能121は、互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得する。なお、図4に示す処理にて用いられる肝動脈造影画像及び静脈造影画像は、記憶回路110に予め記憶されている。つまり、取得機能121は、複数種類の造影画像の一つである肝動脈造影画像と、複数種類の造影画像の一つである静脈造影画像とを、記憶回路110から読み出す。
ここで、静脈造影画像は、静脈造影法により撮像された3次元の医用画像データ(ボリュームデータ)である。静脈造影法は、被検体の静脈から造影剤を注入して撮像する方法である。注入された造影剤は、静脈から心臓へ流入し、心臓から全身の血管及び組織に運ばれる。このため、静脈造影法は、肝腫瘍と、その肝腫瘍に供血する肝動脈と、その肝腫瘍に供血する肝外側副路とが描出された画像(静脈造影画像)を撮像することができる。
例えば、造影剤の注入開始後に肝腫瘍、肝動脈、及び肝外側副路の全てに造影剤が流入する流入時刻は、経験的に設定可能である。このため、第1の実施形態に係る静脈造影画像は、静脈へ造影剤の注入が開始されてから所定の流入時刻が経過した時点で、X線診断装置又はX線CT装置による3次元スキャンを1回実行することで生成される。なお、第1の実施形態では、静脈造影画像は、門脈から肝腫瘍へ造影剤が流入する前の時点で撮像するのが好適である。
なお、経験的な流入時刻が設定されていなくとも、例えば、操作者は、X線診断装置による透視像撮影やX線CT装置によるスキャノ撮影により造影剤の分布を経時的に観察し、操作者の所望のタイミング(肝腫瘍、肝動脈、及び肝外側副路の全てが造影されたタイミング)で3次元スキャンを行うことで、静脈造影画像を撮影してもよい。また、例えば、操作者は、3次元スキャンを連続的に複数回実行し、肝腫瘍、肝動脈、及び肝外側副路の全てが造影されたタイミングの静脈造影画像を選択してもよい。なお、静脈造影法におけるその他の条件については、既存の造影法における条件を適宜利用可能であるので、説明を省略する。
また、肝動脈造影画像は、肝動脈造影法により撮像された3次元の医用画像データである。肝動脈造影法は、被検体の肝動脈から造影剤を注入して撮像する方法である。注入された造影剤は、肝動脈から肝腫瘍を含む肝臓組織へと流入する。このため、肝動脈造影法は、肝腫瘍と、その肝腫瘍に供血する肝動脈とが描出された画像(肝動脈造影画像)を撮像することができる。
第1の実施形態に係る肝動脈造影画像は、静脈造影画像と同様に、経験的に設定される流入時刻を用いた3次元スキャン、透視像撮影又はスキャノ撮影を用いた3次元スキャン、連続的な3次元スキャンなど、各種のスキャン方法により生成可能である。また、肝動脈造影法におけるその他の条件についても、既存の造影法における条件を適宜利用可能であるので、説明を省略する。
ステップS103において、抽出機能122は、肝腫瘍領域、肝動脈領域、及び肝外側副路領域を抽出する。例えば、抽出機能122は、肝動脈造影画像から、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域と、その肝腫瘍に供血する肝動脈に対応する肝動脈領域とを抽出する。また、抽出機能122は、静脈造影画像から、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域と、その肝腫瘍に供血する肝動脈に対応する肝動脈領域と、その肝腫瘍に供血する肝外側副路に対応する肝外側副路領域とを抽出する。すなわち、抽出機能122は、複数種類の造影画像それぞれから、各造影画像に造影された対象物(オブジェクト)に対応する対象領域を抽出する。
例えば、抽出機能122は、複数種類の造影画像それぞれに対してセグメンテーション処理を行うことにより、肝腫瘍領域、肝動脈領域、及び肝外側副路領域を抽出する。例えば、操作者は、静脈造影画像に対してMPR(Multi Planar Reconstruction)処理を行うことで、肝腫瘍が描出されたMPR画像をディスプレイ102に表示させる。そして、操作者は、表示されたMPR画像上の肝腫瘍の領域にカーソルを合わせ、一点を指定するためのボタンを押下する。これにより、抽出機能122は、操作者により指定された点が肝腫瘍の領域に含まれる一点であると認識する。そして、抽出機能122は、操作者により指定された点と同様の輝度値を有する画像領域を抽出するセグメンテーション処理により、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域を抽出する。また、同様に、抽出機能122は、静脈造影画像に対するセグメンテーション処理を行うことにより、肝動脈領域及び肝外側副路領域を抽出する。
また、抽出機能122は、肝動脈造影画像に対しても同様にセグメンテーション処理を行うことにより、肝腫瘍領域及び肝動脈領域を抽出する。このように、抽出機能122は、複数種類の造影画像それぞれから、各造影画像に描出された肝腫瘍領域、肝動脈領域、及び肝外側副路領域を抽出する。
なお、上述した抽出機能122の処理内容はあくまで一例であり、上述した処理内容に限定されるものではない。例えば、各造影画像に複数の腫瘍が存在する場合には、抽出機能122は、複数の腫瘍それぞれに対応する複数の腫瘍領域をそれぞれ抽出する。また、例えば、抽出機能122は、操作者による点の指定を受け付けることなく、自動的に各対象物を抽出してもよい。この場合、抽出機能122は、各対象物の輝度値、形態的特徴、周辺臓器との位置関係といった各対象物の特徴を利用することで、自動的に各対象物を抽出可能である。また、例えば、操作者が各対象物の輪郭を直接的に指定することで、各対象物の領域を決定してもよい。この場合、処理回路120は抽出機能122を有していなくてもよい。
ステップS104において、算出機能123は、肝動脈造影画像における肝腫瘍領域の輝度値及び肝動脈領域の輝度値に基づいて、第1関係式を生成する。
図5を用いて、算出機能123が第1関係式を生成する処理を説明する。図5には、肝腫瘍と、その肝腫瘍に供血する血管(栄養血管)との接続関係を示すモデル図を例示する。図5に示すモデル図には、肝動脈造影画像に描出された肝腫瘍T1の輝度値と、肝腫瘍T1に供血する肝動脈V1の輝度値とが割り当てられる。なお、このモデル図は、1つの腫瘍と、その腫瘍の栄養血管との接続関係を示したものであり、必ずしも造影画像に描出された腫瘍及び血管の形状と一致するとは限らない。例えば、図5のモデル図(肝動脈造影画像に基づくモデル図)では、肝腫瘍T1に対して肝動脈由来の栄養血管が3本存在する場合にも、3本の栄養血管を統合して「肝動脈V1」と表記する。この場合、肝動脈V1の輝度値については、3本の栄養血管それぞれの輝度値が反映される。例えば、各栄養血管に対応する領域の輝度値を平均、若しくは合計することで、肝動脈V1の輝度値を表す。
図5に示すように、肝腫瘍T1には、肝動脈V1と、肝外側副路V2とが接続されている。図5において、肝腫瘍T1の造影剤濃度を「A1」とし、肝動脈V1の造影剤濃度を「B1」とする。ここで、肝動脈造影画像には肝外側副路V2は描出されない(造影剤が流入しない)ので、図5における肝外側副路V2の造影剤濃度は「0」である。なお、図5に図示した各領域のハッチングの濃淡は、各領域の造影剤濃度に相当する。
ここで、肝腫瘍T1に対する肝動脈V1の支配率を「α」とし、肝腫瘍T1に対する肝外側副路V2の支配率を「β」とすると、下記の式(1)が成り立つ。なお、支配率は、一つの腫瘍に接続された複数種類の血管それぞれの支配率の合計が1になると定義される値である。つまり、第1の実施形態において、支配率αと支配率βとの和は、「1」である。言い換えると、各栄養血管の支配率は、ある腫瘍に供血される全供血量のうち、各栄養血管からの供血量が占める割合に相当する。
Figure 0007055629000001
式(1)において、造影剤濃度A1は、肝動脈造影画像における肝腫瘍T1に対応する肝腫瘍領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度B1は、肝動脈造影画像における肝動脈V1に対応する肝動脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。なお、造影剤濃度A1及び造影剤濃度B1の算出方法は、輝度値から造影剤濃度を算出するための既存の算出方法が適宜適用可能である。例えば、算出機能123は、各対象物の領域全体に含まれる画素を処理対象として造影剤濃度を算出しても良いし、各対象物のうち代表的な部位(中心部分など)の画素を処理対象として造影剤濃度を算出しても良い。
このように、算出機能123は、肝動脈造影画像における肝腫瘍T1に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、肝動脈造影画像における肝動脈V1に対応する肝動脈領域の輝度値とに基づいて、式(1)を第1関係式として生成する。
ステップS105において、算出機能123は、静脈造影画像における肝腫瘍領域の輝度値、肝動脈領域の輝度値、及び肝外側副路領域の輝度値に基づいて、第2関係式を生成する。
図6を用いて、算出機能123が第2関係式を生成する処理を説明する。図6には、図5と同様の接続関係を示すモデル図を例示する。図6に示すモデル図には、静脈造影画像に描出された肝腫瘍T1の輝度値と、肝腫瘍T1に供血する肝動脈V1の輝度値と、肝腫瘍T1に供血する肝外側副路V2の輝度値とが割り当てられる。なお、図6に示す肝腫瘍T1、肝動脈V1、及び肝外側副路V2は、図5に示した肝腫瘍T1、肝動脈V1、及び肝外側副路V2にそれぞれ対応する。
図6に示すように、肝腫瘍T1には、肝動脈V1と、肝外側副路V2とが接続されている。図6において、肝腫瘍T1の造影剤濃度を「A2」とし、肝動脈V1の造影剤濃度を「B2」とし、肝外側副路V2の造影剤濃度を「C2」とする。ここで、図5にて定義した支配率α及び支配率βを用いると、下記の式(2)が成り立つ。
Figure 0007055629000002
式(2)において、造影剤濃度A2は、静脈造影画像における肝腫瘍T1に対応する肝腫瘍領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度B2は、静脈造影画像における肝動脈V1に対応する肝動脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度C2は、静脈造影画像における肝外側副路V2に対応する肝外側副路領域の輝度値に基づいて算出可能である。なお、造影剤濃度A2、造影剤濃度B2、及び造影剤濃度C2の算出方法は、図5にて説明した算出方法と同様であるので、説明を省略する。
このように、算出機能123は、静脈造影画像における肝腫瘍T1に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、静脈造影画像における肝動脈V1に対応する肝動脈領域の輝度値と、静脈造影画像における肝外側副路V2に対応する肝外側副路領域の輝度値とに基づいて、式(2)を第2関係式として生成する。
ステップS106において、算出機能123は、第1関係式及び第2関係式に基づいて、肝腫瘍に対する肝動脈の支配率αと、肝外側副路の支配率βとを算出する。例えば、算出機能123は、上記の式(1)及び式(2)を比較することで、支配率α及び支配率βを算出する。
具体的には、算出機能123は、造影剤濃度A1、B1を式(1)に代入することで、支配率αを算出する。なお、上述したように、造影剤濃度A1、B1は、肝動脈造影画像から算出可能である。
また、算出機能123は、式(1)及び式(2)を連立させることで、下記の式(3)を導出する。そして、算出機能123は、造影剤濃度A1、A2、B1、B2、C2を式(3)に代入することで、支配率βを算出する。なお、造影剤濃度A2、B2、C2は、静脈造影画像から算出可能である。
Figure 0007055629000003
このように、算出機能123は、複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、腫瘍に対する複数種類の血管それぞれの支配率を算出する。すなわち、算出機能123は、複数種類の造影画像それぞれから導出される複数の関係式であって、腫瘍への血流量と、その腫瘍へ供血する各血管の血流量との間の関係を表す関係式同士を比較することで、複数種類の血管それぞれの支配率を算出する。
ステップS107において、判定機能124は、肝動脈の支配率と、肝外側副路の支配率とに基づいて、塞栓対象とするか否かを判定する。例えば、判定機能124は、各栄養血管の支配率と、閾値とを比較して、閾値以上の支配率に対応する栄養血管を塞栓対象として判定する。なお、閾値は、操作者により任意の値が設定可能であり、例えば、「0.4」が設定される。
つまり、判定機能124は、各血管の支配率に基づいて、各血管を塞栓対象とするか否かを判定する。なお、判定処理に用いられる閾値は、全ての種類の血管に対して統一的に設定されても良いし、血管の種類に応じて個別に設定されても良い。例えば、肝動脈の支配率に関する閾値は「0.2」に設定され、肝外側副路に関する閾値は「0.5」に設定されても良い。
ステップS108において、出力制御機能125は、判定結果を表示させる。例えば、出力制御機能125は、各栄養血管の支配率と、塞栓対象とするか否かの判定結果とをディスプレイ102に表示させる。
例えば、図7に示すように、出力制御機能125は、支配率一覧と、塞栓対象とを表示させる。ここで、支配率一覧は、腫瘍が複数存在する場合に、腫瘍ごとに算出される各血管の支配率のリストを表す。例えば、支配率一覧には、3つの肝腫瘍T1、T2、T3についての支配率が提示される。ここで、支配率一覧における白抜きの領域の幅(横方向の長さ)は、各肝腫瘍に対する肝動脈の支配率に対応する。また、支配率一覧におけるハッチング領域の幅は、各肝腫瘍に対する肝外側副路の支配率に対応する。
図7に示す例では、肝腫瘍T1に対する肝動脈V1の支配率αは「0.8」であり、肝腫瘍T1に対する肝外側副路V2の支配率βは「0.2」である。また、肝腫瘍T2に対する肝動脈V3の支配率αは「0.25」であり、肝腫瘍T2に対する肝外側副路V4の支配率βは「0.75」である。また、肝腫瘍T3に対する肝動脈V5の支配率αは「0.4」であり、肝腫瘍T3に対する肝外側副路V6の支配率βは「0.6」である。
また、出力制御機能125は、塞栓対象として、「V1,V4,V5,V6」を表示する。これは、肝腫瘍T1に供血する肝動脈V1と、肝腫瘍T2に供血する肝外側副路V4と、肝腫瘍T3に供血する肝動脈V5及び肝外側副路V6が、塞栓対象として判定されたことを示す。なお、図7に示す例では、閾値が「0.4」に設定された場合を例示する。
このように、出力制御機能125は、処理結果をディスプレイ102に表示させる。そして、処理回路120は、処理を終了する。なお、出力制御機能125は、各支配率や判定結果をディスプレイ102に表示させるだけでなく、記憶回路110に格納したり、ネットワークを介して接続された外部装置に送信したりすることも可能である。
上述してきたように、第1の実施形態に係る医用画像処理装置100において、取得機能121は、互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得する。そして、算出機能123は、複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、腫瘍に対する複数種類の血管それぞれの支配率を算出する。そして、出力制御機能125は、複数種類の血管それぞれの支配率を出力する。これにより、医用画像処理装置100は、塞栓対象とする血管を適切に提示することができる。
例えば、医用画像処理装置100は、肝腫瘍ごとに、各肝腫瘍に対する肝動脈の支配率と、各肝腫瘍に対する肝外側副路の支配率とを算出し、算出した支配率を表示する。これにより、医師(操作者)は、肝動脈塞栓術の要否や、肝外側副路を塞栓させるための塞栓術の要否を定量的に検討することができる。この結果、医師は、支配率に基づき必要と判断される場合にのみ塞栓術を行うことができるので、塞栓術の実施により患者(被検体)にかかる負担を最小限に留めることができる。
また、医用画像処理装置100において、判定機能124は、各血管の支配率に基づいて、各血管を塞栓対象とするか否かを判定する。このため、医用画像処理装置100は、各血管に対する塞栓術の要否を容易に把握することができる。
なお、第1の実施形態にて説明した内容は、あくまで一例であり、説明内容に限定されるものではない。例えば、図4に図示した処理手順はあくまで一例であり、処理内容に矛盾が生じない範囲内で順序が入れ替えられてもよい。
また、例えば、図4では、第1関係式及び第2関係式を生成する処理を実行する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、各造影画像の種類に応じた関係式が予め設定されている場合には、必ずしも第1関係式及び第2関係式を生成する処理は実行されなくてもよい。この場合、算出機能123は、予め設定された第1関係式及び第2関係式を例えば記憶回路110から読み出して、読み出した第1関係式及び第2関係式に各造影剤濃度を代入することで、支配率α及び支配率βを算出してもよい。
また、例えば、第1の実施形態では、造影剤濃度を用いて支配率を算出する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、算出機能123は、造影剤濃度に限らず、造影剤の流入量、若しくは各領域の輝度値等、造影画像から算出可能な血流量の指標と成り得る任意の値を用いて、支配率を算出することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、肝腫瘍に供血する栄養血管が肝動脈及び肝外側副路である場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、肝腫瘍に供血する栄養血管として門脈が機能する症例も存在する。そこで、第2の実施形態では、肝腫瘍に供血する栄養血管が、肝動脈、肝外側副路、及び門脈である場合を説明する。
第2の実施形態に係る医用画像処理装置100は、図1に例示した医用画像処理装置100と同様の構成を備え、処理回路120における処理内容の一部が相違する。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとし、第1の実施形態において説明した機能と同様の機能を有する点については、説明を省略する。
図8を用いて、第2の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を説明する。図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を示すフローチャートである。図8では、図9から図11を参照しつつ、医用画像処理装置100による処理手順を説明する。図9から図11は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理を説明するための図である。図8に示す処理手順は、例えば、シミュレーションを開始する旨の指示が操作者(医師)により入力された場合に、開始される。
図8に示すように、ステップS201において、処理回路120は、処理タイミングであるか否かを判定する。なお、ステップS201の処理は、図4に示したステップS101の処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS201が肯定されると、ステップS202において、取得機能121は、肝動脈造影画像、静脈造影画像、及び門脈造影画像を読み出す。なお、図8に示す処理にて用いられる肝動脈造影画像、静脈造影画像、及び門脈造影画像は、記憶回路110に予め記憶されている。つまり、取得機能121は、複数種類の造影画像の一つである肝動脈造影画像と、複数種類の造影画像の一つである静脈造影画像と、複数種類の造影画像の一つである門脈造影画像とを、記憶回路110から読み出す。なお、肝動脈造影画像及び静脈造影画像は、第1の実施形態にて説明した肝動脈造影画像及び静脈造影画像とそれぞれ同様であるので、説明を省略する。
また、門脈造影画像は、門脈造影法により撮像された3次元の医用画像データである。門脈造影法は、被検体の門脈に造影剤を投与して撮像する方法である。投与された造影剤は、門脈から肝臓組織へと流入する。このため、門脈造影法は、肝腫瘍と、その肝腫瘍に供血する門脈とが描出された画像(門脈造影画像)を撮像することができる。
第2の実施形態に係る門脈造影画像は、静脈造影画像と同様に、経験的に設定される流入時刻を用いた3次元スキャン、透視像撮影又はスキャノ撮影を用いた3次元スキャン、連続的な3次元スキャンなど、各種のスキャン方法により生成可能である。また、門脈造影法におけるその他の条件についても、既存の造影法における条件を適宜利用可能であるので、説明を省略する。
ステップS203において、抽出機能122は、肝腫瘍領域、肝動脈領域、肝外側副路領域、及び門脈領域を抽出する。例えば、抽出機能122は、肝動脈造影画像から、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域と、その肝腫瘍に供血する肝動脈に対応する肝動脈領域とを抽出する。また、抽出機能122は、静脈造影画像から、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域と、その肝腫瘍に供血する肝動脈に対応する肝動脈領域と、その肝腫瘍に供血する肝外側副路に対応する肝外側副路領域と、その肝腫瘍に供血する門脈に対応する門脈領域とを抽出する。また、抽出機能122は、門脈造影画像から、肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域と、その肝腫瘍に供血する門脈に対応する門脈領域とを抽出する。なお、静脈造影画像及び門脈造影画像から門脈領域を抽出する処理は、第1の実施形態にて説明した処理(各対象物の領域を抽出する処理)と同様であるので、説明を省略する。
ステップS204において、算出機能123は、肝動脈造影画像における肝腫瘍領域の輝度値及び肝動脈領域の輝度値に基づいて、第1関係式を生成する。
図9を用いて、算出機能123が第1関係式を生成する処理を説明する。図9には、図5と同様の接続関係を示すモデル図を例示する。図9に示すモデル図には、肝動脈造影画像に描出された肝腫瘍T11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝動脈V11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝外側副路V12の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する門脈V13の輝度値とが割り当てられる。
図9に示すように、肝腫瘍T11には、肝動脈V11と、肝外側副路V12と、門脈V13とが接続されている。図9において、肝腫瘍T11の造影剤濃度を「D1」とし、肝動脈V11の造影剤濃度を「E1」とする。ここで、肝動脈造影画像には肝外側副路V12及び門脈V13は描出されない(造影剤が流入しない)ので、図9における肝外側副路V12及び門脈V13の造影剤濃度は「0」である。なお、図9に図示した各領域のハッチングの濃淡は、各領域の造影剤濃度に相当する。
ここで、肝腫瘍T11に対する肝動脈V11の支配率を「α」とし、肝腫瘍T11に対する肝外側副路V12の支配率を「β」とし、肝腫瘍T11に対する門脈V13の支配率を「γ」とすると、下記の式(4)が成り立つ。なお、第2の実施形態において、支配率α、支配率β、及び支配率γの和は、「1」である。
Figure 0007055629000004
式(4)において、造影剤濃度D1は、肝動脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度E1は、肝動脈造影画像における肝動脈V11に対応する肝動脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。なお、造影剤濃度D1及び造影剤濃度E1の算出方法は、図5にて説明した算出方法と同様であるので、説明を省略する。
このように、算出機能123は、肝動脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、肝動脈造影画像における肝動脈V11に対応する肝動脈領域の輝度値とに基づいて、式(4)を第1関係式として生成する。
ステップS205において、算出機能123は、静脈造影画像における肝腫瘍領域の輝度値、肝動脈領域の輝度値、肝外側副路領域の輝度値、及び門脈領域の輝度値に基づいて、第2関係式を生成する。
図10を用いて、算出機能123が第2関係式を生成する処理を説明する。図10には、図5と同様の接続関係を示すモデル図を例示する。図10に示すモデル図には、静脈造影画像に描出された肝腫瘍T11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝動脈V11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝外側副路V12の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する門脈V13の輝度値とが割り当てられる。なお、図10に示す肝腫瘍T11、肝動脈V11、肝外側副路V12、及び門脈13は、図9に示した肝腫瘍T11、肝動脈V11、肝外側副路V12、及び門脈13にそれぞれ対応する。
図10に示すように、肝腫瘍T11には、肝動脈V11と、肝外側副路V12と、門脈V13とが接続されている。図10において、肝腫瘍T11の造影剤濃度を「D2」とし、肝動脈V11の造影剤濃度を「E2」とし、肝外側副路V12の造影剤濃度を「F2」とし、門脈V13の造影剤濃度を「G2」とする。ここで、図9にて定義した支配率α、支配率β、及び支配率γを用いると、下記の式(5)が成り立つ。
Figure 0007055629000005
式(5)において、造影剤濃度D2は、静脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度E2は、静脈造影画像における肝動脈V11に対応する肝動脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度F2は、静脈造影画像における肝外側副路V12に対応する肝外側副路領域の輝度値に基づいて算出可能である。造影剤濃度G2は、静脈造影画像における門脈V13に対応する門脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。なお、造影剤濃度D2、造影剤濃度E2、造影剤濃度F2、及び造影剤濃度G2の算出方法は、図5にて説明した算出方法と同様であるので、説明を省略する。
このように、算出機能123は、静脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、静脈造影画像における肝動脈V11に対応する肝動脈領域の輝度値と、静脈造影画像における肝外側副路V12に対応する肝外側副路領域の輝度値と、静脈造影画像における門脈V13に対応する門脈領域の輝度値とに基づいて、式(5)を第2関係式として生成する。
ステップS206において、算出機能123は、門脈造影画像における肝腫瘍領域の輝度値及び門脈領域の輝度値に基づいて、第3関係式を生成する。
図11を用いて、算出機能123が第3関係式を生成する処理を説明する。図11には、図5と同様の接続関係を示すモデル図を例示する。図11に示すモデル図には、門脈造影画像に描出された肝腫瘍T11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝動脈V11の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する肝外側副路V12の輝度値と、肝腫瘍T11に供血する門脈V13の輝度値とが割り当てられる。
図11に示すように、肝腫瘍T11には、肝動脈V11と、肝外側副路V12と、門脈V13とが接続されている。図11において、肝腫瘍T11の造影剤濃度を「D3」とし、門脈V13の造影剤濃度を「G3」とする。ここで、門脈造影画像には肝動脈V11及び肝外側副路V12は描出されない(造影剤が流入しない)ので、図11における肝動脈V11及び肝外側副路V12の造影剤濃度は「0」である。なお、図11に図示した各領域のハッチングの濃淡は、各領域の造影剤濃度に相当する。ここで、図9にて定義した支配率α、支配率β、及び支配率γを用いると、下記の式(6)が成り立つ。
Figure 0007055629000006
式(6)において、造影剤濃度D3は、門脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値に基づいて算出可能である。また、造影剤濃度G3は、門脈造影画像における門脈V13に対応する門脈領域の輝度値に基づいて算出可能である。なお、造影剤濃度D3及び造影剤濃度G3の算出方法は、図5にて説明した算出方法と同様であるので、説明を省略する。
このように、算出機能123は、門脈造影画像における肝腫瘍T11に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、門脈造影画像における門脈V13に対応する門脈領域の輝度値とに基づいて、式(6)を第3関係式として生成する。
ステップS207において、算出機能123は、第1関係式、第2関係式、及び第3関係式に基づいて、肝腫瘍に対する肝動脈の支配率と、肝外側副路の支配率と、門脈の支配率とを算出する。例えば、算出機能123は、上記の式(4)、式(5)、及び式(6)を比較することで、支配率α、支配率β、及び支配率γを算出する。
具体的には、算出機能123は、式(4)から下記の式(7)を導出する。そして、算出機能123は、造影剤濃度D1、E1を式(7)に代入することで、支配率αを算出する。なお、上述したように、造影剤濃度D1、E1は、肝動脈造影画像から算出可能である。
Figure 0007055629000007
また、算出機能123は、式(6)から下記の式(8)を導出する。そして、算出機能123は、造影剤濃度D3、G3を式(8)に代入することで、支配率γを算出する。なお、上述したように、造影剤濃度D3、G3は、門脈造影画像から算出可能である。
Figure 0007055629000008
また、算出機能123は、式(4)、式(5)、及び式(6)を連立させることで、下記の式(9)を導出する。そして、算出機能123は、造影剤濃度D1、D2、D3、E1、E2、F2、G2、G3を式(9)に代入することで、支配率βを算出する。なお、造影剤濃度D2、E2、F2、G2は、静脈造影画像から算出可能である。
Figure 0007055629000009
このように、算出機能123は、式(4)、式(5)、及び式(6)に基づいて、支配率α、支配率β、及び支配率γを算出する。
ステップS208において、判定機能124は、肝動脈の支配率と、肝外側副路の支配率と、門脈の支配率とに基づいて、塞栓対象とするか否かを判定する。例えば、判定機能124は、各栄養血管の支配率と、閾値とを比較して、閾値以上の支配率に対応する栄養血管を塞栓対象として判定する。なお、閾値は、操作者により任意の値が設定可能であり、例えば、「0.4」が設定される。
ステップS209において、出力制御機能125は、判定結果を表示させる。例えば、出力制御機能125は、各栄養血管の支配率と、塞栓対象とするか否かの判定結果とをディスプレイ102に表示させる。そして、処理回路120は、処理を終了する。なお、ステップS209の処理は、図4に示したステップS108の処理と同様であるので説明を省略する。
このように、第2の実施形態に係る医用画像処理装置100は、肝腫瘍に供血する栄養血管が、肝動脈、肝外側副路、及び門脈である場合においても、各栄養血管の支配率を算出することができる。
なお、第2の実施形態では、肝動脈造影画像、静脈造影画像、及び門脈造影画像の3種類の造影画像を用いた解析(3画像解析)を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、静脈造影画像の観察により肝外側副路による供血が行われていないことが判明した場合には、肝動脈造影画像及び門脈造影画像を用いた解析(2画像解析)に切り替えてもよい。
(第3の実施形態)
上述した実施形態では、各栄養血管の支配率の合計が1になると定義して説明した。第3の実施形態では、この定義を利用して、他の栄養血管が存在する可能性を提示する場合を説明する。
第3の実施形態に係る医用画像処理装置100は、図1に例示した医用画像処理装置100と同様の構成を備え、処理回路120における処理内容の一部が相違する。そこで、第3の実施形態では、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとし、第1の実施形態において説明した機能と同様の機能を有する点については、説明を省略する。
図12を用いて、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を説明する。図12は、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100による処理手順を示すフローチャートである。図12に示す処理手順は、例えば、シミュレーションを開始する旨の指示が操作者(医師)により入力された場合に、開始される。なお、図12において、ステップS301~S306までの処理は、図4に示したステップS101~S106までの処理と同様であるので説明を省略する。
ステップS307において、判定機能124は、支配率の合計が閾値未満であるか否かを判定する。つまり、判定機能124は、腫瘍に接続された複数種類の血管それぞれの支配率の合計が閾値未満であるか否かに基づいて、複数種類の血管とは異なる種類の血管に対応する他種造影画像の要否を判定する。
例えば、判定機能124は、支配率αと支配率βとの和を算出する。ここで、ある肝腫瘍に供血する栄養血管が肝動脈及び肝外側副路である場合には、この和は1、若しくは1に近い値となるはずである。しかしながら、この和が1より低い場合には、肝動脈及び肝外側副路とは異なる血管(つまり、門脈)による供血が行われている可能性が疑われる。そこで、判定機能124は、支配率α及び支配率βの和が閾値より低い場合に、門脈造影画像の撮影を要すると判定する。なお、この閾値は、例えば、「0.8」が設定されるが、操作者の任意の値を適宜設定可能である。
ステップS307が肯定されると、ステップS308において、出力制御機能125は、門脈造影画像を要する旨を示すメッセージを表示させ、図12の処理を終了する。これにより、操作者は、門脈造影画像を要する旨を容易に把握することができる。この結果、門脈造影画像が更に撮影された場合には、肝動脈造影画像、静脈造影画像、及び門脈造影画像を用いて支配率を算出する処理(つまり、第2の実施形態に係る処理)が実行されることとなる。なお、出力制御機能125は、メッセージに限らず、音声、アイコン、警報音等により門脈造影画像を要する旨を操作者に通知してもよい。
ステップS307が否定されると、処理回路120は、ステップS309の処理へ移行し、図12の処理を終了する。なお、ステップS309~S310の処理は、図4に示したステップS107~S108の処理と同様であるので、説明を省略する。
このように、第3の実施形態に係る医用画像処理装置100は、肝動脈造影画像及び静脈造影画像が撮影済みである場合に、肝腫瘍に対する肝動脈の支配率αと、その肝腫瘍に対する肝外側副路の支配率βとを算出し、各支配率の和「α+β」を算出する。そして、医用画像処理装置100は、和「α+β」が閾値より低い場合には、門脈造影画像を要する旨を示すメッセージを操作者に通知する。このため、操作者は、門脈造影画像が必要な場合にのみ門脈造影画像の撮影を実行することができるので、撮影にかかる患者への負担(被曝量)を最小限に留めることができる。
なお、第3の実施形態では、一例として、肝動脈造影画像及び静脈造影画像が撮影済みである場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用画像処理装置100は、肝動脈造影画像及び門脈造影画像が撮影済みである場合、又は、静脈造影画像及び門脈造影画像が撮影済みである場合にも、それぞれ第3の実施形態に係る処理を実行可能である。例えば、判定機能124は、肝動脈造影画像及び門脈造影画像が撮影済みである場合に、各支配率の和が閾値未満である場合には、静脈造影画像を要すると判定する。これは、肝外側副路からの供血が疑われることを示唆する。また、例えば、判定機能124は、静脈造影画像及び門脈造影画像が撮影済みである場合に、各支配率の和が閾値未満である場合には、肝動脈造影画像を要すると判定する。これは、肝動脈からの供血が疑われることを示唆する。つまり、医用画像処理装置100は、肝動脈、肝外側副路、及び門脈のうち2つの種類の血管の支配率の合計が閾値未満である場合に、肝動脈造影画像、静脈造影画像、及び門脈造影画像の3種類の造影画像を用いた解析に切り替えることができる。
(その他の実施形態)
上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてもよい。
(他のモダリティによる造影画像の適用)
上記の実施形態では、X線診断装置又はX線CT装置により撮像された造影画像を用いた場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、造影MRIにより撮像された造影MR画像に対しても、上述した実施形態に係る処理は実行可能である。
例えば、肝動脈造影画像と同様の造影方法により被検体の肝動脈に造影剤を投与することで、肝動脈及び肝腫瘍が造影された造影MR画像(肝動脈造影MR画像)が得られる。また、静脈造影画像と同様の造影方法により被検体の静脈に造影剤を投与することで、全身の血管及び肝腫瘍が造影された造影MR画像(静脈造影MR画像)が得られる。また、門脈造影画像と同様の造影方法により被検体の門脈に造影剤を投与することで、門脈及び肝腫瘍が造影された造影MR画像(門脈造影MR画像)が得られる。
そして、肝動脈造影MR画像、静脈造影MR画像、及び門脈造影MR画像のうち、造影剤が流入しない部位(リファレンス部位)の輝度値を用いて造影剤が流入する部位の輝度値を補正することで、肝腫瘍領域及び血管領域の造影剤濃度(若しくは造影剤流入量に相当する指標値)が算出される。そして、算出された各造影剤濃度を上述した数式に適用することで、上述した実施形態に係る処理が実行可能となる。
なお、造影MR画像に限らず、他のモダリティ(超音波診断装置など)による造影画像にも対しても、その造影画像から各領域(肝腫瘍領域及び血管領域)の造影剤流入量に相当する指標値が算出可能であれば適用可能である。
(医用画像診断装置への適用)
上述した実施形態に係る各処理機能は、医用画像処理装置100に限らず、例えば、医用画像診断装置にも適用可能である。この場合、例えば、上述した各処理機能は、医用画像診断装置に搭載される任意の処理回路にて実現される。また、医用画像診断装置は、取得機能121が取得する各造影画像を撮像(生成)することができる。
また、例えば、本実施形態においては、単一の処理回路120にて、以下に説明する各処理機能が実現されるものとして説明するが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路110に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路110にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上記の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、上述した実施形態にて説明した医用画像処理方法は、予め用意された医用画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この医用画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
なお、上述した実施形態にて記載した「画像」は、ディスプレイ102上に表示されたものに限定されるものではなく、各画素の位置情報と画素値とが対応づけられたデータ(画像データ)を含む概念である。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、塞栓対象とする血管を適切に提示することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 医用画像処理装置
120 処理回路
121 取得機能
122 抽出機能
123 算出機能
124 判定機能
125 出力制御機能

Claims (10)

  1. 互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得する取得部と、
    前記複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、前記腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、前記腫瘍に対する前記複数種類の血管それぞれの支配率を算出する算出部と、
    前記複数種類の血管それぞれの支配率を出力する出力制御部と
    を備える、医用画像処理装置。
  2. 前記算出部は、前記複数種類の造影画像それぞれから導出される複数の関係式であって、前記腫瘍への血流量と、前記腫瘍へ供血する各血管の血流量との間の関係を表す関係式同士を比較することで、前記複数種類の血管それぞれの前記支配率を算出する、
    請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記取得部は、前記複数種類の造影画像として、肝腫瘍及び当該肝腫瘍に供血する肝動脈が描出された肝動脈造影画像と、前記肝腫瘍、当該肝腫瘍に供血する肝動脈、及び当該肝腫瘍に供血する肝外側副路が描出された静脈造影画像とを取得し、
    前記算出部は、
    前記肝動脈造影画像における前記肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、前記肝動脈造影画像における前記肝動脈に対応する肝動脈領域の輝度値とに基づく第1関係式と、
    前記静脈造影画像における前記肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、前記静脈造影画像における前記肝動脈に対応する肝動脈領域の輝度値と、前記静脈造影画像における前記肝外側副路に対応する肝外側副路領域の輝度値とに基づく第2関係式と、
    を比較することで、前記肝腫瘍に対する前記肝動脈の支配率と、前記肝腫瘍に対する前記肝外側副路の支配率とを算出する、
    請求項2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記取得部は、前記複数種類の造影画像として、肝腫瘍及び当該肝腫瘍に供血する肝動脈が描出された肝動脈造影画像と、前記肝腫瘍、当該肝腫瘍に供血する肝動脈、及び当該肝腫瘍に供血する肝外側副路と、当該肝腫瘍に供血する門脈とが描出された静脈造影画像と、前記肝腫瘍及び当該肝腫瘍に供血する門脈が描出された門脈造影画像とを取得し、
    前記算出部は、
    前記肝動脈造影画像における前記肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、前記肝動脈造影画像における前記肝動脈に対応する肝動脈領域の輝度値とに基づく第1関係式と、
    前記静脈造影画像における前記肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、前記静脈造影画像における前記肝動脈に対応する肝動脈領域の輝度値と、前記静脈造影画像における前記肝外側副路に対応する肝外側副路領域の輝度値と、前記静脈造影画像における前記門脈に対応する門脈領域の輝度値とに基づく第2関係式と、
    前記門脈造影画像における前記肝腫瘍に対応する肝腫瘍領域の輝度値と、前記門脈造影画像における前記門脈に対応する門脈領域の輝度値とに基づく第3関係式と、
    を比較することで、前記肝腫瘍に対する前記肝動脈の支配率と、前記肝腫瘍に対する前記肝外側副路の支配率と、前記肝腫瘍に対する前記門脈の支配率とを算出する、
    請求項2に記載の医用画像処理装置。
  5. 各血管の支配率に基づいて、各血管を塞栓対象とするか否かを判定する判定部を更に備え、
    前記出力制御部は、前記塞栓対象に関する判定結果を出力する、
    請求項1~4のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
  6. 前記算出部は、前記腫瘍が複数存在する場合に、各血管の支配率を前記腫瘍ごとに算出し、
    前記出力制御部は、前記腫瘍ごとに算出される各血管の支配率のリストを表示する、
    請求項1~5のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
  7. 前記算出部は、一つの前記腫瘍に接続された複数種類の血管それぞれの支配率の合計が1になると定義される値を、前記支配率として算出する、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
  8. 前記腫瘍に接続された複数種類の血管それぞれの支配率の合計が閾値未満であるか否かに基づいて、前記複数種類の血管とは異なる種類の血管に対応する他種造影画像の要否を判定する判定部を更に備え、
    前記出力制御部は、前記他種造影画像の要否の判定結果を出力する、
    請求項1~のいずれか一つに記載の医用画像処理装置。
  9. 互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得する取得部と、
    前記複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、前記腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、前記腫瘍に対する前記複数種類の血管それぞれの支配率を算出する算出部と、
    前記複数種類の血管それぞれの支配率を出力する出力制御部と
    を備える、医用画像診断装置。
  10. 互いに異なる複数種類の造影方法により撮像された複数種類の造影画像を取得し、
    前記複数種類の造影画像における、腫瘍に対応する腫瘍領域の輝度値と、前記腫瘍に接続される複数種類の血管それぞれに対応する複数種類の血管領域それぞれの輝度値とに基づいて、前記腫瘍に対する前記複数種類の血管それぞれの支配率を算出し、
    前記複数種類の血管それぞれの支配率を出力する
    各処理をコンピュータに実行させる、医用画像処理プログラム。
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