添付図面を参照して本発明に係る部品供給装置の実施形態を以下説明する。実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上下」、「左右」、「前後」、および「X,Y,Z」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。なお各図面において、各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。また各図面において、同様の構成部品は同様の符号を用いて参照する。
[1.電子部品実装システム(チップマウンタ)の全体構成]
本実施形態に係る部品供給装置(以下、単に「テープフィーダ」ともいう。)を説明する前に、複数のテープフィーダが装填される電子部品実装システム1(以下、単に「チップマウンタ」ともいう。)の全体構成について概略的に説明する。図1は、チップマウンタ1を上から見た平面図であり、図2は、図1のX軸方向から見たチップマウンタ1の側面図である。
図1および図2に示すチップマウンタ1は、概略、基台2と、基台2のY方向の両側に配置され、後述する複数のテープフィーダ30が装填される一対の台車3a,3bと、複数のテープフィーダ30から数多くの表面実装部品C(以下、「チップ部品」ともいう。図4(a)参照)を吸着して基板Bに実装する部品実装部20とを備える。なお図示しないが、複数のチップマウンタ1をX方向に直列に並置して、さらに数多くのチップ部品Cを実装できるように構成してもよい。
図3は、チップマウンタ1と、これに装填されるテープフィーダ30の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すチップマウンタ1は、通常形態の部品供給テープ5a(図4(a)参照。以下、単に「通常テープまたは第1のテープ」ともいう。)を供給するテープフィーダ30a(以下、単に「通常テープフィーダ」ともいう。)と、特殊形態の部品供給テープ5b(以下、単に「特殊テープまたは第2のテープ」ともいう。)を供給する少なくとも1つのテープフィーダ30b(以下、単に「特殊テープフィーダ」ともいう。)とを有する。詳細後述するように、本発明に係るアダプタ70は、特殊テープフィーダ30bに取り付けられるものである(例えば図12および図13参照)。
チップマウンタ1は、図3に示すように、概略、システム制御部10と、部品実装部20とを有する。システム制御部10は、チップ部品Cを基板Bに実装するように部品実装部20を制御する部品実装制御部11と、各テープフィーダ30を含むチップマウンタ1全体の異常を検出するユニット異常検出部12と、各テープフィーダ30の識別情報(通常テープフィーダ30aまたは特殊テープフィーダ30bを示す種別情報を含む。)を含むチップマウンタ1全体の設定情報ならびにティーチング情報を記憶するシステム記憶部13とを有する。
本願では詳細説明しないが、X方向に直列に並置された複数のチップマウンタ1を統括的に制御する上位システム100を設けてもよい。上位システム100は、複数のチップマウンタ1と通信するコンピュータであってもよく、適当なヒューマンマシンインタフェース(HMI)、制御装置、および記憶装置を備えるものであってもよい。
一方、チップマウンタ1の部品実装部20は、システム制御部10(とりわけ部品実装制御部11)に制御される複数の部品で構成され、例えば図3に示すように、基板搬送コンベア21、基板位置決め部22、ヘッド移動機構23、ヘッドカメラ24、装着ヘッド25、部品保持ノズル26、部品認識カメラ27、タッチパネル28、および報知部29を有する。
上記各構成部品についてより具体的に説明すると、基板搬送コンベア21は、基台2上に配設され、基板BをX方向に搬送し、基板位置決め部22は、基板Bを基板搬送コンベア21の所定の実装作業位置に保持するように部品実装制御部11によって制御される。
ヘッド移動機構23は、基台2に配設された一対のY軸テーブル23Y、および一対のY軸テーブル23Y上に水平に配置されたX軸テーブル23Xを備え、X軸テーブル23XおよびY軸テーブル23Yはともにリニア駆動機構を有する。ヘッド移動機構23は、部品実装制御部11からの指令に基づいてリニア駆動機構を制御して、X軸テーブル23Xに固定されたヘッドカメラ24および装着ヘッド25をX軸方向ならびにY軸方向に沿って自在に移動させることができる。
装着ヘッド25は、テープフィーダ30に対向する部品保持ノズル(真空吸着ノズル)26を有し、部品保持ノズル26は、基板B上に実装すべき所望のチップ部品Cを真空吸着するように構成されている。
部品認識カメラ27は、テープフィーダ30と基板搬送コンベア21の間に配置され、部品保持ノズル26によって保持されたチップ部品Cの位置および中心軸周りのずれ回転角をパターン認識する。部品保持ノズル26は、パターン認識されたパターンチップ部品Cのずれ回転角を矯正するように回転することができる。
チップマウンタ1の基本的動作において、ヘッドカメラ24が、基板B上の回路パターンを画像認識し、X軸テーブル23XおよびY軸テーブル23Yが、得られた認識画像に基づいて、部品保持ノズル26に吸着されたチップ部品Cを基板B上の所定位置に移動させ、部品保持ノズル26がチップ部品Cの吸着を解除することにより、基板B上にチップ部品Cを実装する。詳細後述するが、ヘッドカメラ24は、特殊テープ5bが装填された特殊テープフィーダ30bの識別情報を記録した一次元コードまたは二次元コードを識別できるように構成してもよい(図10(c)参照)。
また部品実装部20は、タッチパネル28等のヒューマンマシンインタフェース(HMI)を有し、マシンオペレータは、各テープフィーダ30の識別情報を含むチップマウンタ1全体の設定またはティーチングに関するデータ(以下、単に「設定データ」という。)を、タッチパネル28を介してチップマウンタ1に入力することができる。入力された設定データは、チップマウンタ1のシステム記憶部13に記憶される。
さらに部品実装部20は、ユニット異常検出部12がチップマウンタ1または各テープフィーダ30の動作異常を検出したとき、ユニット異常検出部12からの指令を受けて、マシンオペレータにチップマウンタ1の動作異常を報知するように構成された報知部29を有する。
[2.部品供給装置(テープフィーダ)の構成]
次に、図3~図6を参照して、テープフィーダ30の全体的な構成について以下説明する。テープフィーダ30は、図3に示すように、概略、フィーダ制御部32、フィーダ制御部32と通信するキャリアテープ搬送部40、トップテープ巻取部50、張力検知部60、および操作入力部76を備える。フィーダ制御部32は、テープ搬送制御部33、フィーダ異常判定部34、およびフィーダ記憶部35を有する。テープフィーダ30の上記各構成部品は、本体筐体部41内に配置されている(図5)。操作入力部76は、マシンオペレータがテープフィーダ30の動作を設定するための入力スイッチ(図示せず)を有する。またテープフィーダ30は、本体筐体部41がチップマウンタ1のフィーダ収容部(図示せず)に取り付けられたとき、フィーダ制御部32がチップマウンタ1のシステム制御部10と通信できるように構成されたコネクタ42を有する(図5)。
図4(a)は、通常形態の部品供給テープ5a(通常テープ)を示す斜視図であり、図4(b)は、通常テープフィーダ30の部品取出部14の平面図である。図5は、図1のYZ平面から見たテープフィーダ30の断面図であって、通常テープ5aに収容されたチップ部品Cを供給する通常テープフィーダ30aを示す。
図4(a)の通常テープ5aは、凹状の部品収納部16を有するキャリアテープ15と、チップ部品Cを収納した部品収納部16を覆うように貼り付けられたトップテープ6aとを有する。またキャリアテープ15は、一定の間隔を空けて配置された複数の送り孔17を有する。
図4(b)に示すように、部品取出部14は、キャリアテープ15からトップテープ6aを剥ぎ取るための引出開口端18と、トップテープ6aを剥ぎ取った後のキャリアテープ15内に収容されたチップ部品Cを露出させるための取出開口部19とを有する。
マシンオペレータは、図5の図中右方に配置されたリール31(図2)に巻回された通常テープ5aを、キャリアテープ搬送路43を介して部品取出部14まで引き出すとともに、キャリアテープ15からトップテープ6aを引き剥がして引出開口端18で折り返す(図4(b))。またマシンオペレータは、引き剥がされたトップテープ6aをテンションアーム61(詳細後述)に架け渡し、トップテープ巻取部50に係合させる。
キャリアテープ搬送部40は、図5に示すように、搬送スプロケット45を回転駆動するキャリアテープ搬送モータ46を有する。搬送スプロケット45の外周には送りピン(図示せず)が設けられている。
マシンオペレータは、搬送スプロケット45の送りピンをキャリアテープ15の送り孔17に係合させるとともに、上述のように、キャリアテープ15からトップテープ6aを引出開口端18で引き剥がし、チップ部品Cを取出開口部19で露出させる。
一方、取出開口部19で露出したチップ部品Cは、チップマウンタ1の部品保持ノズル26で真空吸着され、基板Bの所定の位置に実装される。そして隣接する部品収納部16(凹部)の中心間距離相当する距離(以下、単に「1ピッチ」という。)だけキャリアテープ15をY方向とは反対方向(-Y方向)に搬送するように、テープ搬送制御部33がキャリアテープ搬送モータ46を制御することにより、キャリアテープ搬送部40は、チップ部品Cをチップマウンタ1に継続的に搬送することができる。
同様に、トップテープ巻取部50は、巻取スプロケット51を回転駆動するトップテープ巻取モータ52を有し(図5)、巻取スプロケット51の外周には送りピン(図示せず)が設けられている。キャリアテープ搬送モータ46およびトップテープ巻取モータ52は、これに限定するものではないが、ステッピングモータ等のサーボモータで構成されることが好ましい。
張力検知部60は、図5に示すように、3つの端部を含む一対のT字状のテンションアーム61を有する。テンションアーム61の1つの端部(図中左上の端部)には、テープフィーダ30の本体筐体部41に固定され、X軸の周りに回転可能に支持された枢支ローラ62が設けられている。すなわち一対のT字状のテンションアーム61は、枢支ローラ62を介して本体筐体部41に対して回転可能に固定されている。
テンションアーム61の他端部(図中右上の端部)には、本体筐体部41に固定されることなく、変位自在に設けられた可動ローラ63が設けられている。換言すると、一対のT字状のテンションアーム61の他端部は、可動ローラ63を保持し、枢支ローラ62を支点として回転可能となるように構成されている。
また、テンションアーム61の下端部64(図中下方の端部)付近には、張力を与える引っ張りバネ65が取り付けられ、引っ張りバネ65の他端部は本体筐体部41に固定されている。
また張力検知部60は、テンションアーム61の下端部64の位置を検知するセンサー66を有する(図5)。センサー66は、下端部64の有無により受光強度の変化を検知するフォトカプラ等の光学式センサー、下端部64の有無により静電容量の変化を検知する静電容量式センサー、または下端部64の有無により磁場の変化を検知する磁気センサーであってもよい。
マシンオペレータは、キャリアテープ15から引き剥がしたトップテープ6aを、枢支ローラ62の図中上側と可動ローラ63の図中下側に架け渡して、巻取スプロケット51とともに回転可能な一対の噛み合いスプロケット67a,67bの間に案内する。このとき、トップテープ巻取モータ52によって巻取スプロケット51を回転させると、噛み合いスプロケット67a,67bの間にあるトップテープ6aをトップテープ収納部68に回収することができる。
図6(a)および図6(b)はそれぞれ、トップテープ6aの弛みが小さい状態および弛みが大きい状態を示す、図5と同様の拡大断面図である。すなわち図6(a)において、キャリアテープ搬送モータ46が停止しているときに、トップテープ巻取モータ52の回転に伴い、巻取スプロケット51が回転して、トップテープ6aを噛み合いスプロケット67a,67bによって引き込むことにより、トップテープ6aには張力が加わる。このときテンションアーム61は、上昇位置に配置され、光学式センサー66は、テンションアーム61の下端部64によって遮光されることなく(透光状態にあり)、オフ状態を検知する。
逆に、図6(b)において、トップテープ巻取モータ52が停止しているときに、キャリアテープ搬送モータが回転すると、キャリアテープ15が搬送されることに起因して、トップテープ6aが弛緩し、引っ張りバネ65がテンションアーム61の下端部64を引っ張り、光学式センサー66は、テンションアーム61の下端部64によって遮光され、オン状態を検知する。
なお、上記実施形態では、トップテープ6aの弛みの大小を検知する構成として、テンションアーム61と連動するセンサー66を有する張力検知部60について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の構成を有するセンサーを用いてトップテープ6aに対する張力を検知し、オン/オフ状態を示すオン/オフ信号を出力する(オン/オフ動作する)ものであってもよい。
[3.部品供給装置(テープフィーダ)の動作]
次に、図7および図8を参照して、テープフィーダ30の一般的な動作について以下説明する。図7および図8はそれぞれ、キャリアテープ搬送処理およびトップテープ巻取処理に関するフィーダ制御部32の処理手順を示すフローチャートである。
図7のキャリアテープ搬送処理に関し、ステップST01において、テープフィーダ30のテープ搬送制御部33は、チップマウンタ1の部品実装制御部11からキャリアテープ15を搬送するように指令を受信したか否かを判断する。テープ搬送制御部33は、キャリアテープ15の搬送指令を受信するまで待機する。テープ搬送制御部33がキャリアテープ15の搬送指令を受信したとき、ステップST02において、テープ搬送制御部33は、キャリアテープ搬送モータ46を回転駆動して、部品収納部16(凹部)間の1ピッチに相当する距離だけキャリアテープ15を搬送する。そしてステップST03において、テープ搬送制御部33は、キャリアテープ15を搬送した累積時間、すなわちサーボモータであるキャリアテープ搬送モータ46が回転したことにより搬送されたキャリアテープ15の長さを計測する。
ステップST04において、フィーダ異常判定部34は、キャリアテープ15を搬送した累積時間が所定の閾値時間T1より大きいか否かを判定する。閾値時間T1は、キャリアテープ15を1ピッチに相当する距離だけ搬送するために必要な最大時間に相当するものであってもよい。ステップST04において、キャリアテープ15を搬送した累積時間が所定の閾値時間T1より小さいとフィーダ異常判定部34が判定したとき、ステップST01に戻って処理を続行する。
ステップST04において、テープ搬送制御部33がキャリアテープ15の搬送累積時間が所定の閾値時間T1より大きいと判定したとき、搬送異常があったと判断して、ステップST05において、チップマウンタ1のユニット異常検出部12に搬送異常を示す信号を出力する。搬送異常には、例えば巻き取られていたトップテープ6aが、引出開口端18から噛み合いスプロケット67a,67bに至る搬送路の途中で切断した場合が考えられる。
搬送異常信号を受信したユニット異常検出部12は、タッチパネル28を介して、搬送異常があった特定のテープフィーダ30を表示するとともに、搬送異常の内容をマシンオペレータに報知する。マシンオペレータがテープフィーダ30の搬送異常に対する処理を完了させ、再始動指令を与えるまで、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、すべてのテープフィーダ30に対するキャリアテープ15の搬送指令を停止する。
図8に示すトップテープ巻取処理に関し、ステップST11において、テープフィーダ30のテープ搬送制御部33は、張力検知部60のセンサー66がオン状態またはオフ状態にあるか、すなわちトップテープ6aに張力が加わっているか否かを判断する。具体的には、光学式センサー66が透光状態(オフ状態)を示す場合、図6(a)に示すように、トップテープ6aは張力が加わった状態にあり、テープ搬送制御部33は、トップテープ巻取モータ52を停止させた状態を維持する。
ステップST11において、光学式センサー66が遮光状態(オン状態)を示すと判断された場合、図6(b)に示すように、トップテープ6aは弛緩した状態にあるので、ステップST12において、テープ搬送制御部33は、トップテープ巻取モータ52を所定時間T2だけ回転させる。トップテープ6aはキャリアテープ15から引き剥がされたものであり、キャリアテープ15を搬送した長さと、トップテープ6aを巻き取った長さは実質的に一致するため、所定時間T2は、搬送スプロケット45と巻取スプロケット51の径の比にもよるが、閾値時間T1と一致するか、実質的に対応するものである。
ステップST13において、トップテープ巻取モータ52が所定時間T2だけ回転した後、フィーダ異常判定部34は、張力検知部60のセンサー66がオン状態またはオフ状態にあるか、すなわちトップテープ6aに張力が加わっているか否かを再度判断する。フィーダ異常判定部34は、センサー66がオン状態のままであるとき、所定の長さのトップテープ6aを巻き取ったにも拘わらず、トップテープ6aの張力が回復しないのは、上述のように、例えばトップテープ6aが切断されたと判断して、チップマウンタ1のユニット異常検出部12に搬送異常信号を出力する(ステップST14)。
ステップST13において、センサー66の出力信号がオン状態からオフ状態に切り替わったとき、ステップST15において、テープ搬送制御部33は、トップテープ6aが十分に巻き取られて、トップテープ6aの弛みが解消されたものと判断し、トップテープ巻取モータ52の回転を停止させるとともに、搬送累積時間をリセットした後、ステップST11に戻る。これにより、図7のキャリアテープ搬送処理のステップST04において、搬送累積時間は一旦ゼロになるため、フィーダ異常判定部34による搬送異常の判断が回避される。
[4.電子部品実装システム(チップマウンタ)の動作]
次に、図9を参照しながら、一般的なテープフィーダ30が装填されたチップマウンタ1の異常検出動作について、より詳細に以下説明する。図9は、チップマウンタ1によるテープフィーダ異常検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9のテープフィーダ異常検出処理に関し、ステップST21において、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、各テープフィーダ30のフィーダ異常判定部34から異常通知(異常信号)を受信したか否かを判断する。部品実装制御部11は、各テープフィーダ30からの異常通知を受信しない場合、継続してチップ部品Cを基板B上に実装する処理を行う。ステップST21において、部品実装制御部11がいずれかのテープフィーダ30のフィーダ異常判定部34から異常通知(異常信号)を受信した場合、ステップST22において、すべてのテープフィーダ30からのチップ部品Cの実装処理を停止する。またステップST23において、チップマウンタ1のユニット異常検出部12は、タッチパネル28を介して、搬送異常があった特定のテープフィーダ30を表示するとともに、搬送異常の内容をマシンオペレータに報知する。マシンオペレータがテープフィーダ30の搬送異常に対する処理を完了させ、再始動指令を与えるまで、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、すべてのテープフィーダ30に対するキャリアテープ15の搬送指令を停止する。
[5.特殊テープの構成]
上記説明は、通常形態の部品供給テープ5aを供給するテープフィーダ30がチップマウンタ1に装填された実施形態に関するものであったが、上記[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、カスタマの生産現場では、同じテープフィーダを用いて試作生産や少量生産を行う必要が生じる場合がある。このとき提供されるチップ部品Cは、数センチ~数十センチ程度の長さを有するキャリアテープ15の凹状の部品収納部16に収容され、「テプカ(登録商標)」等のスライドカバー6bを用いて、キャリアテープ15を送り出しながら、スライドカバー6bをスライドさせることによりチップ部品Cを露出させてチップマウンタ1に供給する。
なお、図3を用いて上記説明したように、スライドカバーを用いた特殊形態の部品供給テープ5b(特殊テープ)を搬送するテープフィーダ30を、本願では便宜上、特殊テープフィーダ30bと呼ぶが、通常形態の部品供給テープ5a(通常テープ)を搬送する通常テープフィーダ30aと特殊テープフィーダ30bとは、構成上同じものである。換言すると、チップマウンタ1に装填される任意のテープフィーダ30は、通常テープフィーダ30aまたは特殊テープフィーダ30bとして選択的に利用することができる。
図10(a)は、特殊テープ5bを示す斜視図であり、図10(b)は、特殊テープフィーダ30の部品取出部14の平面図である。特殊テープ5bは、凹状の部品収納部16を有するキャリアテープ15と、チップ部品Cを収納した部品収納部16を覆い、キャリアテープ15にスライド可能に装着されたスライドカバー6bとを有する。特殊テープ5bのキャリアテープ15は、通常テープ5aのキャリアテープ15と同様の構成を有し、一定の間隔を空けて配置された複数の送り孔17を有する。
テープフィーダ30の部品取出部14は、図10(b)に示すように、図中右側に係止端部53を有し、キャリアテープ搬送モータ46が回転すると、キャリアテープ15のみが図中左側へ搬送され、スライドカバー6bは、部品取出部14の係止端部53によって係止される。一方、キャリアテープ15の部品収納部16に収納されたチップ部品Cは、通常テープ5aと同様、取出開口部19で露出し、チップマウンタ1の部品保持ノズル26で真空吸着され、基板Bの所定の位置に実装される。
特殊テープ5bのスライドカバー6bには、図10(c)に示すように、係止端部53隣接する表面にQRコード(登録商標)54(二次元コード)を付してもよい。QRコード54は、テープフィーダ30に特殊テープ5bが装着されていることを示す情報、および/または特殊テープ5bが装着されているテープフィーダ30の識別情報(スロット情報)を含むものであってもよい。またQRコード54の代わりに、同様の情報を含む一次元のバーコードをスライドカバー6bに付してもよい。一次元または二次元のコードは、チップマウンタ1のヘッドカメラ24で画像認識され、付随する識別情報は、システム制御部10のシステム記憶部13に予め記憶させておくことが好ましい。
なお、ヘッドカメラ24は、テープフィーダ30の識別情報を収集する点で、チップマウンタ1に設けたタッチパネル28と同様の機能を有するので、本願では、ヘッドカメラ24およびタッチパネル28(ならびに上位システム100の複数のチップマウンタ1と通信するコンピュータ)を総称して「入力部」という。また、「入力部」の中でもマシンオペレータによらず自動的にテープフィーダ30の識別情報が収集されるという意図において、ヘッドカメラ24を単に「検知部」ともいう。
[6.部品供給装置(テープフィーダ)に用いられるアダプタの構成]
上記説明したように、特殊テープ5bが装着された特殊テープフィーダ30bを用いてチップ部品Cを基板Bに実装する場合、マシンオペレータが特殊テープ5bのスライドカバー6b付きのキャリアテープ15を保持する必要があり、作業が極めて煩雑であった。
図11(a)および図11(b)はそれぞれ、特殊テープ5bが装着されたテープフィーダ30に着脱自在に取り付けられる第1および第2のアダプタ70a,70bを示す斜視図である。図12および図13はそれぞれ、第1および第2のアダプタ70a,70bがテープフィーダ30に取り付けられる前後の状態を示す、図5と同様の断面図である。また図13は、特殊テープ5bが特殊テープフィーダ30bに装着された状態を示す。さらに図14(a)および図14(b)はそれぞれ、通常テープ5aおよび特殊テープ5bが装填されたテープフィーダ30を示す、図6(a)と同様の拡大断面図である。
本実施形態に係る第1および第2のアダプタ70a,70bは、概略、スライドカバー6bが装着されたキャリアテープ15を搬送する特殊テープフィーダ30bに対して用いられるものであって、キャリアテープ15を支持する支持部71a,71bと、キャリアテープ15の側面に当接可能な側壁部72a,72bと、特殊テープフィーダ30bに固定される被固定部73a,73bとを有する。
<6-1.第1のアダプタ>
より具体的には、第1のアダプタ70aは、図11(a)に示すように、略C字状の第1の本体部74aと、第1の本体部74aから上方に(YZ平面に平行に)延びる一対の第1の側壁部72aを有する。第1の側壁部72aは、支持される特殊テープ5bを幅方向に規制するものである。第1の本体部74aは、特殊テープ5bのキャリアテープ15を支持する第1の支持部71aと、特殊テープフィーダ30bの可動ローラ63を保持する第1の被固定部73aとを有する。
また第1の本体部74aは、テープフィーダ30の上面または載置部69に適合する外形形状および寸法を有し(図12および図13)、載置部69に取り付けられたとき、被固定部73aが枢支ローラ62と載置部69との間で挟み込まれた状態で、テープフィーダ30に確実に保持されるように構成されている。すなわち第1のアダプタ70aは、追加的なネジ等の固定手段を用いることなく、容易にかつ着脱自在に特殊テープフィーダ30bに取り付けることができる。なお、第1の本体部74aは、カーボンを含有して所定の抵抗値に設定された導電性の樹脂で形成される。第1の本体部74aを導電性にすることにより、チップ部品Cやキャリアテープ15に帯電する電位を逃がすことができる。
すなわちテープフィーダ30の上面または載置部69には、キャリアテープ15のトップテープ6aに張力を付与するテンションアーム61の枢支ローラ62(張力付与機構)が配置され、第1のアダプタ70aの被固定部73aは、枢支ローラ62に適合した形状を有し、枢支ローラ62を固定(保持)するように構成されている。
このように構成された第1のアダプタ70aは、キャリアテープ15を第1の支持部71a上で支持するので、特殊テープ5bを第1の支持部71aの上を円滑に搬送することができ、テープフィーダ30の上面とキャリアテープ15の凹状の部品収納部16(テープフィーダ30から見れば、凸状の部品収納部16)とが接触または衝突して生じる大きな騒音を防止することができる。
また第1のアダプタ70aは、一対の第1の側壁部72a,72bを有するので(図11(a))、特殊テープ5bを用いてチップ部品Cを実装する間、マシンオペレータは、特殊テープ5bを保持する必要性または煩わしさから解放される。
マシンオペレータは、特殊テープ5bを用いて、チップ部品Cをチップマウンタ1に搬送することを示す特殊テープ信号を、テープフィーダ30の操作入力部76(入力スイッチ)を用いて予め入力しておく。一方、フィーダ制御部32は、好適には、特殊テープ信号をフィーダ記憶部35で記憶させると同時に、そのテープフィーダ30の識別情報とともに特殊テープ信号をシステム制御部10に送信しておくことが好ましい。
第1のアダプタ70aは、特殊テープフィーダ30bに取り付けられたとき、引っ張りバネ65の引張力に抗って、可動ローラ63を枢支ローラ62の周りに反時計方向に回転させ(テンションアーム61の下端部64を図中右方向に変位させ)、張力検知部60のセンサー66をオフ状態に維持する。このときフィーダ異常判定部34は、図8のフローチャートで説明した通常テープ5aのトップテープ巻取処理によれば、ステップST13において、トップテープ巻取モータ52が所定時間T2を超えて回転してもトップテープ6aの張力が回復しないとフィーダ異常判定部34が判断して、チップマウンタ1のユニット異常検出部12に搬送異常信号を出力してしまう。するとシステム制御部10は、すべてのチップ部品Cの実装作業を停止させるため、所望の試作生産や少量生産を実行できなくなる。
しかしながら、上述のように、マシンオペレータは、操作入力部76(入力スイッチ)を用いて特殊テープ信号を予め入力しておき、フィーダ制御部32は、特殊テープ信号をフィーダ記憶部35で記憶させ、フィーダ異常判定部34がユニット異常検出部12に搬送異常信号を出力しないように(トップテープ6aの搬送異常信号の出力を阻止するように)設定することにより、システム制御部10によるチップ部品Cの実装作業を継続させることができる。
択一的には、システム記憶部13で特殊テープフィーダ30bの識別情報を事前に記憶しておくことにより、フィーダ異常判定部34がユニット異常検出部12に搬送異常信号を出力しても、システム制御部10は、搬送異常信号によるチップ部品Cの実装停止処理を無効化することにより、継続してチップ部品Cの実装処理を行うことができる。
こうしてマシンオペレータは、特殊テープ5bを用いて、チップ部品Cをチップマウンタ1に搬送させて、試作生産や少量生産を実現することができる。すなわち第1のアダプタ70aの被固定部73aは、テンションアーム61を係止して、特殊テープフィーダ30bによるトップテープ6aの回収異常の検知(搬送異常信号の出力)を阻止し、またはチップマウンタ1による搬送異常信号を無効化(搬送異常信号の出力を看過)する機能を有する。
なお、詳細図示しないが、第1のアダプタ70aの一対の第1の側壁部72aの間の距離(間隔)は、第1のアダプタ70aによって支持される特殊テープ5bの幅に依存して調整できるように構成されることが好ましい。例えば、図11(a)に示す第1の本体部74aと第1の側壁部72aとの間にスペーサ(図示せず)を挟んだ後、これらを一体に固定するようにネジ留めすることにより、特殊テープ5bの幅に応じて第1の側壁部72aの間隔を(例えば24mmから32mmに)大きくしてもよい。
特殊テープフィーダ30bからチップ部品Cをチップマウンタ1に搬送することを示す特殊テープ信号をシステム記憶部13に予め記憶させておくために、上記説明では、マシンオペレータが特殊テープフィーダ30bの操作入力部76(入力スイッチ)を用いて予め入力するか、あるいは特殊テープ5bのスライドカバー6bに付した一次元または二次元のコードをヘッドカメラ24で画像認識させるものとして説明したが、その他の手法を用いて、特殊テープ信号をシステム記憶部13に予め記憶させてもよい。
例えば、テープフィーダ30の上面または載置部69に対向する第1の本体部74aの一部分に金属等の導電部材で形成された金属板を貼り付け、または露出させた状態で埋め込む一方、テープフィーダ30の上面または載置部69に伸縮可能な一対の電極端子(ともに図示せず)を設けてもよい。逆に、第1の本体部74aに一対の電極端子を設け、テープフィーダ30の上面または載置部69に電極端子に対向するように金属板を設けてもよい。すなわち、マシンオペレータが第1のアダプタ70aをテープフィーダ30に取り付けたとき、第1の本体部74aの金属板とテープフィーダ30の一対の電極端子とが電気回路を形成し、フィーダ制御部32は、第1のアダプタ70aがテープフィーダ30に取り付けられたこと、すなわち特殊テープ信号を受信する。同様に、フィーダ制御部32は、コネクタ42を介して、特殊テープ信号および特殊テープフィーダ30bの識別情報をシステム制御部10に出力するように構成してもよい。
さらに択一的には、第1の本体部74aにRFIDタグ等の非接触型認識デバイスを設け、フィーダ制御部32は、第1のアダプタ70aの上面または載置部69に受信デバイスを設け、フィーダ制御部32がテープフィーダ30に取り付けられたことを非接触式に検知し、特殊テープ信号を受信するように構成してもよい。同様に、フィーダ制御部32は、コネクタ42を介して、特殊テープ信号および特殊テープフィーダ30bの識別情報をシステム制御部10に出力してもよい。
なお、上記説明した一対の電極端子ならびに金属板および非接触型認識デバイスは、特殊テープフィーダ30bの識別情報をシステム制御部10に出力する点で、チップマウンタ1に設けたタッチパネル28と同様の機能を有するので、本願では、これらも総称して単に「入力部」という。また、「入力部」の中でもマシンオペレータによらず自動的に特殊テープフィーダ30bの識別情報が出力されるという意図において、上記説明した一対の電極端子ならびに金属板および非接触型認識デバイスを単に「検知部」ともいう。
<6-2.第2のアダプタ>
第2のアダプタ70bは、図11(b)に示すように、略直方体形状の第2の本体部74bと、第2の本体部74bから上方に(YZ平面に平行に)延びる一対の第2の側壁部72bを有する。また第2の本体部74bは、特殊テープ5bのキャリアテープ15を支持する第2の支持部71bと、トップテープ収納部68の収納開口部75に適合する外形形状および寸法を有する第2の被固定部73bとを有する(図12および図13)。第2のアダプタ70bは、第2の被固定部73bを収納開口部75に挿入することにより、テープフィーダ30の収納開口部75に確実に保持されるように構成されている。すなわち第2のアダプタ70bは、第1のアダプタ70aと同様、追加的なネジ等の固定手段を用いることなく、容易にかつ着脱自在にテープフィーダ30に取り付けることができる。なお、第2の本体部74bは、特に限定されないが、例えば合成樹脂等の非導電性部材で形成されるものであってもよい。
[7.特殊形態の部品供給装置(特殊テープフィーダ)の動作]
ここで図15を参照しながら、本実施形態に係る第1のアダプタ70aを取り付けた特殊テープフィーダ30bの動作について、より詳細に以下説明する。図15は、特殊テープフィーダ30bによるテープフィーダ異常検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図15のテープフィーダ異常検出処理に関し、ステップST31において、テープフィーダ30のテープ搬送制御部33は、チップマウンタ1の部品実装制御部11からキャリアテープ15を搬送するように指令を受信したか否かを判断する。テープ搬送制御部33は、キャリアテープ15の搬送指令を受信するまで待機する。テープ搬送制御部33は、キャリアテープ15の搬送指令を受信したとき、ステップST32において、部品収納部16(凹部)の1ピッチに相当する距離だけキャリアテープ15を搬送する。
ステップST33において、テープ搬送制御部33は、特殊テープ5bを用いてチップ部品Cをチップマウンタ1に搬送しているか否かを示す信号、すなわち特殊テープ信号(特殊用途設定)がフィーダ記憶部35に記憶されているか否かを判断する。特殊テープ信号がフィーダ記憶部35に記憶されている場合、ステップST31に戻り、テープ搬送制御部33は、次のキャリアテープ15の搬送指令を受信するまで待機する。すなわち、フィーダ記憶部35に記憶された特殊テープ信号は、張力検知部60のセンサー66がオン状態で維持されたままであっても、トップテープ6aの回収異常の検知、またはチップマウンタ1のユニット異常検出部12への搬送異常信号の出力を阻止するものである。
このとき、フィーダ制御部32は、トップテープ巻取モータ52の回転駆動を停止するように制御することが好ましい。これにより、トップテープ巻取モータ52および付随する噛み合いスプロケット67a,67bの空回りを回避し、噛み合いスプロケット67a,67bの摩耗を防止するとともに、噛み合いスプロケット67a,67bの空回りに伴う騒音を排除することができる。
ステップST33において、特殊テープ信号(特殊用途設定)がフィーダ記憶部35に記憶されていないとテープ搬送制御部33が判断した場合、すなわち通常テープ5aを用いてチップ部品Cをチップマウンタ1に搬送しているとテープ搬送制御部33が判断した場合、ステップST34において、テープ搬送制御部33は、キャリアテープ15を搬送した累積時間、すなわちサーボモータであるキャリアテープ搬送モータ46が回転したことにより搬送されたキャリアテープ15の長さを計測する。
ステップST35において、フィーダ異常判定部34は、キャリアテープ15を搬送した累積時間が所定の閾値時間T1より大きいか否かを判定する。閾値時間T1は、キャリアテープ15を1ピッチに相当する距離だけ搬送するために必要な最大時間に相当するものであってもよい。ステップST35において、キャリアテープ15を搬送した累積時間が所定の閾値時間T1より小さいとフィーダ異常判定部34が判定したとき、ステップST31に戻って処理を続行する。
ステップST35において、テープ搬送制御部33がキャリアテープ15の搬送累積時間が所定の閾値時間T1より大きいと判定したとき、搬送異常があったと判断して、チップマウンタ1のユニット異常検出部12に搬送異常信号を出力する。
搬送異常信号を受信したユニット異常検出部12は、タッチパネル28を介して、搬送異常があったテープフィーダ30を特定するとともに、搬送異常の内容をマシンオペレータに報知する。マシンオペレータがテープフィーダ30の搬送異常に対する処理を完了させ、再始動指令を与えるまで、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、すべてのテープフィーダ30に対するキャリアテープ15の搬送指令を停止する。
[8.電子部品実装システム(チップマウンタ)の動作]
次に、図16を参照しながら、本実施形態に係る第1のアダプタ70aをテープフィーダ30に取り付けた場合のチップマウンタ1の異常検出動作について、より詳細に以下説明する。図16は、チップマウンタ1によるテープフィーダ異常検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図16のテープフィーダ異常検出処理に関し、ステップST41において、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、各テープフィーダ30のフィーダ異常判定部34から異常通知(異常信号)を受信したか否かを判断する。部品実装制御部11は、各テープフィーダ30からの異常通知を受けるまで、継続してチップ部品Cを基板B上に実装する処理を行う。ステップST41において、部品実装制御部11は、いずれかのテープフィーダ30のフィーダ異常判定部34から異常通知(異常信号)を受信した場合、ステップST42において、異常通知(異常信号)を出力したテープフィーダ30のフィーダ記憶部35に特殊テープ信号が記憶されているか否か、またはシステム記憶部13に記憶されているか否かを判断する。部品実装制御部11は、特殊テープ信号がフィーダ記憶部35またはシステム記憶部13に記憶されていると判断したとき、部品実装処理を停止することなく、ステップST41に戻り、チップ部品Cの実装処理を継続するようにテープフィーダ30を制御する。
他方、ステップST42において、部品実装制御部11は、特殊テープ信号がフィーダ記憶部35またはシステム記憶部13に記憶されていないと判断したとき、ステップST43において、すべてのテープフィーダ30からのチップ部品Cの実装処理を停止する。このとき、ステップST44において、チップマウンタ1のユニット異常検出部12は、タッチパネル28を介して、搬送異常があった特定のテープフィーダ30を表示するとともに、搬送異常の内容をマシンオペレータに報知する。マシンオペレータがテープフィーダ30の搬送異常に対する処理を完了させ、再始動指令を与えるまで、チップマウンタ1の部品実装制御部11は、すべてのテープフィーダ30に対するキャリアテープ15の搬送指令を停止する。
以上説明したように、本実施形態に係る特殊テープフィーダ30bによれば、特殊テープ信号がフィーダ記憶部35に記憶され、特殊テープフィーダ30bによるトップテープ6aの回収異常の検知(搬送異常信号の出力)を阻止することにより、チップマウンタ1への電子部品の継続的な搬送処理を実現することができる。