JP7054675B2 - 網膜色素変性症18と網膜色素変性症13の処置のための組成物と方法 - Google Patents
網膜色素変性症18と網膜色素変性症13の処置のための組成物と方法 Download PDFInfo
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Description
本出願は、2015年12月14日に出願された米国仮特許出願第62/267,261号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本出願は配列表を包含しており、これは、EFS-Webを介してASCIIフォーマットで提出され、その全体が引用により本明細書に組み込まれる。2016年12月9日に作成されたASCIIのコピーは、47991-709_601_SL.txtのファイル名であり、280,643バイトのサイズである。
本明細書で言及されるすべての公報、特許、および特許出願は、個々の公報、特許、特許出願が引用によって組み込まれるように具体的且つ個々に示される程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
網膜色素変性症(RP)は、PRPF3タンパク質の不足によって引き起こされたRP18およびPRPF8タンパク質の不足によって引き起こされたRP13を含む、眼疾患の衰弱した群について説明するものである。RPを有する被験体は、眼疾患の初期において夜間視力の損失を経験する。時間とともに、視力の損失が生じ始め、これは最終的にトンネル状視野につながる。この視力の損失は、杆体視細胞系における機能不全に起因し得る。眼疾患が進行するにつれ、罹患した患者は、視力の低下を経験する前に、錐体視細胞の大部分を失うかもしれない(Berger et al., 2010)。
16のエクソンに及び、1q21.1に位置する、PRPF3遺伝子は、mRNA前駆体プロセシング因子3(PRPF3)のタンパク質をコードする。PRPF3の基準mRNAの配列は、NCBI基準配列NM_004698で明記される。PRPF3は、スプライソソームのアセンブリに関係する、77kD、682のアミノ酸タンパク質である。PRPF3の機能不全は、RP18の進行に関係している。網膜に特異的なスプライシング要素が、PRPF3と相互作用し、杆体視細胞に特異的な表現型を産生し得ることが推測された。PRPF3のミスセンス変異P493SおよびT494Mが両方とも、RP18表現型を表示することが示され、これによって、PRPF3の機能不全は、RP18表現型に関連付けられる(Berger et al., 2010)。RP18およびPRPF3遺伝子は、例えば、OMIM#613095(Online Mendelian Inheritance in Man, Johns Hopkins University, 1966-2015)によって記載され、これは引用により本明細書に組み込まれる。
42のエクソンに及び、17p13.3に位置する、PRPF8遺伝子は、mRNA前駆体プロセシング因子8(PRPF8)のタンパク質をコードする。PRPF8の基準mRNAの配列は、NCBI基準配列NM_006445で明記される。PRPF8は、スプライソソームのアセンブリに関係する、220kD、2,334のアミノ酸タンパク質である。PRPF8の機能不全は、RP13の進行に関係している。PRPF8変異体H2309P、H2309R、R2310K、P2301T、F2304L、R2310GおよびF2314Lは、RP13の臨床表現型に結果的につながることが分かり、これによって、PRPF8の機能不全は、RP13に関連付けられる(Berger et al., 2010)。RP13およびPRPF8遺伝子は、例えば、OMIM#600059(Online Mendelian Inheritance in Man, Johns Hopkins University, 1966-2015)によって記載され、これは引用により本明細書に組み込まれる。
実施形態では、本発明の方法は、細胞核内のPRPF3またはPRPF8の遺伝子から転写された、保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)の存在を活用する。成熟した完全にスプライシングされたmRNAを産出するための特定されたRIC mRNA前駆体の種のスプライシングは、保持されたイントロンのスプライシングアウトを刺激するASOを使用して誘発される。結果として生じる成熟mRNAは、細胞質に輸送されて、翻訳され得、それによって患者の細胞中のPRPF3タンパク質またはPRPF8タンパク質の量が増加し、それぞれ、RP18またはRP13の症状が緩和される。以下にさらに詳述されるこの方法は、核内遺伝子出力の標的とされた増強(TANGO)として知られている。
本明細書で実施例において記載されるように、PRPF3遺伝子は、イントロン保持事象のために分析され、イントロン、例えばイントロン12および13の保持が観察された。UCSCゲノムブラウザによって視覚化されたRNA配列決定(RNAseq)は、ARPE-19細胞において発現された及び細胞質または核分画のいずれかにおいて局在化されたPRPF3転写産物を示した。いずれの分画においても、大多数のイントロンに対して読み取り観察されなかった。しかしながら、細胞質分画と比較して、核分画におけるイントロン12および13に対してより高い読み取り密度が検知され、これは、イントロン12および13のスプライシング効率が低く、結果としてイントロン保持をもたらすことを示している。保持されたイントロン含有mRNA前駆体の転写産物は、主として核内に蓄積し、PRPF3タンパク質には翻訳されない。イントロン12および13に対する読み取り密度は、それぞれ、26%および33%のイントロン保持を示した。イントロン12に対するイントロン保持率(PIR)の値は、4つの値(37、35、16、および15)を平均することによって得られた。イントロン13に対するPIR値は、同様に、4つの値、34、33、34、および31を平均することによって得られた。各値は、4つの異なるアルゴリズムのうちの1つを使用して、ARPE-19(網膜色素上皮)細胞において決定された。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるASOは、PRPF3のゲノム配列(PRPF3 RIC mRNA前駆体)から転写されたRIC mRNA前駆体を標的とする。いくつかの実施形態では、PRPF3のゲノム配列はSEQ ID NO:1である。いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体はSEQ ID NO:3である。
いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物は、保持されたイントロン12を含む。いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン12を含むとき、本明細書に開示されるASOはSEQ ID NO:447を標的とする。いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン12を含むとき、ASOはSEQ ID NO:5-239のいずれか1つにかかる配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるASOは、PRPF3 RIC mRNA前駆体の配列を標的とする。
いくつかの実施形態では、PRPF3RIC mRNA前駆体の転写産物は、保持されたイントロン13を含む。いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン13を含むとき、本明細書に開示されるASOはSEQ ID NO:446を標的とする。いくつかの実施形態では、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン13を含むとき、ASOはSEQ ID NO:240-323のいずれか1つにかかる配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるASOは、PRPF3 RIC mRNA前駆体の配列を標的とする。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるASOは、PRPF8のゲノム配列(PRPF8 RIC mRNA前駆体)から転写されたRIC mRNA前駆体を標的とする。いくつかの実施形態では、PRPF8のゲノム配列はSEQ ID NO:2である。いくつかの実施形態では、PRPF8 RIC mRNA前駆体はSEQ ID NO:4である。
いくつかの実施形態では、PRPF8RIC mRNA前駆体の転写産物は、保持されたイントロン31を含む。いくつかの実施形態では、PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン31を含むとき、本明細書に開示されるASOはSEQ ID NO:448を標的とする。いくつかの実施形態では、PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物が保持されたイントロン31を含むとき、ASOはSEQ ID NO:324-445のいずれか1つにかかる配列を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるASOは、PRPF8 RIC mRNA前駆体の配列を標的とする。
上記したように、RP疾患におけるPRPF3とPRPF8の突然変異は全タンパク質にわたって広まる。いくつかの実施形態では、本明細書において記載される方法が、機能的PRPF3タンパク質の産生を増加させるために使用される。他の実施形態では、本明細書において記載される方法が、機能的PRPF8タンパク質の産生を増加させるために使用される。他の実施形態では、本明細書において記載される方法が、機能的PRPF3タンパク質またはPRPF8タンパク質の産生を増加させるために使用される。本明細書で使用されるように、用語「機能的な(functional)」は、RP疾患の1つ以上の疾病を除去するのに必要とされるPRPF3もしくはRPF8のタンパク質の活性、または機能の量に言及している。いくつかの実施形態では、部分的に機能的なPRPF3タンパク質の産生を増加させるために、前記方法が使用される。他の実施形態では、部分的に機能的なPRPF8タンパク質の産生を増加させるために、前記方法が使用される。他の実施形態では、部分的に機能的なPRPF3またはPRPF8タンパク質の産生を増加させるために、前記方法が使用される。本明細書で使用されるように、用語「部分的に機能的な(partially functional)」は、疾患の1つ以上の疾病を除去する又は防ぐのに必要とされる活性または機能の量未満である、PRPF3またはPRPF8のタンパク質の活性または機能の量に言及している。いくつかの実施形態では、部分的に機能的なタンパク質またはRNAは、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の、完全な機能的タンパク質またはRNAに比してより小さな活性を持つだろう。
a.第1の変異対立遺伝子であって、そこから、
i)PRPF3タンパク質が、野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生される、
ii)PRPF3タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して、低下した機能を有する形態で産生される、または
iii)PRPF3タンパク質あるいは機能的なRNAが産生されない、第1の変異対立遺伝子;および
b.第2の変異対立遺伝子であって、そこから、
i)PRPF3タンパク質が、野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生される、
ii)PRPF3タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して、低下した機能を有する形態で産生される、または
iii)PRPF3タンパク質が産生されない、第2の変異対立遺伝子を有し、
ここでRIC mRNA前駆体は、第1の対立遺伝子および/または第2の対立遺伝子から転写される。これらの実施形態では、ASOは、第1の対立遺伝子または第2の対立遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の標的部位に結合することで、RIC mRNA前駆体からの保持されたイントロンの構成的スプライシングを誘発し、PRPF3タンパク質をコードするmRNAレベルの増加を引き起こし、被験体の細胞中の標的タンパク質または機能的なRNAの発現の増加をもたらす。これらの実施形態では、RIC mRNA前駆体からの保持されたイントロンの構成的スプライシングの結果として、発現レベルの増加した標的タンパク質あるいは機能的なRNAは、同等の野性型タンパク質(部分的に機能的な)と比較して機能が低い、あるいは同等の野性型タンパク質(完全に機能的な)と比較して十分な機能を有する、いずれの形態もありうる。
a.第1の変異対立遺伝子であって、そこから、
i)PRPF8タンパク質が、野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生される、
ii)PRPF8タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して、低下した機能を有する形態で産生される、または
iii)PRPF8タンパク質あるいは機能的なRNAが産生されない、第1の変異対立遺伝子;および
b.第2の変異対立遺伝子であって、そこから、
iv)PRPF8タンパク質が、野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生される、
v)PRPF8タンパク質が、同等の野生型タンパク質と比較して、低下した機能を有する形態で産生される、または
vi)PRPF8タンパク質が産生されない、第2の変異対立遺伝子を有し、
ここでRIC mRNA前駆体は、第1の対立遺伝子および/または第2の対立遺伝子から転写される。これらの実施形態では、ASOは、第1の対立遺伝子または第2の対立遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の標的部位に結合することで、RIC mRNA前駆体からの保持されたイントロンの構成的スプライシングを誘発し、PRPF8タンパク質をコードするmRNAレベルの増加を引き起こし、被験体の細胞中の標的タンパク質または機能的なRNAの発現の増加をもたらす。これらの実施形態では、RIC mRNA前駆体からの保持されたイントロンの構成的スプライシングの結果として、発現レベルの増加した標的タンパク質あるいは機能的なRNAは、同等の野性型タンパク質(部分的に機能的な)と比較して機能が低い、あるいは同等の野性型タンパク質(完全に機能的な)と比較して十分な機能を有する、いずれの形態もありうる。
前述したように、実施形態では、核内遺伝子出力の標的とされた増強(TANGO)は、PRPF3タンパク質またはPRPF8タンパク質の発現を増加させるために、本発明の方法において使用される。これらの実施形態では、PRPF3タンパク質またはPRPF8タンパク質をコードする保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)は、細胞の核内にある。保持されたイントロン、5’スプライス部位に隣接するエクソン、および3’スプライス部位に隣接するエクソンは、PRPF3タンパク質またはPRPF8タンパク質をコードし、これらを含むPRPF3またはPRPF8 RIC mRNA前駆体を有する細胞は、RIC mRNA前駆体の標的部位に対して相補的なアンチセンスオリゴマー(ASO)と接触させられる。RIC mRNA前駆体の標的部位とハイブリダイズするASOは、保持されたイントロンのスプライス部位(5’スプライス部位あるいは3’スプライス部位)のスプライシングを強化し、その後の標的タンパク質産生を増加させる。
本明細書で提供される方法とアンチセンスオリゴヌクレオチドの組成物は、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするmRNA、或いはPRPF3またはPRPF8タンパク質をコードする成熟mRNAのレベルの増加により、細胞、例えば、PRPF3またはPRPF8タンパク質の量または活性の不足により引き起こされるRPを患う被験体において、PRPF3またはPRPF8タンパク質の発現を増加させるのに有用である。特に、本明細書に記載されるような方法と組成物は、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするPRPF3またはPRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物からの保持されたイントロンの構成的なスプライシングを誘発し、それにより、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするmRNAのレベル、或いはPRPF3またはPRPF8タンパク質をコードする成熟mRNAのレベルを増加させ、且つPRPF3またはPRPF8タンパク質の発現を増加させる。
本開示の一態様は、PRPF3またはPRPF8 RIC mRNA前駆体の標的部分に結合することによってスプライシングを増強するアンチセンスオリゴマーを含む組成物である。本明細書で使用されるように、用語「ASO」および「アンチセンスオリゴマー」は、交換可能に使用され、ワトソン・クリック塩基対またはゆらぎ塩基対(G-U)によって標的核酸(例えば、PRPF3またはPRPF8 RIC mRNA前駆体)配列にハイブリダイズする、核酸塩基を含む、ポリヌクレオチドなどのオリゴマーを指す。ASOは、標的配列に相補的な又はほぼ相補的(例えば、標的配列に結合し、スプライス部位でスプライシングを増強させるのに十分な相補性)である正確な配列を有し得る。ASOは、標的核酸(例えば、mRNA前駆体の転写産物の標的部分)に結合し(ハイブリダイズし)、生理学的条件下でハイブリダイズされたままであるように設計されている。典型的に、ASOは、意図した(標的とされた)核酸配列以外の部位にハイブリダイズする場合、標的核酸でない限られた数の配列に(標的核酸以外の少数の部位に)ハイブリダイズする。ASOの設計は、mRNA前駆体の転写産物の標的部分の核酸配列、或いはゲノムまたは細胞のmRNA前駆体またはトランスクリプトームにおける他の場所での十分に類似した核酸配列の発生を考慮に入れることができ、その結果、ASOが他の部位に結合し「オフターゲット」効果を引き起こす可能性は限定される。例えば、発明の名称「Reducing Nonsense-Mediated mRNA Decay」のWO2015/035091として公開されたPCT国際出願番号PCT/US2014/054151におけるものなどの、当業者に既知のアンチセンスオリゴマーは、本明細書に記載される方法を実施するために使用され得る。
記載された組成物のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、上記方法のいずれかにおいて使用するための医薬組成物または医薬製剤は、医薬品産業において周知の従来技術に従って調製することができ、且つ公開文献にも記載されている。実施形態では、被験体を処置するための医薬組成物または製剤は、上述のような有効量のアンチセンスオリゴマー、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、またはエステル、および薬学的に許容可能な希釈剤を含む。医薬製剤のアンチセンスオリゴマーはさらに、薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体を含み得る。
本明細書に提供される組成物のうちのいずれかが個体に投与されうる。「個体」は、「被験体」または「患者」と交換可能に使用されてもよい。個体は哺乳動物でもよく、例えば人間、または、人類以外の霊長類、げっ歯類、ウサギ、ラット、マウス、馬、ロバ、ヤギ、猫、犬、雌牛、ブタ、あるいは羊などの動物である。実施形態では、個体はヒトである。実施形態では、個体は胎児、胚、または小児である。他の実施形態では、個体は植物などの別の真核生物であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物は細胞にエクスビボで投与される。
本発明の範囲内にはまた、特異的に標的イントロンでのPRPF3またはPRPF8 RIC mRNA前駆体のスプライシングを増強する追加のASOを特定する(判定する)方法がある。mRNA前駆体の標的領域内で様々なヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするASOは、標的イントロンのスプライシングの速度および/または程度を改善するASOを特定する(判定する)ためにスクリーニングされてもよい。いくつかの実施形態では、ASOはスプライシング抑制因子/サイレンサーの結合部位をブロックまたは妨害することがある。当該技術分野において既知の任意の方法が、イントロンの標的領域にハイブリダイズされた時に所望の効果(例えばスプライシング、タンパク質または機能的なRNA生産の向上)をもたらすASOを特定する(判定する)ために使用されてもよい。これらの方法はまた、保持されたイントロンに隣接するエクソン中、または保持されていないイントロン中の標的領域へ結合することにより、保持されたイントロンのスプライシングを増強するASOの特定のために使用することができる。使用されうる方法の一例が下記に提供される。
本明細書は、発明の以下の態様を包含する。
[1]
被験体の細胞により標的タンパク質または機能的RNAの発現を増加させることによって被験体の網膜色素変性症18(RP18)または網膜色素変性症13(RP13)を処置する方法であって、
ここで、前記細胞は、保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)を有し、RIC mRNA前駆体は、保持されたイントロン、5’スプライス部位に隣接しているエクソン、3’スプライス部位に隣接しているエクソンを含み、RIC mRNA前駆体は、標的タンパク質または機能的RNAをコードし、
前記方法は、
被験体の細胞を、標的タンパク質または機能的RNAをコードするRIC mRNA前駆体の標的部分に相補的なアンチセンスオリゴマー(ASO)と接触させる工程を含み、それによって、保持されたイントロンは、標的タンパク質または機能的RNAをコードするRIC mRNA前駆体から構成的にスプライシングされ、それにより、被験体の細胞内で、標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAのレベルを増加させ、標的タンパク質または機能的RNAの発現を増加させる、方法。
[2]
保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)を有している細胞によって、PRPF3またはPRPF8である標的タンパク質の発現を増加させる方法であって、
RIC mRNA前駆体は、保持されたイントロン、保持されたイントロンの5’スプライス部位に隣接しているエクソン、保持されたイントロンの3’スプライス部位に隣接しているエクソンを含み、RIC mRNA前駆体はPRPF3またはPRPF8タンパク質をコードし、
前記方法は、
細胞を、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするRIC mRNA前駆体の標的部分に相補的なアンチセンスオリゴマー(ASO)と接触させる工程を含み、それによって、保持されたイントロンは、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするRIC mRNA前駆体から構成的にスプライシングされ、それにより、細胞内で、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするmRNAのレベルを増加させ、PRPF3またはPRPF8タンパク質の発現を増加させる、方法。
[3]
RP18を処置する方法であって標的タンパク質がPRPF3である、またはRP13を処置する方法であって、標的タンパク質がPRPF8である、[1]に記載の方法。
[4]
標的タンパク質または機能的RNAは、被験体において量あるいは活性が不足している標的タンパク質あるいは機能的RNAを機能的に増大させるか、これに取って代わる、補償タンパク質あるいは補償機能的RNAである、[1]に記載の方法。
[5]
細胞は、PRPF3またはPRPF8タンパク質の量または活性の不足によって引き起こされた疾病を有する被験体内にあるか又は被験体に由来する、[2]に記載の方法。
[6]
標的タンパク質の量の不足は、標的タンパク質のハプロ不全によって引き起こされ、ここで、被験体は、機能的な標的タンパク質をコードする第1の対立遺伝子、標的タンパク質が産生されない第2の対立遺伝子、または非機能的な標的タンパク質をコードする第2の対立遺伝子を有し、アンチセンスオリゴマーは、第1の対立遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の標的部分に結合する、[1]-[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]
被験体は、標的タンパク質の量または機能の不足に起因する障害により引き起こされた疾病を抱えており、
ここで、被験体は、
a.
i.標的タンパク質が野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生され、
ii.標的タンパク質が同等の野性型タンパク質と比較して機能が低下した形態で産生され、あるいは、
iii.標的タンパク質が産生されない、
第1の変異対立遺伝子と、
b.
i.標的タンパク質が野生型対立遺伝子からの産生と比較して、減少したレベルで産生され、
ii.標的タンパク質が同等の野性型タンパク質と比較して機能が低下した形態で産生され、あるいは、
iii.標的タンパク質が産生されない、
第2の変異対立遺伝子とを有し、
ここで、被験体が第1の変異対立遺伝子a.iii.を有するとき、第2の変異対立遺伝子はb.i.あるいはb.ii.であり、ここで、被験体が第2の変異対立遺伝子b.iii.を有するとき、第1の変異対立遺伝子はa.i.あるいはa.ii.であり、ここで、RIC mRNA前駆体は、a.i.あるいはa.ii.である第1の変異対立遺伝子、および/または、b.i.あるいはb.ii.である第2の変異対立遺伝子から転写される、[1]-[5]のいずれか1つに記載の方法。
[8]
標的タンパク質は、同等の野性型タンパク質と比較して、機能が低下した形態で産生される、[7]に記載の方法。
[9]
標的タンパク質は、同等な野性型タンパク質と比較して、十分に機能的な形態で産生される、[7]に記載の方法。
[10]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+6から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-16までの領域内の保持されたイントロンにある、[1]-[9]のいずれか1つに記載の方法。
[11]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+498から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-496までの領域内の保持されたイントロンにある、[1]-[9]のいずれか1つに記載の方法。
[12]
標的タンパク質はPRPF3である、[1]-[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+498から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-496までの領域内の保持されたイントロンにある、[12]に記載の方法。
[14]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、[12]または[13]に記載の方法。
[15]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:447またはSEQ ID NO:446の少なくとも8の隣接する核酸を含む領域に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、[12]-[14]のいずれか1つに記載の方法。
[16]
ASOは、SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、[12]-[15]のいずれか1つに記載の方法。
[17]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:3に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む、[13]-[16]のいずれか1つに記載の方法。
[18]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:1に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、あるいは100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[13]-[17]のいずれか1つに記載の方法。
[19]
標的タンパク質がPRPF8である、[1]-[11]のいずれか1つに記載の方法。
[20]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+156から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-156までの領域内の保持されたイントロンにある、[19]に記載の方法。
[21]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:324-445のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的である配列を含む、[19]または[20]に記載の方法。
[22]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:448の少なくとも8の隣接する核酸に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[19]-[21]のいずれか1つに記載の方法。
[23]
ASOは、SEQ ID NO:234-445のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、[19]-[22]のいずれか1つに記載の方法。
[24]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:4に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む、[20]-[23]のいずれか1つに記載の方法。
[25]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:2に対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、あるいは100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[20]-[24]のいずれか1つに記載の方法。
[26]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、
(a)保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+6から+100の領域、あるいは、
(b)保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-16から-100の領域、の内部の保持されたイントロンにある、[1]-[9]および[12]-[25]のいずれか1つに記載の方法。
[27]
アンチセンスオリゴマーは、少なくとも1つの保持されたイントロンの5’スプライス部位の約100ヌクレオチド下流から、少なくとも1つの保持されたイントロンの3’スプライス部位の約100ヌクレオチド上流の領域内にあるRIC mRNA前駆体の一部を標的とする、[1]-[9]および[12]-[25]のいずれか1つに記載の方法。
[28]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、
(a)保持されたイントロンの5’スプライス部位に隣接するエクソン中の+2eから-4eの領域、あるいは、
(b)保持されたイントロンの3’スプライス部位に隣接するエクソン中の+2eから-4eの領域、
の内部の保持されたイントロンである、[1]-[9]および[12]-[25]のいずれか1つに記載の方法。
[29]
アンチセンスオリゴマーは、機能的RNAまたは標的タンパク質をコードする遺伝子から転写されたmRNA前駆体の選択的スプライシングを調節することにより、標的タンパク質または機能的RNAの量を増加させない、[1]-[28]のいずれか1つに記載の方法。
[30]
アンチセンスオリゴマーは、標的タンパク質または機能的RNAをコードする遺伝子の突然変異に起因する異常なスプライシングを調節することにより、標的タンパク質または機能的RNAの量を増加させない、[1]-[29]のいずれか1つに記載の方法。
[31]
RIC mRNA前駆体は、全長のmRNA前駆体の部分的なスプライシング、または野生型のmRNA前駆体の部分的なスプライシングによって産生された、[1]-[30]のいずれか1つに記載の方法。
[32]
標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAは、全長の成熟mRNA、あるいは野生型の成熟mRNAである、[1]-[31]のいずれか1つに記載の方法。
[33]
産生された標的タンパク質は全長のタンパク質あるいは野生型のタンパク質である、[1]-[32]のいずれか1つに記載の方法。
[34]
アンチセンスオリゴマーと接触させた細胞において産生された標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAの総量は、対照細胞において産生された標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAの総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍増加する、[1]-[33]のいずれか1つに記載の方法。
[35]
アンチセンスオリゴマーと接触させた細胞によって産生された標的タンパク質の総量は、対照細胞によって産生された標的タンパク質の総量と比較して、約1.1から約10倍、約1.5から約10倍、約2から約10倍、約3から約10倍、約4から約10倍、約1.1から約5倍、約1.1から約6倍、約1.1から約7倍、約1.1から約8倍、約1.1から約9倍、約2から約5倍、約2から約6倍、約2から約7倍、約2から約8倍、約2から約9倍、約3から約6倍、約3から約7倍、約3から約8倍、約3から約9倍、約4から約7倍、約4から約8倍、約4から約9倍、少なくとも約1.1倍、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、あるいは少なくとも約10倍増加する、[1]-[34]のいずれか1つに記載の方法。
[36]
アンチセンスオリゴマーは、ホスホロチオエート結合またはホスホロジアミデート結合を含む骨格修飾を含む、[1]-[35]のいずれか1つに記載の方法。
[37]
アンチセンスオリゴマーはホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、あるいは2’-O-メトキシエチル部分を含む、[1]-[36]のいずれか1つに記載の方法。
[38]
アンチセンスオリゴマーは、少なくとも1つの修飾された糖部を含む、[1]-[37]のいずれか1つに記載の方法。
[39]
それぞれの糖部は修飾された糖部である、[38]に記載の方法。
[40]
アンチセンスオリゴマーは、8から50の核酸塩基、8から40の核酸塩基、8から35の核酸塩基、8から30の核酸塩基、8から25の核酸塩基、8から20の核酸塩基、8から15の核酸塩基、9から50の核酸塩基、9から40の核酸塩基、9から35の核酸塩基、9から30の核酸塩基、9から25の核酸塩基、9から20の核酸塩基、9から15の核酸塩基、10から50の核酸塩基、10から40の核酸塩基、10から35の核酸塩基、10から30の核酸塩基、10から25の核酸塩基、10から20の核酸塩基、10から15の核酸塩基、11から50の核酸塩基、11から40の核酸塩基、11から35の核酸塩基、11から30の核酸塩基、11から25の核酸塩基、11から20の核酸塩基、11から15の核酸塩基、12から50の核酸塩基、12から40の核酸塩基、12から35の核酸塩基、12から30の核酸塩基、12から25の核酸塩基、12から20の核酸塩基、あるいは12から15の核酸塩基からなる、[1]-[39]のいずれか1つに記載の方法。
[41]
アンチセンスオリゴマーは、タンパク質をコードするRIC mRNA前駆体の標的部分に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、あるいは100%相補的である、[1]-[40]のいずれか1つに記載の方法。
[42]
細胞は、標的タンパク質または機能的RNAをコードする遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の集団を含み、ここで、RIC mRNA前駆体の集団は2つ以上の保持されたイントロンを含み、および、ここで、アンチセンスオリゴマーは、RIC mRNA前駆体の集団で最も豊富な保持されたイントロンに結合する、[1]-[41]のいずれか1つに記載の方法。
[43]
最も豊富な保持されたイントロンに対するアンチセンスオリゴマーの結合は、標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAを産生するRIC mRNA前駆体の集団からの2つ以上の保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘発する、[46]に記載の方法。
[44]
細胞は、標的タンパク質または機能的RNAをコードする遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の集団を含み、ここで、RIC mRNA前駆体の集団は2つ以上の保持されたイントロンを含み、および、ここで、アンチセンスオリゴマーは、RIC mRNA前駆体の集団で2番目に豊富な保持されたイントロンに結合する、[1]-[41]のいずれか1つに記載の方法。
[45]
2番目に豊富な保持されたイントロンに対するアンチセンスオリゴマーの結合は、標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAを産生するためにRIC mRNA前駆体の集団からの2つ以上の保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘発する、[44]に記載の方法。
[46]
疾病は疾患または障害である、[5]-[45]のいずれか1つに記載の方法。
[47]
疾患または障害はRP18またはRP13である、[46]に記載の方法。
[48]
標的タンパク質とRIC mRNA前駆体はPRPF3遺伝子またはPRPF8遺伝子によってコードされる、[47]に記載の方法。
[49]
前記方法はタンパク質発現を評価する工程をさらに含む、[1]-[48]のいずれか1つに記載の方法。
[50]
被験体はヒトである、[1]-[49]のいずれか1つに記載の方法。
[51]
被験体はヒト以外の動物である、[1]-[49]のいずれか1つに記載の方法。
[52]
被験体は胎児、胚、あるいは子供である、[1]-[50]のいずれか1つに記載の方法。
[53]
細胞はエクスビボである、[1]-[51]のいずれか1つに記載の方法。
[54]
アンチセンスオリゴマーは、被験体の硝子体内注射、網膜下注射、局所投与、移植、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射によって投与される、[1]-[51]のいずれか1つに記載の方法。
[55]
5’スプライス部位に隣接するエクソンの-3eから-1eと、保持されたイントロンの+1から+6にある9つのヌクレオチドは、対応する野性型配列と同一である、[1]-[54]のいずれか1つに記載の方法。
[56]
保持されたイントロンの-15から-1と3’スプライス部位に隣接するエクソンの+1eにある16のヌクレオチドは、対応する野性型配列と同一である、[1]-[55]のいずれか1つに記載の方法。
[57]
[1]-[56]のいずれか1つの方法に使用されるアンチセンスオリゴマー。
[58]
SEQ ID NO:5-445のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含むアンチセンスオリゴマー。
[59]
[57]または[58]のアンチセンスオリゴマーと賦形剤を含む医薬組成物。
[60]
硝子体注射、網膜下注射、局所投与、移植、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射により、[58]記載の医薬組成物を投与することによって、必要としている被験体を処置する方法。
[61]
不足しているタンパク質または不足している機能的RNAに関係する、必要としている被験体のRP18またはRP13を処置するために細胞によって標的タンパク質または機能的RNAの発現を増加させる方法に使用するためのアンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、
ここで、不足しているタンパク質または機能的RNAは、被験体において量あるいは活性が不足しており、ここで、アンチセンスオリゴマーは、標的タンパク質または機能的RNAをコードする、保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)の構成的スプライシングを増強し、
ここで、標的タンパク質は、
(a)不足しているタンパク質、あるいは、
(b)被験体において不足しているタンパク質を機能的に増大させるか、これに取って代わる、補償タンパク質であり、
ここで、機能的RNAは、
(a)不足しているRNA、あるいは、
(b)被験体において不足している機能的RNAを機能的に増大させるか、これに取って代わる、補償機能的RNAであり、
ここで、RIC mRNA前駆体は、保持されたイントロン、5’スプライス部位に隣接しているエクソン、および3’スプライス部位に隣接しているエクソンを含み、保持されたイントロンは、標的タンパク質または機能的RNAをコードするRIC mRNA前駆体からスプライシングされ、それによって、被験体において標的タンパク質または機能的RNAの産生または活性を増加させる、組成物。
[62]
必要としている被験体においてPRPF3またはPRPF8タンパク質に関係する疾病を処置する方法に使用するためのアンチセンスオリゴマーを含む組成物であって、
該方法は、被験体の細胞によってPRPF3またはPRPF8タンパク質の発現を増加させる工程であって、細胞が保持されたイントロン、保持されたイントロンの5’スプライス部位に隣接しているエクソン、および保持されたイントロンの3’スプライス部位に隣接しているエクソンを含む、保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)を有し、RIC mRNA前駆体がPRPF3またはPRPF8タンパク質をコードする、工程と、細胞をアンチセンスオリゴマーと接触させる工程であって、それによって、保持されたイントロンは、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするRIC mRNA前駆体の転写産物から構成的にスプライシングされ、それにより、被験体の細胞内で、PRPF3またはPRPF8タンパク質をコードするmRNAのレベルを増加させ、PRPF3またはPRPF8タンパク質の発現を増加させる、工程を含む、組成物。
[63]
標的タンパク質PRPF3は、NM_004698の配列によってコードされる、またはPRPF8はNM_006445の配列によってコードされる、[62]に記載の組成物。
[64]
疾病は疾患または障害である、[62]または[63]に記載の組成物。
[65]
疾患または障害はRP18またはRP13である、[65]に記載の組成物。
[66]
標的タンパク質とRIC mRNA前駆体はPRPF3またはPRPF8遺伝子によってコードされる、[65]に記載の組成物。
[67]
アンチセンスオリゴマーは、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+6から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-16までの領域内の保持されたイントロンにあるRIC mRNA前駆体の一部を標的とする、[61]-[66]のいずれか1つに記載の組成物。
[68]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+498から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-496の領域内の保持されたイントロンにある、[61]-[67]のいずれか1つに記載の組成物。
[69]
標的タンパク質はPRPF3である、[61]-[68]のいずれか1つに記載の組成物。
[70]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+498から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-496の領域内の保持されたイントロンにある、[69]に記載の組成物。
[71]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%相補的である配列を含む、[69]または[70]に記載の組成物。
[72]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:447またはSEQ ID NO:446の少なくとも8つの隣接する核酸を含む領域に対し、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[69]-[72]のいずれか1つに記載の組成物。
[73]
ASOは、SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[69]-[70]のいずれか1つに記載の組成物。
[74]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:3に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[70]-[73]のいずれか1つに記載の組成物。
[75]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:1に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[70]-[74]のいずれか1つに記載の組成物。
[76]
標的タンパク質はPRPF8である、[61]-[68]のいずれか1つに記載の組成物。
[77]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+156から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-156の領域内の保持されたイントロンにある、[76]に記載の組成物。
[78]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:324-445のいずれか1つに、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%、または100%相補的な配列を含む、[76]または[77]に記載の組成物。
[79]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、SEQ ID NO:448の少なくとも8の隣接する核酸を含む領域に対して、少なくとも80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[76]-[78]のいずれか1つに記載の組成物。
[80]
ASOは、SEQ ID NO:234-445のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[76]-[79]のいずれか1つに記載の組成物。
[81]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:4に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する配列を含む、[77]-[80]のいずれか1つに記載の組成物。
[82]
RIC mRNA前駆体は、SEQ ID NO:2に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、97%または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[77]-[81]のいずれか1つに記載の組成物。
[83]
アンチセンスオリゴマーはRIC mRNA前駆体の一部を標的とし、これは、
(a)保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+6から+100の領域、あるいは
(b)保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-16から-100の領域、の内部の保持されたイントロンにある、[61]-[66]および[69]-[82]のいずれか1つに記載の組成物。
[84]
アンチセンスオリゴマーは、少なくとも1つの保持されたイントロンの5’スプライス部位の約100ヌクレオチド下流から、少なくとも1つの保持されたイントロンの3’スプライス部位の約100ヌクレオチド上流までの領域内にあるRIC mRNA前駆体の一部を標的とする、[61]-[66]および[69]-[82]のいずれか1つに記載の組成物。
[85]
RIC mRNA前駆体の標的部分は、
(a)保持されたイントロンの5’スプライス部位に隣接するエクソン中の+2eから-4eの領域、あるいは、
(b)保持されたイントロンの3’スプライス部位に隣接するエクソン中の+2eから-4eの領域、
の内部にある、[61]-[66]および[69]-[82]のいずれか1つに記載の組成物。
[86]
アンチセンスオリゴマーは、標的タンパク質または機能的RNAをコードする遺伝子から転写されたmRNA前駆体の選択的スプライシングを調節することにより標的タンパク質または機能的RNAの量を増加させない、[61]-[85]のいずれか1つに記載の組成物。
[87]
アンチセンスオリゴマーは、標的タンパク質または機能的RNAをコードする遺伝子の突然変異に起因する異常なスプライシングを調節することにより、機能的RNAまたは機能的タンパク質の量を増加させない、[61]-[86]のいずれか1つに記載の組成物。
[88]
RIC mRNA前駆体は、全長のmRNA前駆体、または野生型のmRNA前駆体の部分的なスプライシングによって産生された、[61]-[87]のいずれか1つに記載の組成物。
[89]
標的タンパク質または機能的RNAをコードするmRNAは、全長の成熟mRNA、あるいは野生型の成熟mRNAである、[61]-[88]のいずれか1つに記載の組成物。
[90]
産生された標的タンパク質は全長のタンパク質あるいは野生型のタンパク質である、[61]-[89]のいずれか1つに記載の組成物。
[91]
保持されたイントロンは律速イントロンである、[61]から[90]のいずれか1つに記載の組成物。
[92]
前記保持されたイントロンは前記RIC mRNA前駆体で最も豊富な保持されたイントロンである、[61]-[91]のいずれか1つに記載の組成物。
[93]
保持されたイントロンは前記RIC mRNA前駆体で2番目に豊富な保持されたイントロンである、[61]-[91]のいずれか1つに記載の組成物。
[94]
アンチセンスオリゴマーは、ホスホロチオエート結合またはホスホロジアミデート結合を含む骨格修飾を含む、[61]-[93]のいずれか1つに記載の組成物。
[95]
前記アンチセンスオリゴマーはアンチセンスオリゴヌクレオチドである、[61]-[94]のいずれか1つに記載の組成物。
[96]
アンチセンスオリゴマーはホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、あるいは2’-O-メトキシエチル部分を含む、[61]-[95]のいずれか1つに記載の組成物。
[97]
アンチセンスオリゴマーは少なくとも1つの修飾された糖部を含む、[61]-[96]のいずれか1つに記載の組成物。
[98]
それぞれの糖部は修飾された糖部である、[97]に記載の組成物。
[99]
アンチセンスオリゴマーは、8から50の核酸塩基、8から40の核酸塩基、8から35の核酸塩基、8から30の核酸塩基、8から25の核酸塩基、8から20の核酸塩基、8から15の核酸塩基、9から50の核酸塩基、9から40の核酸塩基、9から35の核酸塩基、9から30の核酸塩基、9から25の核酸塩基、9から20の核酸塩基、9から15の核酸塩基、10から50の核酸塩基、10から40の核酸塩基、10から35の核酸塩基、10から30の核酸塩基、10から25の核酸塩基、10から20の核酸塩基、10から15の核酸塩基、11から50の核酸塩基、11から40の核酸塩基、11から35の核酸塩基、11から30の核酸塩基、11から25の核酸塩基、11から20の核酸塩基、11から15の核酸塩基、12から50の核酸塩基、12から40の核酸塩基、12から35の核酸塩基、12から30の核酸塩基、12から25の核酸塩基、12から20の核酸塩基、あるいは12から15の核酸塩基からなる、[61]-[98]のいずれか1つに記載の組成物。
[100]
アンチセンスオリゴマーは、タンパク質をコードするRIC mRNA前駆体の標的部分に少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、あるいは100%相補的である、[61]-[99]のいずれか1つに記載の組成物。
[101]
[61]-[100]に記載の組成物のいずれかのアンチセンスオリゴマーおよび賦形剤を含む医薬組成物。
[102]
被験体の硝子体内注射、網膜下注射、局所投与、移植、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射により、[101]に記載の医薬組成物を投与することによって必要としている被験体を処置する方法。
[103]
不足しているPRPF3 mRNAの転写産物の標的配列にハイブリダイズするアンチセンスオリゴマーであって、不足しているPRPF3 mRNAの転写産物が保持されたイントロンを含み、アンチセンスオリゴマーが不足しているPRPF3 mRNAの転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘発する、アンチセンスオリゴマーと、
薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、
医薬組成物。
[104]
不足しているPRPF3 mRNAの転写産物は、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物である、[103]に記載の医薬組成物。
[105]
PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+500から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-500までの領域内の保持されたイントロンにある、[103]または[104]に記載の医薬組成物。
[106]
PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物は、SEQ ID NO:1に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[103]または[104]に記載の医薬組成物。
[107]
PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物は、SEQ ID NO:3-4のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む、[103]-[104]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[108]
アンチセンスオリゴマーは、ホスホロチオエート結合またはホスホロジアミデート結合を含む骨格修飾を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[109]
アンチセンスオリゴマーはアンチセンスオリゴヌクレオチドである、[103]に記載の医薬組成物。
[110]
アンチセンスオリゴマーはホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、あるいは2’-O-メトキシエチル部分を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[111]
アンチセンスオリゴマーは少なくとも1つの修飾された糖部を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[112]
アンチセンスオリゴマーは、8から50の核酸塩基、8から40の核酸塩基、8から35の核酸塩基、8から30の核酸塩基、8から25の核酸塩基、8から20の核酸塩基、8から15の核酸塩基、9から50の核酸塩基、9から40の核酸塩基、9から35の核酸塩基、9から30の核酸塩基、9から25の核酸塩基、9から20の核酸塩基、9から15の核酸塩基、10から50の核酸塩基、10から40の核酸塩基、10から35の核酸塩基、10から30の核酸塩基、10から25の核酸塩基、10から20の核酸塩基、10から15の核酸塩基、11から50の核酸塩基、11から40の核酸塩基、11から35の核酸塩基、11から30の核酸塩基、11から25の核酸塩基、11から20の核酸塩基、11から15の核酸塩基、12から50の核酸塩基、12から40の核酸塩基、12から35の核酸塩基、12から30の核酸塩基、12から25の核酸塩基、12から20の核酸塩基、あるいは12から15の核酸塩基を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[113]
アンチセンスオリゴマーは、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、あるいは100%相補的である、[103]または[104]に記載の医薬組成物。
[114]
PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分は、SEQ ID NO:446-447から選択される配列内にある、[103]または[104]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[115]
アンチセンスオリゴマーは、SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性であるヌクレオチド配列を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[116]
アンチセンスオリゴマーは、SEQ ID NO:5-323から選択されたヌクレオチド配列を含む、[103]に記載の医薬組成物。
[117]
医薬組成物は、髄腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射のために製剤される、[103]-[116]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[118]
不足しているPRPF8 mRNAの転写産物の標的配列にハイブリダイズするアンチセンスオリゴマーであって、不足しているPRPF8 mRNAの転写産物が保持されたイントロンを含み、アンチセンスオリゴマーが不足しているPRPF8 mRNAの転写産物からの保持されたイントロンのスプライシングアウトを誘発する、アンチセンスオリゴマーと、
薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、
医薬組成物。
[119]
不足しているPRPF8 mRNAの転写産物は、PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物である、[118]に記載の医薬組成物。
[120]
PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分は、保持されたイントロンの5’スプライス部位に対して+500から、保持されたイントロンの3’スプライス部位に対して-500までの領域内の保持されたイントロンにある、[118]または[119]に記載の医薬組成物。
[121]
PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物は、SEQ ID NO:2に対して、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有する遺伝子配列によってコードされる、[118]または[119]に記載の医薬組成物。
[122]
PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物は、SEQ ID NO:3-4のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、あるいは100%の配列同一性を有する配列を含む、[118]または[119]に記載の医薬組成物。
[123]
アンチセンスオリゴマーは、ホスホロチオエート結合またはホスホロジアミデート結合を含む骨格修飾を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[124]
アンチセンスオリゴマーはアンチセンスオリゴヌクレオチドである、に記載の医薬組成物。
[125]
アンチセンスオリゴマーはホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、あるいは2’-O-メトキシエチル部分を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[126]
アンチセンスオリゴマーは少なくとも1つの修飾された糖部を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[127]
アンチセンスオリゴマーは、8から50の核酸塩基、8から40の核酸塩基、8から35の核酸塩基、8から30の核酸塩基、8から25の核酸塩基、8から20の核酸塩基、8から15の核酸塩基、9から50の核酸塩基、9から40の核酸塩基、9から35の核酸塩基、9から30の核酸塩基、9から25の核酸塩基、9から20の核酸塩基、9から15の核酸塩基、10から50の核酸塩基、10から40の核酸塩基、10から35の核酸塩基、10から30の核酸塩基、10から25の核酸塩基、10から20の核酸塩基、10から15の核酸塩基、11から50の核酸塩基、11から40の核酸塩基、11から35の核酸塩基、11から30の核酸塩基、11から25の核酸塩基、11から20の核酸塩基、11から15の核酸塩基、12から50の核酸塩基、12から40の核酸塩基、12から35の核酸塩基、12から30の核酸塩基、12から25の核酸塩基、12から20の核酸塩基、あるいは12から15の核酸塩基を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[128]
アンチセンスオリゴマーは、PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、あるいは100%相補的である、[118]または[119]に記載の医薬組成物。
[129]
PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物の標的部分は、SEQ ID NO:448から選択される配列内にある、[118]または[119]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[130]
アンチセンスオリゴマーは、SEQ ID NO:324-445のいずれか1つに対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、あるいは99%の配列同一性であるヌクレオチド配列を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[131]
アンチセンスオリゴマーは、SEQ ID NO:324-445から選択されるヌクレオチド配列を含む、[118]に記載の医薬組成物。
[132]
医薬組成物は、硝子体内注射、網膜下注射、局所投与、移植、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射のために製剤される、[118]から[131]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[133]
PRPF3タンパク質の機能的な形態をコードする十分に処理されたPRPF3 mRNA転写産物を産生するべく、保持されたイントロンの除去を促すために不足しているPRPF3 mRNA転写産物の処理を誘発する方法であって、
前記方法は、
(a)被験体の標的細胞へアンチセンスオリゴマーを接触させる工程と、
(b)アンチセンスオリゴマーを不足しているPRPF3 mRNAの転写産物にハイブリダイズする工程であって、不足しているPRPF3 mRNAの転写産物が、PRPF3タンパク質の機能形態をコードすることができ、少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、工程と、
(c)PRPF3タンパク質の機能的な形態をコードする十分に処理されたPRPF3 mRNA転写産物を産生するために不足しているPRPF3 mRNA転写産物から少なくとも1つの保持されたイントロンを除去する工程と、
(d)十分に処理されたPRPF3 mRNAの転写産物からPRPF3タンパク質の機能形態を翻訳する工程を含む、方法。
[134]
保持されたイントロンは保持されたイントロン全体である、[133]に記載の方法。
[135]
不足しているPRPF3 mRNAの転写産物は、PRPF3 RIC mRNA前駆体の転写産物である、[133]または[134]に記載の方法。
[136]
PRPF3タンパク質の量または活性の不足によって引き起こされた疾病を有する被験体を処置する方法であって、
前記方法は、
SEQ ID NO:5-323のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴマーを被験体に投与する工程を含む、方法。
[137]
PRPF8タンパク質の機能的な形態をコードする十分に処理されたPRPF8 mRNA転写産物を産生するべく、保持されたイントロンの除去を促すために不足しているPRPF8 mRNA転写産物の処理を誘発する方法であって、
前記方法は、
(a)被験体の標的細胞へアンチセンスオリゴマーを接触させる工程と、
(b)アンチセンスオリゴマーを不足しているPRPF8 mRNAの転写産物にハイブリダイズする工程であって、不足しているPRPF8 mRNAの転写産物が、PRPF8タンパク質の機能形態をコードすることができ、少なくとも1つの保持されたイントロンを含む、工程と、
(c)PRPF8タンパク質の機能的な形態をコードする十分に処理されたPRPF8 mRNA転写産物を産生するために不足しているPRPF8 mRNA転写産物から少なくとも1つの保持されたイントロンを除去する工程と、
(d)十分に処理されたPRPF8 mRNAの転写産物からPRPF8タンパク質の機能形態を翻訳する工程を含む、方法。
[138]
保持されたイントロンは保持されたイントロン全体である、[137]に記載の方法。
[139]
不足しているPRPF8 mRNAの転写産物は、PRPF8 RIC mRNA前駆体の転写産物である、[137]または[138]に記載の方法。
[140]
PRPF8タンパク質の量または活性の不足によって引き起こされた疾病を有する被験体を処置する方法であって、
前記方法は、
SEQ ID NO:324-445のいずれか1つに対して、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含むアンチセンスオリゴマーを被験体に投与する工程を含む、方法。
本発明は、以下の実施例によってより具体的に例示されるだろう。しかしながら、本発明がどんな方法でもこれらの実施例によって制限されていないことが理解されるべきである。
イントロン保持事象を特定するためにPRPF3遺伝子によって産生された転写産物のスナップショットを明らかにするために、次世代配列決定を使用して、全トランスクリプトームのショットガン配列決定を実行した。このために、ARPE-19(網膜上皮)細胞の核および細胞質の分画からのpolyA+RNAを分離し、IlluminaのTruSeq Stranded mRNAライブラリPrepキットを用いてcDNAライブラリを構築した。ライブラリを対末端配列決定(pair-end sequenced)し、結果として、ヒトゲノム(2009年2月、GRCh37/hg19アセンブリ)にマッピングされた100ヌクレオチドの読み取りをもたらした。PRPF3についての配列決定の結果を、図3に示す。簡潔に言うと、図3は、(UCSC Genome Informatics Group(Center for Biomolecular Science&Engineering,University of California,Santa Cruz,1156 High Street,Santa Cruz,CA 95064)によって操作され、かつ、例えばRosenbloom,et al.,2015,「The UCSC Genome Browser database: 2015 update」Nucleic Acids Research 43,Database Issue doi:10.1093/nar/gku1177に記載された)UCSCゲノムブラウザを使用して視覚化されたマッピングされた読み取りを示し、読み取りの範囲および数はピーク信号によって推論され得る。ピークの高さは、特定の領域における読み取り密度によって与えられた発現のレベルを示している。ピークをPRPF3エクソン領域およびイントロン領域に一致させられるように、(読み取りシグナルの下に)UCSCゲノムブラウザによってPRPF3の模式図(縮尺通りに描かれている)が提供される。このディスプレイに基づいて、PRPF3中の2つのイントロン(12および13、矢印で示され、NM_004698はイントロン12に、NM_004698はイントロン13に、それぞれ対応する)と、PRPF8における1つのイントロン(31、矢印によって示され、NM_006445に対応する、イントロン31)(図7)を特定し、これはARPE-19細胞の核分画において高い読み取り密度を有するが、これらの細胞の細胞質分画においては読み込みが非常に低いか無い(図3の下図のイントロン12、図5の下図の13、図5の下図のイントロン31について示されているとおりである)。これは、イントロンが保持されたこと、および、イントロン12、イントロン13、およびイントロン31含有転写産物が核内に残っていることを示し、かつ、これらの保持されたPRPF3およびPRPF8 RIC mRNA前駆体が、細胞質に排出されないので、それぞれ非生産的であることを示唆している。
ASOウォークは、本明細書に記載の方法を用いてPRPF3のイントロン12を標的化するように設計された(図4)。ヌクレオチド+6から+498に及ぶイントロン12の5’スプライス部位のすぐ下流の領域と、ヌクレオチド-16から-496に及ぶイントロン12の3’スプライス部位のすぐ上流の領域とが、2’-O-Me RNA、PS骨格、5ヌクレオチド間隔で移動させた18mer ASO(ASO P3-IVS12+28を除く)で標的とされた。
標的遺伝子イントロンスプライシング効率の増加がASOで達成できるかどうかを決定するために、本明細書に記載の方法を用いた。ARPE-19細胞、すなわちヒトの網膜の上皮細胞株(American Type Culture Collection (ATCC),USA)を偽トランスフェクト(mock-transfected)し、または表1に記載の標的化ASOでトランスフェクトした。細胞を、供給元の仕様書に従って、Lipofectamine RNAiMaxトランスフェクション試薬(Thermo Fisher)を用いてトランスフェクトする。簡潔に述べると、ASOを96ウェル組織培養プレートに播種し、Opti-MEMで希釈したRNAiMaxと組み合わせる。トリプシンを用いて細胞を剥離し、完全培地に再懸濁し、約25,000個の細胞をASOトランスフェクション混合物に加える。トランスフェクション実験は三通りのプレート複製において実行される。最終的なASO濃度は80nMであった。供給元の仕様書に従って、培地をトランスフェクションの6時間後に交換し、細胞をCells-to-Ct溶解試薬を用い、DNAse(Thermo Fisher)で試薬を補充し、24時間で採取する。供給元の仕様書に従い、cDNAはCells-to-Ct RT試薬(Thermo Fisher)で産生される。対象のイントロンでのスプライシングの量を定量化するために、対応するエクソン-エクソン連結(Thermo Fisher)に及ぶプローブでTaqmanアッセイを用いて、定量PCRを実行する。Taqmanアッセイは、QuantStudio 7Flex Real-Time PCRシステム(Thermo Fisher)上で、供給元の仕様書に従い実行される。標的遺伝子アッセイ値を、RPL32(deltaCt)およびプレート一致偽トランスフェクションサンプル(delta-delta Ct)に対して正規化し、モック定量(2^-(delta-delta Ct)に対して倍率変化を産生する。3つのプレート複製のモック(mock)に対する平均倍率変化をプロットする(図10)。標的遺伝子発現を増加させるいくつかのASOが特定され、図10に示される通り、その標的イントロンでのスプライシングの増加が示唆された。標的イントロン(図9)の保持を確認する全トランスクリプトームデータと共に、これらの結果は、ASOが律速イントロンのスプライシング効率を改善し得ることを確認する。
標的遺伝子イントロンスプライシング効率の増加がASOで達成できるかどうかを決定するために、本明細書に記載の方法を用いた。ARPE-19細胞、すなわちヒトの網膜の上皮細胞株(American Type Culture Collection (ATCC),USA)を偽トランスフェクト(mock-transfected)し、または表1に記載の標的化ASOでトランスフェクトした。細胞を、供給元の仕様書に従って、Lipofectamine RNAiMaxトランスフェクション試薬(Thermo Fisher)を用いてトランスフェクトする。簡潔に述べると、ASOを96ウェル組織培養プレートに播種し、Opti-MEMで希釈したRNAiMaxと組み合わせる。トリプシンを用いて細胞を剥離し、完全培地に再懸濁し、約25,000個の細胞をASOトランスフェクション混合物に加える。トランスフェクション実験は三通りのプレート複製において実行される。最終的なASO濃度は80nMであった。供給元の仕様書に従って、培地をトランスフェクションの6時間後に交換し、細胞をCells-to-Ct溶解試薬を用い、DNAse(Thermo Fisher)で試薬を補充し、24時間で採取する。供給元の仕様書に従い、cDNAはCells-to-Ct RT試薬(Thermo Fisher)で産生される。対象のイントロンでのスプライシングの量を定量化するために、対応するエクソン-エクソン連結(Thermo Fisher)に及ぶプローブでTaqmanアッセイを用いて、定量PCRを実行する。Taqmanアッセイは、QuantStudio 7Flex Real-Time PCRシステム(Thermo Fisher)上で、供給元の仕様書に従い実行される。標的遺伝子アッセイ値を、RPL32(deltaCt)およびプレート一致偽トランスフェクションサンプル(delta-delta Ct)に対して正規化し、モック定量(2^-(delta-delta Ct)に対して倍率変化を産生する。3つのプレート複製のモック(mock)に対する平均倍率変化をプロットする(図10、図12)。標的遺伝子発現を増加させるいくつかのASOが特定され、図12に示される通り、その標的イントロンでのスプライシングの増加が示唆された。標的イントロン(図11)の保持を確認する全トランスクリプトームデータと共に、これらの結果は、ASOが律速イントロンのスプライシング効率を改善し得ることを確認する。
標的遺伝子イントロンスプライシング効率の増加がASOで達成できるかどうかを決定するために、本明細書に記載の方法を用いた。ARPE-19細胞、すなわちヒトの網膜の上皮細胞株(American Type Culture Collection (ATCC),USA)を偽トランスフェクト(mock-transfected)し、または表1に記載の標的化ASOでトランスフェクトした。細胞を、供給元の仕様書に従って、Lipofectamine RNAiMaxトランスフェクション試薬(Thermo Fisher)を用いてトランスフェクトする。簡潔に述べると、ASOを96ウェル組織培養プレートに播種し、Opti-MEMで希釈したRNAiMaxと組み合わせる。トリプシンを用いて細胞を剥離し、完全培地に再懸濁し、約25,000個の細胞をASOトランスフェクション混合物に加える。トランスフェクション実験は三通りのプレート複製において実行される。最終的なASO濃度は80nMであった。供給元の仕様書に従って、培地をトランスフェクションの6時間後に交換し、細胞をCells-to-Ct溶解試薬を用い、DNAse(Thermo Fisher)で試薬を補充し、24時間で採取する。供給元の仕様書に従い、cDNAはCells-to-Ct RT試薬(Thermo Fisher)で産生される。対象のイントロンでのスプライシングの量を定量化するために、対応するエクソン-エクソン連結(Thermo Fisher)に及ぶプローブでTaqmanアッセイを用いて、定量PCRを実行する。Taqmanアッセイは、QuantStudio 7Flex Real-Time PCRシステム(Thermo Fisher)上で、供給元の仕様書に従い実行される。標的遺伝子アッセイ値を、RPL32(deltaCt)およびプレート一致偽トランスフェクションサンプル(delta-delta Ct)に対して正規化し、モック定量(2^-(delta-delta Ct)に対して倍率変化を産生する。3つのプレート複製のモック(mock)に対する平均倍率変化をプロットする(図14)。標的遺伝子発現を増加させるいくつかのASOが特定され、図14に示される通り、その標的イントロンでのスプライシングの増加が示唆された。標的イントロン(図13)の保持を確認する全トランスクリプトームデータと共に、これらの結果は、ASOが律速イントロンのスプライシング効率を改善し得ることを確認する。
Claims (14)
- PRPF8タンパク質をコードする保持されたイントロン含有mRNA前駆体(RIC mRNA前駆体)の標的部分に相補的なアンチセンスオリゴマー(ASO)であって、SEQ ID NO:351~353、355、357~360、401、404、409、及び410から選択される配列を含み、
RIC mRNA前駆体は保持されたイントロンを含み、
ASOのRIC mRNA前駆体の標的部分との結合が、RIC mRNA前駆体を発現する細胞内で、保持されたイントロンをRIC mRNA前駆体から構成的にスプライシングさせることにより、細胞内で、PRPF8タンパク質をコードする成熟mRNAのレベルを増加させ、RIC mRNA前駆体の標的部分は保持されたイントロン内にある、前記ASO。 - 保持されたイントロンがイントロン31であり、RIC mRNA前駆体の標的部分は、保持されたイントロン31の5’スプライス部位に対して+6から、保持されたイントロン31の3’スプライス部位に対して-16までの領域内にある、請求項1に記載のASO。
- RIC mRNA前駆体が、SEQ ID NO:4に少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、又は100%の配列同一性を備えた配列を含む、請求項1又は2に記載のASO。
- RIC mRNA前駆体の標的部分が、SEQ ID NO:448の少なくとも8つの隣接する核酸を含む領域に少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、又は100%の配列同一性を備えた配列を含む、請求項1~3のいずれかに記載のASO。
- ASOが、18~50の核酸塩基から成る、請求項1~4のいずれかに記載のASO。
- ASOが、SEQ ID NO:351~353、355、357~360、401、404、409、及び410から選択される配列から成る、請求項1~4のいずれかに記載のASO。
- PRPF8タンパク質が:
i)同等の野性型タンパク質と比較して、機能が低下した形態;又は
ii)同等の野性型タンパク質と比較して、十分に機能的な形態、
で生成される、請求項1~6のいずれかに記載のASO。 - ASOが、ホスホロチオエート結合若しくはホスホロジアミデート結合を含む骨格修飾;又は修飾された糖部若しくは糖アナログを含み、該修飾された糖部若しくは糖アナログが、必要に応じて、ホスホロジアミデートモルホリノ、ロックド核酸、ペプチド核酸、2’-O-メチル、2’-フルオロ、あるいは2’-O-メトキシエチル部分を含む、請求項1~7のいずれかに記載のASO。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載のASOを含むポリヌクレオチドを連結させたウイルスベクター。
- 被験体においてPRPF8タンパク質の量または活性が不足していることを特徴とする疾患又は疾病を処置するための医薬組成物であって、請求項1~8のいずれか1項に記載のASO又は請求項9に記載のウイルスベクターを含む、医薬組成物。
- 疾患又は疾病が網膜色素変性症13である、請求項10に記載の医薬組成物。
- PRPF8タンパク質の量の不足は、PRPF8タンパク質のハプロ不全によって引き起こされ、ここで被験体は、機能的なPRPF8タンパク質をコードする第1の対立遺伝子、及びPRPF8タンパク質が生成されない第2の対立遺伝子又は非機能的なPRPF8タンパク質をコードする第2の対立遺伝子を有し、ASOは、第1の対立遺伝子から転写されたRIC mRNA前駆体の標的部分に結合する、請求項10又は11に記載の医薬組成物。
- 被験体は、
(a)
(i)PRPF8タンパク質が野生型対立遺伝子からの生成と比較して、減少したレベルで生成される、
(ii)PRPF8タンパク質が同等の野性型PRPF8タンパク質と比較して機能が低下した形態で生成される、あるいは、
(iii)PRPF8タンパク質が生成されない、
第1の変異対立遺伝子と、
(b)
(i)PRPF8タンパク質が野生型対立遺伝子からの生成と比較して、減少したレベルで生成される、
(ii)PRPF8タンパク質が同等の野性型PRPF8タンパク質と比較して機能が低下した形態で生成される、あるいは、
(iii)PRPF8タンパク質が生成されない、
第2の変異対立遺伝子とを有し、
ここで、被験体が第1の変異対立遺伝子(a)(iii)を有するとき、第2の変異対立遺伝子は(b)(i)あるいは(b)(ii)であり、被験体が第2の変異対立遺伝子(b)(iii)を有するとき、第1の変異対立遺伝子は(a)(i)あるいは(a)(ii)であり、ここで、RIC mRNA前駆体は、(a)(i)あるいは(a)(ii)である第1の変異対立遺伝子、又は、(b)(i)あるいは(b)(ii)である第2の変異対立遺伝子から転写される、請求項10~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - くも膜下腔内注射、脳室内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射、あるいは静脈内注射による投与用である、請求項10~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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