JP7054600B2 - 直流遮断装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、直流遮断装置に関する。
直流遮断装置は、直流では交流のようにゼロクロスしないため、遮断時のエネルギの処理をどのようにするか、さまざま方式が検討され、提案されている(たとえば特許文献1等)。
機械遮断器は、両端の電圧が十分低下したときに遮断動作をすれば、アークが発生しないようにすることができる。半導体スイッチは、オフ時にアーク放電を生じないので、機械遮断器と組み合わせて、機械式遮断器の両端電圧が十分低下するまで遮断エネルギを転流する。
このような半導体スイッチは、機械遮断器に並列に設けられ、通常運転時には、オフ状態である。半導体スイッチは、オフ時に直流線路の電圧に応じた高電圧が印加されるため、遮断する直流線路の電圧に応じて半導体スイッチ素子を多数個直列接続して用いられる。
直流遮断装置が遮断動作を開始すると、直列に接続された半導体スイッチ素子は、すべて一旦オンして、その後ターンオフして遮断時のエネルギを処理する。半導体スイッチ素子の直列数は、直流線路の電圧および印加される転流のエネルギにもとづいて設定されるが、通常の場合には、十分な耐圧が保証されるように設定されている。そのため、直列接続された多数の半導体スイッチ素子のうち、いくつかが短絡故障等しても、他の大多数の素子が正常であれば、直流遮断装置としての機能は充足される。
しかしながら、電力系統等に用いられる直流遮断装置においては、正常な動作は長期的に保障される必要があり、いくつかの素子に故障が生じたままでは、将来的に正常な動作を保障するのが困難である。そこで、直流遮断装置が機能不具合に至る前に、微細な不具合を検出して、点検、修理等を行うことが望ましい。
特開2016-127026号公報
実施形態は、機能が正常なうちに、各半導体スイッチ素子の故障の有無を判定することができる直流遮断装置を提供する。
実施形態に係る直流遮断装置は、機械遮断器と、前記機械遮断器と並列に接続され、遮断電流を検出したことにより前記機械遮断器が遮断する前に前記遮断電流を流しその後遮断する遮断回路と、前記機械遮断器および前記遮断回路の導通状態および遮断状態を制御する制御部と、を備える。前記遮断回路は、直列に接続された複数の半導体スイッチ素子と、前記複数の半導体スイッチ素子のそれぞれに並列に接続され、遮断動作時の両端電圧を保持するように設けられたコンデンサを含むスナバ回路と、前記複数の半導体スイッチ素子に並列に接続されたアレスタと、前記複数の半導体スイッチ素子の直列回路の途中の接続ノードの電圧とあらかじめ設定された基準電圧との電圧差を入力し、前記電圧差とあらかじめ設定された第1しきい値とを比較する第1レベル検出回路と、を含む遮断ユニットを含む。前記基準電圧および前記第1しきい値は、前記複数の半導体スイッチ素子のすべてが正常に前記遮断電流を遮断し前記アレスタが正常に動作した場合に前記接続ノードに現れる電圧にもとづいて設定される。前記第1レベル検出回路は、前記電圧差の絶対値が前記第1しきい値以下の場合に、アクティブな検出信号を出力し、前記電圧差の絶対値が前記第1しきい値よりも大きい場合に、非アクティブな検出信号を出力する。
本実施形態では、機能が正常なうちに、各半導体スイッチ素子の故障の有無を判定することができる直流遮断装置が実現される。
実施形態に係る直流遮断装置の主要部を例示するブロック図である。 図2(a)は、実施形態の直流遮断装置を例示するブロック図である。図2(b)は、図2(a)の直流遮断装置を備えた直流送電システムを例示するブロック図である。 実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。 実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る直流遮断装置の主要部を例示するブロック図である。
図1に示すように、実施形態の直流遮断装置は、遮断回路20を備える。遮断回路20は、後に詳述するが、機械遮断器と並列に接続され、機械遮断器の両端の電圧が十分低下してアークが切れる電圧に達するまで、遮断時のエネルギを転流する。
遮断回路20は、複数のユニット120を含む。複数のユニット(遮断ユニット)120のそれぞれは、高電圧側の端子121aと、低電圧側の端子121bを、を含み、これらの端子121a,121bを介して、直列に接続されている。この例では、ユニット120は、m個直列に接続されている。ここで、mは2以上の整数である。
複数のユニット120は、半導体スイッチ素子21と、スナバ回路23と、アレスタ26と、抵抗器27a,27bと、整流回路28a,28bと、レベル検出回路29a,29bと、をそれぞれ含む。
半導体スイッチ素子21は、複数個直列に接続されている。半導体スイッチ素子21は、自己消弧形の半導体素子であり、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。この例では、1つのユニット120について、半導体スイッチ素子21が高電位側にN個、低電位側にN個、それぞれ直列に接続されている。つまり、1つのユニット120は、直列接続された2N個の半導体スイッチ素子21を含んでいる。なお、図示しないが、各半導体スイッチ素子21の制御端子は、駆動回路等を介して、後述する制御部に接続されている。半導体スイッチ素子21は、制御部から送信される制御信号にもとづいてオンし、オフする。
各半導体スイッチ素子21には、並列にスナバ回路23が接続されている。スナバ回路23は、この例では、ダイオード23d、コンデンサ23cおよび抵抗器23rを含んでいる。ダイオード23dおよび抵抗器23rは並列接続されており、コンデンサ23cはこの並列回路に直列に接続されている。ダイオード23dは、高電位側がアノード、低電位側がカソードとなるように接続されている。したがって、半導体スイッチ素子21がオフするときの遮断時のエネルギによって、半導体スイッチ素子21の両端の電圧、つまりコレクタ-エミッタ間の電圧が上昇して、コンデンサ23cが充電される。
スナバ回路23は、遮断電流を流している半導体スイッチ素子21がオフしたときの電流を転流する。転流された電流は、コンデンサ23cを充電する。抵抗器23rは、半導体スイッチ素子21の主端子間に印加されるdv/dtを抑制するために設けられている。ダイオード23dによって、コンデンサ23cに充電された電荷は保持される。
アレスタ26は、2N個の半導体スイッチ素子21の直列回路に並列に接続されている。半導体スイッチ素子21がオフすることによって、転流された電流で充電されたすべてのコンデンサ23cの両端電圧がさらに上昇し、アレスタ26の制限電圧を超えると、アレスタ26は、導通して、転流された電流を流して、残りのエネルギを吸収する。
抵抗器27a,27bは直列に接続されている。直列に接続された抵抗器27a,27bは、半導体スイッチ素子21の直列回路およびアレスタ26と並列に接続されている。抵抗器27a,27bの抵抗値は、たとえば等しい値とされる。つまり、端子121a,121b間に印加されている電圧を1/2に分圧する。端子121a,121bを分圧した電圧は、2N個の半導体スイッチ素子21のうち少なくとも1つが短絡故障しているか否かを判定するための基準電圧とされる。
整流回路28bの一方の入力は、半導体スイッチ素子21の高電位側のN個と低電位側のN個との接続ノードに接続されている。整流回路28bの他方の入力は、抵抗器27a,27bの接続ノードに接続されている。つまり、整流回路28bの他方の入力には、端子121a,121b間に印加されている電圧を1/2に分圧した電位が入力される。整流回路28bは、半導体スイッチ素子21の中間の接続ノードの電位と、端子121a,121b間に印加されている電圧の1/2に相当する電位との電位差の絶対値を出力する。
レベル検出回路29bは、整流回路28bの出力に接続されている。レベル検出回路29bは、入力された電位差が0Vの場合に、アクティブな検出信号Di1(i=1~mの整数)を出力する。レベル検出回路29bは、入力された電位差が0Vよりも大きい場合には、検出信号Di1を非アクティブとする。
レベル検出回路29bは、出力する検出信号Di1がアクティブであるか否かによって、そのユニット120内の2N個の半導体スイッチ素子21がすべて正常であるか、2N個の半導体スイッチ素子21のうちいずれか1つが短絡故障であるか、を示すことができる。
つまり、i番目のユニット120の検出信号Di1がアクティブである場合には、2N個すべての半導体スイッチ素子21が正常で、2N個のコンデンサ23cの両端には電圧が保持されている。一方、i番目のユニット120の検出信号Di1が非アクティブである場合には、2N個のうち少なくとも1つの半導体スイッチ素子21が短絡故障であると判定される。
整流回路28aは、端子121a,121b間に印加されている電圧の合計値を入力して、その絶対値を出力する。
なお、整流回路28aには、端子121bの電位に対して端子121aの電位が入力される。そのため、この正の電位差が逆転して負の電位差となることは通常にはないので、必ずしも整流回路28aを設けなくてもよく、生成された正の電位差は、直接後述するレベル検出回路に入力されるようにしてもよい。
レベル検出回路29aは、整流回路28aの出力に接続されている。レベル検出回路29aは、あらかじめ設定されたしきい値を有する。レベル検出回路29aは、入力された電位差が、しきい値以上の場合に、アクティブな検出信号Di2(i=1~mの整数)を出力する。レベル検出回路29aは、入力された電位差がしきい値よりも小さい場合には、検出信号Di2を非アクティブとする。
レベル検出回路29aは、出力する検出信号Di2がアクティブであるか否かによって、そのユニット120の端子121a,121b間に印加される電圧が十分に高い電圧であるか否かを示すことができる。
直流遮断装置10が遮断動作を行った直後には、各スナバ回路23のコンデンサ23cに充電された電圧の合計値は、アレスタ26の制限電圧にほぼ等しい。つまり、検出信号Di2がアクティブである場合には、少なくとも、アレスタ26は、スナバ回路23に転流された電流がさらに転流されて、制限電圧に達しており、アレスタ26が正常に動作していたことが示される。また、検出信号Di2がアクティブである場合には、2N個の半導体スイッチ素子21のうち、いくつかが短絡故障していたとしても、残りの半導体スイッチ素子21およびコンデンサ23c等が、アレスタ26の制限電圧まで耐圧を維持していたことが示される。
検出信号Di2が非アクティブである場合には、アレスタ26が短絡故障しているか、2N個すべての半導体スイッチ素子21が短絡故障しているか、が示される。
上述では、レベル検出回路29bは、2N個の半導体スイッチ素子21の直列回路の中点の接続ノードの電圧によって、半導体スイッチ素子21の短絡故障の有無について判定する場合について説明したが、接続ノードの位置は、基準電圧を適切に設定することによって任意に設定することができる。
たとえば、半導体スイッチ素子21の直列数が奇数(2N+1)個である場合には、高電位側N個、低電位側N+1個としてもよい。この場合には、基準電圧をVp×{(N+1)/(2N+1)}に設定し、この基準電圧と、すべての半導体スイッチ素子21が正常である場合の接続ノードの電圧との電圧差をしきい値である0Vと比較するようにしてもよい。また、基準電圧の設定も、抵抗器による分圧に限らず、レベル検出回路内に持たせるようにしてもよい。
レベル検出回路29aに入力する電圧は、上述のように、アレスタ26および半導体スイッチ素子21の直列回路の両端の電圧を直接検出するようにしてもよいし、抵抗器27a,27bによって分圧された電圧としてもよい。レベル検出回路29aには、入力される電圧に応じて、適切なしきい値が設定される。
上述では、ユニット120は、複数個直列に接続されるものとしたが、直列数は、ユニット120内の半導体スイッチ素子21の直列数や、遮断する電流値、遮断時に転流されるエネルギに応じて適切に決定される。これらの諸条件によっては、単一のユニット120であってもよいこともある。
レベル検出回路29a,29bは、両方が実装されていることが好ましいが、直流遮断装置が設けられる条件等によっては、いずれか一方が実装されるようにしてもよい。
なお、検出信号Di1,Di2がアクティブであるとは、たとえば検出信号Di1,Di2がハイレベルの論理値を有する信号であり、非アクティブであるとは、検出信号Di1,Di2がローレベルの論理を有する信号であることをいう。アクティブをローレベルとし、非アクティブをハイレベルとしてももちろんよい。そのほか、アクティブである信号を特定の値を有する信号に対応させ、非アクティブの信号を無信号やハイインピーダンスの信号に対応させるようにしてもよい。この例では、検出信号Di1,Di2がアクティブな場合は、レベル検出回路29a,29bや制御部に設けられた発光素子が点灯する場合に対応し、検出信号Di1,Di2が非アクティブな場合は、レベル検出回路29a,29bや制御部の発光素子が消灯することに対応する。
図2(a)は、実施形態の直流遮断装置を例示するブロック図である。図2(b)は、図2(a)の直流遮断装置を備えた直流送電システムを例示するブロック図である。
図2(a)には、より具体的な直流遮断装置10の構成例が示されている。図2(a)に示すように、実施形態の直流遮断装置10は、遮断回路20と、機械遮断器50と、を備える。直流遮断装置10は、端子11a,11bを含んでおり、遮断回路20および機械遮断器50は、端子11a,11b間で並列に接続されている。
遮断回路20は、もっとも高い電位に接続された端子121aによって、端子11aに接続され、もっとも低い電位に接続された端子121bによって、端子11bに接続されている。
直流遮断装置10は、このほか、主スイッチ回路40と、制御部60と、をさらに備える。主スイッチ回路40は、機械遮断器50と直列に接続されている。主スイッチ回路40および機械遮断器50の直列回路は、端子11a,11b間に接続されている。
主スイッチ回路40は、たとえばIGBT等の自己消弧型の半導体素子である。主スイッチ回路40は、通常には導通しており、直流送電線等の直流線路において短絡事故等を生じた場合には、最初に遮断される。なお、主スイッチ回路40は、この例のように遮断後には、遮断電流は、遮断回路20に流れ、両端に高電圧が印加されないので、多くの場合には、直列数は1つとされる。
機械遮断器50は、通常には閉じており、直流線路において短絡事故等を生じた場合には、遮断電流が遮断回路20に転流された後に開放される。機械遮断器50は、たとえば真空遮断器である。
遮断回路20は、主スイッチ回路40および機械遮断器50の直列回路に並列に接続されている。遮断回路20の半導体スイッチ素子21(図1)は、通常には遮断されている。半導体スイッチ素子21は、直流線路において短絡事故等を生じた場合に、導通した後遮断される。
遮断回路20は、m個の直列接続されたユニット120を含んでいる。たとえば、各ユニット120は、m検出信号を出力するので、遮断回路20全体としては2m個の検出信号D11~Dm2を制御部60に送信する。検出信号D11~Dm2を受信した制御部60は、検出信号D11~Dm2を適切な形式に変換し、あるいはそのまま、端子11dに接続された上位制御装置100に送信する。
図2(b)に示すように、直流遮断装置10は、直流回路1a,1bの間の直流線路2に直列に接続されて用いられる。直流回路1a,1bは、たとえば電力系統等の交流電圧を直流電圧に変換する交直電力変換器や、太陽光発電パネル、蓄電池等の直流電源等である。直流回路1a,1bは、直流電源で動作する直流負荷を含んでもよい。直流線路2は、たとえば直流送電線である。直流線路2には、電流検出器3が設けられており、直流遮断装置10は、電流検出器3によって検出された電流値Isを入力して、電流値Isがあらかじめ設定されたしきい値以上の場合に、遮断動作を開始する。
直流遮断装置10の制御部60は、電流検出器3に流れる電流値Isがしきい値以上であると判定した場合には、まず、主スイッチ回路40を遮断するように遮断信号S1を生成して、主スイッチ回路40に供給する。制御部60は、遮断信号S1を主スイッチ回路40に供給するとともに、遮断回路20をオンするように2N×m本の遮断信号S3を遮断回路20に供給する。
遮断回路20では、遮断信号S3によって2N×m個の半導体スイッチ素子21がほぼ同時にオンして、遮断回路20が導通する。
その後、制御部60は、適切なタイミングで、遮断回路20を遮断するように遮断信号を供給し、さらにその後、機械遮断器50を遮断するように遮断信号S1を機械遮断器50に供給する。
遮断回路20は、遮断されたときに、各ユニット120の検出信号D11~Dm2を出力する。いずれかユニット120において、アレスタ26が短絡故障であったり、あるいは、すべての半導体スイッチ素子21が短絡故障している場合には、そのユニット120から出力される検出信号Di2は非アクティブであり、他のユニット120から出力される検出信号はアクティブとなる。
いずれかのユニット120において、2N個の半導体スイッチ素子21のうちの1つが短絡故障している場合には、そのユニット120から出力される検出信号Dj1は非アクティブとなり、その他のユニット120から出力される検出信号はアクティブとなる。
制御部60が、すべての検出信号を収集し、信号の形式を適切に変換して、端子11dを介して、結果を送信する。上位制御装置100では、受信した結果にもとづいて、故障の生じたユニット120を特定し、故障モードがユニット120の全短絡であるか、ユニット120内の部分短絡であるかを判定することができる。すべての検出信号を収集した制御部60が故障したユニット120の特定等を行い、結果を上位制御装置100に送信するようにしてもよい。
なお、実施形態の直流遮断装置10は、遮断回路20および機械遮断器50を備えていればよく、上述の図2(a)の構成例に限らない。また、直流遮断装置が電流検出器を含んでいてもよいし、直流遮断装置が制御部を含まず、たとえば、交直電力変換器を制御する制御装置によって、遮断制御を行うようにしてもよい。
実施形態の直流遮断装置10の動作について説明する。
図3および図4は、実施形態の直流遮断装置の動作を説明するための模式的なブロック図である。
図3は、i番目のユニット120の2N個の半導体スイッチ素子21のうち、1つの半導体スイッチ素子21が短絡故障した場合の動作例を示している。
図4は、i番目のユニット120のアレスタ26が短絡故障した場合、または、2N個の半導体スイッチ素子21うちすべての半導体スイッチ素子21が短絡故障した場合の動作例を示している。
まず、図3の場合について説明する。以下の説明では、各部の電圧は、特に断らない限り、端子121bの電圧を基準とする電圧値を有するものとする。
この例では、抵抗器27a,27bは、同じ抵抗値を有しているものとする。したがって、以下の式(1)に示すように、抵抗器27a,27bの接続ノードの電圧V1は、端子121aの電圧Vpの1/2に等しい値を有する。
V1=Vp/2 (1)
ここで、電圧Vpは、端子121a,121b間の電圧であり、アレスタ26の制限電圧にほぼ等しい。各スナバ回路23のコンデンサ23cの両端電圧Vcは、アレスタ26の制限電圧に達するまで上昇した電圧であり、すべての半導体スイッチ素子21が正常である場合には、
Vp=2N×Vc (2)
ただし、各半導体スイッチ素子21のコレクタ-エミッタ間のリーク電流や、各コンデンサ23cの静電容量値、リーク電流等の電気的特性は同一であるものとする。
高電位側のN個の半導体スイッチ素子21と低電位側のN個の半導体スイッチ素子21との中点の接続ノードの電圧V2は、N×Vcに等しくなり、式(1)、(2)より、以下の関係となる。
V1=(1/2)×Vp=(1/2)×2N×Vc=V2 (3)
つまり、接続ノードの電圧V2が、設定値V1に等しいときには、すべての半導体スイッチ素子21が正常であり、このとき、レベル検出回路29bは、アクティブな検出信号Di1を出力する。つまり、Vin1=|V2-V1|=0V(≦0V)のときに、検出信号Di1はアクティブとなる。
しかし、図3に示すように、2N個のうちのいずれかの半導体スイッチ素子21が短絡故障(図の×印)すると、その半導体スイッチ素子21に接続されたコンデンサ23cに蓄積された電荷は放電されるため、V2≠V1となる。このとき、レベル検出回路29bが非アクティブな検出信号Di1を出力することによって、制御部60側では、2N個中の1つの半導体スイッチ素子21が短絡故障していることを認識することができる。
より具体的には、V2は、以下のように表される。
V2={N/(2N-1)}×Vp≠Vp/2(=V1) (4)
式(1)、(4)より、レベル検出回路29bの入力電圧Vin1は以下の関係となった場合には、2N個のうち1個の半導体スイッチ素子21が短絡故障していることが示される。
Vin1=|V2-V1|=Vp/{2×(2N-1)} (5)
したがって、レベル検出回路29bは、入力電圧Vin1が式(5)を満たすような0V以上の値となる場合には、2N個のうちのいずれか1つの半導体スイッチ素子21が短絡故障しているか否かを検出することができる。
なお、上述では、すべてのコンデンサ23cの静電容量値等がすべて同一であるとしたが、実際には、各要素の電気的特性は、個別にばらつきを有しているので、たとえば、事前に特性を取得するなどして、ばらつきを考慮して、式(1)を調整してV1を設定したり、式(5)の値にばらつきに応じた範囲を設けるようにしてもよい。
たとえば、式(1)にアンバランス係数K(K>1)を導入して、以下のように定義する。
V2’=Vp/{2×(K-1)} (1)’
ここで、V2’は、2N個すべての半導体スイッチ素子21が正常な場合の高電位側と低電位側との接続ノードの電圧である。
V2>V1’となり、式(1)’および式(4)より、以下の関係となる。
1/(2N-1)>1/(K-1) (6)
アンバランス係数Kは、あらかじめ装置ごとにV2を測定等することによって、設定することができる。設定されたアンバランス係数Kに対して、式(6)を満たすようにしてしきい値を設定すればよい。
次に、図4の場合について説明する。
図4に示すように、m個のユニット120のうち、いずれかのユニット(この例では、i番目のユニット)120のアレスタ26が短絡故障した場合には、端子121a,121b間の電圧が十分に低くなる。また、2N個のすべての半導体スイッチ素子21が短絡故障した場合にも、端子121a,121b間の電圧が十分に低くなる。
レベル検出回路29aのしきい値Vthaは、アレスタ26が正常に動作する場合の制限電圧よりも十分低く、かつ、アレスタ26が短絡故障した場合もしくは2N個の半導体スイッチ素子21が短絡故障した場合の端子121a,121b間の電圧以上に設定されている。これによって、レベル検出回路29aに入力される電圧Vin2がしきい値Vthaよりも低い場合には、アレスタ26もしくは2N個すべての半導体スイッチ素子21が短絡故障であることが判定される。このとき、レベル検出回路29aは、非アクティブな検出信号Di2を出力する。
なお、しきい値Vthaは、アレスタ26が短絡故障した場合のアレスタ26の両端電圧をあらかじめ測定等し、2N個すべての半導体スイッチ素子21が短絡故障したときの電圧をあらかじめ測定等することによって、適切な値が設定される。
実施形態の直流遮断装置10の効果について説明する。
実施形態の直流遮断装置10では、遮断動作時に動作するレベル検出回路29a,29bを備えている。レベル検出回路29a,29bは、各半導体スイッチ素子21に設けられたスナバ回路23のコンデンサ23cに電圧が正常に印加され、保持されているか否かを、遮断動作後に検出することができる。そのため、多数個直列接続されている半導体スイッチ素子21の短絡故障を確実に判定することができる。
このような直流遮断装置10では、各半導体スイッチ素子21が処理する転流時のエネルギは、各半導体スイッチ素子21の各端子間をすべて短絡するほど大きいとはいえない場合がある。たとえば、過剰なエネルギが印加された半導体スイッチ素子21では、主端子間が抵抗性を有しつつ、短絡するモードで故障する場合がある。実施形態の直流遮断装置10では、レベル検出回路29a,29bのしきい値や基準電圧をそれぞれ適切に設定することによって、半導体スイッチ素子21やアレスタ26の短絡故障を検出することができる。
また、実施形態の直流遮断装置10では、遮断動作時に充電されたコンデンサの両端電圧を利用するので、常時電流が流れているとは限らない遮断回路20の短絡状態を検出することができる。
制御部60および上位制御装置100側では、直流遮断装置10が遮断動作したときに送信されてくる検出信号D11~Dm2のうち、非アクティブ、たとえば送信されてこない検出信号の有無によって、短絡故障の発生有無を判定することができる。
制御部60および上位制御装置100側では、非アクティブの検出信号が、何番目のユニット120に対応するものであるかによって、短絡故障が発生しているユニット120を判別することができる。
制御部60および上位制御装置100側では、短絡故障が発生しているユニット120のレベル検出回路29aが出力する検出信号Di2が非アクティブか、レベル検出回路29bが出力する検出信号Di1が非アクティブか、によって、発生した短絡故障の度合いを判定することができる。たとえば、検出信号Di2が非アクティブの場合には、そのユニット120全体が短絡しており、より緊急に点検、修理等を行い、検出信号Di1が非アクティブの場合には、次期定期点検時等に点検等を実施するようにすることができる。
以上説明した実施形態によれば、機能が正常なうちに、各半導体スイッチ素子の故障の有無を判定することができる直流遮断装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1a,1b 直流回路、2 直流線路、3 電流検出器、10 直流遮断装置、20 遮断回路、21 半導体スイッチ素子、23 スナバ回路、23c コンデンサ、23d ダイオード、23r 抵抗器、26 アレスタ、27a,27b 抵抗器、28a,28b 整流回路、29a,29b レベル検出回路、50 機械遮断器、60 制御部、100 上位制御装置

Claims (5)

  1. 機械遮断器と、
    前記機械遮断器と並列に接続され、遮断電流を検出したことにより前記機械遮断器が遮断する前に前記遮断電流を流しその後遮断する遮断回路と、
    前記機械遮断器および前記遮断回路の導通状態および遮断状態を制御する制御部と、
    を備え、
    前記遮断回路は、
    直列に接続された複数の半導体スイッチ素子と、
    前記複数の半導体スイッチ素子のそれぞれに並列に接続され、遮断動作時の両端電圧を保持するように設けられたコンデンサを含むスナバ回路と、
    前記複数の半導体スイッチ素子に並列に接続されたアレスタと、
    前記複数の半導体スイッチ素子の直列回路の途中の接続ノードの電圧とあらかじめ設定された基準電圧との電圧差を入力し、前記電圧差とあらかじめ設定された第1しきい値とを比較する第1レベル検出回路と、
    を含む遮断ユニットを含み、
    前記基準電圧および前記第1しきい値は、前記複数の半導体スイッチ素子のすべてが正常に前記遮断電流を遮断し前記アレスタが正常に動作した場合に前記接続ノードに現れる電圧にもとづいて設定され、
    前記第1レベル検出回路は、前記電圧差の絶対値が前記第1しきい値以下の場合に、アクティブな検出信号を出力し、
    前記電圧差の絶対値が前記第1しきい値よりも大きい場合に、非アクティブな検出信号を出力する直流遮断装置。
  2. 前記遮断回路は、複数の前記遮断ユニットを含み、
    前記複数の遮断ユニットは、直列に接続された請求項1記載の直流遮断装置。
  3. 前記遮断ユニットは、
    前記アレスタの両端電圧を検出するように接続され、前記アレスタの制限電圧よりも低く、前記アレスタが短絡故障したときの両端電圧以上の第2しきい値を有する第2レベル検出回路をさらに含み、
    前記第2レベル検出回路は、
    前記アレスタの両端電圧が前記第2しきい値以上の場合に、アクティブな検出信号を出力し、
    前記アレスタの両端電圧が前記第2しきい値よりも低い場合に、非アクティブな検出信号を出力する請求項2記載の直流遮断装置。
  4. 前記第1しきい値は、前記複数の半導体スイッチ素子のそれぞれに接続された前記コンデンサの特性のばらつきに応じて、補正され設定された請求項1~3のいずれか1つに記載の直流遮断装置。
  5. 機械遮断器と、
    前記機械遮断器と並列に接続され、遮断電流を検出したことにより前記機械遮断器が遮断する前に前記遮断電流を流しその後遮断する遮断回路と、
    前記機械遮断器および前記遮断回路の導通状態および遮断状態を制御する制御部と、
    を備え、
    前記遮断回路は、
    直列に接続された複数の半導体スイッチ素子と、
    前記複数の半導体スイッチ素子のそれぞれに並列に接続され、遮断動作時の両端電圧を保持するように設けられたコンデンサを含むスナバ回路と、
    前記複数の半導体スイッチ素子に並列に接続されたアレスタと、
    前記アレスタの両端電圧を検出するように接続され、前記アレスタの制限電圧よりも低く、前記アレスタが短絡故障したときの両端電圧以上のしきい値を有するレベル検出回路と、
    をそれぞれ含む複数の遮断ユニットを含み、
    前記複数の遮断ユニットは直列に接続され、
    前記レベル検出回路は、
    前記アレスタの両端電圧が前記しきい値以上の場合に、アクティブな検出信号を出力し、
    前記アレスタの両端電圧が前記しきい値よりも低い場合に、非アクティブな検出信号を出力する直流遮断装置。
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