JP7054564B1 - 発泡樹脂成型用コアベント及び当該コアベントを用いた発泡樹脂成型金型製造方法 - Google Patents

発泡樹脂成型用コアベント及び当該コアベントを用いた発泡樹脂成型金型製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができるコアベント、及び、当該コアベントを使用して金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる金型製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】従来の耐圧層24に加え加工予定層22を形成した。加工予定層22は、貫通孔の周囲における金型内壁に合わせるための加工が予定された層であり、切削、研削、研磨などの加工が可能な層として位置付けられる。金型内壁に合わせて加工予定層22を後から調整するので、金型の内壁面に抜き勾配が与えられていることや曲面が存在することなどを気にすることなく穴あけ加工を行うことができる。よって、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。【選択図】図2

Description

本開示は、発泡樹脂成型に用いるコアベント及び当該コアベントを用いた発泡樹脂成型の金型製造方法に関する。
金型に発泡ビーズなどの材料を投入し、蒸気を加熱媒体として材料を加熱膨張させて互いに融着させて成型する発泡樹脂成型が知られている。金型には蒸気の出入口となる蒸気口が必要であり、この蒸気口を確保する方法として、コアベントを利用するものがある。
具体的には、先に金型に貫通孔を設けておき、その貫通孔に対してコアベントを金型内壁と面一となるように嵌め込む。コアベントには、予めキリ孔やスリットなどの複数の通気口が設けられているため、これら通気口をもって蒸気口とする方法である。
良好な成形サイクルを得るためには、このようなコアベントを金型の随所にまんべんなく設けることで、必要十分な蒸気口を確保することが望ましい。しかし、例えば、抜き勾配が与えられた面に対しては、コアベントと金型内壁と面一すべく、垂直に穴あけ加工を施さなければならないため、金型の形状によっては、貫通孔を設けることが困難な場合もある。また、曲面に対しては、コアベントと金型内壁と面一にすることができないため、コアベントが利用できない。
そのような場合、例えば、特許文献1の第2項[10~12段落]や特許文献2[段落0013]に記載されているように、金型に直接キリ孔をあけることを余儀なくされる。ただ、金型に直接キリ孔をあける場合、金型の内壁面に影響されることなく、蒸気口を確保できる点で有効ではある。
実公昭61-000194号公報 特開2019-044143号公報
しかしながら、金型に直接キリ孔をあける方法では、手作業で一つずつ孔をあける必要があるため、コアベントを利用して蒸気口を確保する方法と比較して非常に多くの手間と時間がかかる。
本開示は、このような点に鑑みて創案されたものであり、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができるコアベント、及び、当該コアベントを使用して金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる金型製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために本開示によるコアベントは、金型に投入された発泡樹脂材料を加熱する蒸気の出入口となる蒸気口を確保すべく当該金型に設けられた貫通孔に嵌入されるコアベントであって、前記発泡樹脂材料の発泡圧力に耐えるための耐圧層と、前記貫通孔の周囲における金型内壁の仕上げ面に合うように調整するための加工が予定された加工予定層と、を備えた天板を有する。
これによれば、貫通孔に嵌入されたコアベントの天板における加工予定層を仕上げ面に合わせて後から調整すれば、コアベントの天板と金型内壁の仕上げ面を面一にすることができる。したがって、金型の内壁面に抜き勾配が与えられていることや曲面が存在することなどを必要以上に気にすることなく穴あけ加工を行うことができるため、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。
上記コアベントにおいて、前記加工予定層の厚さを識別可能な識別情報を有しても良い。
これによれば、圧層と加工予定層の境界を把握することができるため、天板を仕上げ面に合わせる調整が、加工予定層の範囲内で確実に実施できる。
上記コアベントにおいて、前記識別情報として、前記耐圧層と前記加工予定層の境界を見定めることが可能な指標を外周面に有しても良い。
これによれば、耐圧層と加工予定層の境界を目視確認することができるため、天板を仕上げ面に合わせる調整が、加工予定層の範囲内でより確実に実施できる。
上記コアベントにおいて、前記加工予定層の厚さを判別するための色彩を前記外周面に有しても良い。
これによれば、どれだけの厚さの加工予定層を有するコアベントであるかを、外観から直感的に把握することができる。
上記コアベントにおいて、前記貫通孔とのはめあいがしばりばめとなるしばりばめ部と、前記貫通孔とのはめあいがすきまばめとなるすきまばめ部とを有し、前記しばりばめ部を前記天板側に設け、前記すきまばめ部を前記天板の反対側に位置する開口端側に設けても良い。
これによれば、すきまばめ部を貫通孔に嵌めれば、貫通孔とコアベントの中心軸を合わせた状態でコアベントを仮置きすることができる。したがって、貫通孔とコアベントの中心軸を手探りで合わせる場合と比較して、迅速かつ簡易にコアベントの打ち込み作業に移ることができる。
上記コアベントにおいて、前記蒸気口が複数のスリットで形成されても良い。
これによれば、天板を複数のすり割り用カッターに通すだけでスリットを得られるので、蒸気口が複数のキリ孔で形成されるコアベントと比較して、簡易に本開示のコアベントを製造することができる。
上記コアベントにおいて、前記加工予定層が1.0mm以上9.0mm以下で構成されていても良い。
これによれば、金型の厚さと、コアベントの強度との関係から、現実的な範囲として好適である。
上記課題を達成するために本開示による金型製造方法は、金型に投入された発泡樹脂材料を加熱する蒸気の出入口となる蒸気口を確保すべく当該金型に設けられた貫通孔に嵌入されるコアベントを用いた金型製造方法であって、前記コアベントは、前記発泡樹脂材料の発泡圧力に耐えるための耐圧層と、前記貫通孔の周囲における金型内壁の仕上げ面に合うように調整するための加工が予定された加工予定層と、を備えた天板を有するものであり、前記金型に対し複数の貫通孔を設ける穴あけ工程と、前記加工予定層の少なくとも一部を前記仕上げ面から露出させつつ、前記耐圧層を前記仕上げ面下に埋めた状態で前記コアベントを嵌め入れる嵌入工程と、前記加工予定層を前記仕上げ面に合わせて加工する加工工程と、を含む。
これによれば、コアベント側での調整が可能になった結果、貫通孔を設ける穴あけ工程において、金型の内壁面に抜き勾配が与えられていることや曲面が存在することなどを必要以上に気にしなくても良くなった。得られた貫通孔にコアベントを嵌入後、コアベントの天板を加工して調整すれば、コアベントに予め設けられた通気口をもって蒸気口とすることができるため、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。
上記金型製造方法において、前記コアベントは、前記貫通孔とのはめあいがしばりばめとなるしばりばめ部と、前記貫通孔とのはめあいがすきまばめとなるすきまばめ部とを有し、前記しばりばめ部を前記天板側に位置させ、前記すきまばめ部を前記天板の反対側に位置する開口端側に位置させたものであって、前記嵌入工程は、前記貫通孔に対し前記すきまばめ部を嵌め入れて、前記コアベントを前記貫通孔に仮置きする仮置工程と、前記耐圧層が前記仕上げ面下に埋まるまで前記コアベントを打ち込み、前記仕上げ面上に前記加工予定層の少なくとも一部を露出させる打込工程と、を含んでも良い。
これによれば、貫通孔に対しコアベントを両者の中心軸を合わせた状態で仮置きすることができるので、両者の中心軸を手探りで合わせる場合と比較して、迅速かつ簡易にコアベントの打ち込み作業に移ることができる。
上記金型製造方法において、前記金型内壁は、削り代を有しており、前記加工工程は、前記削り代を加工して前記仕上げ面を形成するとともに、当該仕上げ面に合わせて前記加工予定層も加工しても良い。
これによれば、金型の削り代の加工とコアベントの調整を同時に行うことができるので、コアベントの天板表面と金型の仕上げ面の面一の仕上がりをより滑らかに実現することができる。
本開示によれば、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができるコアベント、及び、当該コアベントを使用して金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる金型製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る発泡樹脂成型用コアベントの斜視図である。 図1におけるA-A断面図である。 第1の実施形態に係る発泡樹脂成型用コアベントを用いて金型に蒸気口を確保する場合を説明する図である。 図3において点線Aで囲われた領域の拡大図である。 加工予定層の厚みを固定した場合のコアベント直径と抜き勾配の関係を示す図である。 第2の実施形態に係る穴あけ加工工程前の準備段階を示す図である。 第2の実施形態に係る穴あけ加工工程及び嵌入工程を説明する図である。 図7において点線Aで囲われた領域の拡大図である。 図7において点線Bで囲われた領域の拡大図である。 第2の実施形態に係る加工工程を説明する図である。 第3の実施形態に係る穴あけ加工工程前の準備段階を示す図である。 第3の実施形態に係る穴あけ加工工程及び嵌入工程を説明する図である。 図12において点線Aで囲われた領域の拡大図である。 第3の実施形態に係る加工工程を説明する図である。 第4の実施形態に係る発泡樹脂成型用コアベントの斜視図である。 第5の実施形態に係る発泡樹脂成型用コアベントの斜視図である。 発泡樹脂材成型の概要を説明する図である。 図17において点線Aで囲われた領域の拡大図である。 従来の発泡樹脂成型用コアベントを用いて金型に蒸気口を確保する場合を説明する図である。
〈第1の実施形態〉
以下、本開示の一実施形態に係る発泡樹脂成型用コアベントについて説明する。
本実施形態に係るコアベントについて説明する前に、まず、図17及び図18を用いて本実施形態に係るコアベントを用いた金型発泡樹脂材成型の概要を説明する。
図17に示すように、発泡樹脂成型装置100は、金型90のキャビティ103内の発泡樹脂材料109(原料投入ガン107によって投入された発泡ビーズからなる)を、金型90に設けた貫通孔99に嵌入された複数のコアベント10を介して供給される高温の蒸気を用いて加熱膨張させて、発泡樹脂材を成型する装置である。なお、金型90は、コア型90aおよびキャビ型90bからなり、これらの内壁91に囲まれる空間がキャビティ103と呼ばれ、例えば、自動車用の樹脂部品など、完成品の外形に対応した形状に形成されている。
図18は、コア型90aの一部を拡大した拡大図であるが、図18に示すように、金型90には、各所に貫通孔99が設けられており、コアベント10は、それぞれの貫通孔99に一つずつ嵌入される。具体的には、各コアベント10は、その表面が金型90の内壁91と面一になるまで打ち込まれ、内壁91とともにキャビティ103を形成する。
このような発泡樹脂成型装置100において、キャビティ103に投入された発泡樹脂材料109に対し、貫通孔99より蒸気が送り込まれる。具体的には、蒸気は、コア側スチームアウト105bが閉じられた状態でコア側スチームイン105aより送り込まれ、図18の矢印に示すように、コア型90aにおけるコアベント10のスリット26を抜けてキャビティ103に入る。そして、キャビティ103に送り込まれた蒸気は、キャビ型90bのコアベント10のスリット26を抜けて、キャビ側スチームアウト106bから排出される。
次に、蒸気は、発泡ビーズどうしの表面を熱により溶かし融着結合を促進させるため、キャビ側スチームアウト106bが閉じられた状態でキャビ側スチームイン106aより送り込まれる。蒸気は、キャビ型90bにおけるコアベント10のスリット26を抜けてキャビティ103に入り、コア型90aのコアベント10のスリット26を抜けて、コア側スチームアウト105bから排出される。このような、キャビからコア・コアからキャビへの蒸気の流れを何度か繰り返し、発泡樹脂材を成型していく。本実施形態に係るコアベント10は、このような発泡樹脂成型装置100の金型90における複雑な形状を持つ部分に用いられる。
図1は、第1の実施形態に係るコアベント10の斜視図であり、図2は、図1におけるA-A断面図である。コアベント10は、概略、天板20、筒部17、すきまばめ部16、および、開口端部14からなる有底筒状のものであり、天板20にはスリット26が平行に形成されている。このような有底筒状のコアベント10を製造するには、長尺の丸棒を所定の長さ(例えば6mm)で切断し、切断して得られた円柱部材に対し、円柱の一端を残して袋穴をあける袋穴あけ加工を行う。これにより天板20となる部分が残る(例えば1.8mm)ので、天板20を複数のすり割り用カッターに通してスリット26を入れる。
天板20と筒部17の直径Pは、貫通孔99の寸法よりも大きくしめしろを有し、天板20と筒部17が、しまりばめ部に相当する。すきまばめ部16の直径Qは、貫通孔99の寸法よりも小さく、貫通孔99に対して脱着を行ったりスライドさせたりできる。筒部17とすきまばめ部16の間の段差により生じた面が、軸方向支持面15aである。すきまばめ部16の外周面が径方向支持面15bである。後述するが、これらの支持面は、コアベント10の中心軸を貫通孔99の中心軸に合わせた状態でコアベント10を支持するものである。また、コアベント10は、外周面にローレット加工等によって形成された滑り止め部13を有しており、金型90の貫通孔99への打ち込み嵌入後に抜け難くしている。なお、以下の図面では、スリット26、すきまばめ部16、滑り止め部13についてはその機能に着目する必要がある場合を除き、適宜省略する。
従来、コアベントの天板には、耐圧層のみが形成されていたところ、本実施形態に係るコアベント10の天板20には、従来の耐圧層24に加え加工予定層22が形成される。加工予定層22は、貫通孔99の周囲における金型内壁91に合わせるための加工が予定された層であり、その全部あるいは一部に対して切削、研削、研磨などの加工が可能な層として位置付けられる。一方、耐圧層24は、従来と同様、発泡樹脂材料109の発泡圧力に耐えるための層であり、加工予定層22に対する加工後もなお残す必要のある層である。
ここで発泡圧力について説明すると、上述したように、キャビティ103内では蒸気により発泡樹脂材料109が加熱膨張し、キャビティ103内に充満した発泡樹脂材料109により金型内壁91が押されることになるが、これが発泡圧力である。つまり、コアベント10の天板20にもこの発泡圧力がかかってくる。
天板20における境界線21は、耐圧層24と加工予定層22の境界を示すものである。コアベント10が、加工予定層22の厚さTを識別可能な識別情報を有していれば、目測あるいは実測により境界線21を把握することができる。例えば、コアベント10自体に数字の「1」が付されていれば、利用者は加工予定層22の厚さTが1mmであると認識することができる。また、コアベント10自体にそのような識別情報が付されていなくてもよい。例えば、コアベント10の包装に数字の「1」が付されていれば、包装を開けて取り出したコアベント10に対し、利用者は加工予定層22の厚さTが1mmであると認識することができる。
このようなコアベント10によれば、金型90の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。例えば金型90が、図19に示すような複雑な形状を持つ部分を有する場合を考える。つまり、金型90は、左側壁92と底94と右側壁96によって空間98aを形成している。この空間98aに十分な蒸気を供給すべく、左側壁92の貫通孔92c1や右側壁96の貫通孔96c1に対し、コアベント70やコアベント80を嵌入し、もって蒸気口とする場合である。
ここで、左側壁92及び右側壁96には抜き勾配が与えられているため、従来、内壁92aに対し垂直に穴あけ加工を行い、貫通孔92c1や貫通孔92d1を得ていた。コアベント70と内壁92aとを面一とするためである。
コアベント80についても同様に、内壁96aと面一にすべく、内壁96aに対し垂直に貫通孔96c1をあけなければならないが、このような金型90の形状の場合、ドリルを当てるには空間98aや空間98bが狭すぎる。そのため、先にあけた貫通孔92d1を利用する、つまり、貫通孔92d1を窓にしてドリル通路60を確保する。そして、ドリル通路60に沿って右側壁96にドリルを垂直に当て、貫通孔96d1を得ていた。
このように、貫通孔を窓にして他の側壁に対し手作業で垂直に貫通孔をあけるには技能を要するし、せっかく苦労して設けた貫通孔92d1であるが、その径は、窓にした貫通孔96c1の径より小さくならざるを得ない。よって、1つのコアベント80を嵌入し、複数の蒸気口を確保できたとしても作業効率が悪い。
しかし、コアベント10を用いれば、図3に示すように、当該コアベント10を嵌入する貫通孔を設ける場合に、左側壁92及び右側壁96に与えられた抜き勾配が一定範囲の角度であれば、これに影響されることなく水平にドリルを当て、「共あけ」することができる。後述するように、天板20の形状を後から調整できるからである。具体的には、水平なドリル通路62を確保し、ドリルを左側壁92に貫通させた後、そのまま右側壁96にも貫通させることで左側壁92の貫通孔92d2や右側壁96の貫通孔96d2をあける。
コアベント10は、同様の方法であけられた左側壁92の貫通孔92c2と右側壁96の貫通孔96c2に対し、それぞれ嵌入される。ただ、抜き勾配が与えられた側壁に対して水平に貫通孔を設けているので、当該貫通孔に嵌入されたコアベント10は、内壁と面一とはならない。具体的には、図4に示すように、例えば内壁92aに対して天板20の加工予定層22の一部が露出することになる。ここで、利用者は、コアベント10が有する識別情報によって把握した境界線21に基づいて耐圧層24が内壁92aに完全に埋まっていることを確認することができる。そのため、天板20を内壁92aに合わせる調整が、加工予定層22の範囲内で確実に実施できる。
つまり、露出した加工予定層22の一部を調整部12として除去加工(例えばやすりやグラインダー等による研磨)を行い、内壁92a(仕上げ面)と面一となるように調整する。これにより、内壁92aとコアベント10を面一とすることができる。また、調整部12を除去しても天板20にはなお耐圧層24が残っているため、発泡圧力に耐えることができる。
ところで、抜き勾配の角度によって調整部12の領域は変わってくる。コアベント10の直径を固定して考えた場合、抜き勾配が大きくなれば、調整部12が耐圧層24にまで及び、耐圧層24まで除去加工されてしまうので、天板20が発泡圧力に負けてしまうおそれがある。図5では、加工予定層22と耐圧層24にそれぞれどの程度の厚みを持たせた場合、どの程度の抜き勾配に対応できるかを示した。
図5に示すように、例えば天板20の厚みを3mmとし、加工予定層22を1.2mm、耐圧層24を1.8mmと固定して考えた場合を考える。直径6mmのコアベント10では、11°の抜き勾配まで対応できる。同様に、直径8mmのコアベント10では8°の抜き勾配まで、直径10mmのコアベント10では、6°の抜き勾配まで対応できる。なお、耐圧層24については、経験上、1.8mmあれば、コアベントの直径に関わらず3.5kg/cm2程度の発泡圧力に耐え得ることが知られている。
もちろん、これらの数値は目安として示したものであり、特に加工予定層22については必要に応じて厚みを増しても構わない。ただ、現実的な範囲として提示すると1mm以上9mm以下が好適である。例えば、一般的な金型の厚さを15mmとした場合、これを基準にして、コアベント10の全高も最大15mmと定めることができる。そして、現在一般的に製造販売されているコアベントは、全高6mmであるので、天板の表面側に厚みを足すとすれば天板を9mm延長することができる。よって、最大9mmとした。また、1mmより小さいと、現状多用している抜き勾配においては耐圧層24まで除去加工されるおそれがあり、調整に対応できない。よって、最低1mmとした。なお、コアベントの全高を6mmのままにして天板の裏面側に厚みを足すこともできる。ただし、天板にスリットを設ける場合、開口端部が必須(仮に開口端部がなければスリットごとに分割されてしまう)となるため、強度の関係上、裏面側には天板を1.2mm延長できることが分かっている。
以上のように、コアベント10によれば、加工予定層22の存在により、天板20の形状を後から調整できるようになったため、ドリルを当てる角度の調整が不要となり、金型90の内壁面に抜き勾配が与えられていることを必要以上に気にすることなく穴あけ加工をすることができる。つまり、金型90における右側壁96に対しては、従来、上述したような技能を要する穴あけ加工を施す必要があったところ、コアベント10により、左側壁92及び右側壁96に対して、例えば共あけしてもよくなった。金型90の内壁92aや内壁96aの仕上げ面に合わせて調整したコアベント10の天板20には、既に複数のスリット26が設けられているので、これらをもって蒸気口とすることができる。したがって、金型90の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。
〈第2の実施形態〉
続いて、本開示の第2の実施形態として、第1の実施形態に係るコアベントを用いた発泡樹脂成型金型製造方法について説明する。なお、実施形態1にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
上述した加工予定層22による効果(天板20の形状を後に調整可能)を利用すれば、さらに複雑な形状を持つ金型であっても、金型の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。例えば、図6に示すような金型30における複雑な形状を持つ部分で説明する。金型30は、空間44aと空間44bを形成している。空間44aは、第1側壁部32a、第1曲げ部34a、第1底部35a、第2曲げ部34b、第2側壁部36aによって形成される。空間44bは、第3側壁部36b、第3曲げ部34c、第2底部35b、第4曲げ部34d、第4側壁部32bによって形成され、キャビティとなる。なお、空間46は、第2側壁部36a、第3側壁部36b、ドーム部38によって形成される、金型30のキャビティ外の空間となる。空間44a、空間44b、空間46それぞれは狭く、ドリルを入れることはできない。
第1側壁部32a、第2側壁部36a、第3側壁部36b、第4側壁部32bの内壁には抜き勾配が与えられている。第1曲げ部34a、第2曲げ部34b、第3曲げ部34c、第4曲げ部34d及びドーム部38の内壁は、曲面である。
このような金型30に対し、まず、貫通孔を設けたい部分に大まかに当たりを付け、ドリル通路を決める。この際、一定の範囲であれば、金型30の内壁面の態様を考慮することなく決めて構わない。例えば、第1側壁部32aの内壁32a1と第2側壁部36aの内壁36a1に与えられたそれぞれの抜き勾配を考慮することなく、これらを共あけする3つのドリル通路40aを決めてもよい。第4側壁部32bと第3側壁部36bを共あけするためのドリル通路40bも同様に、内壁32b1と内壁36b1に与えられたそれぞれの抜き勾配を考慮することなく決めてよい。
また、第1曲げ部34aの内壁34a1と第2曲げ部34bの内壁34b1は曲面となっているのに対し、第1底部35aの内壁35a1は平面となっているが、これらを考慮することなく、第1曲げ部34a、第1底部35a、第2曲げ部34bに渡った3つのドリル通路42aを決めてよい。
第2底部35b、第3曲げ部34c、第4曲げ部34dに対するドリル通路42bも同様に、内壁35b1、内壁34c1、内壁34d1の態様に拘泥されることなく決めてよい。そして、ドーム部38の内壁38aも曲面となっているがこれを考慮することなく2つのドリル通路43aを決める。このように大まかに決めたドリル通路に基づいて穴あけ加工を行えばよいので、手加工であれば技能を必要とせずに簡単に複数の貫通孔48a~48tを設けることができる。
また、仮にそれぞれのドリル通路の位置関係が、機械的に反復できるような単純なものであれば、2軸の加工機を使用して簡易かつ低コストに穴あけ加工を実現できる。例えば、第1側壁部32aと第2側壁部36aを共あけするためのドリル通路40aは、水平であり、等間隔で平行とすることもできる。第4側壁部32bと第3側壁部36bを「共あけ」するためのドリル通路40bも同様である。
また、第1底部35a、第1曲げ部34a、第2曲げ部34bに対するドリル通路42aは、鉛直であり、等間隔で平行とすることもできる。第2底部35b、第3曲げ部34c、第4曲げ部34dに対するドリル通路42bも同様である。そして、ドーム部38に対するドリル通路43aは、鉛直であり、平行とすることもできる。
このような位置関係のドリル通路を決めたうえで機械加工により穴あけ加工を行えば、単純な幾何学的関係にある複数の貫通孔が得られる。具体的には、図7に示すように、貫通孔48a~46hは、鉛直方向で互いに平行な関係にある。また、貫通孔48iと貫通孔48l、貫通孔48jと貫通孔48m、貫通孔48kと貫通孔48nは、それぞれ同一直線上に存在するという関係にある。同様に、貫通孔48oと貫通孔48r、貫通孔48pと貫通孔48s、貫通孔48qと貫通孔48tも、それぞれ同一直線上に存在するという関係にある。さらに、貫通孔48iと貫通孔48lの組合せ、貫通孔48jと貫通孔48mの組合せ、貫通孔48kと貫通孔48nの組合せは、それぞれ水平方向で互いに平行な関係にある。同様に、貫通孔48oと貫通孔48rの組合せ、貫通孔48pと貫通孔48sの組合せ、貫通孔48qと貫通孔48tの組合せも、それぞれ水平方向で互いに平行な関係にある。
また、仮に、金型30が回転軸31を中心とした回転体である場合を考える。例えば第1側壁部32aと第2側壁部36aに対する共あけを1回目とし、その後、回転軸31を中心に、例えば30度ずつ金型30ずらして、同様に共あけを行っていく穴あけ加工を考える。そうすると、6回目に180度回転し、第4側壁部32bと第3側壁部36bに対する共あけになる。その場合、貫通孔48iと貫通孔48lの組合せと貫通孔48oと貫通孔48rの組合せは、放射状に並ぶ関係にあると言える。貫通孔48jと貫通孔48mの組合せと貫通孔48pと貫通孔48sの組合せ、貫通孔48kと貫通孔48nの組合せと貫通孔48qと貫通孔48tの組合せについても、同様に放射状に並ぶ関係にあると言える。
以上のように、金型30に対し複数の貫通孔48a~48tを設けることが本開示の穴あけ工程に相当する。
次に、図7及び図8に示すように、貫通孔48a~48dに対し、すきまばめ部16を開口端部14より嵌め入れる。なお、貫通孔48bは、金型30の水平な第1底部35aに対して垂直方向にあけられた孔であるため、コアベント10を金型30の内壁と面一になるまで打ち込める。つまり、天板20の形状を、例えば貫通孔48fに打ち込んだコアベント10のように、後から調整する必要はない。しかし、本実施形態に係るコアベント10は、このような貫通孔48bに対しても使用できる。
ところで、すきまばめ部16の直径Qについては、貫通孔48bの直径Rより小さくなっているので、コアベント10の天板20を打ち込むことなく嵌入し、コアベント10を貫通孔48bに仮置きできる。ただし、筒部17の直径Pについては、貫通孔48bの直径Rより大きくなっているので、それ以上の嵌入は防止される。具体的には、軸方向支持面15aが第2底部35bの内壁35b1と干渉し、コアベント10の軸方向の移動が規制されている。また、この状態において、径方向支持面15bと貫通孔48bの内壁48b1とは非常に近接しているため、コアベント10の径方向の移動も規制されている。したがって、コアベント10の中心軸18を貫通孔48bの中心軸49に合わせた状態でコアベント10を支持することができ、貫通孔48bとコアベント10の中心軸を手探りで合わせる場合と比較して、迅速かつ簡易にコアベント10の打ち込み作業に移ることができる。
以上のように、貫通孔に対し、すきまばめ部16を嵌め入れて、コアベント10を貫通孔に仮置きすることが、本開示の仮置工程に相当する。なお、貫通孔48e~貫通孔48tには、すでにコアベント10が嵌入された状態が示されているが、同様にすきまばめ部16を嵌入する工程を経ている。
次に、耐圧層24が金型30の内壁面下に埋まるまでコアベント10を打ち込み、金型30の内壁面上に加工予定層22の少なくとも一部を露出させる。具体的には、図7及び図9に示すように、例えば貫通孔48fに対し天板20をハンマー等で叩いてコアベント10を打ち込んでいく場合、天板20の表面が第3曲げ部34cの内壁34c1における終端部34c2に達するところで打ち込みを止めると、耐圧層24は、第2底部35bの内壁35b1面下に埋まる。そして、第3曲げ部34cの内壁34c1と第2底部35bの内壁35b1を滑らかにつなぐ曲面22bから天板20の表面までが、調整部22aとなる。以上が、本開示の打込工程に相当する。
なお、貫通孔48gは、貫通孔48bと同様、金型30の水平な第2底部35bに対して垂直方向にあけられた孔である。したがって、天板20の形状を後から調整する必要はないため、金型30の内壁と面一になるまでコアベント10を打ち込む。
次に、加工予定層22を金型30の内壁(内壁32a1、内壁32b1、内壁34a1、内壁34b1、内壁34c1、内壁34d1、内壁35a1、内壁35b1、内壁36a1、内壁36b1、内壁38a)に合わせて加工する。具体的には、図10に示すように、貫通孔48fに打ち込んだコアベント10に対し、仕上げ面としての内壁34c1と内壁35b1に合うように調整部22aを除去するほか、貫通孔48a、貫通孔48c、貫通孔48d、貫通孔48e、貫通孔48hに打ち込んだコアベント10各々に対しても同様に、調整部22aに相当する各々の調整部分を仕上げ面としての各内壁に合うように除去する。コアベント10の天板20にはスリット26が設けられているので、このスリット26をもって蒸気口とすることができる。以上が、本開示の加工工程に相当する。
以上に説明したように、コアベント10側での調整が可能になった結果、貫通孔48a~48tを設ける穴あけ工程において、金型30の内壁面に抜き勾配が与えられていることや金型30の内壁に曲面が存在することなどを必要以上に気にしなくても良くなった。したがって、得られた貫通孔48a~48tにコアベント10を嵌入後、コアベント10の天板20を加工して調整すれば、コアベント10に予め設けられたスリット26をもって蒸気口とすることができるため、金型30の内壁面に影響されることなく蒸気口を確保することができる。
〈第3の実施形態〉
続いて、本開示の第3の実施形態として、第2の実施形態に係る発泡樹脂成型金型製造方法の変形例について説明する。本実施形態に係る金型製造方法は、実施形態2と異なり、金型内壁に削り代を有する点が特徴である。なお、実施形態1及び実施形態2にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
図11に示すように、金型50は、削り代52を有し、削り代52を除去加工することで金型30の内壁に相当する仕上げ面54を得ることができる。その他の形状としては金型30と同一であるため同一符号を付して説明を省略する。
このような金型50に対し、実施形態2と同様、まず、貫通孔を設けたい部分に大まかに当たりを付け、ドリル通路を決める。決定したドリル通路についても金型30と同一であるため同一符号を付して説明を省略する。
ドリル通路が決まれば実際にドリルを当てて貫通孔をあける。図12に示すように、実施形態2と同様、複数の貫通孔48a~46tが得られるので、これら貫通孔48a~48dに対し、すきまばめ部16を嵌め入れる。
次に、耐圧層24が金型50の仕上げ面54下に埋まるまでコアベント10を打ち込み、金型50の仕上げ面54上に加工予定層22の少なくとも一部を露出させる。具体的には、図12及び図13に示すように、例えば貫通孔48fに対し天板20をハンマー等で叩いてコアベント10を打ち込んでいく場合、天板20の表面が第3曲げ部34cの仕上げ面34c3における終端部34c4に達するところで打ち込みを止めると、耐圧層24は、第2底部35bの仕上げ面35b3面下に埋まる。
そして、第3曲げ部34cの仕上げ面34c3と第2底部35bの仕上げ面35b3を滑らかにつなぐ曲面22bから天板20の表面までが、調整部22aとなる。また、貫通孔48gに対しては、金型50の削り代52表面と面一になるまでコアベント10を打ち込む。この場合、第2底部35bの仕上げ面35b3から天板20の表面まで(削り代52の厚み分)が、調整部22aとなる。
次に、削り代52を除去加工して仕上げ面54を形成するとともに、当該仕上げ面54に合わせて調整部22aも除去加工する。例えば、5軸のNC加工機を用いて、金型50の仕上げ面54に沿ってコアベント10の調整部22aも同時に除去加工していくことが考えられる。これにより、図14に示すように、金型50の仕上げ面54を得ると同時に、貫通孔48fや貫通孔48gに打ち込んだコアベント10に対し、調整部22aを除去されるほか、貫通孔48a、貫通孔48b、貫通孔48c、貫通孔48d、貫通孔48e、貫通孔48hに打ち込んだコアベント10各々に対しても同様に、調整部22aに相当する各々の調整部分が除去される。コアベント10の天板20にはスリット26が設けられているので、このスリット26をもって蒸気口とすることができる。以上が、本開示の加工工程に相当する。
以上に説明したように、金型50の削り代52の加工とコアベント10の調整を同時に行うことができるので、コアベント10の天板20表面と金型50の仕上げ面54の面一の仕上がりをより滑らかに実現することができる。
〈第4の実施形態〉
続いて、本開示の第4の実施形態として、第1の実施形態に係るコアベントの変形例を説明する。本実施形態に係るコアベントは、実施形態1と異なり、耐圧層と加工予定層の境界を見定めることが可能な指標を備える点が特徴である。なお、実施形態1にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
第1の実施形態における打込工程では、耐圧層24が金型30の内壁面下に埋まるまでコアベント10を打ち込むと説明した。しかし、実際には、コアベント10の外観からは、どこからどこまでが加工予定層22で、どこからどこまでが耐圧層24なのかは視認できない。そのため、コアベント10の打ち込みには非常に労力を有することになる。つまり、コアベント10を打ち込むごとに天板20における露出した部分の長さを測っては、その測定結果が加工予定層22の厚さ以下になったか否かを確認するという作業が繰り返し必要になってくる。
そこで、耐圧層24と加工予定層22の境界を見定めることが可能な指標をコアベント10の外周面に備えることとした。例えば、図15に示すように、コアベント10の外周面のうち、加工予定層22の範囲に色を塗ることでその指標とすることができる。つまり、塗料の切目28が加工予定層22と耐圧層24の境目であり、切目28は、コアベント10の外観から視認できるため、耐圧層24と加工予定層22の境界を見定めることが可能な指標として機能する。つまり、耐圧層24と加工予定層22の境界を、切目28により目視確認することができるため、天板20を仕上げ面に合わせる調整が、加工予定層22の範囲内でより確実に実施できる。
また、加工予定層22の厚さを判別するための色彩をコアベント10の外周面に備えることとした。色が塗られていることで、どれだけの厚さの加工予定層22を有するコアベント10であるかを外観から直感的に把握することができる。例えば、加工予定層22が1mmの場合はピンク色、2mmの場合は青色、3mmの場合は緑色、と色を使い分ければ、コアベント10の外観を一見するだけでどれだけの厚みの加工予定層22を有するコアベントかを判別することができる。
なお、境界を見定めることができればいかなる態様でも良く、例えば、加工予定層22ではなく耐圧層24の範囲に色を塗ってもよい。その場合も、塗料の切目が加工予定層22と耐圧層24の境目となる。また、色を塗るのではなく、コアベント10の外周面に直接罫書きを入れてもよい。具体的には、耐圧層24と加工予定層22の境界となる箇所に、全周囲に渡って罫書きを入れてもよいし、ドットを数点だけ入れてもよい。滑り止め部13の切れ目をその指標としてもよい。罫書きや滑り止め部13を指標とした場合、例えば天板20に色を塗ることで、どれだけの厚さの加工予定層22を有するコアベント10であるかを、外観から直感的に把握することができる。
〈第5の実施形態〉
続いて、本開示の第5の実施形態として、第4の実施形態に係るコアベントの更なる変形例を説明する。なお、実施形態4にてすでに説明した事項については適宜説明を省略する。
第3の実施形態における打込工程では、耐圧層24が金型50の仕上げ面54下に埋まるまでコアベント10を打ち込むと説明した。しかし、実際には、コアベント10の外観からは、どこからどこまでが加工予定層22で、どこからどこまでが耐圧層24なのかは視認できない。第4の実施形態に係る指標を外周面に備えたコアベント10を用いたとしても、耐圧層24と加工予定層22の境界が削り代52に埋まってしまった後は、指標を視認することができない。したがって、コアベント10を打ち込むごとに天板20における露出した部分の長さを測っては、その測定結果と、加工予定層22の厚さと、削り代の厚さを考慮して、耐圧層24が確実に埋まったことを確認する作業が繰り返し必要になってくる。
そこで、コアベント10の外周面に、耐圧層24と加工予定層22の境界からの距離を見定めることが可能な指標を備えることとした。例えば、図16に示すように、コアベント10の外周面のうち、加工予定層22の外周面部分に縞模様の色を塗ることでその指標とすることができる。つまり、最下位に位置する縞の切目28が加工予定層22と耐圧層24の境目である。そして、各縞の幅を例えば1mmにすれば縞模様自体が目盛りになる。つまり、切目28が削り代52に埋まっても、縞模様自体は依然として視認できるので、視認できる縞模様と、削り代52の厚みを考慮すれば耐圧層24が仕上げ面54下に確実に埋まったことを確認することができる。例えば、削り代52の厚みが1mmで、3本の縞のうち2本が視認できるなら、確実に耐圧層24が仕上げ面54下に確実に埋まったことがわかる。
以上、本開示を実施するための形態について、上述した各実施形態について説明した。しかしながら、当業者であれば、本開示の目的を逸脱することなく種々の代用、手直し、あるいは変更が可能であることは明らかである。すなわち、本開示を実施するための形態は、本明細書に添付した特許請求の範囲の精神および目的を逸脱しない全ての代用、手直し、あるいは変更を含みうるものである。例えば、本発明を実施するための形態として、以下のような各種の形態を採用することができる。
(1)上述した各実施形態では、コアベントの天板には複数のスリットが設けられるものとして説明した。しかしながら、コアベント側の調整の可否と蒸気口の態様とは無関係であり、複数のキリ孔が設けられたものであっても良い。ただし、上述したように、天板を複数のすり割り用カッターに通すだけでスリットを得られるので、複数のキリ孔で形成されるコアベントと比較して、簡易に本開示のコアベントを製造することができる。
(2)上述した各実施形態では、直径Pの筒部17と直径Qのすきまばめ部16の間の段差により生じた軸方向支持面15aや、すきまばめ部16の外周面である径方向支持面15bで、コアベント10の中心軸を貫通孔の中心軸に合わせた状態でコアベント10を貫通孔に仮置きできるものとして説明した。しかしながら、開口端部14に対し面取り加工によりテーパを付けても同様の効果を得ることができる。
10 コアベント
12 調整部
14 開口端部
15a 軸方向支持面
15b 径方向支持面
16 すきまばめ部
17 筒部(しばりばめ部)
18 中心軸
20 天板(しばりばめ部)
21 境界線
22 加工予定層
22a 調整部
22b 曲面
24 耐圧層
26 スリット
28 切目

Claims (9)

  1. 金型に投入された発泡樹脂材料を加熱する蒸気の出入口となる蒸気口を確保すべく当該金型に設けられた貫通孔に嵌入されるコアベントであって、
    直径が6mm~10mmであり、
    全高が15mm以下であり、
    前記発泡樹脂材料の発泡圧力に耐えるための1.8mm以上の厚さを有する耐圧層と、
    前記貫通孔の周囲における金型内壁の仕上げ面に合うように調整するための加工が予定された1.0mm以上9.0mm以下の厚さを有する加工予定層と、を備えた天板を有する、
    コアベント。
  2. 請求項1に記載のコアベントであって、
    前記加工予定層の厚さを識別可能な識別情報を有する、
    コアベント。
  3. 請求項2に記載のコアベントであって、
    前記識別情報として、前記耐圧層と前記加工予定層の境界を見定めることが可能な指標を外周面に有する、
    コアベント。
  4. 請求項3に記載のコアベントであって、
    前記加工予定層の厚さを判別するための色彩を前記外周面に有する、
    コアベント。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のコアベントであって、
    前記貫通孔とのはめあいがしばりばめとなるしばりばめ部と、前記貫通孔とのはめあいがすきまばめとなるすきまばめ部とを有し、
    前記しばりばめ部を前記天板側に設け、前記すきまばめ部を前記天板の反対側に位置する開口端側に設けた、
    コアベント。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のコアベントであって、
    前記蒸気口が複数のスリットで形成される、
    コアベント。
  7. 金型に投入された発泡樹脂材料を加熱する蒸気の出入口となる蒸気口を確保すべく当該金型に設けられた貫通孔に嵌入されるコアベントを用いた金型製造方法であって、
    前記コアベントは、
    直径が6mm~10mmであり、
    全高が15mm以下であり、
    前記発泡樹脂材料の発泡圧力に耐えるための1.8mm以上の厚さを有する耐圧層と、
    前記貫通孔の周囲における金型内壁の仕上げ面に合うように調整するための加工が予定された1.0mm以上9.0mm以下の厚さを有する加工予定層と、を備えた天板を有するものであり、
    前記金型に対し複数の貫通孔を設ける穴あけ工程と、
    前記加工予定層の少なくとも一部を前記仕上げ面から露出させつつ、前記耐圧層を前記仕上げ面下に埋めた状態で前記コアベントを嵌め入れる嵌入工程と、
    前記加工予定層を前記仕上げ面に合わせて加工する加工工程と、
    を含む、
    金型製造方法。
  8. 請求項に記載の金型製造方法であって、
    前記コアベントは、
    前記貫通孔とのはめあいがしばりばめとなるしばりばめ部と、前記貫通孔とのはめあいがすきまばめとなるすきまばめ部とを有し、
    前記しばりばめ部を前記天板側に位置させ、前記すきまばめ部を前記天板の反対側に位置する開口端側に位置させたものであって、
    前記嵌入工程は、
    前記貫通孔に対し前記すきまばめ部を嵌め入れて、前記コアベントを前記貫通孔に仮置きする仮置工程と、
    前記耐圧層が前記仕上げ面下に埋まるまで前記コアベントを打ち込み、前記仕上げ面上に前記加工予定層の少なくとも一部を露出させる打込工程と、
    を含む、
    金型製造方法。
  9. 請求項または請求項に記載の金型製造方法であって、
    前記金型内壁は、削り代を有しており、
    前記加工工程は、
    前記削り代を加工して前記仕上げ面を形成するとともに、当該仕上げ面に合わせて前記加工予定層も加工する、
    金型製造方法。
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