JP7053520B2 - 原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法 - Google Patents

原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法に関する。
沸騰水型の原子力発電プラントでは、原子炉内の核分裂によって生じる熱で発生した蒸気が主蒸気配管を介して蒸気タービンに直接的に供給される。原子炉からの蒸気の供給により蒸気タービンが回転することで、蒸気タービンに連結された発電機が駆動されて電気が発生する。この原子力発電プラントでは、原子炉内の圧力が変動すると、原子炉出力の安定性に影響を及ぼす。具体的には、原子炉圧力が上昇するとボイド率が低下するので、原子炉出力が増加して炉内圧力が更に上昇する傾向となる。一方、原子炉圧力が低下するとボイド率が上昇するので、原子炉出力が減少して炉内圧力が更に低下する傾向となる。したがって、原子炉内の圧力変動を抑制して原子炉出力を略一定に維持する必要がある。
原子力発電プラントの運転方法として、発電機の出力を略一定に維持して運転する基底負荷運転(通常運転)と、電力系統の周波数の変動に応じて発電機出力を変更する負荷追従運転とがある。発電機の出力を変更するには、蒸気タービンに導入する蒸気の流量(タービン蒸気流量)を調整してタービン出力を制御する必要がある。
タービン蒸気流量の調整方法の1つとして、原子炉の出力を略一定、すなわち、原子炉で発生する蒸気量を略一定に維持しつつ、主蒸気配管を流れる蒸気の一部を蒸気タービンに導入せずに主蒸気配管から分岐したバイパス配管を介して復水器に導くことでタービン蒸気流量を調整するものがある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載の原子力発電設備では、主蒸気配管に設けたタービン蒸気加減弁の開度を制御することでタービン蒸気流量を調整してタービン速度に応じたタービン出力に制御すると共に、その結果生じた余剰蒸気をバイパス配管に設けたタービンバイパス弁の開度を制御することで復水器に導いてタービン入口圧力、すなわち、原子炉内の圧力を略一定に制御している。
特開平6-230176号公報
特許文献1に記載のように、タービン蒸気加減弁及びタービンバイパス弁の両弁を同時に制御することで原子炉出力を一定に維持しつつ発電機出力の変更を行う方法では、両弁の開閉動作(弁の開度の増減量)を同調させる必要がある。両弁の開閉動作にずれが生じると、原子炉で発生した蒸気量に対してタービン蒸気流量とバイパス配管を介して復水器に排出する蒸気の流量(バイパス蒸気流量)との合計流量が一致しないことがある。この場合、原子炉内の圧力が変動するので、前述したように、原子炉出力が不安定になる虞がある。したがって、炉内圧力の変動を抑制するには、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量との合計流量が炉内の発生蒸気量と一致し続けるように両弁の開閉動作を同調させることが求められる。
しかし、タービン蒸気加減弁とタービンバイパス弁は互いに異なる機器特性(開閉動作の応答性や速度等)を有するので、両弁を用いてタービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の増減具合を完全に一致させることは非常に困難である。しかし、特許文献1に記載の技術では、上記したタービン蒸気加減弁及びタービンバイパス弁の機器特性の差異によって生じる原子炉出力の不安定性(炉内圧力の変動)に対する対策が何ら考慮されていない。したがって、特許文献1に記載のようにタービン蒸気加減弁及びタービンバイパス弁を同時に制御する方法では、負荷追従運転時の原子炉出力の安定性に懸念がある。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、発電機出力を負荷に追従させつつ原子炉出力の安定性を担保することができる原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法を提供することである。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、蒸気を発生させる原子炉と、前記原子炉で発生した蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンに連結された発電機と、前記原子炉と前記蒸気タービンとを接続する主蒸気配管と、前記主蒸気配管に設けられた蒸気加減弁と、前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも上流側から分岐して前記蒸気タービンを迂回するタービンバイパス配管と、前記タービンバイパス配管に設けられたバイパス弁と、前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも上流側から分岐した入口配管と前記入口配管から二股に分岐して前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも下流側の部分及び前記タービンバイパス配管における前記バイパス弁よりも下流側の部分にそれぞれ接続された第1出口配管及び第2出口配管とで構成された分流配管と、前記分流配管の分岐部に設けられた三方弁とを備え、前記三方弁は、前記入口配管から前記第1出口配管へ分流する蒸気流量と前記第2出口配管へ分流する蒸気流量の分配比率を調整するように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、三方弁によって第1出口配管へ分流する蒸気流量と第2出口配管へ分流する蒸気流量の分配比率を変更することで、蒸気タービンに導入される蒸気流量(タービン蒸気流量)と蒸気タービンを迂回して流れる蒸気流量(バイパス蒸気流量)との合計流量を原子炉内で発生する蒸気量と一致させつつ、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の流量比率を調整して発電機出力(蒸気タービンの出力)を変更することが可能である。したがって、発電機出力を負荷に追従させつつ原子炉圧力の安定性を担保する(原子炉内の圧力変動の発生を防止する)ことができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の概略構成を示す系統図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の一部を構成する三方弁の構造の一例を示す断面模式図である。 図2に示す三方弁をIII-III矢視から見た断面模式図である。 図3に示す三方弁の2つの出口のうち一方側の弁開口部が閉止された状態を示す説明図である。 図3に示す三方弁の2つの出口のうち他方側の弁開口部が閉止された状態を示す説明図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の一部を構成する電気油圧式制御装置の機能ブロック図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における通常運転時の蒸気流量の制御の一例を示す図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における図7に対応する蒸気の流れを示す説明図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における負荷追従運転時の蒸気流量の制御の一例を示す図である。 本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における図9に対応する蒸気の流れを示す説明図である。
以下、本発明の原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法の実施の形態について図面を用いて説明する。本発明を適用する原子力発電プラントの原子炉として、例えば、再循環ポンプを備え減速材としての冷却水を原子炉圧力容器外へ通流して再び原子炉圧力容器内のダウンカマへ流入させることで冷却水を循環させる沸騰水型原子炉(BWR)、及び、インターナルポンプを有する改良型沸騰水型原子炉(Advanced Boiling Water Reactor:ABWR)が可能である。以下では、一例として改良型沸騰水型原子炉(ABWR)の場合について説明する。
[一実施の形態]
まず、本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の概略構成を示す系統図である。なお、図1中、破線は電気油圧式制御装置の信号線を示している。
図1において、原子力発電プラント1は、蒸気を発生させる原子炉(原子炉圧力容器)2と、原子炉2で発生した蒸気により駆動する蒸気タービン3と、蒸気タービン3から排出された蒸気を凝縮させる復水器4と、復水器4で生じた水を原子炉2に供給する復水給水系統5とを備えている。蒸気タービン3には、発電機7が連結されている。
原子炉2の炉心2aでは、核燃料(図示せず)が装荷されている。原子炉2では、炉心2a内の核燃料の核分裂反応で生じた熱エネルギーにより、炉2内の加圧された冷却水の一部が沸騰して蒸気が発生する。この蒸気は、炉心2aの上方に配置された気水分離器(図示せず)にて冷却水から分離された後、気水分離器の上方に配置された蒸気乾燥器(図示せず)にてその中に含まれる湿分が除去される。
原子炉2と蒸気タービン3は、主蒸気配管11を介して接続されている。すなわち、主蒸気配管11は、一端側が原子炉2に接続されると共に他端側が蒸気タービン3に接続された管路であり、原子炉2で発生した蒸気を蒸気タービン3に導くものである。主蒸気配管11における蒸気タービン3の入口近傍には、蒸気加減弁12が設けられている。蒸気加減弁12は、主蒸気配管11を流れる蒸気の流量を調整可能な構成である。
主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも上流側の部分には、タービンバイパス配管13の一端側が接続されている。タービンバイパス配管13の他端側は、復水器4に接続されている。すなわち、タービンバイパス配管13は、主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも上流側の部分から分岐し、蒸気タービン3を迂回して復水器4に接続された管路であり、主蒸気配管11を流れる蒸気の一部を蒸気タービン3に導入せずに迂回させて復水器4に導くものである。タービンバイパス配管13には、バイパス弁14が設けられている。バイパス弁14は、タービンバイパス配管13を流れる蒸気の流量を調整可能な構成である。
本実施の形態に係る原子力発電プラント1は、更に、主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも上流側を流れる蒸気の一部を取り込み、取り込んだ蒸気を主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも下流側とタービンバイパス配管13におけるバイパス弁14よりも下流側とに蒸気加減弁12及びバイパス弁14を介さずに分流させる分流配管21を備えている。具体的には、分流配管21は、主蒸気配管11の蒸気加減弁12よりも上流側の部分から分岐した入口配管22と、入口配管22の下流端で二股に分岐して主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも下流側の部分及びタービンバイパス配管13におけるバイパス弁14よりも下流側の部分にそれぞれ接続された第1出口配管23及び第2出口配管24とで構成されている。
分流配管21の分岐部(入口配管22と第1出口配管23と第2出口配管24の交点部)には、三方弁30が設けられている。三方弁30は、入口配管22を流れる蒸気流量を変えることなく、入口配管22から第1出口配管23へ分流する蒸気流量と第2出口配管24へ分流する蒸気流量の分配比率を調整することが可能な分流比率調整弁として機能するものである。三方弁30は、入口配管22が接続される流入ポート31と、第1出口配管23が接続される第1流出ポート32と、第2出口配管24が接続される第2流出ポート33とを備えている。
ここで、三方弁の構造を図2~図5を用いて説明する。図2は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の一部を構成する三方弁の構造の一例を示す断面模式図である。図3は図2に示す三方弁をIII-III矢視から見た断面模式図である。図4は図3に示す三方弁の2つの出口のうち一方側の弁開口部が閉止された状態を示す説明図である。図5は図3に示す三方弁の2つの出口のうち他方側の弁開口部が閉止された状態を示す説明図である。図2~図5中、白抜き矢印は蒸気の流れ方向を示している。
図2及び図3において、三方弁30は、第1流出ポート32側に開口する第1の弁開口部36a及び第2流出ポート33側に開口する第2の弁開口部36bが設けられた円柱状空洞を形成する円筒面から成る弁座36を有する弁本体35と、弁本体35の円柱状空洞内に回動自在に収容された半円筒形状の弁体37とを備えている。三方弁30は、弁体37がその中心軸Aを回転軸として弁本体35内で回動することで、第1の弁開口部36aと第2の弁開口部36bの開口面積の比率が調節される構成である。三方弁30は、第1の弁開口部36aを全開状態(図4を参照)から全閉状態(図5を参照)へ切り換えると、それに伴い第2の弁開口部36bが全閉状態(図4を参照)から全開状態(図5を参照)へ切り換わるように構成されている。三方弁30は、弁体37が回動して第1の弁開口部36aと第2の弁開口部36bの開口比率が変化しても、それらの開口面積の合計が略一定であるように構成されている。すなわち、三方弁30は、入口配管22から第1出口配管23へ分流する蒸気流量と第2出口配管24へ分流する蒸気流量の分配比率を弁全体の開口面積を絞ることなく調整することが可能となっている。したがって、三方弁30による第1出口配管23と第2出口配管24への分流比率を変更する際に、三方弁30に流入する蒸気流量(入口配管22を流れる蒸気流量)が変動することはない。
図1に戻り、蒸気タービン3のシャフト部には、速度検出器41が設けられている。速度検出器41は、蒸気タービン3の回転速度(タービン速度)を検出するものである。速度検出器41は、電気油圧式制御装置50に電気的に接続されており、検出したタービン速度に応じた速度検出信号(速度検出値)Svを電気油圧式制御装置50へ出力する。
主蒸気配管11におけるタービンバイパス配管13及び分流配管21との接続部よりも上流側には、圧力検出器42が設けられている。圧力検出器42は、蒸気加減弁12、バイパス弁14、及び三方弁30よりも上流側を流れる蒸気の圧力を検出するものである。当該圧力は、原子炉2内の圧力に相関するものである。圧力検出器42は、電気油圧式制御装置50に電気的に接続されており、検出した圧力に応じた圧力検出信号(圧力検出値)Spを電気油圧式制御装置50へ出力する。
主蒸気配管11における分流配管21の第1出口配管23との接続部よりも下流側には、第1流量検出器43が設けられている。第1流量検出器43は、蒸気タービン3に導入される蒸気の流量(以下、タービン蒸気流量という)を検出するものである。すなわち、第1流量検出器43は、蒸気加減弁12を通過して分流配管21を経由せずに主蒸気配管11を流れる蒸気と蒸気加減弁12を通過せず分流配管21を経由して主蒸気配管11に合流する蒸気の合計流量を検出する。第1流量検出器43は、電気油圧式制御装置50に電気的に接続されており、検出したタービン蒸気流量に応じた第1流量検出信号(流量検出値)Sf1を電気油圧式制御装置50へ出力する。
タービンバイパス配管13における分流配管21の第2出口配管24との接続部よりも下流側には、第2流量検出器44が設けられている。第2流量検出器44は、復水器4に導入される蒸気の流量(以下、タービンバイパス流量という)を検出するものである。すなわち、第2流量検出器44は、バイパス弁14を通過して分流配管21を経由せずにタービンバイパス配管13を流れる蒸気とバイパス弁14を通過せずに分流配管21を経由してタービンバイパス配管13に合流する蒸気の合計流量を検出する。第2流量検出器44は、電気油圧式制御装置50に電気的に接続されており、検出したタービンバイパス流量に応じた第2流量検出信号(流量検出値)Sf2を電気油圧式制御装置50へ出力する。
電気油圧式制御装置(EHC)50は、プラント1の運転モードの種類に応じて蒸気加減弁12及びバイパス弁14の開度をそれぞれ制御すると共に、三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の開口比率を制御するものである。プラント1の運転モードの種類として、発電機7の出力を略一定で、原子炉2内の圧力を一定に維持することを優先する通常運転(基底負荷運転)や発電機7の出力を負荷(電力需要)の変動に応じて追従させる負荷追従運転等がある。本実施の形態における負荷追従運転は、原子炉2の出力を略一定に維持しつつ、タービン蒸気流量を調整することで蒸気タービン3の出力を変更して発電機7の出力調整を行うものである。
次に、本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の一部を構成する電気油圧式制御装置の機能について図6を用いて説明する。図6は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態の一部を構成する電気油圧式制御装置の機能ブロック図である。
本実施の形態の電気油圧式制御装置50は、その機能として、入力部51と、記憶部52と、圧力制御部53と、タービン速度制御部54と、出力部55とを備えている。
入力部51は、各種の検出器からの検出信号を取り込むものである。具体的には、入力部51には、速度検出器41の速度検出信号Sv、圧力検出器42の圧力検出信号Sp、第1流量検出器43の第1流量検出信号Sf1、第2流量検出器44の第2流量検出信号Sf2がそれぞれ入力される。また、入力部51には、プラント1の運転員により選択された通常運転や負荷追従運転等の運転モードMが入力される。
記憶部52は、各種の制御ロジックや圧力制御部53及びタービン速度制御部54の演算に用いる各種の設定値を予め記憶するものである。具体的には、記憶部52には、圧力制御部53による演算の際に用いる圧力設定値Psが予め記憶されている。圧力設定値Psは、通常運転や負荷追従運転時に維持すべき原子炉2内の圧力に対応するものである。また、タービン速度制御部54による演算の際に用いる速度設定値Vsが予め記憶されている。速度設定値Vsは、予め定められている系統周波数に応じたタービン速度に対応するものである。
圧力制御部53は、運転モードの種類に応じて蒸気加減弁12及びバイパス弁14の開度を調整することで、原子炉2内の圧力を一定に保つように制御するものである。具体的には、運転モードMとして通常運転が入力された場合、圧力制御部53は、バイパス弁14の開度を予め定められた開度に固定するバイパス弁開度指令Cbを生成する。また、圧力制御部53は、圧力検出器42の圧力検出信号Spと記憶部52に予め記憶されている圧力設定値Psとの偏差に基づき蒸気加減弁12の開度を演算し、演算結果に応じた加減弁開度指令Ccを生成する。一方、運転モードMとして負荷追従運転が入力された場合、圧力制御部53は、蒸気加減弁12の開度を予め定められた開度に固定する加減弁開度指令Ccを生成する。また、圧力制御部53は、圧力検出器42の圧力検出信号Spと圧力設定値Psの偏差に基づきバイパス弁14の開度を演算し、演算結果に応じたバイパス弁開度指令Cbを生成する。
タービン速度制御部54は、運転モードの種類に応じて三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の2つの出口の開口比率を調整することで、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の分配比率を調整してタービン速度に応じたタービン出力に制御するものである。具体的には、運転モードMとして通常運転が入力された場合、タービン速度制御部54は、三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の開口比率を予め定められた開口比率に固定する開口比率指令Ctを生成する。一方、運転モードMとして負荷追従運転が入力された場合、タービン速度制御部54は、速度検出器41の速度検出信号Svと記憶部52に予め記憶されている速度設定値Vsとの偏差に基づき予め定められている周波数対タービン出力の関係式から目標タービン出力を演算し、演算結果の目標タービン出力に応じた目標タービン蒸気流量を演算し、演算結果の目標タービン蒸気流量と第1流量検出器43の第1流量検出信号Sf1との偏差に基づき三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の開口比率を演算し、演算結果に応じた開口比率指令Ctを生成する。
出力部55は、圧力制御部53が生成した加減弁開度指令Cc及びバイパス弁開度指令Cbをそれぞれ蒸気加減弁12及びバイパス弁14へ出力する。また、タービン速度制御部54が生成した開口比率指令Ctを三方弁30へ出力する。
次に、本発明の原子力発電プラントの制御方法の一実施の形態を説明する。まず、通常運転時の制御方法を図1、図7、図8を用いて説明する。図7は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における通常運転時の蒸気流量の制御の一例を示す図である。図8は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における図7に対応する蒸気の流れを示す説明図である。図8中、太矢印は蒸気の流れを示す。
図1に示す電気油圧式制御装置50は、運転モードMとして通常運転が入力されると、バイパス弁14を予め定められた開度に固定するように制御すると共に、三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の開口比率を予め定められた開口比率に固定するように三方弁30を制御する。これにより、バイパス弁14を通過して蒸気タービン3を迂回して復水器4に排出される蒸気流量(バイパス蒸気流量)が一定となる。また、分流配管21を介して主蒸気配管11に合流して蒸気タービン3に導入される蒸気流量及び分流配管21を介してバイパス配管13に合流して蒸気タービン3を迂回する蒸気流量が一定となる。
さらに、圧力検出器42の圧力検出信号(圧力検出値)Spと圧力設定値Ps(図6参照)との圧力偏差に基づき蒸気加減弁12の開度を調整することで、蒸気加減弁12を通過して蒸気タービン3に導入される蒸気流量を変動させて原子炉2内の圧力が一定になるように制御する。すなわち、電気油圧式制御装置50は、バイパス弁14及び三方弁30を調整することなく、蒸気加減弁12のみを用いて原子炉2内の圧力を一定に維持する圧力制御を行う。
例えば、圧力検出器42の圧力検出信号Spが上昇する方向に変動した場合、蒸気加減弁12の開度を大きくする方向に調整する。これにより、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量が増加する。一方、バイパス弁14の開度が固定されていると共に、三方弁30の開口比率が固定されているので、バイパス弁14を通過する蒸気流量及び三方弁30の下流の第1出口配管23と第2出口配管24とに分流する蒸気流量は一定のままである。したがって、蒸気加減弁の開口面積が増加するので、原子炉2内の圧力を圧力設定値Psに応じた値に低下させることができる。
逆に、圧力検出信号Spが低下する方向に変動した場合、蒸気加減弁12の開度を小さくする方向に調整する。これにより、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量が減少する。一方、バイパス弁14を通過する蒸気流量及び三方弁30の下流の第1出口配管23と第2出口配管24とに分流する蒸気流量は一定のままである。したがって、蒸気加減弁の開口面積が減少するので、原子炉2内の圧力を圧力設定値Psに応じた値に上昇させることができる。
3つの弁の制御方法の具体例としては、例えば図7及び図8に示すように、電気油圧式制御装置50がバイパス弁14を全閉状態に固定するように制御することで、バイパス弁14を通過する蒸気流量を0に固定する。また、三方弁30の第1出口配管23側の開口(第1の弁開口部36a)を全開かつ第2出口配管23側の開口(第2の弁開口部36b)を全閉に固定するように三方弁30の開口比率を制御することで(図4を参照)、三方弁30の下流の第1出口配管23に分流する蒸気流量を定格のタービン蒸気流量の25%に固定すると共に、第2出口配管24に分流する蒸気流量を0に固定する。また、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量が定格のタービン蒸気流量の75%になるように蒸気加減弁12の開度を設定しつつ、その開度を圧力一定となるように微調整する。
この具体例では、バイパス弁14を通過する蒸気と三方弁30から第2出口配管24を介してタービンバイパス配管13に合流する蒸気の合計流量(すなわち、バイパス蒸気流量)を0に固定することで、熱損失を抑制している。また、蒸気加減弁12を通過する蒸気と三方弁30から第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流する蒸気の合計流量(すなわち、タービン蒸気流量)が定格の100%である。ただし、蒸気加減弁12の開度を圧力偏差に応じて微調整するので、その分、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量(タービン蒸気流量)が変動する。
このように、本実施の形態の制御方法では、バイパス弁14の開度を固定すると共に三方弁30の流出側の2つの開口部の開口比率を固定する一方、蒸気加減弁12の開度を圧力検出信号Spに応じて微調整することで、原子炉2内の圧力を一定に維持することができる。
次いで、負荷追従運転時の制御方法を図1、図9、図10を用いて説明する。図9は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における負荷追従運転時の蒸気流量の制御の一例を示す図である。図10は本発明の原子力発電プラントの一実施の形態における図9に対応する蒸気の流れを示す説明図である。図10中、太矢印は蒸気の流れを示す。
図1に示す電気油圧式制御装置50は、運転モードMとして負荷追従運転が入力されると、蒸気加減弁12の開度を予め定められた開度に固定するように制御する。また、速度検出器41の速度検出信号(速度検出値)Svと速度設定値Vsとの速度偏差を基に演算された目標タービン蒸気流量と第1流量検出器43の第1流量検出信号(流量検出値)Sf1との偏差に基づいて、三方弁30の第1出口配管23側と第2出口配管24側の開口比率を調整し、予め定められている周波数対タービン出力の関係式から演算した目標タービン出力になるように制御する。すなわち、三方弁30を介して主蒸気配管11とタービンバイパス配管13とに分流する蒸気流量の分配比率を調整することで、分流配管21を介して主蒸気配管11に合流して蒸気タービン3に導入される蒸気流量(タービン蒸気流量)を変動させて蒸気タービン3の出力を予め定められている周波数対タービン出力の関係式から演算した目標出力に維持する。さらに、圧力検出器42の圧力検出信号Spと圧力設定値Psとの圧力偏差に基づきバイパス弁14の開度を調整することで、バイパス弁14を通過して蒸気タービン3を迂回して復水器4に排出する蒸気流量を変動させて原子炉2内の圧力を一定になるように制御する。このように、電気油圧式制御装置50は、三方弁30を用いてタービン速度に応じてタービン出力を制御する速度制御を行うと共に、バイパス弁14を用いて原子炉2内の圧力を一定に維持する圧力制御を行う。
例えば、速度検出器41の速度検出信号Svが速度設定値Vsよりも上昇する方向に変動した場合、すなわち、負荷が低下する方向に変動した場合を考える。この場合、三方弁30の第1出口配管23側の開口比率が小さくなり第2出口配管24側の開口比率が大きくなる方向に三方弁30の開口比率を調整する。当該開口比率の調整によって、第1出口配管23側へ分流する蒸気流量が減少する一方、第2出口配管24側へ分流する蒸気流量が増加する。三方弁30は2つの出口の開口比率を変更しても出口側の合計開口面積が略一定の構成なので、三方弁30の開口比率の調整によって三方弁30に流入する蒸気流量(分流配管21の入口配管22を流れる蒸気流量)が変動することはない。また、蒸気加減弁12の開度が固定されているので、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量は一定である。したがって、蒸気加減弁12を通過する蒸気と三方弁30から第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流する蒸気の合計流量、すなわち、タービン蒸気流量が減少する方向となる。これにより、蒸気タービン3の出力が低下して負荷に追従することができ、タービン出力を予め定められている周波数対タービン出力の関係式から演算した目標出力に低下させることができる。つまり、三方弁30から第1出口配管23を介して蒸気タービン3へ導入していた蒸気の一部(余剰蒸気)を、三方弁30から第2出口配管24を介して復水器4へ排出するように制御することで、蒸気タービン3の出力(発電機出力)を負荷に追従させている。
逆に、速度検出信号Svが速度設定値Vsよりも低下する方向に変動した場合、すなわち、負荷が上昇する方向に変動した場合を考える。この場合、三方弁30の第1出口配管23側の開口比率が大きくなり第2出口配管24側の開口比率が小さくなる方向に三方弁30の開口比率を調整する。これにより、三方弁30に流入する蒸気流量が変動せずに、第1出口配管23側へ分流する蒸気流量が増加する一方、第2出口配管24側へ分流する蒸気流量が減少する。蒸気加減弁12を通過する蒸気流量は一定なので、蒸気加減弁12を通過する蒸気と三方弁30から第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流して蒸気タービン3に導入されるタービン蒸気流量が増加する方向となる。これにより、蒸気タービン3の出力が上昇して負荷に追従することができ、タービン出力を予め定められている周波数対タービン出力の関係式から演算した目標出力に上昇させることができる。すなわち、三方弁30から第2出口配管24を介して復水器4へ排出されていた蒸気(余剰蒸気)の一部を、第1出口配管23を介して蒸気タービン3に導入するように制御することで、蒸気タービン3の出力を負荷に追従させている。
本実施の形態の制御方法は、三方弁30に流入する蒸気流量を変動させることなく第1出口配管23側へ分流する蒸気流量と第2出口配管24側へ分流する蒸気流量の分配比率を三方弁30により変更することで、発電機出力を負荷変動に追従させるので、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量と三方弁30から第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流する蒸気流量との合計流量(タービン蒸気流量)と、バイパス弁14を通過する蒸気流量と三方弁30から第2出口配管24を介してタービンバイパス配管13に合流する蒸気流量との合計流量(バイパス蒸気流量)との合計流量を原子炉2内で発生する蒸気量と一致させることができる。すなわち、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の合計流量を原子炉2内で発生する蒸気量と一致させた状態で、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の流量比率を変更することができる。したがって、原子炉2内の圧力変動を生じさせずに、蒸気タービン3の出力を変更することができる。
また、本実施の形態における負荷追従運転時の圧力制御は、通常運転時とは異なり、バイパス弁14のみを用いて行う。例えば、圧力検出器42の圧力検出信号Spが上昇する方向に変動した場合、バイパス弁14の開度を大きくする方向に調整する。これにより、バイパス弁14を通過する蒸気流量が増加する。一方、蒸気加減弁12の開度が固定されているので、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量は一定である。また、上述したように、三方弁30の開口比率を速度偏差に基づき調整するが、三方弁30に流入する蒸気流量は一定のままである。したがって、原子炉2から流出する蒸気流量が一時的に増加するので、原子炉2内の圧力を圧力設定値Psに応じた値に低下させることができる。
逆に、圧力検出信号Spが低下する方向に変動した場合、バイパス弁14の開度を小さくする方向に調整する。これにより、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量が減少する。一方、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量及び三方弁30に流入する蒸気流量は一定である。したがって、原子炉2から流出する蒸気流量が一時的に減少するので、原子炉2内の圧力を圧力設定値Psに応じた値に上昇させることができる。
3つの弁の制御方法の具体例として、蒸気タービン3の出力(タービン蒸気流量)を定格の90%から100%の間で調整することで負荷に追従させる負荷追従運転を行う場合を想定する。この場合、例えば図9及び図10に示すように、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量が定格のタービン蒸気流量の90%になるように蒸気加減弁12の開度を固定する。また、蒸気加減弁12を通過する蒸気流量(定格の90%)と三方弁30を通過して第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流する蒸気流量との合計流量が速度偏差に基づいて演算された目標タービン蒸気流量になるように、三方弁30の第1出口配管23側へ分流する蒸気流量と第2出口配管24側へ分流する蒸気流量をそれぞれ定格の0%~10%及び10%~0%の間で調整する。すなわち、三方弁30に流入する蒸気流量(分流配管21の入口配管22を流れる蒸気流量)を定格の10%とし、合計流量が定格の10%となる範囲内で第1出口配管23側と第2出口配管24側とに分流する蒸気流量の分配比率を速度偏差の大きさに応じて調整する。例えば、第1出口配管23側が定格の7%の流量の場合、第2出口配管24側は定格の3%の流量となる。また、バイパス弁14の開度を略全閉状態に設定しつつ、その開度を原子炉2内の圧力が一定になるように微調整する。
この具体例では、蒸気加減弁12を通過する蒸気と三方弁30から第1出口配管23を介して主蒸気配管11に合流する蒸気の合計流量(すなわち、タービン蒸気流量)を速度偏差に応じて90%~100%の間で調整することで、蒸気タービン3の出力を負荷に追従させている。また、三方弁30から第2出口配管24を介してタービンバイパス配管13に流入する蒸気流量を速度偏差に応じて0%~10%の間で調整することで、負荷追従の際に生じる余剰蒸気を復水器へ排出している。また、バイパス弁14を通過する蒸気流量を略0にすることで、熱損失を抑制している。
このように、本実施の形態の制御方法では、蒸気タービン3の出力を負荷に追従させてタービン速度に応じてタービン出力を制御する速度制御を三方弁30の2つの出口の分配比率を調整することのみで行うと同時に、原子炉2内の圧力を一定に維持する圧力制御をバイパス弁14の開度を調整することのみで行っている。
上述した本発明の原子力発電プラント及び原子力発電プラントの制御方法の一実施の形態によれば、三方弁30によって第1出口配管23へ分流する蒸気流量と第2出口配管24へ分流する蒸気流量の分配比率を変更することで、蒸気タービン3に導入される蒸気流量(タービン蒸気流量)と蒸気タービン3を迂回して流れる蒸気流量(バイパス蒸気流量)との合計流量を原子炉2内で発生する蒸気量と一致させつつ、タービン蒸気流量とバイパス蒸気流量の流量比率を調整して発電機7の出力(蒸気タービン3の出力)を変更することが可能である。したがって、発電機出力を負荷に追従させつつ原子炉圧力の安定性を担保する(原子炉2内の圧力変動の発生を防止する)ことができる。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上述した一実施の形態に限られるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明をわかり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
例えば、上述した一実施の形態においては、タービンバイパス配管13の下流側が復水器4に接続された構成の例を示した。しかし、タービンバイパス配管13は、主蒸気配管11における蒸気加減弁12よりも上流側の部分から分岐して蒸気タービン3を迂回する構成であればよい。例えば、タービンバイパス配管13の下流側が復水給水系統5に接続される構成も可能である。
また、上述した一実施の形態においては、主蒸気配管11から分岐するタービンバイパス配管13及び分流配管21が同一箇所から分岐した構成の例を示した。しかし、タービンバイパス配管13及び分流配管21は、蒸気加減弁12よりも上流側で分岐すればよく、互いが異なる位置から分岐する構成も可能である。
また、上述した一実施の形態においては、主蒸気配管11に圧力検出器42を設けた構成の例を示したが、原子炉2内の圧力を直接検出可能な部分に圧力検出器を設けることも可能である。
1…原子力発電プラント、 2…原子炉、 3…蒸気タービン、 4…復水器 5…復水給水系統 7…発電機、 11…主蒸気配管、 12…蒸気加減弁、 13…タービンバイパス配管、 14…バイパス弁、 21…分流配管、 22…入口配管、 23…第1出口配管、 24…第2出口配管、 30…三方弁、 31…三方弁入力ポート、 32…三方弁第1流出ポート、 33…三方弁第2流出ポート、 35…三方弁弁本体、 36…三方弁弁座、 37…三方弁弁体、 41…速度検出器、 42…圧力検出器、 43…第1流量検出器、 44…第2流量検出器、 50…制御装置(電気油圧式制御装置)、 51…電気油圧式制御装置入力部、 52…電気油圧式制御装置記憶部、 53…電気油圧式制御装置圧力制御部、 54…電気油圧式制御装置タービン速度制御部、 55…電気油圧式制御装置出力部

Claims (5)

  1. 蒸気を発生させる原子炉と、
    前記原子炉で発生した蒸気により駆動する蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンに連結された発電機と、
    前記原子炉と前記蒸気タービンとを接続する主蒸気配管と、
    前記主蒸気配管に設けられた蒸気加減弁と、
    前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも上流側から分岐して前記蒸気タービンを迂回するタービンバイパス配管と、
    前記タービンバイパス配管に設けられたバイパス弁と、
    前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも上流側から分岐した入口配管と前記入口配管から二股に分岐して前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも下流側の部分及び前記タービンバイパス配管における前記バイパス弁よりも下流側の部分にそれぞれ接続された第1出口配管及び第2出口配管とで構成された分流配管と、
    前記分流配管の分岐部に設けられた三方弁とを備え、
    前記三方弁は、前記入口配管から前記第1出口配管へ分流する蒸気流量と前記第2出口配管へ分流する蒸気流量の分配比率を調整するように構成されている
    ことを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 請求項1に記載の原子力発電プラントにおいて、
    前記蒸気タービンの回転速度を検出する速度検出器と、
    前記原子炉内の圧力に対応する圧力を検出する圧力検出器と、
    前記蒸気加減弁及び前記バイパス弁の開度を制御すると共に、前記三方弁における前記第1出口配管側と前記第2出口配管側の開口比率を制御する制御装置とを更に備え、
    前記制御装置は、運転モードが前記発電機の出力を負荷変動に応じて追従させる負荷追従運転の場合、
    前記蒸気加減弁の開度を予め設定された開度に固定し、
    前記三方弁における前記第1出口配管側と前記第2出口配管側の開口比率を、前記速度検出器が検出した速度検出値と予め設定された速度設定値との偏差に基づき調整し、
    前記圧力検出器が検出した圧力検出値と予め設定された圧力設定値との偏差に基づき前記バイパス弁の開度を調整する
    ことを特徴とする原子力発電プラント。
  3. 請求項2に記載の原子力発電プラントにおいて、
    前記制御装置は、運転モードが前記原子炉内の圧力を一定に維持することを優先する通常運転の場合、
    前記バイパス弁の開度を予め設定された開度に固定し、
    前記三方弁における前記第1出口配管側と前記第2出口配管側の開口比率を予め設定された開口比率に固定し、
    前記圧力検出器が検出した圧力検出値と予め設定された圧力設定値との偏差に基づき前記蒸気加減弁の開度を調整する
    ことを特徴とする原子力発電プラント。
  4. 原子炉で発生した蒸気を蒸気タービンに導く主蒸気配管に設けられた蒸気加減弁と、
    前記主蒸気配管における前記蒸気加減弁よりも上流側から分岐して前記蒸気タービンを迂回するタービンバイパス配管に設けられたバイパス弁と、
    前記主蒸気配管の前記蒸気加減弁よりも上流側を流れる蒸気の一部を前記蒸気加減弁及び前記バイパス弁を介さずに前記主蒸気配管の前記蒸気加減弁よりも下流側と前記タービンバイパス配管の前記バイパス弁よりも下流側とに分流させる分流配管の分岐部に設けられた三方弁とを備える原子力発電プラントの制御方法であって、
    運転モードが発電機出力を負荷変動に応じて追従させる負荷追従運転である場合、
    前記蒸気加減弁の開度を予め設定された開度に固定することで、前記蒸気加減弁を通過して前記蒸気タービンに導入される蒸気流量を一定とし、
    前記三方弁を介して前記主蒸気配管と前記タービンバイパス配管とに分流する蒸気流量の分配比率を調整することで、前記分流配管を介して前記主蒸気配管に合流して前記蒸気タービンに導入される蒸気流量を変動させて前記蒸気タービンの回転速度に応じたタービン出力に制御し、
    前記バイパス弁の開度を調整することで、前記バイパス弁を通過して前記蒸気タービンを迂回する蒸気流量を変動させて前記原子炉内の圧力を一定に維持する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの制御方法。
  5. 請求項4に記載の原子力発電プラントの制御方法において、
    運転モードが前記原子炉内の圧力を一定に維持することを優先する通常運転の場合、
    前記バイパス弁の開度を予め設定された開度に固定することで、前記バイパス弁を通過して前記蒸気タービンを迂回する蒸気流量を一定とし、
    前記三方弁を介して前記主蒸気配管と前記タービンバイパス配管とに分流する蒸気流量の分配比率を固定することで、前記分流配管を介して前記主蒸気配管に合流して前記蒸気タービンに導入される蒸気流量及び前記タービンバイパス配管に合流して前記蒸気タービンを迂回する蒸気流量を一定とし、
    前記蒸気加減弁の開度を調整することで、前記蒸気加減弁を通過して前記蒸気タービンに導入される蒸気流量を変動させて前記原子炉内の圧力を一定に維持する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの制御方法。
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