以下、図面を参照して、本発明の実施形態を、[実施形態1]から[実施形態11]に分けて説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張される場合があり、実際の比率とは異なる場合がある。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る表示装置10の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の表示装置10は、画像表示体100、第1プロジェクタ200、第2プロジェクタ300、第3プロジェクタ400、第4プロジェクタ500、および制御部600を備える。
画像表示体100は、透明状態と非透明状態との間で光学状態が変化する薄板状の部材であり、第1プロジェクタ200から第4プロジェクタ500に対向する前面100aと、前面100aと反対側の背面100bとを有する。画像表示体100は、紫外光を受光することにより透明状態から非透明状態に変化し、第1可視光を受光することにより非透明状態から透明状態に変化する。画像表示体100は、たとえば、自動車のフロントガラスに取り付けられる。画像表示体100についての詳細な説明は後述する。
第1プロジェクタ200は、紫外光を放出するプロジェクタであり、画像表示体100の前面100aに対向して配置される。第1プロジェクタ200は、紫外光投光部として、たとえば、中間波長が385nm前後の紫外光を放出する。第1プロジェクタ200は、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cを透明状態から非透明状態に変化させる。
第2プロジェクタ300は、特定波長の可視光を放出するプロジェクタであり、画像表示体100の前面100aに対向して配置される。第2プロジェクタ300は、第1可視光投光部として、たとえば、中間波長が450nm前後の第1可視光を放出する。第2プロジェクタ300は、非透明状態にある画像表示体100に第1可視光を投光して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cを非透明状態から透明状態に変化させる。
第3プロジェクタ400は、カラープロジェクタであり、画像表示体100の前面100aに対向して配置される。第3プロジェクタ400は、第2可視光投光部として、青色(中間波長が450nm前後)、緑色(中間波長が532nm前後)、および赤色(中間波長が640nm前後)の3色のいずれか1色の光、または、2色以上の光を組み合わせた光である第2可視光を放出する。第3プロジェクタ400は、非透明状態の画像表示体100に第2可視光を投光して、画像表示体100上に画像700を表示する。
第4プロジェクタ500は、励起光を放出するプロジェクタであり、画像表示体100の前面100aに対向して配置される。第4プロジェクタ500は、励起光投光部として、たとえば、中間波長が365nm前後の励起光を放出する。第4プロジェクタ500は、非透明状態にある画像表示体100に励起光を投光して、画像表示体100を青色に自発光させ、画像700の青色を補償する。
制御部600は、第1プロジェクタ200から第4プロジェクタ500の動作を制御する。制御部600は、上位の制御装置(不図示)と通信しつつ、第1プロジェクタ200、第2プロジェクタ300、および第4プロジェクタ500の投光/非投光の切り替えを行う。また、制御部600は、上位の制御装置と通信しつつ、第3プロジェクタ400に画像情報を送出する。
なお、第2可視光によって画像表示体100上に表示される画像700が、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cの内側に含まれるように、第1プロジェクタ200、第3プロジェクタ400、および第4プロジェクタ500は、紫外光、第2可視光、および励起光をそれぞれ投光する。また、紫外光の投光領域100cが、画像表示体100上の第1可視光の投光領域に含まれるように、第2プロジェクタ300は、第1可視光を投光する。
ここで、第1プロジェクタ200は、中間波長が385nm前後の紫外光を放出すること、第2プロジェクタ300は、中間波長が450nm前後の第1可視光を放出することを例示した。また、第3プロジェクタ400は、青色(中間波長が450nm前後)、緑色(中間波長が532nm前後)、および赤色(中間波長が640nm前後)の3色のいずれか1色の光、または、2色以上の光を組み合わせた光を放出することを例示した。さらに、第4プロジェクタ500は、中間波長が365nm前後の励起光を放出することを例示した。
例示したこれらの中間波長は正規分布の確率密度関数の中央値を示す波長である。したがって、たとえば、中間波長が385nm前後の紫外光は、その紫外光の確率密度関数の中央値の波長が385nm前後の波長を有するのであって、紫外光は385nm前後の波長を頂点とする正規分布曲線状の山形となっており、その中央値の波長の光だけから構成されているのではない。このことは、第1可視光、第2可視光、および励起光についても同様に言える。
たとえば、紫外光と励起光、紫外光と第1可視光、励起光と第1可視光のそれぞれは、正規分布曲線の裾野の部分でオーバーラップすることもある。オーバーラップしている波長領域では、紫外光が励起光として作用することもあり、励起光が紫外光として作用することもある。このことは、紫外光と第1可視光、励起光と第1可視光についても同様に言える。一般的に、オーバーラップしている波長領域において、一方の光の作用が他方の光の作用の1/4以下であれば、画像表示体100を機能させる上で問題とはならない。
次に、図2を参照して、表示装置10の画像表示体100について詳細に説明する。
図2は、実施形態1に係る画像表示体100の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光層110、表示機能層120、および透明基板130を備える。発光層110は、画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置される。表示機能層120は、発光層110と透明基板130との間に配置される。発光層110は表示機能層120よりも前面100a側に配置するのが好ましい。
発光層110は、励起光を受光することにより青色を自発光する光学特性を有するフィルム部材である。発光層110が自発光した青色は表示機能層120に表示される画像の青色を補償する。本実施形態の発光層110は、青色を呈する400nm~480nm程度の範囲に主たる発光強度を持つ発光材料を用いて形成している。発光材料は、無機材料、有機材料のどちらでも良い。発光層110は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)などの透明樹脂または透明ガラス上に、発光材料を透明になるように適切に分散させ、十分な発光強度が得られるように、その厚みを数μmから100μm程度としたものである。発光層110を励起させる励起光の波長は、発光層110の発光波長と同等であるかその発光波長よりも短い。
表示機能層120は、ホスト液晶分子およびアゾベンゼン分子を含み、透明状態と非透明状態との間で光学状態が変化する液晶フィルム部材である。表示機能層120は、紫外光を受光することにより光散乱性が増加して白濁し、第1可視光を受光することにより光散乱性が低下して透明状態に戻る光学特性を有する。具体的には、ホスト液晶分子が表示機能層の厚み方向に対して略垂直に配列した透明状態の表示機能層に紫外光を投光すると、紫外光を受光したアゾベンゼン分子がトランス体からシス体に構造が変化することにより、ホスト液晶分子の配列が乱されて光散乱性が増加し、非透明状態に変化する。また、非透明状態である表示機能層に第1可視光を投光すると、アゾベンゼン分子がシス体からトランス体に構造が変化することにより、ホスト液晶分子が表示機能層の厚み方向に対して略垂直に配列して光散乱性が低下し、透明状態に変化する。本実施形態の表示機能層120は青色の波長領域の光の散乱反射率が非常に低い(青色の波長領域の光を吸収しやすい)という光学特性を有する。このため、画像700(図1参照)の青色の色再現性が劣る。本実施形態では、青色の色再現性は、発光層110が自発光する青色の光で補償する。
透明基板130は、透明のフィルム基板であり、フィルム基板面上で表示機能層120を保持する。
次に、図3~図5を参照して、画像表示体100上に画像を表示する表示装置10の動作について説明する。
図3は、画像表示体100を非透明とする場合の表示装置の動作を示す図であり、図4は、画像表示体100上に画像700を表示させる場合の表示装置の動作を示す図であり、図5は、画像表示体100を透明とする場合の表示装置の動作を示す図である。
図3に示すように、画像表示体100に画像を表示するとき、まず、第1プロジェクタ200が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。紫外光を投光すれば、表示機能層120が白濁して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cが透明状態から非透明状態に変化する。
次に、図4に示すように、第3プロジェクタ400が、非透明状態にある画像表示体100上の投光領域100cに第2可視光を投光して、画像表示体100上に画像700を表示する。同時に、第4プロジェクタ500が、画像表示体100上の投光領域100cに励起光を投光して、画像表示体100を青色に自発光させる。画像表示体100の投光領域100cは、青色の散乱反射率が低いため画像700の青色は薄くなる。第4プロジェクタ500が投光する励起光は、薄くなった青色を補償するため、画像700の色再現性が向上する。励起光は、画像表示体100の投光領域100cの全体に投光しても良いが、より好ましくは、画像700の青色の部分に選択的に投光するようにしても良い。この場合、第4プロジェクタ500は、制御部600から第3プロジェクタ400に送出する青色の画像情報を利用して励起光を投光する。
なお、画像表示体100上に画像700を表示している間、第2可視光を受光することによって画像表示体100が非透明状態から透明状態に戻ることを防止するために、第1プロジェクタ200は、画像表示体100に紫外光を投光する。具体的には、第2可視光および励起光の少なくともいずれか一方が第1可視光とオーバーラップしている場合には、第1プロジェクタ200は、紫外光によって白濁状態を維持しようとする作用が、第2可視光によって透明状態に戻そうとする作用よりも大きくなるような出力で紫外光を連続的もしくは断続的に投光する。
また、紫外光と励起光の波長領域は中間波長付近でオーバーラップしないことが好ましい。オーバーラップしていたとしても、紫外光で励起される発光層110の青色光の強度が励起光で励起される発光層110の青色光の強度の1/4以下であれば、画像700の色再現性には影響がない。また、励起光が表示機能層120に作用して表示機能層120の非透明状態を助長するような光散乱を生じたとしても、画像700の色再現性には影響がない。たとえば、中間波長が365nmの励起光で励起して460nmの青色光を出力する材料(たとえば、Li1.11(Nb0.6Ta0.4)0.89Ti0.11:Tm3+)で発光層110が形成されている場合には、発光層110をあまり励起させる恐れのない中間波長が385nmの紫外光を用いる。
一方、図5に示すように、画像表示体100上に画像を表示しないとき(画像を消去する場合)、まず、第1プロジェクタ200、第3プロジェクタ400および第4プロジェクタ500が、紫外光、第2可視光、および励起光の投光をそれぞれ停止する。そして、第2プロジェクタ300が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cを非透明状態から透明状態に戻す。
以上のとおり、本実施形態の表示装置10によれば、紫外光と第1可視光の投光/非投光を切り替えることにより、画像表示体100の透明状態/非透明状態を切り替える。また、非透明状態の画像表示体100に第2可視光および励起光を投光して、非透明状態の画像表示体100上に画像700を表示する。このような構成によれば、通常は透明状態の画像表示体100を一時的に非透明化して、画像表示体100上に画像700を表示でき、また、画像700の青色を補償して画像700の色再現性が向上する。
加えて、本実施形態の表示装置10によれば、紫外光および第1可視光によって画像表示体100の光学状態が変化するため、画像表示体100の内部に制御電極を配置する必要がなく、画像表示体100の透明状態における透明度を向上できる。また、画像表示体100に電気ケーブル等を接続する必要がなく、電源スペースを確保する必要もないため、画像表示体100の周辺空間を節約できる。
さらに、本実施形態の表示装置10によれば、画像表示体100からの青色の拡散反射光に、自発光の青色光を重ねることによって色再現性に優れた画像700を表示できる。また、画像表示体100からの拡散反射率の弱い青色光を補償するために第3プロジェクタ400の青色LEDアレイの出力を増加させる場合と比較すると、励起光を用いて自発光させる本実施形態の場合の方が、より低い輝度の励起光により十分な青色光を得ることができるので、省エネルギー化に寄与できる。
以上のとおり、説明した本実施形態は、以下の効果を奏する。
(a)紫外光および第1可視光の投光/非投光を切り替えることにより透明状態と非透明状態とが切り替わる画像表示体100を利用して画像を表示するため、制御電極が必要ない。したがって、制御電極における反射、吸収がないため、画像表示体100の透明状態における透明度を向上できる。
(b)第2可視光によって画像表示体100上に表示される画像700が、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cに含まれるように紫外光を投光するため、画像表示体100の非透明領域に画像700が表示される。したがって、画像表示体100の透明領域に画像700が表示されることがなく、画像700の視認性が向上する。
(c)発光層110が表示機能層120よりも前面100a側に配置されているので、画像表示体100から視認される画像700が、画像表示体100からの青色の拡散反射光に励起光によって自発光した青色光が重なって形成され、色再現性の優れた画像700を表示できる。
[実施形態2]
図6を参照して、実施形態2について説明する。実施形態2は、実施形態1の画像表示体100に紫外光遮蔽層を設けた実施形態である。
図6は、実施形態2に係る画像表示体100の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光層110、表示機能層120、紫外光遮蔽層140、および透明基板130を備える。発光層110は、画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置される。発光層110と透明基板130との間に、表示機能層120と紫外光遮蔽層140とが配置される。紫外光遮蔽層140は、画像表示体100の背面100bから表示機能層120に紫外光が入射することを防止するために配置する。したがって、紫外光遮蔽層140は、表示機能層120の紫外光が投光される面側(前面側)とは反対側(背面側)の面側に配置する。なお、本実施例においては透明基板130を画像表示体100の背面100b側に配置しているが、透明基板130は他の層の支持体として機能するものであるため、透明基板130の配置位置はこれに限定されない。他の層の支持体として機能する限りにおいては透明基板130の配置位置は、例えば画像表示体100の前面100a側であっても良いし他の層の前面側あるいは背面側で有っても良く、適宜変更可能である。
紫外光遮蔽層140は、紫外光を遮蔽する透明フィルム部材である。紫外光遮蔽層140は、紫外光反射剤または紫外光吸収剤を含む透明樹脂からなり、紫外光近傍の波長領域の光を反射または吸収して遮蔽する。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(d)表示機能層120の背面側に紫外光遮蔽層140を備えるため、表示機能層120の背面から紫外光が入射することを防止できる。したがって、たとえば、自動車のフロントガラスに画像表示体100を取り付ける場合、太陽光やヘッドライトによって画像表示体100が非透明化することを防止でき、画像表示体100の透明度を確保できる。
[実施形態3]
図7を参照して、実施形態3について説明する。実施形態3は、実施形態1の画像表示体100に調光層を設けた実施形態である。
図7は、実施形態3に係る画像表示体100の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光層110、表示機能層120、調光層150、および透明基板130を備える。発光層110は、画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置される。発光層110と透明基板130との間に、表示機能層120と調光層150とが配置される。調光層150は、画像表示体100の背面100b側からの光を低減するために配置する。したがって、調光層150は、表示機能層120の紫外光が投光される面側とは反対側の面側に配置する。
調光層150は、紫外光を受光することによって光吸収性が増加する透明フィルム部材である。調光層150は、フォトクロミック材料からなり、紫外光を受光することにより光吸収性が増加して無色から灰色(または黒色)に変色する光学特性を有する。調光層150は、紫外光を受光しない、もしくは、青色または黄色の可視光を受光することにより光吸収性が低下して灰色から無色に戻る光学特性を有する。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(e)表示機能層120の背面100b側に調光層150を備えるため、紫外光を受光した部分のみ光を吸収する機能が発現される。このため、表示機能層120の背面から入射する太陽光やヘッドライトの光を吸収できる。つまり、明るい環境下でもコントラストが保持され、視認性が向上する。
[実施形態4]
図8を参照して、実施形態4について説明する。実施形態4は、実施形態1の画像表示体100に紫外光遮蔽層および調光層を設けた実施形態である。
図8は、実施形態4に係る画像表示体100の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光層110、表示機能層120、調光層150、紫外光遮蔽層140および透明基板130を備える。発光層110は、画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置される。発光層110と透明基板130との間に、表示機能層120、調光層150、および紫外光遮蔽層140が配置される。紫外光遮蔽層140は、画像表示体100の背面100bから表示機能層120に紫外光が入射することを防止するために配置する。また、調光層150は、画像表示体100の背面100b側からの光を低減するために配置する。したがって、調光層150および紫外光遮蔽層140は、表示機能層120の紫外光が投光される面側とは反対側の面側に配置する。なお、調光層150は紫外光遮蔽層140よりも前面100a側に配置する。
なお、紫外光遮蔽層140の構成は実施形態2と同一であり、調光層150の構成は実施形態3と同一である。このため、本実施形態の画像表示体100は、紫外光を受光することによって光散乱性および光吸収性が増加し、第1可視光を受光することによって光散乱性および光吸収性が低下する。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(f)表示機能層120の背面100b側に調光層150と紫外光遮蔽層140とを備えるため、画像表示体100の背面100b側から紫外光が入射することを防止できる。また、画像表示体100の前面100a側から紫外光を受光した部分のみ光を吸収する機能が発現される。このため、自動車のフロントガラスに画像表示体100を取り付ける場合、表示機能層120の背面から入射する太陽光やヘッドライトの光を吸収でき、太陽光やヘッドライトによって画像表示体100が非透明化することを防止でき、画像表示体100の透明度を確保できる。つまり、特に紫外線の多い明るい環境下でもコントラストが保持され、視認性が向上する。
[実施形態5]
図9および図10を参照して実施形態5を説明する。実施形態5は第2可視光と励起光とを1台のプロジェクタから投光する形態である。
図9は、実施形態5に係る表示装置10の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の表示装置10は、画像表示体100、第1プロジェクタ200、第2プロジェクタ300、第3プロジェクタ400および制御部600を備えている。なお、第4プロジェクタ500が取り除かれ、励起光と第2可視光とが1台の第3プロジェクタ400から投光される点を除いては、本実施形態に係る表示装置10の構成は、実施形態1と同様であるため、表示装置10についての説明は省略する。
図10は、実施形態5に係る第3プロジェクタ400の光学系の構成を示す図である。図示するように、第3プロジェクタ400の光学系は、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430、ダイクロイックミラー415、425、435、および励起光LEDアレイ510を備える。ダイクロイックミラー415は青色光のみを反射させ、励起光を透過させる。ダイクロイックミラー425は緑色光のみを反射させ、励起光および青色光を透過させる。ダイクロイックミラー435は赤色光のみを反射させ、励起光、青色光、緑色光を透過させる。したがって、本実施形態に係る第3プロジェクタ400は、実施形態1に係る第3プロジェクタ400に第4プロジェクタ500を統合させたものである。
第2可視光は、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、および赤色LEDアレイ430の3つのLEDアレイから投光される。励起光は、励起光LEDアレイ510から投光される。青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430および励起光LEDアレイ510を同時に作動させると、第3プロジェクタ400から第2可視光と励起光とが投光される。なお、励起光は、青色光を補償するために投光されるので、励起光LEDアレイ510は青色LEDアレイ410と同一の画像情報によって作動されるのが好ましい。
本実施形態の表示装置10では、画像を表示する場合、まず、第1プロジェクタ200が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。そして、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに第2可視光および励起光を投光して、画像700を表示する。一方、画像を表示しない場合(画像を消去する場合)、まず、第1プロジェクタ200が、紫外光の投光を停止する。そして、第2プロジェクタ300が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100を非透明状態から透明状態に戻す。このような構成によれば、励起光専用のプロジェクタが省略され、装置構成が簡略化される。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(g)第2可視光および励起光を1台のプロジェクタが投光するため、表示装置10の装置構成を簡略化でき、表示装置10のコストが低減できる。
(h)プロジェクタの台数が減るため、プロジェクタの設置スペースが省略でき、レイアウトの自由度が向上する。
(i)励起光と第2可視光とを1台のプロジェクタで投光できるので、励起光と第2可視光との投影位置を青色の画像に合わせる調整が不要となる。
(j)励起光を第2可視光の青色と同期して投光すればよいので、投光の制御が容易になる。
[実施形態6]
図11を参照して実施形態6を説明する。実施形態6は励起光を第2可視光の青色と供用する形態である。本実施形態の表示装置10は、第4プロジェクタ500が取り除かれ、励起光と青色を除く第2可視光とが1台の第3プロジェクタ400から投光される点を除いては、本実施形態に係る表示装置10の構成は、実施形態1と同様であるため、表示装置10についての説明は省略する。
図11は、実施形態6に係る第3プロジェクタ400の光学系の構成を示す図である。図示するように、第3プロジェクタ400の光学系は、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430、ダイクロイックミラー425、435、および励起光LEDアレイ510を備える。ダイクロイックミラー425は緑色光のみを反射させ、励起光を透過させる。ダイクロイックミラー435は赤色光のみを反射させ、励起光、緑色光を透過させる。
第2可視光は、緑色LEDアレイ420および赤色LEDアレイ430の2つのLEDアレイから投光される。励起光は、励起光LEDアレイ510から投光される。本実施形態の場合、励起光LEDアレイ510から投光される励起光の中間波長を、第2可視光の青色の中間波長に近い波長としている。このため、励起光の波長が第2可視光の青色の波長と重複する部分において、励起光が第2可視光の青色としても作用する。したがって、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430および励起光LEDアレイ510を同時に作動させると、第3プロジェクタ400から励起光と緑色および赤色の第2可視光とが投光され、第2可視光の青色は、画像表示体100の発光層110の発光作用によって表現できる。
本実施形態の表示装置10は、画像を表示する場合、および画像を表示しない場合(画像を消去する場合)の動作は、実施形態5と同一である。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態5の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(k)青色LEDアレイが不要となるので、LEDアレイの設置スペースがさらに省略でき、レイアウトの自由度が向上する。
(l)画像を表示する場合、励起光は第2可視光の青色光の画像情報を利用して投光すればよいので、投光の制御が容易になる。
(m)画像を表示する場合、紫外光を第2可視光と同期して投光すればよいので、投光の制御が容易になる。
[実施形態7]
図12および図13を参照して実施形態7を説明する。実施形態7は第2可視光、励起光、および紫外光を1台のプロジェクタから投光する形態である。
図12は、実施形態7に係る表示装置10の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の表示装置10は、画像表示体100、第2プロジェクタ300、第3プロジェクタ400および制御部600を備えている。なお、第1プロジェクタ200、第4プロジェクタ500が取り除かれ、第2可視光、励起光、および紫外光が1台の第3プロジェクタ400から投光される点を除いては、本実施形態に係る表示装置10の構成は、実施形態1と同様であるため、表示装置10についての説明は省略する。
図13は、実施形態7に係る第3プロジェクタ400の光学系の構成を示す図である。図示するように、第3プロジェクタ400の光学系は、紫外光LEDアレイ210、励起光LEDアレイ510、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、および赤色LEDアレイ430、ダイクロイックミラー515、415、425、435、を備える。ダイクロイックミラー515は励起光のみを反射させ、紫外光を透過させる。ダイクロイックミラー415は青色光のみを反射させ、紫外光および励起光を透過させる。ダイクロイックミラー425は緑色光のみを反射させ、紫外光、励起光および青色光を透過させる。ダイクロイックミラー435は赤色光のみを反射させ、紫外光、励起光、青色光、緑色光を透過させる。したがって、本実施形態に係る第3プロジェクタ400は、実施形態1に係る第3プロジェクタ400に第1プロジェクタ200および第4プロジェクタ500を統合させたものである。
第2可視光は、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、および赤色LEDアレイ430の3つのLEDアレイから投光される。紫外光は、紫外光LEDアレイ210から投光される。励起光は、励起光LEDアレイ510から投光される。紫外光LEDアレイ210を単独で作動させると第3プロジェクタ400から紫外光が照射される。青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430および励起光LEDアレイ510を同時に作動させると、第3プロジェクタ400から第2可視光と励起光とが投光される。なお、励起光は、青色光を補償するために投光されるので、励起光LEDアレイ510は青色LEDアレイ410と同一の画像情報によって作動されるのが好ましい。
本実施形態の表示装置10では、画像を表示する場合、まず、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。そして、同じく、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに第2可視光および励起光を投光して、画像700を表示する。一方、画像を表示しない場合(画像を消去する場合)、まず、第3プロジェクタ400が、紫外光の投光を停止する。そして、第2プロジェクタ300が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100を非透明状態から透明状態に戻す。このような構成によれば、紫外光および励起光専用のプロジェクタが省略され、装置構成が簡略化される。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(n)第2可視光、励起光および紫外光を1台のプロジェクタが投光するため、表示装置10の装置構成を簡略化でき、表示装置10のコストが低減できる。
(o)プロジェクタの台数が減るため、プロジェクタの設置スペースが省略でき、レイアウトの自由度が向上する。
(p)第2可視光、励起光および紫外光を1台のプロジェクタで投光できるので、第2可視光、励起光および紫外光のそれぞれの投影位置を合わせる調整が不要となる。
(q)励起光を第2可視光の青色と同期して投光すればよいので、投光の制御が容易になる。
[実施形態8]
図14および図15を参照して実施形態8を説明する。実施形態8は第1可視光、第2可視光、励起光、および紫外光を1台のプロジェクタから投光する形態である。
図14は、実施形態8に係る表示装置10の概略構成を示す斜視図である。本実施形態の表示装置10は、画像表示体100、第3プロジェクタ400および制御部600を備えている。なお、第1可視光、第2可視光、励起光、および紫外光が1台の第3プロジェクタ400から投光される点を除いては、本実施形態に係る表示装置10の構成は、実施形態1と同様であるため、表示装置10についての説明は省略する。
図15は、実施形態8に係る第3プロジェクタ400の光学系の構成を示す図である。図示するように、第3プロジェクタ400の光学系は、第1可視光LEDアレイ310、紫外光LEDアレイ210、励起光LEDアレイ510、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、および赤色LEDアレイ430、ダイクロイックミラー215、515、415、425、435を備える。ダイクロイックミラー215は紫外光のみを反射させ、第1可視光を透過させる。ダイクロイックミラー515は励起光のみを反射させ、第1可視光および紫外光を透過させる。ダイクロイックミラー415は青色光のみを反射させ、第1可視光、紫外光および励起光を透過させる。ダイクロイックミラー425は緑色光のみを反射させ、第1可視光、紫外光、励起光および青色光を透過させる。ダイクロイックミラー435は赤色光のみを反射させ、第1可視光、紫外光、励起光、青色光、緑色光を透過させる。したがって、本実施形態に係る第3プロジェクタ400は、実施形態1に係る第3プロジェクタ400に第1プロジェクタ200、第2プロジェクタ300および第4プロジェクタ500を統合させたものである。
第2可視光は、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、および赤色LEDアレイ430の3つのLEDアレイから投光される。励起光は、励起光LEDアレイ510から投光される。紫外光は紫外光LEDアレイ210から投光される。第1可視光は第1可視光LEDアレイ310から投光される。紫外光LEDアレイ210を単独で作動させると第3プロジェクタ400から紫外光が照射される。また、青色LEDアレイ410、緑色LEDアレイ420、赤色LEDアレイ430および励起光LEDアレイ510を同時に作動させると、第3プロジェクタ400から第2可視光と励起光とが投光される。第1可視光LEDアレイ310を単独で作動させると第3プロジェクタ400から第1可視光が投光される。なお、励起光は、青色光を補償するために投光されるので、励起光LEDアレイ510は青色LEDアレイ410と同一の画像情報によって作動されるのが好ましい。
本実施形態の表示装置10では、画像を表示する場合、まず、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。そして、同じく、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに第2可視光および励起光を投光して、画像700を表示する。一方、画像を表示しない場合(画像を消去する場合)、まず、第3プロジェクタ400が、紫外光の投光を停止する。そして、第3プロジェクタ400が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100を非透明状態から透明状態に戻す。このような構成によれば、第1可視光、紫外光、および励起光専用のプロジェクタが省略され、装置構成が簡略化される。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(r)第1可視光、第2可視光、励起光および紫外光を1台のプロジェクタが投光するため、表示装置10の装置構成を簡略化でき、表示装置10のコストが低減できる。
(s)プロジェクタの台数が減るため、プロジェクタの設置スペースが省略でき、レイアウトの自由度が向上する。
(t)第1可視光、第2可視光、励起光および紫外光を1台のプロジェクタで投光できるので、第1可視光、第2可視光、励起光および紫外光のそれぞれの投影位置を合わせる調整が不要となる。
(u)励起光を第2可視光の青色と同期して投光すればよいので、投光の制御が容易になる。
[実施形態9]
図16を参照して実施形態9を説明する。実施形態9は画像表示体100の表示機能層120が発光層110の役割を兼ねる実施形態である。したがって、本実施形態では画像表示体100に、実施形態1のような発光層110が設けられていない。
図16は、実施形態9に係る画像表示体の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光材料が添加された表示機能層160、および透明基板130を備える。表示機能層160は画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置される。
表示機能層160は、透明状態と非透明状態との間で光学状態が変化するとともに青色を自発光する。表示機能層160が自発光した青色は表示機能層160に表示される画像の青色を補償する。
表示機能層160は、紫外光を受光することにより光散乱性が増加して白濁し、第1可視光を受光することにより光散乱性が低下して透明状態に戻り、また、励起光を受光することにより青色を自発光する光学特性を有する。本実施形態の表示機能層160はホスト液晶分子およびアゾベンゼン分子を含む液晶フィルムに、青色を呈する400nm~480nm程度の範囲に主たる発光強度を持つ発光材料を、重量比で1%程度添加したものである。発光材料は、無機材料、有機材料のどちらでも良いが、たとえば、Li1.11(Nb0.6Ta0.4)0.89Ti0.11:Tm3+のような発光材料を用いることが好ましい。ホスト液晶分子およびアゾベンゼン分子を含む液晶フィルムは、青色の波長領域の光の散乱反射率が非常に低い(青色の波長領域の光を吸収しやすい)という光学特性を有する。このため、本実施形態では、このフィルムに励起光で青色に発光する発光材を添加して、ホスト液晶分子およびアゾベンゼン分子を含む液晶フィルムの青色の波長領域の光学特性を補償している。
なお、発光材料の添加量は重量比で1%程度であるものを例示したが、添加量は1%以下であっても良い。発光材料を添加しても、紫外光を受光することにより光散乱性が増加して白濁し、第1可視光を受光することにより光散乱性が低下して透明状態に戻るという、表示機能層160の基本的な光学特性に影響はない。
本実施形態では、実施形態1で例示した図1の表示装置10により画像700を投影する。
図3に示すように、画像表示体100に画像を表示するとき、まず、第1プロジェクタ200が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。紫外光を投光すれば、表示機能層160が白濁して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cが透明状態から非透明状態に変化する。
次に、図4に示すように、第3プロジェクタ400が、非透明状態にある画像表示体100上の投光領域100cに第2可視光を投光して、画像表示体100上に画像700を表示する。同時に、第4プロジェクタ500が、画像表示体100上の投光領域100cに励起光を投光して、画像表示体100の表示機能層160を青色に発光させる。表示機能層160が青色に発光するため、画像700の色再現性が向上する。励起光は、画像表示体100の投光領域100cの全体に投光しても良いが、より好ましくは、画像700の青色の部分に選択的に投光するようにしても良い。この場合、第4プロジェクタ500は、制御部600から第3プロジェクタ400に送出する青色の画像情報を利用して励起光を投光する。
なお、画像表示体100上に画像700を表示している間、第2可視光および励起光を受光することによって画像表示体100が非透明状態から透明状態に戻ることを防止するために、第1プロジェクタ200は、画像表示体100に紫外光を連続的もしくは断続的に投光する。
一方、図5に示すように、画像表示体100上に画像を表示しないとき(画像を消去する場合)、まず、第1プロジェクタ200、第3プロジェクタ400および第4プロジェクタ500が、紫外光、第2可視光、および励起光の投光をそれぞれ停止する。そして、第2プロジェクタ300が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cを非透明状態から透明状態に戻す。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(v)発光材料が添加された表示機能層160のみで画像表示体100を構成することができるので、画像表示体100の層構造が簡素化され、画像表示体100の厚みを薄くすることができる。また、画像表示体100の製造コストが低減できる。
[実施形態10]
図17を参照して実施形態10を説明する。実施形態10は、実施形態9の画像表示体100の透明基板130と表示機能層160との間に表示機能層120を配置した実施形態である。
図17は、実施形態10に係る画像表示体の概略構成を示す断面図である。本実施形態の画像表示体100は、発光層が添加された表示機能層160、発光層が添加されていない表示機能層120、および透明基板130を備える。表示機能層160は画像表示体100の前面100a側に配置され、透明基板130は、画像表示体100の背面100b側に配置され、表示機能層160と透明基板130との間に表示機能層120が配置される。
表示機能層160は、実施形態9と同じく、紫外光を受光することにより光散乱性が増加して白濁し、第1可視光を受光することにより光散乱性が低下して透明状態に戻り、また、励起光を受光することにより青色を自発光する光学特性を有する。また、表示機能層120は、実施形態1と同じく、紫外光を受光することにより光散乱性が増加して白濁し、第1可視光を受光することにより光散乱性が低下して透明状態に戻る光学特性を有する。
表示機能層160は表示機能層120の前面100a側に配置される。表示機能層160の厚みは表示機能層120の厚みに比べて薄くしている。表示機能層160が励起光を受光すると、添加されている発光材料が青色に発光する。しかし、励起光が表示機能層160に作用を及ぼすのは表示機能層160の表面部分だけであり、深くまでは及ばない。このため、本実施形態では、表示機能層160の厚みを薄くし、励起光の作用が表示機能層160の全体に及ぶようにしている。しかし、表示機能層160の厚みを薄くすると、一方で、紫外光または第1可視光を受光したときの、表示機能層120の本来の光学特性が十分に得られないという問題があるので、表示機能層160の背面100b側に表示機能層120を設けている。
本実施形態では、実施形態1で例示した図1の表示装置10により画像700を投影する。画像表示体100に画像を表示するときと表示しないときの表示装置10の動作は実施形態9と同一である。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(w)発光材料が添加された、厚みの薄い表示機能層160を表示機能層120の前面100a側に設けたので、表示機能層160に添加する発光材料を最小限にでき、画像表示体100の製造コストが低減できる。
[実施形態11]
図18および図19を参照して実施形態11を説明する。実施形態11は、画像表示体100が特定波長領域の光によって青色に発光するようにした実施形態である。
本実施形態の画像表示体100の積層構造は図2に示した実施形態1の画像表示体100と同一である。しかし、本実施形態では、画像表示体100の発光層110の光学特性が実施形態1の発光層110の光学特性とは異なる。
図18は、実施形態11に係る画像表示体100の光学特性を示す図である。この図の光学特性を見ると、励起波長特性のピーク波長439nmと発光スペクトルのピーク波長442nmが非常に近い。画像表示体100の発光層110がこのような光学特性を持つと、画像表示体100に画像700を表示させる第2可視光(特に青色光)が励起光として働くため、励起光を投光しなくとも、発光層110を励起することができる。このように、発光層110の光学特性と光源の光学特性をマッチングさせると、光源の数を減らすことができる。
したがって、本実施形態では、実施形態1の表示装置10が持つ、励起光を投光する第4プロジェクタ500が不要になる。
図19は、実施形態11に係る表示装置の概略構成を示す図である。本実施形態では、第2可視光の青色光で発光層110を励起させることができるので、第1プロジェクタ200から第3プロジェクタ400を設けている。第1プロジェクタ200から第3プロジェクタ400が画像表示体100に投光する光は、実施形態1の第1プロジェクタ200から第3プロジェクタ400と同一である。
本実施形態では、図19の表示装置10により画像700を投影する。
図19に示すように、画像表示体100に画像を表示するとき、まず、第1プロジェクタ200が、画像表示体100の前面100aに紫外光を投光する。紫外光を投光すれば、表示機能層160が白濁して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cが透明状態から非透明状態に変化する。
次に、第3プロジェクタ400が、非透明状態にある画像表示体100上の投光領域100cに第2可視光を投光して、画像表示体100上に画像700を表示する。このときに第2可視光に含まれる青色光が画像表示体100の発光層110を励起させ青色に発光させる。発光層110が青色に発光するため、画像700の色再現性が向上する。
なお、画像表示体100上に画像700を表示している間、第2可視光を受光することによって画像表示体100が非透明状態から透明状態に戻ることを防止するために、第1プロジェクタ200は、画像表示体100に紫外光を連続的もしくは断続的に投光する。
一方、画像表示体100上に画像を表示しないとき(画像を消去する場合)、まず、第1および第3プロジェクタ200、400が、紫外光および第2可視光の投光をそれぞれ停止する。そして、第2プロジェクタ300が、画像表示体100の前面100aに第1可視光を投光して、画像表示体100上の紫外光の投光領域100cを非透明状態から透明状態に戻す。
なお、本実施形態では、特定波長領域の光として、第2可視光に含まれる青色光を例示したが、発光層110の光学特性に合致すれば、紫外光を用いるようにしても良い。
以上のとおり、説明した本実施形態は、実施形態1の効果に加え、以下の効果を奏する。
(x)画像表示体100の発光層110を第2可視光に含まれる青色光で励起できるので、プロジェクタの台数を減らすことができ、プロジェクタの設置スペースが省略でき、レイアウトの自由度が向上する。
以上のとおり、説明した実施形態1~11において、本発明の表示装置10を説明した。しかし、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略できる。