JP7051933B2 - アンテナ構成体、そのようなアンテナ構成体を含む外部ウォッチ部品、および、そのような外部ウォッチ部品を製造するための方法 - Google Patents

Description

本発明は、外部ウォッチ部品のためのアンテナ構成体に関する。そのようなアンテナ構成体は、たとえば、他の接続された電子的な物体との双方向データ通信を可能にすることができる。

本発明は、同様に、そのようなアンテナ構成体を含む外部ウォッチ部品に関し、また、そのような外部ウォッチ部品を製造するための方法に関する。外部ウォッチ部品は、たとえば、ウォッチベゼル、ウォッチ・ストラップ、ウォッチ・ダイアル、または、さらには、ウォッチ・ケース・ミドルである。

本発明は、最後に、そのような外部ウォッチ部品を含む時計に関する。時計は、たとえば、ウォッチである。

一体化された送信および／または受信回路に接続されているアンテナを備えた時計（たとえば、ウォッチ）を提供することが知られている。そのようなアンテナは、したがって、その環境との通信を可能にする時計の新しい機能性を提供する。アンテナは、その場合、典型的には、固体モノブロック・マス（ｓｏｌｉｄ ｍｏｎｏ－ｂｌｏｃ ｍａｓｓ）によって形成されており、それは、導電体である。ウォッチのためのそのようなアンテナ構成体は、たとえば、特許ＥＰ１３７８８０５Ｂ１に説明されている。アンテナは、その場合、ウォッチの中間部品の周辺に配設されるリングの形態を有しており、一体化された送信および／または受信回路は、中間部品の中に収容されている。したがって、アンテナを形成する固体モノブロック・マスは、同時に、ウォッチのベゼルを形成している。

しかし、特許ＥＰ１３７８８０５Ｂ１において提案されているアンテナ構成体の欠点は、とりわけ、それが、たとえば、湿分、機械的な衝撃、温度条件などのような、外的影響に対して傷つきやすいことである。そのうえ、このアンテナ構成体は、ウォッチの部品に設計修正を課し、それは、その美観を損なう可能性がある。そのうえ、集積回路との接続は、中間部品を穿孔することを必要にし、それは、全体の組み立てを複雑にする。したがって、そのようなアンテナ構成体は、ウォッチの信頼性を損なう。

他の時計の実施形態は、ウォッチ・ケースの内側にアンテナを含む。しかし、アンテナがモノブロック材料から形成されているそのような実施形態では、アンテナは、ケースの内側にスペースを必要とする。その理由は、それが、比較的大きい空間的要件を有するからである。これは、外部ウォッチ部品の重量を増加させる役割を果たし、一方、ムーブメントの構成をより複雑にする。

ＥＰ１３７８８０５Ｂ１

したがって、本発明の目的は、外部ウォッチ部品のためのアンテナ構成体を提供することであり、そのアンテナ構成体は、部品の内側に据え付けられることができ、それを外的影響から安全に維持するようになっており、一方、据え付けるのが簡単であり、あまり嵩張っておらず、接続された電子的な物体との信頼性の高いデータの通信を可能にする。

この目的のために、本発明は、外部ウォッチ部品のためのアンテナ構成体に関し、それは、独立請求項１に述べられている特徴を含む。

アンテナ構成体の特定の形態は、従属請求項２および３に定義されている。

本発明によるアンテナ構成体を形成する技術的刺繍（ｔｅｃｈｎｉｃａｌ ｅｍｂｒｏｉｄｅｒｙ）のおかげで、この構成体は、外部ウォッチ部品の中に容易に据え付けられ得る。そのような技術的刺繍は、時計に関して２次元で開発された形態であり、また、絶縁ワイヤまたは天然繊維の刺繍された構造体と、微細ワインディングの中に刺繍されている少なくとも１つの導電性ワイヤとを含み、技術的刺繍は、実際には、とりわけ、導電性ワイヤから形成されたアンテナに動作信頼性を提供しながら、あまり嵩張らない。そのうえ、そのような技術的刺繍は、複合材料で、とりわけ、技術的刺繍および固化した樹脂（それは、典型的には、熱硬化性樹脂またはエラストマー樹脂であることが可能である）を組み合わせる材料で、外部ウォッチ部品を作り出すことに、とりわけ良好に適している。

この目的のために、本発明は、同様に、上記に説明されているアンテナ構成体を含む外部ウォッチ部品を製造する方法に関し、それは、独立請求項４に述べられている特徴を含む。

方法の特定の形態は、従属請求項５および６に定義されている。

この目的のために、本発明は、同様に、上記に説明されているアンテナ構成体を含む外部ウォッチ部品に関し、それは、独立請求項７に述べられている特徴を含む。

外部ウォッチ部品の特定の形態は、従属請求項８から１３に定義されている。

本発明の特定の技術的特徴によれば、外部ウォッチ部品は、可撓性の構造体、とりわけ、ファブリックから作製された構造体から形成されている。

有利には、外部ウォッチ部品は、技術的刺繍および固化した樹脂を含む複合材構造体から形成されており、複合材構造体は、無線周波数集積回路を囲んでいる。そのような複合材構造体は、とりわけ強力で軽い外部ウォッチ部品を取得することを可能にする。そのうえ、そのような複合材構造体の使用は、アンテナの磁界および電界に対してスクリーンを形成しない材料を取得することを可能にする。

この目的のために、本発明は、同様に、上記に説明されている外部ウォッチ部品を含む時計に関し、それは、独立請求項１４に述べられている特徴を含む。

本発明による外部ウォッチ部品のためのアンテナ構成体の目的、利点、および特徴は、少なくとも１つの実施形態に基づいて、以下の説明の中で、より良好に明らかになり、その少なくとも１つの実施形態は、非限定的なものであり、図面によって図示されている。

環状のベゼルを含むウォッチの斜視図であり、環状のベゼルは、本発明によるアンテナ構成体を設けられている、図である。 本発明によるアンテナ構成体の特定の実施形態による、図１のベゼルの内側の概略図である。 本発明による、外部ウォッチ部品を製造するための方法のステップを表すフローチャートである。

図１は、環状のベゼル２を設けられたウォッチ１を表している。環状のベゼルは、ウォッチの中間部品の上に装着されており、明瞭化のために図の中に要約して表されている。

環状のベゼル２は、固化した樹脂４を含む複合材構造体から形成されている。図２に図示されているように、複合材構造体は、追加的に技術的刺繍６を含み、送信および／または受信のための無線周波数集積回路８を囲んでいる。図１に図示されている特定の実施形態の例では、固化した樹脂４は、熱硬化性樹脂である。樹脂４は、たとえば、プラスチック材料樹脂である。表されていない変形例では、固化した樹脂４は、エラストマー樹脂である。樹脂４は、たとえば、ゴムである。

技術的刺繍６は、アンテナ構成体を形成している。技術的刺繍６は、絶縁ワイヤまたは天然繊維１０の刺繍された構造体と、少なくとも１つの導電性ワイヤ１２とを含み、少なくとも１つの導電性ワイヤ１２は、絶縁ワイヤまたは天然繊維１０の刺繍された構造体の中に一体化された微細ワインディングを作り出すために刺繍されている。図２に図示されている特定の実施形態の例では、技術的刺繍６は、単一の導電性ワイヤ１２を含む。導電性ワイヤ１２は、アンテナ自体を形成しており、導電性ワイヤ１２は、無線周波数集積回路８に接続されている。表されていない変形例では、技術的刺繍６は、複数の導電性ワイヤ１２を含む。このケースでは、導電性ワイヤ１２は、たとえば、いくつかの巻数のコイルを形成しており、導電性ワイヤ１２のそれぞれは、無線周波数集積回路８に接続されている。そのような実施形態の変形例は、たとえば、巻きの数に作用することによって、周波数に関して集積回路８を適合させるように、アンテナのインダクタンスを増加させるために、無線周波数集積回路８がＮＦＣ近距離無線通信チップであるケースにおいて、とりわけ有利である。

導電性ワイヤ１２は、たとえば、金属から作製され得るか、または、炭素から作製され得るか、または、変性シリコーンから作製され得る。

好ましくは、絶縁ワイヤ１０は、所定の電気抵抗を有しており、それは、たとえば、１０⁸Ｏｈｍ・ｍよりも大きくなっていることが可能である。図２に図示されている特定の実施形態では、絶縁ワイヤ１０は、ガラス繊維である。表されていない変形例では、絶縁ワイヤ１０は、合成ワイヤ、たとえば、ポリアミドもしくはポリエステルから作製されたワイヤなど、または、さらにはセラミック繊維であることが可能である。

刺繍された構造体の変形例では、天然繊維１０は、たとえば、亜麻、大麻、もしくは綿、または、これらの成分の組み合わせから形成され得る。

無線周波数集積回路８は、たとえば、非接触型通信チップである。図２の特定の実施形態では、無線周波数集積回路８は、ＲＦＩＤ無線識別チップ（英語のＲａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎから）である。表されていない変形例では、無線周波数集積回路８は、ＮＦＣ近距離無線通信チップであり、または、取引もしくは銀行支払を実現するためのものである。

ここで、本発明によるアンテナ構成体６を含む外部ウォッチ部品を製造する方法が、図３を参照して説明される。外部ウォッチ部品は、たとえば、図１および図２に図示されている環状のベゼル２である。表されていない変形例では、外部ウォッチ部品は、ウォッチ・ストラップ、ウォッチ・ダイアル、または、さらには、ウォッチ・ケース・ミドルであることが可能である。

この方法は、初期ステップ２０を含み、初期ステップ２０の過程では、技術的刺繍６が、作り出されることになる外部ウォッチ部品の型の中で調節される。この初期ステップの過程において、技術的刺繍６の上記導電性ワイヤ１２またはそれぞれの導電性ワイヤ１２は、型の中へ以前に挿入された無線周波数集積回路８に接続される。

続くステップ２２の過程において、樹脂４が、技術的刺繍６および無線周波数集積回路８を含浸させるために、型の中へ注入される。

続くステップ２４の過程において、型の中に含有された樹脂４が硬化される。図１の実施形態の例と同様に、樹脂４が熱硬化性樹脂であるときには、硬化温度は、好ましくは、２００℃から２５０℃の間にある。樹脂４がエラストマー樹脂であるときには、硬化温度は、好ましくは、３００℃に実質的に等しい。

続くステップ２６の過程において、型の中に含有された樹脂４が架橋される。

最終的なステップ２８の過程において、技術的刺繍６、無線周波数集積回路８、および架橋された樹脂４から形成される全体が、型から除去される。したがって、本発明の特定の実施形態による外部ウォッチ部品が取得される。

本発明は、外部ウォッチ部品（このケースでは、固化した樹脂４を含む複合材構造体から形成された環状のベゼル２）を参照して説明されてきたが、他の実施形態の変形例も、本発明の範囲を逸脱することなく外部ウォッチ部品に関して可能である。とりわけ、外部ウォッチ部品は、可撓性の構造体、とりわけ、ファブリックから作製された構造体から形成され得る。このケースでは、外部ウォッチ部品は、典型的には、ウォッチ・ストラップであり、もはや、固化した樹脂を含まない。別の実施形態の変形例によれば、外部ウォッチ部品は、セラミックベースから形成されている。外部ウォッチ部品（それは、典型的には、ウォッチベゼルである）は、たとえば、セラミックから作製された中空リングを含み、その内側には、アンテナ構成体６および集積回路８が受け入れられる。したがって、ゴム・リングが、中空のセラミック・リングを閉じることになり、ウォッチベゼルを取得することを可能にする。

１ ウォッチ
２ 環状のベゼル
４ 樹脂
６ 技術的刺繍、アンテナ構成体
８ 無線周波数集積回路
１０ 絶縁ワイヤまたは天然繊維
１２ 導電性ワイヤ
２０ ステップ
２２ ステップ
２４ ステップ
２６ ステップ
２８ ステップ

Claims (3)

1. 技術的刺繍から形成されたアンテナ構成体（６）を含む外部ウォッチ部品（２）を製造するための方法であって、前記技術的刺繍（６）は、絶縁ワイヤまたは天然繊維（１０）の刺繍された構造体と、少なくとも１つの導電性ワイヤ（１２）とを含み、前記少なくとも１つの導電性ワイヤ（１２）は、絶縁ワイヤまたは天然繊維（１０）の前記刺繍された構造体の中に一体化された微細なコイルを作り出すように、前記刺繍された構造体に刺繍されており、前記方法は、
   作り出されることになる前記外部ウォッチ部品の型の中で前記技術的刺繍（６）を調節するステップ（２０）と、前記少なくとも１つの導電性ワイヤ（１２）を、前記型の中に挿入された無線周波数集積回路（８）に接続するステップと、
   前記技術的刺繍（６）および前記無線周波数集積回路（８）を含浸させるために、樹脂（４）を前記型の中へ注入するステップ（２２）と、
   前記型の中に含有された前記樹脂（４）を硬化させるステップ（２４）と、
   前記型の中に含有された前記樹脂（４）を架橋するステップ（２６）と、
   前記技術的刺繍（６）、前記無線周波数集積回路（８）、および前記架橋された樹脂（４）から形成されたアセンブリを前記型から除去するステップ（２８）と
   を含み、前記外部ウォッチ部品は、ウォッチベゼル、ウォッチ・ダイアル、およびウォッチ・ケース・ミドルからなる群から選択される部品である、方法。
2. 前記樹脂（４）は、熱硬化性樹脂であり、前記樹脂を硬化させる前記ステップ（２４）の間に、硬化温度は、２００℃から２５０℃の間にあることを特徴とする、請求項１に記載の方法。
3. 前記樹脂（４）は、エラストマー樹脂であり、前記樹脂を硬化させるステップ（２４）の間に、硬化温度は、３００℃に実質的に等しいことを特徴とする、請求項１に記載の方法。

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