JP7051292B2 - 燃料電池の製造方法および燃料電池 - Google Patents
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Description
まず、図1を参照して本実施形態に係る一例として、基体管を用いる円筒形セルスタックについて説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るセルスタックの一態様を示すものである。図1は、基体管(基体)の軸方向に沿った断面を示している。基体管は必ずしも円筒型でなくてもよく、平板型でもよい。
基体管103は、多孔質材料からなり、例えば、CaO安定化ZrO2(CSZ)、CSZと酸化ニッケル(NiO)との混合物(CSZ+NiO)、又はY2O3安定化ZrO2(YSZ)、又はMgAl2O4などを主成分とする。この基体管103は、燃料電池セル105とインターコネクタ107とリード部とを支持すると共に、基体管103の内周面に供給される燃料ガスを基体管103の細孔を介して基体管103の外周面に形成される燃料極109に拡散させるものである。
空気極中間層112の厚さは、20μm以上40μm以下で設定される。
酸素侵入防止膜108は、厚さが30μm以上50μm以下で設定される。
図2に、本実施形態に係るセルスタック製造のフロー図を示す。
基体管103’(焼成前/不図示)は、例えば、押出し成形法により形成される。形成された基体管103’の直径は、軸方向で略均一となっている。
酸素侵入防止膜スラリーを調製する。酸素侵入防止膜スラリーは、酸素侵入防止膜材料の粉末とスラリー溶媒とを混合して調製する。酸素侵入防止膜材料をインターコネクタ107と同材料とする場合は、インターコネクタスラリーを用いてもよい。
(1)焼成工程の後に異物として成分が残存しない。
(後の焼成工程での加熱により、気化可能)
(2)焼成工程において、発泡等により膜を損傷させない。
(3)油性溶媒着色料の使用のための作業環境への考慮が不要である。
上記条件満たす油性溶媒着色料は、添加によってセルスタックの電池性能に悪影響を及ぼす心配はない。
第4領域Dにおいて燃料極109が基準厚さの40%から50%以下の厚さである部分に接続するインターコネクタ上に塗布する。塗布は、定量で液滴を塗布可能なジェットディスペンサで実施する。基準厚さの40%以下の厚さである部分は、予備試験を実施して予め軸方向の膜端部からの位置を画定しておくとよい。
空気極中間層スラリーを調製する。空気極中間層スラリーは、空気極113よりも粒径が細かいスラリーにより形成され、空気極中間層材料の粉末とスラリー溶媒とを混合して調製する。
インターコネクタ側空気極中間層スラリーを調製する。インターコネクタ側空気極中間層スラリーは、インターコネクタ側空気極中間層材料の粉末とスラリー溶媒とを混合して調製する。インターコネクタ側空気極中間層材料は、空気極材料を同じ成分を含む材料である。インターコネクタ側空気極中間層材料として、空気極材料と同組成の材料を用いる場合には、空気極スラリーをインターコネクタ側空気極中間層スラリーとして塗布する。
空気極スラリーを調製する。空気極スラリーは、空気極材料の粉末とスラリー溶媒とを混合して調製する。
空気極膜まで塗布された基体管103Lを、焼成炉に入れて1100℃~1250℃で、2時間~6時間程度、焼成する。焼成温度は、S1での焼成よりも低温で実施する。
以下、本実施形態のセルスタック101を用いたSOFCモジュールおよびSOFCカートリッジについて説明する。図3は、本実施形態に係るSOFCモジュールの一態様を示すものである。また、図4は、本実施形態に係るSOFCカートリッジの一態様の断面図を示すものである。
SOFCカートリッジ203は、図4に示す通り、複数のセルスタック101と、発電室215と、燃料ガス供給室217と、燃料ガス排出室219と、酸化性ガス供給室221と、酸化性ガス排出室223とを備える。また、SOFCカートリッジ203は、上部管板225aと、下部管板225bと、上部断熱体227aと、下部断熱体227bとを備える。なお、本実施形態においては、SOFCカートリッジ203は、燃料ガス供給室217と燃料ガス排出室219と酸化性ガス供給室221と酸化性ガス排出室223とが図4のように配置されることで、燃料ガスと酸化性ガスとがセルスタック101の内側と外側とを対向して流れる構造となっているが、必ずしもこの必要はなく、例えば、セルスタックの内側と外側とを平行して流れる、または酸化性ガスがセルスタックの長手方向と直交する方向へ流れるようにしても良い。
103 基体管(基体)
105 燃料電池セル
107 インターコネクタ
108 酸素侵入防止膜
109 燃料極
111 固体電解質
112 空気極中間層
113 空気極
114 インターコネクタ側空気極中間層
201 SOFCモジュール
203 SOFCカートリッジ
205 圧力容器
207 燃料ガス供給管
207a 燃料ガス供給枝管
209 燃料ガス排出管
209a 燃料ガス排出枝管
215 発電室
217 燃料ガス供給室
219 燃料ガス排出室
221 酸化性ガス供給室
223 酸化性ガス排出室
225a 上部管板
225b 下部管板
227a 上部断熱体
227b 下部断熱体
229a 上部ケーシング
229b 下部ケーシング
231a 燃料ガス供給孔
231b 燃料ガス排出孔
233a 酸化性ガス供給孔
233b 酸化性ガス排出孔
235a 酸化性ガス供給隙間
235b 酸化性ガス排出隙間
237a、237b シール部材
Claims (8)
- 基体上に、燃料極、固体電解質および空気極が順に積層された複数の発電素子と、隣り合う発電素子を電気的に直列接続するインターコネクタと、を備え、
該発電素子の前記燃料極、前記固体電解質および前記空気極が積層された第1領域と、該発電素子の前記固体電解質の一端側が前記基体もしくは、該発電素子の前記固体電解質の一端側が前記基体および前記隣りの発電素子の前記燃料極に接触し、該発電素子の前記固体電解質の空気極側の少なくとも一部が前記インターコネクタに接続する第3領域と、前記インターコネクタが前記隣の発電素子の前記燃料極に接続する第4領域と、を含む燃料電池の製造方法であって、
前記基体、前記燃料極、前記固体電解質および前記インターコネクタを含む共焼結体を焼成する工程と、
前記第3領域にある前記インターコネクタ上、および前記第4領域において前記第3領域側から前記第4領域の前記燃料極が設計値として定められた基準厚さの50%以下の厚さである部分までの範囲に接続する前記インターコネクタ上に酸素侵入防止膜スラリーを塗布する工程と、
前記発電素子の前記空気極を形成するために、前記共焼結体の前記第1領域、前記第4領域および前記第3領域を含む領域に連続的に空気極スラリーを塗布する工程と、
前記酸素侵入防止膜スラリーおよび前記空気極スラリーが塗布された前記共焼結体を焼成する工程と、
を備え、
前記酸素侵入防止膜スラリーを、インターコネクタ材料と同じ材料で調製する燃料電池の製造方法。 - 前記第3領域内で、前記固体電解質の空気極側が前記インターコネクタで覆われていない露出部を有する場合、前記酸素侵入防止膜スラリーを塗布する工程において、前記酸素侵入防止膜スラリーを、さらに、前記露出部上に塗布する請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
- 前記燃料電池は、該発電素子の前記空気極、前記インターコネクタおよび前記発電素子の隣の発電素子の前記燃料極が積層された第2領域を含み、
前記空気極スラリーを塗布する工程の前に、前記空気極スラリーと同じ成分を含む材料で調製された中間層スラリーを、前記第2領域の前記インターコネクタと前記空気極との間に挟まれるよう前記インターコネクタ上に塗布する工程を、さらに備えている請求項2に記載の燃料電池の製造方法。 - 前記酸素侵入防止膜スラリーの調製において、スラリー溶媒に油性溶剤着色料を添加して着色し、
前記焼成する工程における加熱により、前記油性溶剤着色料由来の色を脱色する請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。 - 前記スラリー溶媒は芳香族炭化水素系溶媒を含む溶媒であり、
前記油性溶剤着色料は芳香族化合物からなる化合物である請求項4に記載の燃料電池の製造方法。 - 基体上に、燃料極、固体電解質および空気極が順に積層された複数の発電素子と、隣り合う発電素子を電気的に直列接続するインターコネクタと、を備え、
該発電素子の前記燃料極、前記固体電解質および前記空気極が積層された第1領域と、該発電素子の前記固体電解質の一端側が前記基体もしくは、該発電素子の前記固体電解質の一端側が前記基体および前記隣の発電素子の前記燃料極に接触し、該発電素子の前記固体電解質の空気極側の少なくとも一部が前記インターコネクタに接続する第3領域と、前記インターコネクタが前記隣の発電素子の前記燃料極に接続する第4領域と、を含む燃料電池であって、
前記基体、前記燃料極、前記固体電解質および前記インターコネクタを含む共焼結体の前記第3領域にある前記インターコネクタ上、および前記第4領域において前記第3領域側から前記第4領域の前記燃料極が設計値として定められた基準厚さの50%以下の厚さである部分までの範囲に接続する前記インターコネクタ上で、該インターコネクタと前記空気極とに挟まれるよう配置された酸素侵入防止膜を備え、
前記酸素侵入防止膜は、インターコネクタ材料と同じ材料で構成される燃料電池。 - 前記第3領域内で、前記固体電解質の空気極側が前記インターコネクタで覆われていない露出部を有する場合、前記酸素侵入防止膜は、前記露出部上に延在する請求項6に記載の燃料電池。
- 該発電素子の前記空気極、前記インターコネクタおよび前記発電素子の隣の発電素子の前記燃料極が積層された第2領域を含み、前記第2領域において、前記インターコネクタと前記空気極との間に挟まれるよう、前記空気極と同じ成分を含む材料で構成された中間層が配置されている請求項6または請求項7に記載の燃料電池。
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