JP7049963B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
そこで、サージ電圧を抑制するための最小離間時間の決定に必要な、インバータと電動機とを接続するケーブルの長さを演算できる電力変換装置を提供する。
以下、第1実施形態について図1から図4を参照して説明する。図1に示すように、電力変換装置1は、インバータ2及び制御装置3を備えている。インバータ2は、スイッチング素子である例えばIGBT4を三相ブリッジ接続して構成されている。IGBT4には、フリーホイールダイオード5が逆並列に接続されている。インバータ2には、直流電源6より駆動用電源が供給される。インバータ2の各相出力端子は、ケーブル7を介して電動機8の各相巻線端子にそれぞれ接続されている。
(1)先ず、電動機8の巻線抵抗RMを求めるため、インバータ2と電動機8との間を、基準配線長よりも十分短いケーブルで接続する。例えば基準配線長を30mとすると、ケーブル長を10m未満にする。
(2)インバータ2により、電動機8の例えばU-V相間に一定の直流電圧を印加し、この時得られた相電流と前記直流電圧とから求める。
(3)インバータ2と電動機8との間をケーブル7で接続する。ケーブル7の長さは、基準配線長以上とする。
(5)抵抗値REを、抵抗RLMより巻線抵抗RMを減じて求める。
抵抗値REを求めると(S5:YES)、ケーブル7の長さLを次式により算出する(S6)。
L=RE/RL …(1)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図5に示すように、第2実施形態の電力変換装置21は、記憶部11に替えて、記憶部22及び減衰時間演算部23を備えている。減衰時間演算部23は、ケーブル時間演算部及び最小離間時間決定部に相当する。
t=-ln(Vtolerance/Vsurge)/(ζω) …(2a)
この場合、最小離間時間Tminは(3)式で求める。
Tmin=t/2 …(3)
図8に示すように、第3実施形態の電力変換装置31は、補償電圧演算部32を備えている。補償電圧演算部32は、ステップS5で求めたケーブル7の抵抗値REに基づいて、ケーブル7において発生する電圧降下Vdropを推定し、指令信号生成部33に入力する。指令信号生成部33は、電圧降下Vdropを用いてPWM信号の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を補償する。これにより、特に低速域において制御性能が悪化することを防止する。補償電圧演算部32は、電圧降下算出部に相当する。
Vdrop=K×I×L×Z …(4)
I:電流(A)
Z:ケーブル7のインピーダンス(Ω/m)
K:係数(単相の場合は「2」,三相の場合は「√3」)
図9に示すように、第4実施形態の電力変換装置41は、搬送波周波数制限部42を備えている。搬送波周波数制限部42は、最小離間時間Tminと、変調率αとに基づきPWM制御に用いる搬送波周波数の最大値fcを、下記の(5)式で決定する。
fc≦(1-α)/(4Tmin) …(5)
そして、最大値fcで規定した周波数の搬送波信号を駆動信号生成部12に入力する。搬送波周波数制限部42は、周波数決定部に相当する。
図10に示すように、第5実施形態の電力変換装置51は、搬送波周波数制限部42に替わる搬送波周波数制限部52と、変調率制限部53とを備えている。搬送波周波数制限部52は、最小離間時間Tminに基づき搬送波周波数の最大値fcを、下記の(6)式で決定する。
fc≦1/(2Tmin) …(6)
そして、変調率決定部に相当する変調率制限部53は、周波数の最大値fcに基づき、(5)式より変調率αの最大値αmaxを決定する。
αmax≦1-4Tmin×fc …(7)
配線基準長は、30mに限らない。
第1実施形態において、巻線抵抗RMを求めて抵抗RLMより減じる処理は、要求される制度に応じて行えば良い。
PWM制御の搬送波は、三角波に限らない。
スイッチング素子は、IGBTに限ることなく、MOSFET等でも良い。
各実施形態を、適宜組み合わせて実施しても良い。
Claims (8)
- ブリッジ接続されたスイッチング素子を備え、該スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電圧源の直流電圧を任意の振幅及び周波数の相電圧に変換し、ケーブルを介して接続されている電動機に出力するインバータと、
前記相電圧と前記直流電圧との電圧比である変調率を演算して出力する変調率演算部と、
前記変調率と前記相電圧の位相とに基づいて3相の指令信号を出力する指令信号生成部と、
前記指令信号と搬送波信号とを比較して、前記スイッチング素子をスイッチング制御する信号を発生させる信号発生部と、
前記電動機に流れる電流値を検出する電流検出器と、
前記インバータの出力電圧値と前記電流検出器により検出された電流値との関係から、前記ケーブルの長さを予測するケーブル長予測部と、
前記インバータが出力する線間電圧が一方の極性から他方の極性に反転するまでに確保すべき時間である最小離間時間と前記ケーブルの長さとの関係が、予め記憶されている記憶部と、
前記ケーブル長予測部により予測されたケーブルの長さと前記記憶部に記憶されている関係とに基づいて、前記最小離間時間を決定する時間決定部とを備える電力変換装置。 - ブリッジ接続されたスイッチング素子を備え、該スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電圧源の直流電圧を任意の振幅及び周波数の相電圧に変換し、ケーブルを介して接続されている電動機に出力するインバータと、
前記相電圧と前記直流電圧との電圧比である変調率を演算して出力する変調率演算部と、
前記変調率と前記相電圧の位相とに基づいて3相の指令信号を出力する指令信号生成部と、
前記指令信号と搬送波信号とを比較して、前記スイッチング素子をスイッチング制御する信号を発生させる信号発生部と、
前記電動機に流れる電流値を検出する電流検出器と、
前記インバータの出力電圧値と前記電流検出器により検出された電流値との関係から、前記ケーブルの長さを予測するケーブル長予測部と、
前記ケーブルを介して出力される電圧の波高値が許容値まで低下する時間である減衰時間を演算するための減衰比定数及び減衰振動周波数定数と前記ケーブルの長さとの関係が予め記憶されている記憶部と、
前記ケーブル長予測部により予測されたケーブルの長さと前記記憶部に記憶されている減衰比定数及び減衰振動周波数定数とに基づいて、ケーブル減衰時間を演算するケーブル時間演算部と、
前記ケーブル減衰時間に基づいて、前記インバータが出力する線間電圧が一方の極性から他方の極性に反転するまでに確保すべき最小離間時間を決定する最小離間時間決定部とを備える電力変換装置。 - 前記ケーブル長予測部は、
前記インバータと前記電動機とが、長さが基準配線長よりも十分短い第1ケーブルで接続された状態で、前記電流検出器により検出された電流値に基づいて測定された電流値から第1抵抗値を測定し、
前記インバータと前記電動機とが、前記基準配線長よりも長い第2ケーブルで接続された状態で、前記電流検出器により検出された電流値に基づいて測定された電流値から第2抵抗値を測定し、
前記第1抵抗値と前記第2抵抗値とから前記ケーブルの長さを予測する請求項1又は2記載の電力変換装置。 - 前記基準配線長は30mであり、前記第1ケーブルの長さは10m未満である請求項3記載の電力変換装置。
- 前記最小離間時間と前記変調率とに基づいて、前記搬送波信号の周波数の最大値を決定する周波数決定部を備える請求項1から4の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 前記最小離間時間に基づいて、前記搬送波信号の周波数の最大値を決定する周波数決定部を備える請求項1から4の何れか一項に記載の電力変換装置。
- 前記最小離間時間と前記周波数の最大値とに基づいて、前記変調率の最大値を決定する変調率決定部を備える請求項6記載の電力変換装置。
- 前記ケーブル長に応じた電圧降下値を算出する電圧降下算出部を備え、
前記指令信号生成部は、前記指令信号に、前記電圧降下値に相当する指令値を加算する請求項1から7の何れか一項に記載の電力変換装置。
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