JP7049875B2 - 希釈液製造方法および希釈液製造装置 - Google Patents

希釈液製造方法および希釈液製造装置 Download PDF

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本発明は、希釈液製造方法および希釈液製造装置に関する。
従来から、半導体デバイスや液晶デバイスの製造プロセスでは、半導体ウエハやガラス基板等の電子部品を洗浄する洗浄液として、不純物が高度に除去された超純水が用いられている。このような超純水を用いた洗浄では、比抵抗値の高い超純水を用いることで、洗浄時に静電気が発生しやすくなり、デバイス素子の静電破壊や微粒子の再付着を招くおそれがあることが知られている。そのため、近年では、比抵抗値(導電率)を所定の範囲に調整し、静電気の発生を抑制することを目的として、超純水にアンモニア水などの薬液を高精度に添加することで所定の濃度に調整された希釈液が用いられている。
特許文献1には、このような希釈液の製造装置として、超純水を供給する第1の配管と、薬液を貯留するタンクと、タンクと第1の配管とを接続する第2の配管と、タンク内の圧力を調整する圧力調整器とを有し、圧力調整器によってタンク内の薬液を第2の配管を通じて圧送し、第1の配管内の超純水に添加して希釈液を製造する製造装置が記載されている。この製造装置によれば、超純水または希釈液の流量と希釈液の濃度との測定値に基づいてタンク内の圧力を適切に制御することで、薬液の添加量を高精度に調整することができ、その結果、所定の濃度に調整された希釈液を製造することができる。
国際公開第2016/042933号
希釈液の製造装置では、製造される希釈液が半導体ウエハやガラス基板等の電子部品の洗浄に使用される場合、所定の濃度に調整された希釈液を継続的かつ安定的に製造してユースポイント(洗浄装置)に供給することが求められる。特に、このような洗浄装置では、洗浄される部品数に応じて希釈液の使用量が階段状に増減するが、それに応じて超純水の流量が急激かつ大幅に変動しても、所定の濃度に調整された希釈液を継続的かつ安定的に製造することが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の製造装置では、超純水の流量が急激かつ大幅に変動すると、薬液を添加してから希釈液の濃度を測定するまでの時間も同様に変動するため、フィードバック制御が追いつかず、目標濃度への追従遅れやハンチングが発生する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、所定の濃度に調整された希釈液を継続的かつ安定的に製造することができる希釈液製造方法および希釈液製造装置を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明の希釈液製造方法は、第1の液体に対して第2の液体を添加することで第2の液体の希釈液を製造し、ユースポイントに希釈液を供給する希釈液製造方法であって、第1の配管に第1の液体を供給する工程と、第2の液体を貯留するタンクと第1の配管とを接続する第2の配管を通じて、第1の配管内を流れる第1の液体にタンク内の第2の液体を添加する工程と、第1の配管内を流れる第1の液体または希釈液の流量を測定する工程と、希釈液の濃度を測定する工程と、希釈液の濃度が所定の濃度になるように第1の液体への第2の液体の添加量を調整する工程と、を含み、第2の液体の添加量を調整する工程が、測定された流量と測定された濃度とに基づいて、第2の液体の添加量を調整する第1の調整モードと、測定された流量に基づいて、第2の液体の添加量を調整する第2の調整モードとを切り替えて、第2の液体の添加量の調整を実行することを含み、第1の調整モードから第2の調整モードへの切り替えは、測定された流量が所定の条件を満たす場合に行われる。
また、本発明の希釈液製造装置は、第1の液体に対して第2の液体を添加することで第2の液体の希釈液を製造し、ユースポイントに希釈液を供給する希釈液製造装置であって、第1の液体を供給する第1の配管と、第2の液体を貯留するタンクと、タンクと第1の配管とを接続する第2の配管と、タンク内の第2の液体を第2の配管を通じて第1の配管に供給する液体供給部と、第1の配管内を流れる第1の液体または希釈液の流量を測定する流量測定部と、希釈液の濃度を測定する濃度測定部と、希釈液の濃度が所定の濃度になるように、液体供給部による第1の液体への第2の液体の添加量を調整する制御部であって、流量測定部と濃度測定部との測定結果に基づいて、第2の液体の添加量を調整する第1の調整モードと、流量測定部の測定結果に基づいて、第2の液体の添加量を調整する第2の調整モードとを切り替えて、第2の液体の添加量の調整を実行する制御部と、を有し、制御部は、流量測定部の測定結果が所定の条件を満たしていると判断した場合に、第2の液体の添加量の調整を、第1の調整モードから第2の調整モードに切り替える。
このような希釈液製造方法よび希釈液製造装置では、測定された流量が所定の条件を満たす場合、例えば、第1の流量が急激かつ大幅に変動した場合に、ハンチングが発生する可能性がある第1の調整モードを実行しないようにすることができる。その結果、ユースポイントでの使用状況にかかわらず、所定の濃度に調整された希釈液を安定して製造することができる。
以上、本発明によれば、所定の濃度に調整された希釈液を継続的かつ安定的に製造することができる。
本発明の一実施形態に係る希釈液製造装置の概略構成図である。 本発明の実施例における導電率の測定結果を示すグラフである。 本発明の比較例における導電率の測定結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る希釈液製造装置の概略構成図である。なお、図示した構成は、あくまで一例であって、例えば、図示した配管のうち外部設備に接続される配管にバルブやフィルタを追加して設置するなど、装置の使用目的や用途、要求性能に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
希釈液製造装置10は、第1の液体を供給する第1の配管11と、第2の液体を貯留する第1のタンク12aと、第1のタンク12aと第1の配管11とを接続し、互いに並列に接続された複数の第2の配管13とを有している。第2の液体は、希釈される薬液であり、第1の液体は、第2の液体を希釈する希釈媒体である。したがって、希釈液製造装置10は、第1の配管11を流れる第1の液体に対して第2の配管13を通じて第2の液体を添加することで第2の液体の希釈液を製造し、製造された希釈液を第1の配管11を通じてユースポイント1に供給するものである。複数の第2の配管13は、それぞれバルブV1を介して第1のタンク12aに接続されている。第1の配管11への第2の液体の供給は、複数の第2の配管13のうち1つを通じて行われるが、この詳細については後述する。複数の第2の配管13のそれぞれには、フィルタが設けられていてもよい。
第1の液体としては、その種類に特に制限はなく、超純水や純水、電解質やガス(窒素、水素、炭酸、酸素、オゾンなど)を溶解させた水、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を利用用途に合わせて使用することができる。また、第2の液体としては、希釈される目的で使用される限り、その種類に特に制限はなく、電解質やガス(窒素、水素、炭酸、酸素、オゾンなど)を溶解させた水やイソプロプルアルコール等のアルコール類を利用用途に合わせて使用することができる。製造される希釈液が半導体ウエハの洗浄に使用される場合、第1の液体として超純水を用い、第2の液体としてアンモニア水溶液を用いることが好ましい。あるいは、第2の液体として、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液も好適に用いることができる。なお、ここでいう超純水とは、超純水製造装置を用いて被処理水(原水)からイオンおよび非イオン性物質を除去して得られる処理水を意味し、具体的には、比抵抗値が18MΩ・cm以上の処理水を意味する。
また、希釈液製造装置10は、第1のタンク12a内の第2の液体を第2の配管13を通じて圧送して第1の配管11に供給するための手段として、第1のタンク12a内の圧力を調整する圧力調整部14を有している。圧力調整部14は、第1のタンク12aに接続されたタンク加圧用ガス供給ライン14aと、タンク加圧用ガス供給ライン14aに設けられた給排気機構14bとから構成されている。タンク加圧用ガス供給ライン14aは、第1のタンク12a内にタンク加圧用ガスを供給するものであり、給排気機構14bは、給気バルブV2と排気バルブV3とから構成されている。これらを開閉することで、タンク加圧用ガス供給ライン14aを通じて、第1のタンク12a内を加圧したり減圧したりすることができる。なお、給排気機構14bは、図示した構成、すなわち、給気加圧機構(給気バルブV2)と排気減圧機構(排気バルブV3)とが別々に構成されたものに限定されるものではなく、例えば、電空レギュレータなどの給気加圧機構と排気減圧機構とが一体に構成されたものであってもよい。また、第1のタンク12aには、第1のタンク12a内の圧力を測定する圧力計15が設けられている。
タンク加圧用ガスとしては、その種類に特に制限はないが、比較的容易に利用可能な、不活性ガスである窒素ガスを用いることが好ましい。ただし、製造される希釈液が、酸化されやすい材料を含む被処理体の洗浄やリンスに使用される場合、タンク加圧用ガスとして、酸素や空気を用いることは避けるべきである。そのため、たとえ窒素などの不活性ガスを用いる場合であっても、不純物として含まれる酸素の影響を受ける可能性があるため、その純度にも十分に配慮することが必要である。
さらに、希釈液製造装置10は、接続ライン16を介して第1のタンク12aに直列に接続された第2のタンク12bと、第2のタンク12bに接続された薬液供給ライン17とを有している。薬液供給ライン17は、第2のタンク12bに第2の液体を供給するものであり、第2のタンク12bは、第2のタンク12b内の第2の液体が水頭圧によって第1のタンク12aに供給されるように、第1のタンク12aに接続されている。第2のタンク12bには、大気開放バルブV4が設けられ、バルブV5を介してタンク加圧用ガス供給ライン14aも接続されている。接続ライン16には、バルブV6と、逆止弁(図示せず)とが設けられ、薬液供給ライン17には、バルブV7が設けられている。このような構成により、第2のタンク12bは、第1のタンク12aに補充される第2の液体を一時的に貯留する一時貯留タンクとして機能する。この機能については後述する。
さらに、希釈液製造装置10は、第1の配管11内を流れる第1の液体の流量を測定する流量測定手段(流量測定部)21と、希釈液の濃度を測定する濃度測定手段(濃度測定部)22と、これらの測定結果に基づいて、希釈液の濃度が所定の濃度になるように、圧力調整部14による第1の液体への第2の液体の添加量を調整する制御部20とを有している。特に、本実施形態では、制御部20は、流量測定手段21の測定結果に応じて2つの調整方法(調整モード)を切り替えて、第2の液体の添加量の調整を実行する。以下では、制御部20による第2の液体の添加量の2つの調整方法について説明するが、その前に、この添加量調整の基となるハーゲン・ポアズイユの法則について簡単に説明する。
ハーゲン・ポアズイユの法則とは、円形管路内の層流の損失水頭に関する法則であり、管の内径をD[m]、管の長さをL[m]、管の両端の圧力勾配をΔP[Pa]、液体の粘性係数をμ[Pa・s]、管内を流れる液体の流量をQ[m/s]とすると、
Q=(π×D×ΔP)/(128×μ×L)
という関係で表される。すなわち、ハーゲン・ポアズイユの法則によれば、円管を流れる液体の流量Qが、円管の内径Dの4乗と両端の圧力勾配ΔPとに比例し、円管の長さLと液体の粘性係数μとに反比例する。
本実施形態の希釈液製造装置では、それぞれの第2の配管を通じた第2の液体の供給に、ハーゲン・ポアズイユの法則が応用されている。第2の配管のそれぞれの長さLおよび内径Dは固定された値であり、第2の液体の種類が決定されれば、その粘性係数μも固定された値である。そのため、それぞれの第2の配管の両端間の圧力勾配ΔPに対応するタンク内の圧力を制御するだけで、それぞれの第2の配管内の流量Qを比例制御することが可能になる。
次に、制御部20による第2の液体の添加量の2つの調整方法(調整モード)について説明する。
まず、製造される希釈液の濃度の目標値が設定され、設定された目標濃度に対して、第2の液体の添加量が計算される。具体的には、流量測定手段21によって第1の液体の流量が測定され、目標濃度を達成するための第2の液体の目標添加量が計算される。次に、計算された目標添加量に対して、複数の第2の配管13のうち、使用する1つの第2の配管13が決定され、決定された第2の配管13に対して、目標添加量(流量)を実現するための第1のタンク12a内の圧力の目標値が算出される。そして、使用する第2の配管13のバルブ13aを開放した後、圧力調整部14により、算出された目標圧力に第1のタンク12a内の圧力を調整することで、第1のタンク12aから第2の配管13を通じて第1の配管11内の第1の液体に第2の液体が所定の添加量で添加される。
このとき、上述したハーゲン・ポアズイユの法則によれば、第2の配管13を流れる第2の液体の流量Qは第2の配管13の両端の圧力勾配ΔPに比例する。そのため、例えば第1の液体の流量が変化した場合には、その変化に対して圧力勾配ΔPがある比例定数で比例するように、第1のタンク12a内の圧力を変化させる。例えば、第1の液体の流量が2倍になった場合、圧力勾配ΔPを2倍にして第2の液体の流量も2倍にし、第1の液体の流量が1/2になった場合、圧力勾配ΔPを1/2にして第2の液体の流量も1/2にする。このような調整方法により、結果的に第1の液体の流量と第2の液体の流量との比例関係が保たれ、第1の液体の流量が変動した場合にも、安定した濃度の希釈液を得ることができる。以下、このような調整モード、すなわち、流量測定手段21により測定された第1の液体の流量に基づいて、第2の液体の添加量を調整するモードを、「流量比例制御モード」という。なお、実際には、第2の液体の流量を第1の液体の流量に対して段階的に変化させれば、第1の液体の流量に比例させなくても安定した濃度の希釈液を得ることができる場合もある。本実施形態では、このような調整方法も、流量比例制御モードに含まれることに留意されたい。
ただし、第1のタンク12aにおける第2の液体の揮散や分解などにより、第2の液体自体の濃度が一定でない場合もある。その場合、流量比例制御モードでは、製造される希釈液の濃度が、当初は目標濃度を含む所定の濃度範囲内に調整されていたとしても、その濃度範囲から徐々に外れていく可能性がある。そのため、濃度測定手段22によって希釈液の濃度が測定され、測定された希釈液の濃度が所定の濃度範囲から外れていると、当該希釈液の濃度が所定の濃度範囲内に収まるように、上述の比例定数が修正される。このフィードバック制御(例えば、PID制御)により、装置の運転当初や希釈液の濃度の目標値が変更されたときにも、比例定数を最適な値に自動的に変更することができる。その結果、所定の濃度に調整された希釈液を安定して製造することができる。以下、このような調整モード、すなわち、流量測定手段21により測定された第1の液体の流量と濃度測定手段22により測定された希釈液の濃度とに基づいて、第2の液体の添加量を調整するモードを、「フィードバック制御モード」という。
上述したように、フィードバック制御モードでは、濃度測定手段22の測定結果を利用するため、流量比例制御モードに比べて、希釈液のより正確な濃度制御が可能になる。したがって、理想的には、常にフィードバック制御モードが実行されることが好ましい。しかしながら、第1の配管11内を流れる第1の液体の流量が大幅に変動した場合、第2の液体を添加してから希釈液の濃度を測定するまでの時間も同様に変動するため、フィードバック制御が追いつかない可能性がある。例えば、第1の液体の流量が大幅に低下した場合、希釈液の濃度変化を測定するまでに時間がかかり、フィードバック制御で濃度が安定する前に、不適切な濃度の希釈液がユースポイントに供給されてしまう。一方、流量が大幅に上昇した場合、希釈液の濃度変化を測定するまでの時間が短縮され、フィードバック制御にとっては好ましい状況になる。しかしながら、流量が急激に上昇すると、フィードバック制御の操作量(第2の液体の添加量)の追従に遅れが生じ、目標添加量に到達するまでに時間を要したり、操作量が過剰となってオーバーシュートが発生したりすることがある。その結果、希釈液の濃度が安定するまでにかえって時間がかかってしまうことがある。このような流量変動は、製造される希釈液が半導体ウエハの洗浄やリンスに使用される場合、洗浄またはリンスされる半導体ウエハの枚数に応じてユースポイント(洗浄装置)での希釈液の使用量が階段状に増減するため、特に顕著である。
そこで、本実施形態では、通常はフィードバック制御モード(第1の調整モード)が実行され、流量測定手段21の測定結果が所定の条件を満たす場合に、流量比例制御モード(第2の調整モード)への切り替えが行われる。具体的には、流量測定手段21による測定値が所定時間以内に第1の値から第2の値まで変化したときに、第1の値と第2の値との差の絶対値(流量変化量)を第1の値(変化前の流量)と第2の値(変化後の流量)との積で除した値(以下、「判定値」という)が所定の上限値以上である場合に、第1の流量が急激かつ大幅に変動したと判断され、フィードバック制御モードから流量比例制御モードへの切り替えが行われる。これにより、第1の液体の流量が急激かつ大幅に変動した場合に、フィードバック制御モードを実行しないようにすることができ、目標濃度への追従遅れやハンチングが発生する可能性を回避することができる。その結果、ユースポイントでの使用状況にかかわらず、所定の濃度に調整された希釈液を安定して製造することができる。なお、大幅な流量変動が発生しても、それが緩やかなものであれば、フィードバック制御は十分に追従することができるため、制御モードの切り替えを行うメリットが少ない。そのため、上記所定時間に特に制限はないが、あまりに長すぎるのは好ましくなく、長くても1秒程度、短くても制御部20のサンプリング周期程度である。
フィードバック制御モードから流量比例制御モードへの切り替えの要否を判断する指標としては、上述した判定値に限定されず、例えば、流量変化量そのものであってもよい。すなわち、流量変化量が一定以上となった場合に、制御モードの切り替えが行われるようになっていてもよい。しかしながら、流量変動前の流量が大きく異なる場合(例えば40L/minと2L/minの場合)、流量変化量が同じ(例えば1L/min)であっても、それが実際の流量制御に与える影響は大きく異なる。したがって、このような流量そのものによる影響を最小限にする意味でも、上述したように、流量変化量だけでなく流量そのものも考慮した上記判定値に基づいて、制御モードの切り替えを判断することが好ましい。
ところで、上記判定値は、濃度測定手段22が設けられたサンプリング配管18内で流量変動がないとすると、第1の配管11内の希釈液が複数の第2の配管13との接続部からサンプリング配管18との分岐点まで到達する時間(以下、「到達時間」という)の変化量(流量変動前後での到達時間の差)と比例関係にある。このときの比例定数は、第1の配管11の、複数の第2の配管13との接続部からサンプリング配管18との分岐点までの容積である。そのため、配管構成(寸法や配管同士の接続位置など)によっては、判定値が同じであっても、それから換算される到達時間の変化量がそれほど大きくなく、流量制御にさほど影響を与えないこともある。このことから、判定値と比較される上記上限値は、実際の装置における配管構成を考慮して適切な値に設定されることが好ましい。一例として、サンプリング配管18内で流量変動がないとし、第1の配管11の寸法のうち、内径が22mm、複数の第2の配管13との接続部からサンプリング配管18との分岐点までの距離が1mであるとすると、0.002min/L、より好ましくは0.005min/Lである。なお、上述したような理由から、流量測定手段21の測定値を直接監視する代わりに、流量測定手段21の測定値から換算した到達時間を監視するようになっていてもよい。
流量比例制御モードは、第1の液体の流量が安定状態になった後も、フィードバック制御モードが適切に実行できる程度に希釈液の濃度が安定するまで、一定時間継続して実行されることが好ましい。すなわち、流量比例制御モードは、フィードバック制御モードから流量比例制御モードへの切り替えが行われてから所定時間(例えば40秒)が経過するまで実行され、その後で、再びフィードバック制御モードへの切り替えが行われることが好ましい。また、その実行中に、再び第1の液体が急激かつ大幅に変動した場合(すなわち、流量測定手段21による測定値が上述した条件を満たした場合)には、流量比例制御モードは、その時点から再び所定時間(例えば40秒)が経過するまで実行され、その後で、フィードバック制御モードへの切り替えが行われることが好ましい。これにより、フィードバック制御モードによる希釈液の安定した濃度制御を迅速に復帰させることができる。ここでの所定時間としては、特に制限はなく、配管の構成などに応じて適切な時間を設定することができる。なお、希釈液の濃度が安定した後であっても、第1の液体の流量自体が小さく、第2の液体を添加してから希釈液の濃度を測定するまでの時間が非常に長くなるなど、フィードバック制御モードが適切に実行できない場合には、フィードバック制御モードへの切り替えは行われなくてもよい。
流量測定手段21としては、その構成に特に制限はなく、例えば、カルマン渦流量計や超音波流量計を用いることができる。また、流量測定手段21は、第1の配管11内を流れる第1の液体の流量変動を監視できる位置に設置されていればよく、その設置位置に特に制限はない。また、図示した実施形態では、流量測定手段21は、第1の配管11のうち、複数の第2の配管13との接続部よりも上流側に設けられているが、この接続部よりも下流側に設置されて、第1の配管11内を流れる希釈液の流量を測定するようになっていてもよい。これは、第2の液体の供給量(流量)が第1の液体の流量に比べてはるかに少なく、希釈液の流量を第1の液体の流量と等価に扱うことができるためである。
濃度測定手段22としては、希釈液の濃度を電気化学的定数として測定できるものであれば、その構成に特に制限はなく、例えば、電気導電率計、pH計、比抵抗計、ORP計(酸化還元電位計)、またはイオン電極計などを用いることができる。製造される希釈液が帯電防止や除電を目的として被処理体の洗浄やリンスに使用される場合、濃度測定手段22としては、電気導電率計や比抵抗計を用いることが好ましい。濃度測定手段22は、図示したように、第1の配管11のうち、複数の第2の配管13との接続部よりも下流側に設置されているが、この設置位置において、第1の配管11に直接取り付けられていてもよく、あるいは、第1の配管11に並列に設けられたバイパス配管に取り付けられていてもよい。
ハーゲン・ポアズイユの法則からも理解できるように、第2の液体の供給量(流量Q)の精度は、第2の配管13の両端の圧力勾配ΔPに大きな影響を受ける。そのため、第1の配管11と第2の配管13との接続部における圧力が大きく変動する場合、フィードバック制御モードと流量比例制御モードのいずれにおいても、所定の濃度に調整された希釈液を安定して製造することが困難になる。この接続部における圧力変動を監視するために、図示したように、第1の配管11内の圧力を測定する圧力測定手段23が設けられている。したがって、希釈液の濃度を目標濃度にするための第1のタンク12a内の圧力の目標値の算出が、フィードバック制御モードでは、流量測定手段21と濃度測定手段22と圧力測定手段23との測定結果に基づいて行われ、流量比例制御モードでは、流量測定手段21と圧力測定手段23との測定結果に基づいて行われるようになっている。圧力測定手段23の構成には特に制限はなく、その設置位置も、図示した実施形態では、複数の第2の配管13との接続部よりも上流側であるが、接続部における管内の圧力を測定することができれば、接続部よりも下流側であってもよい。
これまで繰り返し述べているように、第2の配管13内を流れる第2の液体の流量Qは、第2の配管13の両端の圧力勾配ΔPに比例する。そのため、この圧力勾配ΔPを大きく変化させることができれば、第2の液体の幅広い供給量(流量)を実現して、幅広い濃度範囲に対応することが可能である。しかしながら、実用上、第1のタンク12aに加えられる圧力には上限があるため、圧力勾配ΔPを大きく変化させることは困難であり、第2の液体の添加量の調整範囲にも限界がある。
その一方で、ハーゲン・ポアズイユの法則によれば、第2の液体の流量Qは、第2の配管13の内径D(の4乗)にも比例し、その長さLには反比例する。この点に着目し、本実施形態では、第2の液体の幅広い供給量(流量)を実現するために、複数の第2の配管13は、内径および長さの少なくとも一方が互いに異なるように構成されている。すなわち、複数の第2の配管13は、内径および長さの少なくとも一方が互いに異なることで、例えば第1のタンク12a内の圧力が一定であっても互いに異なる流量で第2の液体を通過させるように構成されている。これにより、装置全体として、第2の液体の添加量の調整範囲を広げることが可能になり、幅広い濃度範囲の希釈液を製造することが可能になる。
個々の第2の配管13の内径は、特定の寸法に限定されるものではないが、製造される希釈液の濃度をより精密に制御するためには、それぞれの第2の配管13の内径が0.1mmを超え4mm以下であることが好ましく、0.2mmを超え0.5mm以下であることがより好ましい。これは、第2の配管13内の第2の液体の流れが層流(規則正しい整然とした流れ)になりやすくなるためである。すなわち、管内の流れが乱流(不規則な流れ)になると、上述したハーゲン・ポアズイユの法則が成り立たなくなり、第2の配管内を流れる第2の液体の流量Qを、第2の配管の両端間の圧力勾配ΔPで比例制御することが困難になるためである。換言すると、流量Qと圧力勾配ΔPの良好な比例関係を維持するために、個々の第2の配管13は、管内を流れる第2の液体の流れが層流になっていることが好ましい。なお、この内径の好適な範囲の詳細については、特許文献1を参照されたい。
また、個々の第2の配管13の長さについても、特定の寸法に限定されるものではないが、長さが短すぎると、管内の流量に影響が出やすく、液体の流量を配管両端の圧力勾配で比例制御することが困難になる。また、長さが長すぎると、配管の設置が困難になることに加え、配管と液体との接触面積が大きくなり、配管内の液体の汚染が増加する可能性がある。そのため、個々の第2の配管13の長さは、0.01m以上100m以下の範囲であることが好ましく、0.1m以上10m以下の範囲であることがより好ましい。
さらに、第2の配管13として内径が0.1mm以下のものや長さが100mを超えるものは、その組み合わせにもよるが、第2の液体が配管13を流れる際の抵抗が大きくなりやすく、すなわち、タンク内の圧力が高圧になりやすい。したがって、このような内径および長さは、装置を構成する部品類(配管やバルブなど)の選定が耐圧の点から困難となるため好ましくない。また、第2の配管13として内径が4mmを超えるものや長さが0.01m未満のものは、その組み合わせにもよるが、第2の液体が配管13を流れる際の抵抗が小さくなりやすく、すなわち、タンク内の圧力のわずかな変化で第2の液体の流量が変化しやすくなる。したがって、このような内径および長さは、タンク内の圧力制御が困難となるため好ましくない。
第2の配管13の材質や形状には特に制限はないが、樹脂製の柔軟なチューブが好適に用いられる。そのような樹脂としては、PFAやETFEなどのフッ素樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、製造される希釈液が半導体ウエハの洗浄やリンスに使用される場合には、溶出の少ないフッ素樹脂が特に好ましい。また、第2の液体が揮発性のある液体の場合、管内の液体が揮発して外部に拡散することによる液体の濃度変動を抑制するために、第2の配管13としては、全体がガス透過性の低い材料からなるものを用いることが好ましい。あるいは、最内層(接液層)が溶出の少ないフッ素樹脂からなり、最外層がガス透過性の低いフッ素化合物やポリプロピレンなどからなる多層管を用いることが好ましい。ガス透過性の低い材料を用いることは、上述したように、製造される希釈液の用途によっては希釈液に含まれる酸素が悪影響を及ぼすこともあることから、空気中の酸素が第2の配管13の外側から内側へと拡散することを抑制し、第2の液体中の溶存酸素濃度が上昇することを抑制できる点でも好ましい。
第2の配管13の第1の配管11への接続方法としては、第1の液体と第2の液体が適切に混合するものであれば特に制限はない。例えば、第2の配管13は、その先端が第1の配管11の中心部に位置するように第1の配管11に接続されていることが好ましく、これにより、効率的に第1の液体と第2の液体を混合することができる。また、複数の第2の配管13は、構造が簡単になり、液溜まりの少ない構造にもなる点で、それぞれ個別に第1の配管11に接続されていることが好ましい。
図示した例では、4本の第2の配管13が設けられているが、第2の配管13の数は4つに限定されるものではなく、要求される希釈液の濃度範囲に応じて、例えば、2つ、3つ、または5つ以上と適宜変更可能である。それに応じて、内径と長さの組み合わせも、特定の組み合わせに限定されるものではなく、適宜変更可能である。内径と長さの組み合わせとしては、どちらか一方のみが異なるものも考えられる。その場合、上述したように、第1のタンク12aに加えられる圧力には上限があることから、第2の液体の添加量の調整範囲をより広げることができる点で、内径が互いに異なるものを組み合わせた方が好ましい。これは、上述したハーゲン・ポアズイユの法則により、第2の配管13を流れる第2の液体の流量Qに対し、長さLが1乗で影響するのに対して、内径Dが4乗で影響することからも明らかである。なお、本実施形態では、第1の配管11への第2の液体の供給は、複数の第2の配管13のうち1つを通じて行われるが、要求される希釈液の濃度範囲によっては、複数の第2の配管13のうち2本以上の第2の配管13を通じて行われるようになっていてもよい。
第1の配管11と第2の配管13との接続部における圧力自体を低くすることでも、圧力勾配ΔPを大きく変化させることができ、第2の液体の添加量の調整範囲を広げることができる。そのために、接続部よりも上流側の第1の配管11には、減圧弁が設けられていてもよい。
上述したように、本実施形態では、第2のタンク12bが、第1のタンク12aに補充される第2の液体を一時的に貯留する一時貯留タンクとして機能する。すなわち、希釈液が製造される通常運転時、第1のタンク12aの液位に基づいて、第2のタンク12bから第1のタンク12aに第2の液体が適宜補充され、その結果、第1のタンク12aから第1の配管11に第2の液体が継続的に供給される。これにより、タンクの交換作業が不要になり、装置の運転を停止する必要がなくなることで、希釈液の製造を継続的に安定して行うことが可能になる。以下、この補充動作について説明する。
通常運転時、第1のタンク12aにタンク加圧用ガス供給ライン14aを通じてタンク加圧用ガス(例えば、窒素ガス)が導入され、圧力計15による測定値(第1のタンク12a内の圧力)が給排気機構14bによって目標圧力になるように調整される。こうして、第1のタンク12a内の第2の液体が、指定された第2の配管13を通じて所定の添加量で第1の配管11内の第1の液体に添加される。なお、このとき、以下のバルブ、すなわち、第2のタンク12bの大気開放バルブV4、第2のタンク12bとタンク加圧用ガス供給ライン14aとを接続するバルブV5、接続ライン16のバルブV6、および薬液供給ライン17のバルブV7は、いずれも閉鎖された状態にある。ただし、このときの第2のタンク12bの大気開放バルブV4の状態は、閉鎖された状態に限定されるものではなく、場合によっては開放された状態にあってもよい。
第1のタンク12aから第1の配管11に第2の液体が供給されることで、第1のタンク12a内の液位が所定の下限液位を下回ると、第2のタンク12bの大気開放バルブV4が開放される。続いて、薬液供給ライン17のバルブV7が開放され、薬液供給ライン17を通じて第2の液体が第2のタンク12bに供給されて貯留される。そして、第2のタンク12b内の液位が所定の上限液位に達すると、薬液供給ライン17のバルブV7が閉鎖され、第2のタンク12bの大気開放バルブV4が閉鎖される。その後、タンク加圧用ガス供給ライン14aと第2のタンク12bとを接続するバルブV5が開放され、第2のタンク12bにタンク加圧用ガス供給ライン14aを通じてタンク加圧用ガスが導入される。このとき、圧力計15による測定値が給排気機構14bによって目標圧力になるように調整される。すなわち、第1のタンク12a内の圧力が目標圧力に調整された状態を維持しながら、第2のタンク12b内の圧力もその目標圧力になるように調整される。第2のタンク12b内の圧力がその目標圧力に達すると、接続ライン16のバルブV6が開放されて、第2のタンク12bから第2の液体が水頭圧によって第1のタンク12aに移送される。第2の液体の移送が完了すると、接続ライン16のバルブV6が閉鎖され、第2のタンク12bは、次回の補充動作まで待機状態になる。
この補充動作では、上述したように、第2のタンク12bから第1のタンク12aへの第2の液体の移送は、第2のタンク12b内の圧力が第1のタンク12a内の圧力に一致するように調整された後で行われる。これにより、第2のタンク12bから第1のタンク12aに水頭圧によって第2の液体が移送される際に、第1のタンク12aの圧力変動を極力抑えることができ、製造される希釈液の濃度変動を極力抑えることができる。なお、第2のタンク12bは、第2の液体が水頭圧によって第1のタンク12aに確実に移送されるように、その底面が第1のタンク12aの天面よりも高い位置にあることが好ましい。
上述した例では、第2のタンク12bへの第2の液体の貯留は、第1のタンク12a内の液位が所定の下限液位を下回った時点で開始されるが、このタイミングに限定されず、任意のタイミングで行うことができる。このとき、第2の液体が揮発性のある液体の場合、第2の液体の揮発を抑制するために、第2の液体の補充後に大気開放バルブV4は閉鎖されたままであることが特に好ましい。同様に、第2のタンク12bから第1のタンク12aへの第2の液体の移送も、第2のタンク12bに第2の液体が貯留された後、任意のタイミングで行うことができる。ただし、第1のタンク12aが空になるまで第2の液体の供給を行うと、第2の配管にタンク加圧用ガスが溜まってしまい、そのガスが第1の配管に供給され、製造される希釈液に濃度変動が発生する可能性がある。そのため、少なくとも第2のタンク12bから第1のタンク12aへの第2の液体の移送は、第1のタンク12aから第2の液体が継続的に供給されるように、上述したタイミング、すなわち、第1のタンク12aが空になる前に開始されることが好ましい。
本実施形態では、タンク内の第2の液体を第2の配管を通じて第1の配管に供給する液体供給部として、タンク内の圧力を調整して第2の液体を圧送する圧力調整部を例示したが、液体供給部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、薬液注入ポンプを用いることもでき、その場合にも、上述した2つの調整モードを切り替えて、第2の液体の添加量の調整を実行することができる。
(実施例)
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明の効果について説明する。
本実施例では、図1に示す希釈液製造装置を用い、希釈液として希薄アンモニア水を製造し、第1の液体の流量を階段状に変化させたときの希薄アンモニア水の導電率を測定した。具体的には、第1の配管として、内径が22mm、第2の配管との接続部からサンプリング配管との分岐点までの距離が1mのものを用いて、希薄アンモニア水を製造し、第1の液体の流量を180秒ごとに40,5,40,10,40,15,40L/minと階段状に変化させたときの希薄アンモニア水の導電率を測定した。製造する希薄アンモニア水は、導電率の目標値を40μS/cmに設定し、第1の液体として、比抵抗値が18MΩ・cm以上、全有機炭素(TOC)が1.0ppb以下の超純水を用い、第2の液体として、29wt%のアンモニア水(電子工業用、関東化学(株)製)を用いた。第1のタンクに導入するタンク加圧用ガスとしては、窒素ガスを用いた。
超純水へのアンモニア水の添加量の調整方法として、2つの調整モード(フィードバック制御モードおよび流量比例制御モード)を用い、これらを超純水の流量変動に応じて適宜切り替えて実行した。具体的には、上述した流量変動時にはいずれも、フィードバック制御モードから流量比例制御モードへの切り替えが行われるようにし、流量比例制御モードが40秒間実行された後、再びフィードバック制御モードへの切り替えが行われるようにした。なお、超純水が15L/minから40L/minに変化したときの上記判定値は、0.175である。
また、比較例として、超純水へのアンモニア水の添加量の調整方法としてフィードバック制御モードのみを用いた点を除いて、実施例と同様の条件で希薄アンモニア水を製造し、その希薄アンモニア水の導電率を測定した。
図2および図3には、それぞれ実施例および比較例における導電率の測定結果を示している。これらの図からわかるように、実施例では、導電率の目標値(40μS/cm)に対する最大変動幅が4.0%(Δmax=1.61μS/cm)であったのに対し、比較例では、流量変動の度に導電率に大きなばらつきが発生し、その最大変動幅は9%(Δmax=3.54μS/cm)であった。したがって、超純水の急激かつ大幅な流量変動が発生した場合には、フィードバック制御モードを実行しないことで、ハンチングの発生が抑制され、希釈液のより安定した濃度制御が実現されることが確認された。
1 ユースポイント
10 希釈液製造装置
11 第1の配管
12a 第1のタンク
12b 第2のタンク
13 第2の配管
14 圧力調整部
14a タンク加圧用ガス供給ライン
14b 給排気機構
15 圧力計
16 接続ライン
17 薬液供給ライン
18 サンプリング配管
20 制御部
21 流量測定手段
22 濃度測定手段
23 圧力測定手段
V1,V5~V7 バルブ
V2 給気バルブ
V3 排気バルブ
V4 大気開放バルブ

Claims (12)

  1. 第1の液体に対して第2の液体を添加することで該第2の液体の希釈液を製造し、ユースポイントに前記希釈液を供給する希釈液製造方法であって、
    第1の配管に前記第1の液体を供給する工程と、
    前記第2の液体を貯留するタンクと前記第1の配管とを接続する第2の配管を通じて、前記第1の配管内を流れる前記第1の液体に前記タンク内の前記第2の液体を添加する工程と、
    前記第1の配管内を流れる前記第1の液体または前記希釈液の流量を測定する工程と、
    前記希釈液の濃度を測定する工程と、
    前記希釈液の濃度が所定の濃度になるように前記第1の液体への前記第2の液体の添加量を調整する工程と、を含み、
    前記第2の液体の添加量を調整する工程が、前記測定された流量と前記測定された濃度とに基づいて、前記第2の液体の添加量を調整する第1の調整モードと、前記測定された流量に基づいて、前記第2の液体の添加量を調整する第2の調整モードとを切り替えて、前記第2の液体の添加量の調整を実行することを含み、
    前記第1の調整モードから前記第2の調整モードへの切り替えは、前記測定された流量が所定の条件を満たす場合に行われる、希釈液製造方法。
  2. 前記所定の条件は、前記測定された流量が所定時間以内に第1の値から第2の値まで変化したときに、前記第1の値と前記第2の値とに基づいて設定される条件である、請求項1に記載の希釈液製造方法。
  3. 前記第1の調整モードから前記第2の調整モードへの切り替えが行われ、前記第2の調整モードが一定時間継続して実行された後、前記第2の調整モードから前記第1の調整モードへの切り替えが行われる、請求項1または2に記載の希釈液製造方法。
  4. 前記第2の液体を添加する工程が、前記タンク内の圧力を調整して該タンク内の前記第2の液体を前記第2の配管を通じて圧送することを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の希釈液製造方法。
  5. 前記第2の配管との接続部における前記第1の配管内の圧力を測定する工程をさらに含み、
    前記第1の調整モードでは、前記測定された流量と前記測定された濃度と前記測定された圧力とに基づいて、前記第2の液体の添加量が調整され、前記第2の調整モードでは、前記測定された流量と前記測定された圧力とに基づいて、前記第2の液体の添加量が調整される、請求項4に記載の希釈液製造方法。
  6. 前記第1の液体を供給する工程が、前記第1の液体として超純水を供給することを含み、前記第2の液体を添加する工程が、前記第2の液体としてアンモニア水溶液または水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を添加することを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の希釈液製造方法。
  7. 第1の液体に対して第2の液体を添加することで該第2の液体の希釈液を製造し、ユースポイントに前記希釈液を供給する希釈液製造装置であって、
    前記第1の液体を供給する第1の配管と、
    前記第2の液体を貯留するタンクと、
    前記タンクと前記第1の配管とを接続する第2の配管と、
    前記タンク内の前記第2の液体を前記第2の配管を通じて前記第1の配管に供給する液体供給部と、
    前記第1の配管内を流れる前記第1の液体または前記希釈液の流量を測定する流量測定部と、
    前記希釈液の濃度を測定する濃度測定部と、
    前記希釈液の濃度が所定の濃度になるように、前記液体供給部による前記第1の液体への前記第2の液体の添加量を調整する制御部であって、前記流量測定部と前記濃度測定部との測定結果に基づいて、前記第2の液体の添加量を調整する第1の調整モードと、前記流量測定部の測定結果に基づいて、前記第2の液体の添加量を調整する第2の調整モードとを切り替えて、前記第2の液体の添加量の調整を実行する制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記流量測定部の測定結果が所定の条件を満たしていると判断した場合に、前記第2の液体の添加量の調整を、前記第1の調整モードから前記第2の調整モードに切り替える、希釈液製造装置。
  8. 前記制御部は、前記流量測定部により測定された流量の変化量が所定値以上であり、かつ、前記流量測定部により測定された流量の単位時間当たりの変化率が所定値以上であると判断した場合、前記第2の液体の添加量の調整を、前記第1の調整モードから前記第2の調整モードに切り替える、請求項7に記載の希釈液製造装置。
  9. 前記制御部は、前記第2の液体の添加量の調整を、前記第1の調整モードから前記第2の調整モードに切り替えてから所定時間が経過した後、前記第2の調整モードから前記第1の調整モードに切り替える、請求項7または8に記載の希釈液製造装置。
  10. 前記液体供給部が、前記タンク内の圧力を調整して該タンク内の前記第2の液体を前記第2の配管を通じて圧送する圧力調整部を有する、請求項7から9のいずれか1項に記載の希釈液製造装置。
  11. 前記第2の配管との接続部における前記第1の配管内の圧力を測定する圧力測定部をさらに有し、
    前記制御部は、前記第1の調整モードでは、前記流量測定部と前記濃度測定部と前記圧力測定部との測定結果に基づいて、前記第2の液体の添加量を調整し、前記第2の調整モードでは、前記流量測定部と前記圧力測定部との測定結果に基づいて、前記第2の液体の添加量を調整する、請求項10に記載の希釈液製造装置。
  12. 前記第1の液体が、超純水であり、第2の液体が、アンモニア水溶液または水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液である、請求項7から11のいずれか1項に記載の希釈液製造装置。
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