JP7048804B1 - プログラム、方法、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】技術動向に関する情報を調査する際のユーザの操作性を向上させる。【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報の少なくともいずれかを取得して記憶部に蓄積させるステップと、前記蓄積される情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行させる、プログラム。【選択図】図11

Description

本開示は、技術の動向に関する情報を提供するプログラム、方法、電子機器に関する。
企業等における技術動向を知るために論文や特許に関する情報を提供する方法がある。特許文献1には、特許情報と事業動向と市場情報とを時間軸に沿って表示する方法について開示がされている。
特開2019-82858号公報
特許文献1の方法では、市場の大きさ、自社や他社の事業動向と特許情報とを並べて比較することができるが、例えば各国における技術に関わる投資、論文数といったマクロの視点から技術動向を知るためには別途ユーザが調査を行う必要がある。また、調査を行なったとしても、マクロの視点ではあまり流行していない技術だったことが後からわかる可能性もある。よって、ユーザが事業化の可能性の高いもしくは伸びる可能性のある事業に関する技術を特定し、さらにその中で事業化の可能性の高い企業もしくは研究者を特定することが簡単に行うことができなかった。
本発明は、上記の課題に鑑み、技術動向に関する情報を調査する際のユーザの操作性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報の少なくともいずれかを取得して記憶部に蓄積させるステップと、前記蓄積される情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行させる。
技術動向に関する情報を調査する際のユーザの操作性を向上させることができる。
本実施形態における情報提供システム1の全体の構成を示す図である。 本実施形態における情報提供システム1を構成する端末装置10のブロック図である。 本実施形態におけるサーバ20の機能的な構成を示す図である。 本実施形態における技術定義データベース241のデータ構造を示す図である。 本実施形態における国家科研費・投資情報データベース243のデータ構造を示す図である。 本実施形態における規制緩和情報データベース244のデータ構造を示す図である。 本実施形態における特許定義データベース242のデータ構造を示す図である。 本実施形態における論文データベース245のデータ構造を示す図である。 本実施形態における企業グループデータベース246のデータ構造を示す図である。 本実施形態における端末装置とサーバとの情報提供処理における連携処理を示すフローチャートである。 本実施形態における情報提供処理を示すフローチャートである。 本実施形態における技術分類を選択する際の画面例の図である。 本実施形態における特許動向及び論文動向を示す画面例の図である。 本実施形態における論文動向の研究者寄稿数を示す画面例の図である。 本実施形態における論文動向の共同執筆に関する研究者寄稿数を示す画面例の図である。 本実施形態における対象企業のある地域における出願件数を示す画面例の図である。 本実施形態における対象企業、対象技術の各地域における特許出願件数を示す画面例の図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を適用可能な一つの実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<1 構成>
図1は、情報提供システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、情報提供システム1は、ユーザの端末装置10と、ユーザへ情報提供をするためのサーバ20とを含む。サーバ20は、ユーザに対し、技術や経済に関する情報を提供するためのものであり、具体的には、産業、業界、市場、企業、消費者の動向、技術トレンド、各国の科研費・投資情報など様々な情報を提供する。また、ニュース、統計、M&A、特許動向、論文動向、研究者情報なども提供する。ユーザは、例えば事業会社の経営層、事業部門、研究開発部門、営業部門、法務部門など企業を構成する様々な層の人員である。ユーザは、企業において、サーバ20から提供される情報をもとに、事業戦略を立案すること、研究開発戦略を立案すること、知的財産戦略を立案すること等を行うとともに、社内の各担当者と情報を共有して、事業を進行させる。具体的には、とある技術分野について、国ごとにどのくらいの科研費が投資されているか、企業や個人からの研究への投資額がいくらかといったマクロの視点での情報を提供する。マクロの視点で提供された情報に基づき、ユーザはさらにどの研究者、企業が優位な立場に立っているのかといった詳細情報を確認する。
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク80を介して通信接続する。例えば、端末装置10のユーザは、ブラウザ等により、サーバ20が提供するWebサイトへアクセスする。
端末装置10は、各ユーザが操作する装置である。端末装置10は、例えば据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC、移動体通信システムに対応したスマートフォン、タブレット等の携帯端末などにより実現される。
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ20と通信可能に接続される。端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線基地局、IEEE802.11などの無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することによりネットワーク80に接続される。
サーバ20は、端末装置10の各ユーザの情報を管理する。例えば、サーバ20は、各ユーザのログイン情報、各ユーザの設定等を記憶しており、サーバ20へアクセスする端末装置10のユーザを認証する処理等を行う。
図示するように、サーバ20は、通信IF(Interface)22、入出力IF23、メモリ25、ストレージ26、プロセッサ29、記憶部24等を備える。
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ26は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
<1.1 端末装置10の構成>
図2は、実施形態1の情報提供システム1を構成する端末装置10のブロック図である。図2に示すように、端末装置10は、複数のアンテナ(アンテナ111、アンテナ112)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部111a、第2無線通信部112a)と、記憶部180と、制御部190とを含む。さらに、端末装置10は、操作受付部130(タッチセンシティブデバイス130aおよびディスプレイ130bを含む)と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカ142と、位置情報センサ150と、カメラ160とを含む。端末装置10は、図2では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。また、図示していないが、端末装置10は、キーボード、及び、マウス、タッチパッド等のポインティングデバイスと接続することによりユーザからの入力操作を受け付けることとしてもよい。図2に示すように、端末装置10に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
アンテナ111は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部111aへ与える。
アンテナ112は、端末装置10が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ112は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部112aへ与える。
第1無線通信部111aは、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ111を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部112aは、端末装置10が他の無線機器と通信するため、アンテナ112を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部111aと第2無線通信部112aとは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部111aと第2無線通信部112aとは、端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部190へ与える。第1無線通信部111aは、例えば、5G、4G、LTE等の移動体通信システムに対応している。また、第2無線通信部112aは、Wifi、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応している。
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部130は、タッチスクリーンとして構成され、タッチセンシティブデバイス130aと、ディスプレイ130bとを含む。タッチセンシティブデバイス130aは、端末装置10のユーザの入力操作を受け付ける。タッチセンシティブデバイス130aは、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチセンシティブデバイス130aは、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部190へ出力する。
ディスプレイ130bは、制御部190の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ130bは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
音声処理部140は、音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカ142へ与える。音声処理部140は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。スピーカ142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。例えば、端末装置10は、ユーザが発声した音声をマイク141により受け付けて、制御部190が音声認識処理を行うことにより、ユーザの音声による入力操作を受け付けることができる。
位置情報センサ150は、端末装置10の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置10の現在位置を検出する。
カメラ160は、撮影機能を有し、撮影画像を生成するためのデバイスである。端末装置10は、撮影画像に基づいて、ユーザの身体の動きを検出することができる。例えば、端末装置10は、ユーザの頭部の動き、表情の動き、手の動きをカメラ160の撮影画像に基づいて検出する。これにより、端末装置10は、ユーザの手の動きを、ポインティングデバイスへのユーザの操作と同様に処理することができる。端末装置10は、例えば、ユーザが手を移動させることを検出して、ポインタを移動させることとしてもよい。また、端末装置10は、ユーザの指の動きを検出して、ユーザが手を握ったり(「グー」の形状)、手を開いたり(「パー」の形状)する動作を検出することにより、ポインティングデバイスにおけるクリック(タップ)操作を行ったと判別することとしてもよい。これにより、ユーザが手を握りつつ移動させることで、ドラッグアンドドロップ等と同等の操作がなされたものとすることができる。
また、カメラ160の撮影画像に基づいて、ユーザの表情(喜怒哀楽などの感情)を判別することとしてもよい。すなわち、端末装置10は、ユーザの表情の判別結果を、入力操作として受け付けることができる。
記憶部180は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置10が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、ユーザ情報181を記憶する。ユーザ情報181は、端末装置10のユーザが、サーバ20が提供するサービスを利用するための設定を示す。例えば、ユーザ情報181は、サーバ20が提供するサービスにおいて、ユーザのプロフィール、ユーザが保存した検索条件、ユーザが保存したグラフ描画の設定等を含む。
制御部190は、記憶部180に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、表示制御部194としての機能を発揮する。
入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス130a等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、タッチセンシティブデバイス130aに対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う
表示制御部194は、表示画像をディスプレイ130bに表示させる処理等を行う。
<1.2 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信I/F22と、記憶部24と、プロセッサ29としての機能を発揮する。
通信I/F22は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
記憶部24は、サーバ20が使用するデータ及びプログラムを記憶(蓄積)する。記憶部24は、技術定義データベース241、特許定義データベース242、国家科研費(科学研究費)投資情報データベース243、規制緩和情報データベース244が記憶されている。さらに、論文データベース245、企業グループデータベース246が記憶されている。
これらのデータベースの詳細については後述することとし、まず概要を説明すると、技術定義データベース241は、技術分野を複数の階層に分類して定義をしたデータベースであり、例えば、大分類、中分類、小分類の3階層に分けて定義をしたデータベースである。
特許定義データベース242は、各分類に含まれる特許文献に関する情報であり、例えば各分類について、文献を検索するための検索式、国際特許分類その他の情報に基づき特許文献が国ごとにまとめられている。また、特許定義データベース242より各分類に含まれる特許の件数や、特定の出願人の出願件数を抽出可能である。なお、特許定義データベースは記憶部24が有していなくてもよく、他の記憶媒体で記憶されており、必要なデータを取得可能としても良い。
国家科研費・投資情報データベース243は、日本、中国、米国、欧州などの各国(もしくは集合)における投資動向を示すデータベースであり、例えば政府からの科研費や研究に対する投資に関するデータベースである。
規制緩和情報データベース244は、上述の各国における各種規制の規制緩和に関するデータベースであり、例えば技術関連の規制緩和に関するデータベースである。
論文データベース245は、上述の各国において寄稿された論文に関するデータベースである。
企業グループデータベース246は、子会社、グループ会社、関係会社などの情報や、投資先企業に関する情報を示すデータベースである。
プロセッサ(制御部)29は、サーバ20のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
送受信モジュール291は、サーバ20が通信I/F22により外部の装置と信号を送受信する処理を行う。操作判別モジュール292は、端末装置10のユーザが行った操作の内容を判別する処理を行う。例えば、端末装置10は、ブラウザ等に表示される画面において、画面に表示されるオブジェクトに対してユーザが入力操作を行ったことに応答して、オブジェクトに対応付けられた処理として、端末装置10からサーバ20へ信号を送信する。操作判別モジュール292は、受信した信号に基づいて、ユーザが行った操作内容(どのオブジェクトを指定したか等)を判別する。画面生成モジュール293は、サーバ20が、端末装置10のブラウザ等に表示させる画面を生成する処理を行う。
技術定義データベース更新モジュール294は、技術定義データベース241を更新する処理を行う。サーバ20は、定期的に技術定義の分類ごと、特許定義データベース242を更新する処理を受け付ける。技術定義データベース241の更新はユーザが行うが、技術動向の変化に応じて自動で行っても良い。また、技術定義データベース241は、関連特許小分類と関連づけて記憶されているため、技術定義データベース241の更新に合わせて関連特許小分類も更新される。
特許定義データベース更新モジュール295は、特許定義データベース242を更新する処理を行う。例えば、サーバ20は、特許定義データベース242における特許の小分類と関連付けて、特許文献を検索するための検索式を記憶部24において保持している。サーバ20は、特許の小分類ごとに、定期的に検索式の検索結果を取得する。サーバ20は、検索結果のアップデート分に基づいて、特許定義データベース242を更新する。特許定義データベース242を更新する頻度は、任意に設定することとしてもよい。サーバ20は、例えば、特許公報等が発行される頻度に連動させて(特許公報発行スケジュール、特許公開公報発行スケジュールと連動させて)、特許の小分類ごとに、検索式の検索結果を取得することとしてもよい。また、毎月、または、四半期ごとなど、一定期間ごとに特許定義データベースを更新することとしてもよい。
国家科研費・投資情報データベース更新モジュール296は、国家科研費・投資情報データベース243を更新する処理を行う。サーバ20は、定期的に各国における科研費情報と投資情報とを取得し、アップデート分に基づいて国家科研費・投資情報データベース243を更新する。サーバ20は、各国にある企業や大学の研究予算の情報やニュース、公表情報をもとに情報を収集する。または、サーバ20は、各国の研究予算の情報等をデータベースとして蓄積して公開するサービスを提供するサーバから、当該情報を取得することとしてもよい。更新の頻度は、月に1回や2回といった頻度でも良いし、科研費については年の決まった時期に行っても良い。
規制緩和情報データベース更新モジュール297は、規制緩和情報データベース244を更新する処理を行う。サーバ20は、定期的に各国における技術関連の規制緩和情報を、公表情報やニュースをもとに取得し、アップデートを行っていく。更新の頻度は、毎月定期的に行っても良いし、規制緩和に対する情報を取得したらすぐに更新を行なっても良い。なお、規制緩和に関する情報は国ごとだけでなく、各国の地域ごとに公表された情報も取得し、データベースの更新を行う。
論文データベース更新モジュール298は、論文データベース245を更新する処理を行う。サーバ20は、定期的に学会や研究機関における論文の寄稿情報を取得し、アップデートを行う。更新の頻度は、1ヶ月や2ヶ月といった期間で定期的に行う。技術定義データベース241に記憶される論文の検索式を用いて、論文データベース245の各小分類に属する論文データを追加することで更新を行う。例えば、論文データベース245のドローンの小分類に属する論文については、例えば論文検索式「ドローン」、「無人航空機」が含まれる論文を定期的に抽出する。抽出された論文は論文データベース245の小分類「ドローン」に関連付けて記憶される。
企業グループデータベース更新モジュール299は、企業グループデータベース246を更新する処理を行う。サーバ20は、定期的に各国における企業情報、M&A情報、投資情報を取得し、企業グループデータベース246を更新していく。更新の頻度は、1ヶ月や2ヶ月といった期間で定期的に行う。
<データ構造>
図4は、技術定義データベース241のデータ構造を示す図である。技術定義データベース241の各レコードは、「大分類」、「中分類」、「小分類」の各項目を含む。また、「関連特許分類」と関連付けて記憶されている。
項目「大分類」は、情報提供システム1を運営する事業者が定義した、技術の分類を示す。項目「大分類」に示す分類は、項目「中分類」及び項目「小分類」に示す分類を包含するものである。すなわち、項目「大分類」に示す分類は、項目「中分類」に示す分類、及び、項目「小分類」に示す分類よりも概念としては広い範囲を示す。項目「中分類」は、項目「大分類」に示す分類を、さらに細分化した分類を示す。項目「小分類」は、項目「中分類」に示す分類を、さらに細分化した分類を示す。大分類は10から20個、中分類は40から80個、小分類は500個から800個くらいの数に分けられている。
図示する例では、大分類に属する「イメージング&AV」と、その下の階層の中分類に属する「カメラ」と「プリンタ」などが関連付けられている。さらに、中分類の下の階層には、「産業用カメラ」、「イメージセンサー」が小分類の技術分類として関連付けられる。また、小分類の項目と関連する特許分類(特許定義データベースと同じ分類)は関連付けられて記憶されている。つまり、関連特許分類と3つの各技術分類は関連づけられており、どの技術分類がどの特許分類と一致するのかがわかる。これにより、各技術分類に属する特許についての検索を行うことができる。また、技術定義データベース241の各「小分類」に属する論文を検索するための検索式が関連付けられている。これにより、技術の各分類に属する論文の検索の出力も特許の検索の出力と同様に行うことができる。論文を検索するための検索式は、論文データベースの小分類や特定の文言、学会名を示すものでも良い。
図5は、国家科研費・投資情報データベース243(各国の研究分野の投資動向の情報)のデータ構造を示す図である。「国」、「投資分野(技術中分類)」、「研究機関名」の項目と各年の「投資額」とが項目として含まれ、項目「投資額」においては年度ごとの投資額がデータとして記憶される。国家科研費・投資情報データベース243は、各国における前述の技術の中分類ごとに、どの研究機関にいついくらの科研費が割り当てられたか、一般の企業や個人からの投資が行われたのかを示している。なお、以降は科研費と投資の額とをまとめて投資額と表現する。各国がそもそもどういった技術分野にどの程度の投資額をかけていた(もしくは、いる)か、がわかると同時に、どの研究機関にいついくらの投資がされたのかを分かるようにデータを保有する。このようにデータを保有することにより、国単位の技術分野の投資意欲・投資意思が見えるようになる。
また、国家科研費・投資情報データベース243においては、図5に例示するように、技術中分類「カメラ」において日本のどの研究機関にいつどのくらいの投資がされたのか(経年での投資額の情報)を記憶する。さらに、技術中分類全体での各年の金額の合計も記憶しておく。国家科研費と一般の企業や個人からの投資とは別のデータベースで記憶し、ユーザが後述する操作画面において例えば国家科研費のみのランキングを表示するかどうかを切り替え可能にしても良い。
図6は、規制緩和情報データベース244のデータ構造を示す図である。規制緩和情報とは、例えば、物理的な安全性、業界におけるステークホルダー(事業会社、投資家、一般消費者など)の保護など様々な観点で定められた規制(例えば、立法に基づく規制、法に基づかない要請など)の少なくとも一部の緩和に関する情報である。例えば、物理的な安全性として、ドローンの飛行禁止区域が設定されている場合、ドローンの個人飛行許可範囲に関する規制緩和情報や、ドローンを使った配送に関する規制緩和情報などを指す。
規制緩和情報データベース244には、「国」、「対象分野」、「関連技術中分類」、「詳細」の各項目が含まれる。
「国」には、データベースに記憶をする国が記憶される。
「対象分野」には、データベースを運営する事業者が設定した技術の分野が設定される。「対象分野」は商品名や施作の対象物が当てはまり、例えばドローンや脱炭素といったものが当てはまる。例えば、ドローンが対象分野であれば、関連する技術分野としてカメラや配送といった技術分野が対応して予めデータベースを運用する事業者により記憶されている。「対象分野」、「関連技術中分類」は各国で同じ内容が記憶され、それぞれの「関連技術中分類」に対応する「詳細」に含まれる情報が異なる。「対象分野」と「関連技術中分類」は予め事業者により対応づけられて記憶されているが、現在記憶されている「対象分野」及び「関連術中分類」に関連しない規制緩和情報が公表された場合には、データベース上で事業者により更新される。
「関連技術中分類」は、「対象分野」と関連付けて、例えば情報提供システム1を運営する事業者によって設定される技術の分類であり、図示する例では技術定義データベース241の「中分類」に示される技術の分類と対応している。
「詳細」には、例えば「対象分野」ドローンについての規制緩和情報が公開された「年度」と公表情報の「リンク」が記憶される。規制緩和に関する情報は、過去の規制緩和に関する情報を履歴として記憶しておく。なお、ある規制緩和情報が対象分野に含まれる複数の技術中分類に関連する場合は、関連する複数の技術中分類に対応して記憶される。また、対象分野と関連技術中分類の対応づけは、自動で行なっても良いし、公表された規制緩和と、対象分野・関連技術中分類との対応づけも自動で行っても良い。
図7は、特許定義データベース242(研究成果の成果物の一種とも言いうる)のデータ構造を示す図である。特許定義データベース242の各レコードは、「国」、「特許分類」、各特許分類に属する特許の出願番号などを示す「特許文献」、「出願人」、「発明者」、「被引用回数」の項目が含まれる。
項目「特許分類」は、情報提供システム1を運営する事業者が独自に定義した分類であって、特許文献に付与される国際特許分類(IPC:International Patent Classification)、FI(日本国特許庁による分類)、Fターム(日本国特許庁による分類)とは異なるものである。また、特許定義データベース242に出願数、被引用回数、推定研究者人数、登録数の4つの項目が含まれていても良い。登録数は、出願された特許が登録になったか否かのデータを有しておくことで算出可能である。または、登録公報と公開公報とを別途のデータをして有しておき、登録数を算出可能にしても良い。
なお、図7の特許定義データベース242には非表示だが、項目「検索式設定」が各「特許分類」に対応づけて記憶されており、データベースの更新の際に使用されても良い。項目「検索式設定」は、項目「特許分類」に示される分類と関連付けて設定される、特許文献の検索式を示す。特許文献の検索式は、キーワード、及び、特許文献の書誌的事項(例えば特許文献に付与される特許分類(IPC、FI、Fターム等)、特許出願人、出願日その他の事項)に基づいて予め設定される。項目「被引用回数」は、項目「特許文献」に示される個々の文献について、他の特許文献の審査で引用された回数(被引用回数)の情報を示す。被引用回数が多い特許文献であるほど、当該特許文献の出願日以降に、技術的に関連する可能性が高い特許出願が比較的多くなされたとも言い得る。
項目「出願人」は、抽出された特許文献のリストに含まれる、特許出願人または特許権者の企業の情報を示す。なお、検索をする際の設定により、抽出する特許文献は、特許発行済みのものに限ることとしてもよいし、特許公開公報が発行されたものを抽出の対象としてもよい。
項目「特許文献」は、特許の公開番号、出願番号、登録番号等のいずれかを示すものである。また発明者は特許文献に記載されている発明者名を示す。
さらに、特許文献を解析した情報として、特許請求の範囲の各請求項の文字数、明細書のページ数、図面の枚数等の定量的な情報の他に、明細書に含まれる頻出キーワードなど技術内容を要約するための情報が含まれることとしてもよい。
図8には、論文データベース245(研究成果の成果物)のデータ構造を示す図である。論文データベース245には、「国」、技術の「大分類」、「中分類」、「小分類」、「論文タイトル」、「寄稿法人/大学」、「寄稿者」、「関連企業」、「寄稿年」の項目が含まれている。論文データベース245の各分類と技術定義データベース241と同一である。もしくは、極力分類が一致するように作成される。技術定義データベース241に記憶されている論文を検索するための検索式を用いて特定の技術のグループに属する論文の数や、研究者または機関ごとの論文数を抽出できる。論文がどの技術の分類に属するかは、論文の投稿された学会の種類、論文のタイトルによって判断する。
「論文タイトル」は、各学会や大学において発表された論文のタイトル名を示すが、要約情報も含めても良い。
「寄稿法人/大学」は、論文を投稿した研究者の所属する法人もしくは大学を示す項目であり、論文データより取得する。複数の法人や大学がある場合には、全てをデータとして記憶する。
「寄稿者」は、論文の発表者であり、研究者を指す項目であり、論文よりデータを取得する。
「関連企業」は、大学や研究機関に加えて、企業に所属する研究者が寄稿者に含まれていた場合に記憶される項目である。もしくは、寄稿者は大学や研究機関に所属しているが、協力企業として企業名が含まれている場合に記憶される項目である。例えば、A大学のA教授が株式会社Bの研究者Bと共に論文を寄稿した場合には、「寄稿法人/大学」にA大学、「寄稿者」にA教授、研究者Bの名前、「関連企業」に株式会社Bが記憶される。関連企業が記憶されているということは、大学や研究機関と企業とが共同研究や共同開発を行なっている可能性が高い。
「寄稿年」には、論文が寄稿された年が項目として記憶される。論文データベースは寄稿年ごとに異なるリストとして記憶しても良い。
図9は、企業グループデータベース246のデータ構造を示す図である。企業グループデータベース246の各レコードは、「グループID」、「企業群」、「M&A、投資先情報」と項目として含む。
項目「グループID」は、企業それぞれを識別するための情報である。
項目「企業群」には、グループIDに紐づく中核企業、関連企業、グループ企業、持分法適用会社、子会社など一定の資本関係を有する企業が記憶される。
「M&A、投資先情報」は、グループIDに紐づく各企業がM&Aをした企業や投資を行なった企業に関する情報が記憶される。
その他、図示していないが、サーバ20は、産業、業界、市場等(以下、「業界等」ということもある)を分類して定義した業界定義データベースを保持していてもよい。当該業界定義データベースは、データ構造として、項目「大分類」、項目「中分類」、項目「小分類」、項目「企業または企業グループ」の各項目を含む。
項目「大分類」は、情報提供システム1を運営する事業者が定義した、業界等の分類を示す。項目「大分類」に示す分類は、項目「中分類」及び項目「小分類」に示す分類を包含するものである。すなわち、項目「大分類」に示す分類は、項目「中分類」に示す分類、及び、項目「小分類」に示す分類よりも概念としては広い範囲を示す。項目「中分類」は、項目「大分類」に示す分類を、さらに細分化した分類を示す。項目「小分類」は、項目「中分類」に示す分類を、さらに細分化した分類を示す。例えば、項目「大分類」として情報通信、建設、ヘルスケア、材料、耐久消費財などの分類を含む。例えば、項目「大分類」が情報通信である分類について、項目「中分類」として、通信キャリア、通信装置等の分類を含みうる。
<動作>
次に、図10を用いて本実施形態における情報提供処理における端末装置10とサーバ20との連携処理について説明する。この処理は、サーバ20のストレージ26に記録されたプログラムをメモリ25に展開してプロセッサ29が実行すること、端末装置10の記憶部180に記憶されたプログラムをメモリ(不図示)に展開して制御部190が実行することで実現する。なお、この処理は、端末装置10とサーバ20に電源が入り、通信が可能になると開始する。例えば、端末装置10は、ユーザがブラウザ等によりサーバ20へアクセスする操作を受け付けることにより、サーバ20へアクセスする。サーバ20は、端末装置10からのアクセスに応答して、端末装置10のブラウザ等に表示させるための情報を生成し、生成した情報を端末装置10へ送信することにより、端末装置10のディスプレイ130bに情報を表示させる。
S101では、制御部190が操作受付部130を介して、ユーザから選択操作を受け付けたか否かを判定する。選択操作とは、端末装置10のディスプレイ130bに表示する等によりユーザに提示されるアイテム(オブジェクト)を選択する操作や、処理を開始することを決定する操作などである。S101において、Yesと判断した場合は、選択操作があったことをサーバ20に通知してS102へ進み、そうでない場合は、操作が受け付けられるまで待つ。
S102では、プロセッサ29は、端末装置10から通知された、ユーザの選択操作に応じた情報を取得する。例えば、あるアイテムが選択されたと通知を受けた場合には、選択されたアイテムに関する情報及び行うべき処理に関する情報を取得する。
S103では、プロセッサ29は、表示用の情報を生成して端末装置10へ送信する。
S104では、制御部190は受信した情報に基づき、ディスプレイ130bに表示を行う。
次に、図11において説明をする図12について簡単に説明をする。
図12には、端末装置10において、ユーザから技術分類を選択する操作を受け付ける際の画面例を示す。図12(a)において、画面の左側には、ホーム、業界、トレンド、技術、企業、エキスパートといったタブが複数あり、技術のタブ121が選択された状態を示している。タブ121の選択後に表示されるタブ122は技術一覧を示すタブであり、タブ122が選択されると上述の技術定義データベース241で示した技術の大分類がまず表示される。タブ122と並んでパテントファミリー、技術定義を示すタブがあり、それぞれ特許のファミリー関係を示す情報、技術の分類に関する定義を示す情報が表示される。
パテントファミリーを選択した際には、図16、図17に示すような画面が表示され、地域(国も含む)と企業を選択すると、特許の技術名(特許分類)ごとの出願件数がランキングとして表示される。つまり、欧州においてAA自動車がどの技術分類に注力して出願しているのかが分かる。また、地域(国も含む)と対象技術を選択すると、ある地域における対象技術の企業ごとの特許の出願件数ランキングが表示される。つまり、欧州においてリチウムイオン電池の技術分類にどの企業が注力して出願しているのかが分かる。図16に示すように、5年を1期間として4期間における出願件数が積み上げ式の棒グラフで表示されるので各企業または技術の特許出願数の経年変化も分かる。この時、選択する地域を切り替えると、企業を選択している場合にはある企業の地域ごとの特許出願の特性が分かる。また、技術を選択している場合には、選択する地域を切り替えることで、(同業に属する)どの企業がどの地域で特許出願に注力しているのかが分かる。図17には、対象企業と対象技術を選択した場合の画面例であり、各地域における特許出願件数を示す円の大きさで示している。
アイテム123は、選択する国を切り替えるためのアイテムであり、本実施形態においては日本、米国、中国、欧州が選択可能とする。
アイテム124は大分類の技術を示しており、アイテム124が選択されると中分類の技術を示すアイテム125が表示される。さらに、アイテム126が選択されると小分類の技術を示すアイテム126が表示される。各階層は図12に示すように、上の階層のアイテムの下に字下げした状態で表示されるので、どの階層下にどの技術分野があるのかがわかる。また、タブ122が選択されると技術の大分類ごとの特許出願数、論文数がエリア127に示すように表示される。特許出願数、論文数は特許定義データベース242、論文データベース245をもとにカウントされる。「大分類」の特許の件数は、まず特許定義データベース242において、選択中の「国」の特許の「特許分類」に含まれる特許の数と、技術定義データベース241にある「特許分類」と技術の「大分類」を照合する。これにより、各技術の「大分類」に関連する(含まれる)特許の件数が算出可能である。大分類は図12に示すものに限らず、ディスプレイでスクロールをすれば、現在非表示の大分類も表示される。
次に、図11を用いて本実施形態における情報提供処理における端末装置10とサーバ20との連携処理について説明する。この処理は、サーバ20のストレージ26に記録されたプログラムをメモリ25に展開してプロセッサ29が実行すること、端末装置10の記憶部180に記憶されたプログラムをメモリ(不図示)に展開して制御部190が実行することで実現する。図11のフローチャートでは端末装置10においてユーザが行なった操作に基づき、サーバ20において情報を提供する。なお、この処理は、端末装置10において後述する技術タブが選択されると開始する。
S110では、プロセッサ29は、技術分野の大分類が選択されたか否かを判定する。図12(a)においてアイテム124もしくは大分類と記載のアイテムのいずれかが選択されると、S110はYesと判定される。S110において、Yesと判断した場合は、S111へ進み、そうでない場合は、選択されるまで待つ。なお、他のタブを選択する操作が行われた場合には、選択されたタブに関する処理が行われる。
S111では、プロセッサ29は、選択された大分類の階層下にある中分類のデータを技術定義データベース241から取得して、端末装置10のディスプレイ130bに表示するようにする。図12(a)のアイテム125及び中分類と記載のアイテムは、大分類に当てはまるアイテム124の階層下にある中分類のアイテムである。また、S111においては表示された中分類における特許出願数、論文数を表示する。
ここで表示される特許出願数、論文数は、選択中の大分類の特許出願数、論文数の内訳となる。特許出願数、論文数は特許定義データベース242、論文データベース245をもとにカウントされる。特許定義データベース242における、選択中の「国」の特許の「特許分類」に含まれる特許の数と、技術定義データベース241にある「関連特許分類」及び技術の「中分類」を照合することで、各技術の「中分類」に関連する特許の件数が算出可能である。
後述するように、選択する国を切り替えることで表示される特許出願数、論文数が変わるのでユーザは各国の特許出願数、論文数を確認することができる。なお、S111においては、特許出願数、論文数を国ごとに並べて表示をしても良いし、選択中の国における特許出願数、論文数の多い上位の中分類からランキング形式に表示をしても良い。
S112では、プロセッサ29は、技術分野の中分類が選択されたか否かを判定する。図12(a)においてアイテム125及び中分類と記載のアイテムのいずれかが選択されると、S112はYesと判定される。S112において、Yesと判断した場合は、S113へ進み、そうでない場合は、S110に戻るが、既に大分類が選択済みである場合にはS112の処理が行われるまで待つ。この時、選択する大分類の切り替え操作がされると、選択された大分類の階層下にある中分類データが表示される(S111の処理)。
S113では、プロセッサ29は、選択された中分類の階層下にある小分類のデータを技術定義データベース241から取得して、端末装置10のディスプレイ130bに表示するようにする。図12(a)のアイテム126及び小分類と記載のアイテムは、中分類に当てはまるアイテム125の階層下にある小分類の技術を示すアイテムである。また、S113においては表示された小分類における特許出願数、論文数を表示する。ここで表示される特許出願数、論文数は、選択中の中分類の特許出願数、論文数の内訳となる。特許出願数、論文数は特許定義データベース242、論文データベース245をもとにカウントされる。特許定義データベース242における、選択中の「国」の「特許分類」に含まれる特許の数と、技術定義データベース241にある「関連特許分類」を照合することで、各技術の「小分類」に関連する特許の件数が算出可能である。
S114では、プロセッサ29は、国の選択がされたか否かを判定する。図12(a)に示すアイテム123への操作により国を選択することができる。国の選択がされたと判定するとS115へ進み、そうでない場合は、S110へ戻るが、既に大分類や中分類が選択済みである場合にはS114の処理が行われるまで待つ。この時、大分類や中分類の切り替え操作は可能である。なお、国はデフォルトでいずれかの国を選択しているものとしても良い。
S115では、プロセッサ29は、選択中の中分類の経年での科研費データ、規制緩和情報を取得し、ディスプレイ130bに表示する。図12(b)のエリア128には各国の経年での科研費データ及び政府の規制緩和情報が表示されている。科研費データは、国家科研費・投資情報データベース243より、選択中の「技術中分類」に対応する各国の各年度の投資額を参照することにより取得される。規制緩和情報は、規制緩和情報データベース244の「関連技術中分類」より選択中の中分類の「詳細」を参照することにより、各国の情報が取得される。なお、S115においては科研費データ、規制緩和情報のいずれかを取得しても、両方を取得しても良いし、ユーザがどの情報を表示するのかを選択可能としても良い。
技術の中分類の選択に応じて、各国の科研費データ、規制緩和情報をユーザが確認できると、その中分類の技術分野が各国において、いつからどのくらい力が入っているのか、伸びる見込みがあるのか(ニーズ)を知ることができる。つまり、S115で表示される情報により、ユーザは、国ごとの技術トレンドを把握することができる。これらのマクロからの視点の情報を最初に表示することでユーザはある一つの国だけでマーケットが広がりそうな技術なのか、複数の国でも可能性のある技術なのか、どの国で最初に研究が進んだのかなどの情報がわかる。科研費データによりユーザは研究に対する各国の力の入れ具合が定量的にわかり、規制緩和情報により各国(地域)において新たな技術が伸びる可能性があるか否かの定性的情報がわかる。さらに特許出願数、論文数だけでなく科研費、規制緩和情報により研究が進んでいるだけなのか、ビジネスとしての広がりがあるのかを簡単に知ることができる。なお、科研費データ、規制緩和情報は選択中の国のデータのみを表示しても良い。
なお、S111、113で表示する特許の数、論文の数と、S115で表示する科研費データ、規制緩和情報についてはこれらの全てを記憶部24が記憶かつ表示をしなくてもよく、これらのいずれかを記憶部24が記憶し、表示をするとしても良い。これらはマクロの視点から研究分野(技術の「大分類」、「中分類」、「小分類」)を評価するための情報である。
S116では、プロセッサ29は、技術分野の小分類が選択されたか否かを判定する。図12(a)においてアイテム126及び小分類と記載のアイテムのいずれかが選択されると、S116はYesと判定される。S116において、Yesと判断した場合は、S117へ進み、そうでない場合は、S110に戻るが、既に大分類、中分類が選択済みである場合にはS116の処理が行われるまで待つ。この時、選択する大分類や中分類の切り替え操作がされると、選択された大分類または中階層の階層下にある小分類データが表示される(S111、S113の処理)。
S117では、プロセッサ29は、選択中の国、小分類における特許動向と論文動向の情報を取得し、ディスプレイ130bに表示をする。つまり、国の選択(地域の選択)と、技術分野の選択をすると、特許と論文の企業ランキングがわかる。図13には、選択した国、小分類における特許動向、論文動向を示す画面例を示す。特許動向と論文動向とを示すことにより、どの企業が研究または事業化に力を入れているのか、どの研究者が研究を牽引しているのかが分かる。また、経年変化で表示することにより、過去論文の寄稿件数が多いが現在は研究が進んでいない研究者や、最近論文の寄稿件数が伸びてきて最新の研究を行なっていると考えられる研究者を把握しやすくなる。
図13のエリア131は特許動向、エリア133は論文動向について表示をしている。さらに、エリア131においては、タブ132があり、出願数を示すタブ132a、被引用回数を示す132b、推定研究者人数を示すタブ132c、登録数を示すタブ132dのいずれかを選択することで表示するデータを切り替え可能である。また、エリア133においてはタブ134があり、研究者寄稿数を示すタブ134a、法人/大学寄稿数を示すタブ134b、トレンドワードを示すタブ134c、共同執筆関係を示すタブ134dのいずれかを選択することで表示するデータを切り替え可能である。
タブ132、134の選択により表示される情報は研究開発能力を含む事業創造力を示している。特許動向は、特許出願自体が事業化を見越して行われることが多いので、研究開発能力(発明を生み出す能力)及び事業化する能力(事業想像力)と相対関係があると言える。論文動向は、どの企業が(本プログラム上で)評価の高い研究者と共に研究を行なっているかわかるため、研究開発能力(発明を生み出す能力)及び事業化する能力(事業想像力)と相対関係があると言える。
図13のエリア131では、タブ132dが選択されている状態を示している。エリア135には選択中の技術の小分類における特許の登録数の多い出願人のランキングが表示されている。出願年ごとに登録数が多い方が案件数を示すマスが濃い色で表示されるのでユーザは直感的にどの年にどの出願人が多くの特許を登録させたのかを把握することができる。
また、タブ132cでは、特許出願時に記載される発明者の頭数をカウントすることにより、各企業における推定研究者人数を算出する。特許の出願は、事業化を見据えている際に行う可能性が高いので、推定研究者人数によりどの企業が選択中の小分類の技術の事業化に力を入れているのかがわかる。選択中の国、小分類における特許動向については以下のように算出する。つまり、特許定義データベース242の「国」、「特許分類」に含まれる特許の数(発明者の数)と、技術定義データベース241の「関連特許分類」、技術の「小分類」とを参照することで経年の特許の数(発明者の数)が算出可能である。
図13のエリア133では、タブ134dが選択されている状態を示している。エリア136には選択中の技術の小分類における論文の共同執筆(共同寄稿)の多いランキングが表示されている。寄稿年ごとに論文数が多い方が件数を示すマスが濃い色で表示されるのでユーザは直感的にどの年にどの寄稿者が多くの論文を寄稿したのかを把握することができる。共同執筆のデータは、論文データベース245の「国」、技術の「小分類」のなかにある論文データをもとに生成される。「寄稿法人/大学」と「関連企業」がともにデータのある場合には、研究機関と企業との共同執筆の論文であるとし、論文数を1とカウントする。さらに、同じ「寄稿者」と「関連企業」の組み合わせによる論文の数をカウントし、「寄稿年」ごとに算出することで取得できる。これにより、いつからどの企業と研究者が共同研究をしているのか、どのくらい早い時期から誰が共同研究に取り組んでいるのかがわかる。さらに、ユーザは直感的に選択した技術においてキーとなる企業、研究者を把握できる。なお、共同寄稿のランキング表示をする対象としては、「寄稿法人/大学」(大学)と「関連企業」(企業)の組み合わせだけに限られない。例えば、「寄稿法人/大学」と「寄稿法人/大学」の組み合わせでランキングを表示しても良いし、「研究者」と「研究者」の組み合わせや「関連企業」と「寄稿法人/大学」の組み合わせでランキングを表示しても良い。複数の組み合わせでのランキング表示が可能な場合、図15に示すように、ユーザはどの組み合わせでランキングを表示できるか選択できるようにする。研究者としての次世代キーパーソンを発掘することもできる。例えば先生が権威で論文数が多く、B先生が総数は少なくても直近の論文数が多い場合を考える。A先生の論文の減りと、B先生の増えの境目にA先生とB先生の共著が多く、かつ、企業との共同執筆も元々A先生とC社が多かったが上記の境目と同時期にB先生とC社の共著が増えていたとする。このような場合には、B先生は師匠であるA先生から当該技術分野の次世代を託された研究者であり、今後の当該技術分野をリードするキーパーソンであることがわかる。この次世代キーパーソンと共同研究をしている企業は最先端技術を事業に組み込めている可能性がある。また、キーパーソンがわかれば、そこに産学連携のコンタクトを戦略的に行うという新たなアクションが生まれ、企業の技術の事業化や、それを通じた科学技術の進歩を生み出すきっかけを作れることができる。
企業と研究者との共同執筆関係のデータを技術の「小分類」の選択後に特許の数とともに表示可能とすることで以下のメリットがある。特許の数とともに、共同執筆関係のデータを表示することで、企業において特許の出願数が多いだけなのか、もしくは外部の研究者と協力し事業化しようとしているのかがわかる。また、タブ134aにより研究者ごとの論文の寄稿数が経年で把握できる。これにより、ユーザは、選択した技術の「小分類」において権威のある研究者と企業が組めているのかといった情報を容易に把握することができる。また、研究者名を選択すると、選択した研究者のプロフィールを表示し、どのような経歴なのかを確認できるようにしても良い。さらに、研究者同士の関係(師弟関係)を線で結ぶなど、師弟関係を識別可能に表示しても良い。このように研究者に関する論文数や特許数以外の情報を表示することで、ある研究の引き継ぎが進んでいるかなどがわかる。つまり、ある研究が引き継がれていない場合、担当していた研究者の引退とともに今後は研究が進まなくなることが分かる。
S118では、プロセッサ29は、「企業総合力でみる」アイテムが選択されたかを判定する。図13のアイテム137は、企業総合力でみるか否かを切り替え可能にするアイテムであり、図13は選択された状態を示している。S118において、Yesと判断した場合は、S119へ進み、そうでない場合は、S1110へ進む。
S119では、プロセッサ29は、企業グループ情報を企業グループデータベース246より取得し、S117で行なった処理を1つの企業単位ではなく、グループIDごとに行う。つまり、1つのグループIDに含まれる「企業群」及び「M&A、投資先情報」に含まれる企業の選択中の国、小分類における特許の数と論文動向の数をそれぞれ合算する。共同執筆関係のデータとしては、GroupAと研究者が何件の論文を共同で寄稿したのかがランキングで表示される(共同寄稿数がランキングで表示される)。これにより、企業グループ全体での事業化への力の入れ方がわかる。なお、企業グループとしては、関連企業、グループ企業、持分法適用会社、子会社、M&A先の会社、投資先の会社のいずれかでも良い。
以下は、選択された技術の「小分類」において事業化に力を入れている、研究に力を入れているプレーヤーが誰かを知るためのものである。研究者や企業を特許や論文に基づき、ランキング形式で評価をし、その結果をユーザに提供することについて説明をする。
S1110では、プロセッサ29は、タブ132のうち出願数を示すタブ132a、被引用回数を示す132b、推定研究者人数を示すタブ132c、登録数を示すタブ132dのいずれかを選択したか否かを判定する。
出願数を示すタブ132aが選択された場合は、S1111へ進み、選択中の国における出願年ごとの各出願人の出願件数をランキング形式で表示(出力)する。これによりどの出願人がいつ多くの特許を出願しているのかが経年でわかる。出願数は、特許定義データベース242の「国」、「特許分類」、「出願人」と、技術定義データベース241の「関連特許分類」、技術の「小分類」を参照することにより取得する。
被引用回数を示す132bが選択された場合は、S1112へ進み、被引用回数の多い特許の出願人をランキング形式で並べて表示(出力)する。これによりどの出願人が注目されている技術(多くの人が出願している技術)をいち早く研究していたのかがわかる。被引用回数は、特許定義データベース242の「国」、「特許分類」、「出願人」、「被引用回数」と、技術定義データベース241の「関連特許分類」、技術の「小分類」を参照することにより取得する。
推定研究者人数を示すタブ132cが選択された場合は、S1113へ進み、推定研究者人数をランキングで表示(出力)する。推定研究者人数は、企業における事業化に関わっている人数の相対関係と対応している可能性が高いため有用である。推定研究者人数は、特許定義データベース242の「国」、「特許分類」、「出願人」、「発明者」と、技術定義データベース241の「関連特許分類」、技術の「小分類」を参照することにより取得する。
登録数を示すタブ132dが選択された場合は、S1114へ進み、登録数をランキングで表示(出力)する。登録数については上述のS117で説明をしたので省略する。
S1115では、プロセッサ29は、タブ134のうち研究者寄稿数を示すタブ134a、法人/大学寄稿数を示すタブ134b、トレンドワードを示すタブ134c、共同執筆関係を示すタブ134dのいずれかを選択したか否かを判定する。
研究者寄稿数を示すタブ134aが選択された場合は、S1116へ進み、論文の寄稿数が多い研究者をランキング形式で並べて表示(出力)する。また、研究者の論文の寄稿数を寄稿年ごとに表示する。これにより、選択中の技術の「小分類」について多くの研究を行なっている研究者を把握することができる。研究者寄稿数は、論文データベース245の「小分類」、「寄稿者」、「寄稿年」により取得する。図14には、S1116で表示をする研究者の寄稿論文数のランキングの表示例が示される。寄稿数が多いほど、寄稿数を示すマスが濃い色で表示されるので、どの研究者がいつ力を入れて研究を行なっていたのかが直感的にわかる。
法人/大学寄稿数を示すタブ134bが選択された場合は、S1117へ進み、法人/大学といった研究機関ごとの論文の寄稿数をランキング形式で並べて表示(出力)する。また、研究機関の論文の寄稿数を寄稿年ごとに表示する。これにより、どの研究機関が選択中の技術の「小分類」について多くの研究を行なっているかを把握することができる。法人/大学寄稿数は、論文データベース245の「小分類」、「寄稿法人/大学」、「寄稿年」により取得する。
トレンドワードを示すタブ134cが選択された場合は、S1118へ進み、トレンドワードのランキングを表示(出力)する。トレンドワードは、選択中の技術の「小分類」に含まれる各論文のタイトルや要約、本文から用語を抽出し、使用頻度の高い用語を抜き出しランキング形式で寄稿年ごとに表示する。トレンドワードは、論文データベース245の「小分類」、「寄稿年」、「論文タイトル」により取得する。もしくは、論文データベース245に事前に各論文から取得した用語の数をカウントした情報を記憶しておいても良い。
共同執筆関係が選択された場合には、S1119へ進み、論文の共同執筆関係のランキングを表示(出力)する。共同執筆関係の表示については、上述したのでここでは省略する。
上記で説明したランキング形式での表示により、各研究者、各企業の評価を行うことができる。研究者は、どのくらい特許や論文を書いているかといった指標で評価がされる。企業は、どのくらいの特許や論文を書いているかだけでなく、どの研究者といつから共同で研究を行なっているかといった指標で評価がされる。また、ランキングだけでなく、経年変化を知ることができ、特許や論文の数に応じて異なる色(識別可能に)で件数が表示されるので、いつ件数が伸びたのかがわかる。ランキング形式での表示をする場合には、上位の300位までと、過去15年分を表示するが、これに限らず、上位100位まででも良いし、過去30年分までの情報を表示しても良い。また、対象となる企業や研究者が300人に満たない場合には、企業や研究者の数だけしか表示がされない。
例えば、S115で表示した各国の科研費データや規制緩和情報において、カーボンニュートラルに関心のあるユーザは、カーボンニュートラルの技術分野において米国が各国の中で最もニーズがあることが分かる。技術投資をしたいユーザはニーズの大きな地域において投資をした方がリターンは大きくなる可能性が高い。この時、ニーズの大きな地域の中で、さらにどの企業が優位なのかが分かると、投資先がより明確になる。S116からS1119における処理においてユーザはどの企業が先行優位にあるのかが特許出願件数や論文の件数を見ることにより分かる。特許出願件数や論文の件数は技術のシーズの大きさに比例している可能性が高い。よって、ニーズの大きい地域におけるシーズ(技術)を持っている企業を容易に特定できる。すなわち、技術分野におけるニーズとシーズの結び付けが容易に行うことができるようになる。これにより、ある技術分野において共創、協業していきたい企業や研究者を探す場合にも、技術分野内及び各地域におけるプレーヤーが把握しやすくなるため、事業判断をする際にも役立つ。
S1120では、プロセッサ29は、選択する国の切り替え操作があったか否かを判定する。国の切り替えがあった場合には、S117へ進み、そうでない場合は、S1121へ進む。
S1121では、プロセッサ29は、業界のフィルターが選択されたか否かを判定する。図13のアイテム138は対象とする業界を絞るためのアイテムであり、ユーザが特許動向と論文動向として表示をする業界を選択することができる。業界は複数選択することができる。例えば、サーバ20は、上記した業界定義データベースに基づき、ユーザが指定した業界および当該業界に属する企業または企業グループを特定して、業界のフィルターに応じた情報を端末装置10のユーザに提供する。ここで、選択された業界に所属する企業のみが特許動向の出願数、被引用回数、推定研究者人数、登録数のデータを算出する対象となる。また、ここで、選択された業界に所属する企業のみが論文動向の研究者寄稿数、法人/大学寄稿数、トレンドワード、共同執筆関係のデータを算出する対象となる。なお、業界という単位に限らず、企業の大きさや企業の種類に応じてフィルター可能としても良い。例えば、スタートアップ企業という種類にカテゴライズされる企業群データを記憶部24が有しておき、スタートアップ企業を対象としたフィルターを適用した結果を表示可能としても良い。
S1122では、プロセッサ29は、技術の「小分類」を選択する画面に戻る操作がされたか否かを判定する。アイテム139は技術の「小分類」を選択する画面に戻るためのアイテムであり、アイテム139が選択された判定した場合には、S116へ戻り、そうでない場合は、S1123へ進む。
S1123では、プロセッサ29は、図11の情報提供処理を終了するか否かを判定する。つまり、タブ121から他のタブに切り替える操作がされたり、端末装置10の電源がOFFになったりした場合に図11の情報提供処理は終了される。終了しない場合には、S1110へ戻る。
以上、説明した実施形態によれば、技術動向に関する情報を調査する際のユーザの操作性を向上させることができる。ユーザは、どの情報が必要かを考えたり、正確に情報を収集することに労力をかけなくても、「国」、「中分類」における投資額、論文と特許の数といった定量的情報を比較し、まず技術の分類を選択する。また、定量的な情報だけではなく、規制緩和情報といった定性的な情報からも技術の分類を選択することができる。
言い換えると、世界中のあらゆるシーズとニーズの情報を組み合わせ、常時更新し、構造的・俯瞰的・多角的な調査・分析を通じて、技術の事業化における明確な筋道や障壁を発見できるユーザの操作性を向上することができる。
これにより、マクロな視点からの技術の分野が各国においてどのくらい注力されているのか最初に把握することができる。さらに、マクロな視点での技術、国の立ち位置を把握した上で、選択した「国」の中、選択した技術の「小分類」の中での研究者や企業の評価を知ることができる。ここで、企業に関する評価として、どの研究者と共同で研究を行なっているかの評価を行うので、事業化への注力度を評価することができる。さらに、上述した情報提供処理においては、国家科研費から研究機関の論文数の評価、企業の評価を行うので、産官学連携における研究成果の情報を取得し、評価を行なっているとも言える。
なお、プロセッサ29、制御部190が行うものとして説明した上述の各種の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、システム全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
<付記1>
プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報の少なくともいずれかを取得して記憶部に蓄積させるステップと、
前記蓄積される情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、
前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行させる、プログラム。
<付記2>
前記研究成果の成果物とは出願された特許の数または寄稿された論文の数であることを特徴とする付記1に記載のプログラム。
<付記3>
前記記憶部は、階層化された複数の技術の分野を記憶しており、前記プログラムにおいては、前記記憶部に記憶されている複数の技術の分野からいずれかを選択するステップを実行させることを特徴とする付記1または2に記載のプログラム。
<付記4>
前記プログラムにおいては、前記階層化された複数の技術の分野のうち、第1階層に属する技術の分野が選択されたことに応じて、前記投資動向の情報、または前記研究成果の成果物であるドキュメントの情報を出力するステップを実行させることを特徴とする付記3に記載のプログラム。
<付記5>
前記プログラムにおいて、前記階層化された複数の技術の分野のうち、前記第1階層の下の階層である第2階層に属する技術の分野が選択されたことに応じて、前記事業創造力を評価するステップを実行させることを特徴とする付記4に記載のプログラム。
<付記6>
前記事業創造力は、選択された前記第2階層に属する技術の分野における、特許の出願数、出願された特許の被引用回数、推定研究者人数、特許の登録数、論文の寄稿数、論文の共同寄稿数のいずれかを含むことを特徴とする付記5に記載のプログラム。
<付記7>
前記論文の共同寄稿数は、企業と大学で共同寄稿された論文の数であることを特徴とする付記6に記載のプログラム。
<付記8>
前記プログラムは、前記事業創造力を評価する対象とする国を選択するステップを実行させることを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載のプログラム。
<付記9>
前記プログラムは、前記選択された国における前記事業創造力を評価することを特徴とする付記8に記載のプログラム。
<付記10>
前記プログラムにおいて、前記評価した結果は、特許の出願数、特許の登録数、または論文の寄稿数のランキングを示す結果として出力されることを特徴とする付記1乃至9のいずれかに記載のプログラム。
<付記11>
前記プログラムにおいて、前記評価した結果としては、特許に基づく評価と論文に基づく評価とが共に出力されることを特徴とする付記1乃至10のいずれかに記載のプログラム。
<付記12>
前記企業グループには、グループ企業、子会社、関連企業、M&Aを行なった企業、投資先の企業のいずれかが含まれることを特徴とする付記1乃至11のいずれかに記載のプログラム。
<付記13>
各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報の少なくともいずれかを取得して記憶部に蓄積させるステップと、
前記蓄積される情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、
前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行する方法。
<付記14>
各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報の少なくともいずれかを記憶部から取得する取得手段と、
前記取得した情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価する評価手段と、
前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力する出力手段と、を有することを特徴とする電子機器。
10 端末装置、20 サーバ、

Claims (11)

  1. プロセッサを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
    各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報のうち少なくとも前記ドキュメントの情報を取得して記憶部に蓄積させるステップと、
    前記蓄積される前記ドキュメントの情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、
    前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行させ
    前記評価するステップにおいて、前記企業または前記企業グループの前記事業創造力を、企業と、企業ではない研究機関とで共同寄稿された論文の数である論文の共同寄稿数に基づき評価する、プログラム。
  2. 前記出力するステップにおいて、前記企業と前記研究機関で共同寄稿された前記論文の共同寄稿数に基づく前記事業創造力の評価を、当該企業と、前記研究機関または当該研究機関の研究者と、の組み合わせを示す情報と関連付けて、経年の変化として表示する、請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記出力するステップにおいて、複数の前記企業または前記企業グループの前記事業創造力の評価を、各年のそれぞれについて評価した評価結果をそれぞれ表示することにより、前記経年の変化として表示し、
    前記各年のそれぞれにおいて、複数の前記企業または前記企業グループの前記評価結果が比較的高いものを強調する態様で表示する、請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記蓄積させるステップにおいて、前記研究成果の成果物として、出願された特許の数と、寄稿された論文の数とを前記ドキュメントの情報として蓄積させ、
    前記記憶部は、複数の技術の分野を記憶しており、
    前記プログラムにおいては、前記記憶部に記憶されている複数の技術の分野からいずれかを選択するステップを実行させ、
    前記評価するステップにおいて、さらに、前記企業または前記企業グループの前記事業創造力を、前記出願された特許の数に基づき評価し、
    前記出力するステップにおいて、前記技術の分野のいずれかがユーザに選択されたことに応じて、
    前記選択された技術の分野における前記企業または前記企業グループの前記特許に基づく前記事業創造力の評価結果と、
    前記選択された技術の分野における前記論文の共同寄稿数に基づく前記企業または前記企業グループの前記事業創造力の評価と、をともに表示する、請求項1に記載のプログラム。
  5. 前記評価するステップにおいて、前記選択された技術の分野において、前記企業を含まない前記研究機関の研究者同士による共同寄稿による論文の数を評価し、
    前記出力するステップにおいて、前記研究機関同士または当該研究機関の研究者同士による共同寄稿による論文の数の評価結果をさらに表示する、請求項4に記載のプログラム。
  6. 前記出力するステップにおいて前記研究機関の研究者名を表示する場合に、当該研究者名に対するユーザの選択を受け付けて、前記研究者名への選択に応じて前記選択された前記研究者のプロフィールを表示する、請求項2に記載のプログラム。
  7. 前記蓄積させるステップにおいて、前記各国の研究分野への投資動向の情報を蓄積させ、
    前記記憶部は、階層化された複数の技術の分野を記憶しており、
    前記プログラムにおいては、前記記憶部に記憶されている複数の技術の分野からいずれかを選択するステップを実行させ、
    前記出力するステップにおいて、前記階層化された複数の技術の分野のうち、第1階層に属する技術の分野が選択されたことに応じて、前記投資動向の情報を表示させ、
    前記階層化された複数の技術の分野のうち、前記第1階層の下の階層である第2階層に属する技術の分野が選択されたことに応じて、当該選択された技術の分野における前記企業または前記企業グループの前記事業創造力の評価結果を表示する、請求項1に記載のプログラム。
  8. 前記プログラムは、前記事業創造力を評価する対象とする国を選択するステップを実行させ
    前記出力するステップにおいて、前記選択された国における前記事業創造力を評価した結果を表示する、請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記企業グループには、グループ企業、子会社、関連企業、M&Aを行なった企業、投資先の企業のいずれかが含まれることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
  10. プロセッサを備えるコンピュータが実行する方法であって、前記方法は、前記プロセッサが、
    各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報のうち少なくとも前記ドキュメントの情報を取得して記憶部に蓄積させるステップと、
    前記蓄積される前記ドキュメントの情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、
    前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行し
    前記評価するステップにおいて、前記企業または前記企業グループの前記事業創造力を、企業と、企業ではない研究機関とで共同寄稿された論文の数である論文の共同寄稿数に基づき評価する、方法。
  11. 電子機器であって、
    各国の研究分野への投資動向の情報、または、研究成果の成果物であるドキュメントの情報のうち少なくとも前記ドキュメントの情報を取得して記憶部に蓄積させるステップと、
    前記蓄積される前記ドキュメントの情報に基づいて、企業または特定の企業群からなる企業グループを単位として、当該企業または特定の企業群からなる企業グループの研究開発能力を含む事業創造力を評価するステップと、
    前記企業または前記企業グループについて、前記評価した結果を出力するステップと、を実行し
    前記評価するステップにおいて、前記企業または前記企業グループの前記事業創造力を、企業と、企業ではない研究機関とで共同寄稿された論文の数である論文の共同寄稿数に基づき評価する、電子機器。
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