JP7047771B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明は、トレッド部の内面に制音体が配された空気入りタイヤに関する。
従来より、空気入りタイヤのロードノイズを抑制するために、多孔質材料からなる制音体を、トレッド部の内面に配した空気入りタイヤが提案されている。
一方、パンクした空気入りタイヤの修理方法として、タイヤ内にパンク修理液と圧縮空気とを順次注入するものが知られている。この修理方法では、注入後にタイヤを回転させた時、パンク修理液が空気圧の作用によってパンク穴に流れ込むことでパンク穴を塞ぐことができる。
しかし上述したように、制音体がトレッド部の内面に配されたタイヤにおいては、タイヤ内にパンク修理液を注入したとき、制音体が邪魔となってパンク修理液がパンク穴に流入し難くなる。そのため、パンク穴が塞がれるまでに時間が掛かってしまうという問題がある。
下記の特許文献1には、制音体を、吸音材と修理液透過層との複層構造とするとともに、修理液透過層を、吸音材よりも小さい流動抵抗を有する連続通孔の多孔質材料とすることが提案されている。
しかし上記提案の制音体は、複層構造をなすため生産性を損ねるとともに製造コストに不利を招く。
本発明は、制音体を単層構造としながらも、パンク修理液を用いたパンク修理を迅速かつ確実に行いうる空気入りタイヤを提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部の内面に、連続気泡を有する多孔質材料からなる制音体が配された空気入りタイヤであって、
前記制音体は、気泡(セル)数が30~60個/25mmの範囲、かつ制音体の任意の断面において、その断面の面積Sに占める各気泡の断面積の総和ΣSaの割合が10%~30%の範囲である。
前記制音体は、気泡(セル)数が30~60個/25mmの範囲、かつ制音体の任意の断面において、その断面の面積Sに占める各気泡の断面積の総和ΣSaの割合が10%~30%の範囲である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記制音体は、吸水率が8%~15%の範囲であるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤでは、前記多孔質材料は、エーテル系ポリウレタンであるのが好ましい。
本発明は叙上の如く、連続気泡を有する多孔質材料からなる制音体において、その気泡(セル)数を30個/25mm以上とし、気泡(セル)を微細化している。そのため、毛細管現象の効果により、パンク修理液が、制音体の内部まで浸入し易くなる。これにより、パンク穴へのパンク修理液の流入を早めることができる。即ち、パンク修理を迅速かつ確実に行いうる。気泡(セル)数が60個/25mmを越えると、微細化し過ぎてパンク修理液の通過量が減り、パンク修理が遅くなる。
他方、ΣSa/Sを30%以下として、空隙率を低く設定し、制音体全体が吸収可能なパンク修理液の量を制限している。そのため、パンク修理液が全体にいき渡らなくなって、パンク修理が確実に行えなくなるのを抑制しうる。又吸収量にムラが生じて重量アンバランスを招くなどの問題を抑制しうる。ΣSa/Sが10%を下回ると、空隙率が過小となり、制音効果が不充分となる。又パンク修理液の吸収量も減じるため、パンク穴へのパンク修理液の流入も遅くなる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある)1は、カーカス6、ベルト層7、バンド層9、インナーライナ10、及び、制音体20を有する。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」という場合がある)1は、カーカス6、ベルト層7、バンド層9、インナーライナ10、及び、制音体20を有する。
カーカス6は、一対のビード部4、4間を跨ってのびる。カーカス6は、少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aにより構成される。カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8が配される。
カーカスプライ6Aは、例えば、タイヤ赤道Cに対して80~90度の角度で配列されたカーカスコード(図示省略)を具える。
ベルト層7は、カーカス6のタイヤ半径方向外側、かつ、トレッド部2の内部に配される。本実施形態のベルト層7は、2枚のベルトプライ7A、7Bによって構成される。ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ周方向に対して、例えば10~35度の角度で配列するベルトコード(図示省略)を具える。ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わされる。
バンド層9は、ベルト層7のタイヤ半径方向の外側に配置される。本実施形態のバンド層9は、タイヤ周方向に螺旋状に巻回されたバンドコード(図示省略)を有するバンドプライ9Aを具える。
インナーライナ10は、カーカス6の内側に配され、タイヤ内腔面16を形成する。インナーライナ10は、例えば、空気非透過性を有するブチル系ゴムによって構成されている。
制音体20は、前記タイヤ内腔面16のうち、トレッド部2の内面(2S)に配される。本実施形態の制音体20は、前記内面2Sに接着される底面を有する長尺帯状をなし、タイヤ周方向にのびる。本実施形態の制音体20は、そのタイヤ周方向両端部が互いに突き合わされる。これにより、タイヤ周方向に連続する環状体として形成される。なお制音体20の両端部間が、タイヤ周方向に離間されても良い。この場合、両端部間の離間距離は、80mm以下が重量バランスの観点から好ましい。
制音体20は、連続気泡を有する多孔質材料から形成される。多孔質材料として、ゴム及び合成樹脂を発泡させた発泡体(所謂スポンジ)が好適に採用しうる。例えばゴム発泡体として、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EPDMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などが挙げられる。又合成樹脂発泡体として、エーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどが挙げられる。なかでも、エーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジが、制音性、軽量性、発泡の調節可能性、耐久性などの観点から好適である。
制音体20は、タイヤ周方向の各位置において、実質的に同じ断面形状を有する。断面形状としては、走行時の倒れや変形を防止するために、タイヤ軸方向の巾に対して、タイヤ半径方向の高さを小とした偏平横長状のものが好ましい。特に、制音体20のタイヤ半径方向内面側に、周方向に連続してのびる凹溝21が配されることが好ましい。
このような制音体20は、その表面や内部の気泡(セル)が、タイヤ内腔内で振動する空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して消費させる。これにより空洞共鳴エネルギーが減少され、ロードノイズが低減される。
本実施形態では、制音体20を単層構造としながらも、パンク修理液を用いたパンク修理を迅速かつ確実に行うために、以下の特徴を有する。
(ア)制音体20において、その気泡(セル)数Nが、30~60個/25mmの範囲である。
(イ)制音体20の任意の断面において、その断面の面積Sに占める各気泡の断面積Saの総和ΣSaの割合、即ち、ΣSa/Sが、10%~30%の範囲である。
(ア)制音体20において、その気泡(セル)数Nが、30~60個/25mmの範囲である。
(イ)制音体20の任意の断面において、その断面の面積Sに占める各気泡の断面積Saの総和ΣSaの割合、即ち、ΣSa/Sが、10%~30%の範囲である。
「気泡(セル)数N」は、JIS K6400-1の附属書1(参考)に準じて測定される。本実施形態では、セルを認識しうる倍率を有する目盛り付き拡大装置を用い、制音体20から採取した試験片の表面を観察する。そして、直線上25mmの長さ当たりのセルの数が目視によって測定される。なお「直線上25mmの長さ当たりのセルの数」とは、長さ25mmの直線上に、セルの少なくとも一部が位置するセルの数を意味する。目盛り付き拡大装置として、例えば、ライカ製のデジタルマイクロスコープが使用される。試験片は、厚さが10mm以上、幅及び長さが100mm以上である。測定箇所は3箇所であり、数Nとして、各測定箇所で得られた測定結果の平均値が採用される。気泡(セル)数Nが多いほど、気泡(セル)が小さい。
「ΣSa/S」は、走査電子顕微鏡(SEM)を用い、制音体20の任意の位置にて断面画像を求める。そして、この断面画像を画像処理することにより、制音体20の断面の面積S、断面中に現れる気泡の断面積Saの総和ΣSa、及びその比ΣSa/Sが求められる。測定箇所(断面位置)は3箇所であり、ΣSa/Sとして、各測定箇所で得られた測定結果の平均値が採用差得れる。ΣSa/Sが小なほど、空隙率が低い。
制音体20を有するタイヤ1に対してパンク修理液を用いたパンク修理を行った場合、以下のような問題が生じる。例えば、制音体20が独立気泡を有する多孔質材料からなる場合、パンク修理液が、制音体20の内部に浸入しない。そのため、パンク修理液がパンク穴まで到達せずに、パンク修理が行われない。又制音体20が連続気泡を有する多孔質材料からなる場合であっても、気泡(セル)が大きい場合には、パンク修理液が制音体20の内部まで流入し難くい。そのため、パンク穴が塞がれるまでに時間がかかってしまう。
これに対して本発明では、気泡(セル)数Nを30個/25mm以上として、気泡(セル)を微細化している。そのため、毛細管現象の効果により、パンク修理液が制音体20の内部まで浸入し易くなる。これにより、パンク穴へのパンク修理液の流入が早められる。即ち、パンク修理が迅速かつ確実に行われる。しかし、気泡(セル)数が60個/25mmを越えると、微細化し過ぎてパンク修理液の通過量が減り、パンク修理が遅くなる傾向となる。このような観点から、気泡(セル)数Nの下限値は、30個/25mmより大、さらには35個/25mm以上が好ましい。又上限は、55個/25mm以下が好ましい。
他方、単層構造の制音体20において、気泡(セル)が微細化され、パンク修理液の浸透性が高められた場合、注入したパンク修理液が、制音体20の全体で吸収されることとなる。即ち、制音体20におけるパンク修理液の吸収能力が、著しく増加する。そのため、制音体の無い通常タイヤのパンク修理キットを用いた場合、パンク修理液の注入量不足となる。そのため、パンク修理液が周方向の全体にいき渡らなくなって、パンク修理が確実に行えなくなる。又吸収量にムラが生じて重量アンバランスを招くという問題が生じる。
これに対して、本発明では、ΣSa/Sを30%以下として、制音体20全体が吸収可能なパンク修理液の量を制限している。そのため、パンク修理液を周方向全体にいき渡らせることができ、パンク修理を確実に行いうる。又吸収量のムラによる重量アンバランスの発生を抑制しうる。ΣSa/Sが10%を下回ると、空隙率が過小となり、制音効果が不充分となる。又パンク修理液の吸収量も減じるため、パンク穴へのパンク修理液の流入も遅くなる。このような観点から、ΣSa/Sの下限値は、15%以上が好ましく、上限は20%以下が好ましい。なお気泡(セル)数N及び比ΣSa/Sは、例えば、多孔質材料に添加される整泡剤の種類及び使用量を調節することによって行うことができる。
制音体20では、吸水率が8%~15%の範囲であるのも好ましい。「吸水率」は、下記式(1)によって計算される。式(1)において、「浸漬前後の重量変化」は、縦50mm、横50mm、及び厚さ20mmの試験片を、厚さ方向に圧縮率50%で圧縮し、水温20℃で、水面下10cmの水中に24時間浸漬したときの重量増加分である。
吸水率(%)= 浸漬前後の重量変化(g)/50%圧縮時の体積(cm3)×100 …(1)
吸水率(%)= 浸漬前後の重量変化(g)/50%圧縮時の体積(cm3)×100 …(1)
吸水率が15%を越えると、制音体20におけるパンク修理液の吸収能力も増加してしまう。そのため、パンク修理液が周方向の全体にいき渡らなくなって、パンク修理が確実に行えなくなる。又吸収量にムラが生じて重量アンバランスを招く傾向となる。逆に8%を下回ると、パンク穴へのパンク修理液の流入が遅くなり、パンク修理が遅れる傾向となる。このような観点から、吸水率の下限は10%以上が好ましく、上限は13%が好ましい。なお吸水率は、例えば、多孔質材料に添加される撥水剤又は親水剤を調節することによって行うことができる。
又制音体20では、-60℃の雰囲気における25%圧縮荷重時の硬さが110kPa以下であるのが好ましい。この25%圧縮荷重時の硬さ(25%CLD)は、JIS K6400-2に準じて測定される。本実施形態では、制音体20から採取した試験片を-60℃の雰囲気に10分間放置した後に、JIS K6400-2:2012の第6項「硬さ試験」のD法に準じ、試験機を用いて、20秒の間、試験片を25%定圧縮した後に測定される。言い換えると、試験片を厚さ25%まで加圧し、この状態(25%定圧縮)にて20秒間保持した後の力を読み取りこれを硬さとする。試験片のサイズは、240mm(縦)×240mm(横)×45mm(厚さ)である。試験機として、例えば、日本計測システム株式会社製のUFTウレタン試験機(UFT-5KN))が用いられる。
ここで、多孔質材料からなる制音体20は、低温環境下において硬化し、ロードノイズの低減効果が低下する傾向がある。しかし、-60℃の雰囲気における25%圧縮荷重時の硬さを110kPa以下とした制音体20は、低温環境下で硬化し難くい。そのため、タイヤ内腔内での空気振動を吸収でき、ロードノイズの低減効果の低下が抑制される。なお前記硬さは、例えば、制音体20の原料の粘度などによって調整することができる。このような作用効果をより発揮させるために、25%圧縮荷重時の硬さは、90kPa以下がより好ましい。しかし25%圧縮荷重時の硬さが小さ過ぎると、制音体20の耐久性が低下するおそれがある。このような観点から、下限値は50kPa以上、さらには62kPa以上がより好ましい。
なお本実施形態のタイヤ1では、トレッド部2の内部、かつベルト層7のタイヤ半径方向内側又は外側に、制振ゴム体30が配される。本実施形態の制振ゴム体30は、カーカス6とベルト層7との間に配されている。制振ゴム体30は、カーカスプライ6A及びベルトプライ7Aのトッピングゴムとは異なる組成のゴムによって構成される。
本実施形態において、制振ゴム体30のゴム硬度H1は、トレッドゴム11のゴム硬度H2よりも小である。前記「ゴム硬度」は、JIS K6253に準拠し、23℃の環境下におけるデュロメータータイプAによるゴム硬さで定義される。
このような制振ゴム体30は、トレッド部2の振動を抑制し、例えば160Hz付近の走行ノイズを効果的に低減できる。しかも、本実施形態のタイヤ1は、制音体20によって250Hz付近のノイズも低減できるため、タイヤ1のノイズ性能を効果的に高めることができる。
上記作用を効果的に発揮させるために、制振ゴム体30のゴム硬度H1と、トレッドゴム11のゴム硬度H2との比(H1/H2)は、0.5以上、1.0未満に設定されるのが望ましい。なお、比(H1/H2)が1.0以上であると、トレッド部2の振動が十分に抑制されないおそれがある。逆に、比(H1/H2)が0.5未満であると、制振ゴム体30の剛性が小さくなり、操縦安定性が維持されないおそれがある。このような観点より、比(H1/H2)の上限は0.8以下が好ましく、下限は0.6以上が好ましい。
また、制振ゴム体30のゴム硬度H1及びトレッドゴム11のゴム硬度H2については、上記比(H1/H2)を満足すれば、適宜設定されうる。本実施形態のゴム硬度H1は、30~73度に設定されるのが望ましい。また、本実施形態のゴム硬度H2は、55~75度に設定されるのが望ましい。これにより、タイヤ1は、操縦安定性を維持しつつ、トレッド部2の振動を効果的に抑制することができる。
制振ゴム体30の幅W1や最大厚さT1については、適宜設定することができる。本実施形態の制振ゴム体30の幅W1は、ベルト層7のタイヤ軸方向の幅W2の60%~130%に設定される。また、最大厚さT1は、トレッドゴム11の最大厚さT2の4%~20%に設定される。これにより、制振ゴム体30は、タイヤ1の質量の増加を防ぎつつ、トレッド部2の振動を抑制することができる。
本実施形態では、カーカス6とベルト層7との間に配される制振ゴム体30が例示されたが、このような態様に限定されない。制振ゴム体30は、例えば、ベルト層7とバンド層9との間に配されていてもよい。又、バンド層9のタイヤ半径方向の外側に配されてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造を有し、かつ表1の仕様の制音体を有するタイヤが製造された。比較のために、制音体を有しないタイヤ(比較例1)が製造され、それらの性能が評価された。制音体として、ポリイソシアネート成分(X)とポリオール含有成分(Y)とを反応させたエーテル系ポリウレタンスポンジ(連続気泡)が使用される。ポリオール含有成分(Y)は、ポリオール成分(a)、触媒(b)、整泡剤(c)、及び発泡剤としての水を含み、本例では、整泡剤の種類及び使用量により、気泡(セル)数N及び比ΣSa/Sが調節された。又吸水率は、撥水剤の種類及び使用量により調整された。
各実施例及び比較例に共通する仕様は、以下のとおりである。
タイヤサイズ:245/50R18
リムサイズ:18×7.5J
内圧:230kPa
テスト車両:乗用車(国産ハイブリッド車のFR車)
<制音体>
-- 材質:エーテル系ポリウレタンスポンジ(連続気泡)
-- 断面積;タイヤ内腔の断面積の10%
-- -60℃の雰囲気における25%圧縮荷重時の硬さ90kPa
<制振ゴム体>
--ゴム硬度H1:58度
--最大厚さT1:1mm
<トレッドゴム>
--ゴム硬度H2:64度(比H1/H2=0.9)
--最大厚さT2:10mm(比T1/T2=0.1)
タイヤサイズ:245/50R18
リムサイズ:18×7.5J
内圧:230kPa
テスト車両:乗用車(国産ハイブリッド車のFR車)
<制音体>
-- 材質:エーテル系ポリウレタンスポンジ(連続気泡)
-- 断面積;タイヤ内腔の断面積の10%
-- -60℃の雰囲気における25%圧縮荷重時の硬さ90kPa
<制振ゴム体>
--ゴム硬度H1:58度
--最大厚さT1:1mm
<トレッドゴム>
--ゴム硬度H2:64度(比H1/H2=0.9)
--最大厚さT2:10mm(比T1/T2=0.1)
<パンク修理性能>
トレッド部の中央が釘(直径3.0mm)でパンクされた右側前輪のタイヤに対して、市販のパンク修理液(液量400cc)を充填し、パンク修理を行った。そして50mの旋回半径を有するJターン試験路(3周で約1km)を速度40km/hで走行し、1km走行毎に、タイヤの内圧(シール状態)を確認した。そして、内圧低下が止まった状態(パンク穴が完全にシールされた状態)に至るまでの時間を測定した。測定時間の逆数を、比較例1を100とする指数で評価された。数値が大なほど、シールされるまでの時間が短く、パンク修理性能に優れている。
トレッド部の中央が釘(直径3.0mm)でパンクされた右側前輪のタイヤに対して、市販のパンク修理液(液量400cc)を充填し、パンク修理を行った。そして50mの旋回半径を有するJターン試験路(3周で約1km)を速度40km/hで走行し、1km走行毎に、タイヤの内圧(シール状態)を確認した。そして、内圧低下が止まった状態(パンク穴が完全にシールされた状態)に至るまでの時間を測定した。測定時間の逆数を、比較例1を100とする指数で評価された。数値が大なほど、シールされるまでの時間が短く、パンク修理性能に優れている。
<ロードノイズ>
パンクさせる前のタイヤを用い、ノイズ計測用の荒れたアスファルト路面を速度50km/hにて走行させた。その時、車内騒音を運転席窓側耳許位置に設置したマイクロホンにて採取し、230Hz付近の気柱共鳴音のピーク値の音圧レベルが測定された。結果は、比較例1を基準とする増減値で示された。マイナス(-)表示は、ロードノイズが低減していることを意味する。
パンクさせる前のタイヤを用い、ノイズ計測用の荒れたアスファルト路面を速度50km/hにて走行させた。その時、車内騒音を運転席窓側耳許位置に設置したマイクロホンにて採取し、230Hz付近の気柱共鳴音のピーク値の音圧レベルが測定された。結果は、比較例1を基準とする増減値で示された。マイナス(-)表示は、ロードノイズが低減していることを意味する。
表に示すように、実施例のタイヤは、空洞共鳴エネルギーを減少できロードノイズを低減させうるのが確認できる。又実施例のタイヤは、制音体を単層構造としながらも、パンク修理液を用いたパンク修理を迅速かつ確実に行いうる。
表中の※1では、制音体の吸収能力がパンク修理液の注入量を上回っている。そのため、パンク修理液が周方向の全体にいき渡らなくなり、パンク修理が確実に行えなくなった。又吸収量が偏って重量アンバランスが発生した。
1 空気入りタイヤ
2S 内面
2 トレッド部
20 制音体
2S 内面
2 トレッド部
20 制音体
Claims (4)
- トレッド部の内面に、連続気泡を有する多孔質材料からなる制音体が配された空気入りタイヤであって、
前記制音体は、気泡(セル)数が30~60個/25mmの範囲、かつ制音体の任意の断面において、その断面の面積Sに占める各気泡の断面積の総和ΣSaの割合が10%~30%の範囲である空気入りタイヤ。 - 前記制音体は、吸水率が8%~15%の範囲である請求項1の空気入りタイヤ。
- 前記多孔質材料は、エーテル系ポリウレタンである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド部は、ベルト層と、このベルト層のタイヤ半径方向内側又は外側に配される制振ゴム体とを具え、前記制振ゴム体のゴム硬度H1とトレッドゴムのゴム硬度H2との比H1/H2は、0.5以上1.0未満である請求項1~3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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