JP7045737B1 - 走査ユニット、システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、キャピラリー内の試料の検出を簡便で高精度に行うことを可能とする走査ユニットを提供することである。【解決手段】本発明に係る走査ユニットは、キャピラリーの軸方向に移動する走査ユニットであって、光学系を有する光学系ユニットと、キャピラリーを所定位置に規制する規制部とを備える。光学系ユニットは、入射側の光を第一の光軸に沿って所定位置に伝送する、1以上の光学素子を有する第一の光学系と、所定位置から出射される出射側の光を第二の光軸に沿って伝送する、1以上の光学素子を有する第二の光学系とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、走査ユニット、システムおよび方法であって、特に、キャピラリー等電点電気泳動における試料検出に適した走査ユニット、システムおよび方法に関する。
タンパク質等の試料は、リン酸化や糖鎖付加等の翻訳後修飾によって、同一の遺伝子に由来しながら複数の分子型として存在することが多い。このような分子型の分布パターンは細胞や個体における当該タンパク質機能の調節に関わっており、また、裏を返せば細胞や個体の状態を反映していると考えられ、そのパターンから生体の状態に関する有用な情報を得ることができる。タンパク質の翻訳後修飾による分子型パターンの解析に大きな可能性を持つ方法として、分解能が高く、短時間で分離を完了するキャピラリー等電点電気泳動がある。
キャピラリー等電点電気泳動により分離された試料を検出する方法として、光検出がある。これは、キャピラリー内の試料に光を当て、その光に対する応答から試料を検出する方法である。このような試料検出方法としては、キャピラリー全体を検出する方法と、キャピラリー上の固定した一点のみにおいて検出する方法とがあり、キャピラリー全体を検出する方法としては、キャピラリー全体を走査する走査検出と、キャピラリー全体を撮影する画像検出とがある。走査検出の場合、固定された検出器に対してキャピラリーを移動させる方法と、固定されたキャピラリーに対して検出器を移動させる方法とがあるが、例えば装置の場所的制約がある場合には、キャピラリーを移動させる方法よりもキャピラリーを固定した状態で検出器を走査して検出を行う方法の方が有利である(特許文献1参照)。
特許第6422131号明細書
しかしながら、特許文献1には、キャピラリー等電点電気泳動により焦点化された試料の検出を行う走査型検出器の具体的な構成が何ら開示されていない。
本発明は、キャピラリー内の試料の検出を簡便で高精度に行うことを可能とする走査ユニットを提供することを目的とする。
1つの局面において、本発明は、キャピラリーの軸方向に移動する走査ユニットを提供する。本走査ユニットは、光学系を有する光学系ユニットと、キャピラリーを所定位置に規制する規制部とを備え、光学系ユニットは、入射側の光を第一の光軸に沿って所定位置に伝送する、1以上の光学素子を有する第一の光学系と、所定位置から出射される出射側の光を第二の光軸に沿って伝送する、1以上の光学素子を有する第二の光学系とを備えることを特徴とする。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、第一の光学系および第二の光学系は、第一の光軸と第二の光軸とがなす角度が0度でないように配置される。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、規制部は、走査ユニットに対するキャピラリーの径方向の動きを規制する溝または孔を備える規制プレートを備える。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、規制部は、さらに押圧プレートを備え、押圧プレートは、溝に配置されたキャピラリーを押圧した状態で挟み込むように構成されている。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、走査ユニットは、規制部と光学系ユニットとの相対位置を変動させる位置調節機構をさらに備える。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、走査ユニットは、規制部と光学系ユニットとが当接する接触面を有し、位置調節機構は、接触面に沿って、規制部または光学系ユニットのいずれか一方がスライド移動するように構成されている。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、第一の光学系が有する光学素子は、入射側集光レンズを備え、第二の光学系が有する光学素子は、出射側集光レンズを備える。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、第二の光学系は、走査ユニットに光伝送部材を接続する光伝送部材接続部をさらに備え、出射側の光は、光伝送部材を介して光検出器に伝送される。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、走査ユニットは、光検出器および/またはフィルタユニットをさらに備え、光検出器および/またはフィルタユニットは、第二の光学系と直接接続されるように構成されている。
本発明に係る走査ユニットの一態様において、走査ユニットは、光学系ユニットを収納する第一のハウジングと、光検出器および/またはフィルタユニットを収納する第二のハウジングとを備え、走査ユニットの走査方向における第一のハウジングの厚さは、第二のハウジングの厚さよりも小さい。
別の局面において、本発明はまた、本発明に係る走査ユニットを使用した試料検出システムを提供する。本システムは、走査領域を有するキャピラリーと、光源と、走査ユニットと、走査ユニットから出射光を受け取る光検出器とを備える。
本発明に係るシステムの一態様において、システムは、走査領域を有するキャピラリーと、光源と、走査ユニットとを備える。
本発明に係るシステムの一態様において、システムは、キャピラリーの第一の端部に接続される陽極液と、キャピラリーの第二の端部に接続される陰極液と、キャピラリー中の異なる溶液の境界部を検出する境界検出器とをさらに備える。
本発明に係るシステムの一態様において、システムは、走査領域を囲む枠体をさらに備える。
別の局面において、本発明はまた、本発明に係るシステムを用いてキャピラリー等電点電気泳動による試料を検出する方法を提供する。
本発明により、キャピラリー内の試料の検出を簡便かつ高精度に行うことを可能とする走査ユニットを得ることができる。
図1は、本発明に係る走査ユニットの第一の実施形態の斜視図である。 図2は、本発明に係る走査ユニットの第一の実施形態の水平断面図である。 図3は、本発明に係る走査ユニットの第一の実施形態の規制プレートと押圧プレートとの接触面の上面図である。 図4は、本発明に係る走査ユニットの例示的な規制プレート側接触面および押圧プレート側接触面の平面図である。 図5Aは、本発明に係る走査ユニットのスライド移動による位置調節機構の第一例を示す水平断面図である。 図5Bは、本発明に係る走査ユニットのスライド移動による位置調節機構の第二例を示す斜視図である。 図5Cは、本発明に係る走査ユニットのスライド移動による位置調節機構の第三例を示す平面図である。 図6は、本発明に係る走査ユニットの第二の実施形態の斜視図である。 図7は、本発明に係る走査ユニットの第二の実施形態の水平断面図である。 図8は、本発明に係る走査ユニットの第二の実施形態の鉛直断面図である。 図9は、本発明に係る走査ユニットの第三の実施形態の水平断面図である。 図10は、本発明に係る走査ユニットを用いた試料検出システムの斜視図である。 図11は、本発明に係る走査ユニットおよびキャピラリーの走査領域を囲む枠体を備える試料検出システムの斜視図である。
以下、本発明を説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同様の意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
本明細書において、「約」とは、後に続く数字の±10%の範囲内をいう。
本発明は、特にキャピラリー等電点電気泳動による試料検出に有用な走査ユニット、システムおよび方法に関する。しかしながら、キャピラリー等電点電気泳動による試料検出に限定されず、他の用途にも適用可能である。本発明に係る走査ユニットは、蛍光検出、光吸収検出、屈折率検出等の多様な検出方式に適用可能である。以下に図面を用いて本発明に係る実施形態を詳細に説明する。図面全体にわたって、同様の参照番号は同様の部分を表す。
図1は、本発明に係る走査ユニット110の一例である走査ユニットの斜視図である。走査ユニット110は、光学系ユニット118(図2を参照)と、規制部150と、走査ベース114とを備えており、キャピラリー5は、規制部150によって所定の位置に規制されるように構成されている。走査ユニット110は、走査ユニットの外部に存在する光源(図示せず)から光伝送部材102を介して光学系ユニット内に入射側の光を伝送するために入射側光伝送部材接続部142を備えており、入射側の光を光源から入射側光伝送部材102を介してキャピラリー5内の試料に照射できるように構成されている。そして、走査ユニット110は、試料に照射された後の光を走査ユニット110の外部に存在する光検出器(図示せず)に伝送するための出射側光伝送部材接続部144をさらに備え、キャピラリー5内の試料によって応答された出射側の光を、出射側光伝送部材106を介して光検出器へ伝送することが出来るように構成されている。走査ユニット110は、走査ベース114に接続される駆動機構(図示せず)によってキャピラリー軸12に沿った方向に移動できるようになっている。走査ユニット110のキャピラリー軸12に沿った方向への移動を行いつつキャピラリー軸12上の各位置において上記のような光の伝送を継続的に行うことによって、キャピラリー5内の試料を走査することが可能となる。
図2は、本発明に係る走査ユニット110の、図1に示されるA-A断面図である。走査ユニット110は、光学系ユニット118と、キャピラリーを所定位置に規制する規制部150と、駆動機構によって移動させられる走査ベース114と、光源101からの光を走査ユニットに伝送する光伝送部材102が接続される入射側光伝送部材接続部142と、キャピラリーから出射した光を光検出器107に伝送する光伝送部材106が接続される出射側光伝送部材接続部144とを備える。なお、図2に示す実施形態においては、入射側光伝送部材接続部142および出射側光伝送部材接続部144を備える場合について説示したが、本発明はこれに限定されない。光源を走査ユニット110内に設置し直接光源からの光をキャピラリーに照射すること、および光伝送部材からの光を直接キャピラリーに照射することによって、入射側光伝送部材接続部142を設けないようにしてもよいし、また、光検出器を走査ユニット110内に設置することによって、出射側光伝送部材接続部144を備えないようにしてもよい。光伝送部材から直接光をキャピラリー5に照射する場合には、照射範囲を限定するために径の小さい光伝送部材を用いる必要がある。径の大きい入射側光伝送部材を用いる、または光源を走査ユニット内に設置する場合には、好ましくは、光学系ユニット118(第一の光学系120および/または第二の光学系130)(図2を参照)を設ける。このように、走査ユニット110に光学系ユニット118(図2を参照)とキャピラリーを所定位置に規制する規制部150とを備えることにより、従来の入射側光学系と出射側光学系とが別々に設けられる装置と比較して、簡単な装置構成でかつ精度よく検出することが可能である。また、従来のキャピラリーを移動させる検出器に比較しても、キャピラリーを固定し走査ユニットを走査する方が装置をコンパクトにできる効果を奏する。
光学系ユニット118は、入射側の光を第一の光軸128に沿ってキャピラリー5に伝送する第一の光学系120と、キャピラリー5から出射される出射側の光を第二の光軸138に沿って伝送する第二の光学系130とを備え得る。光学系ユニット118は、ハウジング112内に収容され得る。第一の光学系120と第二の光学系130とは、それぞれ別の構成であってもよいし、単一の光学系で入射側および出射側の両方の光を伝送するようにしてもよい。好ましい実施形態において、入射側の光と出射側の光との混合を防止するために、第一の光学系120と第二の光学系130とは別の構成である。
第一の光学系120は、1以上の光学素子を有し得る。光学素子は、例えば、レンズ、ミラー、プリズム、ビームスプリッタ、フィルタ、または波長板等を含み得る。好ましくは、第一の光学系120における光学素子は、光伝送部材102により伝送される光をキャピラリー5に照射するために、光をコリメートする入射側コリメートレンズ122と、光を集光する入射側集光レンズ124とを備え得る。入射側コリメートレンズ122は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、またはボールレンズであり得る。そして、入射側集光レンズ124は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、凹凸レンズ、ボールレンズ、または半球レンズであり得る。入射側集光レンズ124は、キャピラリー5を規制する溝162の位置に集光される焦点距離を有するように選択および配置され得る。
そして、第一の光軸128は、1以上の光学素子の中心と、その焦点とを結ぶ直線によって形成されるものである。
第二の光学系130は、第一の光学系120と同様に、1以上の光学素子を有し得る。光学素子は、例えば、レンズ、ミラー、プリズム、ビームスプリッタ、フィルタ、または波長板等を含み得る。好ましくは、第二の光学系130における光学素子は、出射側コリメートレンズ132および出射側集光レンズ134を備え得る。
そして、第二の光軸138は、1以上の光学素子の中心と、その焦点とを結ぶ直線によって形成されるものである
また、走査ユニット110による走査は、光を正確にコリメートせずに実施されることも可能である。そのような場合には、第一の光学系および第二の光学系はそれぞれ、入射側集光レンズ124および出射側集光レンズ134のみを備え得る。この例では、光学素子は、例えばボールレンズのみを備え、ボールレンズによって必要な集光を行うことが可能である。
第一の光学系120および第二の光学系130は、第一の光軸128と第二の光軸138とが任意の角度をなすように配置され得る。第一の光軸128と第二の光軸138とのなす角度は、走査ユニットの設計および光の検出方式等により決定され得る。例えば、蛍光検出の場合、蛍光はキャピラリー5の全周にわたって発せられるため、入射側の光が第二の光学系ユニットに進入するような約180度の角度を除くいずれの角度も採用され得る。1つの実施形態において、蛍光検出の場合における第一の光軸128と第二の光軸138とのなす角度は、約45°~約135°、好ましくは約75°~約105°、より好ましくは約90°である。第一の光軸128と第二の光軸138とのなす角度を、約75°~約105°とすることで、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
走査ベース114は、キャピラリー軸12の方向に移動させる駆動機構(図示せず)に接続される。走査ベース114は、例えば、走査ユニット110と一体として形成され得るが、本発明はこれに限定されない。たとえば、走査ベース114は、走査ユニット110に外部から取り付けられ、走査ベースを挟んで光源および光検出器が接続されてもよいし、走査ベース114自体が走査ユニット110として機能し、走査ベース114中に光学系ユニット118が組み込まれてもよい。
規制部150は、キャピラリー5に光を確実に照射しかつキャピラリー5から出射する光を確実に検出するために、キャピラリー5を走査ユニット110内の所定位置に規制するためのものである。具体的には規制部150は、走査ユニット110に対するキャピラリー5の径方向の動きを規制するが、キャピラリー5の軸方向の動きは規制しないように構成されている。規制部150は、キャピラリー5の軸方向の動きは規制せず、径方向への移動を規制できれば任意の手段であり得る。規制部の機構としては、例えば、図3に示すような溝162を有する規制プレート160によってキャピラリー5の径方向の移動を規制するものであってもよいし、孔によってキャピラリー5の径方向の移動を規制するものであってもよい。溝の形状または孔の形状は任意であり得る。例えば、V溝、U溝であってもよいし、略円形孔であってもよいし、略楕円孔や略矩形孔であってもよい。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
本実施形態では、規制部150は、規制プレート160の他に押圧プレート170を備え得る。規制プレート160は、光学系ユニット118に対するキャピラリー5の径方向の動きを規制する溝162を備える。押圧プレート170は、溝162に設置されるキャピラリー5を規制プレート160と共に挟み込むようにして規制プレート160に結合することによって、キャピラリーの径方向の位置を固定し得る。
規制プレート160に対する押圧プレート170の固定手段は任意であり得る。例えば、磁石等の磁気力、ボルトおよびナット等の締結手段、ゴム等の弾性力、またはスナップフィット構造等の接着力によって固定され得る。また、他の実施形態では、規制部150は、光学系ユニットに対するキャピラリーの径方向の動きを規制する孔を備える単一のプレートで形成され得る。
キャピラリーの径方向の動きを規制する溝または孔は、任意の形状、大きさおよび素材等を備え得る。図3は、図2の溝162近傍の拡大図である。本実施形態では、溝162は、V字状の断面を有する。溝162は、規制プレート側接触面164からキャピラリー5が少しはみ出すような断面形状に設計され得る。これにより、押圧プレート170と規制プレート160とが結合されたときに、押圧プレート170がキャピラリー5を押圧し、キャピラリー5は、溝162内の2点5aおよび5b、ならびに押圧プレート側接触面174上の1点5cに接触する。3点5a、5bおよび5cで接触することにより、キャピラリー5の径方向の動きが確実に規制される。また、溝は、押圧プレート170に設けられてもよいし、規制プレート160および押圧プレート170の両方に設けられてもよい。
規制部150によるキャピラリー5の規制は、キャピラリー5の径方向の移動は可能な限り規制するが、軸方向への移動は可能な限り滑らかになるように固定するのが好ましい。このようにすることで、走査ユニットの走査が滑らかに行えると同時にキャピラリーの光検出が精度よく行うことが可能となる。このためには、例えば、規制プレート160および/または押圧プレート170のキャピラリー5と接する部分の表面は、滑らかな平滑面を有し、さらに、フッ素樹脂、超高分子量ポリエチレン等滑性の高い材料で構成されていることが好ましい。
図4は、規制部を構成する2つのプレートの接触面について、例示的な規制プレート側接触面164および押圧プレート側接触面174の平面図である。図4(a)には、規制プレート側接触面164の平面図を示し、図4(b)には、押圧プレート側接触面174を示している。規制プレート側接触面164は、その略中央に光の入射および出射のための開口部126を備え得る。開口部126は、第一の光学系120に連通するように構成されており、入射側の光を通過させ得るようになっている。また、開口部126は、第二の光学系130にも連通するように構成されており、出射側の光を通過させ得るようになっている。溝162は、開口部126の上側および/または下側に配置され得る。
規制プレート160は、光学系ユニット118を収容するハウジング112と任意の手段で固定可能に構成され得る。一つの実施形態において、規制プレート160は、規制プレート160とハウジング112とを連結する規制プレート固定具182を通過させるための固定具通し孔184を備え得る。好ましくは、固定具通し孔184は図4に示す様にキャピラリー軸12に直交する方向が長手方向となる略矩形状である。そして、押圧プレート170は、規制プレート固定具182を締めるためのレンチを通す孔175を備え得る。さらに、規制プレート160は、規制プレート160と押圧プレート170とを結合するための結合部166を備え、押圧プレート170も、これに対応する結合部176を備え得る。結合部166および176は、2つのプレートの接触面を密着させて結合させるための任意の構成であり、例えば、磁石等の磁気力、ボルトおよびナット等の締結手段、スナップフィット構造等の接着力であり得る。1つの実施形態において、締結手段はマグネットであって、結合部176は孔を有し、マグネットがはめ込まれている。そして、結合部166は、マグネット受け用ピンを通すための孔である。好ましくは、結合部166は図8に示す様にキャピラリーの軸に直交する方向が長手方向となる略矩形状である。固定具通し孔184および結合部166を図4に示すようなキャピラリーの軸に直交する方向が長手方向となる略矩形状とすることにより、後述する位置調節機構における規制部150と光学系ユニット118との相対位置の変更に対して柔軟に対応することが可能となる。なお、図4においては、押圧プレート側接触面174は、規制プレート側接触面164と同様の面積を有するように描写されるが、押圧プレート側接触面174は、少なくとも溝162を覆う大きさを有していればよい。
走査ユニット110はさらに、規制部150と光学系ユニット118との相対位置を変動させる位置調節機構を備え得る。規制部150と光学系ユニット118との相対位置を変動させる機構は、任意の機構であり得る。例えば、光学系ユニット118を収納するハウジング112の表面と接触する規制部150の規制プレート160の表面との間で相対的に両者の位置をスライド移動させる機構であってもよいし、規制部150と光学系ユニット118との結合面において結合位置を変更できるように複数の結合位置を設ける機構であってもよい。
走査ユニット110における位置調節機構は、図5Aに示す様に、規制部150と光学系ユニット118とが当接する接触面155に沿って、規制部150または光学系ユニット118のいずれか一方が相対的にスライド移動するように構成され得る。なお、図5Aは、図2に示される規制部150周辺部の拡大図である。本実施形態では、位置調節機構は、規制プレート160に取り付けられる位置調節具180と、位置調節具180とハウジング112とを連結する連結部材186と、規制プレート固定具182と、固定具通し孔184と、連結部材固定具188とによって構成され得る。規制プレート固定具182は、規制プレート160内に設けられた調節孔184を通って規制プレート160とハウジング112とを連結し得る。位置調節具180は、規制プレート160の対向する側面167および168から、締結部材186を介して規制プレート160の内側に向かって延在し得る。連結部材186は、2つの孔を備え、そのうち一方を位置調節具180が通過し、もう一方を連結部材固定具188が通過し、連結部材固定具188によって連結部材186がハウジング112に固定され得る。固定具通し孔184のX?X方向の径は、規制プレート固定具182の径よりも大きく設定されており、固定具通し孔184のキャピラリーの軸方向の径は、規制プレート固定具182の径より僅かに大きく設定されている。さらに、規制プレート160の幅は、ハウジング112の幅よりも小さく設定されているため、位置調節具180を駆動することによって規制プレート160がX方向またはX方向に移動される。このような機構により、微量の位置調節が可能であり、かつ、位置調節具180を駆動するだけで、光軸に対して簡便に位置調節ができる。
スライド移動による位置調節機構の他の例は、例えば、アリ溝とストッパとを備える機構、またはレールとストッパとを備える機構等を含む。図5Bは、走査ユニットのスライド移動による位置調節機構の第二例である、アリ溝によるスライド式位置調節機構を備える走査ユニットを示す。走査ユニットは、ハウジング512と規制部550との接触面にアリ溝580を備える。アリ溝580に沿って規制部550がハウジング512に対してスライド移動することによって、規制部550と光学系ユニットとの相対位置が変動する。相対位置を決定する際には、規制部550の上下面に設けられたストッパ582を締め、上下からアリ溝に接触させることで、スライド移動を停止させることが可能である。
また、図5Cは、走査ユニットのスライド移動による位置調節機構の第三例である、レールによるスライド式位置調節機構を備える走査ユニットの、光学系ユニットハウジング512’の規制部550’との接触面590(a)、および規制部550’のハウジング512’との接触面592(b)を示す。接触面590は、開口部126の外側に、2つの窪んだレール584を備える。そして、接触面592には2つの突起部585と、突起部の周縁に取り付けられたストッパ586とを備える。ストッパ586は、接触面592の上下に2つずつ設けられたボタン588を接触面592の内側へ押圧することにより、突起部585内に引っ込むように構成される。ストッパ586が引っ込んだ状態で突起部585をレール584に嵌入し、レール584に沿って規制部550’をスライド移動させることにより、規制部550’と光学系ユニットとの相対位置が変動する。相対位置を決定する際には、ボタン588の押圧を解放することで、レール584の壁面とストッパ586が接触し、レール584に対する突起部585の移動を停止させることが可能である。他のスライド機構も適用可能である。
図2に示す様に、走査ユニット110は、光源101から光伝送部材102を介して光を受け取る。光伝送部材102は、走査ユニット110の入射側光伝送部材接続部142に接続される。光源101は、例えば、レーザ、発光ダイオード、またはランプ等であり得る。光伝送部材102は、例えば光ファイバであり得、約50~約400μmのコア径の光ファイバ、例えば約50μm、約100μm、約200μm、または約400μmのコア径の光ファイバであり得る。入射側光伝送部材接続部142は、第一の光学系ユニット120に連通し得る。第一の光学系ユニット120に入射した光は、その中の光学素子を介してキャピラリー5に照射し得る。照射に応答してキャピラリー5から出射した光は、第二の光学系ユニット130に進入し得る。そして、第二の光学系ユニット130に連通している出射側光伝送部材接続部144から光が出射し、光伝送部材106を介して光検出器107へ光が伝送され得る。光伝送部材106は、例えば光ファイバであり得、好ましくは、光伝送部材106としての光ファイバは、そのコア径が入射側の光伝送部材102としての光ファイバのコア径よりも大きい。このようにすることで、出射側の光軸138とキャピラリー規制位置との若干のずれによる光の伝送への支障を防止することが可能となる。出射側の光ファイバは、約400~約1000μmのコア径の光ファイバ、例えば約600μmのコア径の光ファイバを用いることが好ましい。光の検出方式としては、例えば、蛍光検出、屈折率検出、光散乱検出、またはUV吸収検出等であり得、好ましくは、検出の感度の高い蛍光検出であり得る。光検出器107は、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、またはマルチピクセル光検出器等であり得る。
本発明に係る走査ユニットの第二の実施形態として、図6に走査ユニット610を示す。走査ユニット610は、図1に示す走査ユニット110のような入射側光伝送部材接続部142および出射側光伝送部材接続部144を備えておらず、光伝送部材を介さずに直接光源および光検出器に接続されている。走査ユニット610は、ハウジングを備え、光学系ユニット、光源、および光検出器をハウジング内に収容し得る。例えば、走査ユニット610は、第一のハウジング612、第二のハウジング614および第三のハウジング616を備え、第一のハウジング612は、光学系ユニットを収容し、第二のハウジング614は、光源を収容し、第三のハウジング616は、光検出器を収容し得る。このように、光学系ユニット、光源、および光検出器が別個のハウジング内に収容され得ることで、用途および光の検出方法に応じて適切な光学系ユニット、光源、および光検出器を選択して、走査ユニット610をカスタマイズすることが可能である。別の例では、単一のハウジングが、光学系ユニット、光源、および光検出器を収容し得る。さらに別の例では、走査ユニットは、第一のハウジングが、光学系ユニットを収容し、第二のハウジングが、光源および光検出器を収容し得る。
図7は、走査ユニット610の図6に示されるB-B断面図である。走査ユニット610は、第二のハウジング内に光源602を備え、第三のハウジング内に光検出器607を備える。光源602は、第一の光軸628に沿って、第一の光学系620に接続されるように配置され、光検出器607は、第二の光軸638に沿って、第二の光学系630に接続されるように配置される。また、キャピラリー5に照射する光、および検出する光を選別するために、光源602と第一の光学系620との間に入射側フィルタユニット692が配置され、光検出器607と第二の光学系630との間に出射側フィルタユニット694が配置されることが好ましい。入射側フィルタユニット692および出射側フィルタユニット694はそれぞれ、1または複数の光学フィルタを備え得る。光学フィルタは、例えば、バンドパスフィルタ、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、コールドミラー、ホットミラー、ノッチフィルタ、色ガラスフィルタ、ダイクロイックフィルタ、またはNDフィルタ等を含み得る。入射側フィルタユニット692は、光源602とともに第二のハウジング614内に収容され、出射側フィルタユニット694は、光検出器とともに第三のハウジング616内に収容され得る。フィルタユニット692および694は、光学系ユニットとともに第一のハウジング内に収容されてもよい。
図8は、走査ユニット610の図6に示されるC-C断面図である。第一のハウジング612は、第二の光学系ユニット630を収容し、第三のハウジング616は、フィルタユニット694および光検出器607を収容している。第二の光学系ユニット630の両端および第一のハウジング612の両端は開口しており、キャピラリー5から発せられる光は、第二の光学系ユニット630を通過する。そして、光は、第三のハウジング616の一端の開口部から第三のハウジング616内に進入する。光は、出射側フィルタユニット694を通過して、光検出器607に至る。入射側の断面も同様の構成を備え得る。このように第二の光学系ユニット630から出射した光を、光伝送部材を介さず光検出器607に伝送することにより、光伝送部材を通す際に生じる光の減衰を最小限に抑えることが可能となる。また、感光領域の大きい光検出器に直接接続することにより、光伝送部材の端面に光を導入する場合に比べ、光学系の設計、組み立て、並びに光軸調整に必要な精度を減弱できる。
また、本実施形態に示すように、出射側の光が光伝送部材を介さず直接光検出器に伝送される場合においては、第二の光学系630は、光を小さく絞る必要が無い。したがって、そのような場合には集光レンズ634(例えば、半球レンズ、ボールレンズ)のみを備える構成であってもよい。
また、図6に示す様に、好ましくは、光学系ユニット618(図7を参照)を収容する第一のハウジング612は、厚み等サイズの大きい光検出器を収容する第三のハウジング616とは別体で構成され得る。このようにすることで、キャピラリー軸方向12における走査ユニット610(光学系ユニット618を収容する第一のハウジング612)の厚みを薄くすることができ、その結果、走査領域を広げることが可能となるという効果を奏する。キャビラリー軸方向12において、走査ユニット610は、その全体にわたって、第三のハウジングよりも薄く構成され得る。なお、走査ユニットの一部のみが薄く構成される場合には、本件発明における走査領域が広がることによる高精度の検出を行う目的達成のために、走査ユニット(第一のハウジング612および/または規制部650(図7を参照))のうち、少なくともキャピラリーと接触する領域における厚みは、第三のハウジングの厚みよりも薄く構成されることが求められる。走査ユニット610(第一のハウジング612)の走査方向606(図8を参照)における厚みは、好ましくは、第三のハウジングの厚みの約70%以下である。また、走査ユニット610(第一のハウジング612)の厚みは、好ましくは、約1cm以下である。図7に示す実施形態において、光源602を収容する第二のハウジング614を第一のハウジング612と別体としているが、第一のハウジングの厚みが同じで設定できる範囲内で、第一のハウジング612と第二のハウジング614とを一体化してもよい。
第一の実施形態では、入射側光伝送部材接続部および出射側光伝送部材接続部を備える実施形態が説明され、第二の実施形態では、光源および光検出器が光学系ユニットに直接接続される実施形態が説明されたが、走査ユニットの入射側および出射側のうちのいずれか一方のみが光伝送部材接続部を備え、もう一方が光源または光検出器に直接接続されてもよい。これらの構成は、場所的制約、使用される光源および光検出器の種類および大きさ、実験対象等の要因により決定され得る。
本発明に係る走査ユニットの第三の実施形態として、図9に走査ユニット910の水平断面図を示す。走査ユニット910は、走査ユニット610と同様に、第一のハウジング912と、第二のハウジング914と、第三のハウジング916とを備え、それぞれに光学系ユニット918、光源902、光検出器907が収容される。
走査ユニット910における光学系ユニット918は、入射側と出射側ともに光軸928に沿って光を伝送する。光学系ユニット918は、ミラー922と、集光レンズ924とを含み得る。光源902からの光は、フィルタユニット992を通って光学系ユニット918内に進入する。入射側の光は、ミラー922によって図中下向きに光軸928に沿って反射され得る。反射された光は、集光レンズ924によって集光され、溝962に設置されたキャピラリーに照射される。キャピラリーから出射した光は、再び集光レンズ924を通り、光軸928に沿って伝送され、ミラー922に至る。ミラー922は、入射側の光を含む波長の光を反射し、出射側の光を含む波長の光を透過するミラーまたはフィルタであり、例えば、ダイクロイックミラーまたはダイクロイックフィルタ等であり得る。出射側の光は、ミラー922およびフィルタユニット994を通過して、光検出器907に至る。このような光学ユニット918を用いることで、入射側と出射側とで光軸が一致する場合であっても、入射側の光が光検出器によって検出されることを防ぐことが可能である。なお、図9に示す実施形態においては、光学系ユニット918は、光軸928が規制プレート960に対して略直交するように配置されるが本発明はこれに限定されない。光軸928は、キャピラリーの軸には略直交である必要があるが、規制プレート960に対しては必ずしも略直交である必要はない。
次に、本発明に係る走査ユニットを用いた試料検出システムを説明する。図10は、走査ユニット110を用いた試料検出システム1000を示す。システム1000は、キャピラリー1005と、光源1002と、走査ユニット110と、蛍光検出器1007と、陽極液1015と、陰極液1016と、電源1017と、境界検出器1011と、走査ユニット駆動機構1040とを備え得る。
キャピラリー1005は、溶融シリカ、ホウケイ酸ガラス、フッ素ドープシリカガラス、ボロシリケートクラウンガラス(BK7)、レアアース含有ガラス等の任意の材料で作製され得るが、耐食性に優れ、電気伝導率が低く、非常に透明であるという観点から、溶融シリカ製キャピラリーであることが好ましい。キャピラリー1005は、任意の内径を有し得るが、高電圧の印加に伴うジュール熱を十分放熱するように、好ましくは、約1~約500μmであり、最も好ましくは、約10~約100μmであり得る。キャピラリー1005は、その全長のうちの一部に走査領域1006を有する。キャピラリー1005が例えば溶融シリカキャピラリーである場合、透明な表面を曝露させて走査を促進するために、走査領域1006におけるキャピラリー5の表面のコーティング(ポリイミドコーティング等)が除去され得る。走査ユニットを直線的に走査させるために、走査領域1006は、キャピラリー1005の直線部であることが好ましい。さらに、走査領域1006がキャピラリー1005の陽極側の直線部であると、キャピラリー1005の陰極側の直線部をアルカリ性の陰極液で満たすこととなり、キャピラリー1005の内壁のコーティングの劣化が早まるため、走査領域1006は、陰極側の直線部であることが好ましい。システム1000において、キャピラリー1005は、鉛直方向もしくは水平方向に配置され得、キャピラリーの形状は、一直線型もしくは逆U字型等の任意の形状が可能である。もっとも、キャピラリーの全長を自由に選択できる点、および電極槽の開口部を上向きに配置することで多量の電極液を用いることができる点等から、キャピラリー1005は、鉛直方向に逆U字型で配置されることが好ましい。
キャピラリー等電点電気泳動による試料の焦点化を行うために、キャピラリー1005の第一の端部1005aが陽極液1015に接続され、第二の端部1005bが陰極液1016に接続され得る。そして、キャピラリー1005が試料および両性担体を含む分離液で充填される。この際、キャピラリー1005の走査領域1006のみにpH勾配を形成するために、陽極液1016を走査領域1006の上端まで注入することが好ましい。キャピラリー1005内への陽極液の充填後、陽極液1015および陰極液1016は、電源1017に接続され、両電極液間に電圧が生じる。これによって、走査領域1006にpH勾配が生成されてキャピラリー等電点電気泳動が行われ、分離液中の試料が焦点化される。電源1017は、電気泳動によりキャピラリー内の温度が上昇し過ぎないように、電流を一定の範囲に保つように電圧を印加することが好ましく、例えば、電流は、10~15μA以下であることが望ましい。また、キャピラリー内の温度上昇を防止するために、システム1000は、キャピラリー1005の周りに空気の流れを生成する冷却装置(図示せず)を設置し得る。冷却空気の温度は、好ましくは約10~約30度であることが好ましい。
境界検出器1011は、陽極液注入時に陽極液と分離液の境界位置を検出するために用いられ得る。境界検出器1011は、非接触もしくは接触型の電気伝導度検出器、屈折率検出器、吸光度検出器、蛍光検出器、または光散乱検出器等であり得、好ましくは、キャピラリー1005の材料や形状への制約を設けずに適用可能であることから、非接触型の電気伝導度検出器であり得る。また、本システム1000は、境界検出器1011に加えてさらに他の境界検出器を備えてもよい。複数の境界検出器を備えることにより、液の注入過程における流量の変化を知ることができ、注入液の粒子状物質の混入等の問題の発生を検知することが可能である。
走査ユニット110は、前述したように、キャピラリー1005を挟み込んで摺動する。走査ユニット110は、光伝送部材を介して光源1002および光検出器1007に接続される。システム1000はまた、走査ユニット駆動機構1040を備え得る。走査ユニット駆動機構1040は、ねじ駆動、コンベヤ駆動、シリンダ駆動、ワイヤ駆動等の、走査ユニット110がキャピラリー1005の軸方向に移動するように駆動する任意の駆動機構であり得る。図10に示す走査ユニット駆動機構1040の例は、駆動軸1044と、2つのガイドレール1046と、モータとを備える。駆動軸1044および2つのガイドレール1046は、走査ユニット110の走査ベース114を通って鉛直方向に延在し得る。駆動軸1044は、例えばボールねじであり得、モータにより生み出される回転運動を、直線運動に変換し得る。2つのガイドレール1046は、固定的に配置され、走査ユニット110の水平移動や回転運動を防止し得る。このような走査ユニット駆動機構1040により、走査ユニット110は、キャピラリー1005に沿って安定的かつ規則的に摺動することが可能となる。
図11は、キャピラリーの走査領域1006を囲む枠体1150をさらに備えるシステム1100を示す。キャピラリーの走査領域1006は、表面のコーティングが剥離され得るため、非常に脆弱である。枠体1150は、キャピラリーの走査領域1006を囲うように構成され、キャピラリー1005の装置への設置段階における破壊の危険性を低下させるとともに、キャピラリー1005を走査ユニット110の動きに対して固定する手段を提供する。このような実施形態では、走査ユニット110は、枠体1150内に配置され、枠体1150内でキャピラリー1005の軸方向に摺動し得る。
システム1000および1100は、上記で説明され図10および図11に示された全ての構成要素を備える必要はない。例えば、予めキャピラリー等電点電気泳動を行い、キャピラリー中の試料が既に焦点化されている場合、試料検出システムは、キャピラリーを走査して光を検出するためにのみ用いられ得る。このような場合には、システムは、陰極液および陽極液を備える必要はない。さらに、キャピラリー中の2種以上の試料の境界位置が既知である場合、境界検出器を備える必要はない。
図10および図11を参照して説明されたシステムにおいては、走査ユニット110を用いる場合が説明されたが、同様のシステムにおいては、他の走査ユニットも使用可能である。例えば、第二の実施形態で説明されたような光源および光検出器が光学系ユニットに直接接続される構成を備える走査ユニット610、および入射側または出射側のうちの一方が光伝送部材接続部を備え、もう一方に光源または光検出器が直接接続される構成を備える走査ユニット等が使用され得る。
上記システムを用いたキャピラリー等電点電気泳動によって試料を検出する方法についても、本開示に含まれることに留意されたい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、キャピラリー内の試料の検出を簡便で高精度に行うことを可能とする走査ユニットを提供することができるものとして有用である。
5 キャピラリー
12 キャピラリー軸
101 光源
102 入射側光伝送部材
106 出射側光伝送部材
107 光検出器
110 走査ユニット
112 ハウジング
114 走査ベース
118 光学系ユニット
120 第一の光学系
122 入射側コリメートレンズ
124 入射側集光レンズ
126 開口部
128 第一の光軸
130 第二の光学系
132 出射側コリメートレンズ
134 出射側集光レンズ
138 第二の光軸
142 入射側光伝送部材接続部
144 出射側光伝送部材接続部
150 規制部
160 規制プレート
170 押圧プレート

Claims (13)

  1. キャピラリーの軸方向に移動する走査ユニットであって、
    前記走査ユニットは、
    光学系を有する光学系ユニットと、
    前記光学系ユニットとは別体であって、前記キャピラリーを所定位置に規制する規制部と
    を備え、
    前記光学系ユニットは、
    入射側の光を第一の光軸に沿って前記所定位置に伝送する、1以上の光学素子を有する第一の光学系と、
    前記所定位置から出射される出射側の光を第二の光軸に沿って伝送する、1以上の光学素子を有する第二の光学系と
    を備え、
    前記規制部は、
    前記光学系ユニットに対する前記キャピラリーの径方向の動きを規制する溝を有するとともに前記光学系ユニットと当接する接触面を有する規制プレートと、
    前記溝に配置された前記キャピラリーを押圧した状態で挟み込むように構成されている押圧プレートと
    を備え、
    前記第一の光学系および前記第二の光学系は、前記第一の光軸と前記第二の光軸とがなす角度が180度でないように配置される、走査ユニット。
  2. 前記規制部と前記光学系ユニットとの相対位置を変動させる位置調節機構をさらに備え、前記位置調節機構は、前記規制プレートの前記接触面に沿って、前記規制部を前記光学系ユニットに対して前記キャピラリーの径方向にスライド移動させるように構成されている、請求項1に記載の走査ユニット。
  3. 前記走査ユニットは、前記キャピラリーの軸方向に沿って鉛直方向に移動するように構成され、
    前記位置調節機構は、位置調節具を含み、位置調節具は、前記規制部の側面上に設けられている、請求項に記載の走査ユニット。
  4. 前記第一の光学系が有する前記光学素子は、入射側集光レンズを備え、
    前記第二の光学系が有する前記光学素子は、出射側集光レンズを備える、請求項1~3に記載の走査ユニット。
  5. 前記第一の光学系は、前記走査ユニットに光伝送部材を接続する光伝送部材接続部をさらに備え、前記入射側の光は、光源から前記光伝送部材を介して伝送される、請求項1~4のいずれか一項に記載の走査ユニット。
  6. 前記第二の光学系は、前記走査ユニットに光伝送部材を接続する光伝送部材接続部をさらに備え、前記出射側の光は、前記光伝送部材を介して光検出器に伝送される、請求項1~5のいずれか一項に記載の走査ユニット。
  7. 光検出器および/またはフィルタユニットをさらに備え、前記光検出器および/またはフィルタユニットは、前記第二の光学系と直接接続されるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の走査ユニット。
  8. 前記光学系を収納する第一のハウジングと、前記光検出器および/またはフィルタユニットを収納する第二のハウジングとを備え、
    走査ユニットの走査方向における前記第一のハウジングの厚さは、前記第二のハウジングの厚さよりも小さい、請求項7に記載の走査ユニット。
  9. 光検出システムであって、前記システムは、
    走査領域を有するキャピラリーと、
    請求項5または6に記載の走査ユニットと、
    光源と、
    前記走査ユニットから出射光を受け取る光検出器と
    を備える、システム。
  10. 光検出システムであって、前記システムは、
    走査領域を有するキャピラリーと、
    光源と、
    請求項7または8に記載の走査ユニットと
    を備える、システム。
  11. 前記キャピラリーの第一の端部に接続される陽極液と、
    前記キャピラリーの第二の端部に接続される陰極液と、
    前記キャピラリー中の異なる溶液の境界部を検出する境界検出器と
    をさらに備える、請求項9または10に記載のシステム。
  12. 前記走査領域を囲む枠体をさらに備える、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
  13. 請求項9~12のいずれか一項に記載のシステムを用いてキャピラリー等電点電気泳動による試料を検出する方法。
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志村 清仁,第70回日本電気泳動学会総会シンポジウム:pH 勾配の in situ 検出がもたらしたキャピラリー等電点電気泳動法の進化,電気泳動,2020年,64,31,https://www.jstage.jst.go.jp/article/electroph/64/1/64_31/_pdf/-char/ja,Doi:10.2198/electroph.64.31

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