JP7045663B2 - 複屈折測定装置および複屈折測定方法 - Google Patents

複屈折測定装置および複屈折測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、複屈折媒体の複屈折を測定する複屈折測定装置および複屈折測定方法、並びにこれらを利用したフィルム検査装置およびフィルム検査方法に関する。
複屈折媒体の複屈折を測定する手法としては、クロスニコル法がよく知られている。この手法では、互いに直交した偏光子および検光子と、これらの間に配置された測定対象物としての複屈折媒体とを相対的に回転させながら、偏光子、測定対象物および検光子を透過した光の強度Iout(θ)を測定し、次式により測定対象物の複屈折Δnを求める。
Figure 0007045663000001
ここで、Iinは偏光子側から入射する光の強度、θは測定対象物の相対的な回転角度、dは測定対象物の厚みである。また、複屈折Δnと厚みdの積によって示されるΔndは、波長λの光が測定対象物を通過する際に異常光成分と常光成分の間に生じる光路差であり、この光路差によって複屈折媒体を透過することによる位相差δ(以下、単に「位相差」という)が生じる。
Figure 0007045663000002
このように、厚みdの測定対象物を通過した光の位相差δから複屈折Δnが導出されるため、複屈折測定は位相差測定と同義的であり、複屈折位相差測定と称される場合もある。
しかしながら、この手法は、偏光子および検光子と測定対象物とを相対的に少なくとも180[°]回転させる必要があるので、測定に時間がかかることと、大がかりな回転機構が必要になることが問題となっていた。そこで、偏光子によって円偏光を作り出し、測定対象物に入射することで、末端の検光子だけを回転させる回転検光子法が提案されたが、依然として回転機構が必要なままであった。
この問題を解消するべく、回転機構を不要とした手法も種々提案されている。例えば、特許文献1では、測定対象物20に偏光L10を照射する手段と、測定対象物20を透過した偏光L11を3つに分割するビームスプリッタ101,102と、3つに分割された偏光L11の特定方向に振動する成分を通過させる検光子103,104,105と、各検光子103,104,105を透過した光の強度を測定する受光器106,107,108と、各受光器106,107,108で得られた結果から偏光L11の楕円軌道を求めるコンピュータ等の演算装置109とを備えた複屈折測定装置100が提案されている(図11参照)。この複屈折測定装置100では、検光子103と104の角度が45[°]相違し、かつ検光子103と105の角度が90[°]相違している。
複屈折測定装置100によれば、偏光L10の既知の偏光状態と演算装置109で求めた偏光L11の偏光状態との関係から、測定対象物20の複屈折Δnを求めることができる。
また、特許文献2では、既知の偏光状態をもつ光束(例えば、円偏光L20)を測定対象物20に照射し、透過光L21の偏光状態を偏光子アレイ201およびエリアセンサ202(例えば、CMOSカメラ)で検出する複屈折測定装置200が提案されている(図12参照)。同図(B)に示すように、偏光子アレイ201は、XY方向において連続した複数の偏光子ユニット203からなり、各偏光子ユニット203は、互いに透過軸の方位が異なる4×4=16個の偏光子からなる。
複屈折測定装置200では、偏光子アレイ201が複屈折測定装置100における検光子103,104,105の役割を果たし、エリアセンサ202が受光器106,107,108の役割を果たす。また、複屈折測定装置200では、複屈折測定装置100におけるビームスプリッタ101,102が不要である。したがって、複屈折測定装置200によれば、複屈折測定装置100よりもシンプルな構成で測定対象物20の複屈折Δnの二次元分布を測定することができる。
しかしながら、上記従来の複屈折測定装置100,200は、それぞれ次のような問題を抱えていた。
すなわち、複屈折測定装置100は、演算装置109において2段階の計算処理(受光器106、107、108の受光強度に基づいて楕円関数による楕円率の計算および位相差δと複屈折Δnの計算)を行うので、高性能な演算装置109を用意しても数秒から数十秒の処理時間を要していたのが実態で、そのため、刻一刻と変化する測定対象物20(または、運動している測定対象物20)の複屈折Δnをリアルタイムに測定するのは困難であった。また、測定対象物20のある程度広い領域の複屈折Δnの二次元分布、言い換えると測定対象物20により生じる位相差δの二次元分布を測定する場合、複屈折測定装置100では、受光器106、107、108で得られる光強度分布を、互いに正確に位置合わせをした後に演算装置109にて位相差δを求める必要があるため、装置の大型・複雑化が避けられなかった。
また、複屈折測定装置200は、偏光子ユニット203を構成する個々の偏光子によってではなく、偏光子ユニット203全体によって透過光L21の偏光状態を測定するため、個々の偏光子に対応する測定対象物20の微小領域の複屈折Δnをミクロ測定することができなかった。言い換えると、複屈折測定装置200は、複屈折Δnの二次元分布の詳細な測定に不向きであった。
これらの問題をまとめて解消するために、本願発明者らは、図13に示す複屈折測定装置300を開発した(特許文献3参照)。同図に示すように、複屈折測定装置300は、光束L30を生成する光束生成手段(レーザ光源301)と、光束L30を予め定められた偏光状態にして測定対象物20に照射する光束照射手段(偏光子302、ビームエキスパンダ303、1/4波長板304)と、測定対象物20を透過した光束L32を結像させる結像光学系305と、結像光学系305の途中に配置された偏光回折格子306と、結像光学系305により結像された像の明暗に関する明暗信号を生成する撮像手段(CMOSカメラ307)と、明暗信号に基づいて求めた、測定対象物20を透過したことにより生じた、測定対象物20を透過した光束L32における位相差δに関する情報を出力する出力手段(ディスプレイ308)を備えている。そして、撮像手段307は、偏光回折格子306が生じさせた複数の回折光L33,L34,L35のうちの少なくとも1つ(例えば、-1次回折光L35)の像の明暗信号を生成するよう構成されている。
例えば、-1次回折光L35は、測定対象物20を透過した光束L32が時計回りの円偏光であるときに最も暗く、光束L32が反時計回りの円偏光であるときに最も明るくなる。この場合、+1次回折光L34は、光束L32が時計回りの円偏光であるときに最も明るく、光束L32が反時計回りの円偏光であるときに最も暗くなる。したがって、複屈折測定装置300によれば、撮像手段307によって生成された明暗信号が示す光束L32の偏光状態と、測定対象物20に照射された光束L31の既知の偏光状態との関係に基づいて、測定対象物20を透過する際に生じる位相差δ、ひいては測定対象物20の複屈折Δnの二次元分布を測定することができる。また、複屈折測定装置300によれば、複屈折測定装置100のような複雑な演算が必要とされないので、刻一刻と変化する複屈折Δnをリアルタイムに測定することができる。
特開2006-71458号公報 特開2007-263593号公報 国際公開第2016/031567号
このように、本願発明者らが開発した複屈折測定装置300によれば、複屈折測定装置100,200が抱えている種々の問題を解消することができる。しかしながら、複屈折測定装置300は、リレーレンズからなる結像光学系305(例えば、4f光学系)を使用しているため、
[第1の問題]符号fで示された距離が少しでもずれると合焦しなくなる、
[第2の問題]倍率の変更が非常に困難である、
[第3の問題]光束生成手段として、レーザ光のような発散しない光束を出力し得る高価な光源、または平行光を出力し得る特殊な光源を使用しなければならない、
といった点が問題となっていた。なお、第2の問題に関しては、リレーレンズの組み合わせを変更するとともに、第1の問題に留意しながら撮像手段307の位置を変更すればよいが、倍率を変更する度にこのような作業を行うのは極めて実用上の利便性は乏しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、合焦および倍率の変更が容易で、しかも、光束生成手段として安価かつ一般的な光源を使用することができる複屈折測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る複屈折測定装置は、予め定められた円偏光状態の光束を測定対象物に照射する光束照射部と、測定対象物を透過した光束、または測定対象物から反射した光束から複数の回折光を生じさせる偏光回折格子と、複数の回折光のうちの少なくとも1つを結像させるカメラレンズと、カメラレンズによって結像された像の明暗に関する明暗信号を生成する撮像部と、測定対象物を透過したことにより生じた、測定対象物を透過した光束における位相差を明暗信号に基づいて算出する位相差算出部と、位相差算出部によって算出された位相差に関する情報を出力する出力部を備えたことを特徴とする。
上記複屈折測定装置は、撮像部が、カメラレンズによって結像された+1次回折光の像および-1次回折光の像の一方または両方の明暗信号を生成し、位相差算出部が、生成された全ての明暗信号に基づいて位相差を算出するよう構成されていてもよい。
あるいは、上記複屈折測定装置は、撮像部が、カメラレンズによって結像された+1次回折光の像および-1次回折光の像の両方の明暗信号を生成し、位相差算出部が、+1次回折光の明暗信号および-1次回折光の明暗信号の一方または両方に基づいて位相差を算出するよう構成されていてもよい。
上記複屈折測定装置は、カメラレンズとしてCCTVレンズ、マクロレンズまたは広角レンズを使用することができる。この場合は、偏光回折格子、カメラレンズおよび撮像部からなる撮像系と測定対象物との距離が調整可能となっていることが好ましい。
あるいは、上記複屈折測定装置は、カメラレンズとしてズームレンズを使用することもできる。この場合は、偏光回折格子、カメラレンズおよび撮像部からなる撮像系と測定対象物との距離が調整可能となっている必要はない。
上記複屈折測定装置は、光束照射部の内部に、または測定対象物と偏光回折格子との間に配置された波長フィルターをさらに備えていてもよい。
上記波長フィルターは、透過させる波長帯が互いに異なり、かつ択一的に使用されるn個(ただし、nは2以上、好ましくは3以上の整数)の波長フィルターを含んでいてもよい。この場合、位相差算出部は、n個の波長フィルターのそれぞれが使用されているときの明暗信号に基づいて位相差を算出するよう構成されていてもよい。
上記光束照射部の具体的な構成としては、LED光源と、LED光源が出射した光束に作用するように配置された直線偏光子と、直線偏光子を透過した光束に作用するように配置された1/4波長板とを含んだ構成が考えられる。この場合、波長フィルターは、LED光源と直線偏光子との間に配置されていることが好ましい。
上記複屈折測定装置は、測定対象物に入射する光束を偏光回折格子の格子単位に平行なライン状に規制するアイリス部をさらに備えていてもよい。
上記記複屈折測定装置は、測定対象物としてのフィルムの複屈折に関する異常を検査するフィルム検査装置として使用することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る複屈折測定方法は、予め定められた円偏光状態の光束を測定対象物に照射する光束照射工程と、測定対象物を透過した光束、または測定対象物から反射した光束から複数の回折光を生じさせる偏光回折工程と、複数の回折光のうちの少なくとも1つをカメラレンズで結像させる結像工程と、カメラレンズで結像された像の明暗に関する明暗信号を生成する信号生成工程と、測定対象物を透過したことにより生じた、測定対象物を透過した光束における位相差を明暗信号に基づいて算出する位相差算出工程と、算出した位相差に関する情報を出力する出力工程を備えたことを特徴とする。
上記記複屈折測定方法は、測定対象物としてのフィルムの複屈折に関する異常を検査するフィルム検査方法として使用することができる。
本発明によれば、合焦および倍率の変更が容易で、しかも、光束生成手段として安価かつ一般的な光源を使用することができる複屈折測定装置を提供することができる。
本発明の第1実施例に係る複屈折測定装置のブロック図である。 第1実施例における偏光回折格子の模式的な平面図である。 第1実施例における偏光回折格子が生じさせた±1次回折光の回折効率と偏光回折格子に入射した透過光における位相差との関係を示すグラフである。 測定例1,2で使用した測定対象物の拡大写真である。 測定例1で測定された位相差の二次元分布である。 本発明の第2実施例に係る複屈折測定装置のブロック図である。 測定例2で得られた±1次回折光の像である。 本発明の第3実施例に係る複屈折測定装置のブロック図である。 本発明の第4実施例に係る複屈折測定装置のブロック図である。 第4実施例に係る複屈折測定装置の模式的な斜視図である。 従来の複屈折測定装置のブロック図である。 従来の別の複屈折測定装置の概略的な構成を示す図である。 従来のさらに別の複屈折測定装置のブロック図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る複屈折測定装置および複屈折測定方法の実施例について説明する。
[第1実施例]
図1に、本発明の第1実施例に係る複屈折測定装置1Aを示す。同図に示すように、複屈折測定装置1Aは、予め定められた円偏光状態の光束(本実施例では、反時計回りの円偏光L4)を測定対象物20に照射する光束照射部2と、円偏光L4を絞るアイリス部4と、測定対象物20を透過した光束(以下、単に「透過光」という)L5から複数の回折光L6,L6p,L6nを生じさせる偏光回折格子9と、回折光L6,L6p,L6nのうちの少なくとも1つ(本実施例では、全部)を結像させるカメラレンズ10と、カメラレンズ10によって結像された像の明暗に関する明暗信号を生成する撮像部11Aと、生成された明暗信号に基づいて、透過光L5における位相差δ(より詳しくは、測定対象物20を透過することにより生じた、円偏光L4を基準とした位相差δ)を算出する位相差算出部12Aと、算出された位相差δに関する情報を出力する出力部13とを備えている。
これらのうち、偏光回折格子9、カメラレンズ10および撮像部11Aは、撮像系3を構成する。本実施例では、撮像系3と測定対象物20との間の距離が調整可能となっている。なお、偏光回折格子9、カメラレンズ10および撮像部11Aの位置関係は不変である。
光束照射部2は、白色光L1を出射する白色LED光源5と、白色光L1の予め定められた波長帯に含まれる成分のみを選択的に透過させる波長フィルター6と、選択波長光L2から直線偏光L3を作り出す直線偏光子7と、直線偏光L3から反時計回りの円偏光L4を作り出す1/4波長板8とを備える。1/4波長板8から出射された円偏光L4は、アイリス部4によって絞られた後、測定対象物20に入射する。なお、本実施例では、選択波長光L2のピーク波長は532[nm]であるが、これは単なる一例である。
偏光回折格子9が生じさせる回折光L6は、透過光L5に対応する0次回折光である。同様に、回折光L6pは+1次回折光であり、回折光L6nは-1次回折光である。なお、偏光回折格子9は、±2次以上の高次回折光も生じさせるが、本実施例ではこれらを利用することはない。
本発明では、カメラレンズ10として、用途に応じた様々なカメラレンズを使用することができる。本実施例では、カメラレンズ10として、撮影可能範囲が0.2[m]~∞[m]で、固定焦点を有する株式会社ミュートロン製CCTVレンズ「MV0813」を使用した。カメラレンズ10は、回折光L6,L6p,L6nの全部を撮像部11Aの受光素子上に結像させる。
撮像部11Aは、受光素子を有するCCDカメラからなる。撮像部11Aは、受光素子上に結像した回折光L6,L6p,L6nの像のうち、+1次回折光L6pの像の明暗に関する明暗信号を生成し、これを位相差算出部12Aに送信する。明暗信号の送信は、オペレータの指示があったときに行われてもよいし、予め定められた時間間隔(例えば、1/30秒)で連続的に行われてもよい。
位相差算出部12Aは、撮像部11AとしてのCCDカメラに接続されたコンピュータからなる。位相差算出部12Aは、撮像部11Aが送信した+1次回折光L6pに関する明暗信号を受信するとともに、受信した明暗信号が示す透過光L5の偏光状態と円偏光L4の既知の偏光状態(前述した通り、本実施例では反時計回りの円偏光)との関係に基づいて、測定対象物20を透過することにより生じた位相差δの二次元分布を示す画像データを生成し、これを出力部13に送信する。画像データの送信は、オペレータの指示があったときに行われてもよいし、新たな明暗信号の受信の度に自動的に行われてもよい。
ここで、測定対象物20の厚みdが既知で、かつ面内で一定の場合、上記位相差δの二次元分布は、測定対象物20の複屈折Δnの二次元分布と等価である。一方、測定対象物20の複屈折Δnが既知で、かつ面内で一定の場合、上記位相差δの二次元分布は、測定対象物20の厚みdの二次元分布と等価である。
出力部13は、位相差算出部12Aとしてのコンピュータに接続されたカラーディスプレイからなる。出力部13は、位相差算出部12Aが送信した画像データを受信するとともに、位相差δ(複屈折Δn、厚みd)の二次元分布画像を表示する。
続いて、図2および図3を参照しつつ、本実施例における偏光回折格子9の構成および位相差δの測定原理について詳細に説明する。
偏光回折格子9は、Y方向に延びた複数の短冊状の格子単位9a,9b,9c,9d,9a・・・からなる。同図から明らかなように、偏光回折格子9は、X方向(以下、「隣接方向」という)に2.5[μm]の周期構造を有している。より詳しくは、格子単位9aにおいては、液晶分子の配向が隣接方向Xに対し+90[°]をなす。格子単位9aの隣に配置された格子単位9bにおいては、液晶分子の配向が隣接方向Xに対し+45[°]をなす。格子単位9bの隣に配置された格子単位9cにおいては、液晶分子の配向が隣接方向Xに対し±0[°]をなす。また、格子単位9cの隣に配置された格子単位9dにおいては、液晶分子の配向が隣接方向Xに対し-45[°]をなす。格子単位9dの隣には、再び格子単位9aが配置されている。
なお、本実施例における偏光回折格子9の最大回折効率は、波長532[nm]において約80%である。
上述の通り、偏光回折格子9は、+1次回折光L6pおよび-1次回折光L6nを生じさせる。図3に示すように、+1次回折光L6p(●印)は、偏光回折格子9に入射する光、すなわち測定対象物20の透過光L5が反時計回りの円偏光であるとき、言い換えると、波長532[nm]の円偏光L4を基準とした透過光L5の位相差δが0[rad]であるときに最も弱く(暗く)、透過光L5が時計回りの円偏光であるとき、言い換えると、円偏光L4を基準とした透過光L5の位相差δが±π[rad]であるときに最も強くなる(明るくなる)。一方、-1次回折光L6n(□印)は、透過光L5が時計回りの円偏光であるときに最も弱く(暗く)、透過光L5が反時計回りの円偏光であるときに最も強くなる(明るくなる)という、+1次回折光L6pとは反対の性質を示す。
このように、第1実施例に係る複屈折測定装置1Aによれば、撮像部11Aの受光素子上に結像した+1次回折光L6pの像の明暗に基づいて、透過光L5の偏光状態を特定することができる。そして、透過光L5の偏光状態と円偏光L4の既知の偏光状態(本実施例では、反時計回りの円偏光)との関係に基づいて、透過光L5における位相差δ(測定対象物20を透過することにより生じた位相差δ)を算出することができる。
また、+1次回折光L6pの像の明暗と位相差δとには1対1の関係がある。このため、本実施例に係る複屈折測定装置1Aによれば、予め両者の関係を調べてテーブル化しておくことで、明暗信号に基づいて瞬時に位相差δを算出することができる。
また、上述の通り、位相差δは測定対象物20の複屈折Δnと厚みdの積で計算されるので、面内の厚みdの分布が既知であれば、算出した位相差δから容易に測定対象物20の複屈折Δnの分布を求めることができる。
したがって、逆に複屈折Δnが(観察視野内で)一定であることがあらかじめ分かっている場合は、算出した位相差δから容易に測定対象物20の厚みdの分布を求めることができる。
また、本実施例に係る複屈折測定装置1Aによれば、カメラレンズ10を使用して回折光を結像させるので、合焦および倍率の変更が非常に容易で、しかも、光束生成手段2として安価かつ一般的な光源(白色LED光源5)を使用することができる。
(第1測定例)
続いて、第1実施例に係る複屈折測定装置1Aを使用した測定の一例について説明する。本測定例では、大きさの異なる厚さ40[μm]の4枚の透明なポリプロピレンフィルムを重ね合わせ、これを厚さ約1[mm]のスライドガラスで挟み込んだものを測定対象物20とした(図4参照)。なお、同図中の数字「0」~「4」は、重ね合わされたポリプロピレンフィルムの枚数を示す。
図5(A)~(C)に、撮像系3と測定対象物20との間の距離を変えながら、測定対象物20の+1次回折光L6pに基づいて生成した当該測定対象物20の位相差δ(複屈折Δ、厚みd)の二次元分布を示す。これらは、重ね合わされたポリプロピレンフィルムの枚数が多ければ多いほど、位相差δが大きくなることを示している(図3参照)。また、図5(B)の測定を行ったときよりも撮像系3を測定対象物20から30[mm]遠ざけると、図5(B)よりも縮小された二次元分布が得られ(同図(A)参照)、反対に、撮像系3を測定対象物20に30[mm]近づけると、図5(B)よりも拡大された二次元分布が得られた(同図(C)参照)。
[第2実施例]
図6に、本発明の第2実施例に係る複屈折測定装置1Bを示す。同図に示すように、複屈折測定装置1Bは、撮像部11Aの代わりに撮像部11Bを備えている点、および位相差算出部12Aの代わりに位相差算出部12Bを備えている点において第1実施例に係る複屈折測定装置1Aと相違する。
撮像部11Bは、受光素子を有するCCDカメラからなる。撮像部11Bは、受光素子上に結像した回折光L6,L6p,L6nの像のうち、+1次回折光L6pの像の明暗に関する明暗信号と-1次回折光L6nの像の明暗に関する明暗信号とを生成し、これらを位相差算出部12Bに送信する。
位相差算出部12Bは、撮像部11BとしてのCCDカメラに接続されたコンピュータからなる。位相差算出部12Bは、撮像部11Bが送信した+1次回折光L6pおよび-1次回折光L6nに関する明暗信号を受信するとともに、受信した2つの明暗信号が示す透過光L5の偏光状態と円偏光L4の既知の偏光状態との関係に基づいて、測定対象物20を透過することにより生じた位相差δの二次元分布を示す画像データを生成し、これを出力部13に送信する。
(第2測定例)
続いて、第2実施例に係る複屈折測定装置1Bを使用した測定の一例について説明する。本測定例では、第1測定例と同様、大きさの異なる厚さ40[μm]の透明な4枚のポリプロピレンフィルムを重ね合わせ、これを厚さ約1[mm]のスライドガラスで挟み込んだものを測定対象物20とした(図4参照)。
図7(A)に、+1次回折光L6pおよび-1次回折光L6nの像を示す。同図に示すように、+1次回折光L6pの像と-1次回折光L6nの像とは、明暗が逆転した関係にある。このため、これら2つの像の明暗信号を利用することにより、S/Nの高い位相差δの算出を行うことができる。
また、本実施例に係る複屈折測定装置1Bによれば、測定対象物20の複屈折に起因する情報とそれ以外の情報とを切り分けることができる。例えば、図7(B)の領域A,A’に存在する三角形は、領域Aでは周囲より明るく、領域A’では周囲より暗いので、複屈折に起因する情報であるといえる。一方、図7(B)の領域B,B’に存在する三角形は、いずれの領域においても周囲より暗いので、複屈折に起因しない情報であるといえる。さらに、図7(B)の領域Cに存在する模様は、領域C’には存在しない。したがって、これも複屈折に起因しない情報であるといえる。なお、領域B,B’の三角形は、複屈折が発現しない領域、または不透明な領域を示していると考えられる。
[第3実施例]
図8に、本発明の第3実施例に係る複屈折測定装置1Cを示す。同図に示すように、複屈折測定装置1Cは、波長フィルター6の代わりに択一的に使用される第1波長フィルター6a、第2波長フィルター6bおよび第3波長フィルター6cを備えている点、および位相差算出部12Aの代わりに位相差算出部12Cを備えている点において第1実施例に係る複屈折測定装置1Aと相違する。
第1波長フィルター6a、第2波長フィルター6bおよび第3波長フィルター6cは、透過させる波長帯が互いに異なる。本実施例では、選択波長光L2のピーク波長は、第1波長フィルター6aを使用したときに450[nm]となり、第2波長フィルター6bを使用したときに532[nm]となり、第3波長フィルター6cを使用したときに633[nm]となる。
位相差算出部12Cは、撮像部11AとしてのCCDカメラに接続されたコンピュータからなる。位相差算出部12Cは、第1波長フィルター6aが使用されているときに撮像部11Aが送信した+1次回折光L6pに関する明暗信号と、第2波長フィルター6bが使用されているときに撮像部11Aが送信した+1次回折光L6pに関する明暗信号と、第3波長フィルター6cが使用されているときに撮像部11Aが送信した+1次回折光L6pに関する明暗信号とに基づいて位相差δの二次元分布を示す画像データを生成し、これを出力部13に送信する。
第1実施例に係る複屈折測定装置1Aおよび第2実施例に係る複屈折測定装置1Bによれば、次式により、波長λ(第1実施例および第2実施例では、λ=532[nm])の円偏光L4に対する位相差δ(λ)を算出することができる。
Figure 0007045663000003
ここで、η(λ)は、波長λにおける偏光回折格子9の回折効率、ηmax(λ)は、偏光回折格子9の既知の最大回折効率である。
ただし、複屈折測定装置1A,1Bでは、図3から明らかなように、位相差δが-πである場合とπである場合とを区別したり、-π/2である場合とπ/2である場合とを区別したりすることができない。つまり、複屈折測定装置1A,1Bでは、絶対的な位相差δを算出することはできない。この問題を解消するべく、本実施例では、透過させる波長帯が互いに異なる3個の波長フィルター(第1波長フィルター6a、第2波長フィルター6bおよび第3波長フィルター6c)を使用するのである。
通常の物質(これには、測定対象物20が含まれる)は、その屈折率について固有の波長分散を有するため、複屈折Δnについても波長分散を有する。これを考慮すると、入射光(円偏光L4)の波長λがλ(本実施例では、450[nm])、λ(本実施例では、532[nm])およびλ(本実施例では、633[nm])であるときの複屈折Δnは、Δn(λ)、Δn(λ)およびΔn(λ)で表すことができ、さらに、測定対象物20を透過することにより生じた位相差δ(λ)、位相差δ(λ)および位相差δ(λ)は、次式で表すことができる。
Figure 0007045663000004
上式で求められる位相差δ(λ)、位相差δ(λ)および位相差δ(λ)は、通常、同じ値にはならない。これら3式を[数3]の式にそれぞれ代入し、さらに、リタデーションΔn(λ)dの波長分散においては、屈折率と同様に、コーシーの式による物質固有の定数が成立することを適宜考慮すれば、候補となる各波長λにおける絶対的な位相差δ(λ)を数値解析的に求めることができる。つまり、本実施例に係る複屈折測定装置1Cによれば、位相差算出部12Cが上記の演算を行うことにより、絶対的な位相差δ(λ)を求めることができる。
[第4実施例]
図9に、本発明の第4実施例に係る複屈折測定装置1Dを示す。同図に示すように、複屈折測定装置1Dは、測定対象物20としてのフィルムFを所定の位置に連続的に供給するフィルム供給機構14をさらに備えている点において第1実施例に係る複屈折測定装置1Aと相違する。また、本実施例におけるアイリス部4は、フィルムFに入射する光束(円偏光L4)を偏光回折格子9を構成する格子単位に平行なライン状に規制するように構成されている(図10参照)。
本実施例に係る複屈折測定装置1Dは、撮像部11AがフィルムFの供給速度に対応した時間毎に明暗信号を生成し、位相差算出部12AがフィルムFのライン状の狭い領域に対応する画像データを繋ぎ合わせることにより、大量生産されるフィルムFの複屈折における異常を漏れなく検査するフィルム検査装置として使用することができる。
[変形例]
以上、本発明に係る複屈折測定装置および複屈折測定方法の実施例について説明してきたが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
(1)光束照射手段2は、予め定められた円偏光状態の光束L4を測定対象物20に照射可能な限りにおいて、構成を適宜変更することができる。例えば、光束照射手段2は、白色LED光源5の代わりに、ランプ、白色以外のLED、レーザ、エレクトロルミネッセンス素子等からなる光源を備えていてもよい。そして、白色LED光源5の代わりに特定周波数の光束を照射可能な光源を使用する場合は、波長フィルター6(6a,6b)を省略することができ、白色LED光源5の代わりに任意の偏光状態の光束を照射可能な光源を使用する場合は、直線偏光子7および1/4波長板8を省略することができる。なお、波長フィルター6(6a,6b)は、直線偏光子7と1/4波長板8の間に配置してもよいし、1/4波長板8と測定対象物20の間に配置してもよいし、測定対象物20と偏光回折格子9の間に配置してもよい。また、円偏光L4は、楕円偏光であってもよい。
(2)アイリス部4のアイリス形状は、ライン状に限定されない。また、アイリス部4は、測定対象物20と偏光回折格子9の間に配置してもよい。また、光束照射手段2自身の機能によって円偏光L4の拡がりが制限される場合は、アイリス部4を省略することができる。
(3)偏光回折格子9は、透明な樹脂板または透明な石英板表面に任意の手法(例えば、光インプリント法)によって格子単位を並べて形成した構造複屈折偏光回折格子であってもよい。
(4)カメラレンズ10は、例えば、マクロレンズ、広角レンズおよびズームレンズであってもよい。マクロレンズは、測定対象物20の狭い領域の詳細な二次元分布を得るのに適しており、広角レンズは、測定対象物20の広い領域の二次元分布を得るのに適している。また、カメラレンズ10としてズームレンズを使用すれば、撮像系3と測定対象物20との間の距離を調整可能とするための機構を省略することができる。
(5)測定対象物20が反射光を生じさせる場合、各実施例に係る複屈折測定装置1A,1B,1C,1Dは、透過光L5の代わりに反射光を利用して測定対象物20の複屈折Δnの二次元分布を測定してもよい。この場合は、測定対象物20からの反射光を受光可能な位置に撮像系3を配置する必要がある。この構成では、偏光回折格子9は、反射光から複数の回折光L6,L6p,L6nを生じさせる。カメラレンズ10は、回折光L6,L6p,L6nのうちの少なくとも1つを結像させる。撮像部11A,11Bは、カメラレンズ10によって結像された像の明暗に関する明暗信号を生成する。そして、位相差算出部12A,12B,12Cは、反射光における位相差δ(より詳しくは、測定対象物20から反射することにより生じた、円偏光L4を基準とした位相差δ)を算出する。
(6)各実施例における撮像部11A,11Bは、0次回折光L6の像、+1次回折光L6pの像および-1次回折光L6nの像の明暗に関する3つの明暗信号を生成してもよい。この場合、各実施例における位相差算出部12A,12B,12Cは、受信した3つの明暗信号のうち、必要なものだけに基づいて位相差δを算出すればよい。
(7)第3実施例における波長フィルターの数は、2個または4個以上であってもよい。ただし、第3実施例では、使用する波長λ毎に[数3]で示される周期関数から数値解析的に候補となる解、すなわち位相差δ(λ)を求めるため、使用する波長λの数が多ければ多いほど候補となる位相差δ(λ)を求めるのが容易となる。したがって、波長フィルターの数は、3個以上であることが好ましい。
(8)第1、第2および第4実施例における選択波長光L2のピーク波長(532[nm])、および第3実施例における選択波長光L2のピーク波長(450[nm],532[nm],633[nm])は単なる一例であり、200[nm]~30[μm]、より好ましくは300[nm]~10[μm]の範囲内で任意に設定することができる。
(9)各実施例における偏光回折格子9の周期(2.5[μm])も単なる一例であり、選択波長光L2のピーク波長の上限および下限に0.6を乗じた数値を上限および下限とする範囲内、すなわち、120[nm]~18[μm]、より好ましくは180[nm]~6[μm]の範囲内で任意に設定することができる。
1A,1B,1C,1D 複屈折測定装置
2 光束照射部
3 撮像系
4 アイリス部
5 白色LED光源
6 波長フィルター
6a 第1波長フィルター
6b 第2波長フィルター
6c 第3波長フィルター
7 直線偏光子
8 1/4波長板
9 偏光回折格子
10 カメラレンズ
11A,11B 撮像部
12A,12B,12C 位相差算出部
13 出力部
14 フィルム供給機構
20 測定対象物(複屈折媒体)
F フィルム
L1 白色光
L2 選択波長光
L3 直線偏光
L4 円偏光
L5 透過光
L6 0次回折光
L6p +1次回折光
L6n -1次回折光

Claims (13)

  1. 予め定められた円偏光状態の光束を測定対象物に照射する光束照射部と、
    前記測定対象物を透過した光束、または前記測定対象物から反射した光束から複数の回折光を生じさせる偏光回折格子と、
    前記複数の回折光のうちの少なくとも1つを結像させるカメラレンズと、
    前記カメラレンズによって結像された実空間における二次元分布の像の明暗に関する明暗信号を生成する撮像部と、
    予め調べておいた、前記像の明暗と前記測定対象物を透過した光束における異常光成分と常光成分の間の位相差との関係、または前記像の明暗と前記測定対象物から反射した光束における異常光成分と常光成分の間の位相差との関係に基づいて、前記明暗信号から前記位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部によって算出された前記位相差に関する情報を出力する出力部と、
    を備えたことを特徴とする複屈折測定装置。
  2. 前記撮像部は、前記カメラレンズによって結像された+1次回折光の像および-1次回折光の像の一方または両方の前記明暗信号を生成し、
    前記位相差算出部は、生成された全ての前記明暗信号に基づいて前記位相差を算出することを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
  3. 前記撮像部は、前記カメラレンズによって結像された+1次回折光の像および-1次回折光の像の両方の前記明暗信号を生成し、
    前記位相差算出部は、前記+1次回折光の前記明暗信号および前記-1次回折光の前記明暗信号の一方または両方に基づいて前記位相差を算出することを特徴とする請求項1に記載の複屈折測定装置。
  4. 前記カメラレンズは、CCTVレンズ、マクロレンズまたは広角レンズであり、
    前記偏光回折格子、前記カメラレンズおよび前記撮像部からなる撮像系と前記測定対象物との距離が調整可能となっていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
  5. 前記カメラレンズは、ズームレンズであり、
    前記偏光回折格子、前記カメラレンズおよび前記撮像部からなる撮像系と前記測定対象物との距離が調整不能となっていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
  6. 前記光束照射部の内部に、または前記測定対象物と前記偏光回折格子との間に配置された波長フィルターをさらに備えたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
  7. 前記波長フィルターは、透過させる波長帯が互いに異なり、かつ択一的に使用されるn個(ただし、nは2以上の整数)の波長フィルターを含み、
    前記位相差算出部は、前記n個の波長フィルターのそれぞれが使用されているときの前記明暗信号に基づいて前記位相差を算出することを特徴とする請求項6に記載の複屈折測定装置。
  8. 前記光束照射部は、光源としてのランプまたはLEDと、前記光源が出射した光束に作用するように配置された直線偏光子と、前記直線偏光子を透過した光束に作用するように配置された1/4波長板とを含み、
    前記波長フィルターは、前記光源と前記直線偏光子との間に配置されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の複屈折測定装置。
  9. 前記偏光回折格子は、隣接方向に並べられた複数の短冊状の格子単位からなり、かつ前記隣接方向に周期構造が形成されるように、隣接した前記格子単位において配向が異なっており、
    前記測定対象物に入射する光束を前記格子単位に平行なライン状に規制するアイリス部をさらに備えたことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の複屈折測定装置。
  10. 予め定められた円偏光状態の光束を測定対象物に照射する光束照射部と、
    前記測定対象物を透過した光束から複数の回折光を生じさせる偏光回折格子であって、隣接方向に並べられた複数の短冊状の格子単位からなり、かつ前記隣接方向に周期構造が形成されるように、隣接した前記格子単位において配向が異なっているものと、
    前記複数の回折光のうちの少なくとも1つを結像させるカメラレンズと、
    前記カメラレンズによって結像された実空間における二次元分布の像の明暗に関する明暗信号を生成する撮像部と、
    予め調べておいた、前記像の明暗と前記測定対象物を透過した光束における異常光成分と常光成分の間の位相差との関係に基づいて、前記明暗信号から前記位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部によって算出された前記位相差に関する情報を出力する出力部と、
    前記測定対象物に入射する光束を前記格子単位に平行なライン状に規制するアイリス部と、
    を備え、
    前記光束照射部は、光源としてのランプまたはLEDと、前記光源が出射した光束に作用するように配置された波長フィルター、直線偏光子および1/4波長板とを含む
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  11. 請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の複屈折測定装置を備え、
    前記測定対象物としてのフィルムの複屈折に関する異常を検査するために使用されることを特徴とするフィルム検査装置。
  12. 予め定められた円偏光状態の光束を測定対象物に照射する光束照射工程と、
    前記測定対象物を透過した光束、または前記測定対象物から反射した光束から複数の回折光を生じさせる偏光回折工程と、
    前記複数の回折光のうちの少なくとも1つをカメラレンズで結像させる結像工程と、
    前記カメラレンズで結像された実空間における二次元分布の像の明暗に関する明暗信号を生成する信号生成工程と、
    予め調べておいた、前記像の明暗と前記測定対象物を透過した光束における異常光成分と常光成分の間の位相差との関係、または前記像の明暗と前記測定対象物から反射した光束における異常光成分と常光成分の間の位相差との関係に基づいて、前記明暗信号から前記位相差を算出する位相差算出工程と、
    算出した前記位相差に関する情報を出力する出力工程と、
    を備えたことを特徴とする複屈折測定方法。
  13. 請求項1に記載の複屈折測定方法によって、前記測定対象物としてのフィルムの複屈折に関する異常を検査することを特徴とするフィルム検査方法。
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