<第1実施形態>
図1~図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るセンサネットワークシステム10について説明する。まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るセンサネットワークシステム10が適用される作業機としての油圧ショベル1について説明する。
油圧ショベル1は、クローラ式の走行部2と、走行部2の上部に旋回可能に設けられる旋回部3と、旋回部3の前方中央部に設けられる掘削部5と、を備える。旋回部3には、作業者が搭乗するキャビン3aが設けられる。
走行部2は、走行モータ(図示省略)によって左右一対のクローラ2aを駆動することで油圧ショベル1を走行させる。旋回部3は、旋回モータ(図示省略)によって駆動され、走行部2に対して左右方向に旋回する。
掘削部5は、旋回部3の左右方向に延びる水平軸まわりに揺動可能に取り付けられるブーム6と、ブーム6の先端に揺動可能に取り付けられるアーム7と、アーム7の先端に揺動可能に取り付けられて土砂等を掘削するバケット8と、を有する。
また、掘削部5は、ブーム6を上下に回動させるブームシリンダ11と、アーム7を上下に回動させるアームシリンダ12と、バケット8を回動させるバケットシリンダ13と、を有する。このように、油圧ショベル1は、ブームシリンダ11、アームシリンダ12及びバケットシリンダ13等の複数の油圧シリンダを備えている。
油圧ショベル1のセンサネットワークシステム10について説明する。図1に示すように、センサネットワークシステム10は、キャビン3a内に取り付けられるゲートウェイ端末110と、各油圧シリンダに取り付けられる複数のセンサ端末100と、を備えたメッシュネットワークを含むセンサネットワークシステム10である。センサネットワークシステム10は、ゲートウェイ端末110と、複数のセンサ端末100とをそれぞれ通信ノードとして有するメッシュ型のマルチホップネットワークシステムである。
図2に示すように、本実施形態では、センサネットワークシステム10が、4つのセンサ端末100(101,102,103,104)とゲートウェイ端末110とによって構成される例について説明する。なお、センサ端末100の数は、2つ、もしくは3つ、または5つ以上であってもよい。各通信ノードは、同一の通信規格で無線通信を行う。通信規格としては、例えば、ZigBee(登録商標)、Dust Networks(登録商標)、Bluetooth Mesh(Bluetoothは登録商標)等の種々の通信規格を採用できる。
図2に示すように、ゲートウェイ端末110、第1センサ端末101及び第2センサ端末102は、相互に無線通信可能に配置されている。第1センサ端末101、第2センサ端末102、第3センサ端末103及び第4センサ端末104は、相互に無線通信可能に配置されている。
ゲートウェイ端末110は、キャビン3a内に取り付けられるコントローラ120に接続され、コントローラ120と情報の授受が可能とされている。コントローラ120は、油圧ショベル1の各部を制御する制御装置である。ゲートウェイ端末110は、コントローラ120に有線または無線により、各センサ端末100からの検出情報を処理した情報を出力する。
ゲートウェイ端末110、各センサ端末100及びコントローラ120は、動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)、その他の周辺回路を備えたマイクロコンピュータで構成される。なお、動作回路としては、CPUに代えてまたはCPUとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
複数のセンサ端末100(101,102,103,104)は、それぞれ同様の構成である。センサ端末100は、検出部132で検出された検出情報をゲートウェイ端末110に送信する。センサ端末100は、センサ端末100の各部の制御を行う制御部131と、油圧シリンダから漏れ出た作動油の圧力を検出する検出部132と、検出部132で検出された検出情報を送信する通信部134と、上記検出情報及び自身のルーティングテーブルを記憶する記憶部133と、自身以外の他の通信ノード(センサ端末100及びゲートウェイ端末110)からの電波受信強度を検出す受信強度検出部136と、を備える。
通信部134は、無線通信可能な自身以外の他の通信ノード(センサ端末100及びゲートウェイ端末110)との間で無線通信を行うための変復調器及びアンテナを含んで構成され、制御部131によって制御される。通信部134は、他のセンサ端末100で検出された検出情報を受信し、その検出情報をゲートウェイ端末110、またはさらに別のセンサ端末100に送信する。つまり、センサ端末100は、中継器としても機能する。
ゲートウェイ端末110は、ゲートウェイ端末110の各部の制御を行う制御部111と、各種情報を記憶する記憶部112と、各センサ端末100からの情報を受信する通信部113と、無線通信可能なセンサ端末100からの電波受信強度を検出する受信強度検出部114と、を有する。
通信部113は、無線通信可能なセンサ端末100との間で無線通信を行うための変復調器及びアンテナを含んで構成され、制御部111によって制御される。
センサネットワークシステム10では、複数のセンサ端末100は、各通信ノード間の電波受信強度の情報に基づき、電波状態のよい通信経路を選択し、選択した通信経路を通じて検出情報をゲートウェイ端末110に送信する。つまり、センサ端末100は、自身が検出した検出情報をゲートウェイ端末110に直接、または他のセンサ端末100を1つ以上介して間接的にゲートウェイ端末110に送信する。
ゲートウェイ端末110には、メモリーカードなどの記憶媒体からの信号、あるいはマウス、キーボード、タッチパネルなどの操作装置からの信号が入力される入力装置121及び液晶パネルなどの表示装置122が接続される。ゲートウェイ端末110は、入力装置121からの入力信号に基づいて、表示装置122の表示画面に所定の表示画像を表示させる。また、ゲートウェイ端末110は、各センサ端末100で検出された検出情報に基づいて、油圧シリンダの作動油の漏れが発生しているか否かを判定し、判定結果をコントローラ120に出力する。油圧シリンダの作動油の漏れが発生していると判定された場合、ゲートウェイ端末110は、表示装置122の表示画面に、油漏れが発生していること、及び、油漏れが発生した油圧シリンダに関する情報を表示させる。なお、油漏れが発生しているか否かの判定処理は、コントローラ120が行ってもよい。この場合、コントローラ120は、ゲートウェイ端末110を介して取得した各センサ端末100で検出された検出情報に基づいて、油圧シリンダの作動油の漏れが発生しているか否かを判定し、コントローラ120に接続される表示装置(図示省略)に判定結果に応じた情報を表示させる。
各センサ端末100は、電池135を有し、電池135から供給される電力により検出動作及び通信動作を行う。各センサ端末100の使用が継続されることにより、電池残量が低下すると、各センサ端末100の交換が必要になる。従来、作業員は、古いセンサ端末100を取り外して新たなセンサ端末100を取り付けた後、新たなセンサ端末100の識別情報とそのセンサ端末100の取付位置の情報とを関連付けた情報を登録し直す作業が必要であった。この作業は、入力装置121等を用いて手入力で行われていた。このため、入力作業に手間がかかり、また、誤入力により誤った情報が登録されてしてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態に係るセンサネットワークシステム10では、所定の取付位置におけるセンサ端末100が取り外されて新たなセンサ端末100が取り付けられたときに、新たなセンサ端末100の識別情報とその取付位置の情報とを自動的に関連付けて記憶するように構成した。これにより、上述したような手入力による作業が不要となり、交換作業性が向上する。以下、具体的に説明する。
図3に示すように、ゲートウェイ端末110の記憶部112には、各センサ端末100の識別情報と各センサ端末100の取付位置の情報とが関連付けられた端末位置情報である端末位置テーブルが予め記憶されている。この端末位置テーブルは、製品出荷時等に入力装置121等を用いることで登録されている。これにより、ゲートウェイ端末110の記憶部112には、製品出荷時等に取り付けられているセンサ端末100の識別情報と取付位置の情報とが関連付けて記憶される。なお、ゲートウェイ端末100に接続される入力装置121を用いず、コントローラ120に接続される入力装置(図示省略)を用いて端末位置テーブルを登録することとしてもよい。この場合、ゲートウェイ端末110には、コントローラ120を経由して、識別情報と取付位置の情報とが関連付けられた端末位置情報が入力される。
記憶部112には、第1センサ端末101の識別情報であるアドレス(ノードID)A1と第1センサ端末101の取付位置の情報Paとが関連付けて記憶される。記憶部112には、第2センサ端末102の識別情報であるアドレス(ノードID)A2と第2センサ端末102の取付位置の情報Pbとが関連付けて記憶されている。記憶部112には、第3センサ端末103の識別情報であるアドレス(ノードID)A3と第3センサ端末103の取付位置の情報Pcとが関連付けて記憶される。記憶部112には、第4センサ端末104の識別情報であるアドレス(ノードID)A4と第4センサ端末104の取付位置の情報Pdとが関連付けて記憶されている。
図2に示すように、制御部111は、複数のセンサ端末100に関する経路情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報を生成する生成部111aと、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失したセンサ端末100の取付位置を特定する位置特定部111bと、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、端末位置テーブルを更新する更新部111cと、を有する。
生成部111aは、所定の制御周期で、メッシュネットワークの接続状態情報を繰り返し生成し、記憶部112に記憶する。つまり、記憶部112に記憶されるメッシュネットワークの接続状態情報は、所定の制御周期で更新される。なお、記憶部112には、所定制御周期前(例えば、1制御周期前)に生成したメッシュネットワークの接続状態情報が前回値として記憶部112に記憶されている。メッシュネットワークの接続状態情報は、各センサ端末100及びゲートウェイ端末110が互いのルーティングテーブルを交換することにより生成される。
図4(a)に示すように、各センサ端末100(101,102,103,104)及びゲートウェイ端末110の全てが正常に無線通信を行っているときには、各センサ端末100のそれぞれを含む通信経路によってメッシュネットワークが構築されている。このときに生成部111aにより生成され、記憶部112に記憶されるメッシュネットワークの第1の接続状態情報I1には、各センサ端末100のそれぞれに関する経路情報が含まれている。
図5は、第1の接続状態情報I1に含まれる第1センサ端末101のルーティングテーブルの一例を示す図である。第1センサ端末101のルーティングテーブルには、宛先となる目的ノードのアドレス(ノードID)と、その目的ノードへのホップ数、中継器となる通信ノード(中継ノード)のアドレス(ノードID)が、送信元ノードである第1センサ端末101のアドレスA1と関連付けられて記憶されている。図示しないが、同様に、第1の接続状態情報I1には、第2センサ端末102、第3センサ端末103及び第4センサ端末104のルーティングテーブルが記憶されている。
センサ端末100は、電池135が切れたり、故障したり、電源がオフされたりすると、他の通信ノード(他のセンサ端末100及びゲートウェイ端末110)との間での通信が不能な状態となる。第1センサ端末101~第4センサ端末104のうち、所定のセンサ端末100が通信不能となった場合、図4(b)に示すように、通信不能となったセンサ端末100を含む通信経路がメッシュネットワークから消失する。換言すれば、通信不能となったセンサ端末100を除く、他のセンサ端末100を含む通信経路によってメッシュネットワークが構築される。このときに生成部111aにより生成され、記憶部112に記憶されるメッシュネットワークの第2の接続状態情報I2には、通信不能となったセンサ端末100に関する経路情報が含まれていない。
例えば、第3センサ端末103が通信不能となった場合、第3センサ端末103を含む通信経路が、メッシュネットワークから消失する。消失した第3センサ端末103を含む通信経路の一例を、各通信ノードのアドレスを用いて以下に示す。
送信元である第1センサ端末(A1)101で検出された検出情報が、宛先であるゲートウェイ端末(GW)110に至るまでの通信経路であって、第3センサ端末103を含む通信経路は以下のとおりである。
(ホップ数:3)A1→A3→A2→GW
(ホップ数:4)A1→A3→A4→A2→GW,A1→A4→A3→A2→GW
送信元である第2センサ端末(A2)102で検出された検出情報が、宛先であるゲートウェイ端末(GW)110に至るまでの通信経路であって、第3センサ端末103を含む通信経路は以下のとおりである。
(ホップ数:3)A2→A3→A1→GW
(ホップ数:4)A2→A3→A4→A1→GW,A2→A4→A3→A1→GW
送信元である第3センサ端末(A3)103で検出された検出情報が、宛先であるゲートウェイ端末(GW)110に至るまでの通信経路であって、第3センサ端末103を含む通信経路は以下のとおりである。
(ホップ数:2)A3→A1→GW,A3→A2→GW
(ホップ数:3)A3→A4→A1→GW,A3→A4→A2→GW,A3→A1→A2→GW,A3→A2→A1→GW
(ホップ数4)A3→A4→A1→A2→GW,A3→A4→A2→A1→GW
送信元である第4センサ端末(A4)104で検出された検出情報が、宛先であるゲートウェイ端末(GW)110に至るまでの通信経路であって、第3センサ端末103を含む通信経路は以下のとおりである。
(ホップ数:3)A4→A3→A1→GW,A4→A3→A2→GW
(ホップ数:4)A4→A3→A1→A2→GW,A4→A3→A2→A1→GW,A4→A2→A3→A1→GW,A4→A1→A3→A2→GW
これらの第3センサ端末103を含む通信経路が消失した後、生成部111aにより生成されるメッシュネットワークの第2の接続状態情報I2には、第3センサ端末103に関する経路情報が含まれない。換言すれば、第3センサ端末103を含む通信経路が消失すると、メッシュネットワークの接続状態情報から第3センサ端末103に関する経路情報が消失する。
例えば、図6に示すように、第2の接続状態情報I2に含まれる第1センサ端末101のルーティングテーブルは、第1の接続状態情報I1に含まれる第1センサ端末101のルーティングテーブルから情報(4),(6),(7),(9)~(14),(17)~(19)が削除されたものとなる。
つまり、メッシュネットワークの第1の接続状態情報I1のうち、第3センサ端末103に関する経路情報(すなわち、目的ノードを第3センサ端末(A3)103とする情報(10)~(14)及び中継ノードを第3センサ端末(A3)103とする情報(6),(7),(18),(19))の全てが消失する。同様に、メッシュネットワークの第1の接続状態情報I1に含まれる第2センサ端末102のルーティングテーブルからも第3センサ端末103に関する経路情報が消失する。また、メッシュネットワークの第1の接続状態情報I1に含まれる第4センサ端末104のルーティングテーブルからも第3センサ端末103に関する経路情報が消失する。メッシュネットワークの第1の接続状態情報I1に含まれる第3センサ端末103のルーティングテーブルは、送信元ノードを第3センサ端末(A3)とする全ての情報が第3センサ端末103に関する経路情報であるので、全ての情報が消失する。
その後、通信不能となったセンサ端末100に代えて新たなセンサ端末100が取り付けられ、新たなセンサ端末100が通信を開始すると、図4(c)に示すように、新たなセンサ端末100を含む通信経路がメッシュネットワークに出現する。換言すれば、新たなセンサ端末100と既設のセンサ端末100を含む通信経路によってメッシュネットワークが構築される。このときに生成部111aにより生成され、記憶部112に記憶されるメッシュネットワークの第3の接続状態情報I3には、新たなセンサ端末100に関する経路情報が含まれる。
例えば、新たなセンサ端末100として、識別情報としてのアドレス(ノードID)A5を有する第5センサ端末105が通信を開始した場合、第5センサ端末105を含む通信経路が、メッシュネットワークに出現する。つまり、ゲートウェイ端末110、第1センサ端末101、第2センサ端末102及び第4センサ端末104並びに第5センサ端末105が無線通信を行うことによって、メッシュネットワークが構築される。
第5センサ端末105を含む通信経路が出現した後、生成部111aにより生成されるメッシュネットワークの第3の接続状態情報I3には、新たなセンサ端末100である第5センサ端末105に関する経路情報が含まれる。換言すれば、第5センサ端末105を含む通信経路が出現すると、メッシュネットワークの接続状態情報に第5センサ端末105を含む通信経路に対応する第5センサ端末105に関する経路情報が出現する。
例えば、図7に示すように、第3の接続状態情報I3に含まれる第1センサ端末101のルーティングテーブルは、図6に示す第2の接続状態情報I2に含まれる第1センサ端末101のルーティングテーブルに、図7に示す情報(4),(6),(7),(9)~(14),(17)~(19)が追加されたものとなる。
つまり、メッシュネットワークの第3の接続状態情報I3には、第5センサ端末105に関する経路情報(すなわち、目的ノードを第5センサ端末(A5)105とする情報(10)~(14)及び中継ノードを第5センサ端末(A5)105とする情報(6),(7),(18),(19))が含まれる。同様に、メッシュネットワークの第3の接続状態情報I3に含まれる第2センサ端末102のルーティングテーブルには、第5センサ端末105に関する経路情報が含まれる。また、メッシュネットワークの第3の接続状態情報I3に含まれる第4センサ端末104のルーティングテーブルには、第5センサ端末105に関する経路情報が含まれる。メッシュネットワークの第3の接続状態情報I3に含まれる第5センサ端末105のルーティングテーブルは、送信元ノードを第5センサ端末(A5)105とする全ての情報が第5センサ端末105に関する経路情報である。
このように、センサ端末100が通信不能になったり、新たなセンサ端末100が通信を開始したりすると、メッシュネットワークの接続状態情報が変化する。本実施形態に係る制御部111は、メッシュネットワークの接続状態情報の変化に基づいて、全ての経路情報が消失したセンサ端末100の取付位置の情報を特定取付位置Pとして記憶部112に記憶させる。制御部111は、その後、新たに出現したセンサ端末100の識別情報を記憶部112に記憶されている特定取付位置Pに関連付け、記憶部112に記憶させる。
図2に示すように、位置特定部111bは、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合(図4(b)参照)に、消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。
本第1実施形態では、位置特定部111bは、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、所定のセンサ端末100を特定し、端末位置情報(端末位置テーブル)に基づいて所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。つまり、本実施形態では、メッシュネットワークの接続状態情報の変化により、通信不能となったセンサ端末100の取付位置を特定することができる。
具体的には、位置特定部111bは、所定の制御周期で記憶されるメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、第1センサ端末101、第2センサ端末102、第3センサ端末103及び第4センサ端末104に関する経路情報が消失したか否かを判定し、経路情報が消失したセンサ端末100を特定する。
位置特定部111bは、所定のセンサ端末100の消失前に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報である第1の接続状態情報I1と、消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報である第2の接続状態情報I2と、を比較する。位置特定部111bは、第1の接続状態情報I1には含まれ、第2の接続状態情報I2には含まれていない、センサ端末100に関する経路情報がある場合、所定のセンサ端末100に関する経路情報が消失したと判定し、そのセンサ端末100を特定する。
位置特定部111bは、記憶部112に記憶されている端末位置テーブル(図3)を参照し、特定したセンサ端末100の取付位置を特定する。位置特定部111bは、特定した取付位置の情報、すなわち経路情報が消失したセンサ端末100の識別情報に関連付けて記憶された取付位置の情報を特定取付位置Pとして記憶部112に記憶する。
例えば、図4(b)に示すように、第3センサ端末103を含む通信経路が消失した場合には、位置特定部111bは、第3センサ端末103の識別情報(A3)に関連付けて記憶された取付位置の情報Pcを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶する。
通信不能となった所定のセンサ端末100が新たなセンサ端末100に交換され、新たなセンサ端末100の電源がオンされると、新たなセンサ端末100を含む通信経路が、メッシュネットワークに出現する。
図2に示すように、更新部111cは、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報(特定取付位置P)とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する。
本第1実施形態では、更新部111cは、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、新たなセンサ端末100を特定する。更新部111cは、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する。つまり、本実施形態では、メッシュネットワークの接続状態情報の変化により、新たなセンサ端末100の取付位置を自動で設定することができる。
具体的には、更新部111cは、所定の制御周期で記憶されるメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100に関する経路情報が出現したか否かを判定し、新たなセンサ端末100を特定する。
更新部111cは、新たなセンサ端末100に関する経路情報の出現前に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報である第2の接続状態情報I2と、出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報である第3の接続状態情報I3と、を比較する。更新部111cは、第3の接続状態情報I3には含まれ、第2の接続状態情報I2には含まれていない、センサ端末100に関する経路情報がある場合、新たなセンサ端末100に関する経路情報が出現したと判定し、そのセンサ端末100を特定する。
更新部111cは、特定した新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報(特定取付位置P)とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置テーブルを更新する。
例えば、図4(c)に示すように、新たなセンサ端末100として、第5センサ端末105を含む通信経路が、メッシュネットワークに出現した場合について説明する。この場合、図8に示すように、更新部111cは、第5センサ端末105の識別情報であるアドレス(A5)と特定取付位置Pとして設定された取付位置の情報Pcとを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置テーブルを更新する。
図9を参照して、ゲートウェイ端末110の制御部111によるセンサ端末100の取付位置の情報の自動更新方法の一例について説明する。図9に示す処理は、所定の制御周期で繰り返し実行される。
ステップS110において、制御部111の生成部111aは、ゲートウェイ端末110が受信した各センサ端末100のルーティングテーブルに基づいて、メッシュネットワークの接続状態情報を生成し、記憶部112に記憶する処理を実行し、ステップS120へ進む。
ステップS120において、制御部111の位置特定部111bは、現在の制御周期において生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(今回の接続状態情報)と、所定制御周期前(例えば、1制御周期前)に生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(前回の接続状態情報)とを比較する。位置特定部111bは、その比較結果に基づき、前回の接続状態情報にある第1センサ端末101に関する経路情報が、今回の接続状態情報にあるか否かを判定する。ステップS120において、第1センサ端末101に関する経路情報があると判定された場合、ステップS130へ進む。ステップS120において、第1センサ端末101に関する経路情報がないと判定された場合、すなわち、第1センサ端末101に関する経路情報が消失したと判定された場合、ステップS125へ進む。
ステップS125において、制御部111の位置特定部111bは、第1センサ端末101の識別情報(A1)を取得する、すなわち経路情報が消失したセンサ端末100が第1センサ端末101であることを特定する。ステップS125において、位置特定部111bは、第1センサ端末101の識別情報(A1)に基づき、端末位置テーブルを参照し、第1センサ端末101に関連付けて記憶された取付位置の情報Paを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶し、ステップS160へ進む。
ステップS130において、制御部111の位置特定部111bは、前回の接続状態情報と、今回の接続状態情報とを比較する。位置特定部111bは、その比較結果に基づき、前回の接続状態情報にある第2センサ端末102に関する経路情報が、今回の接続状態情報にあるか否かを判定する。ステップS130において、第2センサ端末102に関する経路情報があると判定された場合、ステップS140へ進む。ステップS130において、第2センサ端末102に関する経路情報がないと判定された場合、すなわち、第2センサ端末102に関する経路情報が消失したと判定された場合、ステップS135へ進む。
ステップS135において、制御部111の位置特定部111bは、第2センサ端末102の識別情報(A2)を取得する、すなわち経路情報が消失したセンサ端末100が第2センサ端末102であることを特定する。ステップS135において、位置特定部111bは、第2センサ端末102の識別情報(A2)に基づき、端末位置テーブルを参照し、第2センサ端末102に関連付けて記憶された取付位置の情報Pbを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶し、ステップS160へ進む。
ステップS140において、制御部111の位置特定部111bは、前回の接続状態情報と、今回の接続状態情報とを比較する。位置特定部111bは、その比較結果に基づき、前回の接続状態情報にある第3センサ端末103に関する経路情報が、今回の接続状態情報にあるか否かを判定する。ステップS140において、第3センサ端末103に関する経路情報があると判定された場合、ステップS150へ進む。ステップS140において、第3センサ端末103に関する経路情報がないと判定された場合、すなわち、第3センサ端末103に関する経路情報が消失したと判定された場合、ステップS145へ進む。
ステップS145において、制御部111の位置特定部111bは、第3センサ端末103の識別情報(A3)を取得する、すなわち経路情報が消失したセンサ端末100が第3センサ端末103であることを特定する。ステップS145において、位置特定部111bは、第3センサ端末103の識別情報(A3)に基づき、端末位置テーブルを参照し、第3センサ端末103に関連付けて記憶された取付位置の情報Pcを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶し、ステップS160へ進む。
ステップS150において、制御部111の位置特定部111bは、前回の接続状態情報と、今回の接続状態情報とを比較する。位置特定部111bは、その比較結果に基づき、前回の接続状態情報にある第4センサ端末104に関する経路情報が、今回の接続状態情報にあるか否かを判定する。ステップS150において、第4センサ端末104に関する経路情報があると判定された場合、ステップS110へ戻る。ステップS150において、第4センサ端末104に関する経路情報がないと判定された場合、すなわち、第4センサ端末104に関する経路情報が消失したと判定された場合、ステップS155へ進む。
ステップS155において、制御部111の位置特定部111bは、第4センサ端末104の識別情報(A4)を取得する、すなわち経路情報が消失したセンサ端末100が第4センサ端末104であることを特定する。ステップS155において、位置特定部111bは、第4センサ端末104の識別情報(A4)に基づき端末位置テーブルを参照し、第4センサ端末104に関連付けて記憶された取付位置の情報Pdを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶し、ステップS160へ進む。
ステップS160において、制御部111の生成部111aは、ステップS110と同様の生成処理を実行する。すなわち、ステップS160において、生成部111aは、ゲートウェイ端末110が受信した各センサ端末100のルーティングテーブルに基づいて、メッシュネットワークの接続状態情報を生成し、記憶部112に記憶する処理を実行し、ステップS170へ進む。
ステップS170において、制御部111の更新部111cは、現在の制御周期において生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(前回の接続状態情報)と、所定制御周期前(例えば、1制御周期前)に生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(今回の接続状態情報)とを比較する。ステップS170において、更新部111cは、比較結果に基づき、前回の接続状態情報にはない新たなセンサ端末100に関する経路情報が、今回の接続状態情報にあるか否かを判定する。ステップS170において、新たなセンサ端末100に関する経路情報があると判定された場合、すなわち新たなセンサ端末100に関する経路情報が出現したと判定された場合、ステップS180へ進む。ステップS170において、新たなセンサ端末100に関する経路情報がないと判定された場合、ステップS160へ戻る。
ステップS180において、制御部111の更新部111cは、出現した経路情報から新たなセンサ端末100の識別情報であるアドレス(ノードID)を取得する、すなわち新たなセンサ端末100を特定する。ステップS180において、更新部111cは、取得した新たなセンサ端末100の識別情報と、ステップS125,S135,S145,S155のいずれかで特定された特定取付位置Pとを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置テーブルを更新し、図9に示す処理を終了する。
上述した第1実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
ゲートウェイ端末110の制御部111は、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失後に生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(第2の接続状態情報I2)に基づいて、消失した所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。その後、制御部111は、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現後に生成されたメッシュネットワークの接続状態情報(第3の接続状態情報I3)に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する。これにより、通信不能のセンサ端末100を新たなセンサ端末100に交換した際に、自動で、新たなセンサ端末100の識別情報とそのセンサ端末100の取付位置の情報とが関連付けられて記憶部112に記憶される。したがって、作業員が手入力等により、新たなセンサ端末100の識別情報とその取付位置の情報とを関連付けた情報を登録し直す作業が不要になり、交換作業性を向上することができる。また、誤った情報が登録されてしまうことを防止することもできる。
ゲートウェイ端末110が、センサ端末100の識別情報とセンサ端末100の取付位置の情報とが関連付けられた端末位置情報(端末位置テーブル)が予め記憶された記憶部112と、複数のセンサ端末100に関する経路情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報を生成する生成部111aと、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、所定のセンサ端末100の取付位置を特定する位置特定部111bと、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する更新部111cと、を有している。これにより、センサ端末100が、上記記憶部112、生成部111a、位置特定部111b、更新部111cに相当する構成を備える場合に比べて、センサ端末100の処理負担を軽減し、センサ端末100の電池135の消費を抑えることができる。したがって、センサネットワークシステム10の通信状態を長期に亘って良好な状態として維持することができる。また、各機能をキャビン3a内に取り付けられたゲートウェイ端末110に集約させることにより、センサネットワークシステム10のメンテナンス性も向上する。
<第2実施形態>
図1、図10及び図11を参照して、本発明の第2実施形態に係るセンサネットワークシステム10について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、図中、上記第1実施形態で説明した構成と同一の構成または相当する構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係るセンサネットワークシステム10は、図1及び図2に示す第1実施形態に係るセンサネットワークシステム10と同様の構成を有する。
第2実施形態では、記憶部112に記憶されるメッシュネットワークの接続状態情報に、複数のセンサ端末100相互間の電波強度及び複数のセンサ端末100とゲートウェイ端末110との間の電波強度に関する情報として、各通信ノード間の受信強度レベルが含まれる。例えば、図10に示すように、ゲートウェイ端末110の記憶部112には、各通信ノード間の受信強度レベルの情報からなる電波強度テーブルが記憶されている。電波強度テーブルは、各センサ端末100の受信強度検出部136で検出され、送信される電波強度の情報及びゲートウェイ端末110の受信強度検出部114で検出される電波強度の情報に基づいて、所定の制御周期で更新される。
ゲートウェイ端末(GW)と第1センサ端末(A1)との間の受信強度レベルはL1である。ゲートウェイ端末(GW)と第2センサ端末(A2)との間の受信強度レベルはL2である。ゲートウェイ端末(GW)と第3センサ端末(A3)との間の受信強度レベルはL3である。ゲートウェイ端末(GW)と第4センサ端末(A4)との間の受信強度レベルはL4である。第1センサ端末(A1)と第2センサ端末(A2)との間の受信強度レベルはL5である。第1センサ端末(A1)と第3センサ端末(A3)との間の受信強度レベルはL6である。第1センサ端末(A1)と第4センサ端末(A4)との間の受信強度レベルはL7である。第2センサ端末(A2)と第3センサ端末(A3)との間の受信強度レベルはL8である。第2センサ端末(A2)と第4センサ端末(A4)との間の受信強度レベルはL9である。第3センサ端末(A3)と第4センサ端末(A4)との間の受信強度レベルはL10である。
位置特定部111bは、メッシュネットワークから2つ以上のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失前後のメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、2つ以上のセンサ端末100の取付位置を特定する。
具体的には、位置特定部111bは、第1の接続状態情報I1と第2の接続状態情報I2とを比較する。位置特定部111bは、第1の接続状態情報I1に含まれ、第2の接続状態情報I2に含まれていない、センサ端末100に関する経路情報がある場合、所定のセンサ端末100に関する経路情報が消失したと判定し、そのセンサ端末100を特定する。位置特定部111bは、特定したセンサ端末100が2つ以上であるか否かを判定する。
特定したセンサ端末100が2つ以上の場合、位置特定部111bは、特定したセンサ端末100の識別情報と、その特定したセンサ端末100の取付位置の情報と、を関連付けて記憶部112に記憶する。位置特定部111bは、特定したセンサ端末100の取付位置の情報を、特定取付位置Pi(iは1から特定したセンサ端末の総数までの整数)として記憶部112に記憶する。
例えば、図11(b)に示すように、第3センサ端末103及び第4センサ端末104のそれぞれを含む通信経路が消失した場合について説明する。この場合、位置特定部111bは、特定した第3センサ端末103の識別情報(A3)と、第3センサ端末103の取付位置の情報Pcと、を関連付けて記憶部112に記憶する。位置特定部111bは、第3センサ端末103の取付位置の情報Pcを第1特定取付位置P1として記憶部112に記憶する。また、位置特定部111bは、第4センサ端末104の取付位置の情報Pdと、第4センサ端末104の識別情報(A4)と、を関連付けて記憶部112に記憶する。位置特定部111bは、第4センサ端末104の取付位置の情報Pdを第2特定取付位置P2として記憶部112に記憶する。
更新部111cは、新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現前後の電波強度に関する情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報(特定取付位置Pi)とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する。
具体的には、更新部111cは、第3の接続状態情報I3と第2の接続状態情報I2とを比較する。更新部111cは、第3の接続状態情報I3に含まれ、第2の接続状態情報I2に含まれていない、センサ端末100に関する経路情報がある場合、新たなセンサ端末100に関する経路情報が出現したと判定する。
新たなセンサ端末100に関する経路情報が出現したと判定されると、生成部111aは、新たなセンサ端末100を含む通信ノード間の電波強度に関する情報を記憶部112に記憶する。更新部111cは、記憶部112に記憶された電波強度テーブルの情報(経路情報の出現前後の情報)を加味して、経路情報が出現したセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報(特定取付位置Pi)とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置テーブルを更新する。
例えば、図11(c)に示すように、第5センサ端末105を含む通信経路が出現した場合、更新部111cは、特定取付位置Pi(P1,P2)に関連付けて記憶されたセンサ端末100の識別情報(A3,A4)に基づき、電波強度テーブルを参照し、第3センサ端末103及び第4センサ端末104に関する受信強度レベルを取得する。第3センサ端末103に関する受信強度レベルは、電波強度テーブルの強度情報(3),(6),(8),(10)であり、第4センサ端末104に関する受信強度レベルは、電波強度テーブルの強度情報(4),(7),(9),(10)である。
更新部111cは、取得した第3センサ端末103に関する電波強度テーブルの強度情報のうち、新たなセンサ端末100の取付位置の特定に使用できない情報を除く処理を行う。つまり、更新部111cは、経路情報が消失したセンサ端末100間の電波強度テーブルの強度情報(10)、及び、受信強度レベルが予め定められた閾値未満の強度情報(3),(4)を除く処理を行う。更新部111cは、強度情報(6)~(9)に基づいて、第5センサ端末105に関する受信強度レベルが、第3センサ端末103に関する受信強度レベルと、第4センサ端末104に関する受信強度レベルのいずれに近いかを判定する。
更新部111cは、第5センサ端末105に関する受信強度レベルが、第3センサ端末103に関する受信強度レベルと、第4センサ端末104に関する受信強度レベルのいずれに近いかを判定する。例えば、更新部111cは、第5センサ端末105と第1センサ端末101との間の受信強度レベルLaが、第3センサ端末103と第1センサ端末101との間の受信強度レベルL6と、第4センサ端末104と第1センサ端末101との間の受信強度レベルL7のいずれに近いのかを判定する。更新部111cは、その他の強度情報についても順次比較を行う。
更新部111cは、第5センサ端末105と所定の通信ノードとの間の受信強度レベルが、第3センサ端末103と所定の通信ノードとの間の受信強度レベルに最も近いと判定された回数N1をカウントする。更新部111cは、第5センサ端末105と所定の通信ノードとの間の受信強度レベルが、第4センサ端末104と所定の通信ノードとの間の受信強度レベルに最も近いと判定された回数N2をカウントする。更新部111cは回数N1と回数N2とを比較する。更新部111cは、比較結果により、最も近いと判定された回数が多い方のセンサ端末100に関する受信強度レベルを、第5センサ端末105に関する受信強度レベルに最も近いと判定する。
例えば、第5センサ端末105に関する受信強度レベルが、第3センサ端末103に関する受信強度レベルに最も近いと判定された場合について説明する。この場合、更新部111cは、第5センサ端末105の識別情報(A5)と第3センサ端末103の取付位置の情報Pc(=第1特定取付位置P1)とを関連付け、記憶部112に記憶する。
また、第5センサ端末105を含む通信経路と、第6センサ端末106を含む通信経路と、が同時期に出現した場合も同様に、強度情報(6)~(9)に基づいて、第5センサ端末105及び第6センサ端末106の識別情報(A5,A6)と特定取付位置Pi(P1,P2)とが関連付けられる。
なお、位置特定部111bにより特定したセンサ端末100が2つ未満、すなわち1つである場合、第1実施形態と同様の処理により、特定したセンサ端末100の取付位置が特定され、更新部111cにより端末位置テーブルが更新される。
このような第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
2つ以上のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合において、ゲートウェイ端末110の制御部111は、新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現したときに、出現前後の電波強度に関する情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報(端末位置テーブル)を更新する。このような構成により、2つ以上のセンサ端末100が通信不能になった後、新たなセンサ端末100に交換された場合でも、自動で、新たなセンサ端末100の識別情報とそのセンサ端末100が取り付けられる取付位置の情報とが適切に関連付けられて記憶部112に記憶される。したがって、2つ以上のセンサ端末100が通信不能となった後の交換作業において、作業員が手入力等により新たなセンサ端末100の識別情報とその取付位置の情報とを登録し直す作業が不要になり、交換作業性を向上することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、位置特定部111bは、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、所定のセンサ端末100を特定し、端末位置情報に基づいて所定のセンサ端末100の取付位置を特定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。所定のセンサ端末100を特定する方法は、所定のセンサ端末100を含む通信経路の消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて特定できる種々の方法を採用できる。例えば、以下のような特定方法を採用してもよい。
位置特定部111bは、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、メッシュネットワークの第2の接続状態情報I2に含まれるセンサ端末100の識別情報と、記憶部112に記憶された端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、を比較する。位置特定部111bは、その比較結果により、所定のセンサ端末100を特定し、端末位置情報に基づいて所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。
例えば、第3センサ端末103を含む通信経路が消失した場合、位置特定部111bは、第2の接続状態情報I2に含まれるセンサ端末100の識別情報(A1,A2,A4)と、端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報(A1,A2,A3,A4)と、を比較する。第2の接続状態情報I2に含まれるセンサ端末100の識別情報の中には、端末位置情報に含まれる第3センサ端末103の識別情報(A3)が含まれていない。このため、位置特定部111bは、通信不能となった所定のセンサ端末100が第3センサ端末103であると特定する。さらに、位置特定部111bは、端末位置情報を参照し、第3センサ端末103に関連付けられて記憶される取付位置の情報Pcを特定取付位置Pとして記憶部112に記憶する。
つまり、本変形例1では、端末位置情報と現在のメッシュネットワークの接続状態情報とにより、通信不能となったセンサ端末100の取付位置を特定することができる。このため、上記実施形態のように、所定制御周期前のメッシュネットワークの接続状態情報を保持しておく必要がないので、記憶部112の使用容量の低減を図ることができる。
<変形例2>
上記実施形態では、更新部111cは、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、新たなセンサ端末100を特定し、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報である特定取付位置Pとを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。新たなセンサ端末100を特定する方法は、新たなセンサ端末100を含む通信経路の出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて特定する種々の方法を採用できる。例えば、以下のような特定方法を採用してもよい。
更新部111cは、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、第3の接続状態情報I3に含まれるセンサ端末100の識別情報と、記憶部112に記憶された端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、を比較する。更新部111cは、その比較結果により、新たなセンサ端末100を特定し、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報である特定取付位置Pとを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する。
例えば、第5センサ端末105を含む通信経路が出現した場合、更新部111cは、第3の接続状態情報I3に含まれるセンサ端末100の識別情報(A1,A2,A4,A5)と、端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報(A1,A2,A3,A4)と、を比較する。端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報の中には、第3の接続状態情報I3に含まれる第5センサ端末105の識別情報(A5)が含まれていない。このため、更新部111cは、通信を開始した新たなセンサ端末100が第5センサ端末105であると特定する。さらに、更新部111cは、新たなセンサ端末100である第5センサ端末105の識別情報(A5)と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報である特定取付位置Pとを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する。
つまり、本変形例2では、端末位置情報と現在のメッシュネットワークの接続状態情報とにより、新たなセンサ端末100の取付位置を自動で設定することができる。このため、上記実施形態のように、所定制御周期前のメッシュネットワークの接続状態情報を保持しておく必要がないので、記憶部112の使用容量の低減を図ることができる。
<変形例3>
上記実施形態では、ゲートウェイ端末110の制御部111が、新たなセンサ端末100の取付位置の自動更新処理を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。各センサ端末100が、上記実施形態で説明したゲートウェイ端末110の記憶部112、生成部111a、位置特定部111b及び更新部111cに相当する構成の全て、または一部を有していてもよい。また、センサネットワークシステム10は、ゲートウェイ端末110と無線または有線通信により情報の授受が可能なサーバを備え、このサーバが、上記実施形態で説明したゲートウェイ端末110の記憶部112、生成部111a、位置特定部111b及び更新部111cに相当する構成の全て、または一部を有していてもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、センサ端末100からゲートウェイ端末110に送信する検出情報が、油圧シリンダの圧力の情報である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。油圧ショベルの各部における種々の情報を検出し、検出情報をゲートウェイ端末110に送信するようにしてもよい。検出情報としては、例えば、各アクチュエータの作動油の温度の情報、センサ端末100の電池135の電圧の情報等がある。
<変形例5>
上記実施形態では、油圧ショベル1にセンサネットワークシステム10を適用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。また、作業機に適用することに限定されるものでもなく、例えば、工場、オフィス、家庭内のネットワークに本発明を適用してもよい。
<変形例6>
上記実施形態では、複数のセンサ端末100が、それぞれ同様の構成である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。少なくとも複数のセンサ端末100は、それぞれ同じ通信規格により無線通信可能であればよい。例えば、第1センサ端末101が圧力を検出し、検出した圧力情報を直接または間接的にゲートウェイ端末110に送信し、第2センサ端末102が温度を検出し、検出した温度情報を直接または間接的にゲートウェイ端末110に送信する構成としてもよい。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、および効果をまとめて説明する。
センサネットワークシステム10は、ゲートウェイ端末110と、検出部132で検出された検出情報をゲートウェイ端末110に送信する複数のセンサ端末100と、を備えたメッシュネットワークを含むセンサネットワークシステムであって、センサ端末100の識別情報とセンサ端末100の取付位置の情報とが関連付けられた端末位置情報が予め記憶された記憶部112と、複数のセンサ端末100に関する経路情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報を生成する生成部111aと、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、所定のセンサ端末100の取付位置を特定する位置特定部111bと、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する更新部111cと、を備える。
この構成では、所定の取付位置のセンサ端末100が交換された場合に、新たなセンサ端末100を含むメッシュネットワークの接続状態に基づいて、端末位置情報が自動で更新される。つまり、通信不能のセンサ端末100を新たなセンサ端末100に交換した際に、自動で、新たなセンサ端末100の識別情報とそのセンサ端末100の取付位置の情報とが関連付けられて記憶部112に記憶される。したがって、作業員が手入力等により、新たなセンサ端末100の識別情報とその取付位置の情報とを関連付けた情報を登録し直す作業が不要になり、交換作業性を向上することができる。
センサネットワークシステム10は、位置特定部111bが、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、所定のセンサ端末100を特定し、端末位置情報に基づいて所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。
この構成では、メッシュネットワークの接続状態情報の変化により、所定のセンサ端末100の取付位置を特定することができる。
センサネットワークシステム10は、位置特定部111bが、メッシュネットワークから所定のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、記憶部112に記憶された端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、を比較することにより、所定のセンサ端末100を特定し、端末位置情報に基づいて所定のセンサ端末100の取付位置を特定する。
この構成では、端末位置情報と現在のメッシュネットワークの接続状態情報とにより、通信不能となったセンサ端末100の取付位置を特定することができる。
センサネットワークシステム10は、更新部111cが、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現前後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報を比較することにより、新たなセンサ端末100を特定し、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する。
この構成では、メッシュネットワークの接続状態情報の変化により、新たなセンサ端末100の取付位置を自動で設定することができる。
センサネットワークシステム10は、更新部111cが、メッシュネットワークに新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現後に生成部111aにより生成されたメッシュネットワークの接続状態情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、記憶部112に記憶された端末位置情報に含まれるセンサ端末100の識別情報と、を比較することにより、新たなセンサ端末100を特定し、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する。
この構成では、端末位置情報と現在のメッシュネットワークの接続状態情報とにより、新たなセンサ端末100の取付位置を自動で設定することができる。
センサネットワークシステム10は、メッシュネットワークの接続状態情報には、複数のセンサ端末100相互間の電波強度及び複数のセンサ端末100とゲートウェイ端末110との間の電波強度に関する情報が含まれ、位置特定部111bが、メッシュネットワークから2つ以上のセンサ端末100を含む通信経路が消失した場合に、消失前後のメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、2つ以上のセンサ端末100の取付位置を特定し、更新部111cが、新たなセンサ端末100を含む通信経路が出現した場合に、出現前後の電波強度に関する情報を含むメッシュネットワークの接続状態情報に基づいて、新たなセンサ端末100の識別情報と位置特定部111bにより特定された取付位置の情報とを関連付け、記憶部112に記憶された端末位置情報を更新する。
この構成では、2つ以上のセンサ端末100が通信不能となった後の交換作業において、作業員が手入力等により新たなセンサ端末100の識別情報とその取付位置の情報とを登録し直す作業が不要になり、交換作業性を向上することができる。
センサネットワークシステム10は、ゲートウェイ端末110が、記憶部112、生成部111a、位置特定部111b及び更新部111cを有している。
この構成では、ゲートウェイ端末110が、通信不能となった所定のセンサ端末100の取付位置を特定し、新たなセンサ端末100の識別情報と特定された取付位置の情報とを関連付け、端末位置情報を更新する自動更新処理を行うので、センサ端末100の処理負担を軽減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。