JP7044601B2 - 添加剤の定量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂中に含まれる添加剤の定量分析方法に関する。
一般に、樹脂中には、物性の向上や経時劣化の防止などのために、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の添加剤が含まれている。樹脂の品質は、これらの添加剤の種類や添加量によって大きく影響される。したがって、樹脂中に含まれる添加剤の種類や添加量に関して正確な情報を得ることは、樹脂の品質改良や製造における品質管理に欠かせない。前記情報を得るためには、樹脂中に含まれる添加剤の定量的な分析が必要となる。このような定量分析は、一般に樹脂から添加剤を抽出して添加剤の種類や含有量を分析する操作などにより行われる。そして、樹脂中に含まれる添加剤を簡易にかつ効率的に抽出して、添加剤を高い抽出率で分析することを目的として、溶媒のSP値や極性を規定し、かかる溶媒を組み合わせる定量分析方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-173328号公報
しかし、従来の定量分析方法では、抽出率が不十分であるという問題があった。本発明は前記問題点を解決するものであり、樹脂中に含まれる添加剤、特に分子量が1200g/mol以下の添加剤を、高い分析精度で定量分析可能な定量分析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の添加剤の定量分析方法は、
樹脂中に含まれる添加剤を定量分析する方法において、樹脂試料を粉砕し、粒径が150μm以上250μm未満の粉砕ペレットを選別する選別工程と、前記選別工程で選別された粉砕ペレットを、分析対象の添加剤が可溶である溶媒に含浸させて、前記分析対象の添加剤を抽出する抽出工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂中に含まれる添加剤、特に分子量が1200g/mol以下の添加剤を、高い分析精度で定量分析可能な定量分析方法を提供することができる。
図1は、粉砕ペレットの粒径を変えて、抽出量を測定した結果を示す図である。 図2は、抽出溶媒を変えて、抽出量を測定した結果を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。
本発明の添加剤の定量分析方法は、樹脂中に含まれる添加剤を定量分析する方法において、樹脂試料を粉砕し、粒径が150μm以上250μm未満の粉砕ペレットを選別する選別工程と、前記選別工程で選別された粉砕ペレットを、分析対象の添加剤が可溶である溶媒に含浸させて、前記分析対象の添加剤を抽出する抽出工程とを備えることを特徴とする。
従前の汎用的分析方法では、分析対象となる添加剤によっては、真値との差が、例えば誤差が約70%~80%と非常に大きくなり定量性に問題が生じることがあった。従前の分析方法は、樹脂試料を粉砕したもの(粉砕ペレット)に抽出溶媒を加え、分析対象の添加剤を分離抽出して抽出試料を得て、得られた抽出試料から分析対象の添加剤を定量的に検出するという操作により行ってきた。この際、分析に用いてきた粉砕ペレットの粒径は、約10μm~500μmと広範囲な分布を示していた。
樹脂中に含まれる物質の抽出効率を向上させるためには、試料の表面積を大きくすることが考えられる。試料の表面積を大きくするためには、一定の重量の試料であれば、技術常識としては粒径を小さくすればよい。そこで、粉砕ペレットの粒径を制御して、抽出効率を確認したところ、粒径が150μm以上250μm未満の範囲では抽出効率が顕著に(約2倍に)向上した。そこで、さらなる抽出効率の向上を期待して、さらに微細な粒径である50μm以上150μm未満の範囲としたが、その場合、予想に反して抽出効率の向上は不十分であることが判明した。
樹脂中に含まれる添加剤の抽出においては、理由は不明であるが、抽出量と試料粒径(試料表面積)との間には、粒径が小さいほど抽出量が多くなるという相関はないことが判明した。そこで、粉砕ペレットの粒径を150μm以上250μm未満の範囲に制御することで、特異的に抽出効率を向上可能であることが、本発明の特徴である。
本発明における定量分析方法は、以下の操作により行う。
(1)[試料作製操作]
樹脂試料を凍結粉砕して、粉砕ペレットとする。粉砕ペレットは、篩(sieve)を用いて分級を行い、粒径が150μm以上250μm未満の粒径範囲の粉砕ペレットを得る。この所定範囲の粒径の粉砕ペレットを分析試料とする。
(2)[抽出操作]
抽出操作は、(1)で作製した分析試料から定量する対象物質(添加剤)を抽出分離して、抽出試料を得る。抽出操作は、ソックスレー抽出法を用いることができる。ソックスレー抽出法はサイホンの原理を応用して溶媒を循環し、分析試料中の添加剤を抽出する方法である。抽出時間は5~20時間程度が好ましく、10~15時間がより好ましい。抽出温度は70℃~100℃の範囲であることが好ましく、80℃~90℃の範囲であることがより好ましい。抽出溶媒の温度を上述の範囲のうちの上限値以下とすることで、試料を全溶解させることなく、添加剤を選択的に抽出することができる。抽出溶媒の温度を上述の範囲のうちの下限値以上とすることで、溶媒への試料の膨潤が進行して、抽出率をより高くすることができる。
(3)[定量操作]
次に、(2)で得られた抽出試料から、対象物質(添加剤)を定量的に検出する。検出方法は、特に限定されず通常の定量分析法を用いることができる。例えば、GC(ガスクロマトグラフィー)、GC-MS(GCとMS(マススペクトル)の組み合わせ)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、LC(液体クロマトグラフィー)、LC-MS(LCとMSの組み合わせ)、NMR(核磁気共鳴スペクトル)などの分析機器を用いる方法が好ましい。規定量の添加剤を含む標準試料を予め準備し、抽出試料を統計的に用意して、これらの試料を検出して、標準試料と抽出試料の検出結果の比較により抽出試料の定量検出を行う。
本発明は、特に分子量が1200g/mol以下の、分子量の比較的小さい添加剤について、好適に用いられることを目的としており、前記抽出操作における抽出溶媒としては、分析対象の添加剤が可溶である溶媒を用いる。抽出溶媒としては、SP値(溶解パラメーター)が樹脂のSP値に近似した値を有する溶媒、すなわち、樹脂と親和性が高い溶媒を用いることが好ましい。このような溶媒は、樹脂の膨潤状態を添加剤の抽出に好ましい状態とすることができると考えられる。例えば、ポリプロピレン樹脂のSP値は8.0であるが、抽出溶媒としては、SP値が7~10程度の値を有し、かつ、各種添加剤の溶解性に優れた溶媒を使用することが好ましい。これらの中でも、クロロホルム(SP値9.3)、テトラヒドロフラン(SP値9.1)などを好ましく用いることができ、特にテトラヒドロフランを用いることが好ましい。抽出溶媒を選択することでより抽出効率を向上させることができる。
[実施例1]
表1に示す5種類の添加剤を含む樹脂について、粉砕ペレットの粒径を変えて、抽出量を測定した。粉砕ペレットの粒径は、約10μm~500μm(従来の粒径、篩による分級なし)、150μm以上250μm未満、50μm以上150μm未満の3水準について分析を行った。結果を図1に示す。試料は、各添加剤を0.5wt%ずつ全てを含有したポリプロピレン樹脂1gを用いた。抽出溶媒としてはクロロホルム300gを用い、抽出温度80℃、抽出時間5時間の条件で、ソックスレー抽出を行った。
Figure 0007044601000001
図1に示すように、粒径を150μm以上250μm未満に制御した場合、抽出量は、5種類の添加剤全てについて従来の粒径(約10μm~500μm)の場合よりも約2倍と多くなり、抽出効率は向上した。なお、さらに微粒子化すれば抽出量が増えると考え、50μm以上150μm未満の粒径のものについて同様に測定を行ったところ、5種類の添加剤全てについて従来の粒径(約10μm~500μm)の場合よりは抽出量は多くなったものの、150μm以上250μm未満の粒径の場合に比べて劣る結果となった。
[実施例2]
抽出溶媒として、表2に示す各溶媒を用いた場合の、前記5種類の添加剤の抽出量を測定した。結果を図2に示す。試料は、粉砕ペレットの粒径を150μm以上250μm未満に分級した、各添加剤を0.5wt%ずつ全てを含有したポリプロピレン樹脂1gを用いた。前記試料を、抽出溶媒300gに加え、抽出温度80℃、抽出時間5時間の条件で、ソックスレー抽出を行った。表2中の溶解性については、各溶媒30gに添加剤5種類全てを0.1g加えて25℃としたときの次の状態を示す。
A:可溶
B:溶解するが、溶解速度が遅い
C:不溶
Figure 0007044601000002
図2に示すように、抽出溶媒としてテトラヒドロフランを用いると、クロロホルムを用いた場合よりも1.5倍から2倍近くの抽出量が得られていることがわかる。なお、SP値が10を超える溶媒を用いた場合は、添加物の抽出が殆どできていないという結果となった。ヘキサンを除くSP値が10以下の溶媒では、抽出自体はなされているが、抽出量(抽出効率)とSP値との間に相関は見られなかった。抽出効率には、SP値以外の要因も関与しているものと考えられる。
以上、本発明の実施形態を、ポリプロピレン樹脂中の添加物の定量分析を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の対象物についても適用可能である。本発明の分析方法を用いることで、例えば、既存の分析条件では検出および定量が困難であった樹脂複合材等の材料組成の把握も可能とすることができる。

Claims (1)

  1. 樹脂中に含まれる添加剤を定量分析する方法において、
    樹脂試料を粉砕し、粒径が150μm以上250μm未満の粉砕ペレットを選別する選別工程と、
    前記選別工程で選別された粉砕ペレットを、分析対象の添加剤が可溶である溶媒に含浸させて、前記分析対象の添加剤を抽出する抽出工程と
    を備えることを特徴とする添加剤の定量分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002357514A (ja) 2001-05-31 2002-12-13 Toshiba Corp 粉体サンプリング装置
US20080192251A1 (en) 2005-05-24 2008-08-14 Basf Aktiengesellschaft Method For Determining Residues in Plastics
JP2015158382A (ja) 2014-02-21 2015-09-03 日本ポリプロ株式会社 ポリオレフィン中に含まれるソルビトール系化合物を定量分析する方法
WO2017135068A1 (ja) 2016-02-03 2017-08-10 ゲステル株式会社 有機成分抽出用素子

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