以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
●第1の実施形態●
●システム構成
図1は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す遠隔管理システムは、管理対象の機器50に異常が検知された場合において、管理対象の機器50の異常状態に対応する最適なユーザ(の候補)が使用する移動端末70に、対応要求を送信することで迅速な対応を促すことができるシステムである。遠隔管理システムは、管理サーバ10、ローカルネットワーク20、ファイアウォール25、移動端末70(70a、70b、70c、以下、区別する必要のないときは、移動端末70とする。)および位置情報発信装置90を含む。ローカルネットワーク20は、インターネットを介して管理サーバ10と接続されている。
ローカルネットワーク20と管理サーバ10は、ファイアウォール25をインターフェースとして接続されている。ローカルネットワーク20は、オフィス、会議室、倉庫、工場または特定の生産ライン等のネットワーク環境において形成される通信ネットワークである。ローカルネットワーク20は、例えば、インターネットを経由しない社内LAN(Local Area Network)である。
ローカルネットワーク20は、仲介装置30、機器A50a、機器B50bおよび機器C50cを含む。機器A50a、機器B50bおよび機器C50cは、遠隔管理システムにおける遠隔管理の対象となる被管理装置である。なお、以下の説明で使用する機器50は、これらの被管理装置の総称である。
仲介装置30は、管理サーバ10と、ローカルネットワーク20における機器50との間の通信を仲介する装置である。また、仲介装置30は、機器50およびファイアウォール25と、有線または無線LAN等を介して通信可能である。また、仲介装置30は、管理サーバ10からの指示を受けて機器50にアクセスしたり、機器50からのアラート通知を管理サーバ10に送信したり、予め設定されたスケジュールに基づき機器50の情報取得通知や死活監視(例えば、機器50が通信可能であるかどうか等)を行う。仲介装置30は、単体として機能するボックス型(箱型)の通信装置であってもよく、いずれかの機器50に内蔵されていてもよい。
また、仲介装置30は、インターネット上にある管理サーバ10と、ファイアウォール25を経由して通信可能である。すなわち、仲介装置30は、ファイアウォール25(をインターフェースとするローカルネットワーク20)内に位置し、管理サーバ10は、ファイアウォール25(をインターフェースとするローカルネットワーク20)外に位置するといえる。
ファイアウォール25は、管理サーバ10(インターネット)からの特定のパケットのみをローカルネットワーク20内に通過させる機能を有する。これにより、ファイアウォール25は、ローカルネットワーク20への意図しないまたは不正なアクセスをブロックすることが可能となる。また、ファイアウォール25は、仲介装置30からのパケットを管理サーバ10に転送する機能を有する。
機器50は、管理サーバ10によるメンテナンスやカウンタ検針等が行われる管理対象の機器である。機器50は、ローカルネットワーク20内に位置し、かつファイアウォール25(をインターフェースとするローカルネットワーク20)内に位置する。機器50は、同じローカルネットワーク20内に位置する仲介装置30を介して、管理サーバ10に各種データを送信する。
機器50は、画像処理機能を備えたMFP(Multifunction Peripheral:複合機)、プリンタ、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、スピーカ等の音響出力装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末、ノートPC(Personal Computer)またはデスクトップPC等である。また、機器50は、通信機能を備えた電子天秤、気圧計、加速度計、電流計、温度計、光度計、人感センサ、カメラまたは照度計等のセンサデバイスであってもよい。なお、機器50は、通信機能を備えていない機器に、通信機能を備えた機器が取り付けられていてもよい。
管理サーバ10は、ローカルネットワーク20内に位置する仲介装置30および機器50を管理するためのサーバコンピュータである。管理サーバ10は、ファイアウォ-ル25を介して仲介装置30と接続される。管理サーバ10は、ローカルネットワーク20内の機器50を、仲介装置30を介して遠隔管理する。なお、管理サーバ10は、複数台のサーバコンピュータにより構成されてもよく、どのサーバコンピュータに機能を備えさせてもよい。
移動端末70は、管理対象の機器50の保守管理等を行うユーザ(対応者)が使用するノートPC等の端末である。移動端末70は、例えば、管理サーバ10から機器50の異常状態に対する対応要求を受信する。対応要求を受信した移動端末70を使用するユーザは、機器50の異常状態の復旧対応の処置を実行する。なお、移動端末70は、例えば、タブレット端末、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブル端末、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。
位置情報発信装置90は、移動端末70の位置情報を取得するために用いる発信装置である。位置情報発信装置90は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星、無線LANアクセスポイントまたは基地局等の電波発信装置である。位置情報発信装置90がGPS衛星ある場合、位置情報発信装置90は、衛星の軌道情報および原子時計の時間情報を含む電波を移動端末70へ送信する。また、位置情報発信装置90が無線LANアクセスポイントである場合、位置情報発信装置90は、無線信号によりそれぞれの設置位置に係る位置情報(例えば経緯情報や、建物の階数、棟番号等の情報)を、移動端末70へ送信する。
なお、図1に示す遠隔管理システムは、一つのローカルネットワーク20内に位置する複数の機器50を遠隔管理する例を示すが、遠隔管理システムが、複数のローカルネットワーク20内のそれぞれに位置する機器50を遠隔管理する構成にしてもよい。また、図1は、一台が一つの仲介装置30がローカルネットワーク20内に位置する例を示すが、一つのローカルネットワーク20内に二台以上の仲介装置30が位置する構成にしてもよい。この場合、仲介装置30ごとに担う機能を分担してもよい。
●概略
図2は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムの概略の一例を示す図である。図2に示す遠隔管理システムは、ローカルネットワーク20内に位置する機器50の異常状態が検知された場合、管理サーバ10から移動端末70を使用する対応者に、異常状態に対する対応要求を送信する。なお、図2は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムの概略を簡略的に説明したものであり、遠隔管理システムが実現する機能等の詳細は、後述する図面等を用いて説明する。
ローカルネットワーク20内に設置された仲介装置30は、検知部302によって、機器50(50a、50b、50c)の異常状態を検知する。異常状態は、例えば、機器50がウイルス感染した状態である。検知部302は、例えば、機器50を宛先とする電子メールを大量に受信した場合、当該機器50がウイルス感染したものとして異常状態を検知する。なお、検知部302は、仲介装置30とは別体の装置として設けられていてもよい。この場合、検知部302は、例えば、ファイアウォール機器、統合セキュリティ機器(UTM:Unified Threat Management)等に実装される。
検知部302によって、機器50の異常状態を検知した仲介装置30は、制御部304および切換部303によって、異常状態が検知された機器50(以下、状態変更機器50と称する。)をネットワークから隔離する。具体的には、制御部304は、検知部302によって、機器50の異常状態が検知された場合、切換部303へ、状態変更機器50との通信(接続)の切断を指示する。そして、切換部303は、状態変更機器50との通信を切断する。これによって、仲介装置30は、例えば、ウイルス感染した状態変更機器50を、ネットワークから一時的に隔離することができる。なお、制御部304および切換部303は、仲介装置30とは別体の装置として設けられていてもよい。例えば、切換部303および制御部304の機能を実装した通信制御装置をローカルネットワーク20内に設けてもよい。
また、仲介装置30のゲートウェイ307aは、ファイアウォール25を介して、ローカルネットワーク20外に位置する管理サーバ10へ、機器50の異常状態を検知したことを示す異常検知通知を送信する。管理サーバ10の管理者は、管理サーバ10が異常検知通知を受信することで、機器50の異常状態が発生したこと知ることができる。管理サーバ10は、異常検知通知を受信した場合、遠隔管理システムを構成する一以上の移動端末70(例えば、移動端末70a、移動端末70b)へ、位置情報の送信要求を送信する。
移動端末70aは、ゲートウェイ701aによって、位置情報の送信要求を受信した場合、自身の位置情報を取得するため、位置情報アプリケーション702aを起動させる。位置情報アプリケーション702aは、移動端末70aに予めインストールされた位置情報を取得するための専用のアプリケーションである。
位置情報アプリケーション702aは、位置情報発信装置90から自らの位置情報を取得する。具体的には、位置情報アプリケーション702aは、位置情報発信装置90へ、位置情報の取得要求を送信する。そして、位置情報アプリケーション702aは、取得要求に対する応答として、位置情報発信装置90から移動端末70aの位置情報を取得する。なお、位置情報発信装置90が連続的または断続的に位置情報を含む電波を発信している場合、位置情報アプリケーション702aは、起動されるとともに、位置情報を取得可能な構成であってもよい。また、他の移動端末70(移動端末70b等)も同様の処理により、自らの位置情報を取得する。
移動端末70は、取得した位置情報を、ゲートウェイ701aによって管理サーバ10へ送信する。それぞれの移動端末70から送信された位置情報を受信した管理サーバ10は、状態変更機器50の位置情報と、受信した移動端末70の位置情報とに基づいて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を特定する。そして、管理サーバ10は、特定した移動端末70へ、状態変更機器50の異常状態に対する対応依頼である対応要求を送信する。
対応要求を受信した移動端末70を使用するユーザは、状態変更機器50の異常状態を復旧させる処置を実行する。例えば、状態変更機器50のウイルス感染に対する対応要求を受信した移動端末70のユーザは、所定の処置を実行してウイルス感染の原因を解消した場合、対応完了通知を使用する移動端末70から管理サーバ10へ送信する。そして、管理サーバ10は、対応完了通知を受信した場合、仲介装置30へ状態変更機器50のネットワーク復旧命令を送信することで、状態変更機器50の復旧対応を終了する。
したがって、第1の実施形態に係る遠隔管理システムは、ローカルネットワーク20内に位置する管理対象の機器50に異常状態が検知された場合、管理サーバ10が、状態変更機器50と複数の移動端末70との位置情報に基づいて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70へ、異常状態に対する対応要求を送信する。そのため、管理サーバ10は、管理対象の機器に異常が発生した場合において、最適な対応者に異常状態の復旧依頼である対応要求を送信することができる。これによって、遠隔管理システムは、迅速な復旧処置を実行させることができる。
●ハードウエア構成
続いて、第1の実施形態に係る各装置のハードウエア構成について説明する。遠隔管理システムを構成する各装置は、一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、一般的なコンピュータのハードウエア構成例について説明する。
図3は、第1の実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003、ストレージ1004、キーボード1005、ディスプレイインターフェース(I/F)1006、メディアインターフェース(I/F)1007、ネットワークインターフェース(I/F)1008、タイマ1009およびバス1010を備える。
CPU1001は、ROM1002またはストレージ1004等に格納された、本発明に係るプログラムまたはデータをRAM1003上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ1000の各機能を実現する演算装置である。例えば、管理サーバ10は、本発明に係るプログラムが実行されることによって本発明に係る機器管理方法を実現する。
ROM1002は、電源を切ってもプログラムまたはデータを保持することができる不揮発性のメモリである。ROM1002は、例えば、フラッシュROM等により構成される。ROM1002は、SDK(Software Development Kit)およびAPI(Application Programming Interface)等のアプリケーションをインストールしており、インストールされたアプリケーションを用いて、コンピュータ1000の機能またはネットワーク接続等を実現することが可能である。
RAM1003は、CPU1001のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ1004は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のストレージデバイスである。ストレージ1004は、例えば、OS(Operation System)、アプリケーションプログラムおよび各種データ等を記憶する。
キーボード1005は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。キーボード1005は、コンピュータ1000の操作を行うための入力を受け付ける。なお、コンピュータ1000は、入力手段として、キーボード1005の他に、マウス、タッチパネル等を備えていてもよい。
ディスプレイインターフェース(I/F)1006は、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ1006aに対するカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字または画像等の各種情報の表示を制御する。ディスプレイ1006aは、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイ等の表示入力手段であってもよい。
メディアインターフェース(I/F)1007は、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、光学ディスクまたはフラッシュメモリ等の記録メディア1007aに対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
ネットワークインターフェース(I/F)1008は、コンピュータ1000をネットワークに接続し、他のコンピュータまたは電子機器等とデータの送受信を行うためのインターフェースである。ネットワークインターフェース(I/F)1008は、例えば、無線LANの通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース(I/F)1008は、有線LAN、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4rd Generation)、5G(5rd Generation)、Zigbee(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、ミリ波無線通信の通信インターフェースを備えてもよい。
タイマ1009は、時間計測機能を有する計測装置である。タイマ1009は、コンピュータによるソフトタイマでもよい。バス1010は、上記の各構成要素に共通に接続され、アドレス信号、データ信号、および各種制御信号等を伝送する。CPU1001、ROM1002、RAM1003、ストレージ1004、キーボード1005、ディスプレイインターフェース(I/F)10061006、メディアインターフェース(I/F)1007、ネットワークインターフェース(I/F)1008およびタイマ1009は、バス1010を介して相互に接続されている。
なお、第1の実施形態に係る各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。また、図3に示す各装置のハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を有してもよい。
●機能構成
続いて、図4および図5を用いて、第1の実施形態に係る遠隔管理システムの機能構成について説明する。図4は、第1の実施形態に係る仲介装置の機能構成の一例を示す図である。仲介装置30により実現される機能は、機器通信部301、検知部302、切換部303、制御部304、記憶・読出部305、記憶部306およびサーバ通信部307を含む。
機器通信部301は、機器50との間でデータをやり取りする機能である。機器通信部301は、HTTPまたはSNMP(Simple Network Management Protocol)のプロトコルを用いて、機器50と通信を行う。なお、通信方式は、これに限られず、HTTPSまたはLPD(Line Printer Daemon)等のプロトコルを用いてもよい。機器通信部301は、例えば、機器50からの機器アラートであるテキストメッセージまたはバイナリデータを受信する。また、機器通信部301は、管理サーバ10が発行したコマンドの内容を解釈して機器50にリクエストを送信する。機器通信部301は、例えば、図3に示すネットワークインターフェース(I/F)1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
検知部302は、接続された機器50の異常状態を検知する機能である。検知部302は、例えば、特定の機器50を宛先とする電子メールを大量に受信した場合、当該機器50がウイルス感染したものとして、機器50のウイルス感染を検知する。機器50の異常状態は、ウイルス感染のほか、仲介装置30との接続エラー等であってもよい。検知部302は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
なお、検知部302は、ローカルネットワーク20内に位置する、仲介装置30とは別体の装置により実現されてもよい。この場合、検知部302は、例えば、ファイアウォール機器、統合セキュリティ機器(UTM:Unified Threat Management)等に実装される。また、検知部302は、機器50のそれぞれにインストールされたアプリケーションにより実行される機能であってもよい。この場合、検知部302は、例えば、機器50にインストールされたウイルス検知ソフト等によって実行される。
切換部303は、機器50との間の通信(接続)状態を切り換える機能である。切換部303は、例えば、制御部304によって出力された、機器50との通信(接続)の切断要求を検知した場合、該当する機器50との通信(接続)を切断する。切換部303は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
制御部304は、ローカルネットワーク20を構成する機器50との通信(接続)を制御する機能である。制御部304は、例えば、管理サーバ10から機器50のネットワーク隔離命令を受信した場合、切換部303へ機器50との通信(接続)の切断要求を出力する。制御部304は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
なお、切換部303および制御部304は、ローカルネットワーク20内に位置する、仲介装置30とは別体の装置によりそれぞれ実現されてもよい。例えば、切換部303および制御部304は、その機能を実装した通信制御装置をローカルネットワーク20内に設けてもよい。
記憶・読出部305は、記憶部306に各種データを記憶し、または記憶部306から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部305および記憶部306は、例えば、図3に示したROM1002、ストレージ1004およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
サーバ通信部307は、管理サーバ10との間でデータをやり取りする機能である。サーバ通信部307は、ファイアウォール25を介して管理サーバ10と接続するためのゲートウェイ307aとしての機能を含み、ローカルネットワーク20外に位置する管理サーバ10との通信を行うことができる。サーバ通信部307は、例えば、機器50の異常検知通知を、管理サーバ10へ送信する。サーバ通信部307は、例えば、図3に示すネットワークインターフェース(I/F)1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
図5は、第1の実施形態に係る管理サーバおよび移動端末の機能構成の一例を示す図である。図5に示す管理サーバ10により実現される機能は、仲介装置通信部101、ネットワーク管理部102、位置情報取得部103、移動端末通信部104、判断部105、記憶・読出部106および記憶部107を含む。
仲介装置通信部101は、仲介装置30との間でデータをやり取りする機能である。仲介装置通信部101は、ローカルネットワーク20内に位置する仲介装置30との間のファイアウォ-ル25を経由した通信を制御する。仲介装置通信部101は、例えば、仲介装置30に接続された機器50のうち、異常状態を示す状態変更機器50を特定するための検知情報を含む異常状態通知を、仲介装置30から受信する。仲介装置通信部101は、例えば、図3に示したネットワークインターフェース(I/F)1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
ここで、ローカルネットワーク20とインターネット環境との間にはファイアウォール25が設置されているため、管理サーバ10から仲介装置30に直接接続することはできない。そこで、管理サーバ10と仲介装置30の間の通信は、ポーリング形式または常時接続形式を用いて行われる。
具体的には、仲介装置30は、仲介装置30から管理サーバ10へポーリングを行い、当該ポーリングに対する応答として管理サーバ10からの命令を取得する。また、管理サーバ10は、仲介装置30から管理サーバ10に常時通信可能なように通信セッション(WebSocket等)を維持しておき、仲介装置30へデータを送信する。本実施形態では、どちらの方法をとってもよい。
ネットワーク管理部102は、仲介装置30または機器50とのネットワーク(通信経路)を管理する機能である。ネットワーク管理部102は、例えば、仲介装置通信部101によって異常検知通知が受信された場合、状態変更機器50のネットワーク隔離命令を出力する。また、ネットワーク管理部102は、例えば、記憶部107に記憶された機器管理テーブル501によって、機器50の宛先を示す宛先情報および機器50が接続された仲介装置30(ゲートウェイ)の情報を管理する。ネットワーク管理部102は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
位置情報取得部103は、遠隔管理システムを構成する移動端末70の位置情報を取得する機能である。位置情報取得部103は、例えば、後述する通知先管理テーブル502に記憶された移動端末70へ、位置情報の送信要求を送信する。そして、位置情報取得部103は、位置情報の送信要求を送信した移動端末70から、位置情報を取得する。位置情報取得部103は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
移動端末通信部104は、遠隔管理システムを構成する移動端末70との間でデータのやり取りをする機能である。移動端末通信部104は、例えば、後述する通知先管理テーブル502に含まれるそれぞれの移動端末70へ、位置情報の送信要求を送信する。また、移動端末通信部104は、位置情報の送信要求を送信した移動端末70から、当該移動端末70の位置情報を受信する。移動端末通信部104は、例えば、図3に示したネットワークインターフェース(I/F)1007およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
判断部105は、管理対象の機器50に対する対応要求の送信先および送信内容を判断する機能である。判断部105は、例えば、状態変更機器50の位置情報と、移動端末通信部104によって受信された移動端末70の位置情報とに基づいて、状態変更機器50の異常状態に対応する対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定する。具体的には、判断部105は、状態変更機器50の位置情報と移動端末70の位置情報とを用いて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を、状態変更機器50の異常状態に対応する対応候補のユーザが使用する移動端末70として特定する。判断部105は、特定手段の一例である。判断部105は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
また、判断部105は、図3に示したタイマ1009によって、移動端末通信部104により移動端末70へ対応要求を送信してからの経過時間を計測する。判断部105は、計測手段によって計測された時間が、復旧対応の対応期限となるタイムアウト時間を経過した場合、対応要求を送信した移動端末70を使用するユーザが対応辞退したものとして、対応候補となるユーザを変更する。この場合、判断部105は、対応辞退したユーザが使用する移動端末70以外の移動端末70であり、状態変更機器50の異常状態に対して、対応可能なユーザが使用する移動端末70の中から、対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定する。判断部105は、計測手段の一例である。また、復旧対応の対応期限となるタイムアウト時間は、所定の経過時間の一例である。
記憶・読出部106は、記憶部107に各種データを記憶し、または記憶部107から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部106および記憶部107は、例えば、図3に示したROM1002、ストレージ1004およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。また、記憶部107は、機器管理テーブル501および通知先管理テーブル502を記憶している。
○機器管理テーブル
ここで、記憶部107に記憶されたデータの内容について説明する。図6は、第1の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。図6に示す機器管理テーブル501は、遠隔管理システムを構成する機器50を管理するものである。機器管理テーブル501は、ネットワーク名、宛先、機器名および位置情報を関連づけて記憶して管理している。
ネットワーク名は、機器50が接続するゲートウェイ(仲介装置30)を識別するための名称である。ネットワーク名は、例えば、ゲートウェイ(仲介装置30)の装置ID等であってもよい。宛先は、関連づけられたゲートウェイの宛先を示す宛先情報である。宛先は、例えば、ゲートウェイ(仲介装置30)のIPアドレスである。管理サーバ10は、機器管理テーブル50に含まれる宛先情報に基づいて、仲介装置30へ各種データを送信する。機器名は、管理対象となる機器50を識別するための名称である。機器名は、例えば、機器50の機器ID等であってもよい。
位置情報は、それぞれのゲートウェイ(仲介装置30)が設定された位置を示す情報である。位置情報は、緯度と経度の情報を含む。管理サーバ10は、予めゲートウェイ(仲介装置30)の位置情報を、機器管理テーブル501に記憶して管理している。
機器管理テーブル501において、例えば、ゲートウェイAの位置情報は、「緯度lat=+35.00.35.600」、「経度lon=+135.41.35.600」である。また、ゲートウェイBの位置情報は、「緯度lat=+35.00.50.000」、「経度lon=+135.40.20.600」である。さらに、ゲートウェイCの位置情報は、「緯度lat=+45.00.35.600」、「経度lon=+135.30.10.600」である。なお、位置情報は、ゲートウェイの緯度および経度の情報ではなく、それぞれの機器50の緯度および経度の情報であってもよい。
また、位置情報は、フロア情報等であってもよい。フロア情報とは、建物等の階層に関する情報であり、例えば、○○棟の△階、○○会議室等を示す情報である。例えば、ローカルネットワーク20が屋内に位置する場合において、仲介装置30は、無線LANアクセスポイントまたは携帯電話網の基地局から、フロア情報を位置情報として取得する。
○通知先管理テーブル
図7は、第1の実施形態に係る通知先管理テーブルの一例を示す図である。図7に示す通知先管理テーブル502は、状態変更機器50に対応依頼の送信先である移動端末70の情報を管理するものである。通知先管理テーブル502は、移動端末名、宛先および対応可否の情報を関連づけて記憶して管理している。
移動端末名は、遠隔管理システムを構成する移動端末70を識別するための名称である。移動端末名は、例えば、移動端末70の端末ID等であってもよい。宛先は、移動端末70の宛先を示す宛先情報である。宛先は、例えば、移動端末70のIPアドレスである。
対応可否の情報は、それぞれの移動端末70を使用するユーザ(対応者)が、使用する移動端末70に関連づけられた機器50に対する復旧対応を行うことが可能であるか否かを示す情報である。判断部105は、対応可否の情報が「可能」な移動端末70の中から対応要求の送信先となる移動端末70を特定する。対応可否の情報は、後述する対応可否の回答要求に対する回答として、管理サーバ10によって受信され、通知先管理テーブル502に記憶される。対応可否の情報は、移動端末70のユーザによって随時変更可能である。通知先管理テーブル502は、変更された対応可否の情報が管理サーバ10に送信されるたびに随時更新される。なお、通知先管理テーブル502は、管理対象である機器50ごとに対応可否の情報を関連づけて記憶していてもよい。
続いて、図5に戻り、移動端末70の機能構成について説明する。移動端末70により実現される機能は、サーバ通信部701、位置情報クライアント部702、表示制御部703、受付部704、機器管理部705、記憶・読出部706および記憶部707を含む。
サーバ通信部701は、管理サーバ10との間でデータをやり取りする機能である。サーバ通信部701は、インターネット環境に位置する管理サーバ10と接続するためのゲートウェイ701aとしての機能を含み、管理サーバ10との通信を行うことができる。サーバ通信部701は、例えば、管理サーバ10から位置情報の送信要求を受信し、当該要求に対する応答として、移動端末70の位置情報を管理サーバ10へ送信する。サーバ通信部701は、例えば、図3に示すネットワークインターフェース(I/F)1008およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
位置情報クライアント部702は、自らの位置情報を取得する機能である。位置情報クライアント部702は、例えば、サーバ通信部701によって管理サーバ10から位置情報の送信要求を受信した場合、位置情報アプリケーション702aを起動させる。位置情報アプリケーション702aは、移動端末70に予めインストールされた位置情報を取得するための専用のアプリケーションである。そして、位置情報クライアント部702は、起動させた位置情報アプリケーション702aを用いて、位置情報発信装置90へ、位置情報の取得要求を送信し、位置情報発信装置90から自らの位置情報を受信する。位置情報クライアント部702は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
表示制御部703は、管理サーバ10と通信を行うためのネットワーク設定画面または管理サーバ10からの対応要求の通知画面等を、ディスプレイ1006aに表示させる機能である。表示制御部703は、例えば、図3に示したディスプレイインターフェース(I/F)1006およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
受付部704は、図3に示したキーボード1005またはディスプレイ1006aに対するユーザ入力を受け付ける機能である。受付部704は、例えば、ディスプレイ1006aに表示された通知画面(図11および図12参照)に対するユーザ入力を受け付ける。受付部704は、例えば、図3に示したキーボード1005、ディスプレイインターフェース(I/F)1006およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
機器管理部705は、管理対象の機器50の状態を管理する機能である。機器管理部705は、例えば、機器50の管理情報を記憶部707に記憶して管理している。機器管理部705は、例えば、図3に示したCPU1001で実行されるプログラム等によって実現される。
記憶・読出部706は、記憶部707に各種データを記憶し、または記憶部707から各種データを読み出す機能である。記憶・読出部706および記憶部707は、例えば、図3に示したROM1002、ストレージ1004およびCPU1001で実行されるプログラム等により実現される。
●機器管理方法
図8は、第1の実施形態に係る遠隔管理システムにおける機器管理方法の一例を示すシーケンス図である。図8は、ローカルネットワーク20内に位置する機器50のウイルス感染が検知された場合の例を説明する。なお、機器50の異常状態は、機器50のウイルス感染に限られず、仲介装置30との間の接続エラー等であってもよい。
ステップS101において、仲介装置30は、機器50の異常状態を検知する。具体的には、仲介装置30の検知部302は、例えば、特定の機器50を宛先とする電子メールを大量に受信した場合、当該機器50がウイルス感染したものとして異常状態を検知する。
ステップS102において、仲介装置30は、管理サーバ10へ、異常検知通知を送信する。具体的には、仲介装置30のサーバ通信部307は、検知部302によって機器50の異常状態を検知した場合、ローカルネットワーク20外に位置する管理サーバ10へ、機器50の異常検知通知を送信する。異常検知通知は、状態変更機器50を特定(識別)するための検知情報、仲介装置30(ゲートウェイ)を識別するための情報および異常状態の内容を示す情報を含む。
ステップS103において、管理サーバ10の仲介装置通信部101は、仲介装置30から異常検知通知を受信した場合、異常検知通知に含まれる検知情報によって特定される状態変更機器50のネットワーク隔離命令を、仲介装置30へ送信する。具体的には、仲介装置通信部101は、仲介装置30から受信した異常検知通知を、ネットワーク管理部102へ出力する。ネットワーク管理部102は、仲介装置通信部101から出力された異常検知通知に含まれる検知情報により特定される状態変更機器50を、ネットワークから隔離するためのネットワーク隔離命令を、仲介装置通信部101へ出力する。ネットワーク隔離命令は、状態変更機器50を識別するための情報、仲介装置30(ゲートウェイ)を識別するための情報を含む。そして、仲介装置通信部101は、ネットワーク管理部102から出力されたネットワーク隔離命令を、仲介装置30へ出力する。
ステップS104において、仲介装置30は、ネットワーク隔離命令を管理サーバ10から受信した場合、状態変更機器50との通信(接続)を切断する。具体的には、仲介装置30の制御部304は、サーバ通信部307によってネットワーク隔離命令を受信した場合、切換部303に状態変更機器50との通信(接続)の切断を指示する。そして、仲介装置30の切換部303は、状態変更機器50との通信(接続)を切断し、状態変更機器50をネットワークから隔離する。
ステップS105において、管理サーバ10は、遠隔管理システムを構成する移動端末70へ位置情報の送信要求を送信する。例えば、図1に遠隔管理システムにおいて、管理サーバ10の移動端末通信部104は、移動端末70a、移動端末70bおよび移動端末70cへ位置情報の送信要求を送信する。なお、ステップS103の処理とステップS105の処理の順序は、前後してもよく、または並行して行われてもよい。
ステップS106において、移動端末70は、サーバ通信部701によって位置情報の送信要求を受信した場合、位置情報発信装置90へ位置情報の取得要求を送信する。ステップS107において、位置情報発信装置90は、移動端末70から位置情報の取得要求を受信した場合、該当する移動端末70の位置情報を取得する。
ここで、移動端末70における位置情報の取得方法について説明する。図9は、第1の実施形態に係る移動端末における位置情報取得処理の一例を示すフローチャートである。図9は、移動端末70が位置情報の取得手段としてGPSを用いて、自らの位置情報を取得する場合の例を説明する。なお、位置情報の取得手段は、無線LANアクセスポイントの位置情報を用いる方法や携帯電話網の基地局を用いる方法等であってもよい。
ステップS201において、移動端末70のサーバ通信部701は、管理サーバ10から位置情報の送信要求を受信した場合、処理をステップS202へ移行させる。一方で、移動端末70のサーバ通信部701は、管理サーバ10から位置情報の送信要求を受信していない場合、ステップS201の処理を繰り返す。
ステップS202において、移動端末70の位置情報クライアント部702は、サーバ通信部701によって位置情報の取得要求が受信された場合、位置情報を取得するための位置情報アプリケーション702aを起動させる。位置情報アプリケーション702aは、予め管理サーバ10にインストールされたアプリケーションである。なお、位置情報クライアント部702は、位置情報アプリケーション702aを常時起動させている構成であってもよい。また、位置情報アプリケーション702aは、USB等の専用の外部機器を接続することによって、USBと位置情報発信装置90との間で通信が行われる構成であってもよい。
ステップS203において、移動端末70の位置情報クライアント部702は、起動させた位置情報アプリケーション702aを用いて、位置情報発信装置90へ位置情報の取得要求を送信する。位置情報発信装置90(GPS)は、例えば、位置情報の取得要求を受信した場合、GPS情報(緯度および経度)を位置情報として、移動端末70へ送信する。
ステップS204において、移動端末70の位置情報クライアント部702は、位置情報発信装置90から位置情報を取得できた場合、処理をステップS205へ移行させる。一方で、移動端末70の位置情報クライアント部702は、位置情報発信装置90から位置情報を取得していない場合、ステップS204の処理を繰り返す。
ステップS205において、移動端末70のサーバ通信部701は、位置情報クライアント部702によって取得された自らの位置を示す位置情報を、管理サーバ10へ送信する。サーバ通信部701によって送信される位置情報は、例えば、GPS情報(緯度および経度)に限られず、GPS情報を用いて変換された具体的な住所を示す住所情報であってもよい。この場合、位置情報クライアント部702は、位置情報発信装置90(GPS)から取得したGPS情報に基づいて、住所情報への変換処理を実行する。
これによって、管理サーバ10は、それぞれの移動端末70の位置情報を取得することができる。なお、図9は、位置情報発信装置90としてGPSを使用した例を説明したが、位置情報の取得方法はこれに限られない。例えば、位置情報発信装置90は、移動端末70が接続する無線アクセスポイントまたは携帯通信網の基地局であってもよい。この場合、管理サーバ10は、無線アクセスポイントの位置情報または携帯通信網の基地局の位置情報を、移動端末70の位置情報として取得する。
また、位置情報発信装置90が、移動端末70が接続する無線アクセスポイントまたは携帯通信網の基地局である場合、位置情報は、フロア情報等であってもよい。フロア情報とは、建物等の階層に関する情報であり、例えば、○○棟の△階、○○会議室等の情報である。例えば、仲介装置30が屋内に設置されている場合、仲介装置30は、無線LANアクセスポイントまたは基地局からフロア情報を位置情報として取得する。
さらに、位置情報発信装置90が、移動端末70が接続する無線アクセスポイントまたは携帯通信網の基地局である場合、位置情報クライアント部702は、サーバ通信部701によって位置情報の取得要求が受信された場合、無線LANまたは携帯通信網(3G、LTE、4Gまたは5G等)に接続する。これによって、位置情報クライアント部702は、無線アクセスポイントまたは携帯通信網の基地局から位置情報を取得することができる。なお、移動端末70は、無線LANまたは携帯通信網との接続状態を常時維持している構成であってもよい。
図8に戻り、第1の実施形態に係る遠隔管理システムにおける機器管理方法の説明を続ける。ステップS108において、移動端末70のサーバ通信部701は、管理サーバ10へ取得した位置情報を送信する。ステップS109において、管理サーバ10は、状態変更機器50に対する対応要求の通知先および通知内容を特定する。具体的には、管理サーバ10の判断部105は、移動端末70から受信した位置情報と、機器管理テーブル501に記憶された状態変更機器50の位置情報とに基づいて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70として特定する。
ステップS110において、管理サーバ10は、それぞれの移動端末70へ、該当する対応依頼のメッセージを送信する。ここで、管理サーバ10から送信される対応依頼のメッセージは、状態変更機器50に対する復旧対応を、移動端末70を使用するユーザに依頼する対応要求、または状態変更機器50に対する復旧対応が可能か否かの回答を、移動端末70を使用するユーザに要求する回答要求である。具体的には、管理サーバ10の移動端末通信部104は、判断部105によって特定された移動端末70へ、状態変更機器50に対する復旧対応を依頼するための対応要求を送信する、また、管理サーバ10の移動端末通信部104は、判断部105によって特定された移動端末70以外の移動端末70へ、対応可能か否かの回答を要求する回答要求を送信する。
ステップS111において、移動端末70は、管理サーバ10から対応依頼のメッセージを受信した場合、それぞれの管理者アクションを実行する。具体的には、状態変更機器50に対する対応要求を受信した移動端末70は、移動端末70を使用するユーザが状態変更機器50の復旧対応を実施するか否かの選択を受け付ける。復旧対応の実施が選択された移動端末70を使用するユーザは、状態変更機器50の復旧対応を実施する。この場合、管理サーバ10から対応要求を受信した移動端末70は、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末であるため、迅速に復旧作業に取り掛かることができる。
一方で、回答要求を受信した移動端末70は、移動端末70を使用するユーザが状態変更機器50の復旧対応を行うことが可能かどうかの選択を受け付ける。ステップS112において、対応要求を受信した移動端末70は、状態変更機器50の復旧対応が完了した場合、対応完了通知を管理サーバ10へ送信する。
続いて、管理サーバ10における機器管理方法について説明する。図10は、第1の実施形態に係る管理サーバの処理フローの一例を示すフローチャートである。ステップS301において、管理サーバ10の仲介装置通信部101は、機器50の異常検知通知を仲介装置30から受信した場合、処理をステップS302へ移行させる(受信ステップの一例)。一方で、仲介装置通信部101は、機器50の異常検知通知を受信していない場合、ステップS301の処理を繰り返す。
ステップS302において、管理サーバ10の判断部105は、仲介装置通信部101によって異常検知通知が受信された場合、記憶部107から機器管理テーブル501および通知先管理テーブル502を読み出す。具体的には、判断部105は、記憶・読出部106へ、機器管理テーブル501および通知先管理テーブル502の読出要求を出力する。記憶・読出部106は、出力された読出要求を検知した場合、記憶部107に記憶された機器管理テーブル501および通知先管理テーブル502を読み出す。そして、記憶・読出部106は、読み出した機器管理テーブル501および通知先管理テーブル502を、判断部105へ出力する。
ステップS303において、管理サーバ10の位置情報取得部103は、判断部105によって読み出された通知先管理テーブル502に含まれる移動端末70の位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部103は、移動端末通信部104を介して、通知先管理テーブル502に含まれる移動端末70へ、位置情報の送信要求をそれぞれ送信する。移動端末70は、図9で示した処理によって、自らの位置情報を取得する。
ステップS304において、管理サーバ10の判断部105は、位置情報取得部103によって取得された位置情報を用いて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を特定する(特定ステップの一例)。具体的には、判断部105は、機器管理テーブル501に含まれる状態変更機器50の位置情報と、位置情報取得部103によって取得された位置情報とを用いて、状態変更機器50との距離が最も近い移動端末70を特定する。
ステップS305において、管理サーバ10の移動端末通信部104は、特定した移動端末70へ、状態変更機器50に対する対応要求を送信する(送信ステップの一例)。また、移動端末通信部104は、特定した移動端末70以外の移動端末70へ、対応可否の回答要求を送信する。
ステップS306において、管理サーバ10の移動端末通信部104は、対応要求の送信先である移動端末70から対応完了通知を受信した場合、処理を終了する。一方で、移動端末通信部104は、対応要求の送信先である移動端末70から対応完了通知を受信していない場合、処理をステップS307へ移行させる。
ステップS307において、管理サーバ10の移動端末通信部104は、対応要求の送信先である移動端末70から対応辞退を示す対応情報を受信した場合、処理をステップS309へ移行させる。一方で、移動端末通信部104は、対応要求の送信先である移動端末70から対応辞退を示す対応情報を受信していない場合、処理をステップS308へ移行させる。
ステップS308において、管理サーバ10は、対応要求を送信してから所定の時間経過した場合、処理をステップS309へ移行させる。一方で、管理サーバ10は、所定の時間経過するまで、ステップS306およびステップS307の処理を繰り返す。
ステップS309において、管理サーバ10の判断部105は、対応可能な他のユーザが使用する移動端末70の中で、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を特定する。具体的には、移動端末通信部104によって対応要求の送信先である移動端末70から対応辞退を示す対応情報が受信された場合、または対応要求を送信してから所定の時間経過をした場合、判断部105は、対応要求の送信先である移動端末70を使用するユーザが対応できない状態であると判断する。そして、判断部105は、対応可否の回答要求の送信先である移動端末70のうち対応可能なユーザが使用する移動端末70の中で、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70を特定する。その後、管理サーバ10は、再びステップS306以降の処理を繰り返す。
ここで、図11乃至図13を用いて、それぞれの移動端末70に表示される通知画面の一例を示す。図11に示す通知画面は、状態変更機器50に対する対応要求を受信した移動端末70に表示される通知画面である。
図11(a)に示す通知画面は、状態変更機器50に対する対応要求を受信した移動端末70に、まず表示される。図11(a)に示す通知画面は、当該通知画面が表示された移動端末70を使用するユーザが、優先対応者であることを示す。図11(a)に示す通知画面は、ネットワークから隔離されている状態変更機器50が機器Aであることを示す。移動端末70の受付部704は、ユーザの入力操作によって、機器Aの復旧対応を実施するか否かのユーザからの意思表示として「実施」または「辞退」のアイコンの選択を受け付ける。移動端末70は、受付部704によって「辞退」のアイコンの選択を受け付けられた場合、対応辞退を示す対応情報を管理サーバ10へ送信する。
また、図11(a)に示す通知画面は、ユーザからの選択を受け付けるための残り時間の情報を含む。管理サーバ10の判断部105は、残り時間がなくなった場合、すなわち移動端末70へ対応要求を送信してから所定の時間経過した場合、ユーザが対応辞退したものと判断する。
図11(b)に示す通知画面は、図11(a)に示す通知画面において、「実施」のアイコンが選択された場合に移動端末70のディスプレイ1006aに表示される通知画面である。移動端末70のユーザは、機器Aの復旧対応の実施者として、機器Aの復旧処置を実行する。移動端末70のユーザは、復旧処置が完了した場合、図11(b)に示す通知画面の「完了」のアイコンを選択する。移動端末70は、受付部704によって「完了」のアイコンの選択を受け付けられた場合、対応完了通知を管理サーバ10へ送信する。また、移動端末70は、受付部704によって「辞退」のアイコンの選択を受け付けられた場合、図11(a)と同様に、対応辞退を示す対応情報を管理サーバ10へ送信する。
ここで、状態変更機器50に対する対応要求は、一台の移動端末70へ送信され、複数の移動端末70へ送信されることはない。言い換えれば、図11(a)および図11(b)の通知画面は、複数の移動端末70に同時に表示されることはない。例えば、状態変更機器50に対する対応要求が複数の移動端末70に一斉送信される場合は、実際に誰が対応を行うのかを決定することが困難であり、誰も復旧対応を行わないという状況が起こり得る。そのため、第1の実施形態に係る遠隔管理システムは、状態変更機器50の復旧対応を行うユーザ(対応者)を明確にすることで、誰も復旧対応を行わないという事態を未然に防止することができる。
図12に示す通知画面は、対応可否の回答要求を受信した移動端末70に表示される通知画面である。図12(a)に示す通知画面は、対応可否の回答要求を受信した移動端末70に、まず表示される。図12(a)に示す通知画面は、当該通知画面が表示された移動端末70を使用するユーザが、候補者であることを示す。図12(a)に示す通知画面は、ネットワークから隔離されている状態変更機器50が機器Aであり、機器Aに対する復旧対応を行うユーザが候補者1であることを示す。移動端末70の受付部704は、ユーザの入力操作によって、機器Aの復旧対応を行うことが可能か否かのユーザからの意思表示として「可能」または「不可能」のアイコンの選択を受け付ける。移動端末70のサーバ通信部701は、受付部704によって受け付けられた対応可否の情報を、管理サーバ10へ送信する。管理サーバ10は、受信した対応可否の情報を、通知先管理テーブル502に記憶して管理する。
また、図12(a)に示す通知画面は、図11(a)の通知画面と同様に、ユーザからの選択を受け付けるための残り時間の情報を含む。管理サーバ10の判断部105は、残り時間がなくなった場合、すなわち移動端末70へ対応可否の回答要求を送信してから所定の時間経過した場合、ユーザが対応可能であるものと判断する。
図12(b)に示す通知画面は、図12(a)の通知画面において、「可能」のアイコンが選択された場合に移動端末70のディスプレイ1006aに表示される通知画面である。図12(b)に示す通知画面は、移動端末70を使用するユーザが、機器Aに対する復旧対応が可能な対応可能者であることを示す。移動端末70を使用するユーザは、図12(b)の通知画面に表示される「不可能」のアイコンを選択することによって、対応可能者から対応不能者に随時変更することができる。管理サーバ10は、移動端末70によって選択された対応可否の情報を、随時取得することによって、通知先管理テーブル502を更新する。
図12(c)に示す通知画面は、図12(a)の通知画面において、「不可能」のアイコンが選択された場合に移動端末70のディスプレイ1006aに表示される通知画面である。図12(c)に示す通知画面は、移動端末70を使用するユーザが、機器Aに対する復旧対応が不可能な対応不能者であることを示す。移動端末70を使用するユーザは、図12(c)の通知画面に表示される「可能」のアイコンを選択することによって、対応不能者から対応可能者に随時変更することができる。管理サーバ10は、移動端末70によって選択された対応可否の情報を、随時取得することによって、通知先管理テーブル502を更新する。
図13に示す通知画面は、状態変更機器50に対する復旧対応が完了した場合に、すべての移動端末70に表示される通知画面である。図13に示す通知画面は、機器Aのネットワーク復旧が完了し、復旧対応を行った対応者が候補者1であることを示す。
対応要求を受信した移動端末70は、図11(b)に示した通知画面において「完了」アイコンの選択を受け付けた場合、管理サーバ10へ、対応完了通知を送信する。そして、管理サーバ10は、対応完了通知を受信した場合、対応要求を送信した移動端末70および対応可否の回答要求を送信した移動端末70へ、完了通知を送信する。管理サーバ10から完了通知を受信したすべての移動端末70は、図13に示す通知画面を表示させる。遠隔機器管理システムは、状態変更機器50の復旧対応が完了した場合、すべての移動端末70に、図13に示す対応完了通知を表示させることで、状態変更機器50の復旧対応が完了したことを周知させることができる。
ここで、図11乃至図13の通知画面が移動端末に表示されるフローを説明する。図14は、第1の実施形態に係る移動端末における通知内容の遷移を示す図である。例えば、機器Aの異常状態が検知された場合、機器Aに物理的に最も近い移動端末70(例として、移動端末70a)を使用するユーザは、優先対応者となる。そして、移動端末70aは、機器Aに対する対応要求を管理サーバ10から受信し、図11(a)に示した通知画面を表示する。
次に、図11(a)に示した通知画面において、「実施」のアイコンが選択された場合、移動端末70aを使用するユーザは、対応の実施者となる。そして、移動端末70aは、対応の「完了」または/「辞退」(対応を諦める)の選択通知を管理サーバ10から受信し、図11(b)に示した通知画面を表示する。そして、図11(b)に示した通知画面において、「完了」のアイコンが選択された場合、機器Aに対する対応が完了し、すべての移動端末70は、図13に示した通知画面を表示する。一方で、図11(a)および図11(b)に示した通知画面において、「辞退」のアイコンが選択された場合、またはいずれのアイコンの選択も受け付けられずにタイムアウトした場合、移動端末70aを使用するユーザは、対応不能者となる。
機器Aに対する対応要求を受信しなかった移動端末70(例えば、移動端末70b)を使用するユーザは、次回以降の対応の候補者となる。移動端末70bは、次回以降の対応可否の回答要求を、管理サーバ10から受信し、図12(a)に示した通信画面を表示する。
図12(a)に示した通知画面において、「可能」のアイコンが選択された場合、移動端末70bを使用するユーザは、対応可能者となる。「可能」のアイコンの選択を受け付けた移動端末70bは、図12(b)に示した通知画面を表示する。一方で、図12(a)に示した通知画面において、「不可能」のアイコンが選択された場合、移動端末70bを使用するユーザは、対応不能者となる。「不可能」のアイコンの選択を受け付けた移動端末70bは、図12(c)に示した通知画面を表示する。さらに、図12(a)に示した通知画面において、いずれのアイコンの選択も受け付けられずにタイムアウトした場合、移動端末70bを使用するユーザは、対応可能者となり、移動端末70bは、図12(b)に示した通知画面を表示する。
また、図12(b)または図12(c)に示した通知画面の「可能」または「不可能」のアイコンを選択することにより、移動端末70bを使用するユーザは、対応可能者または対応不能者の状態を随時切り替えることができる。
移動端末70aに表示された図11(a)または図11(b)に示した通知画面において、「辞退」のアイコンが選択された場合、またはいずれのアイコンの選択も受け付けられずにタイムアウトした場合、その時点における対応可能者の移動端末70は、位置情報を再度取得する。管理サーバ10は、再度取得された位置情報を用いて、機器Aと最も近い移動端末70(例えば、移動端末70b)へ、機器Aに対する対応要求を再度送信する。対応要求を受信した移動端末70bを使用するユーザは、優先対応者となり、移動端末70bは、図11(a)に示した通知画面を表示する。
このように、遠隔管理システムは、管理サーバ10からの対応依頼を受信した移動端末70における選択処理、および移動端末70の位置情報を用いて、状態変更機器50の復旧対応を行う対応者を動的に変更することができる。これによって、遠隔管理システムは、対応要求を受信した移動端末70を使用するユーザが復旧対応を行えない場合においても、候補者である別のユーザへ対応要求を送信することができるので、状態変更機器50の復旧対応が行われないという事態を防止することができる。
●第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態に係る遠隔管理システムは、ローカルネットワーク20内に位置する管理対象の機器50に異常状態が検知された場合、管理サーバ10が、状態変更機器50と複数の移動端末70との位置情報に基づいて、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70へ、異常状態に対する対応要求を送信する。そのため、第1の実施形態に係る遠隔管理システムは、管理対象の機器50のウイルス感染等の異常状態が検知された場合において、管理サーバ10から、状態変更機器50の異常状態に対する対応要求を、異常状態の対応を行うことが可能なユーザ(対応者)が使用する移動端末70へ迅速に送信することができる。これによって、遠隔管理システムは、機器50の異常状態を早急に解消するための対策の確実性を高めることができる。
●第2実施形態●
次に、第2の実施形態に係る遠隔管理システムついて説明する。なお、第1の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図15は、第2の実施形態に係る遠隔管理システムのシステム構成の一例を示す図である。第2の実施形態に係る遠隔管理システムは、管理サーバ10の管理対象である機器50が、機器種別に応じてグループ分けされ、復旧対応に伴う重要度が設定されている。
第2の実施形態に係る遠隔管理システムは、ローカルネットワーク20内に位置する機器50が、「IMPORTANT_TERMINAL」のグループである機器A50aおよび機器B50bと、「TRIVIAL_TERMINAL」のグループである機器C50cとに分類されている。管理サーバ10の判断部10は、機器50に異常状態が検知された場合の復旧対応に伴うタイムアウト時間を、機器50の所属するグループごとに設定する。
図16は、第2の実施形態に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。図16に示す機器管理テーブル501aは、図6に示した機器管理テーブル501に含まれる情報に加え、機器種別の情報を含む。機器種別は、機器50の重要度を示す情報である。機器管理テーブル501aは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
図15に示すように、機器管理テーブル501aに含まれる機器Aおよび機器Bの機器種別は、「IMPORTANT_TERMINAL」である。「IMPORTANT_TERMINAL」は、ネットワークから隔離されることで、他の機器50またはシステムに与える影響度が大きいグループである。また、機器管理テーブル501aに含まれる機器Cの機器種別は、「TRIVIAL_TERMINAL」である。「TRIVIAL_TERMINAL」は、ネットワークから隔離されても他の機器50またはシステムに与える影響度が小さいグループである。
管理サーバ10の判断部105は、図16に示した機器管理テーブル501aを用いて、移動端末に通知する通知内容を特定する。判断部105は、例えば、状態変更機器50の機器種別が「IMPORTANT_TERMINAL」である場合(例えば、機器A、機器B)、状態変更機器50に対する復旧対応のタイムアウト時間を短く設定する(例えば、タイムアウト時間;3分)。一方で、判断部105は、例えば、状態変更機器50の機器種別が「TRIVIAL_TERMINAL」である場合(例えば、機器C)、状態変更機器50に対する復旧対応のタイムアウト時間を長く設定する(例えば、タイムアウト時間;60分)。判断部105は、それぞれの移動端末70へ対応依頼を送信してからの経過時間を計測し、タイムアウト時間を経過した場合、対応候補となるユーザが使用する(対応要求を送信する)移動端末70を変更する。
なお、図16は、機器種別として「IMPORTANT_TERMINAL」と「TRIVIAL_TERMINAL」の2つのグループを有する例を説明したが、グループの数および内容はこれに限られない。また、タイムアウト時間の設定内容は、機器種別とともに適宜設定・変更可能である。
●第2の実施形態の効果
このように、第2の実施形態に係る遠隔管理システムは、状態変更機器50の重要度に応じて、状態変更機器50に対する復旧対応のタイムアウト時間を設定する。そのため、第2の実施形態に係る遠隔管理システムは、状態変更機器50の重要度に応じてユーザ(対応者)への対応要求の頻度を変えることができる。第2の実施形態に係る遠隔管理システムは、影響度の大きい機器50には迅速な復旧対応を促すことができ、影響度の小さい機器50には通知頻度を少なくして対応者の負担を低減させることができる。
●第2の実施形態の変形例1●
続いて、第2の実施形態の変形例1に係る遠隔管理システムについて説明する。図17は、第2の実施形態の変形例1に係る遠隔管理システムのシステム構成の一例を示す図である。第2の実施形態の変形例1に係る遠隔管理システムは、機器50が扱う情報の機密性によって、状態変更機器50に対する対応要求の送信先である移動端末70を制限することができる。
第2の実施形態の変形例1に係る遠隔管理システムは、ローカルネットワーク20内に位置する機器50が、「CONFIDENTIAL_TERMINAL」のグループである機器A50aおよび機器B50bと、「PUBLIC_TERMINAL」のグループである機器C50cとに分類されている。管理サーバ10の判断部10は、機器50が所属するグループごとに、機器50に異常状態が検知された場合の復旧依頼の要求先となる移動端末70を制限する。
図18は、第2の実施形態の変形例1に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。図18に示す機器管理テーブル501bは、図6に示した機器管理テーブル501に含まれる情報に加え、機器種別の情報を含む。機器種別は、機器50の機密性を示す情報である。機器管理テーブル501bは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
図17に示すように、機器管理テーブル501bに含まれる機器Aおよび機器Bの機器種別は、「CONFIDENTIAL_TERMINAL」である。「CONFIDENTIAL_TERMINAL」は、機密性が高く、復旧作業を依頼するユーザ(対応者)を制限するグループである。また、機器管理テーブル501bに含まれる機器Cの機器種別は、「PUBLIC_TERMINAL」である。「PUBLIC_TERMINAL」は、復旧作業を依頼するユーザ(対応者)を制限しないグループである。
図19は、第2の実施形態の変形例1に係る通知先管理テーブルの一例を示す図である。図19に示す通知先管理テーブル502bは、図7に示した通知先管理テーブル502に含まれる情報に加え、管理権限の情報を含む。管理権限は、管理対象の機器50の復旧対応を行う権限を示す情報である。通知先管理テーブル502bは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
通知先管理テーブル502bにおいて、移動端末Aの管理権限は、「PUBLIC」であり、機器種別が「PUBLIC_TERMINAL」の機器50の復旧対応を行うことができる。言い換えれば、移動端末Aを使用するユーザは、機器種別が「CONFIDENTIAL_TERMINAL」の機器50の復旧対応を行う権限を有さない。また、移動端末Bおよび移動端末Cの管理権限は、「CONFIDENTIAL」であり、機器種別が「CONFIDENTIAL_TERMINAL」および「PUBLIC_TERMINAL」の機器50の復旧対応を行うことができる。言い換えれば、移動端末Bおよび移動端末Cを使用するユーザは、すべての機器50の復旧対応を行うことができる。
管理サーバ10の判断部105は、図18に示した機器管理テーブル501bおよび図19に示した通知先管理テーブル502bを用いて、状態変更機器50の異常状態に対する対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。判断部105は、例えば、状態変更機器50の機器種別が「CONFIDENTIAL_TERMINAL」である場合(例えば、機器A、機器B)、管理権限が「CONFIDENTIAL」である移動端末(例えば、移動端末Bおよび移動端末C)の中から、対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。一方で、判断部105は、例えば、状態変更機器50の機器種別が「PUBLIC_TERMINAL」である場合(例えば、機器C)、管理権限が「PUBLIC」である移動端末(例えば、移動端末A)の中から、対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。
したがって、第2の実施形態の変形例1に係る遠隔管理システムは、機器50または機器50が取り扱う情報の機密性に応じて、対応要求の送信先を制限することができる。なお、図18は、機器種別として「CONFIDENTIAL_TERMINAL」と「PUBLIC_TERMINAL」の2つのグループを有する例を説明したが、グループの数および内容はこれに限られない。
●第2の実施形態の変形例2●
続いて、第2の実施形態の変形例2に係る遠隔管理システムについて説明する。図20は、第2の実施形態の変形例2に係る遠隔管理システムのシステム構成の一例を示す図である。第2の実施形態の変形例2に係る遠隔管理システムは、複数のローカルネットワーク20(20a、20b、20c)を含み、ローカルネットワーク20ごとにグループ分けされている。そして、遠隔管理システムは、異常状態が検知された機器50が接続する仲介装置30(ゲートウェイ)が属するグループごとに、状態変更機器50に対する対応要求の送信先となる移動端末70を制限することができる。
第2の実施形態の変形例2に係る遠隔管理システムは、複数のローカルネットワーク20が、グループAであるローカルネットワーク20aおよびローカルネットワーク20bと、グループBであるローカルネットワーク20cとに分類されている。管理サーバ10の判断部10は、状態変更機器50が接続する仲介装置30(ゲートウェイ)が属するグループごとに、状態変更機器50に異常状態が検知された場合の復旧依頼の要求先となる移動端末70を制限する。
図21は、第2の実施形態の変形例2に係る機器管理テーブルの一例を示す図である。
図21に示す機器管理テーブル501cは、図6に示した機器管理テーブル501に含まれる情報に加え、所属の情報を含む。所属は、機器50が接続された仲介装置30が所属するグループを示す情報である。機器管理テーブル501cは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
図20に示すように、機器管理テーブル501cに含まれるゲートウェイA(仲介装置30a)およびゲートウェイB(仲介装置30b)の所属は、「グループA」である。また、機器管理テーブル501bに含まれるゲートウェイC(仲介装置30c)の所属は、「グループB」である。グループ分けは、例えば、同じサービスを利用する顧客先のローカルネットワーク20ごとに分類してされてもよいし、距離の近いローカルネットワーク20ごとに分類されてもよい。
図22は、第2の実施形態の変形例2に係る通知先管理テーブルの一例を示す図である。図22に示す通知先管理テーブル502cは、図7に示した通知先管理テーブル502に含まれる情報に加え、所属名の情報を含む。所属名は、管理対象の機器50が接続する仲介装置30(ゲートウェイ)が属するグループを示す情報である。通知先管理テーブル502cは、所属ごとに、機器50に対する対応可否の情報を関連づけて記憶している。通知先管理テーブル502cは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
通知先管理テーブル502cにおいて、移動端末Aを使用するユーザは、グループAに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30a、仲介装置30b)に接続された機器50の復旧対応を行うことができる。一方で、移動端末Aを使用するユーザは、グループBに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30c)に接続された機器50の復旧対応を行うことができない。また、移動端末Bを使用するユーザは、グループAに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30a、仲介装置30b)に接続された機器50の復旧対応を行うことができない。一方で、移動端末Bを使用するユーザは、グループBに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30c)に接続された機器50の復旧対応を行うことができる。さらに、移動端末Cを使用するユーザは、グループAに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30a、仲介装置30b)に接続された機器50、およびグループBに属する仲介装置30(例えば、仲介装置30c)に接続された機器50の復旧対応を行うことができる。
管理サーバ10の判断部105は、図21に示した機器管理テーブル501cおよび図22に示した通知先管理テーブル502cを用いて、状態変更機器50の異常状態に対する対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。判断部105は、例えば、仲介装置通信部101によって受信された異常検知通知に含まれる仲介装置30(ゲートウェイ)の識別情報を用いて、状態変更機器50が接続する仲介装置30(ゲートウェイ)が所属するグループを特定する。そして、判断部105は、特定したグループに属する復旧対応が可能なユーザが使用する移動端末70の中から、対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。
したがって、第2の実施形態の変形例2に係る遠隔管理システムは、顧客先のネットワークであるローカルネットワーク20ごとに対応要求を送信する対応者を制限することができる。なお、図21は、所属として「グループA」と「グループB」の2つのグループを有する例を説明したが、グループの数および内容はこれに限られない。
●第3の実施形態●
次に、第3の実施形態に係る遠隔管理システムついて説明する。なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一構成および同一機能は、同一の符号を付して、その説明を省略する。図23は、第3の実施形態に係る遠隔管理システムのシステム構成の一例を示す図である。第3の実施形態に係る遠隔管理システムは、管理対象の機器50に対する対応依頼先である移動端末70が端末種別に応じてグループ分けされている。
第3の実施形態に係る遠隔管理システムは、移動端末70が、「PRIMARY_CANDIDATE」のグループである移動端末70aおよび移動端末70bと、「SECONDARY_CANDIDATE」のグループである移動端末70cとに分類されている。管理サーバ10の判断部105は、移動端末70が所属するグループごとに、機器50に異常状態が検知された場合の復旧依頼の要求先となる移動端末70を制限する。
図24は、第3の実施形態に係る通知先管理テーブルの一例を示す図である。図24に示す通知先管理テーブル502dは、図7に示した通知先管理テーブル502に含まれる情報に加え、端末種別の情報を含む。端末種別は、管理対象の機器50に対する対応依頼を送信する優先度を示す情報である。通知先管理テーブル502bは、管理サーバ10の記憶部107に記憶されている。
通知先管理テーブル502dにおいて、移動端末Aおよび移動端末Bの端末種別は、「PRIMARY_CANDIDATE」である。「PRIMARY_CANDIDATE」は、通常時に状態変更機器50に対する対応依頼を送信する一次通知先となる端末グループである。また、移動端末Cの端末種別は、「SECONDARY_CANDIDATE」である。「SECONDARY_CANDIDATE」は、対応可能者の数が所定の閾値以下になった場合に状態変更機器50に対する対応依頼を送信する二次通知先となる端末グループである。
管理サーバ10の判断部105は、図24に示した通知先管理テーブル502dを用いて、状態変更機器50の異常状態に対する対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。判断部105は、例えば、通常、仲介装置通信部101により仲介装置30から異常検知通知を受信した場合、端末種別が「PRIMARY_CANDIDATE」である移動端末(例えば、移動端末Aおよび移動端末B)の中から、対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。一方で、判断部105は、例えば、対応可能者(対応可能なユーザ)の数が所定の閾値以下になった場合、端末種別が「SECONDARY_CANDIDATE」である移動端末(例えば、移動端末C)を含むすべての対応可能なユーザが使用する移動端末70の中から、対応候補となるユーザが使用する移動端末70を特定する。なお、対応可能者数の所定の閾値は、管理サーバ10において設定され、適宜修正・変更可能である。
なお、図23は、端末種別として「PRIMARY_CANDIDATE」と「SECONDARY_CANDIDATE」の2つのグループを有する例を説明したが、グループの数および内容はこれに限られない。
●第3の実施形態の効果
このように、第3の実施形態に係る遠隔管理システムは、状態変更機器50に対する対応要求の送信先となる移動端末70を階層づけることで、対応依頼の送信先となる移動端末70を制限する。そのため、第3の実施形態に係る遠隔管理システムは、ユーザ(対応者)に対する通知頻度を少なくして対応者の負担を低減させることができる。また、第3の実施形態に係る遠隔管理システムは、対応可能者が所定の閾値以下になった場合、対応可能なすべてのユーザが使用する移動端末70へ対応依頼を送信することで、復旧対応者が存在しないことによって状態変更機器50が復旧されないという事態を未然に防止することができる。
●第4の実施形態●
次に、第4の実施形態に係る遠隔管理システムついて説明する。第4の実施形態に係る遠隔管理システムは、同じ移動端末70に対応要求が集中することを防ぐため、位置情報の類似度を用いて、対応要求を送信する移動端末70を選択する。
図25は、第4の実施形態に係る管理サーバの処理フローの一例を示すフローチャートである。なお、ステップS501~ステップS504の処理は、図10に示したステップS301~ステップS304の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS505において、管理サーバ10の判断部105は、特定した状態変更機器50と最も距離が近い移動端末70を基準として、特定した移動端末70以外の移動端末70の位置情報との類似度を算出する。類似度の算出方法は、位置情報のユークリッド距離を用いても算出してもよく、位置情報にフロア情報を含む場合、フロア数の差を用いても算出してもよい。また、類似度の算出方法は、これらの組合せにより算出されてもよい。判断部105は、算出手段の一例である。
ステップS506において、管理サーバ10の判断部105は、算出された類似度が所定の範囲内である移動端末70の中から、いずれかの移動端末70を選択する。移動端末70の選択に用いる類似度の範囲は、管理サーバ10において設定され、適宜修正・変更可能である。移動端末70の選択方法は、予め記憶部107に記憶されており、ランダムでも連番でもよい。
また、移動端末70の選択方法は、これまでの対応回数をもとに選択されてもよい。例えば、判断部105は、算出された類似度が所定の範囲内である移動端末70の中から、対応回数が最も少ない移動端末70を選択する。移動端末70の対応回数は、図26に示すように、記憶部107に記憶された通知先管理テーブル502eに記憶して管理されている。
ステップS507において、管理サーバ10の移動端末通信部104は、判断部105によって選択された移動端末70へ、状態変更機器50に対する対応要求を送信する。また、移動端末通信部104は、判断部105によって選択された移動端末70以外の移動端末70へ、対応可否の回答要求を送信する。
ステップS508において、移動端末通信部104は、対応要求を送信した移動端末70から対応完了通知を受信した場合、処理を終了する。一方で、移動端末通信部104は、対応要求を送信した移動端末70から対応完了通知を受信していない場合、処理をステップS509へ移行させる。
ステップS509において、移動端末通信部104は、対応要求を送信した移動端末70から対応辞退を示す対応情報を受信した場合、処理をステップS511へ移行させる。一方で、移動端末通信部104は、対応要求を送信した移動端末70から対応辞退を示す対応情報を受信していない場合、処理をステップS510へ移行させる。
ステップS510において、管理サーバ10は、対応要求を送信してから所定の時間経過した場合、処理をステップS511へ移行させる。一方で、管理サーバ10は、所定の時間経過するまで、ステップS508およびステップS509の処理を繰り返す。
ステップS511において、管理サーバ10の判断部105は、算出した類似度が所定の範囲内であり、かつ対応可能な他のユーザが使用する移動端末70の中で、いずれかの移動端末70を選択する。移動端末70の選択方法は、ステップS506の処理と同様である。その後、管理サーバ10は、再びステップS507以降の処理を繰り返す。
●第4の実施形態の効果
このように、第4の実施形態に係る遠隔管理システムは、状態変更機器50と最も距離の近い移動端末70の位置情報との類似度が、所定の範囲内である移動端末70の中から、状態変更機器50に対する対応候補となるユーザが使用する移動端末70を選択する。そのため、第4の実施形態に係る遠隔管理システムは、同じユーザ(対応者)に、状態変更機器50に対する対応要求が集中することを防ぐことができる。
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る管理装置は、ローカルネットワーク20内の機器50と通信可能な仲介装置30と、ファイアウォール25を介して通信を行う管理サーバ10(管理装置の一例)であって、機器50のうち異常状態を示す状態変更機器50を特定する検知情報を、仲介装置30から受信する。そして、管理サーバ10は、受信された検知情報により特定される状態変更機器50の位置情報と、機器50に関連づけられた移動端末70(端末の一例)の位置情報とに基づいて、移動端末70のうち状態変更機器50の異常状態に対応する対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定し、特定した移動端末70へ、状態変更機器50に対する対応要求を送信する。そのため、管理サーバ10は、管理対象の機器50に異常が検知された場合において、管理対象の機器50に対する最適な対応者に、対応要求を送信することで迅速な対応を促すことができる。
また、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、状態変更機器50の位置情報と移動端末70(端末の一例)の位置情報とを用いて、状態変更機器50に最も距離の近い移動端末70を、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70として特定し、特定した移動端末70へ、状態変更機器50に対する対応要求を送信する。そのため、管理サーバ10は、状態変更機器50に物理的に近い対応者に、迅速な復旧処置を実行させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、状態変更機器50に最も距離の近い移動端末70(第1の端末の一例)の位置情報と、状態変更機器50に最も距離の近い移動端末70とは異なる移動端末70(第2の端末の一例)の位置情報との類似度を算出し、算出された類似度が所定の範囲内である移動端末70の中から、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70として特定する。そのため、管理サーバ10は、同じ移動端末70に、状態変更機器50に対する対応要求が集中することを防ぐことができる。
また、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、対応要求の送信先である移動端末70(端末の一例)から、状態変更機器50に対する対応状況を示す対応情報を受信するとともに、対応要求の送信先である移動端末70以外の移動端末70へ、状態変更機器50の異常状態に対する対応可否の回答要求を送信する。そして、管理サーバ10は、受信された対応情報が対応辞退を示す場合、回答要求に対して対応可能の回答を送信した移動端末70の中から、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70を変更する。そのため、管理サーバ10は、状態変更機器50に対応要求の送信先である移動端末70が対応できない場合においても、対応候補を動的に変更することで、復旧対応が行われないという事態を防止することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、特定した移動端末70(端末の一例)へ対応要求を送信してからの経過時間を計測し、経過時間がタイムアウト時間(所定の時間の一例)を経過した場合、回答要求に対して対応可能の回答を送信した移動端末70の中から、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70を変更する。そのため、管理サーバ10は、状態変更機器50に対応要求の送信先である移動端末70からの応答がない場合においても、状態変更機器50に対する対応候補のユーザを他の移動端末70を使用するユーザに変更することで、復旧対応が行われないという事態を防止することができる。
また、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、機器50の種別を示す情報と移動端末70(端末の一例)の識別情報を関連づけて記憶し、状態変更機器50の種別に関連づけられた移動端末70の中から、状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定する。そのため、管理サーバ10は、状態変更機器50の種別に応じて、復旧対応を行う対応者を制限することができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る管理サーバ10(管理装置の一例)は、移動端末70(端末の一例)の種別を示す情報と機器50の識別情報とを関連づけて記憶し、状態変更機器50に関連づけられた種別を示す移動端末70の中から状態変更機器50に対する対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定する。そのため、管理サーバ10は、移動端末70の種別に応じて、対応依頼を送信する移動端末70を制限することで、対応者に対する通知頻度を少なくして対応者の負担を低減させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る遠隔管理システムは、管理サーバ10(管理装置の一例)と、機器50に関連づけられた移動端末70(端末の一例)と、を備える遠隔管理システムであって、移動端末70は、管理サーバ10から送信された対応要求に対して、移動端末70を使用するユーザが対応要求に対して対応可能か否かの選択を受け付け、選択された情報を、管理サーバ10へ送信する。そのため、遠隔管理システムは、状態変更機器50に対する復旧対応の対応者の繁忙度や能力に応じて、対応者自身の判断によって、対応可否の意思表示を行うことができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る遠隔管理システムは、機器50の異常状態を検知する検知部302(検知手段の一例)と、異常状態が検知された状態変更機器50と仲介装置30との通信を切断する切換部303(切断手段の一例)と、を備える。そのため、遠隔管理システムは、異常状態が検知された状態変更機器50をネットワークから隔離することがで、他の機器50またはシステムに与える影響を最小限に留めることができる。
また、本発明の一実施形態に係る機器管理方法は、ローカルネットワーク20内の機器50と通信可能な仲介装置30とファイアウォール25を介して通信を行う管理サーバ10(管理装置の一例)が実行する機器管理方法であって、機器50のうち異常状態を示す状態変更機器50を特定する検知情報を、仲介装置30から受信する受信ステップと、
受信された検知情報により特定される状態変更機器50の位置情報と、機器50に関連づけられた移動端末70(端末の一例)の位置情報とに基づいて、移動端末70のうち異常状態に対応する対応候補のユーザが使用する移動端末70を特定する特定ステップと、
特定された移動端末70へ、状態変更機器50に対する対応要求を送信する送信ステップと、を実行する。そのため、管理サーバ10が実行する機器管理方法は、管理対象の機器50に異常が検知された場合において、管理対象の機器50に対する最適な対応者に、対応要求を送信することで迅速な対応を促すことができる。
●補足●
なお、各実施形態の機能は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語またはオブジェクト指向プログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
また、各実施形態の機能を実行するためのプログラムは、ROM、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、CD-RW(Re-Writable)、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-RW、ブルーレイディスク、SDカード、MO(Magneto-Optical disc)等の装置可読な記録媒体に格納して頒布することもできる。
さらに、各実施形態の機能の一部または全部は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、またはASICとして実装することができ、各実施形態の機能をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog-HDL等により記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。
これまで本発明の一実施形態に係る管理装置、機器管理システム、機器管理方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。