以下、実施の形態に係る照明システム等について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
(実施の形態1)
[1-1.照明システムの構成]
本実施の形態に係る照明システム100の全体の構成について説明する。図1Aは、実施の形態1に係る照明システム100を示す模式図である。
図1Aに示すように、照明システム100は、複数の照明器具1、2、3、4、5、6、7、8および9と、複数のスイッチ21、22および23と、照明コントローラ30とを備える。各照明器具1~9は、信号線SL1を介して照明コントローラ30に接続されている。各スイッチ21~23は、信号線SL2を介して照明コントローラ30に接続されている。各照明器具1~3は、電源線PL1を介してスイッチ21に接続されている。各照明器具4~6は、電源線PL2を介してスイッチ22に接続されている。各照明器具7~9は、電源線PL3を介してスイッチ23に接続されている。
この照明システム100では、照明コントローラ30が各スイッチ21~23の開閉を制御することで、各スイッチ21~23に接続された各照明器具への電力の供給有無を切り替えるように構成されている。
ここで、スイッチ21および照明器具1~3を例に挙げ、それぞれの接続関係をさらに説明する。図1Bは、照明器具1~3およびスイッチ21の電源線PL1および信号線SL1、SL2を示す図である。
図1Bに示すように、照明器具1~3は、交流電源ACに対して互いに並列に接続されている。スイッチ21は、交流電源ACと照明器具1~3との間に直列に接続されている。照明コントローラ30は、信号線SL1を介して照明器具1~3を点灯制御する。また、照明コントローラ30は、信号線SL2を介してスイッチ21を開閉制御する。照明コントローラ30によってスイッチ21が開閉されることで、スイッチ21に接続されている全ての照明器具1~3への電力の供給有無が切り替えられる。スイッチ22と照明器具4~6との関係、および、スイッチ23と照明器具7~9との関係についても同様である。
照明システム100の照明器具1~9は、例えば、建物の天井等に設置される。照明システム100を利用するユーザは、図1Aに示すように通信デバイス60を携帯し、建物内を自由に移動することができる。通信デバイス60は、各照明器具1~9と無線r1で通信可能である。無線r1による通信方式としては、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)またはWiFi(登録商標)などの方式が用いられる。
照明コントローラ30は、クラウド40を介して監視装置50に接続されている。監視装置50のモニタ51には、例えば、建物内における照明器具1~9の配置および通信デバイス60の位置が表示される。
なお、各照明器具1~9と照明コントローラ30とは、有線に限らず無線で通信可能であってもよい。照明システム100のスイッチの数は、複数に限られず1つであってもよい。スイッチおよび照明器具は、1対多で接続されていてもよいし、1対1で接続されていてもよい。また、照明コントローラ30は、監視装置50が有する機能を兼ね備えていてもよい。照明コントローラ30は、メインコントローラと、メインコントローラに接続されたサブコントローラとによって構成され、サブコントローラが各照明器具1~9と通信可能であってもよい。
次に、照明システム100を構成する照明器具1~9、スイッチ21~23および照明コントローラ30について説明する。また、各照明器具1~9と通信する通信デバイス60について説明する。
照明器具1~9は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ライトである。照明器具1~9は、建物の造営材である天井などに100台以上設置されることがある。以下、照明器具1~9のうち照明器具1を代表例に挙げて説明する。
図2は、照明器具1を示すブロック構成図である。照明器具1は、器具通信部10aと、点灯部10bと、器具制御部10cと、照明とは異なる付加機能である受信部10dとを備えている。器具通信部10a、点灯部10bおよび受信部10dのそれぞれは、器具制御部10cに接続されている。
器具通信部10aは、信号線SL1を介して照明コントローラ30と通信する。点灯部10bは、例えば、白色光、赤色光、緑色光または青色光を発する複数の発光ダイオードなどの光源を含む。
受信部10dは、通信デバイス60から送信される無線信号を受信する。受信部10dは、例えば、通信デバイス60の識別情報、および、通信デバイス60にて演算処理されたデータ情報を含む信号を無線信号として受信する。
器具制御部10cは、器具通信部10aを介して受け取った照明コントローラ30の制御指示に基づいて点灯部10bの点灯状態、すなわち点灯、消灯、点滅、調光および調色を制御する。器具制御部10cは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などによって構成される。器具制御部10cには、MACアドレス(Media Access Control Adress)など、照明器具1の識別情報が保存されている。
器具制御部10cは、受信部10dで受信した無線信号の電波強度を求める。電波強度は、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator)である。
器具制御部10cは、照明コントローラ30から器具通信部10aを介して、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを受ける。問い合わせを受けた器具制御部10cは、器具通信部10aを介して照明コントローラ30に、上記無線信号を受信したか否かを返信する。その返信の際、器具制御部10cは、照明器具1の識別情報および無線信号の電波強度も返信する。
スイッチ21~23は、照明器具1~9への電力の供給有無を切り替える電源スイッチである。スイッチ21~23は、3台に限られず、建物の造営材である壁などに4台以上設置されることがある。以下、スイッチ21~23のうちスイッチ21を代表例に挙げて説明する。
図3は、スイッチ21を示すブロック構成図である。スイッチ21は、スイッチ通信部21aと、接点部21bと、スイッチ制御部21cとを備えている。スイッチ通信部21aおよび接点部21bのそれぞれは、スイッチ制御部21cに接続されている。
スイッチ通信部21aは、信号線SL2を介して照明コントローラ30と通信する。スイッチ制御部21cは、CPU、RAMおよびROMなどによって構成される。スイッチ制御部21cは、スイッチ通信部21aを介して受け取った照明コントローラ30の制御指示に基づいて、接点部21bの作動を制御する。
接点部21bは、電源線PL1を介して交流電源ACおよび各照明器具1~3に接続されている。接点部21bが閉じられることで、スイッチ21に接続されている全ての照明器具1~3に電力が供給され、接点部21bが開かれることでスイッチ21に接続されている全ての照明器具1~3への電力の供給が停止される。接点部21bは、有接点であってもよいし無接点であってもよい。
通信デバイス60は、ユーザの位置を検出するための携帯認証デバイスである。通信デバイス60は、認証カードであってもよいし、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末であってもよい。
図4は、照明器具1~9と通信する通信デバイス60を示すブロック構成図である。通信デバイス60は、デバイス通信部60aと、デバイス通信部60aに接続されているデバイス制御部60cとを備える。また、通信デバイス60は、デバイス通信部60aおよびデバイス制御部60cに電力を供給する電池60bを備える。
電池60bは、例えば一次電池または二次電池である。電池60bには、デバイス通信部60aおよびデバイス制御部60cを駆動するための電力が蓄えられている。
デバイス制御部60cは、CPU、RAMおよびROMなどによって構成されている。デバイス制御部60cには、通信デバイス60の識別情報および通信デバイス60で演算処理したデータ情報が記憶されている。例えば、通信デバイス60の識別情報は、通信デバイス60の管理番号またはMACアドレスであり、通信デバイス60で演算処理したデータ情報は、通信デバイス60を携帯するユーザの歩数、脈拍数、体温などである。
デバイス通信部60aは、各照明器具1~9の受信部10dと無線r1で通信を行う。デバイス通信部60aは、デバイス制御部60cから無線信号の送信指示を受けることで、上記識別情報および上記処理データを含む無線信号を各照明器具1~9に送信する。
照明コントローラ30は、前述したように、各スイッチ21~23の開閉を制御することで、各スイッチ21~23に接続された各照明器具への電力の供給有無を切り替える。
図5は、照明コントローラ30を示すブロック構成図である。照明コントローラ30は、制御部30cと、制御部30cに接続されている通信部30aとを備えている。
通信部30aは信号線SL1を介して各照明器具1~9と通信する。通信部30aは、各照明器具1~9から無線信号に関する情報を取得する。
なお、無線信号に関する情報とは、例えば、照明器具1が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを示す情報である。また、無線信号に関する情報には、通信デバイス60の識別情報、照明器具1の識別情報、および、無線信号の電波強度が含まれている。無線信号に関する情報には、通信デバイス60で演算処理したデータ情報が含まれていてもよい。
制御部30cは、CPUと、RAM、ROMおよびプログラムを含む記憶部30dとによって構成される。
図6Aは、照明コントローラ30の記憶部30dに予め保存されている情報を示す図である。図6Aに示すように、記憶部30dには、スイッチ21~23および照明器具1~9のレイアウト情報、スイッチ21~23と照明器具1~9との接続関係を示す情報、ならびに、照明器具1~9の制御エリアに関する情報が保存されている。
制御部30cは、所定時間ごと(例えば0.5秒ごと)に、各照明器具1~9に通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせをする。各照明器具1~9から返信された無線信号に関する情報は、記憶部30dに保存される。
図6Bは、照明コントローラ30の記憶部30dに記憶される情報を示す図である。図6Bに示すように、記憶部30dには、無線信号を受信したか否かを示す情報、無線信号を発信した通信デバイス60の識別情報、無線信号を受信した照明器具1~3の識別情報、および、通信デバイス60と各照明器具1~3との間の無線信号の電波強度が記憶される。
また、制御部30cは、無線信号の電波強度に基づいて建物内における通信デバイス60の位置を求める。例えば、図6Bに示す通信デバイス60と各照明器具1、2、3との間の無線信号の電波強度に基づいて、各照明器具1、2、3と通信デバイス60との距離を推定できるので、測距法を用いて通信デバイス60の位置を求めることができる。求めた通信デバイス60の位置が監視装置50のモニタ51に表示されることで、通信デバイス60を携帯するユーザの位置が確認可能となる。
本実施の形態の照明システム100では、制御部30cは、通信部30aを介して受け取った無線信号に関する情報に基づき、照明器具1~9のそれぞれについて無線信号を受信したか否かを判断する。
例えば、制御部30cは、スイッチ21に接続された照明器具1~3のうち少なくとも1つの照明器具が無線信号を受信したと判断した場合に、スイッチ21を閉じてスイッチ21に接続された全ての照明器具1~3へ電力を供給する。また、制御部30cは、スイッチ21に接続された照明器具1~3のうち全ての照明器具が無線信号を受信していないと判断した場合に、スイッチ21を開いてスイッチ21に接続された全ての照明器具1~3への電力の供給を停止する。
この照明システム100によれば、照明器具1~9の付加機能である受信部10dを適切に作動させ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。
[1-2.照明システムの電力供給方法]
次に、照明システム100の電力供給方法について説明する。
図7は、照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。図8は、照明システム100の動作の一部を示すシーケンス図である。
はじめは、全スイッチ21~23が閉じられ、全ての照明器具1~9に電力が供給された状態となっている。ここでまず、スイッチ21に接続されている照明器具1~3について、付加機能である受信部10dが作動しているか否かを確認する。具体的には図8に示すように、照明コントローラ30が各照明器具1~3に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(ステップS11)。
問い合わせを受けた各照明器具1~3は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。その返信の際、各照明器具1~3は、無線信号に関する情報として、各照明器具1~3の自身の識別情報、通信デバイス60の識別情報、および、無線信号の電波強度を同時に返信する。また、通信デバイス60が演算処理したデータ情報が存在する場合は、そのデータ情報も含めて返信する。
照明コントローラ30は、各照明器具1~3から無線信号に関する情報を取得する(ステップS12)。これにより、照明コントローラ30の記憶部30dに、図6Bに示すような情報が記憶される。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具1~3の少なくとも1つが無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。なお、制御部30cは、受信部10dにて受信した無線信号の電波強度が予め決められた閾値よりも小さい場合に、スイッチ21に接続された照明器具が無線信号を受信していないと判断してもよい。
図8に示す例では、照明コントローラ30が各照明器具1~3から「無線信号の受信有」という返信を受け付けている。そこで制御部30cは、照明器具1~3の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断し(S13にてY)、スイッチ21を閉じて(ステップS14)、スイッチ21に接続された全ての照明器具1~3への電力供給を継続する。
次に、ステップS16に基づき、次のスイッチであるスイッチ22に接続されている照明器具4~6の受信部10dが作動しているか否かを確認する。具体的には、照明コントローラ30が各照明器具4~6に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(ステップS11)。
問い合わせを受けた各照明器具4~6は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。その返信の際、各照明器具4~6は、無線信号に関する情報として、各照明器具4~6の自身の識別情報、通信デバイス60の識別情報、および、無線信号の電波強度を同時に返信する。
照明コントローラ30は、各照明器具4~6から無線信号に関する情報を取得する(ステップS12)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具4~6の少なくとも1つが無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。
図8に示す例では、照明コントローラ30が、照明器具5から「無線信号の受信無」という返信を受け付けているが照明器具4および6から「無線信号の受信有」という返信を受け付けている。そこで制御部30cは、照明器具4~6の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断し(S13にてY)、スイッチ22を閉じて(ステップS14)、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6への電力供給を継続する。
これによれば、スイッチ22に接続された照明器具5が無線信号を受信しなかった場合であっても、照明器具4および6が無線信号を受信したと制御部30cが判断して、当該スイッチ22を閉じて全ての照明器具4~6へ電力を供給することができる。これにより、照明器具5のスイッチ22が意図せずに開かれて照明器具4および6の付加機能が働かなくなることを抑制できる。
次に、ステップS16に基づき、次のスイッチであるスイッチ23に接続されている照明器具7~9の受信部10dが作動しているか否かを確認する。具体的には、照明コントローラ30が各照明器具7~9に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(ステップS11)。
問い合わせを受けた各照明器具7~9は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。その返信の際、各照明器具7~9は、無線信号に関する情報として、各照明器具7~9の自身の識別情報、通信デバイス60の識別情報、および、無線信号の電波強度を同時に返信する。
照明コントローラ30は、各照明器具7~9から無線信号に関する情報を取得する(ステップS12)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具7~9の少なくとも1つが無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS13)。
図8に示す例では、照明コントローラ30が照明器具7~9から「無線信号の受信無」という返信を受け付けている。そこで制御部30cは、全ての照明器具7~9が無線信号を受信していないと判断し(S13にてN)、スイッチ23を開いて(ステップS15)、スイッチ23に接続された全ての照明器具7~9への電力の供給を停止する。
これにより、全スイッチ21~23の開閉制御に関する判断、すなわち、照明器具1~9への電力供給の有無に関する判断を終了する。これによれば、照明とは異なる付加機能である受信部10dの通信機能を適切に働かせつつ、照明システム100の消費電力を削減することができる。
[1-3.効果等]
本実施の形態に係る照明システム100は、複数の照明器具1~9と、複数の照明器具1~9の少なくとも1つに接続されたスイッチ21~23と、スイッチ21~23の開閉を制御することで、スイッチ21~23に接続された照明器具への電力の供給有無を切り替える照明コントローラ30とを備える。複数の照明器具1~9のそれぞれは、照明コントローラ30と通信する器具通信部10aと、照明コントローラ30と異なる通信デバイス60から送信される無線信号を受信する受信部10dとを有している。照明コントローラ30は、無線信号に関する情報を受け取る通信部30aと、無線信号に関する情報に基づき複数の照明器具1~9のそれぞれについて無線信号を受信したか否かを判断する制御部30cとを備える。制御部30cは、複数の照明器具1~9において、i)スイッチに接続された少なくとも1つの照明器具が無線信号を受信したと判断した場合に、当該スイッチを閉じ、ii)スイッチに接続された全ての照明器具が無線信号を受信していないと判断した場合に、当該スイッチを開く。
これによれば、制御部30cが、照明器具1~9それぞれについて無線信号を受信したか否かを判断し、この判断に応じてスイッチ21~23の開閉を制御して照明器具1~9への電力の供給を切り替えることができる。これにより、照明器具1~9の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。
また、例えば、スイッチ22に接続された照明器具4~6のうち、照明器具5が無線信号を受信しなかった場合であっても、照明器具4および6が無線信号を受信したと制御部30cが判断して、当該スイッチ22を閉じて全ての照明器具4~6へ電力を供給することができる。これにより、照明器具5のスイッチ22が意図せずに開かれて照明器具4および6の付加機能が働かなくなることを抑制できる。
また、制御部30cは、受信部10dにて受信した無線信号の電波強度が予め決められた閾値よりも小さい場合に、当該スイッチに接続された照明器具が無線信号を受信していないと判断してもよい。
これによれば、無線信号の受信精度を高めることができるので、制御部30cが、照明器具1~9それぞれについて無線信号を受信したか否かを的確に判断することができる。これにより、照明器具1~9の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。
また、受信部10dは、通信デバイス60の識別情報を含む信号を無線信号として受信してもよい。
これによれば、受信部10dを介して無線信号を受け取らせることができる通信デバイス60を特定することができ、制御部30cが、照明器具1~9それぞれについて無線信号を受信したか否かを的確に判断することができる。これにより、照明器具1~9の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。また、例えば通信デバイス60が複数存在する場合であっても、制御部30cは、無線信号を送信した通信デバイス60を特定することができる。
また、複数の照明器具1~9は、建物内に設置され、制御部30cは、無線信号の電波強度に基づいて建物内における通信デバイス60の位置を求めてもよい。
これによれば、例えば、ユーザが通信デバイス60を携帯して移動する場合に、建物内におけるユーザの位置を確認することができる。
本実施の形態に係る照明システム100の電力供給方法は、外部の通信デバイス60から送信される無線信号を受信する受信部10dを有する複数の照明器具1~9と、複数の照明器具1~9の少なくとも1つに接続されたスイッチ21~23と、スイッチ21~23の開閉を制御することで、スイッチ21~23に接続された照明器具1~9への電力の供給有無を切り替える照明コントローラ30とを備える照明システム100の電力供給方法であって、複数の照明器具1~9のそれぞれから無線信号に関する情報を取得し、無線信号に関する情報に基づき複数の照明器具1~9のそれぞれについて無線信号を受信したか否かを判断し、i)上記判断にてスイッチ21~23に接続された少なくとも1つの照明器具が無線信号を受信したと判断した場合に、当該スイッチを閉じ、または、ii)上記判断にてスイッチ21~23に接続された全ての照明器具が無線信号を受信していないと判断した場合に、当該スイッチを開く。
これによれば、照明器具1~9それぞれについて無線信号を受信したか否かを判断し、この判断に応じてスイッチ21~23の開閉を制御して照明器具1~9への電力の供給を切り替えることができる。これにより、照明器具1~9の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。
[1-4.実施の形態1の変形例1]
次に、実施の形態1の変形例1に係る照明システム100について説明する。変形例1では、全ての照明器具1~9の付加機能が働いているか否かを確認した後、各スイッチ21~23の開閉の判断を同時に行う例について説明する。
図9は、変形例1の照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。図10は、照明システム100の動作の一部を示すシーケンス図である。
まず、全スイッチ21~23に接続されている照明器具1~9について、付加機能である受信部10dが作動しているか否かを確認する。具体的には、照明コントローラ30が各照明器具1~9に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(ステップS21)。
問い合わせを受けた各照明器具1~9は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。その返信の際、各照明器具1~9は、無線信号に関する情報として、各照明器具1~9の自身の識別情報、通信デバイス60の識別情報、および、無線信号の電波強度を同時に返信する。
照明コントローラ30は、各照明器具1~9から無線信号に関する情報を取得する(ステップS22)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、全スイッチ21~23のそれぞれにおいて、スイッチの配下にある照明器具の少なくとも1つが無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS23)。
例えば、制御部30cは、全スイッチ21~23のそれぞれにおいて、スイッチの配下にある照明器具の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断した場合(S23にてY)、全スイッチ21~23を閉じる(ステップS24)。また、制御部30cは、全スイッチ21~23のそれぞれにおいて、スイッチの配下にある照明器具の少なくとも1つが無線信号を受信したとはいえないと判断した場合(S23にてN)、全スイッチ21~23のうち、配下にある全ての照明器具が無線信号を受信していない状況となっているスイッチを開く(ステップS25)。
図10に示す例では、全スイッチ21~23のうち、スイッチ23の配下にある全ての照明器具7~9が無線信号を受信していない状況となっているので、スイッチ23を開いて照明器具7~9への電力の供給を停止する。なお、スイッチ21は、全ての照明器具1~3が無線信号を受信したので、継続して閉じられる。スイッチ22は、配下にある照明器具4および6が無線信号を受信したので、継続して閉じられる。
これによれば、照明器具1~9の付加機能である受信部10dの通信機能を適切に働かせつつ、照明システム100の消費電力を削減することができる。
[1-5.実施の形態1の変形例2]
次に、実施の形態1の変形例2に係る照明システム100について説明する。変形例2では、受信部10dの作動していない回数が複数回連続した場合に、スイッチを開いて電力の供給を停止する例について説明する。受信部10dが作動していない回数を複数回確認するのは、無線信号が送信されていないにもかかわらずノイズ等によって受信部10dが作動する場合があるからである。
図11は、変形例2に係る照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。変形例2では、スイッチ21に接続されている照明器具1~3を例に挙げて説明する。
まず、スイッチ21に接続されている照明器具1~3について、付加機能である受信部10dが作動しているか否かを確認する。具体的には、照明コントローラ30が各照明器具1~3に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(S11)。
問い合わせを受けた各照明器具1~3は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。照明コントローラ30の通信部30aは、各照明器具1~3から無線信号に関する情報を取得する(S12)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具1~3のそれぞれが無線信号を受信したか否かを判断する(S13)。
制御部30cは、照明器具1~3の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断した場合(S13にてY)、スイッチ21を閉じて(S14)、スイッチ21に接続された全ての照明器具1~3へ電力を供給する。
一方、制御部30cは、全ての照明器具1~3が無線信号を受信していないと判断した場合(S13にてN)、さらに、照明器具1~3からの「無線信号の受信無」という返信が複数回連続したか否かを判断する(ステップS35)。なお「無線信号の受信無」の回数は、制御部30cに設けられたカウンタによって計数される。
例えば制御部30cは、「無線信号の受信無」という返信が2回連続した場合に(S35にてY)、スイッチ21を開いて(S15)、照明器具1~3への電力の供給を停止する。また、制御部30cは、「無線信号の受信無」という返信がまだ1回であり、2回連続していない場合に(S35にてN)、スイッチ21を閉じて(S14)、照明器具1~3への電力供給を継続する。なお、「無線信号の受信無」に関する確認回数は、連続2回に限られず連続3回以上であってもよい。スイッチ22および23についても同様である。
変形例2の照明システム100では、制御部30cは、無線信号を受信していない回数が、連続して規定回数以上となった場合に、当該スイッチに接続された照明器具が無線信号を受信していないと判断する。
これによれば、無線信号の受信有無の確度を高めるためることができるので、制御部30cが、照明器具1~9それぞれについて無線信号を受信したか否かを的確に判断することができる。これにより、照明器具1~9の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100の消費電力を削減することができる。
[1-6.実施の形態1の変形例3および4]
次に、実施の形態1の変形例3および4に係る照明システム100について説明する。変形例3では、スイッチ21~23を開いて照明器具1~9への電力の供給を停止する前に、照明器具1~9の点灯制御状態を確認する例について説明する。例えば、照明器具が点灯制御要状態であるにもかかわらずスイッチを開いて電力の供給を停止すると、光を照射するという照明器具の本来の機能を発揮することができないからである。
図12は、変形例3に係る照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。変形例3でも、スイッチ21に接続されている照明器具1~3を例に挙げて説明する。
まず、照明コントローラ30が各照明器具1~3に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(S11)。
各照明器具1~3は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。照明コントローラ30の通信部30aは、各照明器具1~3から無線信号に関する情報を取得する(S12)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具1~3のそれぞれが無線信号を受信したか否かを判断する(S13)。
制御部30cは、照明器具1~3の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断した場合(S13にてY)、スイッチ21を閉じて(S14)、スイッチ21に接続された全ての照明器具1~3へ電力を供給する。
一方、制御部30cは、全ての照明器具1~3が無線信号を受信していないと判断した場合(S13にてN)、さらに、全ての照明器具1~3が点灯制御不要状態であるか否かを判断する(ステップS45)。制御部30cは、全ての照明器具1~3が点灯制御不要状態である場合(S45にてY)、スイッチ21を開いて(S15)、照明器具1~3への電力の供給を停止する。それに対し制御部30cは、少なくとも1つの照明器具1~3が点灯制御要状態となっている場合に(S45にてN)、スイッチ21を閉じて(S14)、照明器具1~3への電力供給を継続する。スイッチ22および23についても同様である。
変形例3の照明システム100では、制御部30cは、スイッチに接続された照明器具のうち全ての照明器具が無線信号を受信していないと判断し、かつ、スイッチに接続された照明器具のうち全ての照明器具が点灯制御不要状態となっている場合に、当該スイッチに接続された全ての照明器具への電力の供給を停止する。
これによれば、例えば、照明器具が点灯制御要状態であるにもかかわらず、スイッチが開かれて電力の供給が停止されることを抑止することができる。
なお、上記変形例3では、照明器具1~9への電力の供給を停止する前に、照明器具1~9の点灯制御状態を確認する例についてしたが、次に示す変形例4のように、照明器具1~9のスケジュールを確認して判断を行ってもよい。
図13は、変形例4に係る照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。図14は、変形例4の照明コントローラ30の記憶部30dに予め保存されている情報を示す図である。
図14に示すように、記憶部30dには、照明器具1~9の調光率に関する点灯スケジュールが記憶されている。例えば、照明器具1は、朝および夜が消灯、午前および午後が100%点灯、昼が30%点灯となるようにスケジュール設定されている。
図13に示すように、変形例4の制御部30cは、無線信号に関する情報に基づき、照明器具1~3のそれぞれが無線信号を受信したか否かを判断する(S13)。
制御部30cは、照明器具1~3の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断した場合(S13にてY)、スイッチ21を閉じて(S14)、スイッチ21に接続された全ての照明器具1~3へ電力を供給する。
一方、制御部30cは、全ての照明器具1~3が無線信号を受信していないと判断した場合(S13にてN)、さらに、全ての照明器具1~3のスケジュールが消灯に設定されているか否かを判断する(S55)。制御部30cは、全ての照明器具1~3のスケジュールが消灯に設定されている場合に(S55にてY)、消灯に設定されている時間帯にスイッチ21を開いて(S15)、照明器具1~3への電力の供給を停止する。それに対し、制御部30cは、少なくとも1つの照明器具1~3のスケジュールが消灯に設定されていないと判断した場合に(S55にてN)、スイッチ21を閉じて(S14)、照明器具1~3への電力供給を継続する。
変形例4の照明システム100では、制御部30cは、スイッチに接続された照明器具のうち全ての照明器具が無線信号を受信していないと判断し、かつ、スイッチに接続された照明器具のうち全ての照明器具のスケジュールが消灯に設定されている場合に、消灯に設定されている時間帯に当該スイッチに接続された全ての照明器具への電力の供給を停止する。
これによれば、例えば、照明器具が点灯状態となるようにスケジュール設定されているにもかかわらず、スイッチが開かれて電力の供給が停止されることを抑止することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明システム100Aについて説明する。実施の形態2では、スイッチを開いて照明器具への電力の供給を停止する前に、停止しようとする照明器具の近くに無線信号を受信した他の照明器具が存在するか否かを確認する例について説明する。例えば、停止しようとする照明器具の近くに無線信号を受信している他の照明器具が存在する場合、照明器具の近くに通信デバイス60が位置している可能性があり、停止せずに電力を供給させたほうが、通信デバイス60の移動に対する照明器具の作動の遅れを抑制できるからである。
図15は、照明システム100Aの電力供給方法を示すフローチャートである。図16は、照明システム100Aを示すレイアウト図である。実施の形態2では、スイッチ22に接続されている照明器具4を例に挙げて説明する。
まず、照明コントローラ30が各照明器具4~6に、通信デバイス60から無線信号を受信したか否かの問い合わせを行う(S11)。
各照明器具4~6は、無線信号に関する情報として、自身が通信デバイス60から無線信号を受信したか否かを照明コントローラ30に返信する。照明コントローラ30の通信部30aは、各照明器具4~6から無線信号に関する情報を取得する(S12)。
制御部30cは、取得した無線信号に関する情報に基づき、照明器具4~6のそれぞれが無線信号を受信したか否かを判断する(S13)。
制御部30cは、照明器具4~6の少なくとも1つが無線信号を受信したと判断した場合(S13にてY)、スイッチ22を閉じて、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6へ電力を供給する(S14)。
一方、制御部30cは、全ての照明器具4~6が無線信号を受信していないと判断した場合(S13にてN)、さらに、照明器具4~6のうち例えば照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に無いかを判断する(ステップS65)。
ここで照明器具4の規定領域T1とは、図16に示すxy座標において、照明器具4を基準として設定される領域(ハッチングドットで示す領域)である。本実施の形態の規定領域T1は、照明器具4を基準として2目盛広い領域(x:7~11、y:10~14)である。
制御部30cが、照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に無いと判断した場合は(S65にてY)、スイッチ22が開かれ(S15)、照明器具4~6への電力の供給が停止される。それに対し本実施の形態では、図16に示すように、照明器具4が接続されているスイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が無線信号を受信している。そのため制御部30cが、照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に存在すると判断し(S65にてN)、スイッチ22が閉じられて(S14)、照明器具4~6への電力供給が継続される。
実施の形態2に係る照明システム100Aでは、制御部30cは、さらに、通信部30aにて取得した情報に基づき、スイッチ(例えばスイッチ22)に接続された照明器具(例えば照明器具4)を基準として規定領域T1内に位置しかつスイッチ22と異なるスイッチ(例えばスイッチ21)に接続された照明器具(例えば照明器具3)が無線信号を受信したか否かを判断する。そして制御部30cは、スイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が無線信号を受信した場合に、当該スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6への電力の供給を停止せず、電力を供給する。
これによれば、例えば、無線信号を受信した照明器具3の近くに位置する照明器具4の作動の遅れを抑制することができる。これにより、照明器具4の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100Aの消費電力を削減することができる。
なお、上記実施の形態2では、照明器具4を基準とする領域を規定領域T1と設定したが、次に示す変形例のように、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6を含む領域を基準として規定領域を設定してもよい。
図17は、実施の形態2の変形例に係る照明システム100Aを示すレイアウト図である。
この変形例の照明システム100Aでは、制御部30cが、全ての照明器具4~6が無線信号を受信していないと判断した場合(S13にてN)、さらに、全ての照明器具4~6を含む規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に無いかを判断する(ステップS65)。
ここで規定領域T2とは、図17に示すxy座標において、例えばスイッチ22に接続された全ての照明器具4~6を含む領域を基準として設定される領域(ハッチングドットで示す領域)である。本変形例の規定領域T2は、スイッチ22の制御エリア(x:8~14、y:4~14)を基準として1目盛広い領域である。
制御部30cが、上記規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に無いと判断した場合は(S65にてY)、スイッチ22が開かれ(S15)、照明器具4~6への電力の供給が停止される。それに対し本変形例では、図17に示すように、照明器具4が接続されているスイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が、無線信号を受信している。そのため、制御部30cが、規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に存在すると判断し(S65にてN)、スイッチ22が閉じられて(S14)、照明器具4~6への電力供給が継続される。
このように、実施の形態2の変形例に係る照明システム100Aでは、制御部30cは、さらに、通信部30aにて取得した情報に基づき、スイッチ(例えばスイッチ22)に接続された全ての照明器具4~6を含む領域を基準として規定領域T2内に位置しかつスイッチ22と異なるスイッチ(例えばスイッチ21)に接続された照明器具(例えば照明器具3)が無線信号を受信したか否かを判断する。そして制御部30cは、スイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が無線信号を受信した場合に、当該スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6への電力の供給を停止せず、電力を供給する。
これによれば、例えば、無線信号を受信した照明器具3の近くに位置する照明器具4~6の作動の遅れを抑制することができる。これにより、照明器具4~6の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100Aの消費電力を削減することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る照明システム100Bについて説明する。実施の形態3では、照明器具への電力の供給を一旦停止させた後、照明器具への電力の供給を再開する例について説明する。例えば、停止した照明器具の近くに無線信号を受信している他の照明器具が存在する場合、照明器具の近くに通信デバイス60が位置している可能性があり、電力の供給を再開させたほうが、通信デバイス60の移動に対する照明器具の作動の遅れを抑制できるからである。
図18は、照明システム100Bの電力供給方法を示すフローチャートである。図19は、照明システム100Bを示すレイアウト図である。実施の形態3でも、スイッチ22に接続されている照明器具4を例に挙げて説明する。
まず、図19の(a)に示すように、通信デバイス60が、照明器具4から遠く離れてスイッチ23の制御エリアに位置する。この状況では、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6が、通信デバイス60の無線信号を受信することができず、スイッチ22が開かれた状態となる。これにより、スイッチ22に接続された照明器具4への電力供給が一旦停止される(ステップS71)。
次に、図19の(b)に示すように、通信デバイス60が移動して、スイッチ21の制御エリアに移動する。制御部30cは、照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に無いかを判断する(ステップS75)。
ここで制御部30cが、照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に無いと判断した場合は(S75にてY)、スイッチ22が開かれ(S15)、照明器具4~6への電力の供給が停止される。それに対し本実施の形態では、図19の(b)に示すように、照明器具4が接続されているスイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が、無線信号を受信している。そのため制御部30cが、照明器具4の規定領域T1内に無線信号を受信した照明器具が他に存在すると判断し(S75にてN)、スイッチ22が閉じられて(S14)、照明器具4~6への電力供給が再開される。
実施の形態3に係る照明システム100Bでは、制御部30cは、スイッチ(例えばスイッチ22)に接続された全ての照明器具4~6への電力の供給が停止状態にあり、かつ、スイッチ22に接続された照明器具(例えば照明器具4)を基準として規定領域T1内に位置しかつスイッチ22と異なるスイッチ(例えばスイッチ21)に接続された照明器具(例えば照明器具3)が無線信号を受信した場合に、停止状態を解除して当該スイッチに接続された全ての照明器具4~6へ電力を供給する。
これによれば、例えば、無線信号を受信した照明器具3の近くに位置する照明器具4の作動の遅れを抑制することができる。これにより、照明器具4の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100Bの消費電力を削減することができる。
なお、上記実施の形態3では、照明器具4を基準とする領域を規定領域T1と設定したが、次に示す変形例のように、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6を含む領域を基準として規定領域を設定してもよい。
図20は、実施の形態3の変形例に係る照明システム100Bを示すレイアウト図である。
まず、図20の(a)に示すように、通信デバイス60が、照明器具4から遠く離れてスイッチ23の制御エリアに位置する。この状況では、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6が、通信デバイス60の無線信号を受信することができず、スイッチ22が開かれた状態となる。これにより、スイッチ22に接続された照明器具4への電力供給が一旦停止される(ステップS71)。
次に、図20の(b)に示すように、通信デバイス60が移動して、スイッチ21の制御エリアに移動する。制御部30cは、規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に無いかを判断する(ステップS75)。
ここで制御部30cが、規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に無いと判断された場合は(S75にてY)、スイッチ22が開かれ(S15)、照明器具4~6への電力の供給が停止される。それに対し本変形例では、図20の(b)に示すように、照明器具4が接続されているスイッチ22と異なるスイッチ21に接続された照明器具3が、無線信号を受信している。そのため制御部30cが、規定領域T2内に無線信号を受信した照明器具が他に存在すると判断し(S75にてN)、スイッチ22が閉じられて(S14)、照明器具4~6への電力供給が再開される。
このように、実施の形態3の変形例に係る照明システム100Bでは、制御部30cは、スイッチ(例えばスイッチ22)に接続された全ての照明器具4~6への電力の供給が停止状態にあり、かつ、スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6を含む領域を基準として規定領域T2内に位置しかつスイッチ22と異なるスイッチ(例えばスイッチ21)に接続された照明器具(例えば照明器具3)が無線信号を受信した場合に、停止状態を解除して当該スイッチ22に接続された全ての照明器具4~6へ電力を供給する。
これによれば、例えば、無線信号を受信した照明器具3の近くに位置する照明器具4~6の作動の遅れを抑制することができる。これにより、照明器具4~6の付加機能を適切に働かせ、また、照明システム100Bの消費電力を削減することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る照明システム100について説明する。実施の形態4では、全スイッチ21~23が開となった後、照明器具1~9を再び作動させる例について説明する。全スイッチ21~23が開となる状況は、通信デバイス60を携帯したユーザが建物(または部屋)の外に移動した場合に起こり得る。本実施の形態では、以下に示すようにして照明器具1~9を再び作動させる。
図21は、照明システム100の電力供給方法を示すフローチャートである。
例えば、通信デバイス60が照明器具1~9から遠く離れて建物の外に出た場合、照明器具1~9が通信デバイス60の無線信号を受信しなくなり、全スイッチ21~23が開となる(ステップS81)。
本実施の形態では、このように全ての照明器具1~9への電力の供給が停止された場合に、一定時間ごとに全てのスイッチ21~23を閉じることでスイッチ21~23に接続された全ての照明器具1~9に電力を供給し、受信部10dが無線信号を受付可能な状態とする。
具体的には、まず、全スイッチ21~23を規定時間閉じる(ステップS82)。この規定時間の間、照明器具1~9の受信部10dは、無線信号を受信可能となる。なお規定時間は、例えば、0.5秒以上1秒以下である。
次に、制御部30cは、照明器具1~9の少なくとも1つが無線信号を受信したか否かを判断する(ステップS83)。
制御部30cは、全ての照明器具1~9が無線信号を受信していないと判断した場合(S83のN)、ステップS82に戻って、再び全スイッチ21~23を規定時間閉じる。制御部30cは、照明器具1~9の少なくとも1つが無線信号を受信するまで、ステップS82およびS83を繰り返す。ステップS82およびS83が繰り返される一定時間の周期は、照明コントローラ30の記憶部30dに保存されている。
図22は、実施の形態4の照明コントローラ30の記憶部30dに予め保存されている情報を示す図である。記憶部30dには、各スイッチ21~23の重要度と、一定時間の周期が保存されている。図22に示すように、スイッチに接続されている照明器具の重要度が高いほど、スイッチが開閉される上記一定時間が短く設定されている。
制御部30cは、照明器具1~9の少なくとも1つが無線信号を受信した場合(S83にてY)、無線信号を受信したスイッチを介して、当該スイッチの配下にある照明器具に電力を供給する。このように、スイッチ21~23のうちいずれかのスイッチが閉じられて、照明器具1~9に電力が供給されることで、実施の形態1~3に示すような照明器具1~9の作動が再び可能となる。
実施の形態4に係る照明システム100では、制御部30cは、全ての複数の照明器具1~9への電力の供給が停止された場合に、一定時間ごとに全てのスイッチ21~23を閉じることで当該スイッチ21~23に接続された全ての照明器具1~9に電力を供給し、受信部10dが無線信号を受付可能な状態とする。
このように、一定時間ごとに全スイッチ21~23が閉じられることで、照明器具1~9を再び作動させることができる。またこのように照明器具1~9を再び作動させることで、照明器具1~9の付加機能等を適切に働かせることができる。
また、制御部30cは、スイッチ21~23ごとに予め決められた一定時間を記憶する記憶部30dを有し、記憶部30dに記憶された一定時間に基づいてスイッチ21~23に接続された全ての照明器具1~9に電力を供給する。
これによれば、記憶部30dに記憶された一定時間に基づいて、各スイッチ21~23を作動することができる。これによれば、例えばスイッチごとに決められた重要度に基づいて、スイッチの開閉周期を変えることができる。このように照明器具1~9を一定周期で再び作動させることで、照明器具1~9の付加機能等を適切に働かせることができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る照明システム100Cについて説明する。実施の形態5では、照明システムに、センサ等の入力機器70が設けられている例について説明する。
図23は、実施の形態5に係る照明システム100Cを示す模式図である。
図23に示すように、照明システム100Cは、照明コントローラ30に接続されている入力機器70を備えている。入力機器70は、例えば、ドアセンサ、赤外線センサ、熱線センサおよび画像センサである。入力機器70は、スイッチ21~23のうちの少なくとも1つのスイッチに対応している。照明システム100Cでは、入力機器70に入力された結果に基づいて、入力機器70に対応するスイッチが開閉する構成となっている。
具体的には、制御部30cは、入力機器70から出力された信号を受け付けた場合に、入力機器70に対応するスイッチを閉じて、当該スイッチに接続された照明器具に電力を供給する。例えば、入力機器70がドアセンサである場合、ユーザがドアを開いて入室する際、入力機器70が作動してスイッチ23が閉じる。これにより、スイッチ23に接続されている照明器具7~9が点灯する。
本実施の形態に係る照明システム100Cでは、さらに、照明コントローラ30に接続され、スイッチ21~23のうちの少なくとも1つのスイッチに対応する入力機器70を備える。制御部30cは、入力機器70から出力された信号を受け付けた場合に、入力機器70に対応するスイッチを閉じて、当該スイッチに接続された照明器具に電力を供給する。
これによれば、外部の入力機器70を用いて、入力機器70に対応するスイッチを作動させ、稼働すべき照明器具を選択して作動することができる。
(その他の形態)
以上、照明システム100等について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。