JP7039393B2 - デジタルソリューション提案支援装置およびデジタルソリューション提案支援方法 - Google Patents

デジタルソリューション提案支援装置およびデジタルソリューション提案支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルソリューション提案支援装置およびデジタルソリューション提案支援手法に関するものであり、具体的には、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値を的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図る技術に関する。
顧客に対してソリューションを提案する事業者は、その顧客が抱える経営や業務の課題を捉え、その解決に貢献するソリューションを選定、設計し、また、そのソリューションが生み出す顧客価値(ソリューション導入効果)を訴求することが求められる。
しかしながら、そうした顧客における課題認識が曖昧な場合や、顧客課題と提供可能なソリューションとの関係性が整理されていない場合、顧客課題に基づくソリューション提案は困難である。
そこで、こうした問題に対処する従来技術として、例えば、個々の顧客に見合った高品質なソリューションを画一的に提案することを目的として、顧客の経営課題及び/又は改革ニーズに応じたソリューションの設計するサーバと、該サーバと所定のネットワークを介して接続されたクライアント端末と、を有するマネジメント・コンサルティング・システムであって、前記所定のネットワークを介して収集した前記顧客の関心事に基づいてソリューションを設計し、設計した該ソリューションの構成を前記所定のネットワークを介して前記顧客へ提案することを特徴とするマネジメント・コンサルティング・システム(特許文献1参照)などが提案されている。
特開2004-21728号公報
一方、近年では、デジタルデータの収集、統合、分析を中心的機能とする、デジタルソリューションのビジネスが成長している。デジタルソリューションの提案においては、顧客課題とその解決策であるデジタルソリューションとの関係性に加えて、顧客のデジタル化成熟度を考慮する必要がある。
上述のデジタル化成熟度は、例えば顧客業務においてデジタル機器やシステムが、どの程度導入されているか、また、デジタルソリューションが活用するデジタルデータを顧客内でどの程度蓄積しているか、などを表すものである。デジタルソリューションが十分な顧客価値を実現するためには、当該顧客に関して、こうしたデジタル化成熟度が所定のレベルにあることも前提となる。
なお、上述のデジタルソリューションの価値は、直接的にはデジタルデータの分析精度として表現される。そのため、この分析精度の良否が、経営課題や業務課題の解決という顧客価値にどの程度つながるか、といったロジックと定量的な効果を顧客に訴求する必要がある。しかしながら従来技術においては、そもそもデジタル化成熟度を踏まえたソリューションの設計や顧客価値の同定といった概念は存在せず、良好な精度でのデジタルソリ
ューションの提案支援を十分に行えない状況にある。
そこで本発明は以上の状況を鑑み、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値を的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることを目的とする。
上記課題を解決する本発明のデジタルソリューション提案支援装置は、顧客課題と、その解決手段たるデジタルソリューション、および、デジタルソリューション導入時の顧客価値の算定ロジックと、を対応付けて規定したソリューション情報と、顧客ごとのデジタルソリューションの導入および所定データの蓄積の少なくともいずれかのレベルを示すデジタル化成熟度の情報を保持する顧客プロファイルテーブルと、を格納した記憶装置と、所定のインターフェイスを介して指定を受けた所定顧客における課題に関し、デジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを前記ソリューション情報から特定する処理、前記特定した算定ロジックの入力値として当該顧客に関し前記顧客プロファイルテーブルで保持している所定の属性値を適用して顧客価値を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの高さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の顧客価値を特定する処理、および、前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力する処理、を実行する演算装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のデジタルソリューション提案支援方法は、顧客課題と、その解決手段たるデジタルソリューション、および、デジタルソリューション導入時の顧客価値の算定ロジックと、を対応付けて規定したソリューション情報と、顧客ごとのデジタルソリューションの導入および所定データの蓄積の少なくともいずれかのレベルを示すデジタル化成熟度の情報を保持する顧客プロファイルテーブルと、を格納した記憶装置を備える情報処理装置が、所定のインターフェイスを介して指定を受けた所定顧客における課題に関し、デジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを前記ソリューション情報から特定する処理と、前記特定した算定ロジックの入力値として当該顧客に関し前記顧客プロファイルテーブルで保持している所定の属性値を適用して顧客価値を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの高さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の顧客価値を特定する処理と、前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力する処理と、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値を的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることができる。
本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置の機能構成例を示す図である。 本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援方法のフロー例を示す図である。 本実施形態における顧客プロファイルテーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客課題同定のフロー例を示す図である。 本実施形態における顧客課題構造テーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客課題構造を図表化した例を示す図である。 本実施形態におけるソリューション選定・設計のフロー例を示す図である。 本実施形態におけるソリューション情報テーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客価値構造テーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客価値構造を図表化した例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット情報テーブルの例を示す図である。 本実施形態のソリューションセット作成のフロー例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセットの構造を図表化した例を示す図である。 本実施形態の顧客デジタル化成熟度分析におけるヒアリングシートの例を示す図である。 本実施形態の顧客価値、コスト・納期試算のフロー例を示す図である。 本実施形態のソリューション導入実績テーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客価値同定画面の例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット説明画面の例を示す図である。 本実施形態における顧客デジタル化成熟度分析画面の例を示す図である。 本実施形態の顧客価値・コスト・納期試算画面の例を示す図である。 本実施形態の顧客価値・コスト・納期試算とともにソリューションセットを提示する画面例を示す図である。
<前提>
ここでは本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置および提案支援手法に関し想定する前提について概説する。
本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置による、デジタルソリューション提案業務の目的は、顧客課題にミートするデジタルソリューションの提案とその顧客価値を訴求することにより、顧客によるデジタルソリューションの導入意思決定を促すことにある。なお、こうした導入意思決定に続く、デジタルソリューションの仕様検討や詳細設計、体制構築、開発、デリバリ、各種契約の設計・締結等はスコープ外とする。
また、デジタルソリューション提案支援装置の想定利用者は、デジタルソリューションの営業・拡販を担う営業担当者ならびにコンサルタント、システムエンジニアを想定できる。一方、デジタルソリューションの提案相手は、各種業務を行う企業体、団体を想定するが、個人も除外しない。
なお、本実施形態にて取り扱うデジタルソリューションは、過去において所定の顧客に導入され、顧客価値があることを実証されたものであるとする。こうしたデジタルソリューションの導入実績は、デジタルソリューション提案支援装置において整理・蓄積されている。一方、顧客から聞き出した課題に基づき、全く新しいデジタルソリューションを開発、提供することはスコープ外とする。ただし、既存のデジタルソリューションの新たな組み合わせを設計することはスコープ内である。
ここで、本実施形態におけるデジタルソリューションの定義を述べる。本実施形態のデジタルソリューションは、デジタルデータの収集・統合・分析や分析結果に基づく情報システムや装置の制御を行う、装置やソフトウェア、情報システムを総称したものである。
すなわち、各種デジタルデータを計測するセンサや人工知能のように、多数のデジタルデータを統合・分析するソフトウェア・情報システムや、顧客の業務全般を支える基幹システムもデジタルソリューションの概念に含まれるものとする。
こうしたデジタルソリューションの中には、短期間のうちに低コストで容易に導入できるものもあれば、多数の情報システムや設備との連携が必要な大規模なものも含まれる。
一般的に大規模なソリューションをいきなり導入することは少ないため、上述の営業担当者等が顧客に対し、デジタルソリューションを提案する際には、様々な規模のソリューションをどのような順番で導入すればよいかといったロードマップを提示する必要がある。このロードマップには、デジタルソリューション導入の過程でどのように顧客価値が実現されるか、導入に関する予算や導入期間はどのように積み上がっていくかなども含むことが求められる。
顧客によっては、既にデジタルソリューションを導入している場合がある。その場合、顧客内にはデジタルソリューションの運用に伴ってデジタルデータが蓄積されており、新しくデジタルソリューションを提案する場合でも、顧客にはどの程度デジタルソリューションの導入が進んでいるというデジタル化の成熟度を考慮し、適切なデジタルソリューションの選定と導入ロードマップを提案する必要もある。
ここで、本実施形態における顧客価値の定義を述べる。本実施形態では、デジタルソリューション導入により生まれる顧客価値を、顧客の経営・業務KPI(Key Performance Indicator)の改善効果とする。
ここでの経営・業務KPIは、例えば、営業利益率や売り上げ高、製造原価、設備稼働率などである。よってその改善効果は、「KPIの○○が15%改善」や「KPIの○○が500万円削減」などといった形で表現される。複数存在する経営・業務KPIのそれぞれは互いに関連性があり、例えば、個々の業務に関する下位のKPIを改善することで、経営全体に関する上位のKPIも改善されることになる。
例えば、「設備稼働率」を向上させるデジタルソリューションの顧客価値は、稼働率○○%向上という直接的な効果に加え、それより上位の経営・業務KPIである「生産量の増加」や「販売量の増加」に波及することになる。
顧客がデジタルソリューション導入の意思決定をする際には、売上げやコストといった経営に関する投資対効果(経営KPIの改善効果と投資のバランス)を検討することが多い。デジタルデジタルソリューションの顧客価値を訴求する際には、直接的な経営・業務KPI改善効果に加えて、上位の経営・業務KPIの改善効果も試算することで、顧客の円滑な意思決定を促すことが可能になる。
以下、こうした前提を踏まえて、本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置およびデジタルソリューション提案支援方法の具体的な構成について述べる。なお、本実施形態では、組み立て系製造業の顧客向けにデジタルソリューションを提案する状況を題材とするが、対象とする顧客業種に制約はない。また、特に断りの無い場合、デジタルソリューションのことを単にソリューションと表記する。
<ハードウェア構成例>
図1は本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置100のハードウェア構成例を示す図である。図1に示すデジタルソリューション提案支援装置100は、ソリューション提案担当者が提案業務を遂行する上で、顧客の課題を分析し、課題に応じたソリューションの選定・設計、およびソリューションの顧客価値を試算・提示するための装置である。具体的には、パーソナルコンピュータの他、タブレット、スマートフォンなどの携帯型情報端末なども想定できる。
このデジタルソリューション提案支援装置100は、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ101、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置102、記憶装置102に保持されるプログラム103をメモリ101に読み出すなどして実行し装置事態の統括制御を行うとともに、各種判定、演算および制御処理を行うCPUなどの演算装置104、装置利用者からの入力動作を受け付けるキーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置105、利用者に対して処理結果を表示するディスプレイなどの出力装置106、および、適宜なネットワークに接続しデータをやり取りするための通信装置107を備えている。但し、デジタルソリューション提案支援装置100がスタンドアロンマシンとして稼働する場合、上述の通信装置107は不要である。
なお、記憶装置102内には、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置100として必要な機能を実装するためのプログラム103と、各種処理に必要なデータを格納した情報データベース150、デジタルソリューション提案支援装置100に登録されている各種電子ファイルの保存領域160が格納されている。
このうち情報データベース150には、後述するテーブル151~156が格納されている。また、ファイル保存領域160は、本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置100に固有のものであっても良いし、また企業や組織内で運用されているNAS(Network Attached Storage)などのネットワークストレージや、ウェブストレージなどであっても良い。
<機能構成>
続いて、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置100が備える機能について説明する。以下に説明する機能は、例えばデジタルソリューション提案支援装置100が備えるプログラム103を実行することにより実装される機能と言える。
図2に、本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置100の機能構成例を示す。
本実施形態におけるデジタルソリューション提案支援装置100が備える機能は、情報処理部110、入力操作を受け付ける入力操作部130、および、情報処理結果を表示する表示部140、から構成される。
このうち情報処理部110は、情報検索部111、顧客プロファイル作成部112、顧客課題同定部113、ソリューションセット設計部114、デジタル化成熟度分析部115、顧客価値試算部116、コスト・納期試算部117、ソリューション提示部118、ソリューション導入事例登録部119、および、情報更新部120、から構成される。
このうち情報検索部111は、入力操作部130が受け付けた顧客課題の同定やソリューション設計、顧客価値試算などの際の各種入力操作に応じて、情報データベース150内のテーブルやファイル保存領域160内の電子データを検索する。
また、顧客プロファイル作成部112は、ソリューションの提案対象となる顧客のプロファイル情報を作成する。この顧客プロファイル作成部112は入力操作部130で受け付けた、デジタルソリューション提案相手の顧客に関する種々の情報を顧客プロファイル情報として構造化し、情報データベース150に格納する。
また、顧客課題同定部113は、顧客の経営・業務上の課題を同定する。この顧客課題同定部113は、顧客の業種や業界ごとの代表的な顧客課題の一覧を情報データベース150から読み取り、入力操作部130が受け付けた入力操作に応じて、課題一覧から顧客
が関心を示す重要な顧客課題を特定・整理し、特定した課題を情報データベース150に格納する。
また、ソリューションセット設計部114は、顧客課題やデジタル化成熟度に応じてソリューションを選定・設計する。このソリューションセット設計部114は、情報データベース150に格納されている顧客が関心を示した課題に応じて、その課題解決に繋がるソリューションを情報データベース150から検索・取得し、またソリューション間のデータの入出力関係から顧客課題の解決に必要な他のソリューションを情報データベース150から検索・取得し、検索・取得された一連のソリューションを、顧客課題解決に必要なソリューションセットとして情報データベース150に格納する。
また、デジタル化成熟度分析部115は、顧客のデジタル化成熟度を分析する。このデジタル化成熟度分析部115は、入力操作部130を介して受け付けた、ソリューションセット設計部114で設計した顧客課題解決に必要なソリューションセットが、現状顧客においてどの程度導入されているかといった状況を整理・評価し、顧客のデジタル化成熟度として情報データベース150に格納する。
また、顧客価値試算部116はソリューションセット設計部114で選定・設計したソリューションを導入した際の顧客価値を試算する。この顧客価値試算部116は、デジタル化成熟度分析部115で求めた顧客デジタル化成熟度と、情報データベース150に格納されているデジタルソリューションの導入実績情報、経営・業務KPIの関係性で表される顧客価値の構造、ソリューション情報ならびに入力操作部130を介して受け付けた顧客固有の各種指標をもとに、ソリューションの導入効果を試算し、その結果を情報データベース150に格納する。
また、コスト・納期試算部117はソリューション導入時のコストと納期を試算する。このコスト・納期試算部117は、デジタル化成熟度分析部115で求めた顧客デジタル化成熟度と、情報データベース150に格納されているデジタルソリューションの導入実績情報、経営・業務KPIの関係性で表される顧客価値の構造、ソリューション情報ならびに入力操作部130を介して受け付けた顧客固有の各種指標をもとに、ソリューションの導入時のコストと納期を試算し、その結果を情報データベース150に格納する。
また、ソリューション提示部118は顧客価値やコスト・納期を試算結果とともに、選定・設計したソリューションセットを顧客へ提示する。このソリューション提示部118は、情報データベース150に格納されている、顧客課題とその解決に必要なソリューションセット、顧客デジタル化成熟度、ソリューション導入時の顧客価値ならびに予算・納期の試算結果に関する情報を可視化・構造化し、表示部140を介して顧客に対して提示する。
また、ソリューション導入事例登録部119はソリューションを導入した結果を記録する。このソリューション導入事例登録部119は、顧客に対するソリューション提案が成功し、その導入が終了した後に、ソリューション導入した際の実際の顧客価値や予算・納期を情報データベース150に格納する。
また、情報更新部120は本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置100の利用の過程で、情報データベース150内のテーブルの内容更新が必要になった場合テーブルの情報を更新する。この情報更新部120は、一連のソリューション提案や導入にあわせて、情報データベース150に格納されている顧客課題構造や顧客価値構造、ソリューション情報、ソリューション導入実績などの各種情報について、その更新が必要になった際に情報データベース150を更新する。
なお、これらの機能が適宜利用する、顧客やソリューションなどに関するデータは、情報データベース150に蓄積されている。また、ファイル保存領域160には、デジタルソリューション提案支援装置100に登録されている文書や画像、音声、動画などの各種電子ファイルが保存されている。
<テーブルのデータ構造概要>
なお、情報データベース150における各テーブルの具体的なデータ構造例については、以降のフローに関する説明に伴って後述する。ここでは、各テーブルの概要について説明する。本実施形態における情報データベース150は、6つのテーブルから構成される。
このうち顧客プロファイルテーブル151は、本実施形態におけるソリューション提案先の顧客の属性や関心課題、提案するソリューション、デジタル化成熟度などを顧客や案件ごとに整理した顧客プロファイルが記録されている。
また、顧客課題構造テーブル152は、業種や業界ごとに顧客のビジネス上重要な課題一覧が記録されている。
また、ソリューション情報テーブル153は、提案可能なソリューションごとに、対象となる業務や課題、想定される顧客価値や予算・納期、入出力データなどが記録されている。
また、顧客価値構造テーブル154は、ソリューションの顧客価値の同定および試算の単位となる、業界・業種ごとの経営・業務KPIの一覧とKPI間の関係性が記録されている。
また、ソリューションセット情報テーブル155は、顧客課題にあわせて選定・設計された、顧客に提案するソリューションの一覧が記録されている。
また、ソリューション導入実績テーブル156は、過去のソリューション導入実績について、その導入ソリューションの一覧や導入効果、コスト・納期などが記録されている。<処理フロー例>
本実施形態における、デジタルソリューション提案支援方法のメインの処理フロー例を図3に示す。この処理フローは、顧客との商談開始時点における所定の処理からソリューションの特定・提案、ソリューション導入実績の蓄積に至る一連の流れを含む。ソリューション提案後の契約作業やソリューションの詳細設計、実装、導入、運用などは本実施形態において支援するものではない。ただし、これらの活動において参照可能な、過去のソリューション導入時の契約書や設計書、プログラム、設定ファイルなどのデータは、ソリューションの導入実績を記録する際にあわせてファイル保存領域160に蓄積し、それを新しい案件においても再利用しても良い。
まず、本フローの顧客プロファイル作成ステップ(S1)において、顧客プロファイル作成部112は、ソリューション提案担当者による顧客ヒアリングにて聞きだされた、または提案前に顧客に関して行われた調査で得られた情報を、入力操作部130を介して取得して、これを顧客プロファイルとして所定フォーマットに整形し、顧客プロファイルテーブル151に格納する。
図4に、本実施形態における顧客プロファイルテーブル151の一例を示す。この顧客プロファイルテーブル151には、提案活動を区分する案件id151a、顧客を一意に識別する顧客id151b、顧客名151c、顧客の業種大分類151d、業種中分類1
51e、顧客の業種や業態の特徴を表す業種特徴151f、顧客が課題認識を持っている業務(改善、変革したい業務)を表す対象業務151g、対象業務において顧客が関心を持つ課題を表す顧客関心課題151h、顧客関心課題に対応して提案しようとしているソリューションのセットの一覧を表すソリューションセット151i、ソリューションセットを構成するソリューションがコアソリューションかサブソリューションのいずれであるか表すコア分類151j(コアソリューションらの定義については後述)、ソリューションの導入度合いやデータの蓄積度合いなどを表すデジタル化成熟度151kからなる。
こうした顧客プロファイルテーブル151における各レコード、すなわち顧客プロファイルは、図3で示す一連の処理フローの中で随時、情報が追加・更新される。
顧客プロファイル作成ステップ(S1)においては、顧客プロファイルの各項目のうち、案件id151aから業種特徴151fまでの情報が記録されることとなる。なお、過去に提案実績がある顧客については、その顧客idをキーに当時作成した顧客プロファイルを読み出して、再利用するとしても良い。
また、業種大分類151dからデジタル化成熟度151kまでの各項目の値は、予め定義された項目・値の一覧の中から、担当者等により選択されたものとする。ただし、そうした予め定義された項目・値が該当しない案件が発生した場合、担当者らが項目・値の一覧を適宜に更新するとすればよい。
ここで図3のフローの説明に戻る。顧客課題同定ステップ(S2)において、顧客課題同定部113は、上述の顧客プロファイル作成時に得た、当該顧客が属する業界や業種なの値に基づき、顧客課題構造テーブル152(図6)に記録されている業種ごとの、対象業務、想定課題、および、課題分類の各一覧から、当該顧客の顧客関心課題と対象業務を同定し、それを顧客プロファイルテーブル151に記録する。
こうした顧客課題同定ステップ(S2)の詳細処理フローの例を図5に示す。この場合、顧客課題同定部113は、顧客プロファイルテーブル151から、顧客の業種大分類151d、顧客の業種中分類151e、および、業種特徴151fを読み込む(S21)。
続いて、顧客課題同定部113は、上述のS21で読み込んだ顧客業種大分類および顧客業種中分類と業種特徴をキーに、情報検索部111を介し、顧客課題構造テーブル152より、業種ごとの想定課題152eおよび課題分類152fを顧客課題一覧として検索・取得する(S22)。
図6に、顧客課題構造テーブル152の一例を示す。ここで例示する顧客課題構造テーブル152は、課題が整理された単位を表すものとして、当該課題を抱える顧客が所属する業種の、業種大分類152a、業種中分類152b、および、業種特徴152cが記録されている。また、そうした業種において当該課題の発生対象となる業務を表す対象業務152d、当該対象業務に存在する想定課題152e(これが当該業種、当該業務に所属する顧客に関して想定される課題)、および、当該想定課題の分類を表す課題分類152fが記録されている。
このうち想定課題152eは、該当する業種および業務において一般的に想定されうる課題や、或いは、ソリューション提供側が当該業種および当該業務に関して過去直面した課題である。また、課題分類152fは、想定課題152eがどのような事柄に関する課題か表すものである。本実施形態で題材とした組み立て系製造業については、例えば、4M+E(Man(人)、Method(手法、プロセス)、Machine(設備、機械)、Material(材料、製造物)、Environment(環境))などを用い
る。
ここで図5のフローの説明に戻る。顧客課題同定部113は、S22で取得した課題一覧を表示部140を介して出力装置106に表示することで、顧客に対して課題一覧を提示する(S23)。
こうした課題の提示形式は、表形式であっても良いし、図7に示すような業務と課題を対応を図示した課題一覧画面700を提示しても良い。図7で示す課題一覧画面700の一例は、顧客課題構造テーブル152中の対象業務152dと課題分類152fの二軸で、想定課題152eを整理したものである。ただし、この構成は一例であって、課題を整理する軸はこの二軸でなくても良い。例えば、顧客の整理する顧客の組織・部門の軸で課題を整理しても良い。
続いて、顧客課題同定部113は、上述のステップS23で顧客に提示した課題一覧の中から、当該顧客が関心を示すものを同定する(S24)。基本的には、担当者による課題の具体的説明を伴うヒアリングにて、当該顧客の関心課題を聞き出した状況にて、その情報の入力操作を入力操作部130を介して受け付けて、該当情報を取得する。なお、顧客の関心課題は複数あっても良い。
図7のような図表化された課題一覧画面700をタッチディスプレイなどの出力装置106に表示させる場合、顧客自身に課題一覧の中からタッチ操作などで関心を持つ課題を選択させ、その選択対象の課題の情報を取得するとしても良い。
なお、上述の課題一覧の中に顧客が関心を示す課題が存在しない場合、顧客課題同定部113は、他の業種および業務の課題一覧を顧客課題構造テーブル152にて検索し、これを再提示(S23と同様)するか、或いは、提案活動中止に伴い本フローを終了する。
他の業種および業務の課題一覧を提示する一例は、上述のステップS22において、顧客の業種大分類、業種中分類、および、業種特徴が部分的に一致しているものを、顧客課題構造テーブル152にて検索し、これを提示する例がある。また、顧客が「○○業種の課題を見たい」と考えており、これを受けた担当者ないし顧客自身が該当業種の指定を入力操作部130で行った場合、その業種をキーに顧客課題構造テーブル152にて検索をし、課題一覧を取得するなどとしても良い。
続いて、顧客課題同定部113は、上述のステップS24で特定した顧客の関心課題と当該課題に関連する業務を、顧客プロファイルテーブル151(図4)における対象業務151gと顧客関心課題151hに記録し(S25)、本フローを終了する。
ここで顧客課題同定ステップ(S2)に関する詳細説明を終え、図3のメインフローの説明に戻る。
ソリューションセット選定・設計ステップ(S3)では、ソリューションセット設計部114が、顧客の関心課題の解決に繋がるソリューションを、ソリューション情報テーブル153およびソリューションセット情報テーブル154に情報が格納されているソリューションから選定する。
このソリューションセット選定・設計ステップの詳細フローを図8に例示する。この場合、ソリューションセット設計部114は、顧客プロファイルテーブル151から顧客関心課題151hを読み込む(S31)。
続いて、ソリューションセット設計部114は、上述のステップ31で取得した顧客関
心課題をキーに、情報検索部111を介して、ソリューション情報テーブル153から、顧客関心課題に対応するソリューションを検索・取得する(S32)。
図9にソリューション情報テーブル153の一例を示す。本実施形態におけるソリューション情報テーブル153には、ソリューション毎に、当該ソリューションのソリューション名153a、概要153b、適用対象となる対象業務153c、解決する対象課題153d、実現する顧客価値153e、ソリューション実行に必要な入力データ153f、ソリューションセット実行に伴い出力されるデータ分析結果などの出力データ153g、および、標準的な導入コストおよび納期153h、が記録されている。
このうち対象業務153cと対象課題153dは、顧客課題構造テーブル152における、対象業務152dと想定課題152eと対応している。
また、入力データ153fは、当該ソリューションの実施に必要なデータの種類153f1と、実施に必要なデータの質・量153f2とからなる。データの質・量が不十分である場合、一般にソリューションが実現する顧客価値は低くなる。本実施形態の場合、KPI改善効果を示す標準値153e2より効果が低くなる。
また、出力データ153gは、当該ソリューションが出力するデータの種類153g1と出力データの質・量153g2とからなる。
また、導入コスト納期153hは、当該ソリューションの標準導入コスト153h1、標準納期153h2、および、コスト・納期の前提153h3、からなる。
なお、上述のうち顧客価値153eにおける効果153e2と、導入コストおよび納期153hは、当該ソリューションの開発時に規定されたものであっても良いし、当該ソリューションの導入実績に基づいて導出されたものであっても良い。
また、上述の顧客価値153eは、ソリューション導入により改善される顧客の経営・業務KPIを示す、直接改善KPI153e1、標準的なKPI改善効果を示す効果153e2、ソリューションがKPIを改善することで、間接的に改善される経営・業務KPIを示す間接改善KPI153e3、直接改善KPIの改善効果が間接改善KPIの改善にどの程度繋がるか試算する計算式を示す試算ロジック153e4からなる。
このうち直接改善KPI153e1は、顧客の経営・業務KPIの中でも業務・現場に関する下位のものである。一方、間接改善KPI153e3は、経営に関する上位のものであることが多い。
こうした、経営・業務KPI同士の関係性は、顧客価値構造テーブル154に規定されている。本テーブルの一例を図10に示す。本実施形態における顧客価値構造テーブル154は、基本的には業種ごとに作成される。図10で例示する顧客価値構造テーブル154は、組み立て系製造業の顧客価値構造を示すテーブルの一例である。
なお、経営・業務KPIの関係性は基本的には木構造である。すなわち、経営・業務KPIの各間では、或るKPIが増減すれば、その上位KPIの値も増減する、といった関係性を持っている。
図示する顧客価値構造テーブル154は、経営・業務KPIを一意に識別するid154a、当該idが示す経営・業務KPI154b、当該KPIが経営レベルのものか部門レベルかなど顧客価値の階層構造におけるレベルを表す分類154c、当該KPIの上位階層にあたるKPIを示す親KPI154d、当該KPIと親KPIの値との間の相関関係を表す親KPIのインパクト154e、からなる。
ソリューション導入により直接的に改善されるKPIと、この直接的な改善をみるKPIの変化に影響を受けて間接的に改善されるKPIとの関係は、上述の顧客価値構造テーブル154にて規定される、経営・業務KPIの階層構造におけるKPI間の親子関係とその影響(インパクト)の正負に基づき特定できる。
なお、こうし経営・業務KPI同士の関係を表示部140にて出力し、顧客に提示する場合、図10の顧客価値構造テーブル154のように表形式の情報を出力するとしても良いし、図11で示すような木形式、すなわちKPIツリー1100として構成したものを出力するとしても良い。
図11に、本実施形態のKPIツリー1100の例を示す。KPIツリー1100は、例えば、ソリューションセット設計部114が、顧客価値構造テーブル154における、経営・業務KPI154bおよび親KPI154dの各値を参照し、この各値が示すKPI間の親子関係に基づき、当該顧客価値構造テーブル154が含むKPI全体の階層構造を、ツリー形式でマッピングしたものである。また、この場合、親KPIへのインパクト154eの値、すなわち「正」または「負」に応じて、親子関係にあるKPI間のリンクに、インパクトが正なら「+」、インパクトが負なら「-」、が設定されている。
こうしたKPIツリー1100を表示部140にて表示して議論材料とすることで、担当者と顧客の間でKPI同士の関係性について互いの認識を確認し、ソリューション導入に基づくKPIの改善が、上位のKPIにどのように波及するか議論することが容易になる。
ここで図8のフローの説明に戻る。ソリューションセット設計部114は、顧客関心課題をキーに、情報検索部111を介して、ソリューション情報テーブル153から、その顧客関心課題に対応するソリューションを検索・取得する(S32)。本実施形態では、ここで取得するソリューションをコアソリューションと呼ぶ。コアソリューションは複数あっても良い。
なお、上述の検索の結果、ソリューション情報テーブル153内に顧客関心課題に対応するソリューションが存在しない場合、ソリューションセット設計部114は、新しい顧客課題をステップ(S2)で同定するか、或いはフローを終了する。
続いて、ソリューションセット設計部114は、上述のステップS32で取得したコアソリューションが「コア」となっている(コア分類155dが“コア”になっている)ソリューションセット(ソリューションの組み合わせ)を、情報検索部111を介してソリューションセット情報テーブル155にて検索する(S33)。
図12にソリューションセット情報テーブル155の一例を示す。本テーブルには、過去、顧客に提案・提供したソリューションセットの情報が記録されており、ソリューションセットのid155a、当該ソリューションセットが提供された過去案件の案件id155b、当該ソリューションセットを構成するソリューション一覧155c、および、当該ソリューションセットを構成するソリューションそれぞれが、コアソリューションかサブソリューションのいずれであるかを表すコア分類155d、からなる。
続いて、ソリューションセット設計部114は、上述のステップS33での検索の結果、S32で取得されたソリューションをコアソリューションとして含む、ソリューションセットがソリューションセット情報テーブル155で特定できたか判定する(S34)。
この判定の結果、ソリューションセット情報テーブル155に該当ソリューションセットが存在した場合(S34:y)、ソリューションセット設計部114は、顧客プロファイルテーブル151中のソリューションセット151iおよびコア分類151jに、本フローで取得したソリューションセットの情報を記録し(S36)、フローを終了する。
他方、上述の判定の結果、ソリューションセット情報テーブル155に該当ソリューションセットが存在しなかった場合(S34:n)、ソリューションセット設計部114は、新たなソリューションセットを作成する(S35)。
この新たなソリューションセット作成のフロー例を、図13に示す。この場合、ソリューションセット設計部114は、例えば、メモリ101にて新たなソリューションセットのために確保した所定のワーク領域に、上述のステップS33にて取得されたコアソリューションの値をセットする(S361)。
続いて、ソリューションセット設計部114は、上述のS361でセットしたコアソリューションが必要とする入力データ、を出力するソリューションすなわちサブソリューションを、ソリューション情報テーブル153における各ソリューションの間の入力データ153f、出力データ153g、の関係(データの入出力関係)に基づき特定し、これを上述のワーク領域に追加する(S362)。
このS362におけるサブソリューションの特定は、例えば、コアソリューションの入力データが「設備稼働データ」である場合、この「設備稼働データ」を出力データ153gに持つ他のソリューションを、ソリューション情報テーブル153にて検索することで実行できる。
続いて、ソリューションセット設計部114は、上述のS362で新たな追加したソリューション(サブソリューション)が入力データを必要とするか判定する(S363)。この判定は、ソリューション情報テーブル153にて、当該サブソリューションに関するレコードの入力データ153f欄の値の有無をチェックすればよい。入力データ153f欄の値が無ければ、入力データは不要であり、入力データ153f欄に値が設定されていれば、入力データは必要である。
上述の判定の結果、入力データを必要とする場合(S363:y)、ソリューションセット設計部114は、処理をステップS362に遷移させ、入力データが必要と判定されたサブソリューションに対し、入力データのソースとなる新たなソリューションを特定し、これを上述のワーク領域に追加することとなる。
他方、上述の判定の結果、入力データを必要としない場合(S363:n)、ソリューションセット設計部114は、上述のワーク領域にてセットしてある、新たに作成したソリューションセットの情報を、顧客プロファイルテーブル151中のソリューションセット151iおよびコア分類151jに格納し(S364)、フローを終了する。
このような方法で作成されるソリューションセットにおける、ソリューション間の関係性は、例えば図14に示すソリューションセット構造図1400の如きものとなる。
このソリューションセット構造図1400では、設備管理ソリューションが出力する設備管理データを入力とする設備保守管理ソリューションが存在し、同ソリューションが出力する設備故障データが、コアソリューションである故障予兆分析ソリューションの入力データの一部となる、といった構成等を示していている。顧客に対してソリューションセットを提示する場合は、図14のソリューションセット構造図1400ように、ソリュー
ション間の関係性を図示したものを表示部140にて提示しても良い。
なお、本実施形態では図13で示すように、ソリューション間におけるデータの入出力関係に基づくソリューションセット作成法を示したが、他の作成法も適宜に採用可能である。
例えば、ソリューションが改善する経営・業務KPI間の関係性をもとに、ソリューションセットを構成しても良い。すなわち、コアソリューションが改善する経営・業務KPIに繋がる下位のKPIを改善する別のソリューションを特定し、ソリューションセットを構成するとしても良い。このような方法で作成されるソリューションセットにおけるソリューションは以下のように表現できる。
ソリューションセットX={ソリューションA:KPI1改善、ソリューションB:KPI1の上位KPIであるKPI2改善、コアソリューションC:KPI2の上位KPIであるKPI3改善}
いずれの方法にしても、複数のソリューションを組み合わせることで、単独のソリューションでは実現が難しい顧客価値の実現を図ることが可能となりうる。
ここで図3のメインフローの説明に戻る。続いて、顧客デジタル化成熟度分析ステップ(S4)において、デジタル化成熟度分析部115は、上述のステップS3で取得したソリューションセットを踏まえた、顧客のデジタル化成熟度の分析結果を取得する。
ここで、デジタル化成熟度分析部115は、ソリューション提案対象の顧客における、上述のソリューションセットを構成する各ソリューションの導入状況、および、当該ソリューションの導入に必要なデータの蓄積状況、の各情報を保持しているものとする。
これらの情報は、提案担当者による顧客へのヒアリング等で得られ、入力操作部130を介して入力されたものである。デジタル化成熟度分析部115は、これらの情報を表示部140にて表示させ、提案担当者により入力される分析結果を取得することとなる。
この場合の提案担当者は、上述のソリューションの導入状況の観点、および、データの蓄積状況(種類、量、質)の観点、のそれぞれについて、所定の判定基準に基づいて成熟度を評価し、その結果すなわち分析結果を入力操作部130で入力する。
上述の評価の観点や基準等の例については以下に示す。例えば、ソリューションの導入状況の観点では、評価A、B、Cの順番で成熟度が低くなるとした、以下のような評価がなされる。なお、ここでの「自社」はソリューションを提案しようとしている会社を表す。
・評価A:提案しようとしているソリューションと同様の自社製品を導入済み。
・評価B:提案しようとしているソリューションの類似する他社商品を導入済み。
・評価C:提案しようとしているソリューションは非導入。
また、データの蓄積状況のうち種類の観点では以下のような評価がなされる。
・評価A:ソリューションで必要とするデータを全種類が利用可能。
・評価B:ソリューションで必要とするデータの一部が利用可能。
・評価C:ソリューションで必要とするデータの全てが利用不可。
また、データの蓄積状況のうち量の観点では以下のような評価がなされる。
・評価A:ソリューションで必要とするデータの量は十分。
・評価B:ソリューションで必要とするデータは利用可能だが量が不足。
・評価C:ソリューションで必要とするデータが存在しない。
また、データの蓄積状況のうち質の観点では以下のような評価がなされる。
・評価A:ソリューションで必要とするデータの質は十分。
・評価B:ソリューションで必要とするデータは利用可能だが質が不十分。
・評価C:ソリューションで必要とするデータが存在しない。
提案担当者ごとに、上述の成熟度分析の結果が異なることを防ぐため、上記で例示した基準は、提案担当者およびソリューション開発者などの間で統一的なものであることが望ましい。また、提案担当者による顧客へのヒアリングを支援するためのヒアリングシートを採用するとしても良い。そのヒアリングシート1500の一例を図15に示す。
提案担当者は、このようなヒアリングシート1500をファイル保存領域160などから呼び出して表示部140にて表示させつつ、顧客へのヒアリングを実施する。
なお、ヒアリングシート1500は、紙媒体での印刷物である場合も想定できるが、好ましくは、提案担当者が顧客との対面場所に携行するラップトップPCやタブレットで表示させる電子ファイルを想定する。図15の例では、質問項目が上述の各観点に対応したものとなっており、それに対するヒアリング結果について、顧客から得た回答の内容と、それに対する提案担当者による評価とについて、それぞれプルダウンメニューで選択可能なインターフェイスを備える。例えば、「ソリューションセットは導入済みか?」すなわちソリューションの導入状況に関する質問項目に対し、顧客からは、導入済みであるが他社製品のものである、旨の回答を得た場合、提案担当者は、ヒアリング結果欄の「内容」欄におけるプルダウンメニューを操作し、「Yes、他社」という選択肢の選択動作を行うこととなる。また、提案担当者は、このソリューションの導入状況に関する評価として、上述の基準に従えば「評価B」、すなわち、提案しようとしているソリューションの類似する他社商品を導入済み、という選択肢の選択動作を行うこととなる。こうしたヒアリング結果の評価、すなわちデジタル化成熟度の分析結果は、入力操作部130を介してデジタル化成熟度分析部115が取得し、デジタル化成熟度の値として、顧客プロファイルテーブル151における当該顧客のレコードのデジタル化成熟度151kの欄に記録する。
続いて、メインフローにおける、顧客価値、コスト・納期試算ステップ(S5)において、前ステップで作成したソリューションセットに関して、顧客価値および導入時のコスト・納期を、顧客価値試算部116とコスト・納期試算部117が特定・試算する。
こうしたステップS5の処理内容の一例を図16に示す。この場合、例えば顧客価値試算部116(コスト・納期試算部117であってもよい。以下同様)は、顧客プロファイルテーブル151から、処理対象のソリューションセットおよび顧客デジタル化成熟度の各情報を読み出す(S51)。
続いて、顧客価値試算部116は、上述のS51で得たソリューションセットを構成する各ソリューションの導入事例を、情報検索部111を介して、ソリューション導入実績テーブル156から検索・取得する(S52)。
上述のソリューション導入実績テーブル156は、ソリューションの導入実績を記録したものである。その一例を図17に示す。
図17に示すソリューション導入実績テーブル161は、基本的には過去事例の顧客プロファイル情報と、その際のソリューション導入に際しての顧客価値とコスト・納期を記録したものである。具体的には、案件id156a、顧客id156b、顧客名156c、ソリューション導入のターゲットとなった顧客業務156d、同じくターゲットとなった顧客課題156e、導入したソリューションセット156f、コア分類156g、ソリューション導入により実現した顧客価値の実績値156h、導入にあたっての実際の導入
コストおよび納期156i、からなる。
このうち顧客価値156hは、ソリューション導入で直接改善されたKPI156h1、その効果の大きさ156h2、ソリューション導入で間接的に改善されたKPI156h3(KPI156h1の上位KPIにあたる)、および、KPIの試算ロジック156h4からなる。また、導入コストおよび納期156iは、コスト156i1、納期156i2、および、コスト・納期の前提条件156i3からなる。
続いて、顧客価値試算部116は、上述のS52の結果、今回新しく提案しようとしているソリューションがソリューション導入実績テーブル156に存在するか判定する(S53)。
この判定の結果、該当ソリューションが存在する場合(S53:y)、顧客価値試算部116は、ソリューション導入実績テーブル156から過去の導入事例における顧客価値に関する情報156h、コスト・納期に関する情報156iを読み出す(S54)。
一方、上述の判定の結果、該当ソリューションは存在しないと判定した場合(S53:n)、顧客価値試算部116は、ソリューション情報テーブル153から、ソリューションの顧客価値153eの情報と導入コスト納期153hの情報を読み出す(S55)。
上述のステップS54とS55の違いは、前者が過去の実際の導入事例に基づく顧客価値とコスト・納期情報を取得するのに対し、後者は導入事例がないためにソリューション毎に予め定められた想定的な顧客価値やコスト・納期情報を取得する点に違いがある。
続いて、顧客価値試算部116およびコスト・納期試算部117のそれぞれは、上述のステップS54またはS55で読み出された、ソリューションの顧客価値とコスト・納期情報、並びに顧客のデジタル化成熟度を元に、新しく提案するソリューションセットの導入時の顧客価値とコスト・納期を試算する(S56)。
本実施形態では、ソリューションセットの顧客価値とコスト・納期は、ソリューションセットを構成する各ソリューションの顧客価値とコスト・納期の重み付き総和であると考える。
顧客価値を試算する場合、各ソリューションの試算ロジック156h4に対し、新たに提案する顧客の経営・業務データを代入して試算結果を算定し、これに、デジタル化成熟度に対応した重みを乗算したものを集計してソリューションセットの顧客価値を試算する。なお、上述の試算ロジックに代入すべき、顧客の経営・業務データ(例:人件費単価や設備稼動時間)は、提案担当者が顧客から予めヒアリングし、顧客価値試算部116やコスト・納期試算部117に付与しているものとする。
こうしたアプローチは、ソリューションの過去導入時の効果や、ソリューション構築時に想定した効果が、新しい顧客に当該ソリューションセットを導入した場合においても同様に得られるという仮説に基づく。また、デジタル化成熟度については、デジタル化成熟度が低い場合、蓄積したデータの量や質が不十分であるため、ソリューションセットの導入効果が低くなる、という仮説に基づく。
上述の仮設等に対応した具体例を以下に示す。例えば、設備管理ソリューションを或る顧客に導入した際の、顧客価値である「製造人件費削減量」の試算ロジックが以下のとおりであったとする。
製造c=設備点検人員数×人件費単価×要員稼働時間×改善効果
ここでの効果は、過去において当該ソリューションを導入した際の実際の人件費削減量すなわち実績値や、実績値が無い場合におけるソリューション構築時の想定値、とする。ここでは、上述の製造人件費削減量に関して、15%の削減効果があったとする。そしてこの試算を行うために、当該ソリューションの提案担当者は顧客に対し、設備点検人員数などをヒアリングし、その結果以下のような数値が得られたとする。
・設備点検人員数=50人
・人件費単価=2000円/人・時間
・要員稼働時間=250時間/年
この時のソリューション導入時の顧客価値は以下のように算出できる。
製造人件費削減量=50(人)×2000(円/人・時間)×250(時間/年)×15(%)=375(万円/年)
この例では、当該ソリューションの導入に伴う顧客価値は、年間375万円分の製造人件費削減量と試算できたことになる。これが基本の試算結果である。顧客価値試算部116は、さらに顧客のデジタル化成熟度を考慮し、以下のような計算を実行する。
デジタル化成熟度を考慮した顧客価値試算結果=顧客価値試算結果×w1×w2×w3×w4
ここでのw1~w4は、それぞれ、ソリューション導入実績、データの種類、量、質、に関するデジタル化成熟度に基づく重みであり、例えば以下のような値をとる。
w1、w2、w3、w4=1.0(成熟度の評価がAのとき)
または0.9(成熟度の評価がBのとき)
または0.8(成熟度の評価がCのとき)
以上の重みの数値は上記以外の値であっても良い。最終的なソリューションセット全体の顧客価値試算は、各ソリューションについて上記のように求めた重み付き顧客価値試算の総和により導かれる。
すなわち、ソリューションセットの顧客価値=Σ(デジタル化成熟度を考慮した顧客価値試算結果)
一方、ソリューションセット導入に伴うコストと納期の試算も、コスト・納期の前提条件156i3に基づき、新たに提案する顧客の状況を勘案して試算した、各ソリューションのコスト・納期に、デジタル化成熟度に対応した重みを乗算し、これらを集計することで行うものとする。
提案担当者は、試算の前提となる情報、例えば対象設備数などを顧客から予めヒアリングし、その数値を入力操作部130を介してコスト・納期試算部117に付与しているものとする。
このアプローチは、新しい顧客におけるソリューションセット導入のコスト・納期が、当該ソリューションセットを過去導入した際のコスト・納期、またはソリューションセット構築時に想定したコスト・納期と、同様のものになるという仮説に基づく。また、デジタル化成熟度については、他社導入商品との連携はコスト・納期が高くなることや、蓄積データの量や質が不十分な場合はそれをカバーするために納期やコストが増大する、といった仮説に基づく。
以下にコスト・納期の試算に関して具体例を示す。例えば設備管理ソリューションを導入した際のコスト、納期が、過去事例ではそれぞれ550万円、2ヶ月であったとする。そしてこれらの数値の算定に際しての前提条件は、設備5台でその導入コストは5.5(
百万円)、納期は2.0(月)であって、設備が1台増えるごとにコストが0.5、納期が0.2増える、というものであったとする。
この時、新しい顧客の対象設備数が10台であったとすると、コスト・納期試算部117は、コストと納期をそれぞれ以下のように計算する。
コスト=5.5+(10-5)×0.5
=8.0(百万円)
納期=2.0+(10-5)×0.2
=3.0(ヶ月)
コスト・納期試算部117は、この試算結果に対してさらに以下のように顧客のデジタル化成熟度を加味した以下の算定を行う。
デジタル化成熟度を考慮したコスト・納期試算結果=コスト・納期試算結果×(1―v1+v2+v3+v4)
ここでのv1~v4は、それぞれ、ソリューション導入実績、データの種類、量、質、に関するデジタル化成熟度によって、コストや納期がどの程度増えるか表す係数である。v1は例えば以下のような値をとる。
v1=0.7(成熟度の評価がAのとき)
または0.5(成熟度の評価がBのとき)
または0.0(成熟度の評価がCのとき)
この係数は、自社/他社の類似ソリューションの導入状況によって、導入コストや納期を割り引く処理に対応する。すなわち、成熟度がAのときは、自社の類似ソリューションが導入済みであるため、当該ソリューション導入に際してのコスト・納期は未導入時よりも小さく見積もられる。また、成熟度がBのときも、他社の類似ソリューションが導入済みであるため、当該ソリューション導入に際してのコスト・納期は未導入時よりも小さく見積もられるが、複数社にまたがるソリューションの連携にコスト・納期が追加になる可能性が高いため、成熟度Aのときと比べて割り引く数値は小さくなる。
v2、v3、v4=0.0(成熟度の評価がAのとき)
または0.2(成熟度の評価がBのとき)
または0.4(成熟度の評価がCのとき)
この係数は、顧客内で蓄積されている活用可能なデータの種類、量、質によって、導入コスト・納期を割り増す操作に対応する。すなわち、成熟度がAのときはデータが十分であるので、追加コスト・納期は発生しない。一方、成熟度がBのときは、量や質が不十分であるがデータが活用可能であるので、追加のコスト・納期が発生する。また、成熟度Cのときは、活用可能なデータが存在しないため、コストや納期が更に追加される。
例えば、或る顧客におけるデジタル化成熟度として、所定のソリューション導入状況が「他社製品導入済み(評価B)」、蓄積データの種類と量、質のそれぞれについては「評価B」であったとき、コストと納期は以下のように算出できる。
デジタル化成熟度を考慮したコスト・納期試算結果
=コスト・納期試算結果×(1―v1+v2+v3+v4)
=コスト・納期試算結果×(1-0.5+0.2+0.2+0.2)
=コスト・納期試算結果×1.1
すなわちこの状況では、当初の試算結果より10%多く見積もることとなる。最終的なソリューションセット全体のコスト・納期試算は、上記のように各ソリューションに関して算定する、重み付きコスト・納期価値試算の総和により導かれる。
すなわち、ソリューションセットのコスト・納期=Σ(デジタル化成熟度を考慮したコスト・納期)
以上述べた、本実施形態におけるデジタル化成熟度に基づく重みとしては、ソリューションに依らず統一的な値を例示したが、ソリューションごとに値が異なっているとしても良い。
また、ソリューションセット全体の顧客価値やコスト・納期は、ソリューションごとの顧客価値やコスト・納期の総和とする方法を例示したが、ソリューションの組み合わせごとに顧客価値やコスト・納期を上下させるとしても良い。例えば、複数のソリューションで共通的な基盤を共有する場合、基盤の導入は一度で済むため、ソリューションの追加導入におけるコストはより小さくなるよう処理する。
ここで図3のメインフローの説明に戻る。メインフローにおけるソリューションセット案提示ステップ(S6)では、ソリューション提示部118が、これまでのステップで導出した、顧客の課題解決に貢献するソリューションセットと、これを導入した際の顧客価値、コスト・納期の試算結果の各情報を、例えば所定のフォーマットに沿って図表化し、その結果を表示部140を介して顧客に提示し、当該顧客のソリューションセット導入の意思決定を促す。ここでのソリューション提示部118による、提示内容、方式の一例は、その画面表示例に絡めて後述する。
続いて、メインフローにおけるソリューションセット導入成果記録ステップ(S7)では、ソリューション導入事例登録部119ないし情報更新部120が実行する処理であり、ステップS6までで提案したソリューションセットの導入を顧客が決断し、実際にソリューションセットが導入された後のステップである。
本ステップでは、どの顧客にどのようなソリューションセットが導入されたか、また、その導入効果(顧客価値)やコスト・納期はどれくらいであったかなどの情報を、ソリューション導入事例登録部119が、ソリューションセット導入実績テーブル156に新たに記録する。
また、この処理と並行して、ソリューション情報テーブル153に記録されている、顧客価値や標準コスト・納期などに関する情報に更新の必要性が認められた場合、情報更新部120が、新たな事例の成果も反映した情報を情報テーブル153に記録する。ここで追記、作成された情報は、次のソリューション提案において活用される。
<画面表示例>
以下では、図を用いて本実施形態における画面表示とその操作の一例を示す。なお本実施形態では、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスを前提とした画面表示例を示すが、表示装置はこれに限定されない。
図18に、図3で示したメインフローにおける顧客課題同定ステップS2において、顧客課題同定部112が出力装置106に表示させる、顧客課題同定画面1800の一例を示す。
ここで示す顧客課題同定画面1800は、顧客の業種大分類141a、業種中分類141b、業種特徴141c、図7でも示した図表化された業種ごとの課題マップ141d、ソリューションの提案担当者または顧客により選択された課題141e、前のステップである顧客プロファイル作成ステップS1に戻るボタン141f、課題選定後に次のステップであるソリューションセット選定・設計ステップS3に移るためのボタン141g、から構成される。
また、本画面1800における上述の顧客の業種大分類141a、業種中分類141b、および、業種特徴141cの各オブジェクトは、例えば押下可能なボタンである。提案担当者や顧客がこのボタンを押すごとに、顧客課題同定部113は、当該ボタンに表示させる業種分類や特徴の値(例:こうした値は顧客プロファイルテーブル151における対応欄から取得可能)を順次切り替える。また、そうした操作に伴い、課題マップ141dも更新する。
また、本画面中に図示している指141hは、上述の提案担当者または顧客が、画面上で顧客課題の選択動作を行っている指のイメージを示している。提案担当者と顧客は、課題マップ141dを閲覧しつつ、顧客が興味を示す課題や、顧客にとって重要な課題を議論し、指によるタッチ動作で選択を行う。またその選択後、ボタン141gが押下されると、顧客プロファイルテーブル151は、ソリューションセット選定・設計ステップS3に処理を遷移させる。あるいは課題マップ141d中に、顧客が関心を示す課題が存在しない場合、提案担当者や顧客の所定動作を受けて別の業種の課題マップ141dに切り替えるか、或いはフローを終了することとなる。上述の所定動作とは、提案担当者や顧客による、ボタン141a、141b、141cの押下動作である。
続いて図19に、本実施形態におけるソリューションセット画面1900の例を示す。このソリューションセット画面1900は、ソリューションセット選定・設計ステップS3においてソリューションセット設計部114が作成したソリューションセットの情報を出力する画面である。
本画面1900は、既に述べた課題同定画面141と同様の、顧客の業種大分類141a、業種中分類141b、業種特徴141c、ソリューションの提案担当者または顧客により選択された課題142e、に加えて、ソリューションセットの表示部142a、ソリューションの紹介情報表示部142b、KPIツリーを用いてソリューションが顧客のどの経営・業務KPIの改善に繋がるか示すKPIツリー表示部142c、前ステップへの遷移ボタン142d、および、次ステップへの遷移ボタン142e、から構成される。
本画面1900では、ソリューションセット設計部114により作成された、顧客の関心課題に適合したソリューションセットの構成を提示する。これにより上述の提案担当者は、個々のソリューションの概要や、ソリューション間の関係性を顧客に説明し、その理解を促す。
また、ファイル保存領域160に限らず、イントラネットやインターネット(ワールドワイドウェブ)、企業や組織内で運用されているNASやウェブストレージに、ソリューションの紹介資料が存在するものとする。この場合、そうした紹介資料の格納先URLが、当該紹介資料の紹介対象であるソリューションに関するオブジェクト(例:ソリューションセットの表示部142aで表示されているもの)に埋め込まれており、紹介資料とソリューションセット画面1900の各オブジェクトとの間で連動が図られている。したがって、提案担当者や顧客が、所定のソリューションのオブジェクトに対してクリック等の選択操作をすると、顧客課題同定部113は、そのソリューションの紹介資料を格納先から呼び出し、紹介情報表示部142bとしてポップアップ形式で画面表示する。この場合、顧客課題同定部113は、当該ソリューションに関してKPIツリーを生成し、これをKPIツリー表示部142cとして同様に表示する。
提案担当者と顧客との議論の結果、提示したソリューションセットが有望との結論に至った場合、提案担当者または顧客はボタン142eを押して、次のステップに進む。あるいは当該ソリューションセットが有望ではないと判断した場合、前ステップの顧客課題の同定からやり直すか、フローを終了させる。
続いて図20に、顧客デジタル化成熟度分析部115が顧客デジタル化成熟度を分析する際に用いる、顧客デジタル化成熟度分析画面2000一例を示す。
本画面2000は、顧客デジタル化成熟度分析の基準となる提案中のソリューションセットを表示する表示部143a、ソリューション毎に構成されたデジタル化成熟度分析のためのヒアリングシート143b、ヒアリングシート切り替えタブ143c、ヒアリングシート内のヒアリング結果の入力領域153d、前ステップへの遷移ボタン143e、および、次ステップへの遷移ボタン143f、から構成されている。
この場合の提案担当者は、本画面2000に表示されているヒアリングシート143bに基づき、顧客のデジタル化成熟度分析のための情報をヒアリングする。また、このヒアリングの結果については、ヒアリング結果入力領域143dに入力する。
提案担当者は、こうした操作を、ソリューションセットが含む全てのソリューションに対して行い、成熟度分析が終了したらボタン143fを押して次のステップに進む。提案担当者は、デジタル化成熟度分析の過程で、当該顧客のデジタル化が全く進んでいないことが判明した場合や、当該顧客の投資意欲が小さいことが判明した場合、提案活動を中止する。
続いて図21に、顧客価値試算部116とコスト・納期試算部117によって、ソリューションセットの顧客価値とコスト・納期が試算される際に用いられる、顧客価値・コスト・納期試算画面2100の一例を示す。
本画面2100は、ソリューション単位で顧客価値を試算する領域144a、試算の前提条件を提示する領域144b、ソリューションのコスト・納期を試算する領域144c、ソリューション切り替えタブ144d、前ステップへの遷移ボタン144e、および、次ステップへの遷移ボタン144f、から構成される。
この場合の提案担当者は、前提条件144bを参照しながら顧客価値やコスト・納期に必要な情報を顧客からヒアリングし、その数値を本画面2100の該当欄に入力することとなる。また、こうした入力の値に基づく試算結果は、顧客に適宜開示し、その数値の妥当性を議論しながら、試算結果の精度を高めていくことになる。
こうした顧客価値やコスト・納期に関する試算が、ソリューションセットに含まれる全てのソリューションに対して実行されたならば、提案担当者らはボタン144fを押して次ステップに進む。この段階で顧客価値が顧客が求めるものに比べて過剰に低い場合や、あるいはコスト・納期が所定の基準を満たしていない場合、提案担当者は前ステップに戻ってソリューションセットの作り直しを指示するか、あるいは提案活動を中止する。
図22に、ソリューション提示部118によって出力装置106において表示される、ソリューションセット・試算結果提示画面2200の一例を示す。
この画面2200は、ソリューションセットの顧客価値、コスト、納期の試算結果を示す領域145a、KPIツリーを用いてソリューションセットがどの経営・業務KPI改善に繋がるか示すKPIツリー表示領域145b、および、前ステップへの遷移ボタン145c、から構成されている。
この場合の提案担当者は、本画面2200を用いて、ソリューションセット導入時の顧客価値やコスト・納期を顧客に説明し、当該ソリューションセットの導入に関する顧客の意思決定を促す。またこの際、KPIツリー表示領域145bで示されるKPIツリーを説明に用いることで、当該ソリューションが、顧客経営層における関心事項である経営課
題解決に繋がることもあわせてアピールし、顧客経営層の投資判断を促す。ここで示すソリューションの顧客価値やコスト・納期が顧客に受け入れられない場合、提案担当者は前ステップに戻って試算をやり直す指示を行うか、提案活動を中止する。
図22の画面2200を用いることで、ソリューションセット導入提案に成功した場合、それ以降に、具体的なソリューションの設計や契約、実装、開発、運用などが行われる。そこでの導入実績はデジタルソリューション提案支援装置100にフィードバックされるが、このフィードバック操作は、情報入力・更新に関する一般的な業務アプリケーションと同等のものであれば十分である。
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
こうした本実施形態によれば、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値を的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、前記ソリューション情報として、デジタルソリューション間でのデータの入出力関係の情報を更に保持しており、前記演算装置は、前記特定したデジタルソリューションの実行に必要な入力データの提供元となりうる、他のデジタルソリューションを、前記ソリューション情報が示す、デジタルソリューション間のデータの入出力関係に基づき特定し、前記特定したデジタルソリューションおよび前記他のデジタルソリューションの情報を、前記所定顧客が導入すべきデジタルソリューションのセットに関する情報として所定装置に出力する処理を更に実行するものである、としてもよい。
これによれば、顧客において導入が必要となるデジタルソリューションのセットを的確に特定し、これを提示することが可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、前記顧客価値それぞれの間の関係性を、当該顧客価値の概念の包含関係および影響の正負で規定した顧客価値構造の情報を更に格納するものであり、前記演算装置は、前記特定したデジタルソリューションの導入に伴い生じる顧客価値を起点に、前記包含関係において前記顧客価値より上位または下位に位置する他の顧客価値であって、前記顧客価値との間で正の影響が及ぶものを特定し、前記特定した他の顧客価値それぞれを生じる他のデジタルソリューションを前記ソリューション情報から特定し、前記特定したデジタルソリューションおよび前記他のデジタルソリューションの情報を、前記所定顧客が導入すべきデジタルソリューションのセットに関する情報として所定装置に出力する処理を更に実行するものである、としてもよい。
これによれば、課題解決に必要なデジタルソリューションのセットとして、顧客価値を最大化できるものを特定し、これを提示することが可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、業種と当該業種における業務との関係において想定される課題を規定した顧客課題構造の
情報を更に格納するものであり、前記演算装置は、前記所定顧客に関して保持する当該顧客の業種に関する情報を、前記顧客課題構造の情報に照合して、当該業種における各業務およびそれにおける課題を特定し、前記特定した各業務およびそれにおける課題の各情報を所定のインターフェイスにて表示し、このインターフェイスを介して当該所定顧客からの課題の指定を受け付けるものである、としてもよい。
これによれば、顧客に対して、その所属業種における業務に特有の課題をわかりやすく提示し、そこから顧客が重要と認識している課題について指定を受け付けることが可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、前記ソリューション情報として、デジタルソリューションの導入コストおよび納期の算定用情報を更に保持しており、前記演算装置は、前記特定したデジタルソリューションに関する、前記導入コストおよび前記納期の算定用情報に、前記所定顧客に関して保持する前記デジタルソリューション導入に必要なリソースの情報を適用して、前記特定したデジタルソリューションに関する導入コストおよび納期を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの低さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の導入コストおよび納期を特定する処理、および、前記特定した導入コストおよび納期の情報を所定装置に出力する処理、を更に実行するものである、としてもよい。
これによれば、デジタルソリューションの導入コストおよび納期に関しても、当該顧客におけるデジタル化成熟度を反映させ、特定することが可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、所定の課題に対するデジタルソリューションの導入に伴い実現された顧客価値の実績値を、当該顧客およびその業種と対応付けて蓄積しており、前記演算装置は、前記算定ロジックの特定に際し、前記指定を受けた前記課題に関するデジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを、当該課題に関して記憶装置で蓄積された実績値から特定するものである、としてもよい。
これによれば、実績値に基づきデジタルソリューションや顧客価値の算定ロジックを特定し、これを今次の顧客価値の算定に活用可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、所定の課題に対するデジタルソリューションの導入に伴う、導入コストおよび納期のそれぞれの算定用情報の実績値を、当該顧客およびその業種と対応付けて蓄積しており、前記演算装置は、前記導入コストおよび納期の試算に際し、前記特定したデジタルソリューションに関する、前記導入コストおよび前記納期の算定用情報の実績値に、前記所定顧客に関して保持する前記デジタルソリューション導入に必要なリソースの情報を適用して、前記特定したデジタルソリューションに関する導入コストおよび納期を試算するものである、としてもよい。
これによれば、実績値に基づき導入コストや納期の算定用情報を特定し、これを今次の導入コストや納期の算定に活用可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタル
ソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
また、本実施形態のデジタルソリューション提案支援装置において、前記記憶装置は、前記顧客価値それぞれの間の関係性を、当該顧客価値の概念の包含関係および影響の正負で規定した顧客価値構造の情報を更に格納するものであり、前記演算装置は、前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力するに際し、当該顧客提示用の顧客価値の情報を、前記顧客価値構造と対応付けて出力するものである、としてもよい。
これによれば、特定したデジタルソリューション、その顧客価値といった情報を、顧客課題構造と対応付けて顧客に提示することが可能となる。顧客としては、顧客価値構造の全体像を踏まえつつ、課題解決に好適なデジタルソリューションとその顧客価値について容易に理解することが可能となる。ひいては、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値をさらに的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることが可能となる。
100 デジタルソリューション提案支援装置
101 メモリ
102 記憶装置
103 プログラム
104 演算装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信装置
110 情報処理部
111 情報検索部
112 顧客プロファイル作成部
113 顧客課題同定部
114 ソリューションセット設計部
115 デジタル化成熟度分析部
116 顧客価値試算部
117 コスト・納期試算部
118 ソリューション提示部
119 ソリューション導入事例登録部
120 情報更新部
130 入力操作部
140 表示部
150 情報データベース
151 顧客プロファイルテーブル
152 顧客課題構造テーブル
153 ソリューション情報テーブル
154 顧客価値構造テーブル
155 ソリューションセット情報テーブル
156 ソリューション導入実績テーブル
160 ファイル保存領域

Claims (9)

  1. 顧客課題と、その解決手段たるデジタルソリューション、および、デジタルソリューション導入時の顧客価値の算定ロジックと、を対応付けて規定したソリューション情報と、顧客ごとのデジタルソリューションの導入および所定データの蓄積の少なくともいずれかのレベルを示すデジタル化成熟度の情報を保持する顧客プロファイルテーブルと、を格納した記憶装置と、
    所定のインターフェイスを介して指定を受けた所定顧客における課題に関し、デジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを前記ソリューション情報から特定する処理、前記特定した算定ロジックの入力値として当該顧客に関し前記顧客プロファイルテーブルで保持している所定の属性値を適用して顧客価値を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの高さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の顧客価値を特定する処理、および、前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力する処理、を実行する演算装置と、
    を備えることを特徴とするデジタルソリューション提案支援装置。
  2. 前記記憶装置は、
    前記ソリューション情報として、デジタルソリューション間でのデータの入出力関係の情報を更に保持しており、
    前記演算装置は、
    前記特定したデジタルソリューションの実行に必要な入力データの提供元となりうる、他のデジタルソリューションを、前記ソリューション情報が示す、デジタルソリューション間のデータの入出力関係に基づき特定し、前記特定したデジタルソリューションおよび前記他のデジタルソリューションの情報を、前記所定顧客が導入すべきデジタルソリューションのセットに関する情報として所定装置に出力する処理を更に実行するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  3. 前記記憶装置は、
    前記顧客価値それぞれの間の関係性を、当該顧客価値の概念の包含関係および影響の正負で規定した顧客価値構造の情報を更に格納するものであり、
    前記演算装置は、
    前記特定したデジタルソリューションの導入に伴い生じる顧客価値を起点に、前記包含関係において前記顧客価値より上位または上位または下位に位置する他の顧客価値であって、前記顧客価値との間で正の影響が及ぶものを特定し、前記特定した他の顧客価値それぞれを生じる他のデジタルソリューションを前記ソリューション情報から特定し、前記特定したデジタルソリューションおよび前記他のデジタルソリューションの情報を、前記所定顧客が導入すべきデジタルソリューションのセットに関する情報として所定装置に出力する処理を更に実行するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  4. 前記記憶装置は、
    業種と当該業種における業務との関係において想定される課題を規定した顧客課題構造の情報を更に格納するものであり、
    前記演算装置は、
    前記所定顧客に関して保持する当該顧客の業種に関する情報を、前記顧客課題構造の情報に照合して、当該業種における各業務およびそれにおける課題を特定し、前記特定した各業務およびそれにおける課題の各情報を所定のインターフェイスにて表示し、このインターフェイスを介して当該所定顧客からの課題の指定を受け付けるものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  5. 前記記憶装置は、
    前記ソリューション情報として、デジタルソリューションの導入コストおよび納期の算定用情報を更に保持しており、
    前記演算装置は、
    前記特定したデジタルソリューションに関する、前記導入コストおよび前記納期の算定用情報に、前記所定顧客に関して保持する前記デジタルソリューション導入に必要なリソースの情報を適用して、前記特定したデジタルソリューションに関する導入コストおよび納期を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの低さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の導入コストおよび納期を特定する処理、および、前記特定した導入コストおよび納期の情報を所定装置に出力する処理、を更に実行するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  6. 前記記憶装置は、
    所定の課題に対するデジタルソリューションの導入に伴い実現された顧客価値の実績値を、当該顧客およびその業種と対応付けて蓄積しており、
    前記演算装置は、
    前記算定ロジックの特定に際し、前記指定を受けた前記課題に関するデジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを、当該課題に関して記憶装置で蓄積された実績値から特定するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  7. 前記記憶装置は、
    所定の課題に対するデジタルソリューションの導入に伴う、導入コストおよび納期のそれぞれの算定用情報の実績値を、当該顧客およびその業種と対応付けて蓄積しており、
    前記演算装置は、
    前記導入コストおよび納期の試算に際し、前記特定したデジタルソリューションに関する、前記導入コストおよび前記納期の算定用情報の実績値に、前記所定顧客に関して保持する前記デジタルソリューション導入に必要なリソースの情報を適用して、前記特定したデジタルソリューションに関する導入コストおよび納期を試算するものである、
    ことを特徴とする請求項5に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  8. 前記記憶装置は、
    前記顧客価値それぞれの間の関係性を、当該顧客価値の概念の包含関係および影響の正負で規定した顧客価値構造の情報を更に格納するものであり、
    前記演算装置は、
    前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力するに際し、当該顧客提示用の顧客価値の情報を、前記顧客価値構造と対応付けて出力するものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタルソリューション提案支援装置。
  9. 顧客課題と、その解決手段たるデジタルソリューション、および、デジタルソリューション導入時の顧客価値の算定ロジックと、を対応付けて規定したソリューション情報と、顧客ごとのデジタルソリューションの導入および所定データの蓄積の少なくともいずれかのレベルを示すデジタル化成熟度の情報を保持する顧客プロファイルテーブルと、を格納した記憶装置を備える情報処理装置が、
    所定のインターフェイスを介して指定を受けた所定顧客における課題に関し、デジタルソリューションおよびその導入時の顧客価値の算定ロジックを前記ソリューション情報から特定する処理と、前記特定した算定ロジックの入力値として当該顧客に関し前記顧客プロファイルテーブルで保持している所定の属性値を適用して顧客価値を試算し、前記デジタル化成熟度の情報が示す前記レベルの高さに応じた所定係数を、前記試算の結果に適用することで、顧客提示用の顧客価値を特定する処理と、前記特定したデジタルソリューションおよび前記顧客提示用の顧客価値の情報を所定装置に出力する処理と、
    を実行することを特徴とするデジタルソリューション提案支援方法。
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