JP7390337B2 - デジタルソリューション選定装置及びデジタルソリューションを選定する方法 - Google Patents

デジタルソリューション選定装置及びデジタルソリューションを選定する方法 Download PDF

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Description

本発明は、デジタルソリューション選定装置及び手法に関するものである。
現在あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビジネスモデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディに進めていくことが求められている。
企業がDXを実現するためには、データを適切な形で作り、蓄積し、活用する体制を整えるために適切なデジタルソリューションを段階的に導入する必要がある。そして各企業はDXを効率的・効果的に実現したいが、現在は一部の業務のデジタル化に留まり企業全体でのデジタル化の取り組みに留まっている。
そこで、こうした問題に対処する従来技術として、例えば、顧客の課題解決に有用なデジタルソリューションやその顧客価値を的確に特定、提示し、良好な精度でのデジタルソリューションの提案支援を図ることを目的として、顧客課題と、その解決手段たるデジタルソリューション、及び、デジタルソリューション導入時の顧客価値と、顧客ごとのデジタル化成熟度の情報から、導入すべきデジタルソリューションとその導入時の顧客価値を特定し、顧客へ提示することを特徴とするデジタルソリューション提案支援装置が提案されている。
特開2019-212082号公報
一方DXにはデジタルソリューションを導入するだけでなく、データやデジタル技術を活用して製品やサービスだけでなくビジネスモデルや業務そのもの、組織、プロセス、企業文化・風土といった企業活動全体の変革という観点が含まれている。例えば、経済産業省が策定したDX推進指標でも、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義している。
しかしながら、従来技術においてはソリューション間のデータの繋がりといったIT基盤に関するデジタル化成熟度のみに着目してデジタルソリューションの選定を行っており、業務の一部のデジタル化に留まり、例えば全社単位でのデジタル化の取り組みの検討が十分に行えない。
従って、DXを実現するために適切なデジタルソリューションの組合せを迅速かつ的確に特定できる技術が望まれる。
本発明の一態様は、導入順序に従って組織に導入する複数のデジタルソリューションを選定する、デジタルソリューション選定装置であって、1以上の演算装置と、1以上の記憶装置と、を含み、前記1以上の記憶装置は、複数のデジタルソリューションの情報を含む、ソリューション情報を格納し、前記複数のデジタルソリューションの各デジタルソリューションの情報は、各デジタルソリューションの対象課題と、各デジタルソリューションの導入に必要な、複数軸における前提デジタル化成熟度と、各デジタルソリューションにより実現される、前記複数軸における実現デジタル化成熟度と、を示し、前記1以上の演算装置は、組織の関心課題を特定し、前記対象課題が前記関心課題に一致する最終デジタルソリューションを、前記ソリューション情報から選択し、導入順序における直前のデジタルソリューションの前記複数軸における実現デジタル化成熟度それぞれが、直後のデジタルソリューションの前記複数軸における前提デジタル化成熟度以上であるように、前記最終デジタルソリューションから、前記導入順序と逆に、1以上のデジタルソリューションを前記ソリューション情報から順次選択して、デジタルソリューションセットに含める。
本発明の一態様によれば、DXを実現するために適切なデジタルソリューションの組合せを迅速かつ的確に特定できる。
本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置の機能構成例を示す図である。 本実施形態におけるデジタルソリューション選定手法のフロー例を示す図である。 本実施形態における企業プロファイルテーブルの例を示す図である。 本実施形態における関心課題特定のフロー例を示す図である。 本実施形態における課題構造テーブルの例を示す図である。 本実施形態における顧客課題構造を図表化した例を示す図である。 本実施形態におけるデジタル化成熟度診断のフロー例を示す図である。 本実施形態におけるデジタル化成熟度診断テーブルの例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット設計のフロー例を示す図である。 本実施形態におけるソリューション情報テーブルの例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセットのデータ構造の例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセットツリーテーブルの例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット情報テーブルの例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセットの提示形態の例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット評価のフロー例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット導入実績テーブルの例を示す図である。 本実施形態における企業プロファイル作成画面の例を示す図である。 本実施形態における関心課題特定画面の例を示す図である。 本実施形態におけるデジタル化成熟度診断画面の例を示す図である。 本実施形態におけるソリューションセット提示画面の例を示す図である。 本実施形態における個別のソリューションセットを提示する例を示す図である。 本実施形態における個別のソリューションセットとセット中の個別ソリューション情報を提示する例を示す図である。
以下においては、便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
本システムは、物理的な計算機システム(一つ以上の物理的な計算機)でもよいし、クラウド基盤のような計算リソース群(複数の計算リソース)上に構築されたシステムでもよい。計算機システムあるいは計算リソース群は、1以上のインターフェイス装置(例えば通信装置及び入出力装置を含む)、1以上の記憶装置(例えば、メモリ(主記憶)及び補助記憶装置を含む)、及び、1以上の演算装置を含む。
プログラムが演算装置によって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/またはインターフェイス装置等を用いながら行われるため、機能は演算装置の少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、演算装置を有するシステムが行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機または計算機が読み取り可能な記憶媒体(例えば計算機読み取り可能な非一過性記憶媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
以下において、デジタルソリューションを選定する手法を説明する。本明細書の一実施形態に係るシステムは、企業等の組織のデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)実現に適切なデジタルソリューションとその導入順序を特定、提示する。適切なデジタルソリューションの提示のため、システムは、企業の業務のデジタル化状況やIT基盤の整備状況、組織・文化のデジタル化状況を的確に特定し、各デジタル化状況をより高度にする。
DXにはデジタルソリューションを導入するだけでなく、データやデジタル技術を活用して製品やサービスだけでなくビジネスモデルや業務そのもの、組織、プロセス、企業文化・風土といった企業活動全体の変革という観点が含まれている。
DXの実現には、経営課題や現場課題のような組織全体のそれぞれの課題の関係性を明らかにし、DXのあるべき姿を実現するためにどのようなDXのアクションから初めてどのように改革を進めるか、デジタル技術やデータの蓄積という観点でのロードマップを描くことが重要である。DXのロードマップを描くためには、組織全体のあるべき姿を具体的に描き、現状をデジタル化成熟度として定量的に評価し、あるべき姿と現状のギャップを埋めるために必要なアクションを定める必要がある。
上述したデジタル化成熟度には、複数の観点が存在する。例えば、一つの観点の例は、企業の業務においてデジタル機器やシステムがどの程度導入されているか、あるいはデジタルソリューションが生み出し、活用するデジタルデータがどの程度蓄積されているかというIT基盤に関する観点である。他の一つの観点の例は、企業の業務プロセス自体がどの程度デジタルソリューションを活用する物となっているかという業務に関する観点である。他の一つの観点の例は、データやシステムを活用した評価制度や組織体制にどの程度デジタル技術が浸透しているかという組織・文化に関する観点である。
本明細書の一実施形態に係るシステムは、DXを実現して最終的にあるべき姿と現状のデジタル化成熟度のギャップをより正確に評価し、DXの実現に必要なデジタルソリューションとその導入順序を記述することで、デジタルソリューションの導入/提案を支援することを可能とする。
<前提>
ここでは本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置及び選定方法に関し想定する前提について概説する。
ここで、本実施形態におけるデジタルソリューションの定義を述べる。本実施形態のデジタルソリューションは、デジタルデータの収集・統合・分析及び分析結果に基づく情報システムや装置の制御を行う、装置やソフトウェア、情報システムを総称したものである。
すなわち、各種デジタルデータを計測するセンサや人工知能のように、多数のデジタルデータを統合・分析するソフトウェア・情報システムや、顧客の業務全般を支える基幹システムもデジタルソリューションの概念に含まれるものとする。
こうしたデジタルソリューションの中には、短期間のうちに低コストで容易に導入できるものもあれば、多数の情報システムや設備との連携が必要な大規模なものも含まれる。しかし、企業活動全体の変革であるDXを実現するためには最終的には大規模なデジタルソリューションの導入が必要になる。
大規模なソリューションをいきなり導入することは業務全体への影響が大きい。小規模なソリューションを段階的に部署や業務ごとに導入を進めることで、業務全体への影響を小さくすることができる。企業がDX推進の検討を行う際には、様々な規模のソリューションをどのような順番で導入すればよいかといったロードマップを検討することが重要である。このロードマップは、デジタルソリューション導入の過程で、どのように価値が実現され、顧客のデジタル化成熟度が向上していくか、導入に関する予算や導入期間はどのように積み上がっていくかなども含むことが重要である。
企業によっては、既にデジタルソリューションを導入している場合がある。その場合、デジタルソリューションの運用に伴って業務プロセスが変化し、また企業内にデジタルデータが蓄積されている。そのため、業務進捗の評価や業務推進体制を始めとする企業文化が変化している可能性がある。DXに繋がるデジタルソリューションの選定を新しく行う場合でも、企業にどの程度デジタルソリューションの導入が進んでいるというデジタル化の成熟度を考慮し、適切なデジタルソリューションの選定と導入ロードマップを提案することが重要である。
本実施形態のデジタルソリューション選定装置の利用目的の一つは、企業の経営課題及び現場課題を解決するデジタルソリューションを選定し、その実現価値を導出することにより、企業のDXを実現するデジタルソリューションの導入意思決定を促すことにある。
また、デジタルソリューション選定装置の想定利用者は、DXを実現したい企業の経営者や推進担当者、また、顧客のDXを実現するためにデジタルソリューションの営業・拡販を担う営業担当者ならびにコンサルタント、システムエンジニアを含む。
なお、本実施形態にて取り扱うデジタルソリューションは、過去において所定の顧客に導入され、価値があることを実証されたものであるとする。こうしたデジタルソリューションの導入実績は、デジタルソリューション選定装置において整理・蓄積されている。これら既存のデジタルソリューションの既存の組み合わせ又は新たな組み合わせが提案される。
本実施形態は、デジタル化成熟度を複数数の状況(指標又は軸)、より具体的には3つの状況(指標又は軸)において評価する。第1の状況は、データやシステムを活用した評価制度や組織体制にどの程度デジタル技術が浸透しているかという組織・文化の状況である。第2の状況は、企業の業務プロセス自体がどの程度デジタルソリューションを活用する物となっているかという業務の状況である。第3の状況は、企業の業務においてデジタル機器やシステムがどの程度導入されているか、あるいはデジタルソリューションが生み出し、活用するデジタルデータがどの程度蓄積されているかというIT基盤の状況である。
ここで、本実施形態における価値の定義を述べる。本実施形態では、デジタルソリューション導入により生まれる価値を、企業の経営・業務KPI(Key Performance Indicator)の改善効果とする。なお、価値は、他の方法により定義されてもよい。
ここでの経営・業務KPIは、例えば、営業利益率や売り上げ高、製造原価、設備稼働率などである。よって、その改善効果は、例えば、「KPIの○○が15%改善」や「KPIの○○が500万円削減」などといった形で表現される。複数存在する経営・業務KPIのそれぞれは互いに関連性があり、例えば、個々の業務に関する下位のKPIを改善することで、経営全体に関する上位のKPIも改善されることになる。
企業がデジタルソリューション導入の意思決定をする際には、直接的な経営・業務KPI改善効果に加えて、上位の経営・業務KPIの改善効果も試算することで、企業の円滑な意思決定を促すことが可能になる。
以下、こうした前提を踏まえて、本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置及びデジタルソリューション選定方法の具体的な構成について述べる。なお、本実施形態では、精密機器製造業の企業向けのデジタルソリューションを選定する状況を題材とするが、対象とする顧客業種に制約はなく、DXの対象組織は企業に限定されず、企業のように、対象組織は複数の内部組織を含むことができる。また、特に断りの無い場合、デジタルソリューションのことを単にソリューションと表記する。
<ハードウェア構成例>
図1は本実施形態のデジタルソリューション選定装置100のハードウェア構成例を示す図である。図1に示すデジタルソリューション選定装置100は、利用者がDXを実現するソリューション導入検討を実施する上で、課題の分析、企業のデジタル化成熟度の算出、課題及び成熟度に応じたソリューションの選定・設計、及びソリューションの価値を試算・提示するための装置である。具体的には、パーソナルコンピュータの他、タブレット、スマートフォンなどの携帯型情報端末、サーバーやクラウド上の仮想情報処理装置などを使用できる。
デジタルソリューション選定装置100は、RAMなど揮発性記憶素子で構成されるメモリ(主記憶装置)101、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される記憶装置102を含む。デジタルソリューション選定装置100は、さらに、補助記憶装置102に保持されるプログラム103をメモリ101に読み出すなどして実行し装置事態の統括制御を行うとともに、各種判定、演算及び制御処理を行うCPUなどの演算装置104を含む。
さらに、デジタルソリューション選定装置100は、装置利用者からの入力動作を受け付けるキーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置105、利用者に対して処理結果を表示するディスプレイなどの出力装置106、及び、適宜なネットワークに接続しデータをやり取りするための通信装置107を備えている。但し、デジタルソリューション選定装置100がスタンドアロンマシンとして稼働する場合、上述の通信装置107は不要である。
なお、補助記憶装置102内には、本実施形態のデジタルソリューション選定装置100として必要な機能を実装するためのプログラム103、各種処理に必要なデータを格納した情報データベース150が格納されている。補助記憶装置102、さらに、デジタルソリューション選定装置100に登録されている各種電子ファイルの保存領域160を含む。
情報データベース150には、後述するテーブル151~157が格納されている。また、ファイル保存領域160は、本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置100に固有のものであっても良いし、また企業や組織内で運用されているNAS(Network Attached Storage)などのネットワークストレージや、ウェブストレージなどに確保されてもよい。
<機能構成>
続いて、本実施形態のデジタルソリューション選定装置100が備える機能について説明する。以下に説明する機能は、例えばデジタルソリューション選定装置100の演算装置104が、プログラム103を実行することにより実装される。
図2に、本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置100の機能構成例を示す。本実施形態におけるデジタルソリューション選定装置100が備える機能は、情報処理部110、入力操作を受け付ける入力操作部130、及び、情報処理結果を表示する表示部140を含む。
情報処理部110は、情報検索部111、企業プロファイル作成部112、案件情報登録部113、関心課題特定部114、デジタル化成熟度診断部115、ソリューションセット設計部116、ソリューションセット評価部117、ソリューションセット登録部118、ソリューションセット提示部119、及び情報更新部120を含む。
このうち情報検索部111は、入力操作部130が受け付けた課題の構造化、ソリューション設計、顧客価値試算などの際の各種入力操作に応じて、情報データベース150内のテーブルやファイル保存領域160内の電子データを検索する。
企業プロファイル作成部112は、ソリューションの導入対象となる企業のプロファイル情報を作成する。企業プロファイル作成部112は入力操作部130で受け付けた、デジタルソリューション導入対象の企業に関する種々の情報を企業プロファイル情報として構造化し、情報データベース150に格納する。
案件情報登録部113は、ソリューションを導入した結果の事例を記録する。案件情報登録部113は、企業に対するソリューション導入が成功した後に、ソリューションを導入した際の成熟度の向上や実際の価値や予算・納期を情報データベース150に格納する。
関心課題特定部114は、経営・業務上の課題を整理する。関心課題特定部114は、企業の業種や業界ごとの代表的な顧客課題の一覧を情報データベース150から読み取り、入力操作部130が受け付けた入力操作に応じて、課題一覧から顧客が関心を示す重要な顧客課題を特定・整理する。関心課題特定部114は、特定した課題を情報データベース150に格納する。
デジタル化成熟度診断部115は、企業のデジタル化成熟度を診断する。デジタル化成熟度診断部115は、業種や業界ごとの企業のデジタル化成熟度を診断するための評価設問を情報データベース150から読み取り、表示部140に出力する。出力した情報に関して入力操作部130が受け付けた入力操作に応じて、回答を情報データベース150に保存する。
また、デジタル化成熟度診断部115は、保存した回答を元にして、組織・文化の状況、業務の状況及びIT基盤の状況の3つの軸で企業のデジタル化成熟度を導出し、成熟度情報を情報データベース150に格納する。組織・文化の状況は、データやシステムを活用した評価制度や組織体制にどの程度デジタル技術が浸透しているかを示す。
業務の状況は、企業の業務プロセス自体がどの程度デジタルソリューションを活用する物となっているかなどを示す。IT基盤の状況は、企業の業務においてデジタル機器やシステムがどの程度導入されているか、あるいはデジタルソリューションが生み出し、活用するデジタルデータがどの程度蓄積されているかなどを示す。なお、成熟度軸の数は3に限らず、3より少ない又は多くてもよい。
ソリューションセット設計部116は、複数のソリューションを選定しそれらの組み合わせ(ソリューションセット)を導出する。ソリューションセット設計部116は、情報データベース150に格納されている企業の関心課題に応じて、その課題解決につながるソリューションを情報データベース150から検索・取得する。またソリューション間のデータの入出力関係、前提条件、実現成熟度情報から、企業の課題を解決しかつ成熟度を段階的に向上させるような一連のソリューションをソリューションセットとして、情報データベース150に格納する。
ソリューションセット評価部117は、ソリューションセット設計部116で選定・設計したソリューションを導入した際の価値及びコスト、並びに納期を試算する。ソリューションセット評価部117は、デジタル化成熟度診断部115で求めたデジタル化成熟度、情報データベース150に格納されているデジタルソリューションの導入実績情報、経営・業務KPIの関係性で表される価値の構造、及びソリューション情報、並びに入力操作部130を介して受け付けた各業界・企業固有の各種指標をもとに、ソリューションの導入効果を試算し、その結果を情報データベース150に格納する。
ソリューションセット登録部118は、ソリューションセット評価部117で評価された価値、コスト、納期の情報を情報データベース150に格納する。
ソリューションセット提示部119は、価値、コスト、納期を試算結果とともに、選定・設計したソリューションセットを提示する。ソリューションセット提示部119は、情報データベース150に格納されている、課題とその解決に必要なソリューションセット、顧客デジタル化成熟度、ソリューション導入時の価値及び予算・納期の試算結果に関する情報を可視化・構造化し、表示部140を介して提示する。
情報更新部120は、本実施形態のデジタルソリューション選定装置100の利用の過程で、情報データベース150内のテーブルの内容更新が必要になった場合テーブルの情報を更新する。情報更新部120は、一連のソリューション提案や導入にあわせて、情報データベース150に格納されている課題構造や価値構造、ソリューション情報、ソリューション導入実績などの各種情報について、その更新が必要になった際に情報データベース150を更新する。
なお、これらの機能が適宜利用する、顧客やソリューションなどに関するデータは、情報データベース150に蓄積されている。また、ファイル保存領域160には、デジタルソリューション選定装置100に登録されている文書や画像、音声、動画などの各種電子ファイルが保存されている。
<テーブルのデータ構造概要>
情報データベース150における各テーブルの具体的なデータ構造例については、以降のフローに関する説明に伴って後述する。ここでは、各テーブルの概要について説明する。本実施形態における情報データベース150は、6つのテーブルを含む。
企業プロファイルテーブル151は、本実施形態におけるソリューション導入検討先の企業の属性やデジタル化成熟度、業務、関心課題、導入したソリューションなどを企業や案件ごとに整理した企業プロファイルが記録されている。
また、本実施形態における企業のデジタル化成熟度は組織・文化、業務、IT基盤の3つの軸で評価する。各テーブル上に格納する際には、各3軸のレベルを括弧で囲む。例えば組織・成熟度がレベル1、業務成熟度がレベル2、IT基盤成熟度がレベル3である場合、(1,2,3)といった形で格納する。以下文中でも同様の表記を用いるものとする。
課題構造テーブル152は課題構造情報であり、業種や業界ごとにビジネス上重要な各業務の課題一覧が記録されている。
デジタル化成熟度診断テーブル153は、デジタル化成熟度診断情報であり、顧客の業種や業態に合わせてデジタル化成熟度を診断するために必要な設問一覧が記録されている。
ソリューション情報テーブル154は、提案可能なソリューションごとに、対象となる業務や課題、導入の前提となる成熟度とソリューション導入で実現する成熟度、想定される価値やコスト、納期、入出力データなどが記録されている。
ソリューション導入実績テーブル157は、過去のソリューション導入実績について、その導入ソリューションの一覧や導入効果、コスト、納期などが記録されている
<処理フロー例>
本実施形態における、デジタルソリューション選定手法のメインの処理フロー例を図3に示す。この処理フローは、利用者の本システムの利用開始時点における所定の処理から、ソリューションの選定、提案、ソリューション導入実績の蓄積に至る一連の流れを含む。ソリューション提案後の契約作業やソリューションの詳細設計、実装、導入、運用などは本実施形態において支援するものではない。ただし、これらの活動において参照可能な、過去のソリューション導入時の契約書や設計書、プログラム、設定ファイルなどのデータは、ソリューションの導入実績を記録する際にあわせてファイル保存領域160に蓄積し、それを新しい案件においても再利用してもよい。
まず、本フローの企業情報検索ステップ(S1)において、情報検索部111は入力操作部130を介して取得した企業の情報を検索キーとして、企業プロファイル情報を取得する。検索で取得できなかった場合(S2)、処理フローは企業プロファイル作成ステップ(S3)へ進み、取得できた場合は関心課題特定ステップ(S4)へ進む。
本フローの企業プロファイル作成ステップ(S3)において、企業プロファイル作成部112は、例えば営業担当者による顧客ヒアリングにて聞きだされた、または提案前に顧客に関して行われた調査で得られた情報を、入力操作部130を介して取得する。この情報を企業プロファイルとして所定フォーマットに整形し、企業プロファイルテーブル151に格納する。ただし、これらの情報は企業の経営者やDX推進担当者が自社の情報を入力して作成してもよい。
図4に、本実施形態における企業プロファイルテーブル151の一例を示す。企業プロファイルテーブル151は、企業ID151A、企業名151B、企業の業種大分類151C、業種中分類151D、業種特徴151E、企業のデジタル化成熟度151F、対象業務151G、関心課題151H、案件ID151I、導入済みのソリューションの一覧151Jを含む。
企業ID151Aは、企業を一意に識別する。業種特徴151Eは、企業の業種や業態の特徴を表す。対象業務151Gは、企業が課題認識を持っている業務(改善、変革したい業務)を表す。関心課題151Hは、対象業務における課題を表す。案件ID151Iは、関心課題に対してソリューション導入を行った過去案件を識別する。
企業プロファイルテーブル151における各レコード、すなわち企業プロファイルは、図3で示す一連の処理フローの中で随時、情報が追加・更新される。
企業プロファイル作成ステップ(S3)においては、企業プロファイルの各項目のうち、企業ID151Aから業種特徴151Eまでの情報が記録される。業種大分類151Cから業種特徴151Eまでの各項目の値は、予め定義された項目・値の一覧の中から担当者等により選択されたものであるとする。ただし、そうした予め定義された項目・値が該当しない案件が発生した場合、担当者らが項目・値の一覧を適宜に更新する。
関心課題特定ステップ(S4)において、関心課題特定部114は上記の企業プロファイル時に得た当該企業が属する業界や業種などに基づき、課題構造テーブル152(図6)に記録されている業種ごとの、対象業務、課題、及び、課題分類の各一覧から、当該顧客の顧客関心課題と対象業務を同定する。同定された顧客関心課題と対象業務は、企業プロファイルテーブル151に記録される。
図5に関心課題特定ステップ(S4)の詳細フローの一例を示す。関心課題特定部114は企業プロファイルテーブル151から、企業の業種大分類151C、業種中分類151D、企業の業種や業態の特徴を表す業種特徴151Eを取得する(S41)。その後関心課題特定部114は上述のS41で読み込んだ業種大分類、業種中分類、業界特徴をキーとして情報検索部111を介し、課題構造テーブル152より、業種ごとの対象業務と業務における課題を検索・取得する(S42)
図6に、課題構造テーブル152の一例を示す。課題構造テーブル152には、企業の業種大分類152A、業種中分類152B、企業の業種特徴152C、対象業務152D、課題152Eが記録されている。
業種特徴152Cは企業の業種や業態の特徴を表す。対象業務152Dは、当該業種において当該課題の発生対象となる業務を表す。課題152Eは、当該対象業務に存在する課題を示す。これが、当該業種、当該業務に所属する顧客に関して想定される課題である。課題152Eは、例えば、該当する業種及び業務において一般的に想定されうる課題、或いは、別案件において当該業種及び当該業務に関して過去直面した課題である。
図5のフローの説明に戻る。関心課題特定部114は、S42で取得した課題一覧を表示部140を介して出力装置106に表示することで、取得した課題一覧を提示する(S43)。これにより、装置が想定している解決課題において、利用者による関心課題の指定を効果的に支援できる。
課題の提示形式は表形式であってもよいし、図7に示すような業務と課題の対応を図示した課題一覧画面700を提示してもよい。図7で示す課題一覧画面700の一例は、課題構造テーブル152中の対象業務152Dを横軸として各業務に課題を関連付けている。この構成は一例であって、課題を整理する際の軸は単一で無くてもよく、複数の異なる軸で整理してもよい。また、利用者の関心課題の取得方法は限定されない。
続いて、関心課題特定部114は、上述のステップS33で提示した課題一覧の中から、当該企業が関心を示すものを選択する(S44)。ここでは、営業担当者がヒアリングで当該顧客の関心課題を聞き出してその情報を入力しても良いし、DXを検討する担当者本人が入力してもよい。なお、顧客の関心課題は複数あっても良い。
関心課題特定部114は、課題構造テーブル152から抽出した、当該企業の業種に合わせた課題構造から、関心の高い課題を企業プロファイルテーブル151に記録する。例えば、営業担当者による課題の具体的説明を伴うヒアリングにて、顧客の関心課題を聞き出した状況にて、その情報の入力操作を入力操作部130を介して受け付けて、該当情報を取得する。または、企業の経営者や推進担当者が自社の関心課題の情報を入力して該当情報を取得しても良い。なお、関心課題は複数あっても良い。
ただし、課題構造テーブル152の中の課題に当該企業の関心課題が該当しない案件が発生した場合、関心課題特定部114は、他の業種及び業務の課題一覧を顧客課題構造テーブル152にて検索するか、或いは、DX検討中止に伴いメインフローを終了する。
最後に、関心課題特定部114は、上述のステップS44で特定した関心課題と当該課題に関連する業務を、企業プロファイルテーブル151(図4)における対象業務151Gと関心課題151Hに記録し(S45)、本フローを終了する。ここで関心課題特定ステップ(S4)に関する詳細説明を終え、図1のメインフローの説明に戻る。
デジタル化成熟度取得ステップ(S5)では、デジタル化成熟度診断部115は、企業プロファイルテーブル151に記録されたデジタル化成熟度を読み出す。過去の取り組みにより既にデジタル化成熟度の評価が完了している場合(S6:YES)、処理フローはソリューションセット生成ステップ(S8)へ進む。デジタル化成熟度の診断がまだ出来ていない場合(S6:NO)、処理フローはデジタル化成熟度診断ステップ(S7)へ進む。
デジタル化成熟度診断ステップ(S7)では、当該企業の業種や業態に合わせたデジタル化成熟度診断設問をデジタル化成熟度診断テーブル153から取得する。各診断設問を表示部140を介して出力装置106に表示することで、利用者に対して診断設問を提示する。なお、現在のデジタル化成熟度は、設問によらず、例えば、利用者によって直接入力されてもよい。
デジタル化成熟度診断ステップ(S7)の詳細フローを図8に例示する。デジタル化成熟度診断部115は企業プロファイルテーブル151から、企業の業種大分類151C、業種中分類151D、企業の業種や業態の特徴を表す業種特徴151Eを取得する(S71)。その後デジタル化成熟度診断部115は上述のS51で読み込んだ業種大分類、業種中分類、業界特徴をキーとして情報検索部111を介し、デジタル化成熟度診断テーブル153より、成熟度を診断するための各診断設問を検索・取得する(S72)
図9にデジタル化成熟度診断テーブル153の一例を示す。デジタル化成熟度診断テーブル153には、企業の業種大分類153A、業種中分類153B、企業の業種特徴153C、成熟度軸153D、成熟度レベル153E、診断設問153Fを含む。
業種特徴153Cは企業の業種や業態の特徴を表す。成熟度軸153Dは、成熟度を診断する軸を示し、本実施形態は、例えば組織・文化、業務、IT基盤の3つで成熟度を診断する。成熟度レベル153Eは、各軸の成熟度の段階を表す。診断設問153Fは、前述した成熟度レベルに達しているかを診断するための設問である。
デジタル化成熟度診断部115は、S72で取得した課題一覧を、表示部140を介して出力装置106に表示することで、取得した課題一覧を提示する(S73)。こうした課題の提示形式は、本実施形態においては表形式を想定しているが、異なる形式でも構わない。診断設問に対する回答は例えば、実施している(○)、または実施していない(×)、の2値である。
例えば、営業担当者は、具体的説明を伴うヒアリングにて顧客の現状のデジタル化の状況を聞き出し、デジタル化成熟度診断部115は、その情報の入力操作を、入力操作部130を介して受け付ける。デジタル化成熟度診断部115は、該当情報を回答として取得する。または、企業の経営者や推進担当者が自社の成熟度診断設問の情報を入力しても良い。
診断設問の回答結果を受けて、デジタル化成熟度診断部115はデジタル化成熟度の算出を行う(S74)。本実施形態ではデジタル化成熟度を例えば「組織・文化」「業務」「IT基盤」の3つの観点で定めるものとする。その際に、ある軸の成熟度レベルx(1≦x≦5)で各レベルに対応する設問は任意の数ある。質問q(1≦q≦n)に対しての回答を考えるとき、回答が○の場合はq_xy=1、回答が×の場合はq_xy=0とする。yは、レベルxの質問におけるy番目の質問である。このとき、例えば成熟度を定める方法には以下のような方法が考えられる。
成熟度決定方法例
・レベルx全ての質問に対して○である時、「レベルxを満たす」とする。
・全てのレベルxを満たさない場合はレベル0とする。
・いずれかのレベルxを満たす時、満たさないレベルxのうち最小のレベルx-1を当該企業のある軸の成熟度レベルMとする。
成熟度評価に関しては「レベルxの全ての質問に対して○である時にレベルxを満たす」以外にもいくつかの方法が考えられる。例えば、一つの評価方法は、「レベルxのどれか1つの質問への回答が○であればレベルxを満たす」としてもよい。他の評価方法は、「○の数がある閾値(例えば2)を超えたらレベルxを満たす」としてもよい。成熟度評価方法は、利用者の裁量に合わせて変更、又は過去の実績等から自由に選択できるものとする。成熟度評価方法は、業種や成熟度軸毎に定義されていてもよい。
以上のように導出した成熟度をデジタル化成熟度診断部115は、企業プロファイルテーブルのデジタル化成熟度151Fに記録し、企業の現在のデジタル化の状況を特定する(S75)。規定の設問に対する回答によりデジタル化成熟度を診断することで、より正確な診断が可能となる。
ここで図1のフローの説明に戻る。ソリューションセット生成ステップ(S8)では、ソリューションセット設計部116が、企業の関心課題の解決につながるソリューションを、ソリューション情報テーブル154に情報が格納されているソリューションから選定する。
ソリューションセット設計ステップの詳細フローを図10に例示する。この場合ソリューションセット設計部116は、企業プロファイルテーブル151から関心課題151Iを読み込む(S81)。
続いて、ソリューションセット設計部116は、関心課題を表示部140を介して出力装置106に表示することで、利用者に対して関心課題一覧を提示する。利用者は、その中でDXを実現して最終的に解決したい最重要課題を、入力操作部130を介して入力する(S82)。
例えば、営業担当者は、ヒアリングを通して顧客の関心課題を聞き出し、ソリューションセット設計部116は、営業担当者による情報の入力操作を入力操作部130を介して受け付けて、該当情報を回答として取得する。または、企業の経営者や推進担当者が自社の成熟度診断設問の情報を入力してもよい。
続いて、ソリューションセット設計部116は、上述のステップで取得した最重要課題をキーに、情報検索部111を介してソリューション情報テーブル154から最重要課題に対応するソリューションを検索・取得する(S83)。
図11にソリューション情報テーブル154の一例を示す。本実施形態におけるソリューション情報テーブル154には、ソリューション毎に、ソリューションを一意に定めるソリューションID154A、当該ソリューションのソリューション名154B、適用対象となる対象業務154Cを含む。さらに、解決する対象課題154D、ソリューション導入前後のデジタル化成熟度154E、ソリューション実行に必要な入力データ154F、出力データ154G、ソリューションの目標利用率154H、実現する顧客価値154I、及び、標準的な導入条件154Jが記録されている。このうち対象業務154Cと対象課題154Dは、課題構造テーブル152における、対象業務152Dと課題152Eと対応している。
本実施形態におけるソリューションの目標利用率154hは、あるソリューションを導入してからそのソリューションが十分に業務に定着し、組織・文化や業務、IT基盤の成熟度が上昇しているとする目標値である。例えば、ある部署のN個の業務に対応したソリューションiを導入した際、そのうちのM(N>M)個の業務にソリューションiが使われていれば利用率=M/Nで導出する。
デジタル化成熟度154Eは、本実施形態においては例えば3つの成熟度軸を定義しているため、3つの成熟度を(組織・文化、業務、IT基盤)という形でテーブル上に格納される。デジタル化成熟度154Eは、ソリューションを導入するための前提条件として当該企業が達成すべき前提成熟度154E1と、ソリューション導入後業務で利用され、業務プロセス等が変革されることで当該企業が達成する実現成熟度154E2からなる。
実現成熟度を達成するための条件を、本実施形態では目標利用率154Hと定義する。入力データ154Fは、当該ソリューションの実施に必要なデータの種類154F1と、実施に必要なデータの質・量154F2とからなる。データの質・量が十分でない場合、ソリューションを導入することが出来ない。
出力データ154Gは、当該ソリューションが出力するデータの種類154G1と蓄積データの質・量154G2とからなる。導入条件154Jは、当該ソリューションの標準導入コスト154J1、標準納期154J2、標準人月154J3、ソリューション導入に必要な人員のスキルなど前提条件154J4からなる。
前提成熟度154E1は、ソリューション毎に、ソリューション導入の前提条件として必要な、データの量や質、業務のデジタル化の度合い、評価制度や組織体制の状況に合わせて定める。また実現成熟度154E2はソリューションを導入することで変化する組織体制や業務そのもの、IT基盤の状況に合わせて定める。
また、実現成熟度はソリューションの導入直後に実現されるものではなく、顧客先で利用されてデータが蓄積され業務が変化し、定着して初めて実現される。そのため、例えば本実施形態においては実現成熟度に達成する条件として、目標利用率154H及び蓄積データの質・量154G2をソリューション情報の一部として持つものとする。
また一般的に、業務を変革するための設備や基盤が不足していた場合は業務を変革することができず、また業務が変革していなければ組織体制や企業文化が変わることも無いと考えられる。そのため本実施形態で想定しているデジタル化成熟度は、IT基盤の成熟度から向上させて、業務成熟度、組織・文化成熟度の順に向上させていくことが望ましいと考えられる。
本実施形態での各ソリューションの前提成熟度154E1と実現成熟度154E2は、この3軸の成熟度を向上させる優先順位を反映している状態で格納しているものとする。つまり各ソリューションの前提成熟度及び実現成熟度は、IT基盤>業務>組織・文化の順で優先順位が高いため、必ず各成熟度はIT基盤≧業務≧組織・文化という関係が成り立つように定義されているものとする。例えば、前提成熟度が(1,1,1)のソリューションの実現成熟度は、(1,1,2)のようにIT基盤の成熟度を優先的に向上させる形で定義されている。このように、異なる軸の成熟度の大小関係は、軸の優先順位に従っている。これにより、軸の優先順位応じたソリューションセットを構成することができる。
なお、上述のうち顧客価値154Iと、導入条件154Jは、当該ソリューションの開発時に規定されたものであってもよいし、当該ソリューションの導入実績に基づいて導出されたものであってもよい。
上述の顧客価値154Iは、ソリューション導入により改善される企業の経営・業務KPIとその変化量を表す。ここでの顧客価値の多くはソリューションを導入する業務や部署の個別のKPIであることが多いが、企業の基幹システムのような大規模なソリューションになると個別のKPIではなく、営業利益率のような経営全体に関係する上位のKPIになることもあり得る。
ここで図10の説明に戻る。ソリューションセット設計部116は、選択された最重要課題及びその対象業務の組み合わせをキーとして情報検索部111を介して、ソリューション情報テーブル154から対応するソリューションを検索する(S83)。本実施形態では、ここで取得するソリューションをソリューションZと呼ぶ。ソリューションZは複数あっても良い。
なお、検索の結果ソリューション情報テーブル154内に対応するソリューションZが存在しない場合、ソリューションセット設計部116は表示部140に対して該当ソリューションが存在しないことを表示し、メインフローを終了する。
続けて検索して取得した対象ソリューションSt(初回はソリューションZ)の前提成熟度と企業の現在の成熟度と比較する(S84)。前提成熟度:企業の現在の成熟度=(1,1,1):(0,1,2)のように、現在の組織・文化、業務、IT基盤の3軸で表される成熟度がどれか一つでも下回っていれば、企業の現在の成熟度が前提成熟度を下回っている状態と評価する。現在の成熟度の全ての軸の値が、前提成熟度の値以上であるとき、現在の成熟度は、前提成熟度以上である。
企業の現在の成熟度が前提成熟度を下回っている場合には、ソリューションセット設計部116は、対象課題及び対象業務が関心課題及び対象業務に一致し、実現成熟度が上記ソリューションStの前提成熟度以上であり、出力データの種類がソリューションStの入力データに一致するソリューションを、ソリューション情報テーブル154から検索する(S85)。検索は、情報検索部111を介して実行される。
このように、対象課題が関心課題に一致するソリューションを選択することで、各ソリューションが組織の関心課題を解決に寄与できる。なお、他の実施形態において、最重要課題に対するソリューション以外のソリューションの選択は、関心課題を参照することなく実行されてもよい。
ソリューションセット設計部116は、検索結果のソリューションを、上記対象ソリューションStの前提ソリューションとしたソリューションセットを、ソリューションセットツリーテーブル155へ一時的に記録する。その後上記検索結果のソリューションを次の対象ソリューションとして扱う(S86)。このように、導入順序と逆に、所定条件を満たすソリューションを順次検索する。これにより、現在の成熟度から順次成熟度を上げて、最重要課題を解決するためのソリューションを実行するための、ソリューションセットを構成することができる。なお、組織の現在の成熟度を考慮することなく、ソリューションセットを構成してもよい。
上記例は、対象ソリューションの入力データと前提ソリューションの出力データが一致することを要件とする。これにより、選択した前提ソリューションによって、対象ソリューションの入力データを用意することができる。他の実施形態において、選択される前提ソリューションの出力データは、対象ソリューションの入力データと一致しなくてもよい。対象ソリューションの入力データは、他のソリューション又はシステムにより用意される。
ソリューションセット設計部116は、対象課題及び対象業務が関心課題及び対象業務に一致し、かつ、実現成熟度が、対象ソリューションの前提成熟度以上であるソリューションを、前提ソリューションとして検索する。前提ソリューションは、対象ソリューションの実行のために成熟度を上げるためのソリューションである。当該対象ソリューションの入力データは、例えば、選択した前提ソリューションより前段のソリューションから得てもよい。
図12に、複数のソリューションセットのデータ構造の一例を示す。本実施形態におけるソリューションセットのデータ構造は、Zを根とした木構造を有する。図12の例において、ソリューションZの前提となり得るソリューションw,x,yと、更にソリューションw,x,yの前提となり得るソリューションm,n,oが存在している。のようなソリューションセットは、木機構造で整理され、最終的に取りうる全ての組み合わせ(全てのソリューションセット)が検討される。ここでの前提は、例えば接続する2つのソリューションにおいて、直前のソリューションの実現成熟度が直後のソリューションの前提成熟度以上であること、及び直前のソリューションの出力データと直後のソリューションの入力データが一致していることが、考えられる。上述のように、入出力データの一致の条件は省略されてもよい。
図13にソリューションセットツリーテーブル155のデータ構造の一例を示す。本テーブルには、ソリューションのID155A、ソリューションの前提成熟度155B、実現成熟度155C、入力データの種類155D、出力データの種類155E、経路155Fを含む。
以上のS84~S86を対象ソリューションの前提成熟度が企業の現在の成熟度以下となるまで繰り返し、一致した全てのソリューションをソリューションセットツリーテーブルに格納した後、作成した全通りのソリューションセットをソリューションセット情報テーブル156に格納する(S87)。
図14にソリューションセット情報テーブル156の一例を示す。本テーブルには、過去選定・導入したソリューションセットの情報が記録されている。ソリューションセット情報テーブル156は、ソリューションセットのID156A、当該ソリューションセットが選定されている案件ID156B、当該ソリューションセットを構成するソリューション一覧156Cを含む。
ソリューションセット情報テーブル156は、さらに、当該ソリューションセットを構成するソリューションそれぞれの成熟度156D、入力データ156E、出力データ156F、目標利用率156G、顧客価値156H、導入条件156I、導入可否156Jを含む。導入可否156Jは、後述するソリューションセット評価処理S7で更新される。
ソリューションセット情報テーブルの導入条件156Iは、ソリューション情報テーブルの導入条件154Jに加えてソリューションセット全体の導入期間156I5を含む。具体的には、導入条件156Iは、コスト156I1、納期156I2、人月156I3、前提156I4及び導入期間156I5を含む。本実施形態では、この導入期間156I5は各ソリューションの納期に各ソリューションの必要データ量の期間分を合計した期間としているが、前提のソリューションが導入されていることで、より短期間で導入できることもあり得る。
図15は、上記で説明した方法で作成されるソリューションセット1500の例を示す。ソリューションセットの連続するソリューションは、成熟度と入出力データによって連結されている。上述のように、入出力データは一致し、前段ソリューションの実現成熟度は、後段ソリューションの前提成熟度以上である。
ソリューションセット1500では、最重要課題を解決する「設計改善ソリューション」を導入するために必要な前提成熟度が(1,2,2)であり、必要な入力データが故障原因箇所である。これら条件を満たし、かつ関心課題のいずれかを解決するソリューションを選定した結果、「故障原因自動分析ソリューション」、「作業進捗電子登録ソリューション」、「作業定式化ソリューション」の、4つのソリューションが選定されている。
こうしたソリューションセットの提示形式は表形式であってもよいし、図15に示すようなソリューション間の関係性を図示したソリューションセット図を、表示部140にて提示してもよい。ただしこの形式は一例であって、異なる形式で提示しても良い。
以上のようにソリューション選定を実施することで、企業のデジタル化の現在の成熟度に合わせたギャップの少ないデジタルソリューションセットの検討を実施できるようになる。
ここで図3のメインフローの説明に戻る。続いて、ソリューションセット評価処理(S9)において、前ステップで作成したソリューションセットに関して価値及び導入時のコスト・納期をソリューションセット評価部117が特定・試算する。
ソリューションセット評価処理(S9)の処理内容の一例を図16に示す。ソリューションセット評価部117は、ソリューションセット情報テーブル156から、処理対象の各ソリューションセットの情報を読み出す(S91)。
続いて、ソリューションセット評価部117は、上述のS91で得たソリューションセットを構成する各ソリューションの導入事例を、情報検索部111を介して、ソリューション導入実績テーブル157から検索・取得する(S92)。
上述のソリューション導入実績テーブル157は、ソリューションの導入実績を記録したものである。その一例を図17に示す。
図17に示すソリューション導入実績テーブル157は、過去事例の顧客プロファイル情報と、その際のソリューション導入に際しての顧客価値とコスト・納期を記録している。具体的には、案件ID157A、顧客ID157B、顧客名157C、
さらに、ソリューション導入実績テーブル157は、ソリューション導入のターゲットとなった顧客業務157D、同じくターゲットとなった顧客関心課題157E、導入したソリューション157F、導入前後の成熟度157G、ソリューション実装に必要な入力データ157Hを含む。また、ソリューション導入実績テーブル157は、ソリューション導入にあたっての実際の出力データ157I、成熟度が上昇したと言えた際の達成時利用率157J、ソリューション導入により実現した顧客価値の実績値157K、導入にあたっての実際の導入条件157Lを含む。
成熟度157Gは、前提成熟度157G1及び実現成熟度157G2で構成されている。入力データは、種類157H1及び量・質157H2で構成されている。出力データ157I、種類157I1及び蓄積データ量・質157I2で構成されている。導入条件157Lは、費用157L1、納期157L2、人月157L3、前提157L4及び導入期間157L5で構成されている。
また、ソリューション導入実績テーブル157に蓄積された成熟度157Gや入力データ157H、出力データ157I、達成時利用率157J、顧客価値157K、導入条件157Lは,必要に応じてソリューション情報テーブル154の対応する各項目に対してフィードバックされることもある。
続いて、ソリューションセット評価部117は、上述のS92で得た各ソリューションの導入実績から開発・導入に必要な人的リソースを導出する(S93)。人月の総和だけでなく、例えば機械学習のような特別な経験やスキルを持つ必要があるなどの前提条件154J4を加味して導出する。
その後ソリューションセット評価部117は、上述のS73で導出した人的リソースが確保できるかどうか調べる(S94)。例えば、各ソリューションの開発・導入を担当するシステムエンジニア全体の残工数とソリューションセット導入にかかる人的リソースの差を見て差が一定値以下ならばリソースを確保できないものとする。リソースが確保できないものは、ソリューションセット登録部118が現在利用不可ソリューションセットとして、ソリューションセット情報テーブルの導入可否156Jを更新する(S96)。
リソースを確保できないソリューションセットを導入不可と判定することで、実現不可能なソリューションセットを除くことができる。なお、ソリューションセットの費用や納期等のコスト条件が指定されている場合、人的リソースの制約条件に代えて又は加えて、指定されたコスト条件に応じて、ソリューションセットの利用可否が判定されてもよい。
人的リソースを確保できるものは、ソリューションセットの価値の総和と費用の総和を導出する(S95)。また、ソリューションセット全体の顧客価値やコストは、ソリューションごとの顧客価値やコストの総和と異なっていてもよい。例えば、ソリューションの組み合わせごとに顧客価値や各費用を上下させるとしてもよい。例えば、複数のソリューションで共通的な基盤を共有する場合、基盤の導入は一度で済むため、ソリューションの追加導入におけるコストはより小さくなるよう処理する。
以上の処理を作成した全てのソリューションセットに対して実施し、ソリューションセット登録部118がソリューションセット情報テーブル156に上書きして格納する。
ここで図3のメインフローの説明に戻る。ソリューションセット提示ステップ(S10)では、ソリューションセット提示部119が、これまでのステップで導出した、顧客の課題解決に貢献するソリューションセットと、これを導入した際の顧客価値、各コストの試算結果の情報を提示する。例えば、ソリューションセット提示部119は、所定のフォーマットに沿って上記情報を図表化し、その結果を表示部140を介して提示する。これによりし、当該企業のソリューションセット導入の意思決定を促す。ここでのソリューションセット提示部119による、提示内容、方式の一例は、その画面表示例に絡めて後述する。
続いて、メインフローにおけるソリューションセット導入成果記録ステップ(S11)は、情報更新部120が実行する処理であり、ステップS8までで作成・提示したソリューションセットの導入を当該企業が決断し、実際にソリューションセットが導入された後のステップである。
本ステップでは、どの顧客にどのようなソリューションセットが導入されたか、また、その導入効果(顧客価値)やコスト・納期はどれくらいであったかなどの情報を、情報更新部120が、ソリューション導入実績テーブル157に新たに記録する。
また、この処理と並行して、ソリューション情報テーブル154に記録されている、顧客価値や標準コスト・納期などに関する情報に更新の必要性が認められた場合、情報更新部120が、新たな事例の成果も反映した情報を情報テーブル154に記録する。ここで追記、作成された情報は、次のソリューション提案において活用される。
<画面表示例>
以下では、図を用いて本実施形態における画面表示とその操作の一例を示す。なお本実施形態では、タブレットやスマートフォン、パソコンなどの端末で表示するWebブラウザを前提とした画面表示例を示すが、表示装置はこれに限定されない。
図18に、図3で示したメインフローにおける企業プロファイル作成ステップS3において、企業プロファイル作成部112が出力装置106に表示させる、企業プロファイル作成画面1800の一例を示す。
ここで示す企業プロファイル作成画面1800は、顧客の業種大分類141A、業種中分類141B、業種特徴141C、企業名141D、企業のデジタル化成熟度141E、課題構造化テーブル141F、ソリューションセット作成141Gを含む。課題構造化テーブル141Fは企業の業務とそれに関連付けられた関心課題を示す課題141F1と、対象業務の関心課題に対して過去導入済みのソリューション141F2を示す。
また、本画面1800における上述の顧客の業種大分類141A、業種中分類141B、業種特徴141Cの各オブジェクトは、例えば押下可能なボタンである。利用者がこれらのボタンを押すごとに,企業プロファイル作成部112は、当該ボタンに表示させる業種分類や特徴の値を企業プロファイルテーブル151における対応欄から取得し、順次切り替えることができる。
また課題141F1、成熟度141Eや、ソリューションセット作成141Gの各オブジェクトは、例えば下可能なボタンである。利用者がこれらのボタンを押すごとに、企業プロファイル作成部112は、それぞれ後述する、関心課題特定画面1900、デジタル化成熟度診断画面2000、又はソリューションセット提示画面2100へ遷移する。
本画面中に図示しているカーソル141Hは、上述の利用者が画面上で選択動作を行っている際に表示されるカーソルのイメージを示している。利用者は画面を見ながら企業分類や特徴をカーソルの移動とクリック操作で選択を行う。タブレットやスマートフォンを用いた操作の場合はカーソル操作ではなく指でのタッチ操作となることもあり得る。
続いて図19に本実施形態における関心課題特定画面1900の例を示す。この関心課題特定画面1900は、関心課題特定ステップS4において関心課題特定部114が出力装置106に表示させる。本画面1900は、企業プロファイル作成画面1800において、課題オブジェクト141F1が選択されることに応じて表示される。
ここで示す関心課題特定画面1900は、既に述べた企業プロファイル作成画面1800と同様の、顧客の業種大分類141A、業種中分類141B、業種特徴141Cに加えて、課題構造マップ142A、前のステップである企業プロファイル作成ステップS1に戻るボタン142Bを含む。
また、本画面1900における課題構造マップ142Aの各オブジェクトは、例えば押下可能なボタンである。利用者がこのボタンを押すごとに、関心課題特定部114は、当該ボタンに表示されている課題に関心があるか、ないか(例:色を白黒反転表示で変更)を順次切り替える。また、企業プロファイル作成画面1800内の課題構造化テーブル141F及び企業プロファイルテーブル151の対象業務151Gと関心課題151Hも選択された課題に更新する。
続いて図20にデジタル化成熟度診断画面2000の例を示す。このデジタル化成熟度診断画面2000は、デジタル化成熟度診断処理S5において、デジタル化成熟度診断部115が取得したデジタル化成熟度診断設問の情報を出力する画面である。本画面2000は、企業プロファイル作成画面1800において、成熟度オブジェクト141Eが選択されることに応じて表示される。
本画面2000は、既に述べた企業プロファイル作成画面1800と同様の、顧客の業種大分類141A、業種中分類141B、業種特徴141C、前のステップである企業プロファイル作成ステップS1に戻るボタン142Bに加えて、成熟度軸143A、成熟度診断設問テーブル143Bを含む。
また、本画面2000における上述の成熟度軸143Aのオブジェクトは、例えば押下可能なボタンである。提案担当者や顧客がこのボタンを押すごとに、デジタル化成熟度診断部115は、当該ボタンに表示させる成熟度軸値(例:組織・文化、業務、IT基盤)を順次切り替える。また、その操作に伴い、成熟度診断設問テーブル143Bも更新する。
本画面2000では、デジタル化成熟度診断部115により取得された企業分類、業種特徴ごとの成熟度診断設問を提示する。利用者は成熟度診断設問テーブル143B内の回答タブ143B1を押下し、設問に対しての回答を選択する。これにより、上述の利用者が2値で回答可能な複数の設問に回答するだけで、当該企業のデジタル化成熟度を導出し、DX実現に必要なソリューションの選定を実現できる。
続いて図21に本実施形態におけるソリューションセット提示画面2100の例を示す。ソリューションセット提示画面2100は、ソリューションセット生成処理S8からソリューションセット提示処理S10までにおいて、ソリューションセット設計部116が設計しソリューションセット評価部117が評価したソリューションセットの一覧を出力する画面である。本画面2100は、企業プロファイル作成画面1800において、ソリューションセット作成オブジェクト141Gが選択されることに応じて表示される。
表示されるソリューションセットの一覧は、ソリューションセットのコストに基づいて決定されてもよい。例えば、ソリューションは、導入コストの低い順に表示されていてもよい。コストの低いソリューションから所定数のソリューションのみが提示されてもよい。これにより、利用者が効率的に所望のソリューションセットを選択することができる。
本画面2100は、企業の最重要課題144A、ソリューションセットリストテーブル144B、選択したソリューションセットを確定し実現に向けた意思決定を行う確定ボタン144Cを含む。また、ソリューションセットリストテーブル144Bは、リスト中のソリューションリストを複数選択するためのチェックボタン144B1を含む。
また、本画面2100のソリューションセットリストテーブル144Bの各行(レコード)は、例えば押下可能なボタンであり、押下することで1行のソリューションセットを選択することができる。ソリューションセットが選択されると、図22に示すように、図15のソリューションセット1500を、縦軸に価値、横軸に導入の時期をとって整理した図表144Dが表示される。
ソリューションセット図表144D中の各オブジェクト144D1は、例えば押下可能なボタンである。オブジェクト144D1を押下することで、図23のように図10でも示したソリューション情報テーブル154のうちの選択されたソリューションの情報テーブル144Dd2が表示される。
これにより各ソリューションセットで実現される価値やそれに必要なコストを大まかに比較できる。より詳細を知りたいソリューションセットについては、それぞれのソリューションによって実現されるデジタル化成熟度の成長や各ソリューションのデータ同士の繋がり、個別のソリューションの詳細について理解を深めながら、当該企業に対して最も価値が高いソリューションセットの選定を実施できる。また、ここで示すソリューションの顧客価値やコスト・納期が利用者に受け入れられない場合、前ステップに戻って試算をやり直す指示を行うか、メインフローを終了する。
また、本画面2000の確定ボタン144Cを押下することで、選択されたソリューションの具体的なソリューションの提案や設計、契約、実装、開発、運用などが行われる。そこでの導入実績はデジタルソリューション選定装置100にフィードバックされるが、このフィードバック操作は、情報入力・更新に関する一般的な業務アプリケーションと同等のものであれば十分である。
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
こうした本実施形態によれば、DXを実現して最終的にあるべき姿と現状のデジタル化成熟度のギャップをより正確に評価し、DXの実現に必要なデジタルソリューションとその導入順序を記述することで、デジタルソリューションの導入/提案を支援することが可能となる。
100 デジタルソリューション選定装置
101 メモリ
102 記憶装置
103 プログラム
104 演算装置
105 入力装置
106 出力装置
107 通信装置
110 情報処理部
111 情報検索部
112 企業プロファイル作成部
113 案件情報登録部
114 関心課題特定部
115 デジタル化成熟度診断部
116 ソリューションセット設計部
117 ソリューションセット評価部
118 ソリューションセット登録部
119 ソリューションセット提示部
120 情報更新部
130 入力操作部
140 表示部
150 情報データベース
151 企業プロファイルテーブル
152 課題構造テーブル
153 デジタル化成熟度診断テーブル
154 ソリューション情報テーブル
155 ソリューションセットツリーテーブル
156 ソリューションセット情報テーブル
157 ソリューション導入実績テーブル
160 ファイル保存領域

Claims (12)

  1. 導入順序に従って組織に導入する複数のデジタルソリューションを選定する、デジタルソリューション選定装置であって、
    1以上の演算装置と、
    1以上の記憶装置と、を含み、
    前記1以上の記憶装置は、複数のデジタルソリューションの情報を含む、ソリューション情報を格納し、
    前記複数のデジタルソリューションの各デジタルソリューションの情報は、
    各デジタルソリューションの対象課題と、
    各デジタルソリューションの導入に必要な、複数軸における前提デジタル化成熟度と、
    各デジタルソリューションにより実現される、前記複数軸における実現デジタル化成熟度と、を示し、
    前記1以上の演算装置は、
    組織の関心課題を特定し、
    前記対象課題が前記関心課題に一致する最終デジタルソリューションを、前記ソリューション情報から選択し、
    導入順序における直前のデジタルソリューションの前記複数軸における実現デジタル化成熟度それぞれが、直後のデジタルソリューションの前記複数軸における前提デジタル化成熟度以上であるように、前記最終デジタルソリューションから、前記導入順序と逆に、1以上のデジタルソリューションを前記ソリューション情報から順次選択して、デジタルソリューションセットに含める、デジタルソリューション選定装置。
  2. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の演算装置は、
    前記組織の1以上の関心課題を特定し、
    前記1以上の関心課題のいずれかと一致する対象課題を有するデジタルソリューションから、前記1以上のデジタルソリューションを選択する、デジタルソリューション選定装置。
  3. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の記憶装置は、業種、業務及び課題を関連付ける課題構造情報を保持し、
    前記1以上の演算装置は、
    前記組織の業種の情報を取得し、
    前記組織の業種に基づいて、前記課題構造情報から課題を選択し、
    選択された前記課題を出力装置において提示し、
    利用者による、提示された前記課題における前記関心課題の指定を入力装置を介して受け付ける、デジタルソリューション選定装置。
  4. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の演算装置は、
    前記組織の現在の前記複数軸におけるデジタル化成熟度を特定し、
    前記デジタルソリューションセットにおいて、最初のデジタルソリューションの前記複数軸における前提デジタル化成熟度のそれぞれは、前記現在の複数軸におけるデジタル化成熟度以下である、デジタルソリューション選定装置。
  5. 請求項4に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の記憶装置は、複数の業種それぞれに対して、設問への回答と前記複数軸におけるデジタル化成熟度とを関連付ける、デジタル化成熟度診断情報を格納し、
    前記1以上の演算装置は、
    前記組織の業種を特定し、
    前記組織の業種に基づいて前記デジタル化成熟度診断情報から設問を選択して、出力装置において提示し、
    出力された前記設問に対する利用者の回答を、入力装置を介して受け付け、
    前記デジタル化成熟度診断情報及び前記利用者の回答に基づき、現在の複数軸におけるデジタル化成熟度を決定する、デジタルソリューション選定装置。
  6. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記複数軸の優先順位が予め設定されており、
    前記デジタルソリューションセットの各デジタルソリューションにおいて、前記複数軸における前提デジタル化成熟度の大小関係は前記優先順位に従い、前記複数軸における実現デジタル化成熟度の大小関係は前記優先順位に従う、デジタルソリューション選定装置。
  7. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記ソリューション情報は、各デジタルソリューションの入力及び出力を規定し、
    前記直前のデジタルソリューションの出力は、前記直後のデジタルソリューションの入力に一致する、デジタルソリューション選定装置。
  8. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記ソリューション情報は、各デジタルソリューションに必要なリソースの情報を含み、
    前記1以上の演算装置は、予め指定されてるリソースの条件を満たすように、前記デジタルソリューションセットを構成する、デジタルソリューション選定装置。
  9. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記ソリューション情報は、各デジタルソリューションのコストの情報を含み、
    前記1以上の演算装置は、
    前記関心課題に対する複数のデジタルソリューションセットを選定し、
    前記複数のデジタルソリューションセットそれぞれのコストを、前記ソリューション情報を参照して、デジタルソリューションセットを構成するデジタルソリューションのコストの情報から決定し、
    前記複数のデジタルソリューションセットのコストに基づく順序において、前記複数のデジタルソリューションセットを出力装置において提示する、デジタルソリューション選定装置。
  10. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の演算装置は、デジタルソリューションセットの導入実績に基づいて、前記ソリューション情報を更新する、デジタルソリューション選定装置。
  11. 請求項1に記載のデジタルソリューション選定装置であって、
    前記1以上の演算装置は、
    前記デジタルソリューションセット含まれるデジタルソリューションを、導入順序並びに前記デジタルソリューションそれぞれの前記複数軸における前記前提デジタル化成熟度及び前記実現デジタル化成熟度と共に、出力装置において提示する、デジタルソリューション選定装置。
  12. 装置が、導入順序に従って組織に導入する複数のデジタルソリューションを選定する方法であって、
    前記装置は、複数のデジタルソリューションの情報を含む、ソリューション情報を格納し、
    前記複数のデジタルソリューションの各デジタルソリューションの情報は、
    各デジタルソリューションの対象課題と、
    各デジタルソリューションの導入に必要な、複数軸における前提デジタル化成熟度と、
    各デジタルソリューションにより実現される、前記複数軸における実現デジタル化成熟度と、を示し、
    前記方法は、前記装置が、
    組織の関心課題を特定し、
    前記対象課題が前記関心課題に一致する最終デジタルソリューションを、前記ソリューション情報から選択し、
    導入順序における直前のデジタルソリューションの前記複数軸における実現デジタル化成熟度それぞれが、直後のデジタルソリューションの前記複数軸における前提デジタル化成熟度以上であるように、前記最終デジタルソリューションから、前記導入順序と逆に、1以上のデジタルソリューションを前記ソリューション情報から順次選択して、デジタルソリューションセットに含める、方法。
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