JP7038015B2 - 振出式釣竿、及び、遊動ガイド固定部の形成方法 - Google Patents

振出式釣竿、及び、遊動ガイド固定部の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、振出式釣竿に関し、詳細には、釣糸を案内する遊動ガイドの固定構造に特徴を有する振出式釣竿、及び、遊動ガイド固定部の形成方法に関する。
従来、リールを装着して使用される振出式釣竿には、リールから繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイドが装着されており、その中には、竿杆を収納状態から振り出した際に、竿杆の特定の位置に固定できるようにした遊動ガイドが存在する。この遊動ガイドは、釣糸が挿通されるガイドリングを保持した本体と一体化される筒状支持部を備えており、筒状支持部を竿杆の外周面に対して軸方向に沿って移動させ、竿杆の表面のテーパ(元側に移行するに従って拡径するように形成されたテーパ)を利用して固定できるように構成されている。
上記したような遊動ガイドは、軸方向の元側に移動させて回り止め固定するものであることから、固定状態では、軸方向及び周方向に変位しない(緩まない)ようにする必要がある。このため、例えば、特許文献1には、竿杆の表面にキャビティを有する成型用治具を設置し、この治具に樹脂を注入して、元側に向けて次第に厚くなるテーパ部を周方向に連続的に形成した遊動ガイド固定部(回動防止凹凸条)が開示されている。前記成型用治具によって形成される回動防止凹凸条は、全体形状が略三角形状で、元側に遊動ガイドの抜けが防止できるストッパを備えた構成となっている。
特開平2-265423号
上記した特許文献1に開示されている遊動ガイド固定部は、元側に遊動ガイドを摺動させてストッパに当て付けて固定する構造であるため、振動、作成誤差、摩耗などによって固定状態が軸方向や周方向に緩み易くなってしまう。また、遊動ガイドを軸方向に移動させて固定する際、その固定位置を明確に特定することが難しく、この結果、複数の遊動ガイド間でガイドリングの位置が周方向にばらつき易く、安定した釣糸案内ができなくなってしまう。
さらに、竿杆に対して成型用治具を配設して形成するため、その肉厚が厚くなってしまい、釣竿が重量化すると共に、製造コストも高くなってしまう。特に、穂先竿杆は、多数個(磯竿では、4~7個程度)の遊動ガイドを配設し、竿杆の外径も小さく(先端で直径が1mm程度)、繊細な当たりを感知させる必要があることから、成型用治具を用いて遊動ガイド固定部を設ける構成では、肉厚や精度を管理することが難しくなる。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、竿杆に設けられる遊動ガイドの固定位置を正確に特定することができ、簡単な構成で安定した固定状態が得られる振出式釣竿、及び、遊動ガイド固定部の形成方法を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明は、竿杆の表面に遊動ガイドを固定するための遊動ガイド固定部が設けられた振出式釣竿において、前記遊動ガイド固定部は、周方向に所定間隔をおいて連続形成され、元側に移行するに従って高くなる軸方向に延出する凹凸部と、中心軸芯上に沿って形成され、前記凹凸部に対して軸方向に長く、前記凹凸部の間隔と異なる幅の案内用凸部と、を有することを特徴とする。
上記した構成の振出式釣竿では、使用時において、遊動ガイドを竿杆に沿って摺動し、遊動ガイド固定部に固定する。遊動ガイド固定部は、周方向に所定間隔をおいて連続形成され、元側に移行するに従って高くなる軸方向に延出する凹凸部を有しており、摺動させた遊動ガイドは、軸方向に延出する凹凸部のいずれかの位置で係合固定される。この固定操作を行なうに際しては、中心軸芯上に沿って形成されている案内用凸部が、凹凸部に対して軸方向に長く、凹凸部の間隔と異なる幅で形成されているため、案内用凸部が把握し易くなって目印にすることができ、遊動ガイドを正確に位置合わせすることができる。また、摺動させる遊動ガイドは、ストッパのような部材に当て付けるのではなく、元側に移行するに従って高くなる軸方向に延出する凹凸部に係合させる構成であるため、固定状態で緩み難くすることが可能となる。
また、上記した目的を達成するために、本発明は、振出式釣竿を構成する竿杆の表面に設けられ、遊動ガイドの筒状支持部の内周面に形成された凹凸条と係合することで前記遊動ガイドを竿杆の所定位置に固定する遊動ガイド固定部の形成方法であって、前記竿杆の遊動ガイドが固定される領域に、前記筒状支持部の内周面に形成された凹凸条と係合して遊動ガイドの軸方向、及び、周方向の移動を規制する凹凸部を印刷によって形成することを特徴とする。
上記した印刷によって形成される遊動ガイド固定部は、遊動ガイドの軸方向、及び、周方向の移動を規制する凹凸部を薄く形成することが可能であるため、釣竿の軽量化を図ることができる。また、印刷にすることで、竿杆に塗布するインク(樹脂)の量、密度、印刷位置を高精度に制御することが可能であるため、遊動ガイドの筒状支持部の内周面に形成された凹凸条と係合可能な凹凸部を容易に形成することができる。特に、径が細く、多数個の遊動ガイドを配設する穂先竿杆では、重量化することが極力抑制され、かつ、各遊動ガイドの固定位置も明確化することもできるため、釣糸が挿通されるガイドリングの位置合わせを容易かつ正確に行なうことが可能になる。
本発明によれば、竿杆に設けられる遊動ガイドの固定位置を正確に特定することができ、簡単な構成で安定した固定状態が得られる振出式釣竿が得られる。また、そのような遊動ガイド固定部を、容易かつ精度良く形成することが可能となる。
本発明に係る振出式釣竿の一実施形態を示す図。 図1に示す振出式釣竿の穂先竿杆部分を示す図。 竿杆に装着される遊動ガイドの一構成例を元側から見た正面図。 竿杆表面に形成された遊動ガイド固定部の第1の実施形態を示す平面図。 遊動ガイド固定部を構成する凹凸部の形状を示した縦断面。 遊動ガイド固定部が形成された部分の横断面図。 (a)から(c)は、それぞれ遊動ガイド固定部の第2~第4実施形態を示す平面図。
以下、本発明に係る振出式釣竿の実施形態、及び、遊動ガイド固定部の形成方法の実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に係る振出釣竿(以下、釣竿と称する)の一実施形態を示す図である。本実施形態の釣竿1は、元竿3、中竿5、及び穂先竿7(各竿を竿杆とも称する)を備えており、各竿杆は、振出式によって継合されている。前記元竿3には、リールシート9が設けられており、前記元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着されるリールRから繰り出される釣糸を案内する釣糸ガイドが適所に取着されている。この場合、本発明は振出式の釣竿であるため、前記した釣糸ガイドの内、竿杆の前端部に配設されるものは、固定ガイド10として構成され、竿杆の中間領域に配設されるものは、遊動ガイド11として構成される。
図2は、穂先竿7の先端側を拡大して示しており、先端には、トップガイド12が配設され(固定ガイドを構成する)、それ以外の部分には、遊動ガイド11が配設されている。各遊動ガイド11は、軸方向に沿って摺動可能であり、後述するように、その円筒支持部16が竿杆(穂先竿)の表面に形成されている遊動ガイド固定部に固定されることで、軸方向及び周方向の移動が規制される。1つの竿杆に配設される遊動ガイドの個数については、限定されることはないが、例えば、磯竿の穂先竿では、4個~7個の遊動ガイド(遊動ガイド固定部)が配設されている。
前記元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されており、強化繊維(主に炭素繊維やガラス繊維等)に、エポキシ樹脂等の熱硬化性の合成樹脂を含浸した繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、加熱工程を経た後、脱芯する等、定法に従って所定寸法の管状に形成されている。なお、穂先竿7については、中実状に構成したり、中実状の芯材(例えば、超弾性合金線材や、超弾性樹脂材料)に管状体を継合する等、様々な態様で成形することが可能である。また、中竿5に関しては、2本以上で構成されていても良い。
上記のように構成される竿杆は、その形成素材の外表面が、各種の方法で表面処理されており、表面処理された状態で、上記した固定ガイド10,12が固定され、かつ、遊動ガイド11が配設される。この場合、各竿杆の外表面の表面処理の方法(釣竿としての外観模様、色彩の付与、竿杆の積層構造、それらの形成方法など)、更には、固定ガイドの構成、及び、固定ガイドの竿杆に対する取り付け方法は、公知であるため、詳細な説明については省略する。すなわち、本発明に係る釣竿は、各竿杆の外表面の表面態様、固定ガイドの構成や竿杆に対する取り付け方法については、特定のものに限定されることはなく、以下においては、遊動ガイドの構成、及び、遊動ガイド固定部の構成について詳細に説明する。
図3は、上記した竿杆に装着される遊動ガイドの一構成例を示す正面図である。
本実施形態の遊動ガイド11は、板状に成形された本体15と、本体15と一体化され、上記した竿杆に挿通される円筒支持部16とを有している。本体15と円筒支持部16は、一体形成されていても良いし、それぞれ別部材で構成(例えば、本体15を金属、円筒支持部16を硬質樹脂で構成)し、両者を一体化する構成であっても良い。また、前記本体15には、開口を具備したリング保持部17が形成されており、開口部分に、釣糸が摺動する環状のガイドリング18が止着されている。
前記本体15には、軽量化が図れるように、円筒支持部16とリング保持部17との間に開口19を形成しておくことが好ましい。また、前記本体15は、ループ状になった釣糸が掛かり難いように、装着される竿杆に対して先側に倒れるように傾斜状に形成しておくことが好ましい。また、前記円筒支持部16の内周面には、後述する遊動ガイド固定部との間で係合力が向上するように、凹凸条16aを形成しておくことが好ましい。この凹凸条16aは、例えば、軸方向に沿って延出する凹凸を、周方向に沿って連続形成することで構成することが可能であり、例えば、内周面に凹凸条16aが形成された環状の樹脂成形品16Aを、金属で形成された本体15のリング状の開口部分に嵌入、固定することで遊動ガイドを構成することが可能である。
前記遊動ガイド11の本体15は、アルミニウムなどの金属、繊維強化樹脂によって形成することが可能であり、ガイドリング18は、チタン、SUS、セラミックス等の硬質材料によって形成することが可能である。
なお、図に示すガイドリング18は、円形状に構成されているが、楕円形状にする等、その形状については限定されることはなく、また、それに応じて本体15の形状も適宜、変形することが可能である。
図4から図6は、竿杆表面(穂先竿杆を示す)に形成された遊動ガイド固定部の第1の実施形態を示す図であり、図4は平面図、図5は遊動ガイド固定部を構成する凹凸部の形状を示した縦断面図、図6は遊動ガイド固定部が形成された部分の横断面図である。
遊動ガイド固定部20は、竿杆に対して摺動される(前記円筒支持部16が竿杆に対して摺動される)遊動ガイド11を固定し、軸方向及び周方向へ移動しないように機能させる部分であり、1つの竿杆に複数個の遊動ガイドが装着される場合は、軸方向に沿って断続的に配設される。
本実施形態の遊動ガイド固定部20は、周方向に所定間隔をおいて連続形成され、元側に移行するに従って高くなる軸方向に延出する凹凸部21と、竿杆の中心軸芯(X軸)上に沿って形成され、前記凹凸部21に対して軸方向に長く、凹凸部21の間隔とは異なる幅の案内用凸部23と、を有している。具体的に、前記案内用凸部23は、X軸上に1本形成されており、前記凹凸部21は、案内用凸部23の周方向両側に対称となるように形成されている。
本実施形態の案内用凸部23の各両側の凹凸部21は、周方向に所定角度、凸部を形成しない領域21Aが存在するが、そのような領域を形成することなく、凹凸部21を周方向に亘って形成しても良い。前記凹凸部21は、移動される遊動ガイド11を固定し、軸方向及び周方向の移動を規制する機能を発揮し、中心軸芯(X軸)上に沿って形成される案内用凸部23は、主に遊動ガイド11の正確な装着位置を視認させる機能を発揮する(本実施形態では、移動を規制する機能も併せ持つ)。この場合、案内用凸部23の幅Wは、凹凸部21の間隔(ここでは凸部21a同士の間隔(溝幅)W1、或いは、凸部21aの幅W2を意味する)と異なるように形成されているので、使用者は、凹凸部21に対して案内用凸部23を容易に識別することができる。
具体的に、案内用凸部23の幅Wを、0.5mm~1.0mmの範囲で形成した場合では、凹凸部21の凸部21a同士の間隔(溝幅)W1を、0.1mm~1.5mmの範囲で形成するか、或いは、凸部21aの幅W2を、0.1mm~1.5mmの範囲で形成すれば良い。このように、中心軸芯(X軸)上に沿って形成された案内用凸部23は、その両サイドの凹凸部21に対して違いが視覚的に把握できることから、案内用凸部23の位置を指標として遊動ガイドを摺動させることができる。
なお、案内用凸部23の幅Wは、円筒支持部16の内面との凹凸係合を阻害することなく、視認し易いように凹凸部21の幅よりも狭く形成しても良いし、凸部21a同士の間隔(溝幅)W1や凸部21aの幅W2については、周方向に亘って均一に形成されていなくても良い。また、案内用凸部23については、その軸方向長さLを、凹凸部21の軸方向長さL1よりも長くなるように形成しても良い(例えば、Lを50mm~80mm、L1を30mm~50mmの範囲で形成する)。このようにすることで、案内用凸部23の突出状態が視認でき、竿杆の中心軸芯の位置を識別し易くすることが可能となる。また、案内用凸部23の高さについては、円筒支持部16の内面との凹凸係合を阻害しないように、凹凸部21よりも低く形成しても良い。
すなわち、案内用凸部23については、視認し易く、円筒支持部16の内面との凹凸係合を阻害しない高さ、幅に形成しても良い。
前記凹凸部21は、遊動ガイド11を先側から元側に摺動させた際、凹凸部21の軸方向のいずれかの位置で停止させる必要があるため、先側から元側に移行するに従い、厚肉化されるように形成される。図5に示すように、凹凸部21の凸部21aは、先部の高さ(肉厚)T1が0.01mm~0.05mmの範囲、元部の高さ(肉厚)T2が0.03mm~0.1mmの範囲に形成しておけば、竿杆の外径に関係なく、遊動ガイドを軸方向のいずれかの位置(特に、図4の点線で示すような中間領域)で停止させることが可能となる。
この場合、凸部21aは、次第に厚肉化するワンテーパで形成しても良いし、段階的に厚肉化しても良いし、先端側を均一の肉厚で途中から厚肉化するような構成であっても良い。また、竿杆の外表面がテーパ状に形成される場合、凸部21aのテーパは、それよりも急テーパに形成することが好ましく、これにより、軸方向に短い範囲内で、遊動ガイドを停止させることが可能となる。なお、前記案内用凸部23については、凹凸部21と同じ高さ関係となるように形成しても良いし、凹凸部21の形状とは異なり、均一肉厚で形成しても良い。
上記した凹凸部21の間隔については、上記したように形成するのが好ましいが、円筒支持部16の内周面に形成される凹凸条16aの間隔に合せて形成するのが好ましい。すなわち、凹凸条16aが合致するような溝幅で凹凸部21を形成することで、遊動ガイドの固定力が向上し、竿杆に振動などが加わっても、周方向及び軸方向に変位し難くすることができる。
前記凹凸部21の周方向幅(図6で示す凹凸部の形成角度α)については、特に限定されることはないが、回り止め機能を果たすためには、30°以上形成されていることが好ましい。すなわち、30°≦α≦360°の範囲で形成することで、全ての竿杆の遊動ガイド固定部において、効率的に回り止めが図れると共に、場所に応じて、形成角度を必要最小限にすることで軽量化を図ることも可能となる。この場合、周方向幅については、図4で示す構成のように、軸方向に亘って均一になっていても良いし、軸方向の位置で異なるように形成されていても良い。ただし、周方向幅については、遊動ガイド11の円筒支持部16が係止される位置が最も幅広となるように形成することが好ましい。
このように、固定領域の周方向幅を最も広く形成し、それ以外の部分の周方向幅を狭くすることで、竿杆が不必要に重量化するのを防止することができる。
また、複数の竿杆の内、穂先竿7の遊動ガイド固定部については、軸方向に沿って断続的に複数個所形成されている。この場合、穂先竿7の先側は径が細いことから、先端部分に配設されている遊動ガイドが緩み易く、元側の方は径が太くなって緩み難いことから(図2において、遊動ガイド11Aが緩み易く、遊動ガイド11B,11C…が次第に緩み難くなる)、凹凸部21は、元側の遊動ガイド固定部の方が、連続的又は段階的に、その周方向の幅が狭くなるように形成することが好ましい。例えば、遊動ガイド11Aの固定領域では全周(360°)に亘って凹凸部21を形成しておき、元側に移行するに従って、その直前にある遊動ガイド固定部の形成角度と同等、又はそれよりも狭く形成するのが好ましい。
このような構成によれば、特に、遊動ガイドの配設個数が多く、繊細な当たりを検知する細径の穂先竿では、効率的に軽量化が図れるようになる。
また、上記したように、竿杆に複数個の遊動ガイド固定部20が設けられる場合、各遊動ガイド固定部における案内用凸部23が軸方向で一致する(全ての案内用凸部23がX軸上に位置する)ように形成することが好ましい。
このような構成では、各遊動ガイドの固定操作時において、全ての遊動ガイドの固定位置を正確に一致させ易くなり(ガイドリングが直線上に一致する)、リールから繰り出される釣糸の放出抵抗を軽減することが可能となる。
上記したような遊動ガイド固定部20は、表面処理が施された後、印刷によって形成される。ここでの印刷は、例えば、インクジェットプリンタ(図示せず)によるインクジェット印刷によって形成することが可能であり、具体的には、竿杆の両端をチャッキングしておき、インクジェットプリンタのヘッドを軸長方向に沿って走査しながら、竿杆を回動することによって、上記した凹凸部21及び案内用凸部23を同時に形成することが可能である。
このようなインクジェット印刷では、インクの塗布量、密度、位置を正確に制御することが可能であるため、上記したような薄肉厚(軸長方向に異なる肉厚)で、溝幅が狭い凹凸部21や案内用凸部23を容易に形成することが可能となる。すなわち、従来のような成型用治具による凹凸形成方法と比較すると、異なる着色材(インク)を複数の噴射ノズル(ヘッド)で液滴状にし、これを制御しながらドット状に重ねたり(ドット量を多くしたり少なくする)、或いは、ヘッドを軸方向に沿って往復駆動する際に、重ねながら噴射制御することによって、軸方向で肉厚を調整したり、様々な色相を呈するように形成することが容易に行なえるようになり、0.01mm~0.1mmの肉厚の凸部を狭い溝幅で高精度に形成することが可能となる。また、遊動ガイド11の円筒支持部16の内面に形成された凹凸条16aの溝幅に応じて、これに合致するような凹凸部21を容易に形成することが可能となる。さらに、径が細く、多数個の遊動ガイドを配設する穂先竿7では、重量化することが極力抑制され、かつ、各遊動ガイドの固定位置も明確化できるため、釣糸が挿通されるガイドリングの位置合わせを容易かつ正確に行なうことが可能になる。
前記凸部21a及び案内用凸部23を形成する着色材については、安定して形成できれば、その材料、色については特に限定されることはない。例えば、顔料や染料等の着色材を、エポキシやウレタン等の透明又は半透明の合成樹脂に混入し、これに硬化剤を含有して形成したり、上記した着色材を光硬化型の合成樹脂に混入して形成しても良く、更には、熱硬化型、溶剤乾燥型、二液反応型の合成樹脂を用いて印刷しても良い。
また、上記した印刷によれば、中心軸芯上に形成される案内用凸部23については、凹凸部21に対して視認区別可能であれば、凸部として形成しなくても良い(識別可能な案内部とする)。例えば、凹凸部21とは異なる色彩の平坦面(印刷しない竿杆の表面色)としても良いし、異なる色彩のラインを凹凸部21よりも長く形成したり、そのラインを幅広にしたり幅狭にして形成することが可能である。すなわち、遊動ガイド11を案内できる機能を備えたものであれば良く、凹凸部21に対して、異なる色彩、異なる軸方向長さ、異なる周方向幅の内、少なくとも一つ以上の構成があれば、視認区別させるように形成することが可能である。
また、上記したように形成される遊動ガイド固定部20上には、保護層(クリア層)を被着しておくことが好ましい。この保護層は、竿杆の表面全体に被着されていても良く、エポキシ、ウレタン、アクリルシリコン等の透明又は半透明の合成樹脂によって構成され、0.01mm~0.02mm程度の膜厚で被着される。このような保護層を被着することで、遊動ガイド固定部を構成する凹凸部21(案内用凸部23)の剥離を効果的に抑制することが可能となる。
次に、図7を参照して、遊動ガイド固定部の別の実施形態を説明する。
図7(a)に示す実施形態の遊動ガイド固定部20Aの凹凸部21は、遊動ガイドを軸方向の略中間領域(符号Pで示す領域)で固定可能となるように肉厚が調整されており、凹凸部21は、元側に移行するに従い、略中間領域が最も周方向に幅広になるように形成されている。
このような構成によれば、遊動ガイドが固定される以外の領域の重量を軽減することが可能となる。特に、凹凸部21が最も幅広となっている略中間領域Pから、元側に移行するに従って幅狭となるように形成することで、略中間領域Pから後方での固定力を急激に減らすことはなく、効率的に軽量化が図れる形状にすることが可能となる。なお、凹凸部21が最も幅広となっている領域Pから元側については、図7(c)に示す実施形態の遊動ガイド固定部20Cのように、軸方向に必要以上に長くすることなく、急激に幅狭となるように形成することで、より軽量化を図ることが可能となる。
図7(b)に示す実施形態の遊動ガイド固定部20Bの凹凸部21は、遊動ガイドが固定される領域Pを長く形成している。また、案内用凸部(案内部23)の領域に、凹凸部21に対して視認区別可能な模様(GUIDE POSITION;文字)を形成している。このような模様は、凹凸部21や案内用凸部23を形成する際に同時に印刷することができ、このような模様(文字、マーク等)28を中心軸芯上に形成しておくことで、遊動ガイドの固定位置をより明確にすることができるとともに、外観を向上することも可能となる。なお、模様28については、色彩を付しておくことで、より明確に識別することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。
例えば、上記した遊動ガイド固定部は、インクジェット印刷によって形成したが、それ以外にもスクリーン印刷等によって形成することが可能である。また、凹凸部21は、案内用凸部23に対して周方向に対称形状としたが、非対称形状であっても良い。さらに、凹凸部21は、軸方向に延出するように形成したが、中心軸に対して傾斜していても良いし、湾曲した状態で形成しても良く、その形状については、遊動ガイドの円筒支持部16を軸方向、及び、周方向に移動規制できれば、適宜変形することが可能である。
1 振出式釣竿
3 元竿
5 中竿
7 穂先竿
11(11A~11C) 遊動ガイド
20(20A~20C) 遊動ガイド固定部
21 凹凸部
23 案内用凸部(案内部)

Claims (5)

  1. 竿杆の表面に遊動ガイドを固定するための遊動ガイド固定部が設けられた振出式釣竿において、
    前記遊動ガイド固定部は、周方向に所定間隔をおいて連続形成され、元側に移行するに従って高くなる軸方向に延出する凹凸部と、中心軸芯上に沿って形成され、前記凹凸部に対して軸方向に長く、前記凹凸部の間隔と異なる幅の案内用凸部と、を有し、
    前記遊動ガイドは、前記凹凸部の軸方向の略中間領域で固定可能であり、
    前記凹凸部は、元側に移行するに従い、前記略中間領域が最も周方向に幅広になるように形成されていることを特徴とする振出式釣竿。
  2. 前記凹凸部は、先部が0.01mm~0.05mmの高さ、元部で0.03mm~0.1mmの高さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の振出式釣竿。
  3. 前記凹凸部は、前記最も幅広となっている略中間領域から元側に移行するに従い、幅狭となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の振出式釣竿。
  4. 前記竿杆の内、穂先竿杆の遊動ガイド固定部は、軸方向に沿って断続的に複数個所形成されており、
    前記複数個所形成されている各遊動ガイド固定部を構成している凹凸部は、元側の遊動ガイド固定部の方が、連続的又は段階的に、その周方向の幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の振出式釣竿。
  5. 前記竿杆に複数個の遊動ガイド固定部が設けられる場合、各遊動ガイド固定部の前記案内用凸部が軸方向で一致していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の振出式釣竿。
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