JP7036274B2 - 鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板に関係する。
近年、自動車の燃費の向上および衝突安全性の向上を目的に、高強度鋼板の適用による車体軽量化の取り組みが盛んに行われている。しかしながら、一般的に、鋼板の強度が高いほど、成形性に影響する伸び、および衝突特性に影響する靱性が低下する。そのため、高強度鋼板の開発において、伸びおよび靱性を低下させずに高強度化を図ることは重要な課題である。
伸びを向上させるために、これまでに、残留オーステナイト(残留γ)の変態誘起塑性を利用した、いわゆるTRIP鋼が提案されている(例えば、特許文献1)。
残留オーステナイトは、Cをオーステナイト中に濃化させて安定化させることによって得られる。例えば、SiおよびAl等の炭化物析出抑制元素を鋼板に含有させることにより、鋼板の製造段階において鋼板に生じるベイナイト変態の間に、Cをオーステナイト中に濃化させることが可能である。この技術では、鋼板に含有させるC含有量が多ければ、オーステナイトがさらに安定化し、残留オーステナイト量を増やすことができる。そして、その結果、強度と伸びとの両方が優れた鋼板が得られる。
また、残留オーステナイト量が上記TRIP鋼よりも多く、延性が上記TRIP鋼を超える鋼板として、3.5%以上のMnを添加した鋼(特許文献2)、ならびに4.0%超のMnを添加した鋼(非特許文献1)が提案されている。上記鋼は多量のMnを含有するので、その使用部材に対する軽量化効果も顕著である。
特開平5-59429号公報 特開2013-76162号公報
古川敬、松村理、熱処理、日本国、日本熱処理協会、平成9年、第37号巻、第4号、p.204
鋼板が構造部材に使用される場合、鋼板に溶接が行われることが多いが、鋼板中のC含有量が多いと溶接性が悪くなるため、構造部材として使用することに制限がかかる。したがって、C含有量を増加することなく、鋼板の成形性と強度との両方を向上することが望まれている。
また、特許文献2および非特許文献1に開示された鋼は、箱焼鈍のような長時間加熱プロセスを要件としており、生産性の向上が望まれる。しかしながら、自動車用の部材に供する高強度鋼板の製造に適する連続焼鈍のような短時間加熱プロセスにおける材料設計は十分に検討されておらず、その場合の伸び特性を高める要件は明らかでなかった。
さらには、衝突特性を向上させるためには、衝突部材、特に、フロントサイドメンバーのように部材が大きく変形することで衝撃エネルギー吸収量を稼ぐことが有効であるが、変形の局所化による座屈を防ぐため、高い加工硬化率と良好な衝撃特性とを両立させる必要があった。
本発明は上記の課題を解決し、高い強度、ならびに優れた均一伸び特性および衝撃エネルギー吸収能を有する鋼板を提供することを目的とする。
本発明の鋼板は、下記の鋼板を要旨とする。
(1)鋼板の化学組成が、質量%で、
C:0.10%超0.55%未満、
Si:0.001%以上3.50%未満、
Mn:4.00%超9.00%未満、
sol.Al:0.001%以上3.00%未満、
P:0.100%以下、
S:0.010%以下、
N:0.050%未満、
O:0.020%未満、
Cr:0%以上2.00%未満、
Mo:0~2.00%、
W:0~2.00%、
Cu:0~2.00%、
Ni:0~2.00%、
Ti:0~0.300%、
Nb:0~0.300%、
V:0~0.300%、
B:0~0.010%、
Ca:0~0.010%、
Mg:0~0.010%、
Zr:0~0.010%、
REM:0~0.010%、
Sb:0~0.050%、
Sn:0~0.050%、
Bi:0~0.050%、
残部:Feおよび不純物であり、
前記鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面において、表面から板厚の1/4深さ位置における金属組織が、面積%で、
焼戻しマルテンサイト:25~90%、
フェライト:5%以下、
残留オーステナイト:10~50%、および
ベイナイト:5%以下であり、
前記鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面の表面から板厚の1/4深さ位置において、面積が1μm以上であり、かつ粒円形度が0.1以上である残留オーステナイト結晶粒の合計面積の割合が、前記残留オーステナイトの全体の面積に対して50%未満であり、
下記(i)式を満足する、
鋼板。
Mnγ/CMnα≧1.2 ・・・(i)
但し、上記(i)式中の記号の意味は以下のとおりである。
Mnγ:残留オーステナイト中の平均Mn濃度(質量%)
Mnα:フェライトおよび焼戻しマルテンサイト中の平均Mn濃度(質量%)
(2)前記化学組成が、質量%で、
Cr:0.01%以上2.00%未満、
Mo:0.01~2.00%、
W:0.01~2.00%、
Cu:0.01~2.00%、および
Ni:0.01~2.00%
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載の鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、
Ti:0.005~0.300%、
Nb:0.005~0.300%、および
V:0.005~0.300%
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)または(2)に記載の鋼板。
(4)前記化学組成が、質量%で、
B:0.0001~0.010%、
Ca:0.0001~0.010%、
Mg:0.0001~0.010%、
Zr:0.0001~0.010%、および
REM:0.0001~0.010%
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)から(3)までのいずれかに記載の鋼板。
(5)前記化学組成が、質量%で、
Sb:0.0005~0.050%、
Sn:0.0005~0.050%、および
Bi:0.0005~0.050%
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)から(4)までのいずれかに記載の鋼板。
(6)前記鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を有する、
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の鋼板。
(7)前記鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有する、
上記(1)から(5)までのいずれかに記載の鋼板。
(8)0℃におけるシャルピー衝撃値が20J/cm以上である、
上記(1)から(7)までのいずれかに記載の鋼板。
(9)前記鋼板の降伏比が、0.40超0.80未満である、
上記(1)から(8)までのいずれかに記載の鋼板。
本発明によれば、高い強度、ならびに優れた均一伸び特性および衝撃エネルギー吸収能を有する鋼板を提供することができる。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
(A)化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
C:0.10%超0.55%未満
Cは、マルテンサイトおよび焼戻しマルテンサイトの強度を高め、残留オーステナイトを確保するために、極めて重要な元素である。十分量のオーステナイトを得るためには、0.10%超のC含有量が必要となる。一方、Cを過剰に含有させると鋼板の靱性および溶接性を損なう。したがって、C含有量は0.10%超0.55%未満とする。C含有量は0.12%以上であるのが好ましく、0.15%以上であるのがより好ましく、0.20%以上であるのがさらに好ましい。また、C含有量は0.40%以下であるのが好ましく、0.35%以下であるのがより好ましい。
Si:0.001%以上3.50%未満
Siは、焼戻しマルテンサイトの強化、組織の均一化、および加工性の改善に有効な元素である。また、Siは、セメンタイトの析出を抑制し、オーステナイトの残留を促進することで、鋼板の均一伸び特性を向上させる作用も有する。一方、Siを過剰に含有させると鋼板のめっき性および化成処理性を損なう。したがって、Si含有量は0.001%以上3.50%未満とする。Si含有量は0.005%以上であるのが好ましく、0.010%以上であるのがより好ましい。Si含有量は3.00%以下であるのが好ましく、2.50%以下であるのがより好ましい。
Mn:4.00%超9.00%未満
Mnは、オーステナイトを安定化させ、焼入れ性を高める元素である。また、本発明の鋼板においては、Mnをオーステナイト中に濃化させ、オーステナイトをより安定化させる。室温でオーステナイトを安定化させるためには、4.00%超のMnが必要である。一方、鋼板に過剰のMnを含有させると靱性を損なう。したがって、Mn含有量は4.00%超9.00%未満とする。Mn含有量は4.50%以上であるのが好ましく、4.80%以上であるのがより好ましい。また、Mn含有量は8.50%以下であるのが好ましく、8.00%以下であるのがより好ましい。
sol.Al:0.001%以上3.00%未満
Alは、脱酸剤であり、sol.Alとして0.001%以上含有させる必要がある。また、Alは、焼鈍時の二相域の温度範囲を広げるため、材質安定性を高める作用も有する。Alの含有量が多いほどその効果は大きくなるが、Alを過剰に含有させると、表面性状、塗装性、および溶接性を維持することが難しくなる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上3.00%未満とする。sol.Al含有量は0.005%以上であるのが好ましく、0.010%以上であるのがより好ましく、0.020%以上であるのがさらに好ましい。また、sol.Al含有量は2.00%以下であるのが好ましく、1.00%以下であるのがより好ましい。なお、本明細書にいう「sol.Al」は、「酸可溶性Al」を意味する。
P:0.100%以下
Pは不純物であり、鋼板に過剰のPを含有させると、靱性および溶接性を損なう。したがって、P含有量は0.100%以下とする。P含有量は0.050%以下であるのが好ましく、0.030%以下であるのがより好ましく、0.020%以下であるのがさらに好ましい。なお、P含有量は0.001%以上であってもよいが、本発明に係る鋼板はPを必要としないので、可能な限り低減することが好ましい。
S:0.010%以下
Sは不純物であり、鋼板に過剰のSを含有させると、熱間圧延によって伸張したMnSが生成し、曲げ性および穴拡げ性などの成形性が低下する。したがって、S含有量は0.010%以下とする。S含有量は0.007%以下であるのが好ましく、0.003%以下であるのがより好ましい。なお、S含有量は0.001%以上であってもよいが、本発明に係る鋼板はSを必要としないので、可能な限り低減することが好ましい。
N:0.050%未満
Nは不純物であり、鋼板に0.050%以上のNを含有させると靱性が低下する。したがって、N含有量は0.050%未満とする。N含有量は0.010%以下であるのが好ましく、0.006%以下であるのがより好ましい。なお、N含有量は0.002%以上であってもよいが、本発明に係る鋼板はNを必要としないので、可能な限り低減することが好ましい。
O:0.020%未満
Oは不純物であり、鋼板に0.020%以上のOを含有させると均一伸び特性が低下する。したがって、O含有量は0.020%未満とする。O含有量は0.010%以下であるのが好ましく、0.005%以下であるのがより好ましく、0.003%以下であるのがさらに好ましい。なお、O含有量は0.001%以上であってもよいが、本発明に係る鋼板はOを必要としないので、可能な限り低減することが好ましい。
本発明の鋼板には、上記の元素に加えてさらに、下記に示す量のCr、Mo、W、Cu、Ni、Ti、Nb、V、B、Ca、Mg、Zr、REM、Sb、SnおよびBiから選択される1種以上を含有させてもよい。
Cr:0%以上2.00%未満
Mo:0~2.00%
W:0~2.00%
Cu:0~2.00%
Ni:0~2.00%
Cr、Mo、W、Cu、およびNiは、鋼板の強度を向上させる元素である。したがって、これらの元素から選択される1種以上を含有させてもよい。しかし、これらの元素を過剰に含有させると、熱延時の表面傷が生成しやすくなり、さらには、熱延鋼板の強度が高くなりすぎて、冷間圧延性が低下する場合がある。したがって、Cr含有量は2.00%未満、Mo含有量は2.00%以下、W含有量は2.00%以下、Cu含有量は2.00%以下、Ni含有量は2.00%以下とする。これらの元素の上記効果をより確実に得るには、上記元素の少なくともいずれかを0.01%以上含有させることが好ましい。
Ti:0~0.300%
Nb:0~0.300%
V:0~0.300%
Ti、Nb、およびVは、微細な炭化物、窒化物または炭窒化物を生成する元素であるので、鋼板の強度向上に有効である。したがって、Ti、Nb、およびVから選択される1種以上を含有させてもよい。しかし、これらの元素を過剰に含有させると、熱延鋼板の強度が上昇しすぎて、冷間圧延性が低下する場合がある。したがって、Ti含有量は0.300%以下、Nb含有量は0.300%以下、V含有量は0.300%以下とする。これらの元素の上記効果をより確実に得るには、上記元素の少なくともいずれかを0.005%以上含有させることが好ましい。
B:0~0.010%
Ca:0~0.010%
Mg:0~0.010%
Zr:0~0.010%
REM:0~0.010%
B、Ca、Mg、Zr、およびREM(希土類金属)は、鋼板の局部延性および穴拡げ性を向上させる。したがって、これらの元素から選択される1種以上を含有させてもよい。しかし、これらの元素を過剰に含有させると、鋼板の加工性を低下させる場合がある。したがって、B含有量は0.010%以下、Ca含有量は0.010%以下、Mg含有量は0.010%以下、Zr含有量は0.010%以下、REM含有量は0.010%以下とする。また、B、Ca、Mg、Zr、およびREMから選択される1種以上の元素の含有量の合計を0.030%以下とすることが好ましい。これらの元素の上記効果をより確実に得るには、上記元素の少なくともいずれかを0.0001%以上含有させることが好ましく、0.0010%以上含有させることがより好ましい。
なお、本明細書にいうREMとは、Sc、Y、およびランタノイドの合計17元素を指し、REM含有量とは、これらの元素の合計含有量を指す。また、REMは一般的には複数種のREMの合金であるミッシュメタルとしても供給されている。このため、個別の元素を1種以上添加してREM含有量が上記の範囲となるように含有させてもよいし、例えば、ミッシュメタルの形で添加して、REM含有量が上記の範囲となるように含有させてもよい。
Sb:0~0.050%
Sn:0~0.050%
Bi:0~0.050%
Sb、Sn、およびBiは、鋼板中のMn、Si、および/またはAl等の易酸化性元素が鋼板表面に拡散され酸化物を形成することを抑え、鋼板の表面性状およびめっき性を高める。したがって、これらの元素から選択される1種以上を含有させてもよい。しかし、過剰に含有させても、上記効果が飽和する。したがって、Sb含有量は0.050%以下、Sn含有量は0.050%以下、Bi含有量は0.050%以下とする。これらの元素の上記効果をより確実に得るには、上記元素の少なくともいずれかを0.0005%以上含有させることが好ましく、0.0010%以上含有させることがより好ましい。
本発明の鋼板の化学組成において、残部はFeおよび不純物である。なお「不純物」とは、鋼原料もしくはスクラップからおよび/または製鋼過程から不可避的に混入するものであり、本発明に係る鋼板の特性を阻害しない範囲で許容される元素が例示される。
(B)金属組織
本発明に係る鋼板の金属組織について説明する。なお、以下の説明において面積率についての「%」は、「面積%」を意味する。
本発明に係る鋼板の圧延方向および板厚方向に平行で、鋼板の中心軸を通る断面(「L断面」ともいう。)において、表面から板厚の1/4深さ位置における金属組織は、25~90%の焼戻しマルテンサイト、5%以下のフェライト、10~50%の残留オーステナイト、および5%以下のベイナイトを含む。各組織の分率は、焼鈍の条件によって変化し、鋼板の強度、均一伸び特性、靱性、および降伏比に影響を与える。各組織の限定理由について詳しく説明する。
焼戻しマルテンサイト:25~90%
焼戻しマルテンサイトは、鋼板の強度を高め、均一伸び特性および靱性を向上させ、適切な降伏比をもたらす組織である。焼戻しマルテンサイトの面積率が25%未満または90%超となると、十分な強度、均一伸び、靱性、および降伏比を得ることが困難となる。したがって、焼戻しマルテンサイトの面積率は25~90%とする。
焼戻しマルテンサイトの面積率は30%以上であるのが好ましく、35%以上であるのがより好ましく、50%以上であるのがさらに好ましい。また、水素脆化の観点から、焼戻しマルテンサイトの面積率は80%以下であるのが好ましく、75%以下であるのがより好ましく、70%以下であるのがさらに好ましい。
フェライト:5%以下
金属組織中のフェライトの面積率が多くなると、均一伸び特性および靱性が著しく低下する。加えて、フェライト面積率が50%を超える場合には、降伏比が大きくなりすぎる傾向がある。したがって、フェライトの面積率は5%以下とする。フェライトの面積率は3%以下であるのが好ましく、0%であるのがより好ましい。
残留オーステナイト:10~50%
残留オーステナイトは、変態誘起塑性によって鋼板の延性、特に鋼板の均一伸び特性を高める組織である。また、残留オーステナイトは、引張変形を伴う張出し加工、絞り加工、伸びフランジ加工、または曲げ加工によってマルテンサイト相に変態し得るので、鋼板の各種加工性だけでなく、鋼板の強度の向上にも寄与する。そのため、残留オーステナイトの面積率は高いほど好ましい。
しかしながら、上述した化学組成を有する鋼板では、残留オーステナイトの面積率は50%が上限となる。9.00%超のMnを含有させれば、残留オーステナイトの面積率で50%超にすることができるが、この場合、鋼板の均一伸び特性および鋳造性が損なわれる。
したがって、残留オーステナイトの面積率は10~50%とする。残留オーステナイトの面積率は、14%以上であるのが好ましく、18%以上であるのがより好ましく、20%以上であるのがさらに好ましい。特に、残留オーステナイトの面積率が18%以上になると、引張強さと均一伸びとの積「TS×uEL」が15000MPa・%以上となり、均一伸び特性がより高強度でも維持されるようになる。
ベイナイト:5%以下
本発明に係る鋼板においては、金属組織中にベイナイトが存在すると、ベイナイト中に硬質な組織であるMA(Martensite-Austenite constituent)が内在する。MAが内在すると均一伸び特性および靱性が低下する。鋼板の均一伸び特性および靱性を低下させないために、ベイナイトの面積率を5%以下とし、好ましくは0%である。
本発明に係る鋼板の金属組織における焼戻しマルテンサイト、フェライト、残留オーステナイト、およびベイナイト以外の残部組織としては、フレッシュマルテンサイト(すなわち、焼戻しされていないマルテンサイト)であることが望ましい。ベイナイトには、焼戻しベイナイトも含まれ得るが、本願明細書においては区別しない。また、パーライトについては、含まれる可能性は低く、実質的に0%である。
フレッシュマルテンサイトは硬質の組織であり、鋼板の強度の確保に有効である。しかし、フレッシュマルテンサイトの面積率が低いほど、鋼板の曲げ性が高くなる。したがって、フレッシュマルテンサイトの面積率は、0%超であるのが好ましく、1%以上であるのがより好ましく、3%以上であるのがさらに好ましい。また、フレッシュマルテンサイトの面積率は、55%以下であるのが好ましく、45%以下であるのがより好ましく、20%以下であるのがさらに好ましい。
また、本発明に係る鋼板のL断面の表面から板厚の1/4深さ位置における金属組織において、面積が1μm以上であり、かつ粒円形度が0.1以上である残留オーステナイト結晶粒の合計面積が、残留オーステナイトの全体の面積に対して50%未満である。
結晶粒の面積が1μm以上かつ結晶粒の粒円形度が0.1以上の残留オーステナイト組織が、残留オーステナイトの組織全体に占める面積率が、50%未満であることによって、均一伸び特性および靱性に優れた鋼板を得ることができる。結晶粒の面積が大きくかつ粒円形度が大きい残留オーステナイトが、残留オーステナイトの組織全体の50%以上を占めると、鋼板の均一伸び特性および靱性が低下する。
結晶粒の面積が1μm未満、すなわち結晶の粒径が小さい残留オーステナイトは、フェライト-オーステナイト二相域での焼鈍時に短い時間でMnが均一に濃縮し易く安定性が高いので、高歪側まで変態が遅延する。そのため、均一伸び特性および靱性に優れた鋼板を得ることができる。
残留オーステナイトにおいて、結晶粒の面積が1μm以上、すなわち結晶の粒径が大きい残留オーステナイトでも、粒円形度が0.1未満である場合は、結晶粒の多くがマルテンサイト間または焼戻しマルテンサイトラス間に存在するので、周囲からの空間拘束により、高歪域側まで変態が遅延する。そのため、均一伸び特性および靱性に優れた鋼板を得ることができる。
さらに、本発明の鋼材において、L断面の表面から板厚の1/4深さ位置における金属組織中のMn濃度が、下記(i)式を満足する。
Mnγ/CMnα≧1.2 ・・・(i)
但し、上記(i)式中の記号の意味は以下のとおりである。
Mnγ:残留オーステナイト中の平均Mn濃度(質量%)
Mnα:フェライトおよび焼戻しマルテンサイト中の平均Mn濃度(質量%)
オーステナイト相分率が20~50%となる温度域で熱処理することにより、オーステナイトであった箇所にMnを十分に濃化させることができる。これにより、短時間焼鈍でも安定した残留オーステナイトを得ることができ、優れた均一伸び特性、高強度、優れた靱性、および適切な降伏比が得られる。
残留オーステナイトとフェライトおよび焼戻しマルテンサイトとの間のMn濃度比である(i)式左辺値が1.2以上であると、Mnの分配が十分であり、残留オーステナイトを短時間焼鈍で得ることができる。したがって、(i)式左辺値は1.2以上とする。(i)式左辺値は1.4以上であるのが好ましい。また、オーステナイトが過剰に安定になることを抑制して均一伸び特性向上効果の低下を抑制するために、(i)式左辺値は2.0未満であるのが好ましい。
金属組織の面積率、残留オーステナイト結晶粒の面積および粒円形度、ならびにCMnγおよびCMnαの算出方法について以下に説明する。
<残留オーステナイトの面積率の測定方法>
残留オーステナイトの面積率はX線回折法により測定される。まず、鋼板の主面中央部から幅25mm(圧延方向の長さ)、長さ25mm(圧延直角方向の長さ)、および焼鈍した試料の厚さままの板厚方向の厚さを有する試験片を切り出す。そして、この試験片に化学研磨を施して板厚1/4分を減厚し、化学研磨された表面を有する試験片を得る。試験片の表面に対して、Co管球を用い、測定範囲2θを45~105度とするX線回折分析を3回実施する。
fcc相に関しては、(111)、(200)、(220)の各ピークの積分強度を求め、bcc相に関しては、(110)、(200)、(211)の各ピークの積分強度を求める。それらの積分強度を解析し、3回のX線回折分析結果を平均することで、残留オーステナイトの体積率を求め、その値を残留オーステナイトの面積率とする。
<焼戻しマルテンサイト、フェライト、ベイナイト、およびフレッシュマルテンサイトの面積率の測定方法>
焼戻しマルテンサイト、フェライト、ベイナイト、およびフレッシュマルテンサイトの面積率は、走査電子顕微鏡(SEM)による組織観察から算出される。鋼板のL断面を鏡面研磨した後に、3%ナイタール(3%硝酸-エタノール溶液)によりミクロ組織を現出させる。そして、SEMにより倍率5000倍で、鋼板の表面から板厚の1/4深さ位置における縦0.1mm(板厚方向の長さ)×横0.3mm(圧延方向の長さ)の範囲のミクロ組織を観察し、それぞれの組織の面積率を測定することができる。
焼戻しマルテンサイトは、SEMによる観察において認識された白色の組織のうち、結晶粒内に下部組織が確認されたものを焼戻しマルテンサイトと判断することにより面積率を算出する。フェライトは灰色の下地組織として判別して面積率を算出する。ベイナイトは、SEMによる観察において、ラス状の結晶粒の集合であり、ラス内に炭化物が同一方向に延びた組織として判別し、面積率を算出する。
フレッシュマルテンサイトは、SEMによる観察において残留オーステナイトと同様に白色の組織として認識される。そのため、SEMによる観察では残留オーステナイトとフレッシュマルテンサイトとの区別が難しいが、SEMによる観察で得られた残留オーステナイトとフレッシュマルテンサイトとの合計面積率から、X線回折法より測定された残留オーステナイトの面積率を差し引くことによって、フレッシュマルテンサイトの面積率を算出する。
<残留オーステナイト結晶粒の面積および粒円形度の測定方法>
粒円形度および結晶粒の面積は、TSL社製OIM Analysis version 7の標準機能(MapおよびGrain Shape Circularity)を用いて、後方散乱電子回折(EBSP:Electron Back Scatter Diffraction Patterns)分析を行うことによって、測定することができる。粒円形度(Grain shape circularity)は、下記式により求められる。
粒円形度=4πA/P
但し、上記式中の記号の意味は以下のとおりである。
A:結晶粒の面積
P:結晶粒の周囲長さ
<CMnγおよびCMnαの測定方法>
Mnγ/CMnαは、EBSP、SEM、および電子線マイクロアナライザ(EPMA)により測定することができる。EBSPおよびSEMにより、残留オーステナイト、フェライト、および焼戻しマルテンサイトを特定し、EPMAにより、CMnγおよびCMnαを測定して、CMnγ/CMnαを算出することができる。
(C)機械的特性
次に、本発明に係る鋼板の機械的特性について説明する。
鋼板を自動車の素材として使用する際、高強度化によって板厚を減少させ、軽量化に寄与するため、本発明に係る鋼板の引張強さ(TS)は、780MPa以上であるのが好ましく、980MPa以上であるのがより好ましく、1180MPa以上であるのがさらに好ましい。また、本発明に係る鋼板をプレス成形に供するために、均一伸び(uEL)も優れることが望ましい。本発明に係る鋼板のTS×uELは、12000MPa・%以上であるのが好ましく、15000MPa・%以上であるのがより好ましい。
本発明に係る鋼板はまた、優れた靱性を有する。本発明に係る鋼板は、0℃でのシャルピー試験の衝撃値が20J/cm以上であることが好ましい。
本発明に係る鋼板は適切な降伏比を有する。降伏比YRは、引張強さ(TS)に対する降伏応力(YS)の比率でありYS/TSで示される指標である。YRが0.80未満であることにより高い加工硬化率が得られ、大きく変形することによる大きなエネルギー吸収が可能となる。また、YRが0.40超であることにより、変形初期における衝撃エネルギー吸収量も十分に得ることができる。したがって、本発明に係る鋼板の降伏比YRは、0.40超0.80未満であるのが好ましい。
(D)製造方法
次に、本発明に係る鋼板の製造方法について説明する。本発明の一実施形態に係る鋼板は、例えば以下に示す鋳造工程、熱間圧延工程、冷間圧延工程、一次焼鈍工程および二次焼鈍工程を含む製造方法によって得ることができる。また、必要に応じて、めっき工程をさらに含んでもよい。
<鋳造工程>
本発明に係る鋼板は、上述の化学組成を有する鋼を常法で溶製し、鋳造して鋼材(以下、「スラブ」ともいう。)を作製する。本発明に係る鋼板が上述の化学組成を有する限り、溶鋼は、通常の高炉法で溶製されたものであってもよく、電炉法で作成された鋼のように、原材料がスクラップを多量に含むものでもよい。スラブは、通常の連続鋳造プロセスで製造されたものでもよいし、薄スラブ鋳造で製造されたものでもよい。
<熱間圧延工程>
熱間圧延は、通常の連続熱間圧延ラインを用いて行うことができる。熱間圧延は、還元雰囲気で行われることが好ましく、例えば窒素98%および水素2%の還元雰囲気で行ってもよい。
スラブ加熱温度:1100~1300℃
熱間圧延工程に供するスラブは、熱間圧延の前に加熱されることが好ましい。熱間圧延に供するスラブの温度を1100℃以上にすることにより、熱間圧延時の変形抵抗をより小さくすることができる。一方、熱間圧延に供するスラブの温度を1300℃以下にすることにより、スケールロス増加による歩留まりの低下を抑制することができる。したがって、熱間圧延に供するスラブの温度は、1100~1300℃とすることが好ましい。本願明細書において、温度とは、スラブ、熱延鋼板、または冷延鋼板の主面中央部の表面温度をいう。
上記スラブ加熱温度域における保持時間は特に制限されないが、曲げ性を向上させるためには、30min以上とすることが好ましく、1h以上にすることがより好ましい。また、過度のスケールロスを抑制するためには、10h以下とすることが好ましく、5h以下とすることがより好ましい。直送圧延または直接圧延を行う場合は、スラブに加熱処理を施さずにそのまま熱間圧延に供してもよい。
仕上圧延開始温度:750~1000℃
仕上圧延開始温度は750~1000℃とすることが好ましい。仕上圧延開始温度を750℃以上とすることにより、圧延時の変形抵抗を小さくすることができる。一方、仕上圧延開始温度を1000℃以下にすることにより、粒界酸化による鋼板の表面性状の低下を抑制することができる。
巻取温度:300℃未満
仕上圧延を行った後、冷却を行い300℃未満で巻取りを行う。これにより、25%以上の面積率の焼戻しマルテンサイト相を確保することができる。300℃以上で巻き取ると、熱延板組織をフルマルテンサイト組織とすることができず、熱延鋼板の熱処理工程および冷延鋼板の焼鈍工程のそれぞれにおいて、Mn分配とオーステナイト逆変態とを効率的に起こすことが困難となる。
熱延鋼板の熱処理:
得られた熱延鋼板に、オーステナイト相分率が20~50%となる温度域にて60min以上の熱処理を行う。鋼板のAc超Ac未満の2相域の温度範囲内のうち、オーステナイト相分率が20~50%となる温度範囲内で熱処理を行うことにより、オーステナイトにMnを分配して、オーステナイトを安定化させて、優れた均一伸び特性、高強度、優れた靱性、および適切な降伏比を得ることに寄与する。一方、当該熱処理においてオーステナイト相分率が20%未満または50%超の温度で熱処理を行うと、オーステナイト相を安定化させることが困難となる。
また、当該熱処理を60min未満で行う場合も、オーステナイト相を安定化させることが困難となる。オーステナイト相分率が20~50%となる温度で60min以上熱処理を行うことによって、焼鈍後の鋼板のL断面における表面から厚みの1/4位置における金属組織が、面積率で、10%以上の残留オーステナイトを含むことができる。
オーステナイトの面積率が20~50%となる温度範囲は、鋼板の成分に応じて、オフラインの予備実験で室温から0.5℃/sの加熱速度で加熱し、加熱中の体積変化から、オーステナイト相分率を測定することで求めることができる。熱処理の保持時間は、好ましくは2h以上、より好ましくは3h以上である。熱処理の保持時間は、生産性の観点から、好ましくは10h以下、より好ましくは8h以下である。
オーステナイト相分率が20~50%となる温度範囲で熱処理を行った後、冷却を行う。これにより、熱処理で得たMn分配状態を維持することができる。
<冷間圧延工程>
熱処理後の熱延鋼板は、常法により酸洗を施された後に、30~70%の圧下率で冷間圧延が行われ、冷延鋼板とされる。冷間圧延の圧下率を30%未満とすると、焼鈍後の鋼板の組織を微細化することができず、オーステナイト逆変態が遅れてしまい、十分な面積率の残留オーステナイトを得ることができない。また、冷間圧延中の破断を抑制する観点から、冷間圧延の圧下率を70%以下とする。
冷間圧延の前であって酸洗の前または後に0%超~5%程度の軽度の圧延を行って形状を修正すると、平坦確保の点で有利となるので好ましい。また、酸洗前に軽度の圧延を行うことより酸洗性が向上し、表面濃化元素の除去が促進され、化成処理性およびめっき処理性を向上させる効果がある。
<一次焼鈍工程>
冷間圧延工程を経て得られた冷延鋼板を加熱して、750℃超の温度域で10s以上保持して、1回目の焼鈍を行う。この焼鈍を本発明では「一次焼鈍」と呼ぶ。一次焼鈍によって、最終組織において、フェライトの生成を、面積率で5%以下に低減することができる。これにより、良好な均一伸び特性および靱性を安定して確保することが可能となる。一次焼鈍温度が750℃を下回ると最終組織におけるフェライト生成が過剰となり、さらに、温度が低下すると再結晶が十分に進展しない可能性がある。
焼鈍は、焼鈍炉および連続焼鈍ラインのどちらで行ってもよいが、一次焼鈍および後述する二次焼鈍はいずれも、連続焼鈍ラインを用いて行うことが好ましい。連続焼鈍ラインを用いることにより、生産性を向上することができる。焼鈍は、還元雰囲気で行われることが好ましく、例えば窒素98%および水素2%の還元雰囲気で行ってもよい。
一次焼鈍温度:750℃超
一次焼鈍温度を750℃超にすることにより、焼鈍後の鋼板中のフェライトの分布を均一にすることができ、均一伸び特性および強度を向上することができる。一次焼鈍温度はAc点以上であることが好ましい。一次焼鈍温度をAc点以上にすることにより、再結晶を著しく促進することができる。
ここで、Ac点は以下の手法で算出する。C:0.10%超0.55%未満、Si:0.001%以上3.50%未満、Mn:4.00%超9.00%未満、およびAl:0.001%以上3.00%未満を含有する複数種類の冷延鋼板について加熱速度0.5~50℃/sでAc点を計測し検討した結果、下記式が得られ、この式を用いてAc点を算出することができる。
Ac=910-200√C+44Si-25Mn+44Al
但し、上記式中の元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
一方で、一次焼鈍温度の上限値は、好ましくは950℃以下である。焼鈍温度を950℃以下とすることにより、焼鈍炉の損傷を抑制して、生産性を向上させることができる。
一次焼鈍時間:10s以上
一次焼鈍の冷却後にラスマルテンサイト組織を増加させマルテンサイト主体の組織とするために、一度、オーステナイト主体の組織とする目的から750℃超の温度域で保持するが焼鈍時間を10s以上とする。焼鈍時間が10sに満たない場合、一次焼鈍の効果が十分に得られず、均一伸びおよび靱性が低下する可能性がある。生産性の観点からは、焼鈍時間を300s以内とすることが好ましい。
平均昇温温度:5~30℃/s
一次焼鈍における加熱開始温度(室温)から焼鈍温度までの平均昇温速度は、好ましくは5~30℃/sである。一次焼鈍における昇温速度をこの範囲にすることにより、金属組織中のフェライトの面積率をより低減することができる。
最終冷却温度:100℃未満
一次焼鈍後の冷却においては、一次焼鈍温度から100℃未満まで冷却する。最終冷却温度を100℃未満にすることにより、ラスマルテンサイト組織を増加させることができる。鋼板の搬送時の安全確保の観点から、最終冷却温度は、室温(50℃以下)とすることが好ましい。
また、一次焼鈍温度から500℃以下の温度範囲まで、2~2000℃/sの平均冷却速度で冷却することが好ましい。焼鈍後の平均冷却速度を2℃/s以上とすることによって、粒界偏析を抑制し、曲げ性を向上することができる。一方、平均冷却速度を2000℃/s以下とすることにより、冷却停止した後の鋼板温度分布が均一になるので、鋼板の平坦性をより向上させることができる。
好ましくは、2~2000℃/sの平均冷却速度での冷却における冷却停止温度を100℃以上とする。冷却停止温度を100℃以上にすることにより、マルテンサイト変態に伴うひずみ発生を抑制でき、鋼板の平坦性を向上させることができる。
さらに、一次焼鈍温度から500℃以下までの温度範囲を平均冷却速度2~2000℃/sで冷却した後、好ましくは100~500℃の温度域で10~1000s保持する。100~500℃の温度域における保持時間を10s以上とすることにより、オーステナイトへのC分配が十分に進行して、最終熱処理前の組織にオーステナイトを増加させることができ、その結果、最終熱処理後の組織に塊状のオーステナイトが生成することを抑制し、強度特性の変動をより小さくすることができる。一方、上記保持時間が1000s超であっても、上記作用による効果は飽和して、生産性が低下するだけであるため、100~500℃の温度域における保持時間は、好ましくは1000s以下、より好ましくは300s以下である。
上記保持温度を100℃以上にすることにより、連続焼鈍ラインの効率を向上することができる。一方、保持温度を500℃以下にすることにより、粒界偏析を抑制し、曲げ性を向上することができる。
<二次焼鈍工程>
上記の一次焼鈍を行い室温まで冷却した後に、1~40℃/sの平均昇温速度で600℃以上Ac点未満の温度域に加熱して、その加熱温度で5s以上保持して、2回目の焼鈍を行う。この焼鈍を本発明では「二次焼鈍」と呼ぶ。
二次焼鈍温度:600℃以上Ac点未満
二次焼鈍温度を600℃以上Ac点未満にすることにより、フェライトの面積率を低減し、均一伸び特性および靱性を向上することができる。二次焼鈍温度をAc点以上とすると、その後の冷却過程において残留オーステナイトの確保が難しくなる。また、Mn含有量が高くマルテンサイト変態温度が低いため、二次焼鈍温度をAc点以上とすると、十分な焼戻しマルテンサイトの確保も難しくなる。
二次焼鈍時間:5s以上
セメンタイトを溶解させ、良好な靱性を安定して確保する観点から、600℃以上Ac点未満の温度域で保持する焼鈍時間を5s以上とする。生産性の観点から、二次焼鈍時間を300s以内とすることが好ましい。
平均昇温速度:1~40℃/s
二次焼鈍における平均昇温速度は、1℃/s以上、好ましくは2℃/s以上、より好ましくは3℃/s以上である。このような平均昇温速度で昇温することにより、フェライト相の面積率を5%以下にすることができる。
二次焼鈍における平均昇温速度は、40℃/s未満、好ましくは20℃/s未満、より好ましくは10℃/s未満である。このような平均昇温速度で昇温することにより、粗大な塊状オーステナイト、すなわち、面積が1μm以上且つ粒円形度が0.1以上の残留オーステナイトの生成を抑制して、残留オーステナイトの全体の面積に対する粗大な塊状オーステナイトの面積率を50%未満にすることができる。昇温速度が速すぎると、オーステナイトの生成駆動力が大きくなり、マルテンサイトラスではなく旧オーステナイト粒界からオーステナイトが生成するため、粗大な塊状オーステナイトが増加する。
平均冷却速度:5℃/s以上
二次焼鈍後に、鋼板は、5℃/s以上の平均冷却速度で100℃以下まで冷却される。平均冷却速度が5℃/s未満では、軟質なベイナイトが過度に生成し、熱処理後の鋼材において高強度(980MPa以上の引張強さ)を確保することが困難となるおそれがある。好ましくは、鋼板の焼割れを抑制する観点から、平均冷却速度を500℃/s以下とする。
<めっき工程>
鋼板にめっきする場合には、以下のようにして製造する。
鋼板の表面に溶融亜鉛めっきを施して溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、二次焼鈍後に、5℃/s以上の平均冷却速度で430~500℃の温度域まで冷却し、次いで冷延鋼板を溶融亜鉛のめっき浴に浸漬して溶融亜鉛めっき処理を行う。めっき浴の条件は通常の範囲内とすればよい。めっき処理後は、平均冷却速度5℃/s以上で100℃以下の温度域まで冷却する。
鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっきを施して合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施した後、鋼板を室温まで冷却する前に、450~620℃の温度で溶融亜鉛めっきの合金化処理を行う。合金化処理条件は、通常の範囲内とすればよい。合金化処理後は、平均冷却速度5℃/s以上で100℃以下の温度域まで冷却する。
焼鈍後の鋼板、またはめっき後の鋼板に、スキンパス圧延を行ってもよい。スキンパス圧延を行う場合、スキンパス圧延の圧下率は0%超5.0%未満であることが好ましい。なお、鋼板の表面に溶融亜鉛めっきまたは合金化溶融亜鉛めっきを施す場合は、めっき後の鋼板にスキンパス圧延を行う。
以上のように鋼板を製造することによって、本発明に係る鋼板を得ることができる。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.評価用鋼板の製造
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により245mm厚のスラブを得た。
Figure 0007036274000001
得られた鋼材(スラブ)を、表2に示す条件で熱間圧延し、厚さ2.4mm程度の熱延鋼板を得た。得られた熱延鋼板に、表2に示すオーステナイト相分率となる温度および保持時間で熱処理、酸洗、および表2に示す冷間圧延率で冷間圧延を施して、厚さ1.4mmの冷延鋼板を得た。熱間圧延および熱延鋼板の熱処理は、窒素98%および水素2%の還元雰囲気で行った。
Figure 0007036274000002
得られた冷延鋼板について、表3に示す条件で、一次焼鈍および二次焼鈍を施して焼鈍冷延鋼板を作製した。冷延鋼板に対する2回の焼鈍は、窒素98%および水素2%の還元雰囲気で行った。一次焼鈍における加熱開始温度(室温)から焼鈍温度までの平均昇温速度は、15℃/sとした。二次焼鈍において、焼鈍温度から50℃/sの平均冷却速度で100℃以下まで冷却した。
Figure 0007036274000003
一部の焼鈍冷延鋼板例については、二次焼鈍後の冷却を460℃で停止し、冷延鋼板を460℃の溶融亜鉛のめっき浴に2s浸漬して、溶融亜鉛めっき処理を行った。めっき浴の条件は従来のものと同じであった。後述する合金化処理を施さない場合、460℃の保持後に、平均冷却速度10℃/sで室温まで冷却した。
一部の焼鈍冷延鋼板例については、溶融亜鉛めっき処理を行った後に、室温に冷却せずに、続いて合金化処理を施した。520℃まで加熱し、520℃で5s保持して合金化処理を行い、その後、平均冷却速度10℃/sで室温まで冷却した。
このようにして得られた焼鈍冷延鋼板を伸び率0.1%で調質圧延し、各種評価用鋼板を準備した。
2.評価方法
各例で得られた焼鈍冷延鋼板について、ミクロ組織観察、引張試験、均一伸び試験、および靱性試験を実施して、焼戻しマルテンサイト、フェライト、残留オーステナイト、ベイナイト、およびフレッシュマルテンサイトの面積率、残留オーステナイト結晶粒の粒円形度および面積、CMnγ/CMnα、ならびに引張強さ、均一伸び特性、靱性、および降伏比を評価した。各評価の方法は次のとおりである。
<金属組織の面積率>
焼戻しマルテンサイト、フェライト、残留オーステナイト、ベイナイト、およびフレッシュマルテンサイトの面積率は、SEMによる組織観察およびX線回折測定から算出した。鋼板のL断面について、鏡面研磨を行い、次いで3%ナイタールによりミクロ組織を現出させて、SEMにより倍率5000倍で、表面から1/4位置におけるミクロ組織を観察し、0.1mm×0.3mmの範囲について画像解析(Photoshop(登録商標))により、焼戻しマルテンサイト、フェライト、およびベイナイトの面積率、ならびに残留オーステナイトとフレッシュマルテンサイトとの合計の面積率を算出した。
また、得られた鋼板から幅25mm、長さ25mmの試験片を切り出し、この試験片に化学研磨を施して板厚1/4分を減厚し、化学研磨後の試験片の表面に対して、Co管球を用いたX線回折分析を3回実施し、得られたプロファイルを解析し、それぞれを平均して残留オーステナイトの面積率を算出した。SEM観察により得られた残留オーステナイトとフレッシュマルテンサイトとの合計の面積率から残留オーステナイトの面積率を差し引いて、フレッシュマルテンサイトの面積率を算出した。
<残留オーステナイト結晶粒の粒円形度および面積>
結晶粒の粒円形度および面積は、TSL社製OIM Analysis version 7の標準機能(MapおよびGrain Shape Circularity)を用いて、後方散乱電子回折(EBSP:Electron Back Scattering pattern)分析を行うことによって、測定した。
EBSPデータ測定条件は、以下の通りである。鋼板のL断面の表面から厚みの1/4位置において、OIM(Orientation Imaging Microscopy)検出器を備えたSEMで、50μm×50μmの領域を倍率500倍で観察して、測定間隔0.1μmでEBSPデータを測定した。5つの領域について前記方法でEBSPデータを測定し、その平均値を算出した。
<CMnγ/CMnα
Mnγ/CMnαは、EBSP、SEM、およびEPMAにより測定した。EBSPおよびSEMを用いて、50μm×50μmの領域を倍率500倍で観察して、測定間隔0.1μmでEBSPデータを測定し、5つの領域について残留オーステナイト、フェライト、および焼戻しマルテンサイトを特定した。次いで、特定したオーステナイトと、フェライトおよび焼戻しマルテンサイトとについて、EPMA測定による点分析を5点、5つの領域でそれぞれ行い、測定値を平均してCMnγおよびCMnαを算出し、CMnγ/CMnαを求めた。
<引張試験方法>
鋼板の圧延方向に直角方向からJIS5号引張試験片を採取し、引張強さ(TS)、均一伸び(uEL)、および降伏応力(YS)を測定し、TS×uELおよび降伏比(YR)を算出した。引張試験は、JIS5号引張試験片を用いて、JIS Z 2241:2011に規定される方法で行った。均一伸び試験は、平行部の長さが60mmで、歪を測定する基準となる標点距離が50mmのJIS5号試験片を用いて、JIS Z 2241:2011に規定される方法で行った。均一伸びは、最大試験強さ(TS)に到達するまでに得られる伸び(標点間で測定した歪)である。
<靱性試験方法>
熱処理後の各鋼材を、積層のために厚さが1.2mmとなるように表裏面研削し、Vノッチ試験片を作製した。その試験片を4枚積層してねじ止めした後、JIS Z 2242:2005に準じてシャルピー衝撃試験に供した。靱性は、0℃での衝撃値が20J/cm以上の場合を良好とし、20J/cm未満である場合を不良とした。
3.評価結果
上記の評価の結果を表4に示す。12000MPa・%以上のTS×uEL、0.40超0.80未満の降伏比、および良好な靱性が得られた例を、高い衝撃エネルギー吸収能、優れた均一伸び特性、および高強度を有する鋼板として評価した。なお、表4において、0.40超0.80未満の降伏比および良好な靱性を有する場合に、衝撃エネルギー吸収能に優れると判断することとした。
Figure 0007036274000004
本発明に係る鋼板は上記のように、高い強度を有し、均一伸び特性も良好であり成形性に優れており、さらには高い衝撃エネルギー吸収能(優れたYRおよび靱性)を有するので、フロントサイドメンバーなどの自動車の構造部品用途に最適である。

Claims (9)

  1. 鋼板の化学組成が、質量%で、
    C:0.10%超0.55%未満、
    Si:0.001%以上3.50%未満、
    Mn:4.00%超9.00%未満、
    sol.Al:0.001%以上3.00%未満、
    P:0.100%以下、
    S:0.010%以下、
    N:0.050%未満、
    O:0.020%未満、
    Cr:0%以上2.00%未満、
    Mo:0~2.00%、
    W:0~2.00%、
    Cu:0~2.00%、
    Ni:0~2.00%、
    Ti:0~0.300%、
    Nb:0~0.300%、
    V:0~0.300%、
    B:0~0.010%、
    Ca:0~0.010%、
    Mg:0~0.010%、
    Zr:0~0.010%、
    REM:0~0.010%、
    Sb:0~0.050%、
    Sn:0~0.050%、
    Bi:0~0.050%、
    残部:Feおよび不純物であり、
    前記鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面において、表面から板厚の1/4深さ位置における金属組織が、面積%で、
    焼戻しマルテンサイト:25~90%、
    フェライト:5%以下、
    残留オーステナイト:10~50%、および
    ベイナイト:5%以下であり、
    前記鋼板の圧延方向および板厚方向に平行な断面の表面から板厚の1/4深さ位置において、面積が1μm以上であり、かつ粒円形度が0.1以上である残留オーステナイト結晶粒の合計面積の割合が、前記残留オーステナイトの全体の面積に対して50%未満であり、
    下記(i)式を満足する、
    鋼板。
    Mnγ/CMnα≧1.2 ・・・(i)
    但し、上記(i)式中の記号の意味は以下のとおりである。
    Mnγ:残留オーステナイト中の平均Mn濃度(質量%)
    Mnα:フェライトおよび焼戻しマルテンサイト中の平均Mn濃度(質量%)
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Cr:0.01%以上2.00%未満、
    Mo:0.01~2.00%、
    W:0.01~2.00%、
    Cu:0.01~2.00%、および
    Ni:0.01~2.00%
    から選択される1種以上を含有する、
    請求項1に記載の鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、
    Ti:0.005~0.300%、
    Nb:0.005~0.300%、および
    V:0.005~0.300%
    から選択される1種以上を含有する、
    請求項1または請求項2に記載の鋼板。
  4. 前記化学組成が、質量%で、
    B:0.0001~0.010%、
    Ca:0.0001~0.010%、
    Mg:0.0001~0.010%、
    Zr:0.0001~0.010%、および
    REM:0.0001~0.010%
    から選択される1種以上を含有する、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の鋼板。
  5. 前記化学組成が、質量%で、
    Sb:0.0005~0.050%、
    Sn:0.0005~0.050%、および
    Bi:0.0005~0.050%
    から選択される1種以上を含有する、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の鋼板。
  6. 前記鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を有する、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の鋼板。
  7. 前記鋼板の表面に合金化溶融亜鉛めっき層を有する、
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の鋼板。
  8. 0℃におけるシャルピー衝撃値が20J/cm以上である、
    請求項1から請求項7のいずれかに記載の鋼板。
  9. 前記鋼板の降伏比が、0.40超0.80未満である、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の鋼板。

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