JP7035816B2 - 経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法 - Google Patents

経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法に関する。
従来、案内情報および推奨情報等をユーザに配信する種々のシステムが開発されている。このようなシステムの一例として、たとえば、特開2011-100182号公報(特許文献1)には、以下のようなリコメンド情報配信システムが開示されている。すなわち、携帯端末を携行するユーザに対して、当該ユーザが所在するエリアにおけるリコメンド情報を配信するリコメンド情報配信システムであって、前記携帯端末は、当該携帯端末を携行するユーザの現在位置情報をあらかじめ定めた周期ごとに定期的に取得し、時系列の位置情報履歴として位置情報蓄積装置に蓄積するとともに、前記位置情報蓄積装置に蓄積されている過去の前記位置情報履歴に基づいて、当該ユーザの行動を示す行動パターンを分析し、分析した該行動パターンと前記現在位置情報とを、前記リコメンド情報を配信するリコメンド情報提供サーバに送信する行動パターン作成モジュールと、前記リコメンド情報提供サーバから配信されてくる前記リコメンド情報を出力して当該ユーザに提示する出力手段と、を備え、前記リコメンド情報提供サーバは、前記携帯端末から送信されてきた前記行動パターンと前記現在位置情報とに基づいて、当該ユーザが移動する可能性が高い移動エリアを推定し、現在所在するエリアにおけるリコメンド情報としてあらかじめ保有しているリコメンド情報の中から、少なくとも、推定した前記移動エリアに関して当該ユーザに対して提供すべき前記リコメンド情報を選択して、当該ユーザが携行する前記携帯端末に対して配信するリコメンドモジュールを備えている。
特開2011-100182号公報
青木 由希、外3名、"E-037 音声から疲労程度を推定するスマートフォン用アプリケーションの開発"、第12回情報科学技術フォーラム、2013年9月、第2分冊、P.269 光吉 俊二、外2名、"音声感情認識技術STを使ったストレスへの応用"、日本疲労学会誌、2011年3月、第6巻、第2号、P.19-27
このような特許文献1に記載の技術を超えて、運転者等のユーザにとってより有用な経路を算出するための技術が求められている。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、ユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することが可能な経路処理プログラム、経路処理装置および経路処理方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理プログラムは、経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、コンピュータを、移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって前記移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部、として機能させるためのプログラムである。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理装置は、移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部とを備える。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる経路処理方法は、移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得するステップと、取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行うステップとを含む。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える経路処理装置として実現することができるだけでなく、経路処理装置を備えるシステムとして実現することができる。また、本発明は、経路処理装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
本発明によれば、ユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置の表示部に表示されるアンケートの内容と、潜在ニーズとの関係を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において用いられるルートポリシーの一例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において用いられる、運転者の潜在ニーズの一例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、車両の実際の走行軌跡を示す情報である各プローブ情報の一例を模式的に示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における走行履歴データの一例を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、メジャーな交差点の数についての正規分布の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、評価点数の算出において設定される日種、時間帯を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、評価点数の算出において設定される距離帯を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における傾向テーブルの一例を示す図である。 図13は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において、アンケートに対する回答に基づいてパラメータを更新する際の考え方を説明するための図である。 図14は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する未加工走行履歴テーブルの一例を示す図である。 図15は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する走行履歴テーブルの一例を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するドライバ嗜好テーブルの一例を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するルートポリシー判定用テーブルの一例を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨経路決定用パラメータ情報の一例を示す図である。 図19は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨経路決定用パラメータ情報の一例を示す図である。 図20は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における経路算出部が処理する各リンクの一例を示す図である。 図21は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。 図22は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。 図23は、経路処理装置の比較例が提案する推奨経路の一例を模式的に示す図である。 図24は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置が提案する推奨経路の一例を示す模式図である。 図25は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置が車両からのプローブ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図26は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 図27は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置が潜在ニーズの構成要素に関連するパラメータの更新処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る経路処理プログラムは、経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、コンピュータを、移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部、として機能させるためのプログラムである。
このように、移動体の経路計算に用いるパラメータであって移動体の経路に対するユーザの評価結果に関連するパラメータを更新する構成により、当該評価結果をパラメータの更新に反映していくことができる。たとえば、単に「安さ優先」の回答によって「安さ優先」のルートに変更したり、「安さ優先」用のパラメータに設定したりする構成と比べて、ユーザによる同様の評価が継続すればパラメータが毎回同じ方向に更新されるため、ユーザの評価をより反映した経路を算出することができる。したがって、ユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
(2)好ましくは、前記取得部は、ユーザごとの前記評価情報を取得し、前記算出部は、ユーザごとに前記パラメータを設定可能であり、前記取得部によって取得された前記評価情報に対応するユーザの前記パラメータを更新する。
このような構成により、移動体の経路計算にユーザごとの評価結果を反映することができるため、ユーザごとのより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
(3)好ましくは、前記算出部は、日種、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごとに設定された前記パラメータを更新する。
このような構成により、より効果的な区分ごとにパラメータを設定することが可能となり、ユーザにとってより有用な経路を算出することができる。
(4)好ましくは、前記算出部は、車両の走行履歴に基づいて、確率分布を用いて前記パラメータを算出し、前記更新処理において、算出した前記パラメータを更新する。
このように、車両の走行履歴に基づいてパラメータを算出したうえで当該パラメータを更新する構成により、最初の更新元としてユーザにより適した値を得ることができる。
(5)好ましくは、前記評価情報は、前記移動体が走行した経路に対する評価結果を示す。
このような構成により、実際に走行した後の評価結果を移動体の経路計算に反映させることができるため、より有用な経路を算出することが可能となる。
(6)好ましくは、前記経路処理プログラムは、さらに、コンピュータを、前記パラメータに基づいて推奨経路を算出する経路算出部として機能させるためのプログラムである。
このような構成により、ユーザの評価結果をより反映した推奨経路を提供することができる。
(7)好ましくは、前記算出部は、前記更新処理において、前記パラメータを増加または減少させ、前記算出部は、複数種類の前記評価情報が取得され、かつ、各前記評価情報の示す前記評価結果に関連する前記パラメータが重複する場合、重複した前記パラメータのうちのいずれか1つの前記パラメータについて前記更新処理を行う。
このような構成により、必要以上にパラメータが変更されることを防止することができ、適度にパラメータを変更することができる。これにより、より有用な経路を算出することが可能となる。
(8)本発明の実施の形態に係る経路処理装置は、移動体の経路に対する評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部とを備える。
このように、移動体の経路計算に用いるパラメータであって移動体の経路に対する評価結果に関連するパラメータを更新する構成により、当該評価結果をパラメータの更新に反映していくことができる。たとえば、単に「安さ優先」の回答によって「安さ優先」のルートに変更したり、「安さ優先」用のパラメータに設定したりする構成と比べて、ユーザによる同様の評価が継続すればパラメータが毎回同じ方向に更新されるため、ユーザの評価をより反映した経路を算出することができる。したがって、ユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る経路処理方法は、移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得するステップと、取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行うステップとを含む。
このように、移動体の経路計算に用いるパラメータであって移動体の経路に対する評価結果に関連するパラメータを更新する構成により、当該評価結果をパラメータの更新に反映していくことができる。たとえば、単に「安さ優先」の回答によって「安さ優先」のルートに変更したり、「安さ優先」用のパラメータに設定したりする構成と比べて、ユーザによる同様の評価が継続すればパラメータが毎回同じ方向に更新されるため、ユーザの評価をより反映した経路を算出することができる。したがって、ユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、経路処理システム301は、経路処理装置101と、無線端末装置151とを備える。
無線端末装置151は、たとえば、移動体の一例である車両1に設けられるカーナビゲーション装置、または車両1の運転者が携帯するスマートホン等である。車両1は、たとえば、乗用車、バス、トラック、オートバイまたは自転車である。
無線端末装置151は、たとえば、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波に基づいて自己の車両1の位置を取得することが可能である。
たとえば、ユーザの一例である運転者は、ある出発地から目的地へ向かって車両1を運転しようとする状況において、ルート案内を行うサービスであるナビゲーションサービスを受けようとする場合、目的地を入力するための操作を無線端末装置151に対して行う。なお、ユーザは、運転者でなくてもよく、たとえば、車両1に運転者と同乗する者であってもよい。
無線端末装置151は、たとえば、運転者の自己への入力操作に基づいて、車両1の目的地を取得する。また、無線端末装置151は、たとえば、GPS衛星からの電波に基づいて、車両1の現在位置を出発地として特定する。
無線端末装置151は、特定した出発地、および取得した目的地を示す目的情報を作成する。
図2は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置の表示部に表示されるアンケートの内容と、潜在ニーズとの関係を示す図である。
無線端末装置151は、運転者による自己への入力操作に基づいて、経路処理装置101による推奨経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を作成する。
無線端末装置151によって作成された評価情報は、たとえば、移動体が走行した経路に対する運転者の評価結果を示す。具体的には、当該評価情報は、車両1が経路処理装置101による推奨経路の案内すなわちルート案内に従って走行した経路に対する運転者の評価結果を示す。
より詳細には、図2を参照して、無線端末装置151は、経路処理装置101によるナビゲーション、すなわち推奨経路の案内が終了すると、当該推奨経路に対する評価結果の入力を促すアンケートの画面152を自己の表示部に表示する。そして、無線端末装置151は、運転者から推奨経路の評価結果が入力されると、入力された評価結果を示す評価情報を作成し、作成した評価情報を経路処理装置101に送信する。
アンケートの画面152は、定型化した質問と、複数の回答選択肢とを含む。なお、図2に示されるアンケートの内容は一例であって、適宜に変更可能である。
定型化した質問は、「今回走行した経路の感想を教えてください(複数回答可)」である。
回答選択肢は、たとえば、肯定的な内容の選択肢および否定的な内容の選択肢である。
肯定的な内容の選択肢は、「早く着けて良かった」、「安く行けて良かった」、「分かり易くて良かった」、「混んでいなくて良かった」および「安全で良かった」である。
否定的な内容の選択肢は、「もっと早く着ける道が良かった」、「もっと安く行ける道が良かった」、「もっと分かり易い道が良かった」、「混んでいる道をもっと避けたかった」および「もっと安全な道を進みたかった」である。
上述の選択肢の他に、評価結果を自由に記載することが可能な「その他」の回答記入欄が設けられる。
回答選択肢の選択および回答記入欄への記入は、たとえばタッチパネルを用いて行われる。また、回答選択肢ごとにチェックボックスが設けられる。運転者が回答選択肢をタッチして選択すると、選択した回答選択肢に対応するチェックボックス内にチェックマーク(図示せず)が表示される。
なお、無線端末装置151は、経路処理装置101により推奨された推奨経路に対する評価結果のアンケートを、スピーカを介して音声で行ってもよく、また、表示および音声の両方で行ってもよい。また、アンケートに対する回答(以下、アンケートの回答とも称する)は、マイクを介して音声で行われてもよい。
また、回答選択肢は、肯定的な内容の選択肢および否定的な内容の選択肢のいずれか一方であってもよい。
図3は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける無線端末装置が作成するルート決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
図3を参照して、無線端末装置151は、たとえば、運転者の音声を言語分析することが可能であり、分析結果に基づいて、運転者の現在の意向、現在の傾向および現在の固有の特性の少なくともいずれか1つを示すルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
ルート決定用パラメータ情報Pr1は、たとえば、運転者のIDであるドライバID、ならびに「早さ優先」、「安さ優先」、「エコ優先」、「分かりやすさ優先」、「乗り心地優先」、「安全優先」および「渋滞感緩和優先」の項目にそれぞれ対応する優先パラメータを含む。ここで、ドライバIDは、たとえば無線端末装置151のIDである。
より詳細には、無線端末装置151は、たとえば、運転者の音声を分析することにより当該音声の内容を取得し、取得した内容と各項目との相関の程度を算出する。
そして、無線端末装置151は、算出した相関の程度に基づき、かつ各優先パラメータの合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
具体的には、たとえば、運転者が無線端末装置151に対して「疲れているので事故が心配」と音声入力した場合、無線端末装置151は、運転者の音声の内容と相関を有する「乗り心地優先」および「安全優先」等の項目に対して、当該項目に対応する優先パラメータが大きくなりかつ合計が10になるように各優先パラメータを決定する。
たとえば、IDが1の運転者については、早さ優先の項目に対応する優先パラメータが「1」である。
無線端末装置151は、ルート決定用パラメータ情報Pr1および目的情報を含むナビゲーション要求情報を経路処理装置101へ無線送信する。
また、無線端末装置151は、たとえば、車両1の走行時において、車両1の位置、自己のIDおよび現在時刻を示すプローブ情報を定期的に作成し、作成したプローブ情報を経路処理装置101へ無線送信する。
なお、運転者は、ナビゲーションサービスを受けずに出発地から目的地へ向かって車両1を運転する場合、目的地を入力するための操作を無線端末装置151に対して行わない。この場合、無線端末装置151は、ナビゲーション要求情報を作成しない一方で、プローブ情報を定期的に経路処理装置101へ無線送信する。
[経路処理装置の構成]
図4は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置の構成を示す図である。
図4を参照して、経路処理装置101は、取得部31と、算出部32と、経路算出部33と、決定部34と、記憶部35と、送信部36と、履歴登録部37とを備える。
記憶部35は、地図データ等を保持する。地図データには、道路種別、道幅、POI(Point Of Interest)、POIの属性、リンクおよびコスト情報等が含まれる。コスト情報については後述する。
取得部31は、目的情報を取得する。より詳細には、取得部31は、無線端末装置151からルート決定用パラメータ情報Pr1および目的情報を含むナビゲーション要求情報を受信すると、受信したナビゲーション要求情報を決定部34、履歴登録部37および算出部32へ出力する。
また、取得部31は、無線端末装置151からプローブ情報を受信すると、受信したプローブ情報を履歴登録部37へ出力する。
また、取得部31は、車両1の経路に対する評価結果を示す評価情報を無線端末装置151から取得する。具体的には、取得部31は、経路処理装置101が提示した推奨経路に対する運転者の評価結果を示す評価情報を無線端末装置151から受信して、算出部32へ出力する。取得部31は、たとえば、運転者ごとの評価情報を受信する。
図5は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において用いられるルートポリシーの一例を示す図である。
図5を参照して、「ルートポリシー」には、「デフォルトルート」、「最速ルート」、「最安ルート」、「エコルート」、「分かり易さ優先ルート」、「乗り心地優先ルート」、「安全優先ルート」および「渋滞感緩和ルート」等が含まれる。
各「ルートポリシー」の「内容」は、たとえば、経路算出部33によって「ルート決定に影響する主なパラメータ」に基づきながら算出される提案ルートの作成指針として用いられる。
たとえば、ルートポリシーである「デフォルトルート」には、ルートポリシーの内容である「過去の走行履歴を加味してルートを選択。判定するのに履歴が足りない場合はたとえば最速ルートを選択。」が設定されており、ルートポリシーである「最速ルート」には、ルートポリシーの内容である「目的地まで最も早く到達するルートを選択。」が設定されている。
また、たとえば、ルートポリシーである「デフォルトルート」には、ルート決定に影響する主なパラメータである「ドライバ走行履歴」が設定されており、ルートポリシーである「最速ルート」には、ルート決定に影響する主なパラメータである「時間」が設定されている。
図6は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において用いられる、運転者の潜在ニーズの一例を示す図である。
「潜在ニーズ」とは、経路処理装置101が提案する推奨経路に対する運転者の潜在的な要求である。
図6を参照して、潜在ニーズには、たとえば、「早い」、「安い」、「分かり易い」、「混まない」および「安全」のニーズが含まれる。具体的には、「潜在ニーズ」には、たとえば、「早く目的地に着いて欲しい」、「安い料金で目的地に着いて欲しい」、「分かり易いルートを案内して欲しい」、「混んでいないルートを案内して欲しい」および「安全なルートを案内して欲しい」というニーズが含まれる。
潜在ニーズは、1または複数の「潜在ニーズの構成要素」で構成される。「潜在ニーズの構成要素」は、経路算出部33によって推奨経路が算出される際における、推奨経路の決定に影響する項目である。
すなわち、1または複数の「潜在ニーズの構成要素」が、潜在ニーズの種類ごとに予め設定されている。
具体的には、潜在ニーズである「早い」には、たとえば、構成要素である「高速道路」および「旅行時間」が設定されている。より具体的には、潜在ニーズである「早い」には、たとえば、構成要素である「高速道路の使用の頻度」および「旅行時間の長さ」が設定されている。
潜在ニーズである「安い」には、たとえば、構成要素である「高速道路」および「一般道路」が設定されている。より具体的には、潜在ニーズである「安い」には、たとえば、構成要素である「高速道路の使用の頻度」および「一般道路の使用の頻度」が設定されている。
潜在ニーズである「分かり易い」には、たとえば、構成要素である「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」が設定されている。「メジャーな交差点」とは、たとえば、交差点名が記載された標識が掲げられた比較的大きな交差点を意味する。
潜在ニーズである「混まない」には、たとえば、構成要素である「渋滞」が設定されている。より具体的には、潜在ニーズである「混まない」には、たとえば、構成要素である「渋滞が発生する頻度」、「渋滞長」または「旅行時間」が設定されている。
潜在ニーズである「安全」には、たとえば、構成要素である「道幅」が設定されている。
潜在ニーズには、構成要素ごとに、「定量的な指標」として「プラス(+)」または「マイナス(-)」が設定されている。「プラス(+)」は、対応する構成要素を数量的に増加させるべきであることを示す。一方、「マイナス(-)」は、対応する構成要素を数量的に減少させるべきであることを示す。
具体的には、潜在ニーズである「早い」には、たとえば、構成要素である「高速道路」に対して「プラス(+)」が設定され、構成要素である「旅行時間」に対して「マイナス(-)」が設定されている。
潜在ニーズである「安い」には、たとえば、構成要素である「高速道路」に対して「マイナス(-)」が設定され、構成要素である「一般道」に対して「プラス(+)」が設定されている。
潜在ニーズである「分かり易い」には、たとえば、構成要素である「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」に対してそれぞれ「プラス(+)」が設定されている。
潜在ニーズである「混まない」には、たとえば、構成要素である「渋滞」に対して「マイナス(-)」が設定されている。
潜在ニーズである「安全」には、たとえば、構成要素である「道幅」に対して「プラス(+)」が設定されている。
図7は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、車両の実際の走行軌跡を示す情報である各プローブ情報の一例を模式的に示す図である。
プローブ情報は、たとえば、車両1の走行軌跡Kを構成するノードの、緯度、経度および通過時刻の情報を含む。ノードは、たとえば、出発地、目的地および途中の交差点のいずれかを示す。
図7を参照して、走行軌跡Kは、出発地を示すノードO、目的地を示すノードD、途中の交差点を示すノードP1~ノードP4と、隣り合うノード間を繋ぐリンクL1~リンクL5とを有している。三角印は、無線端末装置151から送信されたプローブ情報の示す車両1の位置を表している。三角印の時間的推移が走行軌跡Kである。
ノードP1~ノードP4のうち、ノードP2およびノードP3はメジャーな交差点を示し、ノードP1およびノードP4はメジャーでない交差点、たとえば比較的小さな交差点を示している。
また、リンクL1およびリンクL2は同一直線上に位置している。これは、ノードP1で示される交差点を車両1が直進したことを示している。
また、リンクL2およびリンクL3により折れ線が形成されている。具体的には、リンクL2から見てリンクL3が右側に延びている。これは、ノードP2で示される交差点を車両1が右折したことを示している。同様に、ノードP3で示される交差点では車両1が左折し、ノードP4で示される交差点では車両1が右折したことが示されている。
図8は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における走行履歴データの一例を示す図である。
図8を参照して、走行履歴データは、ドライバID、出発時刻、出発地、目的地、高速道路を走行した距離、一般道路を走行した距離、走行した全道路の平均道幅、走行した交差点の直進回数、および走行したメジャーな交差点の数を含む。高速道路を走行した距離、一般道路を走行した距離、走行した全道路の平均道幅、走行した交差点の直進回数、および走行したメジャーな交差点の数は、たとえば、走行した単位距離たとえば10kmごとのデータに正規化されるか、または、総走行距離または交差点通過回数に対する割合に変換される。履歴登録部37は、このような走行履歴データ、詳細には正規化された走行距離データまたは上記の割合を、各プローブ情報に基づいて運転者ごとに生成し、記憶部35に保存する。
たとえば、IDがAAAの運転者については、出発時刻が「20180101101112」すなわち2018年1月1日10時11分12秒であり、出発地が「Oの座標」であり、目的地が「Dの座標」であり、高速道路の走行距離が「0m」であり、一般道路の走行距離が「4123m」であり、平均道幅が「8.5m」であり、交差点の直進回数が「1回」であり、メジャーな交差点の数が「2つ」である。
算出部32は、たとえば、記憶部35における車両1の走行履歴に基づいて、確率分布を用いて「潜在ニーズの構成要素」の値に対応するパラメータであるパラメータPを算出する。
より詳細には、算出部32は、運転者全体の走行履歴データと、各運転者の走行履歴データとを比較することにより、各運転者のルート選択の傾向を示す運転者ごとのルート選択傾向データを生成する。
たとえば、算出部32は、潜在ニーズの構成要素の一つである「メジャーな交差点の数」について、運転者全体の平均値と対象となる運転者(以下、対象運転者とも称する。)の平均値とを比較し、運転者全体の「メジャーな交差点の数」と対象運転者の「メジャーな交差点の数」との大小関係を判定する。
たとえば、メジャーな交差点を多く走行する運転者は、ルートに分かり易さを求める運転者であると言える。このため、算出部32は、「メジャーな交差点の数」が運転者全体の「メジャーな交差点の数」に対して多いと判定した場合、分かり易さの要求を反映したルート選択傾向データを生成する。
具体的には、算出部32は、たとえば、以下の式(1)を用いて、対象運転者のルート選択の傾向を示す評価値Xを算出する。
評価値X=(対象運転者の平均値-運転者全体の平均値)/全体の標準偏差・・・(1)
たとえば、平日の9時-13時の短距離移動において、運転者全体におけるメジャーな交差点の平均通過回数は3回であり、標準偏差は1.5であるとする。一方、対象運転者のメジャーな交差点の通過回数は6回であるとする。なお、短距離移動は、後述するように10km未満の移動である。
この場合、式(1)により、(6-3)/1.5=2.0 の評価値Xが得られる。
図9は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、メジャーな交差点の数についての正規分布の一例を示す図である。図9においては、評価値Xの範囲、パラメータPの一例である評価点数、および正規分布全体の中での比率が示されている。
図9を参照して、算出部32は、たとえば、評価値Xの範囲を複数の範囲に区分けして、評価値が小さいものから順に、評価点数を、-5、-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4、5の11段階に設定する。
たとえば、算出部32は、評価値Xの範囲を11個の範囲、すなわち第1~第11の範囲に区分けして、各範囲に対して評価点数を設定する。具体的には、評価値Xが2.5より大きい第1の範囲の比率は0.6%である。評価値Xが2.0より大きく2.5以下である第2の範囲の比率は1.7%である。評価値Xが1.5より大きく2.0以下である第3の範囲の比率は4.4%である。評価値Xが1.0より大きく1.5以下である第4の範囲の比率は9.2%である。評価値Xが0.5より大きく1.0以下である第5の範囲の比率は15.0%である。評価値Xが-0.5以上0.5以下である第6の範囲の比率は38.2%である。評価値Xが-1.0以上-0.5未満である第7の範囲の比率は15.0%である。評価値Xが-1.5以上-1.0未満である第8の範囲の比率は9.2%である。評価値Xが-2.0以上-1.5未満である第9の範囲の比率は4.4%である。評価値Xが-2.5以上-2.0未満である第10の範囲の比率は1.7%である。評価値Xが-2.5未満である第11の範囲の比率は0.6%である。
算出部32は、第1の範囲に評価点数「5」を設定し、第2の範囲に評価点数「4」を設定し、第3の範囲に評価点数「3」を設定し、第4の範囲に評価点数「2」を設定し、第5の範囲に評価点数「1」を設定し、第6の範囲に評価点数「0」を設定し、第7の範囲に評価点数「-1」を設定し、第8の範囲に評価点数「-2」を設定し、第9の範囲に評価点数「-3」を設定し、第10の範囲に評価点数「―4」を設定し、第11の範囲に評価点数「-5」を設定する。
本例では、評価点数「0」が運転者全体からみて平均的な評価であり、評価点数が正の値で大きくなるほど、メジャーな交差点を走行する傾向が高く、逆に、評価点数が負の値で小さくなるほど、メジャーな交差点を走行する傾向が低い。
算出部32は、評価点数を、走行履歴データの各項目について算出する。
図10は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、評価点数の算出において設定される日種および時間帯の一例を示す図である。
算出部32は、たとえば、日種、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごとにパラメータPを設定する。そして、算出部32は、設定されたパラメータPを更新する。たとえば、算出部32は、日種、時間帯および距離帯の全ての組み合わせである45個の区分について、走行履歴データの各項目の値を更新する。
図10を参照して、算出部32は、日種および時間帯によって15個の区分を設定する。たとえば、日種は、平日、土曜日、および日曜日・祝日であり、時間帯は、6時~9時、9時~13時、13時~17時、17時~19時、19時~22時、および22時~6時である。
たとえば、算出部32は、インデックス0の区分に「平日6時~9時」を設定し、インデックス1の区分に「平日9時~13時」を設定し、インデックス2の区分に「平日13時~15時」を設定し、インデックス3の区分に「平日17時~19時」を設定し、インデックス4の区分に「平日19時~22時」を設定し、インデックス5の区分に「平日前夜間22時~6時」を設定し、インデックス6の区分に「休日前夜間22時~6時」を設定し、インデックス7の区分に「土曜6時~10時」を設定し、インデックス8の区分に「土曜10時~17」時」を設定し、インデックス9の区分に「土曜17時~19時」を設定し、インデックス10の区分に「土曜19時~22時」を設定し、インデックス11の区分に「日曜・祝日6時~10時」を設定し、インデックス12の区分に「日曜・祝日10時~17時」を設定し、インデックス13の区分に「日曜・祝日17時~19時」を設定し、インデックス14の区分に「日曜・祝日19時~22時」を設定する。
インデックス5の区分の「平日前夜間22時から6時」は、具体的には、日・月・火・水・木曜日の22時~24時および月・火・水・木・金曜日の0時~6時である。インデックス6の区分の「休日前夜間22時から6時」は、具体的には、金・土曜日の22時~24時および土・日曜日・祝日の0時~6時である。
図11は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における、評価点数の算出において設定される距離帯を示す図である。
図11を参照して、算出部32は、運転者ごとに、距離帯によって3つの区分すなわち短距離、中距離および長距離を設定する。
図11を参照して、算出部32は、インデックス0の区分に「10km未満」の「短距離」を設定し、インデックス1の区分に「10km以上50km未満」の「中距離」を設定し、インデックス2の区分に「50km以上」の「長距離」を設定する。
すなわち、算出部32は、運転者ごとに、15×3=45個の区分を設定する。算出部32は、45個の区分について、走行履歴データの各項目についての評価点数を運転者ごとに算出する。
図12は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における傾向テーブルの一例を示す図である。なお、図12においては、45個の区分のうちの一部についての評価点数を示している。
図12を参照して、算出部32は、各運転者のルート選択傾向データとして、傾向テーブルTblRを生成して記憶部35に保存する。傾向テーブルTblRは、初期値として、走行履歴データの各項目についての評価点数を運転者ごとに算出した結果を含む。傾向テーブルTblRには、「高速道路」、「一般道路」、「平均道幅」、「直進回数」、および「メジャーな交差点数」等の項目についての評価点数すなわちパラメータPが、「ドライバID」、「運転時間帯」および「走行距離」ごとに含まれる。
たとえば、IDがAAAの運転者は、平日9時-13時の時間帯において10km未満の短距離を走行する場合、運転者全体からみて高速道路を走行する傾向が平均的であるため評価点数の初期値が「0」であり、一般道路を走行する傾向が高いため評価点数の初期値が「3」であり、道幅が広い道路を走行する傾向が高いため評価点数の初期値が「2」であり、交差点を直進する傾向が高いため評価点数の初期値が「3」であり、メジャーな交差点を走行する傾向が高いため評価点数の初期値が「2」である。
算出部32は、取得部31から受けた評価情報の示す評価結果に関連するパラメータであって車両1の経路計算に用いられるパラメータであるパラメータPを、当該評価結果に基づいて更新する。より詳細には、算出部32は、記憶部35に保存した傾向テーブルTblRを、評価情報の示す、アンケートに対する回答に基づいて更新する。
図13は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置において、アンケートに対する回答に基づいてパラメータを更新する際の考え方を説明するための図である。
算出部32は、取得部31から受けた評価情報の示す評価結果が否定的な評価結果である場合、当該評価結果に対応する潜在ニーズの構成要素の値に対応するパラメータPを更新する。
たとえば、算出部32は、後述の、パラメータPの更新処理において、パラメータPである評価点数を所定量、増加または減少させる。
具体的には、図13を参照して、算出部32は、たとえば、「もっと分かり易い道が良かった」という否定的な評価結果が取得された場合には、「分かり易い」という潜在ニーズを構成する要素である「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」に対応する評価点数を更新する。
潜在ニーズの構成要素である「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」はいずれも「プラス(+)」と対応付けられているので、算出部32は、パラメータPの更新処理において、「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」に対応する各評価点数が増加するように更新する。増加させる値は特に限定されないが、たとえば「1」または「2」ずつ増加させることができる。
また、算出部32は、「もっと安く行ける道が良かった」という否定的な評価結果が取得された場合には、潜在ニーズである「安い」の構成要素である「高速道路」および「一般道路」に対応する評価点数を更新する。
潜在ニーズの構成要素である「高速道路」は「プラス(+)」と対応付けられているので、算出部32は、「高速道路」に対応する評価点数が増加するように更新する。
一方で、潜在ニーズの構成要素である「一般道路」は「マイナス(-)」と対応付けられているので、算出部32は、「一般道路」に対応する評価点数が減少するように更新する。減少させる値は特に限定されないが、たとえば「1」または「2」ずつ減少させることができる。
このように、パラメータPの値、すなわち評価点数を評価情報に基づいて更新することにより、パラメータPに運転者の潜在ニーズを反映させていくことができる。
また、算出部32は、たとえば、複数種類の評価情報が取得され、かつ、各評価情報の示す評価結果に関連するパラメータが重複する場合、重複したパラメータの更新処理における増加量または減少量を上記の所定量に設定する。
具体的には、図6に示されるように、潜在ニーズである「早い」および「安い」は、いずれも構成要素である「高速道路」を有している。つまり、「早い」および「安い」は、構成要素である「高速道路」が重複している。
本実施形態においては、たとえば、「早い」および「安い」の両方の潜在ニーズを向上させる必要が生じた場合、「高速道路」の評価点数を「早い」および「安い」の各々について増加させるのではなく、いずれか一方について増加させる。いずれか一方について増加させるだけで、増加の影響が両方の潜在ニーズに及ぶからである。
図14は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する未加工走行履歴テーブルの一例を示す図である。
図14を参照して、未加工走行履歴テーブルTbl1には、走行した「日時」、「出発地」、「目的地」、「選択ルートポリシー」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目についての情報が、「ドライバID」ごとに含まれる。
履歴登録部37は、たとえば、取得部31からナビゲーション要求情報を受けるごとに、ナビゲーション要求情報および対応のプローブ情報に基づいて、「ドライバID」、「日時」、「出発地」、「目的地」、「選択ルートポリシー」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目についての情報を未加工走行履歴テーブルTbl1に登録する。
より詳細には、履歴登録部37は、ナビゲーション要求情報に含まれるドライバID、出発地および目的地を、未加工走行履歴テーブルTbl1における「ドライバID」、「出発地」および「目的地」の項目にそれぞれ対応する欄に書き込む。
たとえば、履歴登録部37は、IDが1の運転者について、未加工走行履歴テーブルTbl1の出発地の項目に対応する欄に「自宅」を書き込み、目的地の項目に対応する欄に「観光地A」を書き込む。
また、履歴登録部37は、対応のプローブ情報に基づいて、無線端末装置151が移動した経路および日時を算出し、算出した経路および日時を、未加工走行履歴テーブルTbl1における「実走行ルート」および「日時」の項目にそれぞれ対応する欄に書き込む。
たとえば、履歴登録部37は、IDが1の運転者について、未加工走行履歴テーブルTbl1の実走行ルートの項目に対応する欄に「地点A→地点B→地点H→地点E」を書き込み、日時の項目に対応する欄に「2016/1/1 9:00-12:00」を書き込む。
また、履歴登録部37は、決定部34によって決定されたルートポリシーを、「選択ルートポリシー」の項目に対応する欄に書き込む。
たとえば、履歴登録部37は、IDが1の運転者について、選択ルートポリシーの項目に対応する欄に「乗り心地優先」を書き込む。
また、履歴登録部37は、経路算出部33によって算出された推奨経路を、「提案ルート」の項目に対応する欄に書き込む。
たとえば、履歴登録部37は、IDが1の運転者について、提案ルートの項目に対応する欄に「地点A→地点B→地点H→地点E」を書き込む。
また、たとえば、運転者がナビゲーションサービスを受けずに出発地から目的地へ向かって車両1を運転する場合、履歴登録部37は、取得部31からナビゲーション要求情報を受けないが、プローブ情報を受ける。この場合、決定部34は、ルートポリシーを決定しない。また、経路算出部33は、提案ルートを算出しない。
このような場合、履歴登録部37は、プローブ情報に基づいて、「ドライバID」、「日時」、「出発地」、「目的地」および「実走行ルート」の項目についての情報を未加工走行履歴テーブルTbl1に登録する。具体的には、履歴登録部37は、たとえば、エンジンが始動した場所を出発地とし、エンジンが停止した場所を目的地として、未加工走行履歴テーブルTbl1に登録する。また、履歴登録部37は、「選択ルートポリシー」および「提案ルート」の項目にそれぞれ対応する欄に「/」を書き込む。
図15は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持する走行履歴テーブルの一例を示す図である。
図15を参照して、算出部32は、取得部31によって取得された目的情報、および車両1の運転者の走行履歴に基づいて、運転者の経路特性を算出する。
詳細には、算出部32は、たとえば、記憶部35が保持する未加工走行履歴テーブルTbl1および地図データに基づいて、経路特性の一例である走行履歴テーブルTbl2を作成する。ここで、走行履歴テーブルTbl2は、たとえば、道路種別、走行環境、嗜好および日常習慣を含む。
より詳細には、算出部32は、たとえば、記憶部35における未加工走行履歴テーブルTbl1を監視し、未加工走行履歴テーブルTbl1に新たな情報が登録されると、登録された新たな情報を分析し、分析結果を走行履歴テーブルTbl2に書き込む。
具体的には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2における「ドライバID」、「日時」、「選択ルートポリシー」、「出発地」、「目的地」、「提案ルート」および「実走行ルート」の項目にそれぞれ対応する欄には、未加工走行履歴テーブルTbl1における対応の欄の内容をコピーする。
算出部32は、実走行ルートおよび地図データに基づいて1または複数の経由地の特定を試みる。この経由地は、たとえばPOIである。算出部32は、経由地を特定できた場合、特定した経由地を「経由地1」等の項目に対応する欄に書き込む。
たとえば、算出部32は、IDが1の運転者について、経由地1の項目に対応する欄に「コンビニ」を書き込む。
算出部32は、未加工走行履歴テーブルTbl1における「選択ルートポリシー」に対応する欄の内容が「/」である場合、運転者が実際に走行した経路すなわち「実走行ルート」に対応する欄の内容がどのルートポリシーに近いかを導出するとともに、その理由を作成する。
そして、算出部32は、導出したルートポリシーを「選択ポリシー」の項目に対応する欄に括弧を付して書き込む。また、算出部32は、「提案ルート通りに走行」および「理由」の項目にそれぞれ対応する欄に「/」、および作成した理由を書き込む。
一方、算出部32は、未加工走行履歴テーブルTbl1における「選択ルートポリシー」に対応する欄の内容が「/」でない場合、たとえば、「提案ルート」および「実走行ルート」に対応する各欄の内容を比較し、比較結果に基づいて、運転者が提案ルート通りに走行したか否かを確認する。
算出部32は、運転者が提案ルート通りに走行した場合、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート通りに走行」および「理由」の項目にそれぞれ対応する欄に「○」および「/」を書き込む。
一方、算出部32は、運転者が提案ルート通りに走行しなかった場合、運転者が実際に走行した経路がどのルートポリシーに相当するかを導出するとともに、その理由を作成する。
そして、算出部32は、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート通りに走行」に対応する欄に、導出したルートポリシーを括弧を付して書き込むとともに「×」を書き込む。また、算出部32は、「理由」の項目に対応する欄に作成した理由を書き込む。
走行履歴テーブルTbl2において、たとえば、「提案ルート」および「実走行ルート」にそれぞれ対応する各欄の内容、および地図データに基づいて、道路種別および走行環境を認識することが可能である。
なお、運転者が走行した日時における天気を示す天候情報を走行履歴テーブルTbl2に含めてもよい。これにより、走行環境をより詳細に認識することが可能となる。
また、たとえば、「ドライバID」および「日時」に対応する各欄の内容に基づいて、運転者が日常的に移動する時間帯を取得することができる。これにより、運転者の日常的な走行ルートおよび経由地等を日常習慣として認識することが可能である。
図16は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するドライバ嗜好テーブルの一例を示す図である。
図16を参照して、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2に基づいて、運転者ごとの嗜好を示すドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する。
より詳細には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2を分析することによりドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する。
具体的には、たとえば、算出部32は、走行履歴テーブルTbl2における「日時」、「目的地」および「経由地」等の項目に対応する各欄の内容をドライバIDごとに集計し、集計結果に基づいて各運転者の嗜好を抽出する。そして、算出部32は、抽出した各運転者の嗜好をドライバ嗜好テーブルTbl3に書き込む。
たとえば、算出部32は、IDが1の運転者について、ドライバ嗜好テーブルTbl3の嗜好の項目に対応する欄に「土日は頻繁に買い物、テニス場へ良く通う」を書き込む。
図17は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における記憶部が保持するルートポリシー判定用テーブルの一例を示す図である。
図17を参照して、算出部32は、たとえば、記憶部35における走行履歴テーブルTbl2および傾向テーブルTblRに基づいて、運転者ごとのルート選択の傾向を示すルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する。
より詳細には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2および傾向テーブルTblRを分析することにより、運転者の過去の意向、過去の傾向および過去の固有の特性の少なくともいずれか1つを運転者ごとに示すルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する。
具体的には、算出部32は、たとえば、走行履歴テーブルTbl2における「提案ルート」、「提案ルート通りに走行」、および「理由」の項目等に対応する各欄の内容、および傾向テーブルTblRにおける評価点数に基づいて、提案ルート、および提案ルートを拒否した理由等をドライバIDごとに集計し、集計結果に基づいて各運転者のルート選択の傾向を抽出する。
そして、算出部32は、抽出した各運転者のルート選択の傾向を、「早さ優先」、「安さ優先」、「エコ優先」、「分かりやすさ優先」、「乗り心地優先」、「安全優先」および「渋滞感緩和優先」にそれぞれ対応する判定用パラメータによって定量化する。この定量化において、算出部32は、たとえば、各判定用パラメータの合計が10になるように当該各判定用パラメータを決定する。算出部32は、決定した各判定用パラメータをルートポリシー判定用テーブルTbl4に書き込む。
たとえば、算出部32は、IDが1の運転者について、ルートポリシー判定用テーブルTbl4の早さ優先の項目に対応する欄に「3」を書き込み、安さ優先の項目に対応する欄に「1」を書き込み、エコ優先の項目に対応する欄に「0」を書き込み、分かり易さ優先の項目に対応する欄に「2」を書き込み、乗り心地優先の項目に対応する欄に「0」を書き込み、安全優先の項目に対応する欄に「1」を書き込み、渋滞感緩和優先の項目に対応する欄に「3」を書き込む。
ルートポリシー判定用テーブルTbl4は、走行履歴テーブルTbl2および傾向テーブルTblRを分析することにより作成される。このため、ルートポリシー判定用テーブルTbl4には、走行履歴テーブルTbl2および傾向テーブルTblRの内容が反映される。
なお、算出部32は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を日種、時間帯または利用シーンごとに作成してもよい。これにより、運転者により適した提案ルートを導出することができる。
再び図4を参照して、決定部34は、算出部32によって算出された経路特性に基づいて、車両1の経路計算におけるルートポリシーを決定する。
詳細には、決定部34は、たとえば、取得部31からナビゲーション要求情報を受けると、受けたナビゲーション要求情報、および記憶部35におけるルートポリシー判定用テーブルTbl4に基づいてルートポリシーを決定する。
より詳細には、決定部34は、ナビゲーション要求情報からドライバID(以下、対象IDとも称する。)、ルート決定用パラメータ情報Pr1および目的情報を取得する。
決定部34は、取得したルート決定用パラメータ情報Pr1に基づいて、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきか否かを判定する。
より詳細には、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる各優先パラメータのうちのいずれか1つが10である場合、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきでないと判定する。
そして、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1と同じ内容の推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
一方、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる各優先パラメータのうちのいずれもが10でない場合、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきと判定する。
そして、決定部34は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を用いて推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
より詳細には、決定部34は、たとえば、記憶部35に保存されたルートポリシー判定用テーブルTbl4から、対象IDの各判定用パラメータを取得する。推奨経路決定用パラメータ情報Pr3には、算出部32によって算出されたパラメータPの値が反映される。
図18および図19は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における決定部が決定する推奨経路決定用パラメータ情報の一例を示す図である。
図18を参照して、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1、および取得した各判定用パラメータに基づいて推奨経路決定用パラメータ情報Pr2を作成する。
より詳細には、決定部34は、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる優先パラメータに対して、対応の項目の判定用パラメータを重みとして印加することにより決定用パラメータを算出する。
具体的には、決定部34は、たとえば、図3に示す優先パラメータ、および図17に示す「ドライバID=1」に対応する判定用パラメータにおいて、同じ項目のパラメータ同士を乗算することにより推奨経路決定用パラメータ情報Pr2を作成する。
たとえば、決定部34は、IDが1の運転者について、「早さ優先」の決定用パラメータとして「3」を算出する。
図19を参照して、決定部34は、たとえば、推奨経路決定用パラメータ情報Pr2の各決定用パラメータの合計が10になるように当該各決定用パラメータの値を変換する正規化を行うことにより推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成する。
たとえば、決定部34は、IDが1の運転者について、「早さ優先」の決定用パラメータとして「2」を算出する。
また、決定部34は、記憶部35におけるドライバ嗜好テーブルTbl3から、対象IDの「嗜好」をドライバ嗜好情報として取得する。
決定部34は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3、目的情報およびドライバ嗜好情報を経路算出部33へ出力する。
また、決定部34は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を履歴登録部37へ出力する。
履歴登録部37は、決定部34から推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を受けると、受けた推奨経路決定用パラメータ情報Pr3に基づいて、決定部34によって決定されたルートポリシー(以下、決定ルートポリシーとも称する。)を取得する。
この例では、履歴登録部37は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3に含まれる各決定用パラメータのうち、最も値の大きい決定用パラメータに対応する項目を決定ルートポリシーとして取得する。
たとえば、履歴登録部37は、図19に示す推奨経路決定用パラメータ情報Pr3から「安全優先」を決定ルートポリシーとして取得する。
履歴登録部37は、上述したように、取得した決定ルートポリシーを未加工走行履歴テーブルTbl1(図14参照)における「選択ルートポリシー」の項目に対応する欄に書き込む。
図20は、本発明の実施の形態に係る経路処理装置における経路算出部が処理する各リンクの一例を示す図である。
図20には、出発地Aと目的地Iとの間に位置するリンクLk1~Lk12が示される。各リンクには、設定コストがルートポリシー(図5参照)ごとに割り当てられている。この例では、設定コストの値が大きいほど、対応のルートポリシーが経路計算に反映されやすくなっている。
記憶部35における地図データに含まれるコスト情報は、各リンクにおけるルートポリシーごとの設定コストを示す。
たとえば、リンクLk1においては、ルートポリシーの「最速」に対応する設定コスト「2」、「最安」に対応する設定コスト「1」、「エコ」に対応する設定コスト「3」、「分かり易さ」に対応する設定コスト「5」、「乗り心地」に対応する設定コスト「5」、「安全」に対応する設定コスト「1」、「渋滞感緩和」に対応する設定コスト「2」が割り当てられている。
図20を参照して、経路算出部33は、算出部32によって算出されたパラメータP等が反映されたルートポリシーの内容に基づいて、推奨経路を算出する。より詳細には、たとえば、ルートポリシーの内容に応じた大きさの重みを用いて複数の候補経路の評価値Yを算出し、算出した評価値Yに基づいて推奨経路を決定する決定処理P1、および経路特性に基づく経由地を含む推奨経路を決定する決定処理P2を行う。
より詳細には、経路算出部33は、決定部34から推奨経路決定用パラメータ情報Pr3、目的情報およびドライバ嗜好情報を受けると、目的情報および地図データに基づいて、出発地Aから目的地Iまでの複数の候補経路を導出する。これらの候補経路は、たとえば、リンクLk1→リンクLk2→リンクLk5→リンクLk10等のように、リンクによって指定される。
経路算出部33は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3およびコスト情報に基づいて、候補経路の評価値Yの一例としてコストを候補経路ごとに算出する。
具体的には、経路算出部33は、たとえば、リンクLk1→リンクLk2→リンクLk5→リンクLk10によって指定される候補経路Rt1については、リンクLk1のコスト、リンクLk2のコスト、リンクLk5のコスト、およびリンクLk10のコストの和を候補経路Rt1のコストとして算出する。
より詳細には、経路算出部33は、リンクLk1のコストを以下のように算出する。すなわち、経路算出部33は、たとえば、リンクLk1における設定コストに対して、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3に含まれる対応のルートポリシーの決定用パラメータを重みとして印加することにより、リンクLk1のコストを算出する。
具体的には、経路算出部33は、たとえば、図20に示すリンクLk1の設定コスト、および図19に示す「ドライバID=1」の決定用パラメータにおいて、同じルートポリシーの値同士を乗算し、乗算結果の合計をリンクLk1のコストとして算出する。
より具体的には、経路算出部33は、たとえば、1×2、1×0、3×0、5×3、5×0、1×5および2×0の合計すなわち2+0+0+15+0+5+0=22をリンクLk1のコストとして算出する。
経路算出部33は、リンクLk2のコスト、リンクLk5のコスト、およびリンクLk10のコストついても同様に算出し、候補経路Rt1のコストを算出する。
経路算出部33は、候補経路Rt1と異なる候補経路のコストを同様に算出し、算出結果に基づいて、出発地Aから目的地Iまでの複数の候補経路をコストの上位順に並べる。
そして、経路算出部33は、コストの上位順に並べた複数の候補経路から、上位から所定順位以内の候補経路(以下、上位経路とも称する。)を選択する。
経路算出部33は、地図データおよびドライバ嗜好情報に基づいて、選択した各上位経路において、ドライバ嗜好情報の示す運転者の「嗜好」に沿ったPOI(以下、嗜好POIとも称する。)が上位経路の近辺に位置するか否かを確認する。
経路算出部33は、上位経路の近辺において嗜好POIが位置しない場合、コストが最も上位の上位経路を推奨経路として決定する。
一方、経路算出部33は、上位経路の近辺において嗜好POIが位置する場合、嗜好POIが近辺に位置する上位経路を推奨経路として決定する。
経路算出部33は、決定した推奨経路を示す推奨経路情報を履歴登録部37へ出力する。また、経路算出部33は、推奨経路情報、ならびに当該推奨経路を決定した理由およびコメント等を示す発話情報を含むナビゲーション情報を送信部36へ出力する。発話情報の内容については後述する。
履歴登録部37は、経路算出部33から推奨経路情報を受けると、上述したように、受けた推奨経路情報の示す推奨経路を未加工走行履歴テーブルTbl1(図14参照)における「提案ルート」の項目に対応する欄に書き込む。
送信部36は、経路算出部33からナビゲーション情報を受けると、受けたナビゲーション情報を無線端末装置151へ無線送信する。
なお、本発明の実施の形態に係る経路処理システムでは、無線端末装置151が、ルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。経路処理装置101が、ルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する構成であってもよい。
より詳細には、たとえば、無線端末装置151は、運転者の音声を認識し、認識結果に基づいて、運転者の音声を示すテキストデータを含むテキスト情報を作成する。そして、無線端末装置151は、作成したテキスト情報を経路処理装置101へ送信する。
経路処理装置101における決定部34は、たとえば、無線端末装置151から取得部31経由でテキスト情報を受信すると、受信したテキスト情報に含まれるテキストデータの内容を分析し、分析結果に基づいてルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
また、無線端末装置151が、運転者の音声を示す音声情報を経路処理装置101へ送信してもよい。この場合、経路処理装置101における決定部34は、たとえば、無線端末装置151から取得部31経由で音声情報を受信すると、受信した音声情報に基づいて、運転者の音声を示すテキストデータ作成する。そして、決定部34は、上述のように、作成したテキストデータを用いてルート決定用パラメータ情報Pr1を作成する。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理システムは、無線端末装置151を所持する同じユーザが同じ車両を運転する状況において、更新後のパラメータPに基づいて推奨経路を提供する構成であってもよいし、無線端末装置151を所持する同じユーザが異なる車両を運転する状況において、更新後のパラメータPに基づいて推奨経路を提供する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、未加工走行履歴テーブルTbl1、走行履歴テーブルTbl2、ドライバ嗜好テーブルTbl3および傾向テーブルTblRに基づいてルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部32は、単にルートポリシー判定用テーブルTbl4に基づいてルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成してもよい。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、運転者ごとにパラメータPを設定可能な構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部32は、ルート案内される車両ごとにパラメータPを設定可能な構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、運転者ごと、かつ、日程、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごとにパラメータPを設定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。単に運転者ごとにパラメータPを設定する構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、車両1の走行履歴に基づいて、確率分布を用いてパラメータPの初期値を算出する構成であるとしたが、これに限定するものではない。算出部32は、走行履歴に基づくパラメータPの初期値を算出しない構成であってもよい。たとえば、算出部32は、予め記憶された、パラメータPの初期値を用いる構成であってもよい。
[具体例]
図21および図22は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける各装置の動作の一例を示す図である。
図21を参照して、上述したように、経路処理装置101は、無線端末装置151によるルート案内が終了すると、無線端末装置151にアンケート要求情報を無線送信する。
無線端末装置151は、アンケート要求情報を受信して、自己の表示部にアンケートの画面を表示する。無線端末装置151は、表示したアンケートに対して、たとえば、運転者が「もっと分かり易い道が良かった」と回答した場合、回答の内容を示す評価情報を経路処理装置101へ無線送信する。
経路処理装置101は、無線端末装置151から受信した評価情報に応じて、潜在ニーズ「分かり易い」の構成要素である「道幅」、「メジャーな交差点の数」および「交差点の直進回数」に対応するパラメータPである評価点数を更新する。
経路処理装置101は、評価点数を更新するたびにルートポリシー判定用テーブルTbl4を更新する。
図22を参照して、無線端末装置151は、運転者から目的地情報および「初めて行く場所なのでよくわからない」旨の音声が入力されると、入力された目的地情報等を含むナビゲーション要求情報を経路処理装置101へ無線送信する。
経路処理装置101は、ナビゲーション要求情報を無線端末装置151から受信すると、受信したナビゲーション要求情報に従ってナビゲーション情報を作成し、作成したナビゲーション情報を無線端末装置151へ無線送信する。経路処理装置101は、ナビゲーション情報を作成する際、上述の更新したルートポリシー判定用テーブルTbl4を用いる。
無線端末装置151は、経路処理装置101からナビゲーション情報を受信すると、受信したナビゲーション情報に含まれる推奨経路情報の示す推奨経路を画面に表示するとともに、ナビゲーション情報に含まれる発話情報の示す内容を発話することにより、経路処理装置101によって提案された提案ルート、ならびに決定理由およびコメントを運転者に提示する。
図23は、経路処理装置の比較例が提案する推奨経路の一例を模式的に示す図である。
図23を参照して、ルート選択傾向データを作成しない経路処理装置では、たとえば、出発地と目的地とを単に短距離かつ短時間で結ぶルートを推奨する可能性がある。この場合、運転者のルート選択傾向とは異なるルートを推奨することとなり、当該運転者が好むルートを推奨できない可能性がある。
図24は、本実施形態に係る経路処理装置が提案する推奨経路の一例を模式的に示す図である。図24は、図12に示す傾向テーブルTblRにおける、IDがAAAの運転者が、平日9時-13時の時間帯において10km未満の短距離を走行する場合の経路計算を要求した場合について示している。
この場合、経路算出部33は、「運転者IDがAAA」、「平日9時-13時の時間帯」および「10km未満の短距離」のルート選択傾向データを参照し、推奨経路を決定する。
すなわち、対応するルート選択傾向データでは、道幅が広い道路を走行する傾向が高く、交差点を直進する傾向が高く、メジャーな交差点を走行する傾向が高いことが示されている。このため、経路算出部33は、このような傾向に対応した、図24において破線で示すルートを推奨する。
[動作の流れ]
経路処理システム301における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンス図またはフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリからそれぞれ読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図25は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置が車両からのプローブ情報を処理する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図25を参照して、まず、経路処理装置101は、車両1における無線端末装置151からプローブ情報を受信するか、またはたとえば1日に1回の作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
そして、経路処理装置101は、プローブ情報を無線端末装置151から受信すると(ステップS102でYES)、受信したプローブ情報を蓄積する(ステップS108)。
次に、経路処理装置101は、新たなプローブ情報を受信するか、または作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
そして、経路処理装置101は、作成タイミングが到来すると(ステップS102でNOおよびステップS104でYES)、ナビゲーション要求情報、および蓄積したプローブ情報に基づいて未加工走行履歴テーブルTbl1を作成する(ステップS110)。
次に、経路処理装置101は、作成した未加工走行履歴テーブルTbl1および地図データに基づいて、走行履歴テーブルTbl2を作成する(ステップS112)。
次に、経路処理装置101は、作成した走行履歴テーブルTbl2を分析することによりドライバ嗜好テーブルTbl3を作成する(ステップS114)。
次に、経路処理装置101は、蓄積したプローブ情報に基づいて、パラメータPの初期値または更新後のパラメータPを含む傾向テーブルTblRを作成する(ステップS116)。
次に、経路処理装置101は、作成した走行履歴テーブルTbl2、走行履歴テーブルTbl3および傾向テーブルTblRを分析することによりルートポリシー判定用テーブルTbl4を作成する(ステップS118)。
次に、経路処理装置101は、プローブ情報を受信するか、または新たな作成タイミングが到来するまで待機する(ステップS102でNOおよびステップS104でNO)。
なお、上記ステップS114およびS116の順番は、上記に限らず、順番を入れ替えてもよい。
また、上記ステップS110~S118における各テーブルの作成処理は、所定の更新タイミングにおいて行う構成に限らず、任意のタイミングで行う構成であってもよい。
図26は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がナビゲーション情報の作成処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図26を参照して、まず、経路処理装置101は、車両1における無線端末装置151からナビゲーション要求情報を受信するまで待機する(ステップS200でNO)。
そして、経路処理装置101は、ナビゲーション要求情報を無線端末装置151から受信すると(ステップS200でYES)、受信したナビゲーション要求情報に含まれるルート決定用パラメータ情報Pr1に基づいて、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきか否かを判定する(ステップS202)。
経路処理装置101は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきと判定した場合(ステップS202でYES)、対象のドライバIDの各判定用パラメータをルートポリシー判定用テーブルTbl4から取得する(ステップS204)。
次に、経路処理装置101は、取得した各判定用パラメータを、ルート決定用パラメータ情報Pr1に含まれる優先パラメータに対する重みとして用いることにより、推奨経路決定用パラメータ情報Pr2を作成する(ステップS206)。
次に、経路処理装置101は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr2に含まれる各決定用パラメータを正規化することにより、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成する(ステップS208)。
一方、経路処理装置101は、ルートポリシー判定用テーブルTbl4を参照すべきでないと判定した場合(ステップS202でNO)、ルート決定用パラメータ情報Pr1と同じ内容を有する推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成する(ステップS210)。
次に、経路処理装置101は、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3を作成すると(ステップS208およびS210)、推奨経路決定用パラメータ情報Pr3、目的情報、ドライバ嗜好情報および地図データに基づいて推奨経路を算出する(ステップS212)。
次に、経路処理装置101は、ナビゲーション情報を無線端末装置151へ送信する(ステップS214)。
次に、経路処理装置101は、無線端末装置151から新たなナビゲーション要求情報を受信するまで待機する(ステップS200でNO)。
図27は、本発明の実施の形態に係る経路処理システムにおける経路処理装置がパラメータの更新処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図27を参照して、まず、経路処理装置101は、自己のナビゲーションすなわち推奨経路の案内が終了するまで待機する(ステップS300でNO)。
そして、経路処理装置101は、ナビゲーションが終了すると(ステップS300でYES)、無線端末装置151へアンケート要求情報を無線送信する(ステップS302)。
次に、経路処理装置101は、無線端末装置151からアンケートに対する回答を示す評価情報を受信するまで待機する(ステップS304でNO)。
経路処理装置101は、無線端末装置151からアンケートに対する回答を示す評価情報を受信すると(ステップS304でYES)、受信したアンケートに対する回答が否定的な回答であるか否かを確認する(ステップS306)。
経路処理装置101は、受信したアンケートの回答が否定的な回答である場合(ステップS306でYES)、当該回答の種類、すなわち当該回答がいずれの潜在ニーズに関するものであるかを判断し、当該回答に関連する潜在ニーズの構成要素の評価点数、すなわちパラメータPを更新する(ステップS308)。
一方、経路処理装置101は、アンケートに対する回答が否定的な回答でない、すなわち肯定的な回答である場合(ステップS306でNO)、処理を終了する。
なお、経路処理装置101は、図25~図27に示す各フローチャートの処理を、異なる処理として独立に実行することが可能である。
なお、本発明の実施の形態に係る経路処理装置101は、ナビゲーションの終了後にアンケートを行うようにしたが、これに限定するものではない。経路処理装置101は、ナビゲーションの開始直後、たとえば、推奨経路の提示を開始した直後にアンケートを行ってもよい。この場合、経路処理装置101は、ナビゲーションの開始直後にアンケート要求情報を無線端末装置151へ無線送信する。そして、経路処理装置101は、無線端末装置151からアンケートに対する回答を示す評価情報を受信すると、アンケートに対する回答の内容に応じてパラメータPを更新し、更新後のパラメータPを用いて推奨経路を更新する。
ところで、特許文献1に記載の技術を超えて、運転者にとってより有用な経路を算出するための技術が求められている。
具体的には、たとえば、ナビゲーション装置の推奨経路に対するユーザの満足度を向上させるために、ユーザに対して紙面等によりアンケートを実施し、実施したアンケートに対する回答に基づいて推奨経路を改善することが考えられる。
しかしながら、ユーザに対して紙面等によりアンケートを実施した場合、「分かりづらかった」、「走りにくかった」等の回答は得られるものの、具体的に何をどのように改善すればよいかの見当がつきにくいという問題があった。また、アンケートの内容が詳細になるほど、ユーザから有効な回答が得られる可能性が低くなるという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、車両1の経路に対する運転者の評価結果を示す評価情報を取得する。算出部32は、評価情報の示す評価結果に関連するパラメータであって車両1の経路計算に用いられるパラメータであるパラメータPを更新する。
このように、車両1の経路計算に用いるパラメータであって車両1の経路に対する運転者の評価結果に関連するパラメータであるパラメータPを更新する構成により、当該評価結果をパラメータPの更新に反映していくことができる。たとえば、単に「安さ優先」の回答によって「安さ優先」のルートに変更したり、「安さ優先」用のパラメータに設定したりする構成と比べて、運転者による同様の評価が継続すればパラメータPが毎回同じ方向に更新されるため、運転者評価をより反映した経路を算出することができる。したがって、運転者等のユーザにとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、取得部31は、運転者ごとの評価情報を取得する。算出部32は、運転者ごとにパラメータを設定可能であり、取得部31によって取得された評価情報に対応する運転者のパラメータPを更新する。
このような構成により、車両1の経路計算に運転者ごとの評価結果を反映することができるため、運転者ごとのより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、日種、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごとに設定されたパラメータを更新する。
このような構成により、日種、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごと、たとえば日種ごとおよび時間帯ごとにパラメータを設定することが可能となり、ユーザにとってより有用な経路を算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、車両1の走行履歴に基づいて、確率分布を用いてパラメータを算出し、更新処理において、算出したパラメータを更新する。
このような構成により、走行履歴および確率分布に基づいてパラメータが算出されるため、更新元となるパラメータをユーザにより適した値で算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、評価情報は、車両1が走行した経路に対する評価結果を示す。
このような構成により、実際に走行した後の評価結果を車両1の経路計算に反映させることができるため、より有用な経路を算出することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置は、さらに、パラメータに基づいて推奨経路を算出する経路算出部を備える。
このような構成により、運転者の評価結果をより反映した推奨経路を算出することができる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、算出部32は、更新処理において、パラメータを増加または減少させる。そして、算出部32は、複数種類の評価情報が取得され、かつ、各評価情報の示す評価結果に関連するパラメータが重複する場合、重複したパラメータのうちのいずれか1つのパラメータについて更新処理を行う。
具体的には、算出部32は、更新処理において、所定量パラメータを増加または減少させる。算出部32は、複数種類の評価情報が取得され、かつ、各評価情報の示す評価結果に関連するパラメータが重複する場合、重複したパラメータの更新処理における増加量または減少量を所定量に設定する。
このような構成により、必要以上にパラメータが変更されることを防止することができ、適度にパラメータを変更することができる。これにより、より有用な経路を算出することが可能となる。
また、本発明の実施の形態に係る経路処理装置では、車両1の経路に対する評価結果は、否定的な評価結果である。
このように、車両1の経路に対する否定的な評価結果に関連するパラメータであるパラメータPを更新する構成により、否定的な評価結果をパラメータPの更新に反映していくことができる。否定的な評価結果は、肯定的な評価結果と比べて、運転者の潜在ニーズをより反映している場合が多い。したがって、パラメータPをより適切に更新していくことができる。
また、本発明の実施形態に係る経路処理方法では、まず、車両1の経路に対する評価結果を示す評価情報を取得する。次に、評価情報の示す評価結果に関連するパラメータであって車両1の経路計算に用いられるパラメータであるパラメータPを更新する更新処理を行う。
このように、車両1の経路計算に用いるパラメータであって車両1の経路に対する評価結果に関連するパラメータであるパラメータPを更新する構成により、評価結果をパラメータPの更新に反映していくことができる。たとえば、単に「安さ優先」の回答によって「安さ優先」のルートに変更したり、「安さ優先」用のパラメータに設定したりする構成と比べて、運転者による同様の評価が継続すればパラメータPが毎回同じ方向に更新されるため、運転者の評価をより反映した経路を算出することができる。したがって、運転者にとってより有用な経路を算出するための情報を提供することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
移動体の経路に対する評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって前記移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部とを備え、
前記評価結果は、否定的な評価結果である、経路処理装置。
1 車両
31 取得部
32 算出部
33 経路算出部
34 決定部
35 記憶部
36 送信部
37 履歴登録部
44 決定部
101 経路処理装置
151 無線端末装置
301 経路処理システム

Claims (7)

  1. 経路処理装置において用いられる経路処理プログラムであって、
    コンピュータを、
    移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部、
    として機能させるためのプログラムであり、
    前記取得部は、ユーザごとの前記評価情報を取得し、
    前記算出部は、ユーザごとに前記パラメータを設定可能であり、前記取得部によって取得された前記評価情報に対応するユーザの前記パラメータを更新し、
    前記算出部は、前記移動体である車両の走行履歴に基づいて、前記ユーザの走行に関する値の平均値と、ユーザ全体の走行に関する値の平均値との差分を前記ユーザ全体の走行に関する値の標準偏差で規格化することにより算出される評価値、に割り当てられた評価点数を前記パラメータとして設定し、
    前記算出部は、前記更新処理において、設定した前記パラメータを更新する、経路処理プログラム。
  2. 前記算出部は、日種、時間帯および距離のうちの少なくともいずれか1つごとに設定された前記パラメータを更新する、請求項に記載の経路処理プログラム。
  3. 前記評価情報は、前記移動体が走行した経路に対する評価結果を示す、請求項1または請求項2に記載の経路処理プログラム。
  4. 前記経路処理プログラムは、さらに、コンピュータを、
    前記パラメータに基づいて推奨経路を算出する経路算出部として機能させるためのプログラムである、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の経路処理プログラム。
  5. 前記算出部は、前記更新処理において、前記パラメータを増加または減少させ、
    前記算出部は、複数種類の前記評価情報が取得され、かつ、各前記評価情報の示す前記評価結果に関連する前記パラメータが重複する場合、重複した前記パラメータのうちのいずれか1つの前記パラメータについて前記更新処理を行う、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の経路処理プログラム。
  6. 移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得する取得部と、
    取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行う算出部とを備え、
    前記取得部は、ユーザごとの前記評価情報を取得し、
    前記算出部は、ユーザごとに前記パラメータを設定可能であり、前記取得部によって取得された前記評価情報に対応するユーザの前記パラメータを更新し、
    前記算出部は、前記移動体である車両の走行履歴に基づいて、前記ユーザの走行に関する値の平均値と、ユーザ全体の走行に関する値の平均値との差分を前記ユーザ全体の走行に関する値の標準偏差で規格化することにより算出される評価値、に割り当てられた評価点数を前記パラメータとして設定し、
    前記算出部は、前記更新処理において、設定した前記パラメータを更新する、経路処理装置。
  7. 経路処理装置が実施する方法であって、
    移動体の経路に対するユーザの評価結果を示す評価情報を取得するステップと、
    取得した前記評価情報の示す前記評価結果に関連するパラメータであって移動体の経路計算に用いられるパラメータを更新する更新処理を行うステップとを含み、
    前記評価情報を取得するステップにおいては、ユーザごとの前記評価情報を取得し、
    前記更新処理を行うステップにおいては、ユーザごとに前記パラメータを設定可能であり、取得した前記評価情報に対応するユーザの前記パラメータを更新し、
    前記更新処理を行うステップにおいては、前記移動体である車両の走行履歴に基づいて、前記ユーザの走行に関する値の平均値と、ユーザ全体の走行に関する値の平均値との差分を前記ユーザ全体の走行に関する値の標準偏差で規格化することにより算出される評価値、に割り当てられた評価点数である前記パラメータを更新する、経路処理方法。
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