JP7035556B2 - ベルト装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Description
そして、特許文献1では、接触モードが切り替えられて、中間転写ベルトが変位しても、ベルト速度検知装置(光学センサ)が中間転写ベルトに対向してスケールマーク(スケール状パターン)を検知できるように、中間転写ベルトの変位に合わせてベルト速度検知装置も変位させている。
これに対して、上述した特許文献1の技術は、ベルト部材の変位に合わせて光学センサも変位させているため、ベルト部材が変位しても、そのような不具合を生じさせることなく、光学センサによってベルト部材のスケール状パターンが良好に検知される効果が期待できる。しかし、光学センサを変位させる機構や動作が複雑になってしまっていた。特に、光学センサが大型化、重量化された場合には、そのような問題が無視できないものになっていた。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(ベルト部材)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、特色)に対応した5つの作像部6Y、6M、6C、6K、6Sが並設されている。
黒色トナーや、カラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)や、特色トナーとしては、公知のものを用いることができる。
特に、特色トナーは、黒色トナーやカラートナーとは異なるもので、ユーザーの用途に合わせて公知のクリアトナー(透明トナー、無色トナー、無彩色トナー、ノーピグメントトナーなどである。)や白色トナーや金色トナーや銀色トナーなどを用いることができる。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8(ベルト部材)及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残留する。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上に5色からなる画像が形成される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に移動(走行)して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1S上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、用紙等のシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤が収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤は、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤は、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。
その後、現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤とともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
図3を参照して、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15は、ベルト部材としての中間転写ベルト8、5つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9S、駆動ローラ12A、2次転写対向ローラ12B、クリーニング対向ローラ12C、第1テンションローラ12D、従動ローラ12E、第2テンションローラ12F、第3テンションローラ12G、中間転写クリーニング部10、2次転写ローラ70、2つの光学センサ41A、40Bなどが設置されたセンサユニット40、ガイド部材としての第1、第2ローラ対61、62、等で構成される。
なお、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン-四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト8の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。また、上述した中間転写ベルト8の体積抵抗率は、「ハイレスターUP MCP HT45」(三菱化学社製)を用いて印加電圧100Vの条件にて測定したものである。
第1テンションローラ12Dは、中間転写ベルト8の外周面に当接している。2次転写対向ローラ12B、クリーニング対向ローラ12C、従動ローラ12E、第2テンションローラ12F、第3テンションローラ12Gは、それぞれ、中間転写ベルト8の内周面に当接している。2次転写対向ローラ12Bと第1テンションローラ12Dとの間には、中間転写ベルト8を介してクリーニング対向ローラ12Cに対向するように中間転写クリーニング部10(クリーニングブレード)が設置されている。
なお、2次転写ローラ70の表面に半導電性のフッ素樹脂やウレタン樹脂などの離型層を形成して、ローラ表面のトナーに対する離型性を向上させることもできる。
スケール状パターンは、光を反射する材料からなる反射部30pと、光を反射しないで吸収する材料からなる非反射部30sと、が移動方向(図4、図5において白矢印方向に示す中間転写ベルト8の移動方向である。)に交互に同じピッチXで配列されたものである。
なお、スケールテープ30の表面層に、公知のように、エッチング加工やプリントなどを施すことによって、スケール状パターン30p、30sを形成してもよい。
詳しくは、LED等の発光素子42から射出された光LBは、コリメートレンズ44を透過して平行光となった後に、整形板45に形成された複数のスリット45aを透過してスケールテープ30のスケール状パターン30p、30sに入射される。そして、スケール状パターン30p、30sに入射されて反射部30pで反射した光が、受光窓46を透過して、フォトトランジスタ等の受光素子43に受光される。そして、その光量に応じた出力が受光素子43(光学センサ41A、41B)から制御部90に向けて送られることになる。
ここで、整形板45における複数のスリット45a(本実施の形態では、3つのスリット45aである。)は、図6(A)、(C)に示すように、スケール状パターン30p、30sの形状に合わせて、そのピッチと形状(矩形状である。)とが定められている。そのため、スケール状パターン30p、30s(反射部30p)の形状に合わせた反射光が受光素子43に入射されることになり、精度の高いスケール状パターン30p、30sの検知が可能になる。
また、センサユニット40には、光学センサ41A、41B(保持部材47)との間に中間転写ベルト8を挟むように形成された押え部材49(押え板)が設けられている。詳しくは、本実施の形態において、押え部材49は保持部材47と一体的に形成されている。そして、保持部材47は、押え部材49と植毛シール部材48との間に中間転写ベルト8を挟み込むように構成されていて、中間転写ベルト8の振れ(ばたつき)を軽減して、光学センサ41A、41Bに対するスケール状パターン30p、30sの距離(対向距離)が変化しにくいようにしている。これにより、光学センサ41A、41Bによってスケール状パターン30p、30sの検知が精度良くおこなわれることになる。
植毛シール部材48(摺動部材)は、中間転写ベルト8と、光学センサ41A、41Bを保持する保持部材47と、の間において中間転写ベルト8に当接するように配設されている。植毛シール部材48は、保持部材47の対向面(中間転写ベルト8の内周面に対向する面であって、少なくとも光学センサ41A、41Bのセンサ面45、46に対向する面が開口部48aとなっている。)に貼着されている。植毛シール部材48は、スケールテープ30(スケール状パターン30p、30s)を傷つけないように、テフロンなどの低摩擦材料で形成されている。
なお、本実施の形態では、光学センサ41A、41Bがトナーや紙粉で汚れる不具合を軽減するために、中間転写ベルト8の内周面に対向するように光学センサ41A、41Bを配置したが、そのような不具合が無視できるような場合には中間転写ベルト8の外周面に対向するように光学センサ41A、41Bを配置して、スケール状パターンを中間転写ベルト8の外周面に形成することもできる。また、そのようにスケール状パターンを中間転写ベルト8の外周面に形成するときに、スケール状パターンをテープで形成する他、作像プロセスによってトナーで形成することもできる。
先に図4等を用いて説明したように、本実施の形態における中間転写ベルト装置15(ベルト装置)における中間転写ベルト8(ベルト部材)には、スケール状パターン30p、30sが形成されている。そして、所定の移動方向(図4の白矢印方向である。)に移動する中間転写ベルト8のスケール状パターン30p、30sを光学センサ41A、41Bによって検知して、その検知結果に基づいて制御部90による駆動モータ91の制御によって中間転写ベルト8の移動速度が狙いの値になるように調整されることになる。これにより、中間転写ベルト8の速度変動によるカラー画像の色ズレを軽減することができる。
ガイド部材としての第1ローラ対61は、光学センサ41A、41B(センサユニット40)に対して移動方向上流側に設置されていて、中間転写ベルト8を挟むように配置されている。ガイド部材としての第2ローラ対62は、光学センサ41A、41B(センサユニット40)に対して移動方向下流側に設置されていて、中間転写ベルト8を挟むように配置されている。
また、第1ローラ対61と第2ローラ対62とは、それぞれ、中間転写ベルト8の移動にともない連れ回りするように構成されている。具体的に、中間転写ベルト8が図8の矢印方向に移動すると、固定ローラ61a、62aは図8の反時計方向に回転して、可動ローラ61b、62bは図8の時計方向に回転することになる。
このように、第1、第2ローラ対61、62を5つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sの上流側(最上流の特色用の感光体ドラム1Sよりも上流側の位置である。)に設置することで、第1、第2ローラ対61、62が中間転写ベルト8の幅方向全域にわたって当接するように構成した場合であっても、第1、第2ローラ対61、62が、5つの感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sから中間転写ベルト8の表面に1次転写される画像に影響するようなことはない。また、第1、第2ローラ対61、62が中間転写ベルト8の幅方向全域にわたって当接することで、中間転写ベルト8を安定的にガイドすることができる。
これに対して、図8(B)に示すように、固定ローラ61a、62aと可動ローラ61b、62bとに挟まれた中間転写ベルト8が固定ローラ61a、61aの側(黒矢印で示す方向であって、上方である。)に変位すると、移動機構65は可動ローラ61b、62bを光学センサ41A、41Bに近づく方向(図8(B)の白矢印方向である。)に移動させる。これにより、上方に変位した中間転写ベルト8は、固定ローラ61a、62aに巻き付くようにガイドされて、第1、第2ローラ対61、62の間で、光学センサ41A、41B(センサユニット40)の検知面や押え部材49に対して接触せずに隙間をあけて、略平行になる。
また、図8(C)に示すように、固定ローラ61a、62aと可動ローラ61b、61bとに挟まれた中間転写ベルト8が可動ローラ61b、62bの側(黒矢印で示す方向であって、下方である。)に変位すると、移動機構65は可動ローラ61b、62bを光学センサ41A、41Bから離れる方向(図8(C)の白矢印方向である。)に移動させる。これにより、下方に変位した中間転写ベルト8は、可動ローラ61b、62bに巻き付くようにガイドされて、第1、第2ローラ対61、62の間で、光学センサ41A、41B(センサユニット40)の検知面や押え部材49に対して接触せずに隙間をあけて、略平行になる。
なお、本実施の形態では、中間転写ベルト8へのダメージを軽減するために、中間転写ベルト8を光学センサ41A、41Bに対して略平行に対向させるようにガイドするガイド部材としてローラ対を用いたが、中間転写ベルト8へのダメージが無視できるような場合には、ローラ対ではないガイド部材を用いても良い。
そのため、比較的簡易な構成で、中間転写ベルト8が変位しても、中間転写ベルト8が保持部材47や押え部材49に当接して折れてしまったり破損してしまったりする不具合が生じることなく、光学センサ41A、41Bによって中間転写ベルト8のスケール状パターン30p、30sを良好に検知することができる。
これに対して、本実施の形態では、ガイド部材として機能する第1、第2ローラ対61、62を設置しているため、そのような不具合が生じないことになる。
これに対して、そのようなモードの切り替えにともなう中間転写ベルト8の変位とは関係なく、中間転写ベルト8の変位を検知するセンサ(例えば、中間転写ベルト8の表面に対向するように設置される測距センサである。)の検知結果に基づいて、制御部90によって移動機構65を制御するように構成することもできる。そのような場合には、中間転写ベルト8に不規則な変位が生じた場合にも、上述したような不具合の発生を軽減することができる。
これに対して、図10(B)は、フルカラー特色モード時の状態を示す。フルカラー特色モード時には、5つのすべての感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sに中間転写ベルト8が当接するように、切替機構67が制御部90によって制御される。具体的には、切替機構67によって下方に移動される1次転写ローラはない。このフルカラー特色モードは、特色トナーとしてクリアトナーや白色トナーを用いる場合などが多く、フルカラーモードで形成するカラー画像に特色を加えて画像品質を向上するためのモードである。
また、図10(C)は、モノクロモード時の状態を示す。モノクロモード時には、ブラックの感光体ドラム1Kのみに中間転写ベルト8が当接して、カラー3色(イエロー、マゼンタ、シアン)の感光体ドラム1Y、1M、1Cと特色の感光体ドラム1Sとに対して中間転写ベルト8が離間するように、切替機構67が制御部90によって制御される。具体的には、切替機構67によってカラー3色の1次転写ローラ9Y、9M、9Cと特色の1次転写ローラ9Sとが下方に移動される。このモノクロモードは、カラーを用いることなく、ブラックのみを用いてモノクロ画像を形成するためのモードである。
また、図10(D)は、特色モード時の状態を示す。特色モード時には、特色の感光体ドラム1Sのみに中間転写ベルト8が当接して、カラー3色(イエロー、マゼンタ、シアン)の感光体ドラム1Y、1M、1Cとブラックの感光体ドラム1Kとに対して中間転写ベルト8が離間するように、切替機構67が制御部90によって制御される。具体的には、切替機構67によってカラー3色の1次転写ローラ9Y、9M、9Cとブラックの1次転写ローラ9Kと第3テンションローラ12Gとが下方に移動される。この特色モードは、特色トナーとして金色トナーや銀色トナーなどのYMCB以外の有色トナーを用いる場合などが多く、特色のみの単色画像を形成するためのモードである。
なお、切替機構67(切替手段)としては、例えば、カラー3色の1次転写ローラ9Y、9M、9Cと、ブラックの1次転写ローラ9Kと、特色の1次転写ローラ9Sと、第3テンションローラ12Gと、を別々に上下動させるカム機構を用いることができる。
具体的に、ユーザーが画像形成装置100に接続された端末を操作して、フルカラーモードが選択された場合(本実施の形態では、基準設定となっている。)には、図10(A)に示すように、可動ローラ61b、62bは固定ローラ61a、62aに真直ぐ当接した状態である。
これに対して、フルカラー特色モードが選択された場合には、図10(B)に示すように、制御部90の制御により、切替機構67の切り替え動作がおこなわれるとともに、第2ローラ対62の可動ローラ62bが図10(A)の状態から左方に移動するように移動機構65が制御される。これにより、光学センサ41A、41Bの下流側で中間転写ベルト8が上方に移動しても、光学センサ41A、41Bの対向位置では中間転写ベルト8が光学センサ41A、41Bの検知面に対して略平行にガイドされることになる。
また、モノクロモードが選択された場合には、図10(C)に示すように、制御部90の制御により、切替機構67の切り替え動作がおこなわれるとともに、第2ローラ対62の可動ローラ62bが図10(A)の状態から右方に移動するように移動機構65が制御される。これにより、光学センサ41A、41Bの下流側で中間転写ベルト8が下方に移動しても、光学センサ41A、41Bの対向位置では中間転写ベルト8が光学センサ41A、41Bの検知面に対して略平行にガイドされることになる。
また、特色モードが選択された場合には、図10(D)に示すように、制御部90の制御により、切替機構67の切り替え動作がおこなわれるとともに、第2ローラ対62の可動ローラ62bが図10(A)の状態から左方に移動するように移動機構65が制御される。これにより、光学センサ41A、41Bの下流側で中間転写ベルト8が上方に移動しても、光学センサ41A、41Bの対向位置では中間転写ベルト8が光学センサ41A、41Bの検知面に対して略平行にガイドされることになる。
そして、そのような場合に、光学センサ41A、41Bの上流側において中間転写ベルト8が変位する方向と、光学センサ41A、41Bの下流側において中間転写ベルト8が変位する方向と、が一致するときには先に図8(B)、(C)で説明したような第1、第2ローラ対61、62の動作になるが、双方の変位する方向が異なるときには第1、第2ローラ対61、62における可動ローラ61b、62bの移動方向が同方向になるように移動機構65が制御されることになる。
また、いずれのモードの切り替えをおこなっても光学センサ41A、41Bの上流側で中間転写ベルト8が上下方向に変位しないような場合には上流側の第1ローラ対61の設置を省略することができるし、いずれのモードの切り替えをおこなっても光学センサ41A、41Bの下流側で中間転写ベルト8が上下方向に変位しないような場合には下流側の第2ローラ対62の設置を省略することができる。
本実施の形態において、フルカラーモードは、最も使用頻度が高くて基準設定されているモードであるため(図10(A)の状態になっている時間が長いため)、そのように構成することで、中間転写ベルト8や第1、第2ローラ対61、62の機械的寿命を長くすることができる。
詳しくは、離間機構66(退避手段)は、カム機構などであって、図11に示すように、第1、第2ローラ対61、62の可動ローラ61b、62bを下方に移動させる機構である。そして、図11(A)に示すように、制御部90による離間機構66の制御によって、非画像形成時(画像形成動作が終了した後や、画像形成動作が開始される前などである。)には、可動ローラ61b、62bが中間転写ベルト8から離間するように下方に移動されて、画像形成動作がおこなわれているときには、図10に示すように可動ローラ61b、62bが中間転写ベルト8に当接するように上方に移動されることになる。このように制御することにより、中間転写ベルト8と第1、第2ローラ対61、62とが接触する時間を短くすることができるため、それらの機械的寿命を長くすることができる。
さらに、装置本体100の主電源がオフされて、中間転写ベルト装置15のメンテナンス(例えば、中間転写ベルト8の交換である。)がおこなわれるときは、離間機構66による可動ローラ61b、62bの下方への移動に加えて、切替機構67によって5つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sが下方に移動される。これにより、中間転写ベルト8を圧接する部材が少なくなって、中間転写ベルト装置15を装置本体100から引き出す作業をおこない易くなる。
これにより、中間転写ベルト8が変位しても、中間転写ベルト8が折れてしまう不具合などが生じることなく、光学センサ41A、41Bによって中間転写ベルト8のスケール状パターン30p、30sを比較的簡易に良好に検知することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト8の内周面にスケール状パターン30p、30sが形成された中間転写ベルト装置15に対して本発明を適用したが、中間転写ベルト8の外周面にスケール状パターン30p、30sが形成された中間転写ベルト装置15に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、スケール状パターン30p、30sが形成されたスケールテープ30が中間転写ベルト8に貼着された中間転写ベルト装置15に対して本発明を適用したが、スケール状パターンの形態はこれに限定されることなく、例えば、スケール状パターン30p、30sが中間転写ベルト8に直接的に形成された中間転写ベルト装置15に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト8のスケール状パターン30p、30sを検知する光学センサ41A、41Bが2つ設置された中間転写ベルト装置15に対して本発明を適用したが、中間転写ベルト8のスケール状パターン30p、30sを検知する光学センサが1つ又は3つ以上設置された中間転写ベルト装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
その場合、第1、第2ローラ対61、62が中間転写ベルト8上の画像に影響を与えないように、スケール状パターン30p、30sと同様に、第1、第2ローラ対61、62を非画像領域(幅方向端部)に設置することが好ましい。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
8 中間転写ベルト(ベルト部材)、
15 中間転写ベルト装置(ベルト装置)、
30 スケールテープ、
30p 反射部(スケール状パターン)、
30s 非反射部(スケール状パターン)、
40 センサユニット、
41A 第1光学センサ(光学センサ)、
41B 第2光学センサ(光学センサ)、
47 保持部材、
49 押え部材、
61 第1ローラ対(ガイド部材)、
61a 固定ローラ、 61b 可動ローラ、
62 第2ローラ対(ガイド部材)、
62a 固定ローラ、 62b 可動ローラ、
65 移動機構(可変手段)、
66 離間機構(退避手段)、
67 切替機構(切替手段)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、 P シート。
Claims (8)
- スケール状パターンが形成されて、所定の移動方向に移動するベルト部材と、
固定位置に設置されて、前記スケール状パターンを検知する光学センサと、
前記光学センサに対して移動方向上流側又は/及び移動方向下流側の位置に配置されて、前記ベルト部材を案内するガイド部材と、
前記ベルト部材が変位したときに前記ガイド部材の姿勢を変化させる可変手段と、
を備え、
前記ベルト部材は、複数の像担持体と前記光学センサとが対向するように並設されて、前記複数の像担持体の表面に形成された画像がそれぞれ1次転写される中間転写ベルトであって、
前記複数の像担持体のうちすべての像担持体に前記中間転写ベルトが当接するモードと、前記複数の像担持体のうち一部の像担持体に前記中間転写ベルトが当接してその他の像担持体から前記中間転写ベルトが離間する少なくとも1つのモードと、をそれぞれ切り替える切替手段を備え、
前記可変手段は、前記切替手段によって切り替えられるモードごとに前記ガイド部材の姿勢を変化させることを特徴とするベルト装置。 - 前記光学センサと前記ガイド部材とは、前記中間転写ベルトの表面に担持された画像が2次転写される2次転写位置を基準にして、前記複数の像担持体に対して移動方向上流側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のベルト装置。
- 前記可変手段は、前記切替手段によって複数の前記モードのうち、特定のモードに切り替えられたときに前記ガイド部材が前記ベルト部材に与える力が、他のモードに切り替えられたときに前記ガイド部材が前記ベルト部材に与える力に比べて、最も小さくなるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルト装置。
- スケール状パターンが形成されて、所定の移動方向に移動するベルト部材と、
固定位置に設置されて、前記スケール状パターンを検知する光学センサと、
前記光学センサに対して移動方向上流側又は/及び移動方向下流側の位置に配置されて、前記ベルト部材を案内するガイド部材と、
前記ベルト部材が変位したときに前記ガイド部材の姿勢を変化させる可変手段と、
を備え、
前記ガイド部材は、
前記光学センサに対して移動方向上流側に設置されて、前記ベルト部材を挟むように配置された第1ローラ対と、
前記光学センサに対して移動方向下流側に設置されて、前記ベルト部材を挟むように配置された第2ローラ対と、
であって、
前記第1ローラ対と前記第2ローラ対とは、それぞれ、固定位置に設置された固定ローラと、前記移動方向に沿う方向に移動可能な可動ローラと、からなり、
前記可変手段は、前記ベルト部材が変位したときに前記第1ローラ対と前記第2ローラ対とのうち少なくとも一方の前記可動ローラを移動させる移動機構であることを特徴とするベルト装置。 - 前記光学センサとの間に前記ベルト部材を挟むように形成された押え部材を備え、
前記固定ローラは、前記押え部材に対向する前記ベルト部材のベルト面側に配置され、
前記可動ローラは、前記光学センサに対向する前記ベルト部材のベルト面側に配置され、
前記移動機構は、
前記固定ローラと前記可動ローラとに挟まれた前記ベルト部材が前記可動ローラの側に変位したときには、前記可動ローラを前記光学センサから離れる方向に移動させて、
前記固定ローラと前記可動ローラとに挟まれた前記ベルト部材が前記固定ローラの側に変位したときには、前記可動ローラを前記光学センサに近づく方向に移動させることを特徴とする請求項4に記載のベルト装置。 - スケール状パターンが形成されて、所定の移動方向に移動するベルト部材と、
固定位置に設置されて、前記スケール状パターンを検知する光学センサと、
前記光学センサに対して移動方向上流側又は/及び移動方向下流側の位置に配置されて、前記ベルト部材を案内するガイド部材と、
前記ベルト部材が変位したときに前記ガイド部材の姿勢を変化させる可変手段と、
を備え、
前記ベルト部材の表面に画像が担持される動作がおこなわれていないときに、前記ガイド部材を前記ベルト部材に当接しない退避位置に移動させる退避手段を備えたことを特徴とするベルト装置。 - 前記光学センサの検知結果に基づいて前記ベルト部材の移動速度が調整されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載のベルト装置。
- 請求項1~請求項7のいずれかに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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